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初等中等教育分科会(第19回)・教育行財政部会(第19回)合同会議 議事録

1.日時

平成16年2月17日(火曜日) 10時~13時

2.場所

KKRホテル東京 「孔雀」11階

3.議題

  1. 今後の学校の管理運営の在り方について(答申に向けての議論)
  2. その他

4.出席者

委員

 木村分科会長、國分副分科会長、小栗委員、梶田委員、田村委員、渡久山委員、橋本委員、横山委員
(臨時委員)
 石原委員、市川委員、岡本委員、小野委員、高倉委員、西嶋委員、野村委員、船津委員、森川委員

文部科学省

 矢野文部科学審議官、結城文部科学審議官、近藤初等中等教育局長、河野主任視学官、辰野初等中等教育企画課長、森初等中等教育企画課企画官、塩見教育制度改革室長、久保田国語課長、その他関係官

5.議事録

午前10時 開会

(○=委員、●=事務局)

(事務局より答申素案について説明の後、意見交換)

委員
 内容については非常に整理されていて、特に運営協議会について、結果的に校長も入ることもあり得るのですが、例示から外していただいて感謝を申し上げます。
 あと文章的な問題ですが、7ページですが、3つ目の「○」で、「教育委員会が学校の管理運営について最終的な責任を負う」と。その下のほうに、最終的に教育委員会が責任を負うのだと。
 4つ目の「○」には、校長が学校運営の責任者として、ここには最終的には入っていないのです。これが正解だろうと思うのです。
 こういう前提で、13ページを見ますと、13ページの真ん中辺ですが、「校長は、承認された基本的な方針に基づき、学校運営の最終的な責任者」、この「最終的」は取ったほうがよろしいかと思います。
 同じように、14ページの校長の裁量権の拡大のところに、やはり2ヵ所、「学校運営の最終的な責任者である校長」という文言が、一番下の「○」にも出てくるのです。「校長には……学校の最終的な責任者として」。
 ちょっと今、気がついただけなのですが、ほかにもあるのかもわかりませんが、校長はあくまでも第一次の責任であって、最終的な責任は教育委員会だろうと思いますので、校長についている「最終的」というのは削除したほうがよろしいかと思います。

委員
 そうですね。校長に最後までやっていただきたいのですが、法律的には今御発言のように、教育委員会に最終的権限があるということですから、表現を工夫するということですね。その辺が必要だと思います。

委員
 今の意見は、私はいいと思いますね。やはり教育委員会が責任を持つ。公立学校ですから、これはきちんと責任を持つというのがいいと思います。12ページですが、そうであればこそ学校運営協議会には、校長や教職員の代表も入るということでなければいけないだろうという気がするのです。やはり教育委員会とは権限的には別な権限ですからね。教育委員会が最終責任を持つとすれば、それが大事でないかと思います。ここに教育委員会が入るということ自身が、逆におかしいのです。まあ、しかし、今の日本の状況では、やむを得ない部分もあると思いますけれども、12ページ、13ページに関して、ぜひとも構成員には校長や教職員。例えばイギリスあたりだったら、教員、職員と別々に分けて ―やはり利害関係があるという形でから、別々に入れているようなところも、シティアカデミーあたりはあるわけですから、そういう形で考えてもらったらどうだろうかと思いますので、よろしくお願いします。

委員
 7ページの2番目の「○」の最後の行のところで、「設置者負担主義の原則」という「原則」を外していただいて、かぎ括弧をつけてさらりと二つの主義が法律で定められているということで、これは非常にすっきりしたのではないかと思っております。
 ところが、また見てみますと、16ページですが、16ページの一番上の「○」の一番下の行に、ここでは「『設置者負担主義』の原則」が出てきて、前ではとれた「原則」が、ここでは残っているんですね。
 そして、16ページの下から4行目ですが、ここには「設置者負担主義」が出てきていますけれども、これにはかぎ括弧がついていない。これは何か特別の御意図があるのかどうか。
 同じように、25ページの「(2)外部資源の活用についての基本的な考え方」の一番上の「○」の1行目、ここにも「設置者負担主義」があって、ここにはかぎ括弧もついていないし、これには「原則」がついている。
 全体として同じことをおっしゃっているのか、あるいはかぎ括弧がついたりつかなかったり、「原則」がついたりつかなかったりすることが特別の意味があるのかどうかということが、ちょっと気になるので、そのあたり詰めていただければと思います。

事務局
 そこは平仄を合わせるようにいたします。

委員
 この合同会議では、主として地域運営学校の在り方を中心に議論が行われてきていて、今度の諮問事項のどこからどこまでを今度の答申がカバーするかについて、あるいは私のほうに誤解があるのかしれませんけれども、ヒアリングの意見も含めまして、地域運営学校の在り方として、学校教育の在り方、あるいは意義・役割とか、義務教育の意義・役割のための基本的な前提のような位置づけになっているのかというふうに見えます。しかし、この問題は、もしも諮問文の中にある義務教育費の負担の在り方についての検討までカバーする答申なのであれば、少し問題が残されているような気がしないではないのです。これはまだ残された課題で、これからの問題ならそれでよろしいのですけれども、義務教育に関する問題のところで、義務教育費国庫負担制度や人材確保法にかかわる国の政治的・財政的な課題にかかわっている問題だと思います。
 これは人材確保法の点でも、教育の水準維持、あるいは向上という点でも、地域格差を生み出しかねない問題もはらんでいる問題だろうと思うのですが、答申素案では、あるいは中間報告の、憲法と教育基本法と学校教育法で述べられている基本的な考え方を再確認するという範囲にとどまっている穏やかな記述になっていると読めますけれども、中央教育審議会の初等中等教育分科会、特に行財政部会では、まさに行財政的な観点から、今後の義務教育の在り方について、財政的な問題まで含めて突っ込んだ議論が行われてきた上で、このような書き方におさまっているのか。この問題はまだこれから検討する課題なのか、そこをちょっと確認させていただきたいと思います。

事務局
 お手元に、これまでの教育行財政部会の配付資料でございますけれども、大部で恐縮でございますが、インデックスで「1」が振ってございますが、この第1回の会議の資料の中に、諮問文と諮問理由説明というものがございます。資料4と番号が振ってございますのが諮問文でございまして、資料5というのが諮問理由説明でございますが、この諮問理由説明の中に当面の検討事項ということで、この初等中等教育分科会に御審議いただきたい事項について、幾つかございます。
 そのうち、「(1)」番目の「初等中等教育の教育課程及び指導の充実・改善方策について」、これにつきましては、昨年の秋に答申をいただいて、一応の結論をいただいているという状況でございます。
 そして、今、御議論いただいておりますのは、「(2)」のところの「義務教育など学校教育に係る諸制度の在り方」という部分がございますけれども、これは3つの部分に大きく分かれておりまして、1つ目は義務教育に係る諸制度の在り方ということで、就学の時期でありますとか、就学の機会についての課題。
 それから、2番目に、今お話がございましたような、義務教育における教育条件整備の在り方ということで、義務教育費国庫負担制度の在り方等を含めた問題ということでございます。
 3番目が、学校の管理運営の在り方についてということでございます。
 大きく分かれた2つ目の「義務教育など学校教育に係る諸制度の在り方」のうちの「学校の管理運営の在り方」について、今回、答申をいただきたいということでございまして、教育条件整備の在り方については、現在、教育行財政部会のもとにさらにワーキンググループ、作業部会が設けられて検討されておりますので、そこでの検討というものを踏まえて、さらに御検討いただきたいと考えております。
 なお、今回の答申の「学校の管理運営の在り方について」の事柄について、具体的に御提言いただくものではございますけれども、「第1章」に書きました総論的なものにつきましては、今後の議論についても御参考にしていただけるものではないかと考えているところでございます。

委員
 13ページのところでございますが、学校運営協議会の真ん中辺に、学校運営に共同責任を負っているという場合に、また、自らの活動に関しての説明責任があり、目標が達成されない場合には、学校運営協議会の解散など責任を問われるといいますが、学校運営協議会の委員というのは、身分はどういう身分になるのかちょっとわかりにくいので。
 例えば、校長は公務員ですから、教育公務員としての公的な責任を担うという責任をとるわけですが、地域運営協議会は、公務員ということで新たに委員を任命することになるのでしょうか。委嘱となっていますと、民間の方がそのような権限を持ち、公務員と共同の責任をとるという法的な根拠がわかりにくく、かえって地域のほうから見ると、一体、具体的に学校はどこが責任を持つのかということについて、わかりにくくなると思います。
 改めて委員の身分が公務員なのかによって、学校運営協議会の役割が違ってくるのではないかと思っております。
 もう1つ、次の14ページですけれども、上から2行目のところに「学校運営協議会が校長や教職員の人事について具体的に関与」となっておりまして、そのパラグラフの最後のほうには、都道府県教育委員会に意見を言うことができると書いてございます。この「意見を言う」ということと、市町村教育委員会が持っている内申権、それと学校運営協議会がそれを超えて、直接に学校運営協議会として都道府県教育委員会に意見をいうという場合の、内申権と学校運営協議会の意見の法律上の位置づけがどうなっているのか。また、もし意見を言っても、尊重であるので、別に担保されないわけです。学校運営というのは、何といっても教職員の人事が一番のメインで、人事に関して意見を言ったけれども、反映されないというときの責任は、どこがとるのか。
 というのは、目標を達成できないというのは、基本的には学校の先生の力量、あるいは教職員人事にかかわることなので、そのことについて、意見を聞かなかった都道府県が責任をとるのか、あるいは学校運営協議会そのものが、そのことについてある意味では無力であるというわけですから、どういうことになるのか、そこら辺をもうちょっとわかりやすくしていただけたらと思います。
 3点目に、14ページの一番上の「○」のところで、地域運営学校を指定する場合には、市町村の教育委員会が都道府県教育委員会に事前に協議をすると書いてございますが、協議をするということはかなり難しいと思っております。必要であれば、私は設置者管理主義の観点から、届出ということにならないかと思いますが、いかがでしょうか。

事務局
 最初に学校運営協議会の委員の身分でございますけれども、最終的には法制化した際に確認をしなければいけないと考えておりすが、これまで中間報告を受けまして、私ども部内で検討いたしている段階では、たぶん学校運営協議会の委員は、非常勤のいわば特別職の公務員といいますか、いわば審議会の委員と同じですね。そのような身分ということになるのではないかと解しております。法令的には、必ずしも審議会の委員等について、明示的にこれは公務員ですということは法令上書いていないことが大部分のケースでございますが、通常のほかのこれまでの例からすると、そのように解されるのではないかと考えております。
 それから、人事の仕組みについてでございますけれども、学校運営協議会は小・中学校以外にも、高等学校等も一応想定されるということですので、それも含めて書いているものですから、多少省略した形にはなっておりますけれども、ここでは任命権を有する教育委員会ということで、市町村立小・中学校であれば、学校運営協議会が、例えば市町村教育委員会を通じて任命権を有する都道府県の教育委員会に対して意見を言うというような仕組みと考えておりまして、その意見を尊重して、任命権を持っている都道府県教育委員会が人事を行うということだろうと考えております。
 意見を尊重するということにつきましては、可能な限り、そういった運営協議会の意向を実現するように努めるということだろうと思いますけれども、それによりがたいきちんとした合理的な理由があれば、それを示して、それと違う人事をすることもあり得るということだろうと考えております。
 なお、この場合の責任の所在ということでございますけれども、現在の県費教職員制度におきます小・中学校の運営につきましても、市町村教育委員会と都道府県教育委員会、それぞれある意味分担しながら、あるいは共同しながら責任を負っているようなところがございまして、具体的に市町村だけがとか、あるいは都道府県だけがという形にはなってはいないのではないかと思っております。したがいまして、学校運営協議会は、人事等の手続に一定の関与をすることになろうかとは思っておりますけれども、最終的には都道府県教育委員会の権限において決定をすることになっておりますので、そういった責任の形について基本的には変わりはないのだろうと考えておりますけれども、そこに学校運営協議会の一定の関与も加わりますので、学校運営協議会としてもそれが法的にどこまで問われるかということはございますが、一定の責任も加わってくる。そこにプラスされてくるということだろうと理解いたしております。
 それから、こういった学校運営協議会、地域運営学校を置く際の市町村教育委員会と都道府県教育委員会との関係でございますが、ここは県教育委員会の任命権ということ、そして、まさしく先ほど申し上げたような人事についての一定の仕組みを設けるという観点からしますと、都道府県教育委員会と市町村教育委員会との連携が必要だろうということで、そのために協議の手続ということを書いてございますが、これは1つの方法といたしまして、連携を図るための、運営が円滑にいくために必要な事柄というようなことで記述をいたしております。これが協議が適当なのか、届出が適当なのかということもあろうかと思いますけれども、任命権を持っているということの観点からすれば、届出だけでは若干どうかなという気もいたしておりまして、この案では中間報告でも協議とさせていただいていたところでございます。

委員
 再確認させていただきたいのですが、今、市町村教育委員会は市町村が設置している各学校についての人事は、都道府県に対して内申をしております。そうしますと、学校運営協議会が設置された学校については、市町村教育委員会は当該学校の内申は行わないということになりますか。内申の中に入るのであれば、わざわざこのことを都道府県に直接できるというように書く必要はないわけで、学校運営協議会を設置した学校については、市町村教育委員会が、その人事の内申を行わないのであれば、逆に言えば、その当該学校についての人的な管理が現実にはできないわけですので、その点をもう一度お願いします。

事務局
 端的に申し上げますと市町村教育委員会の内申というものはあるのだと考えております。その考え方というのは、学校運営協議会の人事への関与は、学校運営協議会が当該学校の人事のすべてについて、実際に意見を言うことも難しいのではないかといいますか、すべてについてやろうとすると、逆に形骸化したりする場合もあろうかと思いまして、例えば教職員のある人について、空席といいますか、異動対象になるので公募を求めた。その公募に、選考に関与していくという形でありますとか、いろいろな形態が考えられるということがございます。
 あるいは、意見の申し出についても、具体的にこの人をというものではなくて、より抽象的な形での意見の申し出も考えられるというところもございますので、学校運営協議会の意見の申し出が、その市町村教育委員会の内申にすべて全部かわってやるという仕組みではなしに、より柔軟な仕組みを設けて、市町村教育委員会の内申は残しながら、学校運営協議会のいろいろな意見の申し出の対応できるという形の制度のほうがよろしいのではないかと考えているところでございます。

委員
 今の発想は、考え方ですけれども、どう管理するかという感覚で言えば、今のような議論になると思うのです。だが、教育改革国民会議などを含めて、今の審議の流れは、どういう形で学校や、あるいは子どもたちに近いところに、より自由度を増すか、裁量を増すかという方向で、いろいろの議論がなされてきたと思うのです。だからこそ特区で、株式会社、NPOが出てこないと、現在のがんじがらめの管理の中では学校が活性化しない。そういう発想の中で、いろいろの審議がなされてきている経過があると思うのです。
 そうでありましたら、今の場合も、これを見ていても、私から見ればまだ不十分だと思うのです。学校評議員制度が必ずしも十分に機能していない部分は、やはり学校の諮問機関的な要素しかないためか、あるいは、そうでないところもあります。うまくいっているところもあるようですけれども、そうなってきている。
 そういう意味では、もっともっと自由度の増した、学校現場に自由度を増したような、校長はじめ裁量権のあるような学校をつくらなければ、何かというと今の日本の公立学校 ―これは法人による私立学校もそうかもしれませんけれども、活性化しない。子どもたちの自由度をもう少し考えなければいけない。OECDの報告も、学力問題そのものを議論する場合だって、学校の自由度というのは非常に大きく左右しているということまで言われているわけでしょう。
 そういうことを考えますと、今のような発想も、これは最終的には法治国家ですから、法律や規則できちんと整理しないといかんと思いますけれども、考え方としては、学校の自由度を増すほうがいいのではないか。例えば京都で、教員のFA宣言があって、教員が自由に学校を選べるような形をとろうではないかといって、これはどのぐらいどうなるか私は具体的に知りません。しかし、静岡あたりでは、既に学校に3,000万というようなものを与えて、学校の予算編成権を校長を含めて学校に与えるという形が出たり、これは新聞記事の段階ですから、十分知りませんけれども、そういう形で、だんだんこういう試みがなされてきているわけです。
 そういう意味では、当審議会としては、校長や学校への裁量権に含めて、予算ということをここで何もやっていないのです。しかし、実際これを裏打ちするのは、人事と予算ということがよく言われていますから、予算の問題も含めて、もっと学校現場に裁量権や自由度のあるような考え方で、今の規則等も整理していただきたいと思います。

委員
 今おっしゃったことを私も申し上げたいと思っていたのです。というのは、ずっと伺っていると、何か今までの公立学校とあまり変わらんなというね。ただ学校運営協議会というのが中間に入っただけで、余計面倒になっただけで、変わらないなという印象です。これは実際に運用してみれば、自由度が出てくるかもしれませんが、何かそういう印象を持って伺ったんです。それなら、こういう屋上屋をかけるような、こういうことをやる必要はないので。
 これは具体的に書いてあるかもしれません。もう少し明確にしてほしいのは、学校の予算、それから人事、それから業務の計画執行ですね。これは学校運営協議会が責任を持つ。最終は書かなくていいんです。責任を持つと。それを教育委員会、その他関係の機関に報告をする。協議でも内申でも何でもなくて、報告をするということを、1つ入れてほしい。そういうことが明確になるようにしてほしい。これが1つ。
 教育委員会及び関係の機関は、学校運営協議会及び運営する学校に問題があると認めた場合は、調査をして、是正指導ができるという、この1項目を入れておけばいいと思うのです。そういう意味では、最終責任は教育委員会なりにあるということになりますけれども、よほどのことがない限り、伝家の宝刀は抜かない。やはりお任せする。ただ、よほどのときのために、伝家の宝刀として是正指導ができるような道は、1つ明記しておく。これは明記しなければいけないですね、伝家の宝刀ですから。
 つまり、今までの公立学校のいろいろな流れ、特に予算、人事、それからいろいろな業務の執行等々の流れと全く違う自立した学校をつくるのだという、これが明確に出ないと、今まで論議されてきたことがうまく具体にならないのではないかと思います。

委員
 先ほど地域運営学校の在り方について意見が出て、回答もありましたけれども、前に、この11ページにもありますが、「今後ともすべての学校において地域に開かれた学校づくりを目指した取組を推進することが求められる」と、このように書かれております。
 学校評議員制度が形骸化しているところもあるけれども、委員の報告によれば、非常に学校評議員制度が機能を発揮して、いい意味で地域に開かれた学校がなされているという。学校教育法施行規則の第23条の3で、「設置者の定めるところにより、学校評議員を置くことができる」となっているけれども、むしろ、すべての学校に学校評議員制度を義務化して、徹底して地域に開かれた学校にしていかなければならないだろうという御意見が、前回の会のときにあったと思います。
 11ページを見ますと、やはりそういう趣旨が貫かれているわけですが、既存の公立学校がそういう形で地域に開かれた学校になった場合に、この地域運営学校はどういう像が描けるのか、明らかにしなければならないと思います。それぞれの地域運営学校の中で、それぞれの特色のある、個性ある学校づくりをなされるわけですけれども、それと同時に、地域運営学校の1つの特質として、共通したものがあるべきだと思います。そうして、それは、既存の公立学校とは質的に違うものであるはずだと思います。先ほどの御意見にもありましたけれども、そのように明確な何か地域運営学校の像を描くことによって、既存の公立学校や私立学校と互いに影響し合い、競争し合って、それぞれがいい学校づくりをしていくことに意味があると思います。そういうことで、検討会議などで、どういう像を描いていくかを追求していく必要があると思います。既存の学校も地域に開かれた学校づくりをして、これまでとは違うものになっていくと同時に、地域運営学校がそれらの学校と競争しながら、いいものをつくっていくのでなくてはならないと思います。
 そうなりますと、ある特定の地域だけに地域運営学校をつくるのではなくて、日本全国に、地域運営学校をつくり、既存の公立・私立学校と競争し合っていくのでなければ、地域運営学校をつくる意味がないと思います。そういうことを検討会議で検討していかなければならないのではないかと思います。
 第2点は、校長の公募の問題ですけれども、公募することによって、既存の学校の校長とは異質の観点で、物を考え、教育を考えて学校運営する人を選ばなくてはなりません。そして例えば企業経営などをやっている方も、応募するかもしれません。そういう経営的資質を持った人も、校長になるようなことがあるかもしれません。そこで問題は、その校長たちが、子どもという存在をどのように捉えるのか。子ども観なり、あるいは学習ということをどのように捉えるのか、あるいは教育というものをどう見るのかといった学習観や教育観が問題です。なぜなら、それが学校教育の子どもの教育に大きく影響してきます。公募した場合に、教育関係者以外の方が応募して校長になった、その人たちに対して、どんな特別な教育・訓練をするのか。
 私は前回、教育関係者の場合も、地域に開かれた学校ということで、経営者的な学校づくりができるトレーニングが必要だということを話しましたけれども、今回は、特に教育関係者以外の方が校長に選ばれたときに、どのような学習論なり、子ども観なり、教育観なりをどんな形で、どのように教育するのか明確にして、そのための訓練をすべきです。それをしなければ、教員養成部会や課程認定委員会で教員免許法に基づいて、厳しい審査をして、教員としての資質を持たせるということと、自己矛盾があるものですから・・・。校長の権限が拡大してくればくるほど、子ども観なり、教育観なり、そういうものが問われてくると思います。そのことについて書き込みなり、あるいは別の検討会議でやるなら、そこのところを押さえてほしいと思います。

委員
 確認をさせていただきたいのですけれども、ヒアリングなどの結果も踏まえてだと思うのですが、基本的には「第2章」のタイトル、それから「第2章」の「第1節」を見ても、「地域が参画する」という形で、最初はたしか「地域が運営する」となっていましたね。ここら辺を見ますと、少しトーンダウンしたような印象は受けるのです。
 それはそれとして、賛成反対は別として、とにかく地域が参画するということがずっと最初の文章で出てきますので、そこを見ますと、読んだ印象としては、学校がこれまでのように運営主体というものがあって、そこに地域が参画していくという印象を受けるのです。
 ところが、名前としては地域運営学校という名前は残っているのです。地域運営学校という名前を見ますと、地域が運営する学校というふうに普通はとれる。主語は地域が運営というふうにとれると思うのですが、まえがきあたりのところを見ますと、運営に地域住民が参画するのであると。ここをどう説明したらいいのかというのが、私も説明を求められたときに、ちょっと困るような印象を受けるのですが、地域に参画する、ではそのときの運営主体は何かというあたりを、もう一度ちょっと。それから、地域運営学校という名称をこれからも残していくとすると、そこの説明をもう一度改めて、基本的なことですので、お願いしたいと思います。

委員
 中間報告の段階でヒアリングなどをやりまして、一番議論が多かったのは、各団体とも校長と学校運営協議会との関係といいますか、権限の問題があいまいであるというのが一番多かったと思うのです。特に校長が運営協議会に入っていたら、それはどうなるのかとか、意見が違ったらどうなるのだとか、いろいろありましたけれども、今回の案では、従来、例えば責任を共有するというような情緒的、文学的表現がなくなりまして、かなりクリアになったし、基本的には協議会が承認した大綱に基づいて、校長が具体の執行を行い、最終的かどうかわかりませんが、責任者は校長であるということで、明確になったと思うのです。
 ただ、1つまだ残っているのは、先ほど委員の方が言われました市町村教育委員会の内申権との関係が、まだクリアでないという気がいたします。この表現は、県立学校等も踏まえた表現だということですが、県立学校と市町村立学校と一度に書くのはかなり無理があるので、そこのところをきちんと分けて、特に市町村の教育委員会の内申権との関係がどうなるのか。つまり、内申するに当たって、運営協議会の意見を取り込んで内申するのか、不幸にして意見が一致しなかった場合の取り扱いはどうなるのか、あるいは市町村教委に関係なく、都道府県の教育委員会に意見を申し出るのか、それを受けた都道府県の教育委員会はどうするのかというところがきちんとされないといけないのではないか。いろいろ限界があるかもしれませんが、できるだけ最終答申に向けてその辺がクリアになるような文言の整理をお願いしたいと思います。

委員
 全体的に大変整理されて、本当にわかりやすい内容になってきたと思います。
 1つ、私のほうは、13ページのところですけれども、「イ」の「学校運営協議会の役割」。役割として次の「○」のところに3つ掲げてありますけれども、これは一つ一つ大変大事なことだと思っております。この一つ一つの機能を、何のためにということを考えますと、私はこれをずっと全体を眺めてみても、本当に子どもありき、育てたい子ども像等々が見えてこないと思っているのです。
 先ほども、子ども観、教育観、このようなことが重要ではなかろうかというお話もありましたけれども、このような一つ一つの機能が大事。ただし、一番大事なことは、育てたい子ども像はどうなのか、また、それに対する教育観はどのようなことが、ということが見えてこないのが残念かなと。やはりそういう見えるような記述をするだけでもだいぶ違うのではなかろうかと思います。大変重要な内容になっておりますので、この全体を見ても、管理運営の在り方についてということになっておりますので、それはわかるのですけれども、子どもを私たちは育てていきたい。こういう新しい学校づくりをするに当たっても、どういう子どもを育てるのかが重要ではなかろうかと思っております。

委員
 確認なのですが、この分は全部、地方公共団体の設置する公立学校ということでなっておりますが、このところ、私、国立大学の附属の小・中の先生方と何度かいろいろなところでお会いしていまして、中間まとめが出たものですから、附属小、附属中がこれからどうなるのだろうかという御心配の ―それは別な意味でですが。大学法人になりますから。そういう方々の中からは、つまり、この4月から大学法人になりますね。大学法人が設置する義務教育諸学校が、地域運営学校になり、運営を委託した学校ということになることが可能なのだろうかという声を幾つか聞きました。
 この文言だと、地方公共団体が設置すると書いてあるから、場合によったら「等」を入れてもらうとか、何か含みをするか、あるいは制度的な枠組みとしてはそういうことは考えないのか。これが1つです。
 もう1つ、素案には、国が設置する、国、地方公共団体というのが並べてありますが、これが大学法人になったときの附属小、附属中が、国が設置すると言ってもいいのだろうかとか、言葉の使い方も含めて教えていただければと思います。

事務局
 最初の御指摘でございますけれども、コミュニティ・スクールの検討につきましては、地域や公立学校の運営に参画するという形でずっと言ってきてはございます。その際に、学校の名称でございますけれども、地域運営学校といたしておりますが、これはずっとコミュニティ・スクールと言ってきた片仮名語を、とりあえず片仮名語でない形ということで考えたわけでございますけれども、正確には、地域が運営に参画する、しかも、これは地域だけではなくて、保護者、地域住民ということでありますので、本来であれば、地域運営参画学校ということも考えてはみたのですけれども、言葉としてかたいのではないかという点もございまして、便宜上地域運営学校というようなことにしておりますが、考え方としては保護者、地域住民が学校運営に参画をするということで、その参画のための仕組みをきちんと設けていく学校ということで考えてきております。
 それから、次の御質問でございますが、1つは、基本的に私の理解では、国立大学の附属につきましては、今後は、この4月から国立大学法人が設置する学校ということになっておりまして、国立大学法人には国立大学法人の管理組織、学外者も入れた管理運営のための組織が整備されてまいりますので、そういった仕組みのもとで運営されていくものだろうと考えております。今回の検討につきましては、対象としては公立学校を対象として考えているということでございます。
 なお、今後の国立大学の設置者の概念につきましては、今回の法改正では、国立大学法人が設置をするわけでございますけれども、その国立大学法人は法律上、学校教育法上は国に含めて考えるという形で整理をされていると理解いたしております。

委員
 今の国立大学の附属がみんなそうなるという意味ではないのです。全くそういうことではないのです。中で、国立大学法人独自で、これからいろいろな御判断をなさるところが出てくると思うのです。1つの教育学部とか、1つの教育大学で、3つも4つも附属小学校、附属中学校を持っているところが幾つかありましてね、御存じのように。これを1つに集約するとか、今、いろいろな論議が中でも起こっているのです。もちろん国のほうでもいろいろと論議しておられると思いますけれども、中でも起こっております。そういうときに、一部の大学法人が我が方の設置しているものを、ある意味では若干切り離して、こういうようなことが可能なのかどうなのかという質問が出ているのですが、今のお答えだと、この制度としてはそういうことは一切考えていないと理解してよろしいでしょうか。
 地方公共団体、つまり、都道府県と市町村の設置するものだけについて、今は考えているのだと、こういうことでよろしいでしょうか。

事務局
 このコミュニティ・スクールに関しましては、公立学校を対象として検討を進めているということでございます。国立大学法人はまた国立大学法人の別の運営の仕方があると考えております。

委員
 少しお願いなのですが、教育課程審議会で非常に重要視された、いわゆる子どもの興味・関心、あるいは個性を生かすという部分が、日本の子どもにとっては非常に弱いという、PISAの報告でもそうですし、そういった意味におきましても、この制度が子どもにとってどういうものであるかというふうに考えましたときに、市町村教委が中心となります義務教育のところが、ちょっと高等学校あるいは幼稚園ということで今回の見通しがなされているという中で、今、教育の中で日本人に一番求められている、子どもの勉強嫌いをなくすとか、あるいは興味・関心を育てながら、学ぶ意欲を高めるといった視点で考えましたときに、義務教育におけるこういった制度に対する構えも、一面押さえておいてほしいなという気持ちがしております。

委員
 特に今の公立学校と国立の附属学校は、人事交流をやっておりますので、人事のときに、公立学校はこういう形の運営協議会を設けた学校でやっていく、今度は国立へ行きますと別の形になっていくわけですね。ですから、実際にやろうとしますと、国立大学もそういうことを考えていかなければならないのではないかと思うのです。地域に開かれたというようなこともあわせて、もちろん附属には附属学校としての役割はありますけれども、そのあたりは別のものとして考えれば考えられないことはないのですが、実際にやっていこうとすると、人事問題等でそういう関連が出てきますので、そのあたりはどういうふうに考えていくのか。そのことは今後、問題になると思いますので、おわかりであれば御説明いただければと思います。

委員
 ただ、これは全部が我々が考えているような学校になるということではない。我々がやっていることは、雰囲気づくりをして、その中から、各地域の状況に応じて、選択してくれというものですから、全部周りがそうなってしまうということではないので、今の先生の御心配は当たらないのではないかと思います。そういうことでよろしいですね。

事務局
 現在においても、公立学校と国立大学の附属とは任命権者が違う中で、人事交流が進められておりますので、そういった基本的な仕組みは変わりがないのではないかと考えております。
 また、国立大学附属においても、地域でありますとか、保護者との連携は重要だろうと思いますので、それは変わりがないのだろうと思っておりますけれども、そのための仕組みのやり方というのは、またそれぞれ工夫があって、違うのができるようになっているのではないかと思っております。

委員
 附属学校の在り方については、確かに問題としてありますので、場所をどこにするかわかりませんけれども、別の機会か別の場所で審議する必要があると思います。

(事務局より高等学校設置基準、高等学校通信教育規程の改正について説明後、意見交換)

委員
 今の時代を考えた場合、こういう基準の改正は結構だと思っておりますが、ただ、通信制のほうは、現実にいろいろな問題が出ているのです。いろいろ議論されているわけでして、それをチェックする、いわゆる事後チェックというのでしょうか、自己評価、それから結果の公表等をやらないと、条件だけ下げてしまって、中身が問題になるということを加速する危険がありますので、本当は第三者評価がいいと思うのですけれども、何かそういうことを言及しておかないと、ちょっと心配だなというのが。現実に、通信制についてはいろいろ出ていますので、その辺のところを御配慮いただければありがたいと思っております。何か仕組みができるかどうかですね。

事務局
 通信制の規程につきまして、今回、こうした改正を考えているわけでございますけれども、やはり運用に当たって、先生の御指摘がございましたような、いろいろな問題が生じているという、現実に問題もございますので、そうしたことが起こることのないように、認可権者のほうにも十分お願いをしてまいらなければいけないと思っております。
 また、直接この規程におきまして明記することは難しいかもしれないのですけれども、いろいろな意味で指導の方法等についても引き続き考えてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

委員
 私も、通信制のことに絡んでなのですけれども、最近の様子を見ていますと、専門学校で通信制の高校の資格も取れるというような形で募集しているところが幾つか出ていると思うのです。結構、子どもたちにも人気があるようです。ファッションデザインとか、コンピュータ・グラフィックスとか、そういう専門学校的なことをやりながら、通信制の高校資格も取れるというような場合には、この設置基準というのは、専門学校のほうが持っている校舎であるとか、そういうリソースと切り離した上で、この基準を満たさなくてはいけないのか、あるいは専門学校のほうが持っている校舎と、場合によってはダブルカウントみたいな形のことが許されるのかどうかというあたりを伺いたいと思ったのですが。

事務局
 通信制の高校と申しますのは、自分のところで、実施校と言っておりますけれども、自分のところで当然教育を行うということと、あと協力校と申しまして、他の高等学校に協力をしてもらって、例えばスクーリング等を行うといったふうな仕組みはございます。ただ、協力校と申しますのは、高等学校という位置づけになっておりますので、専門学校においてそういった位置づけにするということは、制度上はできない仕組みになっております。恐らく先生がおっしゃっておられるのは、専門学校に入学すると同時に、別の通信制の高校に入学できるといった仕組みを整えて、事実上運用しているということではないかと思っているのですけれども。

委員
 私もたぶんそうだと思います。それであれば問題ないと思うのですけれども。つまり、独自の設置基準を満たした通信制の高校というのが既にあって、ある専門学校がそこと提携するという形で生徒を募集するという形であれば全く問題ないと思いますが、これが最初からダブルカウントするような形で、設置基準を満たすようなものが新たにできていくと、ちょっとそれは問題があるかなと思いましたので。

委員
 1点だけですけれども、1ページの「2」の「4」の生徒数ですが、原則40人以下となっていますが、これはもう少し少なくならないですかね。今、中途退学なんか見ていますと、特にここで書いていますように、同時に授業を受ける生徒というのは、国語とか、英語とか、数学とか、そういう一般教科が多いのです。しかし、その教科が困難な状況がたくさん出ているのです。そういう意味では、大胆に35人とかでもいいのではないですかね、この際。まあ、できないかな。よろしくお願いします。

事務局
 今回、設置基準は、最低基準ということで明確化するという趣旨もございまして、当然それぞれの設置者なりの努力で、少人数教育を進めていただくことは大切なことだと思っておるのですけれども、国として明確化する最低基準しては、現時点では40人以下とするのが一番妥当な線かなと考えまして、今回、このような規定にはしております。

委員
 今度は面積の問題ですけれども、今、8学級規模校で、1,000人の生徒だとしますよね。旧基準では1万平米、校舎が必要である。この基準ですと5,440平米で学校ができる。ほぼ半分ですね。大丈夫かなという気がするのです。高校の場合、特に様々、複雑な授業形態をとりますので、特別教室ももちろん、中学校に比べれば多数必要になってくるという状況で、今の感覚の半分の校舎で、1,000人の生徒の教育活動ができるかというのは、若干イメージがつかめないのですが、その辺はいかがでしょうか。

事務局
 今回の基準は、学科を問わず、いずれの学科についても最低限必要な面積ということで、お示ししております。ですので、当然、全部このとおりでいいということではなくて、必要に応じてそれぞれの学校なりで十分な面積を確保していただくということ。また、私立学校の場合には、それぞれの認可権者で適切な基準を設定いただいて、御判断いただくということを考えておるものですから、いずれの学科にも共通して必要な本当に最低限のミニマムのラインということで引いた線が、これであるというふうに御理解をいただければと思っておるところでございます。

委員
 他の学校の教員等と兼ねることができるという点について、2点ほどお伺いしたいと思います。
 1点は、既に小学校と中学校の設置基準では、このことが書き込まれている。それを高等学校のほうで追いかけてきたのか、あるいはそうではなくて、高等学校独自の何か御主張があって、これを特に書き込んだのか、それが第1点でございます。
 第2点は、平成14年だったと思いますが、教員免許法が改正されて、免許状の弾力化が図られた。免許状の弾力化に対応するのだというように、積極的にこれをとらえてよろしいのかどうか、その2点でございます。

事務局
 小・中学校等に規定があるからという話でございますが、小・中学校に規定があるということも当然ございますし、また、学校間連携とか、あるいは中高一貫教育のような形での連携も、今後、ますます進めていかなければいけないという観点で、今回、高等学校の設置基準にもこうしたことを明確に規定してはどうかということでございます。
 それから、免許の弾力化のお話もございました。こうした免許の弾力化を活用する際にも、恐らくこういう規定があったほうが円滑に進むのではないかという考え方も背景にございまして、こうしたことをとっておるわけでございます。

委員
 従来、公がつくるいろいろな規則は、殊に戦後そうだったと思うのですけれども、性悪説に立っている。要するに、最低基準というと、それをクリアすれば良いということだったと思います。しかし、これだけ社会が成熟してくると、性善説に立って、あくまで最低限は押さえておくが、実は最低限というのは、本当に最低である。子どもたちのことを考えれば、それでは駄目で、もっとやらなければ駄目ですよという、考え方が広まっていかないとうまくいかないのではないでしょうか。
 校地の問題、それから1学級40人の問題も、そういうふうに解釈していかないと、なかなかこの国はうまくいかないのではないかと、考えております。

(これからの時代に求められる国語力について説明後、意見交換)

委員
 これは前々からちょっと感じていることですが、文化審議会と国語分科会で、「国語」という言葉を「日本語」というようにして使う、あるいはしたほうがいいのではないかという意見はないでしょうか。何故かというと、今、国際化していて、外国から帰化した日本人、または外国人等が勉強するとき、日本語を勉強するのです。ジャパニーズをね。国語として、マザータングとしてのものではないですよね。ですから、国際的なコミュニケーションの手段として日本語が使われるとすれば、やはり日本語という感じで表現していくのが妥当ではないかという気がするのですが、そういう議論はないでしょうか。

事務局
 分科会の中で、具体的にそういう御指摘は今のところございません。ただ、学会の中でございますが、これまで国語学会という名称のものが、この1月から日本語学会というふうに名称変更しているという動きがございます。
 ただ、国語と日本語という言葉の使い分けについてでございますが、まさに先ほど先生がおっしゃいましたマザータングとしての、母語としての言葉を指す場合には、国語という言い方をしておりまして、日本語を第2外国語ないしマザータングとしてでない方の教育をとらえたときに、言語名称としての日本語というふうに役所としては使い分けてやってきております。

委員
 このまとめをお手伝いさせていただいたものですから、その立場で今のお話を、中でも多少議論されたわけですので、お話しさせていただきますと、認識としては日本語を話す人が日本人で、日本語を話す人たちが住んでいる地域が日本という国だという認識が大前提にあるわけです。国語教育と言われる中で、この議論の最初に出てきたのが、国語教育の大目標というか、その中核に、高次の情緒力という、今まであまり使われたことのない言葉なのですけれども、高次の情緒力ということを非常に意識して議論が展開したわけです。つまり、伝統文化、日本の独特のわびとか、さびから始まった、いろいろな伝統文化の持っている日本独特の価値観みたいなものが国語の力で支えられているという考え方です。それをちゃんと伝えていく部分があるという考え方が基本にございました。
 そこで、日本語という使い方をしないで、国語ということでいくという話になった流れがございました。
 それから、脳の研究者に入っていただいたものですから、脳の発達段階というのを今回初めて取り入れて、国語教育の中に生かしたというようなまとめにもなっております。それなりに随分考えて、ルビを復活するとか、いろいろなことをやって、国語の性格を意識して議論したという経過があったようなふうに感じております。

委員
 小さなことか大きなことかわかりませんけれども、この答申では「子ども」の「とも」の字が「供えるの「供」」になっていますね。文部科学省もかつて「子ども」を使っていて、それがある時期から「供える」になって、また最近は「子ども」と平仮名になっているのですけれども、これは国語力について書かれている中で、一貫して「子」に「供える」になっています。この子供の漢字の使い方は教育史的には歴史性がありまして、ただ単なる使い方の問題ではなくて、思想性があります。戦前、戦中は「子供」、戦後は「子ども」で、一時期また「子供」になり、文部科学省も最近は「子」に「ども」の平仮名を使っています。
 先ほどの「今後の学校の管理運営の在り方について」の答申素案を見ますと、6ページには、「子」に「ども」を使っているわけですけれども、あえてこういう文科省の動きの中で、文化審議会の答申の中に「供える」を使うというのは、一つの方向を決定するものですから、如何なものか思いました。小さなことかもしれませんけれども、教育史の上では歴史性があるものですから、大きなことかもしれません。
 それとついでと言ったら悪いですけれども、先ほど皆さんと審議いたしました答申素案の中に、私が比較するところで調べたところでは、他所にあるかもしれませんけれども、6ページの真ん中辺に、わずかに「子ども」という平仮名を使っているのがあるのですけれども、ひょっとしたら他所にもあるかもしれませんが、蒸し返すようになって悪いですけれども、この答申素案の中に、私が調べたところ6ページにわずかに「子ども」があるだけです。このことからして、この素案は「子ども不在」だなということを感じます。巻き返しになるかもしれませんけれども、比較検討してそういうふうに思いました。もしお答えをいただけたらと思いますが。

事務局
 まず文化審議会の「子供」の使い方につきましては、「子供」の「供」の字を漢字にしている点でございますが、これは従来から国語審議会では「子供」ということで、漢字で表記してきたことと、それの根本には、文部省の用字用語例集で「子供」という漢字表記にするという用例になっております関係で、それに沿って記述しておるということでございます。

委員
 中教審も、最初の答申の中間報告までは「供える」を使っていたのです。それを国民にファミリアな使い方にしたほうがいいだろうということで、「子ども」というふうに直したのです。それまではたぶん「供える」を使っていたものと思います。

 事務局より今後の日程の説明が行われた後、閉会となった。

午後0時13分 閉会

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(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

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