ここからサイトの主なメニューです

初等中等教育分科会(第31回) 議事録

1.日時

平成16年11月26日(金曜日) 10時~13時

2.場所

如水会館 2階 オリオンルーム

3.議題

  1. 義務教育に係る諸制度の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

 鳥居会長、木村分科会長、國分副分科会長、小栗委員、田村委員、渡久山委員、中嶋委員、橋本委員
(臨時委員)
 市川委員、今井委員、河邉委員、高倉委員、永井委員、西嶋委員、野村委員、平出委員、藤崎委員、宮崎委員

文部科学省

 結城文部科学審議官、樋口初等中等教育局担当審議官、山中初等中等教育局担当審議官、森田初等中等教育局企画官、塩見教育制度改革室長、角田初等中等教育企画課課長補佐、その他関係官

オブザーバー

(意見発表者)
 無藤隆氏(白梅学園短期大学学長)

5.議事録

午前10時 開会

(○=委員、●=意見発表者、△=事務局)

(1)資料1に基づき、意見発表者の説明後、意見交換を行った。

委員 平出委員
 「1」の年齢段階のところで、先生は随所で個人差という言葉を使われて説明されたかと思います。年齢段階を再考しようというときに、個人差というのをあまり前面に出してしまいますと何も変わらないという印象を少し持つのですが、それについてどのようにお考えであるかということが1つです。
 もう1つは、「3」に関して、私学の幼稚園で非常に特徴のあるユニークな教育をしているところというのは幾つかあります。その中で、幼稚園段階で自由保育を徹底させるということで、担任が、子どもの自由を全面的に認めたいということで、クラスから出ていって砂場で遊ぼうがブランコに乗ろうが、2~3人であろうが、それはもうよしとしています。個性伸長という、自由、主体性育成という、そういう名のもとでやっていて、実はそれが今度小学校へ入ってくると、小学校で手に負えない子どもになってしまう、授業時間にちゃんと座ることができない子にしてしまっているのです。公立小学校の先生方は、ああいう幼稚園は非常に困るという問題を提起しています。あるいはオープンスクールの小学校を卒業した子が今度は中学校に入ると、中学校はそのオープンスクールの連続で行かないために、また中学校で非常に不適応を起こしてしまうというのです。特色ある幼稚園教育とか特色ある小学校教育というのが意外と連携できないために、そういう課題があって頭を悩ませているということがあるのですが、その辺についてどうお考えですか。

意見発表者 無藤意見発表者
 まず、個人差の問題ですけれども、私の考えですが、学校種間の区切り目というのは、平均的、典型的なところで区切ってよろしいと思っております。しかし、個人差があることは確かですので、それは2つのやり方で対応できると思います。1つは、カリキュラムや指導法の工夫の中で、そこにかなり幅を持たせるということです。もう4つは、今申し上げた連携ということでありまして、連携する中で緩やかに移行することで、ある程度個人差をそこで吸収できるのではないかということなのです。それが個人差についてであります。
 2番目は、自由保育の問題や、また一般に学校種が変わるときに大きくシステムが変わる問題なのですが、まさにご指摘のとおりの問題があり、連携が必要だということであります。それが1つです。もう1つは、幼稚園における自由保育といっても様々なタイプがありますので、先生のイメージされるものがどういうものかわかりませんが、少なくとも幼稚園教育要領である程度考えているところの、比較的子どもの自由を大事にする保育という場合には必ずクラスというものを単位としております。その中で、ある時間帯においては、子どもは、ある子は砂場、ある子は積み木とばらばらになりますが、また別の時間帯においてはクラスとしてまとめて、集合して、集団的な活動もするということが1つです。もう1つは、担任の先生が必ずおりまして、子どもがどこで遊ぼうと、ばらばらになろうと、常に担任の先生はそれらの子どもたちを回りながら、それらの子どもたちについて指導を行う、これが原則ですので、そういう意味ではクラスというものが単位だということは確かだと思います。
 また、それが小学校1年生等の学級の混乱をもたらしているという批判については、部分的には私はそういう面があると思いますが、現在、研究が進んだところで申し上げると、一番大きな理由は、特別支援教育で問題になっているような軽度発達障害のお子さんが1名、2名いる可能性が非常に高いので、それが最も大きな理由だろうというのが一つです。もう1つは、そういうお子さんを含めた様々な情報というものが幼稚園から小学校に伝わっていないために、小学校1年1学期における対応が非常に遅れるという問題があるということです。
 3番目には、今申し上げてきた連携ということが行われないために、それぞれがどういう学校あるいは幼稚園から来ているかということについての配慮がないということです。例えば小学校から中学校の問題で言えば、私は小学校でかなりオープンなやり方をとるというのは1つの理念としてすぐれていると思います。当然それを受けとめる側の中学というのは、そういった小学校教育のよさを特に中学1年生でどう生かしながら教育するかを考えるべきで、それは当然、他の中学校のやり方と変えるべきだと思います。それをやっていないということに根本的な問題があると思いますので、やはりそこに学校種間の相互の理解と連携が必要だと考えています。

委員 高倉委員
 最後の「両方の専門性を兼ねる」というところで、2つの免許状の所有及びその弾力化ということは現行制度の中で考えることだと思いますが、さらに、例えば平成14年の中教審の答申、教員免許の在り方の中で、免許の統合の問題を今後の課題として残してありますが、2つの免許状所有あるいは弾力化という現行制度の問題と、さらに、統合するという方向に向けていく免許の統合ということについては、先生はどのようにお考えでしょうか。

意見発表者 無藤意見発表者
 これについては、私は、まず進めるべきことは、2つの免許を持つ、複数の隣接する免許を持つということが第一なのですが、実際にはそれだけではどうも不足であります。それぞれ小学校、中学校を仮に持つとしても、別々に小学校教育の理念あるいは中学校教育の理念を教えているだけでは、それらを合わせた連携教育が可能にはならないと思います。つまり、それらを統合するもう1つの理念がそこに導入されなければいけないので、もし小・中両方持たせるというある大学の方針があるなら、小・中を合わせた連携・統合が可能な中で、その細かい中身というのを設計し直す必要があるというのが1つです。
 もう1つは、例えば幼・小なり小・中なりの最初から連携・統合するようなことを目指した副免許みたいなものというのも可能性の1つとしてあり得ると思います。例えば幼稚園と小学校低学年を主に持つような免許の在り方とか、小学校から高学年を移行するということを念頭に置いた免許の在り方というものが考えられます。それが現行の幼・小・中と別につくる必要があるとまでは思いませんが、その中の下位分類としてそういうことは十分考えてもいいのではないでしょうか。これは、中学校における教科の複数性などにも似たことがあって、1教科の免許だけでいいのか、複数免許を持つ別な在り方も考えていいのかということとも連動するように思っております。

委員 渡久山委員
 1つは「1」に関して、今の年齢区分の問題で、幼稚園から14歳、中学までということですが、区切りについては、具体的に今の小学校、中学校を考慮しながら、先生の考えではどういうことが一番理想的というか望ましいと思われるのかということです。
 2つ目は、5歳時入学ということについて一定程度配慮していくいろいろな議論もありますが、このことについては先生はどうお考えでしょうか。
 三つ目は、「3」番に関係してで、やはり成果の問題はいろいろあるのですが、今、義務教育の中で最も困難なのは、到達度といいましょうか、成果とカリキュラムの目標とが非常に乖離しているというのが実態だと思うのです。その辺について、先生の場合、協同的な学習というようなことについて提起をされているのですが、こういう形で具体的にどのような方法でどういう成果を期待されているのか、以上についてお願いしたいと思います。

意見発表者 無藤意見発表者
 では、3点順次申し上げます。
 まず、学校種の区切りなのですけれども、まず一番根本的な私の考えは、どう区切ろうと連携・接続の必要性は残るということです。つまり、それさえ区切ると、ある学校が上の段階、下の段階、何も考えないで安心して教育できるということはあり得ないということが大原則であります。ですから、どう区切ろうと常に上下への連携・接続というものを意識したことを入口、出口のあたりではやるべきだというのが一番基本的な考えです。
 その上で申し上げれば、私は、1つは、幼稚園から小学校低学年ぐらいの大きな流れが可能な学校が必要だろうということと、それから、小学校の高学年から中学の始まりぐらいが1つのまとまりになるような学校が必要だろうと思います。それから、私は中高一貫の6年間というのは少し長過ぎる感じをいろいろな意味で持っておりますので、それをもう少し短くできないかということがあります。大学入学は既に飛び級等がありますので、学校種として大きく区切る必要はないかもしれませんが、18入学というのが大学という教育においていいかどうかはいろいろ考える必要があると思います。それが基本的な考え方です。ただし、その中でどう細かくしていくかというのは、先ほど言ったようなことがあります。
 今のことと絡んで5歳時入学ということもあるわけですが、つまり幼稚園段階から小学校低学年ぐらいのさらに真ん中辺をどこに置くかというのが1つの問題ですけれども、私は今の6歳時というあたりが、例えば1年早くするとか半年早くするということは可能だろうと思います。つまり、世界的に見ると、幼稚園から小学校への移行は大体5~6歳、7歳という幅で、どこが決定的にいいかという明確なものはなく、いろいろなやり方があるということになります。ただし、私は、最初に申し上げたように、惰力的に個人が選んでいろいろ動き得るというのは、小学校教育においては大変問題が大きくなるだろうというのは1つ思っております。
 ただし、今度は幼稚園教育として考えたときに、では1年早くして幼稚園が3歳からの2年間で十分成り立つかというと、これは非常に難しい問題を今度は幼稚園教育に投げかけます。つまり、幼稚園教育というものが5歳までを含めた3年間で成果を出すというシステムを長年つくってまいりましたので、結局、1年早くするということは、日本の120年ある幼児教育の伝統を根本から覆し、全く新しい幼児教育を構想し直すことになります。これは相当に困難をもたらしますので、原理的には可能だと思いますが、実際の現場を抱えている身としては、その制度設計は10年ではなかなかできないぐらいの大きな問題になってくると思います。
 具体的に到達の問題、成果の問題、これは実は教育課程部会で議論を始めたところでありますけれども、非常に大きく言いますと、その到達目標をどうつくるかという、それをもう少し現状よりは見える形で評価すべきだということがそれぞれの学校種間で出てくると思います。例えば幼稚園の場合で言えば、自己、内容、方法と大きく分けましたけれども、それぞれにおいて何らかの成果を評価し、小学校教育に提供していくべきだと思います。協同的な学習ということで言えば、どうやってクラスの子どもたちが互いに協力して、ある程度長い目標に向けて協力しながら活動を自分たちの力で組織できるか、その点を見ていくことは、かなり実践が積まれてきましたので可能だと思います。これは特に欧米においてはプロジェクト学習という形でかなり先行的な実践がありますから、そういうことを参考にしながら幼稚園の教育のやり方を改善していくことは可能だと思っております。

委員 宮崎委員
 私は3番目の「学校間の移行の際の教育成果の生かし方」というところで少しお尋ねをしたいと思っています。
 先生が先ほど、特別支援教育になって、特に発達障害系のお子さんたちのことを少し例として挙げてお話しいただいたのですが、この「3」」の「教員間の連携と人事異動」の中で、1つは「両方の専門性を兼ねる」というようなお話でわかったのですが、「教員間の協力連携」というときに、具体的にどの程度までの協力連携を考えていらっしゃるのでしょうか。個別の課題について、学校種間の連携というのは非常に重要だと私も考えているのですが、そのあたりの何かツールなどお考えがあるのかどうかというのが1点です。それから、人事異動というのは、校種間の人事異動というのはなかなか難しい問題があって、先ほど委員の方からお話があったような免許状問題等でクリアできることもあるわけですが、その点はどのように考えていらっしゃるのかというのをお尋ねしたかったということです。

意見発表者 無藤意見発表者
 まず、教員間の協力連携をどこまで進めるかということですが、これはかなり今各地で実践が進みかけていますので、そのようなことを参考にいたしますと、基本は、地域において幼稚園、保育園、小学校の連携組織をつくるというのが第1点だと思います。これは、幼稚園は私立が多いので、それももちろん含め、それから保育所も含めないとできませんが、それが第1点です。
 もう1点は、非常に細かい話ですが、小学校の学級担任というものを4月1日で始めるというのは、間に合わないという問題が具体的にはあるのです。つまり、幼稚園、保育園側から言えば2月、3月に情報を提供しておきたいわけですが、それをどうするか。提供しても、校長がかわるとか担当がかわるというので、非常にここがうまくいっていないということです。非常に具体的に申し上げると、かなり先進的なところで行われ始めているのは、1年生に入る前の3学期のところでまず第1回顔合わせ会をやって様々な状況を提供していく、その次に今度は4月を迎えてからの4月ないし5月にもう1回顔合わせをやってフォローアップしていく、この2回を最小限する必要があります。さらに申し上げると、通常、11月に就学の指導がありますので、その段階でもそういうことが可能ならもう少しプラスになる。そして、その参加メンバーの工夫というのが、さっき言ったことでかなり要るのだろうと思います。というのが基本です。
 それから、指導要録というのが幼稚園から小学校に行くわけですが、それは最近、多少は参考資料になるようになったと思いますが、対保育園では、保育園と小学校の間ではそういうものがないので、そこは改善する必要があるということが基本かと思います。
 人事異動についてですけれども、幾つか可能だと思うのですが、1つは公立等においては本当に両方の免許を持って、例えば幼稚園の先生なりが1年生を持つとか、逆に小学校の先生が幼稚園から始めるとか、そういったことは可能だし、そうやってクラス間の移動を一緒にやる方式が1つです。もう1つは、例えば小学校の先生が3年間幼稚園、逆もいいのですが、そういうことは公立同士なら可能だろうと思います。
 2番目は、そういった意味の人事ではないのですけれども、チームティーチングの一員としてそれぞれが関わるというやり方です。これですと、私は工夫次第で私立の幼稚園の先生や保育園の先生が小学校教育に部分的に関わるということは不可能ではないと思います。それから逆に、小学校の先生が小学校に籍を置きながら幼稚園のチームティーチングとして部分的に入るということも、これは既に試みがありますが、可能だろうと思います。
 その辺でいろいろ制度上の制約は大きいですけれども、何とかやれるところはあるのではないか。やはり、学校の先生方というのは理屈も大事ですけれども、現場で実際に子どもを指導して初めて感覚というのは身に付いて見えてくるわけですので、やはり単に研修会に出るだけではなくて、実際に指導するという経験を十分に踏まえる中で、初めて意味のある実質的な連携が可能になるというのが実感であります。

委員 河邉委員
 学校教育の対象が3歳からなので、「1」の年齢段階は3歳からお示しいただいているわけですけれども、今、幼保一体化施設の問題が出ていて、0から6までを一つの施設にという問題が出ていますので、0から3の年齢段階を発達心理学上どういうふうに考えていけばよいのかということと、それから、先ほど中・高の6年間は長過ぎるような感じがするとおっしゃったのですが、0から6の成長の幅のほうがもっと大きいので、本当に長過ぎはしないかと思っているのですけれども、その点について御意見があればお聞かせください。

意見発表者 無藤意見発表者
 0から6の乳幼児全体を一つの教育期間ともし考えてよろしいのならばでありますが、3歳以下が問題になります。これは、差し迫ったところで申し上げると、来年度からいわゆる幼・保の総合施設の試行が始まりますが、途端にそこでどうするかということが既に問題で、つまり、一部の現場ではもう、ただいま現在、そういうものが欲しいという要求が出ているわけであります。私も考えておりますけれども、0から3歳は、大ざっぱに言うと1歳の半ばぐらいで区切れるだろうということです。これは、一番大きな理由は、言葉の発生というものがそのころに大体きますので、その前と後というふうに分けていいと思います。さらに細かく言いますと、乳児期はこれまた8ヵ月前後で分けるというのが基本です。8ヵ月というのは親との愛着が大体できる時期ですけれども、それによってかなり保育のやり方が変わります。
 それから、3歳以上といいますと今度は満年齢とかお誕生日がいつかということによって変わるわけなので言い方が難しいですけれども、満3歳の誕生日前後は1つの区切り目として十分あり得るのです。つまり、例えば9月生まれの子どもですと、満3歳ということは、普通、満3歳の誕生日を迎えてさらに幼稚園に行かない時期があるわけです。つまり2歳児の時期なのですけれども、同じ2歳児といっても実質的には満3歳を超えておりますが、そのころになりますと私は集団的な保育に耐え得るわけだと思います。これは、実は幼稚園においては現行の法令でも満3歳の誕生日から幼稚園に入園可能になっているのですが、現場では年度の途中に入られても非常に難しい問題がありますので、あまり普及しておりませんけれども、満3歳前後のあたりからいわゆる幼稚園に普通は入るぐらいの時期というのはまた別な時期として考えたほうがいいと思います。つまり、乳幼児期全体の広い意味での教育を考えるのなら、そういう時期に分けていけるだろうと思います。
 幼稚園の3年間も長いので、これまた大ざっぱに通常は年齢に近い形で3つの時期に分けますけれども、それは、私は幼稚園教育のやり方の中のバリエーションとして対応できる範囲かな、学校種を変えるというところまでいかなくても済むかなというのが大ざっぱな印象です。

委員 橋本委員
 先生から、それぞれの学校種で完結した教育ではなくて、つなげていくことが大切というふうにお話がありましたが、本当にそのとおりだなということを実感しております。
 まず、お話しされた中から児童理解、生徒理解、私は中学校の立場で今話をしておりますけれども、これがとても重要だなということと、それから教員間の協力連携、これがとても大切だと思っております。連携教育、ちょうど3年目になるのですけれども、その中で発達段階、それからまた日常生活の様子、児童生徒の様子、さらに学習内容を知ることであるとか、教員の相互の指導方法を知る、また教育活動をお互いに知るなど、連携を行いながら相互に学び合うことが大切だなと思います。教師間のTTであるとか、また児童生徒が関わる、特に中学生の場合には選択教科の生徒が小学生に関わってきたということがありましたが、また現在もそのようにしておりますが、教員だけではなくて児童生徒相互が関わっていく、このようなことも大変重要だということを身をもって感じました。
 また、先ほど、小学校の特色を知って、それを生かしていくということがとても重要だという話があったのですが、それはそのとおりだと思っているのですが、例えば本校の例では、今、小学校12校から入学してきております。これは通学区域の自由化をしていませんが、いわゆる指定校変更が緩やかになっておりますので、何らかの理由があれば指定校変更しながらということです。それぞれの小学校が特色ある教育活動を行っておりますので、それで生かしていくということが大変重要なのですが、1校対1校ならば、1校から入学してくるならば、そのままそっくりということができるのですけれども、本当にそれぞれ行っておりますので、すべてに合わせることは大変困難です。しかし、知って生かしていくことは大切だということは考えております。
 また、最後に学級のことについて触れていただきましたけれども、先生が、崩さないほうが望ましい、慎重にやるべきだというような形でお話しいただきましたが、大変思春期の、難しい子どもたちの年齢の段階で、居場所づくりがとても大切なのです。ですから、学級が全くないとなると大変だなということを思いまして、今、中学校でも教科教室型等もどんどん増えているのですけれども、子どもの居場所を、どのように考えていったらいいのかなということで、私自身も学級の重要性を考えているところです。実践を行った立場から少しお話をさせていただきました。

意見発表者 無藤意見発表者
 1つの中学に12校の小学校から来るというお話がありました。これは都会の学校だとそういうことは多いと思いますし、まして小学校ですと公立幼稚園、私立幼稚園、さらに保育所と、かなり多くから来るのが都心の公立小学校の実情であって、さらに多様性があると思います。
 それについて、私は2つのことが大事だと思います。1つは、前の学校種において最低限これだけはしっかりやってほしいということを明確にしていくということで、私は幼小連携で自己、内容、方法ということで3つ挙げましたが、これらは幼稚園の特に年長でしっかりやってほしいという意味合いを、込めております。もう1つは、自分の学校種に受け入れたときの調整期間が必要だということなのですね。これは連携・接続の教育の一部だと思いますけれども、小学校でいえば、生活指導的な面で最初の4月でいろいろ指導いたしますが、それだけではなくて、学習のやり方であるとか勉強の中身についても個人差や幼稚園・保育園差 ―差というのは悪いという意味ではなくて、種類が違うという意味ですが、それの調整を行う必要があるし、それは中学校でも同じことだと思います。特に小学校から中学について言えば、私は小学校教育の総復習というものを小学校6年の3学期に導入するというようなことも含めて、きちっと小学校教育で学ぶべきことを学ばせるという努力を小学校がした上で連携が成り立つと考えています。

委員 田村委員
 前から考えている問題なのですが、学校ですから学習中心ということに発達年齢との区分けが考えられる、これはやむを得ないと思うのですが、実際上、最近は小学校が非常に開かれておりまして、幾つかの小学校を、私自身も見に行ったりしています。ある小学校へ行ったときに、その学校では先生方と保護者とが話し合って学校の目標みたいなことを10ほどつくっているのです。その10の目標のうち、ほとんどが昔なら家庭でやることを学校でやれという、こういうことを言っているのです。学習というのはほとんど出てこないのです。学習についてはあまり不満がないのか、当てにしていないのか、これはよくわかりませんけれども、しかし具体的には家庭がやるべき、例えばあいさつをしようとか、このようなことが第1に挙がってくるわけです。
 学校というのはどういうことをやるところなのでしょうか。明治以来、学校制度というのは基本的に家庭教育がきちっとできているという前提ででき上がっているものだと私は思っているのですが、その部分が大きな社会の変革で、ある意味80年代が大きなその切りかえ時期だったと思いますが、明らかに変わってしまいました。その結果、例えば5歳児の半分が幼稚園で半分が保育園児ということになって、小1プロブレムが何が原因で起こるかわからないけれども、先ほど先生が指摘されたようなことが起きています。そのことと子どもの精神発達とつなげて考えることが必要なのでしょうか。現場はおそらくそのことに対する答えがないかなと思っているのではないかと思うのです。学校がどの程度までやるのか、あるいはもうそれはできないと言い切るのか。義務教育の最初のところを考えると必ずそれにぶつかるのですけれども、お考えをお聞かせいただければと思います。

意見発表者 無藤意見発表者
 学校種間の区切り目で、今日はあくまで学習という話で申し上げましたけれども、実はもう1つの問題が、今御指摘の家庭との関係、地域との関係、またそこでの子どもの人間関係の在り方だと思うのです。例えば小学校を1年早めることはできるだろうと申し上げたのは、主に学習能力の観点ですけれども、子どもの社会性といいますか、子ども同士の人間関係のとり方の面で申しますと、学校の現場の先生の印象なり私の印象で言えば、やはり少子化の中でかなりその発達が遅くなりつつあるように思うのです。そのような意味で、1年早くして小学校教育の1クラス40人までという中に5歳児が乗ることは相当に厳しくて、今の学級崩壊どころではない、いろいろな問題が小学校に直接持ち込まれるだろうという危険があると思っています。
 家庭との関係なのですが、どのようにそれに対応できるのかということについて、幼児教育部会の非常に大きな問題でもありましたので、4つほどのことを思います。
 第1点はは、家庭に要求すべきことはもっと要求すべきである、明確にすべきだということです。
 第2点は、幼児教育などではかなり親教育というのでしょうか、親の育ちと言っておりますが、その機能を幼稚園が持つのだということを明確に打ち出しつつあります。そういったことも必要かもしれないということです。
 第3点は、私は、家庭の問題、例えばあいさつの問題ということで具体的に申し上げると、これは純粋に家庭の中の問題とは必ずしも言い切れなくて、近隣を含めた家庭と地域の問題だと思うのです。つまり、お隣とあいさつするのかとか、通りかかった人々とあいさつし、立ち話ができる関係にあるのかということで、近隣におけるある種のパブリックな関係というものが家庭からほとんど消えてしまったのです。家庭の中のいわば親子関係が非常に仲よし関係に近いものになっているということが背景にありますので、地域の在り方を考える必要があると思います。
 第4番目は、以上のことをやっても、なお一部の家庭というのはどうしようもなくそのようなことができない状況にあります。これは実際問題としてそうだと思います。親に幾ら要求し、あるいはこちらが助けてもできない家庭はあります。そうなると、それは学校が引き受ける以外にありません。問題は、それがかなり増えつつあるということであります。しかし、現場を抱えている側としては、そのような親、家庭がある以上はそれに対応せざるを得ない部分が残るということで、これを学校から切り捨てると非常に話は簡単になると思いますが、実際には切り捨てても引き受ける場所はないとすれば、問題は残るのだということであります。
 ということで、以上4点が対応として考えられる、方向性として考えられると考えています。

委員 市川委員
 今日、教員間の連携というお話で、校種間、幼・小、中・高というような縦の連携についてはかなりお話しいただきましたが、発達の視点から、教科間といいますか、横の連携のようなお話についてどのようにとらえられているかを、伺いたいと思いました。
 というのは、小学校の高学年ぐらいからかなり教科の専門性というのが次第に強くなっていって、どうしても先生のほうも、特に中・高になりますと、各教科の先生は教科内容をどれだけ修得しているかという観点から子どもを見てしまいがちになるという傾向があると思います。研修もそれぞれの教科で行われます。そこでは教材研究などということになります。さかのぼると、指導要領というのも各教科別にかっちりつくられていて、そういうものの背景には、今日のお話のような、例えば10歳から14歳でしたらこういう特性があって、それで各教科を子どもは勉強しているということだと思うのですけれども、どうもその根っこに当たる部分があまり注目されずに、むしろ教科内容依存になってしまっているのではないでしょうか。最近で言いますと、特に連携ということで中学校の先生が小学校に来て教えるということもあるのですけれども、お話を聞いていると、中学校でこの教科をやるためにはこれだけのことを修得してほしいということで、非常に教科依存的になってしまっています。例えばノートをしっかりとることであるとか、話をしっかり聞くことというのは、非常にどの教科にもかかわる共通のことを押さえてきてほしいというような連携があまりなされていない気がしています。むしろ発達の視点から、教科を超えた連携や統合のようなお話を伺えればと思いました。

意見発表者 無藤意見発表者
 幼小連携の場合ということで、自己、内容、方法という3つの側面を挙げましたけれども、教科そのものが主に内容にかかわっているわけです。自己、方法という部分は、教科を超えた、もう少し広い、子どもの成長とか学び方の学習の問題なのです。それについては、教科間の連携というのをそれぞれに行っていない限りは縦の連携も不可能になりますので、御指摘の点が重要だと思います。
 もう1つは、内容面に限って言っても、特に現在の中・高の教科の区切り目というのは、それぞれ教えなければならないことが多いのでやむを得ない部分はありますが、少しかたいところがありまして、特に大学で研究していると、実際には様々に間に入る学問というのは常に生まれていくわけですが、そういうものというのは中・高にほとんど反映されていかない部分があって、大学の教員の専門の分け方よりも中・高の教科の分け方のほうがきついというか、かたい感じがあります。それは非常に不思議なことで、それを崩すために総合的な学習も入ろうとしているのだと思いますが、どうもそこがうまく動いていない感じがありますので、そういう内容的な意味でもつながりをつけないと、知識というものはばらばらになってしまうと思います。知識というのはばらばらにあっていいわけではなくて、知識というのは様々で組織化されて初めて機能するものですので、それは教科間の知識と同時に、教科をつなぐ組織が必要だと考えています。

委員 藤崎委員
 学校間で連携をしていくときに、幼・小あるいは小・中、中・高というときに、様々な子どもが入ってくるし、様々な学校から入ってきます。先ほどもお話がありました、個性尊重ですとか自由にという、そういう保育をしているところもあります。方針が若干違ってくるようなところもかなりあると思うのですが、学校でしつけるとか学ぶとか、その内容について継続性がある程度持てると、連携とか接続というのが非常にやりやすくなるなと思います。ばらばらですと、例えば中学の場合、小学校から、あるいは高等学校へ接続するというときに非常になかなか難しいなと考えているのですが、そのあたり何かお考えがありましたらお聞かせいただければと思います。

意見発表者 無藤意見発表者
 おっしゃるように、継続性というものをどう確保するかが一番大きな問題だと思うのです。その際に、1つは学習内容というものを、私が提案しているのは芽生えというように考えて、例えば小学校における様々な芽生えを中学の教科教育でどう伸ばすかという形でつなげていく必要があります。これは、つなぎ方としては、小学校において出てきている学習を上に上げていく面と、中学校で学習させたいことを下におろしていく面と、両方の相互作用の中で継続性を考えていく必要があるということです。それが1点です。
 もう1点は、それぞれの学校種の最初の段階で継続性を確保する意味での調整期間というものが要るということなのです。これは今、大学教育は1年生の1学期というのがやはり調整期間として非常に重要になってきております。つまり、1つは補習というものを部分的には入れなければいけない。これは高校の教科の内容の選択が様々ですので、かなり補う必要があるのと、それから、1年生1学期のゼミは、かなり学習の仕方の指導を行っています。これはもちろん学校によって、生徒によって様々ですが、とにかくそれをして初めて大学教育に本格的に入れるわけです。そこでは大学教育として都合のいいことを教えるだけではなくて、高校教育と大学をつなぐということを意識してやりたいというように考えていて、そうすると、大学の先生は高校教育の中身はかなりわかりながら指導する必要があります。ということで、2つのやり方で継続性を確保するというのが基本です。
 しかし、もちろん一番大きな問題はカリキュラムの問題あるいは学習指導要領の問題です。例えば小中連携で言えば、小学校、中学校の学習指導要領のレベルの継続性というのをどうつくるかです。これは中教審のまさに大きな課題の1つだと思いますけれども、それはぜひ御議論いただきたいと考えています。

委員 木村分科会長
 冒頭、脳科学の話が出ましたが、OECDのCERIが中心になりまして、例の3ヵ国で脳科学と教育の関係、そのようなプロジェクトが走り出しまして、日本は子どもの脳の発達状況と教育の関係、殊に低学年教育の関係についてのイニシアチブをとるようですけれども、その中で0歳児を1万人、それから5歳児を1万人サンプリングで、5年間、脳の発達状況について調査をするというプロジェクトをやると伺っているのですが、こういう調査をやることによって、この結果が教育のやり方に非常に大きなフィードバックを与えるでしょうか。
 また、脳科学というのも非常に大変な学問ですが、おそらく今申し上げたことはお医者さん中心におやりになるのだと思うのですけれども、学校の先生がそのようなプロジェクトにどの程度コミットできるのか、その辺について先生に印象をお伺いしたいと思います。

意見発表者 無藤意見発表者
 今御紹介いただいた研究は、文部科学省の脳科学と教育という大きなプロジェクトの中心をなすもので、今準備中ですが、本格的には来年度スタートです。その中心は乳幼児期の発達の問題なのです。それと並行して幾つか、もう少し小さい規模ですけれども、1つの規模が5年間で数億というような程度のものが幾つか走ります。そのような中で、例えば発達障害の問題や第2言語学習の問題とか、算数といいますか数の問題などや、学習障害の問題などという個別のプロジェクトがあります。これからの5年間程度で申し上げると、どちらかというとむしろそのサブとなるほうのものがより教科に近い内容を最初から含んでいますので、そちらについてはたぶん3年から5年以内にかなり学校教育に直接的な示唆が出てくると思います。先ほどの1万人規模のものはもう少し基礎的なので、本当に実践に意味を持つというのは10年かかります。しかし、10年という単位は無意味な10年ではなくて、相当に大きな意味があります。
 ただ、私は脳科学について将来予測はむだだと個人的には思っていて、あまりに進歩が激しいので、測定機器の進歩が一気にブレークスルーすると、ここはかなり変わります。この数年の進歩は、光トポグラフィーの機器が容易につけられることで、小学校から幼児の研究が急激にこの2~3年進化し始めて、恐らくこれからの2~3年で様々な知見が出るので、やはり毎年、脳科学の知見を整理しながら意味を考える必要があると思うのです。そういう意味では、簡単に将来はわかりませんが、今のところはそのぐらいは大丈夫でしょう。もう少し早くなる可能性も十分あると思っています。

委員 中嶋委員
 今の関連ですが、幼児教育と脳科学との関連で、鈴木メソッドは、鈴木鎮一先生のいわば経験的な教育運動としては50年以上の実績、物すごくたくさんの生徒を持っているのです。特にアメリカでは非常に多いわけで、世界で約30~40万人ぐらいが現在鈴木メソッドでバイオリンを中心とした幼児教育をやっています。その経験からすると、やはり4歳から8歳ぐらいまでが幼児教育に一番ふさわしいという経験的なデータを物すごく持っているわけです。毎年、武道館で日本国内の3,000名の合奏をします。一昨年はベルリンで「子どもと音楽」という国際シンポジウムがありまして、そこでは、ドイツがものすごく脳科学が発達していて、ドイツの若い脳科学の女性の専門家が音楽との関連で大変いいレポートをされておりました。
 ただ、鈴木メソッドの場合は、私はもちろん脳科学なども素人ですし、みんなが経験者であって、教育者でありますが、サイエンスをきちんとやっているわけではないのです。ですから、いろいろな議論がそこにあり得るわけで、また、鈴木に対する反対の意見も一方では、特に教育学者などの間からはあります。ただ、全体的な、世界的な経験からすると、とにかくあれだけの人口が既にそういう経験を持っていますので、今までは全く文科省などとは接点がなかった、民間の教育運動でしたから、だから、その辺の経験をうまく入れていただくと、既に国際的に実験されているものがかなりデータとしては集まるのではないかと思いました。

意見発表者 無藤意見発表者
 鈴木メソッドについては、最初に申し上げた3歳から9歳ぐらいということの根拠がいろいろありますが、そのうちの非常に実践的な意味で大きな根拠の一つになっております。アメリカのハーバードのガードナーという心理学者がおりますが、彼はかなり初期から鈴木メソッドに注目して、それをベースにしながらアメリカでプロジェクトを展開しています。そういう意味では、鈴木メソッドというのを一つの代表とするような意味で、才能教育というのは、私は典型的なモジュール的な教育のやり方だと思います。それがこの数年の脳科学の研究で少しずつ裏づけが入ってきたと思います。
 1つは海馬の話をいたしましたが、それだけではなくて、例えば音楽についてもある種のモジュールというのが見つかり始めています。音楽といっても、かなり基礎的な、メロディー認知などそのようなレベルですが、そういうことが出ています。そのような意味で、あと数年のうちに出てくると思いますし、また、モーツァルトのような意味での小さいときからの天才というのが何人か見つかっているわけですが、脳科学的な研究も始まっておりますので、その成果はかなり期待できると思います。

委員 橋本委員
 私は、幼児期については、特に生活体験や生活経験、さらにもう1つ、家族と幼児とのかかわり、このあたりはとても重要だなと思っているのです。子どもの成長発達に欠かせない、そのかかわり方といいますか、そのあたりの調査があるのかどうか、教えていただきたいと思っております。

意見発表者 無藤意見発表者
 幼児期の教育は生活というのを基本にするというのが幼稚園の基本的な考え方でありまして、それについてのたくさんの具体的な実践レベルの研究はあります。ただ、それを、例えば脳科学や認知科学、認知心理学で十分裏づけがあるかというと、まだこれからの仕事だと思います。
 それから、家族と幼児との関係というのは、特に欧米で相当に大きな研究がたくさんあります。つまり、親との愛着関係に支えられて初めて幼児が安定し、また学ぶとか遊ぶということに向かえるのだという種類の膨大な蓄積が出ていると思います。

(2)事務局より中山文部科学大臣から11月4日発表された教育改革案「甦れ、日本!」及び三位一体改革の進捗状況について説明した後、意見交換を行った。

委員 渡久山委員
 今、中学の8,000いくらと出ていますね。あれはよくひとり歩きしているような感じがするのですけれども、実際は、実質的にそういう数字というのが力を持っているのですか。

事務局 樋口審議官
 私どもの大臣は、4大臣と一昨日の夜、折衝を行ったわけでございますけれども、17年の秋までに中教審で検討して結論を得るとされているわけですので、この議論を制約するような内容あるいは額ということについて、これをお決めいただくというのはいかがなものかということを最後まで主張させていただいております。私どもとしては、4大臣会合の場でも、相応の協力は、中教審の議論を制約しない、結論が出るまでの17年度予算の措置については別途検討するということで、一部加配等を含めて応分の協力はさせていただくということは申し上げているわけでございますが、8,500億円というような数字での御議論というのは、これは中教審の御議論を制約することになりかねないということで、大臣は、ここは中教審にお任せをいただきたいというふうにお話を申し上げているところでございます。

(3)事務局より参考資料3「学校の自主性・自律性の確立について」平成16年度実施調査の結果の概要を説明した後、意見交換を行った。

委員 木村分科会長
 自己評価の結果の公表率が非常に少ないですね。自己評価の結果を発表しないというのは非常に奇妙なことだと思いますが、どのような理由なのでしょうか。これはたくさんあるので、一概にこのような理由だとは言えないと思いますが。

事務局 角田初等中等教育企画課課長補佐
 おっしゃるとおりいろいろなケースがあろうかとは思っておりますけれども、この評価を実施する上で目的が2つあるのではないでしょうか。1つは、当然説明責任を果たしていく、学校の状況について地域、保護者に理解をしていただくということがあろうかと思います。もう1つは、学校の教育活動を自ら振り返りまして、継続的に改善をしていくという、この2つ目の目的について重視しながら学校評価を行っている、そこの部分により重点を置いて評価を行っているということによるものではないかと思っております。
 ただ、これはやはり評価の内容によりまして、公表にたえがたいというか、きちんと評価結果を公表するほどの内容になっていないというようなケースもやはり中にはあろうかと思いますので、そこは、この数値を上げるということが評価の質の向上につながるとも考えておりますので、ぜひこの公表の数値を今後上げていただくように教育委員会のほうにもお願いしたいと思っておりますし、そのための評価の研究なり、あるいは資料提供なりをさせていただきたいと思っております。

委員 渡久山委員
 こうして見ると、これは確かに参考になります。特に学校運営協議会などがいくつできた、全国でいくつだと。しかし、これは毎年何かなさっているようなのです。実際、学校現場では本当にこういう調査というのはたくさん来るのです。これが本当に忙しいのです。わざわざ土曜日に出てきてこのようなことばかりやっているらしいのです。ですから、これは悉皆調査でいいのかどうなのか、あるいはまた、もう少し年度を何年か置いてやるか、そのような、文部科学省としてトータルなこの調査のありようは、少し学校現場の実情を配慮していただいて、何かできないでしょうか。このような工夫はぜひお願いしたいと思うのです。

委員 中嶋委員
 公表というのは、どのようなところをもって公表とするのでしょうか。さっきの自己評価の公表ですね。大変流れとしてはいいことだと思うのですが。

事務局 角田初等中等教育企画課課長補佐
 ちょっと御説明が抜けておりまして恐縮だったのですが、資料のうち17ページを開いていただけますでしょうか。評価の公表方法についても聞いている結果でございまして、多くは学校便りということで保護者向けに配っております資料で公表している方法、あるいは学校評議員に説明をしているという方法、あるいは保護者への説明会で説明しているという方法ということで、主に評議員あるいは保護者に対する説明というものが多くなってございます。一方、ホームページの掲載につきまして、これは重要だと思うのですが、数があまり多くなっておりませんので、この辺をもう少し進めていかなければいけないのではないかと考えております。

委員 平出委員
 少し関連することでありますけれども、自己評価を公表しないというのは、大学もよく自己点検評価で初めはつくるのですが、外へ出すのは恥ずかしくて仕方ないぐらいの内容であったのですけれども、文科省に対してはしっかりやっていますよという返事をするという、初期段階というのは往々にしてありがちだと思うので、やはり学校ごとで校長の学校運営能力などが問われてきていると思っております。いずれにしろ、渡久山委員は毎年されては困ると言うのですが、制度スタート時点では、これは3~4年、毎年やらなければ定着しないのではないか、質を上げるためにはやらなくてはいけないのではないかという印象、感じは持っております。

委員 野村委員
 学校評価、自己評価、外部評価、数値は上がってきているのですが、そのように社会的説明責任を果たすようになって学校はこのように変わってきたという変わり方の具体が知りたいと思います。評価するということは変わらせることが目的であり、目標を達成したかどうかということについての自己評価、他者評価だろうと思います。学校評議員制度がこれだけ一般化していく中で、このように中身が変わってきたという報告が各教育委員会からどの程度上がってきているのでしょうか。数値だけではなしに、変わった姿が目に見えるような例がありましたら、御報告いただきたいと思います。

事務局 角田初等中等教育企画課課長補佐
 学校評価の成果でございますけれども、まず数値的なところだけ申し上げますと、資料の18ページのところでございますが、これは学校側にどのような成果があったのかということで、学校側のとらえということで聞いているものでございます。ここにございますように、次年度の取組の参考、あるいは改善点の明確化、さらには教職員の意識ということで、共通理解の促進でございますとか意欲喚起ということで、主に学校の教育活動の改善に非常に役立ったということで評価をする、評価について学校として評価するような結果が出ているところでございます。かつ、この部分につきましてはなかなか定量的な、これだけ学校評価をやることによって学校がよくなったというのはなかなか難しいところでございますが、いろいろ研究をしている学校などに聞きますと、こういった教育活動の改善あるいは教職員の意識が改革できたという面、さらには、自分らの教育活動を地域に説明することによって、よりその地域の協力を得られるようなことができるようになった、いろいろな教育活動において地域の方々の協力を得るということが多くなってくる状況でございますので、そのような点についてより協力が得られやすくなったといったようなことが、中には報告として上がってきているところでございます。

委員 野村委員
 先生方が非常に多忙化しているということの御意見が先ほどありましたが、忙しくなって、こういう成果が上がっているのは結構ですけれども、一方では先生の問題が次々に新聞紙上に出てきています。そういう成果が一方ではあったということはこのデータのとおりでしょうけれども、実際は他方で子どもとの関係などで非常に問題が起こっているわけで、学校評価ということよりも教員評価になるかもしれませんけれども、そのような問題が上がっている事実を見ますと、果たしてこの内容について、そうなのかなと思わざるを得ないところがあるものですから、質問したわけです。

委員 渡久山委員
 意見ですけれども、今、学校評議員制度と学校運営協議会制度という両方が制度化しています。そうしますと、確かに評議員制度が早く走りましたから、それがどうなっているかということが非常に大事なのでしょうけれども、実際この審議会で議論したときに、やはり運営協議会のほうが、学校を開くという意味では非常に有効ではないかというようなことであったと思うのです。ですから、文部科学省のほうでももっときちっと議論していただいて、どちらがより望ましいのか、両方やっていいのですよというような話にしないで、やはりきちっと整理されたほうがいいのではないかという気がいたします。そして、それで進めていくというのがいいと思います。

委員 木村分科会長
 渡久山さん御存じのとおり、今いみじくもおっしゃったように、これは必ずしも強制はしていないわけです。また強制すべきものでもないと、私、まとめた立場から思っているのですが、先ほどの数字にもありましたように、東京で一つ、五反野小学校がスタートしました。それから、次々、70校ぐらい検討されています。東京はもっと具体的にやりますが、70校ぐらいが検討されているということで、やはりうまくいった例をどんどん積み重ねていくことが、私はそれを広げていくための1つの大きな鍵になるのではないかと思っているのですが、なかなか制度設計自体が指導するという立場ではありませんので、そこのところはある程度考えていかなければいけないのではないかなと思っております。

委員 田村委員
 自己評価のことでよろしいでしょうか。基本的に先生方十分御存じのことだと思いますが、今までやっているのです。学校というのはほとんど、どこでもやっているのです。ただ、公表していなかったのです。だから、公表するとなると、評価の方法から内容から考えなければいけないわけです。だから、そういう意味で、公表していないのは、実は、私は評価していないというふうに見てもいいぐらいのことではないかと思って拝見させていただきました。全国どこの学校へ行っても、自己評価していないところはないです。いろいろな形でやっています。それはいろいろなところへ行くたびに聞いていて、実感として感じています。だから、公表するかどうかが鍵だという感じがありますので、少し申し上げさせていただきました。
 事務局より、今後の日程等の説明が行われた後、閉会となった。

午前11時53分 閉会

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成21年以前 --