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初等中等教育分科会(第65回)・教育課程部会(第75回)合同会議 議事録

1.日時

平成21年3月31日(火曜日) 15時~17時

2.場所

KKRホテル東京 10階「瑞宝」

3.議題

  1. 教育課程部会長の選任等について
  2. 教育課程部会運営規則等について
  3. 新しい学習指導要領の実施に向けた取組等について
  4. 児童生徒の学習評価について
  5. その他

4.議事録

 【神山教育課程企画室長】

 失礼いたします。まだお見えになられていない委員の先生もいらっしゃるんですけれども、時間になりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 本日は年度末のお忙しい中、多くの委員の先生方にご出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本日は初等中等教育分科会第65回と教育課程部会第5期第1回の合同会議ということで開催させていただきたいと思ってございます。
 既に初等中等教育分科会のほうにつきましては、今年の2月27日に会議を行っておりますので、分科会長の選任ですとか分科会規則の制定などにつきましては既にそのときに行ったところでございますけれども、教育課程部会につきましては本日が第5期の初めての開催ということになってございます。
 つきましては、まず教育課程部会のほうの新しい委員の紹介ですとか、部会長の選任、それから教育課程部会の規則の制定などを行わせていただきまして、その後に初等中等教育分科会との合同会議の議事に移るという段取りで進めさせていただきたいと考えてございます。
 第4期の教育課程部会に関しましては、学習指導要領の改訂に向けた審議を本格的に行っていただきまして、初等中等教育分科会へも適宜合同会議という形で開催し、ご意見をいただきながら議論の結果を中教審の答申として取りまとめていただきました。文部科学省では、それを受けまして、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、それから特別支援学校の学習指導要領等の改訂を行ってございます。幼稚園、小学校、中学校の学習指導要領の改訂につきましては、昨年の4月に開催されました初等中等教育分科会と教育課程部会の合同会議で既にご説明をしたところでございます。
 その後、去る3月9日に高等学校、特別支援学校の学習指導要領が公示されまして、今回も合同会議といたしまして、分科会、部会の委員の先生方に改訂のポイントですとか実施のスケジュールなどにつきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 なお、教育課程部会は第5期の中教審発足後第1回目の開催ということでございますので、部会長をお選びいただくまでの間、分科会長、部会長にかわりまして、事務局におきまして議事を進めさせていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
 それでは、初めに配付資料の確認をさせていただきたいと思います。本日は議事次第に記載しておりますように、資料1から資料11の資料を配付させていただいてございます。不足しているものがないかご確認をしていただければと考えております。不足のものがあれば、事務方のほうにご指摘をいただければと思います。
 また、教育課程部会のみに所属をされる臨時委員の先生方には、辞令を入れました封筒を机上に置かせていただいておりますので、そちらのほうもあわせてご確認をいただきたいと思います。これは教育課程部会のみ所属の臨時委員の先生方でございます。
 続きまして、委員の紹介ということで、初等中等教育分科会のほうは既に第5期の第1回目を行っておりますので、今回は第2回目ということでございますので、資料1-1の委員名簿というものの配付をもちまして、委員のご紹介は省略させていただきたいと思っております。
 それから、教育課程部会の委員の皆様のご紹介に関しましては、資料1-2というもので、教育課程部会委員名簿というものを配付させていただいてございます。第4期から継続してご就任いただいている委員の方も多くいらっしゃいますので、今回新たにご就任をいただきました委員の方々のみをご紹介をさせていただきたいと思います。私のほうでお名前をお呼び申し上げますので、一言ずつ簡単にごあいさつをいただければと思ってございます。
 それでは、今回第5期からの委員ということで、最初に秋田委員でございます。今、マイクをお持ちしますので。

【秋田委員】

 秋田でございます。お世話になりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【神山教育課程企画室長】

 続きまして、大島委員でございます。

【大島委員】

 東京大学の大島です。よろしくお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 続きまして、苅部委員でございます。

【苅部委員】

 苅部直と申します。東京大学で日本政治思想史を専攻しております。よろしくお願いします。

【神山教育課程企画室長】

 続きまして、戸谷委員でございます。

【戸谷委員】

 文京高等学校長の戸谷と申します。よろしくお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 引き続きまして、中川委員でいらっしゃいます。

【中川委員】

 日本私学教育研究所の中川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 続きまして、藤江委員でいらっしゃいます。

【藤江委員】

 藤江でございます。経団連の教育問題委員会の企画部長をさせていただいております。所属はNECでございますので、大変いろいろお世話になっております。よろしくお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 また、後ほどのご出席ということになっておりますけれども、お茶の水女子大学のほうから室伏委員が本部会に新たに就任をされてございます。
 また、本日はご欠席でございますけれども、池田委員、全国連合小学校長会の会長、それから曽我委員、日本PTA全国協議会の会長も本部会に新たに就任をされておりますので、ご紹介を申し上げたいと思います。委員の紹介は以上でございます。
 それでは、早速でございますけれども、教育課程部会の部会長をお選びいただきたいと思います。部会長の選任につきましては、資料2の中央教育審議会令第6条第3項によりまして、委員の互選により選任するということとされておりますので、どなたかご推薦をいただけませんでしょうか。お願いいたします。
 天笠先生、お願いします。

【天笠委員】

 私からお願いできればと思うことでありますけれども、第4期は梶田先生のもとで学習指導要領等々をおまとめいただいたわけであります。引き続き第5期も、その普及ということがこの部会の大きなテーマになってくるのではないかと考えております。そういう点も含めまして、梶田先生には大変でございますけれども、引き続きお務めいただければと思いまして、ご推薦させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 ありがとうございます。ただいま天笠委員のほうから、梶田委員が部会長に適任であるというご意見をいただきましたけれども、いかがでございましょうか。

                            (「異議なし」の声あり)

【神山教育課程企画室長】

 ありがとうございます。それでは、梶田委員が教育課程部会の部会長として選任をされましたので、今後の議事につきましては、梶田部会長にお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】

 梶田でございます。ただいまご推挙いただきましたので、いろいろな意味で不足な部分もございますけれども、これから部会のお世話役を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それでは最初に、部会長に事故があるときは、あらかじめ部会長が指名する委員にその職務を代理いただくという中央教育審議会令第6条第5項の規定がございまして、これによりまして、副部会長を指名させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

                            (「異議なし」の声あり)

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。あまり私に事故がないようにとは思っていますけれども、そういう意味じゃなくて、ご一緒にご相談しながらお世話役をさせていただくという意味で、副部会長としましてお二人の方にお願いできたらと思っております。
 お隣に座っておられます木村先生と、今日はやむなくご欠席でありますけれども、田村先生のお二人に副部会長としてご一緒にお世話役をさせていただきたいと思っております。ご承諾いただけますでしょうか。

                            (「異議なし」の声あり)

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。田村先生のほうには、後から私からご連絡をして、ご承諾いただきたいと思っております。
 それでは、議事に入りたいと思います。資料6をごらんいただきたいんですが、教育課程部会の運営規則がございます。これにつきましては、先般制定されました資料3から5にあります中央教育審議会運営規則及び初等中等教育分科会運営規則に準じた形にしたいと考えております。内容につきましては、ご一読いただければおわかりいただけると思いますが、説明は割愛させていただきまして、繰り返しますけれども、本部会の運営は中央教育審議会そのものの運営、それから初中分科会の運営と同じ形でやりたいと思っておりますが、ご承諾いただけますでしょうか。

                            (「異議なし」の声あり)

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。それでは、今ご承諾いただきましたように、この部会の運営規則につきましては資料6にありますような形でやらせていただきたいと思います。
 この運営規則の取り決めに基づきまして、報道関係者の方々の入室をこれから許可したいと思います。準備が済みますまで、ちょっとお待ちください。

                              (報道関係者入室)                                       

【梶田分科会長】

 大体報道関係の方々もご入室いただいたと思いますので、ここでこの教育課程部会の事務局をお務めいただいております文部科学省の初等中等教育局を代表いたしまして、金森局長からごあいさつをいただきたいと思います。

【金森初等中等教育局長】

 初等中等教育局長をいたしております金森でございます。ご出席の先生方には、大変お忙しい中、第5期の中央教育審議会初等中等教育分科会及び教育課程部会の委員をお引き受けいただき、ありがとうございます。厚くお礼申し上げます。
 さて、第3期及び第4期の初等中等教育分科会及び教育課程部会では、近年の子どもたちの学力や心と体の状況にかんがみ、平成17年4月から学習指導要領全体の見直しについて精力的にご審議をいただきました。教育基本法や学校教育法等の改正を経て、昨年1月には中央教育審議会の答申、「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」として、学習指導要領改訂の方向性をお示しいただきました。
 この答申を受けまして、文部科学省では昨年3月、幼稚園の教育要領、小学校、中学校の学習指導要領、また今年の3月9日には、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領を改訂したところでございます。これもひとえに、本日ご出席の先生方をはじめとする委員の皆様のご尽力によるものと、改めて感謝を申し上げる次第でございます。
 今後、初等中等教育分科会及び教育課程部会におかれては、引き続き分科会長及び部会長に選任された梶田先生のご指導のもと、児童生徒の学習評価の改善をはじめ、教育課程に関する改善、充実方策等について、活発なご議論をいただきたいと考えております。明日4月1日から、全国の小・中学校では新しい学習指導要領の一部が先行実施されますとともに、幼稚園教育要領が全面実施されます。文部科学省では、引き続き新学習指導要領の周知徹底に努めますとともに、省を挙げてその円滑かつ着実な実施のための必要な条件整備に努めてまいりたいと考えております。委員の皆様におかれましては、新しい学習指導要領の趣旨の実現に向けて、今後とも格別のご指導を賜りますよう、どうぞよろしくお願いをいたします。
 ありがとうございました。

【梶田分科会長】

 ありがとうございました。それでは、私からも一言ごあいさつをさせていただきたいと思います。
 先ほど部会長に選任をいただきました梶田でございます。今、金森局長からのお話にもありましたけれども、昨年、ちょうど1年前に、幼稚園、小学校、中学校の指導要領が新しいものが告示されて、そして今年3月、つい先日、高等学校と特別支援学校の学習指導要領が告示されました。これで新しい考え方に立って日本の学校教育全部を進めていこうという段階に立ったわけです。
 私も、2001年2月ですね、新しい大型の中央教育審議会ができたときから教育課程部会に入れていただきまして、いろいろなことを勉強させていただきました。特に、お隣に座っておられます木村先生のご指導のもとに、ずっと、やはり単に10年に1回の指導要領の改訂ということではなくて、今の時代というものを見て、教育というのはこれから10年、20年、30年後の時代をつくるわけですから、新しい先を読むことをやりながら、しかも学校というのは、子どものことは当然考えなきゃいけませんけれども、その保護者の方々、あるいは社会全体の方々、そして学校で小・中・高の100万人に上がる先生方が毎日ご苦労をいただいている、そういう学校教育関係者皆さんのいろいろな意味でのご期待にこたえるような学習指導要領にしなきゃいけないということで、ずっと私も議論に参加させていただきました。
 特に、今の指導要領のまとめは、第3期、今から4年ほど前にまとめの段階に入りまして、木村先生が部会長として、初中分科会長としてずっと取りまとめを2年間、精力的にやっていただきました。第4期になりまして、少し世代交代をしろ、若いやつがやれということで、それまで私がサポート役をしていたわけですけれども、私がお世話役になりまして、やはり木村先生のお助けをいただきながらやっと昨年の1月14日に答申を出すことができたという感じであります。
 繰り返しますが、私は10年に1回の、いわば定例の行事としてやっているんじゃないと思っております。やはり日本社会が豊かになって、いろいろな意味ですばらしくなりましたけれども、ひずみも出てきて、緩みも出てきた。そういう中で、新しい時代に向かってどうするかということを、やはりいろいろな立場で真剣に考えなきゃいけないという時代の大きな変わり目、ここでもう一度根本から考えていくということで今回の指導要領はできたと思っております。
 したがって、これからこの部会で皆さんで話し合っていただきますけれども、これは10年に1回が終わったから、あとしばらくは何とかこれがうまくいくようにすればいいというだけでは済まないものがあると思っております。この第1期の教育課程部会のときから繰り返し皆さんで確認されましたが、もう必ずしも10年に1回という定例でなくていいだろうと。必要があれば、そのとき、そのときに応じて手直しもやらなきゃいけない場合もあるだろうということで、これから皆さんに、もちろん今日もお話が出ますけれども、新しい学習指導要領の趣旨がどの学校にもよくご理解いただきまして、これでもって新しい教育が始まるということをやらなきゃいけないわけですが、しかし同時に、そういう中でよく見ていたら、まだこの辺で少し手直しをしたほうがいいかなというようなことも問題提起していただきまして、必要なときに必要な手を打つということにならなきゃいけないなと思っております。
 そういう意味で、これから私は今まで以上に重要な任務といいますか、使命といいますか、それをもってこの部会、日本の子どもたちのためにいろいろと議論をして、やれるところから手を打っていく。同時に、私は日本のたくさんの学校で頑張っていただいております先生方がほんとうに趣旨をご理解いただきまして、やはりみんな一緒に日本の学校を盛り上げていこうという勢いがついてくる。そして保護者の人たちが、「これでうちの子どもたちに力がついたな。学校に行かせてよかったな」ということで喜んでいただく。それで社会全体の人が、「やはり教育というのは日本社会の未来をつくるんだ。子どもたち一人一人の未来をつくるんだ」ということを実感していただく、こういうことをお互い真剣に話し合って、くどくいいますけれども、やれるところから文部科学省にもお願いをして手を打っていただく、あるいはそのほか、今日は報道関係の方々もたくさん来ておられると思いますが、そういう方々にもぜひ、気運が醸成されるように皆さんで一緒にやっていただく。あるいは、そのほか教育にかかわるすべての人がそういう方向に行くような原動力になる、起爆剤になる、そういう教育課程部会というふうに思っております。
 最初でありますので、私の期待するところを少し申し上げさせていただきまして、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、冒頭で事務局のほうからご説明がありましたように、一応無事に新しい学習指導要領がすべてスタートしております。本日はしかし、第5期の第1回目でありますので、若干これまでの経緯につきまして、簡単に事務局のほうからご説明をいただきまして、また皆さんで再確認をして、これからの議論の土台にしたいと思います。
 それでは、事務局のほうからお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 それでは、学習指導要領の改訂の概要とスケジュールなどにつきましてご説明をさせていただきたいと思います。お手元に資料7-1というのを配らせていただいておりますので、資料7-1、7-2、7-3を使いまして、これまでの状況につきましてご説明をさせていただきたいと思います。既に第4期から継続の先生方には資料7-1の関係は前回ご説明しているものと大きく変わっておりませんけれども、改めてご確認も含めまして、ご説明をさせていただきたいと思います。
 まず資料7-1の1枚目でございますけれども、これまでの経緯が書かれてございます。今回の指導要領の改訂は、平成17年に見直しの要請というのを大臣から受けた後、平成18年12月には教育基本法の改正、それから平成19年にはそれを受けての学校教育法の改正というのがございまして、今回の改訂はこの18年の教育基本法の改正を受けての学習指導要領の改訂というのが非常に大きな特色となっているわけでございます。
 こうした法令の改正も踏まえまして、中央教育審議会でご議論をいただきまして、中ほどにございますように、平成20年1月17日には中央教育審議会の答申をいただきまして、学習指導要領の改訂の基本的な方向性というものを提言をいただいたわけでございます。
 その後、国民からの意見募集なども経まして、昨年、平成20年3月28日には幼稚園の教育要領、それから小・中学校の学習指導要領の改訂をさせていただいたところでございます。
 また、高等学校の学習指導要領に関しましては、昨年12月に案をお示しいたしまして、その後、国民からの意見募集をした上で、一番下でございますが、今年の3月9日に高等学校、それから特別支援学校の学習指導要領の改訂をしたところでございます。
 なお、先ほど申し上げた国民からの意見募集につきましては、資料7-2のほうに、全体の意見といたしましては3,592件ほど意見をいただいておったわけでございますが、同趣旨のものをまとめるなどして140ぐらいにまとめて、かつ文部科学省のほうの考え方なども含めて対比表にしたものをお配りしておりますので、こちらもご参考にしていただければと思ってございます。
 意見は多岐にわたるわけでございますけれども、上から2つ目には、新しい学習指導要領の理念を実現するためにも、予算ですとか設備などの条件整備が重要だといった意見をはじめまして、さまざまなご意見をいただいて、それを踏まえて修正をしたものが学習指導要領として3月9日に出させていただいたということになってございます。
 その高等学校及び特別支援学校の指導要領の中身でございますけれども、先ほどの資料7-1の2枚目からをごらんいただきたいと思います。ここでは、学習指導要領の改訂のポイントということで、ポイントのみご説明をさせていただきたいと思います。一番最初、1ポツのところで、今回の改訂の基本的な考え方というのをお示ししてございますけれども、大きく3つございまして、1つ目が教育基本法改正で明確になった教育の理念を踏まえ、「生きる力」を育成するという理念は現行から引き継いでいくんだということでございます。
 そして2つ目が、知識・技能の習得ということと、思考力・判断力・表現力など、この両者のバランスをとりながら育成をしていくんだということが2つ目でございます。
 3つ目が、道徳教育や体育などの充実を図ることで、豊かな心や健やかな体を育成するということも大切だということで、この3つは高等学校のみならず、昨年3月の小・中学校あるいは幼稚園の各学校段階を貫く基本的な3つの考え方ということになってございます。
 そして、2ポツのところから高等学校の指導要領の卒業単位数などのことが書いてございますけれども、小・中学校では、先ほどの基本理念などを実現するために時間数を増加させるといったことが大きなポイントだったわけでございますけれども、高等学校につきましては、時数制ということではなくて、単位数での基本的な仕組みになっておるということになってございます。
 したがいまして、その2ポツの枠囲みにございますように、基本的な枠組み、例えば卒業までに修得させる単位数は、現行どおり74単位以上にするといった部分は現行と同じにしてございます。これは、高等学校は中学校から97%以上の人が進学してくるということもございまして、最低基準の部分はあまり大きく引き上げないということなどを考慮いたしまして、卒業までに必要な単位数というのは74単位ということで、現状を維持しておったということでございます。
 それから2つ目の丸では、共通性と多様性のバランスを重視し、学習の基盤となる国語、数学、外国語に共通必履修科目を設定するとともに、理科の科目履修の柔軟性を向上するということで、科目の履修などについて見直しを図ってございます。
 この点につきましては、もう1枚おめくりをいただきますと、各教科・科目の表を載せてございまして、右側が現行の科目、それから左側が新しい指導要領での科目という形になってございます。先ほど、国語と数学と外国語では共通必履修科目を設けるということを申し上げましたけれども、一番上の国語を例にご紹介申し上げますと、現行、右側のほうでは国語の中の国語表現1という2単位の科目と、国語総合という4単位の科目のどちらかを履修してくださいという選択ができる仕組みでございました。ただ、今回の改訂では、共通性を高めよう、すべての高校生が学ぶ科目をつくろうということで、左側でございますが、国語総合の4単位科目をすべての生徒が学ぶということにしたわけでございまして、ただ、単位数につきましては、先ほど申し上げたように、最低基準が引き上がらないようにということもございまして、2単位まで単位数を減らすことも可能だとしてございます。
 同様のことを数学と外国語でもしてございまして、数学1、それからコミュニケーション英語1といったすべての高校生が履修する科目を設定したということをしてございます。
 それから、履修の仕方が大きく変わっているのは理科でございまして、現行のほう、右側をごらんいただきますと、必履修科目のところで小さい字で書いてございますが、従来、理科基礎、理科総合A、理科総合Bといった総合的に学ぶ科目というのを少なくとも1科目入れた上で2つの科目をとるというのが最低必要であるということになっておったわけでございます。ただ、例えば理系に進まれる方などからは、総合的に学ぶということよりも、最初から物理、化学、生物、地学の基礎的な部分から学びたいといった声も強かったこともありまして、新しいほうでは、左側でございますが、総合的な科目は科学と人間生活の1つにした上で、この科学と人間生活ともう1つの別の科目とするか、あるいは理系に進むような方に関しては、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎と、こうした「基礎」のつく科目から3つを選択すれば総合的なものはとらなくてもよいという形で履修の柔軟性を高めたという改訂を行ってございます。
 教科の関係ではご説明は以上とさせていただきまして、1枚お戻りいただきますと、今、2ポツの2つ目の丸をご紹介申し上げましたが、そのほか3つ目の丸、週当たりの標準の単位数というのは30単位時間といったことは現状維持しながら、必要な場合にはそれを超えて授業を行うことができるといったことを明確にしたり、あるいは4つ目の丸にありますように、義務教育段階の学習内容の確実な定着を必要としているような生徒さんには、そうした学習機会を設けるといったことを総則の中で明確化し、そうした取り組みを促進させるということを明示してございます。
 基本的な枠組みの部分は以上でございまして、そのほか、主な改訂の改善事項といたしまして幾つか挙げてございますが、1つ目は言語活動の充実ということで、思考力・判断力・表現力などもバランスよくはぐくむということで、国語はもちろんでございますが、ほかの教科も通じて批評、論述、討論などといった言語活動を充実させるということをしてございます。
 また、理数教育の充実を図るということですとか、基本法を踏まえまして、伝統や文化に関する教育の充実も図ってございます。
 またその次、道徳教育の充実ということでは、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育につきまして、その全体計画を作成するということを今回新たに明示をしたところでございます。
 また、そのほか体験活動の充実ですとか、外国語教育の充実も図ってございまして、特に外国語教育の充実に関しましては、単語数につきまして、高校での標準的な単語数というのを1,300から1,800語に増加をさせ、中学校、高校合わせて3,000語を学べるようにしたという改訂を行うとともに、2つ目の丸にありますように、授業は英語で指導することを基本ということを明示いたしておりまして、授業の中で英語に触れる機会を増やしたり、授業自体の中で英語によるコミュニケーション活動が行われるようにということで、授業は英語で指導することを基本というふうに明示したわけでございます。
 また、その次でございますが、職業に関する教科・科目につきましても、職業人としての規範意識や倫理観や地域産業を担う人材の育成といった観点からの充実を図るほか、一番最後、重要事項ということで、体育、食育、安全教育、あるいは環境や消費者に関する教育、情報モラルの教育など、充実を図ったところでございますし、部活動につきましても意義や留意点を明示するといった改訂を行ってございます。
 高等学校につきましてはおおむね以上でございまして、1枚おめくりいただいて、先ほどの時数表の次をおめくりいただきますと、特別支援学校の学習指導要領の改訂のポイントについて一枚紙を入れておりますので、こちらをごらんいただきたいと思います。
 高等学校とあわせまして、特別支援学校の学習指導要領も改訂をしておるわけでございますが、改訂の基本的な考え方というのは上の3つの枠囲みで書いていますように、基本的には幼稚園、小学校、中学校、高等学校の改訂に準じた改善を図るということになってございます。さらに、特別支援学校でございますので、障害の重度・重複化、多様化に対応し、一人一人に応じた指導を一層充実するといったこと、それから、自立と社会参加を推進するため、職業教育などを充実を図るということを基本的な考え方として改訂を行ってございます。
 主な改善事項といたしましては、その下に4つほどポイントを挙げてございますが、障害の重度・重複化、多様化への対応ということや、一人一人に応じた指導の充実、また、自立と社会参加に向けた職業教育の充実、そして一番下にございますように、交流及び共同学習の推進といった点を中心に改善を図ったところでございます。
 以上が特別支援学校の指導要領の関係でございまして、その次にスケジュールの概要というのを入れてございます。スケジュールの概要につきましては、もう1枚おめくりいただきますと矢印のような横の表がございますので、こちらをごらんいただきながらご説明をさせていただきたいと思います。
 新学習指導要領の実施スケジュールということで、矢印の表を入れてございますけれども、幼稚園、小学校、中学校につきましては昨年の3月に告示をいたしまして、1年間周知徹底を図りまして、幼稚園につきましては21年度、明日からでございますが、全面実施が始まるということになってございます。
 また、小学校と中学校に関しましては、21年度、明日から総則などの基本的な部分と、算数と理科につきまして先行実施が始まるということになってございます。算数や理科は積み重ねて学習をしていくことが重要だということもございまして、全面実施の前から、来年度、実際には明日からでございますが、算数と理科については一部前倒して先行実施をするという形になってございます。
 一番下が高等学校でございますけれども、告示を去る3月9日にしたところでございますので、来年度1年間周知徹底を図らせていただきまして、22年度から総則などの基本的な部分につきましては先行実施をさせていただくということにしてございます。
 なお、数学と理科につきましては、中学校のほうで21年、22年、23年ということで、来年度から入学する方は3年間新しい内容を学んできますので、23年に中学校を卒業する方が24年から学ぶことができるように、高等学校も数学と理科に関しては24年から前倒しをして実施するということにしてございます。
 全面実施は、高校に関しましては25年ということで、小学校、中学校、高校の全面実施はそれぞれ平成23年、24年、25年と1年ずつずれておりますが、これは教科書検定などを行う作業の都合があるということで、こうした形になっておるわけでございます。
 おおむね今回の指導要領の改訂の概要と実施スケジュールにつきましては以上でございますが、このことにつきまして、資料7-3ということで、3月9日付で高等学校の学習指導要領の改訂につきまして、先ほど申し上げたような内容を通知をしておるところでございます。今回の特色といたしましては、最初のところの通知は先ほど申し上げたような内容が入っておるわけですけれども、その資料の後ろから2枚目をごらんいただきますと別添4という通知がございますので、ちょっとそちらをごらんいただきたいと思います。
 別添4ということで、一番最初の紙のところは教育委員会などへの通知というふうになっておりましたが、この別添4の通知のほうは、各国立大学ですとか入試センターのほうに高等学校の指導要領の改訂内容を通知したというものになってございます。
 通知をした内容といたしましては、通知の次のページの上のほう、(1)のところにございますように、先ほどもありましたが、観察・実験やレポートなどの作成、論述などの知識・技能を活用する学習活動を充実をして、思考力や判断力、表現力なども育成するということを今回の高等学校の指導要領では充実しているんですよということを申し上げたり、(3)のところでは、中央教育審議会の答申をいただいた中にも、入学者選抜の改善について、基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに、思考力・判断力・表現力についてもバランスよく問うようにしてください、そのことが大学教育の改善にとっても重要なんですということをご指摘いただいておりましたので、こうしたところをご紹介しながら各大学及び入試センターのほうにも通知をしたということになってございます。
 ちょっと長くなりましたが、今回の改訂及びスケジュールの概要は以上でございます。

【梶田分科会長】

 ありがとうございました。今のようなことで、非常にかいつまんでポイントだけご説明いただきました。そういうことで、新しい指導要領、今、皆さんのお手元の資料7-1の最後の紙ですね、こういうスケジュールでこれから実施していくということになっております。
 この実施を円滑な形でやっていくために、昨年1月17日の答申の中でも、1つは、教材をはじめとして、教育諸条件を整備しなきゃいけないんじゃないかということがうたわれております。そのことと、それからもう1つ、今回の指導要領は内容も変更があったといいますか、難しいものも入ってきておりましたし、同時に性格づけが最低基準ということになりまして、学校で指導要領は最低基準として、プラスアルファを子どもたちの実態に応じて、あるいは学校の考え方に応じてプラスアルファをやるようになりました。そして同時に時間の扱いも、これは設置者と相談の上という場合が多いと思いますけれども、プラスアルファの時間もとれるということがそれぞれ総則にもうたわれております。あるいは高校の場合だとそれにプラスして、今まで書かれていなかった補習、なかなか高校に行くまでに十分な基礎的なことがやれていないものは、高校の授業として補習もやるという、私はこれも画期的な話だろうと思っております。
 そういう内容についても、扱いについても変更がありましたので、これもずっと、教育課程部会でこれをどういうふうに現場でおわかりいただくか、あるいは保護者や社会におわかりいただくかという周知の仕方、PR、パブリック・リレーションズの仕方についてもずっと出てまいりました。
 ということで、もうちょっと今度は教材をはじめとする条件整備の問題と、それから周知徹底といいますか、PR、パブリック・リレーションズの仕方ということで、今事務局でどういうことを準備しておられるかということを、少しご説明をお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 それでは、条件整備の話と周知・広報活動につきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 まず、条件整備につきましては資料8-1から8-4までの関係でご説明をさせていただきたいと思います。資料8-1をごらんいただきますと、新学習指導要領の円滑な実施に向けた支援策ということで資料を入れてございます。平成21年度の予算全体の額が右肩のほうに書いてございますけれども、209億ということで、昨年度の関係予算から見ますと倍増するような形で今回の円滑な実施を支援するということに、予算上もなってございます。
 具体的な中身に関しましては、(1)にございますように、指導体制の整備に約58億程度ということで、中身といたしましては退職教員などの外部人材を活用いたしまして、新指導要領の先行実施で先ほど申し上げたように、理数の教科などが授業が増えるということもございますので、退職教員とかを配置できるように、1万4,000人程度分で予算措置をしたということでございます。
 また(2)では、今度は教材面、物の面でございますけれども、教材の整備ということで約20億程度を積んでございます。この中には、1つ目の丸にございますように、理科教育等設備整備費補助ということで、従来からある補助の仕組みでございますけれども、金額を大幅に増やしまして、少額設備、小さい設備などにも補助ができるようにした形で金額を増額してございます。
 また、理科に限らずそのほかの教材ということになりますと、基本的には地方交付税で措置をされるという形になってございまして、その地方交付税について、2つ目の丸にございますように、新学習指導要領の円滑な実施のための教材整備緊急3カ年計画というのをつくりまして、通常の国の予算とは別途、21年度分といたしましては816億、3年間の合計といたしまして2,459億の地方交付税措置をするという対応をしてございます。
 大きく(1)が人的な面、(2)が教材面でございますが、そのほか(3)のほうでは道徳教育の充実ということで、1つ目の丸にありますような道徳教育用の教材、読み物資料に対する財政支援を試行するといった事業を新たに立ち上げたし、あるいは「心のノート」の活用事業ということで、新しい指導要領の趣旨を踏まえた「心のノート」の改訂といったものを行ってございます。これは後ろのほうにも別の資料がございますので、そちらのほうでご説明をさしあげます。
 また(4)体験活動の充実ですとか、(5)では算数・数学、理科教育の充実ということで、これも別の資料でもご説明しますが、移行期間中の補助教材、教科書に新しく追加して指導しなければいけない部分については、現在の教科書には載っておりませんので、その部分を補う補助教材というのを作成いたしまして配布をするといった必要な予算を計上してございます。
 そのほか、2枚目にまいりますと、(6)外国語教育の充実ということで、こちらでは小学校の外国語活動が導入されるということで、英語ノートとか、それに準拠しました音声教材、あるいは教師用の指導資料といったものをお配りできるように必要な予算を組んでございます。
 それから(7)のほうでは、中学校武道の必修化に向けた条件整備ということで、新しい指導要領のほうで武道が必修化されますので、それに必要な条件整備を行っております。
 また(8)では情報モラル教育の推進、(9)では環境教育の充実、(10)では安全教育・食育の推進といったことで、それぞれ所要の予算を計上しておるということになってございます。
 この中でも触れましたけれども、資料8-2以下で主な教材について簡単にご説明をさせていただきたいと思います。資料8-2が、理数補助教材の作成・配布についてということでございますので、このペーパーの資料もございますし、机上のほうには補助教材の実際の冊子もお手元近くに置かせていただいておるかと思いますが、それらをごらんいただきながらお聞きいただければと思います。
 理数の補助教材につきましては、目的といたしましては、先ほど申し上げましたように、移行期間中から新しい指導内容を先行して実施するということにしておりますので、現在使われている教科書にはそうした新しい内容というのが含まれていないものですから、それを補って指導ができるようにということで、国の予算で補助教材を作成したということになってございます。
 実際に作成した手法といたしましては、2のところにございますように、各教科書会社がさまざまでございますので、教科書会社ごとに、自分のところの教科書に準拠した形で補助教材の作成を委託したという形になってございます。その結果、お手元にある冊子をごらんいただきますと、目次のところで、今の教科書のうちどの部分にこの補助教材を追加して指導するのかといったことがわかるような目次にした上で、これと教科書両方を合わせて使いながら指導をするといった形での補助教材を国の予算で準備をし、教科書会社におつくりいただいて、対象のすべての児童生徒にお配りをするということを行ってございます。実際につくった学年ですとか体裁などにつきましては、そちらの資料とお手元に配らせていただいております実際の冊子などをご確認いただければと思います。
 もう1点、資料8-3のほうでは「心のノート」の改訂について資料をご用意してございます。これにつきましても、新しい「心のノート」というのを机上のほうには配付させていただいておりますので、こちらのほうもごらんいただければと思います。
 この「心のノート」でございますけれども、道徳教育の充実を図るという観点から、児童生徒用の冊子ということで、一番最初にお配りをしたのは13年度に文科省のほうで作成をいたしまして、すべての小・中学生に配布をするというふうにしてきたものでございます。
 今回、2ポツのところにございますように、新しい指導要領が明日、来年度から先行実施される。特に道徳教育につきましては先行実施をされるということになってございますので、この「心のノート」につきましても、協力者会議でご検討をいただいた上で新しい内容を盛り込んだ改訂版というのを作成して配布するということになってございます。
 この改訂版、お手元に実物もございますけれども、主な改訂の内容というのを2枚目に書いてございまして、1つ目には指導要領における道徳の内容項目の改善を踏まえたものということで、小学校低学年であれば「働くことのよさを感じて、みんなのために働く」といった内容を盛り込む改善もしてございますし、大きな2つ目の固まりとしましては、各学年段階の重点などを踏まえて改訂をするということで、小学校低学年であればあいさつなどの基本的な生活習慣ですとか、小学校の中学年であれば集団や社会の決まりを守るといった内容を新たに盛り込んでございますので、時間の都合でちょっと全部は申し上げませんが、各ページもありますので、後ほどまたごらんをいただければと思ってございます。
 それからもう1つ、資料8-4のほうでは英語ノート1・2を作成・配布ということもさせていただいておるというご紹介でございます。こちらにつきましても、実際の冊子を机上のほうには配付させていただいております。英語ノート1・2というのがございますので、こちらもあわせてごらんをいただければと思います。
 この英語ノートでございますが、小学校の外国語活動につきましては、外国語活動が教科という位置づけにはなっていないということもございまして、教科書というのは存在しないわけでございますが、外国語活動における水準の確保といった趣旨から、文部科学省のほうで、指導要領に沿った内容の共通教材ということで作成したものでございます。
 お手元には英語ノートの1と2しか置いておりませんけれども、2ポツに丸が2つ書いてございますが、これに出てまいります英語の歌ですとか会話といったものを収録したCDですとかデジタル教材、パソコンのソフトでございまして、プロジェクターなどで映せば、クリックすれば音声などが出たり絵が動いたりするというデジタル教材も準備をしたりしてございます。
 また、教師用の指導資料といったものも準備をいたしまして、これを用いれば指導要領の趣旨に沿った外国語活動が取り組みやすいという共通教材を準備しておるという、こうしたものを通じて条件整備面のサポートをしておるということでございます。
 以上が条件整備面でございますが、もう1点、資料9に沿いまして、周知・広報活動につきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 資料9をごらんいただきますと、資料9のつくりといたしましては、1枚目に今後の周知・広報活動が書かれてございまして、2枚目以降でこれまでに行った周知・広報活動というのを書かせていただいてございます。
 2枚目のほうからちょっとご説明をさせていただきますと、これまでの小・中学校の指導要領の周知活動ということで、文部科学省のほうで中央説明会を全国3カ所で行ったり、あるいは各都道府県ごとの地方説明会に文部科学省からも職員を派遣するなどいたしまして、内容あるいは趣旨の周知に努めてきたところでございます。
 そうした説明会のほか、丸2にございますように、各教員のほうに学習指導要領の冊子を、デザインを見やすくするなどして配布をしてございます。従来は各教員が独自に購入するということであったわけですが、周知・広報活動の一環ということで、すべての教員に無料で学習指導要領自体を配布するということも行ってございます。
 また、丸3にございますように、指導要領の中身、記述の意味や解釈などを詳細に説明いたしました「解説」につきましても、昨年の6月から7月にかけて出版をしてございます。
 それから先行実施に向けた取り組みといたしましては、丸4のところにございますように、「先行実施準備チェックリスト」というものを校長会と連名で作成しておりまして、それは、1枚おめくりいただきますと実際のものが、小学校のものと、もう1枚おめくりいただくと中学校のものということで、実際にチェックリストの形で先行実施に向けた注意点などを喚起して、円滑に移行期間に移行できるようにということでチェックリスクを作成し配布をするといった取り組みもしてございます。
 また、丸5のところ、保護者向け広報ということに関しましては、保護者向けのパンフレットというものもおつくりをいたしましてお配りしておりますし、明日からでございますが、来年度からということに関しましては保護者向けにビラをつくりまして、これも周知をしてございます。これも先ほどのチェックリストの後ろにカラーのビラを、これはカラーコピーでございますけれども、21年の先行実施の内容といったものを、時数ですとか、先ほどの算数・数学、理科の補助教材や英語ノートの話も含めまして保護者のほうにも周知を図るということを行ってございます。
 これまでこうした取り組みを行ってきたわけでございますけれども、資料9の1枚目をごらんいただきますと、今後の活動ということも書かせていただいてございます。基本的には、丸1の説明会の部分は、小・中学校につきましては昨年手厚くやっておりますので、11月にまた開催させていただくということにしてございますし、3月に改訂いたしました高等学校につきましては、小・中学校と同様、夏、7月ごろには中央説明会、その後、各都道府県ごとの地方説明会といった形で周知を十分に図っていきたいと考えてございます。
 また、大きな丸2の冊子の配布ですとか「解説」の発行といったことは小・中学校と同様に、高等学校などにつきましても実施をしていきたいと考えてございます。
 私のほうから、条件整備と周知に関しましては以上でございます。

【梶田分科会長】

 ありがとうございました。今ご説明いただきましたように、いろいろな形で準備が進んでおります。といっても、もう明日から幼・小・中はやらなきゃいけないということになっております。
 この、今の条件整備と周知・広報につきまして、皆さんにご質問、ご意見をいただきますが、ちょっとその前に、今日は現場から何人か先生が出ておられますので、まず壷内先生に中学校あたりの受けとめ方を、全国的にどうだろうかと、ちょっとお話がありましたらお願いいたします。

【壷内委員】

 全日中の壷内でございます。今回日本の新しい教育がスタートするという認識のもとで、文部科学省の皆さんがほんとに大変なる周知徹底を含めてご尽力いただいていること、とても感謝しております。
 学校現場としても、やはり移行措置期間、小学校が平成23年、中学校は平成24年、幼稚園はもう明日から、それから高等学校は25年からということで、特に中学校におきましては、移行措置期間が十分に3年間あるという認識でおりまして、万全な体制のもと、全国理事会等でも私どもは図っております。
 今回は、教員の達成度といいますか、文部科学省と一緒になりながら、チェックリスト表を簡潔につくりながら、2月の段階で各都道府県等に流させていただきました。それからすぐ各学校へということで全国至るところ、おそらく学校で2月の段階で周知徹底を図っているものというお答えもいただいております。
 条件整備につきまして、特に人的な措置につきましては、やはりいろんな、骨太の方針とか、あるいは行革推進法等の壁がありますが、まだまだこれから我々も努力しますし、皆様方のお力添えをいただきながら、少子化の中の日本の新しい教育ということでぜひご協力願えればと考えております。ありがとうございました。

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。
 それでは戸谷先生、高等学校の受けとめ方につきまして、いかがでしょう。

【戸谷委員】

 高等学校は、1つは共通性と多様性のバランスということで、今高大接続のことが話題になっておりますけれども、1つの転換期になるのかなと思っております。高等学校も24年から先行実施ということですけれども、小・中が先に先行実施になっておりますので、中学と高校の教育課程についての連携も図っていかなければいけないと思っております。今後とも、全体的な教育体系の中で高等学校教育をどうするのかという、この学習指導要領の改訂を機に、高等学校も全体的な底上げという形で頑張っていかなければいけないと思っております。以上でございます。

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。
 それでは中川先生、私学のほうの受けとめ方につきまして一言お願いします。

【中川委員】

 ご承知のように、私立学校というのは千差万別でありまして、考え方が全く違う学校がたくさんあるわけです。そういった中で、1つの意見をまとめていくというのは大変難しい要素を持っています。今、私どもでは全国の学校から最終的な意見の聴取とそのまとめをやっております。これらにつきましては、まとまり次第、文科省さんのほうにお出ししますが、その中に少しでもいい意見があれば反映させていただきたいと思っております。

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。
 今日は全連小の池田先生がご欠席なので、小学校の状況は伺えませんが、皆さんの中で、今文科省のご説明がありましたけれども、これについていろんな受けとめ方もあると思いますし、あるいはこういうところで少し確認しておきたいということもあるかと思います。そういうことでご質問でも、ご意見でも結構ですので、自由に、あまり長くは時間がとれませんけれども、皆さんのほうからお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

【隂山委員】

 2件お話ししたいと思います。1件目は、そうはいいましても難しい内容が含まれてくるところに変わってくるということになります。これまでどちらかというと、比較的簡単といいますか、基礎的なところに絞っていたところから応用にということで、なおかつそれも最低基準であるというようなことになってきますので、具体的に言えば、私はこれは混乱して当たり前だと思っているんですね。ところが、こと教育のこと、子どものこととなってきますと、一般社会も保護者の方々も混乱はあってはならないという考え方が強く出て、ともすると、やはり冷静な対応というのができなくなってくるのではないかという不安があります。ですから、やはり今後起きてくるさまざまな混乱については、今日は梶田先生のほうから適宜起きてきたことについては機敏に対応するというお話がありましたけれども、まさしくそのとおりで、例えば指導要領の修正すべき混乱なのか、あるいは克服すべき混乱なのかということをきちんと見分けながら、時間をかけて実施していくという観点が必要かなと思います。これが1点。
 それからもう一つ、私が気になっておりますのは、実は解説書の話なんです。いろいろと教育課程部会でも議論をしてきたんですけれども、解説書を見ますとこういう方法はいいとか悪いとかいうことが絵をかかれて、それ自体に基本的には異論がないんですけれども、過度に極解したりとか、指導主事さんによっては厳密にそこのところを解釈することによって、こういうことはよくないのだみたいにとられる記述があるのかやや気になるんです。
 今回の指導要領というのは、単なる履修主義ではなくて、やはりきちんと定着をさせる、つまり結果が重要なんだよというところも大きな変更点だったと思うんですね。むしろそのために多様な実践、今までになかったような新しい提案、こういうものがもっともっと出てくるべきであろうと思うんですけれども、それよりも要らぬ老婆心ながらということで、非常に規制のかかるような文言が入っているのが若干は私が気になるところです。
 ここで個々に具体的な例を言いますと解説書の批判をやるみたいなことになってきますので、それは控えますけれども、ちょっとご検討いただきたいなと思います。そして、その趣旨を生かしていただいて、とにかくきちんと国民、保護者が期待している内容に答えが出る指導要領なんだということが、説明会でもきちんと周知されますようにお願いをしたいと思います。

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。2点ありましたが、混乱というべきものか、多様な動きが同時に出てきているということなのか、あれですが、おっしゃるように、修正、何か手を打つべき動きと、それから克服すべき動きがあると思います。これから、そういういろんな状況において、皆さんで議論をしていって、やるべきことはやっていきたいと思います。
 それからもう1つ、解説書は拘束力がないわけですけれども、実質、心理的には大きな影響を持ちます。ただ率直にいいますが、10年前、20年前とは非常に違う形で入念に事務局のほうで今回準備していただき、中のすり合わせもしていただきました。ただ、もちろんまだパーフェクトということではないところがあると思いますので、これも皆さんのほうでお気づきの点があればまた出していただくというふうにしていきたいと思います。
 何かほかに、あとお一人か2人。渡久山先生、角田先生、それで次の話に、申しわけありません、まいります。

【渡久山委員】

 今、説明がありましたように、新学習指導要領のときの審議では、これだけの主要科目が、授業が増えるわけですので、それに対してやっぱり条件整備がきちっとしてなくちゃこれは実施できないだろうということも含めて議論があったわけですけれども、ここでも今説明がありましたように、指導体制の整備というので若干の改善がありますけれども、それだけでいいだろうかという気がいたしますものですから、今定数法の改正なんかどこかに吹っ飛んじゃって話にもならないんですけど、本格的に40人学級でいいのかということを真剣に考えていかなければ、日本の子どもたちの学力というもののほんとに抜本的な改善にはならないような気がしてならないんです。ですから、現場ではそういう受けとめ方が非常に大きいわけなので、定数の改善をお願いしたいなと思います。
 また教材費の関係なんですが、先ほど説明もありましたけれども、地方交付税していくんですけれども、措置率が非常に悪いんです。だから一番悪いところで3割しか使っていない。国から100%来ても30%ぐらいしかないということで、東京あたりはまだ100%以上つけているんですけれども、各県によっては100%に近いところは3県ぐらいしかないです。あとは全部悪いんです。ですから、そういう面ではせっかくの教材費をつけても、やはり今地方の財政困難の中で、悪く言えば教材費がピンはねされているわけです。そういうことであっては、特に理科、数学なんかの学習指導要領の充実には至らない部分もあるというような感じがいたしますので、今後とも定数や、あるいは今の教材費なんかについて確実に現場で措置されるようなことがあるように努力していただければと思います。以上です。

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。非常に重要なところをご指摘いただきました。これは教育課程部会でこれまでずっと、今の渡久山先生がおっしゃった線で頑張ってきているわけですけれども、なかなかまだというところがあります。これからもこの点は、今の定数法の問題、それから教材費が地方交付で措置されても、これは一般財源なものですから、なかなか現場に届かんわけです。というような問題をどうするかということはこれからまた考えていかなきゃいけないと思います。
 じゃ、角田先生、お願いいたします。

【角田委員】

 今、条件整備のことにつきましては、渡久山委員のほうからお話がございましたけれども、そうはいいながらも文科省さんのほうで大変頑張っていただいて、人的なもの、あるいは物的なことについての準備を相当力を入れてやっていただいたということで、全国の状況を必ずしもつまびらかに把握しているわけではありませんけれども、いい方向に向かっているのではないか。特に小学校では、こういう指導要領の告示があると同時に非常に先生方が熱心に、今来年度、つまり明日からのことについて研究をし、うまくスムーズにいくように努力をしているところです。
 ただ、今回教材がなかなか手元に届くのが遅かったということがあって、年度初め、トラブルといいましょうか、その辺のところがうまくいけるのかなということが若干心配ではありますけれども、よく努力をしていただいたなということに感謝をしております。
 ただ1つ心配なことは、やっぱり小学校の英語をどういうふうにやるのかといったようなことが、これはもう既に各都道府県では英語についてはプログラムを組んで行っているわけですが、新たに英語ノートが配布されて、この英語ノートをどういう形で導入していくのか、英語ノートができたことによってノートに頼り過ぎてしまうと、今までのそれぞれの学校やそれぞれの県で行ってきた独自性といったようなものがなくなってくるというところがあったりしますので、この辺の使用、あくまでもこれは副教材といいましょうか、副読本ですから、これが教科書と同じように準拠というものではないと思いながらも、この辺のところの扱いについてはまた徹底をいただきながら、なおかつ中学校との接続、中学校は24年から本格実施になるわけでございますので、英語は比較的ほかの教科の理数に比べると、英語教育の英語の先生方がわりとのんびりと構えている向きがあるような感じがいたします。この辺をそれぞれの地区の小・中学校の連携という視点からもっと充実していく必要があるだろうと思いながら、またそれぞれの都道府県、あるいは文部科学省からも小・中連携ということについてご指導をいただければありがたいと思います。
 最後にもう一つは、総合の時間がどういうふうになるのかという問題です。活用ということが教科の中で入り込んで、かなり総合の時間が減ったことの、その分を補うものがあろうかと思いながらも、今までやっていた総合とどういうふうに変えていったらいいのかといったことも現場としては大きな課題なんだろうと思っておりますので、この辺は少々移行の段階で混乱はあろうかと思いますけれども、しかし、小学校の先生方の努力をさらに高めながら、うまくいけるようにしてまいりたいと思っています。
 以上です。ありがとうございました。

【梶田分科会長】

 ありがとうございました。小学校英語はほんとに明日以降からの様子を見ながら、これはほんとに考えていかないと、大規模にやるわけですから。
 それともう一つ、総合は探求ということで非常に今回はうたわれているわけですけれども、この探求が実を持つためにどういう活動をしていかなきゃいけないのか、これはほんとに大きな課題だろうと思います。
 まだこれまでの経過、それから条件整備、周知・広報につきましてはいろいろとご意見があるかと思いますが、もう一つ、少し皆さんで今日のうちに意見交換をしておきたいという点があります。それは何かというと評価の問題であります。学習評価、指導要領というのは内容の基準なわけです。しかし、それが子どもたちにどういう力をつけなきゃいけないのか、どういう結果が子ども一人一人の上に生じなきゃいけないのかということをどういう視点からどういうやり方で見てとって、どう生かすかということをこれまでも教育課程部会で随分議論してまいりました。実は去年1月17日の答申の中にもそのことが出ております。
 もう一つ、学習評価にかかわりましては、いつものことですけれども、指導要領が変わりますと指導要録の一部様式の変更を毎回やってまいります、様式とか記入法とか。評価の考え方をどういうふうにそこに入れていくかということがございます。そのあたりのことにつきまして、今日は皆さんに、次の大きな課題になると思いまして、ご意見をいただきたいと思うんですが、この辺につきまして、まず事務局のほうからご説明をいただきまして、皆さんのご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【神山教育課程企画室長】

 それでは学習評価のあり方につきまして、これまでの変遷ですとか、その基本的な公簿になります指導要録につきまして、資料10-1から10-4といった資料があるかと思いますので、これに沿ってご説明をさせていただきたいと思います。
 まず資料10-1でございますけれども、先ほど部会長のほうからお話がございましたけれども、従来学習指導要領の改訂というのが、資料10-1の左側にございますようにおおむね10年ごとになされてきたわけでございます。その改訂がなされるごとに、例えば左の欄の一番下をごらんいただきますと、現行の学習指導要領というのは平成14年度から実施をされておるわけですが、その1年ぐらい前に指導要録を改善して、13年2月には通知をしておるということになってございます。
 その1つ前の元年のときにも、学習指導要領の実施自体は平成4年からでございますが、指導要録の通知というのを1年前ぐらいにするとしておりますので、今回小学校は平成23年からの実施でございますので、おおむねその1年前ぐらいに間に合うような形で中教審でご議論をいただいて、指導要録の改善を行わせていただければと考えてございます。
 この1枚目の資料は流れになっておるんですが、その前におそらく今の現状がどうなっているかをごらんいただいたほうがわかりやすいかと思いますので、資料10-3をごらんいただきまして、今の指導要録がどんな形になっているのかを簡単にごらんいただければと思います。
 この指導要録でございますけれども、基本的に学年ごとの学習の記録などをつけていくものになってございまして、成績などをつけておく正式な公簿となってございます。文部科学省のほうでは、一番上に指導要録(参考様式)となっていますが、こうした参考様式を中教審でご議論いただいた方向を踏まえて各都道府県にお示しし、そちらのほうで実際には具体の様式を決めるという形になってございます。さらに、いわゆる保護者などに行く通知表などは文部科学省から様式などを示してはおりませんけれども、これからご説明をする指導要録の考え方に沿った形で通常通知表などもつくられていくということになってございます。
 実際の指導要録の具体のイメージでございますけれども、1枚目をごらんいただきますと、これは小学校のものになってございます。小学校の1枚目には学籍の記録というのが最初にございまして、児童の名前ですとか保護者の名前、あるいは入学や転学、卒業などの記録を書いていくという形になってございます。
 続きまして、1枚おめくりいただきますと、様式2というのがありまして、こちらが指導に関する記録になってございます。指導に関する記録は左側のほうに各教科が並んでございますけれども、各教科ごとに観点別の学習状況というのが書いてございまして、国語であれば国語への関心・意欲・態度はどうか、話す・聞く能力はどうか、書く能力はどうかといった形で、それぞれの観点ごとに1、2、3、4、5、6と書いていますが、各学年ごとの観点別の記録をここに記入して、1学年で1つずつつけていくという形になってございます。
 この欄の観点別の学習状況につきましてはA、B、Cの3段階で、後ほどご説明をする、このぐらいを身につけさせようという目標があるわけですが、評価基準と申しますが、それに照らしまして、十分満足だという場合にはAをつけ、またおおむね満足という場合にはBを、そして努力を要するという場合にはCをつけるといった形で、まず観点別の学習状況というのを各教科、それぞれ5観点、あるいは4観点という形でつけてまいります。
 この観点別の状況の下のほうにまいりますと、ローマ数字の2、評定というのがございまして、こちらで国語、社会、算数、理科、音楽、図画工作等並んでございますけれども、いわゆる各教科の総合的、総括的な評価をつけるということになっていまして、小学校では3、4、5、6と書いていますが、1、2年生では評定というのはつけないことになっていまして、3年から6年生では3、2、1の3段階で評定をつけるという形になってございます。ですので、通常通知表などで国語が3とか2とかいうのは、この評定の部分を言っておるということになってございます。もちろん通知表の中には観点別のものも出ておりますけれども、教科ごとの総括という意味ではこの評定が総括になってございます。
 それから同じ紙の右上のほうにまいりますと、外国語活動の記録というのがございまして、今年の4月から外国語活動も実施できることにはなっていますが、教科という位置づけではないということですので、先ほどのような3、2、1といった評定をつけるということはいたしませんで、具体に取り組んだ学習活動ですとか、評価の際の観点というのを書いた上で、記述式で評価をするというのを参考様式としてご提示をしてございます。
 同様に総合的な学習の時間の記録というのがそのすぐ下にございますけれども、こちらも評定をつける、3、2、1をつけるということではなくて、具体的な学習活動を記入し、各観点も各学校で記入した上で評価を記述式で書いていくという形になってございます。
 この指導に関する記録の各教科の学習の記録の左側、観点別の状況ですとか、あるいは評定につきましては、先ほどA、B、C、あるいは3、2、1でつけると申し上げましたけれども、あくまで評価基準という目標がございまして、それを達成できているかどうかということで決めると。目標に準拠した評価という言い方をしたり、いわゆる絶対評価という言い方をしたりしてございます。いわゆる絶対評価というのは、相対評価に対するものでございますけれども、Aをつけるのは上位何%までといった相対的な位置づけでつけるということではなくて、現行では観点別のものも、それから評定のほうもいわゆる絶対評価、目標を決めて、それに達成をしていれば全体の割合にとらわれずにつけるという評価のあり方になってございます。
 同じペーパーの右下のほうに特別活動の記録ということと、行動の記録というのがございますが、これらにつきましては、それぞれの内容、あるいは項目の、特に十分満足できる部分には丸をつけるというやり方で評価を行っていく形になってございます。
 以上が個別の教科ですとか、特別活動、総合的な学習の時間などの評価でございますが、その次のページには大きな空欄がございまして、総合所見及び指導上参考となる諸事項というのを書く欄がございます。いわゆる総合所見でございますので、ここには特に書いておくこと、児童生徒の調書ですとか、最初できなかったことができるようになるといった個人の中の伸びなどについて評価をしていくというのがこの部分になってございます。
 以上が小学校の基本的な要録の仕組みでございまして、その次に中学校の要録も書いてございますけれども、基本的な構成、1枚目が学籍に関すること、2枚目が指導に関することという仕組みは同様でございます。また、指導に関する記録、各教科のほうも観点別のものがあって、その下に評定があるというつくりは基本的には同じでございますが、中学校では評定の部分は5から1までと5段階の評価をすることになってございます。また、現行では選択教科ということで、各学校が教科を選んで設定できるということで、右側のほうでは教科名なども入っていない空欄もあるというつくりになってございます。その次のページに総合所見などがあるというのも基本的には同様のつくりになってございます。
 その次のページから高等学校が始まってございます。1枚目が学籍の記録というのは同様でございます。その次の高等学校の2枚目のページには各教科・科目の修得単位数、高校は単位制でございますので、単位制を書く欄がございます。
 またその次の様式2、指導に関する記録という部分では、先ほどは各教科ごとに関心・意欲ですとか、思考力などといった観点別のものがございましたけれども、高等学校では観点別はございませんで、評定に関するもの、それから修得単位数をつけるということになってございます。ただ、評定をつける際にもパーセントなどに基づく相対評価ではなくて、目標に準拠して評をつけていくという点については、基本的には同様の考え方になっておるということでございます。
 その後ろは、さらに通信制ですとか特別支援学校なども入っておりますが、時間の都合で、要録につきましてはご説明は以上とさせていただきたいと思います。
 観点別の評価を行っていく際に評価基準を使うと申し上げましたけれども、それが資料10-4でございます。資料10-4は参考資料ということで国立教育政策研究所のほうから出しておるものですけれども、すべての教科は部数が多くなってしまいますので、小学校の理科についてご参考に載せてございます。
 これをごらんいただきますと、一番最初、第1の下の1のところで教科目標というのがございまして、指導要領の目標を掲げた上で、2のところで小学校理科では4つの観点というのを並べてございます。
 1つ目が自然事象への関心・意欲・態度ということで、自然に親しみ、意欲をもって自然の事物・現象を調べる活動を行い、自然を愛するとともに生活に生かそうとするという観点から評価をするんだというものを示してございます。また、2つ目が科学的な思考ということで、自然現象から問題を見いだし、見通しをもって事象を比較したり、関係付けたり、条件に着目したり、多面的に追究したりして調べることによって得られた結果を考察して、自然事象を科学的にとらえ、問題を解決するといった科学的な思考に関する観点とその趣旨が示されてございます。同様に観察・実験の技能・表現ですとか、自然事象についての知識・理解ということで4つの観点が示されてございます。
 先ほど国語もちょっとごらんいただいて、国語は別の分け方でございましたが、多くの教科でこのように、理科と同様に関心・意欲・態度といったものと思考や判断といった固まり、それから技能や表現という固まりと、知識・技能という固まり、こうした4つの固まりで観点を示すというのが、他の教科、それぞれ若干の特色はございますけれども、おおむねこうした観点を示してございます。
 これは小学校理科の全体の評価の観点でございますけれども、この評価の観点をさらに具体化していきまして、1ページ目の下のところから、各学年の観点というのをそれぞれ4つの観点ごとに評価基準をお示ししてございますし、2ページ以降では各学年の中のさらに内容のまとまり、生物的な分野ですとか、物質とエネルギーの分野といった分野ごとに中身をお示ししていくという形になっておりまして、こうしたものを参考にしながら、3年生の生物の分野ではこの基準に照らして満足できるかどうかといった視点から評価を行うという仕組みになってございます。
 こうした仕組みに現行ではなっておるわけですけれども、今までの変遷をご紹介申し上げますと、資料10-1のほうにお戻りいただきたいと思います。資料10-1がこれまでの変遷になってなっておりまして、一番下の欄が現行、今ご紹介を申し上げました仕組みでございます。先ほどごらんいただきましたように、観点別の学習状況というのを目標に照らして実現状況を評価することで、何%はAとかいうことではなくて、目標を実現できているか否かということで評価をする、目標に準拠した評価、いわゆる絶対評価を行うということになってございます。また、評定につきましても、目標に照らして、その実現状況を総括的に評価するということで、いわゆる相対評価ではなくて、絶対評価で行ってくださいということになってございます。
 そのほか、右側の総合所見もあるということで、児童のすぐれている点や長所とかを書いたり、あるいは必要であれば相対的な位置づけに関することも書くことができる、総合的な所見という欄があるのは現行、今ごらんいただいたとおりでございます。
 ただ、これは1つ前の、平成元年の改訂のときに改善を図った指導要録では、観点別の学習状況につきましては、基本的には現行と同様でございますけれども、青くなっておりますが、評定のところをごらんいただきますと、「学習指導要領に定める目標に照らして、学級又は学年における位置づけを評価」ということで、学級や学年における、いわば相対的な位置づけを評価するということで、1つ前の指導要録の中ではいわゆる相対評価というのを行うことになってございました。そこが現行の指導要録で絶対評価に変わったという点が大きな変更点だったわけでございます。
 ただ、平成元年のときも、単純な相対評価ということではございませんで、評定の欄の2つ目のポツに書いていますように、各段階ごとに一定の比率を定めて機械的に割り振ることはないようにしてくださいねということで、上位7%と言われたから、ほとんど、1点しか違わないんだけれども分けるということではなくて、その辺は絶対評価を加味して、実際にどの程度できているのかということを加味してやるということで、絶対評価を加味した相対評価という言い方もしておりますが、あまり機械的なパーセントだけでやるということではない。ただベースは相対的な位置づけによる評価をやっておったということでございます。
 それが平成元年のときでございますが、その前、昭和53年のころは評定のほうが先にございまして、絶対評価を加味した相対評価というのは基本的に元年と同じでございますが、評定が先にあって、その後に観点別の学習状況があったという構成になってございます。
 さらにその前、昭和43年のころになりますと、観点別というのはございませんで、所見の中で2つ目のポツにあるように観点について評価をするといった形になっておったという流れになってございます。
 こうした流れをお踏まえいただきながら、ご議論をいただくということでございますが、資料10-2をごらんいただきますと、既にご議論いただきました中教審の昨年1月の答申の中で、改善につきまして若干触れておりますので、この資料10-2をごらんいただきたいと思います。
 資料10-2でございますが、最初の丸にございますように、先ほどもご説明しましたが、現行の指導要領の実施と同時に、各教科の評定を相対評価からいわゆる絶対評価というものに転換をしたということでございまして、それに伴って指導要録の様式も改めたり、あるいは目標に準拠して、到達しているかどうかを確認するために必要な評価基準の参考資料を作成したということが書かれてございます。
 2つ目の丸は、そうした現状における課題が幾つか書いてございまして、1単位時間の中で、観点が4つ示されていることもあって、すべてを評価しようとすると指導よりも評価のほうに手間がかかるといった事態が生じたり、あるいは関心・意欲・態度などは本来指導した結果として関心・意欲などが高まっているかどうかが重要であるんですけれども、授業の冒頭で進んで取り組んでいるかをまずチェックして、チェックが終わった後に授業を始めるといった、いわば評価のための評価になっている例も見受けられるんではないかというご指摘もいただいてございます。
 また、先ほど申し上げたように評価の仕方が変わったことで、教師が各観点などを踏まえて日ごろから児童・生徒をよく見るようになったというメリットも挙げられておりますけれども、評価が複雑になって余裕がなくなったといったとらえ方をされている現場の先生方も多いという指摘をいただいておりますので、その点について改善を図る必要があろうということでございます。
 2枚目にまいりますけれども、そうした課題を踏まえまして、昨年1月の答申では指導と評価の一体化により、いわば評価をしたことを指導に役立てていくためには、学校や教師が指導の説明責任を果たすということだけではなくて、実際指導して、評価をして、その評価の説明ができればよいということだけではなくて、評価したことを指導に生かして、指導の結果の責任というのを果たせるようにすることが大事だというご指摘をいただいてございます。それを踏まえまして、先ほど申し上げた評価の観点ですとか、評価の考え方ですとか、評定の考え方、あるいは評価基準の考え方といったものにつきまして、一層簡素で効率的な評価ができるような枠組みをご議論いただくことが大事だというご指摘をいただいておるのが現状でございます。
 私のほうからは以上でございます。

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。皆さんご存じのように、指導要録というのは、どの学校にも備えんといかんことになっていて、これは学籍の記録もありますけれども、同時に指導の記録やら、子どもがどういう力をつけたかという一人一人の子どもの様子も書くことになっております。指導要領を変えたら、これも場合によっては少し吟味し直して、新しいものを様式として出すということになっています。
 これを国として出しますと、これは参考案なんですけれども、ほとんどどの都道府県、どこの市町村でも、大体これで学校に備える指導要録ができます。それに基づいて、各学校ではほぼこれを参考にして通知表とか連絡簿と言われるものができます。そういうことになってきまして、今もご説明の中にありましたけれども、今度は授業の仕方とかにまで影響してしまうという、たかが1つの帳簿のつくり方みたいなものなんですけれども、実は現場での子どもとのかかわり方、あるいは子どもの見方というのが非常に大きく影響を受けてしまうということがありまして、これははやはり慎重に慎重に考えてやらなきゃいけないなということであります。
 皆さんのご意見を伺う前に1つお諮りしたいんですが、新しい指導要録の様式とか記入法だとか等々は今言ったようにいろんなことに影響をしますので、これを何とか本年中をめどにここで教育課程部会として報告の取りまとめをしたいと思うんです。しかし、全体でやるとこれだけに集中してかなりやらなきゃいけませんので、ワーキングをつくりまして、ワーキングで検討していただいて、この教育課程部会にご報告いただいて、またここで議論をしながらワーキングにおろすというやり方をしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

                            (「異議なし」の声あり)

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。それでは、できるだけ早くワーキングを発足させて、今の要録のあり方を1つの手がかりとしながら学習評価のあり方全般についてご検討いただくことにいたします。ワーキングの具体的なあり方で、どなたにお願いするかというようなこととか、いつから始めて何回ぐらいやってということにつきましては、申しわけありませんが、事務局とご相談の上で進めさせていただきたいと思いますので、その辺はよろしくお願いしたいと思います。
 そういうことでワーキンググループを発足させますが、このワーキンググループに親部会としてのいろんなご意見を反映していきたいと思いますので、今日も時間はあまりありませんけれども、皆さん、これだけはというようなことがあればぜひお願いしたい。
 じゃ、佐々木先生。

【佐々木委員】

 ちょっと先に退席させていただかなくちゃいけないものですから一言だけ。
 今お話があったように、評価の指導要録というものの中身と、それから情報のバランスと、使われる言葉と、それから紙の上でのレイアウト、どこの位置にあるかとか、どっちが上にあるかとか、右なのか左なのか、意外とそういうところが、人が指導していったり、書いていったり、あるいは保護者がそれを受けとったときに、何を大切に重きを置いて見るのかということに影響すると思うので、ぜひ生きる力を総合的に伸ばすということでの改革なわけですから、今拝見させていただいたようなものだと、どうしても国語、社会、算数、理科というのが中心に来ていて、例えば思いやり・協力というのは右の下のほうに小さく書いてあって、それはマル・バツで済むというようなことになると、今まで言ってきたことと紙の上での情報バランスやバリューの置き方が違っているかと思いますので、ぜひそんな観点でも見ていただけたらいいなと思っております。以上です。

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
 じゃ、市川先生。

【市川委員】

 今、梶田先生もおっしゃられたように、指導要録というのが直接子どもにフィードバックされるわけではないですけれども、実際には子どもを見るときの先生にとっての大きな枠組みになるということと、通知表がこれをもとにつくられることが多いので、やはり間接的には子どもにフィードバックされるというような形で影響が大きいのだろうと思います。
 ワーキンググループができたときにぜひお願いしたいのですが、今の観点別ができたときにも、最初はいろいろな批判がありました。こういうのは適切なのだろうかと。しかし、なれてきて、随分学校の先生方はこれでいいと、この評価の仕方が評価されているのか、これはやっぱり使いにくいので何とか改善してほしいというようなことがどれぐらい挙がっているのか、これは何か調査データとかがあるのでしたら、ぜひそれをもとに現行の評価仕方がどう評価されているかを踏まえていただければと思いました。
 その上で、これはほんとに私の1つの意見なんですけれども、指導要録の4観点というのは私はちょこちょこいじるのはよくないとは思いつつ、今回1つの枠組みとして習得・活用・探求ということを随分打ち出しました。もし少し変更すると、この枠組みが使えるかもしれないという気持ちもしています。
 私は大学ですけれども、私たちが学生を評価するときにも、1つは習得ということで、基礎基本としての知識・技能がどれぐらいしっかり身についているか、これはとにかく習ったことをどれぐらいちゃんと理解しているかです。それから、次に活用として習ったことをどれぐらい積極的に生かそう、既習を生かして、また新しいところに活用する、応用する力があるかということと、さらに例えば卒論などはかなり総合に近いわけですが、創意工夫、新しい創造的なことを自分で考えようとする、これはまさに探求にも当たると思います。各教科の中でも子どもたちにとっても探求があるでしょうし、総合でもあると思いますが、習ったこと以上に自分で何か新しいことを考えようとするか、この3つというのは私たちが学生を見るときにも結構使っている枠組みですし、子どもたちに対してもこれが当てはまるかもしれない。プラス、もう1つはモチベーションです。どれぐらい意欲的に取り組んでいるかどうかということ。ですから、もし今度の指導要領の枠組みを踏まえて指導要録も変更を多少するとすれば、そういうことがあり得るのではないかなと思いました。以上です。

【梶田分科会長】

 ありがとうございました。要録そのものの全国調査はないとは思いますが、通知表につきましては大体10年に1回ぐらい抽出して、どういう通知表ができていて、どの辺がどうのこうのというのがありますので、場合によってはワーキングに、あるいはまた事務局でちょっと調べてもらいまして、この部会のほうにも資料として概要だけでも出していただきたいと思います。
 じゃ、天笠先生。

【天笠委員】

 せんだって明らかにされた教職員の勤務実態調査等々のデータからしますと、さまざまな形で残業の時間が伸びたりですとか、そういう中には成績処理にかかわる事務というんでしょうか、そういうものも位置づいてまして、改めて教職の全体的な活動の中で評価にかかわる時間のとり方ですとか、手続等々がどれほど全体としてバランスのとれたものであるのか、妥当であるものかという観点から、簡素で効率的な学習評価の実施ということもぜひご検討いただきいたなという1つであります。
 これまでを振り返ってみますと、やはりいかに精緻に、的確にということを含めて、評価のあり方というのを追求してきた経過があるんじゃないかと思うんですけれども、改めてそれが教職の、あるいは教育活動全体のバランスの中でどれほどその部分が妥当なのかどうなのかという観点の検討もぜひ必要なんじゃないか。要するに、この評価のこの部分だけが切りとられて、そこで最適だという形にとどまらずに、教育活動の中でどうかという観点における評価のあり方ということについてもぜひご検討いただきたいなと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。
 じゃ、隂山先生。

【隂山委員】

 天笠先生の意見はほんとにそのとおりだと思います。聞いてほっとしました。
 ついでにもう1つ、そのこともひっくるめまして、電子化の問題です。今、全部手書きでやっているものですから非常に時間がかかるんです。特に小学校の6年生ぐらいになりますと、今度は抄本にして中学校に送らなければいけないということで、すべてが一時期に集中しますので、電子化がもし可能であれば、そのこともご検討いただきたいと思います。

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。今日はもう1つ報告をいただかなければいけない。あとお一人ぐらいでと思います。
 無藤先生、お願いします。

【無藤委員】

 要録自体でもないんですけれども、中教審答申の抜粋がありましたけれど、その後半にもありますが、基本的には履修主義的な発想とか、PDCAサイクルをつくるということで見ますと、要録なり、評価なりというものをどうやって学習指導の中に生かしていくかということをもっと何らかの形で押し出していく必要があると思います。それは狭い意味での要録の様式の決定よりもう少し広いので、教育課程部会なんでしょうか、どこでその辺をぜひご議論いただきたいと思います。

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。それもちょっと念頭に置いて、ワーキングでも、あるいはこの部会でもと思っております。
 では、申しわけありません。今日はもう1つ非常に大事なご報告がございます。それをご報告していただきたいと思います。高等学校の全日制・定時制課程における不登校生徒に対して、通信教育的な手法を用いたりする、単位認定ということで、新しい仕組みをスタートさせようということでありますので、佐藤室長のほうからお願いいたします。

【佐藤教育制度改革室長】

 失礼いたします。それではお時間の関係で、非常に簡単ではございますがご説明をさせていただきます。
 資料11、1枚紙でございますけれども、今分科会長のほうからお話がございました、高等学校の全日制、それから定時制課程における不登校生徒に対する通信の方法を用いた教育による単位認定ということで、本件につきましては、特区における取り組みが既に平成16年度からスタートしてございまして、今回特区における取り組みが一定成果が上がったということで、全国的に取り組めるように手当てをするということでございまして、既にこの方針につきましては、昨年4月の閣議決定の中で決まっていることでございますので、ご報告をさせていただければと存じます。
 まず、背景でございますけれども、学習意欲があるにもかかわらず高等学校に登校できない生徒ができる限り不登校状態を解消いたしまして、原級留置でございますとか、転学、中途退学といったことにつながることなく、高校を卒業できるようにすることを目的としてございます。
 それから、平成16年度から特区における取り組みをしてございますけれども、全日制と定時制課程において、通信制の教育方法、例えば添削指導でございますとか、多様なメディア、例えばラジオ放送やテレビ放送を通じた指導方法など、通信制課程における教育課程の特例に準じた教育課程を編成することを可能とする。高校の場合、卒業に必要な単位数は74単位以上でございますけれども、そのうち36単位、約半分でございますが、これを上限として単位認定ができるというスキームでございます。
 具体的には18年度からお取り組みをいただいて、特に不登校の解消ということで成果が上がってきているとご報告を受けておりますので、19年度末の特区における評価におきまして、不登校状態の解消の面において効果が期待できることから、全国化すべきであるというご指摘をいただき、平成20年度中に全国化するよう、昨年4月に閣議決定されているところでございます。
 そこにございますとおり、根拠規定としましては、現在の学校教育法施行規則の86条に不登校等対応の場合の特別な教育課程を編成し、教育を実施できる旨の規定が既にございます。こういった規定を根拠規定として使うことを予定してございます。
 実際に実施の手続、プロセスでございますが、下のほうをご参照いただければと思いますけれども、下半分でございます。実際には学校を設置しております教育委員会でございますとか、学校法人、それから国立大学法人、こういったところが申請書と実施計画書をご提出いただきまして、その中で文科省において内容などをチェックいたしまして、当該学校を指定するということでございます。場合によっては必要に応じ、文科省への報告を求めたり、実地調査といったものを行いながら運用していくということでございます。
 特に実施に当たっての留意事項ということでございますけれども、通信の方法を用いた教育を実施するための学校側の体制の整備、例えば必要な教職員の確保等について十分かどうか、それから教育委員会などのバックアップ体制、サポート体制といったものがどういう状況か、実際に具体的な指導計画の作成というのがどうなっているかといったこと、特に生徒へのサポート体制等がどうなっているか、こういった点についても充分確認をしながら運用していきたいと思ってございます。
 簡単でございますが、以上でございます。

【梶田分科会長】

 ありがとうございます。小・中につきましては、いろんな形で不登校の子どもに対する対応策が練られてきておるわけですけれども、高校は義務教育ではないものですから、まだまだ課題が残っていたということで、今回こういう形でやりますというご報告であります。
 本日予定されていたことは以上であります。これまでの指導要領改訂の経緯、そしてそれをこれからどう実施していくかということの準備状況、これを皆さんで再確認をしていただいて、次回以降のこの部会での議論の、いわば土台づくりをするということが今日の大きな課題だったと思っております。ということで、実はせっかくご出席いただいた先生方にもご発言いただけなかった面がございますが、できるだけ次回からは全員ご発言いただいて、今日は時間がありませんでほんとに申しわけありませんでしたけれども、次回からはいろいろとご発言いただきまして、皆さんでこの問題を前進させていただきたいと思います。指導要領を中心として、教育内容、方法等々の問題を前進させていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次回以降のことについて、事務局のほうからお願いいたします。

【佐藤教育制度改革室長】

 失礼いたします。そうしましたら、次回の初中分科会、それから教育課程部会の日程につきましては、分科会長、部会長とご相談をさせていただきまして、改めてご連絡を別途させていただければと存じます。
 本日はありがとうございました。以上です。

【梶田分科会長】

 ありがとうございました。
 それではこれで本日の初等中等教育分科会・教育課程部会の合同会議を終了させていただきたいと思います。
 皆さん、ほんとにご苦労さまでした。ありがとうございました。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2613)

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