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初等中等教育分科会(第41回) 議事録

1.日時

平成18年7月10日(月曜日) 15時~17時

2.場所

学術総合センター2階 「中会議場2、3、4」

3.議題

  1. 「今後の教員養成・免許制度の在り方について」(答申案)について
  2. 教職員給与の在り方に関するワーキンググループの設置について
  3. 初等中等教育の諸制度について
  4. その他

4.出席者

委員

 木村分科会長、梶田副分科会長、安彦委員、衛藤委員、加藤委員、角田委員、中嶋委員、中村委員、井上委員、今井委員、河邉委員、黒須委員、高橋委員、渡久山委員、永井委員、宮崎委員、北條委員、平出委員、西嶋委員、横須賀委員、若月委員

文部科学省

 近藤文部科学審議官、銭谷初等中等教育局長、山中初等中等教育局担当審議官、布村審議官、徳永審議官、前川初等中等教育企画課長、藤原財務課長、戸渡教職員課長、藤原企画官、榎本教育制度改革室長、合田教育課程企画室長

オブザーバー

 鳥居会長

5.議事録

【木村分科会長】
 それでは、時間になりましたので、ただいまから第41回の初等中等教育分科会を開催させていただきます。
 本日は、お忙しい中、また、お暑い中、お集まりいただきましてありがとうございました。今朝、鳥居会長と私は、3時間、経産省の評価部会のご議論をしてきましたが、ほとんど冷房が効いてなく、非常に体力を消耗しました。それに比べますと、この部屋はかなり快適のようです。活発なご意見の交換をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 本日の議題、3点準備してございます。
 1つは、「今後の教員養成・免許制度の在り方について」の答申案が出ておりますので、これについてご審議をお願いいたします。なお、本日ご了承いただきますれば、あす予定されております総会に報告したいと考えております。
 2点目が、教職員給与の在り方に関するワーキンググループの設置についてであります。
 最後に、初等中等教育にかかわる諸制度について事務局から説明をお願いいたします。
 では、早速でございますが、議題の1番目、今後の教員養成・免許制度の在り方について審議を始めたいと存じます。
 まず最初に、教員養成部会の部会長をしておられます梶田先生から答申案に関して審議の経緯、あるいはまた答申案の基本的な方針について簡単にご説明いただきまして、その後に戸渡教職員課長から答申の内容についてご説明いただくことにいたします。
 では、梶田先生、よろしくお願いいたします。

【梶田副分科会長】
 それでは、失礼いたします。
 具体的な詳しいことは戸渡課長からまたご説明いただきますけれども、大きな概要につきましてちょっと報告したいと思います。
 資料1-2に概要がありまして、1-3がこの本体です。この厚いものがございます。こういうものがありますが、ご承知のように、非常に今、小・中・高の先生方に対する風当たりが強い、そういうことがございます。今日もそういうことも関連して、給与の問題だとか定数の問題が、結局、それとの関連で出ているわけですけれども、そういうことで、もう一度小・中・高の先生たちに対して信頼を、国民のといいますか、直接には保護者のといいますか、そういう全体的な信頼をもう一度回復しなければいけないと。具体的に小・中・高の先生方に対する信頼を回復するにはどうしたらいいかということでずっと教員養成部会では議論してきたわけです。
 特に、平成16年10月に諮問が出まして、それ以降でも21回にわたりまして部会としての審議を行ってまいりました。この間、教職大学院をつくるという問題、それから、教員免許の更新制、それぞれワーキンググループを設置しまして、これまた非常に精力的に回数を重ねて検討していただきました。
 また、関係団体のヒアリングを行いまして、これもいろいろなご意見がございまして、これをまた部会としてそれを踏まえながら検討してまいりました。
 こういう流れの中で、昨年の義務教育特別部会での議論の中にも、教員養成部会での審議経過は反映されておりますし、また、昨年10月の義務教育改革の答申の中にも、それの骨子を出していただいているところであります。
 昨年12月には、総会におきましてこの教員養成部会の中間報告のとりまとめという、そういうこともさせていただきました。
 こういうことで、ずっと審議をやってまいりましたけれども、中間報告と大筋は変わりませんが、やはり、今申し上げたような広いご意見をいただきながら、かなり手直しをする部分もあり、そういうことで本日のこの答申案をまとめたと、そういう経緯でございます。
 この答申案につきましては、柱が3つございます。1つは、教職課程を置いている大学・短大が、今、800余りあるわけですけれども、この大学等における教職課程のもう少し教員養成に対する責任ということをはっきりさせるべきであるということで、逆に言いますと、教職関係の単位をそろえたら免許が出るということではなくて、大学の教職課程における指導の中で「適格性」という、教員に向いているかどうかということについてもよく注視しながら、それを育成する。また、どうしてもやはり向かないなというような場合には、機械的に単位をそろえる云々ではなくて、やっぱり別の道へ行ったほうがいいよと、そういうふうにしなければいけないだろうという、これが第1の柱であります。
 それとの関連で、例えば実習の在り方も、非常に安易な形の母校実習が一部見られたわけですけれども、母校実習全部を否定するわけではありませんが、これからはそういう在り方につきましても、かなり入念な措置をとった上での実習にしなければいけない、というようなことがいろいろと具体策で入れられております。これは第1の柱であります。
 第2番目の柱は、専門職大学院の制度がございますが、この専門職大学院の制度を活用して、より一層力量のある教員を育てる、あるいは研修していただく、現職の先生に研修してもらう、そういうことのために「教職大学院」という制度をつくろうということで、これもワーキンググループで随分、今日もここにご出席いただいておりますけれども、横須賀先生を中心に、随分、本当に時間をかけて多面的な検討をしていただきました。これも、ほぼ内容ができてきたなという、法科大学院と並んで教職大学院の場合は、専門職大学院の中でも特別に設置基準を、ハードルを厳しくしているといいますか、性格づけを明確にしているといいますか、専門職大学院一般ではなくて、そこから少しユニークな枠どりをしている、こういう法科大学院と並ぶ新しい教職大学院制度をつくる、これは2番目の柱でございます。
 それから3番目に、教員免許更新制の導入。これは、長い間この問題をめぐってはいろいろと議論があったところであります、教員免許を更新するかどうかということは。これにつきましても、教員養成部会でも平成16年10月の諮問以降、もう一度新たな気持ちで検討し直すということをやりまして、やはり10年というスパンで考えると、子どもも変わっている、世の中も変わっている、親も変わっている、カリキュラムも変わっているということがございますので、やはり時代に常に即応した新しい力を持ってもらうためには、10年に1回きちっとした講習を受け直してもらって、そして、この講習を受けることによって免許が更新されるという、そういう制度にしたほうがいいのではないか、そういう結論になりまして、新しい考え方のもとでの教員免許更新制を導入することになりました──なりましたといいますか、そういう部会としてのまとめになりました。
 ということで、今申し上げた3つの柱、大学での教員養成の責任をもう少し制度的にはっきりさせるということ、それから教職大学院制度を創設すること、教員免許更新制、これは10年に一度ということになりますけれども、これを導入するということ、この3つの柱を入れました答申案を部会としてまとめたところであります。
 これにつきまして、あと、戸渡課長から詳細についてご説明いただいて、また皆さんでご意見をいただければと、そういうふうに思っております。
 以上です。

【木村分科会長】
 それでは、戸渡課長、よろしくお願いいたします。

【戸渡教職員課長】
 失礼いたします。教職員課長、戸渡でございますが、座ったままで失礼させていただきます。
 お手元に配付しております資料1-1から1-3までが関連資料でございますが、1-1が答申案全体のポイントを整理いたしました資料でございます。1-2は、答申案を少し簡潔に、その概要をまとめた資料、1-3が答申案本体と参考資料等の資料でございます。恐縮ですが、資料1-1、答申案のポイントの資料によりまして概要を説明させていただきたいと思います。
 まず、今回の今後の教員養成・免許制度の在り方についての答申案でございますが、改革の重要性という点につきましては、先ほど部会長からもございましたが、現在、教員に求められているものは、やはり広く国民や社会から尊敬と信頼を得られる存在となっていくことであると。そのために、養成、採用、研修等の改革を総合的に進めていく必要があるわけでございますが、とりわけ養成・免許制度の改革は、他の改革の出発点に位置付けられるものであり、重要であるということで、何よりも教員自身が自信と誇りを持って教育活動に当たることができるように努力する教員を励まし、支援するという、そういう基本的視点に立って検討され、おまとめいただいたという内容でございます。
 改革の方向性といたしましては、この重要性を踏まえまして、まず第1点が大学の教員養成のための教職課程というものを、教員として必要な資質能力を確実に身に付けさせるものに改革していこうということ、第2点目の大きな改革の方向は、そういった養成段階の充実を基礎としながら授与されます教員免許状につきましても、教職生活全体を通じて必要な資質能力が確実に保証されている、そういうものを保証するものに制度自体を変えていこうということでございます。
 この改革の方向のもと、具体的な方策といたしまして、先ほど部会長からご説明がございましたとおり、大きく3つの具体的方策をおまとめいただいております。
 まず、大学の教員養成課程に関連いたしまして2点、「教職課程の質的水準の向上」と「教職大学院制度の創設」がございます。
 まず、「教職課程の質的水準の向上」という点でございますが、現在、教員養成は、学部段階が中心的に担っているわけでございますが、この学部段階で責任を持って教員として必要な資質能力を確実に身に付けさせる、そういうふうに大学における教員養成をしていく必要があるということで、大きく1点目は大学における組織的な指導体制の整備を図っていくということでございます。具体的には、「教職実践演習」という新たな科目の新設・必修化が提言されております。
 この「教職実践演習」と申しますのは、使命感や責任感、教育的愛情等を持って教科指導等を実践できる資質能力を最終的に形成し、確認していくような、そういう授業科目として創設しようということでございますが、従来、先ほどもございましたが、単位習得を単に重ねたというもの、それが、学生が本当に身に付け、実践できる力に育っているかどうかと、そういった点を卒業前の最終的な段階で、きちんと模擬授業であるとか場面指導といったようなものを通じまして、その形成を確認して、しっかりとした力を持った学生を送り出していこうということでございます。
 また、教育実習につきましても、大学における責任ある対応を一層図っていく必要があるということで、教育実習における大学の責任ある対応を求めておるわけでございます。
 それから、「教職指導」の実施を法令上明確化ということで、従来、単位習得のみを重ねてくるということが多かったわけですが、そういった単位習得だけにとどまらず、単位習得以外のさまざまな大学における活動全体を通じまして学生を教員として育成していくという、そういうきめ細かい指導や、助言、援助の活動を充実していく必要があるという内容でございます。また、そういったものを充実して実施していくためにも、大学における「教員養成カリキュラム委員会」等の機能の充実・強化を図っていく必要があるとしてございます。
 また、あわせまして、大学における教員養成課程に係ります事後評価機能あるいは認定審査を今後一層充実していく必要があると。大学によりましては、中には教員養成課程としての認定を受けました後、認定基準が満たされないまま教育が行われている例もないわけではないと、そういった点はきちんと事後評価等でチェックをしながら、教員養成課程の水準が確実に維持され、一層向上されるように事後評価機能等を強化していく必要があるという内容でございます。
 次に、養成過程の第2点目でございますが、こういった学部段階の充実を基礎としながらも、より高度な専門性を備えた力量ある教員を養成し、教職課程改善のモデルとなる教職大学院制度を創設していくことが望まれる、必要である、という内容でございます。
 教職大学院制度の内容につきましては、資料1-1の2枚目に概要の資料を添付してございますので、そちらのほうをあわせてご覧いただければと思います。
 今回の教職大学院につきましては、先ほど申し上げましたが、現在の「開放制」の原則、学部段階での養成を前提としながらも、大学院段階における教員養成・再教育の充実を図るということで、教職課程改善の1つのモデルということで提言されているものでございます。
 教職大学院の主な目的・機能といたしましては、学部段階での教員としての基礎的・基本的な資質能力を習得した学生の中から、さらに実践的指導力を備えた新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員の養成ということ、また、現職教員を対象として、将来、地域における指導的教員・学校管理者となる上で不可欠な確かな指導理論と実践力・応用力を備えた、いわゆる「スクールリーダー」と呼んでおりますが、そういった方の養成を主な目的・機能として考えていこうという内容でございます。
 この具体的な仕組みでございますが、修業年限につきましては、標準2年ということでございますけれども、いろいろ現職教員の方に配慮した短期履修コースであるとか、長期在学コースといった開設も可能となるようにしていく必要があるということ、また、修了要件につきましては、2年以上在学し、45単位以上修得となってございますが、うち10単位以上は連携学校などにおける実習を義務化していこうということで、300ないし450時間程度は学校における実習を義務化していくという内容でございます。
 また、教育課程・方法につきましても、共通的に必要な内容というものをモデルカリキュラムといったような形で示し、また、設置基準等においてもカリキュラムの枠組み等を明確化しながら、特に方法といたしましては、事例研究であるとかフィールドワークといったものを積極的に導入いたしまして「理論と実践の融合」を目指した教育課程・方法を実施していこうということでございます。その意味でも、教員組織につきましては、特に実務家教員の義務付けということで、専任教員の4割以上は実務家教員ということを求めていく必要がある、となってございます。
 また、学位については、「教職修士」等を授与、教員免許状については他の修士レベルと同様でございますが、専修免許状を授与するということでございます。
 あわせて認証評価ということで、やはり全国的な認証評価機関を創設し、教職大学院に係る不断の改善システムを構築していく必要がある、とされてございます。
 その他、給与、採用選考等の処遇につきましては、修了者の実績等を勘案しながら各任命権者において検討いただくということでございますが、初任者研修等については、状況に応じて一部免除等も可能なような措置も講じていく必要があるということが提言されております。
 また、各大学整備という点につきましては、各大学の主体的な設置構想が前提になるわけでございますが、特に国立大学については、他の大学のモデルとなり得る計画を有する大学から整備をしていくということで、水準をきちんと維持しながらの整備を進めていく必要があるという内容となっているところでございます。
 以上が養成課程の部分でございますが、こういった養成課程の充実を踏まえまして、免許制度につきまして教員として必要な資質能力が常に確実に保証されるような形にしていく必要があるということで、教員免許更新制の導入が大きな柱として提言されているところでございます。
 この教員免許更新制の導入につきましては、同じく資料1-1の3枚目、最後のページでございますが、少し詳しい資料を用意しておりますので、そちらをご覧いただければと思います。
 今回の教員免許制度改革に関連いたしましては、教員として必要な資質能力は本来的に時代の進展に応じて刷新、更新が図られるべき性格を有しているということで、そういった教員免許制度本来の性格を考えれば、やはり教員免許については一定の有効期限を付した上で恒常的に変化をしていく教員として求められる必要な資質能力を確実に担保できるように教員免許制度を改革するとともに、その再構築された免許制度を基盤として全体を考えていく必要があるという考え方から提言をいただいているものでございます。
 具体的には、今回の免許更新制導入ということで、新たな制度といたしましては、免許状に一律10年間の有効期限を付す。この有効期限を付した上で教職生活全体を通じて、その時々で求められる教員として必要な資質能力が確実に保持されるように定期的に必要な刷新を図っていこうということでございます。
 この10年間の有効期限を付しました上での更新の要件でございますが、有効期限内、これは有効期限の切れる直近2年間の間に30時間程度の免許更新講習を受講いただいて、きちんと修了できたという方について免許を更新していこうということでございます。
 更新講習の開設につきましては、教員養成を行っていただいている大学、あるいは大学と連携協力して教育委員会等が開設する講習で、一定基準以上のものを国が認定するという形でその水準等を確保していく必要があるということでございます。
 この更新講習の内容につきましては、今後さらに検討していく必要があるわけでございますが、答申の中でも使命感や責任感等をもって指導を実践できる力、その時々で必要な資質能力に刷新する内容、こういった内容を含むものとして考えられる必要があるということでございます。
 具体的には、学校種や教科種を中心とするのではなく、教員として共通に求められる内容を中心に構成することが適当である、とされてございます。
 講習の実施形態につきましても、講義のみではなく、事例研究や指導案の作成、模擬授業等を実施するといったことなどが適当であるということ、また、修了の認定につきましては、講習の開設主体があらかじめ修了目標を定めまして教員としての資質能力を適切に確認して修了を認定すると。更新の要件、修了の認定が受けられなかった場合には、免許状は失効する、ということでございます。
 ただし、例えばペーパーティーチャーの方などのように、当該時点では更新講習を受けることが必ずしも必要な状況ではない方等もおられるわけでございまして、そういった方々等については、教育現場に復帰したい、教職につきたいという必要性が生じたときに更新講習と同様の講習を受講・修了いただければ、再授与の申請は可能とするという形とすることが適当である、という内容となってございます。
 なお、既に現在の制度によりまして教員免許状を有しておられる方へのこの更新制の適用という問題でございますけれども、この点につきましては、現に教員免許状を有する方、特に現職教員につきましては、当分の間は我が国公教育の中核的担い手として多数の子どもの教育に当たっていただくことになると、こういったことを考えると、現職教員についても更新制の基本的な枠組みを適用することの必要性と合理性があり、また、適用することが適当であるということで、現職教員の方についても10年ごとに免許更新講習と同様の講習の受講を法的に義務付け、当該講習を修了しない場合には免許状は失効するという仕組みを導入することが適当であるという提言の内容となっているところでございます。
 以上にあわせまして、資料1-1の1枚目に戻っていただいて恐縮でございますが、こういった教員養成・免許制度の改革とあわせまして、実際に子どもの教育に当たっていただきます教員の方々につきましては、採用選考の改善であるということで、人物評価の一層の充実であるとか、多様な人材の登用の促進といったものを選考採用で改善を図りながら、さらに採用されている方につきましては、現職研修、特に10年経験者研修については、今回の免許更新制の導入等にあわせて内容の見直し等を図りながら、人事管理につきましても一層適切な運用を進めていく。また、大変がんばっておられる方等に対しては、教員評価の促進といったことを通じまして、その評価、業績等に応じた適切な処遇への反映といったようなものも進めるなど、教員政策全体を推進していくことによって教員に対するゆるぎない信頼を確立していこうというのが今回の答申案の全体の概要でございます。
 以上、簡単ではございますが、説明させていただきました。
 以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 以上、梶田部会長と戸渡教職員課長から答申案についてのご説明をいただきました。少し時間をとってありますので、ご意見あるいはご質問等ございましたら、お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。どなたかございませんでしょうか。
 では、加藤委員から。

【加藤委員】
 今、梶田先生からもご説明がありました、教師が昨今、大変厳しい状況に置かれているということの認識は私も同様でございますし、教師の信頼回復、質的向上というものが喫緊の課題であるという認識も全く同感でございます。そういう意味では、教職課程の質的水準の向上、あるいは教職大学院制度の創設についても、理解ができるわけですし、ぜひ実効性のあるものにと思うんですが、ただ、教員免許の更新制の問題は、以前も私はなかなか賛同いたしかねると申し上げてきたと思うんですが、今、いろいろご説明を伺っている中でも、これから必要なことは、教師に自信を持って教壇に立ってもらうという、その教師の信頼性と同時に、教師の側にそういう意欲とやる気のわくような制度にしていく必要があると思うわけなんですが、免許を更新するということは、どう考えてもそれは、ここにありますようにこれからについては有効期限のある免許だということになるわけでございますが、そうすると、教員として認められるという当初の段階の判断は一体どういうことなのだろうかと。片方で親からの信頼が得られるような、あるいは質の高い教員と言いながら、片方でそれは10年間が有効期限であるというようなことについては、私は、よほどこれは国民にも丁寧に説明をしなければ誤解を生む可能性もあるだろうと思います。
 いろいろとお話も細部伺ったのですけれども、決して振り分けるといいますか、ふるいにかけるための制度ではないという、そういうことも考えて、十分に議論をされた上での結論だとも思いますけれども、「免許更新」という呼び方そのものが、制度の名称そのものが、やはりそういった教員の資質というものとの間でそごを来すようなとらえ方はやはりされるおそれもあるし、また、教員が本当に生涯の仕事として、私は聖職者論に必ずしもくみするばかりではないんですけれども、しかし、そういう思いで教員の道に入られる方々にとって、この制度がどのように映るのかというようなことも考えますと、何かもっと工夫ができないかという、制度の名称も、特に「更新」というような考え方、そういう感が非常に強くするわけでございますが、ここまでご議論が進んでくる中で、私のような根本からの議論をどこまで考えていただけるかということなんでしょうけれども、まあそういう意見もあったということをぜひともご留意をいただければと思いますので、あえて申し上げた次第でございます。ありがとうございました。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 では、渡久山委員。

【渡久山委員】
 私は教員養成部会のメンバーでもございましたから、審議については十分に議論して参加してきた者でございますけれども、やっぱりその後、中間報告を出して、あるいはその後のいろいろな世論といいましょうか、特に新聞、あるいは新聞の社説などによりますと、必ずしも現在、日本において教員に対しての免許更新制を導入することの是非ということについては、多くの疑問があるという面もあるわけですね。ですから、私は、そういうようなものはやっぱり今後これから法律をつくり、あるいは適用していく段階ということになったら、いろいろなそういうような問題点が必ずしも払拭されるかどうなのかというような課題もございますので、ひとつ意見を言わせていただきますと、1つは、やっぱり今、日本の教育、あるいは特に義務教育は、いろいろな問題を抱えつつも、世界的には非常に評価は高いと思いますね。特にそれは非常に条件の悪い中でも、教員の努力、あるいは質のよさがそれを維持しているものだと思うんです。
 ただ、そうはいっても、いろいろな問題があることは事実でございまして、それをどうするのかということについて、果たして今、この教員の免許更新制を導入することが今の教育、特に義務教育の諸課題を解決する最もいい手段だとなるのかどうなのか、これが1つの大きな疑問であります。
 それから、2つ目は、やっぱり他の職業資格のための免許というようなものがありますね。例えば医者もそうです。それから、弁護士等もそうです。そういう日本の職業資格にかかわる免許制度との関係での整合性、これが今、終身免許でほとんどが日本の場合はなされています。それに対して、教員の免許だけ更新制を導入するというようなことになるんですけれども、果たしてそれで職業選択、あるいは職業資格としての不平等・不公平性が出てこないかどうかという問題が2つ目にあるわけでありまして、それと同時に、そういうようなことをすることによって、その職業選択をしていく今後の若い皆さんがそれを積極的に選ぶのか選ばないのか、こういうような問題が出てきますから、そうであれば、教員の質そのものに対して陰りが出てこないかどうかという問題があるわけですから、この問題は大きな課題として今でもまだあるのではないかという気がいたします。
 同時に、職業資格を失った場合の問題ですね。これは現職の場合でも、あるいは現職ではない、これからつくられていく制度の場合もそうですけれども、果たしてどのような形でそれを今度は権利や既得権を保障できるのかというような問題が次の問題としてあると思います。これは具体的には、まだこの部会でも十分な議論はなされておりませんから、今後の課題としてあると思います。
 そういうことを考えてきますと、やはり免許更新制の導入については極めて慎重でなければならないだろうというのが1つです。
 もう一つは、そういうような制度の問題点あるいは課題がありながら、現職に適用していく場合は、現職はもうご案内のとおり現行免許法で全部免許を取って、一定の資格を得て、職業選択をして教員になっているわけですね。そういう場合に、今後つくられる法律によってどれぐらいその既得権、あるいは現在の権利・権益を制限できるのかというような法的な問題も出てくるわけですね。ですから、この問題についても、今後の課題として出てくるわけです。
 それから、非常に現場で不安なのは、果たしてこれが、自分が、ではどうなのか。部会では説明がございましたように、現在の免許を保持者は大体500万人。その中の110万人が現職だということですから、この110万人に対してどのようなことが起こるのか、あるいは起こすのか、あるいは法的な権限・既得権益を制限するわけですから、それがどういう形での問題・課題を持っているのかということについては、もっと極めて慎重でなければならないし、また、既得権を持っている現在の免許を持っている教職員にとっては例えこれがペーパーティーチャーであろうと一定程度の既得権益を制限するわけですから、必ず問題が出てくるだろうと思います。
 そういうことを踏まえながら、果たしてこの免許制度が今の教育課題にこたえて、特に現職の場合は法的な研修として初任研がありますし、あるいは10年研の研修義務があるわけですね。そういう形で、少なくともリニューアル、あるいは新しい文化や、学術や、あるいは教育技術に対して対応するための非常にハードな研修制度が、現在、日本にはあります。ですから、そういうことを含めてくると、果たしてリニューアルのための必要性があるのかというようなことも考えられますので、今後の課題として現職への適用はますます慎重でなければならないという意見を申し上げたいと思います。
 以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 今井委員と河邉委員、それから中村委員。この順にご発言をお願いいたします。その後に部会長にお答えいただきたいと思います。
 では、今井委員、どうぞ。

【今井委員】
 まず1点目は、10年目研修の内容の見直しというような表記がありますけれども、これは具体的にどういう内容なのか、わかっている範囲で教えていただきたいことがまず1つ。結局、10年目研修とその更新の時期が重なった場合の内容の重複の問題ですね。
 それから2つ目は、制度が立ち上がるということになると、研修を受けるとか更新を受けるということになるんですけれども、例えば現場の例えば25人ぐらいのサイズの学校を想定して、うちの学校などはそうなんですけれども、見ていると、現在、公共団体も含めて網の目のように研修の年数とか、または役割、校務分掌等でも、国が決めた以外の研修がもう網の目のように組まれているわけであります。あと、こういうふうに参加させていただいている自分も、今の時間は他の先生に自習を見てもらって参加させていただいているような現状もありまして、例えば他の研修との、公共団体との研修との兼ね合いを例えば国としてどのように指導していくのかという問題が1つ。
 それから、最後に、直近2年間で30時間と言うんですけれども、例えば自分などは民間団体の資格を持っているんですけれども、10年間でポイントを、例えば50ポイントを獲得しなさいと。その中には、学会発表もありますよ等々の比較的更新しやすいシステムがある組織もあると思うんですね。だから、そういう部会の中で、期間限定の2年間で30時間ということが出てきた理由みたいなもの、それからまた、公共団体がもし違ったプランを出したら、その公共団体に関しては認めていくことができるのかどうか、この3点をお伺いできればありがたいと思っています。

【木村分科会長】
 では、河邉委員。

【河邉委員】
 免許の更新制についてなんですけれども、教員の資質が向上するために研修が欠かせないことはよくわかります。ただし、自己課題に即さない限り、研修はなかなか効果的でないことも明らかでして、指定研修が整えば整うほど、その効果に陰りが見えているのも事実だと思います。
 2点ちょっと心配なことがあるので、意見を述べさせていただきます。
 この3枚目の小さな資料によりますと、免許の更新の講習について、講習内容が「具体的には、学校種や教科種に関わらず、共通に求められる内容」ということは、かなり大きな枠組みの講習内容になるんだけれども、実施の形態としては事例研究や指導案の作成も入ると。事例研究や指導案の作成、模擬授業というと、ものすごくやっぱり自分の一致している講議や教科に即した内容にならざるを得ないわけで、この内容と実施形態の間に矛盾があるのではないかと思うので、それはどう考えて、実際行うときにはどうしていくのかということです。
 それから、これは女性の視点なんですけれども、ちょうど10年目というと、女性の教員はライフステージ上もちょうど子どもが生まれて育児に忙しいときで、こういうときにまたすごく厳しい研修が入るのは、ますます女の先生たちは大変だなという感想を持っています。
 以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 では、中村委員。黒須委員も手が挙がっていますね。では、その後、黒須委員。

【中村委員】
 私も部会に属していた者ですけれども、今もお話がありましたけれども、従前から研修制度があって、その上にこのいわば身分をかけた免許更新制を新たに導入することは、今、国民あるいは保護者の方々から、そのぐらいはやってほしいんだろうなというような私どもは考えがありまして、やっぱり身分をかけた真剣にやる講習をぜひ、これ、10年たつと相当、社会も、保護者の方も、子ども自身も変わっていますし、例えば小学校1年生の問題を小学校6年生、高学年を担当している、あるいは中学校の先生方が、子どもたちが1年のときにどういう状況だったのかということを研修で、頭の上を通過するような研修でなくて、やっぱり講習という形で受けていただきたいというのが私個人の考えでありまして、こういう考えをとったわけです。この制度を導入したときに、講習と今まである研修とをどうやって組み分けていくのか、この辺が今後の課題であろうとは認識しております。
 それから、この更新制の、私どもは教育委員会ですので、一番の問題は、現在の教員免許制度自体が各都道府県によって、基準はあるんですけれども、各都道府県の免許の名寄せさえできない。電算処理もやっているところ、やっていないところがある。私ども東京都の場合でいきますと、年間4万件の申請を受けて500万件も抱えている。こういう中で更新制をやるということは、もう大変な事務量になるということで、この本文の中にも一部、電算化といいますか、集中処理ということで書いていただきましたけれども、この実施の段階に移すについては相当の経費なりソフト面の工夫が必要だと、こんなふうに考えております。
 以上です。

【木村分科会長】
 では、黒須委員、どうぞ。ここで一度切らせていただいて、梶田先生からご意見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

【黒須委員】
 私は、免許の更新制の導入ですけれども、これは基本的に私は必要だと思っています。
 というのは、大部分の教員は非常に熱心に教育に取り組んでいると私は基本的には思っているんです。しかし、教員としてやっぱり不適切だと思われるといいますか、適応能力がないといいますか、そういう教員も必ずと言っていいほどいるんですよね。問題なのは、指導力不足であったり、問題教員であったりというのは、自分でその意識がないわけですよ。これが一番困るんですね。
 もし例えば校長や教育委員会から、あなたはどうも適切ではないと、不適だと、保護者からの意見とか現場を見ていてどう見ても指導力が足りないと言われても、本人はそう思わないですからね。ここに一番問題があるわけですよ。
 実際に、そういう不適切な教員はどういうふうにやっているかというと、他の地域に引き取ってくれと言っても、どこも引き取ってくれないわけですよ。ですから、ババ抜きのババを抜きっこしているようなもので、異動させることができたとしても、よそから来るのはいい教員だと期待していたのが、とんでもないのが来たりするわけですよ。普通公務員でしたら、普通の例えば自治体の公務員でしたら、仕事がいろいろ選べますから、これは市民と直接接するような窓口では不適だというような公務員だったらば、別な職場に移せることができるわけですよ。でも、教員の場合は、それはできないわけですよね。教壇に立つのが仕事だから。そうすると、その教員に当たってしまったその子どもは非常に不幸ですよ。そういうことを考えると、やはり私は一定の年限で免許を更新するというのは、事務的にはいろいろ大変なものもあるだろうけれども、必要だと思います。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 では、梶田先生、幾つか質問が出ておりますので、お答えできる範囲で結構だと思いますが、よろしくお願いいたします。

【梶田副分科会長】
 具体的な質問は、後で戸渡課長にバトンタッチしてやってもらいますが、ちょっと考え方の上だけもう一度、部会で論議してどういうことがあったかをお話ししておきたいと思うんです。
 今、黒須先生におっしゃっていただいたこれは、私は、もうみんなわかっている、ある実態のある面だと思うんです。これは、どの程度にこれを評価するかという問題はありますけれども、で、100万人も先生方がおられるんですから、小・中・高でね、そういう中で1つの高度な専門職としてこの教師という存在の社会的な信頼、社会的な尊敬をどういうふうにやはり確保するかが一番大きな問題なんですね。
 これは、今、今日ここで出ているのは、免許という、教師になり得る、いわば職業的な資格の土台ですね、これについて論議して、今、提案しております。その上で、今度は、設置者が、つまり教育委員会が学校を設置するわけですけれども、教員を雇うわけですよね。雇用主としての研修もいろいろとあります。これはまた分けて考えなければいけない。ここのところを分けないと、教師というものになり得る職業資格の話と、それから、教師になった人がそこで本当にフルに機能を発揮していただくための研修と、これがごっちゃになるといけないなと思います。
 私は、これは非常に一般的な問題として2点だけ申し上げておきたいのですけれども、1つは、やはり教師というのは非常にはっきりとした使命があって、これは聖職とは私も言いません。でも、使命、ミッションのある、はっきりとしたミッションのある仕事だ、これは皆さんお認めいただけると思うんです。しかも、そのミッションは非常にある特別な性格を持っております。年端もいかない子どもに、本当に勉強から、生活の仕方から、いろいろなことを教えていくわけですよ。ということは、だれでもやれるというものではないんです。これはもう言うまでもありませんが、極めて特定の性格を持ったミッションを果たしていくためには、そのミッションにふさわしい高度な専門的なやはり素養といいますか、知識から始まって具体的な在り方がこれは必要であると。これが、この教師としてのミッションということを本当に考えれば考えるだけ、やはりいろいろな形でのミッションを遂行する職業資格の、質的な、クオリティーコントロールですね、質的な水準を担保するための措置が必要になります。
 これは、今回の教員免許の更新制、これだけでオールマイティーじゃないんです。これをやっていれば教師が全部万歳と、こうすばらしくなるわけじゃないんですよ。
 これは、例えば大学の教職課程、今、中身を説明していただきましたけれども、新しい単位もつくります。あるいは、大学の中で「適格性」について指導もあるし、判断も入ってくるということもあります。同時に、その教職課程がうまく機能していないという外部からの外的な評価があれば、これを教職課程の認可を取り消すという非常に厳しいものに向かっても今回答申しようと、こういうことを思っております。ですから、教員養成の最初の段階も、やはりクオリティーコントロール、ある一定以上の専門的な資質を担保するには、より一層改善が必要だろうと。あるいは、今やっておられる人の中で、いわばもっともっと力をつけてもらう。あるいは、スーパー新人。新人であるけれども、すごい力を持って初めからいってもらう人のために教職大学院もつくるとか、今回はこの答申に入っておりませんが、部会の中では、この他にもいろいろな考え方が出ているんです。フィンランドのように、やはり最低6年間、マスターを持っている、そういう資格で教壇に立ってもらうことが必要じゃないかとか、いろいろなご意見が出ております。そういう一環として免許の更新制が提案されている、この答申の中に、これをぜひわかってください。
 これだけですべてじゃない。いろいろなことがいわばリンケージで絡み合った形で教師の資質を向上させ、この免許の更新制だけで言いますと、やはり10年したら変わるわけですよ。10年いろいろなことがあるでしょうけれども、早大のスーフリの事件もあったし、この間、今問題になっている大阪大学の4回生のあの話もあるし、あるいはとか、大学生でさえ、難しい難しい勉強をしてきたはずの大学生でさえ、とんでもないことをする。京都大学も、アメフトのとんでもない事件があったという。だから、勉強ができれば人間として成熟するということが今は言えない時代になった。これは20年前、30年前はあまり想定されていなかった話ですよ。
 例えばこういうようなこと1つとってみても、我々はやっぱり10年ごとに世の中の動きをきちっと踏まえて、そして、教師としての指導のポイントもあるだろうし、あるいは子どもの具体的な在り方ということについてもより一層理解も深めないといけないだろうし等々、やはり10年もすれば一昔で、新しい気持ちで新しい勉強をし直して、やはり最低の教職につくためのそういう資質を担保しなければいけない、クオリティーコントロールしなければいけない、これが今回の答申案なんですね。
 ですから、そこのところを考えていただきまして、私はくどく申し上げますけれども、専門性、非常に特定の専門性を要求されるような仕事であればあるほど、いろいろな意味でのやはりクオリティーコントロールのための仕組みというものはやっぱりかかってくるだろうと。一度取れば、それで70になっても80になっても、これは公立は無理ですけれども、私学だったら教壇に立てるというような、そういうふうには、やっぱり教職という、そういう仕事の性格から言ってやっぱり難しいのではないかというのが今回のやはり部会としての議論の私は結論だったと思うんです。
 もちろん、ここから工夫しなければいけないことはいっぱいあります。先ほどご質問に出ましたけれども、では10年に1回の講習の内容をどうするんだと。これは、現職の先生の場合でも、任命権者である行政がやる研修とは違って、大学を主体にしようという、そういうことまでは決まっておりますが、中身をどうするかは、多分、これがまた答申としてお認めいただきまして、これをもう少し詰めるようにということになれば、教員養成部会の中でワーキングをつくってかなり詳細にこれを詰めていかなければいけないと思います。この問題もあります。
 あるいは、それとの絡みがありますけれども、30時間を受ければそれでいわば機械的に更新されるのか、それとも、何かの意味でのメルクマールをつくって、更新しないという基準づくりをするのかとか、その場合、中身は何だとか、これはもう少し検討していかなければいけない問題もあるだろうと思います。これは、また原案が固まり次第、この初中分科会に皆さんに原案をお諮りしまして、また皆さんのご意見をいただくことになるかと思いますが、そういうことで──もう一つ言っておきますと、今の10年時研修その他のやっている、いわば現職の先生に対する研修体系とこれをどうすり合わせをするか、これもまだ工夫をしなければいけない。研修漬けになってもだめですからね。ですから、これもやらなければいけない。あるいはという、いろいろな具体の問題は残っておりますが、しかし、今回はこの3つの柱の1本として、やはり教師という仕事の専門性を担保する、そういうことのためには10年に1回という形でもう一度勉強し直すという形のものも──もですよ──どうしても必要不可欠ではないかということで部会としての結論が出てきたと、こういうことを申し上げておきたいと思います。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 では、戸渡課長、お願いします。

【戸渡教職員課長】
 事務的に答申案の内容に沿いまして、ご質問ありました件についてご説明したいと思いますが、恐縮ですが、資料1-3の42ページ以降をご覧いただきたいと思います。
 42ページ以降で具体的な制度設計ということでいろいろ盛り込まれているわけでございますけれども、まず、43ページの一番下の丸でございますが、教員免許状の有効期限に関連いたしまして、先ほど河邉先生からもご指摘がございましたが、例えば育児休業期間中であるとか、海外の日本人学校に勤務中であるといったような者など、特別事情のある者についてこの有効期限等について適切な配慮措置を講じていくとか、そういったことが必要であるという対応を提言いただいているところでございます。
 それから、44ページからが免許更新講習の具体的在り方についての内容でございますけれども、44ページから45ページにかけましてその講習の内容等具体的な修了の認定の考え方について記述されておるわけでございますけれども、ここでは更新講習の実施形態、やり方につきましては、やはりあらかじめ修了目標を定めた上でその目標が達成できているかどうかを適切に判断した上で修了を認定していくことが適当であるということ、それから、45ページの上から2つ目の丸のところでございますが、更新講習の内容としては、免許という性格上、その一定の水準が担保されていることが必要なわけでございますけれども、その基準以外の内容であるとか、あるいは、その基準以上の内容を盛り込んで講習を開設することも可能であり、むしろこういった講習が開設されて受講されることは、教員の方にとってもその専門性の向上にもつながっていくことで有意義であることから、そういった多様な講習が開設されて受講されていくことが望ましいという考え方が述べられているところでございます。
 また、受講時期と講習時間について、なぜ30時間かというご指摘がございましたけれども、この45ページのところで、講習の内容としては新たに「教職実践演習」というような形で設けます新設科目に含まれる概要と同様の内容、それから、社会状況や学校教育が抱える課題、子どもの変化等に応じてその必要な資質を刷新する内容、こういった内容を含むものとして、また、最小限必要で合理的な内容というものとして構成していくということを考えました場合に、有効期限の終了前2年間の間で30時間程度の講習という中で、その内容を盛り込み得ると同時に、この30時間程度ということであれば、過重な負担ということもなく合理的な範囲内ということではないかということで終了前2年間の間に30時間程度の講習が適当であるという内容となっておるところでございます。
 また、その46ページに「講習の受講の免除等」という部分がございますけれども、日常の教育活動等を適切に評価することは意義があるということから、実際に教員として活動されておられる方については、その研修実績であるとか勤務実績等が代替し得るものとして評価できる場合には、この講習の一部または全部を免除するといったようなことを可能にすることが適当であると。その際に、どういう形でどういう基準でというのは、また今後検討いただく必要があるということとなっておるところでございます。
 なお、研修との関係という点でございますけれども、その点につきましては、ちょっと飛んで恐縮ですが、55ページでございますが、「現職研修の改善・充実」という中で、やはり今回免許更新制の導入が盛り込まれていることを踏まえまして、現職研修につきましても、例えば10年経験者研修につきましては55ページ一番下の丸でございますけれども、中堅教員としての更なる指導力の向上であるとか得意分野づくりに重点を置いた研修としての性格を10年経験者研修についてはより明確にするとともに、実施時期、あるいは内容等について柔軟化の方向で見直しを行うことが適当であるということが述べられてございます。
 部会の中でもご議論はいただいたところでございますが、免許更新を10年といたしました場合には、通常、教員の方、二、三年の期間を置いて採用されておられる方が実際は多いわけでございまして、そういう意味では免許更新講習が先に参りまして、その二、三年後に10年経験者研修が来るという形で、免許更新講習において最小限必要とされる部分をしっかりと身につけていただきながら10年経験者研修の中ではより専門性の向上等を図る、そういう方向で現在の内容あるいは量を見直していただくことが適当であろうということで提言等をされているところでございます。
 以上でございます。

【木村分科会長】
 井上委員、どうぞ。

【井上委員】
 今回のこの答申案を拝見して2つの事項について分けて考えるべきではないかと思っております。
 1つは、教員養成段階の改善が、非常に重要な問題で、従来から教職課程が果たして教員としての使命感とか実践的な指導力を身に付けた教職課程になっているかどうかということについては、いろいろ批判を受けていたところでございまして、やはり新制大学で師範学校から教育学部に変わって、教育学部の先生方も他の学部と同じように研究と教育という、両面を持つようなご認識を持つようになってから、教員養成に必ずしも集中できなかった点があって、そういう点が養成段階の1つの大きな課題であったと思います。そういう意味で、今回、教職実践演習等を新設して実践的な教育力とか、使命感、責任感をそういうところで養成していくというのは、改善ではないかと思います。
 ただ、採用後、初任者研修制度があるので、1年間にわたりまして現場で教頭なり教務主任等によって指導を受けることによってさらに使命感、あるいは責任感、実践的な教育力、そういうものを養成することはありますので、やはり養成段階の改善と初任者研修は十分相互連携する必要があるのではないかと思っております。
 教職大学院については、高度専門職業人としての教員養成で、他のビジネススクールとか、あるいはロースクールなどと同じように、教育も専門職としての資質の向上という観点からは必要なことではないかと思います。
 それからもう1点の免許の更新制ですが、先ほどからのお話を聞いていて議論を分けるべきではないかと思いましたのは、初任者研修をはじめ任命権者は教員として採用した以上、教特法の趣旨に従って教員の皆さんが絶えず研修に努めるという義務付け規定が教育公務員特例法にございまして、そういう研修を絶えずやっているわけで、10年研修、20年研修以前に、ふだんからの校内研修とか、それぞれの教科ごとの研修とか、非常に熱心に先生方は取り組んでおられると思うわけで、そういうことをやはり十分に評価していく必要があると思います。それから、先ほど指導力不足とか問題教師、これは臨教審以来、任命権者側で適切にそういうものに対応することがもう既に今までも取り組んでいるところでございますから、そういう問題教師の排除と免許更新は別に考えておく必要があると思うんです。免許更新は、10年たてばやはり社会の状況、学校の現場の状況、教育現場のニーズ、そういうものが変化していますから、そういうものに適切に対応するような講習内容によって、教員にさらにそういう10年という大きなスパンの中で教員として必要な資質能力の改善ということがこの講習によって行われ、それによって教員としての質的な保証を社会、また国民に対して説明責任を果たすという意味があるのではないかと思います。そういう意味では、10年ごとにそういうものを教育専門職としての質的な保証を示すということからは、私は必要なことであると、考えております。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、よろしゅうございましょうか。この答申案について、若干、慎重論が出ましたが、特に反対というご意見はなかったと思います。答申案をお読みいただければわかりますが、答申案はどちらかというと大枠を決めるという性格のものでありまして、梶田部会長からご説明がございましたように、実施についてはまだまだ詰めなければいけないところはたくさんあります。慎重にすべきであるという部分については、そのときにお考えいただくということで、できますれば、あすの総会に答申案として提出したいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

【木村分科会長】
 では、そういうことでご了承いただきました。ありがとうございました。
 それでは、続いて2番目の議題に参ります。「教職員給与の在り方に関するワーキンググループの設置について」でございます。
 これにつきましては、前回の初等中等教育分科会で事務局からご報告いただいた、政府の教職員給与に関する見直し方針を踏まえまして、現在、我々に諮問されております平成15年5月の「今後の初等中等教育改革の推進方策についての検討」の一環として新たに検討を開始するために、ワーキンググループを設置する必要があるのではないかということを申し上げました。そのことについて今日、正式にここでお諮りするということでございます。
 それでは、この件につきまして事務局から改めて、ご説明をお願いいたします。
 藤原課長、どうぞ。

【藤原財務課長】
 お手元の資料2をお開きいただきたいと思います。
 この件につきましては、前回の6月27日の初等中等教育分科会におきまして銭谷局長からご説明申し上げたところでございますが、去る通常国会で行革推進法が成立いたしました。そこの第56条第3項におきまして、いわゆる人確法の廃止を含めた見直し、そのた、公立学校の教職員の給与の在り方に関する検討を行い、平成18年度中に結論を得て、平成20年4月を目途に必要な措置を講ずる、と規定されているところであります。
 したがいまして、政府・与党において教員給与の在り方について本年度中に結論を得なければいけないということになっております。
 そこで、文部科学省といたしましてこの問題を検討するに当たりまして、中教審の初中分科会で本件について専門的にご審議いただくワーキンググループの設置をしていただければということで、本日、資料2にあるとおりお諮りするものでございます。
 具体的な検討項目としては、人確法の問題、あるいは教員給与の問題など幅広くご検討いただければと思っております。
 以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 ということで、ワーキンググループの設置を提案させていただきますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

【木村分科会長】
 それでは、ワーキンググループ設置そのものについてはお認めいただいたということでありますが、人選等については事務局と相談をさせていただきたいと思います。前回、今井委員から現職の教員も入るのかというご質問も出ましたが、その辺のことも考慮しながら人選をしたいと思います。よろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

【木村分科会長】
 ありがとうございました。では、そのように取り扱いをさせていただきます。
 3番目の議題、「初等中等教育の諸制度について」でございます。
 この初等中等教育分科会は、しばらく休みましたが、本年2月、第37回の会合から実質的な議論を再開いたしました。その際、今後引き続き検討を求められている課題といたしまして、3つの大きな問題があることを確認いたしました。
 1つは、義務教育、高等学校を含みますが、の目標の明確化について。それから2番目が、義務教育を中心とする学校種間の連携・接続の在り方について。3番目が、学校外の教育施設での学習を就学義務の履行とみなすことができる仕組み等についてであります。
 その後は、個別事項の報告があったり、教育基本法等の問題があったりして審議が断続的になってしまっておりました。──今後はこの3点の問題に集中して議論をする必要があろうと思っております。議論をさらに深めますために、お手元の資料3-1、「初等中等教育の諸制度について」というものを準備してございます。これを前川初等中等教育企画課長からご説明いただきまして、その後ご意見を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

【前川初等中等教育企画課長】
 資料3-1でご説明申し上げたいと思います。
 初等中等教育分科会におきましては、今年に入りましてから義務教育をめぐる問題について断続的にただいま分科会長からお話がございましたようにご議論いただいてまいりました。基本的には、昨年の10月の義務教育の改革に関する答申の中で、残された課題とされたものについてご議論いただくということで議論していただいてきたわけでございます。
 ただ、現在の状況の中で考えてみますと、教育基本法の法案が国会にかかっていると、また、教育基本法と関連する学校教育制度に関する見直しがやはり必要になってくるのではないか。また、教育基本法が仮に成立いたしますと、教育振興基本計画というものがつくられることになるわけでございますが、その中で、これまで進められてきた例えば歳出改革、あるいは規制改革といった改革との関連で、どのような考え方でこの学校教育をとらえていったらいいかと、こういったような問題が出てくるのではないかということで、改めて初等中等教育の諸制度をめぐる主な課題という形で事務局として整理させていただいたものがこの資料3-1でございます。
 まず、1ページ目でございますが、「義務教育制度に関する課題」。ここに載せてございますのは、昨年10月答申で「残された課題」とされていたものが中心でございます。
 まず、義務教育の目標について。義務教育の9年を見通した目標、これを明確にしていく必要があるのではないかと。義務教育を6年と3年に分けて小学校、中学校と分けて考えるのではなくて、義務教育9年間を一くくりに、その目的、目標といったものを考えていく必要があるのではないか。これは、考え方が整理された場合には、これを例えば学校教育法の中に「義務教育の目的・目標」として書き込んでいくというようなことになる可能性もございます。
 それから、学校種間の連携や接続の改善方策について。これも小中を一貫してとらえるという視点でございますが、例えば9年制の義務教育学校の設置の可能性を考えるといったものも含めて小中一貫教育の現状を踏まえた方策を考えていただきたいと考えております。
 3つ目が義務教育の年限あるいは就学年齢の問題でございますが、義務教育年限の延長の問題、あるいは就学年齢の引き下げといった問題が課題としてございます。これは、この中教審初中分科会の中でも年齢主義、履修主義をとるのか、課程主義、修得主義をとるのか、こういった考え方が随分と議論されてきております。就学年齢につきましても、一律に引き下げることが望ましいという考え方もあれば、あるいは、個々の子どもの状況に応じて5歳入学あるいは7歳入学といったものを認めるような弾力性をもった考え方もあるのではないかと、こういったご議論もございました。こういうことを踏まえて、義務教育の年限あるいは就学年齢の引き下げの問題、こういった問題についてもご議論いただく必要があるのではないかと考えております。
 2ページ目の最初の丸は、これも随分この初中分科会の中でもご議論していただいておりますが、学校外の教育施設を義務教育の履行として認める、あるいは、義務教育を、必ずしも学校に就学させる義務ではなくて、普通教育を受けさせる義務、教育義務としてとらえて、就学義務の在り方を考え直すべきではないかと、こういったご議論でございます。
 あるいは、現在のように平成4年の通知に基づきまして、不登校の子どもたちが学校外の教育施設へ通っている場合に、指導要録上出席扱いといたしまして出席したことにして、小中学校の校長の責任で卒業を認定していると、こういった実態がございます。これを、このままやっていくのかどうかと、こういうことでございます。
 参考として、就学義務の不履行の場合であっても、通知や督促の対象とならない場合、いわば法律のすき間に当たるような部分ですね、こういったすき間の部分で親の就学義務をすくう、こういった方策が考えられるかと、こんなことも論点として挙げてございます。
 大きな2番目の項目は、「高等学校教育制度に関する課題」でございます。
 まず、高等学校の在り方についてでございますが、高等学校の制度につきましては、この10年から20年の間に制度が多様化、弾力化してまいりまして、単位制高校総合学科、中高一貫教育、また、学校外の履修を単位として認める、あるいは海外留学を単位として認めると、こういった形でさまざまな学習の形態が可能になってきております。多様化がどんどん進んでいるというのが現状であると考えてよろしいかと思いますが、そうなりますと、どこまでが高等学校で、どこからが高等学校でないのかと、こういった問題が出てくるということでございます。高等学校と専修学校は一体どこが違うのかというようなこの問題。こういった多様化の状況を踏まえて、高等学校とは何かということをもう一遍考え直していただく必要があるのではないか。
 そういった中で、次の課題として、進路を見据えた高等学校の役割ということを特に示しているわけでございますが、高等学校制度の段階は、義務教育を終えてそれぞれの子どもたちがそれぞれの人生に向けて大きく進路を決定していく段階であると。その段階における学校教育という意味でこの高等学校が果たす役割をとらえていく、こういった視点があるのではないか。あるいは、進路決定を支援するということを高等学校の役割の中心的なものとしてとらえていくということはいかがだろうかと、こういった課題でございます。
 それから、高等学校における学校評価の在り方についてという課題もあると考えております。高等学校につきましては、高等学校設置基準、これは文部科学省令でございますが、この高等学校設置基準におきまして、現在、小学校、中学校と同様に自己評価の実施と、その公表については努力義務とされております。
 ただ、義務教育と違うところは、高等学校はまず、義務教育が無償制であるのに対して受益者負担の世界であるということ、また、義務教育においては教育課程においても共通性、一般性が非常に強いのに対して、先ほど申し上げたように極めて教育内容・方法について、多様になってきていること、また、大きな違いは、就学義務のあるなしでございまして、もともと意欲と能力のある子どもたちが就学する学校であると、こういう考え方になっているわけでございます。そういった義務教育との違いも踏まえながら、高等学校における学校評価の在り方について考えていっていただく必要があるのではないかと、このように考えております。
 最後は、義務教育制度と高等学校教育制度に共通する課題といたしまして、現在、進められてきております例えば歳出改革、あるいは規制改革といった構造改革の中で懸念されておりますのは、学校教育において格差拡大、あるいは階層化の進行といったことが進んできているのではないか、あるいは進む方向になっているのではないか、こういった懸念が各方面から表明されているわけでございます。
 こういった観点から、いかにして公立・私立といった設置者の別を問わず学校教育の質の向上というものを、あるいは確保というものを図っていくかと。そのために、設置者の取り組みをいかにして国として促進していったらいいか、このようなことを考えていただく必要があるのではないか、このあたりは、将来的に教育振興基本計画がつくられるのであれば、その際に重要な論点になってくるのではないかと、このように考えられるわけでございまして、事務局として今後この初等中等教育分科会でご議論いただく必要があると当面考えております課題について整理したわけでございます。
 これに関連いたしまして、資料3-2でございますが、これはこれまでにご議論の中で出てきた論点をアトランダムに並べたものでございます。まだまだ議論を尽くしていただいているとは考えておりません。
 資料3-3は関係資料ということで、この後、榎本教育制度改革室長からご説明申し上げます。
 また、直接これらの課題とは──後ほど資料3-3につきましては、榎本からご説明申し上げます。
 以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、資料3-3、これは非常に大きな資料で、大変興味のあるデータがたくさん盛り込まれていますが、まともに説明すると非常に時間が掛かりますので、どういう性格のものか、さわりの部分だけご説明をよろしくお願いいたします。

【榎本教育制度改革室長】
 横長の資料3-3でございます。本日の議論に関係するものもあれば、若干本日の議論から発展しているようなものも入っておりますので、本日はお時間の関係もありまして関係するものを中心にご紹介申し上げたいと思います。
 とは申しながら、まず資料右下に目次をつけておりまして、まず、5ページ目からと思っております。10日ほど前に昨年の国勢調査の速報が公表されたところでありまして、まずこちらからご紹介したいと思います。5ページ、折れ線グラフでございますが、ゼロ歳から14歳の人口が着々と割合がだんだん減ってきており、一方、65歳以上の人口が増えてきていると。15歳未満のこの赤の折れ線グラフの割合が13.6パーセント、一方、65歳以上が21パーセントというふうに、この赤と緑のグラフが交差している状態になってきているというのが最新の統計でございます。
 1枚めくりまして6ページ目に参りますと、これの国際比較でございますが、この国勢調査の統計でも紹介されていたのでございますが、日本は今や世界最高の少子高齢化国になっているというのが10日前の公表でございました。日本は一番右端に掲載されております。
 もう1枚めくりますと7ページでございますが、日本の労働力率、その年齢別の働いている人の割合の推移でありますが、これが3種類の折れ線グラフでご紹介されてあります。昭和60年、平成12年、平成17年と、これ、男女別に紹介しておりますが、女性に関しましては、いわゆる「M字カーブ」と申しまして、30代の方の労働力率が低いという状況が一般に言われておりますが、このM字型がだんだん緩くなっているというのが最新の統計でございます。一方、男性に関しましては、若い男性の方の労働力率がだんだん下がっているような傾向が見受けられるというのが最新の統計でございます。
 この辺、次のページ以降もいろいろなデータがあるのでございますが、お時間の関係もありまして大幅に飛ばしまして、12ページからが小中学校、いわゆる義務教育に関連する資料でございます。
 最初の13ページは基本的な数字でございまして、14ページ、15ページは、児童生徒数の戦後の推移、それから、学校数の推移でございます。そういったものが続いておりまして、18ページ、19ページに行きますと学校の規模の変化を、18ページが小学校、19ページが中学校として載せております。
 小学校に関しまして、18ページでございますが、子どもの数が多かった56年、それから最新のデータを比べております。よく小学校の小規模化が進んでいるということが一般に言われておりますが、学校の数で申しますと、小規模校の数はマクロではあまり減っておらず、むしろ700人以上のいわゆる大規模校がほとんどなくなりつつあるというのが小学校のこの20年ほどの状況でございます。19ページの中学校も同じように、大規模な学校がほとんどなくなっているというのがマクロな状態での学校規模でございます。
 21ページ、義務教育の年限でございまして、主要国の義務教育年限、それから、学校種をご紹介しております。日本は一番上でございまして、小学校6年・中学校3年でございます。主要国で見ますと、いろいろな国がありますけれども、おおよそ義務教育年限9年のところが多いと。若干国によっては日本よりも前、もしくは後ろにはみ出ているというところがあるというものでございます。
 それから、少し飛ばしまして25ページでございます。25ページは、昨年の中教審の議論の参考として義務教育に関する意識調査を行いました、それに関するデータを1つご紹介したいと思います。
 この25ページは、「中学生に身につけることを望んでいる能力・態度」として、保護者と教員にアンケートをとったものでございます。この青が中学生の保護者の意見でありまして、これを左から右に順番に並べかえたものであります。
 これで見ますと、保護者は一番左端にあります「教科の基礎的な学力」もありますし、また、それだけでなく、「人間関係を築く力」「善悪を判断する力」「自ら学ぼうとする意欲」、さらに「受験に役立つ学力」だけでなく「社会で役立とうとする心や公共心」というふうな、学力、それから人間関係、学ぶ意欲、公共心、こういったものにも保護者の方には関心が持たれているというものでございます。
 26ページからは、問題行動に関しまして校内暴力行為、いじめ、不登校、それぞれ1ページずつご紹介しております。学年別に紹介しておりまして、暴力行為、26ページでございます、それからいじめ、27ページ、こちらも小学校6年と中学校1年で大きな数の違いが出ているというところでございます。
 28ページ、不登校に関しまして、学年別に見ていきますと、小学校と中学校で数に大きな差が出ているというものでございます。
 29ページ、こちらはデータというよりも現在の取り組みでございます。小中一貫教育に関しまして全国的な制度化はされていないのでございますが、構造改革特別区域、いわゆる特区でございます。それから、文科省で行っております研究開発学校制度、こういったものを使いまして、既に全国いろいろなところで小中一貫の教育が取り組まれているところでございます。
 また、こういう特区ですとか、文科省の研発の制度を使わないでも、現行の制度の中で、例えば三鷹市のように小中一貫教育を現行の制度内で推進しようとしているところもあるということでございます。
 30ページは、平成11年に制度化いたしました今度は中学校と高校を結びます中高一貫教育、こちらの推移でございます。中高一貫教育は、大まかに3つの類型があるのでございますが、その3つの類型それぞれがだんだん数が増えてきておりまして、現在、200校弱が中高一貫教育を何らかの形で実施しているところでございます。
 31ページと32ページは、前回の初中分科会でご紹介いたしましたが、公立学校におきます外国人児童生徒の状況でございます。とりわけ32ページが日本語指導が必要な外国人児童の推移というものでございます。少しずつ増えているというところでございます。
 33ページが高等学校に関しますデータといたしまして、34ページ以降、その高校の進学率、それから生徒数の戦後の変遷、増減をグラフにしてご紹介しております。
 高校につきましては、先ほどのご説明にありましたとおり多様化が進んでいるところでございまして、36ページが総合学科、それから単位制高校がだんだん増えているという状況、37ページが高校以外での学習成果を単位認定している学校数、これもだんだん全国的に増えているという状況、38ページが高等と大学の連携がだんだん増えているという状況でございます。
 一方、39ページは、高校の退学者の状況でございまして、これも中退率が若干下がっているところでありますが、現在、高校の中退率が2.1パーセントとなっているところでございます。
 それから、少し飛ばしまして42ページでございます。42ページが高校の卒業生の進路の戦後の推移であります。42ページは左側が普通科、右側が専門学科の状況でございまして、この赤とか青のうねうねしたグラフがありますけれども、普通科と専門学科、進路で見ていきますと、大きな違いがございます。就職率、それから進学率は違いがあるというところでございます。
 43ページが高校のインターンシップ実施状況でありまして、インターンシップを体験した高校生の割合、だんだん増えている状況にあります。ただし、普通科に関してはまだまだそれほど増えているという状態ではございません。
 それから、もうあとはほとんど参考になりますが、48ページ、これがコミュニティ・スクール、学校運営協議会を設置しておりますコミュニティ・スクール、これがだんだん増えてきているというデータでございます。
 49ページ、それから50ページが学校評価の実施状況を学校種ごとに挙げたものでございます。49ページが学校評価を実施する公立学校、これが15年と16年を比較しますと、だんだん増えてきているという状態、50ページが学校評価の結果を公表しているところの割合、こちらも基本的にはだんだん増えているという状態でございます。
 52ページ、53ページは、家計の教育費負担に関しまして、私立と公立では家計の教育費負担に大きな違いがあると。ただし、公立学校に通う場合であっても、少なからぬ費用がかかっているということをご紹介しているのが52ページ、53ページでございます。
 54ページ以降は、学校種ごとの公私比率の割合を県別に参考としてつけたものでございます。
 58ページ、59ページは、参考に塾の通塾状況に関しまして、これは少し古いデータでございますが、ご参考までつけたものでございます。
 本日のデータ、必ずしも今日の議題全部を網羅し切れていないところもあるかと思いますが、ご参考までご紹介したところでございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、少し時間が残っておりますので、特に資料3-1について議論をしたいと思います。
 昨年の10月の答申「新しい時代の義務教育を創造する」で、私どもに議論が要請されたものの幾つかについては、既に答申いたしましたが、ここに掲げてある課題は「残ったもの」とお考えいただければよろしいかと思います。これについて、何かご質問、ご意見ございましたらお願いいたします。
 どうぞ、渡久山委員。

【渡久山委員】
 1つは質問なんですが、先ほど前川課長から説明があったものの3番目に、格差の拡大や階層化の進行というのがありますね。今、榎本室長から説明のあったこの資料の中に、例えば階層化が学力格差といいますか、いわゆる経済格差が学力格差になっているかどうか、この辺の資料があるかどうかを教えていただきたい。
 というのは、昨今、就学援助費を受けている子どもが増加はしているわけですね。給食費あるいは修学旅行費などの援助ですね。小学校では新聞によりますと、これは小中学校で133万人ですね。増加がもう36パーセント増えているというわけです。そうしますと、やっぱりそういう経済的な格差、あるいは貧困化が、ややもすると就学ができない、そのために学習する時間なり、あるいは学習に対する態度なり、あるいは学習成果が上がらずに学力格差につながっているというような状況があるような気もいたしますけれども、この辺のデータがあるかないかということが1つです。
 もう一つはやっぱりここにありますように公立学校、義務教育ですね、義務教育は何かというと、私立よりも公立のほうが大きいわけですから、そういう意味では義務教育の中において、学習指導要領といわゆる到達率、僕はいつも言うのですが、の乖離ですね。いわゆる学力との乖離が非常に大きくなってきているわけです。そういう意味では、やはり義務教育全体の底上げも必要なんだけれども、やっぱりそういうような乖離した実態をどういう形で解消していくのか、この辺の問題は非常に大きな問題だと思います。
 以上ですが、質問を1つだけやらせていただきたい。

【木村分科会長】
 最初のご質問については日本ではデータがとりにくいのではないでしょうか。英国はご承知のとおり大学の貧困層からの進学率を増そうということを1つのナショナルモットーにして努力しています。OECDでいろいろ議論しておりますと、ヨーロッパの国からはそういうデータは出てくるのですが、日本の場合は難しい問題がありますね。何かお答えありますか。

【前川初等中等教育企画課長】
 経済的な格差と進学の機会とか、あるいは学力水準とか、こういったものの関係をはっきりと示すようなデータは、今、持ち合わせておりません。私どもの仕事の中での皮膚感覚としてはございますけれども、今後ちょっとそのデータを整理するように努めてまいりたいと思っております。
 また、学力調査の実施をいたしますと、その結果として一定のものは浮かび上がってくるのではないかと、こんなふうに思っているところでございます。

【木村分科会長】
 どうぞ。

【梶田副分科会長】
 今、なかなかすぐにはないということですが、しかし、渡久山先生が今おっしゃっていただいた問題は、これは非常に大事な問題で、どこかでやはり初等中等教育の日本のこれからの在り方を考えるときに念頭に置かなければいけない問題だと思いますので、ちょっと探していただいて、2種類はあると思うんですね。
 1つは、過去40年ぐらい前から国立大学の入学者の家庭の収入のあれがあります。私、うろ覚えですけれども、30年、40年前は、例えば京都大学は一番貧しい層だったですよ。私のいたときはね。ところが、たしか十何年前からは東大と京大が一番高い所得層になりました。2000年を超えてから少しそれが落ち着いてきているはずなんです。このデータが、これはどこでとっておられたか、ちょっと今は忘れましたが、これはあるはずです。これはちょっと年次的な推移の問題も含めてこれを1つお願いしたい。
 もう一つは、似ておりますが、これはちょっと差しさわりがあるので、私も私学にも関係したので差しさわりがあるんですが、例えば東大入学者の出身高校ベスト20、これ、90年代は公立の高校はなかったはずです。16ぐらいが私立です。あと4つぐらいが国立の附属だったはずですね。これも、最近、少し公立が食い込んだような私はイメージを持つ、少なくとも公立のあれがかなり今上がってきました。2000年以降ですね。
 そういうようなデータ、これは、私は格差が今進んでいるかどうかという問題はあります。少なくとも90年代はすごく進んだと私は思っております、データの上では。それが、少し2000年からよくなったような感じもしますが、しかし、実はまた新たな格差の拡大に向かって進んでいるのではないかという危惧が、これはないわけではありませんので、ちょっと大変なことでありますけれども、ちょっと関係のセクションで探していただくとありがたいと思います。お願いしたいと思います。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 3年、4年ぐらい前だと思いますが、IDEに掲載された研究論文の中にそういうデータがあり、私、今でもそれを使っています。ある地域についてですが中学校卒業生がどの高等学校へ進学し、その後成績がどうなったかという状況と父親の職業の関連を調べたものです。私、その後、そういうデータを探しているのですが、殆ど見つかりません。文部科学省でそういう研究者の方を追いかけて、梶田先生のお話とあわせて少しデータを集めていただければと思います。
 他にご意見ございませんでしょうか。
 どうぞ。

【安彦委員】
 質問が2つばかりと、あと、全体的なコメントを申し上げたいんですけれども、先にコメントでお願いしたいことは、先だってこの義務教育のことを、ちょっと外国の様子を聞くためにフランスのことやらアメリカのことやら伺ってみたら、中等教育の中に義務教育が、前期中等教育の中に義務教育が入っていますね。大体どこの国もそうなっています。そのときに義務教育というと、私たちは非常に、日本ではこの義務教育の観念が強くて、「義務教育の目標」と言って、「義務教育だったらここまでは」という議論をしがちだし、私もそうだったんですけれども、どうもアメリカやその他、イギリスの場合も、フランスの場合でも、それほどそういう見方が強くない。むしろ、中等教育、前期なら前期の中で何年目までが義務教育であるという程度で、あまり義務教育に非常に思い入れをして、だからこの時期までに何かをという、こういう文言もあまりないし、法律上の、常識的に言っても、専門家、向こうの大学の教師に聞いても、そんな議論はしたことがないとかというふうに、義務教育がこうあるべきだとかですね、むしろ義務教育を9年なら9年、あるいは10年なら10年、とにかくそれは中等教育のここまでということを決めているだけであって、別にそれ以上のものでないというのが一般的な認識であるという、そういうことを知りました。
 改めてこの辺のことのとらえ方なんですけれども、こういう義務教育というものをどういうふうにとらえていったらいいのか、あるいは、この初等中等という大きな制度の中で、言ってみれば、中等教育のねらいのここまでを義務教育と言うだけの話であると、今挙げたような国のようにとらえるかですね。それともやっぱり義務教育を非常にかたく考えて、そして、それを上まで伸ばしていくのだとか、あるいは、ここまで逆に下げるのだとかという、そういう議論になるのか、そもそもその辺の構えをやっぱりまずは議論しなければいけないかなと。今の段階ですと、何か義務教育答申が出てしまったものですから、非常に義務教育を意識した議論になっていますけれども、この辺のちょっと国によってそのとらえ方が違うということを知りましたので、少しその辺も含めた議論をしていただきたいと。
 それから、あとはちょっとこの質問は、「諸制度」と書いてありますから、まあ制度のレベルのことなんだなという、ちょっと問題のとらえ方なんですけれども、制度部会がやるべき、分科会ももちろんやるんでしょうけれども、制度部会がまずは義務教育答申以後、これをまずやっていって、私たち分科会も並行してやっていくことなのかどうなのか。制度部会との役割分担といいますか、その辺の兼ね合いがどうなのか。
 それから、今、木村先生も言われたように、義務教育答申で残った部分をここに大体挙がってきているものとしてあると伺うと、そうはいいながら、かなりタイミングはかなり早目に結論を出すような性質のものなのか、それとも、比較的長期的に長い時間を見て審議していくべきものなのか、その辺、どういうふうに受け取ったらいいのか、ちょっとこれは質問なんですけれども。

【木村分科会長】
 では、後の方についてお願いいたします。

【前川初等中等教育企画課長】
 ここにお示しした課題につきましては、基本的にはこの初等中等教育分科会でご議論いただきたいと思っておりますが、必要に応じて部会あるいは作業部会におろすこともあり得ると考えております。
 時間的なスケジュールでございますけれども、先ほど制度部会とおっしゃいましたが、制度分科会の間違いではないかと思うんですが、教育制度分科会のほうは、これは初等中等教育を超えた制度を議論するという場合には、これは制度分科会のほうになりますが、制度分科会は初等中等教育分科会と並びの分科会でございますので、制度分科会にお諮りすることは考えておりません。
 時間的なスケジュールについては、まずこの多くの課題が結論のいかんによりますけれども、一定の結論が出た場合には、それが学校教育法等の法律改正を要する場合が多いわけでございます。したがって、1つの目安としては、次の通常国会までにまとまったものについては学校教育法の改正案などのような形で国会へ提出してまいりたいと、そのように考えております。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 最初の件ですが、私、アメリカの6,000人ぐらいの小・中・高の先生方と、10年間接触してきましたが、確かに安彦先生がおっしゃるような状況のようです。英国は少し違うのではないかという気がします。日本ほど「義務教育、義務教育」とは言わないけれども、16歳までにどうどんなことを身につけさせるかということを相当ナショナルレベルで議論してやっています。一番詳しい、榎本さん、その辺どうですか。

【榎本教育制度改革室長】
 イギリスに関しましては、小学校1年から中等学校5年まで、ここまでが義務教育となっておりまして、この11年間に関するナショナルカリキュラムはございます。この11年間のナショナルカリキュラムに関連する到達目標がございます。これは11年間の学習内容を合計9段階で、たしか9段階で位置付けをしておりまして、例えば小学6年までにはその9段階のうちの4段階までに達することが適当であるとして、最後、11年生までに7段階目までに達するとか、そういった基準を大まかに設けて、全国テストを実施する際にも、そういった基準に達しているかどうかを1つの目安にしているということがあると伺っております。

【木村分科会長】
 数年前オフステッドへ行って詳しく聞いたことから言いますと、義務教育段階の子どもたちのそれぞれの個人の到達度、今、榎本さんがおっしゃったようなことですが、それについては全部背番号をつけてデータとして持っているようです。今、オフステッドは、そのデータが流出しないよう、ありとあらゆる注意を払っているようです。いずれにしても英国では到達度については、相当真剣に考えています。英国でも、日本と同じように15歳が問題だと言われています。15歳については幾らお金をつぎ込んでも、うまくいかないというようなことを何度も聞いたことがあります。
 何か他に。渡久山委員、どうぞ。その後、宮崎委員。

【渡久山委員】
 今、義務教育の関係で、鳥居会長もいらっしゃいますけれども、「新しい時代の義務教育を創造する」という答申をする際に、私はやっぱり若干延長すべきだろうということを言ってきたんですよね。いつの間にか立ち消えになっちゃったんですけれども。文章からもう消えちゃったんです。最初は随分事務局も書いてくれていたんですけれどもね。
 ということは、5歳入学からして10年というのも1つの考え方ですね。それからもう一つは、やっぱり6歳だったら、今の高等学校も準義務という感じで12年間というようなものも1つの考え方じゃないかなということがあるんですけれども、文科省で諸外国の学校教育という資料がありますけれども、それによりましたら、これは60カ国ぐらいのものですけれども、9年間やっているのが大体33カ国なんですが、10年間の義務教育をやっているところが11カ国、それから11年間が4カ国、それから12年間が3カ国と、こういうようになっているんですね。ですから、18カ国が10年以上の義務教育年限を持っているわけですね。33が9カ年ですから、これは日本もその中に入るわけですけれども、これは全体的な資料が70カ国近くですから、それは全体の今の国連加盟の全国をあらわしていないけれども、これが1つ。
 それからもう一つちょっと気になるのは、今度の教育基本法の改正案で義務教育年限を落としているんですね。与党案も、民主党案にもね。これはしかし、ただ話によると延長するということが前提だといううわさも聞いているが、そうではなくて、やっぱり、ではこれは法律的に何年にすべきかということをどこかできちっと規定しなければいけないと思いますね。そういう意味では、やっぱりここで今出していただいていることもあって、もっときちっと議論をさせていただきたいと、あるいはしてほしいと。そして、一定程度の結論というものをもって答申をすることによって法律化してほしいというような期待があるわけです。これが1つです。
 もう一つは、やっぱり今の9年間、あるいはまた高校まで入れてもいいのですけれども、学年の区切りの仕方です。これは制度になるのか、そうでないのか、今、安彦先生もいらっしゃいますけれども、例えば4歳、4-4-4で切っていくというのが安彦先生の論文を読ませていただいたらそうなっていますけれども、それにも非常に発達心理学の立場と、あるいはいろいろな関係からそういうことについても一応議論をしていくというようなことをやっぱりさせていただいたらどうかと、こういうように思います。

【木村分科会長】
 宮崎委員、お願いします。

【宮崎委員】
 義務教育制度に関する課題ということで、大きなくくりで検討をしていくということなんですが、私は、2番目の丸と、それから4番目の丸にかかわって少し観点を変えてこんなことも検討していただければということでお話ししたいと思うんです。
 先般、学校教育法等の一部改正法案が国会を通過しまして、6月21日に官報で公示・公布されたわけでありますが、特にこれは特別支援学校と、それから小中学校、あるいは高校、幼稚園との連携接続の在り方などについて今後どう考えるのかということもやっぱり大事な視点としてあるのではないか。
 と申しますのは、世界的な傾向等を考えたときに、障害者との交流及び共同学習の積極的な推進といったような国全体の動きなどもありますので、そのあたりは、現在は特別支援学校と小中学校は学校制度としては別枠で考えているわけです。このあたりの接続の在り方などについて、少しやっぱり論議しておいていただければありがたい。
 それから、4番目の丸のところの就学義務の在り方について、今国会での審議の中でもこういったことについて論議がされたようでございますので、こういう視点からも少し課題として挙げて検討していただくとありがたいと思っております。
 以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。参考にさせていただきます。
 それでは、まだご意見もあろうかと思いますが、時間が参りましたので、以上とさせていただきたいと思います。
 今日は、参考資料2についてもご説明しようと思ったのですが、これはまだ途中経過でありますので、また機会を見てご報告することにいたしますが、この資料の性格について簡単に説明させていただきます。
 「教育課程部会の小中学校部会におけるこれまでの主な議論」です。ご承知のとおり、教育課程部会の下にはすべての教科の専門部会ができております。教科専門部会で非常に濃密な議論を繰り広げておりますが、ともすると、議論がタコつぼ的になりがちであるということで、小学校部会、中学校部会、さらに高等学校部会を設けさせていただいて、大所高所の議論といいますか、横ぐしの議論をしていただくことに改めました。教科について随分共通な部分があるだろうという立場です。ことに今日は時間数等の問題がありますので、それを解決するためには、やはり共通の部分があるかどうか一度たたいてみようということになりました。うまくいくかどうかわかりませんが、そういう趣旨で小学校部会、中学校部会、さらに高等学校部会を設けた次第です。
 この資料にはまだ、高等学校部会での主な議論は出ておりませんが、次回の教育課程部会では部会長の安彦先生から議論の様子をご報告いただくことにしています。そのときには右側に多分、高等学校部会での主な議論が入ると思います。これについて、小学校と中学校の部会での議論については前回の教育課程部会でいろいろご意見をいただきました。ご批判もいただいております。次回までには、少し高等学校部会の議論の模様、それに、教育課程部会でいただきました議論を加えて、資料を整理したいと思います。合田さん、それでよろしいですね。
 では、そういうことで処置をさせていただきます。
 それでは、時間が参りましたので、以上とさせていただきます。次回以降の日程等について、榎本室長、よろしくお願いいたします。

【榎本教育制度改革室長】
 次回の日時、場所に関しましては、先生方の日程を調整させていただきまして、また後日ご連絡いたします。

【木村分科会長】
 本日はありがとうございました。次回、またよろしくお願いいたします。

─了─

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