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初等中等教育分科会(第63回) 議事録

1.日時

平成21年1月26日(月曜日)13時~15時

2.場所

中央合同庁舎第7号館(文部科学省)東館3階 講堂

3.議題

  1. 第4期初等中等教育分科会の審議の状況について
  2. 「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について」(答申)報告
  3. 平成21年度予算案について
  4. その他

4.議事録

【梶田分科会長】
 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第63回初等中等教育分科会を開会したいと思います。
 まず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【佐藤教育制度改革室長】
 そうしましたら、本日お配りいたしております議事次第、1枚目の資料をご参照くださいませ。配付資料として4番目に資料1から資料6、それから、参考資料として掲げてございます。
 まず、資料1につきましては委員の名簿でございます。
 それから、資料2-1から資料2-4までの関係ですが、これは議題の1番目に関係します本第4期の分科会における審議の状況に関する資料といたしまして、資料2-1として、第4期初等中等教育分科会の検討状況について。資料2-2、小学校、中学校の設置・運営の在り方等に関する作業部会について。資料2-3、学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会について。資料2-4、中央教育審議会初等中等教育分科会で当面議論すべき課題についてということでございます。
 それから、資料3-1と資料3-2ですが、これは議題の2番目に関するものですが、まず資料3-1といたしまして、平成20年度課程認定申請大学等数について。資料3-2といたしまして、教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について(答申)ということでございます。
 それから、資料4ですが、こちらは議題の3番目に関するもので、平成21年度予算額(案)主要事項についての概要版でございます。
 資料5と資料6につきましては、その他の案件及び参考配付ということでございますけれども、資料5につきましては昨年の12月24日に既に諮問をいただいて、今月の1月16日にキャリア教育・職業教育特別部会のほうもスタートしてございますが、その関係の諮問に関しまして、資料5として今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方についてという諮問に関する資料でございます。
 それから、資料6といたしましては、これは教育振興基本計画の関係で、昨年の12月2日に開催されました教育振興基本計画部会のほうで配付されました各年度における重点的に取り組むべき施策として、「教育重点施策2008-平成20年度教育振興基本計画アクションプラン」という資料でございます。
 それから、その他に参考資料といたしまして、大学の教職課程の認定制度について、概要に関するものでございます。それから、委員の席上配付ということで、委員の方々にだけ参考配付としてお配りしてございますが、昨年12月24日に取りまとめられました学士課程教育の構築に向けて、これも答申でございます。こちらのほうもご参照いただければと思います。
 資料の不足等ございましたら、事務局のほうにお申しつけくださいませ。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、本日の議事に入ります。第4期の中央教育審議会の委員の任期というのが、この1月終わりまでということになっておりまして、したがいまして、本日はこの第4期の中央教育審議会初等中等教育分科会としては最後の会になります。それで、今日はここで審議して決定するような事項はございません。幾つか大事な報告がございますので、報告をしていただいて、最後に今日ご出席の委員の方々から一言ずつご意見とか、ご感想とか、そういうのを述べていただきたい。こういうふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最初に、第4期初等中等教育分科会の審議の状況につきまして、事務局のほうからご説明をお願いいたします。

【佐藤教育制度改革室長】
 そうしましたら、資料2-1から資料2-4までを活用いたしまして若干ご説明をさせていただければと存じます。
 まず、資料2-1が中心となる資料ですけれども、本第4期の中央教育審議会初等中等教育分科会においていろいろとご検討、ご審議を賜りました案件につきまして、簡単に整理をさせていただいたものです。時期としましては、ちょうど2年前、平成19年2月から本年1月までということでございます。そして、主に第4期中の答申といたしまして3つほど大きなものを掲げさせていただきました。
 まず1点目ですけれども、平成19年3月10日にいただきました教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正についてということで、第3期までの審議の積み重ねの上に平成18年12月に公布されました改正教育基本法を受けまして、平成19年1月の教育再生会議の第一次報告なども参考にして、教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正についてお取りまとめをいただいたところでございます。こういったご答申を受けまして、その後、具体的な対応として以下に掲げてございますけれども、いわゆる教育三法の改正案を国会に提出いたしまして、それぞれ成立、公布して施行されているところです。
 若干ご説明をさせていただければ、その下で(1)から(3)ですが、学校教育法の改正ということで、教育基本法の新しい教育理念を踏まえ、新たに義務教育の目標を定めるとともに、幼稚園から大学までの各学校種の目的・目標を見直したところです。それから、学校に新しい職として副校長、主幹教諭、指導教諭を置くことができるとして、組織としての学校の力を強化するということで改正を行ったところです。
 それから、2点目ですけれども、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正ということで、教育委員会の責任体制の明確化とその体制の充実、それから、教育における地方分権の推進には国の責任の果たし方、こういった点から整備をするということでご審議をいただき、ご答申をいただき法律改正という形で事が進んでございます。
 それから、3点目ですが、教育職員免許法及び教育公務員特例法の改正ということです。教員免許更新制を導入し、あわせて指導が不適切な教員の人事管理を厳格化し、教員に対する信頼を確立する仕組みとして構築をいただいたところです。こういった制度の導入に伴いまして本年4月1日から教員免許更新制がスタートいたしますし、それ以外の部分については既に施行されているところです。
 1枚おめくりいただきまして、大きく分けて2点目のご答申でございます。教員給与の関係ですが、これも19年3月29日というところで、今後の教員給与の在り方についてというご答申をいただいたものでございます。教員勤務実態調査の結果などを踏まえながら、公立学校の教員給与の在り方、それから、教員の校務と学校事務の見直し、学校の組織運営体制の見直し、教員の勤務時間の弾力化等について幅広い観点からご審議をいただいたところです。
 こういったご答申を受けまして、その下にございますけれども、メリハリある教員給与体系の推進ということで、例えばですが、部活動手当等の教員特殊業務手当の倍増ですとか、新たに置くことができることとされました副校長、主幹教諭及び指導教諭等の処遇などについて手当をしてきているところです。
 それから、大きく分けて3点目ですけれども、学習指導要領の改訂の関係でございます。これは昨年の1月17日ですけれども、幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善についてという形でご答申を受けています。第3期の中教審までの議論及び教育基本法や学校教育法の改正等を踏まえまして、小学校、中学校、高等学校の教育課程の枠組み、道徳教育や体験活動の充実といった教科等を横断した事項や各教科等の教育内容についての具体的な改善についてご審議をいただいたところです。
 こういったご答申を受けまして、具体的な手当てといたしましては、以下2点掲げていますけれども、幼稚園教育要領や小・中学校指導要領に関しましては、既に昨年の3月の段階で公示をしています。具体的には教育基本法との改正を踏まえ、子どもたちに生きる力を育むことをねらいとして、授業時数を増加させるとともに言語活動、理数教育などの充実を図る。特に幼稚園につきましては平成21年度から、小学校は平成23年度から、中学校は平成24年度から全面実施をするということでございます。
 それから、高等学校や特別支援学校の学習指導要領等につきましては、昨年の12月22日に改訂案を公表いたしまして、現在、パブリックコメント中でございますが、20年度中に公示を予定しているところでございます。
 それから、2点目でございますが、新しいこの学習指導要領の円滑な実施に向けた支援策として21年度の予算案の中に、そこに掲げてございますとおり、非常勤講師の配置による指導体制の整備、それから、道徳教育用教材に対する新たな財政支援の試行、それから、移行期間中の算数・数学、それから、理科の補助教材の作成・配布といった点を入れているところです。この大きく3つのご答申を踏まえた、それ以後の対応について若干ご紹介をさせていただきました。
 そして、1枚おめくりいただきまして、資料といたしましては資料2-2、資料2-3、それから、資料2-4のほうもあわせてご参照いただければと思いますが、こちらは来期の分科会においても引き続き継続としてご審議をいただかなければいけないような案件として掲げているものでございます。
 まず、大きく分けて、最初、2つですが、それぞれ作業部会を設けてご審議を賜っているものですけれども、まず1点目、資料2-2のほうを少しご参照いただければと存じます。小・中学校の設置・運営に関する作業部会のほうですが、大きく分けて3点ほどこれまでご審議を賜っています。
 まず、少子化の進行などを背景といたしまして、さらなる児童生徒の減少の動向を踏まえた学校規模の在り方や学校の適正配置の在り方について。
 2点目といたしまして、地域住民や保護者が学校運営に参画する学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティ・スクールの設置に関すること。
 それから、3点目として地域の実情に応じてあらかじめ保護者の意見を聴取した上で就学すべき学校を指定する、いわゆる学校選択制の取組の成果や課題、今後の方向性などについてご審議をいただくために、昨年の6月16日にこの本分科会決定によりまして、小・中学校の設置・運営の在り方に関する作業部会がスタートしています。それぞれの項目について、これまで地方公共団体や有識者の方々からのヒアリング等をもとにご審議を行っていますが、引き続き2月以降もご審議をお願いしているところでございます。
 それから、資料2-3ですが、学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会についてでございます。こちらは学校教育に対する期待や学校教育が抱える課題が一層複雑化、多様化する中で適切な学校マネジメントを行い、教職員の職務の在り方等を見直しておく必要があり、また、このような公立学校における教職員の職務の在り方等は教員給与の在り方とも密接に結びついていることから、教職調整額等についても適切に見直していくことが必要という課題意識のもとで本議論がスタートしています。先ほどありましたこれまでのご答申なども踏まえまして、これからの時代にふさわしい学校の在り方や教職員の職務の在り方及びそれらを踏まえた教職調整額の見直しなど初等中等教育分科会にご審議をいただくために、こちらは昨年の10月に分科会決定によりまして、学校教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会の設置が決定されたところでございます。
 この中では今後の学校の在り方について、教職員の職務の在り方について、教員の勤務時間管理の在り方について、勤務時間の弾力化について、教職調整額の見直しについて、こういった点をご審議いただいているところですが、これまで学校の業務効率化、それから、教員の勤務時間管理等に関する検討の参考とするために自治体の関係者ですとか、国立や私立の学校の関係者などからもヒアリングを実施しております。引き続きこちらの点につきましても、この他の論点も含めてご審議をいただくことになっています。
 それから、資料2-4でございますが、それ以外の項目についてでございます。既にご審議をいただいているところに加えまして、このほかにも課題として資料2-4にありますとおり、学校段階の連携や接続について、子どもの発達段階、山並みの連続性という観点からご審議をいただく。それから、いわゆる飛び級などについてもご審議をいただくことになっています。
 それから、2点目として不登校の児童生徒への支援という点をご審議いただくこととなってございまして、こちらの点につきましても引き続き2月以降、ご審議をお願いしたいと考えています。
 簡単でございますけれども、以上でご説明させていただきました。よろしくお願い申し上げます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 今、佐藤室長から細かく説明していただきましたけれども、この初等中等教育分科会は2年間よく仕事をしてきたなと、自画自賛したいような気持ちで聞いておりました。大きなことで、ご承知のように一昨年の教育再生会議の第一次報告、これをいわばきっかけとしての、いわゆる教育三法、実際に4つの法律なのですけれども、これの改正にかかわる審議をこの分科会と、もう一つ教育制度分科会の合同会議という形でしたけれども、精力的にやっていただいて、わずか1カ月で、なかなか語弊がある言い方になりますけれども、私は中教審としての1つの見解、見識を示す、そういう答申が出せたのではないかと思っております。これは非常に大きな意味を持っていたと私は思います。
 それからもう一つ大きかったのが幼・小・中・高の教育指導要領の改訂に係る、この答申を出すことができた。これも大きな長い間の課題だったわけですけれども、きちんとした形で出せて、あと高等学校の告示だけが残っておりますが、公表は高等学校についてもされまして、世の中の反応のほうも非常に私は好意的な反応を得ているのではないかなという気がしております。
 大きな2つの仕事をやり、そして今日2番目にありましたが、あと引き続き残っているというのが教員の給与及び待遇、あるいは学校での働き方の問題です。これもほんとう大事な問題で、やはり教育は人なりですから、人間、教壇に立つ人を大事にしなければ、これはもうどうにもならない。これは皆さんの一致したご見解のもとにいろいろと審議してきて、一度答申を出しまして、なかなか必ずしも十分なことができていないので、2つの作業部会をつくって、それに向けて学校の在り方、教職員の在り方、同時にその待遇の在り方等々について鋭意審議していただいている。そして、これは来期へも引き継いでいくということで、粘り強く、粘り強くやっていかなければいけない問題であるということであります。今、そういうご報告をいただきました。
 来期に引き継いでいく2つの作業部会につきましては、実は小川先生が両方の作業部会の主査をしておられましたので、小川先生のほうからコメントをお願いいたします。

【小川委員】
 では、私のほうから小・中学校の設置・運営の在り方についての作業部会と学校教職員の在り方及び教職調整額の見直しについての作業部会、先ほどの事務局のほうからの報告でほぼ尽きるのですが、少し前者のほうについては審議が進んでいますので、審議状況を補足しながら報告させていただきたいと思います。
 小・中学校の設置・運営の在り方の作業部会ですけれども、これは今、事務局のお話でもあったように学校の適正配置、学校選択制、学校運営協議会という、どれも自治体の教育行政とか、学校の在り方に大きな影響を及ぼすテーマを扱っています。そういうこともありまして、実情とか先駆的に取り組んでいるさまざまな事例をしっかり把握しながら審議しようということで、この間、10回ほどの会議を持ったのですが、2回から8回まで研究者の調査研究とか、また、自治体、教育委員会からのヒアリングという、私も1つの作業部会で、これまでいろいろな事例を丁寧にヒアリングしてきたという経験はあまりないのですけれども、それくらい非常に慎重に丁寧な事例のヒアリングを積み重ねて、ようやく9回、10回で意見、論点の整理を終えて、これから年度末に向けて最終的な報告の中間まとめに向けて作業を進めていくという段階に来ています。
 そういうことで、今日の段階で明確に報告書の骨子とか課題というのを明示できる状況ではありませんけれども、少し審議の中で、例えばこういうふうな大きな課題というのが出てきているのかなという印象を持ちました。1つは例えば多くの委員から共通して指摘されてきたことは、子どもたちの学習環境を豊かにしていくためには、やはり一定の学校規模を確保していくということは当然望ましいことであるわけですけれども、地理的条件などで物理的に小規模学校として存続せざるを得ないような小規模学校や、そうした地域への対応、支援、改善というのをどう考えていくか。ある意味、今日の学校の適正配置問題というのは、そうした小規模学校問題を重要な課題とせざるを得ないということが、そこら辺は共通確認としてあったかなと思います。
 もう一つ、学校の適正配置を検討していく際に、当然、これは市区町村の権限、責務であるわけですけれども、市区町村と都道府県教育委員会との連携が非常に不可欠だということも審議の中で見えてきまして、都道府県教育委員会の役割を果たしてもらえるような状況とか環境というのを、ないしは国からの支援というものをどのようにつくり出していくのか、この辺もすごく大きな今後の検討の争点かなという印象を持ちました。あと、学校運営協議会については、地域によってその在り方、役割というのはかなり多様なのですけれども、基本的にはこの学校運営協議会については今後とも普及拡大するというような基本姿勢で、どのようにしていけばこの学校運営協議会がスムーズに地域に受け入れられ、普及拡大をしていけるのかという、その方策をきっちり考えるということかと思います。
 また、学校選択制については、今まさに成果と問題というものを検証しながら検討を進めている段階で、3月に向けて少し基本的な方向性や評価、今後の方策等はこれから本格的に審議を進めていくということになっております。あと、学校教職員の在り方とか、教職調整額の見直しについては、これは現在まで5回の会議を持ってきました。これも先ほど分科会長からもお話があったように教員の勤務の在り方とか、学校の経営管理も非常に重要なテーマでして、これも最初に各自治体の取組、学校の取組を丁寧にヒアリングして審議を進めてきています。
 まだ5回しか議論しておりませんで、本格的に議論が始まった4回、5回では、今、学校はどういうふうな状況に置かれているのかということと、5回目はそうした学校の状況に対してさまざまな問題をどのような基本スタンスで改善方策を進めていくかという、その辺の議論がようやく今始まったばっかりということです。これから、1月末から大体、月2回のペースで3月末に向けて少し中間的なまとめをしましょうということで今取り組んでいます。
 簡単ですけれども、以上です。

 

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 今までのところで、もし何か確認をしておきたいというようなご質問、ありますでしょうか。もしまたご質問等あれば、最後にお1人、お1人ご発言いただきます。そのときにまたしていただいても結構だと思います。よろしくお願いします。
 では、次にもう一つ、実は報告がございます。これは中教審答申として教員の免許状授与の主要資格を得させるための大学の課程の認定についてと載せております。これは規定によりまして、これは参考資料1にありますけれども、いわゆる教職課程を大学等に認定する、これについてはこの分科会の下にあります教員養成部会の専決事項ということになっておりますので、この分科会を通さないでそのまま答申をしております。これにつきまして少しご報告しておきます。
 この教員養成部会は私が部会長をしておりますので、私のほうから簡単にご報告したいと思いますけれども、平成20年10月6日の教員養成部会で文部科学大臣から諮問を受けまして、これこれの大学等にこれこれの教職課程を認めることについてどうかという諮問を受けました。正式に言いますと、教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定ということになります。こういう諮問を受けまして、2カ月半ほど審議しまして、平成20年12月24日に教員養成部会の議決をもって答申とさせていただいたということでございます。
 ご承知のように、特別免許とかそういう場合には別ですけれども、普通の場合、教員の免許状というのは教育職員免許法という規定によって所要の基礎資格を持って、しかも、大学等の教職課程で単位を修得してというふうになっております。そういうことで大学等の教職課程、これについて審議して認可するということを決めるわけですけれども、これにつきましては実は教員養成部会の専決事項でありますけれども、部会の下に課程認定委員会というのが置かれておりまして、ここで詳細に審議して書類をチェックしていただいております。これの結果といたしまして、皆さんのところにあります資料3-1、3-2というのがございますけれども、というような形で新たに課程認定をさせていただいたということであります。
 内容的には少し前年度より減っております。47減って220大学について課程認定をいたしました。これは小学校が16減っているとか、中学校が21、高等学校が26。小学校というのは小学校の教員養成課程ということですが、特別支援学校16減っている、養護学校17減って、栄養教諭10減っている。全般的に減っております。印象的なのは、1つは教職大学院の創設、初年度が終わって2年度が少なかったという減り方が1つあります。もう一つ、小学校教員の養成課程、これを5年前から、いわゆるそれまでの抑制方針をとって新たに私立の大学に毎年三十何大学ずつ、5年前から認可してきましたけれども、これが少し一段落して、5年して一段落したかなという感じです。
 ということで、中身は、この資料3-1、3-2をご覧ください。そういうことで、ここにあるような形で認定可、教職課程、これでいい、認可するということになりました。ただ、これでそのままするわけではありませんで、課程認定されても、今、実地視察を毎年やっております。これはローテーションでやっているわけですけれども、もう一つ、そのほか問題があってはいけませんので、適宜書類のほうでもチェックさせていただいてということになっております。
 もう一つ申し上げますと、もう4年前になりますでしょうか、前期の初中分科会で議決していただいた教員養成部会の答申がございます。この中にありますように、一度認定されても、まずい場合には、これからは課程認定の取り消しもあり得るということでやっておりますので、一度こういう形で認定して、それで後、どう言いますか、そのまま放っておくというわけではなくて、常時実地視察をやる、あるいは必要ならば書類の上でのチェックをする。それから、問題があればいろいろと指導、助言をしていただいて、そしてまずければ、可能性としては取り消しまであり得るという線で教職課程の水準を一定以上に保つということになっております。このことにつきましては教員養成部会で何度もお話が出ておりまして、これをきちっとしなければ教員の基礎資格としてまずいということになっております。ということをご報告させていただきます。
 もう一つ報告をさせていただきますが、これは予算についてであります。昨年末に平成21年度政府予算案が閣議決定されております。関財務課長から初等中等教育関係の予算の概要につきましてご説明をお願いいたします。

【関財務課長】
 財務課長でございます。
 資料4によりまして概要をご説明させていただきます。1ページをごらんいただきたいと思います。21年度の予算案につきましては、教育振興基本計画の着実な実施を図るということで所要の経費を計上しているところです。
 まず、新学習指導要領の円滑な実施のための条件整備等ですが、授業時数増等への対応といたしまして、指導体制の整備につきましては退職教員と外部人材活用授業、サポート先生の拡充により対応することといたしまして、20年度7,000人でありましたところを倍増の1万4,000人に拡充しております。この中で理数教育の充実ということで、小学校につきましては週当たりの全体の授業時数が27コマから28コマに増加をいたします第4学年から6学年につきまして先行実施する算数・理科の授業時数の増加分に対応するための非常勤講師。また、中学校につきましても先行実施する数学・理科の授業時数の増加分について少人数指導を行うための非常勤講師ということで、全体で1万人を確保しているところです。
 次の理科教育設備整備費等補助金ですが、理科の設備関係でございます。前年度に対しまして7億円増の20億円を計上しておりますが、この中で移行期間中は新学習指導要領に対応いたしまして少額設備につきましても補助対象とすることとしているところです。また、学力向上支援授業につきまして実践研究校の指定や学習意欲向上等に関する調査研究、また、学力調査の活用によります具体的な取組について推進をするための経費を入れております。また、新学習指導要領の周知につきましては、説明会の開催による趣旨・内容の周知徹底。また、高等学校の学習指導要領につきまして解説書の作成を行うこととしております。
 次のページ、道徳教育の推進ですが、道徳教育につきましては、学校で使用する道徳教育用教材につきまして、概算要求では国庫補助制度の創設ということで要求をしたわけでございますが、21年度につきましては一部の地方自治体によりまして新たな財政支援を試行するということで約8億円の教材活用支援事業を新規で立てているところでございます。
 次の新学習指導要領移行措置用教材の作成・配布ですが、移行期間中に指導内容が追加されます算数・数学、理科につきまして、来年度、21年度予算では、22年度に必要となります補助教材の作成・配布にかかわる経費を計上しております。右側のほうに20年度補正予算13億円とございますが、21年度、来年度分につきましては、この20年度の1次補正により措置をしているところです。
 次の外国語教育の充実ですが、小学校の外国語活動の導入等の条件整備といたしまして、英語ノートや音声教材、教師用指導資料の作成・配布、また、外国語教育の低年齢化や授業時数増等に対応する調査研究を行うための総合的な教育システムの構築などにかかわる経費を計上しているところです。
 次のページの全国的な学力調査の実施につきましては、第3回目の全国学力学習状況調査を本年4月21日に実施するための経費と、それから、新たに専門的な課題分析に関する調査研究といたしまして、大学等の研究機関、委託をいたしまして、高度な分析検証を行うということで予算を盛り込んでいるところです。
 その下の中学校武道の必修化に向けた条件整備につきましては、中学校武道の24年度からの必修化の完全実施に向けまして必要な条件を整備するということで、施設、武道場の新規整備分の整備、それから、指導者の確保などについての実践校やスポーツ人材の活用実践支援事業などを行うこととしております。
 次に豊かな心と健やかな体の育成ですが、体験活動・読書活動等の推進といたしまして、豊かな体験活動推進事業につきましては、特にマル3の自然の中での長期宿泊体験事業といたしまして、農林水産省と連携をして長期の宿泊体験事業を行うことでございますが、これを235校から517校に拡充をすることとしております。また、青少年体験活動総合プランといたしまして、指導者やプログラムの開発、学校外での体験活動の推進を行うこととしております。
 次の学校図書館の活性化推進総合事業につきましては、図書館の活用の高度化ということで、学び方を学ぶ場としての学校図書館の機能強化や教員のサポート機能の強化といったようなことでの18地域ずつでの実践的な調査研究を行うための経費、また、地域や学校と連携をして、「子ども読書の街」づくりを推進するということでの実践的な調査研究も行うこととしております。
 次に、いじめ、暴力行為、不登校、少年非行、自殺等に対する取組の推進ですが、いじめ対策緊急支援総合事業を引き続き実施いたしますとともに、問題を抱える子ども等の支援事業につきましては、マル2のNPO等の活用に関する実践研究事業を団体数を拡充しているところでございます。
 また、スクールカウンセラーにつきましては、小学校での配置を進めておりますが、1,105校から3,650校に拡充をすることとしております。また、スクールソーシャルワーカー活用事業につきましては、20年度創設をいたしまして委託事業として実施をしてきたわけすが、21年度からは補助事業化いたしまして、ここにありますように65県市、1,040人ということでその普及を図ることとしているところです。
 次に、情報モラル教育の推進につきましては、特にマル3の学校における情報モラル等教育の推進ということで、情報モラル専門員を、専門の方を地域に派遣いたしまして指導主事や教員と連携した指導のモデルの確立、また、指導主事等を対象とした情報モラル教育の研修の実施による指導力の底上げというようなことを新たに取り組むこととしております。
 次に環境教育の推進につきましては、環境省と連携協力をして実施してきておりますが、調査研究の充実を図るというような内容でございます。
 次の7ページでございます。幼児教育の推進でございますが、保護者の経済的負担の軽減ということで、幼稚園就園奨励費の補助につきましては、私立幼稚園の補助単価を5パーセント増ということで引き上げますとともに、第2子以降の保護者負担の軽減をここにありすように図ることとしております。
 また、教育課程の理解推進のための研究協議会の開催や内容の改善、充実のための調査研究を実施いたしますほか、私立の幼稚園の施設整備費補助がございますが、これにつきましては耐震化を進めるということで、地震による倒壊等の危険が高いIs値0.3未満の施設の耐震補強工事について、補助率を2分の1にかさ上げをして実施することとしております。
 一番下の認定こども園幼保連携型移行・設置促進事業につきましては、これは20年度の補正予算によりまして前倒し実施をするということで計上しているものでございます。1次補正予算におきましては、幼保連携型への移行を促進するために必要な施設整備費を支援することとしております。また、第2次補正予算案、安心こども基金の内数ですけれども、認定こども園整備に必要な施設整備費の支援や幼稚園型や保育所型の認可外の部分、保育所機能や幼稚園機能への事業費を支援するということで内容としているものです。
 次の10ページ、キャリア教育・職業教育の推進につきましては、発達段階に応じたキャリア教育支援ということで、小・中学校におけるプログラムの開発の調査研究の実施や小学校におけるキャリア教育の指導内容の充実のための指導資料の作成を新たに行うこととしております。専門的な職業系人材の育成推進事業につきましては、専門高校の活性化のための「目指せスペシャリスト」を引き続き実施いたしますとともに、関係省庁と連携をして実施しております地域産業の担い手育成プロジェクトにつきまして、建設分野や農業分野、水産分野などにつきまして、その箇所数を拡充するなどして取り組むこととしております。
 その下の7番の学校すこやかプランですが、児童生徒の健康の課題の対応ということで、退職養護教諭の派遣をいたしますスクールヘルスリーダー派遣事業、また、薬物乱用防止教育の推進の拡充などを行うこととしております。
 次の9ページ、子ども安心プロジェクトですが、安全教育につきまして指導要領の改訂等を踏まえた参考資料の改訂を行いますとともに、スクールガード・リーダーにつきまして、これも補助事業化いたしまして、その普及を図ることとしております。
 その下の食育推進プランですが、栄養教諭を中核とした食育推進事業を新たに実施いたしますとともに、食に関する指導の手引につきまして指導要領の改訂等を踏まえまして、手引の改訂を行うこととしております。
 次に10ページをお願いいたします。教員が子ども一人一人に向き合う環境づくりです。義務教育費国庫負担金につきましては、教職員定数の改善につきまして、平成20年度と同様に行革推進法の範囲内で改善を行うということで、既存の教職員配置を一部見直しました上で、21年度におきましては800人の定数増を含む1,000人の教職員定数の改善を図ることとしております。内訳はここにございますように主幹教諭によるマネジメント機能の強化や事務職員定数の充実、特別支援教育の充実、外国人児童生徒への日本語指導の充実や栄養教諭定数の充実でございます。
 教員給与の見直しにつきましては、メリハリある教員給与体系の推進ということで、22年1月から特別支援教育に携わる教員に支給されております給料の調整額を縮減いたしますとともに、義務教育等教員特別手当につきましてさらなる縮減を図ることとしております。
 一番下のところにございます学校マネジメント支援に関する調査研究につきましては、教育委員会に対しまして学校事務の外部委託や校務分掌の適正化、保護者等への対応、メンタルヘルス対策などについて学校マネジメントに関する調査研究を委託するものです。また、参考にございます学校支援地域本部事業、20年度から実施をしてきているものですが、これにつきましても補助事業化をいたしまして3,400カ所、普及を図ることとしているところです。
 次のページの教員免許更新制ですが、本年4月から実施をされます免許更新制につきまして、円滑な実施を図るために免許状更新講習開設事業費等補助といたしまして、山間地や離島、僻地等における講習、また、少数の教科や科目の更新講習の開設への支援、障害のある受講者対応の支援などを行うということで10億円を確保いたしまして、これによりまして受講の機会の確保を図り、過度な負担を生じないようにするということで取り組むことにしています。また、理解推進のための手引などの作成を行うための事業も行うこととしているところです。
 特別支援教育の推進ですが、2つ目の四角にございます発達障害等に対応した教材等の在り方に関する調査研究事業を新たに実施いたしますとともに、その次の次ですが、NPO等の活動を体系化して支援団体間の連携や相互の情報共有等を推進するということで行うことにしております。
 それから、その下の拡大教科書等普及推進事業ですが、昨年の6月に議員立法で法律が制定されたわけでして、それを具体化するための経費です。
 次のページ、外国人児童生徒教育の充実ですが、受け入れ促進事業につきまして、これまで取り組んでまいりました取組に加えまして、新たに地域のNPOやボランティア団体等の関係者を就学促進員に委嘱をいたしまして、課題となっております不就学の外国人家庭への働きかけと、きめ細やかな就学支援を実施することとしております。
 その下のコミュニティ・スクールにつきましても、その制度の普及、活用の促進ということでの事業を引き続き実施をいたしまして、また、新たな取組等を取りまとめました事例集を作成することとしております。
 次に学校評価システムの構築につきましては、課題となっております第三者評価のガイドラインの策定に向けまして実地検証を行うほか、学校評価につきまして好事例について普及をするということで、事例集の作成などを行うこととしております。
 次のページの義務教育教科書の無償給与ですが、物価上昇等を踏まえまして、対前年度0.5パーセントの低下の改定ですが、児童生徒数の減少によりまして、このような予算額となっているところでございます。
 次のページですが、以上ご説明申し上げました内容のうち、新学習指導要領の円滑な実施に向けた支援策をまとめた資料でございます。ここの一番上にございますように、全体、総額で約209億円の予算額をもって、この円滑な実施に向けて支援をすることとしているところです。
 1枚おめくりいただきまして、免許状更新講習の事業費につきましては、先ほどご説明したとおりです。
 さらにおめくりいただきますと、地方財政措置予定の状況という資料がございます。1番から5番が新規に地方財政措置として予定をされている内容ですが、6番、7番が拡充の関係です。6番の学校教材の整備につきましては、緊急3カ年計画ということで新学習指導要領に対応いたしまして、既存の教材の更新に必要な経費に加えまして新学習指導要領に対応するための外国語活動や武道必修化、和楽器の整備などの新規分の経費を積算いたしまして、ここにございますように3年間で2,459億円を予定しているところです。
 また、その下の特別支援教育支援員につきましては、小・中学校に加えまして幼稚園について、3,800人を地方財政措置におきまして措置を予定しているところです。
 以上で説明を終わらせていただきます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 この予算関係、来年度予算関係でもし皆さんのほうでご質問があればと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、もう一つだけ報告がございます。12月24日の中教審総会におきまして、今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方についてという諮問が塩谷大臣からなされております。それにつきまして事務局のほうから、内容等につきましてご報告をお願いいたします。

【栗山政策課長】
 生涯学習政策局の政策課長の栗山でございます。
 去る12月24日に諮問されました今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について、諮問の内容について資料に沿いまして説明させていただきます。資料5ですが、1枚めくっていただきますと、諮問理由説明というタイトルの紙がございますが、これは、この部分は多くは背景等について書かれております。雇用環境の変化、あるいは産業構造・就業構造が大きく変化しているわけですけれども、その中で学生・生徒等の職業に関する興味・関心、進路も多様化しておりますし、また、若年無業者、あるいは早期離職といったような問題がクローズアップされているわけです。その中で学生・生徒の社会・職業への移行が円滑に行われていないのではないかという問題意識があるわけです。
 そこで、このパラグラフの4個目にありますように、初等中等教育から高等教育にかけて発達段階を踏まえたキャリア教育・職業教育を推進することによりまして、各発達段階において社会・職業への円滑な移行に必要な知識・技能、あるいは勤労観・職業観等をしっかり育成していくことが求められているということです。そして、こういったことから、一番下にアンダーラインを引いておりますけれども、まず審議をお願いします第1点といたしまして、社会・職業への円滑な移行のために学生・生徒に求められる基礎的・汎用的な能力について、初等中等教育、高等教育それぞれの段階に即して明らかにするとともに、発達段階に応じてその確実な育成を図って質を保証していくための体系的なキャリア教育の充実方策について検討をお願いするということです。
 そして、2点目は次のページになりますけれども、職業に関する専門的、実践的な知識・技能等を身につけさせるための職業教育の在り方について、後期中等教育から高等教育を見通して検討をお願いするということで、2つに分けられるわけですが、その1つ目は、後期中等教育段階、とりわけ高等学校においての職業教育の在り方ということですけれども、このアンダーライン、「まず」以下のパラグラフの下のほうにアンダーラインがございますけれども、ここに書いてありますように、専門学科については職業人として必要とされる知識・技能が高度化しております。それで、実際には高等教育の進学率が4割以上に高まっているという状況もございます。
 こういったことから3年間で即戦力となる人材育成を目指すという教育だけでなくて、例えば高等教育との接続の円滑化を図る、あるいは専攻科の位置づけを明確にするといったような職業教育の在り方についての検討をお願いしております。また、普通科につきましても、普通科の卒業生については専門学科に比べて卒業後の進学、あるいは就職、いずれもしなかった者の割合が高いといったような問題もございます。こういったことについてもあわせて検討をお願いしております。
 それからもう一つは、高等教育段階の職業教育の在り方ということですけれども、これもアンダーラインに書いてありますように、各高等教育機関それぞれの目的・役割を明確化するとともに、学生等の社会・職業への円滑な移行に向けた教育システムを形成するといった観点から、例えば多様なニーズに対応するための職業教育に特化した新たな高等教育機関の創設といったことも含めて、高等教育における職業教育の在り方について検討をお願いしているわけです。
 これは12月24日の総会におきまして、キャリア教育・職業教育特別部会が設置されまして、ここで調査審議するということになりました。この初等中等教育分科会からは田村副分科会長が部会長になられているのをはじめとしまして、6人の委員の先生方にこの特別部会にご参加いただきまして、審議をお願いしております。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 この幼・小・中・高・大と全部一貫してこれからのキャリア教育、あるいは職業教育、これの在り方について考えたいということで、初等中等教育分科会と大学分科会にまたがった特別部会が設置されまして、今、栗山政策課長からお話がありましたように、田村先生がその特別部会の部会長としてまとめ役をなさるということで、これから審議を進めていっていただくことになっております。これは総会にかかったときに珍しくと言うと叱られるな、山崎会長からいろいろなご発言がありまして、キャリアといっても、1つは時代によって非常に職業の構造が変わってきますね。そうすると、キャリアの構造が変わって、こういうことがあり、同時に、いわゆるエリート教育、あるいは芸術家などのような特別のタレントを必要とするもののキャリア教育等々、考えなければいけない課題がありますよねというご発言もあったように記憶しております。
 ということであります。清水局長、何かコメントがあればと思いますが。

 【清水生涯学習政策局長】
 先ほど説明がありましたように初等中等教育分科会と大学分科会にまたがります。いずれにしても、それぞれ取りまとめに当たっては各分科会のご意見を十分踏まえながら、フィードバックがよくできるように進めるということを心してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 何かこのキャリア教育・職業教育の新しい審議についてご質問がもしあればと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、最初に申し上げましたように、大体以上の報告があったところを皆さん念頭にも置いていただきながら、これまでのこと、あるいはこれからのこと等、自由にご意見、ご感想などお伺いしたいと思います。
 それでは、委員の方々、どうしましょうか、安彦先生から参りましょうか。一言ずつ。

【安彦委員】
 それでは、コメントといいますか、感想を2つ申し上げたいと思います。1つは、改めて今までこの第4期をやって、特に教育課程部会を中心にこの初等中等教育分科会の場合はやってまいりましたけれども、学校教育だけの議論をしていてもほんとうにどうしても不十分だなと。そういう意味では、対社会、あるいは学校の外との関係、今日の主要事項などを拝見しても、後半のほうのいじめその他、情報モラル、環境、キャリア等々、非常に学校の外との関係が深いテーマが多くて、今後やはり改めて学校教育については指導要領その他で1つの方向を示せましたけれども、公教育全体といいますか、改めて生涯学習や社会教育その他含めて、保護者の信頼を回復させるために、もう少しトータルに見て、そしてその中で学校教育を位置づける。
 そういう意味でもこの概算などの中身を拝見しても、やはり学校主体でやっていくという視点がどうも強く、まあ、当たり前の話ですけれども、でも、やはりもう少しその外、場合によっては省を超えて一緒にやっていかなければならない部分、そういうものもほんとうに総合的にやっていかないと、学校そのものも信頼を回復するのはなかなか難しい。そういう感想を1つ持ちました。
 それから、もう一つは、改めて私は大学分科会のほうにも出ていて感じたわけですが、高大接続テスト等のこともあったものですから、高校との関係で大学分科会に出させていただいたのですけれども、残念ながら十分に高校と大学との接続について正面から時間をかけて議論できなかったなという反省を持っております。今回、この職業、キャリア教育のところに、私、入れさせていただいて、そういう議論の場ができてありがたいと思いますが、今後ぜひ、前に梶田部会長も言っておられて、大学分科会と合同の場を持ちたいというお話がありましたので、ぜひそういう場も実現していただければというふうに、これはお願いでございます。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、岩﨑委員、お願いいたします。

【岩﨑委員】
 ありがとうございます。私の場合は教育委員会からということでございまして、欠席させていただくことが非常に多く、申しわけないという気持ちでおります。そんな中で非常に狭い、身近な地域の実態や経験からの発言にとどまっていたということを反省しますとともに、お役に立っていなかったことを申し訳なく思っております。そんな中で、委員の皆様方の幅広いご討議をお聞かせいただく中で非常に勉強させていただくこと、認識させていただくことが多かったと思っております。この学びから県の振興計画の策定委員会で、少し補足説明させていただいたり、あるいは本市の教育行政に生かさせていただいたりしております。ほんとうに感謝ばかりです。
 それで、審議会につきましては、私がずっと以前から学習指導要領を現場の教職員が活用していないという実態がございました。これにかかわりまして今回、全教職員に配布していただいたこと、うれしく思っておりますし、また、接続の配慮で関係の校種の指導要領も巻末につけていただいておりまして、これがまさに接続をどうしていくかというところに生かされるものと思っております。私は各会議に出ましたときに、このことを説明しながら、大いに活用していくようにと話しているところです。
 それから、私も3つの分科会に出させていただきましたが、それぞれの常に背影にあります非常に難しい問題を抱えている家庭の教育力の問題です。「生きる力」というリーフレットを全教職員、そしてご家庭、保護者にお配りいただきましたが、これを利用させていただいてPTAの大会等で活用しPRもしているところですが、「生きる力」というリーフレットにつきましても感謝申し上げます。今後も幅広い審議がなされる中、少しでもお役に立てればと思います。ありがとうございました。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、田村先生、お願いします。

 【田村副分科会長】
 今、まとめのお話をお伺いしながら、すごく大変なときに中教審の初中分科会に携わらせていただいたのだなというのを今さらながら実感いたしました。何かあっという間に過ぎたような気もしますが、教育三法にかかわっての議論、それから、学習指導要領のまとめ、同時に並行してかなりきめ細かく、今お手元にありますが、資料6として振興基本計画の文部省の考え方が示されたプランが出ていますけれども、これは2008年の実施計画ということで、先ほどお話にありましたキャリア教育について、お気づきになられていると思います。この重点施策計画の基本方針の方向の1番、社会全体で教育の向上に取り組む、その中にキャリア教育、多様なニーズに応じた職業教育の機会を充実するというテーマが取り上げられておりますけれども、こういった基本計画の方向性みたいなもの、いろいろな形を踏まえて議論を重ねて実施していくという、こういうことがいよいよ動き出したのだなという実感がございます。
 これを引き続き5期の中教審で、そういった作業がさらに展開されていくのだろうと思っておりますけれども、このことをできるだけ透明性を高めて世の中に訴えながら、社会全体が協力していくような形に実を結ぶと本当にいいのではないかなと思って喜んでいるところです。今の段階では、いよいよ出発したなという形での感想ですが、これからいよいよ始まるなというところかもしれません。そんなところで今の感想とさせていただきます。ありがとうございました。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、梅田委員、お願いいたします。

 【梅田委員】
 失礼します。私、この中教審というところへ出させていただきまして、当初、どんなことをしたらいいのかとたいへん戸惑ったわけです。教育の専門家でもないものですから、いろいろ考えてみまして、私がPTA活動を通じて感じたこと、そして子どもの姿を忘れないということを心がけて今日まで来たつもりでおります。そこでいろいろなことを勉強させていただきました。一言で言うならば、当たり前のことといいますか、基本といいますか、不易の部分といいますか、知徳体の大切さ、これを再認識したということになるかと思います。そういう意味でいきますと、今日の資料の中にございましたキャリア教育の推進についてですが、これもやはり基本的なところをきちっととらえることが、このキャリア教育の推進につながってくるのだろうということを思います。
 また、この資料の次年度の予算案を見せていただきまして思い出したことがございます。義務教育費国庫負担金の部分ですが、この堅持の活動をしていたときのことですが国庫負担が3分の1になって非常に残念だったこと。それで、そのときに2分の1、あるいは全額国庫負担を求めて頑張ろうと、あのときは必死でありました。今後はその方向に向けて行っていただきたいなと思います。私も立場は変わってきますが、私の立場で何かお手伝いできることがあったらしたいと思っております。
 そこで、もう一つ、そのときに非常に印象に残っていることは、米百俵の精神です。今は、これをどこでも聞かなくなりました。私はたまにこれを思い出して会議や、会合のときに話すのですが、これはやっぱり忘れてならないことではないのかなと思います。どんなに知恵を出そうとも限度があり、やはり裏づけとなるものが必要でございますが、ないからといってしない、できないというのではなくて、それこそ米百俵の精神を忘れてはならないなということを改めてこの資料を見て思い出したわけです。
 いずれにしましても、いろいろなことをこの中教審で勉強させていただきまして、ほんとうにありがとうございました。今後、私は、形は変わりますが、また何かの活動をしなければならないとは思っておりますので、そのときにはここで学んだことをその活動の糧としていきたいと思っております。ほんとうにありがとうございました。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、引き続きまして、衞藤委員、お願いいたします。

 【衞藤委員】
 衞藤でございます。この2年間、梶田分科会長のおっしゃったように大変多くの仕事をこの初等中等教育分科会でしてきたと思います。制度の改正であったり、新しい学習指導要領が出されたりというような中で、今後に向けてさまざまな改革というものが提示されてきたわけですが、これはこの結果というのは長い時間をかけてその成果があらわれてくるかと思いますが、今後ともそういったものの成果の点検作業というのを続けながら、私たちはまた考えていかなければならないと思います。
 私は保険とか医療とか、そういった分野の仕事をしているわけですが、昨日も沖縄で小児保健セミナーというのがございまして、今、小児の救急医療の現場では虐待を受けた子どもの数が非常に急増しているというようなことがございまして、そういった参加者の中から、日本は壊れているのではないかとか、また逆に教育に対する期待というのは非常に大きいということで、私たちが中央教育審議会でしていく責任の重さというのをまた改めて感じた次第です。2年間でございましたけれども、いろいろお世話になり、ありがとうございました。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、角田委員、お願いします。

 【角田委員】
 今、振り返ってみると、私は3期と4期と2期4年間させていただいたわけですけれども、大変大きな変革の時期にこの中教審の委員をさせていただいた、初中分科会の委員をさせていただいたということに大変感謝をしております。ありがとうございました。その中で、特に一番私自身の思いの中では、新学習指導要領の策定にかかわる答申を出させていただいたこと、その中での教科のいわゆる条件整備、教育の条件整備についての文言が答申の中にきちんと盛り込まれて、子どもと向き合う時間を確保するということが大変重要なポイントだなと思いましたし、そしてこれは学校教育というのは学校だけでなく、家庭と地域の連携を改めること、これも盛り込まれたということがよかったなと思っています。
 しかし、まだまだやっぱり課題が残っていると思っています。今、3つ、答申の中での課題を思い出しているのですが、1つは現行の学習指導要領で5つの課題があったと指摘をされた。そのうちの1番のところの「生きる力」の浸透が必ずしも十分でなかったという反省がありました。そのことが新しい学習指導要領でほんとうに浸透しつつあるのかどうか。これはこれからの2年間の移行措置を踏まえて行われることだと思いながらも、どうも現場はやっぱり忙しさの余りに授業時数の増加だとか、あるいは改善をされたところの中身についてということにはやるのだけれども、十分、生きる力ということの意味、あるいは知識基盤社会ということのそういう意味といったようなことが理解できない、あるいは理解する時間のないままに来ているような感じがします。この辺のところが大きな課題として残っているのではないだろうかと思います。
 2番目は、文部科学省、大変頑張っていただいて、非常勤の職員を1万4,000人確保していただいたわけですが、これは行政改革推進法の枠の中での努力でありまして、今後はやはり正規の教員をいかにきちっと確保して、学校の円滑な推進、この新しい学習指導要領の浸透を図るかという問題になってくるのだろうと思います。ぜひこの行革推進法を早くきちんともとに戻していただいて、定数の改善のほうに向けていただきたい。
 あわせて3番目ですけれども、最後は、幾ら教員の数が増えても、教員の質が上がってこなければいけないわけですので、そういう意味では教員の免許の更新制であるとか、あるいは教職大学院の制度、こういうものを活用しながらほんとうに学校にとって、あるいは子どもたちにとって、保護者の方々にとって役に立ついい先生をこれからつくっていくということが現場出身の私としては一番大きな課題だなと思っております。いずれにしても2年間、あるいは4年間、大変お世話になりましてありがとうございました。
 以上です。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、天笠委員、お願いします。

 【天笠委員】
 失礼いたします。短く4つ申し上げさせていただきたいと思います。
 まず1つ目は、先ほどのご説明と、それについてのコメントが少しあったかと思うのですけれども、教育三法の改正案をめぐりまして答申をこの中教審としてまとめて出したということで、そのことに私は意義を感じております。中身的にはそれぞれの立場、いろいろあるかと思うのですけれども、ここでそういう答申をまとめたということが当時の状況からすると、私は大変意味のあることではないかと、そういうふうにとらえております。それが1つ目であります。
 それから、2つ目は、基本的に今の答申を含めて学習指導要領の改定等々についての、その基本的な理念ですとか基本的方針というのは、私は是としてこの場に、また、その旨のご意見も折々述べさせていただきましたけれども、それが今度、具体の運用になるとか方策になるとか、ある意味で言うと教育の現場に近づけば近づくほど、その理念そのものが、あるいは基本方針そのものがどうなっていくのか、どうなのかというあたりのところ、ここのところをどう押さえていったらいいのか、あるいはどうとらえてったらいいのかということが私は大いに課題だと思っております。
 そういう点では、そういう方向性とか基本方針については是としたわけですけれども、それのフォローアップというのをどういうふうにとらえていくのか。そこら辺の課題があるように思えてならない。要するに基本方針は是なのですけれども、その方法とか、その手だてはどうなのだろうということについての吟味とか、議論のやりとりもまた私は折には必要なのではないかと思っております。それが2つ目であります。
 それから、3つ目については、フォローアップという話になってくるのかもしれませんけれども、既に義務教育の改革という大きな方向性が打ち出されてと認識しております。その中で折々の方策等々が提案、答申としてまとめられているかと思うのですけれども、先ほどもご説明がありましたけれども、その中で小・中学校の設置とか運営、あるいは学校間の接続とか、連携ですとか、適正配置ですとか、今、ワーキンググループで進められているそれであります。今後の義務教育の在り方を考えていく上でどうまとめていくのかどうなのかということについて、やっぱり大きな関心を払っていかざるを得ないと思っております。
 そういう中で、私は学習指導要領の中身とそれぞれの方策というのを絡めていくとか、そういうこともまた必要なのではないかと思っているわけで、そのあたりのこれからの義務教育改革の全体的なグランドデザインの描き方というのでしょうか、そういうこともまた改めて私は必要になっているところがあるのではないかと思いますが、それらワーキンググループの議論の進行状況等踏まえながら、その動き等々について注目していきたいと思っております。
 最後になりますけれども、4つ目として、そういう点で予算の考え方というのでしょうか、もちろん新規事業ということも折々の時代の状況からそれの必要性ということはわかるわけですけれども、今おっしゃるフォローするとか、継続するとか、こういう視点というのもまた大切な点があるのではないかと思いますそういう点で学習指導要領等々が成果が上がっていくというための、そういうものを具体的に、もう既に幾つかの方策を出されておりますけれども、さらにそういうことを踏まえて、一度出された方策をより成果が上がるために継続していく、継承していく、あるいはフォローしていくという、そういう観点からのまた予算の在り方とか考え方というのも今後議論を深めていっていただければと思います。
 以上です。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、井上委員、お願いいたします。

 【井上委員】
 私も3期、4期と2期、中央教育審議会の審議に参加させていただきまして、委員の皆様がそれぞれ学校現場のお立場とか、それぞれの学校種別のお立場から非常に真摯な、建設的なご意見を出しておられたこと、非常な感銘が残っております。
 そして、この時期はちょうど60年ぶりに教育基本法が改正されたという非常に大きな改革の時期でございましただけに、この審議というのが今後の――言ってみれば、21世紀の初等中等教育に非常に大きな影響力を及ぼすという重要な時期であったなと思っております。特に教育基本法改正後の教育三法の審議は、従来ですと文部科学省のほうで、それに基づく学校教育法等の改正を行うのでしょうが、特に中教審の審議を通じてその改正の事項について審議をしていただいたというのは、これはある意味では説得力を持った改正案ではなかったかというように、これは高く評価しているわけでございます。
 そして、特に学習指導要領については、ゆとり教育への批判ということから、これはゆとり教育というものがひとり歩きしたという感じは否めないわけでございまして、それだけにスクールミーティングをはじめ、いろいろ学校現場の実態を踏まえながら、3年間に及ぶ教育課程部会の審議というのはほんとうに皆さん方の真剣なご意見、また、真摯なご議論があって、今回の学習指導要領については、私もその一員として参加して、これが学校現場に定着すれば我が国の学力向上をはじめ、教育の改善ということに大きな役割を果たすのではないかと思っているわけです。
 それともう一つは、教育振興基本計画が教育基本法の改正に伴って、これが策定できたということは非常に大きいと思うのですが、ただ、全体として教育振興基本計画の中で私が思いますのは、3期で三位一体改革、そして行政改革推進法に基づいて定数改善もその範囲内というようにいろいろ財政的な制約が非常に強くて、教育立国を掲げるからにはOECD諸国の中でGDPに対する公財政支出が最低であるということ、これはやはり我が国として教育立国を掲げる以上は、今後大いに教育投資の拡充に向けたコンセンサスづくりというのが国民全体において必要ではないか、このように思っているわけです。
 特に三位一体改革で義務教育国庫負担金が2分の1から3分の1になり、また、教員の給与も2.76パーセント削減するというような、教育が改善をするためには、先ほどからお話のようにいい教員、いいすぐれた人材と、その教育基本法に書いている適正な待遇をし、そしてみんなが、学校における教育活動が、協力体制が築かれるということが教育を改善する最大の要諦だと思いますので、そういう条件整備というのも今後さらに続けていく必要があるのではないかと考えているわけでございます。それだけに行政改革推進法が終了した後は教育投資の拡大に向けた、国民全体、特に政府全体でそういう取組をしていただくことを私は大いに期待したいと、このように思っています。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、植田委員、お願いいたします。

 【植田委員】
 失礼します。皆さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。冒頭の梶田先生のお話の中に、教壇に立つ人を大切にというお言葉がございました。ほっとしております。私、何も肩書がないのでございますが、ここにいる存在価値は何であるかと常々考えておりますが、現場の様子を皆さんにお伝えするということだろうと思っております。
 中学校の現場におりまして、今も実は授業の時間でありまして、私はこっちへ来ているものですから、かわりの者が私のかわりにあるクラスに行って授業をしてくれています。その人のおかげで今ここに私が来られているわけですが、教育振興基本計画、今、井上先生のお話にもありましたが、この中の第2章のマル1のアの項に、こういう文言があります。「だれもが安心して子どもを学校に通わせ、すぐれた教員のもとで教育を受けることができます」。「すぐれた教員のもと」、こういう言葉がありますので、私たちは日々研さんを積んでいかなくてはならない。それがために更新制もあるのだろうと思っております。
 この会議場でもプラス思考で、リニューアルという言葉がございました。そういうわけで、子どもたちのためにしっかり私たちがゆとりを持って日々の教育活動を行わなくてはならないのですが、これも今まで現場の声ということでお話をさせていただきました。第55回のこの会議の19年10月24日の資料で教職員をめぐる状況という中に、いっぱいあるのですが、4項を挙げさせてくださいませ。
 1つ、学校現場が抱える問題は年々困難になっている。その中に3つあります。問題を抱えた子どもが増えている。特別なケアが必要な子どもが増えている。対応が困難な保護者が増えているということがございます。私自身も生徒に、10代の子どもに「うぜえ」とか、「失せろ」とか言われた経験がございます。その時は堪えます。心の中ではその子のことを知るかとも思うのですが、そういうわけにはいかない。どうかその子に歩み寄って、まずは話ができる状態に、卒業時ににっこり笑って別れられるような人間関係をつくろうと思うのです。私だけではございません。多くの小学校の教員、中学校の教員はそういうことで日々頑張っております。
 それから、次の項でございますが、教員はますます多忙になっている。その中に5点ございまして、我が国の教員は授業以外に業務負担が多い。2つ目、我が国の教員は勤務時間が長い。3つ目、残業時間が大幅に増えている。4つ目、休憩時間がほとんどとれなくなっている。5つ目、教員の精神性疾患が急増している。昨年末のニュースでもございました。15年連続の増加ということで、現場はとにかく悲鳴を上げているのでございます。もちろん、落ち着いた学校もたくさんございます。子どもたちが100人いれば、右向きなさいという指示に対してみんなが右を向けば、教員、先生を増やす必要はなかろうと思います。
 ただ、年々、右を向けと言えば知らん顔する、左を向く、そういう子どもたちが現実にいるのでございまして、先ほど申しましたように、その子たちに歩み寄っていかなくてはいけない。時間が要る。手間が当然かかります。愛情を持っていかなくてはいけない。もっと定数の改善をというのはそういうところでございます。大きな点の3つ目でございますが、教員の給与は高くないということでございますが、今、作業部会等でその辺の話が進められております。
 4点目、教員の人材確保が難しくなってきている。職員室の中の話題に、我が子が教員になるとしたら、おまえはどう答えるかというのがございまして、今、大変な非常に難しい時代でありまして、だれもが大手を振って頑張れと言えないというのが本音でございます。もちろん、もうかる、もうからない、以前も申しましたが、そういうことではなくて、一生懸命やって、やりがいのある仕事ではあるのですが、なかなかそこまで行き着かない。最終的には心を乱して精神疾患となる。私の周りにもやめていった教員がいるのです。
 そういうことで、最後に、またお願いかと言われるのですが、そういう現場の声にぜひ耳を傾けていただいて、子どもたちのために頑張っている教員が生き生きと教壇で教鞭を振るえるようにお力添えをお願いしたいと思います。最後の最後までお願いして申しわけありません。どうぞよろしくお願いいたします。大変お世話になりました。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、小川委員、お願いします。

 【小川委員】
 まだ3月末に向けて適正配置や教職調整額の作業部会で中間まとめをしなければならないため、自分の意識の中では、ここで1つ区切りをつけるという気持になっていませんので、あまり特別な意見はありません。ただ、この間の学力の論議を含めた新教育課程の作成過程とか、あと教員の勤務実態を踏まえてさまざまな給与、勤務の在り方等の議論を通じて、やはり審議の前提にはきちんとした実証的なデータをある程度集積して、それをどう活用するかということが大変重要だなということをこの間感じました。
 今後、新教育課程がスタートしていくわけですし、また、新教育課程をサポートする教育振興基本計画もスタートしているということで、今後施策を進めていく上では、それらをきちっと定期的に検証して、必要なフォローアップをしていくという取組はますます重要になってくるのだと思っています。特に行革推進法の期限切れも見えていますので、そうしたことを見据えながら、次期の教育振興基本計画の作成の時期ももうあと3年後に迫っているわけですから、行革推進法の期限切れも見据えて、次の教育振興計画づくりの理論構築と、それに必要な実証的なデータを集積するような、またそれを活用していくような体制づくりを文科省のほうとしても力を入れてやってほしいという思いがします。
 お聞きするところによると、何かそういうふうな統計資料の集積と、それを分析・活用していく体制づくりを文科省としてもきちんとやろうという議論が今進められつつあるという話も聞いていますので、次の施策の重要課題だと思いますので、ぜひ積極的に取り組んで頂きたいとお願いします。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、甲田先生、お願いします。

 【甲田委員】 
 3年間、どうもありがとうございました。あまり大局的なお話は、もう既に皆さんなさっていますので、私の感想はやはり日本という国は非常にみんなが知恵を出し合って、バランスのよい教育をしている。そして現場の頑張りがあって、やはり世界に誇れる教育をやっているという印象は強く持ちました。
 私は高校の立場だったのですが、この3年間のさまざまな議論もやはり高等学校というのはいつも後回し、後回しというか、義務教育と高等教育というのがあって、挟まれたところで、少し言葉は悪いですけれども、つじつまを合わせていくみたいな、そういう印象というのは持たざるを得ませんでした。高等学校教育そのものが日本において、そういう役目をどういうわけか、どういう歴史的なものがあったのか、やっぱり負わされてきた3年間だったなと強く感じたところです。いつか高等学校あたりから発信できる何か改革ができればいいなということを感じたところです。
 あと、具体的に2つほどあるのですけれども、今、基本計画の話がございまして、大変力強かったのですけれども、数値目標が何か1つぐらい入ったらよかったなという気持ちというのはあります。それからもう一つ気になっているのが、地方分権でいろいろな職制が出てきておりますね。今回の改訂でもそうですけれども、校長、副校長、主幹教諭、指導教諭、主任教諭などいろいろそれぞれの県で非常に使っていますよね。あれ、いつかどこかで少しずつ整理して国のものにしていく必要というのは、どこかで必要になるのではないかなと感じました。例えば大阪では准校長というのがあるのは皆さんご存じでしょうか。そういったようなのがあって、非常に現場が、あるいは国民が混乱していくということが考えられるなということで、ちょっと具体的な話でございます。3年間、ありがとうございました。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、佐々木委員、お願いします。

 【佐々木委員】
 ほんとうに大切な時期に委員をさせていただきまして、どうもありがとうございました。ここからは成功させるための丁寧な実施、これに尽きるのだと思っております。丁寧な実施というのは何だろうな、あるいは成功とは何だろうなというと、実は漠然とした言葉では出たけれども、具体的に何を持ってして今回が何年後に成功したとみんなで褒め称えることができるのかというところは見えていないのだと思うんですね。これをオフィシャルに決めるという必要はないのではないかと私は思うのですが、それが各学校なのか、都道府県なのか、あるいは各それぞれの教師なのかが、この成功とは何かということを議論したり、あるいは数値で見えるものにしていったらいいと思っているんです。
 これは例えば学力なのか、というか、1つではなくて、10も20もあっていい。あるいは複数あったほうがいいんですね。例えば学力テスト、体力テストでもいいです。1つの民放のテレビ局ですけれども、30人31脚で何等賞でもいいと思うし、美術展の参加が増えるでも、スポーツ大会の記録が伸びるのでも、読書コンクールに出す子どもを増やそうでも、あるいは教員試験の応募者を増やそうでも、複数の総合的ないろいろな指標を見て、そして今回やってきていることがほんとうにプラスに働いているのかいうのは、広い目でいろいろな人が数値で見ていくと結果が見えると思います。これをまたこれで行こう、何とかテストで行こうというふうにやるのではなく、それぞれが決めて、それぞれがプラスを感じ取るということが大変重要ではないかと思っています。
 これを成功させていただくために根幹が決まったのですが、重要なことは多様性を持って、変身しながら前身するということだと思うんですね。オバマ大統領ではないですけれども、多様性の時代で、企業も多様性を求められていて、これは性別、年齢、経験、さまざまな人たちの意見が交わるからこそ、今まで以上の回答、答えが出てくるということで、ただ多様な人がいることではなく、よりよい答えが導かれるということですから、この今の基本にのっとって、日々より多くの意見を受け取りながら、変身しながら成功させていくということを柔軟にしていけたらいいと思っております。
 2点だけ、私は常々家庭の参加というところに、家庭、家庭と言うけれども、家庭イコールほぼ企業なのであるということを言い続けてきたわけですが、こんな不況になりまして、企業もそれどころではないと言うかもしれませんが、だからこそ企業の従業員の人たちにも教育現場にどんどん足を運んでいただいて教育に参加していただく。これこそが家庭の教育参加とイコールになると思いますので、もっともっと企業に教育への参加を促していただきたいと思っております。
 これは多様な大人に子どもたちが触れるという機会にもなりますし、それから、当然、先ほどから出てきているキャリア教育にも触れ合うことになるかもしれませんし、あるいは先ほど来、先生の負担がたくさん出てきていますけれども、いろいろな大人が教育現場に入ってくることによって、先生の負担というものも精神面でも随分減っていくと思うので、企業人の教育現場への参加、どんどんやっていきたいと思っています。
 それからあと1点だけ、学級、クラスの人数の縮小、少人数制の実施です。小学校が25人だとか、30人というのはだんだん実施されているかと思いますが、私は高校まで30人以下、少人数になることによって子どもも落ち着き、先生も落ち着くということになると思いますので、これからの少人数クラスの実施というのを実現させていけたらいいなと思っております。
 以上です。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、高倉委員、お願いします。

 【高倉委員】
 高倉でございます。初めに少し余計なことでございますが、私、文部科学省、当時、文部省の審議会の委員をさせていただいたのが昭和48年、1973年ですから、36年前ですね。おそらく39歳か40歳のときだったと思います。そのときは教養審の委員で10年やらせていただきました。その後は教科用図書検定調査審議会、学術審議会の専門委員、また教養審の委員に戻ってきて、そして中教審、1期から4期まで大変長い間、36年もご迷惑をおかけして大変申しわけございませんでした。いろいろなことをやらせていただきましたので、思い出ないしはいろいろな考えがございますけれども、簡単に申し上げたいと思います。
 3点ほど申し上げますと、直近になりまして、特に第4期の中教審になりまして非常に印象的だったことは、免許更新制の実施にかかわる教育三法絡みの話です。これは平成14年に第1期のとき、私、教員養成部会の初代の部会長でしたが、更新制はまだ時期尚早であるという答申をまとめる責任者であったということですね。それをめぐっていろいろございましたけれども、平成19年の教育三法ではこれに賛成する。そして、国会の参考人で意見を述べる。別な言葉で言いますと、免許更新制には、私、宿命的にかかわってきたのかなと思うわけでございます。
 いろいろな考えが心の中をよぎっていきますけれども、いずれにしましてもこれが実施されるということでございますし、したがって、教師に対する国民の揺るぎない信頼を確立すると同時に、この更新制の実施を通しまして教員養成とか、研修とか、そういった制度もすばらしいものに充実していくというようなことを強く期待しております。1点目。
 2点目でございます。2点目は、私、初中分科会絡みで申しますと、初中分科会でもって例えば教育課程にかかわる答申が出てくる。一方、私自身、教科用図書検定調査審議会の委員をまた仰せつかるということで安彦先生とご一緒でしたけれども、教科書改善に関する報告を出す。これは新しい学習指導要領に対応して教科書をどう改善するかということが1点。もう1点は、教科書検定の透明化、極めて難しい問題ですけれども、この問題をどうするか。その報告書を暮れの25日に提出するというような仕事をしてまいりました。
 それに関連して、私、少し感想を申し上げたいのは、初中分科会、中教審のような――「ような」というのは言葉が悪いかもしれませんが、政策立案にかかわる審議会と、教科用図書検定審議会等々、行政処分に関する審議会、それの連絡調整というものをどうするのかということが大きな課題ないしはもっともっと考えていかなければならないこととしてあるのではなかろうかということを感じております。第2番目です。
 第3番目ですけれども、第3期のときにこの初中分科会の中に特別支援学校の在り方に関する特別委員会をつくった。特別支援教育の特別委員会だから通称「特特委員会」といったというようなことがございますけれども、平成17年12月8日に答申をまとめさせていただいた。それに基づいて特別支援学校がスタートしました。
 ただ、その中でもって課題として残したことが若干あるわけです。たくさんあると言ったほうがいいのかもしれません。個別の就学指導というようなことも課題として残された。それについては去年から検討してまいりまして、中間報告がまとまるということで、今度はさらにそれをもう1年間、練りに練って義務教育から高等学校、あるいは大学進学をもにらんだ――ちょっと初中分科会からはみ出してしまうかもしれませんが、そういった個別の就学指導についての取りまとめをしようということをしているわけです。
 それについてですが、今日のいろいろなご報告の中に予算絡みで言うと、特別支援学校絡みの予算、すばらしいものがついてくるということについてのご報告をいただきまして、ほんとうにうれしく思います。ただ、今日のご議論の中に、やはり直接、今、初中分科会の中にワーキンググループ等々が設置されているわけではございませんが、1つ前の第3期のときにつくられた「特特委員会」が課題として残したものについての議論を今続けている。そしてやがてあるところに着地しなければならないというような、そういったことをやはり初中分科会の中のどこかにきちっと位置づけて、この初中分科会全体の中で若干でもいいからご議論いただくというような、そういったことを期待いたしたいと思います。
 余計なことを言いましたけれども、何しろ36年間、ほんとうに長い間、ありがとうございました。お座りになっていらっしゃる文部科学省の皆様方を拝見いたしますと、どこかで何らかの形でかかわりがあったなと思いまして、私にとっては非常にうれしいことだったといいますか、言葉では言いあらわせないものがございます。36年間、どうもありがとうございました。

 【梶田分科会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは、壷内委員、お願いします。

 【壷内委員】
 第4期の途中から参加させていただきました壷内でございます。この中教審の会議に出るたびに文科省の皆さん、また中教審の皆さん、それから、各委員会、そしてまたワーキンググループの委員の皆様、すばらしい、いろいろなことを発想しながら考えてくださっているなということが毎日のように手に取ってわかるような気がいたします。
 いよいよ小学校が平成23年、中学校が24年、そして高校が25年ということでバトンタッチがまさに我々のほうに渡されたなという思いがしております。移行措置も順調に進んでいると私もつい先週ですが、中学校の県の会長さん方にお集まりいただいて、その進捗状況を聞きました。文科省の皆さんの周知期間というのが、これがまたインパクトがあるんですね。あそこまできちんとやってくださると、我々学校の現場の校長として、やはり今度は学校で教職員あるいは地域のみんなに周知徹底を図らなければいけない。こういうことを何人かの皆さんからお話しいただきました。
 私自身もちょっとおくれ気味かなと思ったのですが、とにかくこの周知徹底期間をうまく利用しながら、去年の学校評価、もう教育課程編成に取りかかっております。先行実施するもの、きちんと区分けしながら、先ほど来、学習指導要領が各学校に1人ずつ手に取って配布されましたよという話が出てまいりました。当然、教員にもそれをお渡しして、今、グループ討議をやっている最中です。特に先行実施されるものについては、それぞれの分野で総則から始まって、音楽の歌唱教材まで、理科、数学は当然なのですが、各教科等で今審議を繰り返しながら、何とか円滑にいかなければいけないのかなと、こういうことを考えております。
 いろいろな意味で財政的な措置、指導体制整備と非常勤講師で1万4,000人という話が出てまいりました。数は1万4,000人、とてもすばらしいんですね。中身を見ると「12時間」と書いてある。非常に残念ですね。この辺あたりは数字を見るとすぐわかるのですが、12時間というのは、1日8時間勤務です。1日半しか匹敵できない。じゃあ、実際に子どもが相談に乗ってきた場合、その人たちは対応できません。当然、専任の教員がやる。何ら変わりはないということで、ぜひこの辺あたりまだまだ改善の余地、行革推進法の範囲内でという話がありました。細かく見てみますと、ほんとうに学校現場に熱戦の火ぶた、我々やるわけですが、まだまだ課題があるなという思いでいっぱいです。
 算数・数学、理科の教材、配布するとやりました。3月のできるだけ早い時期に学校に来ないと、今の新しい先生方は自分が中学時代、習っていないんですね。それを4月からやらざるを得ないという状況があります。1日でも、1時間でも早く、その現場の教師に届くようなご配慮をひとつよろしくお願いしたいと、このように考えております。
 それから、我々、学校が非常に元気の出る、先生方が元気が出る、こういうことを何とかやりたいなと。教育基本法が改正され、教育三法が改正され、幼稚園から始まって高校まで、そして特別支援学校まで、すべてが日本の教育の新しい出発なんですね。説得力ある言葉は何でしょうか。私は、日本の新しい教育がスタートします、そういうことを保護者に向かって、あるいはよく出会う人に言います。じゃあ、その元気の出るもの、何かあるのかなと考えると、これだというものがまだ思いつかないんですね。しかしながら、目の前に子どもたちがいます。絶対におくれることなく、ぜひ責任持ってやりたい。
 最後ですが、課題だけお話しさせていただいてかわりたいと思います。指導体制整備に向けた人的措置、財政措置、これからまだまだあると思います。ひとつよろしくお願いしたい。それから、教職員定数改善、これは悲願です。ぜひ1日も早くお願いしたい。3つ目が優秀な教員、やはり教育界にこれから欲しいです。ダウンするだけが能じゃない。是非、人材確保の精神を堅持していただきたい。それから、教員はやっぱり処遇改善を図らなければなりませんね。ぜひ何とかめり張りのある、その給与体系が教員にとって喜ばれるかどうか、これから評価されるのではないかと思います。よろしくお願いしまして、私の話を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、寺崎委員、お願いします。

 【寺崎委員】
 2年間終わってしまうと、あっという間。初めは何か脱兎のごとくで、終わりのほうは粛々という感じが個人的にはしているのですけれども、私は全国の小学校の校長会で、当時、義務教育費国庫負担制度の堅持に何とかこれをという、それがほぼ何とかなりまして、この会に参加することになりました。まさに最初は、今日ご報告があったように三法の改正等、非常に目まぐるしい会議の連続でしたけれども、大変うれしかったのは、いつもそこで皆さんから多様な議論が活発になされて、またそれらを文科省の皆さんがいろいろな形で具体化をしていくように努力をしていただいたということに大変ありがたかったなというふうに、今思い返してみると思っております。私はその立場上、常に条件整備ということを申し上げてまいりました。具体的にはこれまで現場関係の委員の方からお話があったとおりでございます。
 最後に課題として、私も同じことになるかもしれませんが、二、三点申し上げたいと思っています。いよいよ小学校の場合ですと来年度から実施になります。移行措置が実施になって、実質的にはほんとうに実施になるわけです。その実施のときに一番必要なのは教師力、教師の授業力だろうと私どもも認識しております。そういう意味で、免許更新で、10年に1回の更新の間の10年、この間に教師がみずからの設計でしっかりと自己の授業力等の更新等ができるような研修システム、体制をさらに整えていくことが必要ではないかなと思っております。
 それから、2点目は教育振興基本計画、これも校長会でこれが議論に乗ったころから何度もご意見を申し上げてまいりましたけれども、いよいよ具体化をしてきた。そういう中で、国、都道府県あるいは市町村等、具体化をしていく中で、そして最後には学校があるわけですが、この双方向性の中で学校がまさに今求められているように自主的、自立的な学校運営とか、あるいは教師の創意工夫とか、そして先生方が元気が出て活性化するような、そういうような状況がつくれるよう、この実施をぜひお願いしたいと思っています。
 最後に繰り返しになりますが、いよいよ教員の力によって実施の段階になりました。評論家ではなくて、私どもも現場の先生がどうしたらこの趣旨をしっかり理解をして実現できるかということに及ばずながらまた全国にいろいろな形でかかわっていきたいと思っております。それは個人的な課題としてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、渡久山委員、お願いいたします。

 【渡久山委員】
 初中分科会の第4期が終わるということについて、若干感想と要望を申し上げたいと思います。梶田分科会長、あるいは田村副分科会長から言われたように非常に重要で大きなこと、あるいは大事なことを非常にやってきたのではないかなと思います。
 私個人といたしましては、少し言い過ぎたり、あるいはフラストレーションに陥ったり、いろいろあったのですが、委員の皆様、事務当局の皆さんの寛容さに支えられてここまで来たと感謝しているところです。私が一番感じたのは、やはり教員の養成、採用、研修、あるいは勤務実態、これがいろいろな形で議論になったと思うんですね。特に養成の問題では大学が、教職員大学も大学院もできているのですが、大学では今日もありました課程認定大学における養成ですね。それでいいだろうかという問題と、どうするのかという問題ですね。
 それから、採用については教育委員会のいろいろな形の採用が全国では多様な採用があるということが、いろいろなことからわかってきたわけですね。ですから、それについて最もより理想的な採用形態というのはどうなのかということが出てこなくてはいけないだろう。研修については、今、教員の更新制という免許の問題が出てきまして、これは僕も10年後の課題かなと思って最初は気楽に参加していたのですが、結果的には来年から実際、30時間講習を受けるのはみんな現職の教員ですね。あと10年間、全部講習を受けていくのはみんな現職の教員なんですね。始まって10年か14年後にこの法律のきちっとした、適用されるという話になってきますから、これはもう少しきちっと議論すべきところがあったのではないかなと思います。
 今日の関課長の説明でも、どうもやっぱり教員の、ああいう形で出てきたのに、教員の自己負担が非常に大きくなるわけですね。これは現場教員としては耐えられない問題だと思うんですね。既得権があり、終身免許であったのにどうだということでありますので、これを含めて、あるいは教育の今の超勤等含めて、教員政策がどうあるべきかというのを文部省としても中長期の計画をきちっと立てていただきたい。そうでなければ何となく、その場、その場の政策になりかねないような気がいたしておりますので、これはぜひお願いしたいなと思います。
 特に昨今、今日も出ましたけれども、2.76の削減問題ばっかり出てくるんですね。削減がされて行政と一緒になっても、これにめり張りをつけようということになれば、結局、実質的に下がっていく教員もいるわけですよ。みんな上がっていくわけではないですよね。ですから、ここでも少しありますけれども、副校長ができ、主幹ができ、指導教諭ができたら、これはどうしても給与法をつくっていかなくてはいけない。しかし、そのためには校長が上がらないとめり張りがなかなかつかないですよね。ですから、ぜひとも特に校長の給料をどこまで持っていかなくてはいけないかということを根本に議論していただかなければ、ほんとうの教員の待遇改善にはならない。やる気があるような教員づくりが必要。いただきたいと思います。
 2つ目は教育課程ですね。学習指導要領を変えましたね。平成14年の答申の実施が、学習指導要領は、あれでよかったのかという話からずっと出てきまして、結局、今度新しく主要教科を増やすという形になりました。必修も出てきましたね。その中でやっぱり非常に特徴的なのは、1つは英語教育だと思いますね。小学校の英語の教育をずっと充実させようという、そのために中学の英語ももっとビビッドなものに、あるいはもっと実用的なものにしていこうという形で出てきて、それで高等学校の教員は英語で授業しろと、こう来ていますね。
 これは確かに今の英語の教員は昔と違って、例えば飲んだりするとほんとうに英語で会話ができるようなレベルにもう達しています。ただ、しかし、授業ができるというのは非常に大変なものなんですね。ですから、このことについては、私は各県2名から3名を1年、2年、長期にアメリカを含めた英語がネイティブなところへ連れていく、スピーカーのいるところですね。教習させる。このほうがずっと得だ、あるいは早いと思いますので、ぜひともそういう長期的な研修の問題についてお考えいただきたいと思います。
 それから、最後に、3番目は教育振興基本計画ですね。これはある委員が言われたように、これは文科省と財務省と総務省の官僚の何か財務作文ではないかと言われたような、非常に酷評された方もいらっしゃいますが、数値目標がないという面では、そういう側面もあることはあるのですけれども、ただ、これはそういう省庁だけで決めたものではなくて、政府の閣議決定ですよね。ですから、対外的には日本政府の教育計画になるんですね。ですから、日本政府がこれでいいのかと。あるいは逆に言うと、イギリスやアメリカがいろいろ決めているような、国としての教育計画、これに対して日本はこれでいいのかということが、実は国として問われている。国としての教育の在り方がこの振興計画を通して問われているという、ここをやっぱりもう一度見ていかなくてはいけない。
 そういう意味では、先ほど井上委員が言われたように、きちっとした世論づくりをしていかなくてはいけないと思いますね。保護者負担といいますか、私費負担というのが非常に日本は多いですね。特に大学における私費負担というのは非常に多い。それを今まで放置していいのかというのを考えていただきたい。OECDの中でも指標はもう出ているわけですよね。なぜそれができないのかということをもう一度根本的に問うべきだなと思います。
 そういうようなことを言っていると、今日の予算も非常に少ないから、文部省の役人は何もしていないのではないか――違うな、努力が足りないのではないかと言われるのですけれども、何か文部科学省の先輩が言われていましたね。総合規制改革会議、あるいは経済財政諮問会議、そういう中でいろいろな攻撃やいろいろな要求が出てくるけれども、文部官僚はきちっとこれに対しては教育のあるべき姿というものを打ち出して闘って、闘うという言葉ではなかったが、はね返してきた。特に全国における小・中学校の学校選択制の問題を全国一律にやれという話も出てきていたようですね。それに対してはスパッと断ったということが書いてありますので、私たち中教審の委員がいろいろ話をしていることに対しても事務当局として今まで頑張ってこられていたという背景をちょっと見まして、非常にうれしいと思っています。ありがとうございました。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、藤井委員、お願いします。

 【藤井委員】
 藤井でございます。第4期の皆さんのお仲間入りをさせていただきまして、梶田分科会長さんをはじめ、いろいろご指導を受けまして大変ありがとうございました。若干、幾つかの感想と問題点を申し上げておきたいと思いますが、ここで教育三法の改正、あるいは指導要領の改訂等されまして、いよいよ実施をされていくわけですけれども、こういった議論にかかわった者として今後とも責任を持って、100パーセントこれがきちんと実施されていくように、いろいろな意味でまた個人としてもかかわっていきたい、このように思っているところです。
 私は町村教育委員会という立場でしたけれども、この教育三法、特に地教行法の改正の中で教育委員会制度をとにかくきちんと維持していくということがまずしっかり守れたということは大変よかったのではないかと思っております。国と地方の役割の明確化もその中で議論されましたし、教育委員会が責任と自覚を持って、その存在感を今後ともしっかり示していくということをますますこの議論の中で位置づけられてきたのではないかと思っているところです。
 いずれにせよ、今の学力調査問題などでもいろいろなマスコミ報道があるわけですけれども、こういった議論のときにやはり国の役割、地方の役割というのがありまして、インプット、アウトカムについては国が責任を持つのだ、地方においてはプロセスの部分をやるのだ、こういうことが十分、どの程度地方に今浸透しているのかわかりませんが、国がおやりになる部分についても相当地方が発言をして、これに参加をする、しないとかいうようなことも報道されているわけですが、こういった議論が整理された段階では、それぞれの立場でしっかりとお互いが国と地方の信頼と尊重という中で役割分担をしっかり今後もやっていかなければいけないのだろうと私は思っているところです。
 また、いろいろ議論の中で私は、やはり行政上の立場で条件整備ということをいろいろな意味で言わせていただきました。この条件整備は国も地方も全く同じですが、財政出動といいますか、とにかく先立つものがないと、ハードにしても、ソフトにしても何もできないわけでして、私ども地方においてもそういう点では教育委員会と首長とのかかわりとか、あるいは教育長と首長とのかかわり、これを全国の中でも教育長の組織の中でも1つの運動論として、ここ二、三年展開をしてきたところです。いろいろなところでやはりまだまだ理解が十分されていないのではないか。
 そのためにやはり教育長が事務局のトップとして、教育委員会の活性化とともに首長との関係もしっかりと持って、教育の大事さを訴えていく努力をしていこう、こういうことをやってきたわけですが、皆さんご存じのように、ただ、ここは合併問題が特に町村の場合はございまして、ここ数年の間に3分の2の町村が消えてしまったんですね。二千三、四百あった町村が、今ちょうど1,000ぐらいの数になりました。そうすると、合併の中でわりあい教育は置き去りでございます。合併をするときに教育をどうするかという議論はほとんどの町村ではされておりません。
 ですから、どなたかが先ほど学校以外と申されましたけれども、私は教育以外の部分と教育とをどういうふうに位置づけていくか。まさに今この合併問題がある中で、地方のそういう実態を教育上どう認識をし、またそれを組み入れていくか、これからの議論にも学校の適正配置の問題もあるようですけれども、それだけではなくて地域の特性といったものも、そのために相当失われているところもあるやに聞いております。今後やはり地方の変化の実態を教育上どう生かすかということも非常に大事なことではないかと思っているところです。
 それから、やはり教育は人だということの中で、今、何人かの方も言っておられましたけれども、定数、教員の質、あるいは量の問題を含めて、私はやはり、これから、今、文科省のほうでも意見交換されているようですけれども、人事権委譲というのが、これがやはり大きな議論になってくるのではないかと思います。この人事権をどうするか、もちろん日本のシステムは教員養成、採用、研修という一連の流れがあるわけですけれども、そういう中で採用部分の人事権というものをどのように位置づけるかというのは非常に日本の教員の質を変えていく大きな仕組みになると思うんですね。ですから、これはぜひ慎重に今後検討されたらいかがかと思っているところです。
 それから、今までの審議でも、今後の審議の中でも非常に丁寧にいろいろヒアリングをおやりになっているんですね。ヒアリングは、それはそれで結構なのですが、今回、学習指導要領が全教員に配布されたということでおわかりになりますように、決まったことを社会にどうもっと丁寧に説明するかということが、まだまだ私は足りないのではないかと。ですから、教員の世界ではそうやって丁寧に1人1人に配られて行われているわけですが、これをもっと保護者とか、社会全般にここで議論されたこと、あるいは国で決まったこと、これをどうもっと丁寧に説明をしていくか、PRをしていくか、これはまだまだ私は不十分ではないか。その辺の拡充も今後大いにしていただきたいなと思っているところです。
 いずれにせよ、いろいろな改革がされる中で、学校現場は先行きに相当不安を抱いているような感じがしています。ぜひ学校現場が安心をして、また元気よく今回のこの改革に対応できるように、いろいろな意味で多くの関係者の皆様がご支援をしていただけるような、そんな雰囲気になっていただけると大変ありがたいと思っております。大変お世話になりました。ありがとうございました。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、今、委員の方々からいろいろとご発言をいただきました。たくさん課題は残っておりますが、いい仕事を2年間やったなという感じが皆さんあったのではないかと思います。
 それでは、最後に初中局長、金森局長からお願いいたします。

 【金森初等中等教育局長】
 第4期中央教育審議会初等中等教育分科会の最後の会に当たりまして一言御礼を申し上げます。委員の皆様方におかれましては、大変ご熱心なご審議、まことにありがとうございました。この2年間、先ほど来お話がございますように、初等中等分科会といたしましては教育基本法の改正を受けて、緊急に必要とされる教育制度改正や教員給与の在り方、学習指導要領の改善についての答申の取りまとめにご尽力いただきました。文部科学省ではこれらの答申を受け、いわゆる教育三法の改正や新しい学習指導要領の告示を行ったところです。
 ただ、法律や制度を改正しただけで教育の現場が抱える問題が解決するわけではございません。改革を実効性あるものとするためには、教育にかかわる関係者の意識改革や財政措置を含めた条件整備などが必要になってまいります。文部科学省といたしましては、新しい学習指導要領や今年4月から導入される教員免許更新制の円滑な実施に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 委員の皆様には、大変お忙しい中、教育三法の審議におきましては土曜、日曜も含めて短期間で頻繁な会議を行ったり、その後も学習指導要領の改訂に当たりましては教育課程部会との合同開催で議論を行っていただいたり、新たに2つの作業部会で精力的なご審議をいただくなど、2年間にわたり密度の濃い議論を行っていただきましたことに改めて深くお礼を申し上げます。
 特に梶田分科会長におかれましては、分科会長として、また、教育課程部会長、教員養成部会長として多岐にわたる重要な課題について審議を取り進め、まとめていただきありがとうございました。委員の皆様のご尽力に心から感謝を申し上げ、簡単ではございますが、お礼とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 最後に一言、蛇足を私のほうからもつけ加えさせてください。私、2年間、初中分科会のお世話役をさせていただいて非常に印象的なのは、皆さんの議論が実直といいますか、地道なものでよかったなと思っております。教育というのは、幾らでもきれいごとを言えるんですよ、どうしてもね。そして、今、劇場型の社会ですから、話題づくり、きれいごと、これははやります。これは口が滑ってしまいますが、ある時期、私、昔の文部省の幹部の人までそういう発言をしていたという、これはあれですけれども、と思った。
 でも、この2年間、非常に重要な時期だったと思います。大きく幼・小・中・高のいわば流れが変わっていく、その時期に委員の皆様方がほんとうに地道に、それぞれのお立場から率直にいいご発言をしていただき、それがいいまとめになっていったのではないかなという気がします。特に私は政治の風が非常に強かった、それから、財政の風が非常に冷たかった。この中で、これはほんとうに実直な、地道な議論をしていただいた。これがこれからの幼・小・中・高の流れをうまく持っていく土台になるのではないかという気がいたします。
 もう一言申し上げますと、私、この間、初中局を中心とした文科省の方々が、私は非常に頑張られたという気がいたします。中教審でいろいろな議論をいたしますけれども、これが下手すると、せっかくいい話をまとめても、どういいますか、事務局でこれはなかなかと言って、事務局というか、文科省には直接に政治の強い風も、財政の冷たい風も当たりますので、これをはね返す、そういういわば構えがなければ、これ、中教審で幾ら議論しても虚しいことになってしまうわけですが、私は非常にこの2年間よくやっていただいたなという印象を持っております。
 蛇足でありますけれども、私は委員の皆さん、そして文科省の事務局の皆さんに深く感謝しまして、この第4期の中教審初中分科会を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。 

― 了 ―

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-- 登録:平成22年06月 --