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初等中等教育分科会(第66回) 議事録

1.日時

平成21年7月6日(月曜日)15時~17時30分

2.場所

旧文部省庁舎6階 第二講堂

3.議題

  1. 小・中学校の設置・運営の在り方等について(作業部会からの報告)
  2. 学校段階間の連携・接続等について
  3. 不登校の児童生徒への支援について
  4. 教育安心社会の実現に関する懇談会について
  5. その他

4.議事録

【梶田分科会長】
 それでは、時間になりましたので、ただいまから第66回初等中等教育分科会を開会したいと思います。委員の皆さんで後でおいでになる方もおられます。また、文科省の方、今ちょっと打ち合わせがあるということで、少し後でおいでになる方もおられますが、これから始めたいと思います。
 まず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【佐藤教育制度改革室長】
 そうしましたら、本日配付資料一番上にございます議事次第をご参照くださいませ。4番に配付資料一覧という形で載せてございます。
 資料1といたしまして、第5期中央教育審議会初等中等教育分科会委員の名簿でございます。
 それから、資料2-1から資料2-4までが本日の議題の1番目に関わる資料でございます。資料2-1が小・中学校の適正配置に関する主な意見等の整理、それから、資料2-2が学校運営協議会制度(コミュニティ・スクール)に関する主な意見等の整理、資料2-3といたしまして、学校選択制に関する主な意見等の整理、それから、資料2-4といたしまして、小・中学校の適正配置、学校運営協議会制度、学校選択制に共通する問題認識に関する主な意見等の整理ということでございます。
 それから、資料3-1から資料3-3までが議題の2番目に関わるものでございまして、資料3-1が学校段階間の連携・接続等について、資料3-2が初等中等教育分科会で当面議論すべき課題、これは昨年6月に配付した資料と同じでございます。それから、資料3-3といたしまして、学校段階間の連携・接続等に関する作業部会の設置についてということでございます。
 それから、資料4といたしまして、これは議題の3番目に関わるものでございますが、不登校の児童生徒への支援について、資料4として入れてございます。
 それから、資料5-1と5-2でございますが、これは議題の4番目に関するものでございまして、資料5-1が教育安心社会の実現に関する懇談会報告書、先週7月3日に取りまとめていただいた報告書でございます。それから、資料5-2といたしまして、児童生徒の修学支援に関する検討についてということでございます。
 そのほかに、参考資料1と参考資料2といたしまして、参考資料1につきましては、小・中学校の設置・運営の在り方についてということで、議題の1番目の際にご参照いただければと存じます。それから、参考資料2につきましては、関連する主な過去の中央教育審議会の答申の一覧でございます。
 簡単でございますが、以上でございます。不足等ございましたら、事務局までお申しつけくださいませ。よろしくお願い申し上げます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 今、資料の説明をしていただきましたけれども、昨年6月、この分科会に対しまして、小・中学校の設置・運営の在り方、学校段階間の連携・接続等、不登校の児童生徒への支援、こういうような内容を含んだことについて審議を始めようということになりまして、これは順番をつけてやっていたわけですけれども、今日はそれの中間的な報告をいただき、皆さんのご意見をいただいて、そして、また次の取組へ向かってとなるかと思います。
 内容的にも、少し今日の資料をご覧いただきまして、思い起こしていただきたい点もございます。また、今日、お集まりになった委員のメンバーの方々も、久しぶりですので、お仕事のお変わりになった方もおられまして、そういう意味で、お互い新しい気持ちでいろいろと忌憚のないご意見をと思っております。
 今申し上げた昨年6月から話が出ておりました3つの問題、この中の小・中学校の設置・運営の在り方につきましては、既にこれを検討する作業部会をこの分科会の下に置いて検討をしていただいておりました。これにつきまして、後でご報告いただいて、率直なご意見をいただきたいと思います。
 学校段階間の連携・接続等については、この分科会でもうずっと繰り返しいろいろな形で出てきたわけですけれども、まとめをするというところまで至っておりませんでしたので、今までのことにつきまして、事務局から少しお話しいただいた上で皆さんのご意見をいただいて、今日は、学校段階間の連携・接続については、これをぐーっと取りまとめをしていく作業部会を設置してはと考えております。
 もう一つの不登校の問題もずっと出てきたわけですけれども、これを詰めてというところにはまだ来ておりませんので、また本日、事務局からご説明をいただきながら、皆さんにご意見をいただきたいと思います。
 最後に、7月3日に、大臣の下に設置されている教育安心社会の実現に関する懇談会、この中に門川市長を始めそのメンバーの方が何人かおられるわけですけれども、これで教育費の在り方について報告書を取りまとめられました。本分科会としてはこれをもう少し具体化して、何とか実際に動くようにしなきゃいけないと考えておりますので、それについて報告をいただきながら意見交換をして、次のステップへ続けていきたいと思っております。
 ということで、本日は、4つの大きなテーマがございますが、これを順次、1つずつ皆さんでご意見をいただきたいと思っております。
 それでは、最初のテーマであります小・中学校の設置・運営の在り方等につきまして、皆さんに審議をしていただきたいんですが、これは先ほど申し上げましたように、作業部会を作って、これまで論議をしていただいてきたわけであります。この作業部会の主査は小川先生にお願いをしていたわけですけれども、本日は小川先生から、これの主な意見等の整理につきましてご報告いただきたいと思います。ご承知のように、いわゆる小・中学校の適正配置の問題、学校運営協議会制度の問題、学校選択制の問題等々がこの中に入っておりますが、そういうことをひっくるめて小・中学校の設置・運営の在り方という大きなくくりでやってきていただいております。
 それでは、小川先生、お願いいたします。

【小川主査】
 では、私から、作業部会の意見整理等ということで、この間、1年以上にわたって全部で12回、議論してきましたので、その報告をさせていただきたいと思います。
 皆さんのお手元にある資料2-1、資料2-2、資料2-3、資料2-4、あと参考資料1も今日の報告に関わる資料とかデータを収録しているものですけれども、基本的には今言った資料2-1から資料2-4の報告のレジュメを参考にしながら報告させていただきたいと思います。
 なお、例えば資料2-1のページを開いて見ていただきたいんですけれども、最初に枠で囲んでいるところがあるんですが、これが報告のポイントになっております。そして、下のほうに「検討の観点」ということで、「○」印で記載されているところがそのポイントに即して様々な検討すべき観点とか、あと、作業部会で出た重要な、主要な意見等々を整理したものです。今日の報告は、この枠で囲んだポイントを中心にしながらお話しさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 まず最初に、「小・中学校の適正配置に関する主な意見等の整理(ポイント)」という資料2-1に即してお話しさせていただきたいと思います。今回の作業部会の仕事というのは、昭和31年に中央教育審議会が答申を出して以来、小・中学校の適正配置についての考え方を整理したものですけれども、なぜ今回、おおよそ50年ぶりにそうしたことを検討したのかという背景とか、理由について、ここでは書かれています。基本的には、少子化に伴う学校の小規模化、交通環境の整備、施設の老朽化等、昭和31年当時と比べて学校を取り巻く社会状況が大きく変化してきているということが一つと、もう一つは、少子化などで今後学校の小規模化が更に進むことが予想される中で、学校の適正配置の在り方について、更に検討していくことが必要であるということが書かれています。特にこの作業部会の整理の基本的な立場は、公立小・中学校の設置主体というのは市町村でありまして、適正配置の進め方としては、最終的には市町村が判断して実施していかなければならないものですけれども、本作業部会としては、教育的な観点から、適正配置を進める際に拠り所となる考え方、ないしは考慮すべき要素、留意点等を整理して提示するという趣旨でございます。
 次に、学校の規模・通学距離に関する基本的な考え方ですけれども、まず最初に、学校規模の考え方については、一定の規模がある学校では、子どもが集団の中で切磋琢磨することを通して一人一人の資質や能力を伸ばしていくということがやりやすい利点があります。ただ、もう一方では、小学校・中学校に共通して、小規模の学校の課題とすれば、例えばクラス替えができないで人間関係が固定化しやすいのではないか。また、習熟度別指導、教科担任制など多様な指導方法をとるのが非常に難しい。また、学校規模が小さくなるに従って教職員が非常に少なくなるため、授業研究など校内研修の時間が確保できない、ないしは、教職員の間で切磋琢磨する環境がなくなってしまうとか、あと、1学年1学級を維持できずに、複式学級となる等々の教育上の課題も大きいというようなことが指摘されています。また、特に中学校の場合には、以上の意見に加えて部活動の数が制限されるとか、免許外教科担任が発生しやすいなどの指摘などもありました。
 人間関係に配慮したクラス編制ができるとか、習熟度別等々の多様な指導形態をとることができるとか、また教員が教科について組織的な経営ができるなど様々な観点を総合して考えますと、現在の学校の標準規模とされている12~18学級というのは現在においてもおおむね妥当ではないかという意見になっております。
 その上で、地域ごとに事情が異なりますので、地域の条件を踏まえた市町村ごとの検討が必要であること、また市町村が学校の適正配置を考えるに当たっては、以上述べてきた標準規模を下回ることによる教育上の課題を具体的に、どのように克服していくのかという観点からの検討を進めるべきではないかということが整理されています。
 他方、もう一方では、市町村にとっては、例えば同一市町村内に学校が1つしかないとか、離島、山間部、僻地、あと豪雪地域など様々な地理上、気象上等々の条件で通学可能な範囲にほかの学校がないということもありまして、適正配置を進めることが非常に難しい状況にある地域があるのも事実です。このような場合には、事務委託などによって、市町村の境を越えて通学させることも考えられるわけですけれども、統合を進めることが非常に難しい地域では、小規模の学校をどのように支援していくのかという観点からの検討が必要ではないかとまとめております。
 次に、通学距離の考え方ですけれども、皆さんもご承知のとおり、現在の規定では通学距離については、小学校でおおむね4キロメートル内、中学校ではおおむね6キロメートル以内ということが適正であるとされています。作業部会では、小学校5年生と中学校2年生を対象に通学距離とストレスの関係を調べた研究、具体的には、朝倉先生という東京学芸大学の先生が調査された研究に基づいて報告がされたわけですけれども、そこでは小学校で4キロメートル以内、中学校では6キロメートル以内という通学距離は、気象などの様々な考慮すべき要素が比較的少ない場合には、児童生徒の心身に与える影響という点から見た場合には、現在においてもその負担が明らかに大きいとまでは言えないという報告がございました。ただ、通学については、距離だけではなくて、安全とか地理的な事情とか、降雪などの様々な気象上の観点からも考慮することが非常に重要だということと、もう一方では、昭和31年当時と比べて交通機関が発達しているということも考えて、総合的に検討する必要があるのではないかということが出されました。
 そういうことで、従来、通学距離の考え方については距離による考え方を中心にしてきたわけですけれども、そうした距離による考え方だけでは実態に合わない面もあるのではないかということで、交通手段の発達等も考えまして、通学時間の観点から検討することも考えられてよいのではないかという方向も一つ出しております。その際、例えばバスの場合にはおおむね1時間程度を上限とし、徒歩の場合にはおおむね30分から1時間程度を上限とするということも考えられるという意見としてまとめております。
 次に、適正配置を進めるに当たって、市町村が特に取り組むべきことで少し見ていきます。ここでは、学校の設置者である市町村は、適正配置を円滑に進めるために、保護者や地域住民に対して、まず1つは、今後の子どもの減少見込みなども示しつつ、学校の実情をよく説明して、小規模校が子どもの教育にとって望ましいのかどうかという点を問題提起すること。2つ目には、通学の条件整備や廃校施設等の利用、地域とのつながりの確保などを含めて、統合後の学校をどのような学校としていくのかなどの具体的な検討を十分に説明することなどが必要ではないか。さらに、小規模校で機会が不足しがちな社会性の涵養とか、様々な体験を積ませるという観点から、学校同士の交流活動や学校と地域との交流・連携を進めたり、複式学級での指導を充実するなどの工夫も望まれるのではないかとしております。
 最後ですけれども、国や都道府県の関わりのところです。この点については、小学校・中学校の設置者は市町村でありますので、地域によって様々な事情の違いがある中で、全国一律の基準によって画一的な指導とならないよう十分配慮した上でという条件のもとで、国はナショナルミニマムとしての義務教育の質の維持・向上の観点から、適正配置を進める際の拠り所となる考え方、考慮すべき要素、留意点等を提示しながら、それに基づく助言を行ったり、具体的な財政支援等々の支援策などを講じていくということで市町村を支援することが必要ではないかと書いております。また、都道府県においても、市町村に対して当該都道府県の事情を踏まえた適正配置の指針等を示して、助言したり、支援策等を講ずることなどによって市町村の取組を行いやすくすることが重要であるとなっています。
 そして、国や都道府県の具体的な支援策ということで、検討の観点のところでは、作業部会では様々な意見が出されました。それも少し検討いただければと思います。
 時間がありませんので、次に、学校運営協議会制度(コミュニティ・スクール)のほうに入っていきたいと思います。これも先ほどと同じように、資料2-2の枠で囲んだポイントを中心にしながら説明させていただきたいと思います。
 まず、学校運営協議会制度の意義や成果ですけれども、学校運営協議会の制度は保護者や地域住民が一定の責任を持って主体的に学校運営に参画する仕組みとして、これまでの成果を踏まえて積極的な導入の促進を図るべきであるという作業部会の基本的な立場をここで書いております。全国のコミュニティ・スクールを対象とした意識調査によりますと、学校運営協議会制度の具体的な成果として、例えば次のような点が上げられます。学校が地域に情報提供を積極的に行うようになったとか、特色ある学校づくりが進んだ、地域が協力的になった、学校が活性化した等です。
 次に、そうした学校運営協議会制度の成果が上がっている所では、おおよそ次のような傾向が見られるとまとめております。一つは、指定を受けてから一定年数の実績を積んでいること、学校や保護者・地域住民の意向を受けて指定を受けたと認識されたものであること、あと、学校運営協議会の提案等を具体的に実行する組織を持っている等々です。
 次に、学校運営協議会制度の課題と今後の方向性ですけれども、これについても作業部会では様々な意見が出されましたけれども、おおよそのところでは、学校運営協議会の法律上の権限である学校運営方針の承認であるとか、教職員の任用に関する意見の申出等々は、地域の事情によっても、それをどう運用するかということは異なるかもしれませんけれども、その点についてはまだ十分に活用されていないという実情もあるという点です。そして、学校運営協議会の運営を継続し、発展させていくための工夫としては、そうした先進的な取組の事例を精査、検証し、ないしはその成果を見極めながら、更に具体的な検討が必要ではないかとまとめております。
 最後に、学校運営協議会制度と他の制度との関係です。これについても作業部会では様々な意見が出されておりましたけれども、一応次のように整理しておきました。一つは、学校運営に保護者・地域住民の意見を反映させる仕組みとして、学校評議員制度とか、学校関係者評価などがあります。また、保護者・地域住民が学校を支援する仕組みとして、学校支援地域本部事業とか、放課後子ども教室事業等々がございます。学校運営協議会の制度と、今言ったようなほかの制度との関係については、それぞれの制度趣旨を整理しながら、これも地域の実情に応じて検討するということを基本として考えていくべきではないかとしております。そうは言っても、学校運営協議会制度自体は、学校運営に保護者等の意見を反映させるものであるということを基本的な考え方として押さえた上で、地域住民の力を学校運営の支援に活用する機能を学校運営協議会が付加的に果たしていくことも、学校運営への参画をより効果的にすると考えられるとまとめております。
 最後、資料2-3に即して、学校選択制について、これも枠内におさめておりますポイントを中心にして簡単に整理しておきたいと思います。まず学校選択制の成果、課題等ですけれども、これはこの意見等の整理の報告書の中にもまとめておりますけれども、文部科学省が平成20年に実施したアンケート調査によりますと、学校選択制の導入によってどんな成果が出たのかということについては、例えば保護者の学校教育への関心が高まった、子どもが自分の個性に合った学校で学ぶことができるようになった、また、選択を通じて特色ある学校づくりが推進できた、各学校が学校の方針などを積極的に発信するようになった等々という点も報告されております。
 しかし、また、他方、同じアンケートの調査の結果からは、学校選択制の導入による新たな課題、問題もあるのではないかと指摘されております。例えば通学距離が長くなって安全の確保が難しくなったとか、学校と地域の連携が非常に希薄になったとか、入学者が大幅に減少した学校が生じて、適正な学校規模が維持できないような学校が生じてきている等々も指摘されています。また、学校選択制を機に、学校側も様々な努力をしているわけですけれども、実態としては、保護者の学校選択の判断基準というのは必ずしも各学校の教育活動の特色とか、教育方針に基づいて選択がされていないという事情がありまして、ほかの要素、例えば友人関係とか、学校の立地条件、また生徒指導上の問題があるかないか等々がそうした各学校の教育活動の特色とか教育方針以上に優先されがちになっているという実情もあるのではないかということが指摘されておりました。
 学校選択制についての基本的な考え方ですけれども、学校選択制というのは、地域によって様々な事情や条件がある中で、全国一律に推進すべきものではないという点は確認されております。メリット・デメリットを十分に考慮した上で学校設置者が導入を判断すべきものであると性格づけております。また、学校選択制は、学校に変化をもたらす1つの方法と言えるわけですけれども、ただ、教職員や保護者・地域が学校選択制の下で、学校改革に前向きに取り組んでいける条件整備を同時に図ることが非常に重要な前提になっているのではないかとしております。
 あと、学校選択制を導入する上での留意点ですけれども、学校選択制を導入する場合には、選択した学校に対して参加や協力をしていく責任も表裏の関係として保護者には期待されているものである、そうした点も明確に発信していくべきではないかということや、学校を選択する場合には、選択した学校の約束事を守ったりすること、また積極的に学校の教育活動に参加することが期待されているものであるということも、保護者に明確に発信することが望まれるのではないかとされております。また、保護者が学校を選択するに当たっては、子どもの教育のためによりよい学校選択を行うことができ、かつ入学後に学校の教育活動への参加や協力を得られやすくするような情報提供の在り方や環境整備も非常に重要な課題であると指摘しております。他方、ある学校が何らかの教育的な課題があることによって、選択されない状況もあれば、その課題を克服できるように行政が学校を支援することが非常に重要な課題ではないかということも指摘しております。 与えられた時間がもう過ぎていますけれども、最後に、以上述べた学校の適正配置・学校運営協議会制度・学校選択制に共通する問題認識ということで、資料2-4に簡単に書いているのがあります。共通する基本的な考え方というのは子どもの教育環境をよりよいものにしていくためには、保護者や地域に信頼される学校づくりの実現が不可欠である、学校が保護者や地域に対して情報発信などを通じて説明責任を果たすだけではなく、保護者や地域が参画し、ともに学校を支えるという双方向の関係構築が重要である、学校を中心に保護者、地域、行政が双方の関係を築くに当たっては、保護者や地域、行政がそれぞれ担うべき役割があり、果たすべき責務があるのではないかということで、以下、学校の適正配置・学校運営協議会制度・学校選択制、それぞれにおいて、保護者、地域と行政が果たすべき役割、責務ということを簡単に整理しております。時間がなくて、内容を十分にお伝えできたかどうかちょっと不安ですけれども、ご意見をいただければと思います。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。今、作業部会でずっと議論していただいてきたことのまとめをご報告いただきました。
 今、全部にわたってというと何ですが、大きく2つに分けてちょっと皆さんにご意見をいただきたいんですが、まず前段で、小・中学校の適正配置の問題について意見をいただき、あと、後段でコミュニティ・スクール、学校選択制、それから全部に共通する問題、この辺について皆さんにご意見をいただきたいと思います。
 まず、小・中学校の適正配置についてご意見をいただきたいんですが、今ご報告の中にありましたように、今、これはある意味では目下の大きな課題になっているんです。こういう問題はもちろん最終的な設置者が決めることであります。当然です。これはコミュニティ・スクールでも学校選択制でも最後は設置者が決めるわけですけれども、国として大きな方向づけ、また、それぞれの設置者の段階で議論していただくときの重要な論点の整理、あるいは場合によってはガイドライン、こういうことを中教審として明確にしていきたいということであります。
 最初の適正配置につきましては、実は50年ちょっと前に、昭和31年、1956年に中教審答申として出ております。これはある種のガイドラインです。このときは急増期なんですけれども、今は全く反対でして、少子化が進む、それからもっと言いますと、東京ではお気付きになっていないと思いますけれども、我がふるさとなどでは、鳥取県、島根県などでは限界集落がすごく増えているわけです。昨日、私も岩手県にも行ってきたんですけれども、岩手県なんかもう限界集落の話をずっとしておられました。そういう少子化が一般的に進んでいるという話と、それから、すごい勢いで限界集落化が部分的に、地域的に進んでいるということ。それから、そういう中で、大規模な市町村合併があって、設置者そのものがこれからどういうふうに考えたらいいか。一つは、行財政改革の一環として学校の統合の問題がある。片方から言うと、学校をなくしてもらったら集落が消えるという問題がある。そのジレンマにどこでも立っております。そういう中で、今日、こういう整理をして出していただいております。
 それでは、皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。天笠先生。

【天笠委員】
 失礼いたします。今のお話もありましたけれども、適正配置について意見を申し上げたいと思うんですけれども、それは標準規模という、標準ということについての考え方について、今のご説明ですと、どちらかというと、これはこれまでの考え方を基本的に踏襲していくという立場でまとめられたかと受けとめさせていただいたんですけれども、今、梶田先生からもお話がありましたように、標準というものに対する考え方について、環境が大きく変わっているというのをどう認識したのかという辺りのところが問われてよろしいのかなと思います。
 12~18学級をもって標準とするというのは、急増期におけるときに、そういうのが設定された。私はそういう認識の仕方をしておりまして、基本的にそこにおける標準規模というのは、過大規模の解消に大きな役割を果たしたという、歴史的な役割を果たしてきたんだと思うんですけれども、この先は、今、お話もありましたように、小規模化とか、少子化等々への対応というのが歴史的な課題にならざるを得ないというときに、標準規模というのは、従来のような標準規模という考え方でよろしいのかどうなのか。私は、例えば7学級から11学級という規模をどういうふうに考えるのかどうか、むしろそこのところを標準規模ということもまた1つの選択肢として考えられるんじゃないかと思うんですけれども、そういうことを含めると7学級から18学級と幅を広くしちゃうと、むしろ標準という意味が非常に薄れてしまって、また、そういう課題というか、問題もあるのかもしれませんけれども、むしろ私は、一段、例えば7から11へシフトさせてこの事態を考えていく、これからの学校の適正配置、規模の在り方を考えていくのも一つの考え方としてあり得るのではないかと思いますけれども、おそらく場合によっては、ここら辺のところもきっと作業部会でご意見等々が出されたのではないかとは思っておりますけれども、まず、そういうことで申し上げさせていただきたいと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。この資料2-1の表紙の部分をご覧いただきますと、2つあって、左のほうで標準規模と、これは昔からの考え方を引きずった部分。それから、右のほうには、小学校も中学校も1学年1学級を維持できるかどうか。複式学級になるかどうか、いわば最低基準の話が出ております。多分、その2つ、標準ということと最低基準ということをめぐって、いろいろと作業部会で議論があったんじゃないかと思います。小川先生、何かありますか。

【宮﨑委員】
 今のところで……。

【梶田分科会長】
 どうぞ。

【宮﨑委員】
 天笠先生からお話があったこととは全く私も関係しているんですが、実は学級規模についてもここでかなり検討したんです。規模としては30人学級ができるかどうかという検討もしたわけで、具体的に12~18学級となったときに、学級編制が今、40人学級から考えると大体400~720人ぐらいの規模になる。30にすると18学級だと540人ですから、かなり規模が違ってくるんです。多分、検討もされていると思うんですけれども、今の状況を勘案したときに、その辺りの規模というのを今後の学校の在り方としてどの程度のサイズがいいのかというのは、学級数だけではなくて、そういった児童数などのことが相当影響してくるだろうというのが1点です。
 もう一つは、今後の方向性として、後で学校間の接続の問題というのが出てくると思います。そうすると、例えば品川辺りの小中一貫という考え方などをとってみると、その辺りでの学校の整理の仕方をどう考えるかというのも、一方では、少し念頭に入れた対応、これは設置権者が考えることでございますが、その辺りも含めて、少し学校規模についての考え方を整理したほうがいいのではないか。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。小川先生。

【小川委員】
 作業部会のメンバーはほかにもいらっしゃいますので、もしも何かそういう点でご意見のある方があれば、また、今のご質問にお答えいただければと思いますけれども、今のお話、天笠先生とか、宮﨑先生からご指摘されたことも当然、作業部会では意見が出ていました。そのまとめについては、この資料2-1の4ページ、5ページ辺りに、今、標準規模の問題をどう考えるかということをめぐっていろいろな意見が出た、その一端を整理しておりますので、そこを見ていただければと思います。基本的には、12~18学級をベースとするとしても、いろいろな地域的な状況を考えると、例えば複数の標準ということも設けてもいいんじゃないかという議論も当然ありましたし、あと、1学級当たり生徒数を40人という今の学級編制基準を違った数で押さえた場合、そうした標準のところもまた動くわけですし、また、小・中学校、いわゆる縦の連携で小・中連携ということでとらえた場合、小学校・中学校、そういう全体としての児童生徒数と適正な学級規模というのはまたいろいろな考え方があるということで、ここではかなり多様な検討の切り口はあるのではないかというご意見が出されています。ただ、作業部会とすれば、それをある方向に整理して、ある方向でそうしたことを具体的に考えるというところには至りませんでした。一応4、5ページの所にはそういう意見があるということは確認しておきたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。一つだけ、学級編制基準の問題につきましては、この初中分科会でかなり前に、もう既に切り下げという方向づけをして、これで検討していただいて、それをもとに文科省と財務省でお話合いしてもらって、今のところ、ゼロ回答ですけれども、という方向づけは一応しております。今のままでということではない。少なくとも初中分科会はそういうことではないと私は理解しております。これは編制基準40人でなくて、改善するということを前提に、これは議論しなきゃいかんかなと思っております。
 では、門川先生、渡久山先生。

【門川委員】
 ありがとうございます。小・中学校の適正配置ですけれども、このまとめ、これはよくまとめていただいていると基本的には思います。京都では、文部省ができる前に、明治2年に、市民の力で学校が創設されています。番組小学校という64の地域制の小学校ができたわけですけれども、そのほとんどが統廃合されました。この間、今、現在進行形も含めまして62校を15校に統合しています。それによって、学校も地域も活性化し、学校と地域との関係がより深まっております。すべてが子どもたちのためにと、後世のために議論しているのか、大人のエゴで、地域エゴで議論しているのか、そこが最大のポイントであります。歴史と伝統に基づく学校、今年、ほとんどが140周年になります。そのときに、学校を守るのか、子どもの教育環境を守るのか、どちらですかということです。そこで、そうして計画的に統合した学校は、子どもが増えているんです。子どもが減るから統合するんじゃなしに、子どもを増やすために統合しましょう、こういう議論なんです。そこのところを十分考えていかなければならない。例えば、1クラス10人未満の小さな学校があると、かえってそこに住まないで町に、都心部に出てしまわれる。その地域に産業がなくなると、地域がだめになります。単に学校があるというだけで、地域に活力ができたと、こういうものでないんです。京都市左京区というのは大阪市より広いんですけど、花背峠の以北の所は、22キロメートルの所に6つの小・中学校がありましたが、これを統合し、小中一貫校を作りました。現在、新校舎を建設しています。そして、若い人にどんどん入ってきてもらおう、学校を統廃合して、そして、子どもを増やそう、若い人に来てもらおう、こんな取組、逆転の発想です。
 したがって、この市町村が特に取り組むべきことですけど、本当に地域と一緒に、保護者と一緒に育てるべき子どもの姿、子ども像を明確にしていこう、学校と地域のあるべき関係づくりを大事にしていこう、同時に、子どもの減少の見込みも示しつつ、すばらしい教育環境を地域として作ったときに、子どもが増えるというような展望も示しながら問題提起をしていく、こんなことが大事です。ポジティブに行きたいですね。
 それから、国、都道府県の関わりでいいますと、統廃合に伴う教員数の問題があります。学校統合をすると通学区域が広くなります。したがって、そのためにも、地域との関わりで、先生の加配がどうしても必要になります。私どもは、62校を15校に統合する中で400人ぐらいの教員定数が減っていると思います。これにより文部科学省、国の予算と都道府県の人件費が浮いていますけど、市町村に何のインセンティブもないんです。加配も自由に決定できない。逆に学校の設備のために、モデルのいい学校を作っていますから、かなりの設備投資が要ります。施設整備費の補助については、普通の改築は3分の1補助、統廃合の場合は2分の1補助ですが、京都の場合、実質10分の1です。しかし、これは長期的に見たら、国家予算も都道府県予算もものすごい浮くわけですから、学校統合の場合は、100パーセントとは言いませんけど、80パーセントぐらいの設備は市町村ではなく、国が補助するというぐらいのインセンティブを与えても、長期的には子どものためにもなって国家財政のためにもなると思います。それをやらない限りは、そう進まないと思います。そういうところを財務当局にも言っていただいて、ぜひともお願いしたいなと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。今のインセンティブの問題、それから、基盤整備といいますか、条件整備といいますか、そういう辺り、これからの議論の中でもう少し書き込んでいただくということだろうと思います。62校が15校になって非常にうまく行ったというのは、実はなかなかそういう所は。あとのコミュニティ・スクールの話とも関係してくると思います。
 では、渡久山先生、お願いいたします。

【渡久山委員】
 今、京都市長からもあったんですが、京都市の例を見せていただいたんですが、非常にご苦労をされていたようですね。それでいて、廃校になった校舎はまたそれなりに文化財的な、あるいは地域のコミュニティのいろいろな集会所に使ったり、いろいろな形で生かされていますから、非常に成功した例じゃないかなという気がするんです。
 ただ、私は、こっちにも一つあるのは、標準規模と決めれば、一時期ですけれども、標準規模になるように非常に強制的なものが働いてくる。今の財政的な問題も。そうしますと、地域が破壊されても、なおかつ、標準規模で統廃合するというのが一時期あったです。今はそれほどでもなさそうだけれども、そういうことがあるから、標準規模がややもすると財政的な裏づけ、あるいは財政的な強制力を持ったり、そういうような強制力を持ってくると、また地域での問題点がそこに出てくるような気がいたします。ですから、この辺は十分気をつけなくちゃいけないなと思っています。だから、学級数だって、例えば12学級と言ったって、1学級何人かわからないですね。2人の場合もあるだろうし。というようなことを考えますと、学級規模だけで標準規模を決めることがいいのかどうなのか、あるいは決められるのかどうなのかということが一つです。
 それから、もう一つ、私も沖縄で教員をしたことがありますけど、中学校が5人だったんです。1年生から3年生まで5人。どこへ行っても5人なんです。2年間やったんですけれども、どの学校でも5人ぐらいだったです。そして、1か所は離島です。その離島から学校が消えるということは、先ほどもありましたけど、通学しなくちゃいけないです。中学生が本島に行くといいますか、やや広い所に行かなくちゃいけないですから、そうすると家庭が破壊されちゃうんです。中学生の子どもが親を離れて生活しなくちゃいけなくなるんです。ですから、そういうことを考えますと、標準規模という考え方があまりにも、こっちにもちろん事情が異なる場合というのもありますけど、そうではなくて、事情そのものが最初から異なっているということを前提にした標準、あるいは標準というよりは学校の在り方というのを考えないといけないんじゃないかなというのが一つです。ですから、離島とか、それから、一つは山間部だったです。これは交通事情が悪くて、どうしても山の近くの子どもたちは都市には出てこれないという状況の中であったんですけれども、これも。
 もう一つは、地域文化というのが非常に大事になってくると思うんです。この問題はいろいろ言われているんですけど、ここではなかなか出てこない。ややもすると機械的になってくる可能性がある。ここにある具体的な課題、教育的な課題はそのとおりだと思います。これはそのとおりで、別にそれが間違っているとか、そうではなくて、これに書かれていない部分が実は学校づくりをしていく場合に非常に問題になってくるんじゃないかなという気がいたします。非常に気にしているのは、この間もありましたように、学校を統廃合したために、小学生が通わなくちゃいけないです。そうすると、どうしても旧集落から旧集落、どうしてもこっちに渡るんです。そうすると、真ん中に鎮守の森とかあって、これは非常に安全でない所を通らざるを得ない。だから、非常に危険性がある。しかし、そこは何かというと車が通れるようになっているんです。子どもたちは歩いて通っているんです。もうすぐそこには車が通るという形になっていて、非常に子どもたちの安全上にも問題点があるんです。単なるスクールバスの問題だけではなくて、そういうことがあります。ですから、もう一度、どういう形で標準とか、あるいは学校規模を見るか、そういうことをちょっと観点を変えた問題で見てみる必要があるんじゃないかなという気がいたします。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、佐々木先生。

【佐々木委員】
 いろいろなご意見が出ていて、私も基本的には似たような考え方で、一つ、学級の数というよりも、子どもの人数だったり、そもそも私が一番気になっているのは一クラスの子どもの人数なので、そういったところを見直す上で一緒に考えていかなければならないだろうなと感じております。ただ、一方で、今も発言がありましたけれども、標準というものの考え方がそもそもこれからの教育の中で必要なのかという、ちょっと変な提案かもしれないですけれども、そもそもこれだけ多様な子どもたちが、多様な家庭があってという中で、今、教育の在り方を考えていかねばならないのにもかかわらず、見直すときに、もう1回、全国の標準とは何かということを考えていること自体がもしかすると正しくない可能性があるのではないか。人口に応じるということもあるでしょうし、今、まさにご説明があったような、そこの場所に行ってみると、これは別々に、幾ら少人数でも別々のほうがいいとか、これとこれは何もわからないで距離だけで考えると合併がいいけれども、これはとても危険な所を歩くから一緒にならないほうがいい。一つ一つの事情がきっとあるはずで、これが今まで子どもがどんどん増えていく中では、標準化をするとか、一定の方程式に当てはめることが、正しかったり、効率がいいとされたかもしれないですが、今こそせっかく少子化なのですから、そういう意味では一つ一つ、仮に手間がかかったとしても、地域、地域で判断をしていくような自由度を盛り込むというか、そういった考え方が必要なのではないかなと今、考えております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょう。

【貞広委員】
 ありがとうございます。私、実はこの作業部会のメンバーの1名だったんですが、まさに皆さんに今ご意見をいただいたようなことが作業部会の場でも議論をされておりましたし、標準規模ということ自体、実は日本の先生方は与えられた規模の中でそれなりに工夫をされて教育活動をされているので、標準規模という考え方自体が地域性、又は先生方の教育活動の観点から見て、今日的にあまり意味がないのではないかという議論もございました。ただ、このように、数として標準規模と出てしまうと、今皆さんのご印象であったように、非常に強いものとして見えてしまうのだなという感想を持ちます。実際の作業部会の場の議論というのは、むしろ今、この標準規模の12~18学級というのはスマートグロースというか、だんだん子どもが増えていった時代の基準です。ただ、今はスマートシュリンク、もっと賢く小さくしていこう、少子化になって、それに緊急対応的に何らかの対応策をみんなで知恵を出していかなければいけないということでしたので、作業部会の場で中心的に議論されたのは、資料2-1で言うと大きな矢印の下側の部分です。いかに区市町村や国や都道府県が関わって、それぞれの地域特性を生かしながら子どもの教育活動を良くしていくかということだったんだと思うんです。ちょっとそこの部分が伝わりにくかったのかなということと、数の強さというか、そこの部分の工夫が必要だったのかなと作業部会の一メンバーとして考えました。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、曽我先生。

【曽我委員】
 各先生方から様々な意見が出ているんですが、郡部などで考えると、ある一定小規模以下になった場合にどういう問題があり、そこは先ほどの地域コミュニティとともにどう改善をするのか。最低規模、ある一定規模から以下になったときにどう取り組むかと。最大規模であれば、都市があるわけですから、大きくなっている所もあるわけですから、ある一定規模以上に人数が多くなったときに、そこは改善しなきゃいけない、学校を2つに分けなきゃいけない、そういうことが大事であって、標準的にどこの学校も幾つくらいの生徒数がいたほうがいいというふうにならないほうがいいのかなと、逆にそれは入れないほうがいいのかなと。
 それともう一つは、京都、今日のお話じゃないんですが、コミュニティの再編という中で、子どもたちのためにどのようなコミュニティを作っていくのか、子どもたちのためにがまず原点であって、その教育原点を踏まえて、保護者も地域も入れて新しい地域創造というか、そうなっていかなければ、確かに小さな所はどうにもならなくなってしまう。だから、そこを考えたときに、最小限の解決手段として、そういうことも踏まえて、通学距離も踏まえて、どこまでグローバルにできるのかというようなことを答申の中に入れていただければ、地方分権の各最終的な設置者がものすごく考えて、きちんと提案ができるようになるんじゃないかなと。そのときに文部科学省としてどれだけの支援ができるのかということの、最大限の支援できる基準みたいなものが、逆に答申の中にきちんと載っていれば、それに向かって再編ができやすくなる。そうすると、地域の保護者同士も固まりやすくなるのではないかなと。意外とそこが一番大事で、最終的に子どもだけでもだめだし、地域で保護者同士がコミュニケーションできるようなものを残しながらやっていければ、多分おらがの地域に学校がなくなったら、地域が崩壊するなんていう言葉が消えていくのではないかなと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 次のコミュニティ・スクールやら学校選択制のことも全部入れて、今日、小川先生にご報告いただいた全部の問題も関わってくると思います。それも全部入れてお願いいたします。では、黒須先生から、次、壷内先生ですか。

【黒須委員】
 はい。ありがとうございます。今の私どもも標準学級12~18学級というんですね、標準規模、これを基準に今いろいろ検討しているんです。ただ、私は疑問に感じるのは、この標準規模というのはあくまで標準なのかどうか。今まで多くの先生から出ていましたけれども、私も実は取り組みながらもそういう感じがしているんです。今40人学級ですけれども、実際は小学校も中学校も平均をすると30人台なんです。ですから、一部には30人学級にしろという声は議会等でも当然あります。30人学級にすると、31人になると2クラスになるわけです。そうすると、15人、16人という、極端なことですけど、実際にそうなるわけですね。そうすると、平均が18人~20人ぐらいになるんじゃないかと思うんです。そうすると、一部には40人学級ぎりぎりの所も、確かに人口急増している場所もまだありますから、そういう所ではそういうケースはあるんですけれども、決して多くはないんです。ですから、実際は30人クラスということになって、そういうことを考えると12~18学級というのが適切なのかどうか。
 それから、また、その地域に応じた対応も考えていいんじゃないかと思っているんです。というのは、例えば小中一貫なども我々は積極的に今、取り組んでいるんです。完全な小中一貫と強固な連携というようなもの、ケースはいろいろあるんですけれども、それにも積極的に今、取り組んでいるんですけれども、結局、規模が小さくなったから小中一貫をして特色を出そうというようなこと。そうするとまた、それは1つの保護者の選択肢にもなるんじゃないか。そういうこともあるわけです。
 ただ、私どもの町ではまだ限界集落というほどではないんですけれども、山間部においては、どうしても少なくなってしまって、少なくなり始めるとどんどん少なくなるんです。若いお父さん、お母さんはそういう所では教育環境が十分でないと思って、出られるところは市街地のほうへ出てきちゃうんです。ですから、余計少なくなってしまうというようなこともありますから、私自身の個人の経験でも、今の時代とは違うけれども、小学校を実は3回移ったんです。今は全く廃校になっちゃった小さな学校と、中規模の学校と、それから、大規模な学校と3回移ったんですけれども、一定の生徒がいないとだめだなと今考えると思うんです。小規模の学校で幾ら評価をされて優秀だと思っても、例えば大規模になっていると真ん中辺になっちゃう、こういうこともあります。ですから、特色を持たせるということも大事ですけれども、規模というのも大事だなとも感じているんです。
 先ほど門川委員がおっしゃっていましたけれども、限界的な場所というのは、それに近いような場所というのは、どうしてもある程度の規模を維持するとなると、学校ごと移転をするというのは、言うならば統廃合です、これをしないといけないし、そのとき、安心の確保という点では、私は、スクールバスの話は先ほど出されましたけれども、私も全く同感なんですね。そういった点をきちんと運営も含めて補助をしていただく、そういうことを考えていただく必要は十分にあるんじゃないか、そんなふうに思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、壷内先生。

【壷内委員】
 私もメンバーだったんですが、作業部会は小川先生を中心に大変よくまとめられているなという感じで受け取らせていただきました。私自身、実は12~18学級も経験しています。12学級未満の所、要するに9学級も経験しておりますし、あるいは30学級というクラスも過去に経験して、この標準規模のとらえ方というのは昭和31年というお話が先ほど出てまいりましたが、このときはよく作ったなという形で、今日までずっと延々と生き続いている。なぜかと申しますと、子どもたちの教育条件を最優先に考えた場合に、学校の活性化の在り方ということを考えた場合、地理的な条件その他は今ちょっと除きますけれども、一定の規模といいますか、標準規模12ないし18というのは、なるほど妥当性があるなという形で経験させていただいております。と申しますのは、資料2-1の右側のほうでございますが、仮に中学校のほうなんですが、丸1に「各教科に複数の教員を配置することが困難であること」と書いてありますが、現在は12学級未満、9クラスの学校に勤めているんですが、専任の教員がいない教科もあります。それから、1人教科も何人かいます。複数、2人というのは少ないです。そういうことで、教員配置、先生方、教員が校内での研修がなかなか難しいというのが現実ですし、それから、部活動関係の維持も実際のところ非常に大変です。特にチームを編成するサッカー部を作ってほしいと言っても、11人集まらない。そういう状況も実際あるわけでございます。
 地域をまた考えた場合、いろいろな問題、これは本当に今、限界集落のお話が出てまいりましたけれども、これもまた考えていかなきゃいけないのかなと思いますし、最終的には市町村の判断でということに、ここに書かれておりますように、そういうふうになるのかなということで、子どもたちの活性化といいますか、特に最近、青少年の反社会的な問題が、人とうまく関われないという状況が非常に出てきている、こういうことが表出しております。こういう中でも、ある程度の小学生から中学生という社会性の第一歩、人との関わり方、最低限この辺りを重視していかなければ、今後の少子化、ますます核家族化、学校も小規模化と、すべてが小規模化になっていますので、大きな課題なのかなと感じております。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。コミュニティ・スクール、それから、学校選択制、これは学校と地域とのそれぞれ関わりの問題です。この辺も含めて、もし今回のこの報告書に随分、メリット、デメリットを含めていろいろとまとめていただいておりますが、もしこの辺につきましてもご意見があればと思います。荒瀬先生。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。私も実はこの作業部会の一員で、先ほどから作業部会のメンバーの方からご説明がありましたので、そこはもう置きまして、そのときにも申し上げたんですけれども、これは、設置者がいろいろと決めていこうとすると、今の街の真ん中の学校もそうだし、それから、地方の辺鄙な所の学校もそうなんだろうと思うんですけれども、事情というのはいろいろと異なります。事情が異なった中で、子どもたちのために、まさに先ほど京都市長のおっしゃった、すべては子どもたちのためにということを考えたときに、これはその地域だけが考えているはずのことではなくて、国を挙げて考えていかなければならないことだと思うのです。
 ところが、何かしようとすると、例えば京都市は、小学校1年生がスムーズにスタートするようにとか、あるいは中学校3年生が義務教育の最終段階できちんと9年間のまとめができるようにということで、1学級当たりの人数を減らして、その分持ち出しをして、持ち出しといいますか、京都市独自の予算措置をしてやっているということを進めていく。これは京都市の問題なのかなということを思うのです。今、市長がいらっしゃるから言っているわけではないんですけれども、これは国を挙げての問題だと思うんです。そういうときに、常にお金の壁というのが出てきます。教員の定数はこうだとかいう話が出てくるんです。
 これは作業部会で申し上げたんですが、コミュニティ・スクールをやっている学校というのは、単に学校運営協議会というのを開いているだけではなくて、どうすれば学校がもっとよくなるかという、私もその一員になっておりますが、ある小学校なんかは、地域の様々な仕事をしている人、あるいは町内会の役員の方とか、そういった方を集めて会議をして、子どもたちのためにどうしたらいいのかというのをやっているんです。これは時間的には午後7時から始まるんです。それを年間、何回となくやっていく。実はその次の日も当然学校はあって、そこに参加している、これは全教職員が参加していますが、その教職員は次の日もまた朝から子どもたちを迎え入れるわけです。昨日、遅くまで会議をやりましたから、明日は休みですということには決してならない。そういう努力に対して、これはお金じゃなくて、何とか心意気でやっていくというのは、心意気は大事なんですけれども、心意気ばかりでは絶対続かないわけで、きちんとした措置というのを打たないと続けていくことさえできなくなっていく。それぞれの地域の課題というのは、実はこの国の課題であって、この国の課題を解決するために、ぜひそういった部分の手立てというのを具体的に打っていただきたいということを思います。
 前に緊急財政出動ですか、そういう関係で、私、各小学校・中学校に、たとえ1校100万円でも打っていただいたら、それは小学校・中学校からしたらとんでもない大きなお金になっていく。高等学校もそうです。私は高等学校ですが、そういった具体的にそこで何とか人の手立てができるようなお金を含めたことをしていただけないか。お金をかければいいことができるのは決まっているとおっしゃる方もいらっしゃいます。お金をかけないでいいことをしろとおっしゃいます。確かにお金をかけないでいいことをするというのは大変工夫という点では大事です。しかし、お金をかければいいことできるのは決まっていると、それだけおっしゃるのであれば、どなたがおっしゃっているかは別として、そう言うのであれば、子どもたちのためにお金をかけるということをぜひお考えいただきたいし、文部科学省は財務省に対してそこのところを強くおっしゃっていただきたいということを思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、門川市長。

【門川委員】
 コミュニティ・スクールと学校選択制のことですけれども、この資料ですが、よくまとめていただいておりますが、少し補足させてください。私自身が実感していることですけど、京都市は小学校179校中、かつて二百十何校あったんですけど、今は179校になって、そのうちのほぼ7割がコミュニティ・スクールです。しかし、教育委員会が一律にやるということではありません。各校で、学校評議員制度、学校評価システム、保護者や地域の方の学校運営に対する参画、そういう積み上げのもとに学校運営協議会を作っていくことを議論していただいています。その中で成果というのは、情報提供が進んだ。このとおりです。
 ところが、これは全部、学校サイドから書いたんです。地域が協力的になったと。私は、情報提供が進んだ、その次に、情報を共有できるようになった、親が、地域が、学校の教職員が。その情報の共有が使命感の共有になり、行動の共有へと高まっていった。そして、学校、家庭、地域含めて子どもの学び、育ちの改善になっていった。その次に、子どもが変わった、親が変わった、地域が変わった、こういうことだと思うんですね。子どもが非常に地域に愛着を感じるようになってきた。地域の未来の担い手として育つ芽が出てきた。こういうことだと思うんです。
 その次に、特色ある学校づくりが進んだ。地域の特色を踏まえた学校運営。これは決して奇をてらうような特色が必要だというものではありません。地域性が出てきたということです。地域の力、親の力、地域の伝統、そういうようなものを汲み出して、引き出す。そして、それを子どもに生かす学校になってきた。同時に、子どもの働きによって、地域が自信と誇りを持ちだした。こういうことではないかと思うんです。だから、地域が協力的になった、これは学校サイドです。地域の人が感じておられるのは、学校が非常に地域に関心を持っていただいた、子どもが地域のことに関心を持ち出した、地域の伝統を学ぼうとか。そんな中で、おじいちゃんも、おばあちゃんも元気になる。こういうことです。
 子どもの見守り隊というのが京都で1万9,000人登録されています。子どもの見守り隊の次に、独居老人の見守り隊ができた。独居老人の見守り隊に子どもが一緒に行く。そうすると、地域の社会福祉協議会の役員さんが行くより、小学生が行くほうが、おじいちゃん、おばあちゃんが、寝たきりであった人が服を着替えて、お化粧をして待ってはる。こういうことなんです。こういう関係ができた。これは別に何も不思議なことではなく、一昔前の日本の地域社会の姿です。それが学校体制がきっちりできて、そして、責任感を持った学校運営をしてきて、そして、地域と学校と、あるいは親とがばらばらになった、それを復活させていく。こういう取組だと思うんです。明治の初めに、日本中で学校ができたときに、みんなそういう姿だったと思うんです。そういうことを取り戻す仕組みではないかな、具体的なきっかけではないかな、このように思います。
 そして、留意点、課題としては、教職員の仕事量が増えます。予算もかかります。しかし、全体の教育予算のことを思ったらそれほど大きなお金でないので、必要な手立てをしなければ教職員の労働過重だけになってはだめだなということを思います。
 その次に、学校選択制ですけど、これは明確に私は反対です。極めて限定的に特別な場合に導入してもいいと思いますが。したがって、非常に問題点が多いということを明確にすべきだと私は思います。子どもは地域の宝、みんなの宝。我が子と同時に、子どもをみんなで、地域社会全体で育てていこう。これが日本のすばらしい伝統であります。もっとも世界中そうだったと思います。ところが、時代が進むにつれ、公立学校が画一的な運営をしてきた、教職員が学校運営が地域の声に、親の声に十分耳を貸さなくなった、こういういろいろな公教育に対する批判がありました。それに対して徹底的に反省して、改革すべきでありますけど、だからといって、自分の子どもだけいい学校にやろう、こんなことではだめです。だから、私は子どもの学び、育ちにとっても、それから地域づくり、地域のきずな、親のきずなを深めていく以外に、これから日本の未来はないと思うんです。これから高齢化社会になってきたら、どんどん老人福祉にお金が要る。地域のコミュニティで自助、共助、同時に公助も必要やと。こういう社会づくりをしていかなければならない。そのときに、自分の子どもだけちょっとでもいい学校に入れたい、これがある種の根底や思います。もちろん特色ある学校づくりということを否定しません。自分の子どもは農村部で育てたいという人が農村部で子どもを育てる、こういうことも否定しない。しかし、実際は、あそこは学校が荒れていないとか、あそこのほうが学力が高いとか、いろいろなことで選ばれるのが現実ではないでしょうか。よく3パーセント、5パーセントしか隣の学校に行っていませんよ、だから、あまり問題ないと言われるんですね。京都市の場合、例えばコミュニティ・スクール一生懸命やっていく、あるいは学校統合を一生懸命議論していただく、志の高い保護者二、三人の行動から始まります。200人の学校であればね、2パーセント、3パーセント、5人、6人が立ち上がらはったときに、いずれそれが20人、30人、50人となって、学校が変わっていきます。ところが、その立ち上がる人が、いや、隣の学校へ行ったほうがええわ、先生も熱心やからといって動き出したときに、その学校はだめになります。選んで行かれた先の学校も決してよくなりません。だから、我々はこれからどんな社会を作るのか、どういう子どもを育てるのか、親がどのように社会に貢献していくのか、こういうことも含めた議論をしなければ、私は危ないと思います。だから、単純に学校選択制のメリットとデメリットを比較するのではなく、危険性を、私は検証をするべきだと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。ちょっと時間がなくなりました。角田先生、それから、天笠先生、簡単にお話しいただいて終わりたいと思います。

【角田委員】
 ありがとうございます。私も作業部会の一員でございますので、今まで出てきたご意見とは重複しないようにしたいと思いますが、学校選択制について、今、幾つかの地区で見直しが行われて、見直しというよりはそれを廃止して、また、元に戻そうという動きが出ている所もあるということが作業部会の中で提起されました。この問題は、義務教育というのは何なのかという問題に大きく関わってくる問題だと思います。義務教育というのは、その地区にある学校がみんなそれぞれが良くなっていって、だれもがその地区の学校に行けるようにする、保障することが義務教育の一番の根本的な考え方なんじゃないかと思っています。そのことが学校選択制の問題と、さっきのその前の問題、小・中学校の適正配置の問題も大きく関わってくるわけですけれども、標準ということとも関わってくるんだと思うんです。標準というのが拘束力を非常に強く持ってくるような感じがしてしようがない。例えば、学校では標準時数と言われるんだけれども、実はこれは最低授業時数であったり、上回ることはいいけれども、下回ることはだめだというように、標準の考え方が12~18学級となったときに、それ以上は許さないというか、それ以下も許さないという認識を持ちがちなんだと思うんです。
 もっと弾力的にそういうことができるようにする、そのために、国がどういう支援をすればいいのかということをこの中教審の分科会ではしっかりと話をして、標準は標準として出しながらも、各地方の考え方でもっと弾力的にする。そのことに妥当性があれば、それに対してきちっと支援ができるということが国としてやるべきことなんじゃないだろうかと思っています。
 最後に、おそらくこの後、出てくるだろうと思いますが、教育再生懇談会等での提言があります。いい提言がたくさんあるんだけれども、それがいつまでにどれだけできるかということがなかなか出ないままに、何となくすーっと消えていってしまうというのが現状ではないかという感じがしますので、ぜひこの辺のところをしっかりと国のほうにというか、財務当局に伝えていただいて、地方をしっかり支援するんだ、そのことが子どもの教育を良くするんだということにつながっていければと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。天笠先生。

【天笠委員】
 コミュニティ・スクールについてのパンフレットがありますけれども、ここで現状が示されておりますけれども、目下、コミュニティ・スクールの課題は何かと私が問われたならば、ここに数字が出ておりますけれども、高等学校が全国で3校しかないというのが1つの課題かなと思っております。なぜそうなるのか、あるいは今後、これはどういう扱いにしていくのかどうなのか。私としては、いうならば高等学校がコミュニティ・スクールも受け止めていけるかどうかというのがこれからの課題なのではないかと思っています。それはまた別の、先ほどの小・中学校の適正配置とある意味でつながっているという見方を私はとっておりまして、小・中学校の適正配置の鍵を握っているのは、実は高等学校の配置ではないかと思っています。とりわけ人口の減少地域における高等学校の配置というのが、小・中学校の配置と実はある意味でいうと鍵を握っているところがあるのではないかと思っています。要は、小・中の卒業生がどう高等学校へといったときに、比較的エリアの中でしかるべき高等学校が置かれているかどうかということが小・中学校の配置の在り方とも関わってくるんじゃないかと思っております。これは都市部ではなかなかそういう現実感とか切実感はないかもしれませんけれども、人口減少が進んだ所は小・中・高等学校でセットになって適正配置のことを考えていかなくちゃいけないということで、テーマとしては、小・中の適正配置なんですけれども、高等学校の置かれている配置との関係の中でということも、ぜひ検討を加えていただければと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、最後に、小川先生、一言お願いします。

【小川委員】
 限られた時間の中で、作業部会の意見等の整理についていろいろなご意見をいただきまして、ありがとうございました。
 1つだけ、前半のほうで、特に適正配置のところで、標準学級の明示のところについては、そうした今日の時点において標準学級を設定すること自体の是非とか意義等々を含めていろいろなご意見をいただきました。つまり、標準規模学校というのは、ある意味では教育を進めていく上での最適又は良好な要件を保有している学校ととらえる場合に、標準規模以下の学校というのは様々なハンディや問題、課題を抱え込んでいる学校だと認識して、その上で様々なそうしたハンディとか問題を改善していくための具体的な支援をどうしていくのかということを考えていくときに、標準は、そうした支援を具体的に考えていく際の一つの基準になるわけです。ですから、標準規模学級を設定することの意味は、もう一方では、そういうふうに、それ以下、又は、それ以上の学校に対する具体的な手厚い支援策をどう進めていくのかということとタイアップしている面もありますので、標準規模学級を設定することは全く意味がないということではないと考えます。その辺は、少し検討が必要かもしれませんけれども、一応これまで果たしてきた標準規模学校の意味というのは、そういうプラスの面もあるということだけは確認しておきたいと思っています。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。今日の4つの議題のうちで一番大事な問題でしたので、少し時間をとりました。 
 今日の2番目の課題でありますけれども、学校段階間の連携・接続につきましては、これから実は作業部会を作って検討をやっていただこうと考えております。この問題そのもの、そして、どういうふうにこれから進めていくかということにつきまして、事務局からお願いいたします。

【佐藤教育制度改革室長】
 そうしましたら、資料といたしまして、資料3-1、資料3-2、資料3-3をお目通しいただきながら、限られた時間ではございますけれども、ご説明をさせていただきます。
 まず、資料3-1といたしましては、今、分科会長からお話がございました、これから本格的に学校段階間の連携・接続をご議論いただくに当たって、まず現状はどうなっているんだということで、データ的なものを少し我々のほうで整理させていただきました。1つ目がまず学校段階間の連携・接続そのものでございます。それから、2つ目が優れた才能や個性を伸ばす学習機会、いわゆる飛び級についてということで、2つ、資料としてございます。
 まず1ページ目を見ていただきますと、幼稚園、保育所、認定こども園と小学校の連携ということが1ページ以降、出てございます。2ページでございますけれども、法令上の位置づけなどを簡単に載せてございます。幼児教育につきましては、小学校以降の生活や学習の基盤となるものという位置づけがなされていることと、それから、幼稚園教育要領、これは3ページ以下でございます。今年度より実施されている新しい幼稚園教育要領におきまして、幼児と児童の交流の機会を設けたり、小学校の教師との意見交換や合同の研究の機会を設けたりすることなど連携を図るようにすることとされているところでございます。同じく小学校の学習指導要領において、どうなのかということでございますが、こちらも小学校間、幼稚園や保育所、中学校及び特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとされておりまして、幼稚園、小学校双方に対して連携を図ることが求められているところでございます。
 それから、4ページ以下でございますが、幼稚園の交流活動の状況は実際、今、現状はどうなっているのかということでございます。平成20年度の幼児教育実態調査、これは全国の国公私立幼稚園を対象にした調査でございますが、幼稚園の幼児が小学校の児童と交流している割合が55.6パーセント、それから、幼稚園教師と小学校教師が意見交換等の交流をしている場合が54.6パーセントということでございますが、教育課程の編成に関して小学校と連携している場合は16.1パーセントと、若干数字として低い数字にとどまっているところでございます。
 それから、5ページから6ページにかけて具体の幼小連携の取組に関して入れてございます。まず保育所を含みまして、幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続のために、本年3月に文科省、厚労省が合同で保育所や幼稚園等々、小学校における連携事例集を作成いたしまして、都道府県福祉部局や教育委員会に配付をしてございます。事例集におきましては、教職員の交流や教育課程の編成、それから、指導方法上の工夫、それから、子ども同士の交流活動、こういった取組について、施設同士だけではなく、地方公共団体が連携のための環境整備を図っている実際の例などを含めて具体的に提示をしてございます。
 次でございますけれども、小学校と中学校の連携につきまして、7ページ以降でございます。研究開発学校や教育課程特例校などという制度上の特例を活用しない例も多々ございます。
 取組の観点としては、8ページのところでございますが、学年をどこで切るかといった考え方や、小学校からの教科担任制の導入、それから、施設面で一体型や既存の施設を活用する、校地・校舎というものをどう考えるか、こういった観点での取組の切り口というのがございます。
 9ページ以降に、全体の特例制度を活用した小中連携の取組の現状の数字を入れてございます。本年4月1日現在、学習指導要領等によらず教育課程を編成する取組の制度といたしまして、総数といたしましては37件、学校数にいたしますと重複分がございますけれども、803校となってございます。そのうち研究開発学校は教育課程の改善に資する実証的資料を得るために、新しい教育課程や指導方法について研究開発する制度でございますが、こういったものについては、件数として15件、学校数で60校、それから、教育課程特例校、これは平成15年度から地域の特色を生かして特別の教育課程を編成するということから、構造改革特別区域研究開発学校制度としてスタートいたしました。これが20年度から、教育課程特例校という制度に移行してございますが、こちらの数字が件数として23件、それから、学校として745校ということでございます。
 では、具体的な取組ということで10ページ以下で幾つか入れてございます。研究開発学校につきまして、10ページでございますが、新潟市立上所小学校、女池小学校、鳥屋野中学校。これは9年間を前期4年、中期3年、後期2年の発達区分で整理をしているという辺り、それから、社会技能科、言語技能科といった教科を新設いたしまして、社会性の育成や教科等を横断する問題解決能力を育成しているということでございます。
 それから、一方、教育課程特例校の事例でございますけれども、11ページに品川区の例が出てございます。全小・中学校を対象に市民科を新設し、小学校5年から教科担任制を一部導入。9年間を先ほど同様でございますが、4年、3年、2年と区切って、教育計画を実践。施設一体型で今、3校スタートし、将来的には6校を一体型として整備したいと聞いてございます。
 それから、めくっていただきまして、12ページでございますが、今度は制度上の特例を活用しない事例といたしまして、東京都三鷹市、和歌山県有田市、福岡県宗像市、こういった辺りが取組をしていただいてございますけれども、このうち三鷹市の例を入れてございます。小学校2校、中学校1校、にしみたか学園という形で位置づけまして、9年間継続して生き方・キャリア教育を重視していただいてございます。小・中で教員の相互乗り入れ、小学校から一部、教科担任制を導入といった辺りが取組の具体的な例でございます。
 それから、13ページに行きまして、これは教員免許という観点から、小学校と中学校の比較をしてございますが、小学校教員のうち中学校教員免許を有している者が62.8パーセント、それから、中学校教員のうち小学校教員免許を有している者が27.5パーセントでございます。それから、隣接校種、他校種の免許促進のための手当てとして、14年度、一定の経験を有する者の必要単位数の見直しといったことを手当てしてございますので、そういったものを少しご紹介をさせていただいてございます。
 それから、おめくりいただきまして14ページのほうでございますが、小中一貫の先ほど来出ております異なる学年のまとまり、6・3とは異なる学年のまとまりでやっている例ということで、4・3・2という形で切っていらっしゃいますのが品川区、新潟市、薩摩川内市、そのほか幾つかございます。それから、4年・5年という形が広島市、5年・2年・2年という形が熊本県の産山村といった辺りの例を入れてございます。
 それから15ページ、16ページ、17ページでございますが、こちらは義務教育に関する意識調査ということで、17年、文科省として実施をしたものでございます。この中で6・3制度を5・4制などに変更することや9年制の小中一貫校をつくること、それから、小学校高学年を教科担任制にすることといった辺りりの数字を意識調査、保護者の方、一般の教員、校長、教頭、教育長、首長さん、そういった辺りにお聞きしてございますので、こういった点も数字としてご参考にしていただければと思います。
 続きまして、中高一貫の連携、中高連携の部分でございます。18ページ以下で、19ページから具体的に制度のことがございます。中高一貫教育制度につきましては、19ページにございますけれども、中学校、高等学校6年間を継続するということで、制度的には平成11年度から中高一貫教育制度がスタートしてございます。6年間の計画的・継続的な教育課程を展開いたしまして、個性や創造性を伸ばすということから、学年の異なる生徒同士、異年齢集団、共通活動を通じて社会性や人間性を育成するといった辺りを目的、目標としてございます。実際、種類といたしましては、20ページでございます、中等教育学校、併設型、連携型と大きく3つに分かれてございまして、中等教育学校につきましては、1つの学校として前期課程、後期課程としての教育活動を展開してございます。併設型といたしましては、高等学校段階で入学者選抜を実施しない、同一の設置者の中学校、高等学校である。連携型につきましては、市町村立の中学校と都道府県立の高校といった異なる設置者によって設置されているもので、教育課程の編成や生徒間の交流で連携をするという辺りがポイントでございます。
 次のページでございますが、21ページに、中高一貫教育校の特例ということで教育課程上の特例のことを若干載せてございます。中等教育学校・併設型と連携型とで若干相違がございますけれども、中学校段階ですと、選択教科による必修教科への代替といった点、それから、中学校、高等学校共通のもので、中学校、高等学校との指導内容の入れ替えや指導内容の移行といった点、それから、高等学校段階ですと、普通科におきまして学校設定科目・教科について習得単位数に含めることができる単位数の上限といったものを30単位までということで規定してございます。
 それから、22ページでございますが、実際、中高一貫教育がどのぐらいあるのかという数字でございます。20年度現在の数字でございますが、全体で334校、公立が158校、私立が172校、国立が4校。中等教育学校が36校、併設型が一番多くて219校、連携型が79校ということになってございます。23ページ、24ページが各都道府県別の設置者別、それから、設置形態別ということでデータを入れてございますので、ご参照くださいませ。
 25ページでございますが、これは昨年6月に、本分科会に議論のテーマとして既に先ほど来お話が出ておりますけれども、中高一貫教育の検証を含めた学校段階間の連携・接続の在り方をテーマとして上げていただいてございますけれども、今後、本格的にご議論いただくこととしている一方で、昨年12月に規制改革会議からご指摘をいただいてございます。特に公立の中高一貫教育校についてご指摘をいただいてございますので、若干ここでご紹介をさせていただければと思います。
 25ページの部分でございますが、特にご指摘をいただいているポイントといたしましては、特に入学者選抜の在り方について、一部の学校において制度の趣旨を逸脱しているのではないかというご指摘をいただいてございます。制度の趣旨という点で26ページ以下に、少しその制度の趣旨をひもとくものがございますけれども、26ページには、中高一貫教育制度を導入いたしましたときの学校教育法等の一部を改正する法律案の国会における附帯決議の一部抜粋を入れてございます。特に受験準備に偏った、いわゆる受験エリート校化することなく、受験競争の低年齢化を招かないようにするため、公立の中高一貫教育校において、学力試験を行わないということをご指摘をいただいてございます。
 そして、そういった点から、27ページ、28ページに関係法令が載せてございますけれども、特に学教法施行規則、27ページの部分でございますが、公立の中等教育学校や併設型の中高一貫教育校においては学力検査を行わないということを法令上明記されているところでございます。こういった考え方につきましては、29ページ、30ページに、平成9年に中高一貫教育校の制度導入に当たって、ご審議を中教審においていただき、答申を平成9年にいただいてございますが、この答申の中でも、入学者を定めるに当たっては、受験競争の低年齢化を招かないような適切な配慮が必要、こういったご指摘もいただいてございますけれども、こういった点に照らして、制度の趣旨を逸脱する学校が一部見られるのではないかというご指摘を規制改革会議からいただいてございまして、具体的に規制改革会議からの改善の提案といたしまして、結果として学力を問うような試験というものは実施しない、でありますとか、抽選制を義務づけるべきではないか、そういった点のご指摘をいただいてございます。ただ、文科省といたしましても、こうした指摘も踏まえまして、また、その一方で、中教審においてご議論を既にスタートしておりましたので、政府として閣議決定の際には、そこの一番下に、ページといたしましては25ページの一番下でございます。閣議決定といたしまして、中高一貫教育に関する成果と課題について、実態把握を行った上で、中教審において現段階における検証を行っていただきまして、改善方策等についてご検討いただくといったことで共通理解が図られているところでございます。こういった点がバックグラウンドにあるということもご承知おきいただければと存じます。
 それから、最後に、飛び級の関係でございます。31ページでございますけれども、これは平成9年に既にいったん、中教審から答申をいただいているところでございますが、この際には、受験競争の激化や学校内に様々な課題を引き起こすということから、義務教育段階や高等学校段階において、飛び級については、現段階での社会的な合意は困難であるというご指摘をいただいているところでございましたが、教育振興基本計画の答申の際、20年の答申でございますが、この際に、飛び級も含めて各学校段階間の円滑な連携・接続等について検討というご指摘もいただいていることから、今回、こういったご検討をいただくわけでございます。ちなみに、33ページのほうに、これも先ほど少しご紹介させていただきました。文科省において実施いたしました平成17年の義務教育に関する意識調査の中で、小学生・中学生に直接飛び級について聞いた数字が入れてございます。それから、保護者の方にお聞きした数字も入れてございますが、特に小学生・中学生の反対の数字が非常に多いということが1つの特徴になってございます。
 こういったもろもろの現状のデータを踏まえまして、先ほど梶田分科会長からお話がございましたけれども、資料3-2と3-3でございます。資料3-2につきましては、昨年の6月に本分科会において当面議論すべき課題として3点ほどお願い申し上げた際の資料でございます。1番目が先ほどご審議をいただきました小・中学校の設置・運営の在り方について、それから、飛ばしまして、3番目が不登校の児童生徒の支援、これは次のテーマに上がってございます。残りの(2)の部分でございますが、今後のテーマといたしまして、学校段階間の連携・接続等について、特に学校段階間の連携・接続についてと優れた才能や個性を伸ばす学習機会についてということでご審議をいただくようお願い申し上げる次第でございます。
 具体的には、資料3-3でございます。特に集中的にご議論をいただくという観点から、本分科会の下に学校段階間の連携・接続等に関する作業部会の設置ということで、こういった要綱を本日入れてございます。内容はほぼご理解いただけると思いますけれども、設置の目的といたしまして、学校段階間の連携・接続等について専門的な調査審議を行うため、初等中等教育分科会に「学校段階間の連携・接続等に関する作業部会」を設置する。委員につきましては、1番といたしまして、作業部会の委員として、初等中等教育分科会長が指名をする。2番といたしまして、作業部会に主査を置き、作業部会の互選により選任する。3番といたしまして、主査に事故があるときは、主査が作業部会に属する委員のうち、あらかじめ指名する者がその職務を代理する。4番といたしまして、作業部会においては、必要に応じ、作業部会の委員以外の者の協力を得ることができるとしております。
 それから、3つ目といたしまして、主な検討事項として、1番が学校段階間の連携・接続について、2番目が優れた才能や個性を伸ばす学習機会について、3番目がその他でございます。4番として、設置期間は、本作業部会は3の主な検討事項に関する審議が終了したときに廃止する。5番として、その他、ここに定めるもののほか、議事の手続その他作業部会の運営に関し必要な事項は、主査が作業部会に諮って定めるということでございます。
 以上、簡単でございますが、ご説明をさせていただきました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。本日はこの第2の議案中の結局、資料3-3、こういう作業部会を設置するということを皆さんにご了承いただきたいということなわけです。事柄としては、今、本当に詳しくご説明いただきましたけれども、幼少連携についても、小中連携についても、中高連携についても、ずっと具体的な議論も、そして、取組も進んできております。ただ、これをもう一歩先に進めるにはどうしたらいいかということで、作業部会を作って、少し次の進め方について詰めていただいて、この分科会に報告していただいて、これを答申に入れていくということでございます。ご存じだと思いますが、この辺の議論が始まったのは昭和46年の中教審答申、46答申、このときであります。発達の具体の在り方と学校制度の在り方が少し齟齬を来しちゃっている。だから、幼少、当時は幼児学校制度だとか、思春期に思春期発達に対応する小学校上級と中学校を一緒にしたようなものとか、いろいろ言われたわけですけれども、その後、そういうことを検討するための研究開発学校制度ができて、今、今日の資料3-1にあるような多様な取組がされてきましたということで、この作業部会を設置したいと思いますが、もし皆さんのほうでちょっと今日は時間がありませんので、なかなかご意見を伺うということになりませんけれども、特別にこういうことは3-1の資料に加えて考えてほしいとか、あるいはこれはどういうことだというご質問とかあれば、皆さんにと思いますが、何かございますでしょうか。北條先生。

【北條委員】
 幼稚園と小学校の問題だけに限定して発言させていただきます。学校段階間の連携・接続について、幼稚園と小学校の段階で、問題は大きく言うと2つあるんだろうと思っております。1つは、法令上の問題で、幼稚園教育要領と小学校学習指導要領の間の押さえ方の問題。幼稚園教育要領では、小学校以降の義務教育段階のことを言って明記しておりますが、小学校の学習指導要領では、必ずしもその点が幼児教育段階、書きにくいというのはわかっておりますから、幼稚園、保育所、それから、認定こども園と併記していただいていいと思いますけれども、そことの関係性が明確でないという問題が1つ。
 それから、もう一つは、長いこと、これは教育方法の問題として取り組んできた点であります。幼稚園段階におきましては、いわゆる体験学習の場であって、小学校以降の言い方で言うと、総合学習に近い形になってくるわけでございます。小学校以降は教科学習が中心であった。そうした中で、幼稚園と小学校とでは、教育方法の明確な段差がある。これをどう克服するのかということが大きな課題でございます。小学校の1年生、2年生に生活科というものがあり、また、3年生以降では総合学習というのがあるわけでございますが、これが段差を克服していく一つの在り方ではないのかなということが、長いこと幼児教育関係者の期待でありますが、その点は今日に至っても、相当時間がたっておりますが、不明確なままで、ここら辺を明確にしていただきたいと考えております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。渡久山先生。

【渡久山委員】
 これは一つの課題なんですが、これとちょっと視点を変えて、高等学校と大学との接続を含めて幼稚園から大学までという感じで、この教育基本法にも視点がある程度一致してきていますので、考えられたらどうだろうかというものが一つです。なぜかというと、高等学校は、特に大学入試によって、高等学校の教育課程というのは随分変えられる、規定されるんです。そういうことを考えてきますと、だんだんそれが中学に下りてきたり、小学校に下りてきたりではだめなんです。その辺の問題が一つです。
 それから、いろいろ接続を考えていく場合に、一つは、幼稚園、あるいは保育園と小学校との接続の場合は、やや質的にギャップがあるような感じです。今も先生が言われたけれども、そこで、僕はいろいろずっと考えて、特に今、幼児教育の無償化の問題が出てきたときに、5歳児、4歳児が同じ、あるいはゼロ歳児から保育においても教育においても機会均等で、平等性が追求されていいんじゃないかという気がするんです。ですから、今の制度を大きく変えて、例えば4歳児、5歳児は全部幼稚園にする。3歳児以下は保育園にするというような大胆な制度改革等をしていかなければ、今の子どもたちは非常に不平等な関係で、非常にかわいそうだなと思うんです。
 それから、幼児教育の無償制といっても、そうしたらいいんじゃないかなという気がするんですが、新たに幼児教育、課長と先ほどいろいろ議論したら、いや、3歳児まで入れんといかんという話ですが、そういう関係もありますね。教育学的には3歳児も、3、4、5というのが一つあるようですが、それだけの観点ではなくて、そういうような制度問題もきちんとしておかなければ、接続だけでいいのか、僕はあまりよくないと思うんです。というのは、僕の友達が小学校の校長をしておりまして、研究指定校を文科省から受けて2年間やったんだけど、幼稚園から来る子どもと保育園から来る子どもと接続問題が非常に難しいんだそうです。ですから、2年間か3年間、研究して、後はその地域で全く消えているんです。何かメリットがあれば続くはずなんですけど、そうでないというところに問題がある。
 それから、もう一つは、今、梶田先生も言われたんですが、義務教育年限の問題です。これは真剣にもう少し考えられたらどうだろう。今のこの既成の制度、つなぐか、つながないかだけでなくて、その辺の問題も考えていただくようなことも議論されたらどうでしょうか。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、荒瀬先生。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。中高の接続と連携に関して2点。1つは、これは京都市内で徐々に進みつつあるのですが、中高連携というときに、高等学校の教員が中学校に行って、いわゆる出前授業的な、興味関心を引くための授業をするといったようなことが進められてきました。しかし、それは多分、一発芸といいますか、イベント的なことで終わってしまうことがとても多くて、実は、イベントはだめかというとそんなことはなくて、いいんですけれども、イベントとイベントをつなぐ取組というのが実は一番大事で、そのつなぎというときに、本当の意味の中高連携というのが出てくるのではないか。中学校は、中学校の教育活動をどのように展開していくかということを中学校が自立して考えていく。高等学校は、高等学校の教育をどうしてやっていくのかというのを自立して考えていく。その自立した者同士が連携して初めて意味がある。ですから、共同で教育の研究をしていくという取組が今徐々に進みつつあります。これはとても大事なので、中学校、中高の連携というときに、高等学校からのいわゆる出前授業なんかをどんどん進めていきましょうというような形にはならないで、教育研究を進めていくというところで考えていただけたらなということが1つです。
 もう一つは、中高一貫教育というのは、新しい形で、私は公立もどんどん進めていけばいいと思うんですが、これは私学にも見られますし、公立にも見られる点ですけれども、中高一貫教育という6年間の中で、思春期の子どもたちには様々な課題がありまして、多くの学校がそうではないんですが、ややもすると中高6年間を抱え込んでしまう。あるいはまた、それがややもすると小学生に対する青田買い的な状況になってしまう。そこのところは十分注意しなければいけないと思うんです。そこのところを十分注意しつつ、青田買いにならない、抱え込みにならないで新たな教育の在り方というのを考えていくことが必要ではないかということを思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、大嶺先生、そして、佐々木先生、髙橋先生ですね。では、3人、こちら側から。

【大嶺委員】
 ありがとうございます。小中一貫の観点からお話ししたいと思います。よく言われますように、中一ギャップという言葉が適切かどうかわかりませんけれども、中一ギャップという言葉があります。これは小学校から中学校に入学するに当たって、小学生が中学校に入ることに対してとても大きな期待を持っているんです。それと同時に、同じように不安を抱いている。どういった不安を持っているかというと、中学校の勉強についていけるだろうか、小学校とはどーんと難しい、そんな専門的になるわけではないんですけれども、難しくなっていく中学校の勉強についていけるだろうか。あるいは中学校というのは、大体が複数の小学校から入学してまいりますので、自分の出身小学校とは違う小学校から入学してくる子たちとうまくやっていけるだろうかという人間関係の問題。それから、さらに、縦の人間関係として、いわゆる先輩に当たる中学生が部活動等で親切に指導してくれるだろうか、中学校の先生は優しいだろうか、そういったもろもろの不安を抱きながら、小学生は中学校に入学してくるわけです。そういったような問題がある。
 それと同時に、これまでの小学校と中学校の関係、大人のほうの関係ですけれども、どうであったかというと、最近でこそ、確かに小中の連携ということで、極めて小学校の先生、中学校の先生が連携をして、いろいろな所で活動をしていますけれども、大体年に1回、小学校から中学校に入学するに当たって、いわゆる聞き取りというのをやるんです。どういう子が入学してくるのかと。それぐらいでしか付き合いがない。そして、小学校の先生は、自分の子どもたちを中学校に入学させるに当たって、全く白紙の状態で子どもたちを見てほしい、色眼鏡で見てもらわないようにするために、あまり情報を提供していただけない、そういったこともあるわけです。
 ところが、私もにしみたか学園で小中一貫をやってまいりまして、そうではないだろう、最初は中一ギャップを乗り越えていく要因を、これを一つ乗り越えていくための形で小中一貫教育に取り組んでまいりましたけれども、もちろんその面を解決していかなければいけないということもありますが、学びということを考えていったときに、小学校6年間の学びの上に、当たり前のことですけれども、中学校の3年間の学びというのがつながっていくわけです。
 ところが、残念ながら、なかなかつながらない。つながっていかないんです。この子は一体どういうような学びを6年間積み重ねてきたんだろうか。そういうことはきっちりと中学校に引き継がれないまま、中学校での教育がスタートしていってしまう。それは違うだろう、少なくとも義務教育というのは9年間として学びの流れ、ストリームというものを作っていかなければいけないのではないかなと私は思っております。
 そういった意味で、小中一貫、今現在、多くの学校が特例を活用しないで取組をしている。決して楽な取組ではないんです。小学校から中学校に先生が来る。中学校から小学校に教員が出かけていく。そういったので結構大変なんです。高校から中学校に行く出前授業をやっています。これはどちらかというとイベントなんです。そうじゃなくて、日常的に小学校と中学校の教員が授業に出かけていくとなると、これはとても大変。お互いに小学校の教材を研究したり、中学校の研究をしたりして行くわけですから、これまでの自分自身のフィールドにプラスアルファがされていくわけですから、とても厳しい状況になってくるわけです。ですから、ぜひともそういった意味合いだけではなくて、もっとたくさん、時間もありませんので、これぐらいにしておきますけれども、できるだけ義務教育学校として、各設置者が選択できるような法的な措置というものが私はできるだけ早くされていかれるようにということを望んでおります。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、佐々木先生。

【佐々木委員】
 短く。1つ目、この連携・接続は大変重要な課題ですから、作業部会の設置は賛成です。
 2つ目は、保育園、幼稚園から先ほど出た大学まで、少し幅が飛び出るかとは思いますけれども、大学までの連携を視野に入れて、一度、一貫したビジョンというか、連携ビジョンを立ててぜひ作業部会を進めていただきたいということ。
 それから、3つ目が保育園のことですけれども、管轄が違うことは十分承知しておりますが、資料に「幼稚園(保育園)」と出る。括弧が外れるぐらいの心意気で子どもたちを1つにして進んでいただきたいので、最終報告には括弧がないことを望みます。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。髙橋先生。

【髙橋委員】
 学校段階間の連携として、幼稚園と小学校の連携につきましては、先ほど発言されましたこちらのお二人の先生の意見と基本的には同じです。ただ、教育委員会の立場として、幼少を見てみますと、幼稚園と小学校のカリキュラムの問題も、これは大きいんです。したがって、この段差はかなりハードルが高いかなと、子どもたちの姿を見て、そういうことを感じております。できれば幼稚園と小学校、どちらかが歩み寄って、スロープのような期間というのが1か月でも2か月でもあれば、子どもたちがもう少し小学校生活になじめるかなと。例えば幼稚園ですと5歳児の後半、後半の3分の1でも結構ですから、小学校として小学生になる準備段階としての基本的な学習の習慣、学校での生活習慣というものを学ぶ期間があれば、子どもたちももう少し小学校というものに慣れやすいんじゃないかなという期待を持っております。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 いろいろとこの問題は本当に課題があります。そういうことで、今日いただきましたご意見を作業部会できちんと踏まえて議論をこれから展開していただくということにしたいと思いますが、皆さんのほうで資料3-3にありますような形で作業部会を発足させるということをご了承いただけますでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、これにありますように、このメンバーにつきましては、私のほうで事務局とご相談の上、選ばせていただくといいますか、指名させていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 では、今日の3番目の議題になります、不登校の児童生徒への支援につきまして、時間がございませんけれども、ちょっとご報告をいただいてと思っております。
 それでは、事務局のほうでお願いいたします。

【磯谷児童生徒課長】
 児童生徒課長の磯谷でございます。
 お手元の資料4に沿いまして、不登校関連のご報告をさせていただきます。資料4が3つの塊になっておりまして、クリップ止めされていると思うんですが、外していただきまして、まず最初に、1枚目がこれからご説明いたします不登校児童生徒への支援についてのポイントでございます。それから、2つ目がそれについての詳細な資料、最後に、実態のデータをご用意しております。前回、あるいは以前から、この分科会において、不登校の児童生徒への支援についてご審議をいただいているところでございますが、改めて、まずもって不登校の児童生徒の現状について、簡単にご説明をさせていただきます。
 恐れ入りますが、先ほどご紹介いたしました資料4の最後の塊を最初にご覧いただきたいと思いますが、平成19年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査ということで、毎年、統計を出しております。先生方ご案内のように、不登校児童生徒につきましては、経済的理由、あるいは病気といった理由以外の理由で年間30日以上欠席した児童生徒を統計として上げておりまして、ご覧いただいているのは小・中学校における不登校児童生徒でございますが、前年度との比較で、2年連続の増加ということで、現在、12万9,000人ほどということでございまして、例えば中学校におきましては、34人に1人が年間30日以上、病気又は経済的理由以外で欠席をしているという状況でございます。
 それから、2ページをお開きいただきますと、これは前回、前々回にもご紹介いたしましたが、不登校になったきっかけとして考えられる状況につきましては、なかなか不登校問題は難しくて、いろいろな背景、原因等もあることもありまして、学校側の認識としては、その他本人に関わる問題というのが一番多くなっているという現状がございます。
 それから、3ページ目の所ですけれども、高等学校における長期欠席者の中で、ここでも不登校ということで、小・中と同じような定義で調べをしておりまして、高等学校につきましては、現在19年度で5万3,000人ほどの不登校生徒がいるということになっておりまして、ただ、これに関しましては、3ページの一番下のほうでございますが、近年、割合、あるいは絶対数ともに減少する傾向があるということでございます。また、4ページの所でごらんいただきますように、不登校になったきっかけについては、小・中と同じく、その他本人に関わる問題が35.1パーセントということで、一番多くなっている現状がございます。
 なお、ここで改めてご紹介したいんですが、5ページの所からございますように、21年、今年の3月に内閣府が文部科学省協力のもとに緊急の調査をいたしました。これを1枚めくっていただきますと、6ページにございますが、昨年、閣議決定されました「青少年育成施策大綱」、あるいは最近のニート、フリーターの問題といったものの実態を緊急に把握する必要があるということで、緊急に調査をいたしまして、例えば6ページの2の所にございますが、調査対象としましては、平成16年度に高等学校を中途退学した者、あるいは7ページにございます平成16年度に中学校第3学年で不登校であった者ということについての緊急の調査を都道府県の協力を得まして、協力が得られた所について行ったものでございます。ただし、なかなか短期間で緊急にやったということもございまして、有効回収数が高校については168票ですし、7ページの中学校は109票ということで、非常に少ない結果となっておりましたが、興味深い結果が出ておりますので、ご紹介を抜粋でご覧いただいております。8ページにございますが、過去に文部科学省が大規模な調査を何度かやっておりますが、特に中学校不登校に関しては、平成10年、11年に、本日もご出席の森田委員中心にいろいろ分析をしていただいておりますけれども、それ以来の調査ということになったわけでございます。
 それで、一番最後の10ページに、この資料の裏に当たりますが、特に先ほどの学校側から見た不登校の直接のきっかけという所と、思い出しながら見ていただくと興味深いと思うんですが、本人に聞いたところ、絶対数が少ないと言いながら、データといたしましては、直接のきっかけとしては、友人関係が最も多くなっております。その次が勉強の問題といったようなデータが示されているところでございます。私どもはこうしたデータも参考にしながら、今後の施策の充実を進めていかなければならないと考えてございます。
 資料4の最初のポイントというペーパー1枚紙に戻っていただきまして、これまで初等中等教育分科会において主な意見が出ております、これは項目ごとにまとめてございますが、まず最初に、不登校はどの子どもにも起こり得ることとしてとらえることが必要である。あるいは不登校の未然防止、あるいは不登校にならないための対策、すなわちそうした学校づくりといったものを講じていくことが必要である。それから、公的機関としての適応指導教室、あるいはNPO、ボランティアといった民間組織・団体とも連携した対応が必要である。あるいは先ほど来、ご意見が出ておりますけれども、不登校児童生徒の支援を考えるに当たっても、小中一貫教育等の取組など、あるいは小学校・中学校の連携・接続の在り方について検討を進める必要がある。あるいは先ほどご紹介しましたように、将来のひきこもり、あるいはニートといったことにもつながるということで、将来の社会的自立に向けた支援という観点から対応することが必要だ、こうしたご意見があったと存じます。
 それに対しまして、今後の不登校児童生徒の支援に必要な視点ということで、3つまとめてございますが、1つ目は、学校における生徒指導の充実・強化ということで、今年の6月に、生徒指導提要の作成に関する協力者会議を設置しました。これにつきましては、例えば生徒指導関係の指導資料という形で、昭和40年と56年にそれぞれ生徒指導の手引き、そして生徒指導の手引きの改訂というものを出しておりまして、その中で生徒理解の在り方ですとか、様々な生徒指導上の基本方針を出しておるんですが、そうした指導書の基本書と言われるようなものが現在ないということで、先ほど来ご説明しているような不登校の問題ですとか、児童虐待の問題ですとか、いろいろな家庭との関わりといったものを踏まえて、学校における教育相談を含めた生徒指導の充実・強化、あるいは小中高一貫した指導、あるいは連携した指導といったことについての基本的な指導書の作成にも入っているところでございます。この座長は森田先生にお願いをしているところでございます。
 それから、2つ目ですが、不登校の児童生徒のその後の支援ということで、先ほども調査でご紹介しました、また、先生方からご指摘がありましたように、不登校を断面的にとらえるのではなくて、連続した現象としてとらえるとともに、きちんとフォローをしなきゃいけないということで、学校、教育委員会だけではなくて、厚生労働省関係部局等とも連携しながら、あるいは社会的自立という観点での支援ということも必要だということでございます。
 それから、3つ目に、やや繰り返しになりますが、小中高がそれぞれといいますか、先ほどご紹介がありましたような中一ギャップといったものもございます。学校種間の連携・接続の在り方について検討を進めることが必要であると我々としては認識をしております。時間がございませんので、もう一つの不登校の児童生徒の支援については施策の説明でございますので簡単に、1ページ目の所は、例えば先ほど申し上げましたような不登校についての基本的認識、あるいは2ページ以降、適応指導教室ですとか、指導要録上の出席扱い、あるいは最近ですと、教育課程の弾力化、ITを活用した学習機会の拡大、あるいは通信教育の問題等々で弾力化を図っているとご理解いただければと思います。
 4ページ目の所で、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーといった専門人材の配置も進めておりまして、こうしたものをさらに充実していきたいと考えているところでございます。時間がございませんので、以上とさせていただきます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 今ご報告をいただきました森田先生、何かコメントがあればお願いしたいと思います。

【森田委員】
 粛々として、私も今の提要を進めさせていただいておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
  ありがとうございました。この問題につきましては非常に重要でございますので、ずっと減っていたのがちょっとまたぶり返したという非常に重要な問題ですので、これはこの分科会で改めてまた時間をとって皆さんで議論したいと考えております。
 最後に、もう一つ、今日はございます。ご承知の大臣の下に設置されました教育安心社会実現に関する懇談会がつい先日、7月3日に報告を出されました。これを今日教育改革推進室長に、内容についてご報告をいただき、同時に初中局において、これにどう取り組むかということにつきまして、児童生徒課長からお話をいただいてと思います。すいませんが、では、お願いいたします。

【寺門教育改革推進室長】
 それでは、資料5-1をご覧いただきたいと存じます。クリップでとめた資料でございますけれども、大部で恐縮でございますけれども、まず、概要の説明に先立ちまして、簡単に発足の趣旨、委員構成等をご説明したいと思います。資料中ほど、31ページをお開き願いたいと存じます。設立趣旨は、先ほど梶田分科会長からもご紹介がございましたとおり、そこの1に記載してございます。現下の厳しい経済情勢において、社会のセーフティネットとしての公教育の機会を確保する重要性が高まっているということから、今般、負担の軽減を中心に、教育費の在り方について、大局的・中期的な観点から検討、提言をいただくために、大臣裁定によって設置をしたものでございます。
 委員の構成につきましては、2に記載のとおりでございまして、本日、ご出席でございます、京都市の門川先生はじめ5名の先生方にお願いをいたしまして、5月末の初会合以来、極めて精力的にご審議を頂戴いたしまして、今般取りまとめに至った次第でございます。
 戻っていただきまして恐縮でございますけれども、報告書の概要につきましてでございますが、表紙の次に目次としてこの全体構成、そこにお示ししているとおりでございます。
 中身に入らせていただきますと、まず、飛んで恐縮でございますけれども、報告書本体の3ページをご覧いただきたいと存じます。ここでは教育費負担に関する基本的な考え方を示してございまして、ここでは初めに、冒頭の巻頭言で、子どもは「社会の宝」との理念を受けまして、枠囲みにございますけれども、教育、教育費を社会全体で支えることが必要との基本理念が示されまして、さらに教育を考える上での観点として、枠囲みの末尾でございますけれども、2つ、すなわち人生前半の社会保障、機会均等と社会の活力増進の原動力という観点が提示されてございます。その中、人生前半の社会保障につきましては、同じページの中ほど、3ページでございますけれども、人生のスタートである若年期を大事にして、生きる力を身につけられるようにすることが必要であるということで、この点での教育が果たす役割、機会均等の重要性を指摘しているところでございます。
 さらに、次の4ページがもう2つ目の観点、将来への先行投資(社会の活力増進の原動力)ということで、このページの最後のパラグラフにございますように、教育の効果につきましては、本人に帰属する私的効果だけではなくて、広く社会全体に還元される公的効果がある。その相互の連関によるさらなる社会便益の増大をもたらすといったような点につきまして、先行する国際機関等における主な経済学的な分析等も踏まえまして記述をしておるところでございます。
 続いて6ページをご覧くださいませ。上述のような教育費を考える上での2つの観点に立った上で、懇談会といたしましては、6ページ冒頭の実線囲いにございますとおり、全ての子どもが安心して教育を受けることができる「教育安心社会」の実現に向けまして、具体的に2つの安心に向けた施策、すなわち公教育の負担の安心、それから、もう一つ、公教育の質の安心という2つの側面についての施策の重要性を指摘しているところでございます。
 まず6ページから7ページ中ほどまでの(ア)公教育の負担に関する安心では、教育費についての家計の負担感が増大していること、また、国際的に我が国の教育費の公財政支出が低いレベルにあること、さらにはこういった状況では少子化の流れをとめることはできず、教育の階層間の格差や貧困の再生産につながるといった懸念が示されまして、こういったことから公財政支出による教育の充実により、教育に関する家計負担の軽減をすることの重要性を示しております。また、7ページ中ほどの括弧、公教育の質に対する安心では、昨今の教育をめぐる様々な課題等に対応するために、7ページ末尾から8ページにかけまして点線囲みに記載のとおり、各般の施策、すなわち教育振興基本計画に盛り込まれた諸方策の着実な実行についての提言をいただいてございます。
 その上で、9ページの下段の(ウ)でございますけれども、この検討につきましては、今回特に安定財源の確保等に留意しながら、家計負担の軽減策について各学校段階ごとで検討することが適当としてございます。
 次のチャプターでございますけれども、11ページからは、家計負担と関連施策のデータ現状について詳細を示してございます。まず、11ページの丸1家計負担の現状につきましては、この冊子の参考資料編の35から39ページにも具体のデータがございますので、後ほどご覧いただければと思いますけれども、ここでは我が国の教育費家計負担、それから、所得格差をめぐる様々な国内外の状況の調査結果について分析をしてございます。
 また、次の12ページでは、親の所得等が子どもの教育に及ぼす影響につきまして、これもOECDですとか、文部科学省の学力調査等の結果を踏まえまして、所得等の家庭環境の差異が子どもの進学や学力の格差に影響して、所得階層間の格差、固定化、貧困の世代間連鎖につながるといったような懸念について指摘をしてございます。
 それから、13ページ、この部分につきましては、これまで行われているこの点についての各般の施策、それから、今年度の補正予算において取り組んだ施策の概要についてお示ししてございまして、これも詳細につきましては、後ほど参考資料の32、33ページをご覧いただきたいと思います。
 それから、15ページからが各学校段階ごとのそれぞれの施策の基本的方向性と施策例を示してございまして、まず、15ページ、16ページでは、幼児教育段階でございまして、ここでは、本年5月の文部科学省の検討会の中間報告を踏まえまして、幼児教育につきましては基本的方向性として、希望するすべての3歳児から5歳児までが無償で幼児教育を受けられるようにするという方向性が示されてございます。また、17ページでは、義務教育段階でございまして、ここでは基本的方向性として義務教育の根幹を踏まえ、授業料、教科書以外の教育費についても、低所得者層の家庭の児童生徒について各市町村の財政に左右されずに就学援助を支給できるようにするとされております。
 なお、低所得者層の家庭ということにつきましては、25ページを後ほどご覧いただきたいと存じますけれども、ここでは各自治体、各学校段階ごとの違いを十分に踏まえた上で、わかりやすくするということから、おおよそのイメージとして、世帯当たり年収およそ350万円というものを掲げておるところでございます。施策例としては、17ページの点線囲みにあるように、各市町村が行う就学援助に係る地方財政措置の増額といったようなものを示しているところでございます。
 また、高等学校段階につきましては、19ページからお示ししてございまして、ここでは基本的方向性として、高等学校は義務教育ではないけれども、進学率が98パーセントに達する国民的教育機関になったことを踏まえまして、教育の機会均等を図る観点から、授業料の負担軽減を図る。また、特に低所得者層の負担軽減制度につきましては、高校生が家庭の経済状況に左右されずに、安心して学業に専念できるように、新たな修学支援方策について検討する。併せて私立高校に通う生徒への負担軽減策を講じるとございまして、施策例としては点線囲みにあるようなものを掲げておるところでございます。
 また、21、22ページは大学・大学院でございますので、割愛させていただきます。
 それから、駆け足で恐縮でございますけれども、今回の報告書では、参考資料の45ページ以降でございますけれども、各施策例の試算例というものが添付されてございます。これはもとより一定の家庭条件下でのおおよその試算例でございまして、他の試算方法も想定されますし、また、具体的施策の内容、規模、実施時期等につきましては安定財源の確保を前提とするわけでございますけれども、各学校段階ごとの先ほどご説明した基本的方向性と施策例を踏まえた試算額というものを示してございます。ご高覧を願えればと存じます。
 それから、今後の対応方針につきましては、報告書の26ページ以降にございます。大臣からは、本報告の提言につきましては、これを着実に実現するために今後、予算要求、あるいは中教審におけるご議論等を通じまして可能な施策は速やかに実行していくという方針が示されてございます。本日、早速、本分科会におきまして、この件を議題として取り上げたところでございますけれども、引き続き中教審等における検討を踏まえながら、施策の具体化に向けまして関係部署と連携を図りながら対応してまいりたいと存じます。
 雑駁でございますが、以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。それでは、児童生徒課長。

【磯谷児童生徒課長】
 続きまして、初等中等教育局としての今後の対応案について、児童生徒課からご説明申し上げます。資料5-2をご覧いただきたいと思います。ただいま寺門室長からご説明申し上げましたように、教育安心社会の実現に関する懇談会の報告書におきまして、就学前教育から大学までの各段階での教育費負担軽減に関する基本的な考え方、施策の方向性が示されております。初等中等教育局の関係部分といたしまして、就学前の幼児教育の部分についてはかなり議論が進んでおりますので、ただ、小学校から高等学校までの修学支援の在り方について、なかなか縦軸を一貫とした検討の場がなかったということもございますし、この部分についての検討を急がなければならないということがございますので、資料5-2にありますような検討会を設置し、適宜、初中分科会にもご報告しつつ議論を深めて、次のステップにつなげていきたいと考えております。
 具体的には、初等中等教育部の関係分としまして、義務教育段階については今、寺門室長からご説明がありましたように、義務教育については要保護、準要保護の家庭に対しての支援は既になされておるんですけれども、今日ご出席の小川先生などの研究にもございますように、なかなか各市町村の差がある。実際には財政力等に左右されている部分もあるというご指摘もございます。できるだけそうした財政力に左右されないで子どもたちの就学援助を支給できるように、どのようにしていけばよいかという考え方、あるいは方法について、ぜひ検討していきたいと思っております。
 それから、高等学校段階につきましては、現在は授業料減免、これは公私立含めて行っておりますし、あるいは奨学金ということで、貸与制ではございますが、全都道府県において奨学金というものがあるわけでございます。
 しかしながら、最近の高校生、経済情勢もございますが、経済的理由で学校をやめざるを得ない、あるいは経済的な困難、最近の就職事情等、経済事情がございまして、家計急変といったこともございます。そうしたことを理由に修学機会が奪われることのないように施策を充実するということで、新たな修学支援方策について検討していきたいということでございます。例えばそれは大臣の報告書で方向性は示されておりますが、入学時における入学金ですとか、あるいは制服代とか、そうした一時的にいろいろかかる経費について何らかの支援をしていくとか、様々なことが考えられるかと存じます。
 ここの資料にございますように、構成メンバーといたしましては、学識経験者、行政関係者、学校関係者、保護者、PTA関係者等十数名を予定しておりますが、現在、人選をしているところでございます。できれば今月中に第1回会合を開催し、来年6月までの1年間ぐらいをかけてこれまでの施策の検証も含めて検討を行っていきたいと考えております。また適宜、来年度の概算要求、あまり日にちがないんですけれども、8月までには概算要求を出さなきゃいけないんですが、そうした施策の根拠となるデータの整理等も行っていただきたいと考えております。以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。今、ご報告いただきましたように、これは門川先生などに非常にご苦労いただきまして、教育安心社会といいますけれども、結局、経済的な事情でなかなか勉強が進められないという子どもたちにもう少し手の打ち方を考えなきゃいけないんじゃないか。幼・少・中・高・大・大学院、それぞれの段階に応じた施策が打ち出されております。そして、それを特に小・中・高の部分につきましては、これをより一層具体化するための検討会をつくって、これからやっていただくことになっております。
 一つは、こういうことは全部、次の来年度予算の要求の中に生かす、これが一つあります。しかし、同時に、長期にわたって考えなきゃいけないものがありますので、検討会でやっていただくと同時に、これは適宜、初等中等教育分科会にもご報告いただいて、多分、私の考えでは、次の答申の中にはこういうことについての部分ということは必ず入れなきゃいけないんじゃないかと考えております。そういうことで進めていきたいと思います。この問題につきましても、本当は1時間か2時間とって皆さんで意見交換したいと思いますけれども、本日は時間がございませんので、ご報告を伺ってということにとどめたいと思います。
 時間が迫ってまいりましたが、本日、非常に中身の豊富ないろいろなご報告を伺い、同時に、また、皆さんにご意見をいただきました。
 今日やりました全部のことにつきまして、皆さんのほうで最後に、これだけはということがあればご発言いただきたいと思います。荒瀬先生。

【荒瀬委員】
 何度も申しわけありません。最後の2点のことで、これは実際に非常に重要な点で、不登校生徒が中学生です、そのときに高等学校を受験しようとしますと、指導要録に成績がついていない関係で、その扱いに現場の高等学校では非常に苦慮しています。中学校に通わない生徒ですから、中学校では成績のつけようがないということなんですが、そこの辺りのことにつきましてもぜひまたご検討をいただきたい。今日は時間がありませんので、それ以上は申し上げませんが、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、奨学金等のことですけれども、これは現実に予備校生にも何とか出していただけないかなということを思っています。高等学校から大学に行くということを考えたときに、現役で受かればいいんですけれども、受からなかった場合、どうしていくのかといったようなことも含めて考えていただければ。
 それから、特別支援教育に対する具体的な修学支援とか、あるいはまた手立てというのも含めて考えていただきたいというのと、最後に1つ、公教育という言葉が随所に出てきますが、公教育という言葉について、これは公立学校の教育と思っている方が結構多くあると思うんです。だから、公教育というのは公立学校の教育だけじゃないんだということも強くアピールしていただければと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。特に最後の所は、どうしても文部科学省から出るものがどこか公立の学校だけが念頭に置かれたような印象を与えることがありまして、今、私学に行っている子どもたち、必ずしもお金がたくさんあって行っているというわけではない場合が非常にありますので、そこのところも含めて設置者の別で、これできめ細かく、これは国立大学の附属の問題もありますけれども、設置者が違うけれども、みんな同じように頑張って勉強できるというようなところをぜひよろしくお願いしたいと思います。
 何かほかにありましたらお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

 今日は非常に中身の豊富な会でしたが、今日のような課題をめぐって初中分科会をまた持ちたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 次回以降のことにつきましてお願いいたします。

【佐藤教育制度改革室長】
 ありがとうございました。次回の日程につきましては、分科会長とご相談の上、追ってご連絡申し上げたいと存じます。
 それから、皆様方の資料の一番下に机上配付として本年5月28日に取りまとめられました教育再生懇談会第4次報告の印刷したものも入れてございます。ご参考にご活用いただければと存じます。以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、本日予定しました議事はすべて終了いたしましたので、これで閉会したいと思います。皆さん本当に長い間、ご苦労さまでした。ありがとうございました。

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-- 登録:平成22年05月 --