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初等中等教育分科会(第58回) 議事録

1.日時

平成20年1月17日(木曜日) 13時30分~14時30分

2.場所

学術総合センター 2階 「中会議場」

3.議題

  1. 「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(答申)(案)について
  2. 「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について」(答申)報告
  3. 平成20年度予算案について
  4. その他

4.出席者

委員

 梶田分科会長、田村副分科会長、木村副分科会長、梅田委員、衛藤委員、郷委員、角田委員、中村委員、平野委員、天笠委員、市川委員、井上委員、大南委員、甲田委員、高倉委員、寺崎委員、渡久山委員、北條委員、無藤委員

文部科学省

 鳥居文部科学省顧問、金森初等中等教育局長、合田総括審議官、石野スポーツ・青少年総括官、常盤初等中等教育企画課長、高橋教育課程課長、田河幼児教育課長、大木教職員課長、牛尾視学官、淵上教育制度改革室長、合田教育課程企画室長、他

5.議事録

【梶田分科会長】
 それでは、時間になりましたので、ただいまより第58回初等中等教育分科会を開会いたします。
 まず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【淵上教育制度改革室長】
 本日の配付資料は議事次第にあるとおりでございますけれども、資料1といたしまして、第4期の初等中等教育分科会の委員の先生方の名簿。
 資料2といたしまして、学習指導要領等の改善についての答申案でございます。
 資料3-1といたしまして、「平成19年度課程認定申請大学等数について」という資料でございます。
 資料3-2といたしまして、「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について(答申)」。
 資料4-1といたしまして、「平成20年度予算額(案)主要事項」。
 資料4-2といたしまして、「平成20年度予算額(案)主要事項【説明資料】」でございます。
 最後に参考資料として、「大学の教職課程の認定制度について」でございます。
 以上でございます。資料の不足等ございましたらお申しつけください。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 本日の議事に入りたいと思いますが、今の配付資料、あるいは本日の議事次第でもおわかりいただいていると思いますけれども、本日、一番大きいのは、学習指導要領の答申案をこの分科会でご了承いただくことであります。
 あともう一つ、教員養成部会で、「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について」。いわゆる大学で教職課程を置くことができる、これの認可です。これは教員養成部会で、もうそういう答申をしたわけですけれども、これの報告をさせていただきます。
 それから今、20年度予算案ということがありましたけれども、今回の学習指導要領の改訂につきましては、教育諸条件の整備というのが、ある意味でセットになっているわけです。先生方に頑張っていただかないとどうにもならないということで、文科省に随分ご苦労いただきまして、関係のいろいろな予算、教員の増員も含めて、20年度予算の政府案の中に入れていただいております。それについてご説明いただくという、今日は3つの点につきまして皆さんにお諮りし、いろいろとご意見をいただいてというふうに思っております。
 それでは最初に、まず学習指導要領のほうになりますが、これは11月7日、教育課程部会において「審議のまとめ」を決定・公表し、同日、本分科会にも報告をいたしました。そして、関係各方面から広くご意見をいただいて、教育課程部会で、それらを踏まえた審議を重ね、先日、クリスマスの日に、教育課程部会として、こういうことでいってはという答申案を取りまとめました。
 この間に若干の修正箇所もございますので、そういうことをあわせまして、合田教育課程企画室長からご説明をお願いしたいと思います。お願いいたします。

【合田教育課程企画室長】
 ただいま分科会長からお話がございましたように、学習指導要領全体の見直しにつきましては、昨年11月7日に教育課程部会で「審議のまとめ」をお取りまとめいただいたところでございます。その後、42の関係団体からのヒアリングを行うとともに、1カ月間の意見募集に1,140件のご意見をお寄せいただき、これらも踏まえながらご審議を重ねていただいたところでございます。
 その結果、お手元の資料2のとおりの答申案を、昨年12月25日の教育課程部会でお取りまとめいただいたところでございます。本答申案は、「審議のまとめ」の、現行学習指導要領の「生きる力」をはぐくむという理念は、知識基盤社会と言われる現在、ますます重要になっているとの認識、また、その理念を実現するための具体的な手立てを確立することを目指すという観点から、子どもたちの現状や課題の背景、原因等を分析し、教育課程上の具体策をご提言いただくという基本的な構造は、全く変わってございません。
 初等中等教育分科会の先生方におかれましては、「審議のまとめ」につきまして、11月7日及び12月7日の2度にわたりご審議を賜り、その際、このようなアウトラインにつきましては、ご説明を申し上げ、ご議論賜ったところでございますので、本日は、これらのご審議を踏まえた「審議のまとめ」から答申案に至る主な修正点をご紹介申し上げたいと思っております。
 資料2の5ページをお目通しいただければと存じます。一番下の○でございます。前回の改訂時の教育課程審議会の答申と同様に、「教育課程部会は引き続き中央教育審議会に常設し、審議を重ねることが適当」であるという記述を追加いたしておりますが、その際、特に一番下の○の冒頭で、「中央教育審議会としては、新しい学習指導要領等が指導体制の確立や教科書の充実といった教育条件の整備等を伴って、円滑かつ確実に実施されるように注視する必要がある。」という点を強調いただいております。
 次に、1枚おめくりいただきまして、7ページの一番下の○の一番最後の段落で、12月19日には中央教育審議会の総会に「審議のまとめ」をご報告し、ご審議をいただいたところでございますが、その中で、地道に教育活動を担っている教師に向けた励ましのメッセージが必要といったご意見がございました。このため、「我が国の学校、教師、子どもたちがもっている大きな力をより一層十分に発揮できるようにする」ために今回の改訂を行うんだという趣旨を明確にいただいたところでございます。
 次に、13ページをお目通しいただければと存じます。12ページから(子どもたちの学力と学習状況)ということで、子どもたちの学力と学習状況の分析において、昨年12月4日に公表され、12月7日の本分科会にもご報告いたしました、PISAの2006年調査の結果を踏まえた記述を追加いたしているところでございます。
 具体的には13ページの一番上の文章の2段落目と申しましょうか、「平成18年(2006年度)に実施された」という文章がありますけれども、その文章。それから、次の14ページの上から2つ目の○の第2段落で、「この点については」という文章がございますけれども、学習意欲、学習習慣等について、PISAの結果を踏まえて記述いたしております。特に、14ページのこの段落の下の段落に、「他方」という文章がありますが、直近の調査である19年4月の全国学力・学習状況調査では、学習時間や読書時間が増えているなどの改善の傾向が見受けられ、この傾向を維持し、確かな学力の一層の定着や向上にどう結実させるかが今後の検討課題であるという現状認識を追加していただいたところでございます。
 次に、17ページに「(2)学習指導要領の理念を実現するための具体的な手立て」というところがございます。17ページの一番下の○で、ヒアリングでのご意見やご審議の中で、「生きる力」が共有されなかった背景をもう少し深掘りして議論すべきではないかというご指摘がございました。こういったご議論、ご指摘を踏まえまして、17ページの一番下の○の2行目で、こういった「生きる力」が共有されなかった背景として、「文部科学省(旧文部省)による趣旨の周知・徹底が必ずしも十分ではなかった」といった記述を追加いただいたところでございます。
 次に、飛びまして恐縮でございますが、37ページをお目通しいただければと思っております。37ページは各学校段階ごとの各論で、中学校の授業時数に関しまして、37ページの上から3つ目の○にございますように、「審議のまとめ」では、中学校の選択教科について、二、三年時において総合的な学習の時間の一部を充て得ることとすることについて引き続き検討するということになっておりましたが、中学校においても、総合的な学習の時間の時数を確保する必要があること、また、教育課程を可能な限りシンプルにするといった観点から、37ページの3つ目の○の「なお、選択教科については、標準授業時数の枠外で各学校において開設し得ることとすることが適当である。」という文章をお取りまとめいただいたところでございます。
 同様に、「審議のまとめ」におきまして、引き続き検討することになっておりましたもう一つの課題として、道徳教育がございます。飛んでいただいて恐縮でございますが、58ページをお目通しいただければと思っております。「(4)道徳教育の充実」というのがございますが、具体的には60ページをお目通しいただければと思っております。道徳教育についての修正点でございますが、60ページの1つ目の○にございますように、道徳教育における体験活動の重要性ということで、例えば自らを振り返るといった点で重要であるという趣旨を追加してございます。
 また、60ページの2つ目の○にありますように、「学校での道徳教育に地域の人材も参加するなど学校と家庭や地域社会が共に取り組む体制や実践活動の充実」といったように、道徳教育における学校と学校外の連携協力の重要性が指摘がなされ、その旨、記述を追加しております。このような観点から、60ページの上から2つ目の○の一番最後の文章にございますように、「社会全体で、子どもたちの生活習慣の確立、規範意識の醸成、道徳的価値観の形成などを推進していくための具体的な諸方策については、今後、別途検討を深めていく必要がある。」といった記述を追加いたしてございます。
 また、60ページの一番下の○で、道徳の時間の教育課程上の位置づけにつきましては、この教育課程部会、あるいは専門部会だけではなくて、関係団体からのヒアリング、あるいは国民からお寄せいただいたご意見でもさまざまなご意見があったところでございます。それらを踏まえまして、61ページの一番上の段落で、実際の指導に大きな役割を果たす教材の充実が重要であるという観点から、「例えば、道徳の時間において、一人一人の子どもたちが、学習指導要領の趣旨を踏まえた適切な教材を教科書に準じたものとして十分に活用するような支援策を講ずることが考えられる。」。また、少し飛びまして、「道徳教育の充実・強化の観点から、これらの多様な教材を認めつつ、その内容や活用方策の一層の充実を図ることが重要である。」といった記述を追加いたしております。
 このほか、一つ一つのご紹介は申し上げませんが、審議の深まりを踏まえまして、例えばこれまで外国語活動には(仮称)をつけておりましたけれども、(仮称)をとるなどの表現上の整理を行っております。
 大変飛びまして恐縮でございますが、141ページをお目通しいただければと存じます。条件整備の関連の部分でございますけれども、141ページの「(3)効果的・効率的な指導のための諸方策」につきまして、ご審議の中で、教師を支援する教育センターの役割が重要というご指摘があったところでございます。141ページの下から2つ目の○の後半部分で、「特に、教育センターは、教員研修の実施などのほか、カリキュラムの開発や先導的な研究の実施、教師が必要とする図書や資料等のレファレンスや提供などを行うことにより、教師の創意工夫を支援することが求められる。」という記述を追加いたしております。
 同時に、同じような観点から、次の142ページの上から3つ目の○の一番最後に、2つ目の「なお」という文章がありますが、同様の観点から、教員養成大学・学部の果たすべき役割の重要性ということについても記述を追加いたしております。
 また、144ページの下から2つ目の○にございますように、Plan、Do、Check、ActionというPDCAサイクルの議論の流れの中で、カリキュラムマネジメントの確立の重要性ということ。それから、145ページの上から1つ目の○の「また」という文章がございますけれども、「生きる力」の理念の共有をはじめ、文部科学省や教育委員会等が情報提供すること自体が極めて重要な条件整備であるという観点、ご議論を答申案の中に追加いただいているところでございます。
 最後、147ページで、特に企業や大学等との連携につきまして、147ページの下から2つ目の○でございます。まず、企業につきましては、147ページの下から2つ目の○の「また」というところがございますけれども、「企業等の社会的責任が重視される中で、学校教育活動への協力・参加に企業等がより組織的に取組むことやこれらの取組が円滑に学校に受け入れられるための教育委員会等の仕組みの充実」ということが、ご議論の中で指摘され、記述を追加いたしております。また、大学につきましては、148ページの上から3行目に、「このような観点から」という文章がございますが、例えば入試の改善の一つの方向性として、「高校生の科学や作文などについての各種の賞の受賞歴を評価すること」、あるいは148ページの下から3行目にありますように、それらも含めた「学習歴の適切な評価」によって学力の水準を確保するといったことが、重ねて議論がなされたところであり、そういった記述を追加いたしているところでございます。
 「審議のまとめ」の段階から答申案に至る主な変更点は以上でございます。教育課程部会におきまして、昨年末にお取りまとめいただきました答申案について、以上、ご説明申し上げました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 皆さんのいろいろなご意見をいただきまして、この初中分科会のメンバーの方々、あるいは教育課程部会のメンバーの方々、随分いろいろなご意見をいただきまして、また国民の多くの皆様からもいろいろなご意見をいただきました。これを教育課程部会を中心にずっと集約してきまして、教育課程部会としては、今、ご説明いただいたような形で答申してどうだろうかということになったわけであります。
 そういうことでありますので、できればこの分科会としてこの答申案をご了承いただいて、その上で皆さんに、これを生かすにはどうしたらいいか、あるいはどういうことに留意、配慮してやっていかないとまずいことになるぞというようなことも含めて、ご意見をいただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
 そういう方向でよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 それでは、今、合田教育課程企画室長にご説明いただいた「審議のまとめ」からの修正点を含め、本答申案をこの分科会でご了承いただいたことにいたします。そして、その上で、これからのことについて皆さんにご意見をいただきますが、今日、この後総会が予定されております。この総会で、今、ご了承いただいた答申案につきまして説明をさせていただくと同時に、これから皆さんのほうで出していただく、これからの持っていき方についても、必要ならば一緒に報告をしたいなと考えております。
 そういうことで、皆さんのほうから忌憚のないご意見、あるいはこれからのことにつきましての注文をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 寺崎先生。

【寺崎委員】
 ありがとうございます。
 小学校の現場にいた者として、繰り返し繰り返しお願いしてきたことについて、改めて今後に向けて2点お願いしたいと思っています。
 1つは、時数が増加されて、内容の充実等が図られるわけですけれども、特に答申の趣旨である、いわゆる習得とか活用に十分に時間をかけるということが実際にできるように、学習指導要領の改訂に当たっては内容面を慎重に検討いただきたい。いろいろな内容が復活しているという話を伺っていますが、そのことによって、結果的に時数の増加イコール内容の増加になってしまったんでは何にもならないわけですので、増やすに当たっても、その辺、学習指導要領の内容を十分に精選していただきたい、これが1点です。
 もう1点は、これまでも繰り返し申し上げてまいりましたけれども、いろいろな点で、さまざまな条件整備をこの中で書き込んでいただいていることに対して大変心強く思っておりますが、現実にならなければ意味がありません。そういう意味で、教育振興基本計画のほうも、かなり具体化しているように思いますので、これらと連動していただいて、この会で繰り返し出ているように、ぜひ学校、教師が子どもとじっくり向き合える時間が確保できるような方向で具体化していただくようにお願いしたいと、この2点を改めてお願いしておきます。よろしくお願いします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 北條先生、そして天笠先生、それから角田先生、お願いします。

【北條委員】
 恐れ入ります。
 16ページのところで、教育基本法第10条を引いて、教育の第一義的な責任は家庭にあるということを、冒頭に近いところでお示しいただき、このことが全体にかかっているというトーンであることは、大変ありがたいことだと存じます。また、幼稚園に関しましては、教育課程の枠組み自体は維持するということで、大変手際よくまとめていただきました。
 71ページ以降に、改善の具体的事項というところがございます。その中で、73ページでございますが、子育ての支援と預かり保育の充実に関しまして、「家庭との緊密な連携を図り、保護者が幼稚園と共に幼児を育てるという意識が高まるよう、情報交換に努めること」という文言を入れていただきまして、先ほど16ページのところであった趣旨が貫かれていることを感謝、御礼を申し上げたいと思います。
 念のため、去る17年1月の答申におきましては、親の育児を単に肩代わりするのではないという表現があります。その観点を今後とも堅持することが大変重要だと思います。とりわけ、この問題は今後、幼稚園だけではなくて、小学校のいわゆる学童保育とか、放課後児童健全育成事業というところで大変関係が出てまいりますので、ぜひともしっかりとした方向を貫いていただきたいと存じます。どうもありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 天笠先生。

【天笠委員】
 2点申し上げたいんですけれども、まず1点目は、今後の本格実施に至るまでのスケジュールについて、公にされているものをはっきりとさせることが、現場に無用な不安とか戸惑いを起こさせないための大切な点かなと思います。何か諸説があって、いつが本格実施で、いつが移行措置期間なのかということについて、推測による話と、あるいは公にされている話が混在するような形になっている現状があるかと思いますので、ここをはっきりと、しかも早いうちに明示することが大切なところかなと思いますので、どうぞよろしく。また、もし現時点でもうわかっていること、あるいは伝えることがあったら、後ほどでも結構ですけれども、ご示唆いただければというのが1点です。
 もう1つは、これから学習指導要領とあわせて解説書というものが作成されていくわけですけれども、そのあたりの作成の工夫というんでしょうか、あるいはいわゆる伝達講習というんでしょうか、趣旨徹底のための講習会等々が開かれるわけですが、これまでの、かつてのいろいろな歴史的なことを踏まえた上で、非常に開発的に現場の発想とか問題意識を触発していくような情報の伝え方というのが大切なんじゃないかと思います。どちらかというと、これまでは伝えるというふうに主眼が置かれ、一方的にということだったと思いますので、さまざまな反省を踏まえた上で、より開発的な情報の伝え方をぜひご検討いただければと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 今の段階で、まだ決まっていない部分もあると思いますけれども、少しこれからの完全実施のことまで、この場でお伝えできることがあればお願いしたいと思います。

【合田教育課程企画室長】
 本来でありますと、本日、答申をいただいて、私ども改訂作業に入ってまいるということでございますので、その過程で具体的なスケジュールをお示しすることになろうかと思いますけれども、これまでも私どもの大臣が閣議後の会見等でご説明申し上げ、それから、私ども文部科学省のホームページでもお伝え申し上げているのは、年度内に改訂させていただくとすると、これまでの教科書の作成等のスケジュールから申しますと、小学校で完全に教科書が出そろって実施されるのが平成23年度からと予定されるということでございます。
 ただし、これまでと同様に1年間の周知期間、あるいは準備をおきまして、平成21年度から移行措置ということで、今回、先ほど寺崎先生からご指摘がございましたけれども、極力選んで、内容を増加する改訂でございますので、そういったものをにらみながら、移行措置期間中にどのような指導を行っていくのか、これは学習指導要領の中身が見定まった段階で整理して、お示しさせていただきたいと思っております。
 それから、情報提供でございますけれども、今、お認めいただいた答申案の中にもございますように、情報提供が大変重要な基盤であると私どもも認識いたしております。学習指導要領の書き方、それから解説の書き方も、わかりやすく直接な表現を工夫するとともに、いわゆる趣旨の徹底という場合におきましても、例えば天笠先生からお話をいただきましたように、単に伝えるというだけではなくて、双方向のやりとりの中で理解を深めるという観点から、取組を工夫、充実させていただきたいと思っておりますし、また、その点においては、本分科会の先生方にもぜひご指導、ご支援、ご尽力を賜りたいと思っている次第でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 じゃあ、角田先生、お願いいたします。

【角田委員】
 ありがとうございます。
 2つ。1つは条件整備の問題でございます。この答申の中には条件整備について大変きめ細かく触れていただいて、大変ありがたいなと思いながら、地方に行っていろいろと話を聞いてみますと、やはり財政難というのは非常に大きくのしかかってきている。これは例の三位一体改革の問題以降、地方に交付税が行っているんだけれども、それがきちんと教育に回っていないという部分があるのではないかと思います。
 特にこれから外国語教育、外国語活動が入ってきて、これが顕著にその辺が出てくることだと思うんです。きのうも東北のある地区に行ってきたんですが、外国語のネイティブを2人採用するのがもうやっとである。それは活用の仕方を考えていただかなければいけないとは思いながらも、なかなかお金がとれないために、そういう条件が整えられない。あるいはICTなんかもなかなか難しい。これから3年間かけてとは言いながらも、やっぱり住民としてみれば、すごくよく、早く導入できる財政力の豊かなところと、そうでないところで格差が出てくることに対する不安だとか不信があるわけでございますので、ぜひその答申に書かれている趣旨が実現できるように、きちっと地方交付税が活用されること、これをうまく指導できるのかどうか、この辺はなかなか難しいところだと思いますけれども、国では出したが、それがきちっと現場に届かないということがないようにお願いをしたいというのが1点でございます。
 もう1つは、学習指導要領の表記の問題でございます。現場にとっては学習指導要領が大変大きなウエートを占めて、関心の深いところでございますけれども、1つは、この答申の中の24ページにも「重点指導事項例」ということが書かれております。その提示が考えられるわけですけれども、指導要領の中にこの「重点指導事項例」というのがどういう形で入れ込まれるのか、あるいは解説書のようなところになるのか、この辺のところは、最低基準であるところから、さらにかなり踏み込んだものにするということが出てきたわけですので、それをどういうふうに形にするのか、3月までの非常に短い期間の中で、大変厳しい作業だと思いますけれども、ぜひこれは具体的に現場にわかりやすいような形で表記をしていただきたいということが、学習指導要領の表記の1点目です。
 もう1つ、家庭や地域に対する広報活動といいましょうか、学習指導要領が、家庭や地域の協力がなければ、なかなか学校だけでは実現できないんだと。となると、この学習指導要領についても、それをそのまま家庭に配ることは難しいとは思いますけれども、ぜひその辺の広報活動について、今後、ご検討をいただいて、浸透を図っていただくようお願いしたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。渡久山先生、そして甲田先生。

【渡久山委員】
 どうもありがとうございます。
 1つは、今度の指導要領の理念の問題で、確かな学力に基づいた「生きる力」となっていますが、これは大学でもよく分析されていますけれども、ポスト工業化社会の、知識基盤社会の中で生きていく子どもたちをつくるということですから、それぞれの子どもたちが、人間として成長して、それぞれに「生きる力」が育つようなことをきちっと位置づけていかなくちゃいけないだろうということが、非常に大きな問題だと思います。
 それはそれぞれの教科で、もしもそれが確かめられるとすれば、例えば算数、数学なんかは小学校の2年、3年にずっとおりてきている課題があるわけです。これが問題。先ほどもまた問題になった、小学校の英語の問題です。これなんか、小学校段階で、きちっとそれが確かな力になっていかなければ、これがずっと尾を引いていって、大学、あるいは大学院まで影響しているという状況がありますから、そういう意味では、そこで確かな力がつくような条件整備をきちっとやっていかなくちゃいけないだろうと思います。それにはやっぱり大胆に学級規模を少なくしていく、30人学級に切り込むことを考えていかなくちゃいけないと思います。今度の予算でも、教員の数は増えているけれども、学級規模を縮小するという形にはなっていないんです。だから、その辺を考えていかなくちゃいけないだろうと思うのが1つです。
 もう1つは、小・中学校を通して、体験とか、あるいは実験というのが非常に増えてきましたね。そうすると、それに対して、やはり今の教員だけではとても十分に消化し切れなくなってきますよね。ですから、どうしても、実験のための補助要員とか、あるいは支援のための要員とか、要するに具体的にそういう改善点をきちっとこれからは持っていっていただかなくちゃいけないだろうということが1つであります。ややもすると理念倒れになって、理念ばっかりが先行して具体的な改善の手立て、いわゆる条件が伴わないというのが従来のあり方だったと思いますけれども、今度のこの答申では具体的に出ていますので、それをどう数量化していくかということが今後の課題だと思いますので、そういうことを要望しておきたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 甲田先生。

【甲田委員】
 先ほど天笠委員からもあったんですけれども、私もいろいろ地方を回ったり、いろいろ意見を伺っていると、高等学校はそんなに変わりないんでしょうと。これは主に義務教育の改革といったふうに受けとめている高等学校の方々の声が聞こえてくるんです。今回の改訂というのは、高等学校において国語総合、数学1、コミュニケーション英語1が共通必履修となって、そこだけが言われて、ほかはそんなに変わらないでしょう、みたいな言い方をされるんです。ところがそうじゃないんだと。つまり、高等学校が進学とか就職とか、出口のところで終わるというか、そこで、「ああ、高等学校の役割はこれで終わった」ということではないんだと。むしろそこから、高等学校教育でやったことが、どうその子どもに身につき、活用する力をつけていったのか、そこのところが試されるんだよ、そこが高等学校教育の責任が問われるところなんだよということを、これからこの答申、あるいは学習指導要領の周知を図っていくときに、ぜひぜひ伝えていってもらいたいと思うんです。
 ともすると、やはり学力というと、知識とか、あるいは技術といったものをいいますけれども、より自分自身が新しい学力を身につけ、より新しい技術をどんどん身につけていかなくちゃいけない、そのために思考力、判断力というのがとても欠かせないのだと。それよりも何よりも、学ぶ意欲を常に持ち続けさせる高等学校教育が必要なんだというところを、ぜひとも強調し続けて、高等学校教員の認識を変革していくことに力を注いでいかなくちゃいけないなということを、この答申を読んでいて強く感じますので、関係者みんなで力をあわせてやっていく必要があると思っております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃあ市川先生、そして大南先生。

【市川委員】
 今、甲田先生がおっしゃったことに関連して、私も全く同感なんですが、学習指導要領とか教育課程部会という名前を聞きますと、ついつい、あっ、学校教育の話なんだろう、学校教育のカリキュラムの話なのだろう、くらいにとらえられてしまうと思うんです。今回のこの答申の中でも、教育というもののグローバルデザインのようなものをかなり打ち出されたと思います。我が国の教育全体がどうあるべきかと。その中で、学習指導要領なり教育課程というものを位置づけているという、その全体像を見てほしいということがあります。
 具体的には、今回の指導要領の改訂の作業をずっと続けてきて、まず、教育課程部会の中でも、各教科等ごとの部会だけではなく、学校段階別の、小学校部会、中学校部会、高等学校部会ができました。こういう各教科で完全に縦割りの議論をするんではなくて、それぞれが連携し合って、教科横断的に育てていきたい力とはどういうものかという議論もいたしました。それはある程度反映されていると思います。
 言語力ということを1つとっても、言語力育成の委員会ができましたし、それぞれの教科の中で、子供のコミュニケーション力なりを育てていくという、こういう話が出てきました。探究とか思考力、表現力ということについても、各教科を通じての育成が随分言われてきたと思います。ですから、1つには、これからこれが指導要領として具体化されて、各教科の授業となっていくときに、ぜひ教科横断的に子どもたちを育てていくということが失われないようにしていただきたいというのが1つの要望です。これが各教科のカリキュラムの話になった途端に、何を復活させて何を復活させないのかといった、内容の議論だけになってしまうと、これまでの作成してきた理念が生きないのではないかと思いますから、ぜひそれが具体的に生かされるようにと思います。
 それから、もう1つの連携なんですけれども、家庭とか地域です。教育というのが何も学校だけのものではないというのは当然なんですが、これは行政機関の組織とも関係あると思うんですけれども、家庭、地域、学校というのが、それぞれちょっと担っているところが違っていたりすると、ついつい全然ばらばらに動いているところもあります。こういう答申の中に盛り込まれても、何か社会教育と生涯教育との連携ということが実際に動き出すのかどうかということは、やはり不安としてあります。ぜひそういう部局の組織を超えた連携がほんとうにできて、それは文部科学省が範を示してくださるといいと思うんですけれども、実際に週5日制の趣旨を生かした、地域、家庭と連携して、こういう「生きる力」を育てていくというものが、組織としてうまく動き出すようになっていただければと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃあ、大南先生。

【大南委員】
 ありがとうございます。
 特別支援教育について申し上げます。136、137ページでございますが、特別支援教育は、特定の場だけではなくて、幼稚園、小学校、中学校及び高等学校と、すべての学校において今後行われるということでございます。
 昨年4月1日に、初等中等教育局長通知で「特別支援教育の推進について」ということで、校長の責務ということが、通知の中で理念に続く事項として盛り込まれたわけですけれども、なかなか周知されていないというか、できていない状況だと思います。そしてさらに、昨年12月26日に施行された学校教育法では、81条ですべての学校において教育上、特別な支援を必要とする幼児児童生徒に対して、適切な教育を行うようにという規定が出されたわけですけれども、このこととあわせて、やはり137ページに述べられていることが、ぜひ徹底されるように、特に校長の研修を充実していく必要があるのではないか。校長の研修によって、校長がリーダーシップを発揮して、それぞれの学校のすべての教職員が、障害のある幼児児童生徒についての理解を深めて、適切な教育を進めていくということです。これは137ページにも書いてございますが、幼稚園、小学校、中学校、高等学校だけで、障害のある幼児児童生徒の指導をするということではなくて、特別支援学校、これまでの盲学校、聾学校、養護学校ですが、そこのセンター的機能を活用して、例えば指導計画の作成等に支援を受けて適切な指導を進めるという趣旨がありますので、ぜひそれを周知できるような形をとっていただければと思います。
 どうもありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 いろいろとあるでしょうが、今、非常に大事なご感想、あるいはご意見をいろいろといただきました。この初等中等教育分科会は、これからまだ学習指導要領の趣旨徹底、移行措置の間に何度か開かれると思いますので、また事務局のほうから進行状況なども伺いながら、必要があれば意見を申し上げていくというふうにしていきたいと思います。こういうことで、3年間にわたる長期間の審議を経て、この答申案がまとまりました。3年間のうちの2年間は、木村先生が分科会長として、また部会長としてずっとリーダーシップをとって、この土台づくりをきちっとやっていただきました。
 ということで、木村先生から一言お願いいたします。

【木村副分科会長】
 前回の教育課程部会でいろいろなことを申し上げましたので、特に申し上げることもございませんが、正直申し上げて、はるけくも来つるものかなという感じです。私、平成7年に中央教育審議会の委員になりまして、10年の学習指導要領の改訂に新米委員として関わりましたが、そのころからずっと思っておりましたのは、教育課程というものの趣旨を徹底することがいかに難しいかということです。先ほど合田室長からご説明がございましたが、17ページの(2)の1番目の○に、文科省の努力が足りなかったということが書いてあります。
 少し話がそれますが、私、この中では多分何人もいらっしゃらない、エンジニアです。私どもの世界には、学習指導要領と同様の性格を持つ、標準示方書というものを何年かに一度改訂します。エンジニアは、それがどう改訂されるかということを虎視眈々と見ているので、改訂の案ができたときに、ほぼどういう改訂かというのはわかっています。にもかかわらず、私の専門分野では、マニュアルが改訂されますと、全国で少なくとも1年間に10回ぐらい研修会を行います。ほとんどすべてを理解しているエンジニアを相手に、さらに徹底的に、ここはこうなりましたよということを説明するのです。
 そういうことからしますと、文部科学省の場合には改訂した後の趣旨徹底の仕方が極めて不十分ではないかと思います。エンジニアの場合は学会があって、それがエンジニアに直結していますから問題はないのですが、教育の分野で難しいのは、文部科学省があって、都道府県の教育委員会があって、さらに市町村の教育委員会があって、それから学校があるという非常に複雑な構造になっているのです。その間に、梶田先生が時々おっしゃっていますが、その伝達回路の間に趣旨が曲がってしまって、それが最前線のフロントに伝わってしまうということが、今でも起こっているのではないかと思います。
 そういうことから、文部科学省におかれては、この新しい学習指導要領がどういう趣旨で議論されたのか、どういう趣旨のもとに改訂されたのかということに対して徹底的な啓蒙活動をやっていただきたいと思います。予算も計上される予定であるように聞いておりますけれども、ぜひその点をお願いしたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 私、最後、1年近くお世話役をさせてもらいまして、一言だけ申し上げておきたいと思います。皆さん、ほんとうにありがとうございました。私は今回、ある意味で画期的な指導要領の改訂ができそうだと思っております。3点、ちょっとだけ申し上げます。
 1つは、非常に地道、実直な指導要領、別の言葉で言うと、地道、実直な教育を、これで実現できるんじゃないかと。いつでも指導要領改訂のときは新しいキャッチフレーズが出るんですよ。ですから、私もいろいろな人から「今度の指導要領の新しいキャッチフレーズは何ですか」「いや、昔から『生きる力』です」と言っているんです。新しいものを出して耳目を集めるのも1つの手法でしょうけれども、そうすると、新しいキャッチフレーズの解説と解釈と、そういう何か知らないけれども文学的な議論で終わっちゃって、ほんとうに子どもにどういう力をつけていくかが見えなくなっていく、つまり取組がわからなくなってしまうというのが、これまで随分あったと思います。今回は、いわばオーソドックスな教育ということを地道、実直にいこうということだろうと思っております。
 2番目に、その中身としては、バランス、調和ということが非常にあると思っております。一点豪華主義にしたほうが耳目を集めます。ともかく関心・意欲・態度だけ考えればいいんだとか、いや、ペーパーテストでいい点とればいいんだと、これは耳目を集めるけれども、これでは子どもの成長、発達には駄目です。やはり、ある意味では「あれもこれも」なんです。ですから、今回は、習得、活用、探究という性格の違うものを全部実現しようという、これが有機的に絡み合った形でいこうということになっております。別の言葉で言うと、知識・理解・技能も、それから思考力、問題解決力、あるいは判断力も、それから関心・意欲・態度もと、こう言っております。これが実現していかなければ、私は教育はどうにもならない、一点豪華主義では駄目だと思っております。これが2点目であります。
 3番目は現場主義。今度、十分ではないかもしれませんが、これからお話があります1,000人の先生の増員も実現する、あるいは7,000人の非常勤の先生の増員も実現する。現場主義、基本的には何か大きな旗を振って、だれかがある方向に動かしていけばいいという指導要領改訂ではなくて、一人一人の先生が目の前の子どもに対してどう責任をとっていくかという、こういうまさに地道な目の前の話です。いわばここに最終の着眼点を置いた指導要領改訂をしようとしていると私は思っております。
 この3点で尽くせるかどうは別といたしまして、私が申し上げたことも含めて、今、木村先生からもご指摘がありましたように、ぜひこれが教室の教壇のところに届くときまでに、屈折したり、曲げられたり、拡散したりしないような形で、これからの教育がほんとうに地道な、実直な、そしてほんとうに子どもを育てるものになっていくことを願っております。ということで、私も感想を最後に申し上げさせていただきました。
 それでは、ちょっと話は変わりますけれども、次に教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程認定につきましてという答申が教員養成部会でなされましたので、これにつきまして、大木課長からお願いします。

【大木教職員課長】
 教職員課長でございます。
 昨年10月5日の教員養成部会におきまして文部科学大臣から諮問がなされました、教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定に関する審査結果につきまして、昨年12月25日に教員養成部会の議決をもって答申といたしましたので、ご報告をさせていただきたいと存じます。関係の資料は資料3-1、3-2、一番末尾に参考資料1として一枚紙がついてあろうかと存じますが、その3種類でございます。
 順が逆転いたしますけれども、参考資料1をごらんいただきながらと思っております。そこにございますように、免許状の授与を受けるためには、教育職員免許法の規定によりまして、所要の基礎資格を有し、かつ文部科学大臣が適当と認める大学等の課程において、所要の単位を修得することとなっているわけでございます。文部科学大臣が、大学の課程を適当と認めるに当たっては、中央教育審議会に諮問し、その答申に基づきまして決定をいたすこととなるわけでございます。
 諮問に関する審査は教員養成部会の専決事項とされてございまして、議決後は規定によりこの分科会へ報告することとされているため、今回お時間をいただきまして、報告をさせていただく次第でございます。
 平成19年度の課程認定大学の数でございますけれども、前年度比142減の267大学となってございます。また、認定課程の数でございますけれども、前年度比112増の2,138課程となってございます。いずれも年度ごとの数字でございます。学校種別の傾向でございますが、資料3-1のとおり、小学校につきましては11増、養護教諭10増、栄養教諭が8増、特別支援学校が153の減、中学校が18減、高等学校11減、幼稚園1減となってございます。特別支援学校につきまして、非常に減り方が大きくなってございますけれども、これは、むしろ昨年がちょっと例年と違う傾向にございまして、盲・聾・養護学校を特別支援学校に改めた関係で、免許制度も変更がなされました。それに伴いまして、比較的形式的と言ってもよろしいかもしれませんが、課程認定をやり直すという大学が相次いだものですから、昨年が非常に多く、今年は全体傾向としては例年並みといったところであろうかと思っております。
 これら大学の課程認定の申請に関しましては、教員養成部会のもとに常設する課程認定委員会という組織がございまして、そこで厳正な審査を行った上で、部会として認定可とすることが適当であるという結論に達しました。なお、平成18年7月に中教審でいただきました答申でございますけれども、今後の教員養成、免許制度のあり方についてということで、この教職課程の質的水準の維持・向上ということが強くうたわれているところでございます。今回、認定可といたしました課程も含め、実地視察等による事後チェックを通じまして、教職課程の質的水準の維持・向上を今後とも図っていくことにいたしたいと存じております。
 以上、ご報告させていただきます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 ということで、教員養成部会の専決事項になっておりましたので、もう既に答申はいたしましたが、その上部の組織でありますこの初中分科会に、今のように報告させていただきました。
 なお、ご承知かと思いますけれども、小学校の教員養成の課程等につきまして、三、四年前までは抑制方針ということで、あまり定員を増やさない、あるいは新しい認可をしないという方針でした。しかし、今、50代の先生方が非常に多くて、入れかえの時期であるということで、今、小学校の教員免許を取ってもらう課程の認定も、毎年30、40の、特に私立の大学で認可しております。これが来年、1年後には皆さん卒業してという形になります。国立大学の場合は、一部ゼロ免と称して、もともと小学校教員養成課程だったものを、免許に関係なく卒業するというところをつくっております。
 ということで、簡単に言ってしまいますと、来年以降、教員の需給関係が大幅に変わってくるということがありますので、教員養成部会におきましては、所要の基準を満たしているかどうかだけでなくて、少し全体計画上の視点から、これからの教員養成の課程の規模といいますか、そういうことも含めて検討してはという話が出ておりまして、これは春以降、4月以降、検討していくことになるかと思います。そういうようなことになりましたら、これはまた初中分科会がその上部組織でありますので、いろいろとこういう問題につきましても、折があれば報告し、ご意見をいただき、部会の審議に生かしていきたいと考えております。
 それでは、最後に議題にまいりたいと思います。今回のこの指導要領についての答申案は、教育諸条件の整備が入っているわけですけれども、これも異例のことなんだそうですが、入れたわけです。それにかわって、文部科学省で非常にご苦労して、予算の要求をしていただいております。その点につきまして、財務課の尾前課長補佐から、初等中等教育関係予算の概要についてご説明をいただきたいと思います。

【尾前財務課課長補佐】
 昨年12月24日に閣議決定されました平成20年度政府予算案のうち、初中局の関係部分については、教育再生を実効あるものとするため、教員の子供と向き合う時間を拡充し、学力の向上と規範意識の育成を目指すため、教職員定数の改善や外部人材の活用などを計上するとともに、教員免許更新制の円滑な実施や豊かな人間性や生活性を育て、体験活動の推進に関する施策等の予算が計上される予定になっております。
 資料につきましては、資料4-1、4-2でございますけれども、4-2を参考に説明させていただきたいと思います。まず2ページを見ていただきたいと思います。「子どもと向き合う時間の拡充」につきましては、教職員定数の改善、それから外部人材の活用、それから学校支援地域本部の3点の事業を予算計上しております。
 教職員定数の改善につきましては、純増1,000人を含めました1,195人の定数措置がなされております。中身については、主幹教諭の配置、特別支援教育の充実、食育の充実について配置される予定になっております。それから、退職教員や社会人等を活用した外部人材の活用については7,000人が措置されておりまして、こちらは補助事業ということで、3分の1の補助を国が負担するという事業になっております。
 地域の人々が学校運営を支援する学校支援地域本部については1,800カ所、全市町村を対象にしまして、学校ボランティアの活用についての調査研究事業ということで、50億の予算が計上される予定になっております。その他学校現場の負担軽減ということで、予算とは直接関連しておりませんけれども、学校事務の負担軽減ということで、文科省において負担軽減プロジェクトチームを立ち上げまして、国が行う調査、照会事務等の負担軽減とか、調査研究モデル事業のあり方の見直しなどを行っているところでございます。
 次に、説明資料の4ページ、「教員給与の見直し」についてでございます。メリハリのある教員給与体系を実現するため、約24億円が認められております。具体的には、部活動手当などの教員の特殊業務手当について、手当額の倍増を図るということ、それから、副校長、主幹教諭などの処遇の充実を図るということです。また、基本方針2006に基づく人材確保法による教員給与の優遇措置の縮減について、来年度から着手することになっております。なお、教職調整額の見直しについては21年度以降に実施するということで、引き続き検討課題となっております。
 続きまして10ページをお開きいただきたいと思います。世界トップレベルの義務教育の質の保証ということで、まず「国語力の育成、理数教育の充実など総合的な学力向上策の推進」と題しまして、今回、指導要領の改善について答申がなされる予定になっておりますけれども、新学習指導要領の周知を図るための解説書の作成とか、説明会に係る経費を計上する予定にしております。それから「確かな学力の向上」は国語力の育成、理数教育の充実ということで、確かな学力の向上を推進するために、スーパーサイエンスハイスクールの授業などを引き続き計上する予定にしております。額につきましては、トータルで104億6,000万ほどの予算が計上される予定になっております。
 12ページをお開きいただきたいと思います。こちらも小学校における英語活動、国際理解活動の推進ということで、具体的には年度から引き続いております研究拠点校調査研究事業と、新たに小学校5年生、6年生の全児童に対して英語ノートを作成、配付する経費が計上されているところでございます。
 次に14ページでございます。さらに今年度から行われております全国的な学力調査の実施、来年度は4月22日に実施することになっておりますけれども、その学力調査に係る予算を計上する予定にしております。
 続きまして16ページでございます。適切な学校評価システムの構築を図るための経費として、約6億700万円の予算を計上しております。
 さらに18ページです。「教員免許更新制の円滑な実施」ということで、免許更新講習に施行に係る経費が3億5,000万。そのほか、免許管理システムの開発とデータ入力につきましては、今年度の補正予算で21億円が計上されておりますので、これは前倒しで実施することになっております。
 続きまして20ページをお開きいただきたいと思います。こちらは道徳教育の充実に係る経費ということで、心のノートを引き続き配付する経費、それから道徳教育の実践研究指定校に係る予算が計上される予定になっております。
 続きまして22ページをお開きいただきたいと思います。「豊かな人間性や社会性をはぐくむ体験活動の推進」ということで、体験活動関連経費でございますけれども、今回、新たに農林水産省と総務省と連携して、「農山漁村におけるふるさと生活体験推進校」という新規の授業を3省連携で行うということで、これが9億7,200万の予算が計上される予定になっております。
 続きまして25ページをお開きいただきたいと思います。「いじめ問題等への対応や問題を抱える子どもの自立支援、教育相談体制の充実」ということで、59億7,000万円の予算を計上する予定でございますけれども、昨年度比4億1,600万減になっておりますが、スクールカウンセラーの補助率が2分の1から3分の1になったことが大きな要因になっております。その3分の2の各自治体が負担する経費については、地方交付税措置において措置されることになっておりますので、事業への支障はないかと思っております。このスクールカウンセラーの事業につきましても、新たに小学校に配置することも可能になっておりますので、そのメニューが増えたことになっております。
 あと、「スクールソーシャルワーカー活用事業」という、これは財務省から査定増という新規につけていただいている予算でございますけれども、いわゆる社会福祉士などの専門家を学校等でどのように活用すればいいかという活用方法についての調査研究事業を、新たに15億ほどの予算が計上される予定になっております。
 続きまして32ページをお開きいただきたいと思います。充実した教育を支える環境の整備ということで、幼児教育の振興ということで、幼稚園就園奨励費補助、これは今回、約7億5,900万円の増でございますけれども、私立幼稚園の補助単価の引き上げ約3パーセントの引き上げになっております。それから、第2子以降の優遇措置に係る適用条件、小学校2年生から小学校3年生への緩和等を実施する。そのほか、私立幼稚園施設整備として耐震化対策、それから認定こども園の認定を受ける施設整備に係る経費が計上される予定になっております。
 続きまして37ページをお開きいただきたいと思います。こちらは、特別支援教育の推進ということで8億1,000万円の予算が計上される予定でございますけれども、発達障害を含む障害のある子供一人一人の教育的ニーズに応じた支援を行うための体制整備を推進するための事業に係る経費が計上される予定でございます。
 あと、45ページをお開きいただきたいと思います。コミュニティ・スクールを推進する経費ということで、昨年より倍増になっておりますけれども、1億8,200万円。指定校の拡充とかフォーラムの開催に係る経費が計上されております。
 最後に、以上、大体概略を説明させていただきましたけれども、初中局全体の予算といたしましては、対前年度比0.7パーセント増、130億円増の1兆7,958億円が計上される予定になっております。
 以上、簡単でございますけれども、説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、本日、時間がまいりたいので、このあたりにしたいと思います。ご了承いただきました答申案につきましては、このあと15時から総会が予定されておりますので、そこで説明をさせていただき、そこで審議、了承していただきたいと思っております。
 本日までの先生方のご協力に対しまして重ねて感謝申し上げます。ほんとうにありがとうございました。
 それでは、今後の日程等につきまして、事務局からお願いいたします。

【淵上教育制度改革室長】
 今後の分科会の日程につきましては、分科会長とご相談の上、追ってご連絡させていただきます。なお、委員の皆様方のお席には、昨年12月25日に取りまとめられました教育再生会議の第3次報告の資料をご参考までにお配りさせていただいております。また後ほどお目通しいただければと存じます。
 なお、この後15時からこの会場で総会が開催される予定となっておりますので、総会にご出席いただく委員の先生方につきましては、開会まで控室でお待ちいただくことになっております。お部屋までは係の者がご案内させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 どうもありがとうございました。
 これで初中分科会を終わりにしたいと思います。

―了―

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