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初等中等教育分科会(第37回) 議事録

1.日時

平成18年2月27日(月曜日) 15時30分~17時30分

2.場所

丸の内東京會舘 11階 シルバールーム

3.議題

  1. 教育課程部会「審議経過報告」について(報告)
  2. 今後の検討事項について
  3. その他

4.出席者

委員

 木村分科会長、梶田副分科会長、衛藤委員、加藤委員、角田委員、増田委員、井上委員、今井委員、大橋委員、河邉委員、甲田委員、渡久山委員、永井委員、西嶋委員、野村委員、北條委員

文部科学省

 銭谷初等中等教育局長、布村審議官、前川初等中等教育企画課長、常盤教育課程課長、戸渡教職員課長、藤原企画官

5.議事録

【木村分科会長】
 まだ定足数に達しておりませんので、正式には初等中等教育分科会としては始められませんので、懇談会という形で始めさせていただいて、後1人、委員がお見えになりましたら、その時点で自動的に分科会に切りかえるということにさせていただければと思いますが、よろしゅうございますか。
 それでは、そのようにさせていただきます。
 第37回でございますが、本日はお忙しい中、お運びいただきましてありがとうございました。
 本日は2つ議題を設けてございます。まず1つは、2月13日に取りまとめられました教育課程部会の「審議経過報告」についての報告でございます。この報告は、昨年4月から教育課程部会で審議されてまいりました内容を取りまとめたものでございます。事務局から報告をいただきました後に、委員の皆様から、これに対するご意見を賜りたいと存じます。
 2点目は、今後の検討事項でございます。これについてご議論をいただきたいと考えております。特に、皆様方ご承知の昨年10月26日に取りまとめられました答申「新しい時代の義務教育を創造する」におきまして、今後検討を求められている事項が幾つかございます。これにつきましてご議論をいただき、今後のこの分科会の検討事項などについての確認をしていきたいと思います。
 それでは、まず最初、2月13日に教育課程部会で取りまとめました審議経過報告について報告をいたします。まず、部会長の私から、簡単に概要についてご説明を申し上げ、その後、事務局から詳しい説明をいただきたいと思います。
 資料1をご覧下さい。審議経過報告です。1枚めくっていただきますと目次がございます。1が教育課程をめぐる現状と課題、真ん中ほどに2、教育内容等の改善の方向、次のページ、3が学校教育の質の保証のためのシステムの構築となっております。
 この目次のとおり、全体を3つのパートに分けて記述してございます。第1のところでは、教育課程をめぐる現状と課題について整理いたしております。そして学習指導要領の見直しの視点として、2の教育内容等の改善の方向、それから3番目の学校教育の質の保証のためのシステムの構築ということに分けて記述させていただいております。
 ポイントでありますが、この審議経過報告では、現行学習指導要領の理念であります「生きる力」をはぐくむことは今後とも重要であり、その実現のための具体的な手だてを充実するということにしております。
 まず、教育内容の改善につきましては、確かな学力の育成、社会的な自立の推進、社会の変化への対応というものが重要であり、その前提として、これは新聞でも随分書かれましたが、言葉と体験を重視した学習や生活の基盤づくりが重要であるという線を打ち出しております。また、教育課程の枠組みの改善として、授業時数の在り方の検討や、学校週5日制のもとでの土曜日や長期休業日の活用方策の検討が必要であるということも記述してございます。
 次に、学校教育の質の保証のための仕組みづくりにつきましては、義務教育の構造改革として示されております目標、実施、成果の検証、これは部会ではPDCAサイクルといっておりますが、このサイクルを教育課程についても当てはめ、各教科等の到達目標の明確化、全国的な学力調査などによる教育成果の適切な評価、評価に基づく教育活動の改善が重要であるとしております。
 以上が、審議経過報告の概要でございます。詳細につきましては、常盤課長から説明していただきます。

【常盤教育課程課長】
 それでは、ただいま木村分科会長からのお話、資料1で、私からご説明させていただきたいと思います。
 1ページ、「はじめに」のところをお開きいただきたいと存じます。「はじめに」のところにございますように、中教審では、平成15年5月に文部科学大臣から包括的な諮問を受けて以来、教育内容の、教育課程の充実・改善について検討を行っていただいているわけでございます。
 2つ目の「○」でございますが、昨年2月には、文部科学大臣から中教審に対しまして、国の教育課程の基準全体の見直しについて検討するようにということで要請があったところでございます。その後、会議を重ねた様子については、そこのページにあるとおりでございます。スクールミーティング、その他各種の調査なども踏まえつつ、検討が行われてまいりました。
 次の2ページでございますが、検討の過程におきましては、平成17年9月に、教育課程部会の審議状況を義務教育特別部会に報告いたしまして、この報告をも踏まえて、昨年10月には、中教審において、教育内容の改善を含めた「新しい時代の義務教育を創造する」という答申が決定されたわけでございます。
 教育課程部会では、この義務教育の昨年秋の答申を踏まえまして、さらに検討が進められているわけでございますが、今回、これまでの審議経過を「審議経過報告」として取りまとめまして、公表することとした次第でございます。
 具体的には3ページからになりますが、3ページでは、1、教育課程をめぐる現状と課題といたしまして、(1)のところで学校教育の目的を示しております。教育の目的は、一人一人の国民の人格形成と国家・社会の形成者の育成の2点であり、このことはいかに時代が変わろうとも普遍的なものであるとしてございます。その後、義務教育、高等学校教育、幼稚園教育について、それぞれの目的等について記しているわけでございます。
 次の4ページから5ページにかけてでございますけれども、ここでは、現行の学習指導要領の考え方について総括の記述を設けてございます。一番下の「○」のところでございます。現行の学習指導要領は平成14年4月から実施されておりますので、4年が経過しようとしているところでございます。この間に中教審におきまして1度答申をいただいているわけでございますけれども、その中でも指摘されていたことでございますが、各教科等の指導においては、指導に必要な時間が確保されていないとか、総合的な学習の時間で身につけさせたい資質や能力等が不明確であるというような、さまざまなご指摘をいただいてきているわけでございます。そのことを踏まえて、5ページの一番上になりますけれども、既に平成15年12月には、中央教育審議会の答申に基づきまして学習指導要領の一部改正を行ったところでございます。
 そして、その後また、既に事実が経過しているわけでございますけれども、2つ目の「○」になりますけれども、現行学習指導要領実施後の各種調査に基づきまして、子どもの学力や学習状況を見たとき、基礎的・基本的な知識・技能を徹底して身につけさせ、自ら学び自ら考える力を育成するというねらいが必ずしも十分に達成できていない状況が見られる。中央教育審議会としても、教育課程の構造の在り方やその示し方、授業時数の在り方についても検討すべき課題ととらえているという認識に至っているわけでございます。
 ページの一番下でございますけれども、ただ、その際に部会の中で議論が出ましたのは、一番下の「○」でございますが、我が国の教育は、国際的な学力調査でも全体としては上位にある。また、学力低下への懸念にこたえるべく各学校において基礎的事項を徹底する努力が行われ、一定の成果があらわれ始めている。我が国の学校、教師、子どもは、大きな力を持っていると考えられる。学校、教師、子どもが本来有している力を十分に発揮することができるようにするとの観点に立ち、学習指導要領全体の見直しを進めることとしたいということで、認識を示しております。
 次の6ページ以降に、現行の学習指導要領のもとでの学校教育の状況と検討課題について記してございます。アのところでは、国際的な学力調査の結果などに基づきまして、子どもの学力と学習状況についての現状を記してございます。7ページは、イのところで、子どもの心と体の状況について、生活習慣の状況などについて記してございます。また、ウのところでは、社会の各分野からの要請ということで、教育課程について、社会の各分野からそれぞれ現代的な要請がなされているということについて記してございます。
 そして8ページでございます。学校教育に対する国民の意識ということでございます。1つ目の「○」、「義務教育に関する意識調査」では、保護者の学校に対する総合的な満足度は70パーセントに達している。
 他方で、特にアンケートの中で肯定あるいは賛成という意見が多かった項目といたしましては、「総合的な学習の時間は教師の力量や熱意に差があり、指導にばらつきが出る」「年間の授業時数を増やす」「放課後や土曜日、夏休みなどに補習授業を行う」「小学校から英語活動を必修にする」「将来の職業や生き方についての指導を行う」「地域での体験活動やボランティア活動を行う」「複数担任制や少人数による指導を行う」。こういう項目が、保護者のアンケート調査などでは、肯定あるいは賛成という回答が多かった項目でございます。
 また、スクールミーティングにおきましても、学習内容や授業時数の減少、基礎学力の低下や塾通いの状況が気になるといった意見がございました。その一方で、子どもが外で遊ばなくなり発達に応じた遊びや体験がない、コミュニケーションがとれなくなったといった子どもの変化を指摘する声も多く聞かれたところでございます。
 こういうことに基づきまして、(4)におきましては、学校や教育行政の在り方についての検討課題ということについて記してございますが、ここは省略させていただきます。
 次に10ページ目、学校の役割と家庭・地域・社会の役割という点でございます。1つ目の「○」でございますが、子どもたちを取り巻く環境の変化として、家庭や社会の教育力の低下が指摘されている。スクールミーティングの結果からは、保護者の価値観が多様化していることなどにより学校の教育活動が難しくなっているという意見や、家庭で基本的な生活習慣を身につけさせてほしい、しつけをしっかりやってほしいという意見が多く示されました。
 学力の向上をはじめ子どもの健全な育成のためには、睡眠時間の確保、食生活の改善、家族の触れ合いの時間の確保など、生活習慣の改善が不可欠である。子どもの育成の第一義的責任は家庭にあり、教育における保護者の責任を明確化することが必要であるという教育課程の改善についての議論ですので、学校教育の内容が基本ではございますけれども、家庭の役割ということについても多くの意見をいただいたところでございます。
 そして、11ページの一番下の「○」でございますけれども、家庭や地域における子どもの実態に目を向けたとき、本来、家庭が第一義的な責任を負うべき問題についても、教育機関としての学校、教育者としての教師が、その補完的な機能を果たしている、また果たさざるを得ない現状がある。社会や行政は、こうした現実を直視し、必要な協力や支援を行うことが求められるとしております。
 次に12ページからでございます。先ほど分科会長からお話がございました、この報告は大きく3つのパートに分かれておりますが、2つ目の大きな固まりのところで、教育内容等の改善の方向ということでございます。ここでは基本的な考え方の第1といたしまして、言葉や体験などの学習や生活の基盤づくりの重視ということを挙げてございます。
 13ページの上から2つ目の「○」をご覧いただきたいと思います。子どもの心と体や学習の状況を見ると、「生きる力」を育てるためには、まずは1生活習慣、学習習慣、読み・書き・計算など、学習や生活の基盤を培うことが重要である。そして、2将来の職業や生活への見通しを与える、国際社会に生きる日本人としての自覚を育てるなど、実生活を視野に入れて、学習や生活の目標を持たせることが重要である。子どもの発達の段階に応じて、こうした学習や生活の基盤づくりを重視する必要がある。その際、言葉を重視することが大切であるとの意見、体験を充実することが重要であるとの意見が数多く示されています。
 言葉は、「確かな学力」を形成するための基盤であり、生活にも不可欠である。言葉は、他者を理解し、自分を表現し、社会と対話するための手段であり、家族、友だち、学校、社会と子どもとをつなぐ役割を担っている。言葉は、思考力や感受性を支え、知的活動、感性・情緒、コミュニケーション能力の基盤となる。国語力の育成は、すべての教育活動を通じて重視することが求められる。
 体験は、体を育て、心を育てる源である。子どもには、生活の根本にある食を見直し、その意義を知るための食育から始まり、自然や社会に接し、生きること、働くことの尊さを実感する機会を持たせることが重要である。生活や学習の良い習慣をつくり、気力や体力を養い、知的好奇心を育てること、社会の第一線で活躍する人々の技や生き方に触れたり、自分なりの目標に挑戦したりする体験を重ねることは、子どもの成長にとって貴重な経験となることが指摘されているということで、言葉あるいは体験などを示しながら、学習、生活の双方の基盤となるような事柄について力を入れていく必要があるということを示してございます。
 そして、次の14ページから15ページにかけましては、「人間力」の向上ということを記してございます。14ページの「人間力」の向上というところのすぐ下でございますが、現行学習指導要領が目標としている「生きる力」を実社会や実生活との関係でより具体化し、社会との関係で学校教育に求められているものは何かについて、学校と社会との間の共通認識を形成することが重要であるとしてございます。
 そして、各種の報告書などを引きながら、15ページにおきまして、上から2つ目の「○」でございます。「この「人間力」という考え方を用いることは、現実の社会で大人がどのように生き、そこでは何が必要とされるのかを見せることによって、学ぶことの意義を子どもたちに伝え、何のために学ぶのかという目的意識を明確にすることをねらいとしている。こうした視点から学校教育を見直してみることによってその足らざるところを補い、より充実したものに改善していこうとするものである」ということで、具体的には、例えば、主体性・自律性、自己と他者との関係、個人と社会との関係というような構成要素に整理することができるのではないかというような検討を行っております。
 ただ、一番下の「○」でございますけれども、ここは部会でも議論のあったところでございますが、ここでは、実社会とのかかわりの中で、「生きる力」をより具体化し発展させるという観点から、「人間力」という考え方を用いて見直しを行っているが、今後も、学校教育において、現行の学習指導要領のねらいとしております「生きる力」を育成することが重要であることに変わりはないということで、「人間力」という考え方は、見直しのための考え方の整理ということで用いておりますけれども、「生きる力」をベースとするという、この基本的な部分については変わりがないということを明記しているところでございます。
 次に16ページでございます。16ページから、確かな学力の育成の箇所でございます。上から2つ目の「○」、「現行学習指導要領の学力観については、これをめぐって様々な議論が提起されているが、義務教育答申でも指摘しているとおり、基礎的・基本的な知識・技能の育成(いわゆる習得型の教育)と、自ら学び自ら考える力の育成(いわゆる探究型の教育)とは、対立的あるいは二者択一的にとらえるべきものではなく、この両方を総合的に育成することが必要である。
 そのためには、知識・技能の習得と考える力の育成との関係を明確にする必要がある」といたしまして、まず、1.基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させることを基本とする。2.こうした理解・定着を基礎として、知識・技能を実際に活用する力の育成を重視する。さらに3.として、この活用する力を基礎として、実際に課題を探究する活動を行うことで、自ら学び自ら考える力を高めることが必要である。ただ、これらは、決して一つの方向で進むだけではなく、相互に関連し合って力を伸ばしていくということを指摘してございます。
 こうして習得と探究との間に、知識・技能を活用するという過程を位置づけ重視していくことで、知識・技能の取得と活用、活用型の思考や活動と探究型の思考や活動との関係を明確にし、これらを相乗的に育成することができるよう検討を進めているとしてございます。
 そして17ページからは、括弧で「(基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させる)」ということで、ここでは「読み・書き・計算」であるとか、九九、都道府県の位置と名称など、反復学習や丁寧な繰り返し指導の必要性というようなことを指摘してございます。
 また、そのページの下から4つ目の「○」ですけれども、知識・技能の確実な定着に当たっては、知識・技能を実際に活用する力の育成を視野に入れることが重要であるとした上で、その次の「○」で、概念や原理、法則の重要性、あるいは、いわゆる暗黙知を重視すべきであるという意見の指摘なども加えてございます。
 次に18ページでございます。「(知識・技能を活用し、考え行動する力の重視)」ということが真ん中のあたりに括弧で記されてございます。ここでは知識・技能を活用するという観点から、各教科等を横断してはぐくむべき能力について、幾つかの例を挙げてございます。
 19ページの一番上から4つほど例が挙がっておりますが、各教科等を横断してはぐくむべき能力として、体験から感じとったことを表現する力、情報を獲得し、思考し、表現する力、知識・技能を実生活で活用する力、構想を立て、実践し、評価・改善する力が考えられるのではないかというような議論を行っているということを記してございます。
 次に20ページでございます。子どもの社会的自立の推進のところは、大きく2つのパートに分かれております。1つ目は、括弧で「(豊かな心と健やかな体をはぐくみ、社会的自立の基礎を培う)」ということでございます。ここでは、1つ目の「○」のところで、子どもたちが社会とかかわるということについて記してございます。20ページの一番下の「○」では、基本的な生活習慣を確立させたり、あるいは、遵法意識をはじめとする社会生活を送る上で人間として持つべき最低限の規範意識を身につけさせるというようなことを記してございます。
 そして21ページの「○」のところでは、子どもたちの体力の低下が懸念される中で、人間の心の発達・成長を支え、人として創造的な活動をするために、幼いころから体を動かし、生涯にわたって積極的にスポーツに親しむ習慣や意欲、能力を育成するというようなことが記されてございます。
 そして21ページの上段のところで、「(個性や能力を伸ばし、主体性・自律性を育成する)」ということで、我が国の子どもは、国際的に見て自尊感情に乏しいという指摘があったり、あるいは規範意識の低下やいわゆるキレる子どもの存在など、自己統制の面での課題も指摘されていることを踏まえて、自己実現を目指す自立的な人間の育成が課題であるといたしまして、その中で主体性・自律性の育成ということについて記してございます。
 次に22ページ、社会の変化への対応ということでございます。ここでは社会の変化に対応ということで、情報であるとか、環境、あるいは法や経済など、さまざまな新しい分野の教育の課題について記してございます。情報教育、23ページに参りますと環境教育、それから科学技術教育、小学校段階の英語教育の充実の必要性などが書かれてございます。
 23ページの2のところで、具体的な教育内容の改善の方向ということが示されてございます。1つ目の「○」にございますように、文部科学大臣からは、教育内容の改善の観点として、「社会の形成者としての資質の育成」「豊かな人間性と感性の育成」「健やかな体の育成」「国語力の育成」「理数教育の改善充実」「外国語教育の改善充実」、こういう6つの観点が昨年2月に示されておりますので、その観点に即して6つの領域を設けまして、それぞれの教育内容の改善の在り方について議論を紹介させていただいております。
 ただ、これはそれぞれ非常に、個別にご説明いたしますと時間がかなりかかりますので省略させていただきたいと思いますが、ただ、1点、非常に注目されております外国語教育のところだけ、具体的に少しご説明したいと思います。
 37ページをお開きいただきたいと思います。一番下から2つ目の「○」のところからでございます。「(小学校段階における英語教育の充実)」でございます。国際コミュニケーションの観点から、我が国においてもインターネットの普及などによって英語でコミュニケーションを図る機会は増えるなど英語の必要性はますます高まることが予想されるが、国民の英語運用能力は国際的に見て十分でなく、英語教育の充実が必要であるとしてございます。
 次に38ページをご覧いただきたいと思います。上から3つ目の「○」でございますが、現在、総合的な学習の時間などを活用した小学校段階の英語活動は約9割の学校で実施されており、例えば第6学年では年間約13単位時間程度の教育活動が行われております。ただ、必ずしも十分な成果が上がっていないところも見られるところでございます。
 また、構造改革特別区域などにおきまして、既に、総合的な学習の時間ではなくて、教科として英語教育を実施している公立小学校も増えつつございます。
 また、義務教育に関する意識調査等におきましても、保護者や自治体関係者から充実を求める声が強い。あるいは、国際的にも、小学校段階で英語教育を実施する国が急速に増加しているということがございます。
 このような状況の中で、国としては、昨年秋の義務教育の答申でも既に提言されておりますが、小学校段階における英語教育を充実する必要があると整理してございます。
 このため、外国語専門部会においては、これは教育課程部会の中にまた外国語専門部会が設けられておりますけれども、外国語専門部会においては、義務教育として教育の機会均等を確保するため、仮にすべての学校で共通に指導するとした場合の指導内容を明らかにするため必要な検討を進めている。これまでの審議状況は次のとおりであるとしてございます。
 検討に当たっては、小学校英語を実施するに当たって指摘されている課題、例えば国語力の育成との関係、中学校・高等学校の英語教育との関係はどう整理するのか、条件整備の面での課題などを念頭に置いて検討を進めているということでございます。
 これまでの審議では、細かくなりますので省略いたしますけれども、1として、英語のスキルをより重視する考え方と、2として、国際コミュニケーションをより重視する考え方が示されておりまして、それぞれのメリット、デメリットについてもここで記載してございます。
 その中で、39ページの下から4つ目の「○」ですが、中学校・高等学校での英語教育を見通したとき、まずは、英語を学ぶための動機づけが重要であることから、2の、これはコミュニケーションということですけれども、この考え方を基本とすることが考えられる。言語やコミュニケーションに対する理解を深めることは、国語力の育成にも資するのではないかとの意見も示されている。この場合においても、1のスキルの側面について、小学生の柔軟な適応力を生かして、聞く力を育てることなどは、教育内容として適当と考えられるとしてございます。
 その後、さらに条件整備の面などの課題も指摘しながら、40ページをお開きいただきたいと思いますが、1つ目の「○」のところで、これらの課題については、専門的・多角的な検討を要するため、外国語専門部会において、専門家や関係者の意見を聞きながら検討を行っている。1つ文を飛ばしまして、その「○」の一番最後のところですが、外国語専門部会では、本年度中を目途にこの点に関する審議の状況を整理し、教育課程部会に報告することとしているということで、この3月までを一応の目途といたしまして、外国語専門部会で一定の報告をまとめるということで現在、作業を行っております。
 次に、40ページから、総合的な学習の時間などの改善でございます。アといたしまして、総合的な学習の時間の改善につきましては、ここは41ページの下から3つ目の「○」をご覧いただきたいと思います。教育課程部会及び専門部会においては、例えば、課題発見能力や課題解決能力など見えない学力をはぐくむためにも総合的な学習の時間が重要であるなどの意見が数多く示されておりまして、総合的な学習の時間の必要性や重要性については、共通理解が得られているという現状でございます。
 次に、42ページから43ページにかけて、総合的な学習の時間についての見直しの考え方について記してございますが、43ページの一番上から3つ目の「○」でございますが、総合的な学習の時間の授業時数については、教科等との関係の整理、ここでは教科、あるいは特別活動、あるいは中学校の選択教科などとの関係の整理、具体的な支援策の動向等も踏まえつつ、総授業時数及び各教科の授業時数について全体として見直す中で検討することが必要であるとしております。
 次に、中学校における選択教科につきましては、3つ目の「○」でございますが、教育課程部会においては、限られた時間数の中で教育課程が複雑になるとそれぞれが薄くなってしまうので、必修教科を重視し、時間をかけて徹底すべきなど、時間数の在り方を工夫すべきとの意見がありました。他方で、それに対する慎重な意見も出されていることを紹介してございます。
 それから44ページ、部活動の扱いでございますが、部活動については、部活動がこれまで中学校教育において果たしてきた意義や役割を踏まえ、部活動を学習指導要領に位置づける方向で検討すべきとの意見が出されている。この点は、今後引き続き検討を行うこととしておりますので、その旨を記してございます。
 次に、44ページ(2)のところで、教育課程の枠組みの改善といたしておりまして、指導方法であるとか、授業時数の見直し等について記してございます。ここでは指導方法については省略させていただきまして、45ページ、授業時数の見直しのところをご紹介いたします。我が国の小学校・中学校等の授業日数は約200日間であり、諸外国と同様に、学校週5日制を実施していることから国際的な状況と同水準である。また、在校時間は、小学校4年と中学校2年との比較では国際的に遜色ないが、授業時数については、国際平均より短い状況にある。授業時数の在り方については、各教科等の教育内容について、子どもに求められる教育内容をどのように設定するかが議論の前提となる。国語力や理数教育については充実が必要であり、全体の見直しの中で、授業時数の在り方についても具体的に検討する必要がある(といったご意見を記してございます)。各教科等の授業時数の在り方については、専門部会の議論を踏まえつつ、教育課程部会において、各教科等を見渡した立場で総括的に審議を行うこととするという整理をしてございます。
 次に46ページでございます。その後、いろいろ運用の問題、示し方の問題などを示した上で、上から3つ目の「○」で、総授業時数の在り方についてでございます。総授業時数の在り方については、教育内容の見直し、各教科等の授業時数の在り方とあわせて検討することとする。その際、特に小学校低学年については、幼児教育における預かり保育等の実態を考慮して、在校時間や授業時数の在り方を検討することが必要であるとの指摘があるとされております。
 次に、その後、46ページ2のところで、発達や学年の段階に応じた教育課程編成や指導の工夫ということがございます。ここでは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校のそれぞれの発達の段階に応じた役割を示した上で、47ページの1つ目の「○」でございますが、このようなそれぞれの学校段階の役割の基本は変わらないものと考えられるが、例えばいわゆる小1プロブレムが指摘される中で、幼児教育と小学校教育の具体的な連携方策を教育課程上明確にすべきとの意見が示されているとしてございます。
 それから、その次の「○」では、小学校と中学校との接続について、例えば不登校や暴力行為などの発生件数が、小学校第6学年と比べ、中学校第1学年で飛躍的に増加するなどの問題がある。また、研究開発学校の調査によれば、小学校の中学年から高学年にかけて、子どもの自己理解や人間関係に関する考え方が大きく変化するとの結果も示されているということで、こういう幼児教育と小学校との接続、あるいは小学校と中学校との接続というようなことについて留意した上で、教育課程について検討する必要があるということ、それから、教科担任制なども含めて、教育方法の面での検討が必要であるというようなことが記されてございます。
 次に48ページ、学校週5日制のもとでの学習機会の拡充ということでございます。下から4つ目の「○」でございます。家庭や地域の教育力の現状にかんがみ、隔週で土曜日を活用したり、高等学校は区別してはどうかとの意見もあったが、「学校週5日制のねらいとするところを大切にすべきである」などの意見が示され、学校週5日制は、国の仕組みとしてこれを維持すべきとの意見が大勢であったと記してございます。
 そして、49ページの一番下のところでございますけれども、学校週5日制のもとでの土曜日や長期休業日については、家庭や地域社会との連携を促進する方向で、学校外の学習活動に対する評価の在り方を含め、活用方策を検討することが必要であるとしてございます。
 次に50ページからでございます。ここは、さっき全体を大きく3つで構成されているという説明がございましたけれども、その3つ目の固まりのところでございます。(1)基本的な考え方。昨年秋の義務教育答申では、義務教育の構造改革において、義務教育システムを国の責任によるインプット、このインプットは目標設定とその実現のための基盤整備でございます。それから実施の責任を有する自治体や学校が担うプロセス、これは実施過程でございます。そして国の責任によるアウトカム(教育の結果)の検証という構造でとらえている。これは義務教育答申での考え方でございます。
 これを受けまして、そのページの一番下でございます。こうした義務教育の構造改革という観点を踏まえ、学校教育の質を保証するため、学習指導要領の見直しについては、1学習指導要領における到達目標の明確化。2情報提供その他の基盤整備の充実。この1と2がインプットに相当する部分でございます。3教育課程編成実施に関する現場主義の重視。ここがプロセスの部分でございます。そして4教育成果の適切な評価。ここがアウトカムの検証の部分でございます。そしてその上で5として、評価を踏まえた教育活動の改善。こういう視点に立って検討を進めることが必要であると整理されております。
 そして51ページで、学習指導要領における到達目標の明確化ということが示されております。ここではそこでの上から4つ目の「○」でございます。学習指導要領に示されている教育内容はいわゆる基礎・基本であり、特にその内容が精選されている以上、そのすべてを確実に習得させることを目指すとの考え方が基本となるが、その一方で、義務教育を修了しても四則計算の基本が十分に身についていない子どもがいることも指摘された。
 教育の機会均等を目標とする義務教育において必要な水準を確保するためには、知識・技能の面では、「読み・書き・計算」のような、基礎・基本の中でも特に実生活に直接にかかわるような内容について、反復学習や補充的な学習等を通じて確実に定着させることが求められるということで、到達目標についてはまださらに審議が必要でございますけれども、基本的な考え方としては、やはり生活に直結するような内容については確実な定着を図るという観点で、到達目標についても検討する必要があるのではないかというような考え方で議論が行われております。
 次に52ページ、情報提供その他の基盤整備の充実ということでございます。この中では、学習指導要領自体の記述も含めまして、教育指導方法について、各学校においてさまざまな工夫がなされていることを共有化するというようなことの必要性などが指摘されております。52ページの一番下では、教科書、教材の質、量両面での充実の必要性というようなことが指摘されてございます。
 それから53ページ、一番上の「○」ですが、子どもの状況の変化や保護者や社会からの要請の多様化・高度化する中で、教師の仕事はこれまで以上に多岐にわたっている。社会全体の価値観が多様化する中で、子どもの教育をめぐって学校の指導の在り方について説明を求められる場面が多くなり、教師が相当のエネルギーを傾けているとの指摘もありました。教育委員会に学校に対する意見申し立てのための第三者機関を設けているとの取り組みも紹介されました。
 また、その次の「○」ですが、学校が作成する事務的な調査資料等の量が増加している文部科学省を含め、教育行政においては、調査の必要性について見直し、ICTの活用、調査の実施時期、期間などの実施方法を工夫することによって、学校の事務負担の軽減を図ることが望まれる(といった指摘がありました)。さらにICTの環境の整備であるとかの条件整備の面での記述が行われております。
 一番下のところで、義務教育答申では「確固とした教育条件を整備する」ため、「国と地方が協力して」、「教職員配置、設備、教材、学校の施設など教育を支える条件整備を確固たるものとする必要がある」としているとした上で、54ページでございますが、この報告の中でも、教育内容・方法の各般にわたり、学校教育の改革と充実のための方策が示されている。こうした改革や充実を具体的に実現するためには、学校教育の基盤整備が不可欠である。同答申に基づき、義務教育の基礎をしっかりと保証し、義務教育の質の向上のための構造改革を進めていく必要があるとしてございます。
 そして、教育課程編成における現場主義の重視のところでは、学習指導要領におけるいわゆる歯どめ規定の見直しであるとか、授業時数についての弾力的な運用ができるような示し方の改善というようなことが示されております。
 また、55ページのところでは、学習指導要領によらない教育課程編成が可能な仕組みとしての研究開発学校制度の弾力的な在り方の検討というようなことの課題が指摘されております。
 そして、55ページでは評価の問題でございます。全国的な学力調査について、一番下の「○」でございますが、これは義務教育答申において既に提言がございますけれども、各教科の到達目標を明確にし、その確実な習得のための指導を充実していく上で、子どもたちの学習の到達度・理解度についての全国的な学力調査を実施することが適当であるとした上で、なお、実施に当たっては、子どもたちに学習意欲の向上に向けた動機づけを与える観点も考慮しながら、56ページにかけての記述でございますけれども、学校間の序列化や過度な競争等につながらないよう十分な配慮が必要であるという指摘が、義務教育の答申の中で既に行われております。
 これを受けて、真ん中のあたりの「○」でございますけれども、全国的な学力調査については、こうした考え方を踏まえて、小学校第6学年、中学校第3学年の国語、算数・数学について、すべての児童生徒が参加できる規模で平成19年度に調査を実施することとし、文部科学省において準備を進めている。その際、ここで指摘されているような調査の具体的実施方法、実施体制、結果の扱いなどについては、既に文部科学省に専門家会議が設置され、具体的な検討が進められているところであるということで現状の記述をしております。
 そして、「(学校評価)」のところで、一番下の「○」でございますけれども、先述した到達目標の設定や子どもの学習評価においては、例えば、情意面などについては具体性や明確性を持たせにくい。こうした点については学校教育のプログラムもあわせて評価するという考え方もあり得る。また、全体として「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」を調和のとれた形で育成する、定量的な評価と定性的な評価のバランスを確保するという意味からも、学校評価の一層の推進が必要であるとしてございます。
 そして、57ページ、評価を踏まえた教育活動の改善についての記述。そして教育行政の在り方の改善ということについての記述、現場の状況を十分把握するようにというようなことも含めて、そういう記述がございます。
 そして最後、59ページ、上から2つ目の「○」でございますが、教育課程部会では、今後引き続き、例えば幼児教育と小学校教育、小学校教育と中学校教育といった学校種間の接続・連携や高等学校における教育の在り方など、意見の集約に至っていない事項の議論を深めるとともに、各教科等ごとの専門部会とも連携して、それぞれの教科等の改善について各学校種ごとに具体的な検討を行うということを示してございます。
 また、幼稚園教育や特別支援教育の在り方については、これまでの幼児教育部会及び特別支援教育特別委員会の議論などを踏まえ、検討を行うこととしているとしてございます。
 そして一番最後の「○」でございますけれども、幅広く国民の皆様方からご意見をいただきたいということを記しております。その上で、文部科学省のホームページなどにおいて意見募集を、意見をいただけるように周知を図っているという現状でございます。
 長くなりましたけれども、教育課程部会についての審議経過報告についての説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 まだ懇談会ということでありまして、分科会が成立するかどうか非常に心配しておりますが、大橋委員が4時半過ぎにお見えになるようでございますので、その時点で分科会に切りかえさせていただきます。
 お聞きいただきましたとおり、大変なボリュームの報告書でございます。昨年4月27日に第1回を開催致しまして、24回目が2月13日ですから、280日ぐらいの間に24回やったということになります。その間実に、さまざまなご意見が出ましたが、それを殆ど全て盛り込んであります。あまり時間もございませんが、ざっとご覧いただきまして、感想、ご意見で結構でございますのでいただきたいと思います。いかがでございましょうか。
 この分科会の中には、教育課程部会にも所属されている委員もいらっしゃいますので、ご発言をいただければと思います。
 どうぞ、永井さん。

【永井委員】
 現行学習指導要領の考え方を非常に重要視するというベースに立った上で、極めて広範囲かつきめ細かな今後のありようが書かれておりまして、大変にご苦労さまといいましょうか、大変な作業だろうと拝察するところであります。
 1点だけ質問があります。96年の旧中教審の21世紀を展望した我が国の教育の在り方についての第1次答申の中に、教科の再編統合について常設の委員会を設けて検討するという一項目がございました。この辺については、今回の論議の中ではどのような位置づけになっていたのかということについて、1点だけお伺いしたいと思います。

【木村分科会長】
 では、常盤課長、お願いします。

【常盤教育課程課長】
 その点については、教育課程部会の中でも、これまでの議論の流れの中で、そういう教科の再編ということについてどう考えるべきなのかというご発言もございました。ただ、今回の見直しに当たりましては、現行学習指導要領の実施条件の検証というところからスタートしていたということがございまして、また、その教科の再編等を行うに当たっての基礎となる調査研究等が必ずしもまだ十分ではないというような事情もございまして、基本的には現在の教科ということを前提に置きながらの議論が大半ということでございます。

【木村分科会長】
 (教科の再編統合についての委員会)常設の件は、確かに永井さんが言われるように、かなり早く提案されておりました。しかしながら、今、常盤課長が触れられましたけれども、いろいろな状況がありまして、常設にはできなかったようです。しかし、今の段階では常設されたと考えていただいてよろしいかと思います。
 ほかに。北條委員、どうぞ。

【北條委員】
 ちょっと教えていただきたいことなのですが、やはり46ページの上から3つ目の「○」のところでございますが、「小学校低学年については、幼児教育における預かり保育等の実態を考慮して」云々という書き方で、これは新聞でも報道されていたところですが、具体的には教育課程の検討の中で、どういうニュアンスで、これはこういう表現になっているのかということをちょっと補足していただければと思います。

【木村分科会長】
 では、お願いします。

【常盤教育課程課長】
 ここのところは、現在、既にご案内だと思いますけれども、小学校の第1学年から第3学年にかけては、第4学年以上と比べますと、年間の総授業時間数が短く設定されているという現実がございます。その中で、小学校低学年について、その前段階の幼児教育の段階での現状を見ると、もう少し、すごく変な言い方かもしれませんけれども、小学校1年生のほうが幼児段階よりも早く家に帰ってくるというような状況も見られるのではないかというようなことのご指摘もございましたし、また、小学校低学年については、そういう実態の中で、時間数についてもう少し増加させるということも可能なのではないかということが、複数の委員からご発言がございましたので、それをそういう意見があったということで記述させていただいているということでございます。

【北條委員】
 そういうことですと、やはりちょっと疑問を持たざるを得ないのでございます。いわゆる預かり保育というものは、現在、教育課程外の活動と位置づけられております。現在この部分で検討されておりますことは、まさしく小学校低学年段階の教育課程内の授業時数の検討ということでございますから、問題のレベルが違うものを混同されているというように、私はその点は思うんです。
 それで、ちょっと見方を変えますが、10ページのところで「学校の役割と家庭・地域・社会の役割」という部分がございまして、中教審のいろいろな場面で指摘されているような家庭や地域・社会の問題点というのがかなり踏み込んで語られていると思います。それに対応する形での、これは教育課程の問題ですから難しいというのはよくよくわかりますが、相当重要な問題を指摘しておられるわけですけれども、それに対する対応策という形での記述がなされていない。難しいことは重々わかりますが、例えば22ページの「社会の変化への対応」の部分とか、それから40ページの「総合的な学習の時間の改善」というような部分、こういうところで少し踏み込めないものかなと、そんな感想を持ちました。意見でございます。

【木村分科会長】
 わかりました。ありがとうございました。ご意見として伺っておきます。
 今、大橋委員がお着きになりましたので、これで分科会が成立ということになります。ありがとうございました。
 それでは、渡久山さん。

【渡久山委員】
 よく整理されてきたと思うんです。そこで言葉遣いだけ訂正していただきたい、検討していただきたいというのは、3ページの教育の目的というのがあります。それが2点であるというようにしているんですね。しかし、23ページで、教育の目的の内容について随分触れていますが、それから考えると、2点というような言い方をあえてしなくてもいいんじゃないだろうかという気がいたします。
 それから、義務教育答申とありますけれども、ほかの人が読むと、その答申は何だったんだろうと見ますから、このことについては10月26日の答申を指しているわけでしょう。ですから、それはそのようにしてきちっと出したらどうかなという気がいたします。
 それから、意見ですけれども、1つは、総合的な学習の時間、非常にそれについて支援策ということが大きく記述されていますね。僕は非常にいいことだと思います。ぜひともそれを具体化していただきたいと思います。現場の総合的な学習の時間を設定するのに、現場教師は非常に多忙だけではなくて、いろいろな面で問題点もありますので、これはここに書かれているようにぜひともお願いしたいというのが1つです。
 それからもう一つは、授業時数のことについて、45ページからずっとあります。その中に、45ページの一番下のほうに、授業時数の見直しのほうで、量的な側面、あるいは効果的な学習方法、あるいはそういうことを含めて弾力的な運用をするという形で、これはずっと50ページにも、実施のプロセスの段階で、やっぱり現場で非常に柔軟で弾力的にというような、現場主義という感じが出ていますから、これは僕は非常にいいことだと思うんです。そういう形で、やはり今、日本の教育の中でいつも指摘されているのは、学習指導要領は非常にうまくできているけれども、到達度との乖離があると。ということは、乖離の中身は何かというと、やっぱりこのDoの部分が十分にできていない。ですから、授業工夫等を含めて、学習の方法等を含めて、ここにもっと条件整備等も含めて、ぜひともここに書かれているようなことが生きるようにお願いしたいというのが1つです。
 もう一つは、55ページから56ページにかけてですが、これは全国の学力調査の関係であります。これは56ページの、先ほど課長からも説明がありましたように、やはり学校間の序列化とか、あるいは過度な競争とかにならないように十分配慮が必要だという記述がございますけれども、ぜひともそういうことも工夫していただいて、梶田先生もいらっしゃいますけれども、専門家会議のほうでも十分配慮していただきたいと思います。かつてちょっと研究集会がございまして、私も行ったのですが、現場の不安というのがその辺に非常にあるわけです。それと同時に、都道府県あるいは市町村がテストをしていますけれども、悉皆調査がわりと多いんですね。それとの兼ね合いで、子どもたちの負担にならないようなこともぜひ配慮いただきたいなと思いますので、この辺を指摘しておきたいと思います。
 それから次に、57ページに、教育行政、国、都道府県、市町村による条件整備の充実というのがございますが、僕はこれは非常に大事なことだと思います。ですから、例えば学校の定数法も今年で完結するわけですけれども、新しい定数法をなかなかつくれない。これはもう財政的な問題がネックなのですが、それでいいだろうかということです。やはりいつまでも日本の学校は40人という、法的に40人クラスをいつまで、何年間続けていくのかということは、僕は非常に大事な課題だと思います。そういう意味では、この教育行政による教育条件整備というものについては、今後も十分配慮していただいて、配慮どころかこれについては充実を図ってもらいたい。ここに記述がございますけれども、ぜひともそのようにお願いしたいと思います。それによって初めて現場主義という、この答申の内容がますます生きてくるのではないかという気がいたします。
 以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 ほかにございませんでしょうか。どうぞ、野村先生。

【野村委員】
 かつてこの分科会で、義務教育特別部会が設定される前に義務教育について議論した時、履修主義か修得主義かということが議論になりました。私は修得主義的な考え方について強調したわけですけれども、学習指導要領における到達目標の明確化など、修得主義的な考え方がこの審議経過報告の中に入っているということ、この前、資料を送っていただいて、そして今また今日、ご説明をいただきまして、それが具体化されておりまして、ありがとうございました。
 そこで二、三、意見なり、これはどうだろうかという点について述べてみたいと思います。自尊感情が国際的に乏しいとか、自律心の欠如ということについて各箇所で触れられておりますけれども、戦争中は全体主義、滅私奉公ということで来たものですから、戦後は個の人格の確立ということが中心に据えられて、国家社会の形成者ということを謳いながら、どちらかと言うと個に重点を置き過ぎた傾向が教育にあった。そのため、他者のために生きるということが不足しているのではないだろうか。だから、人に迷惑をかけなければ何をやってもいいというような子どもの思考様式が出てきた。個の人格の確立ということと国家社会の形成者ということを2本立てで考えるのではなくて、それは自己実現することは他者とかかわってはじめて実現していくわけであり、他方社会の形成者として社会を発展させることは、自分を生きることを通してなされていくと思うのです。この文言を見ますと、何か2本柱のような感じがするんです。それは統一されていくべきではないだろうかと思うのです。
 そういう点で、全体主義、復古主義ではなく、他者のために生きるという、我々日本人だけでなしに、国際社会を生きる国際人として今、自分を生きる中で、もっと言えばまだ見ぬ未来の人たちのためにも自分を生きることが大切で、個を確立するためにみんなと仲良くするという協調性が主張されるのではなくて、他者を生かすことによって自己を生きるということが、この中に謳われなければならないのではないかと思います。
 それから、習得型と探究型の総合化の問題が出ております。このことについても総合化というのは非常に重要なことで、ぜひ習得した、自分の知識、経験を総動員して問題解決をする、そのことを通して課題探究能力を育成していくという、まさに総合化ですが、そのことを強力に推進してほしいと思います。今、学生や子どもたちに出会って思うのは、関係的思考が非常に欠如している、複眼的思考が欠如しているということです。そういうことからすると、総合化・統合化の問題は重要でますます積極的に推進してほしいと思います。
 もう一つは、今の子どもたちは仮想現実を生きている、バーチャルリアリティーの中で生きている。そういう子どもの現状を見たときに授業の進め方について思うのです。私もときどき小学校に行って授業をしたりしているんですけれども、授業の中に子どもたちのその生をたぐり寄せながら、授業を進めていく。その場合、仮想現実を生きている子どもの生を再構成し、真の生きた生と絡ませてどのように組織化して、授業を進めていくかという方法論の問題です。その教育方法論がまだ確立されていないのではないだろうか。そういう点はやはり1つの課題として、我々教育方法学者の課題として、持っておく必要があるのではないだろうかと思います。
 それから、基礎・基本の定着のことですけれども、学校というのはどちらかというと理解をさせて、習熟、定着は、かつては家庭がやってくれたわけです。学校の授業では時間的に制約があるものですから、理解させることに精一杯で、学校で習熟、定着までさせるということは非常に難しい。かつては家庭教育の中で繰り返して反復練習をやらせたわけですけれども、今はその家庭の教育が習熟、定着の機能を失ってしまっている。学力の発達には、学校で理解させ、家庭で習熟、定着させて、その上にまた次の授業の中で新しい理解をさせるという積み上げをしていかなければならないわけですけれども、家庭と学校とのサイクルが壊れてしまっている中で、学校教育の中で理解させ、習熟、定着させるということが要求される。限られた時間の中で、どんな形でやればいいのかという、この方法論も今、新しい教育方法論として確立していかなければならない。私も教育方法学者の一人として、そういうことを自分の問題として、仮想現実の問題と合わせて受けとめているわけです。
 それから、渡久山委員さんもおっしゃいましたけれども、今、学校は非常に多忙化している中での研修の在り方の問題です。学習指導要領が出る、あるいは総合的学習の時間が設定される今度のように義務教育の答申が出てくる、今、提起されている報告書が出てくる。それに対する対応の仕方です。現場におりていったときに、この具体的な答申や学習指導要領の趣旨が、どれぐらい正確に一人一人の先生方の中に入り込んでいるのかということの問題です。これまでも指導か支援かで、あれかこれかという二者択一的で、実は指導すべきものも指導せずに、支援、支援として子どもの恣意性に引きずりまわされて教育現場が混乱した部分があったということを、分科会で述べましたけれども、そのように、現場の受け取り方の中に、答申とは外れた理解をしたために、学力の定着がなされないところもあった。総合的学習の時間の場合も県や学校によって、教員個々によって、理解に随分バラツキがありました。
 それは、1つは、校内研修の中で、新しく出た学習指導要領をどう受けとめるか、今度の答申をどのように受けとめるかということについて、先生たちが校長を中心にしながら学習会をして疑問点に対しては指導主事を呼んで答えさせるというやり方をしてはどうでしょうか。そういう方法をとらないと、どんなに答申や報告書が出ても、先生たちが答申とは違った理解をされたのでは、どんなすばらしい報告書が出ても問題です。
 現実には、全国からの指導主事を呼び集めて、教科調査官が説明する。それを十分理解した上で指導主事が帰っていって、各現場におろせばいいけれども、人間というのはバイアスをかけて理解するわけですから、そこで正しい理解ができない。指導主事は自分なりに解釈して、県下の教員を集めて現場に下す。現場の教員は個々人で自分なりに解釈して指導をする。やはり校内研修の中で徹底的にそれをやるべきではないだろうかと思います。ところが、学校は非常に多忙化している。そうした中で、学校も多忙化をどのように克服するか、克服しながら校内研修の在り方を追求していかなければならないだろうと思います。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 では、河邉委員、それから梶田先生と、今井さんもお手が挙がりましたか。その辺で、後の議事の進行の関係もありますので、切りたいと思います。よろしくお願いいたします。

【河邉委員】
 1つのページの中に幼児教育という文言と幼稚園教育という文言が同時に出てきまして、多分お読みになった国民の方は混乱なさるかと思うんですけれども、私は、幼児教育と幼稚園教育を併記して、きちんと使い分けてくださっていて、ありがたく思いますし共感しています。
 年齢の低い段階では、大人との一対一の信頼関係がとても重要で、それが中心の生活になっています。幼児教育といったときには、生まれた瞬間から就学前までの長い教育期間を言いますので、その前半の段階はやはり養育が中心になるだろう。その後の3、4、5歳、即ち現在、幼稚園教育要領でカバーしている部分は、しっかりと遊びを中心とした学習が展開されているわけですので、小学校との接続を考えたときには、幼稚園教育の理念とか、必要な教育環境でありますとか、保育者の資質の向上のための研修等の面ではしっかりと堅持して、学校教育法に基づいた幼稚園教育の理念は堅持していっていただきたいと思います。
 これから総合施設が普及して、幼児教育の施設の在り方が大きく変わっていく中ですので、ぜひ長い教育段階の中で、年齢によって必要な教育の質が異なる中での幼稚園教育の重要性というのはますます必要になってくると思いますので、そこはしっかり押さえていっていただきたいなと感じました。
 以上です。

【木村分科会長】
 では、今井さん、どうぞ。

【今井委員】
 現場の教師としては、例えば53ページの真ん中にある「事務的な調査資料等の量が増加しているとの指摘」とか、一番最後に「事務負担の軽減などについて速やかに対応することが求められる」等、このペーパーの中に非常に現場の事務的な仕事量を軽減する方向で考えていただいているということで、本当に感謝を申し上げております。
 一方で、授業時間の問題が出てきていますが、これはとうとう来たかという感じで、私としては、個人的には増やす方向で考えていくことが基本的に賛成ですが、その一方で、内容の整理がとてももっと重要な問題ではないかと思っています。要するに何を盛り込むのか、言い方を変えれば何を捨てるのかということは、現場の教師にとって、やりがいにつながるというか、非常に現場での実践に直接つながる内容でございますので、ぜひ専門の先生方でご検討していただければありがたいと思っております。
 最後です。授業を単純に増やせばいいという問題ではなくて、例えば放課後の活動というのは、生徒は確保しなければいけないと思っております。例えば特別活動とか、部活動とか。あまりにも遅くなれば、暗くなって、安全の面のリスクも背負うことになると思います。限られた時間の中で、我々がすべての最大の力を発揮できるような教育課程を、ぜひ中央の先生方のアイデアで編成していただければありがたいと思っています。よろしくお願いします。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 では、梶田先生。

【梶田副分科会長】
 審議経過報告ですから、皆さん、まだまだおっしゃりたいことはいっぱいあるだろうと思うんです。例えば私も教育課程部会の議論に参加していて、ここまで何とか方向づけをしていただいたなということで、私自身は、私もメンバーとしては自画自賛になってはいけなんですけれども、まあまあ方向が出たかなということで、問題は次の段階の具体化の議論を、例えば今、おっしゃっていただきましたが、何を捨てるかはこれには出ていないです。何を入れるかはいっぱい出ているけれども。というようなことをやらなきゃいけないのかなということを思いました。ですから、これで次のステップだということで、私たちは受けとめなきゃいけないのかなと思っております。
 具体的なことを2点だけコメントしたいのですが、1つは、先ほど渡久山先生におっしゃっていただきました学力調査の問題、これは去年10月16日の義務教育答申のいわば柱になっていることで、実は今日午前中もこのための専門家会議があったんですけれども、これで皆さんで繰り返し、お互い確認し合った点があるんです。これはどういうことかというと、やっぱり国が示すのはミニマムエッセンシャルだと、最小限、最低限のことだと。それ以上のことは、町が考えるとか、学校が考えるとか、先生が考えるということなので、だから、その最小限、最低限を国が例えば指導要領で示す。その最小限、最低限のものがきちっと身についているかどうかということだけ、そこに絞って学力調査をするんだと。そのいわば限定された意味ということを、やはり結果の公表のときも考えなきゃいけないということが出ております。これは私、国が学力調査をすると、何かトータルにその子の学力が、育ちがみたいになるけどそうではないんだと、ミニマムエッセンシャルにかかる部分だけなんだという、そのことが1つあります。
 同時に、ではあっても、先ほどご指摘のように、序列化とか格付とかにならないようにするにはどうしたらいいか。だから、今はまだ、4月になったら一応の報告を出すことになっていますから、これも多様な議論がありますから、どのようにまとまっていくかわかりませんが、皆さん、少なくとも、例えば1つのスコアが出て、平均点なり何なりが出て、それで都道府県が序列化されたり、市町村が序列化されて、学校が序列化されたりというのは絶対いけないというところでは一致しております。ですから、複数のあれが出るとか、スコアではなくて、今日も出ておりましたけれども、最小限のところを、クライテリアをつくって、そこをクリアしたものが何パーセントという形で出すとか、あるいは最小限とその上にあわよくばの線をつくって、SレベルとAレベルと、Aレベルを超えたものは何パーセント、Sレベルが何パーセントと出すとか、あるいはそういうものとあわせて伸びを出す、これはイギリスでやっておられますね。つまりこの学校は前に比べてこのぐらい伸びたというのを出すとか、あるいは、学校についても、いいところだけをエピソード的に発表したりして、やっぱり都道府県だけにとどめるべきじゃないかとか、そのような議論が今、出ておりますので、渡久山先生だけではなくて、多くの人がこれを心配していると思うんです。新しい序列化、学校とか、市町村とか、都道府県の序列化にならないようにということは今、みんなで頭に置いて最後を考えております。このことを一つお伝えしたいと思います。
 もう一つが、先ほど野村先生から出た話ですけれども、野村先生のお話は99パーセント、私は大賛成であります。ただ、ちょっと3ページの上のほうの、教育の目的は、人格形成と国家・社会の形成者の2本立てで書いているということ。私は、この言い方は若干賛成・反対があるかもしれませんが、やっぱりある意味では2本立てで書かなきゃいけないのかなと思っているんです。それをちょっとだけ私の考えをコメントさせてもらいます。
 というのは、今まで、特に明治以降の日本の学校教育は、国家とか社会の形成者ということばかりが強調されたように私は思うんです。それは確かに大事なことなんです。これは大事なことなんだけれども、そうすると、子どもはあくまでもどう教育するかという対象になっちゃうんですね。児童の権利条約で言われたように、子どもは主人公という面があるわけです。このことを考えていくと、自分の人生ということを子どもに考えさせて、世の中とか社会に本当に形成者として、あるいは構成者としてかかわっている、参画しているときだけではなくて、お互いにもうすぐ世の中からお呼びがかからなくなるんですよ、でも生きていかなきゃいけないわけです。私もいずれ寝たきりになると思っているわけですけれども、寝たきりになったときにでも胸をわくわくさせて、目をきらきら、あるいはぎらぎらさせながら生きていくには、やっぱり小さいときからの人生というものについての、自分が生きていくということについての覚悟と、やっぱり考えるということが必要なんですよ。読書などは必要不可欠です。これが私は、人格の形成者と言わざるを得ない一つのポイントだと思うんです。
 ですから、社会との関係で磨かれていく人格もありますけれども、もちろん社会との具体的なかかわり抜きでは言えないわけですけれども、社会の形成者、国家の形成者という視点以外の、一人の人間として生まれてから死ぬまでをよく生きるという、自分の人生を自分で全うするということを気づかせるという、これは教育の中でとても大事なことだし、そのための覚悟と力をつけさせる、これを忘れたら私は教育ではないと思う。繰り返しますが、やっぱり児童の権利条約などで言われている、子どもを本当に主人公にさせるというのはそういうことだろうと。子どもに何でもかんでも物を言わせるということではないんですよ。生きていく上での主体にさせることであるということですので、別に多分、野村先生のお考えと食い違ってはいないと思いますけど、表現だけの点で、私だったらこの2つは残しておかないといけないのかなと思いましたので申し上げておきます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 では最後に、大橋委員、お願いします。

【大橋委員】
 本日おくれて参りまして申しわけございません。私は、1つ、学ぶ目的とか、学習する目的といったものを、どう子どもに持たすのかというのが大変重要なファクターであると今、感じております。それと、学習を支える要素というものはどんな要素があるんだろうということです。このあたりを今後、もう少し論議をしていかなきゃいけないのかなというような感じを持っております。
 2点目でありますが、この学力調査の件は今、教育課程部会のときにも申し上げましたけれども、区でやっていたり、市でやっていたり、県でやっていたりというように、大変それぞれのセクションで学力調査が行われております。それに加えて国がやるということになりますと、大変それぞれ違った学力調査の目的で行われていて、やはり学力に対してのとらえ方がそれぞれの調査によって違ってきては、同じ学習指導要領で学習をしているわけでありますから、まずいだろうなと思っております。したがいまして、国が学力調査をやれば、やはりそれぞれのセクションもそちらのほうに収れんしていくような方向が望ましいのではないかということを常々考えておりますので、ぜひそういった方向に行けばいいなと思っております。
 3点目でありますが、今まで、審議経過報告でございますので、やや学習指導といいましょうか、学力問題にかかわった内容が、この審議経過報告の中には多く盛り込まれていると思います。やはり心の問題とか、あるいは体の問題といったことも、これはやはり大きな課題でありますので、これからの審議を待ちたいなと思っております。
 以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 まだご意見も多々あろうかと思いますが、時間の関係もございますので、これで切らせていただきます。
 冒頭申し上げましたように、これは審議経過報告でありまして、先ほど課長からもお話がありましたが、これをパブリックコメントにかけるというような手続も今からやる予定でございます。既に先ほど外国語専門部会の提案についてご紹介がございましたが、各専門部会でも相当活発な議論がなされております。今後はこれをもとにさらに専門部会での議論を深めて頂くと同時に、教育課程部会そのものでも議論を深めていく土台にしたいと考えております。初中分科会だけの所属の委員の方は後程ご覧いただきまして、こういうところはおかしい、こういうことを考えるべきではないかということがございましたら、ぜひ事務局までご意見をお寄せいただきたいと思います。
 それでは、この件につきましては以上とさせていただきまして、次の議題に移ります。今後の検討事項についてでございます。
 本日は、昨年2月に発足いたしました第3期の初中分科会が、実質的に新たなスタートを切る日ということになります。そこで今後、我々として、どのような事項を検討し、結論を出していくのかということについて、少しお考えいただきたいと思います。
 これまでの経緯を簡単に振り返っておきたいと存じます。中教審は、平成15年5月に、「初等中等教育の教育課程及び指導の充実・改善方策について」と「義務教育など学校教育にかかわる諸制度の在り方について」、いわゆる包括的な諮問といわれておりますが、これを受けました第2期の初中分科会においては、このうち義務教育の目的、目標や就学の時期、義務教育の年限といったテーマについて検討してまいりました。これにつきましては、ご承知かと思いますが、平成16年1月に、審議のまとめ、「義務教育に係る諸制度の在り方について」として取りまとめられております。その後、義務教育特別部会で義務教育全般にわたる審議が行われ、昨年10月26日の答申、「新しい時代の義務教育を創造する」が取りまとめられました。この全体的な内容はもうお読みいただいているかと思いますし、昨年10月に開催されましたこの分科会でもご報告申し上げました。
 今後、私といたしましては、初中分科会において、この「審議のまとめ」や答申の中で引き続き検討を求められている課題等を中心に検討を進めていきたいと考えております。そのような事項を整理したのが資料2ですが、ご議論、ご意見をいただきます前に、今後の検討課題(案)及びその大まかなスケジュールについて、前川初等中等教育企画課長から説明をお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

【前川初等中等教育企画課長】
 それでは、ご説明申し上げます。
 資料2でございますが、1枚目は今、分科会長からお話がございましたように、今後の当面の検討事項について、分科会長ともご相談の上、整理したというものでございます。その背景事情については、今からご説明するわけでございますけれども、2枚目から4枚目にかけまして、これは昨年10月26日の「新しい時代の義務教育を創造する」という中教審答申の抜き刷りでございます。ここに今後さらに検討する必要がある事項についての言及がございます。
 それから、一番最後の1枚は、そもそもの、現在の初等中等教育分科会における議論のもとになっております包括的諮問の関係部分を抜き出したものでございます。包括的諮問の、そのまたさらに文部科学大臣諮問理由説明のところでございます。これらをご参考いただきながら、また、適宜別の資料もご覧いただきながら説明したいと思います。
 まず、最初の1枚目に戻っていただきまして、今後、当面の検討課題として取り上げていただく案としてここに示してございますのは、1点目が義務教育及び高校教育、場合によっては高等教育も含めてということでございますが、その目標の明確化について。2点目としましては、義務教育を中心とする学校種間の連携・接続の在り方について。3点目といたしましては、学校外の教育施設での学修を就学義務の履行とみなすことができる仕組み等について。その他といたしまして、その他というのはいろいろあり得るわけでございますけれども、それについてはまた後ほどお話し申し上げたいと思います。
 2ページ目にございますのが、今申し上げた1点目の義務教育ないし高等学校を含めた学校教育の目標の明確化についての、10月の中教審答申の関係部分でございます。1ページの一番下のところを見ていただきますと、「国際的に質の高い教育の実現のためには、義務教育の目的に照らし、今日のグローバル社会、生涯学習社会において、義務教育段階の学校教育で具体的にどのような資質能力を育成することが求められるのかを明らかにすること、すなわち、義務教育の到達目標を明確化することが必要である。このため、義務教育9年間を見通した目標の明確化を図り、明らかにする必要がある。その内容としては、一人一人の子どもたちの個性や能力を伸ばし、生涯にわたってたくましく生きていく基礎を培うとともに、国家・社会の形成者として必要な資質能力を養うということを基本に据え、今後、教育基本法の改正の動向にも留意しながら、さらに検討を進める必要がある」、このような記述になっておりまして、この10月の答申では、義務教育9年間を見通した目標の明確化と、これを今後さらに検討を進める課題であると位置づけておりますが、その際には教育基本法の改正の動向にも留意しながらという留保条件がついている。これをご留意いただきたいと思っております。
 次のページを見ていただきますと、義務教育を中心とする学校種間の連携・接続の在り方について、10月答申の関係部分でございます。その下線の部分でございますが、「設置者の判断で9年制の義務教育学校を設置することの可能性やカリキュラム区分の弾力化など、学校種間の連携・接続を改善するための仕組みについて種々の観点に配慮しつつ十分に検討する必要がある」。ここで言われておりますのは、設置者の判断による9年制の義務教育の学校を設置することの可能性、あるいはカリキュラム区分の弾力化といったことを含めた学校種間の連携・接続の改善、これが引き続き検討する課題として示されているわけでございます。
 それから、その下でございますけれども、学校外の教育施設での学修を就学義務の履行とみなすことができる仕組み等について。これも10月答申の下線部分でございます。「不登校等の児童生徒について、一定の要件のもとで、フリースクールなど学校外の教育施設での学修を就学義務の履行とみなすことのできる仕組み等について検討することも求められる」、このように記述されております。
 もう一枚めくっていただきますと、その他の課題について、10月の答申でその他の課題で触れられているものがここにございます。「このほか、幼稚園や高等学校を義務教育の対象とするなど義務教育の年限を延長すべきとの意見、義務教育への就学年齢を引き下げ5歳児からの就学とすべきとの意見なども出されたが、これらについては、学校教育制度全体の在り方との関係など慎重に検討すべき点があること、義務教育に関する意識調査の結果では、これらの事項について賛成する割合が全体として低かったことなども踏まえ、今後引き続き検討する必要がある」、このように言われております。
 改めまして、先ほど分科会長からもお話がございました、15年5月の、そもそもの文部科学大臣の包括諮問の内容についても確認させていただきたいと思います。もともとこの諮問につきましては、お手元のファイルの中の8番という番号を振ってございます資料が包括諮問の全体でございます。必要に応じてこれをご参照いただきたいと思いますが、最も関係の深い部分は資料2の一番最後のページに抜き刷りしてございます。
 平成15年5月15日の諮問は、「今後の初等中等教育改革の推進方策について」という包括的な諮問でございました。具体的に検討していただく事項として2つございまして、1つが、教育課程の指導の充実や改善方策の問題、2番目として、「義務教育など学校教育に係る諸制度の在り方について」という非常に幅広いテーマ設定がされていたわけでございます。その諮問理由説明の中で、ここにございますように、具体的に、1つには、義務教育の今日的な意義・目的についてご議論いただきたいということ。それを踏まえて、具体的には就学の機会や就学時期の弾力化等義務教育の就学に関する制度の在り方、もう一つ、多様な学校間連携の在り方、こういった課題について特にご検討願いたいということを求めたわけでございます。
 この包括的な諮問のもとで、初等中等教育分科会ではご議論を進めてくださっておりました。平成17年1月にお取りまとめいただきましたのが、机上のファイルの11番のところにございます「義務教育に係る諸制度の在り方について(初等中等教育分科会の審議のまとめ)平成17年1月」というものでございます。初等中等教育分科会は、そもそもの自らのスケジュールに沿って、義務教育に係る諸制度の在り方についての議論を進めていただいていたわけでございますけれども、この1月の時点でどうしてこのまとめがされたかということですが、これは、義務教育に関して特別部会を設けて、2月からその特別部会で議論をしていただくという形になったために、初等中等教育分科会はこの時点で一旦開店休業の事態になったわけでございまして、ここで「審議のまとめ」としてまとめていただいた事項の中で、義務教育特別部会でさらに引き継いでご議論いただいたことがたくさんございまして、そこで一定の結論を出していただいたものもあったわけでございます。そこでの積み残しといいますか、さらに検討すべき事項として残ったものが今、資料2の中でご説明した事項でございました。
 そこで平成17年1月の時点に一度戻っていただきまして、平成17年1月の時点で、分科会においてどのようなところまでご議論いただいていたかということを簡単に振り返っておきたいと思うわけでございます。この「審議のまとめ」を3枚めくっていただきますと、2ページから本文がございますけれども、5ページまでが「我が国の義務教育制度をめぐる課題」という記述でございます。
 この中では、児童生徒の発達や意識の変化、家庭や地域社会の変化等の中で、義務教育段階の学校教育にさまざまな課題があるということ、その課題に対応して、よりよい義務教育を実現していくためには、義務教育の目的・目標を改めて明確にし、具体的に必要な方策について検討する必要があるということ。その前提として、教育を受ける権利の保障のために財政基盤の保障が不可欠である、そのようなことが指摘されております。
 それから、6ページから10ページにかけてが、義務教育の目的、目標についての記述でございます。このうち義務教育の目標に関しましては、ここでも教育基本法の改正の視点を十分に踏まえることが必要だとされた上で、義務教育の到達目標を明確化すべきであるというご指摘、さらにその際、現行の学校教育法の規定よりも具体的な規定とすべきであるとのご指摘がございました。
 さらに11ページから20ページにかけては、義務教育制度の改革の方向ということで、かなり突っ込んだご議論をいただいたわけでございます。この義務教育制度の改革の方向をご議論いただいた際には、先ほど野村先生からもお話がございましたけれども、義務教育の修了についてどう考えるかという考え方についてのさまざまなご意見がございました。ここでは、義務教育における修了の認定とか評価といった問題につきまして、児童生徒に学力を保障するためにはどのような制度が望ましいかという観点から、いわゆる「課程主義」ないし「修得主義」に立つのか、あるいは「年齢主義」ないしは「履修主義」に立つのかというご議論があったわけでございます。
 このうち課程主義あるいは修得主義といった考え方を重視するお立場からは、今後は修得主義を確立すべきであって、一定の年限の中で修得すればよいというご意見、あるいは十分な学力保障をされずに卒業しているという現状を考えた場合に、修得主義についてもっと関心を持つべきであるというようなご意見がございました。
 これに対しまして、年齢主義ないしは履修主義を前提としながら修得主義的な指導を重視するということもあっていいのではないかと。むしろ年齢主義・履修主義を前提とする立場からのご意見もあったわけでございます。例えば最低限必要な部分については修得主義的に扱うことが必要であるけれども、その場合も、個々の子どもの修得状況に照らして、落第させるというのではなくて、学校の指導内容や状況を見直し、改善を求めるという方向に向かうべきではないかというご意見。また、我が国のこれまでの学校教育が基本的には履修主義であって、修得主義を強引に持ち込むことには無理がある。履修主義にも意味があるということを自信を持って説明する必要があるというようなご意見。このようなご意見がございました。その辺、かなり突っ込んだご議論がございましたので、それをまとめの11ページから13ページのあたりまでに書き込んであるわけでございます。
 次に14ページのところですけれども、就学の時期についてのご意見がございました。これにつきましては、就学年齢を引き下げるべきだというご意見、就学年齢の弾力化が望ましいというご意見、現行制度の維持が望ましいというご意見。大きくその3つに大別されると考えられます。
 就学年齢を引き下げるべきというご意見に関しましては、5歳児からの就学として5・5制とすることを考えるべきであるというようなご意見とか、あるいは幼児教育の内容を義務化すべきだというようなご意見もございました。
 それから、就学年齢の弾力化が望ましいというご意見に関しましては、例えば現行の就学年齢を原則にした上で、プラスマイナス1歳の幅で保護者の選択の余地が入るようにしたらどうかというようなご意見、あるいは、一律に受け入れるのは学校にとっても負担であるので、親の判断だけではなく、専門家からの意見も聞くべきであるというようなご意見がございました。
 現行制度の維持が望ましいというご意見に関しましては、能力差はあっても、同年齢の中で社会性を身につけるということが学校にとっては必要だというようなご意見。あるいは、あまり早くから知的学習を進めると、子どもが学びに疲れてしまうのではないかといったご意見があったわけでございます。
 それから、15ページの下のところからは義務教育の年限についてのご意見でございますが、これにつきましては、一定の期間を定めて、その中で9年間就学させるということにすればいいではないかというご意見、あるいは、義務教育の年限を延長すべきであるというご意見、それから現行制度の維持が望ましいというご意見、このようなご意見がございました。
 一定の期間を定めて、その中で9年間就学させるべきであるというご意見。例えば5歳から15歳までの10年間のうちに9年間を就学期間とし、いつ就学するかというようなことについては、保護者の希望が反映されるような柔軟性を持たせるのがいいのではないかというような意見がございました。
 義務教育の年限を延長すべきであるというご意見に関しましては、高等学校教育まで全員入学制、あるいは授業料を無償とすべきというご意見。あるいは5歳児からの就学として5・5制とすべきではないかというご意見などがあったわけでございます。
 現行制度の維持が望ましいというご意見に関しましては、中学校を卒業して社会に出るパターンが存在してもいいのではないか。また、教育には一定の受益者負担の歯どめが必要であって、高等学校まで無償にする必要はないのではないかというようなご意見もあったわけでございます。
 16ページ以降、学校の区分、学校間の連携につきましては、まず4-5制が望ましいというご意見。これに対しましては、5年生、6年生が低学年の面倒を見る機会が減るということで問題があるのではないかというようなご意見もございました。学校間の連携・接続に関しましては、現行の学校体系の枠組みの中で、幼小連携や小中連携といった実践を進めるべきである、こういったご意見がございました。
 最後に、その他の課題ということで、19ページから20ページにかけてございますのが、先ほどの当面の検討課題の中にもございました「就学義務」に関する問題でございます。義務教育を就学義務だけではなく、教育義務の観点からも検討すべきというご意見。あるいは、一定の条件つきでフリースクールでの就学機会や、インターナショナルスクールなどでの就学を可とすべきだが、副作用や弊害に配慮することが必要であるというようなご意見。義務教育機関としての学校の機能を問い直すべきであり、それなしに不登校児童生徒を学校に戻すための教育支援センターを設置するだけでは根本的な解決にはならないというようなご意見などがあったわけでございます。
 こういった17年1月のまとめも踏まえまして、今後のご検討をお願いしたいと思っている次第でございます。
 それから、今後のスケジュールの問題につきましては、色刷りのペーパーで、資料3「義務教育の構造改革スケジュール」がございます。これは10月答申にございました義務教育の構造改革の各論点について、今後の文部科学省における取り組みのスケジュールを示したものでございます。今、ご議論いただきたいと考えております問題につきましては、2ページの一番上の「義務教育の使命の明確化と制度の弾力化」という課題でございますけれども、目標の明確化、制度の弾力化、これらの課題につきまして、ただいま私どもで考えているスケジュールといたしましては、平成18年度に初等中等教育分科会でご議論をいただきたい。その上で、平成19年度を目途に、結論の得られた事項について制度改正をしていきたい、このように考えているところでございます。
 私からの説明は以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 お聞きいただきましたように、資料のお手元のファイルの中の11が出ましたのが17年1月でございます。これはいわば、審議のまとめということで、その後、本来ですと、さらに議論を深めて答申を出すということになるのですが、ご承知のように、17年1月、16年度末に緊急事態が発生いたしまして、義務教育特別部会を構成せざるを得なくなりました。そのような事情から初中分科会での議論がいわばそこで終わったような形になっております。もちろんそのうちの幾つかについては義務教育特別部会で議論されましたが、初中分科会と義務教育特別部会で、積み残しになった課題、あるいは義務教育特別部会でご指示があったテーマ、それが資料2の3点でございます。
 初中分科会のメンバーは、ほとんどが同じ方ですが、1年たっておりますので、ご記憶をたぐらないとなかなか何をやったか思い出していただけないかということから、ただ今、前川企画課長からご説明いただいた次第です。
 そういうことで、今日は甚だ漠然とした問題提起で申しわけございませんけれども、この資料2の3つ、その他を含めて4つになっておりますが、一応3つとお考えいただいてよろしいかと思いますが、これについて、ご質問でも結構でございますし、これについてご意見でも結構でございますのでいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 どうぞ、加藤さん。

【加藤委員】
 前回、中断される前の議論からすれば、このことについて異議があるわけではないのですが、ただ、これに関して、今、ご説明があっただけの範囲でありますと、特別部会の中で相当これに絡めていろんな議論があったと思うんです。今すぐには全部、私は関連づけて申し上げられないんですけれども。このように幾つか構造改革スケジュールを出していただいているんですけれども、本当にこれだけだったのかなという気分もしないではなくて、そういう意味では、その他というところに何が入ってくるのかはわかりませんが、議論をしていく間に、幅広というと変ですが、少し振り返りながらやる必要があるのかなと少し感じました。優先課題として、目標の明確化と学校種間の連携があることはわかるんですけれども、それだけでいいのかという気持ちも少しあるということを一言お話ししておきたいと思います。
 それから、分科会長、先ほどの審議経過のところで、いつ発言しようかと、中身のことではないものですから、機会を失っちゃったんですけれども。1つお願いしたいのは、実はこれは公開でやっていたからしようがないんですけれども、途中でいろいろマスコミの報道が行われて、その都度、我々は少し背景の解説などもいただいたんですけれども、国民の側からすると、私のところの組織でも、みんな、読んで、例えばゆとりの解釈の問題とか、それから英語教育とか、何か我々が話している内容と少し違うような報道もされていたと思うんです。これはこれからパブコメに出されるということだと思うのですが、いずれにしてもその辺の受けとめ方が誤解のないように、やっぱりちゃんとした正式なコメントといいますか、記者会見をされて、きちんとそれを統一されておくなり、何かないと、違うとらえ方をしている国民がかなりいるのではないかという懸念を私は持っているんです。その辺に少しご配慮をいただいたほうがよろしいのではないかと思いますので申し上げました。どこで発言したらいいかわからなかったので。ありがとうございました。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 その点に関しては私も大変苦慮しております。昔の話を持ち出して恐縮ですが、何年か前までは中央教育審議会というのはクローズの審議会でした。ですから、そこで議論されたことについては必ず、記者レクをさせていただいて、それに従って各マスコミが記事をお書きになるというスタイルを取っていました。そういうことで言いますと、我々としては力点をここに置いたんだというようなことがきちっと伝わり、そこをきちんと書いていただけたのですが、今は公開になっていますから、加藤委員がご指摘のとおり、各社それぞれによってとらえ方が違っています。従って、我々の議論のイメージと、国民に伝わるイメージが違ってきてしまう。記者レクをもう一度復活させることもなかなか難しい。その辺をどうしたらいいか、またお知恵をいただきたいと思います。確かにきちんとしたメッセージを伝える必要があろうとは思うのですが、なかなかいい方法がないということで困っております。
 では、渡久山さん、どうぞ。

【渡久山委員】
 1つは、高等学校の関係でございます。今、非常に高等学校は多様化しているし、議論がちょっと少なかったんです。ですから、これは、甲田先生もいらっしゃいますし、また木村分科会長も東京都の教育委員長でいらっしゃいますから、ぜひ東京都立の高等学校の現在の制度を含めて、ぜひともヒアリングを受けながら議論していただきたいなと思うんです。全国的には非常にいろいろなところがございますので、ぜひお願いしたいと思うのが1つです。
 それからもう一つは、やっぱり履修主義とありますが、いろいろありましたね。履修主義とありますが私は、野村先生と同じように修得主義がいいだろうと。なぜかというと、今は非常に安易に七五三がずっと流れていないだろうかという気がするんですね。ですから、やはりある程度、ショッキングなという言葉は悪いのですが、少しやって、授業研究等を含めて、真剣に子どもたちとかかわって、子どもたちの学力を保障していくというようなことを考えたときに、やっぱり修得主義ということを中心にして考えていかなければ、どうも今の日本の子どもたちの学力の向上というのは、そのままでいいという感じはしないのです。
 それから3つ目は、今、前川課長からありましたけれども、僕は5歳児入学で義務教育の延長というのを主張しているんです。前川課長も腹をくくってやったらいいと思うんですね。大体今、18の国は10年以上です。一番長いのが12年ぐらい義務教育をやっています。ですから、日本もこれぐらいの財政力があれば、やっぱり義務教育を大胆に延長すべきだと僕は思うんですね。46答申でも5歳児入学というのが大体出てきましたし、そういうことを考えてくると、やっぱり義務教育の延長ということを考えて、5歳児入学を考える。切り方はまた後で議論されたらいいじゃないかと思います。
 以上です。

【木村分科会長】
 課長が腹をくくってできるものなら、すぐやっちゃいますね。
 では、増田委員、どうぞ。

【増田委員】
 検討課題の中に含まれています不登校の児童生徒に対して、国がフリースクールなどの仕組みをつくっていくということに対しては、すごく賛成です。というのは、不登校になる児童や生徒さんたちというのは、いろんな原因があると思うんですけれども、やはり感受性が豊か過ぎてしまって学校に行けなくなってしまう。だけれども、国がこういう仕組みをつくらないと、ただおいでよ、おいでよと言う中では入り込めないと思うんです。国がきちんとこういう仕組みをつくっていくと、報道でもありましたように、変な宗教団体が出てきて、何かそういうところに行ってしまうということも起こらないと思いますので、こういう受け皿をしっかりとつくっていくということをこれから検討課題にしていくことはとてもいいことだと思いました。
 以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 では、角田委員。

【角田委員】
 非常に時代の変化の激しいということで、やむを得ないという部分があろうかと思いながら、やっぱり今回の学習指導要領が10年に発表されて、そして14年に実施したと同時にすぐに15年度には一部改訂を迫られた。4年を経過したと言われるんだけれども、現場からすると4年というのはそんなに長いスパンではない。やっと一つのことが定着し始めてくるのに、やはり3年、4年はかかるし、あるいは1年生に入学した子どもが6年を卒業するときにくるくる変わるようでは、これは学校としては非常に困るんだと思うし、実際に現場としてとまどいを感じていたわけです。今回、このようにして19年度に教育課程が答申されて、そしてそれに基づいて指導要領が出される。出ると、また多分いろんな批判が出てくるだろうと思うんです。
 私が何を言いたいかというと、一つやっぱり国としてというか、文部科学省として、あるいは中央教育審議会として、こういう答申を出したことについて、軸足をぶれないできちっと全うしてほしい。それがやっぱり現場主義というのであれば、とても大事なことなんだと思うんです。それを文科省は重々承知しながら、それができない状況にあったということなんだと思うんですけれども、やはりそのようにできない状況になってしまったということ自体が問題なんだと。これはそこのところをひとつ、ぜひこれからいろんなことが検討されるだろうと思いますけれども、やっぱり教育百年と言わないにしても、10年、あるいは30年一世代ということを見通した中でやっていかないと、これはなかなか定着もしないし、よくもならないのではないかということを感じます。
 そういう中で、先ほど前川課長から教育基本法の問題が出てきました。おそらく教育基本法が出て、これは中教審の答申が既に出ていますから、中教審としては政府の見解を待つしかないだろうと思いながら、この教育基本法が出て、その後、おそらく振興基本計画が数値目標化されて出てくる可能性があるだろうと思います。そういう数値目標化されたものと中教審の審議でのこととの整合性をどのようにとっていったらいいのかという問題も大きな問題なんです。結局、今年1月、正月のときに、義務教育の5歳児に就学するといった話も、文科省から出たのか、あるいは国から出てきたのかが定かではないような感じがする。これによって現場や国民は非常に混乱するわけなんです。
 ぜひ、これはなかなか難しいことだと思いますが、制度を変えるということについて、文部科学省の考え方と国の考え方が違うようなことがあってはならないだろうと私は思っているんですけれど、そういうことについて情報を十分提供していただきながら、今後審議を深めていかなければいけないのではないかなと思っていますので、なかなか文科省の諮問機関であるこういった中教審が、どこまで国ときちっとうまく連動できるのかわかりませんけれども、ぜひその辺のところを、十分お考えをお聞きいただいてといいましょうか、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 井上委員、どうぞ。それから、甲田委員。

【井上委員】
 初等中等教育分科会における当面の検討事項については、今までの経緯からこういう検討事項があるというご説明をいただいたわけでございますが、そういう点からいうと、この最初の義務教育(及び高等学校)の目標の明確化ということについては、現在、教育課程部会でそれぞれの学校の到達目標等について議論されているわけで、そういう議論を十分踏まえなければ、分科会としての審議が十分できないんじゃないかという点と、もう一つは、教育基本法について中教審は既に答申を出し、その改正が政府としての大きな課題となっているわけですが、教育基本法の改正が行われると、やはりここにある初等中等教育段階の学校の目標についても全く影響がないとは言えないわけでございまして、その帰趨を十分踏まえながら検討すべきじゃないかというようにも思われますので、この明確化というのは、義務教育特別部会で、昨年10月答申の中で、義務教育の目的、目標が既に答申として出されているわけで、そういうことからいって、今の段階で議論を進めるというのはかなり難しいような感じもしております。これについては、そのような状況を十分踏まえて議論すべきではないかと思っているわけです。
 それから、義務教育を中心とする学校間の連携・接続の在り方についても、先ほど教育課程部会における幼・小の連携、小1プロブレム(問題)を踏まえ、また、幼稚園と保育所の総合施設の発足を踏まえた、全体的な在り方の問題。それから、小・中の、やはり先ほど教育課程部会の報告の中にあるような、いろいろな課題を踏まえた連携の問題、あるいは中・高の連携の在り方、接続の在り方、こういう点を踏まえますと、やはり教育課程部会でもう少し議論を進めていただくのを見ながら、分科会でも議論したほうが効率的だし、そういう点では、全体に目配りをした審議が進むのではないかと考えておりまして、感想までに申し上げました。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 では、甲田委員、どうぞ。

【甲田委員】
 検討事項についてですが、目標の明確化に関して高等学校ということがありましたが、先ほどのまとめのほうにも出てきたんですけれども、目標に達しない子どもについては補充的な指導を従前に行うべきであるということで、中身がどうかはちょっとこれからだと思いますけれど、実態としては、義務教育を終えて受け取っている高等学校としては、相当なハイレベルの高等学校においても、例えば数学の計算力が非常に落ちている。ここのところ四、五年、年を追うごとに落ちてきている。それをどのように引っ張り上げていくかということに1年生のときからすごく精力を使っているという数学の教師たちの発言があります。そのほか、社会科でも地図の見方もわからない、県の名前もよくわからないというような子たちもいっぱいいるわけでございます。
 実は例えば東京都においては、この間、高校の入学試験がありましたね。その倍率等をご覧になって、一覧表に見ていると、208校ほどありますけど、わからないと思いますけれど、いわば旧ナンバースクール、名前を出すとあれですけれど、日比谷とか、国立とか、青山、戸山とか、武蔵といったところは、ほとんど2.何倍、あるいは3.何倍といくわけです。これは上位10校がほとんどそういう2.何倍かにいくわけです。ところが、どちらかというと成績の振るわない生徒を受け入れる学校という、いわゆるエンカレッジスクールとか、あるいは昼夜間高校、昼夜間定時制、こちらが同じく3倍いっているわけです。それが10校程度用意されている。そのほとんどが2.5倍から3倍、3.8倍とか、そういう様相を呈しているわけです。つまり両方、すごく高いところと、すごく低いところにぐっと集まっていて、あとは1.12倍とかのところがあるわけです。
 それを分析すると、果たして義務教育で、目標の明確化に関していうと、非常に考えるところが多いわけですね。それは今、東京都の公立学校の場合ですけれど、東京都の場合は私立がおよそ150ぐらいありますから、そこの上位のところがどんとかっさらっていっちゃう。県は県立がしっかりしていますので、また違った様相はあると思いますけれど、その辺を少し分析して、勘案していく必要があるかなと具体的に思います。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 では、どうぞ、衛藤先生。

【衛藤委員】
 目標を明確化するということは大変重要なことだと思いますけれども、この義務教育(及び高等学校)の目標の明確化という示し方について、若干違和感を感じます。なぜ「(及び高等学校)」が括弧で入っているのだろうかと、議論するときに大変明確に対象が特定しにくい。この背景というのはいろいろ法令等もあろうかとは思いますけれども、なぜ小学校から高等学校まで一貫した初等中等教育の目標の明確化というように示されないのだろうかという、ちょっとそういう感想を持ちましたので申しました。

【木村分科会長】
 それは、初めの諮問が義務教育ということになっていたからですね。ところが、この初等中等教育分科会の中でも、渡久山さんから高等学校の問題も相当大事じゃないかという発言が出てきましたので、括弧に入れたということです。私は、あまりそれにこだわらずに、今の衛藤先生のようなご解釈でよろしいかと思います。
 よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 私自身も実は非常に困っております。この3つ、その他に何が入るかは別として、3つの中で、井上委員におっしゃっていただいたのですが、1番目と2番目は周りの状況を考えないと議論ができないというところがあると思っています。今すぐには議論にかかれない。ということで、増田委員からご発言がありましたように、3番目あたりから議論を始めるのかなと思っています。今日頂いたご意見をもう一度反すうして、事務局と相談して、どういう形の議論をして行くかを決めさせていただきたいと思います。
 目標の明確化等については、先ほど加藤委員からもご発言がございましたが、特別部会のレポートの中に入っていることは入っているんですね。そういうところはやはり整理しないと、またゼロからスタートするのでは、時間の無駄だろうという気がしています。その辺を事務局と相談しながらやらせていただきたいと思います。
 それでは、若干時間が過ぎましたが、本日の議論は以上としたいと思います。
 今後の日程について、藤原企画官からご紹介をお願いしたいと思います。

【藤原企画官】
 次回の日程につきましては、3月31日、木曜日、15時から17時を予定しておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

【木村分科会長】
 ありがとうございました。
 それまでに少し今までのことを事務局と整理しておきますので、よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

―了―

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