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初等中等教育分科会(第40回) 議事録

1.日時

平成18年6月27日(火曜日) 10時~12時

2.場所

丸の内東京會舘 9階「ローズルーム」

3.議題

  1. 教育基本法案について
  2. 今国会において成立した主な法案について
  3. 就学義務について
  4. 教育委員会制度をめぐる議論について
  5. 教職員給与の在り方について
  6. その他

4.出席者

委員

 木村分科会長、梶田副分科会長、安彦委員、加藤委員、角田委員、増田委員、市川委員、井上委員、今井委員、高橋委員、河邉委員、黒須委員、甲田委員、高倉委員、田村委員、渡久山委員、永井委員、西嶋委員、野村委員、平出委員、北條委員、宮崎委員、横須賀委員

文部科学省

 近藤文部科学審議官、坂東官房審議官、銭谷初等中等教育局長、山中初等中等教育局担当審議官、前川初等中等教育企画課長、藤原財務課長、坪田児童生徒課長、手塚国際教育課長、藤原企画官、榎本教育制度改革室長

5.議事録

【木村分科会長】
 おはようございます。お久しぶりでございます。
 それでは、時間になりましたので、ただいまから中央教育審議会第40回初等中等教育分科会を開かせていただきます。
 本日は、お忙しい中、本会にお運びいただきましてありがとうございました。議事に入ります前に、委員の異動がございましたので、事務局からご報告をお願いいたします。

【榎本教育制度改革室長】
 それでは、ご報告させていただきます。
 大橋臨時委員が退任されまして、本日より新たに臨時委員が2名ご就任されております。
 まず、東京都八王子市長の黒須臨時委員でいらっしゃいます。

【黒須委員】
 黒須でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【榎本教育制度改革室長】
 続きまして、大田区立田園調布中学校長の高橋臨時委員でいらっしゃいます。

【高橋委員】
 高橋でございます。よろしくお願いいたします。

【榎本教育制度改革室長】
 以上でございます。
 なお、現在、文部科学省におきましては、クールビズということで軽装を奨励しているところでございますので、先生方におかれましてもできるだけリラックスした服装で今日のご審議にご参加いただければと思っておりました。この旨、あらかじめご連絡ができませんでしたことをおわび申し上げます。失礼いたしました。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 本日は、5点の議題を設けております。
 まず最初に、教育基本法について事務局からご報告をお願いいたします。
 次に、さきの通常国会において何点かの新しい法律が成立いたしましたので、それについてご報告をお願いします。
 3点目が就学義務についてでございます。これは事務局から資料を説明していただいた後、ご審議をお願いいたします。
 4点目が教育委員会制度をめぐる議論について、これについても報告をお願いすることになっています。
 最後に、教職員給与の在り方についての説明を受けることになっております。
 議題が多くなっておりまして、すべての議題について審議の時間を設けることができませんし、また、審議の時間を設けました件につきましても、それほどの長い時間がとれませんので、ご発言の際には、なるべく簡潔にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず最初に教育基本法について藤原企画官からご報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【藤原企画官】
 それでは、説明を申し上げます。恐縮ですが、座って失礼いたします。
 教育基本法につきましては、さきの初中分科会におきまして法案の概要というようなものでご説明したわけでございますけれども、ご承知のように、さきの通常国会で審議が精力的に行われたわけでございます。
 まず、お手元の資料、資料1-1をご覧になっていただきたいと存じます。これは、教育基本法案の審議状況について簡単にまとめたものでございます。4月28日に閣議決定がなされ、国会に提出されました。その後、5月16日に衆議院の本会議、それから24日から特別委員会での質疑が始まったわけでございます。以後、審議時間は、合計で40時間、また、このほかに参考人の意見陳述、質疑時間を合わせますと、49時間というふうな、大変熱のこもった審議が行われたわけでございますけれども、また、参考人質疑の中では、鳥居会長をはじめといたしまして、この中教審の委員の先生方にも多数ご協力いただいたところでございます。しかしながら、さきの通常国会では継続審議という形で、秋以降の国会へ持ち越したという状況なわけでございます。
 その国会での主な論点、特に初中教育を中心とした論点につきまして、ごく簡単にご報告申し上げたいと存じます。
 お手元に資料1-2がございます。こちらが教育基本法改正案、これが左側に書いてございます。そして、右側が現行の基本法、これを新旧対照というような形で比較したものでございます。これをご覧になりながら説明を聞いていただければと思います。
 さきの国会でやはり一番大きな論点となりましたのは、「国を愛する心・態度」に関連するテーマでございます。その資料1-2のところでは2ページ目、「(教育の目標)第二条」のところでございます。その第5号で「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」という規定があったわけでございますけれども、1つ目は、この条文につきまして、「愛する心」なのか、「態度」なのか、ということが議論の1つ目の論点でございました。
 これにつきましては、「我が国と郷土を愛する態度」というのは、我が国を愛し、その発展を願い、それに寄与しようとする態度のことであり、このような態度は心と一体として養われるものであると。また、この法案では、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛することとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する」ことを一体として規定することとしたところであり、これを受ける語句としては、「態度を養う」とすることが適当であると判断したというふうな説明をしているところでございます。
 それから、この点についての2つ目の論点は、「国を愛する心」についての評価という問題でございました。とりわけ福岡市等の通知表、これは小学校の社会科でございますけれども、その中で、この「国を愛する心」に関する評定項目があるということがございました。具体には、「我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を持つとともに、平和を願う世界の中の日本人としての自覚を持とうとする」というふうな項目があったわけでございます。これは既にこの通知表の項目は使われていないということであったわけでございますけれども、こうした評価の在り方がどうあるべきなのかということでございました。
 この点につきましては、これはあくまで児童生徒の内心を調べるようなものではないと。したがって、「国を愛する心情」を持っているかどうかで評価するのではなく、我が国の歴史や伝統に関する学習内容について意欲的に調べたりして積極的に取り組んでいるかというふうな、関心、意欲、態度を総合的に評価するものであるというふうな答弁をいたしたところでございます。
 それから、2つ目の論点のポイントといたしましては、宗教教育の関係があったかと存じます。
 こちらは、この条文のほうでは第十五条ということになるわけでございますけれども、お手元の資料では7ページ目になります。宗教に関する教育、これが必ずしも十分になされてきていなかったのではないかといういろいろなご意見があるわけでございますけれども、そうした状況を踏まえ、このたびの改正案では「宗教に関する一般的な教養」というふうな文言を新たに追加しているわけでございます。こうした文言に従いまして、これにより主要な宗教の歴史や特色、あるいは世界における宗教の分布など宗教に関する知識をしっかり教えていこうと、そういうことでございます。
 また、宗教的な情操、それをどうするのかという考え方もあるわけでございますけれども、これにつきましては、「宗教的な情操」という言葉が非常に多義的であるというようなことから、これを法律の中に規定することは問題があろうという判断から、そのこと自体は規定をしておらないという説明をしたところでございます。
 それから、3つ目のポイントでございますけれども、第十六条、お手元の資料は8ページでございますけれども、「教育行政」のところでございます。「不当な支配に服することなく」という文言に関連した議論でございます。
 ここにつきましては、現行法の第十条で「不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」という規定がなされておるわけでございます。また、現行法の第2項では、「教育行政は、この自覚のもとに、必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない」という規定があったわけでございまして、こういった規定とあわせて、教育内容に教育行政が関与してはならないという主張が見受けられたことから、昭和51年の永山中学校学テ最高裁判決なども踏まえまして、法律の定めるところにより行われる教育行政が「不当な支配」に当たらないということを明確化したということで説明を申し上げているところでございます。
 それからまた、この十六条、それから、ちょっと戻っていただいて五条でございますけれども、第五条では「義務教育」の規定がございます。こういった五条や十六条に関連いたしまして、国の責任・役割が不明確ではないかという議論もあったところでございます。その改正案の第五条では、その第3項で「国及び地方公共団体は、義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担及び相互協力の下、その実施に責任を負う」というような規定がされているわけでございますし、また、第十六条では、その第2項で「国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない」という規定が置かれているわけでございまして、こういったことから国の役割を明確化してあるということで説明をいたしたところでございます。
 それからまた、改正案の第十七条に関連いたしましては、これは教育振興基本計画の部分でございますけれども、例えば対GDP比の教育投資目標など、そういったものを明確化すべきではないかという議論も行われたところでございます。そういったことにつきましては、今後、振興基本計画を定める中で検討していくと、そういうスタンスで考えているわけでございます。
 そのほか、前回のこの初中分科会でのご議論いただきました高等学校の位置付けでありますとか、それからまた、そのほかでは第四条の「教育の機会均等」におきましては、「すべて国民は」という形で改正案は規定しているわけでございますけれども、そういったことにつきまして、例えば「何人も」というような形で日本人に限らない規定にしてはどうかというふうな議論なども行われたわけでございますけれども、これにつきましては、高等学校につきましては今後さらに検討していくということでございますし、この「教育の機会均等」につきましては、この教育基本法というのは日本国民の育成を目指した基本法でございますので、「すべて国民は」という形で国民を対象としてあるという説明をいたしたところでございます。
 そのほか、多々論点はございましたけれども、時間の限りもございますので、ご紹介は以上にさせていただきたいと思います。今後、秋の臨時国会以降を踏まえまして教育基本法の審議の動向を見ながら、この初中分科会におきましても、学校教育法の目的、目標規定の在り方など、引き続きご議論をいただければと考えている次第でございます。
 以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 少し時間をとってありますが、何かご質問、ご意見等ございましたらいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 よろしゅうございますか。
 ご質問がないようでございますので、先へ進ませていただきます。
 2番目の議題、先ほど申し上げましたが、今国会において幾つかの教育関連の法案が成立しております。これにつきまして、前川課長からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。説明が少し詳しくなっても構いません。

【前川初等中等教育企画課長】
 今国会において成立いたしました初等中等教育関係の法案3点につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料2-1から2-3まででございますが、まず、資料2-1でございます。義務教育費国庫負担法等の一部改正についてでございます。
 義務教育費に係る経費負担の問題につきましては、昨年の中教審のご審議の結果を踏まえまして、昨年の11月に政府・与党合意が行われました。その中では、残念ながら国負担割合を2分の1から3分の1へと変更することが決定されたわけでございますが、同時に、義務教育費国庫負担制度はこれを堅持することが明らかにされたということでございました。今回の法律改正は、それを受けたものでございます。
 具体的な内容は、大きく3つございまして、第1点は、義務教育費国庫負担法の一部改正でございますが、政府・与党合意に基づいて国の負担割合を2分の1から3分の1に引き下げるという内容でございます。
 また、それと同時に、中教審答申におきましても、義務教育費国庫負担制度についてはその制度を堅持しつつ、地方の裁量を拡大するために、総額裁量制の一層の改善が必要だということが言われておったわけでございますが、このご提言を踏まえまして、今回の法律改正におきましては、小学校・中学校・盲学校・聾学校、これについて定められております義務教育費国庫負担制度と、それから養護学校について定められておりました国庫負担制度、この2つの国庫負担制度を統合したわけでございます。これによりまして、学校種を超えて地域の実情に応じた教職員配置が一層可能になることが期待されるわけでございます。
 2点目は、市町村立学校職員給与負担法の一部改正でございます。地域における特色ある教育を推進するために、平成15年度より構造改革特別区域において市町村が独自に給与を負担して小中学校の教職員を任用するという制度が行われてきたところでございます。これを全国展開するために、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正したものでございます。従来、特区において行われておりました事業は、少人数教育の充実、あるいは地域の特色を生かした教育活動の展開などに効果を上げていたところでございまして、今回の改正によりましてこの効果が全国的に広がることが期待されます。
 3点目は、義務教育小学校施設費国庫負担法等の一部改正でございます。公立文教施設整備費につきましては、中教審答申等を踏まえまして教育の機会均等を担保する観点から、審増築に係る経費については引き続き国庫負担制度として維持した上で、地方の使い勝手を向上させ、効率的な施設整備を推進するために、改築あるいは耐震補強などに係る経費につきましては一括して交付金を交付するという制度にしたわけでございます。この交付金化によりまして、地方においてはより効率的に執行しようとするインセンティブが働き、その結果生み出された財源を例えば耐震化などの事業の前倒しに充てることも可能になることから、耐震化などが今後促進されるものと考えられるわけでございます。
 次に、資料2-2をご覧いただきたいと思います。
 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律でございます。これは「認定子ども園」制度を創設するための法律でございまして、今回の法律が成立したことによりまして、この制度が本年10月1日からスタートすることになるわけでございます。
 この「認定子ども園」の制度、これはまず第1に、就学前の子どもに対する教育及び保育、それから第2に、地域における子育て支援を総合的に提供する機能、こういった機能を備える施設を、施設側からの申請に基づき都道府県が「認定子ども園」として認定するという制度でございます。
 今後のスケジュールといたしましては、政省令の整備を行うとともに、国の指針を策定いたしまして各都道府県において認定基準の策定準備を進めていただくということになります。
 今回の「認定子ども園」制度の創設によりまして、幼稚園、保育所、「認定子ども園」が相まって地域の実情に応じて就学前の教育・保育機能の一層の充実が図れることが期待されるわけでございます。
 最後に、資料2-3でございますが、学校教育法等の一部を改正する法律でございます。この内容といたしましては、特別支援教育の推進のための制度改正でございますが、これは昨年の12月に中教審からいただきました答申を踏まえまして、児童生徒等の障害の重複化に対応した適切な特別支援教育を行うという体制を整えるものでございます。
 まず第1点といたしましては、盲・聾・養護学校という学校種別を超えた「特別支援学校」という学校種に一本化するということでございます。また、第2点といたしまして、小中学校における特別支援教育を推進する体制を整えるということでございます。第3点といたしまして、特別支援学校の教員免許状を創設するということでございます。これらを内容とする法律案でございまして、去る6月15日に成立し、6月21日に公布されたところでございます。
 以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 以上、最近新しく成立されました教育関係の法律の主なものについてご説明をいただきました。
 いかがでございましょうか。何かご質問等ございますか。どうぞ井上委員。

【井上委員】
 最初の義務教育費国庫負担制度に関する改正についてお尋ねしたいと思います。
 教育関係者から、やはり今度の義務教育費国庫負担制度の維持については、非常によかったというお考えを持っていながら、負担割合については、3分の1ではなくて2分の1に早く戻してもらいたいという要望がかなり教育関係者から強いと思っているわけでございます。
 そういう点から、地財法との関係というのは、必ずしも学校現場、教育関係者に周知徹底していないと思うんですが、今回のこの義務教育制度の改正の場合に地財法10条との関係が国会で議論になったのかどうか。すなわち、3分の1に対して3分の2の裏負担を国として交付税措置の中から優先的にそれを充てるということは地財法10条に明記されておりますが、その辺について議論があったのかどうかお尋ねしたいと思います。
 それから、もう1点は、先ほど義務教育費負担制度の改正に伴って総額裁量制を改善するようにという質問が国会でもあったと思いますが、それに対して、今後、文科省としてどのように総額裁量制を弾力的に取り扱うかが、今の段階でおわかりになったら、その点について説明してもらいたい、その2点です。

【木村分科会長】
 では、お願いいたします。藤原課長。

【藤原財務課長】
 最初の1点目のお尋ねでございます。国庫負担制度が今回の法改正で負担率3分の1ということになったわけでございますが、今回の法案審議の際にも、やはりその点についての議論はございました。それで、地財法の10条のご指摘がありましたが、まさに今回の制度改正で負担率が2分の1から3分の1になるわけでございますが、地財法10条の裏負担できちんと地財措置は確保すべきであるという観点で、文部科学省としてもその点はしっかり指導してまいりたいということで法案審議の際は政府側答弁としてその旨を説明しているということでございます。また、この法律の施行通知におきましても、その旨をきちんと明記して、各都道府県の教育委員会に対して指導しているという状況でございます。
 それから、2点目のお尋ねの総額裁量制でございますが、16年度に導入して以来、基本的には定着する方向で現在運用されているということでありますが、今回の制度改正で小中学校等と、それから養護学校について国庫負担制度の統合をしたということで、総額裁量制が一層改善が図られているという状況であります。
 なお、かなりこの総額裁量制、現行総額裁量制によりまして国庫負担制度の運用が柔軟になっているということについては、関係方面から評価されていますが、なおまだ不十分な点があるのであれば、さらに関係方面の意見も聴取しながらさらなる改善に努めていきたいと考えております。

【木村分科会長】
 よろしゅうございますか。
 では、渡久山委員。

【渡久山委員】
 今の国庫負担制度の問題と絡むんですけれども、やっぱり今の地財法10条があって措置されているだろうとは思いますから、制度を守るということはいいんですけれども、ぜひ2分の1を今後も追求していただきたいというのが1つです。
 もう一つは、やっぱり裁量制になって、3分の1出すから、3分の2を各都道府県が負担するようになりましたですね。そうすると、裁量の幅が広がってきたというような面もあるわけですね。そのために、この教職員の基本給料がそれぞれの都道府県によってばらばらになってくる可能性があるわけですけれども、事実、そういうことも起こってもいるところもありますけれども、それに対して文部科学省としてはどういう指導をしていらっしゃるのか、これが1つです。私は、同一労働同一賃金というような立場から、各都道府県によって多くの差があってはいけないという立場ですけれども、これが1つです。
 それから、2つ目に、市町村が給与を負担して教職員任用できますね。それは始まっていますよね。その場合の給与水準について、一定程度文部科学省として指導していらっしゃるかどうかですね。それとも市町村の財政力によって、高くても、あるいは低くてもいいというような考え方なのか、これが2つ目です。
 3つ目は、先ほど耐震性の問題がありました。これは、やっぱりこの間、文部科学省も耐震の実態ということについて調べて公表されましたね。そうしますと、非常に耐震化は遅れているんですよね。54パーセントでしたか、半分ちょっと出ているだけですよね。それともう一つは、やっぱり耐震診断さえほとんどされていないというところもあるんですよね。それに対してどう指導しようとしているか。例えば静岡あたりは8割を超しているんですね、一番高くて。しかし、もう3割というところもあるわけですよ。そうしますと、例えば新潟のあの地震のときに、学校の体育館そのものが結局は壊れてしまった。避難所にならない。しかし、多くの場合、学校がそういう防災の避難拠点になっているというのが多いですよね。しかし、学校自身がこういう状況では非常に心細いわけですから、これに対して文部科学省としてどういう指導をなさっているのか。耐震性については3分の1から2分の1にはなったと思いますけれども、それにしてもこんなに遅れている状況ですよね。このことについて教えてもらいたい。
 以上です。

【木村分科会長】
 では、3点質問が出ましたので、よろしくお願いいたします。

【藤原財務課長】
 最初の1点目の総額裁量制で教職員の給与について基本的に各都道府県のほうに任されている結果、ばらばらになっているのではないかというお尋ねでございますが、基本的に総額裁量制にした結果、例えば法律で規定がされております僻地手当とか、あるいは教職調整額とか、義務特手当とか、そういう法定の部分以外の部分については、基本的に各都道府県の裁量に任されるということになったわけであります。
 ただし、基本的に人材確保法もありますし、教職員の給与水準というものが一般行政職の給与水準よりも優遇されなければならないということについては、今後とも維持されるわけでありますので、それぞれ、先ほど申し上げた個別法の規定による手当の法定、あるいは人材確保法の趣旨を踏まえて、今後とも各都道府県において、給与の面については裁量が発揮できる部分についてはきちんと発揮しつつも、人材確保法等関係法令を踏まえた対応をきちんとやっていただくということになるわけであります。
 なお、教員の給与の問題につきましては、行政改革推進法がさきの通常国会で成立いたしまして、そこにおきまして18年度中に人材確保法の廃止を含めた見直しなど、それも含めて教員給与の在り方全般について検討した上で政府・与党として結論を出すということになっておりますので、さらに具体的に教員給与の在り方については今後議論はされていくということになるわけであります。
 それから、2点目の市町村が教員を採用することは、今回の制度改正でできるようになったわけでありますが、その給与の水準等についてのお尋ねでございます。従来、市町村で教員採用はできなかったのですが、今回の制度改正に伴いまして、各市町村において教員採用するような場合については、給与等を含めた中身について条例できちんと措置してくださいという指導もしておりますし、今回も法改正の施行通知でその旨を指導しているということであります。基本的に、市町村採用の教員であっても、人材確保法等、都道府県採用の教員と同様の法令が適用されるわけでありますので、この点についてはきちんと文科省としても指導してまいりたいと考えております。

【木村分科会長】
 3点目についてよろしくお願いします。

【山崎企画調整官】
 3点目の学校の施設の耐震化の話でございますけれども、渡久山先生ご指摘のとおり、学校施設というのは子どもが1日の大半を過ごす場所であるとともに、その避難所になるということで、非常に重要な課題だと文科省としても思っております。
 そういう中で、18年4月1日付の耐震化の数字をこの前公表させていただいたわけなんですが、54パーセントちょっとということで、昨年より3パーセント弱アップしておりますけれども、まだまだ十分ではないと思っております。
 そういう中で、ご指摘のとおり耐震診断が進んでいないという話がございましたけれども、国会期間中に国土交通省とも話をしまして、国土交通省の補助制度とも連携しながら年内にすべての学校施設の耐震診断を終えていただくというふうに国会でもお約束しまして、今、各市町村を指導しているところでございます。年内12月までにすべての耐震診断を終わらせるようにお願いしているところでございます。
 あと、18年4月1日現在の耐震診断結果の公表につきましても、各市町村ごとに、従来は各県ごとに傾向値として県別の数字をお示しして公表していたわけなんですが、今年からは各市町村ごとに、各学校の設置者ごとに公表いたしまして、強く耐震化の推進を促しているというような状況でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。渡久山委員、よろしゅうございますか。

【渡久山委員】
 はい、ありがとうございました。

【木村分科会長】
 ほかに。どうぞ。

【銭谷初等中等教育局長】
 初中教育局長でございますけれども、せっかくでございますので、この6月18日に閉会いたしました通常国会における教育関係の審議の状況について概括的な私の印象をちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 今年の年明けでございますけれども、新聞等に就学援助費がここ数年で4割ぐらい増えたという記事が掲載されまして、予算委員会の審議から非常に教育の問題が大変大きく話題になってございます。例えば就学援助については、ご案内の三位一体の改革によりまして平成17年度から国の補助をやめまして、いわゆる税源移譲をして市町村の一般財源による措置ということになったわけでございますが、その状況はどうかといったようなことを中心に質問が随分ございました。
 就学援助費につきましては、17年度につきましては16年度に比べて各市町村において所要の財政措置を講じて、全体の額としては前年よりも充実した措置がなされている状況にございます。ただ、一方で、先般発表いたしましたけれども、基準について見直しを行った市町村もかなりあるという状況でございます。
 それから、高等学校の奨学金の問題について、これも平成17年度から日本学生支援機構の奨学金事業を高等学校分については都道府県に移管したわけでございますが、この奨学金の問題も随分話題になったということでございます。なお、これにつきましては、国が総額2,000億円の財政措置を講じることになっておりまして、それについては順次所要の額を措置しておりますので、これも現在のところ各都道府県において適格に奨学金事業は行われているというご説明を申し上げました。予算委員会、それから文教委員会の大臣所信質疑、それから一般質疑を通じまして、こういった教育条件の問題が随分話題になったというのが第1点でございます。
 それから、3つの法案の審議を通じてでございますけれども、まず、義務教育費国庫負担法等の一部改正法律案、これはまあ衆・参合わせて20時間の審議がございましたけれども、この中では、先ほど井上先生、渡久山先生からご質問がございましたように、国の負担の割合が変更になったということで、地方における財政措置が、つまり3分の2分の財政措置が十分なされているかということが1つ大きな焦点になってございまして、これについては、文部科学省の調査によりますと、平成18年度分については所要の額が地方において税源移譲及び地方交付税を合わせまして措置されているという状況をご報告いたしてございます。
 それから、2つ目は、教職員の給与、それから定数、この問題につきまして、昨年12月24日の総人件費改革に基づく今後の方向性というものが出ておりますので、これがどうなるのかということがやはり大きな話題になってございます。
 なお、義務教育費国庫負担法の改正の議論の中では、先ほど渡久山先生からご質問のありました施設の耐震化の話は、これは頻繁に出ておりまして、これについては、ただいまご答弁申し上げたような方向でご説明を申し上げているところでございます。
 それから、「認定子ども園」の法案でございますけれども、実はこの法案が一番審議時間が長くかかりまして、28時間、30時間近い審議時間が衆・参でございました。これは、背景といたしましては、1つは少子化問題が、今、大きな政策課題になっておりますけれども、少子化問題の背景に、やはり幼児期、それから乳児期における親の負担、教育費の負担ということが非常に大きな要素としてございますので、そういう観点からこの「認定子ども園」の制度がそれに資するものなのかどうかという議論が随分ございました。
 「認定子ども園」とは、ご案内のように4つの類型を設けておりまして、幼稚園、保育所をあわせて設置するタイプ、それから幼稚園がいわば長時間保育を実施していくタイプ、それから、保育所がその教育内容について幼稚園教育要領に基づいて充実していく中で「認定子ども園」としての認定を受けるタイプ、それから、幼稚園、保育所、いずれの認可もないわけでございますけれども、それぞれの県において認証している幼稚園のための施設がございますので、そういう施設を「認定子ども園」として認定していくという4つの類型があるわけでございますが、いずれの類型につきましても、国のほうで認定のためのガイドライン、指針をつくりまして、それに基づいて各都道府県が条例によって認定基準をつくるということになりまして、その認定基準に基づいて認定が行われるわけでございますけれども、その認定基準についてやはりしっかりしたものをつくってほしいと。そういう中で、子どものいわば教育・保育についてそれぞれの地域の実情に応じて多様な展開ができるようにしてほしいという議論が多くございまして、大変議論としては一番盛り上がった国会審議があったと思っております。
 なお、「認定子ども園」につきましては、幼稚園型、保育所型につきましては、設置者別を超えてそれぞれ所要の経費を、文部科学省が持っているもの、厚生労働省が持っているものを出すことができるようになっておりますので、幼稚園が保育所の認可、保育所が幼稚園の認可をそれぞれ受けやすくするということもあわせて国会で表明しているところでございます。
 それから、学校教育法につきましては、これは20時間の審議でございましたけれども、やはりインクルージョン教育を指向することが国際的に大きな流れとなっている中で、就学指導というものをどういうふうに展開していくのかということと、通常の小学校・中学校における発達障害を含む特別支援教育の充実をどう図っていくのかというあたりが大変大きな議論になったところでございます。いずれにしても、就学指導につきましては、就学相談という色彩を強くしながら、今後とも適正に行っていくという方向で議論が収束を見ているところでございます。
 なお、いずれの3法案とも、この中央教育審議会における答申、議論を踏まえての提案でございましたけれども、本当に中教審の議論というものが私どもの国会答弁における際、非常によりどころとなったということにつきまして感謝申し上げたいと思います。
 以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、黒須委員。

【黒須委員】
 「認定子ども園」について、今、経緯は伺いました。大変長い時間審議をされたということなんですけれども、これは従前から幼保一元化の必要性が言われて、なかなかこれは厚労省と文科省というようなことで一元化ができないできているわけですけれども、現実には、社会のニーズといいますか、非常に近づいてきているわけですよね。一方では、幼稚園のほうは、今、経営が非常に困難になってきている。しかし、保育園のほうは待機児が、私どもでも毎年400人からいるんですよ。これは毎年100人以上の新設とか定数増をしても減らないわけですよね。保護者の中には、幼稚園と保育園どっちを選ぼうかと思ったんだけれども、こっちのほうが給食もあるし、時間が長いから保育園にしたわというようなことを、そんな話をしている方もいるわけですよ。ですから、本来だったらば、これ、国の立場としては幼保一元化というようなものを進めていただくのがやっぱり本来じゃなかろうかなと、私はそう感じているんです。この「認定子ども園」は全く新しい、これは総務省ですか、この所管は。

【銭谷初等中等教育局長】
 いいえ。

【黒須委員】
 そうじゃないの?これは、これからもずっとこのようなスタイルでいくのか、将来的にいわゆる幼保一元化というようなものを前提にして、そして「認定子ども園」というので、言うならば現状妥協策として出されたのか、これはどういうことなんですか。

【木村分科会長】
 では、お願いします。

【銭谷初等中等教育局長】
 「認定子ども園」の問題につきましては、まさに今、委員からお話のあった背景のもとに今回構想された新しい枠組みということになるわけでございまして、2つ、まず申し上げますと、1つは、地域によって幼稚園と保育所の状況が随分偏在していると。地域によっては、もう保育所しかないとか、幼稚園が8割9割占めているとか、そういう中で、幼稚園・保育所を廃して第三者の新しい施設をつくるということは全く現実的ではないということで、いわば幼稚園と保育所の機能をそれぞれの面で拡充していって、教育・保育を一体的にできる、提供できる、そういう機能を持ったものを「認定子ども園」として認定していこうというのが1つの背景としてございます。
 それからもう一つの背景は、0~2歳児について、実は今、待機児童が非常に多いというのも、その辺が大きな課題になっているわけでございますが、これについて、もちろん入所させるということもあるわけでございますけれども、例えば幼稚園が子育て支援機能というものを持って、毎日ではなくても、そういう0~2歳児の親御さんの親子登園等を含めた子育て相談にあずかろうといったようなことで、いわば家庭における保育の支援をこういう形でやっていこうと。ですから、「認定子ども園」は、いわば幼児期の教育・保育を一体的に提供する機能と、それから、地域における子育て支援機能という両方の機能を持ったものを認定していこうということで、いわば幼児教育充実の初めの一歩みたいなことでこの制度を設計したと。これがすべてを終結しているわけではなくて、そういった機能をあわせ持つ施設を認定を増やしていくことによって、待機児童の解消とか、あるいは、今本当に専業主婦の方が一番悩んでおられる子育てのいろいろな相談にあずかれるものをつくっていこうということで、文部科学省と厚生労働省の中に「幼保連携推進室」というものを今後つくりまして、そこが両省一体的に「認定子ども園」の事業を運営していこうということで、これですべて解決というわけではもちろんありませんけれども、今まで幼保一元化にいろいろかかわって言われていることの解消に向けての一歩だと認識いたしております。

【黒須委員】
 今、お話を伺うと、厚労省と文科省で両方で推進室をつくって、そして、それから改善をしていくということですけれども、そうすると、この「認定子ども園」が中心になっていわゆる幼保一元化というようなものを、新しい形のものをつくって、そして、そこへ集約していくと、こういうことが最終的には目的なんでしょうか。

【木村分科会長】
 お願いします。

【銭谷初等中等教育局長】
 幼稚園の中には、幼稚園として今後とも教育活動をしていきたいという園が当然あるわけでございますし、保育所の中にも、保育所として限定された機能の中で限定した子どもを受け入れたいというところは、それは当然あると思いますけれども、全体として地域の実情に応じてこういう教育・保育を一体的に提供できる施設としての「認定子ども園」というものが今後機能していく中で、さらに幼保の問題は今後の課題として検討していくことになろうと思います。

【木村分科会長】
 よろしゅうございますか。

【黒須委員】
 結構です。

【木村分科会長】
 まだご質問があるかもしれませんが、ちょっと時間が押しておりますので、先へ進ませていただきます。もし時間の余裕がございましたら、後ほどご質問いただいても結構でございますので、よろしくお願いいたします。
 次の議題は、就学義務について。これも初中分科会で何度か議論してまいりました。もう前回が随分前になってしまったので、おそらく私自身、ほとんど忘れてしまったのですが、今日、資料3-1を準備していただいております。これは、これまでお出しいただきました意見の主なものをまとめたものでございますので、これについて前川課長からご説明いただき、少し時間をとって議論したいと思います。よろしくお願いいたします。

【前川初等中等教育企画課長】
 それでは、復習を兼ねましてご説明申し上げたいと思いますが、まず資料の一番最後にございます参考資料2をご覧いただきたいと思います。
 この就学義務をめぐる議論というのは、この中教審においてもかなり時間をかけて断続的に議論していただいてきているという状況でございます。参考資料2を一番下のページから見ていただきたいのですが、参考資料2の4ページでございます。これは、平成15年3月20日の教育基本法に関する答申でございます。「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興計画の在り方について」という答申、この中で、義務教育制度の在り方について、残された課題として示されたものの中に、ここに小さいローマ数字の1、2、3とございますが、この(3)「保護者の学校選択、教育選択などの仕組みなどについて様々な意見が出された」とされておりまして、この中で、学校選択というのは学校と学校の間の選択でございますが、教育選択とは学校と学校外の教育との間の選択という意味になるわけでございます。こういった選択の仕組みについて、「これらの事項については、法制上は、学校教育法等において具体的に規定されている就学年齢、学校区分、就学指定等に関する事項であるので、今後、関係分科会等において検討し、実現可能なものについては学校教育法等の改正などにより対応することが適当である」、このような形で、残された課題として整理されていたわけでございます。
 それを踏まえまして、実は平成15年5月に、「今後の初等中等教育改革の推進方策について」という包括的な諮問が行われているわけでございます。15年の5月ですが、その際に、義務教育制度についても諮問がされたわけでございまして、その中で児童生徒の多様な状況等に対応して弾力化を図っていく観点から、例えば就学の機会や就学時期の弾力化等、義務教育の就学に関する制度の在り方についてご検討いただきたいと、こういうことも平成15年5月の諮問の中で述べられているわけでございます。
 これを踏まえまして、この中教審初等中等教育分科会において議論がされていたわけでございまして、その途中段階の議論のまとめをいたしましたのが、この参考資料2の2ページと3ページにまとめてございます平成17年1月の審議のまとめでございます。参考資料2の2ページと3ページでございます。
 これは、その時点での初等中等教育分科会の審議についてさまざまな議論があったわけでございますけれども、これを一本化するところまではせずに、議論の中身をまとめたというものでございます。「義務教育に係る諸制度の在り方について」ということで審議のまとめを出しておりました。
 ここに四角枠囲いの中にございますように、「義務教育に係る諸制度について、時間的な制約等から、現時点では─これは平成17年1月の時点でございますが─現時点では十分な審議を行うには至っていないものの、次のような意見があった。これらについても、今後の審議において検討を深める必要があると考える」。
 その後に幾つか主な意見が列挙されているわけでございます。まず、「保護者の希望を反映させるという観点から、義務教育を就学義務ではなく教育義務としてとらえ直すことも必要なのではないか」「欧米や戦前の日本では、義務教育の例外的措置を認めてきた。このように、学校での指導を原則としつつ、一定の条件付きで、いわゆる『フリースクール』での教育機会も認める、あるいはインターナショナルスクールなどでの就学を可とする方向を模索すべき。ただし、副作用や弊害など二次的効果について配慮することが必要」「義義務教育機関としての学校が果たすべき役割を検討して、学校の機能の問い直しをすべき。それなしに、不登校児童生徒を学校に戻すための『教育支援センター』(適応指導教室)を設置したりするような対応だけでは、根本的な問題の解決につながらないのではないか」「就学機会の弾力化については、不登校などを中心に考えると、もっぱら個人の資質能力の向上の観点からのみ考えられがちだが、教育には本来、社会の後継者を育てるという目的もあるはずであり、様々な能力を持った子どもたちが一緒に学ぶことも重要。こうした観点からの就学機会の弾力化の『副作用』についても慎重に考えるべき」「義務教育の内容を『学校』でやる必要があるかという議論があるが、9年間の積み上げの学習のためには、1専門職としての教師の存在、2体系的カリキュラムの存在、3ともに学ぶクラスメートの存在、4一定基準以上の施設や社会的支援システムの存在などの点で、学校型の組織に優位性がある。学校は人類の知恵の結晶ともいうべきものであり、学びたい人が集まって自由にやるという方式は、短期間の学習には良くても、長期間の積み上げ学習には無理がある」「現行の就学義務の猶予・免除制度のうち、猶予規定は今後も必要と考えるが、免除規定には、教育を受ける権利を放棄させる視点が残っており、障害児教育についても訪問教育などが整備される中で、今後も免除規定を残す必要があるかどうか、検討が必要である」、このような意見があったわけでございます。
 ご承知のとおり、昨年はこういった議論を一時中断いたしまして、義務教育費国庫負担制度を中心にする義務教育の制度改正の問題について集中的に部会を設けて議論をいただいたというわけでございまして、実はこの就学義務の問題につきましては、引き続き検討すべき課題となっておりました。昨年の10月26日の「新しい時代の義務教育を創造する」という答申でございますが、これが参考資料2の1ページ目にあるものでございます。
 その中で、この就学義務の問題についてどのように記述されていたかといいますと、この枠囲いの中ですが、「不登校への対応を考えるに当たっては、不登校児童生徒の減少に成功した学校の取組例を参考にすることも重要である。さらに、不登校等の児童生徒について、一定の要件のもとで、フリースクールなど学校外の教育施設での学修を就学義務の履行とみなすことのできる仕組み等について検討することも求められる」と、こういった書き方でこの就学義務の問題については引き続き検討する課題として整理されていたわけでございまして、当初中分科会においては、これを引き継ぎましてこの就学義務の問題についてご議論いただきたいというわけでございます。
 そこで、資料3-1から3-4までを改めてご覧いただきたいと思うわけでございますが、3-1につきましては、後ほどご紹介することにいたしまして、資料3-2からご説明いたしたいと思います。
 資料3-2は、現行の就学義務の仕組みでございます。就学義務と申しますのは、これは保護者が負っている義務でございまして、保護者がその保護する子どもを学校教育法上の正規の学校、いわゆる「1条学校」と言われるものですが、小学校、中学校、あるいは障害を持っているお子さんの場合には盲・聾・養護学校の小学部、中学部、今後これが特別支援学校になるわけでございますが、この学校教育法1条に規定されている義務教育の学校に就学させるという義務があるわけでございます。その義務を履行していない場合には、その義務の履行の督促という制度がございます。これが3-2に示されているものでございます。
 各小学校、中学校等の校長は、児童生徒が7日以上出席せず、その他出席状況が良好でない場合で出席させないことに正当な事由がないと認められるときには、学校教育法施行令20条に基づきまして市町村教育委員会に対して通知をしなければならないということになっています。この通知を受けた場合、あるいは市町村教育委員会が独自に判断して保護者が就学義務を怠っていると認める場合、こういった場合には市町村の教育委員会は保護者に対して出席の督促をしなければならないことになっております。
 この督促を受けてなお児童生徒の保護者が就学義務を履行しない場合、この場合には、市町村教育委員会の請求を受けまして、これは刑事裁判が行われるわけでございまして、裁判の結果、就学義務を履行していない就学義務違反であると認められた場合には10万円以下の罰金に処すると、これが学校教育法第91条に規定されているわけでございます。就学義務というのは、これほど重い義務であると。罰則をもって強制する必要があるぐらい重い義務であるということであります。
 しかるに、現在、就学していない子ども、あるいは就学状況が良好でないという児童生徒がいるわけでございます。1つは不登校の子どもでございますが、これは資料3-3に状況を示した資料がございます。平成16年度の数字でいきますと、12万3,358人、これは年間30日以上欠席した児童生徒の数でございますが、多少減少の傾向にございますが、とはいえ、なお12万人以上の子どもが30日以上の欠席をしているという不登校の状態にあるということでございます。
 それからもう一つ、資料3-4でございますが、外国人学校あるいはインターナショナルスクールと言われる学校がございます。これは、先ほど申し上げた正規の学校、学校教育法第1条に規定する小学校、中学校等の「1条学校」と言われるものとは別でございまして、学校教育法上の「各種学校」になっているものもございますし、学校教育法上の位置付けは全くなされていないものもあろうかと思います。私どもで把握しておりますのは、各種学校として認可されているもののみでございまして、それ以外のものについては把握しておりません。
 この各種学校として認可されている外国人学校あるいはインターンナショナルスクールに日本の国籍を持つ児童生徒が相当数在籍しております。資料3-4の1ページ目でございますけれども、全部で117校ございますこの各種学校として認可された外国人学校等において、小学校に当たる年齢の者で日本国籍を持っている者、これが2,407人、中学校の該当年齢の者959人と。合わせますと3,000人余りの子どもが日本国籍を持ちながら外国人学校あるいはインターナショナルスクールなどに通っているというわけでございます。
 ただ、このインターナショナルスクール等の取り扱いにつきましては、この3-4の資料の2番目の丸にございますように、外国人学校等に通っていても就学義務の履行としては認められないわけでございますが、例外的に二重国籍者につきましては、「家庭事情等から客観的に将来外国の国籍を選択する可能性が強いと認められ、かつ、他に教育を受ける機会が確保されていると認められる事由があるとき」、すなわち、1条学校ではなくインターナショナルスクール等に通っているという場合、こういうときには保護者と十分協議の上、就学義務の猶予または免除を認めることができる、こういう考え方が昭和59年の文部省の通知で示されているわけでございます。
 このような形で、二重国籍者については就学義務の猶予・免除という形での取り扱いでございますが、そもそも日本の国籍しか持っていないという場合、こういった場合には、やはり就学義務の違反であると考えられる状態が生じているわけでございます。
 こういった不登校あるいはインターナショナルスクールに通っている子どもたちの存在ということを前提にいたしまして、この就学義務の問題をどう考えるかということでございますが、これまでにこの初等中等教育分科会などでいただきましたご意見、あるいは論点といったものを整理したものが資料3-1でございます。就学義務に関する論点と主な意見というふうに整理してございます。
 まず、第1に、学校外の教育施設の位置付けについてでございます。この論点は、「小中学校へ就学しなくても、学校外の教育施設への通学を就学義務の履行と認めるべきか(義務教育を就学義務ではなく教育義務として捉えるのか)。それとも、小中学校に就学し卒業するという現行制度の下で、出席扱いとする等弾力的な運用を図りつつ、小中学校がフリースクール等と連携し、児童生徒に対して支援を行うこととするのか」、ここが論点であるということでございます。
 ここに「出席扱い」という言葉が出てまいりますけれども、これは平成4年の文部科学省の通知によって取り扱われている方式でございまして、学校への復帰を前提とし、一定の内容を有する学校外の施設に通っている場合に、これを学校長の判断で学校への出席として指導要録上扱うことができると、こういう取り扱いを定めたものでございます。
 この論点についての主な意見でございますが、「学校に復帰することを前提とした補習、補完教育というものが一番期待されている。フリースクールは様々であり、一律にフリースクールを認めることは教育的に問題」「学校現場としては、フリースクールのうちこういったものは認めるが、こういうものは認めない、と機械的に区別することの難しさがある」「学校現場では、学校の通常の学級への復帰を目指して日々努力している。適切な登校刺激がないと、適応指導教室に卒業式の前日まで通って、卒業式の一日だけ原籍校で卒業することもまれではない」「フリースクールなど、学校外での教育施設での学習は就学義務の履行と認めていくのが、時代の要請」「いわゆる就学義務というアプローチではなくて、教育を受ける権利を保障するという学習権の保障というアプローチの方から考えるべき」「小学校ぐらいのお金をかけているような適応指導教室は原籍校とする対応をしていい。しかし、慣れてきて、卒業した後も、その教室にしか通って来ないということも起こっていることは今後の課題」「よりよい教育を受けるために児童生徒がインターナショナルスクールに通う場合と、不登校児童生徒が社会的自立のためにフリースクールに通う場合とは、中身が全く違うので分けて考えるべき」「現状のように学校に在籍してフリースクールに通う者を出席扱いにするのか、それとも籍はフリースクールにあるのかによって随分とらえ方は違ってくる」「閉鎖的な集団において、子どもたちを集め、『しつけ』と称して児童虐待をしながら、学校に通わせない状況が起こる危険性がある。これを学校らしきものとして(認めて)いくという方向には慎重であるべき」と、このような意見がこれまでございました。
 2つ目の論点として、「就学義務不履行への対応の在り方」がございます。
 論点は、「就学義務の不履行であっても、通知や督促の対象とならない場合にはどのようなケースが該当するか。逆に明らかに対象となるのはどの様な場合か。何らかの一定の基準を定めることは可能か」。つまり、現実の問題といたしまして、保護者がその保護する子どもを1条学校、すなわち小中学校や盲・聾・養護学校に通わせていないという状況があった場合。しかしながら、現実には、昭和55年以降、就学義務違反で罰金に処せられたというケースは1件もございません。そういたしますと、現実に学校に通わせていないという状況は、一体これは違法な状況なのか、それとも違法性がない状況だと認めることができるのか、その辺が実はあいまいになっているわけでございます。現実には、校長が行う通知、あるいは市町村教育委員会が行う督促、これらが行われていないというケースも多いわけでございまして、こういったケースをどのように考えていくのか。つまり、就学義務の不履行であっても、通知や督促の対象とならない場合としてはどのようなことが考えられるのかということでございます。
 これまでの主な意見といたしましては、「(学校教育法施行令の)『正当な事由』」、先ほどの資料3-2にございましたが、7日以上出席していなかった場合でも正当な事由があれば校長はこれを通知することはしないわけでございますが、この「『正当な事由』をどの様に解釈するかを、通知等で明確にしていくことが必要」と、こういうご意見。「正当な事由があるから、学校に通わせることを免除するというようなことも必要」というご意見。「虐待等によって学校に行かせないというのは、明らかに就学義務違反。それについては、通知で明確にし、校長や教育委員会は毅然と対応すべき」「『一定の要件』の内容は非常に難しい問題であり、慎重に検討すべき」、最後に「バカロレアなど世界に通用するカリキュラムに従ったインターナショナルスクールを我が国で認めないというのは、国際社会ではおかしい。結局教育のアウトカムをどう見るかということであり、教育内容をチェックするという国の姿勢はもつべき」、このような意見がこれまでございました。
 以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 前回からかなり時間がたっておりますので、少し詳しくご説明いただきましたが、ただいまのご説明に対しまして何かご質問、あるいはご意見でも結構ですが、ございましたらお願いしたいと思います。
 どうぞ、北條委員。

【北條委員】
 資料3-2の就学義務履行の督促の部分でございますが、ただいま罰則の適用は昭和55年以降、該当事項はないということでございますが、通知とか出席の督促、こういう仕組みはどの程度に機能しているのか、文科省のほうで把握しておられる範囲でお教えいただきたいと思います。

【木村分科会長】
 では、お願いします。

【前川初等中等教育企画課長】
 網羅的な把握はしておりませんけれども、この市町村教育委員会による出席の督促は全く行われていないわけではないと承知しております。例えば、インターナショナルスクールに通っている日本人の日本国籍を持つ場合の子どものケースについて、その住所地の教育委員会は、一応督促はしているというのが通例のようでございます。ただ、その後の取り扱いといたしましては、罰金につながるようなアクションを起こしていないというのがこれまた一般的になっているというように考えられます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 ほかに。

【加藤委員】
 ちょっと角度は違うんですけれども、同じような種類の問題だと思うんですが、先ほど「すべて国民は」なのか、「人は」なのかというような議論もありましたけれども、私ども関連する地域で製造業にいわゆる外国人の、外国人といいますか、いわゆる南米等から来る方々が就業しておられる例が非常に多い地域があるわけですけれども、そういうところで言いますと、こういったものには該当してこないわけですが、しかし、その地域ではそういう日本語をしゃべれない親、あるいはその子どもたちに対して教育の機会を提供するというようなことを努力されているわけですけれども、そういうものに対する国としての態度といいますか、こういうものの中で考えていかれようとしているのか、それとも、これはもうあくまで地域の問題だということであるのか、その辺についてのお考え方をちょっとお伺いしておきたいんですけれども。

【木村分科会長】
 では、お願いします。

【手塚国際教育課長】
 次の議題に入ってくるかと思いますけれども、今のご質問にお答えしますと、資料3-5の5ページをご覧いただきたいんですけれども、外国人児童の義務教育に関係する法的な位置付けですけれども、この5ページの3に書いてありますように、外国人児童生徒につきましては、我が国の義務教育への就学義務はないですが、国際人権規約、これはこの資料の一番最後、7ページに別紙としてつけられておりますけれども、国際人権規約も踏まえまして日本人児童と同様に無償で受け入れておりまして、教科書の無償配付、就学援助を含めた機会を保障しているということでございます。

【木村分科会長】
 よろしゅうございますか。

【加藤委員】
 はい。ちょっと確認なんですが、そうすると、機会は提供するということで、積極的にもし機会を利用しない人たちについての措置というようなことについて何らかのお考えがあるということではないわけですか。すみません。

【手塚国際教育課長】
 日本のいろいろな制度につきましては、これは周知するという努力はしております。これも、この資料の6ページをご覧いただきたいんですけれども、就学ガイドブックの作成をしておりまして、これは7つの言語で作成しておりまして、これは各教育委員会に配付して、これは例えば外国人の人たちが行くような登録窓口などに置いて周知をやっております。

【木村分科会長】
 どうぞ、高倉委員。

【高倉委員】
 すみません、簡潔に申しますが、3-1、論点と主な意見の1ページ目、丸の5、「いわゆる」─これは簡潔にまとめたので、なかなか言葉の表現は難しいと思いますが、「いわゆる就学義務」というのは、シュールツバング、つまり「就学の強制」としての就学義務だととらえてよろしいわけですか。としないと、今日の日本の現行法上の就学義務というのは、やはり教育を受ける権利を保障するために親に課された義務なので、このところの「いわゆる」というこれは非常に微妙ですが、シュールツバング、「就学の強制」としての、言ってみれば古い制度の遺産としての就学義務と考えてよろしいのかどうか。
 以上です。

【木村分科会長】
 どうですか。

【前川初等中等教育企画課長】
 これは、委員のご意見をそのまま載せたものでございますので、そのご発言の委員に聞いてみなければわからないところでございますが、ただ、高倉先生がおっしゃるとおり、現行制度における就学義務は子どもたちの教育を受ける権利を保障するためにその保護者に対して義務を課しているというものでございますから、あくまでも現行制度における就学義務とは、子どもの学校に通う義務ではなく、保護者が子どもを学校に通わせる義務であると考えております。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。よろしゅうございましょうか。
 それでは、加藤委員から既に話題の提供がございましたが、ただいまの問題に関連いたしましてもう既に資料を一部ご説明いただきましたけれども、公立学校における外国人児童生徒の教育について、手塚国際教育課長からご説明をいただきたいと存じます。資料の一部について、先ほど前川課長からもご説明がありましたので、その部分は割愛させていただきます。
 では、手塚課長、よろしくお願いします。

【手塚国際教育課長】
 それでは、資料3-5に沿ってご説明したいと思いますけれども、その前に、大人も含めて、今、日本における外国人の状況がどういうものかを簡単にご説明したいと思います。
 2004年末現在ですけれども、日本におきましては、約197万人の外国人が在住しております。これは、日本の総人口の約1.6パーセントに当たります。
 この外国人の在住の話について歴史的に見ますと、1970年代までは、日本における外国人の大半は在日韓国・朝鮮の人たちでありまして、戦前から日本に在留している方々でありました。しかし、80年代以降、経済のグローバル化が進みまして人の移動が活発化したり、あるいはインドネシア難民の受け入れということもございました。特に大きいのが1990年の入管法の改正でございまして、この改正によりまして、いわば日系人であれば単純労働者であっても受け入れるということが決まったわけでございます。
 この1980年代以降日本に在留し始めた外国人の人たちを「ニューカマー」と呼んでおりますけれども、これはいわば教育的にもさまざまな問題が出てきているかと思います。この「ニューカマー」と言われる人たちは、多くが日本語が話せない人たちでありまして、また、両親ともに低賃金で長時間労働している人たちが多いわけですけれども、そういうことから、さまざまな教育上の現場での教育の問題も出てきますし、また不就学という問題も出てきていることも提起されているわけです。
 それから、日本にいます外国人の児童、小・中・高の児童ですけれども、これは統計上把握されているものでは9万人余りの外国人の子どもたちが日本におります。内訳では、各種学校に認定されている外国人学校ですけれども、1万8,000人おります。これは、先ほど出た数字のうち、日本人児童を引いた純粋な外国人児童ということで1万8,000人おります。それから、これからお話しします公立学校には約7万人が在籍しております。それから、私立学校には約5,400人が在籍していると。それから、各種学校に認定されていない、いわゆる私塾扱いの外国人学校もあるわけです。これは統計上は把握されておりませんけれども、このような私塾扱いの学校、これは特に今申し上げましたブラジル人学校のような「ニューカマー」と呼ばれる人たちの外国人学校があります。こういう人たちがさらにこういう学校に通っているという現状があるわけでございます。
 その中で、これからは、この資料3-5で公立学校におきます外国人児童生徒の現状と取り組みについてご説明させていただきたいと思います。
 まず1ページですけれども、この外国人児童生徒の推移ですけれども、今申し上げましたように、平成17年度現在で約7万人弱の子どもたちがおります。これは、時系列で見ますと減少傾向にございますが、これは外国人の中で日本人と結婚したり、あるいは日本国籍を取得するという方々、多分これはいわば「オールドカマー」の人たちだと思いますけれども、そういう方々がいますので、それで減少しているのではないかと思われます。
 次に、2ページでございます。
 しかしながら、日本語指導が必要な外国人児童生徒、いわば日本語があまりよくしゃべれない、あるいは、しゃべれても日本語の授業になかなかついていけないというような日本語指導が必要な外国人の数ですけれども、これは逆に増えておりまして、平成17年度現在で2万人を超えたということでございます。これも増加傾向にあるわけですけれども、その母語は54言語にわたっておりますけれども、大半がポルトガル語、中国語、スペイン語の3言語でありまして、これが全体の4分の3を占めるというような現状になっております。
 それから、3ページ目ですけれども、学校種別です。外国人児童生徒がいる公立学校の数ですけれども、約5,000校ございます。若干減少している傾向がございますが、これは学校の統廃合なので、学校自体の数が減ってきていることも影響しているのではないかと思われます。
 それから、日常生活で使用する言語ですけれども、これは今申し上げましたようにポルトガル語、中国語、スペイン語で全体の約4分の3を占めておりまして、続いてフィリピノ語、フィリピンの言葉ですが、韓国語・朝鮮語というふうに続いております。
 次に、4ページでございますけれども、在籍人数別の学校数です。これは二極化が進んでいるということなんですけれども、1人、2人、3人というような外国人の在籍している学校が多いですけれども、中には30人以上在籍している学校が1.4パーセントあるということで、分散と集中の状況が見られるということですけれども、外国人が特に多く集まっている集住都市がございますけれども、特にそういうところでは、ここにありますように10人以上、あるいは30人以上の子どもたちが在籍しているというような学校があるということでございます。
 次に、5ページでございます。
 3につきましては、先ほど申し上げたところでありますけれども、外国人児童生徒につきまして、我が国の義務教育への就学義務はございませんけれども、日本人と同一の教育を受ける機会を保障しているというところでございます。
 それから、4に行きまして、文科省で行っている各種の支援措置について申し上げますと、3つぐらいに分類されるのではないかと思いますが、1つは日本語指導であります。日本語指導が必要な児童生徒に対しまして、ここにありますような1.から3.におけるような各種の支援措置を行っております。
 次に6ページに行きまして、就学対策あるいは不就学対策でございます。これが4.、5.でございます。
 先ほどご説明したように、7カ国の言語で就学ガイドブックを作成して、教育委員会に配付して周知を図っているところであります。
 それから、不就学外国人児童生徒支援事業でございますけれども、外国人児童の不就学自体の統計をとるのが非常に今は困難な状況でございまして、理論的には法務省が行っております外国人の在留届から公立学校に通っている児童生徒、それから外国人学校に通っている児童生徒の数を引けば、それが不就学児童ということで理論的には出てくるのですけれども、ところが、この外国人在留届があまり、非常に不正確な統計でございます。なぜそうなりますかと言いますと、日本の住民台帳のようにきちっとしたものではなくて、特に「ニューカマー」と呼ばれている人たちは非常に転々と日本を動き回るんですけれども、在留届を一度出しても、それをほかの土地に移るときにそれを消して、また再度登録するという作業を行わないということで、幽霊人口がどんどん増えていくということで、なかなかそういう意味で不就学児童がどれぐらいいるかという実態自体が今わかっていないということでございます。
 そういうことで、昨年度から、ここにあります不就学外国人児童生徒支援事業をつくりまして、これは個別訪問をしております。外国人がいる家庭に戸別訪問して、そこでどのような学校に通っているかという実態調査をしているところでございます。2年度計画でやっているところでございます。こういうことを踏まえまして、不就学対策を今後考えていきたいと考えております。
 それから、3番目の柱ですけれども、ここに書いてありますような帰国・外国人児童生徒の教育支援体制モデル事業というものを行っているところでございます。
 以上、簡単ですが、説明を終わらせていただきます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 ただいまのご説明に関しまして、何かご意見、ご質問、ございますでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 私、法務省の第五次の出入国管理政策懇談会の座長をやらされております。今、ご指摘のありました日系人の取り扱いについては、多分、抜本的に変わるのではないかと思います。最終的に、法務省がどういうふうにするかは、未だわかりませんが、私どもの議論は、「日系人」という枠はなくして、ほかの外国の方と同じに取り扱うということにすべきであるというものです。したがって、単純労働者については入ってこれないということになろうかと思います。
 それから、外国人登録制度についても、抜本的に変えることを今議論しております。現在は、手塚課長からご紹介がございましたように、どこか1カ所で登録すればいいことになっています。したがって、その後どこへ行ったかわからないというケースが非常にたくさんあるようです。その辺について非常に強い反省がありまして、これについても抜本的な改正がなされるであろうと思います。
 現在、高度職業人については、16ですか、カテゴリーが規定されていますが、入っていただけることになっております。その下の単純労働者については、今、出ましたニューカマー以外はだめだったのですが、単純労働者については、ある種の資格をお持ちの方については入って頂くてもいいのではないかという議論が、出ております。ご承知のとおり、多くの日本の企業がそういう方を相当要求しておりますので、その辺、何とかしなければいけないのではないかという議論になっているということです。現在、中間報告をまとめているところでありますが、夏までには多分、最終的な報告が出るのではないかと思います。相当大きく変わるのではないかという印象を持っております。
 よろしゅうございますか。
 それでは、次の議題へ進ませていただきます。次の議題は、教育委員会制度をめぐる議論についてでございます。これについて、規制改革・民間開放推進会議等の議論を前川課長からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【前川初等中等教育企画課長】
 教育委員会制度につきましては、この中央教育審議会におきましてもご意見をいただきまして、昨年10月の答申の中にもかなり詳細なご提言をいただいているところでございます。
 また、それとは別にいたしまして、政府の中でもさまざまな審議の場で教育委員会制度についての議論がされているわけでございまして、総務省が事務局を務めております地方制度調査会においても、教育委員会制度について自治体の判断で教育委員会を置くか置かないかの選択ができるような仕組みにすべきではないかというようなご意見もございます。
 また、規制改革会議においても、学校教育という、いわば規制改革側から見ますと官製市場でございますけれども、この官製市場を民間に開放するという観点から、学校選択、あるいはバウチャー制度の導入の妨げになっている制度というような見方でございますが、そういう見方の中で教育委員会制度について、これを任意設置、自治体の判断で設置するかしないか選択できるような仕組みをとるべきではないかと、こういった議論がされているわけでございます。
 復習を兼ねまして中教審でどういうご議論をいただいたかということを簡単に見ておきたいと思うわけでございますが、お手元にございますこの青いドッヂファイル、この大きなファイルの中の12番という資料でございます。12番の資料、これは昨年10月の「新しい時代の義務教育を創造する」という答申がそのままとじられてあるわけでございます。
 この26ページから28ページにかけてが教育委員会制度の見直しについてのご提言でございました。そのうち、この27ページの下から2番目のところの丸を見ていただきますと、教育委員会制度の今後の在り方については、すべての地方自治体に設置することなど、現在の基本的な枠組みを維持しつつ、それぞれの自治体の実情に合わせた行政が執行できるよう、制度をできるだけ弾力化するとともに、教育委員会の機能の強化、首長と教育委員会の連携の強化や教育委員会の役割の明確化のための改善を図ることが適当である、このような提言をいただいております。
 28ページをご覧いただきますと、具体的な制度改革についてのご提案がございまして、イといたしまして「教育委員会の組織の弾力化」ということで、委員の数などについて弾力化できるようにしたらどうかと、こういうご提言がございます。
 また、ウといたしまして、首長と教育委員会の権限分担の弾力化ということで、文化やスポーツなどにつきまして自治体の判断で首長が担当することを選択できるようにすることが適当だと、こういうご提言もいただいております。
 また、エといたしまして、教育委員会と教育長との関係についても整理が必要だということで、教育委員会の使命は、地域の教育課題に応じた基本的な教育の方針、計画を策定するとともに、教育長及び事務局の事務執行状況を監視、評価することであることを制度上明確化する必要がある、また、教育委員会と教育長の関係も見直すと、このような提言があったわけでございます。
 現在、文科省といたしましては、この提言に沿って具体的な制度改正を検討しているわけでございますけれども、その中で、特に規制改革会議から教育委員会制度についていろいろと意見が出てきているというわけでございます。
 その例といたしまして本日用意しておりますのが資料4-1、4-2でございますが、この資料4-2が規制改革会議から提出されたものでございます。この6月7日と申しますのは、これは経済財政諮問会議の議事があったわけでございます。この経済財政諮問会議の場に規制改革・民間開放推進会議の宮内議長が出席されて、その際に提出された資料でございます。
 1枚めくっていただきますと、「教育委員会制度を巡る提言等」ということで中教審答申そのものは書いてございませんでして、中教審答申に対する地方6団体代表意見というものが載せられてあると。要するに、教育委員会を置かなくてもよいという意見がどのようなものがあるかを列挙してあるわけでございます。
 2ページを開いていただきますと、規制改革会議としての考え方が示されております。地方教育行政は権限と責任の所在があいまいである、住民に対し責任を負う首長に権限がない、こういう認識、また、教育委員会は文科省の上意下達のシステムとして機能していて、画一的な学校運営を助長している、こういう現状認識のもとで教育委員会の必置規制を撤廃すべきであると、こう主張しているわけでございます。少なくとも特区で教育委員会を置かない選択も認めるべきであると、このような提言が規制改革・民間開放推進会議から行われているわけでございます。
 これに対しまして、資料4-1、これは同じ会の経済財政諮問会議に臨時議員として出席いたしました小坂文部科学大臣が提出した資料でございますが、基本的にこの現行制度についての意義を認めた上で、学校のあるすべての地方公共団体に教育委員会を置くという前提で改革を進めていく、こういう考え方を示しているわけでございます。改革の方向といたしまして、これまでに制度の改革が行われてきた経緯につきましても、参考資料の2ページにございますとおり、これまでも改革を進めてきたところである、今後ともこの改革を進めていくと、こういう姿勢を示したということでございまして、今後、この教育委員会制度をめぐる議論につきましては、規制改革・民間開放推進会議のほうで近く答申を出されることになりますけれども、この中にも盛り込まれる可能性がございます。また、いわゆる「骨太の方針」の中でも、教育委員会の在り方について何らかの改革の方向性が示されることになる可能性がございます。ここにどのような書き方がされるかという点については、現在、私ども、関係機関とも鋭意協議をしているところでございますけれども、焦点といたしましては、いわゆる任意設置、自治体の判断で教育委員会を置く・置かないを選択できると、こういうことを認めるのかどうか、ここのところが焦点になってまいります。
 私どもといたしましては、先ほどご紹介いたしました昨年10月の中教審の答申も踏まえまして、すべての自治体に設置するということを前提にしてこの改革を進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
 以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 ただいまの件に関しまして、何かご質問、ご意見、ございますでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 どうぞ、永井委員。

【永井委員】
 この問題にダイレクトに関係がないのですけれども、ちょっと日ごろ感じていることを少し、ほんの数分間述べますので、お話しさせていただきたいと思いますが、この規制改革絡みに関連して、文部科学省もしくは中教審などの対応を半ば外野的に眺めていますと、個別個別の課題に対して防戦一方というような感じがどうしても外見上見えてくるわけですね。他方が切り込んでくる、他方が守る。まるで守旧派と何とかと似たような図式みたいに見えるんですが、そこで申し上げたいのは、臨教審以来、ある種の規制緩和もしくは自由化の路線が現在まで続いておりまして、途中、この五、六年間、急速に加速されてきて現在に至っているわけですけれども、申し上げたいのは、このざっと20年間の教育に絡む規制緩和もしくは自由化を含めたすべての全面的な洗い直し、あるいは総点検を行って、横断的マクロな視点できちんと対応できるような理論武装、もしくは準備をすべきではないかと、私はちょっとこのところ感じているところであります。
 それは、もう釈迦に説法ですし、ほかのところでも意見が出ているようにも思われますけれども、民間の市場原理にゆだねられる経済活動と教育、文化、健康、医療、環境問題を含めた社会的な規制に関する規制緩和とは、おのずから次元が異なるものである、そういう枠の中で、ほぼ一方通行的に攻撃を受け、防戦一方になっているような気配が私は何となく見受けられるわけです。
 もちろん、一定程度の自由化・規制緩和は必要なわけですけれども、逆に今度は、むしろ以前よりも厳しい規制をかけたほうがいいというテーマだってあるはずでありまして、そこのところを見極めるために文科省の初等中等教育に限らず、例えば大学を含めた全省的な中で臨教審以来のことを総点検して、きちんと対応できるような体制を考えるべきではないかと感じているものですから、あえて申し上げました。失礼しました。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。お答え、局長がよろしいですかね。

【銭谷初等中等教育局長】
 今、永井先生からお話がありましたのは、私どもも、多分、外から見ますと、そういう印象を現在与えているのかなとは思っております。
 率直に申しまして、規制改革・民間開放推進会議との関連で言えば、最近でも学校選択制の問題、あるいは教育バウチャーの問題等々を含めまして、今回のこの教育委員会の必置の問題まで個別に規制改革の提案がなされて、それに対して文部科学省が考え方を説明していくという繰り返しが続いておりますので、今、先生がおっしゃったような感は免れないと思っております。
 今の臨教審以来の文部科学省の行ってきた規制改革に関連した施策というものを総括的に一度点検して、それで、その上で今後とも民間あるいは地方に権限をむしろゆだねるというか、お譲りするもの、あるいは逆に規制が必要なもの、そういうものを整理するというのは、1つの私どもも大事なご提言だと思って受けとめさせていただきました。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 藤原課長、例の新教育プログラムのことを少しここでご紹介されたらどうですか。突然で申しわけないけれども。

【藤原財務課長】
 今、木村分科会長からちょっとお話がございました新教育システムの開発プログラムに関する予算が、本年度予算として約15億円程度、新規でとれたわけでございます。この調査研究事業を今回新たに始めるということに至った背景といたしましては、まさに今、先ほど永井委員からご指摘いただいたような問題認識のもとで、新しく初等中等教育関係の全般について、とりわけ行財政の側面からもう一度現行システムを見直した上で将来的な長期展望を踏まえて、どういう点について手直ししたり、あるいはどういう点で新しいシステム設計をしていかなければいけないかということについて文部科学省としての調査研究をする。
 ただし、文科省みずからがすべて調査研究するということではなく、いろいろな事項、例えば教育の主体はどうあるべきかとか、あるいは、学校が関係する周囲のいろいろな状況との関係において、今のような形でいいのかどうか、どうやって連携していくのかとか、あるいは学校の会計システムとか、あるいは、今の学校の配置されている分布が適正かどうか、あるいは、学校規模が適正かどうか、そういうような問題も含めて幅広く民間の知見と申しますか、それは学識経験者の方々もいらっしゃいますし、あるいは、実際現場で活動されている教育委員会の方々、あるいは学校と連携をとって活動されている民間企業とか、あるいはNPOの関係者とか、そういうさまざまな方々の知見をぜひ活用したいということで、先般、公募いたしまして、その応募が約90件ほどありまして、それについて透明性を確保する観点でステレオコミッティーを文科省に設けて、外部の有識者の方々からなる同コミッティーでご選考いただいたと。木村先生が座長をしていただいているのですが、そういうことで、先般、具体的な採択する調査研究事業を内定したと。今週具体的にこれから採択案件については記者発表というか、プレスに発表するということでございまして、速やかに7月ぐらいから実際の調査研究をスタートさせていただくということでございます。まだ現時点においては、ちょっとまだ公表していないものですから、具体的な案件についてはちょっとここでご説明できないんですけれども、今週中には公表したいと考えております。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 どうぞ、河邉さん。

【河邉委員】
 私も永井先生がおっしゃったようなことは漠然と感じておりましたけれども、分析的にお話しすることができないでおりましたけれども、とりわけ義務教育界である幼児教育に関しては、経済の論理の中にもみくちゃにされている感じがいたします。教育基本法改正案に新しく幼児教育の文言が入ったようですけれども、日本の国の幼児教育を学校教育の礎としてどう位置付けていくのかという理論がしっかりない。理念がしっかりないので、「認定子ども園」の問題にしましても、何か現場先行でどんどんなし崩し的に後から制度をつくっているというような感じがいたします。
 ぜひ、特に就学前の4歳、5歳の子どもたちの教育をどうするかというものをしっかりカリキュラムの問題も含めて幼児教育に関わる調査研究を進めていただけたらと思います。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、まだご意見もあろうかと思いますが、時間が押しておりますので、次、最後の議題に進ませていただきます。
 教職員給与の在り方についてでございます。銭谷局長からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【銭谷初等中等教育局長】
 それでは、私から資料5に基づきまして教職員給与の在り方の検討につきまして、これまでの状況と今後の対応をご説明申し上げます。
 実は、先ほどの義務教育費国庫負担法等の一部改正のときにも話題になりましたけれども、教職員につきましては、給与費の国庫負担の問題、それから定数の問題、それから給与の問題と、幾つかのことが昨年末来いろいろと動いております。今日は、そのうちの給与の問題につきましてご説明させていただきます。
 資料5の1枚目でございますけれども、今年の5月26日にいわゆる行政改革推進法という法律が成立いたしました。これは昨年12月24日の閣議決定に基づいて提案された法案でございますけれども、この中に、下線を引いた部分でございますけれども、「人材確保に関する特別措置法の廃止を含めた見直しその他公立学校の教職員の給与の在り方に関する検討を行い、平成18年度中に結論を得て、平成20年4月を目途に必要な措置を講ずるものとする」ということが定められております。このように、教職員の給与の在り方につきましては、今年度中に結論を得るということが求められているところでございます。
 1枚めくっていただきまして2枚目でございますけれども、実はそういう法案が成立した前後から、政府・与党におきまして歳入・歳出一体改革に向けた取り組みが検討されております。この歳出・歳入一体改革では、今から5年後の2011年度に基礎的な財政収支を黒字化する財政健全化目標を達成するために、2007年度から2011年度の今後5年間に約11.4兆円から14.3兆円削減するというために、各分野の削減目標を定めるということで政府・与党の検討が行われてきております。
 昨日、政府・与党が合意いたしました方針の中には、教職員給与費についても以下のような見直しを行うということが含まれております。そこにア)、イ)、ウ)とございますけれども、ア)が「教職員の定数については、子どもの数に応じた削減を行うこととし、具体的には、今後5年間で1万人程度の純減を確保する」。これは、子どもの数が減りますと、学級数等もそれに準じて減ってくるわけでございますので、いわゆる子どもの数の自然減に応じた教職員定数の減ということで、文部科学省の推計でも、今後5年間で約1万人程度の教職員数の減が見込まれますので、この1万人程度の減を確保するということがまずア)の中で記載されております。
 それから、イ)が「地方公務員の給与構造改革や地方における民間給与水準への準拠を徹底させる」と。これは、教員に限らず、地方公務員の給与について、例えば今までは100人以上の企業との比較で給与費を算定していたわけでございますけれども、これを50人規模以上の企業との比較で給与水準を決めていくといったような、そういったようなことが現在検討されておりますので、それらの一環として、教職員給与についてもこういう地方公務員の給与構造改革や地方における民間給与水準への準拠の中で教職員についてもそういうことが適用されていくということでございます。
 それから、ウ)が「人材確保法に基づく優遇措置を縮減するとともに、メリハリをつけた教員給与体系を検討する。その結果を退職手当等にも反映させる」ということが定められております。この方針は、この後、7月に閣議決定される予定の「骨太の方針2006」にも反映される予定となっております。
 資料の3枚目でございますけれども、これは時間の関係上、ごく簡単にいたしますけれども、教職員の給与の優遇分が一般行政職に比べてどのぐらいあるかについての議論でございますけれども、見方はいろいろございましたけれども、結局、下のほうが教員のグラフでございますが、平均的な部分を見てみますと、教職員の本給、それから一般行政職の本給を比べますと、教職員の本給のほうがその下の真ん中の斜線、黄色の斜線を引いた部分でございますけれども、1万6,096円優遇されていると。
 それから、教職員には、一般行政職にない義務教育等教員特別手当と、右側のほうのピンクの斜線を引いた部分でございますが、この手当がある。これがいわゆる人材確保法に基づく優遇部分とも考えられるわけでございますが、この両方を合わせますと、給与月額に対して一般の行政職に比べますと7.26パーセントの優遇ということになるわけでございます。これが人材確保法の優遇部分とも言えないことはないわけでございますが、一方で、教職員にはいわゆる時間外勤務手当と、一般職・一般行政職で上のほうにございます「2万8,944円」と真ん中辺に書いてございますけれども、この時間外勤務手当が支給されなくて、逆に教職調整額ということで一律の4パーセントの支出になっているといったような不利な部分もございます。
 そこで、当面の措置といたしまして、給与水準に直接関係のない通勤手当、扶養手当、地域手当等を除いた教員給与と一般行政職の給与を過去5年間平均の額を比較いたしまして、教員が一般行政職を上回る2.76パーセント、右が飛び出た部分でございますが、この部分について縮減を順次図っていくことになったところでございます。
 資料の4枚目でございますけれども、その結果、教員給与の見直しでどういう効果があるかということでございますが、先ほどの説明の順番とちょっと入れかわっておりますけれども、まず、上から2つ目の丸でございますけれども、今後5年間で1万人程度の自然減があると申し上げましたけれども、そのことによる減額が国・地方分を合わせまして、そこにございますように710億円ほど見込まれております。それから、一番上の丸に行きまして、先ほどご説明いたしました民間企業規模の見直しなど給与の構造改革を進める中で、国・地方を合わせまして約2,190億円ほど見込まれております。それから最後に、いわゆる優遇分の縮減ということで、国・地方を合わせまして1,290億円、さらにその退職手当のはね返り分等を含めますと、一番下に合計額が出ておりますけれども、総額で4,240億円、国分として1,400億円、地方分として2,850億円の見直し効果が見込まれているところでございます。
 なお、今後5年間、GDPの伸び率を年3.0パーセントとこの歳出・歳入計画では想定しておりますが、GDPの伸び率3.0パーセントとし、民間の賃金上昇率をその場合に年3.6パーセントと設定して5年後の2011年度ではどうなるかということになりますと、3.6パーセント部分が複利計算いたしますと、合計で5,300億円の見直し効果が生ずるということが見込まれるということでございます。
 なお、この見直し効果は、単年度でこれだけの額を削減するということではなくて、いわば今後5年間で、事項によっては多少の年限のずれはございますけれども、順次給与を見直していくということが今般の政府・与党の歳出・歳入改革の合意という中で決められてきているということでございます。
 なお、先ほど申し上げましたように、教職員の給与につきましては、今後、給与体系等をどうするのか、あるいは、教職調整額、時間外勤務手当等々のいろいろな問題がございますので、教職員給与につきましては、法律でも本年度末に結論を得るということが決められております。
 文部科学省では、これまで将来で必要な調査を進めてまいりました。また、本年度、教職員の勤務実態調査を実施し、勤務実態というものをきちんと把握した上で給与も考えていきたいと思っております。この教職員の給与というのは、教育の質を確保する上で非常に重要で影響の大きな課題でございますので、さまざまな観点から検討していくことが必要であると思っております。本年度末に結論を得なければいけないわけでございますので、今後、私どもといたしましては、中教審の中に初中分科会のもとにワーキンググループを置いていただきまして、有識者の委員の先生方による多面的な検討もぜひお願いしたいと考えておりますことを最後に申し上げさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 ただいまのご説明に対しまして、何かご意見、ご質問がありましたらどうぞ。
 それでは渡久山委員が最初、その次に梶田委員。

【渡久山委員】
 1つは、今、局長から説明がありましたけれども、この流れでいくと、2.76パーセントの部分ですね、いわゆる2.8、これは削られていくということが前提になっているようにも聞こえるんですけれども、これは今年の末とか言われているんですけれども、果たしてこれはそういう最終的には削減されるというようなことの方向性なのかということですね。これが1つ。これは質問です。
 それから、もう一つは、人材確保法ができたとき、昭和49年ですね、やっぱり年に10パーセントぐらい上がっていたんですよね。で、2年間やって、3年後に主任手当が入ってきたんですが、おそらくあのときの私たちの雰囲気は、教員になり手というかな、やっぱり優秀な教員が確保されていたと思うんですよ、一般行政より非常に高いという形で。そういう人確法をつくったときの、これは自由民主党が発案して、田中内閣のときできたわけですが、やはり教育に人材を得るというようなことであれはできたと思うんですね。確かにそういうことで効果があったと思うんですけれども、そういう教員の質等を含めてどういうように把握していらっしゃるか、この辺は僕は非常に大事なことだと思うんですね。
 それから、ここにちょっと今、説明の中の抜粋の中の括弧で「メリハリをつける」ということがありますね。人確法の削減も含めてメリハリをつけると言うんですけれども、これだけ取っちゃったら、ちょうど行政と同じになるんです、平均値が。そうすると、メリハリということになれば、優秀な教員には高くする、そうでない教員は安くするとなれば、安く措置された教員は一般行政よりも給料は悪くなるんですよ。果たしてそれでいいかどうか。そうすると、悪くなるんじゃなくて、それが行政と同じレベルでそれを優遇するかどうかという問題が1つあると思うんですね。ですから、その辺のことについては、どうもはっきりこの削減された以降についてはっきりしない。
 それからもう一つ、ちょっとこれは先ほど説明もあったと思いますが、教職調整額ですね。これは、言われたようにこれは教員の超過勤務に値する額です。これは4パーセントということに決められていますね。
 しかし、実際、今は文部科学省が調査された教員の超勤は14時間以上いっているでしょう。まだ中間報告かもしれませんがね。そうすると、この4パーセント分はほぼ、大体8時間分ぐらいだと思うんですよ。あのときですけれどもね。そうすると、あとの超勤分は支払われていないということがわかっているわけですね。そうすると、もうそれだけじゃなくて、持ち帰り等を含めていると、授業時間で利かないぐらい超勤しているわけです。
 ただ、こっちにいらっしゃる国家公務員の皆さん、無定量の超勤で超勤手当は十分払われていないですよね。これはよく統計的には言われているんですね。だから、超勤になれているかもしれませんが、そんなことじゃだめなんですよ、やっぱり。きちっとして、たがしかし、これ、今みたいに2.76パーセント削られると、どんなに超勤手当を増やしていっても、財源がないんです、これ。財源がないところで、今度、超勤手当を増やすと言ったって、結果的には結局払われない残業になってくるわけですね。
 そういうようなことを含めて、少しこれ、まあ今は質問等をさせていただきますが、意見は1つです。子どもたちの自然減で1万人になるかもしれません。だがしかし、今度、2つの問題がありますね。1つは、少人数指導、あるいは少人数学級に対してどう考えているのか。それをやっぱりみんな各自治体とも、今、総額裁量制の中に、この裁量の部分からずっと非常勤講師か臨時教員を使って40人学級からどんどん縮減していっていますでしょう、実態として。そうすると、それに対するやっぱりメリットというものをつくっていかなくちゃいけないでしょう。この辺の部分が1つ問題になりますね。
 それから、100人から50人にするという場合、どれくらいの規模でやっていくか。これは一般公務員全体がそうしていって、公務員全体の給料を下げようという考え方ですが、ただ、公務員の場合は、国家公務員もそうです、地方公務員もそうですが、一般民間労働者と比べて、ストライキ権を含めて労働三権が保障されていないんですよ。保障されていないという中では、こうなっていっても直接な争議権等を含めてやっぱり労働三法による保障をされていない。そうであれば、それはもう政府の言いなりというか、理事者側の言いなりになるということですね。であれば、それでいくんだったら、やっぱりきちっと国家公務員法、地方公務員法を改正して、やっぱり労働基本権をきちっと回復するということが必要になってくると私は思いますね。そういう措置も含めてやっていかなければいけないだろうというようなことを考えます。
 それから最後には、もういつも言われるOECDの中の日本の国家予算はGDPに占める割合は非常に低いでしょう。だから、国全体として教育にかけている金は非常に少ないわけですよ。それだけじゃなくて、アメリカも、イギリスも、どんどん今、国家戦略として義務教育を含めて教育費を上げていっているという実態ですね。これから見ても、国際的に見ても、日本の教育は非常に劣悪な状況の中に予算上はいる。だから、前の町村文部大臣がちょうどこの教育基本法の国会の演説の中で、日本は教育大国じゃなくて教育小国である、と言われているんですよ。彼自身は文部大臣をされた方がそんなに言われているわけですから、これはもっと私は教育行政にあずかる文部科学省の皆さんとしては、もう少しきちっとした姿勢をとっていっていただいて、政府の中で一定程度やはり教育に対してきちっとしたいろいろな考え方の中でも、やっぱり大事にしていく、それは財政的な保障をしていくんだということをしていただきたい。先ほどの永井先生の話は、まさにそういうところから来て、どうも最近は文部科学省は押されているというか、だんだん崩されていっているような感じがしてならない。
 以上です。

【木村分科会長】
 では、梶田委員。先に伺って、それでまとめてお答えをお願いします。

【梶田副分科会長】
 もう私は簡単な話ですが、昨年、一、二年間、義務教育の特別部会をやったわけですね。ここで散々やったわけですけれども、やはり中教審として教育をどう改善するかということをずっと全体でも議論してきたわけですね、いろいろな分科会や部会で。
 でも、結局、「教育は人なり」なんですよ。教師という媒介子を抜きには、どういう制度をつくろうと、どういうカリキュラムをつくろうと、どういうお金の面の助成をしようと、もうこれはみんな絵にかいたもちなわけですね。「教育は人なり」で。
 確かに国の借金が800兆円以上になったと。それはあるでしょう。でも、これで今の教員の給与をこれだけ切り下げて、せいぜい縮減できたのは4,000億円から5,000億円でしょう。これで日本の国の将来を誤っていいのかということは、中教審がやはり声を上げていかなければいけないと思うんですよ。
 結局は、将来もし、国の借金を返していくにしても、結局は税収を上げる、国際収支をもっとよくする、これしかないわけでしょう。これは、人材の育成しかないんですよ。これは去年、義務教育の特別部会で片山鳥取県知事が何度もおっしゃったように、大体、財政改革の中でやるべき課題の中で十何番目の話をトップのほうに持ってきているという日本の、やはり国の話し合いの今の状況はおかしいという、そこを私たちは認識しなければいけない。確かに借金があるから削れるところから削っていこうというのはわかるけれども、削りやすいところからということでは、結局、日本の未来を誤ってしまうということを私は中教審のここにおられる方はみんな同じに思っていると思うんです。
 私は文部科学省の人たちは本当にがんばられてがんばられてきたとは思うけれども、しかし、事今日お聞きしたところでは、もう本当に先ほどから話されているけれども、やっぱり押されぎみですね。そうすると、もちろん文部科学省の人たちにもこれから一層がんばってもらわなきゃいけないけれども、やはり我々中教審に出ている者が別途、例えばこれは、まず去年の答申に基づいての私はそれだけの議論に基づいての声明を出すとか、アピールを出すとかということもあるでしょうし、もちろん、先ほどご提案がありましたようにワーキンググループをつくって話を詰めていくということはあるとは思います。これはこれで話は具体をやったらいいけれども、私は、ほかのところから出ている規制緩和推進会議ほか、出ている話というのは、話としてきれいに詰まってから出ているんじゃないですよ。これはご覧になれば幾らも反論できる話はいっぱいあって、極めてやはり私は文部科学省の方々は生真面目な官庁ですから、確かに話を詰めてから出そうというのはあって、それはそれで私はあっていいと思う。それは支持したいと思いますけれども、しかし、同時に、中教審としてはまず大きな枠組みとして、これはやはりとんでもない方向に行きつつあるのではないかということは出さなければいけないんじゃないか。その上で細かい話を詰めて、またフォローするというようなことが必要ではないかということを私はつくづく思いますので、何かこれは木村分科会長、いろいろとお考えだと思います。中教審全体の副会長としてもお考えだと思いますので、できるだけアピールを出すというような、あるいは、何かのアクションを起こすということで私はこれは考えていってほしいと。繰り返しますけれども、これは単なるつじつま合わせ、財政の中でどこが我慢すれば話は済むかということではないと思うんです。日本の国の将来にかかわることだと思いますので、皆さん、ぜひ関係の方々、よろしくお願いしたいと思います。

【木村分科会長】
 時間が来ましたので、すみません。局長にお話を伺ってからにしたいと思います。

【銭谷初等中等教育局長】
 今、両先生から、ご意見、ご質問を賜りまして、むしろ私どもとしては大変ありがたく感謝申し上げたいと思います。
 梶田先生、お話しございましたように「教育は人なり」ということで、教職員に教育の成果を負うところは非常に大きいわけでございまして、その場合、教職員の給与、それから定数についてしっかりとこれを水準を向上させて進めていくというのが初等中等教育行政、とりわけ義務教育の根底にあることは私どもも認識をして諸問題に対応していきたいと思っておりますし、また、これまでもしてきたつもりでございます。
 まず、ご質問のほうに先にお答えいたしますと、教職員給与について、人員確保法の優遇部分を含めて削減はこれからどうなるのかということでございますが、これは具体的には5年間の削減の見直し目標は定めたわけでございますが、具体的には各年度のまた予算でこれは決めていくということになりますので、最初は平成19年度の概算要求が始まりますこの夏から具体的な作業に入っていくということになろうかと思っております。
 それから、人材確保法につきましては、昭和49年に成立を見たわけでございますが、教育界に優秀な人材を確保するという、大変私どもとしては意義の大きい法律だと思っておりますし、また、その効果もあったと認識いたしております。具体的な例証は幾つもあるわけでございますが、教員採用試験などを見まして採用者の非常な増加を見た、教員養成学部への志願者の増加を見たとか、そういう意味で人材確保法の効果は私どもはあったと。私どもとしては、今後とも人材確保法の精神は維持していく中で、教職員の給与の在り方というものを検討していきたいと思っております。
 「メリハリのついた給与」ということになりますと、具体的な検討の視点は幾つかあるわけでございますが、教職員というのは、やはり一般の行政職とは異なる専門職でございますので、その専門職にふさわしい職務給という考え方が、これは私どもとしては大事な考え方ではないかと。加えて人材確保法のその精神というものは反映されるようにしていきたいと思っております。
 が、同時に、一生懸命がんばっておられる先生、あるいは管理職ないしはその管理職の役割をしている先生方、そういう方にもそれにふさわしい処遇をしなければいけないと。一方で、漫然と働いておられる先生方が、他の先生方と同じような給与体系でいいのかという疑問もこれは一般の方は持つわけでございますので、そういう意味で先生方の給与についてどういうメリハリのついた給与体系が構築できるのか、これを今後検討していく必要があるだろうと思っております。
 なお、教職調整額につきましては、昭和46年の給特法に基づいて教職員には原則として4つの事項以外は超過勤務を命じないということで4パーセントの教職調整額が支給されたわけでございますけれども、実態として教職員の方が本当に昼夜を分かたず一生懸命仕事をされているという実態もあるわけでございますので、その辺は先ほど申し上げました教職員の勤務実態調査を踏まえまして、それをすべてそっくり反映というわけにはなかなかまいらないとは思いますけれども、その実態調査というものをよく踏まえて、先ほど申し上げましたメリハリのついた、そして教職員という専門職にふさわしい給与体系を本年度いっぱい構築をしていく中で考えていきたいと思っているところでございます。
 なお、教職員の定数については、子どもの数に応じた自然減までの減はするわけでございますが、これは教育条件の悪化を決して招いてはいけないということは国会上でも再三にわたって答弁をしているところでございまして、少人数教育、少人数学級、こういったそれぞれの各都道府県で工夫をしながら、今行っている教職員の配置については、これは基本的には現行水準を低下させないという方向で私どもはやっぱり考えていかなければいけないと思っております。
 なお、本当に教育費がGDP比で我が国初等中等教育費は、やっぱり教育費の大半は教職員給与費が占めているわけでございますので、数と給与の問題はいろいろあると思いますけれども、この点については、私どもも現状について正確にやっぱり世の中には伝えていかなければいけないと思っているところでございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 先にお諮りしておきますが、先ほど局長からお話のありましたこの問題に対してワーキンググループをつくるという件でございますけれども、次回の初中分科会にこの設置についてお諮りしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(「はい」の声あり)

【木村分科会長】
 では、それではそういうふうにさせていただきます。
 お手が二人挙がっておりましたが、時間が過ぎておりますので、1分だけ。よろしゅうございますか。
 では、先に、初めてのご発言ですから、高橋委員から1分だけお願いいたします。

【高橋委員】
 ありがとうございます。私は、現職校長ということの立場で教員の勤務を正当に評価していただきたいと。文科省の方はおわかりいただけていると思いますけれども、社会的にも正当に評価していただきたいと。
 今、調査をやられていることは私も承知しています。きのう付のある新聞によると、山形県の例ですけれども、民間の研究所に委託したところ、中学校教員の勤務実態は平均就労時間11.3時間と。本校においても、運動会があった際には2週間前から7時半出勤と。これは私が命じたと、こういうことになるんですけれども、まさに教員のやる気、意欲、それだけ教育にかける思いがあると。
 それで、1つお尋ねなんですけれども、同じく新聞の中に調査は12月11日までの期間というようなことで書かれてありました。そうすると、「18年度中の見直し」と言ったときに、この勤務実態調査が最後の調査に至るまで正しく反映していただけるのかどうか。もう限られた時間の質問ですので、そのことについてぜひお願いしたいということでございます。よろしくお願いします。

【木村分科会長】
 どうぞ。

【藤原財務課長】
 勤務実態調査につきましては、7月から12月まで約6カ月やる予定でございます。それで、集計については、毎月1カ月ごとに集計していくということでありまして、本来であればもっと長い期間きちんと通年でやるべきだとは思うんですが、今回、行革推進法の中で教員給与の在り方について本年度中に政府・与党として結論を出すということになってしまっていますので、中教審でワーキンググループを設置していただけるのであれば、そこでの議論はおそらく来年1月、来年早々ぐらいまでにはまとめないと間に合わないかなと。その中で12月まで勤務実態調査をやることは可能な限り反映してご議論いただきたいのですが、先ほど申し上げましたとおり、毎月1カ月ごとに結果を出しますので、おそらく10月、あるいは11月ぐらいにはそれなりのデータがまとまって、ワーキンググループでの検討に資するような形でまとめて事務方から提出していきたいと思っております。

【木村分科会長】
 では、野村先生、1分でお願いします。

【野村委員】
 一般行政職と教員の給与比較についてですが、比較するという場合は同一条件の下で比較ということが成り立つわけで、専門職としての教員免許状を持った者と、教員免許状に匹敵するものをもつ専門職としての行政職と比較しなければ比較にならない。それについてのお答えをいただきたいんです。もし一般行政職の方がそういう教員免許に匹敵するものをもたないで専門職の教員と比較したとしたら、比較にならない。この教員の優遇部分についていえば、持たない人と持っている人を比較する場合、、持っている人がもたない人より給料が高いのは当然のことである。、これは、優遇ではない。教員免許を専門職としてもっていれば、もたない人より給与が高いのは当然のことである。次の機会にはそういう行政職の中で教員免許と同じような専門職としての免許をもっている者とを比較した資料を出してほしい。例えば医務課の医師免許をもった医師等々との比較のような…。

【木村分科会長】
 すみません、時間ですので、ここで切らせていただきます。
 今井委員。

【今井委員】
 ワーキンググループの構成メンバーの中に教諭は含まれていますでしょうか、いませんでしょうか。もし含まれていないのであれば、立場としてぜひ入れていただければありがたいと思っているんですけれども。

【木村分科会長】
 その辺はどうでしょうか。

【藤原財務課長】
 これからワーキンググループの構成メンバーにつきましては、木村分科会長などともご相談の上案をつくりたいと思いますが、事務方としては、現場の先生、あるいは市町村の教育委員会の関係者などについてもきちんと含めていきたいと思っております。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。少し時間が押していますので、発言を途中で切らせていただきましたが、野村先生からご提言がありましたように、比較というのは非常に難しいと思います。極端に言うとどんな比較でもできるので、ロジックのある比較法みたいなことについて、今後ぜひこの場でご披露いただきたいと思います。野村先生のポイントはそういうことだと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、司会の不手際で時間が大分延びてしまいましたが、久しぶりの初中分科会、以上とさせていただきます。
 最後に、今後の日程につきまして、榎本さん、よろしくお願いいたします。

【榎本教育制度改革室長】
 次回の初等中等教育分科会は、7月10日、月曜日、午後3時から午後5時まで行います。資料6が一番下についておりますが、そちらのとおりでございます。場所は学術総合センターでございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 比較の問題は非常に難しいので、次回までにロジカルなお答えが準備していただけるかどうかはわかりませんけれども、何かご報告いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 では、本日はどうもありがとうございました。

─了─

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