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初等中等教育分科会(第62回) 議事録

1.日時

平成20年10月15日(水曜日)15時30分~17時30分

2.場所

旧文部省庁舎6階 第二講堂

3.議題

  1. 学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等について
  2. 「学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会」の設置について
  3. 不登校の児童生徒への支援について
  4. その他

4.議事録

【梶田分科会長】
 定刻となりましたので、ただいまより、第62回初等中等教育分科会を開会いたします。
 本日の議題に入ります前に、このたび委員の方で交代された方がお二人いらっしゃいます。ここでご紹介をいたします。まず、8月2日、これは事務局からご紹介していただいたほうがいいかな。事務局のほうから、委員の方お二人をご紹介ください。

【佐藤教育制度改革室長】
 承知いたしました。それでは、失礼いたします。8月2日付で、中村委員にかわられて委員となられました、東京都教育委員会教育長の大原委員でいらっしゃいます。

【大原委員】
 ただいまご紹介をいただきました、東京都教育長の大原でございます。1つでも2つでも発信できるように勉強してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【佐藤教育制度改革室長】
 失礼いたします。本日付で、さらに草野委員にかわりまして臨時委員となられました、東京都港区立御成門中学校長、全日本中学校長会会長、壷内委員でいらっしゃいます。

【壷内委員】
 壷内明と申します。全日本中学校長会を代表いたしまして、これからまた勉強させていただきたい、このように考えております。よろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。本日から、東京都の都教委の大原教育長、そして全日中の壷内会長が委員としてお加わりいただきました。よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局のほうから、配付資料の確認をお願いしますが、今、既にご発言いただきました、この初中分科会のお世話役の責任者の教育制度改革室長がおかわりになりました。一言ごあいさつも含めてお願いいたします。

【佐藤教育制度改革室長】
 失礼いたします。ご挨拶が遅れまして、大変申し訳ございません。7月31日付で、淵上の後任で参りました、教育制度改革室長の佐藤と申します。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、座らせていただきまして、配付資料の確認をさせていただければと存じます。1枚目の議事次第のほうをご参照いただければと存じます。
 配付資料は4番目に書いてございますけれども、まず、本日の議題が1から3までございます中で、配付資料の1につきましては委員の名簿でございますが、資料2から5までが議題の(1)、(2)の関係。学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関しての資料でございます。
 資料2が、学校マネジメントに係る最近の文部科学省の主な取組について。
 資料3が、教職調整額に係るこれまでの検討経緯について。
 資料4が、学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議における審議のまとめ。これは本年の9月8日にまとめたもので、その概要を入れてございます。
 それから、資料5といたしまして、学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会の設置について(案)ということでございます。そちらの資料が、(1)、(2)の議題に関するものでございます。
 それから、資料6から資料8-2までが、(3)の不登校の児童生徒への支援についてという関係の資料でございます。資料6が、「平成19年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(速報値)」(小・中学校不登校)に関する資料でございます。
 それから、資料7-1が、「平成21年度生徒指導関係概算要求について」の資料でございます。
 それから、資料7-2が、「子ども農山漁村交流プロジェクト」に関するパンフレットでございます。
 それから、資料8-1と資料8-2でございますが、本年8月に取りまとめられました「教育相談等に関する調査研究協力者会議」の中間まとめの概要と、そしてその報告書本体でございます。
 それから、参考資料といたしまして、本中教審でご審議をお願いした際の諮問文を入れさせていただいてございます。
 資料の不足等ございましたら、事務局のほうまでお申しつけくださいませ。以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 この初等中等教育分科会は、皆さんご承知のように、この分科会の下に教育課程部会だとか、教員養成部会とかいろいろな部会がございまして、そういう各部会におろして具体的に審議していただく、そういう問題を包括的にまず議論していただくということがございます。また、部会を超えて議論しなきゃいけないという問題もございます。幼、小、中、高全体にわたっての今のようなことで、分科会としてのご審議をいただくわけですが、本日は、当面する2つの問題につきまして、皆さんにご審議をいただきたいと考えております。
 1つが、学校の教職員の在り方及び教職調整額の見直し等について。つまり、学校の先生方の具体的な勤務の在り方と、待遇の在り方につきまして、今まで定数改善計画を出したけれども蹴られたとか、いろいろとこれまでもありました。中教審として、今までの経過がございますが、最近の経過をご説明をいただいた上で、次、どう取り組むかということについて、皆さんに意見をいただきたいと思っております。
 そして、もう一つが、今、いろいろなところで問題になっておりますけれども、不登校の問題。この問題が90年代どんどん増えて、そして2000年、2001年で少し持ち直して、少しよくなったんですけれども、また少し増えてきたという調査結果が出ております。これは学校教育をやっていく上で、学校に行きたくないというのが一番困るわけですよね。ある時期、学校に行きたくないのも個性だなんていう話がありましたが、そういうことで涼しい顔をしているわけにいきません。ということで、今日は、今、文科省としてどういうふうな調査を進めておられ、現実認識を持っておられ、そして皆さんでそれに向かって初中分科会として、これからどういうふうな検討を進めていったらいいかということを、皆さんにご意見をいただこうと考えております。ということであります。
 これまで大所高所といいますか、学校教育法の問題から地教行法の問題から、あるいは教育職員免許法の問題から、教育公務員特例法の問題から、いわゆる教育に関連したいろいろな大きな仕組みの問題を、この分科会でもご議論いただきました。また同時に指導要領もありましたし、免許更新制もありました、教員の問題もありましたけれども、今回は、今申し上げた2つの問題を、非常に具体的なところにおりてまいります。この2つの問題について、本日は、皆さんに率直な議論をいただいて、次へ何とかつなげていきたいと考えております。そういうことであります。
 今申し上げたように、学校の教職員の在り方及び教員給与の在り方ということをどう考えていくかということにつきまして、本日はまず最初、金森初等中等教育局長からご説明をいただき、そして関係の方からもう少しまた説明をいただいた上で、皆さんのご意見をいただきたいと思っております。では、局長、よろしくお願いいたします。

【金森初等中等教育局長】
 初等中等教育局長の金森でございます。後ほど資料に基づいて、担当の者から詳しく補足をさせていただきたいと存じますが、私から、学校の在り方や教員給与の在り方の見直しなどについて、ご説明をさせていただきたいと存じます。
 ご案内のように、近年我が国の社会は、グローバル化や情報化、少子化、高齢化など、社会構造の大きな変革期を迎えております。こうした中、社会の価値観の多様化や、地域や家庭の教育力の低下など、学校を取り巻く環境も変化しており、学校教育に対する期待や、学校教育が抱える課題が一層複雑化、多様化しているところでございます。
 これまで学校運営につきましては、平成16年12月に中央教育審議会からご提言いただきました内容を踏まえ、主体的な学校づくりが行われますよう、学校の裁量を拡大いたしますとともに、学校の自主性、自律性を確立するため、校長のリーダーシップのもと、教職員が一致協力し、組織的、機動的な学校運営を行うことができるよう、必要な施策を実施してまいりました。
 さらに平成18年に改正されました教育基本法では、学校においては、「体系的な教育が組織的に行われなければならない」と規定されまして、いわゆる教育三法の中では、学校の組織運営体制等の確立を図るために、副校長、主幹教諭、指導教諭を置くことができることとされたところであります。
 その一方で、平成18年に行いました教員勤務実態調査によって明らかになりましたように、学校を取り巻く環境の変化に応じて、公立学校には授業以外のさまざまな業務が持ち込まれ、教員の負担が増大しております。教員が、勤務時間内ですべての業務を処理することが非常に困難な状況になっております。公立学校がそれぞれの学校や地域の実情に応じ、特色ある質の高い教育活動を主体的に展開いたしますとともに、子どもたちに直接接する教員が、子どもたちの指導により専念できるようにするためには、現在の状況をしっかりと踏まえた上で、それに応じた適切な学校マネジメントを行い、教職員の職務の在り方等を見直していく必要があります。
 また、このような公立学校における教職員の職務の在り方等は、教員給与の在り方とも密接に結びついておりまして、教職調整額等につきましても、適切に見直していくことが必要でございます。公立学校の教員給与の在り方につきましては、いわゆる行革推進法や「骨太の方針2006」などを踏まえまして、中央教育審議会におきまして、平成19年3月に、「今後の教員給与の在り方について」という答申をいただき、その中で、教職調整額の見直しにつきましては、今後さらに専門的、技術的な検討を行っていくことが必要であるとのご提言をいただきました。
 文部科学省では、この答申を踏まえ、学識経験者等からなる検討会議を設置し、専門的、技術的な観点から検討を行い、先月、審議のまとめを取りまとめました。この教職調整額の見直しは、単に給与の問題にとどまらず、学校の組織運営や教員の勤務時間の内外における勤務の在り方、教員の勤務時間管理などにも大きく影響する問題でございます。特に、教員の時間外における勤務や、勤務時間管理の在り方などに直接影響が及ぶものでございます。このため、学校の組織運営などについて、今後どのような在り方が求められるのか。そして、その中で、教職調整額をどのように見直していくことが適当なのかという観点に立った検討が必要でございます。
 また、こうした検討を行いますためには、我が国の社会情勢の変化や、それに伴う学校に求められる役割や使命の変化などを踏まえた、これからの時代にふさわしい学校の在り方や、教職員の職務の在り方の検討が前提になるものと考えます。こういったことを踏まえ、これからの時代にふさわしい学校の在り方や、教職員の職務の在り方など、及びそれらを踏まえた教職調整額の見直しなどにつきまして、初等中等教育分科会においてご審議をいただきたいと考えているところでございます。
 具体的には、今後の学校の在り方、教職員の職務の在り方、教員の勤務時間管理の在り方、勤務時間の弾力化、教職調整額の見直しといった事項について、議論を深めていただきたいと考えております。なお、これらにつきましては、来年夏頃までにご提言をいただければ幸いでございます。よろしくご審議のほど、お願い申し上げる次第でございます。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。非常に学校の在り方、見直しをしなきゃいけない。その中での先生方の勤務の仕方。抜本的見直しをしなきゃいけないという点でございます。この問題につきまして、今、金森局長からお話がございましたけれども、既に文部科学省に、この問題について、特に教職調整額の見直し等につきまして、学識経験者等からなる検討会が置かれて、検討を続けてこられました。この審議のまとめが、本年の9月に報告されているようであります。きょう、ここに資料も皆さんのお手元にございます。この審議のまとめを1つのたたき台にして、皆さんに議論していただくという点もあるかと思いますので、ご担当の濱口企画官のほうから、ご説明をお願いいたします。

【濱口企画官】
 失礼いたします。ただいま梶田先生からご紹介をいただきました、初等中等教育局企画官をしております濱口と申します。配付資料に従いまして、時間もございませんので、簡単ではございますが、ご説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 資料のほうは、先ほどご高覧いただいた中の資料2から3、4と、3種類ございます。特に資料3と資料4につきましては、別冊で青い冊子の審議のまとめが配られておりますが、その中にも入っておりますので、その中の抜き刷りということでご理解をください。
 先ほど局長からもご説明申し上げましたが、その順番に従いますと、まず資料2の学校マネジメントの関連の部分でございますが、1枚紙でございます。16年の中教審答申の中でも、主幹の在り方についての検討ですとか、あるいは事務共同実施、あるいはスーパーティーチャーといったような関連したことが言われておりましたけれども、特に最近の学校マネジメントの部分につきましては、資料2の1から5まで、幾つか柱を立ててございます。特に塊としては1.から3.までが大きな塊として1つ。それから、4.、5.という形ぐらいの大きさでご理解いただきたいと思います。
 まず1つは、1.の副校長その他新しい職の設置及び教職員定数の改善でございます。先般改正されました学校教育法におきまして、ご案内のとおり、学校における組織運営体制、あるいは指導体制の確立といったような観点から、幼稚園、小・中学校等におきまして、副校長、主幹教諭、指導教諭という職を置くことができるようになりました。現在、定数改善も含めて順次措置がされておりまして、ある程度の状況が進んできておるところでございます。特にここの○の2つ目にもございますが、例えば、主幹教諭などでは、主幹教諭そのものではありませんけれども、主幹教諭を置いたときの、いわば穴埋めの措置という形での加配定数が措置をされているところがまず1つございます。
 それから、2番目、外部人材の活用の非常勤講師でございますが、平成20年度、7,000人で要求しておりました退職教員等の外部人材活用ということの中で、平成21年度は12時間換算でございますが、1万500人という形で拡充を考えているというのが2つ目でございます。
 それから、3番目、学校支援地域本部でございます。こちらも○にありますとおり、地域の方々が学校教育を支援するという形で、学校地域支援本部の設置を推進して、地域全体で子どもをはぐくむ環境を整備するということの中で、平成20年度は1,800カ所でありましたのを、現在の要求ベースでは倍増の3,600という形で、64億円で要求してございます。
 それらのいわば人的な整備等々に加えまして、学校現場における負担軽減の検討という中では、4.で幾つかありますけれども、昨年11月に、省内に「学校現場の負担軽減プロジェクトチーム」というのを立ち上げまして、今年にかけまして計8回開催をいたしまして、6人の先生方と、それから、2人の協力者の方々にご協力をいただきまして、今年3月に、負担軽減のための当面取り組むべき事項というのを取りまとめました。
 そこの括弧書きの下のところに丸1、丸2、丸3とございますけれども、例えば、非常に多いと言われております調査文書の中では、調査事項の精選、あるいは年間調査計画を事前に提示をして、大体こんな感じで流れていきますというものを大まかに見ていただくといったようなことも、1つ提言としてあります。それから、2番目、モデル校事業でございますが、報告書の簡素化・合理化。こういった運用面での負担軽減。その他、ここに書いてございませんけれども、研究成果の共有ですとか活用の在り方についても、ご提言をいただいているところでございます。それから、3番目、校務の運営体制の改善のところでも、主幹教諭等々の配置による負担軽減。あるいは、校務の情報化による負担軽減といったようなことをご提起いただいております。
 こういった成果を踏まえまして、文部科学省におきましては、次の○にありますが、通知・会議を通じた要請をして、各教育委員会の方々に対しまして、具体的な目標を立てて取り組みを進めるようにしてくださいということで、指導しているところでございます。あわせて文部科学省が行う調査につきましては、毎年度実施する悉皆調査が28あるわけでございますが、これを21に縮減するということと同時に、文部科学省が行う21の調査についても、年間の調査計画というのを事前を通知してアナウンスをしているという形での努力を続けておるところでございます。
 それから、最後に5番目の、学校マネジメント支援に関する調査研究事業。これは本年度、教員の負担軽減に関する調査研究事業という形でやっておりますが、大きな柱としては、例えば4つほどございますけれども、学校事務の外部委託化、校務分掌の適正化、保護者等への対応、メンタルヘルス対応策という形でやってございます。来年度につきましては、現在の11地域から大きく拡大をいたしまして、64地域でやりたいということで要求中というようなものが、学校マネジメントに関する最近の取り組み状況でございます。
 資料3、資料4につきましては、今、分科会長からご説明がありましたとおり、教職調整額における検討の経緯と、それから、審議のまとめの状況でございます。先ほどの局長の説明の中にもありましたが、平成19年3月の中教審答申に至るまでに、まず一番最初の契機として、いわゆる行革推進法、資料3の冒頭の一番最初の枠囲みでありますけれども、ここの中で下線を引いてございますが、政府として、公立学校の教職員の給与の在り方に関する検討を行い、平成18年度中に結論を得て、平成20年4月を目途に必要な措置を講ずるということが規定をされますとともに、翌月、「骨太の方針2006」の中で、○が2つありますが、経済成長という観点の中では、ここの1つの○、「人財立国」の実現の中で、学習指導要領の改訂、全国の学力調査の実施等々とあわせまして、能力・実績に見合った教員の処遇等により、教育の質の向上を図るということの、1つまず成長の戦略とする。それとともに、もう一つの柱である歳出改革の中では、特に義務教育国庫負担金について、ここの黒ポツで2つありますけれども、特に下のほうですね。人確法に基づく優遇措置を縮減するということと同時に、メリハリをつけた教員給与体系を検討する。その結果を、職員の退職手当等にも反映させるという形で書かれているのが、1つ提起としてございます。
 こういったことを踏まえまして、その次の枠囲みになりますが、昨年の3月における中教審答申の中で、今後の教員給与の在り方ということの中で、これも下線を引かせていただいておりますが、教職調整額について、その制度と実態との間に乖離が進んできていることから、教員に一律支給されている教職調整額の在り方について見直しを行う必要がある。また、教員の時間外勤務の在り方とそれに対する評価については、実態調査の最終結果を見ながら、さらに専門的・技術的な研究を行っていくことが必要であるということが述べられました。
 裏をおめくりいただきますと、「骨太2007」というので、去年の6月のものでございますが、ここの中でも下線を引いてあるところだけをとりあえずごらんいただければと思いますが、改革のポイントとしては、よき教師を確保するため、メリハリある給与体系を実現するということが言われ、下の具体的な手段の中でも、やはりメリハリある教員給与体系を実現する中での、頑張る教員の処遇の充実。一番下のところにもありますとおり、また同じことが言われておるというものがございます。
 その次のページ、ここら辺が核心になってきますけれども、20年度の概算要求、昨年の8月時点におきましては、こういった今までの動向を踏まえまして、一律支給を見直し、教員の職務負荷に応じて支給率の差を設けるということを、教職調整額について考え、その際、期末手当、勤勉手当、あるいは退職手当等へのはね返りということが、現在、算定基礎に入っておりますので、これを廃止をすると。同時に、支給率を現行の4パーセントから10パーセントに増額、4年間で約12パーセントに増額。ここのところは、勤務実態調査の結果を踏まえて、縮減できるところは縮減をし、その上で必要な増額をするという考え方で、概算要求に臨んだところでございます。
 そのもう一つ下の枠囲みにありますが、それと同時に並行して、法制的な検討を秋口にかけていたしました。そのときに特に問題になりましたのが、教職調整額の支給率に差を設けるということにつきましては、ここのポツが3つございますけれども、教職調整額は、おおよそ教員が有する職務と勤務態様の特殊性を全般的に評価をして支給するものだと。個々の教員の特定の職務による勤務負荷を評価して支給される性格のものではない。そのため、各教員の職務負荷に応じて支給率に差を設けることは困難ということが、法制的な検討の結果でございました。
 このため、一番最後になりますけれども、平成20年度の予算編成、12月末の時点におきましては、教職調整額の見直しについては、教員の勤務の在り方と時間外勤務の評価等の在り方について引き続き全体的な検討を行い、21年度以降に実施するということが全体の経緯でございます。
 こういった諸々の経緯を踏まえまして、資料4で抜粋をさせていただいております「学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議」というものを、別途設けさせていただきました。これにつきましては、20年5月から9月に至るまで7人の先生方、その名簿も青表紙の中に入っておりますが、ご検討いただきました。概要につきましては、ここの冒頭、「はじめに」というところで前提がありますけれども、平成19年3月の中教審答申で言われた、専門的・技術的な観点からの検討ということをしたものの結果を取りまとめたものでございます。先ほどの説明にもありましたとおり、教職調整額の見直しにつきましては、単に給与の問題にとどまることなく、特に教員の勤務時間の管理、あるいは時間外勤務の在り方にも直接影響するものでございます。そういった勤務時間管理の在り方を検討するためには、これから新しい、ふさわしい学校の在り方、教員の勤務の在り方ということが、検討の前提になるわけであります。
 この検討会議の結論といたしましては、この審議のまとめを踏まえて、これからの時代の学校の在り方等について、中教審においてさまざまな論点を包括的にとらえた、幅広い検討がなされることが必要だということを言ってございます。
 ここの検討会議の中で具体に深堀りをした論点につきましては、次の1以下のところで大きく4つございます。今後の学校の在り方・教員の職務の在り方というのが1つでございます。2つ目は、次のページになりますけれども、教員の勤務時間管理、時間外勤務、適切な処遇の在り方というのが2番目。それから、3番目として、教職調整額の見直し、4番目として、一番最後になりますが、勤務時間の弾力化ということが大きく言われてございます。
 そういった4つの柱の中で、まず一番冒頭の、今後の学校の在り方・教員の職務の在り方といったところでは、現状、先ほどご説明があったとおり、傍線部にありますけれども、学校の環境が変化をして、勤務時間内でのすべての業務の処理が困難となっていると。また、いわゆる鍋蓋型の組織であるといったようなことから、組織的、一体的な教育活動、あるいは教職員の適切な役割分担と連携というものが、なかなか十分になされていないといったような現状がございます。
 そうした現状と課題を踏まえまして、今後の取り組みとして必要なものが、(2)のところに丸1から丸4までございますが、学校の役割を明確化する。あるいは、学校の組織運営体制の整備・充実をする。ここの中には、マネジメントというものが当然出てまいります。それから、3番目として、学校における教職員の適切な役割分担、また外部人材の活用ということも言われてございます。こういった学校の在り方などについては、広範な検討をされていく必要があるという部分が、まずございます。
 それから、次のページ、大きな2の柱でございますが、教員の勤務時間管理の部分では、丸1の現状と課題の中で、学校長においては、教職員の勤務時間外の業務の内容、あるいは時間数を適切に把握するといったことを、適切に管理をする責務があるといったようなことは制度上当然でございますが、19年の答申には書かれていない、きちっとしたことを言っているというのがございます。教職調整額制度のもとでは、実態として、教員の時間外勤務の状況、あるいは時間数を把握する必要に迫られることが少なくなっていて、教員の時間外勤務、あるいは時間数を把握する必要がないというような誤解も生じていることがございます。
 そういった中で、教員の時間外勤務につきましては、次の丸2になりますけれども、超勤4項目に該当しない業務にも、多くの時間従事しているわけですが、命令に基づかないため、その責任の所在といったものが、1つあいまいになっていると。また、学校として必要な業務でも、管理職が命令ができないため、組織的、一体的な学校運営が阻害されていくといったような指摘もございます。そして、一律の教職調整額が支給されているために、勤務負荷に対応する給与が適切に支払われていない。あるいは、無定量の時間外勤務を招いているといったような批判もあるということもございます。こういった中で、適切な処遇との関係で言えば、教員の勤務実態と制度とが乖離しているのではないかといったような課題でございます。
 今後の取り組みとしては、まず1つ、教員の勤務時間管理をきちっとやることが必要だということの周知徹底。あるいは、時間管理を行うための体制の整備が必要であるということが最初にございます。それから、2点目として、教員の時間外勤務につきましては、超勤4項目の見直し。あるいは、教員が担う授業以外の業務を縮減して、通常の業務は時間内に処理ができるようにするといったようなことが重要ではないかという取り組みでございます。それから、3番目として、適切な処遇ということで、適切な教員評価の構築に取り組むということと同時に、一律支給の給与を見直して、めり張りある給与体系を構築するといったことが、2番目としてございます。
 それから、その次の最後のページになりますけれども、3番目、4番目でございます。3番目の教職調整額制度の見直しにつきましては、(1)として、基本的な考え方。学校の組織的運営の改善に資する制度とするようにするということとともに、適切な勤務時間管理、時間外勤務の抑制、適切な時間外勤務の評価につながるような制度とする必要がある。その際、教職調整額制度にかえて、時間外勤務手当制度を導入することは、ここは報道で出ておりましたけれども、1つの友好な方策といったようなことが、ここでの位置づけでございます。
 ただ、(2)にもありますとおり、その見直しについてはいろいろな論点があるといったようなことで、丸1から丸5まで、大きく言うと5点ありますけれども、まず1つは、丸1教員の勤務は、自発性・創造性に基づくという特殊性があるとの考え方との関係をどう考えるかという部分が1点ございます。それから、2番目として、管理職の負担として、部下職員の勤務時間管理は、当然管理職として求められるものでございますので、どのような体制を構築していくかということは、今後検討していく必要があるというのが2番目でございます。それから、3番目として、部活動の取り扱いでございますが、部活動が学校教育上果たしている役割も踏まえて、その在り方について、今後さらに検討を進めていく必要があるというのが3点目。4番目として、持ち帰り残業の取り扱いでございますが、持ち帰り業務が本来はないということが、当然あるべき姿でございますので、そういった前提に立ち、どのようにすれば、では、それがなくせるようになるのか。その方策について、考える必要があるというのが4点目。最後に5番目として、残業時間の縮減につなげる仕組みづくりということの中で、業務の効率化などとあわせて、教職調整額制度の見直しに当たっては、教員の時間外勤務が抑制されるような仕組みとなるような検討が必要だといったようなことがございます。
 こういった諸々のことは、今後の学校の在り方、一番最初にあった論点にかかわってくるわけでございますが、時間外手当とかそういうことも含めて、見直し方策について今後検討といったようなことがございます。
 最後、それに関連をいたしますが、勤務時間の弾力化ということに関しては、幾つかありますけれども、1年単位の変形労働時間制については、ここの下線部にもありますとおり、導入をすれば、教員の資質向上、あるいは健康管理にも資するが、一方で、長期休業期間中の業務の在り方についての見直しが課題であると。その導入の可否について、今後さらに検討すべきといったようなところが、現在までの状況でございます。
 長々と恐縮でございましたが、以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 細かいことを挙げれば、今、いろいろな課題があるということを伺いながら、私も思っておりました。ただ、先ほど局長もお話しいただきましたように、学校の在り方を見直さなきゃいけないねということが1つあります。それから、その中での教員の勤務時間管理の在り方を見直さなきゃいけないよねと。そして、それとの絡みで、教職調整額。つまり、教職調整額というのは、皆さんご存じのように、なかなか役所だとか、銀行だとか、生産をやっている工場を持っている企業だとか、そういうところと教師の仕事が違うものですから、一律の超過勤務手当――一律というか、超過勤務手当の命令をやって、何から何まで何をやれとやって、それでそのとおりやったかどうかチェックして、それで超過勤務手当を出すということができないんじゃないか。そういうことでできた制度なんです、教職調整額は。
 つまり、教師というものは、特殊なといいますか、固有なといいますか、この勤務の在り方から出てきたもの。これをどう考えるかということがございます。そして、それとの絡みで、勤務時間の問題ということがあります。局長のお話の中にも出てきましたが、これをめぐって考えていかなきゃいけないということになります。
 ちょっと申し訳ありませんが、私の私見を申し上げさせていただきますが、全部文脈的なもの、土台になるものをお互い考えておかないと、話が細かいところへいってしまって、結局は教師の待遇はこのままでいいかというのが最後の話なんですよね。いい先生を確保して、本当に子どもと向き合って、教師としての仕事を本当に一生懸命やっていただく。そのための条件整備をやっていく中で、今の待遇でいいのかどうか。あるいは、勤務の仕方。今だったら、勤務時間の管理ということでやたらと届けを出したり、判こをつかなきゃいかんわけですけれども、それがふさわしいかどうかということも含めて、教師にとっての勤務時間の管理ということの意味は何なのかというようなことまで含めて考えなきゃいけない。つまり、文脈の問題があると思うんです。ここで食い違うと、話が全部食い違ってしまう。
 もう一つその背後にあるのは、日本の社会での学校というものについての期待、教師というものへの期待があると思うんですよ、ミッションといいますかね。これははっきり言いますと、欧米と違います。欧米は、よく言われますけれども、ギリシャやローマの知識奴隷の仕事だった。そういう仕事を引き継いでいるのだということを言われますから、知識を教えれば、教師の仕事なんです。したがって、家庭訪問はありません。日本は儒教文化――これは日本だけではありません。韓国でも中国でもベトナムでもそうですけれども、家庭訪問は当たり前なんです。なぜか。簡単な話で、儒教文化圏では、教師というのは、人の子の師であるから。知識を教えるだけじゃだめだから。生活やら全部を見ざるを得ない。そういうことが、社会の期待としてある。
 そういういわゆる役割規定といいますけれども、ロール・エクスペクタンシーという言葉がありますが、これが違うわけです。欧米の学校の先生が、これをやっていないから、日本もこれはやらないでいいとか、それは言うのは簡単ですけれども、なかなか学校現場に行ったら、地域の人やら保護者の期待と食い違いますから、そうすると、軋轢ができちゃうということがございます。そういう文化の問題、あるいは伝統の問題。
 少なくともこの130年、新しい日本の近代学舎ができて以来でいいと思うんです。7世紀の公立学校が最初にできた、天智天皇の時代から説き起こす必要はありませんが、少なくとも近代学舎ができた後130年間、日本の学校が何を期待されてきたのか。日本の教師は何を期待されてきたのか。その筋道の上で、学校の在り方、教師の在り方を考えないと、いくら合理的に考えても破綻しますということを、私は最初に申し上げておきたい。私は、これをどこかで否定してもいいと思うんです。日本を新しい社会につくり直そう。いいけれども、しかしその点を考慮しないと、話がかみ合わないところが随分これまでもあったように思います。
 というようなことを含めて、最初にちょっと文脈的といいますか、日本の学校が何を求められているのか。日本の教師が何を求められているのか。そして将来にわたって、学校はどういうミッションを果たしていかなきゃいけないのか。教師はどういうミッションを果たしていかなきゃいけないのか。それは日本の伝統的な学校の在り方、教師の在り方と、どういう点で合致しているのか。あるいは、もし次の世代にこれを根本的に変革するとすれば、その点をどう考えるか。その辺の文脈的なことを、ぜひ皆さんにお考えいただいた上で、先ほど局長がおっしゃいましたが、ほんとうに当面している大事な問題です。学校の在り方から、目下のところは教師の勤務の仕方、そしてそれに当たって教職調整額、これはこういうことでいいんだろうかとかいうことを考えていただく。
 そういうことになりますと、めり張りのつけ方の問題もあるけど、その前に、どうも政治の舞台ではめり張りばかり言われているんですけれども、その前に教師という仕事にとって、教職調整額をどのぐらい考えていいのか。その上でめり張りの話が出る。順序が逆になると、私はちょっとまずいかなと思ったりしております。
 ちょっと最初に私見を申し上げました。皆さん、この問題、教育現場にかかわりを持つ人にとっては、かなりエゴインボルブした問題だと思いますので、率直に皆さんのほうからご意見をいただきたいと思います。どなたからでも結構ですが、お願いいたします。
 今日委員に来ていただいたばかりですけれども、全日中、壷内先生から、皮切りにお願いできますか。お座りになったままで。

【壷内委員】
 それでは、座ってお話をさせていただきます。今、梶田分科会長さんから話がありましたように、私たち公立の義務教育の教員にとりましては、私立学校も全く同じだと思いますが、子どもたちの人格形成を目指し、国家・社会の形成者となれるように中学生を高等学校や社会に社会性を育てて出したいというのが本音でございます。
 現在、いろいろな勤務実態調査もあるわけでございますが、教員に対する大きな期待とともに、また教員自身も苦しい思いをしております。モンスターペアレンツじゃありませんけれども、いろいろな意味で苦情も非常に多様化して、そしてまた、その問題一つ一つの解決に非常に時間を要している。私たちが若いころもいろいろな課題がありましたけれども即対応で、即解決するものが結構あったんですね。学校の先生に任せておけばいい。ところが今は、やはり少子化の時代、先ほどお話がありましたように、なかなか解決するのも困難になってきているという現状があります。
 先ほど話がありましたように、教員の給与が骨太の方針、それから行革推進法で減額されていく中におきまして、学校週5日制が定着いたしました。ところが、中身を考えてみますと、かつては隔週ですよね、今は5日制ですが、その前は6日間ありました。労基法その他で完全に学校5日制になりましたけれども、教員の持ち時数の関係は一切変わらないわけですね。5日間で仕事を消化しなきゃいけない。
 今、私は東京に勤めていますけれども、中学校は一週間に28コマの授業時数があります。教員一人の持ち時数は24時間と22時間です。実技教科は22時間で、それ以外の国語とか数学は24時間です。そうすると、28コマのうち24コマ持ったとします。学校週5日制です。教師は、自分が親との連絡とか、子どものいろいろなものを見たり、作品を評価したり、採点したりする時間がない日があるわけです。
 今朝、私、理科の教員のタイムテーブルを見てみました。今は少人数指導が流行っております。本校もやっております。そういう中で2日間、授業は5時間と6時間連続です。そういう中で、教師自身が仕事をする時間の確保はとても難しい。教育は人がいるうちは、絶対教師は責任があります。子どもたちを帰して初めて自分の仕事ができる。あるいは、空いている時間があります。その時間を利用する。それで自分の業務を果たしていくということで、やはり私たちは、教育で人を育てる。人がいるうちは、子どもたちがいるうちは、それに関わっていく。これが使命です。
 したがいまして、いろいろな勤務実態調査、昭和41年には8時間でしたが、平成18年度には月平均34時間の時間外勤務という数字が出てまいりました。もう何倍でしょうか。我々、勤務実態に見合った支給方法を、当然考えていかないといけない。それから、教師の仕事が5日制の中で、もうちょっとスリム化するということで、事務職等の在り方について、文部科学省の皆さんがいっぱい考えてくれています。それを実行に移さないと、健康上の問題がいっぱい出ているのが事実でございます。労働科学研究所の調査でも、ご存じかと思いますが、出てまいりました。家に持ち帰る時間を含めると、月50時間も時間外勤務やっていますよというのが、平成18年度の10月でしたか、おそらく統計に出ていたと思います。
 そういう中で、やはり教員は、子どもたちに夢を与える仕事でございます。ぜひ勤務実態に見合った支給方法を考えていただき、建設的な意見交換をしたい。私も全日中の考え方を申しますが、ひとつご指導お願いしたいと考えております。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。それでは、植田先生、現場のおられる先生のあれから、いかがでしょうか。

【植田委員】
 失礼します。山口県下関市に勤めております植田と申します。今、いろいろなお考えを聞きながら、私自身の胸の中も複雑なものがあって、ほんとうに現時点では答えが出ないというのが正直なところでございます。
 調整額でございますが、私、今、26年勤めておりますが、現場におる者としては、ある意味的を射ている。本当に時間外で仕事はしたくないんですが、生徒指導上の問題があったときには、保護者と話をしなくてはならない。そうすると、帰宅される7時、8時、または10時まで待って、そうなれば、校長、教頭も待ちます。そういうわけで、本来なら何もなくて、学校の5時までの勤務時間の中ですべて、まるで30分の映画の見るかのように解決できて、よかったよかったで済めばいいんですが、なかなかそういかない現状が毎日のようにございます。先ほどのお話もありましたが、本当にへとへとでございます。
 それから、調整額を廃止する云々、私、世の中が変われば新しいものができなきゃいかんとは思うんですが、これからの我が家の家計にも打撃を与えるものであると思って受けとめておるんですが、これ、最終的に減るの?増えるの?僕は見えません。
 うがった見方をすると、今、行革推進法云々で、公務員を減らせ。既に我々の給料も、数年前に比べると減らされております。いろいろなものが削られて、まだ削るの?私も勉強不足で具体的なものが見えてないんですが、削られるの?増えるの?という疑問があります。これ以上削られてはたまらんなと、正直申しますと、そう思っています。
 給料がまたこれで削られたらというのは切実な、今、どきどきしながらお話を聞いておるのが現状でありまして、教員はとにかくいろいろ問題を起こすということを、以前にも申しましたが、世の中すぐにニュースになりまして、世間は、先生はけしからん。10年に一度は研修せいなんて、我々もある一面は受けとめているんですが、たたかれたたかれ、その上まだ給料も削られるの?これならかなわんな。そうすると、教員になり手がいないんじゃないか。そのような心配をしているところです。
 申しわけありません。言うまでのことではないのですが、まず隗より始めよなんていう故事成語がございまして、これは有能な人間を集めるためにどうすればいいかというのに、隗が名馬を集める例え話をするわけです。死んだ馬の骨を高額で買った。そうしたら、駿馬、千里を走る馬ならもっと王のところにやってくるぞということを例え話にして、私を高額で雇ってくれれば、私よりも有能な人間はすぐ集まるよというお話だったろうと思うんですが、教員の給料を削ることばかり考えていただかないで、おまえら頑張れと。今、大変なんだから、おまえたちしっかりやれとご褒美をいただければ、かなり有能な人間も集まってくるんじゃないかと思います。もちろん不景気の世の中、いろいろ財政上の問題も出ていますから現実的とは思いませんが、ただそういう精神、人材確保法の精神は、教員になった今考えてもありがたいと思っております。
 行革推進法も、もちろん世の中の流れの中で当然起こり得るべきことだろうと思いますが、この辺で、最初申しました、私の胸がまだ揺れておりまして現時点では答えが出ませんが、そういう現状であります。失礼しました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。文科省は、ほんと頑張って、いろいろとつけてもらっているんですけど、残念ながら相手がいつもゼロ回答というようなことでね。ですから、今おっしゃったことを、1つ頭に置きながらと、どうしても思います。甲田先生も現場のことに非常にお詳しいですが。

【甲田委員】
 ありがとうございます。私は高校の現場が長かったんですけれども、この調整額というのは必要だという立場からのお話をさせていただきたいし、また同時に、めり張りも必要だなという。この調整額をある程度下げるのは仕方がないにしても、めり張りはきちんとつけていく必要があるなと、こういう立場でお話をさせていただきたいと思います。
 この問題は、この1枚ペラの1.の副校長その他の新しい職の設置とも非常にかかわっている。それから、今のお話の、教員のなり手という問題も、非常に関係はしていると思います。例えば、副校長、それから、主幹教諭、指導教諭になりたい人というようなことで募集をかけていくわけですけれども、これについては、東京都教育長もいらっしゃいますけれども、非常な苦労をしております。つまり、充足、21年度で完成年度を迎えるというのは、とてもじゃないけれども無理な状況であるというのは、やはりこれ以上、仕事を自分でやっていく、または、今の部会長の話じゃないですけれども、生徒の師としてもそうですけれども、教師の師としてのやりがいといったようなものを感じていながら、やっぱり二の足を踏むというか、やっぱり踏み切れないというか、その倍率が出ない。何度も何度も募集をしても、主幹教諭になり手がないという状況に、非常に密接に関係しているわけであります。
 具体的な校務実態、この調査にもありますけれども、やはり私が現場で一番思っていたのは、生徒にかける時間というのはそんなに負担じゃないんですよ、教師ですから。いくら多くても持ち帰っても、これはやりたいんです。自分が家でくつろぐ時間を割いてもやりたい。それから、自分が考えた教授法、あるいは教育方法、こういったものは絶対に実現したいんです。これはどんなに時間がかかってもいいんです。そうじゃない、例えば、会議用の資料づくり。それから、説明責任用の保護者向けの資料づくり、こういったようなものが、非常に重いんですよね。ですから、いわゆる子どもにかける、子どもの教育にかける時間はいくらかけてもいいというのが、教員たちの気持ちなんだろうと思います。
 そうなると、やはりそれ以外の仕事というのが、主幹とか、そういったところにくるわけですよね。ですから、僕は、基本的にはやはり、超えてやるのは当然。ですから、調整額も必要。それを超えて負担感を感じながらも、学校運営のためにということでやるにはめり張りをつけていく。こういう論法であります。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。どうですかね。小・中先生方の給料が、実際には今、減っているんですよね。そして高校はもっと減っています。都道府県ごとに少しずつ違いますけれどもね。ご承知かとは思いますが、兵庫県とか大阪府では、高校の校長先生で、この春、年収で100万ほど減ったというようなことがございます。そういう中で、ほんとうにどうするかという問題。もちろん国の財政の問題はあります。こういう大きな大状況の中でということは当然考えなきゃいけないわけですが、今、いろいろな、そういうことも全部勘案していただきながらということで、少し考えなきゃいけない問題があると思います。
 ちょっと市町村教委の立場から、藤井先生。

【藤井委員】
 ありがとうございます。私は、今回の検討会議の審議のまとめも読まさせていただきました。ほんとうにこのまとめを見ると、ご苦労されて検討されたなという感じを持ちました。なかなか結論を出すのは大変だというような印象でございます。
 私は今、いろいろな先生方のお話も聞いて、私も現場の長い経験ございますけれども、今おっしゃったように、給料をはじめ、あるいは教職調整額にしても、いわゆる労働の対価はお金だといいますか、時間である程度はかるということで、1つは、仕事の量の問題があると思うんです。また、先生方の場合には、量だけではなくて、いわゆる仕事の質の問題があると。先ほど、梶田会長さんおっしゃったように、日本の教育においては、特に知識教育だけではなくて、人間教育ということがベースになって、また多くの方からも期待されるという面が、非常に歴史的にも強いと私も思っております。ですから、量と質の問題ですね。このバランスをどのように給与面に反映できるのか。これは非常に考え方が難しいと思うんですけれども、そのバランスをしっかり考えないといけないのではないか。
 それから、今おっしゃったように、先生方の本来業務、例えば、授業とか、子どもに向き合う時間と、それに対して付随業務といったらいいんでしょうか、説明責任を果たすための説明資料をつくる、何かを公開するために時間を割かなきゃいけない。あるいは、いろいろ文句を言いに来た保護者に対応しなければいけない。本来やらなきゃいけない業務ではなくて、付随業務と私はよく呼んでおるんですが、本来業務以上に、先生方にとっては、今、非常に付随業務というのが負担になっているのではないか。ですから、その辺を、先生方の仕事の質と量との関係の中でどう整理できるか。この辺も課題だと思います。いろいろと申し上げると切りもないわけでございますけれども、さまざまなそういうことを整理してやらないといけないと思います。
 また、教職員の定数の標準法を見ても、日本の場合は学級数などで教員の定数も決められておるんですね。例えば、今言いましたように、小学校、中学校、あるいは高等学校における先生方の仕事の質とか量とかを考えて標準法というのは決められているかというと、決してそうではないように思います。ですから、いろいろな教職員定数の問題を含めて、抜本的にその辺を見直していかないと、本格的な議論にはならないのかなというふうに思っております。したがいまして、さまざまな課題をこれから検討される必要があるのではないかと思っております。
 報告書の中にも、先生方が公私ともに充実した生活を送る余裕を持てるようにしたいという報告もあるわけですけれども、私から言うと、これは大変夢物語のようなことでして。やはり職場と家庭と、そんなふうに割り切れるものでもないと。ほんとうに先生方は家に帰ってまで仕事をされているというようなことで、ある意味では、仕事そのものをやることで、幸せを感じておられるという方もたくさんおられるわけです。部活動の問題もございますけれども、部活動に生きがいを感じておられる先生方もたくさんいらっしゃる。そんなわけで、単なる知識だけではなくて、そういう人間教育全体を、今後の学校の在り方としてどう見ていくか。そして、先生方の仕事の質と量とのバランスをどうとるか。
 そんなことが今後、大きく議論されたら、私はよろしいかなと、こんなふうに思っておりますが、私、いつかも申し上げたんですけれども、例えば、優秀な人材を確保すると同時に、今いらっしゃる先生方が意欲を持ってやっていただきたい。特に管理職の皆さんは、私が教員になったときには、初任給の5倍、校長先生は給料をとっていたんです。今、大体初任給が20万と仮定しますと、100万とらないといけないんです。ところが今、せいぜい50万いくかどうかだと思います。ですから、半分になっているんです。私は昭和30年代でございましたけれども、やはり初任給の5倍ぐらい、管理職の皆さんが給料をもらえるようにならないと、何か先行きが見えてこない。その辺のことも、今後十分考えていただければと思っております。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。それでは、この教職員の勤務とか待遇、実際に現場で管理しておられます都教委、大原教育長、一言お願いいたします。

【大原委員】
 意見というよりも感想でございますが、若干申し上げさせていただきたいと思います。
 今のご議論を聞いていまして、給与水準ということを考えました。東京都の場合ですと、教員の給与費が、年間で7,000億円ぐらいかかる。この7,000億円を、水準が低いから、単純に上げていいのかという話になると、住民、議会の納得が得られるかという問題があります。したがって、給与条例主義という制約の中では、どうしても教員の勤務実態、つらいところ、苦しいところ、悩んでいるところを十分住民のほうに伝えていかないと、納得のいただける給与制度にはならないという気がいたします。
 それから、教員の給与制度について言えば、これまでの人事院勧告に基づいて、全国一律の給与水準が津々浦々にまで及ぼされて、地方によってはかなり高いという批判が出ていたのも事実だと思います。国家公務員については、いわゆる行一の俸給についても、地域別の俸給ということで、全国一律ではなくて、地域の給与水準に応じた給与設定がなされるようになっています。そういった意味で、地方公務員である教員については、人事院の勧告から、いわば地方公務員の本来の姿である都道府県の人事委員会勧告に基づいて、給与水準を決めていくというふうに変化が起きていますので、そこのところで地域住民、地方議会の納得の得られる給与水準ということを目指していかないと、単純に教職調整額をどうするという議論だけでは済まないんじゃないかという気がします。特に教職調整額をやめて超勤にしたときに、おそらく給与費総体は相当増えてくると思います。そこのところの納得を得られるかどうかというのが1つの勝負だろうと思います。
 それからもう一つ、給与水準論について言えば、今までの学校現場の組織形態というのが鍋蓋型で、先ほど藤井先生のお話にもありました、新任の教員と校長先生の給与差、私ども東京都で言えば、大卒の初任給と行政級の部長の給与の水準差が大体4倍ぐらいだったんですけれども、それが3倍ぐらいに落ちている。3倍ぐらいに落ちているとはいいましても、まだ行政系のほうがピラミッド型の組織です。教員について言えば、ピラミッドではない鍋蓋型から、緩やかなピラミッド型の組織に移行しようとしています。このときに、底辺の水準を変えないで、ピラミッドが上に伸びたから、上の給料を上げるということでは、もちろん全体の給与費も上がってしまいますし、高いじゃないかという、議会から、あるいは住民からの批判には耐えられない可能性があると思います。そういった意味で、組織の在り方とセットになった給与水準論というのを、地方それぞれの教育現場の実態に合わせて、きちんと理論武装していく必要があるのではないか。そんな感想を持ちました。

【梶田分科会長】
 これも非常に重要な視点を出していただいたなと思います。
 まだいろいろとあると思いますけれども、ちょっとここで小川先生のほうから、これをまとめていただきましたので、今、これに基づいていろいろと意見を出してもらっています。ちょっと小川先生のほうから、この問題について、少しご発言をお願いいたします。

【小川委員】
 今日は、一応まとめた立場なので、発言するつもりもなくて、皆様の感想を含めてご意見を伺いたいというふうな気持ちで来ましたので、特別な準備はしてきませんでしたけれども、簡単に検討会議の中での議論も紹介しながら、少しお話ししてみたいと思います。
 作業部会の中で、最初に教職調整額の見直しというのを専門的・技術的な立場から検討しようということで審議が始まったんですけれども、審議をすればするほど、この問題が多様な課題に関係するテーマであって、一筋縄ではいかない非常に重いテーマであるというようなことが非常によくわかりました。
 教職調整額が実現したのは昭和46年ですが、検討会議でもいろいろ勉強したんですけれども、給特法というのは、極めてよくできた仕組みなんです。教師の時間外勤務への手当をどう支払うのか、どういう考え方のもとでどう支払うのかというような課題と、教員の処遇改善をどうするか、給与の在り方をどうするかというような問題と、あと教師の仕事の特性に対して、その特性に見合った処遇や給与の在り方をどうするかとか、そういういろいろな問題を、ある意味では当時、うまく処理して給特法を成立させ、教職調整額という仕組みを作り出した。そういう歴史的な重みの中でできた制度が教職調整額だというようなことだと思うんです。ですから、検討会議でもよく話が出たんですけれども、本当に天才的なアイデアでよくできた仕組みであるため、これをいじるというのは、それ相当の準備と、いろいろな理論武装をしないといけないなということでやってきました。
 そのように教職調整額は非常によくできた仕組みなんですけれども、やはりこの40年間の推移の中で、教職調整額に支えられた教員の給与制度というのが、本当に今の先生方の仕事の実態とか、頑張りの実態に見合った制度かどうかということについては、やはり多くの問題点も指摘されたのは事実です。
 先ほどどなたかが発言されたんですけれども、教職調整額が、例えば、昭和41年の超過勤務が月8時間から、今、月34時間に超過勤務が増えてくる中で、一律4パーセントから一律10パーセントくらいに教職調整額を増やすとか、そういう給与上の処遇の改善が実現できるのであれば、おそらく教職調整額を見直すなんていう議論はほとんど出てこなかったんだろうと思います。しかし、現実的にはそういう実態に見合うように教職調整額を10パーセント増やすとか、12パーセントに増やすというふうな財政事情にないという一方、もう一方では、人確法の教員特別手当も減らせというようなことで、現実的には今年度の予算案では減らすような予算を出しているわけです。そうした教員の給与をめぐる環境が非常に厳しい中で、やはり先生方の勤務の実態と、頑張りに見合った給与制度をどう構築していくのかということを考えていくと、いま一度教職調整額の見直しも含めて、今の給与制度をもう一度、言葉はよくないんですけれども、棚卸してみて、もう一度整理してみようじゃないか。つまり、給特法というような法律の下で40年間積み重ねられてきたさまざまな問題を、もう一度この時点で再整理して、検討してみようじゃないかというのが、この検討会議の趣旨だというふうに理解しております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。この冊子の32ページの左の上のほうに、昭和46年5月、1971年にできました、今の教員職員の給与等に関する特別措置法、ここで教職調整額というのができたわけです。ここにちょっと趣旨が書いていますが、今、小川先生がおっしゃっていただいた点でございます。「教員の職務は、自発性、創造性に期待する面が大きく、一般の公務員と同様な時間管理を行うことは必ずしも適当ではなく、とりわけ時間外勤務手当は教員になじまないとの考えのもと、教員の職務と勤務様態の特殊性を踏まえ」ということで、調整額ができたんです。
 これが1971年からですから、随分いろいろな意味で状況も変わっているということもあります。しかし、変わっていない部分もあるということで、今、小川先生がおっしゃった、非常にご苦労して、これをまとめていただきました。今日は結論を出す会ではございません。そうではなくて、ここから実は、今日、多様な視点からご意見を出してもらいました。ちょっとワーキングをつくって問題点を詰めていただいて、またこの分科会に報告していただいて、そこでまたというふうに考えております。
 そういうことで、今日はちょっと直接関係している、勤務しておられる方々を中心にご発言いただきましたが、ワーキングをつくってやっていただくんですが、他の先生方で、ちょっとワーキングでこういうことも考えてほしいということがあれば、ぜひお願いします。佐々木先生。

【佐々木委員】
 ありがとうございます。ちょっと途中でもうすぐ退席しなければならないので、先に発言させていただきます。
 今、現場の先生方のお話を拝聴し、そしていつもいろいろな先生方に触れる中で、現場でご苦労されていることは、ほんとうに敬意を表したいと思いますし、制度に関しても、非常によくできているものだということも理解しております。また、一定の財源なり、今の労働に合っていないという体系があるということも原因だとわかるんですが、これから先ほどの話で、来年の夏に向けて改定をしていく討論に入っていくというところで、少しそろそろというか、これからは実態がどうだとか、感情的に苦しいとかということを脇に置いて、やはり論理的に整理して討論をしていただきたいと、僣越ですが思うんです。
 というのは、今、民間も同じでして、民間もみんな毎年給料が上がるわけではありませんし、家に持ち帰る、持ち帰らないとかあるわけです。先ほどの、お子さんが大学でとか、そういうどきどきはらはらはみんな一緒なので、多分そういうものが逆に出てしまうと、先ほどの住民の理解は得られないとかということになると思うので、ある程度の実態と感情をはき出した上で、何をしていくのかということを明確にしてから議論に入っていただきたいと思うんです。
 例えば、そもそも一番初めは、目的が何かだと思うんです。例えば、よい教員を確保するということが目的なのか、あるいは、よい教員を今後長く教員でいていただくということが最終目的にあれば、やっぱりそこに結果がいかなければ、どんなに制度が見直しになっても、欲しい結果が出ないわけですから、まず終着点というのは何なのか。あるいは、今、何でそれを見直したのか。不満が出ているだけだったら、多分見直しをする理由にならないですよね。不満が出ることによっていい教員が来なくなったとか、例えば、すぐにとてもいい教員がやめてしまって、わからないけど塾に行ってしまうとか、例えば、そういうことがあるならば、その原因を突きとめて、行き先を明確にするということによって、制度の改革の準備ができると思うんです。
 調整額を存続するのかしないのかということまで検討していいのか。あるいは、パーセンテージの問題なのか。あるいは、民間で言うと、それだけの力量のある先生方は、本来管理職という立場であれば、一定の額をスライドで払っていけば、残業などの考え方などがなくなるわけです。例えば、大胆にそういった考え方の導入が可能なのか、あるいは不可能なのかという前提条件や、あるいは論議するポイントを整理していただくと、来年の夏までに討論の準備もできますし、私などがもしも提案や意見を申し上げるときに、何を話されているのかもわかるので、明確になるのかなと思いましたので、今後ぜひ、どの程度の範囲で、あるいは何を決めていくのか。そして、それができた暁には、つまりは教員の皆さんがどういう満足度や勤務年数になっていくのかというビジョンを見せていただいて、進めていただけたらと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。渡久山先生。

【渡久山委員】
 梶田先生が一等最初に、学校と社会の話をされて130年と言われたんですが、日本の学校は、明治以来、あまり変わっていないと思うんです。そういうのが非常にあって、儒教文化とか何か言われるんですけれども、例えば、教員の賃金や給料の考え方も、国家公務員に準じているということが原則。地方公務員が非常に多いということ前提で準じているということだったんですけれども、そうすると、やっぱり一般行政との関係をどうするかという問題も出てくるんですが、そういうことと、少し無視されて、やっぱり儒教文化、あるいは教員を聖職者と見たのか、結局今の給特法がそうなんですね。今、給特法の話が出ていますけれども、あのときは、実は超勤手当を一切支給しない中から、超勤裁判が随分あって、あまり裁判やっても政府側がずっと負けていくと。事実、超勤がありながら超勤手当を出さないわけですからね。そういう中で、これが出てきたんです。出てきたんですけれども、これは小川先生が指摘されたように、32ページには、最初から、時間外手当を支給しないということになっているんですよ。ということは、時間外手当を支給するということは、教員に対する労働者性を認めるということなんですね。これをどうしても認めたくない。だから、時間外手当は支給しない。ただし、本俸の4パーセント、まだそこだったらよかったんですけれども、それにはね返り分までずっとあって、退職手当までいくんです。ですから、こういうような給与体系は、ほとんど手当でありながらないでしょうね。ですから、そういうような非常に難しいことが背景として出てきているんです。
 それからもう一つ、人確法もそうなんです。余りにも悪いときは、教員の場合、大体7割ぐらいの給与水準だったと思います。ですから、これは教員になり手がいないということで、時の政府の自由民主党がバーンと予算だけ組んで配分した。その際には、教員も国家公務員も地方公務員も、全部人事院勧告制度でいったんだけれども、これは人事院勧告制度を超えちゃって、超法規的に、わざわざ人確法という法律をつくって支給したんです。そういうように、教員に対する考え方が、先ほど梶田先生言われたように、儒教文化の考え方と、今は市場主義ですよね。今は労働市場で物事を判断しなきゃいかんわけですから、それの矛盾が、今までずっと出てきているわけです。ですから、その辺をどうするかということが問題だと思うんです。
 ですから、よく聖職なのか、労働者なのか、あるいは専門職なのかということをよく言われますけれども、そういう職を規定して何かするというよりは、やっぱり現実にどうなのかですね。例えば、超勤が、今、文部科学省が調査してもらっても、あのときの8時間が現在は34時間、約40時間で約5倍になっているわけですね、超勤の実態として。そうであれば、40パーセントであったら、単純に比較してみれば20パーセントぐらいでなければ、今の超勤がカバーできない。しかし、今の超勤は、実はそんなに超勤があっていいものじゃないんです。だから、超勤をなくすということが、まず1つの方法でもあると思うんです。そういうことを含めて考えていかなくちゃいけないと思うんです。
 それから、せっかく主幹制度とかいろいろつくったんですけれども、東京都の場合どうなっているかわかりませんが、なかなか魅力のある仕事でない。なぜかというと、給料がそんなに上がらないんです。なぜ上がらないかというと、校長より上に来るわけにいかないから。校長が低いからなんですね。先ほど、行政側からも出ましたように、初任給がどんどん上がっていくのに校長給は上がらない。だから、5倍だったのが3倍になり、2倍になりになっていくんですね。ですから、教員の場合には、もしも聖職者であれば、校長をもっと上げればいいんです。校長が上がらないんです。これが上がらないものだから、下は市場原理で上がっていくんです。例えば、新任の大学卒を採ろうと思ったら、やっぱりほかの会社と同じように、新卒の給料のレベルで採らないとだめなわけですね。しかし、教員はやや新卒はいいような形になっています。しかし、校長は上げる必要がないのかどうなのか、ずっと下がっているんです。ですから、そういう問題で、やっぱり基本的に、教員と教員の賃金、待遇の在り方を根本的に考えなきゃならないというような感じがいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。非常に重要な幾つかの論点を出してもらいました。ほかにいかがでしょうか。
 よろしいですか。それでは、今のような、今日いろいろとご指摘いただいた点を踏まえて、これからの学校及び教職員の在り方、それから、教育調整額の見直しといいますか、これの在り方を含めた作業部会、ワーキングをここに設置したいと思います。またこれでいろいろと議論していただいて、整理していただいた結果をここにお諮りいただいて、皆さんでまた議論したいと考えております。よろしいでしょうか。
 ちょっとこの件につきまして、事務局のほうから、ご説明をお願いいたします。

【濱口企画官】
 失礼いたします。資料5の1枚紙をごらんくださいませ。タイトルとして、「学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会の設置について(案)」というものでございます。
 1、2、3、4、5とポツがありますが、設置の目的でございます。これからの時代にふさわしい学校の在り方や教員の職務の在り方等及びそれらを踏まえた教職調整額の見直し方策等について調整審議を行うため、初等中等教育分科会に「学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会」(以下「作業部会」という)を設置する。
 委員等につきましては、(1)作業部会の委員は、初等中等教育分科会長が指名する。その上で、(2)作業部会に主査を置き、作業部会の互選により選任する。(3)主査に事故があるときは、主査が作業部会に属する委員のうちからあらかじめ指名する者が、その職務を代理する。(4)作業部会においては、必要に応じ、作業部会の委員以外の者の協力を得ることができることとすると。
 3番目として、検討事項でございます。(1)今後の学校の在り方について。(2)教職員の職務の在り方について。(3)教員の勤務時間管理の在り方について。(4)勤務時間の弾力化について。(5)教職調整額の見直しについて。(6)その他でございます。
 それから、4.設置期間でございますが、本作業部会は3.の検討事項に関する審議が終了したときに廃止をする。
 5.その他。ここに定めるもののほか、議事の手続その他、作業部会の運営に関し必要な事項は、主査が作業部会に図って定める。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。資料5にありますような形で、このワーキング、作業部会を設置したいということでありますが、皆さんのほうでご質問、ご意見があればお願いしたいと思います。
 よろしいでしょうか。では、この作業部会を設置しまして、そして随時報告をいただいて、またここで議論して、この作業部会のまとめに生かしていただくということにしたいと思います。繰り返しますけれども、なかなかこれまでのものがあります。1つは、全体的な財政事情というのもあります。それから、世の中の方々が、学校や教師をどう見ているかという。これはいい面もあれば、非常に問題点の指摘というのもあります。これもあります。
 そういうこともありますし、それから、もう一つ、我々初中分科会として忘れちゃいけないのは、新しい学習指導要領を、これから完全実施いたします。今まで以上に内容豊富なわけですね。非常に内容豊富です。そして、中身も高度化されます。これは人数も、やはり現場に増やさなきゃいけない。これは平成20年1月17日の中教審答申の中でもうたっています教育諸条件を、やはりきちっと確保しなければ、指導要領の十分な実施ができないということをうたっておりますが、人数の問題もあります。しかし、同時に、今いる先生、あるいは、これから来る先生が頑張ってやるぞという気持ちになっていただくには、待遇も含めて、どういう勤務条件でなければいけないのかということがございます。こういうことを含めて、今の作業部会で、これからの学校の在り方、教師の在り方、勤務の在り方、そして教職調整額の在り方をご検討いただきたいと思っております。
 この件につきまして、よろしいでしょうか。もしまだ何かあれば。はい、では天笠先生。

【天笠委員】
 資料2のことで先ほどずっと思っていたんですけれども、学校マネジメントにかかわる云々ということで、5つの柱ということでご説明いただいたわけですけれども、例えば、ここには学校評価というものも現に存在し、進行しているわけなんですけれども、どうしてここに入っていないのかなというふうなことで、主な取り組みということでご紹介いただいているんじゃないかとは思っているんですけれども、私はここのところで、学校マネジメントにかかわるこういうことというのは、かなり構造的なことが求められたりですとか、体系的な位置づけとかということが大変重要になってきたんじゃないかと思うわけです。
 要するに、今回の調整額がメーンのテーマでありますけれども、それは全体的な構造的な取り組み、課題の中の位置づけとかで、今、梶田先生も言われましたように、例えば、学習指導要領等々というところとのかかわりですとか、そういうことも出てくるわけでありまして、そういう学校のマネジメントにかかわる全体的な、構造的、体系的なことをしっかりとしながら、その中で教師の給与の在り方というのを追求していくことが大切なんじゃないかと思います。という意味で、ここのところの、そういう意味での全体像を押さえるということを我々は認識しながら、議論を進めていく必要があるんじゃないかなと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。学校評価という視点も含めながら、今のマネジメントを構造的にとらえて、そういう中で勤務の在り方等々を考えていただくということで、作業部会でそこをご検討いただきたいと思います。
 それでは、田村先生。

【田村副分科会長】
 校務のため、ちょっと遅刻をいたしまして失礼いたしました。
 実は、今の天笠先生のお話にかかわって、私も、実は調整額を考えるという委員会にかかわって、この議論をしてきたという立場から申し上げますと、調整額を議論するということは、マネジメントをするということなんです。ですから、調整額を見直すということは、学校のマネジメントを見直すということと両方ないと、絶対に成り立たない議論なんです。
 それは例えば、免許状というのも、更新制は、主幹以上は免許状の更新の対象外ですよね。同じ教員じゃないです。それはやっぱり今までは鍋蓋という意識が非常に強く存在しているんですけれども、その議論は、世の中の意見の中では、鍋蓋ではもうだめよと言っているんだろうと思うんです。それがいろいろな形で出てくるんです。学校のマネジメントを見直せとか。それから、この給与のことで言えば、調整額を見直せ。つまり、全員が同じというのはあり得ないんじゃないかという議論の中で、そういう話が出てくるわけです。ですから、学校のマネジメントを見直すということを前提として調整額を議論しないと、成り立たないんです。それは実感として感じましたので、申し上げたいと思います。
 例えば、ここで資料2の2番目の外部人材の活用、非常勤講師というのは、これが唯一増えている項目なんです。それをちゃんとできるのかどうかというのが、世の中で問われているんじゃないかと私は思うんです。つまり、外部人材を活用できないで、調整額に手をつけることはできないと思います。ですから、これが増えているということを国会が認めているということは、そういうふうにやったらどうだという提案なんだろうと思うんです。それは今の仕組みじゃできないよという返事もあるだろうし、マネジメントを見直すことで、つまり、校長先生が苦労することになるんですけれども、それをやる気でないと、この状況ではなかなか乗り切れないというのが、私の委員会で議論したときの実感なんです。
 こいつが使えるのかどうか。そんなのいくら人数増やしたって、現場では外部人材なんか使いませんよという対応をされるのかですね。それは、マネジメントの非常に重要な項目だと思うんです。それをいじらないと、調整額、はっきり言えば手をつけられないんですよね、全員一律だということでやってきたわけですから。だけど、いじるとなれば、その分を見直さないとだめだ。それは見直しの中の1つとして、唯一人的な援助は、ここでは外部人材しかないわけですから。大体世の中のマネジメントというのは、そういうことだろうと思います。
 例えば、民間だって時間外やっているけれども、予算が決まっていて、その範囲内でやっているんですよ。その範囲内で時間外を支給されているわけです。これは民間の考え方ですよ。ですから、働いたんだから、当然出せよという言い方が、なかなか成り立たなくなってきている。これは国の財政的な問題もあるからね。それを何とかクリアするのが、現場の学校長のマネジメント。それができるように制度を変えられるかということも、もちろんあるだろうと思います。だから、時間外なんていうのは、もともとそういう性質のものですから、もらえる人もいるし、もらえない人もいるし、それから、予算がなければもらえない、ただ働きの場合も出てくるというようなものですよ、民間では。だから、そういう目で見られて、そういうふうに批判されているということを踏まえて、議論を展開していただけると、答えが見つかるんじゃないかと思うんです。今のままでやったら、答えは見つからないだろう。
 私、あれ、1年ぐらいやったんですかね。1年か1年半ぐらい、玉井審議官からやりなさいよと言われて、最初は嫌だったんですけれども、やっていたらすごいおもしろくて、随分一生懸命やった記憶があるんですが、そこのところに議論を展開していくまで頑張らないと、答えは出てこないと思います。感想です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。今のような視点も、少しまたワーキングでもんでいただいて、またここに報告していただきたいと思います。はい、では。

【岩﨑委員】
 すみません。ほんとうに短時間でお願いいたします。
 私は、一律にはいかないというご意見を聞きましたときに、今日まで考えてまいりましたことで、本当に早く帰る教員もありますし、もう帰ろうよといってもまだ帰れないという教員もいます。そういうことについても関連するんですけれども、今日まで実施しました勤務評定とか人事評価制度をどう給料とか調整額に生かすかというのも、大きなかぎではないかと考えております。以上でございます。

【梶田分科会長】
 岩﨑先生、ごめんなさい。発言していただこうと思っておりまして、後になって済みませんでした。

【岩﨑委員】
 いえいえ、ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ほんとうにこの問題、いろいろと課題を含んでおります。ですから、これについて少し論点を整理していただいた上で、また議論したいと思います。
 では、本日は、残された時間でもう一つ、不登校の問題について、皆さんにご意見をいただきたいと思います。いろいろと実態調査の結果等々がまとまっておりますので、まず最初に、児童生徒課の磯谷課長からご説明いただいて、皆さんのほうからご意見をいただきたいと思います。では、お願いいたします。

【磯谷児童生徒課長】
 それでは、児童生徒課のほうからご説明させていただきます。座って説明いたします。
 時間が押しておりますので、簡単にご説明させていただきますが、本日、不登校関係の資料を3種類、資料6から8にかけましてお配りをしております。順を追ってご説明したいと思います。
 まず1点目は、本年8月に公表いたしました、小・中学校の不登校の状況でございます。資料6をごらんいただきたいと思います。平成19年度の生徒指導上の諸問題に関する調査の1ページ目でありますけれども、全体の状況といたしまして、国公私立の小・中学校における不登校児童生徒数が、中ほどの右のほうに書いてございますが、平成19年度は12万9,254人ということで、前年度との比較で、2年連続の増加ということになっております。特に中学校における不登校の生徒数は10万5,328人でございます。全生徒に占める割合が2.9パーセントということでございます。こうした状況については、先ほど梶田先生からもご紹介がありましたように、教育上の大きな課題と認識をしております。
 なお、不登校児童生徒数が増加した理由について、別途都道府県教育委員会に聴取いたしましたところ、例えば、人間関係をうまく築くことができない児童生徒の増加、あるいは、家庭の教育力の低下などによって、基本的生活習慣が身につかない児童生徒の増加といったことが挙げられているところでございます。
 次に、2ページ、3ページをおめくりいただきたいと思います。2ページに、学年別の不登校児童生徒在籍学校数につきまして、あるいは、児童生徒数につきまして書いてございますが、この表について、3ページでグラフ化をいたしております。学年別の不登校児童生徒数について、学年が上がることにその数が増えておりまして、特に従来から言われておりますように、中学1年生で増加いたしておりまして、小学6年生の約3倍になってございます。これに関しましては、後ほど施策のところでもご説明いたしますが、文部科学省としては、「問題を抱える子ども等の支援事業」などにおいて、未然防止、あるいは早期対応といった観点から、各自治体でお取り組みいただいている小・中学校の連携した取り組みなどについて支援し、あるいは検証するということで取り組んでいるところでございます。
 4ページでございます。不登校となったきっかけと、考えられる状況でございます。この中で一番多いのは、ちょっと図が細かくて申しわけございませんが、下から3番目の欄にございます、その他本人にかかわる問題でございます。例えば、極度の不安とか緊張、無気力が見られる、あるいは、人間関係をうまく築くことができず、集団に入ることができないといったような問題を抱えた例というのが、38.8パーセントということで最も多いということでございます。次いで友人関係をめぐる問題が18パーセントなどとなってございます。
 6ページに飛んでいただきまして、不登校児童生徒への指導結果状況でございます。各教育委員会、あるいは学校のさまざまな情報によりまして、指導の結果、登校する、またはできるようになった児童生徒の割合は、3年連続で30パーセントを超えている状況が続いております。ただ一方で、登校ができるようになった児童生徒が30パーセントを超えているにもかかわらず、不登校児童生徒数全体が増加しているということは、新たに不登校になる児童生徒が増えているということにもなるわけでございます。
 7ページのところで、指導の結果、登校する、あるいはできるようになった児童生徒に特に効果があった学校の措置としましては、例えば、下から5番目のところにございます、家庭訪問したり、電話をかけたりするなどして、家庭に働きかけを行った。あるいは、その上の、登校を促すために電話をかけたり、迎えに行くなどした。あるいは、上から5番目になりますが、スクールカウンセラーなどが専門的に指導を当たったことといった回答が多く寄せられております。
 8ページに移らさせていただきます。学校内外の機関において、専門的な相談等を受けた児童生徒の割合でございます。表が細かくてまことに申しわけございませんが、一番下の欄の右のほうに、その割合については67.1パーセントという数字がございます。あるいは、学校外の機関で指導を受けて、指導要録上、出席扱いとした児童生徒の割合は、中ほどの右のほうにございますが、小さな字で恐縮ですが、39.3パーセントということになってございます。これらの数字は、前年度より若干増加しております。学校と関係機関との連携が進んでいるのではないかと考えられます。
 このように、特に効果があった措置として、先ほどご紹介しました家庭訪問以外には、スクールカウンセラー等の指導が挙げられます。あるいは、学校内外の専門家、あるいは機関において相談を受けた児童生徒が増加しているという状況がございますので、教育相談というものが、非常に重要な役割を担うようになってきております。後ほどご説明します「教育相談等に関する調査研究協力者会議」を文部科学省に設けておりまして、現在、これについても検討しているところでございます。
 なお、いじめ、暴力行為に関するデータ、そして高等学校の不登校のデータにつきましては、現在、調査票を取りまとめている段階でございまして、近いうちに公表させていただきたいと思っております。また結果については、この会議でもご報告させていただきたいと思っております。
 それから、次に、資料7でございます。資料7-1をごらんいただきたいと思います。21年度の生徒指導関係の概算要求についてご紹介させていただきます。まず、1ページ目、2ページ目をめくっていただきまして、3ページ目でございます。今からご説明します施策につきましては、今年の7月1日に閣議決定されました「教育振興基本計画」において、社会性とか規範意識などを育てるための体験活動の推進、あるいは、不登校などの問題行動に対応して、未然防止、早期対応につながる効果的な取り組み、あるいは、教育相談体制の整備といったことが明記されておりますので、これらに従って要求、あるいは施策の継続を予定しております。
 今ごらんいただいている3ページでございますが、豊かな体験活動推進事業におきましては、学校におけるさまざまなボランティア活動を含めた体験活動を支援しているところでありますが、特に真ん中ほどにございます(3)自然の中での長期宿泊体験事業のうち、農山漁村におけるふるさと生活体験推進校について、農林水産省、総務省と連携しまして、子ども農山漁村交流プロジェクトという形で支援をしているところでございます。本日は、このプロジェクトにつきましては、資料7-2にパンフレットをご用意いたしております。後ほどごらんいただければと存じます。こうした1週間程度の長期宿泊によりまして、農山漁村の生活を実際に経験することによって、豊かな人間性、あるいは社会性、規範意識などが育まれるといった教育的効果も、既にあらわれているところでございます。私どもとしては、今後5年間で、全国の小学校において、こうした事業が実施できるように、体制整備を目指しているところでございます。
 次に、4ページと5ページでございます。こちらはいじめの問題でございます。時間もございませんので、簡単にご説明させていただきますが、いじめについて、外部の専門家の協力を得た学校問題解決支援事業ですとか、中・高生の自主的な活動を支援するいじめ根絶運動支援事業など、3つのメニューからなる総合事業を、20年度から開始をしております。
 それから、6ページと7ページでございます。先ほど不登校の調査のところでもご紹介しましたように、不登校、あるいはその他のさまざまな問題に関しまして、未然防止、早期発見、早期対応につながる学校、あるいは教育委員会の取り組み、関係機関と連携した取り組み、あるいは適応指導教室、NPOによる教育プログラムの開発などについて、調査研究を行ってございます。NPOの取り組みの中には、いわゆるフリースクールも含まれてございます。
 急いで恐縮ですが、8ページ、9ページをお開き願います。スクールカウンセラー等活用事業補助ということでございます。教育相談の充実に資するよう、来年度もスクールカウンセラーの小学校への配置の拡充などを継続して実施することといたしております。
 簡単に進まさせていただきます。10ページと11ページでございます。これにつきましては、平成20年度から新規事業ということで、スクールソーシャルワーカーについて事業を開始しております。不登校の背景として、親子関係をめぐる問題、あるいは特に児童虐待などのケースがございます。学校だけでは解決困難で、家庭への支援、あるいは福祉関係機関と連携して支援をする必要のあるケースというのが見られるということで、大阪府、あるいはさまざまな地域での実践事例を取り上げて、こういう大々的な活用事業という形で、20年度から進めているといった取り組みをご紹介させていただきました。
 概算要求の話は以上でございます。
 最後に、資料8-1と8-2という資料をご用意させていただきました。文部科学省では、児童生徒の問題行動等の現状にかんがみて、以前にも増して重要な役割を担っております教育相談に関しまして、学校、あるいは関係機関における活動の方向性を示すために、有識者による「教育相談等に関する調査研究協力者会議」を設置しまして、特にスクールカウンセラー、あるいはスクールソーシャルワーカー、学校を中心とした教育相談体制の充実のための連携の在り方、あるいは24時間電話相談といったことについての検討課題を中心に取り組んでございます。
 本年の4月から8月までの間に、8回を開催しております。前半部分につきましては、主に24時間いじめ相談ダイヤルを含めた電話相談に関して検討を進めておりまして、今回、ここに書いてございます中間取りまとめは、その内容が中心になっております。しかし、後半につきましては、今後はスクールカウンセラーに求める資質や活用の在り方、あるいはスクールソーシャルワーカーの学校内外の活動の在り方、あるいは相談体制の充実、関係機関との連携といったような項目について集中的に審議をいただきまして、本年度末までに最終報告書をまとめる予定になってございます。
 駆け足でございましたが、以上が本日お配りした資料のご説明でございます。なお、先ほどもちょっとご紹介いたしましたように、子どもたちを取り巻く環境が変化しておりまして、児童生徒の問題行動の中でも、例えば、児童虐待などの家庭の問題ですとか、発達障害などの特別支援教育に関連する問題、あるいはインターネットの問題とか、今までの生徒指導体制のみでは、必ずしも十分な対応が難しい事案も増加しておるところでございまして、今回公表されました問題行動の調査結果、あるいは来年3月に取りまとめられる予定の、先ほどの調査研究協力者会議の最終報告も踏まえまして、不登校の児童生徒の支援につきましては、今後の生徒指導体制全体の在り方、あるいは関連する文部科学省、あるいは他省庁の施策も含めて、幅広い視野から有識者の意見を踏まえて検討を進めていく必要があるかというふうに、事務局としては考えているところでございます。以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。今、データとしては、中学校のほうのデータをご紹介いただきました。この2年ほど増えているんですね。高校についても、もうすぐまとまるそうです。またこの分科会で報告していただくことになると思います。そして対応として、今、どういう事業をやっているかと。スクールカウンセラーの配置もあり、スクールソーシャルワーカーの配置もあり、幾つかのことが挙がっております。
 これ全体をめぐって、ご質問も含めて、あるいはご意見、皆さんのほうでご発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 これは皆さんご存じだと思いますけれども、どんどん増えているんですよね。今でも覚えておりますが、30年ぐらい前はものすごく少なくて、不登校と言わなくて、スクールフォビアと言われていたんです。学校恐怖症。当時、東京都が、大々的な調査、このときは悉皆調査がやれたんです。悉皆調査、1つずつのケースについて。このときの結論は、自我の発達の不十分さ。それで、それは何がもたらしているかというと、親子関係というのが一番大きなケースでした。今になってくると、今度はそれにプラス、親関係よりも虐待の問題とか、学校でのいじめの問題、いろいろなことが絡み合って、当時の多分何十倍の率になっております。
 そういうことで、これはやはりほんとうに現象的にも対応策をとらなきゃいけないし、もっと言うと、抜本的に学校の在り方、あるいは教育活動の在り方の中で、こういうことを防ぐということもあるだろうと思います。皆さんのほうで……、はい、では木村先生。

【木村副分科会長】
 今、東京都の話題が出ましたが、東京都でも不登校問題については、深刻にとらえております。資料6の3ページ、これを見ると、中学校が大変だと思われがちですが、実は今、東京都の中では、小学校の4、5、6年、このあたりが最も大切なのではないかという議論が出ています。中学校でももちろんきちんと対応していかなきゃいけないのですけれども、小学校の4、5、6年あたりにしかるべき手を打って、不登校の芽をこの段階で摘むということも必要ではないかという意見が一致し、どういう施策があるか現在検討中です。
 それから、もう一つ、今日おやっと思ったことがあります。以前にも同様な発言をしたと思いますが、資料7-1の5ページの3番目の子どもたちによる「いじめ根絶運動」というところです。日本は、子どもたちの問題行動を、親なり先生なりが解決しようとします。ところが、アメリカでも若干そういう動きが最近出てきていると聞いていますが、英国では殊にいじめについては、子どもたちに解決させようという試みをやっています。子どもたちにカウンセリングティームを組織させて、そこへ相談に来るようなシステムを作っている。NHKの衛星放送の番組で取り上げていたので、英国に昨年行ったときに少し聞いてみたのですが、あちこちでやっているようです。それでかなりの効果が上がっていると聞きました。仲間に問題を解決させるという方法も1つの手ではないでしょうか。
 私、大学に33年おりまして、相当不登校の学生に出会いました。大学でも不登校学生というのは居ります。学部段階では大した競争はないのですが、大学院レベルになるとものすごい競争になり、それについて行けない学生が出てきます。不登校の学生が出たときに、研究室の中にいいリーダーがいると、そのリーダーのイニシアティブで、みんなで面倒を見る仕組みをつくりますので、大抵うまく行きます。私は特にああしろこうしろとは言いません。あいつ、最近来ないななどと言って問題を提起するだけです。うまくいくケースもあるのですが、何人かは失敗しました。失敗したケースは、そういうリーダーがいないときです。子ども、若者の問題は仲間に解決をさせる視点も非常に大事ではないかと思います。5ページのところで、こういう考えが日本でも出てきたのかと少しびっくりしました。大変よろしいんじゃないかなと思います。

【梶田分科会長】
 今、木村先生がご指摘いただきましたように、昔は小学校ではほとんどなかったんですね。中学校に行ってからだったんですけれども、今、5、6年で非常に増えております。ですから、今ご指摘のように、小学校での対応策をどうするかというのが問題になっております。
 それから、親も、地域の人も、学校の先生も、一生懸命今、いろいろなネットワークをつくってやっておりますが、同時に子どもたち同士でということで、今、中学校や高校で少しずつ取り組みがありまして、池坊前副大臣のときに、「子どもを守り育てるための体制づくりのための有識者会議」というのが置かれまして、そこが主催して、いじめとか不登校で、各学校でどういう取り組みをしているかというのを、東京で集めて発表していただいたことがあります。銭谷次官にもご出席いただきました。そのときにも、そういう組織をつくってやっている中学校、生徒会が中心になってやっているわけです。それがあります。ただ、まだ普及しておりません。
 それから、今大学生ということで、兵庫教育大学もそうですが、私のところでは「NANAっくす」という組織をつくっていて、兵庫県下だけですけれども、学生たちがいろいろなところの不登校の支援に入り込んで、いろいろな体験を一緒にするとか、あるいはスクールカウンセラー的、あるいはスクールソーシャルワーカー的なものも一緒にするということも、今、学生たちがやっているということ。そういういろいろな取り組みがあって、それをどう支援していくかというのが、今、多分行政としての課題としてお考えかなと思います。
 皆さんのほうで、どうかお気づきの点ございましたら。では、渡久山先生。

【渡久山委員】
 今ありましたように、非常にこれは厳しい問題なんですね。それで一度不登校になって、もう一度学校に戻るというのは、もっと困難なようなんです。ですから、それには制度的にどうするかという問題もありましょうけれども、今ありましたように人間関係。もう一つは、これはデータにもありますけれども、学業不振ということですね。勉強ができない。あるいは、勉強するチャンスがない、環境が悪いというのもありますから、先だってやりました全国学力・学習状況調査との相関と、経済的な問題です。学力不振の問題は、非常に大きいと思うんです。新聞によると、高校の中退は、ほとんど貧困問題が出てきて、結局、勉強できない。奨学資金も非常に少ないというような状況があるようですので、生活保護世帯との相関もいろいろ出ているようですから、その辺も含めて審議していただければいいじゃないかなという気がいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。北條先生、お願いいたします。

【北條委員】
 私は、働いているのは幼稚園でございますから、幼稚園で登園拒否というのは若干あるんですが、これはおおむね時間をある程度かければ解決いたしますが、卒業生を見ておりまして、やはり相当数のお子さんが、先ほどご指摘がございましたように、小学校の4年、5年のあたりで非常に苦しい思いをしまして、それで不登校になり、相当長期化するという例をたくさん見ております。
 今、渡久山先生から、貧困の問題とか、学業不振とかというご指摘もございました。私のところは逆でして、相当教育を受ける環境としてはいいご家庭に育ち、親御さんも非常に教育熱心で、子どもたちも、普通でいうとてもいい子です。当初、学校の成績も大変いいというお子さんに、たくさんそういう例を見てきておりますので、今やまさにあらゆるお子さんにそういう可能性があるんだということで、これはまことに深刻な問題で、国を挙げて、今取り組むべき喫緊の課題だと思っております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。黒須先生、お願いいたします。

【黒須委員】
 ありがとうございます。私、不登校児童生徒対応の小・中一貫校をやっているものですから、公立としては、多分全国で初めてなんじゃないかなと思いますけれども、そんな観点から。これは私の特別な思いを持ってつくった学校なんですけれども、そんな経験からちょっとお話をさせていただきますと、理由は、100人不登校児童生徒がいれば100通りあるというぐらいに多様だということですね。ですから、先ほど木村先生から、小学校での不登校児童生徒というのは無視できないというお話がありましたけれども、実際になぜ小・中一貫校をつくったかといいますと、小学校で何かのきっかけで不登校になっちゃう。で、中学生の年齢になると、それなりに先生は家庭訪問したり、登校を促すわけですけれども、やっぱり先ほど前段のお話でもありましたように、忙しいですよね。ですから、徹底した支援までできないわけですよ。ですから、結果として型通りのものになってしまう。じゃ、それは最終的にどうするのかといったら、卒業証書を自宅に届けて、それで終わりということなんです。
 子どもも親も、中学生になって環境が変わったから、じゃあ中学校行ってみよう。中学校に行ってみるけれども、小学校の授業を一時期やっていませんから、いずれにしても中学校にやる気があって行っても、授業についていけないんですね。私はそのときに、うちの教育委員会のほうに、そういう子どもに対しては、小学校まで一部戻って教えてやれないかというような話をしたんですよ。そうしたら、小学校の卒業証書をもらっているんだから、それは中学校としてはできないと言われたんです。おかしな話なんですけれども、実際そうだったんですね。
 それじゃ、小・中一貫校をつくって、中学生の年齢になっても小学校の授業をきちんとやり直せるような学校をつくってやろうということでつくったんですけれども、実際に感じたことの1つに、極めて親御さんは深刻ですね。それで、最初は何人くるかわからなかったから、どこからでもいいですよといったらものすごい反響があって、そして全国から来ましたよ。それで全国から来た子を受け入れたんですね。それで、すごく喜んでもらえました。
 1つは、どういうふうにそれに対応するのかというと、学校の先生だけじゃ、東京都の大原教育長がいますけれども、都の教育委員会からも理解をしていただいて、加配をしていただいたりしているんですが、それだけでは十分ではないです。ですから、多様な外部人材を、ボランティアとか、いろいろなことで支援をしてもらう。特に薬物に依存している子どもがすごく多いんですよ。これはすごいびっくりしました。精神的な情緒不安定とかそういうふうなこと、精神関係のことですけれども、それが非常に多いんです。そういう点でも、学校での対応というのはすごく難しいです。ですから、例えば、市の児童館や学童保育所に勤務して、そういう経験を持っている者とか、いろいろな人材を応援に出して、民間からもお願いをして、あるいは、保護者の中でも、自分の子どもが昔不登校になっちゃったという経験を持っている保護者も手伝ってくれたりして、そして、今、100人以上の子どもが来ているんです。で、普通の学校に戻れるようになったら戻ってもいい。だけども、ほとんど戻らないですね。そこで中学校まで卒業して、中には去年でしたか、大学へ入学した人もいましたね。
 ですから、多様です。非常に多様なんだけれども、きめ細かな対応をすることによって、立ち直らせるということは可能だということ。ただ、手間がかかるということ。ですから、そういう覚悟で取り組まないと、難しい問題じゃないかなと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、田村先生。

【田村副分科会長】
 ありがとうございます。今、市長さんのお話をお聞きしていて、実は内閣府で、子どもと若者の総合支援策というのを立てて、23日かな、報告が出るんですけれども、たまたまその座長をさせられておりますので、いろいろとこの問題については、かなり深く議論を重ねてまいりました。
 そこでの学校に対するお願いとしては、やはり学校をできるだけオープンにしてもらえないかと。先ほどのご指摘があったように、これはものすごく増えているんです。想像を絶するほど増えてきているんです。ですから、学校が閉じちゃっていると、相談に行けなくなっちゃうんです。学校がやらないということもあるんだろうと思うんですが、NPOがいろいろな形ですごくかかわっているんです。NPOの方々に意見を聞いてみると、皆さん共通しておっしゃっているのは、学校が協力してくれない。非常に閉じているというご不満が出るんです。ですから、その点については、ご議論されるときに是非ひとつ、その部分をご議論していただきたい。
 例えば、これは私が個人的に思っていることなんですけれども、AEDというものがありますよね、心臓を治すもの。あれをつけた場合は、事務所の入り口にAEDがありますよというのをつけるということになっていますよね。だから、スクールカウンセラーを置いている学校は、門のところにスクールカウンセラーありますよというのをつけると、全国一斉2万何千カ所に、まあ、そんなに配置するかどうか知らないけれども、かなりおつけになるとすれば、その看板を出しておくと、困った場合、あそこへ行って相談するという可能性が出るし、学校も開いたという形になりますね。こんなのを積み重ねていく必要が非常にあるんじゃないかという気がしました。
 それから、もう一つ、これは国としてお願いしたいのは、イギリスとかフランスとかオーストラリアは非常に進んでいるんですけれども、子どもと若者に対する支援策ですね。その背景には、理論的な武装がされているわけです。つまり、小さいころに何か起こす芽があると、大きくなってものすごい社会に負担をかける。何とかの法則というのがありまして、私もグラフを見せてもらったんですけれども、かなり研究して、ものすごい理論的な背景があって。だから、小さいうちに芽を摘まなきゃだめだよ。その芽の1つが、不登校とか、校内暴力なんです。ですから、そういうのを全体の議論に広げて、学校はやるけど、国全体でやってくれないと困るんだということです。
 今やっておけば、例えば、10万円で済むのが、放置しておくと、何億という損害になるよというような話が通用する世界みたいですね。ですから、学校でやれる範囲というのは決まっているんじゃないかという気がするんですけれども。だけど、やれる部分もかなりありますので、是非この部分は、これから議論していただいて、いい提案を出していただいて、至急に手をつける、至急に動き出すということが非常に大事だろうと思っています。よろしくお願いします。

 【梶田分科会長】
 ありがとうございます。時間がまいりましたけれども、最後に一言という人。はい、天笠先生。

【天笠委員】
 私も、資料6の3ページのこのグラフを先ほどからずっと見ているわけですけれども、やはり小学校と中学校の、ある意味でいうと接続とか連携の課題というのがここにはあるということは、さまざまに指摘されているということであります。そういう点で、今回の学習指導要領改訂においては、小学校の学習指導要領と中学校の学習指導要領が1冊に合冊になったという、ここのところというのが、こういう生徒指導上の対応、課題の1つの方策になるのではないかと思っております。それですぐ効果がということになれば、少しはまたということになるのかもしれませんけれども、少なくとも今回の教育課程上の政策の具体化、推進、要するに、9年間を通してのカリキュラムの開発ということと、こういう生徒指導上の問題を別立てにするんじゃなくて、一体的にとらえて運用していくということが大切なんじゃないかというふうに思います。
 行政組織上は、生徒指導と教育課程、それぞれがそれぞれとしてあるわけですけれども、やっぱりこれを一体的に進めていくということが大切なんじゃないか。小学校と中学校の、そういう意味における接続、連携ということについて、一歩も二歩も実際に踏み出すような、そういう取り組みというのが今後の対応策の1つかなと思っております。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。最後に一言。
 よろしいでしょうか。それでは、この問題ですが、不登校を中心として、これからいろいろな仕組みそのものも考えなきゃいけない面が出てくるんじゃないかと思います。先ほど、黒須市長もおっしゃったように、手間暇かかるんですよ、これ。ほんとうに1つのケースで、ほかが全部割り切れないといいますか、100のケースがあれば、100通りの事情があるといいますか、そして対応の仕方も100通りあるというようなことがございます。
 ということで、これは先ほど申し上げました、高校についてのデータがまた近いうちに出てまいります。これをまた分科会にもご説明、ご報告いただきまして、そしてこの分科会としてもう少し議論をして、何がやれるかというのをまたもう少し進んだら、ワーキングでもつくって詰めていきたいと考えております。
 それでは、本日は、少し時間が過ぎましたが、このあたりにしたいと思います。今後のことにつきまして、事務局からお願いいたします。

【佐藤教育制度改革室長】
 失礼いたします。今後の分科会の日程につきましては、梶田分科会長とご相談の上、追ってご連絡申し上げます。よろしくお願いを申し上げます。以上でございます。

【梶田分科会長】
 それでは、本日、これで閉会したいと思います。どうも皆さん、ありがとうございました。

― 了 ―

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-- 登録:平成22年06月 --