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初等中等教育分科会(第64回) 議事録

1.日時

平成21年2月27日(金曜日)10時~12時

2.場所

中央合同庁舎第7号館(文部科学省)東館3階 特別会議室1

3.議題

  1. 分科会長の選任等について
  2. 初等中等教育分科会運営規則等について
  3. 初等中等教育分科会の審議状況について
  4. 不登校の児童生徒への支援について
  5. その他

4.議事録

○新しい分科会長について、梶田委員が適任である旨の発言があり、了承された。
○梶田分科会長から、田村委員、木村委員が副会長に指名された。
○事務局からの説明の後、資料5のとおり、初等中等教育分科会運営規則が了承された。

 

【梶田分科会長】
 以上をもちまして本分科会のこれからの運営につきまして必要な手続が完了いたしましたので、ここで金森初等中等教育局長から一言ごあいさつをいただきたいと思います。 

【金森初等中等教育局長】
 初等中等教育局長の金森でございます。第5期の中央教育審議会発足後、最初の初等中等教育分科会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。本日ご出席の先生方には、初等中等教育分科会の委員にご就任いただき、まことにありがとうございます。また、梶田分科会長におかれましては、第4期より引き続き分科会長をお引き受けいただき、厚くお礼申し上げます。
 さて、初等中等教育に関する諸制度の改革につきましては、中央教育審議会におきまして、平成15年に今後の初等中等教育改革の推進方策に関する諮問を受けて、これまで教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正についての答申や、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、及び特別支援学校の学習指導要領等の改善についての答申など、数次にわたる答申を取りまとめていただきました。
 また、昨今の教育をめぐるさまざまな議論を踏まえ、昨年4月、教育振興基本計画についてご答申をいただき、7月に政府として初めての教育振興基本計画が閣議決定されたところでございます。今後は、こうした状況を踏まえつつ、これまでの答申を受けて専門的見地からさらなる検討が必要な事項について、初等中等教育分科会において審議を深めていただきたいと考えております。
 具体的には、少子化の進行などを背景にしながら、学校の活力を高めていく観点から、学校の適正配置や学校運営協議会など、小・中学校の設置・運営の在り方について、また、教育基本法や学校教育法の改正により、義務教育の目的や目標が規定されたことを踏まえた小学校と中学校の連携・接続の在り方など、学校段階間の連携・接続等について、不登校児童生徒の学校復帰や将来の社会的自立に向け、関係機関の緊密な連携のもとで一人一人の子どもが抱える課題にきめ細かく対応する観点から、不登校の児童生徒への支援について、さらに、これからの時代にふさわしい学校の在り方や教員の職務の在り方、及びそれらを踏まえた教職調整額の見直し方策など、学校、教職員の在り方、及び教職調整額の見直し等について、それぞれ引き続きご審議をいただきたいと考えております。委員の皆様それぞれのお立場から、どうぞ忌憚のないご意見を賜りたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。それでは私、ここで一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 先ほど分科会長にご推挙いただきました梶田でございます。この分科会、率直に言いまして、私よりずっとすぐれた学識を持った方々、あるいは、いろいろな経験を持った方々がお集まりになっております。そういう方々とご一緒に、いろいろなことがなければ2年間、皆さんでこれからの日本の初等中等教育について議論をしていくということについて、私は非常にうれしくといいますか、期待をしております。
 改めて言うまでもありませんが、私は、今は日本の学校教育の大きな変わり目だと思っております。大きな、大きな変わり目だと。第3期、第4期と、木村先生のご指導のもとで、いろいろなことで我々もご一緒に進んでまいりました。例えば新しい指導要領がスタートいたします。高校につきましても、伺うところによりますと3月には告示になると、あるいは特別支援学校についても3月には告示になる。幼・小・中については昨年告示になりました。いずれにせよ力をつけていく、育ちをきちっと責任を持って保障するという、そういう方向に向かって新たに気持ちを引き締めて取り組んでいくという教育要領、指導要領になったと、私は思っております。
 同時に、免許更新制の講習もこの4月、変わります。これは議論もあります。いろいろとありますが、しかし、世の中の人たちの願いは、やはりプロである力量のある教師が教壇でほんとうに子どもたちを育ててほしいという、その思いがこういうことになってきているんだろうと思います。しかし、先ほど金森局長の話にありましたように、教員の方々に一方的に負担を強いるということではなくて、それにつきましてはいろいろな教育諸条件の整備、教員の方々の働きやすい、一生懸命やれる、そういうことも、これは初等中等教育分科会、あるいはその下の部会等でも議論してきましたし、また、文部科学省、今いろいろと手を打っておられます。
 そういうことで、ほんとうにプロの教師が責任を持って幼・小・中・高、あるいは特別支援学校、子どもたちの教育に取り組んでいただいて、そして、改めて言うまでもありませんが、目先ではいっぱい問題がありますけれども、結局は子どもたち自身の人生をつくっていくわけですね。これを私たちは忘れないようにしないといけないと思うんです。幼・小・中・高のこれで結局子どもたちが幸せな充実した人生を送れるかどうか、私は決まってくるだろうと思っております。そして、同時に、これは日本の社会の未来をつくっているわけです。10年後、20年後、30年後、政治家だったら次の選挙を考えればいいし、いろいろなお役所だったら次の予算を考えればいいですけれども、我々はここで10年後、20年後、30年後の日本の社会をどうするかということを本気に考えなければいけない。
 たるんだ子どもたちを育てていったのでは、日本の社会は全部たるんでしまうわけです。そして、沈没するわけです。といって、いつも頑張れ、頑張れと叱咤激励ばかりするわけではないけれども、しかし、人間としてしっかりとして、力量を持って、そして、日本の社会に対して自覚して、責任を持って背負っていけるような次の世代をつくっていかなければどうにもならない。私は今、ほんとうに世の中全部の人たちが、日本の学校に対してそういう熱い期待の眼差しを持っていると思います、このままでいいのかという。
 ということで、私たち、この初等中等教育分科会では当面のいろいろな問題について議論しなければいけませんが、同時に、くどく言いますが、子どもたち一人一人の人生というものをつくっていく。これから30年、40年、50年、子どもたちが充実した人生をやっていけるか、私たちはそれについて大きな影響力を持って、そういう議論をしているんだと。同時に、日本の社会、ほんとうに世界で尊敬されるような社会にしていくためには、やはりここで長い見通しの中で議論しなければいけないんだということを思います。
 あまりこういう演説をしているとしかられますのでやめますけれども、就任に当たりまして、2年に1回のことですのでお許しいただきまして、ただ、多分皆さんと思いは同じだと思っておりますので、長い見通しの中で当面のいろいろな問題につきまして率直に忌憚のない議論を重ねて、ほんとうに道を誤らないようにしていきたいなと思っております。それでは、よろしくお願いいたします。
 それでは、きょうの審議の内容に入りたいと思います。これまでの初等中等教育分科会の審議の状況につきまして、また、それを踏まえて第5期、どういう議論をすべきか、どういう問題が残っているかということにつきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

【佐藤教育制度改革室長】
 失礼いたします。そうしましたら、資料6をご参照いただければと存じます。「中央教育審議会初等中等教育分科会の審議状況について」という資料を入れさせていただいてございます。資料の下にページ数がございますが、今回第5期でございますけれども、前期、第4期の検討状況等につきましては9ページ以下にまとめてございますので、そちらのほうもご参照いただければと存じます。
 まず第5期の初等中等教育分科会の当面議論すべき課題ということで1枚目の資料と、まず1点目の小・中学校設置・運営の在り方につきましては、2ページ以降に少し詳しい資料も入れてございますので、そちらもあわせてお目通しをいただければと存じます。小・中学校の設置・運営の在り方につきましては、現在作業部会でご審議をいただいておりまして、有識者、自治体の方々からのヒアリングなどをトータル10回やってございます。その中で学校の適正配置の問題、学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティ・スクールにつきましてご検討いただいてございます。それから、学校選択制についての検証をいただいているところでございます。
 それから、学校段階間の連携・接続等について。学校段階間の連携・接続については、子どもたちの発達段階や学びの連続性という観点からご検討、ご議論をいただくこととなってございます。すぐれた才能や個性を伸ばす学習機会について、いわゆる飛び級の扱いについて、こういったテーマもございます。
 本日、この後ご審議をいただくこととなってございますが、不登校の児童生徒への支援という点も1つ、テーマとしてございます。
 もう一つ作業部会がございまして、6ページ以降に少し詳しい資料を入れてございますけれども、そちらもあわせてお目通しをいただければと思いますが、学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等についてということで、こちらも作業部会を設けまして、これまで計6回、自治体関係者、学校の関係者などのヒアリングを中心に議論してまいりました。今のところテーマといたしましては、そこにございますように、今後の学校の在り方について、教職員の職務の在り方について、教員の勤務時間管理の在り方について、勤務時間の弾力化について、教職調整額の見直しについて、こういった点をテーマにご議論をいただいているところでございます。
 こういった点が、今回、第5期の初等中等教育分科会で前期から引き続いている議題でございまして、当面ご議論をいただくことを予定している議題でございます。ご紹介をさせていただきました。よろしくお願い申し上げます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。もし、今のご説明いただいたところにつきましてご質問があれば、出していただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題でございます、不登校の児童生徒への支援について、これに移りたいと思います。不登校の問題につきましては、この初等中等教育分科会でこれまでにもいろいろな形で取り上げていただいてきたところであります。今回は、昨年11月に高校の不登校やいじめ、暴力行為などの調査結果が公表されました。これを1つ手がかりにしながら、不登校問題を中心に、それに関連していじめや暴力行為等々の生徒指導上の諸問題も含めましてご審議をお願いしたいと思います。
 最初に事務局から、現在の状況とか、施策等々につきましてご説明をお願いしたいと思います。

【磯谷児童生徒課長】
 児童生徒課長、磯谷でございます。よろしくお願いします。私のほうから、資料7-1から4までございます。10分ほどお時間をちょうだいしまして、4点についてご説明をさせていただきたいと思います。
 まず、1点目でございます。昨年8月に速報値を公表しまして、12月に確定値として公表いたしました小・中学校の不登校の状況、及び昨年11月に公表いたしました、いじめ、校内暴力等の状況につきましてご説明を申し上げたいと思います。
 まず、資料の順番に沿ってご説明いたします。昨年10月に開催された本分科会におきましても、19年度の小・中学校の不登校の状況についてご説明いたしましたが、その後、昨年の12月に確定値を公表したということがございますので、改めてご説明申し上げたいと思います。
 資料7-1の1ページをおめくりいただきたいと思います。平成19年度の国公私立の小・中学校における不登校児童生徒数は12万9,000人ほどということで、前年度に比べまして2年連続の増加ということになってございます。特に中学校における不登校生徒数は10万人ということでございまして、全生徒に占める不登校生徒の割合が2.9パーセントということで、過去最高ということになってございます。ここで申し上げています不登校というのは、最初のところにも書いてございますが、年間30日間以上欠席した児童生徒ということでございます。何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的な要因、背景によりまして児童生徒が登校しない、あるいは、したくてもできない状態ということで定義を定めてございます。
 4ページをお開き願いたいんですが、こうした不登校になったきっかけと考えられる状況といたしましては、一番多いのは、細かいところで申しわけございませんが、本人にかかわる問題ということで、左の区分でいきますと下から3番目でございます。こうした本人の問題といいますのは、例えば無気力であるとか、人間関係をうまく築くことができない、集団に入ることができないといった例が挙がってございます。
 それから、8ページをお開き願いたいと思います。資料が飛んで恐縮でございます。学校内外の機関において相談を受けた児童生徒の割合でございますが、全体の67パーセントということで、前年度よりも増加いたしております。また、小・中学校の不登校生徒に関しましては、指導要録上の出席扱いという取り扱いをできるようになっておりまして、学校外の機関、例えばフリースクールなどで指導を受けた子どもたちについても出席扱いとみなすことができるという制度がございますが、こうした取り扱いを受けた生徒の割合も、前年度に比べまして増加しておりまして、現在39.3パーセントに至ってございます。
 それから、不登校以外の小・中学生、あるいは高等学校の問題行動でございます。暴力行為についてご紹介したいと思いますが、13ページ以降が児童生徒問題行動の調査でございます。暴力行為につきましては、飛んでいただきまして17ページに合計の数字が出てございます。17ページ、これも小さい数字でまことに申しわけございませんが、合計のところで小・中・高等学校それぞれにつきまして件数が出ております。トータルで5万2,756件ということで、これは前年度よりも18.2パーセントの増加ということでございまして、小・中・高すべての学校種で過去最高の件数に上ってございます。
 16ページから17ページ、今ごらんいただいているところでございますけれども、暴力行為を形態別に見ますと、生徒間暴力が2万8,000件ということで、最も多くなってございます。
 先に飛んで申しわけございませんが、次は「いじめ」でございます。27ページをおめくりいただきたいと思うんですが、いじめにつきましては、27ページの(2-1)の上段の脚注のところに(注2)というのが小さく書いてございまして、いじめの定義につきましては「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。なお起こった場所は学校の内外を問わない」ということで調査をしております。この定義につきましては、2年ほど前にこういう定義にさせていただいております。
 この認知件数でございますが、小学校が4万8,000件、中学校が4万3,000件、高等学校が8,000件、特別支援学校300件といったことで、全体で10万件を超える数でございます。前年度に比べますと2万3,000件、約19パーセント減少しておりますが、依然として相当数に上っているということでございます。
 平成19年度間にいじめが認知されたうちの解消しているものの割合というのが全体の79.7パーセント、約8万件ということでございます。
 いじめの認知をした学校数で見ますと、これは27ページの今ごらんになっているところでございますが、全体で1万8,000校でございます。学校総数に占める割合が46.9パーセントということになってございます。
 35ページに飛んでいただきたいと思います。いじめの対応についても調べております。一番典型的なものとして、冷やかしやからかい、悪口やおどし文句などにつきまして64.3パーセントということでございます。なお、パソコン、あるいは携帯電話等で誹謗中傷や嫌なことをされるというのが、こちらの一番下から2番目のところに書いてございますが、全体の中ではさほど多くはありませんが、前年度と比較しまして約20パーセントの増加で、現在5,899件ということで、こうしたいじめの状況につきまして増加傾向にあるということが伺えます。なお、携帯電話の取り扱い等につきましては後ほどご説明したいと思います。
 次に、42ページから44ページをごらんいただきたいと思います。今回の調査の中で初めてこうした区分をさせていただきました。先ほどいじめを認知した学校数が全体の46.9パーセントと申し上げましたが、いじめを認知した学校と認知していない学校において、それぞれいじめに関する取り組みはどう違うのかというのを掲げさせていただいております。
 いじめを認知した学校に比べまして、いじめを認知していない学校のほうがアンケート調査の実施、あるいは個別面談の実施といったところでのパーセンテージが低いという傾向が出てございます。
 いじめは以上でございますが、49ページに飛んでいただきまして、いわゆる高等学校における長期欠席者数、年間30日以上欠席した者についても調べております。一番上の表でございますが、その中で高等学校における不登校の生徒数もつかまえております。5万3,000人ということで、高校につきましては不登校は4,500人ほど前年度よりは減少しております。7.8パーセントの減少でございます。在籍者数に占める割合は1.56パーセントということで、これも若干減少してございます。平成16年度に高校の不登校について調査を開始しておりますが、以来、減少傾向を示しているということでございます。
 52ページでございますが、高校におきます不登校になったきっかけでございます。小・中学校と同じく、本人にかかわる問題というのが一番多くございます。続いて、学業の不振14.6パーセントといった数字、上から4番目でございますが、そのような状況になってございます。
 54ページでございます。後ほどまたこれについてご説明申し上げますが、今回の調査から初めて調査項目として追加いたしましたが、学校外の施設、機関で相談・指導を受けた不登校生徒数というのが約5万人の中の1万人ございまして、不登校生徒に占める割合が約20パーセントということになってございます。
 これらに関しまして、以上が調査の結果のご説明でございますけれども、資料7-1の一番最後、69ページにございますけれども、先ほどの暴力行為の伸びが大きいことにかかわる毅然とした指導を行う必要があるということとか、あるいはいじめの状態把握について、いじめを認知していない学校でも、きちっとアンケート調査、あるいは定期的に児童生徒から話を聞く機会を必ず設けるということを、69ページから70ページにある通知の中で示させていただいております。以上が問題行動関係でございます。
 資料7-2、予算について若干ご説明を続けさせていただきたいと思います。資料7-2でございますが、21年度の予算、5つほどポイントがございます。まず最初に、児童生徒の体験活動の充実につきまして、おめくりいただきまして1ページ、2ページに書いてございます。特に、豊かな体験活動推進事業につきましては、21年度において、20年度から開始しました農林水産省、総務省と連携して行っている「子ども農山漁村交流プロジェクト」に関しまして、農山漁村におけるふるさと生活体験推進校の拡充というのをさせていただいております。
 2ページのぽんち絵のようなところの中の豊かな体験活動推進事業の(3)のところに書いてございますが、47都道府県で全国で517校という予算積算になってございます。
 次に、3ページ、4ページでございます。いじめ対策緊急支援総合事業の継続実施でございます。こちらにつきましても、外部の専門家等からなるチームの設置、派遣の在り方についての調査研究ということで、例えば危機管理緊急支援、あるいは日常支援というチームを組むといったこと、4ページ目の一番下にございますが、子どもたちによるいじめ根絶運動の支援事業をしているところでございます。
 3番目としまして、次の5ページ、6ページでございますが、こうした問題行動等に関しまして、未然防止、早期発見、早期対応につながる取り組みを学校関係者等を中心として進める、問題を抱える子ども等の支援事業継続実施でございます。それから、その中にはNPOといった民間の事業者との連携も含まれてございます。それが5ページ、6ページでございます。
 それから、7ページ、8ページ、10ページあたりでございますが、教育相談を必要とする児童生徒が適切な教育相談を受けることができるように、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの活用による教育相談体制のさらなる充実ということも引き続き行っております。8ページの上のところに、スクールカウンセラーにつきましては、中学校へは全校配置が予算上実現しておりますけれども、小学校への配置につきまして、21年度に向けては3倍以上の増ということを予定しております。
 以上が予算の説明でございます。先を急いで恐縮でございますが、資料7-3でございます。昨日も新聞をにぎわせておりましたが、あるいは1月30日で文部科学省の通知を出しましたので、皆様方も新聞等でごらんになっていると思いますが、資料7-3に携帯電話の取り扱いについての通知などについてつけさせていただいております。
 資料をめくっていただきまして、1ページ目に通知がございます。携帯電話につきましては、子どもたちの安全確保のために利用するといった重要な観点もございますが、一方で、携帯電話を使ったメールによるいじめ、あるいは有害情報などを通じての犯罪に巻き込まれるといったことが社会的に大きな問題となってございます。ごらんいただいている通知を1枚おめくりいただいて、2ページ目でございます。1月30日に出しました通知の中で、学校における携帯電話の取り扱いに関しましては、既に昨年7月に各学校とか地域の実態に応じて方針を明確化、指導を徹底するように通知しておりますが、改めてこの通知の中で、小・中学校では持ち込みは原則として禁止すべきこと。もちろん、いろいろな通学の事情等があって例外もございます。あるいは、高等学校では持ち込みを認める場合には、授業中での使用禁止などのルールをちゃんと定めてほしいということで、各学校教育委員会において、こうした指針に沿ってそれぞれの方針を定めてほしいという通知を出させていただいております。
 また、こうした学校への携帯電話の持ち込みの制限ということはあくまで手段の1つでございまして、ネット上のいじめの問題の解決ということに全面的に寄与するものではございませんので、3ページ目のところに書いてございますように、情報モラル教育をしっかりと教えていくことが重要であるということも示してございます。さらに、ネット上のいじめから子どもたちを守るための家庭や地域における取り組みも重要でありまして、こうした働きかけということを3ページ目の4のところで述べてございます。
 また、先ほどちょっと触れました、きのうの新聞に載ってございます、9ページに子どもの携帯電話の利用に関する調査の結果につきましても、速報値、概要についてお示ししております。いろいろと特色はございますが、例えば学年が進むにつれて、保護者が考えている以上に子どもたちが携帯電話をよく使用しているということとか、携帯電話のメール件数が多い子どもが就寝時間が極めて遅くなっていると、生活面での影響も懸念されるところでございます。
 あるいは、家庭でのルールの有無などについて、保護者が関心が高い場合、低い場合によって、子どもたちもその利用マナーの意識に差が見られる。あるいは、子どもや保護者、共通して言えますが、きちっと携帯電話の危険性等について学習をしている場合については認識が高いとか、そういったような特徴が見られているところでございます。
 11ページでございますが、こうした子どもの携帯電話をめぐる問題に関しましては、文部科学省は通知を出すだけではなくて、これまでもさまざまな取り組みをしております。まずは実態を把握するということ、あるいは児童生徒や保護者への啓発ということで、リーフレット、パンフレット等も発行し、お配りしております。それから、12ページのところで、先ほど申し上げたモラル教育の推進などについても掲げてございます。今後とも、平成21年度の予算案も含めまして、取り組みの充実を図ってまいりたいと思ってございます。
 以上で7-3が終わりまして、最後に7-4でございます。高等学校における不登校生徒の対応ということでございます。先ほどご紹介いたしましたように、高等学校の不登校については教育上の大きな課題になってございますが、特に将来のニート、引きこもりといった社会的な問題との関連も指摘されておりまして、若者の社会的自立という観点からも、不登校対策を充実していくことが重要であると認識しております。
 義務教育段階での不登校児童生徒がフリースクールとか適応指導教室といった学校外での施設で相談・指導を受けている場合、先ほどご紹介しましたように、平成4年からそうした児童生徒の努力を学校として評価し、支援するために、当該小学校長、あるいは中学校長がその児童生徒が施設に通っている通所日数につきまして、指導要録上の出席扱いができるという制度を既に設けてございます。
 そして、今回につきましては、2番の内容というところに書いてございますように高等学校におきましても、今回、先ほども申し上げた調査においても明らかなように、学校外の施設、あるいは機関で相談・指導を受けている児童生徒、不登校の生徒がかなりの件数、相当数に上っているということがございますので、生徒がこうした学校外の機関で相談・指導を受けて努力しているということを高等学校としても評価していただいて、将来の社会的自立につなげていただくという観点からも、義務教育と同様の仕組みの実施ということで、今準備をしているところでございます。
 また、3番のその他で書いてございます、小・中学校でこうした出席扱いとされました児童生徒に関しましては、児童生徒が通っている施設への通所が長期に及ぶこともあるということで、そうした場合には交通費の負担軽減措置ということで、事業者の通学定期乗車券が発売され、割り引きがなされているということでございます。高等学校におきましても、先ほどの指導要録上の出席扱いという制度を導入された暁には、こうして同じように通学定期乗車券の割り引きということで、今JR等各社との調整を行っているということもあわせてご報告申し上げます。
 済みません、時間を超過いたしましたけれども、以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。ここで、先ほど副分科会長に指名させていただきました田村先生がご到着になりましたので、一言ご紹介いたします。

【田村副分科会長】
 田村でございます。大事な会に遅参いたしまして、校務のためにどうしても時間が間に合わなくて申しわけございませんでした。よろしくどうぞお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、この不登校、いじめ、こういう問題につきまして、皆さんにご意見、ご質問をいただく前に、実はこの問題につきまして、特に不登校等につきまして、長い間森田先生が随分ご研究を進めてきておられますので、森田先生のほうからお話を伺いまして、皆さんでご質問、ご意見をいただきたいと思います。では、森田先生、お願いいたします。

【森田委員】
 失礼いたします。経験だけは長いんでございますが、学識、あるいはこういう不登校問題に関するかかわりを持っておられる方、私よりずっと見識の高い方がいらっしゃいまして、釈迦に説法の面もないわけではございませんが、私なりに少し整理させていただこうと思っております。
 時間も短いものですので、いろいろな側面を捨象、あるいは私が遺漏する場合もございますが、その点はお許しいただきたいと思っております。資料といたしましては、皆さん方のお手元に8といたしまして、平成4年の「登校拒否(不登校)問題について」、これは学校不適応対策調査研究協力者会議の報告と、この基本的な線を踏襲しながら平成15年にまとめられました不登校問題に関する調査研究協力者会議の報告の骨子、これを入れさせていただいております。きょうはこの骨子に沿いながら少しご説明申し上げたいと思っております。
 まず、この不登校問題をどうとらえるかということでございます。これは随分我々の日本社会で長い歴史を持っておりまして、以来、いろいろと概念も、用語も、とらえ方も、あるいは対応策もがそれにつれて変遷してまいりました。しかし、前のものを否定するというわけではなくて、それぞれが複雑化し、多様化する側面をとらえながら、今日の認識に至ってきているととらえていただければいいかと思っております。
 ともあれ、この問題、今現在の認識の仕方としては、要因も、あらわれ方も非常に多様で複雑であるというとらえ方をされております。しかし、こういう認識そのものが当初からあったわけではございません。当初は第2次世界大戦の戦後の混乱期の中で、経済的な理由、あるいは家庭の無理解というところから不就学というのが随分出ました。その不就学の中で精神医学的な行動異常児という問題があって、就学しているにもかかわらず、籍を持っているにもかかわらず、そういう子どもたちがあらわれてきた。それに対してどうするかという研究が始まりました。
 以来、当初はずっとその中で精神医学的な行動異常として、あるいはスクールフォビア、学校恐怖症としてとらえられてきた側面がございます。しかし、その後日本の社会の中で、この生徒指導上の問題をたどってみますと、非行問題が第1のピーク、第2次のピーク、第3のピークという具合に進んでまいりました。その中で、いわゆる「怠学」という問題があらわれてまいりまして、その問題も絡めてこの登校拒否という問題としてとらえていこうという傾向が出てまいりました。
 現在、俗に遊び非行型と言われるものの原型の問題意識がそのあたりで形成されてきたものだろうと思っております。それが1970年代の末から80年代、校内暴力、非行の第3のピークを終えまして、そこで文部科学省が生徒指導資料というのを1983年に出しました。そこで改めて、これは生徒指導資料でございますので、現在のような児童生徒に直接支援に当たるというわけではなくて、こういう問題に対して教職員の意識を啓発し、さらにその指導の資料にしていくという観点からの取り組みでありましたが、その段階から、精神医学的な問題だけではなくて、教育としてこれに向き合わなければいけないという姿勢が我が国にでき上がってきたわけであります。
 これが、ある意味では、登校拒否、不登校と言われる現象に対して、行政、あるいは文部科学省が最初に提案した原点だろうと、最初の出発点だろうと考えております。以来、その問題は、多くは研究者によれば、例えば神経症的傾向という、従来の精神医学的な傾向を引きずった子どもと、怠学的傾向と言われる、この2つに分類を行いながら、なおかつ、その2つに含まれないものをその他、あるいは中間とか、中間型とか、いろいろな呼び方がございますが、そういうことで研究者はまとめ上げてまいりました。
 しかし、その後80年代から90年代にかけまして暴力問題、あるいはいじめ問題が少し統計上鎮静化した中で、再びこの問題が脚光を浴びるという経緯を持ちました。と申しますのは、民間施設に入所していた子どもの痛ましい事件が80年代の後半、ご存じだったと思いますが、起こりまして、これが社会の関心を呼びました。そこでこの不登校、登校拒否と言われる問題に再び社会の関心が集まりました。
 さらに、現場の中では、今申し上げた2つのタイプ以外の問題が随分増えてきたということで、この問題に対応するために、先ほどの最初の平成4年の協力者会議のもとになる協力者会議が成立していったわけであります。その間学校嫌いであるとか、それから、先ほどの協力者会議は、先ほど申し上げましたように学校不適応対策、要するに不適応、あるいは学校嫌いというふうにとらえられておりました。しかし、この平成4年の報告の資料をごらんになっておわかりのように、登校拒否(不登校)と書いてあります。この概念に、このあたりから社会の中も、あるいは行政のほうが徐々に変遷し、変えて、今日の不登校という概念に至ったと考えていただければいいかと思います。
 これは、ある意味では不登校という形で広げるということは、当時は問題の根を広げるという批判も随分ございました。しかし、今日の、先ほど複雑化、多様化するという問題を改めて考え直してみますと、先ほど梶田分科会長がおっしゃいましたように、この不登校という問題は、子どもが豊かな人間性をはぐくんで、社会性を身につけ、さらには生涯学習を支えるような学力を身につけていく。そして、それぞれが自分の人生の中で豊かな人生を送れるように自己実現を図っていくということが教育本来の目的でありまして、そういう目的を果たす。あるいは、もう一つの側面といたしまして、子どもたちが社会の構成員としてその資質、能力を備えていく、育成を図っていくということが大きな目的であります。そういう目標にかんがみまして、この問題というのは、それをめぐるさまざまな子どもの育ち、こういう環境をめぐる問題が集約されていると、そういう問題としてとらえる必要があろうかと思っております。
 と申しますのは、一般に不登校、登校拒否というのは、当初は個人の問題、それをはぐくんだ家庭の問題、あるいは、しつけの問題というふうに単純化してとらえられていた問題でありますが、その中には、それ以外にさまざまな学校生活をめぐる問題、子どもたちの育ちの環境、地域の環境、社会の問題、それがいろいろな形で投影している問題だというふうにとらえることが妥当なとらえ方だろうと思っております。
 先ほど磯谷課長のほうから定義がございました。この定義は学校基本調査にかかわる長期欠席の中に、経済的な理由と、それから本人の病気とこれを除いたもの、これがすべてになっております。不登校という概念は、そもそもこういう意味合いからしますと、病気、経済的理由を除いたすべての理由による欠席ととらえることができます。
 したがって、当初スクールフォビアと申しましたが、当時はスクールフォビアなり、スクールリフューザルと訳されておりましたが、現在ではノンアテンダンスととらえられておりまして、その中で今申し上げた理由以外のものが入ってまいります。という具合に考えますと、今の不登校という概念は、これは誇張でございますが、経済的理由や病気を除いた残余のカテゴリーをすべて含み込んだ概念である。ある意味では、俗に言われておりますが、大きく包んだふろしき概念だというふうに考えていただき、それが30日以上になっときに不登校と称されるとお考えいただければいいかと思います。
 そういう面では、今の子どもたちが抱えているさまざまな問題が出席行動にあらわれたとき、その問題が不登校として我々の関心、あるいは教育の対象、指導の対象になってくるという側面を持っているということでございまして、今の子どもたちの育ちの環境というものがさまざまな形で集約されてくると考えていただいていいかと思います。
 そういう認識の中で、先ほど申し上げました平成4年の不登校の協力者会議には、不登校の大きな認識の仕方として、今や特定の子どもだけに起こる現象ではなくて、どの子にでも起こる可能性があるという認識を示しました。これは、不登校の認識に関しまして非常に画期的な、大きな見方の変化であったととらえられます。その中には、単に個人や家庭の病理だけではなく、社会の病理といいますか、あるいは学校の抱えているさまざまな問題というものが全部投影したものだととらえられております。
 もう一つは、どの子にでも起こる可能性があるということでございます。この報告書が出たあたりの不登校のカウントは30日ではなくて50日でございましたが、当時はたかだか1パーセントに満たない、0.9パーセント、あるいは1パーセントあたりの数字でございまして、100人に1人の数字でございました。その100人に1人の数字がどの子にでも起きる可能性があるという、あと99人に適用するということは、そのすそ野に非常に大きな問題が広がっているととらえられます。当時私も子どもたちの実態調査をいたしました。これは全国調査でございますが、子どもたちの意識を測定いたしました。そのときにあらわれてまいりましたのが、1つは、大きくは登校回避感情と言われるものでございまして、欠席、あるいは遅刻、早退に至る前に、先ほどおっしゃったように、学校へ行くのが嫌だ、あるいは行けない、苦しいという心理状態を総称しての数字でございます。
 たかだかというぐあいに当時は言われていたんですが、1パーセント前後でございますが、遅刻、早退を含めますと、約4分の1がこれに当たります。さらに、これに今の登校回避感情というものを加えますと、大体全体の3分の2の子どもたちが過去1年間にそういう思いを抱きながら学校へ行ったということでございまして、そのすそ野に広がる登校回避感情と言われるものを、我々は教育の対象として正面から取り組む必要があるというふうに私も認識したいし、この協力者会議も、そういう意味でどの子にも不登校が起きる可能性があると表現したところでございます。
 それに基づきまして、現在のところさまざまな施策が展開されております。先ほどの資料の新しいほうの平成15年版をごらんいただきますと、幾つかの不登校に対する基本的な考え方が第3章として載っております。背景、要因は、皆さん方、ご専門でございますので、さまざまなものがございますので、時間がございませんので、ここであえて重ねません。この中には子どもたちの問題、あるいは家庭の教育力の低下、一部でございますが、保護者の意識、つまり学校へ通わせることに対する意識、こういうものが希薄化しているだとか、あるいは学校におけるいじめ、暴力行為等のさまざまな問題行動というのも、この不登校に絡んでおります。
 あるいは、さらにそれに加えて複雑化、多様化を見せてきておりますのが、最近の新しい1つの問題とされておりますLD、ADHDと言われる問題、児童虐待という問題が絡んで非常に悲惨な事件も起きておりますが、こういう問題等も絡んでおりまして、背景、要因等は一様ではございません。その一様でない複雑化した、あるいは多様化した要因とあらわれ方に対してどう対応していくかということが、我々教育の問題としては一番大きな問題として考えなければいけないことだろうと思います。それだけにこの問題は、例えば、先ほど磯谷課長も少しおまとめになられましたが、子どもたちの無気力だとか、学習意欲の低下、あるいは耐性がなく未成熟だとか、こういう社会性にかかわる問題、学校へ行く義務感の希薄化など、不登校児童生徒だけでなく、今日の多くの子ども達の教育をめぐる問題にもかかわってまいります。
 こういう問題を考えた場合には、これは単に問題行動の1つの形態としてそれに取り組む、対応していくということではなくて、教育の根幹にかかわる問題をそこに大きく含んでいるということでございます。
 さらには、これは、これまでは義務教育の問題として措置されてまいりました。しかし、この報告書が出ました後、文部科学省は高等学校への調査を始めまして、先ほどご紹介のような高等学校における不登校という問題もあらわになってまいりました。私は講演するときには、これまでは不登校は高等学校にはございませんと表現してきたんです。つまり、これは教育行政概念でございますので、欠席日数でカウントしていって、その欠席理由で区別していきますので、日本の社会の中ではこれは義務教育であるからこそ、そこのところで不登校という概念が成立するのであって、不登校という概念は、高等学校は義務教育ではないので、ございませんとは申し上げましたが、現象はございますと、もちろん、あえて断ってはおります。
 しかし、日本の社会の中に制度的に認められた定義がない、あるいはそういう用語が確立していなければ、そこにあてがわれる社会全体のサポートシステム、あるいはそういう制度と言われるものもなかなかできにくいという問題がございまして、その当時に至るまでずっとこの平成15年までは民間の力によって、このサポートのシステムが維持されてきたと。もちろん、一部の教育センター等は県が抱えておりますので高等学校も視野に入れておりますけれども、先ほど、今後は適応指導教室等も義務教育課程と同じようにやるとおっしゃっていましたが、そういうものもこの当時はまだ公的には、公式には設置されていないという状況にございました。
 したがってこの問題は義務教育を超えて高等学校にもかかわる問題でございます。さらには、当然子どもたちの育ちという問題を考えますと、その義務教育を超えて就学前という段階にも、我々は目を向けなければいけない問題でございますし、根はそのあたりからも広がってまいります。さらには、義務教育卒業後、あるいは高等学校卒業後の社会への接合、この問題が大きくかかわっておりまして、一部の不登校なり、引きこもりなり、ニートと言われる現象は、児童生徒と、その次に社会人という人生のステップの間に1つの空白をつくってしまうというか、社会的な間隙といいますか、隙間をつくってしまう空白現象と言いますが、こういうものをつくり出す可能性も潜んでおります。
 我々の社会はずっと、卒業すれば就職という接続された人生のステップがございましたがこれらの問題は社会への接続がそこで一時的にしろ切断され、そこで延期されたり、あるいは、そこへ入れなかったりという子どもたちがあらわれる現象の1つとしても考えていかなければいけない側面もございます。
 そういう意味合いから、先ほどの協力者会議の資料の第3章へ戻りますと、1番目に入ってまいりますのが、将来の社会的自立に向けた支援の視点というものが大変大切なところになってまいります。子どもたちの問題は当初歴史を申し上げましたが、これまで、これは精神医学的な問題や心の問題として捉えられてまいりましたし、対応、対策もそこへ集中してまいりました。しかし、その問題は、もちろん無意味ではなく、まだまだやっていただかなければいけない側面がございますが、心の問題だけではなくて進路の問題。先ほど梶田分科会のお言葉を借りると人生をつくっていくといいますか、みずからの進路、将来に渡る人生をつくっていく進路にかかわる問題でございます。
 実際に子どもたち、あるいは保護者に、不登校に陥った場合にその状態を聞いてみますと、これで私たちの人生は終わりだと、あるいは、もう僕には将来はないという思いを抱くわけでありまして、いろいろな心の問題や不登校に至った問題の背後には、こういう大きな人生にわたる問題があるだろうと。それは公教育として我々の社会の中で教育が成り立っている基盤でもありまして、私たちは子ども達を学校に迎え入れ、卒業させることだけが教育の目的ではなくて、その究極の目的は、自立した人間を育成し、社会へ送り出すということが、私たちの公教育の公教育たるゆえんでございます。
 その意味に照らしますと、この不登校という問題は、さまざまな大きな問題を背後に控えながら、単に義務教育というレベルの問題、あるいは、もっと狭く、問題行動の1つという認識ではなくて、より広く広げていただきながら、社会的な自立に向けた進路形成の問題。単に進路形成というのは、狭い意味での進学だとか、あるいはキャリア教育はかなり広い概念を持っておりますが、そういう側面も含んだ、子どもたちの人生、あるいは人生づくりにかかわる大きな問題がここで生じているんだということを、改めて認識していただきたいと思っております。
 そのために今日の不登校の対応策というのも、これまでは起こった、つまり不登校になった子どもへの対応というのが中心でございましたが、先ほど磯谷課長からの報告の中にもちらちら見えておりますが、未然防止、事前指導と申しますが、こういうふうにそういう問題に陥らないためにはどうすればいいのか、その対応策をさまざまに講じていくという方策が、今の不登校の現状の認識の仕方からすると、1つの妥当な選択肢だろうかと思っております。
 許された時間が15分から20分ということでございましたので、簡単ではございますが、大きな1つの見取り図を描かせていただきました。失礼いたしました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。今、森田先生に非常にわかりやすくお話をいただきました。
 先ほどの磯谷児童生徒課長のお話と、今の森田先生のお話、これをひっくるめまして、皆さんのほうでご質問、ご意見があれば、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。

【池田委員】
 池田と申します。どうぞよろしくお願いします。
 幾つかお2人の方から報告がありましたけれども、意見になってしまいますけれども、いいですか。

【梶田分科会長】
 どうぞ。

【池田委員】
 環境の問題ということがあって、これからどうしていくのかという問題、それから、梶田先生がおっしゃられたように、生き方の問題としてどうとらえていくかということなんですけれども、私は小学校の立場でここにいると思っているわけですが、子どもたちの生活そのものを見ても、全く夜型の生活が続いてきているという状況の中で、大人社会がつくり上げた夜型の生活というものの中で子どもたちは育っているということになりますね。その問題をどのような形で解決していけるのかとなると、これは大変な問題なわけです。
 そういう中で、例えば新しい学習指導要領の理念でもありますけれども、心を育てるということがあるわけです。心を育てるというのは何を考えるかというと、脳を育てるということなのではないかと思うわけです。学力を育てるというのも脳でしょうし、心を育てるというのも脳なんだろうと思うんです。そのときに、よく言われるのは古い脳と新しい脳というのがあって、その古い脳と新しい脳との関係の中において、生きるとか、そういう部分については古い脳の働きというのは非常に重要ですよと。それを統御するような形でいくとすれば、新しい脳の育ちというのも必要ですけれども、その中にセロトニンというもの、伝達物質というものがものすごく重要だと聞いているわけです。
 そのときに生活リズムというものがほんとうにつくられていかなければ、人間はしっかりとした生き方ができていかないということを伺っていることがあります。学校でも、生活習慣をいかにしてつくるかということをものすごく重要視しているわけです。ですから、その生活習慣をどのような形でつくっていくのかということが、学校もそうですし、家庭もそうなんだと。家庭の部分についてどのような形で働きかけができているのか。学校は一生懸命やっていますけれども、家庭との連携との中で、家庭に対する働きかけ、または社会が家庭に対する支援をどのようにできるかという問題が非常に大きいんだろうと思うんです。このあたりについて、この不登校問題を考える上においては、ものすごい重要な役割をしているのかなというのが1点あります。
 高等学校に考え方を伸ばしたということがございました。私自身は古い人間ですからなかなか難しいなとは思っている部分はあるんですけれども、進路指導の問題が先ほど出ましたけれども、進路指導、すなわち生き方の指導ということです。その生き方の中で、高等学校に行くのが当たり前という考え方が社会の中にあるわけです。97パーセントの子どもたちが高等学校に進学するという状況の中において、ドロップアウトができないという状況があるわけです。
 ですから、その97パーセントの中に入るためには、やっぱり学習しなければならない部分というのはたくさんあるわけでありまして、そこのところが非常に大きな問題なのかなと思うんです。例えば、就職するときに就職試験というのがあると思うんですけれども、その資格要件というのが大体高校卒業というのなんです。その資格要件をクリアしていなければならないために、高等学校へ行かざるを得ないわけです。高等学校の中身の高まりというのも必要なんだけれども、要するに履修主義で行かざるを得ないような状況も生まれてしまうということがあるわけです。
 そうなってくると、生き方の問題そのものがここで崩れてしまうわけです。だから、そのあたりも、非常に高等学校の問題なんだけれども、生涯学習という1つの大きな枠組みの中で考えたときには、非常に課題になる問題であろうと。ですから、学び直しができる社会があるわけですけれども、そういう形のものにいかにして転換していくのかということも、必要なときに必要な学びができるという体制をどのようにつくるかというのが非常に大きいのではないかと思っているんです。
 それから、具体的な問題で考えてみますと、スクールカウンセラーの問題、小学校に入れていただいたから非常に助かっているわけなんですけれども、だけれども、スクールカウンセラーというのは臨床心理士という形だけでいってしまったら、全国的なカバーができないという問題があって、そこらあたりもスクールカウンセラーの研修というのを受けた人、ある程度認定されたような人であれば、スクールカウンセラーとして学校の役に立つとかいうことができるような体制を、ぜひ国としてつくっていただけたらありがたいなという思いがあります。
 こんなところしか言えませんけれども、よろしく。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、佐々木先生。

【佐々木委員】
 佐々木です。どうしても退席しなくてはならないので、先に発言させていただきます。大変重要な問題で、提案したいこと、言いたいことはいっぱいあるんですけれども、1つは、これから2年間、この委員会でお話をしていく中で、いろいろな重要な問題がどちらの方向に行くのかという審議というか、進め方みたいなものを、次回以降、少し早目にいただけるといいなと思っております。
 多分、こちらに座っていらっしゃる先生方、皆さん、たくさんの経験とお考えをお持ちですから、意見を言ったら、みんな、たくさんすばらしい意見があるわけですけれども、私も第4期に参加させていただいていて、ここで伺っていることはほんとうにすばらしいことなんですが、大変僣越な言い方ですか、私たち、このチームの仕事としては、これをいかに簡潔な形で言葉にしたり、それを具体的に全国の学校で、あるいは家庭で、企業で有効に活用できるようなアイデアにまとめていくというところが一番重要だと思うので、審議、進め方、あるいはどちらの方向に行って、どんなアウトプットを出すために情報を絞っていくのか、あるいは知恵を重ねていくのかという方向性を、次回以降、少し早目に教えていただけると仕事がしやすいというか、有効に時間の活用ができるかなと思っています。
 それから、この不登校の問題というのは、私が先ほどの資料の中で一番気になったのが、本人の問題というのが一番多いことだったんです。子どもたちにとって本人の問題というのもかわいそうな表現で、大人たちの態度、言動、つくってきた社会、メディア、さまざまなものによって子どもたちがつくられて、育っていくわけですから、何となくああいう中に本人の問題という項目があること自体がちょっとかわいそうというか、どうなのかなと思っております。
 ですから、この問題はそれぞれ個々の事例もあるでしょうから、できればうまくいった事例とか、どういう解決策が行われていて、どんなことでうまくいったのかということがたくさん出てくることによって、事例から学び、対策になるとか。簡単に言えば、大人がたくさん周りにいる、子どもたちが家庭と学校以外のどういう人にアクセスできるような体制を学校も用意していくのかなんていうことも、1つの話題なのかなと思っておりますが、まずはその流れなどを早目のところでお決めいただいたり、少し方向性を出していただけるとありがたいなと思います。大変失礼いたしました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、天笠先生、そして大日向先生。

【天笠委員】
 失礼いたします。今のご意見と、私もかかわらせて発言させていただきたいと思うんですけれども、先ほどこの分科会の当面議論すべき課題ということでご説明をいただき、4期に引き続いてということ等々もご説明いただきました。その中で、現在、あるいは前から引き継いで走っていることとして、小・中学校の設置・運営ですとか、学校間の連携ですとか、そういうものが既に進んでいるということであります。
 今ご説明いただいて、当面きょう、この場で意見交換ということで、この登校拒否というのもそういうのにみんなかかわってこざるを得ないのではないかと思っております。学校間の設置の在り方にしても、例えば小学校における担任の配置の仕方等々なんていうのも、実はこういう問題と非常にかかわってくる。あるいは、教員の配置の仕方等々もあるかと思うんですけれども。ただ、今のお話もありましたように、それをどういう形で議論していったらいいのかどうなのかというあたりのときに、当面議論すべき課題ということについての課題の提示の仕方、議論の進め方等々ということが実は別の意味で大きなかぎを握っているのかなと、そんな感じで私はご説明等々を聞かせていただきました。
 そういう意味では、当面議論すべき課題というのは、この2年間にわたる全体的なそれであるのか、まさに当面、今後はまた状況の変化に応じて幾つかのことが出てくるのか、どうなのか、そこら辺のところ、私どもとして議論すべき課題の柱立てというか、全体像、目指すところというのを、これ自体をまた私は議論してもよろしいのではないかと思うんですけれども、そういう中でこの不登校問題状況の把握の仕方ですとか、改善の方策というのを議論していく。そういう議論の進め方自体を1つ、また検討していってもいいのではないかということを思いました。
 まさに今森田先生のほうからご説明いただきました大変広範な課題、全体状況の中でこれに取り組むということになるわけですので、そういう意味における、今申し上げたような課題の整理の仕方ですとか、提起の仕方ということを進めていくということが、まず第一歩かなと思いました。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、大日向先生。

【大日向委員】
 ありがとうございます。類似したことですので発言させていただきたいと思います。この委員会の議論の方向性と同時に、どこに視点を置いて議論するかということも、あわせてお考えいただければと思いました。先ほどの磯谷課長の資料のご説明、そして森田先生のお話、大変勉強になりまして、興味深く伺わせていただきました。特に森田先生のお話の中で、不登校の問題は子どもの個別な問題、あるいは個別な家庭の事情もなくはないけれども、それ以上に、社会全体のゆがみが全部子どもの問題に反映している。ですから、どの子にも起こり得る問題としてとらえることが必要だというお話はほんとうに感銘深く伺いました。
 そういたしますと、先ほど佐々木委員もご指摘がありましたけれども、資料7-1の不登校となったきっかけと考えられる状況の中で、本人にかかわる問題というところが4割前後あるという、ここは私も大変気になりました。確かに現象としては無気力に見えるかもしれないけれども、その背後には家庭の事情があり、私もかかわっておりますのは、例えば親のネグレクトの状況があって適切な食事ももらえないから、無気力になっているということもあろうかと思います。そうしますと、この統計の区分の仕方ももう少し別の考え方があろうかなと思いました。
 それと同じことが家庭教育に関しても言えるのではないかと。親がもっと子どもの教育に心を砕き、一家の団欒を持つべきだということは、言うのは簡単かもしれませんが、それがほんとうにできるためには親の働き方をどう考えたらいいかという、今ワークライフバランスということも検討されていますが、企業の在り方、地域の在り方、全体を含めて検討していくという意味では、方向性と同時に視点の置き方ということも、子どもを守っていくためには大切なことになるかと思いまして発言をさせていただきました。ありがとうございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、まず曽我先生、それから市川先生。

【曽我委員】
 今不登校のいろいろなお話がありますが、保護者という立場から。私の周りに不登校のご家庭がいくつかあって、状況をよく考えてくると、子どもたちだけをいくら不登校対策をしても、どうにもならない。つまり、家庭全体が不登校に対しての問題を大きく抱えていて、最初子どもだけが出発点だったのが、家庭全体になっている。だから、その家庭を変えない限り不登校の子ども自体を変えることができない状況なのです。つまり、一番最初に変えなければいけないのは、家庭の中での不登校の取り組み方の思い込みです。家庭の状況を解決しないと、子どもだけの解決にはならない。
 子どもの視点からで、社会ではなくて、1つの家庭から解決をしないと厳しい状況があり、家庭という学校が取り組むことができないハードルも少しあります。この辺の解決をぜひ考えていただかないと解決は難しいのかなと考えております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、市川先生。

【市川委員】
 先ほど森田先生のお話にあったように、私ももともと不登校の問題というのは、不登校の子どもたちだけの問題ではなくて、より広く登校回避感情というのがあって、むしろ、その1つのあらわれとして不登校ということになっていると。3分の2の子どもたちが登校回避感情、何か学校に行くの嫌だなと、行きたくないなと、あまり学校が魅力あるものとして映っていない。これは非常に大きな問題だと思います。
 そのときに、原因はもちろんいろいろあって、学校にもある、社会にもある、子どもの人間関係にもあると。しかし、私はとにかく学校でできることは学校でやっていくべきだと思います。何々ができないから学校ではどうしようもないというのではなくて、学校でできることは何か。私は、1つは授業だと思っています。子どもが例えば6時間なり過ごす授業というのは、これは部活と違ってやめるわけにはいきません。そこで何かおもしろくないこと、つまらないことがあれば、それは子どもたちには学校というものが魅力あるものに映らない。当然だろうと思います。
 そこで、ここで学校の取り組みとして授業のことも出ています。きめ細かい教科指導の実施とか、学ぶ意欲をはぐくむ指導の充実、これが学校にできること、学校の先生でも取り組むべきことであって、非常に大事なことだと思います。ところが、実際には、学年が上がるにつれて授業を見ていても、ほとんど参加する意思が見えないような授業というのがたくさんあるわけです。その子たちは不登校ではない。一応授業には出ていますが、ぐったりしてしまって、とても先生の言うことも聞いていないだろうし、友達の発言も聞いていないという授業が、だんだん学年が上がるにつれて多くなると。これがかなりあるんだと思います。
 今授業を見ていましても、両極端のタイプというのがどうしてもあるわけです。一方では、先生がどんどん教え込んでいく授業。これは、子どもたちにとってわからなくなれば、それは疎外感を感じてやる気が出なくなる、当然だろうと思います。一方では、あまり先生も教えずに、子どもたちにどんどん発言しなさいと言って促していくような授業。これも、発言できる元気な子どもはいいんですが、そうでない子どもにとっては非常に苦痛を感じているような授業に見えることがあります。授業記録だけ見ると、子どもたちがかわるがわる発言していい授業に見えるんですが、実際に横で見ていますと、半分くらいの子どもたちはぐったりしているというような授業もあります。
 どちらにも共通して言えるのは、先生は善意でやっているわけです。これがいい教育だ、子どもに力がつくんだろうと思ってやっているんですが、子どもが一体そこで何を感じているかということはほとんどモニターされていないのではないかという気がします。1つ1つの授業の中で、子どもたちはきょうの授業を一体どう感じているのか、どういうことを自分は身につけたと思うのかとか、どういうことはおもしろかったと思うのか。そういうモニターなしに、先生はよかれと思ってそういう授業をしていらっしゃると。
 ですから、どういうタイプの授業をするにしても、子どもたちが一体日々の授業をどういうふうにとらえたのかということをしっかりとる。これは必ずしも授業評価という形でなくてもいいと思うんです。授業評価にすると先生は抵抗があるんです。きょうの先生の授業はどうだったかを評価するというと、先生も抵抗があるんですが、もっと子どもの素直な気持ちとして、きょうは何がわかったと思うか、きょうは何がおもしろかったか、きょうは何がつらかったかということを書いてくださいということで、子どもたちから正直な気持ち、あるいは要望を出してもらうということをやって、日々の授業を子どもにとって充実感のある、出てよかったと思えるようなものにしていくということは、学校でもできることで、非常に大事なことではないかと思っております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、渡久山先生、そして井上先生。

【渡久山委員】
 ここに書かれていることとか、現状というのはそのとおりだと思うんです。一番僕が感じたのは、森田先生の提起の中で不登校に対する考え方がいろいろ変わってきたと、これは非常に僕は社会的なニーズから来る当然の考え方だと思うんです。ただ、1つ、その中で、病気とか経済的理由というのがありました。不登校に対する基本的な考え方のところで、公教育だとか、あるいは将来の進路という問題を心の問題だけでなくということになってくると、私は最近の社会は、子どもたちの貧困の問題というのが非常に大きな問題になってきていると思うんです。OECDの各国でも、日本の子どもたちの貧困率というのは非常に下のほう、悪いほうなんです。
 ということは、今曽我委員からも家庭の問題がありましたが、ここにも家庭の生活環境の変化というアイテムがあるんですけれども、これが果たして家庭の経済的な理由だということになるかどうか。よく読んでみると、必ずしも家庭の子どもたちの貧困だとか、あるいはシングルマザーが子どもを育てられない、教育費を出せないという意味で非常に貧困の状況というのは深いらしいんです、今統計的には。
 それを考えてくると、今もちろん就学援助というのはありますけれども、それだけではなくて、やっぱり家庭の貧困、あるいは子どもたちの貧困の状況が不登校の原因になっていたり、あるいは不登校を固定したりしていないだろうかということも、もっと視野を広めて研究したり、提起されたらいいのではないかなという気がしました。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。井上先生。

【井上委員】
 先ほど森田委員から今までの調査研究結果についてお話がありまして、まさにそういう観点を踏まえて、従来も教育条件整備ということで、個に応じた多様な教育の実施とか、あるいは子ども一人一人の生徒指導の充実等、取り組んできたと思うんです。ですから、今までなぜ不登校がそれにもかかわらず増えてきているのか。そういうところを十分分析して、議論する場合に現状分析をしっかりやらないと、それぞれの皆様、委員お一人お一人の経験とか周囲の状況だけでは必ずしも議論が深まらないと思うんです。ですから、平成4年の報告、あるいは平成15年の報告で、不登校問題についての実際のどういう理由から不登校になっているかというのは、ほぼ尽きているのではないかと。
 場合によって、最近の社会の変化とか、家庭の状況の変化で、それに新たに加わる事項はあるかもしれませんが、その辺をよく分析した上で議論しないと、ただ、いろいろな委員の皆さん方の意見を交換するだけでは、この改善の根本的な解決には結びつかないのではないかと思うわけでございます。特に今回の学習指導要領の改定の際に、子どもたちの生活習慣ということで、早寝、早起き、朝御飯ということを家庭にも協力してもらって、子どもたちの生活習慣を正すことによって学習意欲を高めるように取り組みつつあるわけです。
 そういうような子どもたちの生活習慣なり、また、実際にOECDの調査でも、日本の子どもたちが学習意欲が一番低いという調査結果もありますから、そういう原因の分析等によって学校がもっと子どもたちにとってわかりやすく、子どもたちにほんとうに楽しい授業になっているのかどうかというのは、いま一度分析しながらこの不登校問題というのは解決すべきだと思うんです。
 この原因として、先ほど森田先生からもお話があったいじめとか、校内暴力とか、LDとか、ADHDの問題とか、いろいろ確かに多様な理由、原因があって不登校になっていくと思うわけで、そういう原因を1つ1つ分析しながら、それに適切に対応すれば、この不登校が皆無とは言わないまでも、かなり減少するようなことになるのではないかということが期待されると思うので、そういうところも十分に議論の観点、あるいは議論の現状分析、議論をさらに深めるべき点について問題提起していただいたほうがいいのではないかと思いますので、その点について発言させていただきました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、大嶺委員、お願いします。

【大嶺委員】
 ありがとうございます。今ちょっと大きな問題があった中で、私、中学校のほうの立場からお話をしたいなと思っております。子どもは社会を映す鏡ということをよく言われるんですけれども、じゃ、社会が今いろいろ変化してきて、いろいろと課題を抱えている。だから、社会が悪いから子どもがこうなっていってしまったんだということにしてしまうと、問題は何も解決していかないんです。社会が悪いからしようがないんじゃないかな、これではいけないだろうなと。
 学校の立場というのを考えていったときに、この第4章に書かれております、1番目の魅力ある学校づくり、ここにすべて集約されるのではないかなと思います。今の中学生を見ておりまして、悩みとか、いろいろあります。うちの学校にもやっぱり不登校の生徒が何名かおりますけれども、子どもたち、いろいろな悩みとか、困ったことや何かがあったときに、じゃ、だれに相談をするのか、これはよくアンケート調査をいたしますね。そのときに相談するのは、一番多いのはやはり友達なんです。
 先ほど、子どもたちが登校回避感情を3分の1潜在的に持っているというお話がございましたけれども、これはあるだろうなと思います。きょうは雨が降っていて寒いし、学校に行きたくないな、これも登校回避感情になるんでしょうか。そこら辺のところがちょっとわかりませんけれども、でも、そういう感情を持っていても、でも、大半の子どもたちというか、ほとんどの子は学校に登校してきます。それはなぜかといったら、友達がいるからです。
 授業がおもしろい、これはあまりないかなと思うんですけれども、やっぱり友達がいて、一緒になって追いかけ回したり、鬼ごっこをしたりとか、遊び回ったりとか、そういうことをする。子どもたちがお互いに引きつけ合う、ここのところが大切なんだろうなと。子どもたちにいかに人間関係をつくる力、キャリア教育でいいますと、人間関係を形成していく力、この力というものをいかにはぐくんでいくのか、この辺のところが私はとても大切なのではないかと思っております。
 そういった点で、私の学校の例を挙げて申しわけないんですけれども、小・中一貫教育をやっております。2つの小学校と1つの中学校がそれぞれ学校が現在存続したままの状態で、小・中一貫教育というのをやっているんですけれども、小学校の段階から、お互いの小学校同士が交流し合って人間関係をつくっていく。そして、中学校に上がってくると。不登校の生徒は、中学校になると人数が増えますね。顕在化してくるんです。小学校から中学校に上がってくるに当たって、子どもたちが抱いている不安というのは、異なった学校から中学校に集まってくる。果たしてほんとうに人間関係ができるんだろうか、友達ができるんだろうか、中学生は怖いのではないだろうか、部活の先輩はきちんと教えてくれるだろうか、そういう不安を抱きながら小学生は中学校に入学してまいります。
 ところが、9年間の継続した指導をしてまいりますと、小・小間が連携し、中学校の教員が小学校に出かけていき、小学生が部活動の体験をしという、さまざまな取り組みをしていく中で、9年間という形で子どもたちがはぐくまれていきますので、すとんと、わりあいと安定した状態で子どもたちが中学校に入学してまいります。ですから、この小・中一貫を始めることによって大分不登校の生徒が減ってきているという感じを持っております。
 それだけではなくて、もう一つ大きな要因はコミュニティ・スクール、これはとても大きいなと思うんです。要するに私も家庭訪問や何かをしていたときに感じるのは、子どもを学校にやるということは、登校させていくということは、家庭がすごく大きなエネルギーを持っていないと、子どもを学校に出していくというのは結構厳しいことなんです。ああ、ここの家庭、厳しいだろうなと。お子さんがそれぞれ学校に通っていくのに、こんな感じではちょっと厳しいだろうなと思う家庭、ございます。
 また、逆に、ほんとうに生き生きしてエネルギッシュというか、いかにも温かく包まれているな、この子たちは家庭でまたエネルギーを再生産して学校にやって来て、またそのエネルギーで生活していくんだろうなという家庭があります。ですから、家庭がエネルギーを持っているということも大切なんですけれども、それと同様に、地域社会が子どもを育てていくというエネルギーを持つ、これもとても大切なんです。
 家庭と地域が学校と一緒になって社会総ぐるみで子どもたちを育てていく、このコミュニティ・スクールというのは、私は不登校生徒を減少に持っていく、大きな大きな役割をこれから果たしていけるのではないかなと思っております。コミュニティ・スクールをやることによって、いろいろな方々が学校に入っていらっしゃいます。そうすると、子どもたちは、小学校の先生が、中学校の先生が、それから地域のおじさんやおばさん、おじいちゃん、おばあちゃん、どこどこ君のお母さんが入ってきて、いろいろと自分たちのことを見守ってくれている。それによって子どもたちはとても精神的に安定するんです。子どもですから、見守られているという感覚、これは子どもたちにとってとても安全圏と言うと変ですけれども、心の安定というものを与えていくんです。穏やかになっていきます。これはとても大切なことなんだろうなと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。そうしたら、最後にお話をいただく、きょうはもう一つ実はありますので、じゃ、お2人に短くというふうに。

【壷内委員】
 不登校の問題、今中学校のほうからのお話が大嶺委員から話がありました。私も中学校なんですが、これはまさしく社会総がかりといいますか、小・中学校は僕はほんとうによく今までやってきたと思います。今後とも当然やります。いろいろな課題が社会、そして皆さん教育関係者からいただいております。重々学校はこのことは知っていて、また行動に移しておりますが、先ほど来話がありましたように、この要因が大変複雑であるということがあるんです。
 私が一番必要なのは子どもとかかわれる時間と、だれがかかわるかの人間、これがおそらく今学校現場で一番必要なのかなと。その子どもに対して、だれが、どれぐらいの時間必要なのか。1人の子どもを変えるというのは、家庭も含めて、地域も含めて、非常に大変です。先生方も家庭訪問をやっていますけれども、先ほど曽我委員のほうから、家庭の状況にどう踏み込むか、これは大きな課題なんです。私どもは家庭の状況にほんとうに踏み込んでやっていますけれども、空振りに終わることはしょっちゅうあります。しかしながら、この問題は根気よくやっていかないといけないのかなということ。
 それから、いろいろな教育相談機関があります。ほんとうにやってくれますが、どこまでかかわれるか。最終的には、親が変わり、子どもが変わるということ、これが我々学校現場の最終目標なんですが、とても根気の要ることです。根気が要るために、時間と人間が必要だということを最後にお話ししたいと思います。

【梶田分科会長】
 壷内先生、ありがとうございました。では、最後は髙橋先生。

【髙橋委員】
 ありがとうございます。今、中学校、小学校の校長先生、代表の方が発言されました。私はその小・中学校をあずかります教育委員会の立場として、今不登校について心配していること。1点目は、学校は非常に対応はしているんですが、限界もあります。どちらかというと、先生たちは毎日対症療法的な対応に追われている現状もございます。結果として、中学校を卒業して引きこもりの遠い原因にもなっているかなと思っております。
 過去3年間についてだけ、全部ではなく、ごく一部になろうかと思うんですが、調査した結果、中学校までに不登校ぎみな子どもが、その後高校進学、または通信制の高校も含めて進学した場合に、1年以内に約半数以上が退学したり、そのまま行っていません。そのまま引きこもっている可能性というのは非常に強い状況もございます。
 最近不登校の中で増えているのは、先ほどの森田先生のお話にもありましたが、不安など情緒的な混乱、無気力とありますが、この不安、情緒的混乱の中で親御さんがこの不安を抱えているということが非常に増えてきているという認識を持っております。
 したがいまして、特別支援教育みたいに就学前の段階で親御さんたちなどを支援することが必要ではないかと思っております。また、引きこもり対策にもなりますので、中学校で終わりではなくて、やはり教育委員会も含めて、卒業後のことについても相談に乗れるシステムが必要かなと思っております。
 したがいまして、不登校に対しましては学校、保護者を支援するシステム、そのシステムの中でいろいろな窓口がたくさんございます。それを有機的に機能させるところはどこかといえば、教育委員会ではないかと思っております。ただ、教育委員会の規模によりまして人的な、それから予算的な裏づけももちろん必要ですし、法的な裏づけも必要かなと。そういったことも今後やっていかないと、ばらばらにやっていて、それぞれが限界を感じているという状況ではないかなと思っております。
 特に引きこもりについては非常に深刻に考えておりますし、それに対して結果として出してしまったと、ときどき言って怒られてしまうんですが、退職された先生たち、そういった方たちが相談に乗るシステムが必要かなと思っております。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。きょうはもう一つだけご報告をいただきたいと思っております。
 それは、特別支援教育の推進に関する会議の中間取りまとめが出ておりますので、永山特別支援教育課長からお願いいたします。

【永山特別支援教育課長】
 それでは、資料9-1をごらんいただければと思います。先日、2月12日に特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議から中間まとめが出されました。それについてご報告をさせていただきたいと思います。資料9-1、2ページの資料ですけれども、そちらをごらんいただきたいと思います。
 障害のある子どもたちの教育の仕組みは、ご承知のように平成17年12月の中央教育審議会の答申を受けて、平成19年度から新しい特別支援教育制度という形で大きな制度の変更がございました。この協力者会議は特別支援教育の内容の充実を図るために昨年7月に設置され、鋭意検討を進めてまいりました。今回は特別支援教育、課題としてはいろいろございますが、その中で特に重要な早期からの支援、就学前から就学段階ぐらいまでを踏まえた早期からの教育支援の在り方について、考え方を中間取りまとめとしてまとめたものでございます。内容については資料9-1に基づいてご説明をさせていただきます。
 まず、今回の中間取りまとめの基本的な考え方でございます。ポイントは2つございます。1点目は就学前から就学までを含めた障害のある子どもたちに一貫した教育支援を行っていく、それを実現していくということが1つのポイントでございます。2つ目が、その実現のために個別の教育支援計画の作成活用というものを通じて実現を図っていくということが、2つ目のポイントでございます。個別の教育支援計画というものは、障害のある子どもたち一人一人について作成するものでございます。内容としては、障害のある子どもが今どういう状況にあるのか、学校がどういう支援をしていくのか。また、学校だけではなくて、関係する機関、医療とか福祉、また家庭、そういうところでどういう支援をしていくのかということを、総合的に学校が中心になって関係機関と連携して作成する計画、これは個別の教育支援計画と呼んでおりますが、その作成・活用を通じて特別支援教育の理念の実現を図るということが、今回の中間取りまとめの大きな基本的な考え方でございます。
 資料9-3をごらんいただきますと、これは近日中に告示する予定の特別支援学校の学習指導要領のポイントの資料を配付させていただいておりますが、その中でも主な改善事項の2つ目の一人一人に応じた指導の充実ということから、特別支援学校の子どもたちについては、今回の改定において一人一人の個別の教育支援計画の作成を義務づけることにしております。また、昨年の3月に告示をいたしました小・中学校の学習指導要領におきましては、個別の教育支援計画ということを指導要領上位置づけ、必要に応じて作成されるような形で指導要領の改訂を行っております。そういう中の一環として、今回こういう基本的な考え方を打ち出しております。
 具体的には、1.から6番までに整理しております。1点目が、就学前の早期からの教育相談・支援の充実ということでございます。教育委員会は特別支援学校のセンター的機能の十分な活用、また関係機関との情報の共有化、そういうことを図りながら早期からの教育相談、支援のさらなる充実を図るということが1つ。また、幼稚園に通う子どもたちのきちんとした実態把握を行うために、個別の専門家チームの派遣、また、教員研修の機会を提供するなど、公私を通じた幼稚園に対する支援の充実ということの必要性が指摘をされております。
 2番目が就学指導についてでございます。これについては就学前は、例えば幼稚園、保育所など多様な機関から小学校という、義務教育への移行を円滑に図る必要がございます。そのために今回の提言としては、市町村教育委員会が就学移行期における個別の教育支援計画を作成し、円滑に義務教育に移行できるような仕組みというものを提言いただいております。
 また、2つ目の○にございますが、障害のある子どもたちが実際就学する学校についてでございますけれども、下の参考に現行の仕組みということが書いてあります。現行法令上、障害の程度が施行令、政令に定める「就学基準」に該当する場合、原則として特別支援学校に就学するということが現行の仕組みでございます。この仕組みについて、今回の提言におきましては、2つ目の○にございますように、個別の教育支援計画の作成・活用というのを通じて、障害の程度、就学基準に該当するかどうか。それだけではなくて、その子がどういう教育的ニーズを有しているのか、また保護者の意見、専門家の意見、そういうことを教育委員会が総合的に判断をして、その子にとって、どの学校に通うことが一番将来の自立につながっていくのかということを総合的に判断する仕組みに改めるべきであるというご提言をいただいております。
 2ページ目、3番目、これは小学校、特別支援学校に通った後についても、個別の教育支援計画の定期的な見直しを通じた継続的な就学指導が必要であるということ。また、4番目が、特別支援学校に就学する子どもたちについても、やはり居住地の小・中学校との交流というものが重要であるという観点から、そういう施策を国としても進めていく必要があること。また、5番目としては、今申し上げたようなきめ細かな対応を図るためには、市町村教育委員会の体制整備ということが不可欠であるということ。最後になりますが、6番目、障害者の権利条約、これは平成18年12月に国連総会で採択されたものでございます。現在国において早期批准に向けて、これは教育だけではなくて労働、いろいろな分野がかかわりますが、政府全体として今検討を進めておりますけれども、協力者会議としては、今回提言した内容というものが条約が求める障害者を包容する教育制度、インクルーシブ・エデュケーション・システムと呼んでおりますが、その方向性に沿うものというふうに整備をしております。
 この協力者会議といたしましては、今後これ以外の課題、当然高校段階の特別支援教育の在り方、また、義務教育段階のいろいろな課題についての検討をしていただきまして、今後さらに鋭意検討を進めていただくという予定にしております。私からは以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。この協力者会議には宮﨑先生が中心メンバーとしてお加わりいただいておりますので、一言お願いいたします。

【宮﨑委員】
 それでは、一言お話をさせていただきます。基本的なところは今課長からお話があったとおりでございますが、この協力者会議で検討しましたことは、平成17年12月の中教審の特別支援教育を推進するための制度の在り方で取りまとめていただいた答申を受けて、制度改革、学校教育制度が変わったわけです。特に学校教育法の改正によってさまざまな体制ができ上がって、特別支援教育の整備が進んだわけでございますが、この中で、小・中学校に関しましては、特に特別支援教育を推進するための体制の整備がかなり進んでまいりました。
 しかしながら課題も見えてまいりまして、特に早期からの教育相談支援をどうしていくのか。幼稚園、保育園等での支援のありようについて、さらに検討をする必要があるのではないかということから検討が進められました。今回の当面する課題の中で、学校段階間の連携、接続ということが出てまいりました。特に障害を持つお子さんにとっては、そのあたりが大変な課題になっているという私どもの認識のもとで検討したものです。
 後で冊子を見ていただきたいんですが、先ほど髙橋先生からあったような、早期からの教育相談体制、特に保護者へのさまざまな支援についてもここでは言及をしてございます。結論的なところで中間取りまとめで出したことというのは、早い段階での支援を充実させるために、幼児教育の段階のさまざまな検討されたものを教育委員会で取りまとめをして、小学校段階に移行していく仕組みをつくっていこうと。これが教育委員会がつくる個別の教育支援計画という中身でございます。これに基づいて小学校段階の教育を充実させていただくツールにしていきたいというのが、1点ございます。
 さらに、具体的に継続的な就学相談、指導もしていこうということです。これにつきましては、さまざまな自治体で就学支援シート等が検討されているという実態から、具体的に中間取りまとめでこういったことに踏み込んだ取りまとめをさせていただいたということでございます。なお、先ほどからあるような高等学校段階のさまざまな問題についても、改めてこの後言及をしていきたいということで、この協力者会議は動いているというご報告をさせていただきました。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。なお、資料9-3としまして、特別支援学校の学習指導要領、これも3月に告示と伺っております。これにつきましても概要が入れられておりますので、特別支援学校はこれからセンター的な機能として、いろいろと小・中・高連携しながらやっていくということになりますので、これもまた見ておいていただければと思います。
 本日は第4期までというか、これまで取り組んできたことにつきまして、ある種レビューをしたということであります。特に最後、不登校やらいじめの問題、特別支援学校の問題ということで、ある種メーンストリームを我々が考えるときに、90何パーセントのことを考えるときに、あと何パーセントかの子どもたちを見失ってはいけませんし、また、そこにこだわることによって新たにメーンストリームがよく見えてくる部分もございますので、きょうはそういうことで、特に時間をとって不登校の問題、それから特別支援教育の問題についてはご報告いただきました。
 次回からは、またいろいろな問題につきまして、この分科会で課題を整理しながら話し合いを進めていきたいと思っております。きょうは最後に、田村先生と木村先生から一言ずつご発言をいただいて終わりたいと思います。田村先生、お願いします。

【田村副分科会長】
 ありがとうございます、時間のないところで。例の不登校の問題ですが、実際、突然来なくなって、突然来るようになるとか、そういうことを経験しますと、大嶺先生がおっしゃったように、とにかく時間がかかって、何が原因かというのは率直に言ってよくわからないということがわりに多いんです。ですから、確かに時間をかけてやるというのを大原則としてやっていくよりしようがないんだろうと思います。
 ただ、髙橋委員がおっしゃったように、学校にいる期間前後の話がそれでは結局解決しないんです。これは今内閣府で、文科省、あるいは教育委員会が核の1つなんですけれども、すべての省庁にわたって子どもと青少年の総合支援策ということについての立法措置というものが進んでおります。これはどういう形になるかはちょっとわからないんですけれども、間もなく形ができてくると思いますので、この部分とどうしても連携していかざるを得なくなるだろうと感じております。
 それをやることによって、国を挙げて、省庁の縦割りの弊害を乗り越えて、国としてとにかく青少年の健全な発展を支援するという仕組みができるだろうと。組織としてはできるわけです。実際にそれが動くかどうかというのについてはこれからの努力になるんですけれども、それぐらいやらないと解決しない大きな問題なんだろうと受けとめております。これは日本だけではなくて、総合支援のシステムというのは、実は外国で苦労してつくっているシステムを参考にしてつくっているわけです。ですから、世界中がその問題については取り組んでいるという現状認識の上でこの議論を進めていく必要があるんだろうと思っております。これからもひとつよろしくご指導お願いしたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、木村先生、お願いします。

【木村副分科会長】
 不登校の問題、大変重い問題でありまして、これは初・中レベルだけではなく高等教育レベルでも起きています。私、大学に33年おりましたが、そのうち6年ぐらいは管理職でしたから、それを引きますと27年ほど自分の研究室を持っておりました。私の研究室は非常にたくさんの学生がおりましたので、年間で必ず1人か2人、精神的に不調な学生が出ました。
 私がそこから学んだ経験は、私ども、つまり教授や助教授がいくら頑張ってそのような若者と対応してもなかなかうまくいかないということです。うまくいくのは、学生のグループの中に非常にうまく面倒を見てくれる学生がいる場合です。そういう意味で言いますと、前から感じていたのは日本の場合はどうしても先生が指導する、親が指導するという立場をとりがちなのですが、そうではなくて、子どもたちも巻き込んで問題を解決するということも考えなくてはいけないということです。
 NHKBS放送でやりましたが、いじめは日本だけでなく、英国でも大変な問題になっています。英国は、子どもたちに解決させるということを試みています。私はその実態を見てきました。なかなか大変なようですが、子どもたちが自らいじめられる子どもの相談にのるという組織をつくることによって、子どもたちが積極的になるという効果もあるようです。そういう視点も、考えたほうがいいのではないかと思います。
 少し話が長くなって恐縮ですが、以前、ミッションスクールを中教審で見て回ったことがありますが、ミッションスクールのほとんどがそういう体制を持っていて、子どもたちが率先して困った仲間を助けようとしている姿に感激したことを憶えています。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。きょうは非常に大事な問題提起がいくつもあったと思います。これを、また次からのこの分科会の審議の中で生かしていければと思っております。
 本日はこのあたりで終わりにしたいと思いますが、最後に、事務局のほうから今後のこと等につきましてお願いします。

【佐藤教育制度改革室長】
 ありがとうございました。今後の初中分科会の日程については、分科会長とご相談の上また改めてご連絡を申し上げます。それから、本日、この後午後1時から教員養成部会のほうも引き続き行わせていただきますけれども、そちらのほうに引き続きご出席いただける委員の皆様方におかれては、会場のほうがこの建物の7階になります。そちらのほうに昼食をご準備させていただいてございますので、係の者がご案内をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。以上でございます。 

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。それでは、これで閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

─ 了 ─

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-- 登録:平成22年06月 --