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初等中等教育分科会(第38回) 議事録

1.日時

平成18年3月30日(木曜日) 15時~17時

2.場所

霞ヶ関東京會舘 霞ヶ関ビル35階 「ゴールドスタールーム」

3.議題

  1. 学校外の教育施設での学修を就学義務の履行とみなすことができる仕組み等について
  2. その他

4.出席者

委員

 木村分科会長、梶田副分科会長、安彦委員、衛藤委員、加藤委員、郷委員、角田委員、中嶋委員、増田委員、井上委員、今井委員、大橋委員、甲田委員、田村委員、渡久山委員、永井委員、西嶋委員、野村委員、平出委員、北條委員

文部科学省

 近藤文部科学審議官、板東大臣官房審議官、銭谷初等中等教育局長、前川初等中等教育企画課長、藤原財務課長、坪田児童生徒課長、戸渡教職員課長、藤原企画官

5.議事録

【木村分科会長】
 委員の先生方ほぼおそろいになりましたので、ただいまから、中央教育審議会、第38回初等中等教育分科会を開かせていただきます。本日はお忙しい中、ご出席賜りましてありがとうございました。
 本日は4点の議題を準備しております。まず最初が「学校外の教育施設での学習を就学義務の履行とみなすことができる仕組み等について」、これについて皆様方から、少し時間を取りましてご意見を賜りたいと存じます。2点目、3点目、4点目は、いずれも報告でございますが、若干の時間を取ってありますので、ご質問等をいただければと思います。2点目は、文部科学省が設定いたしました学校評価ガイドラインと民間人教頭や学校選択制にかかわる制度改正についての報告。3点目が、3月13日に中央教育審議会で取りまとめられました答申「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について」の報告。最後が、昨年12月24日に閣議決定されております行政改革の重要方針のうち、総人件費改革に関連する動きについてのご報告です。
 それでは、議題1から始めさせていただきます。「学校外の教育施設での学習を就学義務の履行とみなすことができる仕組み等について」、まず前川初等中等教育企画課長から説明をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【前川初等中等教育企画課長】
 それでは資料1-1~1-8をご覧いただきながら、就学義務と学校外の教育施設での学習との関係に関する参考の資料につきましてご説明申し上げたいと思います。
 まず資料1-1でございます。これまで、この中教審等において、就学義務に関して、どのような議論が行われたかということを振り返る資料でございます。1枚目が、昨年10月26日の答申でございますが、ここでは一定の要件のもとでフリースクールなど、学校外の教育施設での学習を就学義務の履行とみなすことのできる仕組み等について検討することも求められると、こういう指摘があったわけでございます。
 その次のページでございますが、昨年1月に当分科会でまとめていただいた「義務教育に係る諸制度の在り方について」のまとめの中で、この点がもう少し詳しく取り扱われておりました。下線を引いている部分でございますが、保護者の希望を反映させるという観点から、義務教育を就学義務ではなく教育義務としてとらえ直すことも必要なのではないかと、こういう指摘もございました。また学校での指導を原則としつつ、一定の条件付きで、いわゆるフリースクールでの教育機会も認める。あるいはインターナショナルスクールなどでの就学を可とする方向を模索すべきと、こういうご指摘もございました。
 2枚めくっていただきますと、これは平成15年3月の「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興計画の在り方について」という答申でございます。この中では、簡潔な言及でございますが、教育選択などの仕組みということが意見としてあったという記述がございます。こういったことについて、今後、関係分科会等において検討し、実現可能なものについては、学校教育法等の改正などにより対応することが適当であると、このような指摘があったわけでございます。
 これまで中教審でのご議論としては、このような内容だったということでございます。
 次に資料1-2でございます。これは現行の就学義務の仕組みを示したものでございます。就学義務というのは、これは学校教育法によりまして、児童生徒の保護者が課せられている、子どもを学校に通わせる義務でございます。満6歳~満15歳までの児童生徒を小学校、中学校等に就学させる義務、これは学校教育法第22条が小学校について、第39条が中学校について定められているわけでございます。その際、病弱、発育不全、その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者については、学校教育法第23条に基づきまして、就学義務の猶予または免除という制度があるわけでございます。
 この就学義務の履行について、これがきちんと履行されていない場合の督促の制度でございますが、まず児童生徒が7日以上出席せず、その他、出席状況が良好でない場合で、出席させないことに正当な事由がないと認められるとき、そういう場合に、校長は学校教育法施行令第20条に基づきまして、市町村の教育委員会に対しまして通知をしなければならないことになっております。その通知を受けた場合、及び市町村教育委員会として保護者が就学義務を怠っていると認めるとき、こういう場合には学校教育法施行令第21条に基づきまして、市町村教育委員会は保護者に対して出席の督促をすることになっております。次に、その罰則がございます。この教育委員会の督促を受け、なお児童生徒の保護者が就学義務を履行しない場合、10万円以下の罰金に処する。これが学校教育法第91条に規定されているわけでございます。これが就学義務についての仕組みでございます。
 次に資料1-3以降につきましては、これは不登校の状況、その他につきまして、坪田児童生徒課長からご説明申し上げます。

【坪田児童生徒課長】
 それでは、不登校の状況につきまして、児童生徒課のほうからご説明申し上げます。資料1-3、1-4、1-5でございます。
 最初に資料1-3をご覧ください。文科省におきましては、不登校と申しますのは、年間30日以上を欠席した児童生徒の中で、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因や背景により、児童生徒が登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあると。ただし、病気や経済的な理由によるものは除くと。こうした要件に該当したものを不登校と私どもは統計上、計上いたしております。
 資料1-3をご覧いただきますと、平成16年度の不登校児童生徒の数が出ております。全国で約12万3,000人でございまして、3年連続で減少いたしております。不登校につきましては、いろいろな対応を学校関係者等がやっておりますので、その成果も出てきたのかなと認識いたしております。
 2ページ目をご覧ください。不登校児童生徒の数を学年別に見ますと、かなり特徴が出ております。学年が進むに従って多くなっているというのが現状でございます。中学校3年生で一番多くて、全体の33.4パーセント、3分の1でございます。特に小学校6年生から中学校1年生、中学校1年生から2年生の間で増加率が極めて多いという状況になっております。不登校の状態となった直接のきっかけですが、小学校では本人の問題に起因するというのが一番多くて、次に家庭・学校になっております。中学校では、学校生活に起因というのが一番多くて、本人・家庭の順になっております。
 3ページ目をご覧ください。不登校が継続している理由でございますが、これは直接のきっかけとはまた別に、不登校がその後、長く続いている理由でございますが、小中とも、不安などの情緒的混乱とか、いろいろな要因が複合していると。それから、無気力と、こういう情緒的な要因が上位を占めているという状況でございます。
 5のほうは、不登校児童生徒が相談・指導等を受けた期間についての統計でございます。小学校では、教育委員会及び教育センター等、教育委員会所管の機関が多くなっております。中学校では、後でご説明申し上げますが、教育支援センター(適応指導教室)という教育委員会が設ける機関でございますが、そうした場所が最も多くなっております。フリースクール等の民間団体・民間施設と、ここに6で書いてありますが、ここで相談・指導・治療を受けた児童生徒は約2,600人という数になっております。
 次のページ、4ページでございます。不登校児童生徒が通う民間施設の状況でございます。平成15年度で、後で申しますが、指導要録上の出席扱いとされた児童生徒がいるフリースクール等の民間施設ですが、1の表にありますように204施設ございます。組織形態としてはNPO法人が最も多くて、次に個人が経営するというのが多くなっております。指導形態では、通所が最も多いという状況でございます。
 いずれにしても、非常に3年連続で不登校児童生徒が減少していますが、約12万人というオーダーでございますので、今後とも不登校への対応は必要かと思っております。
 次に資料1-4をご覧ください。資料1-4は、不登校への対応、不登校施策の流れを示したものでございます。先ほど統計のことを申しましたが、学校基本調査という私どもの全国調査で、この不登校の数を把握いたしております。昭和41年から、この不登校児童生徒数の調査を開始しまして、当初、「学校嫌い」と言っておりまして、当初は50日以上欠席した児童生徒の数を統計で取って、その中の「学校嫌い」を不登校ということで呼んでいたわけでございます。平成10年度からは「学校嫌い」を不登校という名前に変更いたしまして、50日ではなくて30日以上欠席した児童生徒を対象に調査を実施しているということでございます。
 2以下が「国の主な施策等」でございます。この不登校の問題につきましては、いろいろ考え方、どういうふうに対応するかという考え方の流れがございます。平成4年3月の、ここに示しております学校不適応対策調査研究協力者会議報告、これは1つの登校拒否に対する考え方を示したものでございまして、登校拒否というのは、それまでの特定の子どもの特定の要因に基づくものという考え方があったわけでございますが、その辺を若干とらえ方を変えまして、どの子どもにも起こり得るものだという観点に立って、当時、「登校拒否」と言っていたわけですが、登校拒否をとらえていくことが必要だということ。それから、やはり登校拒否問題に対応するにあたっては、学校生活への適応というものと同時に、児童生徒の自立をいかに促すかということが大事だと。こういう2つの点を重点にして提言をしたわけでございます。
 この報告を受けまして、下から2つ目の○にありますが、「登校拒否問題への対応について」という通知を出しまして、学校及び教育委員会への取り扱い方、関係機関の連携、こうしたことを書きまして、後ほど説明いたしますが、指導要録上の出席扱いというのを、ここで通知で示しているということでございます。
 2ページの平成9年からの流れでございます。先ほど来ありましたが、中学校卒業程度認定試験の受験資格の拡大でありますとか、あるいは高校入学者選抜試験での不登校生徒の取り扱い、柔軟な取り扱い、そうしたものを通知で示しております。最近では、2ページ目の下にあります平成15年3月の不登校問題に関する調査研究協力者会議、これが一番新しい不登校への対応のあり方についての指針を示したものでございまして、やはり、これも2つございまして、1つは、不登校児童生徒の問題を解決するためには、学校に登校するという結果だけを目標にするのではなくて、児童生徒の社会的自立といいますか、学校復帰後の社会的自立と、そうしたところを目指して対応していくことが必要だろうということ。それから2つ目の四角にありますのは、やはり個々の児童生徒の状況に応じた対応が必要だろうということで、周囲の者がよく状況を見極めて、適切適時に対応するということが必要で、何もせずにただ待っているだけでは、なかなか不登校の問題は解決しないだろうという認識。こうしたところを、この2つの重点を主に提言をいたしているということでございます。
 次のページでございますが、3ページ目でございますが、平成15年には、不登校児童生徒を対象にする学校設置にかかわる教育課程弾力化事業、特区803と言っております。それからIT等の活用による不登校児童生徒の学習機会の拡大、特区805、こうしたことが不登校にかかわる構造改革特区における特例の実施ということが可能になりまして、平成17年7月でございますが、この特区803と805については、全国で実施を可能にするように措置をいたしております。
 次に資料1-5をご覧いただきたいと思います。これは不登校への対応施策を、いろいろ書いてあるわけでございます。基本的には、先ほど申しました平成15年3月の報告で、不登校への対応の方針を決めまして、先ほど言いました不登校児童生徒の社会的な自立と適時適切な働きかけということを重点に取り組みをやっております。いろいろな不登校への問題の対応につきましては、家庭、学校、関係機関、地域社会、それぞれが子どもを育てるという責任意識を持って対応するということが必要かと思っておりますが、その中で、やはり学校というのが一番大きい存在かと思っております。学校における不登校への対応につきましても、事後的な対応だけではなくて、児童生徒が不登校に陥らないような学校づくり、こうしたものがまず必要だろうと考えておりまして、この資料1-5にもありますように、「わかる授業・楽しい学校の実現」でありますとか、「心の教育の充実」でありますとか、「教員の資質向上」の問題でありますとか、児童生徒が不登校にならないような魅力ある学校づくりをまず促進していきたいということで、ここに挙げている施策をやっているわけでございます。
 それから、また学校を中心とした施策としましては、学校を中心に家庭・地域社会との連携によりまして、「遊び・非行」型の不登校児童生徒へ対応するような地域、関係機関から成るサポートチームをコーディネートして対応してみたりとかというような事業をやってみたり、さらに5にありますが、「教育相談体制の充実」という観点から、スクールカウンセラーの配置というのを公立中学校に在籍するすべての生徒が相談できる体制の整備ということを目標にやっているということでございます。さらに小学校につきましても、スクールカウンセラーとは別でございますが、悩みや不安を気軽に相談できるような子どもと親の相談員でありますとか、生徒指導推進協力員でありますとか、そうした相談体制の充実強化を図っているということでございます。
 それから6の「不登校児童生徒に対する柔軟な対応」というところが、不登校の特性に着目して、いろいろな柔軟な対応をやっていこうということの中身でございます。
 一番最初の教育支援センターの整備というのは、これは先ほど申しました適応指導教室です。今、教育支援センターと呼んでいるわけですが、市町村教育委員会等が学校外で不登校児童生徒への支援を行う場をつくっているということでございます。これはもちろん公的機関でございまして、平成16年度は1,152カ所程度で、これは年々増加経過でございまして、これは不登校児童生徒の学校復帰にあたりましては極めて大きな役割を果たしてきた実績もございます。
 それから2ページ目のスクーリング・サポート・ネットワーク整備事業、SSNと言っておりますが、これは最近、特に適応指導教室を中心にした不登校児童生徒の早期発見・早期対応のためのネットワークづくり、これを進めております。やはり学校、家庭、地域、関係機関が連携した効果的なネットワークシステムを地域でやっていこうということでございまして、これは具体的には各地域の適応指導教室、教育支援センターが中心になりまして、事例の検討会の実施でありますとか、体験活動プログラムの共同開発、こうしたものをやっておりまして、地域や関係機関との連携の充実を図っているということでございます。
 さらに平成18年度予算では、この事業を引き続きやりますとともに、特に問題になっています家庭にひきこもりがちな不登校児童生徒や、その保護者への支援ということで、訪問指導体制のあり方についての調査研究を18年度で実施するということにいたしております。
 それから2ページ目の(3)にございますが、不登校への対応におけるNPO等の活用に関する実践研究事業というのがございます。いろいろ不登校児童生徒や保護者への指導支援を行っているNPO、民間施設、公的施設は、いろいろなノウハウを持っているわけでございまして、こうしたところのノウハウを活用して、効果的な不登校児童生徒への学習カリキュラム、こうしたものを開発していただくという事業を本年度、平成17年度から実施したということでございます。
 (4)が出席扱いについての措置でございます。不登校児童生徒の中には、学校外の施設で、いろいろ相談指導を受けて、学校復帰とか、社会的自立のために非常に努力を続けているという者がかなり多くございます。そうした子どもの努力を学校として評価して支援するという観点から、保護者と学校との間に十分な連携、協力関係が保たれているという一定の要件を満たしている場合につきまして、学校長の判断で、学校外の施設において相談指導を受けた日数を、指導要録がございますが、この指導要録上出席取り扱いとするという措置を、先ほど申しました平成4年9月に通知を出して、実施しているところでございまして、先ほどの平成15年3月の報告を受けた際にも、同様の通知を出しているわけでございます。資料1-3の3ページ目の5を見ていただきますとわかりますが、平成16年度におきましては、小中の合計で約1万7,000人の児童生徒が出席取り扱いの措置を受けおります。不登校児童生徒全体に占める割合は13.7パーセントという数字でございます。
 それから次に、先ほど少し申しましたが、平成17年7月から、構造改革特区における特例措置を全国的にやっておりまして、家庭にひきこもりがちな不登校児童生徒を支援するという観点から、ITを使いまして、自宅で学習を行った場合に、指導要録上出席取り扱いをすることができるという、出席取り扱いの1つのバリエーションですが、それが新たに加わっているということでございます。
 一番下の(6)でございます。これは先ほど申しました特区の全国化の措置でございます。平成17年7月に、学校教育法施行規則の一部改正によりまして、文科大臣の指定を受けた小中高において、不登校児童生徒の実態に配慮した特別のカリキュラム(教育課程)を編成することができるという措置も講じております。平成18年3月現在で全国で7校が指定を受けております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

【前川初等中等教育企画課長】
 続きまして、資料1-6に基づきまして、インターナショナルスクール等の現状についてご説明申し上げます。
 インターナショナルスクールは、法令上の規定、定義といったものはございません。一般的には、主に英語により授業が行われ、主に外国人児童生徒を対象とする教育施設であると考えられます。外国人学校という中の1つの形態と考えられますが、特定の国の国籍を有する者だけを収容するという学校については、これは民族学校、あるいは民族系の外国人学校と、こういうふうにとらえられることができると思います。インターナショナルスクールという言葉は、その言葉からして、多国籍の学校と。さまざまな国籍を持つ子どもを受け入れる学校と考えてよろしいかと思います。
 このインターナショナルスクールと就学義務の関係でございますが、インターナショナルスクール等に通っていても、就学義務の履行とは認められません。学校教育法上は、学校教育法1条に規定する学校に就学しなければ、就学義務の履行にはならないということでございます。ただし、二重国籍者で、日本と外国の2つの国籍を持っている者については、家庭事情等から客観的に将来、外国の国籍を選択する可能性が強いと認められ、かつほかに教育を受ける機会が確保されていると認められる事由があるとき、こういった場合には、保護者と十分協議の上、就学義務の猶予または免除を認めることができる。これは文部省が昭和59年に出しました通知で、こういう取り扱いをしておるわけでございます。
 我が国の法制度上の地位でございますが、インターナショナルスクール等のうちの一部のものについては、学校教育法第83条に基づく各種学校として、都道府県知事の認可を受けているわけでございます。そのほかにも、各種学校の地位を持たない外国人学校、あるいはインターナショナルスクールがあると考えられますが、その実態は、残念ながら、文部科学省として把握はしていないわけです。
 この下に参考として数字がございます。インターナショナルスクールで、主に英語で授業を行うものが24校あると把握しているわけでございますが、そこに幼稚園段階から高等学校段階を含めまして3,398人、平成18年5月1日現在で、日本国籍の子どもが在籍している。その割合は36.3パーセントにのぼるわけであります。その他の学校として93校あるわけですが、この93校というのは、学校の数で一番多いのは、いわゆる朝鮮学校でございますが、そのほかに韓国学校、あるいは中華学校といったものがございます。またヨーロッパ系の学校などもあるわけでございますが、こういったものが93校あります。その中で幼小中高の段階で、日本国籍を持っている子どもが1,520人在籍して、その割合が11.5パーセントということでございます。ここには内訳が書いてございませんが、実は日本国籍を持っている子どもが一番多い外国人学校は中華学校でありまして、中華学校は、そもそも在籍している児童生徒数が全部合わせまして1,800人余りでありますが、そのうち、日本国籍を持っている者が1,100人余りいるということでございまして、半分以上が日本国籍を持っている。ただし、これは多くの場合、二重国籍ではないかと思われるのですが、その辺のデータはつかめておりません。こういった実態があるということでございます。
 一番下は、教育課程の問題でございますが、当然のことながら、学習指導要領には拘束されずに独自に編成している。こういったことがインターナショナルスクール等の私どもがつかんでいるところの実態でございます。
 資料1-7でございます。これは各学校段階における入学資格等について、場合分けをして示したものでございます。
 一番上にございますのは、現行の制度で、日本国籍を有する者に適用されている現行の制度でございます。小学校は6歳になったら入る。中学校は小学校の課程を修了したら入る、就学させるということでございます。高等学校は、原則は中学校等の修了者、それと同等のものとして、外国で9年の課程を修了した者等々があるというわけであります。大学・短大につきましては、高等学校等を卒業した者、これが原則で、それと同等のものとして認められる者がいろいろと規定されていると、こういうことでございます。
 就学猶予、就学免除を受けている者がどういう取り扱いになるかということですが、この場合、中途から小学校に編入することは可能だと考えられております。相当学年に編入するということであります。しかるに、小学校を修了していない者が中学校に入ることはできないという取り扱いを、これまでしてきております。学校教育法全体としての解釈から、こういう取り扱いをしてきているわけでございます。就学猶予、就学免除を受けた者が高等学校に入ろうとする場合には、中卒程度認定試験に合格する、あるいは高等学校が、中学校卒業と同等と認める者、こういった場合に入学することができる。大学につきましては、高卒程度認定試験の合格者、あるいは大学において同等学力と認められる者、こういった者については大学入学資格が認められると、こんな取り扱いになっております。
 外国人学校等の在籍者についてですが、これも小学校については、相当の学年に編入することができるという取り扱いになっております。中学校に入ろうとする場合には、小学校を修了していなければ入れないというのが、同じようにこれまでの運用上の取り扱いであります。高等学校については、中卒程度認定試験の合格によって入学することができる。その中卒程度認定試験の受験資格でありますが、特段の事情がないのに、日本国籍を有しながら外国人学校に行っているという場合、こういう場合には15歳では受験できないと。16歳以上という取り扱いがされております。大学・短大についても幅広く、入学資格が認められております。
 日本国籍を有する帰国子女につきましては、随時入学ができます。小学校につきましても、中学校につきましても、相当学年に編入できると、こういう取り扱いが今までなされてきております。高等学校、大学・短大につきましても、それぞれ入学資格が認められてきております。
 下のほうにございますのは、外国籍の者についての取り扱いでございます。まず1条学校、我が国の小中学校等に在籍している者についてですが、昭和40年の通達がございまして、これが今も生きているとみなされているわけですが、小学校に入学することができる。中学校にも入学できるという考え方で、我が国の国籍を有する者と同等に扱われているということでございます。外国籍を有する者で、我が国国内で外国人学校等に在籍している者、これが1条校である小学校や中学校に転じようとした場合の取り扱いですが、外国人学校から小学校への編入、これは随時、相当学年に編入することが可能であると考えられております。しかるに、我が国の小学校を修了していない者が、例えば朝鮮初級学校を卒業したと。しかし、我が国の小学校は卒業していないという者については、我が国の中学校には入学できないと、こういう取り扱いが従来されてきております。これは昭和40年の通達に、この点は明示されております。高等学校の入学資格、大学・短期大学の入学資格については、中卒程度認定試験等を受けることによって可能だという道が開かれております。
 外国から日本に入国してきた者について、一番最後ですが、小学校に相当学年に編入するということは随時可能であるということであります。また中学校についても、その時点で相当学年に編入することが可能であるとされております。また高等学校、大学・短大につきましても入学資格が認められてきていると、このような取り扱いになっているわけであります。
 最後に、資料1-8でございます。諸外国の事例について知り得る限りものをまとめた資料でございます。
 最初の2枚は、フリースクール、あるいはホームスクール、家庭内で学校教育と同等の教育を行うというケースですが、そういうものと義務教育の制度との関係がどうなっているかということであります。
 義務教育の定めですが、就学義務の形になっている国と、学校とは限らず、教育義務の形になっているものがある。イギリス、フランスについては、これは教育義務という規定ぶりになっているということでございます。それから4段目、1枚目の一番下ですが、フリースクールというものです。フリースクールというのは、もともと位置づけがないものでございますが、実態上、どういう位置づけになっているかということです。我が国では各種学校であったり、NPOであったり、任意団体であったりということでございます。アメリカですと、プライベートスクール、あるいはインデペンデントスクール、あるいは非営利団体等によって運営されている。イギリスですと、インデペンデントスクールの形で、政府からの支援を受けずに運営されている。フランスですと、国との契約を締結していない「非契約私立学校」という形式になっているということでございます。ドイツの場合ですと、公立学校にかわる「代替学校」、その他の「補完学校」と、こんな形になっているということですが、いわゆる「シュタイナー・シューレ」と言われる学校、これは代替学校という位置づけになっているということでございます。韓国の場合ですと、体験学習を重視した特性化中学校というものがあるということでございます。フリースクールに相当するものは「代案学校」と呼ばれているということでございますが、これを各種学校の一類型として、法律上規定するという法律改正が最近行われたと聞いております。
 次のページにまいりまして、フリースクール、ホームスクーリングと教育義務・就学義務との関係でありますが、我が国の場合には、一切、制度上、こういったものは認められていない。ただし、不登校の場合に、先ほど申し上げたように、指導要録上出席取り扱いという措置が行われているということです。アメリカの場合、ホームスクーリング、これはすべての州で、制度の立て方はいろいろと違いはございますが、就学義務にかわるものとして認められているということでございます。イギリスの場合も、義務教育を家庭で行うことは認められております。その場合には、学校に対して除籍を申請するということでございます。ただし、家庭で適切な教育を受けていないと判断された場合には、地方教育当局が就学命令を出すことができるということでございます。フランスにおいても、義務教育を家庭で行うことが認められているということでございます。大学区視学官という国の職員が年1回以上の学力検査を行って、学力不足と認められた場合には、公立学校への入学を命令することがあるということでございます。ドイツの場合、義務教育を家庭で行うことは認められていないということでございますが、先ほどの代替学校は就学義務として認められていて、また補完学校の場合には、就学義務の免除を受けた上で行くことができると、このような仕組みになっているということであります。韓国の場合、義務教育を学校以外で行うことは認められていないと、我が国の同様の仕組みになっております。ただ、先ほどの代案学校については、原籍校に在籍したまま、一定期間、代案学校等で就学した課程は原籍校で認めてもらえると、このような仕組みをとっているということでございます。
 上級学校への入学資格の問題は省きまして、一番最後のページは、外国人学校の制度的な位置づけでございます。我が国の場合には、各種学校になっているものと、そうでないものとがあるわけでございますが、アメリカですと、プライベートスクール、インデペンデントスクール、あるいは非営利教育文化施設といった形になっています。イギリスの場合にも、政府から支援を受けないインデペンデントスクールという形です。しかし、教育水準局のオフステッドの視察を受け入れているということでございます。フランスの場合、国と契約を締結した「契約私立学校」と、国とのそういった契約を締結していない「非契約私立学校」というものがあるということでございます。日本人学校の場合ですと、非契約私立学校になっていて、英語系のフランスにおける外国人学校は契約私立学校になっていると聞いております。ドイツの場合、先ほどの代替学校と補完学校があると。外国人学校の多くは補完学校に当たるということでございます。韓国の場合には、各種学校という位置づけになっているということでございます。
 次に内国人の入学の可否ということです。我が国の場合、先ほども申し上げましたが、日本国籍を持っていても、二重国籍の場合には、就学義務を免除した上で外国人学校、インターナショナルスクール等に入ることができるという取り扱いになっています。アメリカの場合、特段の制度はないということであって、制限はないということです。イギリスの場合にも、特段の制限はないということでございます。フランスの場合、非契約私立学校への就学、これは教育義務の履行として認められているということでございます。ドイツの場合には、先ほども申し上げましたが、代替学校は就学義務とみなされる。補完学校の場合には、就学義務の免除をすることができる。こういう取り扱いになっているということです。韓国の場合は、5年以上、海外に居住した者については、外国人学校への入学を認めるということでございます。改正法が用意されていると聞いておりますが、それでは3年以上に要件を縮めるということになっているそうでございます。ただし、経済自由区域とされているところでは、海外居住の条件は問われないと、このようなことになっていると聞いております。
 上級学校への入学資格のところは省略させていただきます。以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。資料1-1にお戻りいただきたいと存じます。ご議論いただきたいのは、資料1-1の「初等中等教育分科会審議のまとめ」の抜粋のところの一番初めの○についてです。ここでは義務教育を就学義務ではなく、教育義務としてとらえ直すことも必要ではないかと言っておりますが、まずこの点が一つです。それから、その下に、フリースクールやインターナショナルスクールについての記述があり、インターナショナルスクールなどで就学を可とする方向を一定の条件付きで模索すべきだとしておりますが、これが二つ目。それから、お戻りいただきまして、資料1-1の表紙のところです。フリースクールについて一定条件のもとで、学校外の教育施設での学習を就学義務の履行とみなすことができる仕組み等について検討することが求められるということで、関連資料を、ただいまご説明いただきました。それが3点目です。あまり時間もありませんが、時間を30分ほど用意してありますので、これらの点についてご意見を賜ればと思います。いかがでございましょうか。何かご意見はございませんか。はい、渡久山さん。

【渡久山委員】
 現状からいって、フリースクールは認める方向で行くべきだと思うのですね。というのは、先ほどの説明のように、登校拒否といって、積極的に学校に行かないという子どもたちもいるのでしょうが、そうではなくて、学校へ行けないという子どもですね。そういうふうに学校に行けない、あるいは集団生活に十分なじまないという子どもたちが実際いるということを考えますと、本当は公的に、それをどう保障するかというのが原則だと思うのだけれども、これはなかなか今の状況ではできない。できていないと言ったほうがいいかもしれません。若干そういう努力はされているのですが。そうでありましたら、NPOと我々民間等を含めて、フリースクールを認めていく方向は、僕はいいのではないかなという気がいたします。

【木村分科会長】
 「一定の条件のもとで」という条件がついていますが、この辺をどう考えるべきでしょうか。

【渡久山委員】
 一定の要件というのはありますが、その要件をどうするかということで、今まで非常にタイトだったと思うのですね、考え方が。そうではなくて、やはりある程度、これは、ここでフリースクールというのが、どの程度のフリーなことをフリーとするのかわかりませんが、ある程度フリーな形がいいのではないかと思うのですね。というのは、よく無認可保育所が極めて劣悪な保育条件のもとでやられているという実態がありますから、そういうことであっては、逆に子どもたちの成長や発達、あるいは教育への影響は必ずしも望ましいものではないということもございますので、そういうことを勘案しながらということで、ここには書いていると思いますが、ある程度弾力的に見ていくということではいいと思いますが。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。ほかに。どうぞ、大橋先生。

【大橋委員】
 現在でも、フリースクールに通っている子どもの出欠状況でありますとか、あるいは状態を見ながら、出席扱いになっているわけなのですが、このフリースクールに通う生徒の在籍の問題がのぼってくると思います。今現状のように学校に在籍をしていて、フリースクールに通っている者を出席扱いと、もっと大幅に拡大をしながらするのか、それとも籍はフリースクールにあるのかによって随分とらえ方が違ってくると思います。ですから、これが一定の要件のもとというただし書きになっている部分をどう考えるかということではないかと思います。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。どうぞ、角田先生。

【角田委員】
 非常に現場としては悩ましい問題であります。現実に不登校児が非常にたくさんいると。特に中学校では。これは中学校に責任があるわけではなくて、小学校からずっと積み残し的なといいましょうか、そういう中で増えてきていると考えたほうがいいのだろうと思うのですが。そういう中で、フリースクールというものが、あまりにも多様化し過ぎているような感じがするのですね。もう少しフリースクールというものの中身を考えていく必要があると思うのですが。
 結局、フリースクールの中でも、原籍校に復帰することを肯定するといいましょうか、学校教育を肯定するような形のフリースクールと、いや、公教育の学校教育はもう行く必要はないのだと、こういう形のものが大きく分けるとあるような感じがするのですね。その辺で、あまり厳しくし過ぎてしまうと、現実にいる多くの不登校児を救済することができないという悩ましさがありながら、しかし、公教育を否定するようなものを、そのまま即認可していいのかどうかということになると、かなり難しい問題があるなと思うのです。非常に悩ましい問題で、私自身も、この「一定の要件のもとで」という、その一定の要件が、これだということが言えない。しかも、子どもの症状が非常に多様化して、非常に難しいということがあるものですから、それぞれのケースバイケースで認めざるを得ないのかなと思っているのですが、こういう文言の中で、一定の要件とは、これこれこういうものである、あるいはフリースクールは、こういうものは認めるが、こういうものは認めないと、こういうふうに機械的にやることの難しさがあるなということを現場としては感じているところです。以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。ほかにございませんか。田村さん、どうぞ。

【田村委員】
 ありがとうございます。この問題は大変悩ましい問題なのですが、基本的に欧米の社会では、教育は親に責任があると、こういうことが常識になっているのですね。特にキリスト教社会は、それが非常にはっきりしているわけです。ところが、教育は親がやるもので、その上に必要であれば公教育が参加していくと、こういうような意識で行われる国と、全部、公教育任せという国では、これは対応は非常に変わってこざるを得ないのだろうと思うのですね。我が国で考えた場合はどうなのだろうかというと、どちらかというと、家庭に責任があるということについての認識が弱い。学校に責任があるという認識のほうが社会的には認められているというか、そういう意識があるという状況の中で、フリースクールを安易に認めるわけにはいかない。だから、一定条件という話になるのだと思うのですね。
 そこで考えてみたいのは、例えばインターナショナルスクールの場合、いろいろな種類のインターナショナルスクールがありますが、バカロレアのカリキュラムに従って、きちんとした教育をしているインターナショナルスクールもあるわけですね。これは世界に共通するわけです。つまり、世界に通用する内容なのですね。我が国では通用しないけれども、世界では通用する。そうすると、そういう学校に行っている就学年齢の子どもたちを我が国としては教育を受けているものと認めないということになるのは、ちょっと今のような国際社会ではおかしなことになりますね。内容ということは、結局、教育のアウトカムをどう見るかということで、その部分をどういうふうに考えるかということで態度が決まっていくということになるのかなと思います。
 ですから、フリースクールの問題を議論する、あるいはインターナショナルスクールの問題を議論するというのは、一定のルールに従って議論するというのは、なかなか難しいような気がします。その子の置かれている状況を親はどう考えているのかということも考えないといけないし、学校で行っている教育の内容についてもちゃんとチェックする必要があるだろうし、それを評価した上で対応を考える必要があるのかなと思っております。
 ですから、これは物すごく悩ましい問題なのですけれども、私個人的にはある程度自由に任せたほうがいいのではないかと。例えばルールを決めて、アウトカムを評価したら、もう年齢制限を外すとかですね。ですから、16~17歳で、高等学校卒業認定試験を通ったら、大学はいつ受けてもいいよと、こういうことで、それを受け入れるかどうかは、あとは大学の問題ですから、制度としては、そういう部分をどんどん外しちゃったほうがいいのかなと思っております。ただ、内容をチェックするというところだけは、国の姿勢として、これはフリースクールもインターナショナルスクールも全部同じだと思いますが、その姿勢は常に持っていていただかないと、ぐちゃぐちゃになってしまうのではないかと、そんな感じです。非常に難しい問題なのですが、そんな感想でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。はい、永井さん。

【永井委員】
 資料1-1の2ページにある2つ目の○の発言は、実は私の発言だったこともありまして、少し前向きに考えるという方向で意見を述べてみたいと思います。
 戦前の我が国においては、家庭その他における義務教育、ちょっと表現は正確ではありませんが、市町村長の認可を受けることを条件に、修了とみなすという規定があったわけです。その結果、例えばトットちゃんの学校のトモエ学園であるとか、あるいは池袋児童の村であるとかというところが大変な活躍をした時期があるし、同時に朝倉文夫さんが娘の教育を家庭において施して、そのことが義務教育修了というような時代も実はあったわけであります。田村先生のお話と全く同じになってしまいますが、もともとはヨーロッパにおける教育の私事性といいましょうか、プライベータイゼーションの発想から来たのでしょうが、もし仮にフリースクールもしくはインターナショナルスクールが義務教育の修了とみなすことができることになれば、その対象者はほんの1~2パーセントのはずでありまして、かつ同時に、心理的なある種の抑圧感からの解放という意味においては大変に大きなものがあるのではないか。
 と同時に、当然のことながら、それには一定の条件がつかなければならないことは私も従前から申し上げているのですが、これもまた実は大変に難しい話だと思います。ただ、今日の資料1-4で、不登校の調査研究協力者会議の報告をつくった会議の中に私自身がかつて入っておりまして、大変な激論を重ねてでき上がったペーパーだという記憶がまだ鮮やかに残っております。その中で、一番最後の29ページから2枚ばかりある民間施設についてのガイドラインを、これまた相当の激論を交わしてでき上がったという経緯があるのですが、こういうものを参考にもしながら、一定の条件を少し考えてみる余地があるのではなかろうかという気がしますので、条件のつけ方次第ですが、できれば、この問題は実現の方向で細部を詰めたほうがよろしいのではないか。

【梶田副分科会長】
 今おっしゃったことは私も基本的に賛成なのですが、一定の条件をどうつけるかというところだと思うのですよ。がんじがらめでやるというのは、これからは得策ではないだろうと。だけれども、今でも実は正当な事由があれば、出席しなくても就学義務の違反ではないということで、正当な事由の中には、これこれのかわりの学習活動をどこかでやっているとか、そういうものもあるだろうと思います。
 日本でフリースクールと言われているものが、先ほどから出ておりますが、極めて多様で、時には学校教育そのものに対する反対の実践で、こんなものは必要ないのだというのがあって、これはちょっと困るなと私なんかは思います。今日いただいた資料にもありましたが、ドイツがフリースクールとして2つ挙げていましたが、代替学校と補完学校と。私は、これは日本でも考えていったらいいのではないかと。インターナショナルスクールなんかは、まさに代替学校ですね。これは若干カリキュラムは違うけれども、きちんとしたカリキュラムでやっております。ですから、これはいいだろうと。まあ、これはいいだろうというのはおかしいのですが、もう少し私はインターナショナルスクールなんかの位置づけを柔軟にしていってもですね。大学入試なんかの資格要件は、今もインターナショナル・バカロレアでなくてもよくなりましたから、広くなったのですが、そのほかの点ももう少しあれしてもいいだろうと。つまり代替学校として認可されるような幅は、もう少し広げることはできないだろうかと。
 しかし、補完学校は、登校できない子どものために、NPOなんかが学校をつくっていまして、これはとても大事だと私は思います。大事だけれども、これの中身は本当にさまざまなのですね。私も、そういう集まりに招かれて、実情を聞かせてもらったことがあるけれども、単にある意味では、よくて保護しているだけ、悪く言えば、ある意味でエクスキューズに使っているだけみたいなものもありますし、本当に1人に1人のカウンセラーや指導者をつけてやっているところもある。だから、補完学校的なものの中に、少し条件づけを、こうこうあればという、つまり正当な事由があるから、学校に通わせることを免除するというようなことが何か必要かなという気がいたします。ですから、基本的には代替学校と補完学校という、ドイツの2つの分け方というのは少し一定の条件を考えるときに役に立つかなという気がいたします。
 まだインターナショナルスクールには、今日、数字を見ましたが、かなり行っているように見えますが、実際には少ないですよね。私は、もしあれだったら、行っていいかなと。ついでに申し上げますと、15年か20年前に、私が今住んでいる千里で国際学園をつくりまして、これは阪急と当時の三和銀行と大阪府と私が住んでいる箕面市と4者が集まってつくったわけです。結局、1つのコンセプトは、日本人の子どもと外国人の子どもが一緒に活動することによってというのがコンセプトだったのですが、やっていく中で非常に難しくて、結局、中に2つの学校をつくったのですね。一条校と、つまり日本の学校教育として認められるカリキュラムでやるものと、それからまさにフリーなインターナショナルスクールの部分と2つ学校をつくって、2人の校長を置いてやりました。ただし、できるだけ合同での活動を多くするということで、最初のコンセプトを守ったわけですが、これなんかでも、私は設立にかかわり、あとのこともごくご近所に今の校長もいるものですから、よく聞いていますが、もう少しインターナショナルスクールの部分に、日本人の子どもが柔軟に入って、やれるようなことがあっていいかなと思います。代替学校として考えられる部分についても、少し何か条件を緩めるやり方ですね。これも一定の条件をつけないと、野放図になってはいけませんので、何か条件をつけないといけませんが、これの工夫もあるかなとも思います。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。井上委員、どうぞ。

【井上委員】
 従来から、不登校の者に対する施策は、かなり講じられてきているわけで、教育支援センターをはじめ、いろいろな取り組みが行われてきているわけです。民間団体・民間施設が行っているものをフリースクールと言っているわけでして、そこに通っている子どもたちは非常に数的には少ないということが言えると思います。そして従来は、平成5年頃からの取り扱いでも、やはり学校に復帰することを前提に、学校に在籍している子どもたちについて、校長がそれを出席扱いにするという取り扱いで、今まで来ていると思うのでございますが、そういう意味から言うと、先ほどからフリースクールは種々さまざまで、学校教育を否定するようなフリースクールもあるので、それは教育的に問題だと思う。就学義務が義務教育では課せられているということを考えますと、学校に復帰することを前提としたような補習とか、補完教育、そういうものが一番期待されるのではないかというように思うわけでございます。したがって、そういうものについては、学校教育で先ほどから説明にございます正当な事由に当たるということを、通知等で明確にしていくことが必要ではないかと思います。
 それと特に最近は、子どもに対する虐待その他、いろいろな甚だ信じがたいような事例がマスコミで報道されるわけで、虐待等によって学校に行かせないというのは、明らかに就学義務違反ということになりますから、それについては明確に教育委員会、校長等で対応してもらう必要があります。そこの区分けは学校教育法の建前からいうと、明確にする必要があるのではないか。従来はどちらかというと、必ずしも学校や教育委員会の扱いは毅然たるところがなかったのではないかと思うので、その辺を通知で明確にしたらどうかと思います。
 それから、要は正当な事由をどういうふうに学校教育法の上で解釈するかということを明確にしていくことが、この登校拒否、不登校の子どもたちに対する対応を的確に行う上でも必要ではないかと思っております。
 それから、一定の要件というのは、やはりある程度、学校に類するような教育を行うという以上は、校舎とか、運動場とか、あるいは指導者、教員とか、それから一定の授業時数を定めているとか、そういう要素はやはり考えざるを得ないのではないかと思います。学校教育法の施行規則で小学校と中学校の総授業時数等が規定されているわけで、そういう意味では、小学校1年が782時間から、6年生では945時間、中学校では980時間と、総授業時数が決まっていて、学校教育に類する教育というのは、一番緩いのでは各種学校が1年間で680時間という規定があるわけですね。そういうようなこともいろいろ考慮する必要があるのではないか。一定の要件というのは、従来、必ずしも明確ではないので、その辺を少し具体的に検討してはどうかというようにも思っております。
 それから、インターナショナルスクールとか、各種学校の外国人学校等については、既にある程度、それは認める方向で従来も扱ってきていると思うのでありますが、特に今、話題になっているインターナショナルスクールについては、先ほど田村委員から国際的に通用するというお話がありましたが、要するに国際的に評価機関があって、評価されているようなものについては国際的にも通用すると思うのですが、その辺が明確ではないものについては、やはり内容等について、例えば中学校卒業と認定するような場合には、どうしても中学校卒業資格認定試験を受けてもらう必要があるのではないか。その辺の扱いというものについても、要件というものを考え、明確にすることによって、取り扱いを通知等ではっきりしたらどうかと思っております。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。今井委員、どうぞ。

【今井委員】
 先ほど永井先生がおっしゃった学校の仕組みと、それから例えば不登校傾向のある子どもたちへの適応教室とか、フリースクールとかの対応に関しては、話を分けたほうがいいというか、同じテーマなのでしょうが、中身が全く違うような印象を受けています。というのは、例えば意欲を持った保護者や生徒が、さらによりよい教育を受けるために、仮にインターナショナルスクールに入学するという立場と、さまざまな理由で不登校になったり、意欲が不足している児童生徒が社会的自立のためにフリースクールに入る場合の立場では違うのではないかなと思っています。
 我々現場で、毎日、不登校の生徒とかかわっていますと、やはり校内適応教室とか、行政の適応教室があるのですが、学校の通常の学級への復帰を目指そうよというスタンスで、スクールカウンセラーを含めて、日々努力をしているのですが、やはり適応教室に適応してしまう。適切な登校刺激がないと、そこの適応指導教室に卒業式の直前まで通って、卒業式の1日だけ、通常の中学校で卒業していくというようなですね。これもまれではないのですね。ですから、一口にフリースクールなどの学校外の施設への就学義務をどうだということは、もう少し分けて議論すべきではないかなと現場の立場からすると思いました。
 それからあと、一定の要件ということに関しましては、これはちょっと例が不適切になるかもしれませんが、責任という言葉はとても重要ではないかと思うのですね。例えばある宗教団体の教祖だった人物の次男が、埼玉県の私学校を受験して、それを取り消しされたというようなことがありまして、これは、他の私学へ行くのかとか、または地元の公立学校に行くのかとか、裏を返せば、そういう話になってくるのではないかと思うのですね。だから、これは学校外への施設ではないのですが、請け負ったからには、義務段階においては、卒業を目指して教育をしていただくというような要件も必要になってくるのではないかなと考えました。以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。ほかにございませんか。どうぞ。

【渡久山委員】
 今、2人の意見は、学校に戻すということで考えているというのは、これは原則というか、あるいはそういう希望というのはあってもいいと思うのですが、実際にフリースクールに来ている子どもたちを見ると、この子どもたちのために何ができるかということをまず第一に考えなければいけないだろうと思うのですね。だから、就学義務というのは、日本の場合は、無理やりに学校に入れようということが、国家目的みたいな感じで、子どもたちの実生活とか、あるいは生きる権利だとか、そういう立場から教育を保障しようという観点が非常に少ないような気がしますね。ですから、無理やりに学校に入れることを前提にしている。実際にフリースクールに来ている子どもたちを見ていると、この子どもたちが本当に明日、もっと元気になるようにと、そんな感じの子どもたちもいるわけですね。
 それで、ここにある一定の要件というのは、僕はある公立のフリースクールを見たのですが、それは非常に金がかかっているのですね。校舎や部屋も全部、木造にしていて、教員の配置もたっぷりで、一小学校ぐらいの金をかけるというぐらいの気持ちでやっているのですね。ですから、そうであれば、それはそこの学校を原籍校にするというぐらいの気持ちで対応していいと思うのですね。しかし、今、今井先生が言われたように、だんだん慣れてくると、今度は逆に、もう元気がなくなって、この学校にしかおられないと。この学校で卒業して、また卒業した後も、その学校にしか通って来ないと。そういうことも起こっているようですから、それは今後の課題として、もう少しフリースクールでの子どもたちの実態に合わせた施設を考えて、要件はあくまでも、そういう施設の要件を見ていったほうがいいのではないかという気がいたします。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。平山委員。

【平山委員】
 実は昨年10月に、川崎市内のフリースクールを見学させていただいたわけなのですが、そこはむしろ公設民営的な要素が多分にありまして、校長OBが責任者になっているところと。雨が降っていたために、集まって来る子どもたちは、いつもよりも少ないということでありましたが、思い思いに机を囲んで、指導者4人ぐらいが一生懸命、テキストをながめながら指導していた姿を思い出しました。
 神奈川県というところは、全国で不登校児が減る中で唯一ですか、増えるということがありまして、教育委員会としてはかなり真剣に対応策を練らなくてはいけないということで、過日、例えば不登校の子どもたちのために設置されたNPOとか、あるいは子どもの支援のために設置されて認められているNPOの代表的な組織5つ6つに集まってもらって、教育委員会として正式に話し合いを行って、子どもたちのためにともかく両者が協力していこうではないかと。18年度には、正規の教育委員会の職員を、教員をNPOのフリースクールに派遣するというところまで来ているぐらいであります。若干フライングの気がなきにしもあらずと思っているのですが、子どもたちの様子を見ておりますと、やはりフリースクールなど、学校外の教育施設での学習、これは就学義務の履行と認めていくのが、むしろ時代の要請であろうと思っております。
 ただ、一定の要件のもとというのは、これは非常に難しいのでありまして、その内容については、何人かの先生方のご発言がありましたことを十分踏まえて、慎重に検討しなければならないのではないかと思っております。

【木村分科会長】
 ほぼ予定の時間となりましたが、最後に野村先生、お願いします。

【野村委員】
 時間がないようですから。一番問題に感じるのは、ある宗教団体が、特に新興宗教といった方がいいかもしれませんが、自分の子どもや子弟を集めて教育と称して宗教的ドグマ教育をしていくような問題についてです。先ほど井上委員さんが言われた「しつけ」と称して、児童虐待をしながら、学校に通わせないのと同じようなことが、閉鎖的な宗教集団の場合は起こる危険性があります。それで学校に復帰とか、学校らしきものをという方向には慎重であるべきです。永井委員がかつて今の子どもたちが起こしている問題は、現在の学校教育に対する異議申し立てであると受けとめて、義務教育を考えるべきであるということを、ある委員会でおっしゃったことがあります。また、「今の子どもの足に合わない靴を履かせているがゆえに起こしている問題だ」ということを言われた委員の方もいました。
 不登校になった子どもたちは、今の学校に対する問題を感じて問題を起こしているとしたら、学校教育と同じような形のものを認めるとしたら、それはある特定の子どもたちだけは通学できるかもしれませんが、異議申し立てをやっている子どもたちの多くは、それになじまないのではないだろうか。そういうことになりますと、一定の要件という場合に、どのような要件でどこまで枠をはめることができるのだろうかという問題があります。今、私は教員免許の制度改革のほうで主査をやったりしているものですから、申し上げているのですができれば、そのスタッフの何人かは教員免許を持った者が入るようなことも考えてはどうかと思うのです。その人がもっと今の子どもたちが反旗を翻しているような教育をやられたのでは困るわけですが、そういうのも1つの要件かなと思います。できるだけ自由にしながら、幾つかのポイントを基準にして、ある程度のチェックはしていかなければならないのかなということを、閉鎖的な宗教団体の教育組織のこととも絡んで思います。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。では、永井さん、最後に。

【永井委員】
 では手短にします。要件については、不登校問題を中心とするフリースクールと、インターナショナルスクールについては、それは分けて考えるべきであるというのは、そのとおりだと思います。
 それから、話はちょっと飛びますが、通信制高校であるとか、単位制高校なんかの現場をながめてみますと、かつての暗いイメージから一転変わりまして、大変明るいイメージで、しかも、そこには不登校気味の子どもたちが実に伸びやかに学校生活を過ごして、学び心を発揮しているという現実があります。その中にはフリースクール出身で、中学卒業程度認定試験を受けた者も含まれているはずであります。こういう通信制高校や単位制高校で伸びやかに学んでいる子どもたちというような存在を考えると、これは渡久山先生がおっしゃいましたような、いわゆる就学義務、義務といったようなことからのアプローチではなくて、自然権として生まれ持った教育を受ける権利を保障するという学習権の保障というアプローチのほうから考えるべきだろうと思います。その意味では、もちろん要件というのは大変難しいのですが、私は最低限の条件をつけて、比較的緩やかなものにするほうがいいのではなかろうかと。ただ、それはそれでおそらくは大きな議論を呼んで、また十数年前と同じような抜き差しならない議論になりそうな気もするのですが、そこのところの調整を図りながら、まじめに考えていくことが必要なのではなかろうかと考えております。以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。いろいろご意見を賜りましてありがとうございました。この議論は今後とも続けるということにして、まだご意見がおありになる委員もいらっしゃろうかと思いますが、これについての議論はここで打切らせていただきます。
 それでは、2番目の議題、学校評価ガイドライン、学校選択制及び学校教育法施行規則の一部改正について前川初等中等教育企画課長から、再度ご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【前川初等中等教育企画課長】
 資料2、3、4でご説明申し上げます。17年度中に文部科学省として措置を講ずることが必要とされていたものについて、その措置を講ずるということのご報告でございます。
 1点目は、学校評価ガイドラインの策定であります。現状というところに示してございますように、学校評価につきましては、平成14年度からの小学校設置基準、中学校設置基準等において、各学校が自己評価をする。また、その結果を公表するということが努力義務とされております。平成16年度の実績として、自己評価は公立学校では96.5パーセントで実施している。ただし、その公表については42.8パーセントにとどまっていると、このような状況がございます。また外部評価についても、まだまだ進んでいないという状況がございます。
 このような状況の中で、昨年6月のいわゆる骨太の方針において、義務教育について、学校の外部評価の実施と結果の公表のためのガイドラインを平成17年度中に策定するとされているところでございます。また中教審の昨年10月の答申におきましても、大綱的な学校評価のガイドラインの策定、自己評価の実施とその公表の義務化、第三者評価機関による全国的な外部評価の仕組みも含めた評価の充実方策の検討、このような必要性が指摘されております。これらを踏まえまして、この3月中にという限定もついておりますことから、このたび学校評価ガイドラインというものを文部科学省として策定するとしたところでございます。
 中身につきましては、2枚目以降に概要がございます。学校評価の目的として、第1に、各学校が、それぞれ具体的な目標を設定して、その取り組みの適切さを検証するということで、教育活動その他の学校運営について、組織的、継続的な改善を行っていくということであります。各学校ごとの学校運営の改善ということが第1点の目的です。第2点は、各学校が、自己評価、外部評価の実施、またその説明、公表といった過程を通じて、保護者、地域住民に対して理解と参画を求め、信頼される開かれた学校づくりを進めるということであります。開かれた学校づくりのためのツールと考えられるということであります。3点目は、それぞれの学校の設置者等が、学校評価の結果に応じて必要な条件整備や必要な措置を講ずる。そのことによって一定水準の教育の質を保証し、その向上を図る。こういった目的が考えられているということでありまして、この学校評価については、これらの3つの目的を踏まえて進めていく必要があるだろうということであります。
 次に学校評価の方法としては、各学校が、つまり各学校の校長以下の教職員が自ら行う評価、またそれに基づく学校運営の改善といった局面がある。これが自己評価であります。また自己評価を踏まえて、外部評価者が評価委員会等を設けて行う評価、これが外部評価である。またそれに基づく学校運営の改善が必要になってくるということであります。これらを踏まえて3点目として、評価結果の説明や公表、または設置者等による支援や条件整備等の改善という局面があると考えられます。
 まず自己評価については、このガイドラインでは、中期と単年度と2種類の目標を具体的に設定することがいいのではないかと示しております。また各学校は、学校運営におけるさまざまな事例を収集し、またあらかじめ設定した指標を用いて、その目的がどのように達成されているかと。その達成に向けた取り組みの状況といったものを把握して、整理して、自らの取り組みの適切さというものを検証し、その改善方策を検討するということが望ましいと考えております。またその際、児童生徒、保護者、地域住民からの具体的な意見や要望、また授業評価を含む児童生徒、保護者、あるいは地域住民に対するアンケートの結果といったものを活用することが望ましいということであります。
 次に外部評価については、外部評価委員会を設置して、外部評価するということがいいのではないかと。その際の委員としては、学校評議委員、PTA役員、保護者、地域住民といったものが考えられるだろうということであります。その外部評価委員会は、この外部評価にあたって、学校の自己評価、すなわち教職員自身による評価というものが適切に行われたかどうか、また学校運営の改善に向けた取り組みが適切かどうかといったところを検証していくという考え方であります。
 この自己評価、外部評価を踏まえまして、3つ目の段階として、評価結果の説明、公表及び設置者への提出という局面があると考えられます。自己評価、外部評価については、その評価書というものを作成し、ホームページなどで一般に公表する。これは設置者にも提出し、また説明責任を果たすための積極的な情報提供を各学校が行っていくと、こういったプロセスが必要であろうと。それを踏まえて、設置者等による支援、あるいは条件整備といったものが必要になってくるだろうということであります。
 3ページ目、4ページ目には、評価の項目あるいは指標として考えられるものを列挙してございます。あくまでも、これを参考にして各学校でつくっていただきたいと、そういう趣旨であります。
 これが学校評価であります。1枚目の一番下のところを見ていただきますと、来年度は、このガイドラインに基づいて、全国各都道府県、政令指定都市において、学校評価の実践的な研究をやっていただこうと考えております。それを踏まえまして、さらにガイドラインの改善を図ってまいりたい。また学校評価についての全国的な仕組み、設置基準の見直し、あるいは何らかのさらに強い法制化といったことも踏まえて考えてまいりたいと考えております。
 また、ガイドラインに基づく現場での学校評価とは別に、全国的なレベルで、学校の第三者評価というものを試行していこうということで、全国122校を前提に、この第三者評価、すなわち文部科学省が委嘱する専門家によってチームをつくっていただき、そのチームで各学校を訪問して評価すると、こういったやり方を試行的にやってみようということでございます。こういったものを踏まえながら、さらなる制度的な見直しを考えてまいりたいと、こういったことを考えているところでございます。
 次に資料3でございます。これは学校選択制等の普及についてでございます。一番下のところに、枠囲いのところに黒い文字で書いてございますが、昨年12月の規制改革・民間開放推進会議の第2次答申であります。この中で具体的施策というところの記述、これは文部科学大臣と行政改革担当大臣との間の大臣折衝なども踏まえて、文部科学省と規制改革会議との間ですり合わせた上で、ぎりぎり合意できる内容をまとめたものでございます。この合意された内容に基づきまして、今年度中に実施すべきものを措置するという趣旨のものでございます。
 この趣旨といたしましては、市町村教育委員会による就学校の指定について、学校選択制の導入の是非について積極的に検討するように求めるということ。現在、小学校、中学校では、おおむね1割程度の市町村で学校選択制度を導入しております。また就学校の指定については、もともと保護者によって、就学校の指定の変更を求めることができると、こういう現行の制度がございますが、これをさらに適切に運営をすると、こういう趣旨です。
 具体的な方策といたしましては、好事例を集めた事例集を作成して配付する。その際に学校選択制の導入の是非について積極的な検討を促す。また省令(学校教育法施行規則)を改正いたしまして、保護者の申し立てという制度について保護者に周知するために、就学校指定の通知に明記するように求めると、こういった内容でございます。あわせまして、通知によりまして、就学校の変更が相当と認められるものについて具体的に定めて、あらかじめ公表するにように各教育委員会に求めるというものであります。
 ここまでは規制改革会議と文部科学省との間で合意した内容でございます。規制改革会議は、まだこれからも学校選択制については検討を進めていくということでございまして、基本的な方向性としては、すべての市町村で学校選択制を実施するように、一律実施を義務づけていくというような方向性を考えられているようであります。さらにその先には、バウチャー制度といったものを導入していくという考え方もあるようでございますが、この辺につきましては、文部科学省との間では相当、今後とも意見の食い違いが生じるだろうと思っております。
 これらが学校選択制についてでございます。
 資料4は、学校教育法施行規則の一部改正で、大きく3つの点について、この3月に行い、4月から施行するというものでございます。
 1点目は、教頭の資格要件の緩和でございます。これは昨年10月の中教審答申にもご提言がございましたが、いわゆる民間人校長と同様に、教頭につきましても、民間人、すなわち教員免許状を持たない、また教育に関する職についた経験がないといった者でも、教頭に任用できるようにするという資格の緩和でございます。
 2枚目でございます。就学指定の変更にかかわる保護者の申し立て、これは先ほどご説明申し上げた趣旨のものであります。
 3点目、これは高等学校における技能審査における成果に係る学習の単位認定。これは例えばこれまで英検については2級合格、不合格というものがありまして、合格した場合は一定の単位を認めるということができるようになっておりましたが、合格、不合格ということが明らかになるようなものについてのみ、この単位認定を認めておったわけであります。そういたしますと、TOEFL(トーフル)、TOEIC(トーイック)のようなものについては、単位認定ができないというのが今までの仕組みでございました。こういったものにつきまして、この規定を改正いたしまして、合格、不合格の区別のない技能審査の成果についても、単位認定ができるようにするという趣旨のものでございます。
 以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。ご報告でありますが、何か……。はい、どうぞ。

【梶田副分科会長】
 すみません。学校評価のガイドライン、これは非常に苦労しておつくりになったと思いますが、だから、これはこれでお出しになったらいいのですが、どうか、これでもって指導していただくときに私はお願いをしたいのですが、評価の項目、指標の例として、ばぁーと、これだけ挙がっていますね。ちょうど大学の中期目標、中期計画、あれと同じようなものです。150、200とずっとつくって、すごい大学で皆さん苦労はしている。あれはつくるだけでみんな、疲れ果てて、あと、あれは改善するためにあるのですね、本当は。評価委員会をつくって、事務局も担当になったら、本当に徹夜徹夜のような形で、きれいな資料をつくって、ほっとして、後で全部忘れてしまう。なぜそうなるかといったら、簡単なのですね。使命が何だったのかということがはっきりしていないから。これを羅列してしまうと。小中で、例えば設置基準もありますから、これはやらなければいけないのです。ただ、やる場合に、学校は何をやらなければいけないのか。このようにいっぱい並べるのではなくて、まず一番大事なのは、子どもに学力がついているか、人間として育っているのかなのですよ。これがまず出ないような学校評価では、私はだめだと思うのです。それはないわけではないですよ。指標例で1のところの3番目のところで、学力調査、運動や体力の関する調査の結果とか。これではだめなのですよ。これは第1ですよ。その次がカリキュラムやら、授業のあり方ですね。あるいは教師のあり方です。そういうふうな層があって、それから例えば研修をやっているかとか、保護者、地域住民と連携も大事だけれども、これは何番目もの外側の話でしょう。つまり一番、学校にとって使命は何かというところが、ぴしっと中核に出てくるような学校評価でないとだめなわけですね。と私は思います。これはいろいろな考え方があると思いますが。それが出ないで、このように羅列されていると、結局、書類づくりで、新しく苦労してつくりました、できました、どこかに提出しました、終わりましたと。これだけなのです。ですから、私はそうならないように、これに要素は全部出ていると思います。ぜひ、これを各学校で工夫して、その学校が使命だと思うところをクローズアップして、最初に書いて、あと付随的なもので、徐々に本質的なものから付随的なものに行くわけですから、その学校で構造化して、全体像を学校の工夫でつくってくださいというようなご指導をぜひかけていただきますと、ありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。では、加藤委員、それから郷先生。

【加藤委員】
 学校選択制の問題なのですが、今、前川さんからも、規制改革会議と衝突しそうだというご説明がありましたが、私も、これについて頭から反対ということではないのですが、政策相互のハーモナイズといいますか、一方で今、私たちは地域、家庭の教育力向上という検討をして、その方向について、おそらく反対の方もだれ一人いらっしゃらないだろうと思うのですが、その中で議論をしていますと、やはり再生なのか、創造なのか、いずれにしたって、地域コミュニティーの力を向上させていかなければいけないと。今の時代でいえば、コミュニティーの最小単位は小学校区というところも、皆さん、かなり了解されている、合意されている部分ではないかなと判断しているのですよね。そうすると、当然、どこへ行ってもいいということでは成り立たなくなってくる部分がございますので、そういう検討を始めている内容について、それが外れていくような選択制にならないように、そこはぜひ注意をしていかなければいけないと強く思っていますので、一つ意見として申し上げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【木村分科会長】
 では、郷先生。

【郷委員】
 私は大学におりまして、評価というのが、いかに普段の教育や研究の時間に割くべきところに大きな負担をかけているかと申し上げたい。本来、教育や研究にかけなければいけない時間を評価のために、一体、何が本質なのかということが見失われるぐらい大変なことになっておりますので、小中学校の先生方が、教育していただく時間を犠牲にして、こういう評価のために走っていただいたら、これは今、問題があるからこういうことをやって、良くしようという本来の目的が逆になってしまうのではないかと強く心配しております。
 そもそも評価というのは、今、いいところや悪いところがいろいろあるけれども、いいところを見ていただいて、そういうところを伸ばせばよい、あまりうまくいっていないところには、こういうふうにやればいいですよということを示して、よりよい教育をしていくということだと思うのです。
 身近な例を申し上げて恐縮ですが、昨日、大変ショッキングなことがありました。私がおります大学は、文部科学省の大学教育改革の支援の一つである教員養成GPに選ばれて今年度から教員の方々に教育力をつけていただくお手伝いをするプログラムを始めました。まだ半年ぐらいでございますが、昨日、その外部評価をいたしました。このような競争的資金をいただくと、うまくいったかどうかを評価しなさいということを要求されますので、評価いたしました次第です。どういうプログラムかといいますと、大学の先生方、高等学校、中学校の先生方で主に理科の先生なのですが、それと本学の大学院生も一緒に受けられるようなプログラムでございます。特に科学コミュニケーション能力の養成ということでちょっと特殊なテーマでございますが、その中で外部評価に来ていただいたお二人の教育委員会関係の方々がおっしゃるには、本学が千葉県館山市に持っています臨海実験所、今は湾岸生物教育研究センターと言っておりますが、海のいろいろな生物を観察する学生の実験・実習のための施設ですが、そこに高等学校の先生方や中学校の先生方をお招きして、何泊かしていただいて、実際に海辺の生き物を観察していただくようなプログラムを過去何年か続けております。今回もそのプログラムに校長先生や教頭先生が参加してくださって、非常に感激をされた。生き物の姿を実際に見るというケースがほとんどないので、とてもよかったということを学校に帰られて、理科の先生だけではなくて、国語の先生とかにも呼びかけられたら、今度は、そういう先生方がいらして、それで実際に生き物をいじったり、観察したりすることを体験されて帰られて、今度は教室で、こういう生き物のこういう姿を見てきたと。とても感動したということをおっしゃってくださっている。
 このようなことを大学がやれるのだということは、あまり今まで気がつかなかったのです。今の学校教育は、おそらく先生方が生の生き物をいじって、観察するということをご自身であまり経験されていない。したがって、そういうものを見て、生き物はすごいという感動もあまり味わっていらっしゃらない方が多分、教えていらっしゃる。そうすると、理科を教えても、何がおもしろいかとか、どういうことがすばらしく、感動をもって伝えられるかというと、多分、そこらあたりが伝えられていないのではないか。私は、校長先生、管理職の方がおっしゃらないと、先生方がなかなかそういうところに参加されないということをお聞きして初めて、学校現場はそういうものかということがわかり大変驚いた次第ですが、そこで、大学の役割というのは、せっかくそういう臨海実験所のようなものを持っておりますので、学生の教育だけではなくて、ぜひ先生方にそういうところを見ていただく。それも理科の先生だけではなくて、専門と関係なしに見ていただくことが多分、現場の教育に大事だと思いました。今、評価が出てまいりましたので、評価をする前に、先生方がどういうことを勉強して、そういものが教えるときにどれぐらい生かされたかという評価があるがの順序ではないかと思います。

【木村分科会長】
 では、永井さん。手短にお願いします。

【永井委員】
 私が申し上げたいことは、今、先生がおっしゃいましたので、ほんの一言だけにします。
 私の学内における評価活動であるとか、あるいは幾つかの大学の外部評価委員の経験であるとか、あるいは大学評価・学位授与機構における評価活動の経験などからの話なのですが、私どもの国ではどうも、ともすれば評価活動は問題点の摘出ばかりに血道をあげて、というような減点主義が大変多いのですね。可能な限りポジティブ評価をして、いいところは伸ばすというところがまず出てこないと、改善に結びつかないという気がしますものですから、ポジティブ評価を積極的に行うということを運用面でお願いをしたいと思います。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。時間がなくなりましたので、ここで切らさせていただきたいと思います。あと2件報告がありますが、もし時間が余ったら、ご意見を頂くことにします。
 今、永井さんがおっしゃったことについて反論ではないのですが、少しコメントしたいと思います。先週私どもで実施した認証評価結果の第1回の発表を致しました。事前に記者レクの案内をしたのですが、どこか成績の悪い大学がありますかということを聞かれました。「認証評価でだめになったところはありますか」と聞かれましたので、「ない」と答えましたら、「それでは記事になりません」という返事が返ってきました。永井さんがおっしゃることも理解できるのですが、日本全体の問題なのですが、我々の社会は長所だけを挙げて、「よかったね」という社会ではないですね。そこが大問題だと思います。今後、この国がどう進んで行くかはわかりませんが、ある程度永井さんの言われるような方向へ向けないと、いけないと思います。
 ちょっと余計なことを申し上げました。
 では、3番目の報告にまいります。「教育の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について」の答申の報告でございます。まず、この教員養成部会の部会長の梶田先生、簡単にご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【梶田副分科会長】
 はい。今ありましたように、教員養成部会からのご報告をいたします。
 ここに皆さん、資料5-2がございます。これは中央教育審議会として、文部科学大臣に「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について」、こういう答申をしましたと、そういうご報告であります。
 これは平たく言ってしまうと、教員免許状をもらうためには、大学で単位を取らないといかんわけです。決められた単位を取ります。その単位を取った上で、都道府県の教育委員会に申請して、免許状になるわけですが、その大学で教職の免許状に必要な単位を取るような課程、教職課程ですが、これを大臣が認可すると、そういうことであります。これがなぜ教員養成部会から、この報告をするかといいますと、この問題につきましては、まず文部科学大臣が、申請があった各大学の申請書類を中央教育審議会に、審査をして、認可が適当かどうかという答申を出してくださいという諮問があるわけです。その諮問を受けて中央教育審議会がやるわけですが、これは教員養成部会の専決事項と。教員養成部会は昔、教育職員養成審議会であったと、こういうことからだろうと思いますが。ということで、実際には教員養成部会にまいります。そしてここでの議決がそのまま答申になると、そういう形になっております。教員養成部会におきましては、その申請書類を、これは適当かどうかというのを、この部会の下にあります野村先生が主査をしておられます課程認定委員会、ここで非常に細かく審査をしていただきまして、その結果を部会に報告していだたきまして、今日、今、皆さんに見ていただく資料、正式には資料5-2ですが、その簡略な結果が5-1としてありますが、これを先日、3月13日に議決をいたしまして、これを答申といたしました。ということを報告をさせていただくわけです。この報告につきましては、規定によりまして、その後に教員養成部会の親分科会であるところの初等中等教育分科会に報告をするという規定になっておりますので、報告をいたします。
 簡単に言いますと、資料5-1にありますように、幼稚園と小学校が若干、教員養成の課程が増えたと。それから、大幅に少なくなった栄養教諭を養成する課程、これは144少なくなって、これはその前の年にたくさんできました。ということで、ほとんど終わったと。それから中学、高校の課程も少なくなっております。そういうことであります。小学校あるいは幼稚園、特に小学校につきましては、いわゆる教員養成について、今まで免許を取っても、なかなか先生になれないということで、抑制がかかっていたわけですが、これから10年ほどは、団塊の世代の先生方がどんどん退職されますので、採用数が増えます。そういうことで抑制措置が解除されまして、これから特に小学校の教員養成というものを、しばらく多くやっていくということになっております。そういうことでご承知だと思いますが、国立の教育学部、教育大学におきましても、これまでいわゆるゼロ免課程を持っていたものを、もとの教員養成課程に戻すという動きがありますが、そのほか、私学のほうでも、新たに小学校の教員免許を出す課程をつくる。大抵、小学校の教員免許を出す課程をつくると、同時に幼稚園のほうも出しますから、あわせて幼稚園、小学校が増えると。こういうことだろうと思います。全体のイメージは、こういうことであります。
 ただ、ここで、さっきの木村分科会長の話にありましたが、これもフェールにはなっていないですね。だから、記事にはならないでしょうが、留意事項がついたものが2件ございました。これが非常に今までにない例でありますので、ちょっとだけ皆さんに報告しておきます。
 これは一応、認可されたわけです。認定可という結論になったわけですが、個別の名前を出させてもらいますと、星城大学と徳山大学が、経営のほうの学科・学部の中に、体育の教員養成の課程を認めてほしいと。これが基準には合っているのです、一応は。だけれども、それで日常的に勉強するのが経営学であったり、商学であったりするということで、それは合っているけれども、大丈夫だろうかということを、課程認定委員会で随分議論になったということで、異例なことではありますが、留意事項を2点つけさせていただくことになりました。
 1つは、学科において開設されている専門科目が全体的に企業経営の視点を中心とした科目が多いため、より教員養成の視点に留意した科目の充実に努めること。つまり、親学科、親学部が企業経営ということでの人材育成である。その中に体育の先生をということなものですから、そこのところを少しミスマッチがないようにしてほしいと。これが第1点です。2点は、それと関連しますが、適切な履修指導の実施と、学内履修指導体制の確保ということで、もし免許状を取るということであれば、そちらのほうに気持ちが向いて、そこに努力を集中するように、学内での履修指導を充実させてほしいという、2点の留意事項がつけられました。これは、これまであまりなかったことであります。
 この留意事項の実施状況も含めて、今、800余りの大学・短大が教員養成の課程を持っているわけですが、いずれも認可されるときは、先生の張りつけ方も、カリキュラムも、あるいはそれを実際にどうやるかというシラバスの中身も、とてもきちんとできているわけですが、何年かすると、それが崩れてくるという実情がある。これも課程認定委員会からの何度もの報告がございまして、これを何かの形で、これからクオリティーコントロール・チェックをしないと、認可のときには、これでよさそうに見えても、実際に出すときにまずくなるのではないかということになりまして、これは具体的ではありませんが、どうやるかということは、これからの議論に任せることとして、しかし、何らかの形で800余りの教員養成の課程を持っている大学・短大に対する、今も実地視察なんかはやっているのですが、ごくわずかですので、恒常的なチェック体制をつくらなければいけないのではないだろうかということが、前回3月13日の教育養成部会での議決に、いわば付帯決議みたいなものですね。これが入っておりますので、これもあわせてご報告をしておきたいと思います。以上であります。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。それでは、時間の関係もありますので、4番目の総人件費改革について藤原財務課長のほうからご説明いただきまして、先ほど2番目の件について、お手が挙がっておりましたので、少し予定の時間をオーバーするかと思いますが、三つの報告についてまとめてご意見を頂きたいと思います。それでは、藤原課長お願いします。

【藤原財務課長】
 それでは私のほうから、資料6「総人件費改革関連資料」に基づきまして、ご説明申し上げます。
 1ページ~6ページと関連資料ですので、これは後でお目通しいただくとして、7ページをお開きください。昨年の秋以降、国あるいは地方の公務員全体につきまして、人件費を圧縮するという方向性が議論されて、これが総人件費改革と言われているものです。昨年11月14日の経済財政諮問会議の基本方針で、教職員関係ですと2点、指摘されたと。人件費ですので、教職員の人数と給与、この掛け算で人件費が出ますので、最初の人数については、この基本方針の中ではアンダーラインにありますとおり、特に人員の多い教職員については、児童生徒の減少に伴う自然減を上回る純減を確保するよう検討と。それから、給与については、下のアンダーラインのように、給与の優位性を定めた人材確保法について、廃止も含めて見直しを検討となっております。
 教職員の数については、上のアンダーラインの表現がそのまま決まってしまいますと、現在行われている少人数教育、あるいは40人学級、こういったものが自然減を上回る純減ということで削られていってしまうということになって、極めて大きな問題がある。それから、人確法の廃止をすれば、一般職の公務員よりも教職員の給与が低くなる可能性があるということで、いずれも極めて問題が多いという内容でありました。
 次の8ページでありますが、これは昨年12月24日閣議決定で、「行政改革の重要方針」ということで、先ほどの基本方針を受けて、文部科学省と政府部内の担当部局において精力的に折衝をし、また最終的には小坂大臣までお出ましいただいて、大臣折衝をして、基本方針の問題点について修正を図ったということであります。それが、この閣議決定なのですが。数のほうについては、教職員の後の括弧して、「給食調理員、用務員等を含む」として、これについて児童生徒の減少に伴う自然減を上回る純減を確保ということで、教員など、いわゆる標準法で人数の標準が定められている一般の教職員については、教育条件が低下しないという意味で、自然減の減少のみにとどめるということで、それ以外の給食調理員とか用務員等、学校現場に配置されている約11万人の人数がいるのですが、それらの方についての減少をあわせて、子どもの数の自然減を上回る純減を確保ということになりました。この括弧書きを入れたことによって、結局、教職員の数は自然減のみということですから、教育条件の低下は起こらないという形になりました。
 それから給与のほうについては、下のほうでありますが、人材確保法については、その廃止を含めた見直しを行うということの部分については変わりがないのですが、その次に、具体的には以下で、新しく文言を追加いたしまして、教職員給与のあり方について検討を行い、平成18年度中に結論を得て、平成20年春に所要の制度改正を行うということで、人確法廃止ありきという議論ではなくて、例えば教職員の勤務実態が非常に多忙だということであれば、現在、月8時間分程度の教職調整額、これが本当にそれで適正なのかどうか、もっと増額しなければいけないのではないかというような問題も含めて、きちんと議論をして、教職員の給与上の優遇措置についてもあわせて議論を行うということになりまして、この検討は18年度中に文部科学省において調査研究をすることになっております。最終的には20年春に制度改正と、こういうことが閣議決定で定められたということであります。
 9ページは、この閣議決定を受けまして、現在、国会に提出されて審議されております行政改革推進法案であります。これは3月10日に閣議決定されたものですが、まさに今現在、国会で審議中です。この55条は教職員の数について。それから56条については教職員の給与について。これはいずれも先ほどの12月24日の閣議決定を、そのまま法律的な条文に引き直したということでありまして、法律の条文にするということで、若干文言に違いはありますが、中身は閣議決定をそのまま引き写しているとご理解いただければと思います。
 一応、こういう形になっておりまして、総人件費改革の関係で、教職員の数、給与については、一見大きな問題はなさそうだと思われるわけなのですが、実は昨日、3月29日の夕方、経済財政諮問会議が開催されております。そこの中で配付された資料で、民間有識者議員の提言で、「歳出歳入一体改革に関する数値目標等」という資料が出されております。歳出歳入一体改革ということで、国が支出する人件費、地方が支出する人件費、いずれも絞っていこうというねらいがあるわけなのですが、この資料を見ますと、一般的な話なので、教職員に限った話ではないのですが、国の定員関係の基準を見直し、純減の上積みが確保されるよう取り組むという文言が入っております。したがいまして、これがそのまま決まってしまいますと、それを教育関係分野に適用すれば、標準法の改正によって、むしろ改悪によって、教職員数の縮減につながっていってしまうということで、従来の少人数教育ができなくなる恐れがあるということであります。
 また、総人件費改革以外にも、義務教育費国庫負担制度の関係についても、この経済財政諮問会議で、それに関連するような議論も行われ始めているという状況であります。昨日、義務教育費国庫負担法の改正が参議院の本会議で通りまして、負担率が2分の1から3分の1ということになって、これが4月1日から施行されるわけであります。昨年11月30日の政府・与党合意で、義務教育費国庫負担制度については堅持ということが明記されたわけでありますが、実はこれもあまり安心できなくて、昨日の経済財政諮問会議に配付されている資料の中で、「歳出歳入一体改革のワーキンググループの議論の整理」というペーパーがありまして、その中に地方が配置を求めている補助金の廃止縮減という文言が書かれております。これは結局、地方が廃止を求めているというのは、義務教育費国庫負担金も入っているわけなので、その廃止につながりかねないと。あるいは奨励的補助金の全廃ということで、そうなると私学助成についても廃止につながりかねないと。このようにかなり問題がある表現が入り始めているということであります。
 また同じく昨日の会議で、竹中総務大臣から出された資料「歳入一体改革について」の中で、今後10年後の姿に向けて、今後3年間、つまり2010年までに重点的に行うべき改革事項を整理・明記した「分権改革工程表」を作成するということが書いてあります。これだけですと何を言っているか、よくわからないのですが、実際には義務教育費も含まれる、地方が廃止を求めている経常的補助負担金について全廃ということを書き込もうという動きもなくはないという状況でありまして、そういうことで、総人件費改革の問題、義務教育費国庫負担制度の問題、いずれも今後、経済財政諮問会議において議論がなされ得るということでありまして、非常に注目して対応していかなければいけないと認識しております。以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。4月以降、国会で行革推進法案が、さらに具体的に議論されると聞いております。ただいまご説明いただきました総人件費改革については、中央教育審議会としても、学校教育への影響が出ないよう注視していく必要があろうかと思います。この問題については、具体的には教職員の定数や給与に関する問題としてでてきておりまして、かなり専門的な検討を要する問題でありますので、何らかの体制をつくっていく必要があります。どういう体制にするかということにつきましては、案作りを、私と事務局にご一任頂きたいと思います。体制についての最終的な決定は有識者のお話も聞いて作りたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、時間が来てしまいましたが、まだ少し……。どうぞ。

【梶田副分科会長】
 今のことで、ごめんなさい。体制をつくって、これはいわば教職員数の削減、しかも子どもの数の減少を上回る数の削減ということを一つ言っています。それからもう一つは、人材確保法の廃止ということを言っている。これは大変なことだと私は思いますので、体制をつくって、それを覆すような根拠と論理を組み立てて出していく必要があると思います。
 しかし同時に、今動いている中で、これをやりながら、まず緊急に、私は木村分科会長にお願いして、鳥居会長と連名ででも、やはり中教審としての緊急アピールといいますか、緊急声明といいますか、こういうことを言われているけれども、これは中教審がこれまで議論してきた方向とは全く違うと。特にこの前の義務教育特別部会での答申とも全く違うと。それから、今後のことを初等中等教育分科会で議論する方向性とも全く違うということで、ぜひ私はお願いしたい。どういう形がいいかは木村分科会長にお任せしますが、鳥居会長、木村分科会長のお名前ででも、緊急の何かを出していただかないと、政治的に既成事実がどんどん積み重ねられていって、我々がきちんと論理と論拠をあれしたときには、もう法律が国会にかかっているということになれば大変だと思いますので、私は、その辺もぜひご検討をお願いしたいと思います。

【木村分科会長】
 わかりました。その辺は考えさせていただきます。
 時間が来ておりますが、先ほどからお手が挙がっておりましたので、ご意見を伺いたいと思います。では、田村委員から。次に野村先生、あとはどなたでしたっけ。4人ですね。はい、では、なるべく手短にお願いします。

【田村委員】
 ありがとうございます。先ほどの評価の問題ですが、自己評価、他者評価とも、これは選択とのかかわりでやらなければいけないことでありますので、梶田先生のお話はよくわかるし、郷先生のお話もよくわかるのですが、やらなければならないことだということで、ガイドラインはちゃんと示して、あとはやり方の工夫ということでやっていただきたいと思います。
 それともう一つ、今のお話をお聞きして、改革のときは、従来の制度を守れという言い方では通用しませんので、上回る改革、例えば大学ではだめで、大学院を出ていなければ、初等中等教育の教員はだめなのだというのは、今、世界の流れなのですね。シンガポールなんかは、それを国として決めて公表しているわけです。小さな国ですから、すぐ始めているわけですね。それはお金がかかるわけです。でも、それをやらなければ世界で通用しないのだというような形で攻めていくと。そのためには評価をやるべきだし、今までのやり方ではだめだと進めていかないといかんのではないかと。
 大学院の問題は、ここだけの話ですが、現場は反対が多いのですね。8割~9割は初等中等教育に大学院なんかは要らないと言っているのですね。それだと体質の改善ができませんよ。そういうことを認めながら、お金を確保しようといっても、それは通らないのですね。だから、そういうことをぜひお考えいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【木村分科会長】
 では、野村先生、簡単にお願いします。

【野村委員】
 社会人教頭の導入と教頭の資格要件の緩和についてであります。現在の教頭の先生たちは非常に忙しい。そのために本来の教育者としての機能、教員免許を持った教頭としての教育的機能が十分発揮できないような状況にある。梶田副分科会長が言われたように、先生たちは今、評価の問題とも絡んで、ますます忙しくなってくる。教頭さんの事務量も増えてくる。そこで教頭さんの本来的な仕事というものを追求して、多忙さから解放して本来的な仕事をさせなければならない。その上で、民間の教頭を、教頭本来の仕事のできるような資質を持った社会人として受けを入れるところに意味がある。教頭が本来の仕事ができなくなっていて、それと同等の人を社会人教頭として入れるということについては問題があります。まず教頭さんの仕事を、「これが教頭の仕事だ」という教頭本来の仕事に戻して、子どもの教育に当たられる先生方の指導に教頭として当たられるような体制を学校の中につくり上げていく。そうして、それに見合うような同質の人を社会人として入れるというのでなければ、今の現状のままで同質のものを入れた場合には、事務的な仕事だけをやっておれば教頭としての仕事ができるということにもなりかねない。私は先生方と毎月、月例会を持っているのですが、先生たちの話では、特に教頭の先生たちが厳しい中にいると言われる。そういうことから、この問題、社会人教頭について認めますが、もっと教頭本来的な仕事を追求して、その上で同質の人を社会人として入れるということをやってほしいということです。短い時間で結論だけで申しました。

【木村分科会長】
 では、渡久山さん、そして最後に角田さん、それでおしまいにします。

【渡久山委員】
 評価の問題なのですが、1つの考え方として、やはり学校現場の教育評価は、あくまでも品質評価、あるいは教職員の人的管理ではないのですね。だから、教育活動の一環として位置づけられるという妥当性があってほしいというのが一つです。
 それからもう一つ、先ほどありましたように、保護者の申し立ての問題がありました。今、開かれた学校づくりというのは非常に進められているのですが、必ずしも十分ではない。学校評議委員会もできつつある。ただしかし、この保護者の申し立てといったら、これは無原則で、いろいろな問題が実際に起こっているのですね。ですから、これは客観的に、これをさばくような形がないと、学校現場は守られない。こういうことについては十分配慮していただきたいなと思います。
 それから、学校選択制については、都市ではいいのです。学校が幾つもあれば。全く学校がないところで、少ないところで、どうなのですか。鎮守の森を越して、学校を選択したときには、今のような登下校における不安も起こってくるわけですよ。ですから、その辺は無原則に一律になんていう考え方は、全く日本の現状を無視した考え方だということがあると思います。
 それから、先ほど人確法の問題がありました。これは先ほど梶田先生が言われたように、特別部会をつくって、ぜひお願いします。今、地方交付税が削減されるということで、学校現場の予算づくりが一律10パーセント減でやられているのですよ。教材費も全部、旅費も全部、10パーセント減で予算を組めと言われていて、今、実際、学校現場で、そういうことが起こっています。ここにも校長先生がいらっしゃるから、ご存じでしょうが。そういうことがもう既に起こってきているということで、これは非常に厳しい問題だと思います。以上です。

【木村分科会長】
 では、角田先生、最後に。簡潔にお願いします。

【角田委員】
 ありがとうございます。学校現場からすると、今の4つの問題は大変な問題であると思います。同じことは繰り返しませんが、私は2つだけ申し上げます。
 1つは、教頭の資格要件の問題です。やはり教頭というのは、子どものことがわかり、そして先生方のことがわかり、保護者のこともわかっていなければいけない。まさに学校の要なのですね。これは校長だとか、副校長は学校のリーダーですから、どんどん引っ張っていくということで、民間人でもいいかもしれませんが、教頭についての資格要件を民間人に安易に委ねるということについては、これは学校が大混乱をする。ぜひこの辺については、もう少し慎重に考えていただきたいと思いますし、私は、教員の資格をかなり厳しくしておきながら、教頭がそういうことの中身を知らないということであっては、学校経営はできないと思いますので、この辺はぜひよろしくお願いをしたい。
 それからもう一つ、学校選択制の問題です。ここに幾つか、いじめへの対応とか、通学の利便性とか、地理的な理由、あるいは部活動等、学校独自の活動等、変更理由として相当と認められるものということが、もっともらしく書いてあるわけですが、現実には、だんだんこれで条件が緩やかになってくるのではないかという感じがするのです。そうしたときに、公立学校は無条件にそれを引き受けなければならないということになると、これは学校としても、あるいは学級、そういうところで、子どもをきちんと安心して指導することができなくなる可能性がある。私は、こういう学校選択制を進めるのであれば、学校としても、こういう条件を飲んでいただいた人についてお受けしますよと。こういうことをしていかないとフェアではないという感じがするのですね。ぜひ一方的に、要望を受け入れるというだけではなしに、学校からも要望を出せる。そういう条件整備をしていただきたいなと思います。以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。10分ほど時間をオーバーしてしまい申し訳ございませんでした。大変活発なご議論を賜り、ありがとうございました。
 それでは最後に、今後の日程について、事務局から説明をお願いいたします。

【藤原企画官】
 次回は4月25日火曜日の13時~15時ということで予定しております。まだ場所は未定でございますので、確定次第、ご連絡を申し上げたいと存じます。以上でございます。

【木村分科会長】
 本日はどうもありがとうございました。また次回、よろしくお願いいたします。

─了─

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