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初等中等教育分科会(第15回)・教育行財政部会(第13回)合同会議 議事録

1.日時

平成15年12月5日(金曜日) 10時~13時

2.場所

霞ヶ関東京會舘 「シルバースタールーム」(霞ヶ関ビル35階)

3.議題

  1. 学校の管理運営の在り方について(中間報告(素案)について)
  2. その他

4.出席者

委員

 鳥居会長、茂木副会長
 木村分科会長、國分副分科会長、小栗委員、梶田委員、加藤委員、田村委員、渡久山委員、橋本委員、横山委員、市川委員、今井委員、岡本委員、小川委員、小野委員、西嶋委員、野村委員、船津委員、森川委員、矢野委員、吉野委員

文部科学省

 加茂川私学部長、樋口初等中等教育局担当審議官、金森初等中等教育局担当審議官河野主任視学官、辰野初等中等教育企画課長、大槻教育課程課長、義本幼児教育課長、久保私学行政課長、森初等中等教育局企画官 その他関係官

5.議事録

  • 事務局より資料1の説明が行われた後、意見交換。(○=委員、●=事務局)

委員
 非常によくまとめられていると思います。
 最初の2ページのあたりで、入れていただく、いただかないは結構なのですけれども、私の思っているところとしましては、日本の教育では、よい面を伸ばす教育、つまりエンカレッジする教育であって、ディスカレッジする教育ではないという、そういうのが必要だと思います。アメリカの教育というのは、どちらかといいますと、いい面を伸ばす。日本は、悪いところを、おまえここが悪いんだというようなところがありますので、そういうのがもし少し文章で含められたらなと思います。
 それから、教職員の方の給与の話が6ページ目の下から5~6行目ぐらいに触れられていると思うのですけれども、これは今、日本の社会で、銀行業なんかでもすべてそうなのですが、そこの教職員の方々のインセンティブ・メカニズムを、ここでは議論されていませんけれども、何かきちんと与えてあげるような方策といいますか、まさに日本の銀行業にそれがないものですからうまくいっていないのだと思うのですが、いろいろ学校の管理運営とともに、やはりそこで働いている教職員の方のインセンティブ・メカニズムがうまく働くような、給与体系を少し変えるとかいろいろあると思いますが、そういうこともどこかでまた御検討いただければと思います。

委員
 大変よくできていると思うのですが、学校改革をする際に非常に重要なのは、親の意識改革なのですね。学校だけで幾らやっても、結局、満足するものが出てこないのは、学校に原因がある場合がありますけれども、同時に親、現在の日本の人たちの意識ですね。ちゃんとそれに応じてくれないと困るわけでありまして、自立した、自己責任を持つ人間として生きていくのならば、学校改革にも協力してくれなきゃ困るわけでありまして、その趣旨をいろいろなところで強調していただければありがたいと思います。

委員
 私は基本的に、この新しいタイプの学校というのは、従来の学校の閉鎖性を打破し、より開かれた学校づくりという視点からずっと見ていたのですが、そういった意味では、今なおその必要性については懐疑的ではあるのです。ただ、今ここで書かれたような「第1章」の背景からすると、それはやはり中教審の答申に出さざるを得ないだろう。そういう観点から「第2章」を読ませていただいて、私はこれでよろしいかと思っています。
 ただ、1点、非常に気になりますのは、10ページなのですが、学校運営協議会の設置・役割と、実際の最終的―最終的には教育委員会ですが、現場での最終責任を負う校長との関係というのが整理しにくいですね。
 というのは、校長が学校運営協議会のメンバーになっていますよね。下へ行くと、校長は、運営協議会で決めたことを、この方針に基づいて具体的な事務を行うのだと。そうすると、最終的な責任を負うとすれば、例えば教育計画にしても予算にしても、何か校長に学校運営協議会との関係で権限を留保する。この仕組みというのは、私は、校長の立場を考えればぜひ要るのではないかという気がするのです。
 メンバーに入ることはいいのですがね。あるいは、運営協議会で決まった方針に基づいて学校運営を遂行していく、これもいいのですが、ただ、最終的に責任を負う校長として、必ずしも運営協議会の方針にイコールとは限らないわけですね、校長たるもの。
 教育委員会の関係では、12ページにあるように、点検・評価等を通していろいろな関係が出てくるのですがね。日々、学校運営を行う関係でいくと、校長に極端に言うと拒否権を与えるといった何かが必要ではないかという気がいたします。

委員
 私も図を見て、わかりにくいなと前から思っていたのですけれども、校長が運営協議会のメンバーなのですよね。かつ、デシジョンメーキングをしなければいけないということで、その辺どうですか、事務局。確かにわかりにくいと思いますね。

事務局
 校長が学校運営協議会のメンバーになるというのは、これまでも実践研究校におきまして類似の組織をつくった場合の取組でありますとか、あるいはイギリスの学校理事会においても校長がメンバーになっているのが通常であるということ、それから私立学校の理事等におきましても、それぞれ性格は違いますけれども、校長が入っている。
 そういう合議制の機関の中に校長も入っていて、なおかつ一定の事柄について、基本的な事項について運営協議会なりが決定して、それに基づいて、日々、教育活動を行うのが校長との関係でございます。
 そういう意味では、協議会は合議体としての組織であり、校長はその組織の一人として入っております。そして、日々の活動については校長が独任の機関といいますか、それを執行していくということでございます。
 一つ、学校運営協議会が学校の運営に関する一定の部分、意思決定に関与してくるわけでございますけれども、学校に関することすべての事柄について意思決定を行うものということでもございませんし、日々の具体の児童生徒に対するいろいろな事柄、具体的に例えば卒業の認定でありますとか、入学の許可でありますとか、課程修了の認定とか、そういう具体の事柄については校長が決めるということでありますので、それを学校運営協議会が違った決定をするとか、覆すということはあり得ないわけでございまして、基本的な方針を学校運営協議会で決めていく。その際に校長は、通常はその原案なりそういったものを提示する役割を持つのではないかと思われます。特に基本方針等の一定の事項についての意思決定を学校運営協議会が行って、それに基づいて、個々具体の事柄については学校長が決定していくという関係に立つのではないかと考えております。

委員
 先ほどの委員の御心配は、私もごもっともだと思うのです。
 私ども民間の企業の場合、社長と取締役会というのがあり、殊に最近、ここ数年、コーポレート・ガバナンスという問題が非常に重要な課題になっておりまして、社長と取締役会の役割がどうかということが非常に広く議論されているわけですが、社長というのはやはり一番責任あるわけですから、これは仕事しなくちゃいけないわけですよね。
 取締役会というのは、あまり細かいことはやらない。基本的な方針は取締役会が決めますけれども、あとは全部社長に任せる。社長が仕事をしているかどうかをチェックする、監視するのが取締役会の仕事である。もし意に沿わないのであれば、取締役会としては社長を首にする権限はあるということなのですね。
 ですから、これはおおよそ同じことではないかと思うのです。学校と企業と若干違うかもしれませんけれども。ですから、校長はやはり責任があるし、権限もなければ校長は務まらないです。
 校長にはやはり相当な権限を与え、責任も持たせる。しかし、基本的なことについては運営協議会で決める。しかし、ほとんどのことは校長が決める。ただ、校長がちゃんと仕事をしているかどうかをチェックするのが運営協議会の役割であって、しかし、校長がちゃんと仕事をしなければ、最終的には首にできる権限は持つということではないかと思うのですけれどもね。

委員
 今のお話に関連して、ある意味ではもう少し一般論になるかと思うのですけれども、この運営協議会というものが、バリエーションというのがあるのかないのか。運営協議会というのはこういうものだともう決まっていて、それしか探る道がないのかということなのです。
 例えば、今の委員の構成でも、教育委員会規則において定めることになるとなっているわけで、校長が入ってもいい、入らなくてもいいということまで可能であるのかどうか。
 それによって、校長と運営協議会との権限関係といいますか、責任分担といいますか、随分変わってくると思うのです。仮に入らない場合であっても、校長の上にあるのか、あるいは変な言い方ですが、横にあるのかというバリエーションがあり得るのかどうか、こういうことだろうと思うのです。
 それから、今度は権限で言いますと、学校運営協議会の役割として、例えば、教育計画、人事、予算等に関する方針案について承認を行う。そして、基本的な意思決定を行う。校長は、この基本的な方針に基づいて学校運営をやっていく、こう書いてあるわけですね。
 そして、人事については、学校運営協議会が校長や教職員の人事について具体的に関与することができるようにするとともにという記述がある。これは方針案の承認の中身であるのか、プラスされたものであるのか、そして、これは一体であるのか、切り離してもいいものであるのかという点について、つまり運営協議会というのが一つの固定したものがあって、それしかないというのか、設置者の判断によって、運営協議会にもいろいろありますよという選択を認めるのか。
 その辺はどうなのでしょうか、原案をつくられた気持ちとしては。

事務局
 基本的には、地域運営協議会の果たすべき機能のところに、教育委員会として具体的に定めていく場合に、ある程度のバリエーション、意見表明等の機能等いろいろな面はあろうかと思っておりますけれども、これまでの取組をしながら、基本的に学校運営協議会と校長との関係はどういうふうになるのかという点についてある程度ルールを明確にしたほうが、教育委員会としてもやりやすいのではないかと、実践研究を通じて感じてはおりますので、一定のルールはきちんと示したほうがいいのではないか。その中で、いろいろ具体的な機能については多少バリエーションが出てくるのではないかなと考えているところでございます。

委員
 そうすると、モデルとしては、委員からご指摘があったようなことでよろしいのですか。企業と必ずしも1対1には対応しないと思いますけれども、アイデアとしては。

事務局
 アイデアとしては、先ほどおっしゃられたように、一つは、基本的な事項に関しましての、基本方針についてのいわば意思決定に関与するということだろうと思います。
 それと同時に、さらに人事に関しては、任命権者たる教育委員会が人事を行う際の手続の中で、一定の関与の仕組みについて、ある程度ルールを定める必要があるのではないかなと考えているところでございます。

委員
 例えば人事について言えば、基本方針の方針プラス何らかの関与、これは法令的な検討が必要だと思いますから、何らかの関与というふうに書いてあるのだろうと思うのですけれども、それはもうセットである。基本的な方針だけの承認ということではなくて、そこまで一緒になっている、こういうふうに考えたほうがいいのですか。

事務局
 そういう権限を付与できるように仕組みを作る必要があろうかと思っております。

委員
 今の議論をしていく上で一番頭を整理するのには、参考資料1の3ページの図を見ながら議論するといいと思うのです。今、3~4人の方からの御発言とこの絵は若干ずれているのです、既に。委員の御質問に対するお答えとしては、この絵と若干違ったように思いますけれども。この絵は、いずれもう少しきちんとしたものにかき直されるのですよね。

委員
 結局、私もあるところで説明していて、自分でわからなくなっちゃったのは、その右上の「地域学校協議会に期待される役割」の、この仕事の内容と校長との関係がよくわからないということで、たぶん先ほどの御質問もそこから出てきたのだろうと思いますけれども。

委員
 学校運営協議会の役割の中で決定的に重要なことは、新しいコミュニティを作るということに学校が核になって働くという意味があると私は考えたのですが。
 10ページ目の一番上のところにそのことが少しく触れられております。2~3行目のところで、幼稚園や高等学校を対象にする。例えば幼稚園というのは、保育園も入れた形で考えているのですけれども、明らかに地域の要望がそこには反映されるのです。なおかつ、それが学校教育とか、幼稚園であれば幼稚園教育に反映されていく。その役割を果たす意味で、地方分権をする意味がすごくあるのだと。今、日本の社会で言われているのは、コミュニティがもう日本にはなくなってきているということです。これは非常に危険な状態になりつつあるわけです。ですから、その復活をこの学校改革の中でしていきたいなという願いがあるわけです。
 そういうふうに考えますと、ここからそれができるかどうかはわからないのですが、10ページの上から2~3行目のところに、できれば幼稚園、それから保育園といったようなことが書けるのかどうか。つまり、地域の新しいコミュニティを作るために学校が核になる。学校教育はそれに手助けをするという面が非常に重要なポイントとしてある。これが新しい学校改革の大きな役割なのだということを、ここでちょっと触れることができないだろうか。
 校長さんと協議会の分担は、そういうふうに考えていくと、自然に分かれていくような気がいたします。協議会のメンバーは、いずれにせよ、教育については素人の人が入ってくるわけですから、それは地域の反映をするという意味で、意味があるのだろうと思います。校長は、そういう人たちと話し合いをしながら、特色ある学校をつくっていくという役割なのだということで、お互いに侵さないような分担、役割をしながら、どういう方向に行くかというと、やはり分権というものが求めている教育の活性化。
 これは、実はPISAの話を聞きながらつくづく思ったのですが、ドイツは分権に失敗しているのですね。あれは、中央集権がただ16の県に分かれただけで、16の集権化した教育システムができちゃったということで、非常にうまくいかなかったということが反省として出ているようです。それと同じようにしないためには、今のようなことをはっきりさせる必要があるのではないかという気がいたしまして、その辺が書けるのかどうか。
 保育園のことまで書いちゃうと怒られちゃうんですかね。

事務局
 保育所につきましては、確かに幼児教育の一端を担うということがございますが、制度的には児童福祉施設というような位置づけになっておりますので、学校とは違う規律で動いているという世界でございます。
 その辺、幼保一元化の問題もございますけれども、幼児教育を担う立場からのそういう共通性はございますけれども、制度的な問題は明らかに違う面もあります。その辺はどういうふうにできるかどうかについて、ちょっとこの辺はにわかに、取り入れることができるかどうかについて、私どもとしてはなかなかお答えしづらい話でございますので、その辺は事務局の中で、場合によっては厚労省にもかかわる話でございますので、少し勉強させていただいた上で考える必要があるかなと思っております。ちょっと答えになっておりませんけれども。

委員
 私はやはりコミュニティをつくろうという努力だということだと思いますので、できればそういうものを入れるとさらにはっきりすると思います。
 それから、コミュニティをつくっていくというのは、「はじめに」のところに書いてありますことは、実はそういうことも包含しているのですけれども、もっとはっきり書いたほうがいいかなという気もしないでもありませんので、ちょっと検討しましょう。

委員
 10ページですが、今いろいろ議論がございましたけれども、公教育といいますか、公立学校が一番批判されているのは、非常に画一的ではないか、いわゆる自由度があまりないのではないかということですよね。OECDのこの間のレクチャーでも、やはり各教育機関の自由度が、教育改革の成功度というか、あるいは子どもたちの学習の成果を非常に上げているというような話もあったのですね。そういう感じで見ますと、やはり今までよりは、この協議会をつくって公立学校を運営しようというのは、私は一定の前進だと思うのです。
 そういうような観点でもう一度これを見てみますと、やはり設置者は教育委員会だ、学校はあくまでも学校の組織体があって、それは執行機関だという感じがしますよね。執行機関の長が学校長。だから、これは何かというと、管理責任者という感じである。しかし、それに対して地域が一定程度のコントロールをするというような形であれば、ある程度権限は分かれていなくちゃいけない部分があると思うのです。
 校長を解雇する権利まであるかどうかは別としまして、イギリスあたりのアカデミーあたりではそういう権限も与えられているところもありますから、イギリスのようには民主主義が必ずしも成熟していない日本では十分ではないかもしれませんけれども、考え方としては、そういう考え方が生きるような形がいいのではないかという気がします。
 そういうことを前提にして見ますと、学校運営協議会の委員の任命は、教育委員会が委嘱するという形になります。そうすると、教育委員会が委嘱するのだけれども、校長は既に教育委員会が一定程度管理者として任命しているのです。これが一つです。もう一つ、ここに教育委員会関係者というのがあります。そうすると、自らが任命する権限がありながら、自分が委員になるというのも、またこれどうかなという気もちょっとします。
 ただ、最終責任は教育委員会が持つ。特に幾つかのところで出てきたのですけれども、もしも設置の許可をしたのが教育委員会であれば、設置を取り消すという場合、どのようなときに取り消せるか。協議会そのものなのか、それとも教育委員会自らの点検・評価なのかというのもありますけれども、私はもう一つ、第三者機関として評価委員会をつくったらどうだろうか。評価委員会の意見を聞いて、それを大事にして教育委員会が判断するということであれば、そこに客観的な判断が出てくるのではないだろうかという気がします。
 今の場合は、学校が自ら点検をする、協議会が自ら点検し評価する、また、教育委員会が自ら点検・評価をするというような形で、執行機関それぞれが、あるいは権限を持った機関そのものが評価までやっているからだめで、もう少し司法的な意味を持たせた評価委員会というものを独立させて、その評価を受けて教育委員会が判断、設置者が判断する構造というものはできないかどうか、これをひとつ検討してもらいたいと思います。

委員
 今、設置を取り消すときの話が出たのですけれども、設置を認めるときのプロセスや手続ということがちょっとわからないので教えていただきたいのです。
 私のほうで見逃していたら申しわけないのですけれども、ある地域に地域の運営学校をつくろうと思った場合に、一体誰がどのような形で発案して、どのような手続をすれば認定してもらえるのかということです。まず確認しておきたいのは、これは既にある公立学校が地域運営学校に移行するということを考えていらっしゃるのだと思うので、それは確認です。また、新たな学校を自分たちでつくりたい。しかし、まだ設置されていないので、その設置を教育委員会に認めてほしいというようなものも含まれるのかどうか、これは最初に確認していただきたい点です。
 多くの場合は、既にある公立学校が地域運営学校に移行するのだと思うのですが、地域住民のほうが、例えば有志が発議して何らかの申請をして、認めてもらうということなのか、あるいは学校の教職員が協議して、地域住民にも働きかけて移行していくのか、あるいは教育委員会のほうが話を地域や学校に持っていって、これに移行するというのか。幾つかの場合が考えられると思うのですけれども、どういうプロセス、手続をとるのかを教えていただければと思います。

事務局
 まず初めに、既存の学校と新しい学校ということでございますけれども、これは制度的にはどちらもあり得るのかなと考えております。通常の場合には、どちらかといいますと既存の学校がなっていく場合が多いかもしれませんけれども、仕組みとしては、やろうと思えば、新しい学校をつくったときにこういう仕組みを導入するということも、教育委員会が判断すれば可能ではないかと考えております。
 それから、そういった学校をつくろうという手続でございますけれども、ここでの報告案の基本的な考え方は、ルールとしては、教育委員会が判断して、最終的につくりますということでございまして、その間のプロセスについては、基本的には教育委員会なりで規則で定める必要があるのではないかなと考えております。ですので、今おっしゃったような幾つかのバリエーションというのは、地域住民なり保護者の方の意向を受けて、教育委員会のほうがそれをしんしゃくして作るという場合もありましょうし、教育委員会が学校の状況を見て、校長さんと話し合って、校長のほうで「やりたい」と言ってきて、やろうという場合もあり得るかなと思っております。その辺について、国でそこまではルール化する必要はないのかなという観点に立った案でございます。

委員
 そうすると、設置主体である教育委員会のほうにその手続もある程度決めることが託されているというふうに理解してよろしいのでしょうか。

事務局
 そういう考え方でございます。

委員
 私の正直な感想というか気分を申しますと、よくできているような気もするけれども、何か隔靴掻痒という気がして仕方がない。
 先ほども出ましたけれども、コミュニティの再生というのが重要なイシューだと思いますが、こういうものをつくって再生するのかと考えると、ちょっとどうかなと。
 私は、民間に学ぶ必要があると強く思っておりますけれども、民間企業から学ぶのは何を学ぶかということが大切で、コーポレート・ガバナンスは特に学ぶことはそれほど多くはないのではないかと思っておりますけれども、それはちょっと冗談として、一番学ぶべきものは何か。民間企業で、元気な会社というのはどういう会社か。これははっきりしています。それは、顧客のほうを見ているか見ていないかということです。顧客を見ている会社は元気である、見ていない会社は元気でない、このことがはっきりしていて、その線引きというものを考えたときに、顧客のほうを見るというときに、企業は様々な工夫、努力をしている。その典型的なのは、消費者相談センターというものをつくって、あらゆる商品のクレームなり問題なりというものは全部そこで情報が集中され、そこから何が改善されなければいけないかというものが全部会社に上がる、そういうルートを必ずあらゆる形で持っている。それは何も消費者を重役にするというふうには考えません。いかにその情報を収集し、分析し、そこから新しいサービスなり商品の開発に改善するか。私は、ここは大いに学ばなければいけないと思います。
 そういう目から見まして、先ほどの図の、地域学校協議会、校長とかいう話、まあ、どうやって作るのですかという議論は重要だと思うのですけれども、私がどう考えても重要だと思うのは、「保護者・地域住民等」と書いてあるところと上のところ、ここの問題。つまり、校長と保護者にも線があって、地域学校協議会と地域住民に相互矢印、こんな簡単に矢印があれば、うまく住民が動くわけでもなくて、実はこの接点、領域にどういう受け皿があるか、これが一番重要な問題だと。
 そういうふうに考えると、例えば企業的な考えから言えば、いかにここに消費者センターを作るかという問題であります。ここに「学校よろず相談センター」というものがなければいけない。代表者が入ってきて意見を言う、そういう問題がワークするためには、その代表者が地域のニーズなりというものを了解していないといけない。そういう組織、グループ、情報センターがあって、初めて学校というものに結びつくのだろうと思うのです。
 そういうのは、学校協議会ができれば一つのパイプができるわけだから、ないよりいいかという気もしないわけではありませんけれども、やはりもう少し積極的にコミュニティを再生するというふうに考えた場合に、「学校よろず相談室」という、勝手な言葉で申しわけないけれども、そこに人と金が投入されていないと全然情報は上がってこないと思います。そういうものは学校のキャンパスの中につくっちゃいけないですね。それはショッピングセンターにつくらなければいけない。ショッピングセンターや何かにそういうものがあって、そこに地域住民が自由に出入りできて、そこに情報が全部吸収されていく。そういう装置というものがあって、そこで学校教育がある。そういう筋というものを私は想定するので、そういうことを考えると、何か隔靴掻痒だという気がする。
 もう1点だけ、ぜひ御検討いただきたいと思うのは、学校評議員制度が平成12年に導入されましたとここに書かれていて、既に半数以上の学校で導入されている。学校側からの動きだけでなく、保護者や地域社会からの働きかけも活発化してきた。とてもいいことであったと。例えば、学校支援のための様々なボランティア活動。これでどういう形でそれが活発化してきて、どういうメリットがあって、こういう活性をしていく。同時に、そこで何が問題となって、うまくいっていないのか。今までせっかく導入された評議員制度の持っている問題点、長所と欠点がはっきりしていることによって、さらに一段と進める。次のパラグラフでは、さらに一段と進めると書いてあるのですけれども、何がさらに一段なのか。つまり、さらに一段というのは、どこか問題があって、ここの問題を解決するために一段と、そういう筋が見えないというのが私の感想です。

委員
 基本的には、この報告を、ある意味では承認するような形での発言なのですが、最初、コミュニティ・スクール等々の議論とか、チャーター・スクールのような文脈の中でこうしたコミュニティ・スクールのような議論が出てきたときには、私は、今の公立学校改革の焦点というのは、個々の学校改革というよりも、やはり市町村が戦略を持って地域の学校経営をどうしていくかという、市町村レベルの改革といいますか、市町村がイニシアチブをとって学校改革が進むような制度づくりのほうが先行すべきであって、個々の学校云々という話ではないのではないかと思っていました。
 そういう点で、例えば県費教職員制度の問題をいろいろ議論する前に、それの例外としてこうしたコミュニティ・スクールとか、地域運営学校の議論が先行することについては、正直言っていろいろ疑問を持っていたのですが、今日出てきた内容を見ますと、基本的には、今の県費負担教職員制度の、ある意味では弾力的な運用というふうな問題であるとともに、前の場合には、私自身は正直言いまして、コミュニティ・スクール等々の議論の中では、例えば個別の学校が採用・人事までするような議論もあったので、その辺はすごく危惧していたのですけれども、決してそうではなくて、やはり今の県費負担教職員制度の弾力的な運用であるというふうな、その辺が一つ今回の報告では見えてきたということと。
 もう一つ、やはり主体はあくまで市町村の教育委員会であって、市町村が地域の学校経営をどうしていくかという戦略の一つとして、地域運営学校を活用するか活用しないかという、その辺の市町村レベルのイニシアチブというのか、その辺がこの報告では見えていますので、その辺については、私自身が最初抱いていた懸念というのは、今回のレポートでは払拭されたかなというようなことを感じます。
 そのことを前提にして、一つお聞きしたいのは、そうはいっても、この地域運営学校が一定数の規模で、例えば市町村から申請があって設立した場合に、やはり人事の話が一番問題なのですけれども、これが一定数まとまって出てきた場合には、県が行う人事行政に何らかの支障というか抵触する部分が出てくると思うのです。
 そういう点で、地域運営学校の設立の、先ほどの御質問にも関係することですが、例えば県とか市において、地域運営学校の設立については、ある数量的な制限みたいなところは考える必要があるような気がするのですけれども、その辺については各都道府県の自由に任せるということでよいのか。
 二つ目は要望なのですけれども、地域運営学校を設立する背景として、今まで公立学校改革として取り組んできた、開かれた学校づくりとか、地域との連携を強化し、さらにそれを促すのだということが、「はじめに」とか、「第1章」のほうで書かれています。もしもそうであれば、基本的には地域運営学校の設立よりも先行すべき重要な課題とすれば、今ある学校評議員制度等々を、必要に応じて制度の在り方とか、運用の在り方を拡充していくべきであって、現行制度をさらに充実していくような文言もあっていいような感じがします。
 それについては、例えば11ページあたりに、「校長の裁量権の拡大等」のところで、現行制度運用の改善等によって可能なところで対応していくのだという話も書かれていますので、今の学校評議員制度の拡充整備というところも、全体の文面の中で少し言及されていいような課題でもあると思いますので、この辺は希望として。

事務局
 ご質問については、報告案の中では、一つは、都道府県教育委員会、県費負担教職員制度の関係から、こういった学校を作る際には、市町村教育委員会が都道府県教育委員会と協議したりするという、都道府県教育委員会の関与が必要だろうという点を指摘して、そのルール化が必要ではないかということは示しております。具体的にそのガイドライン等についてどこまで国のほうで示し得るかという点は難しいところがあろうと思っております。
 それから、人事に関連いたしましては、県費負担教職員制度というものを考えながら、その手続について一定の特例的なものを考えていこうというのが基本的な考え方であると思っております。その際に、任命権がある県の教育委員会としても、こういった地域の意向をできるだけ反映できるようにしようというのが一つの方向でありますけれども、最終的に全体の調整をしながら、教育委員会としても人事を決めたときにきちんとこれを説明していくということが必要になるのかなと思っております。
 その間のやりとりの中で、運営協議会なり地域運営学校等の間でいろいろな調整等が必要になってくるのかなと考えております。

委員
 3点ほど申し上げたいのですけれども、1点目は、学校評議員制度というようなものはどうかというお話で、この中で、お客様の視点と、実施主体としての教職員というか、そこの視点がもう少しつけ加えられなければいけないのではないかと思って読んでおりました。そういう意味では、評価委員会というようなものが独立した形であるのが望ましいのではないかと思っております。
 二つ目ですけれども、これは「第3章」にもかかわるものですから、少し意見を待っていたのですが、だいぶ関連してきましたのでお話をしたいのですが、17ページのところに、教職員の身分・資格で、「一般の私立学校と同様、就業規則による」ということになりますと、身分的には公務員から離れるということになると思うのですが、ここにまいりますと、ぜひとも労使協議といいますか、それは必要なのではないか。
 最近、商法の改正、あるいは労働法関係の改正が頻繁に行われておりますけれども、特に昨今、産業再生法とかいうようなことや商法の改正において、会社が合併したり分割したりする場合には、従業員全体の身分が変わる、労働条件が変わる、場合によったら不利益変更になる場合もあるわけであります。これは法改正の過程で、私どもも強く意見を申しまして、事前に労働組合と、労使協議とは書いてもらえませんでしたが、相談をするというようなことが入っているわけでして、これは同じようなことが生じるのではないか。
 したがって、公務員法上ですから、どうなるのか、その辺は専門家と相談してもらわないといけないのですが、事前に労働条件の不利益変更があり得る場合に労使協議が必要なのだろう。また、そうすることによって、教える主体である教職員と、運営主体である学校あるいは教育委員会との間で主体的にコラボレートする意識、あるいは体制が確認できるのではないかなと思いますので、この辺はぜひお願いしたいと思います。
 3点目に、お客様の視点ということで言えば、2ヵ所ぐらいに「セーフティ・ネット」というような言葉もありますけれども、このようにして学校の多様性、あるいは地域の自治が出てまいりましたときに、我々サラリーマンは転勤がよくあるわけでありまして、悩ましいのは子女の学校のことであります。
 具体的には、転勤先によってはかなり条件が違っていて、望んだ学校に入れないとか、あるいは成績上で不利になることがあって、仕方なく単身赴任を選ぶ場合なんかがよくあるわけであります。私は単身赴任というのは望ましくないと思っていまして、やはりアメリカみたいにどこへ行っても連れていくという方が望ましいのではないかと思うのです。
 従って、そういうことが生じたときに、学校間、教育委員会間の調整の仕組み、相談の窓口を明確化するといった視点もぜひつけ加えていただきたいと思います。
 以上、3点お願いいたします。

事務局
 1番目のほうのコミュニティ・スクールに関しましては、教員は全部公務員でございまして、通常の公立学校と変わりはございません。
 委託した場合には、委託を受けたところ、ただいまは、学校法人が委託を受けた場合には、その学校法人が雇った人たちが教員として活動に当たるということになりますので、そこで公務員ではなくなるのではないかということであります。
 例えば既存の学校を委託して、そこにいる教職員の身分が切りかわって、学校法人に雇われるようになる、ということになれば、これはかなり大きな変更になりますので、しかるべき手続が必要になっていこうかとは思います。
 具体にいろいろな形があり得るのかもしれませんが、通常の形としては、ある学校の施設設備があって、地方公共団体がその施設設備を用意して、そこの学校の運営をどこかの学校法人に委託し、その学校法人が雇っている教職員が教育活動に当たるという形が想定されるのではないかと考えているところです。

委員
 10ページのところですけれども、先ほど来何人かの委員さんから出ている、構成員として校長が入るか否かということなのですけれども、この点については、校長はメンバーではなく、また立場が違ってくる、なぜなら管理責任者であるから、ということが言えるのではなかろうかと思っております。
 今、小・中学校では学校評議員制度が定着してきたわけですが、構成メンバーについては、図の3にありますようなメンバーと、ここには「等」がついておりますので、それぞれの学校で違うと思いますけれども、プラスして言うならば、幼稚園や保育園、児童館の方々も含まれているなんていうことで、この学校評議員制度をこれから生かしていくことが大事ではなかろうかと思っております。
 それから、10ページの「イ」の「学校運営協議会の役割」の2行目、「責任を共有する立場から、教育計画」、その次ですが、「人事、予算等」と書いてありますけれども、本当に人事、予算等についても学校運営協議会の役割の中に入ってくるのかどうか、このあたりは大変疑問に考えております。やはり人事は大変難しい問題です。
 また、子どもの視点ということを考える時に、将来の日本、また世界を担っていく子どもたちをどう育成していくのか。私は義務教育の立場ですから、義務教育の9ヵ年間でどのような教育をしていくことが必要なのか、こういった視点で学校評議員会でもそれぞれが語っていただいて、学校教育に対して、今の学校に対していろいろ御意見をいただきながら、外部評価等も生かしながら経営をしているのが現状なのですけれども、このような中間まとめの案を見せていただきまして、さらに開かれた学校づくりをするためにはどのようにしていくのかということについても考えさせられる面が多々あるわけですけれども、今それぞれが努力しているさなかでもあります。そういったことで、ここのことにつきましては、特に検討を要することも多々あるのかなと考えております。

委員
 「第2章」の、これまでの委員の方が出されたことと重なるのですけれども、学校運営協議会の構成員の中で、保護者、地域住民という、この保護者、地域住民の選び方によって決定的になってくるのではないだろうか。今、学校評議員制度で保護者、地域住民が入っているけれども、どうも校長さんに都合のいいような保護者、地域住民が選ばれているようなところはないのかどうか。ここの厳しい評価がなければならないのではないだろうか。
 市や県で委員に選ばれる人というのは大体重なってきてしまって、本当に地域の子どもや地域の人たちの思いや願いをくみ上げて、そこの中で協議をするということが、必ずしもできていない。もしこれが実施されるようになれば、ますますそういうことについての厳しい評価が必要ではないだろうか。校長が推薦した者について教育委員会が認めたとしても、それについての徹底的な評価がなされなければならないと思います。
 もう一つは、これは何度も出たのですけれども、人事という場合には、基本方針の決定に係るのみなのか、具体的な人の名前まで出てくるのか。
 地域運営学校が成果をあげ、多くの学校がそういうふうになってくると、恐らく人の奪い合いというようなことが実際に行われてくるのではないだろうかということを心配しています。
 だから、基本方針なのか、具体的な人の名前まで挙がってくるような人事なのか、そこのところが明確に示されないと問題だと思いますし、予算等につきましても、協議会で、こういうものが欲しい、あんなものが欲しい、これぐらいの金が欲しいといっても、財源は決まっているわけですから、どこまでそれが踏み込めるのかという疑問があるわけです。
 基本的には、こういう考え方には賛成でありますが、もしお答えいただければと思います。

事務局
 これまでの実践研究の取組からいたしますと、ここにございます方針というのは、学校、校務分掌の組織というのは大体こういうふうにやっていこうという大まかなものであるというふうに考えております。また、予算に関する方針というのも、例えば学校の裁量として、まとまってきたお金をどういうふうに活動で使っていくかというような方針を示して、それについて意見を聞いて、承認をもらうというような形なのかなと考えております。
 さらに、人事に関しましては、11ページのかっこのほうで書いておりますのは、より具体的な校長、教職員の人事についての関与ということでございます。
 例えば、実践研究校におきましては、校長の公募が行われているところも結構多いわけでございますけれども、その際に、その選考等に地域学校協議会等が関与してきているというようなこともございまして、人事に関しましては、基本的な方針ということからさらに加えまして、任命権者が最終的に任命するに当たっての手続の中に一定の関与の仕組みを設ける必要があるのではないか、そのルールを定めておく必要があるのではないかと今考えているところでございます。

委員
 今の点ですが、実際、私は、中教審ではこれが限界だと思いますよ。具体的に人事をやる場合に、それぞれの都道府県で全く実態が違いますし、特に予算については、教育委員会に予算編成権はないわけですよ、実際には。執行権もないわけです。これは、現行制度上は知事が持っているのであって。だから、ここで予算の裁量といってもどの程度できるものなのか。それは個々の自治体によって全く違います。中教審でこういった予算あるいは人事についての運営協議会の趣旨ですか、それを言えば、これを踏まえて個々の設置者がどう判断し、どう制度設計をするかは、やはり個々の自治体の裁量に任せるべきだと思っています。

委員
 まず、今の「第2章」の議論についてですが、先ほどもお話がありましたけれども、私は、評議員の制度を校長の上位もしくは同位に置くべきではないと考えています。理由は、評議員は責任のとりようがないということ。現在、所属職員が不祥事を起こしますと、校長は処分を受けます。これの処分の持っていきどころがないところがあると思います。
 会社組織でしたら、会社が倒産するということは、当然、取締役会も責任をとるということになるのですけれども、公立学校の場合には、現在では評議員には責任のとりようがないという状況がありますので、これを校長よりも上位に置いて、校長がそれに従わざるを得なくなるということは、その面で矛盾が生じると思います。ですから、私は、諮問機関のところぐらいかなと感じております。それが「第2章」に関する意見であります。
 「第3章」もということですので、私は主として「第3章」のほうで申し上げたいことがあるのですが、6月に構造改革に関する基本方針が出ております。14ページにその内容があるのですが、14ページの上のほうに、「特に高等学校中退者を含めた社会人の再教育、実務・教育連携型人材育成などの特別なニーズに応える等の観点から」ということで、この時点では「通信制、定時制等の高等学校」という表現が使われております。これが、9月の特区制度の要望のところでは、単に「高等学校」という形に変わっております。ここのところで最初の趣旨と変わってきたような感じがするのです。
 それを前提として、もし一般の高等学校を考えるのであればという前提でお話をしますけれども、私が一番危惧していたのは、株式会社組織の参入の件でありまして、これは適切ではないという御意見を別の機会にも申し上げたところであります。それが、原則として学校法人等、責任が持てる機関でということが明記されたことは大変結構なことだと思うのですけれども、こう明記されたことによって、現在の学校法人が設立している私立学校との区別性の部分で、境界があいまいになってくる危険性があると私は思います。
 もちろん、出資者と、設備をどこが持っているかというところでは差異が感じられますけれども、学校の基本姿勢としてどうなのかという部分においては、現在ある私立学校との区別をつけるところがなかなか難しくなってくるという点が一つ危惧する面であります。
 それから、一般の学校にまで広げたことによって、学力とは何かという議論の中でも私はずっと感じていたのですが、現在の高校生あたりを持つ保護者のニーズは、やはり上級学校への進学というところに特化される傾向がある。これは否めない事実であると思います。そうしますと、ここで行われる学校として、大学への進学を第一義とした高校があらわれるという可能性はあると私は思っています。そうすると、今度は、じゃあ予備校と一体どこが違うのかという議論が当然出てくる。もちろん指導要録に基づいて行われる教育活動ですので、当然違うと言われればそれまでなのですが、保護者のニーズにこたえるという第一前提で考えていくと、限りなく予備校に近い学校が生じてくる可能性もあると私は思っているのです。
 そうしますと、私自身は、子どもに対しては、教科指導のみでは健全育成に偏りが生じると考えております。となると、予備校に限りなく近い学校が生じたときに、それが公立学校として果たしてふさわしいものであるかどうかというところの判断はしていかなければいけない。
 この辺の、それぞれの境界があいまいになってくるというところをどう区別化していくかというところが、これからの問題点として生じてくるのではないかなと感じております。

委員
 反論ばかりしているようで申しわけないのですが、実際、この問題は、やはり地方分権の流れの延長線で考えざるを得ないと思うのです。というのは、ここに書かれているように、相当、議会等のチェックが入るわけで、そういう中で、今、おっしゃったような懸念というのは当然あり得るでしょうけれども、その責めというのは、地方分権の中で、それぞれの設置者が問うべきであって、この中で特定の―義務教育は別ですが、例えば定時制とかそういう校種を限定するというのは、流れからしておかしいような気がします。

委員
 学校評議員制は、必ずしも現場では充実の方向ではないという気がしております。非常に形骸化しているところも多く、各地で差があるように感じています。
 人事については、県費負担職員の枠との関係もあり、今後大きな検討が要るだろうという気がいたしております。
 結論的には、この制度は、地域づくり、あるいは今の公立学校の閉鎖性をどうやって突破していくかというようなところの、非常にいい制度導入ではないかと思っています。

委員
 公立学校の公共性の問題というものを一つ押さえながら、特に学校運営をオープンにしていくという方向もやはり必要なことだろうと思いますし、今日の課題でもありますから、それはいいのですが、一つは、そうなっていくときに、どこまでその責任、役割を明確にできるのか。
 先ほど、学校運営協議会の位置づけとか、主体の責任、誰が責任を負っていくのかという問題が出ているわけです。そういう意味では、校長の位置づけ、校長の役割というものをやはりもう少し明確にしておかなければならないのではないかとも思います。
 もう一つは、今、文部科学省のほうで14年度からモデル校を指定してやっているという話ですが、評議員制度もそうなのですが、実際にその成果はどうだったのかということ。そのあたりのところは、たぶん部会のほうで検討されたものと思いますけれども、その中で出てくる問題点、特に今申し上げたようなことがどういうふうな議論がなされてきたのか、そういうこともわかればと思いながら聞いていたのですが。

委員
 ヒアリングは行財政部会でやったのですね。初中分科会ではやっていないのですね。来ていただいて、何校かの実践校にお話をいただいたのですけれども。

委員
 「第3章」のところでセーフティ・ネットのことがよく書かれていまして、これは万一うまくいかなかったときに、どうやって子どもさんたちをほかの学校に引き継ぐかということだと思うのです。そこでもう一つ入れておいていただきたいのは、その際に責任の所在を明らかにする。ですから、万一運営がうまくいかなかった場合に、誰にその責任があるのか。その責任を明らかにしませんと、モラルハザードが起こる気がいたします。
 それから、いろいろなところで情報公開というふうに書かれていて、これは非常にいいと思うのですが、その際に、最近でしたら「インターネット等を通じて」という言葉を一つ入れていただけますと、全国からそれぞれのいろいろな運営に関して見られることになるのではないかと思います。
 それから、皆様の御意見の中で全く賛成なのですが、これまでの学校評議員制度と、今後考えられている学校運営協議会の関係がどうなるか、あるいはそれを引き継ぐのか、その点は一言どこかに入れておいていただけませんと現場で混乱されると思います。

委員
 今の評議員制度の関係の発言は、ご指摘のとおりだと思います。
 というのは、先ほど説明にありましたように、現行で半分くらいしか設置されていないですね。ですから、現行でなぜ半分しか設置されていないかという部分が、実はさっきから出ている問題点の一つだろうと私は思うのです。これが一つです。
 二つ目は、これができるとしたら、幾つ学校ができるのか。そうすると、これは「2章校」という話になって、「第3章」の場合は公設で委託校になりますよね。委託は法人になるとすれば、実質的に私立と似てくるわけですね。「第4章」の場合は、これは全く株式会社で、それからNPOとか、設置主体もそうなってくるわけですね。そうすると、日本における学校は4種類か5種類ぐらいになってくるわけですよね。今は公教育という形で、公立と法人立、要するに私立ですね。ですから、その公立の中に、今のように評議員制度を持ったところと、そうでない学校も出ているわけですけれども、それに今の協議会の学校が出てくるわけです。それから、委託した包括的なものが出てくる。
 これらをこの際、ちょっと整理していただいて、権限と種類、あるいはどういうようなメリットがあるのか、できればぜひやっていただければ非常に幸いだと思います。

委員
 今の「第3章」と「第4章」にかかわっての話なのですが、公立学校の管理運営の委託先として学校法人の仕組みを活用されるということについては全面的に賛成するわけであります。
 ただ、「第4章」の部分で、今の規制緩和の議論というのは、ちょっと混乱していると私が思うのは、制度があって、制度の、例えば学校法人なら学校法人の設立についての認可あるいはその手続の簡略化、柔軟化、弾力化という議論と、制度そのものを変えちゃうという議論が混乱しているように思えるのです。
 制度というのは、学校の場合、特に、何十年間の歴史の中で関係者がいろいろつくり上げてきて、大体妥当性を持って、うまくいっている制度なのですね。それを、規制緩和というだけの議論で制度そのものを簡単に流してしまうということは、私はかなり慎重にすべきだという意見なのです。
 規制緩和をするのであれば、認可の条件を議論するのならわかるのですけれども、制度そのもの、つまり学校教育法の2条についても、あれは悪い法律で、早くなくしたほうがいいというような議論は、そう簡単に関係者としては受けられないということをはっきり言っておかなければいけないのではないかと思うのです。
 ですから、現実的には株式会社とか、NPOは、学校法人という制度を利用して学校をつくればいいわけであって、そのときに何か障害があるのかという議論を本来はすべきだろうと思うのです。
 学校法人になぜそうこだわるかというと、学校法人というのは教育活動をする組織なのです。もしうまくいかなければ、そのために投ぜられた資源は全部国に帰属するのです。
 そういう逃げ道を断った、何十年もかけてつくった制度なのです。それを活用するという議論がほとんど出てこない。全然違うことをやれというような話になるのは、私は議論そのものがおかしいのではないかとずっと思っていたものですから、「第4章」についてはもうちょっと慎重に扱っていただきたいと思っております。そういうことができないのかどうかですね。

委員
 今のご発言に関連して、16ページの一番下のパラグラフのところで、委託先について、原則として学校法人など云々とありますね。「学校法人」としないで、「原則として、学校法人など……」と書いてあるのは、これはどういう意味なのですか。つまり、いろいろあり得るということを言わんとするのか、もっと具体的に言えば、現に幼稚園は計画的に学校法人以外のものも設置者になり得るということを踏まえてこう書いたのか。
 もしそうであるならば、「幼稚園にあっては」というふうに書かないと、ここをどんどん拡大されていく可能性がありはしないか、こういうのが一つでございます。
 もう一つは、全体に関連して、14ページで、先ほどどなたかが言われていました一番上のパラグラフは、別に特区とか何とかでなくて、特別なニーズのときに通信制、定時制の高校の管理運営を委託すると、こう言っているわけですね。その次のところは、特区について、今度は高等学校、幼稚園と、こう言っているわけですね。
 じゃあ、今回のこの報告の中身は何かというと、どうも15ページの一番上に、特区において云々と言っているので、本報告においては特区の話である。それも、特区において高等学校と幼稚園の話である、こういうふうに理解してよろしいのでしょうか。その2点について、確認的に質問したいと思います。

事務局
 一つ目は委託先の問題でございますけれども、この表現の意味というのは、これまでの御議論も踏まえまして、学校法人を中心として、原則として考えるというのが適当だろうということでございます。その他、ご指摘ございましたように、幼稚園等いろいろな設置主体もございますので、そこら辺の取り扱いはございますけれども、基本的には学校法人が中心となるべきではないかという事柄の趣旨でございます。
 もう一つ、規制緩和の方針との関係でございますけれども、これについては、この報告では、結論としては、今お話ございましたように、特区において当面幼稚園と高等学校を対象としてこういった制度の道を開くという考え方で対応するということでございまして、それは通信制、定時制に限らずに、特区の場合で幼稚園と高等学校についてということでございます。

委員
 今は、中間報告の、その素案という段階だと思うのです。しかし、相当もう具体的に詰めるべきところにきたと思います。
 先ほどの委員の言葉をかりれば、「2章校」「3章校」「4章校」なのですが、やはり参考資料1の3ページの図、これは「2章校」の図、それから14ページが「3章校」の図で、「4章校」の図はない。「4章校」の図が欲しいなと思うのです。
 次ですが、図の3ページに戻りまして、これを見ていて、今日のすべての議論は、この図を見ながら聞いていると、みんな関係しているのです。一番大事な点は、右上に「地域学校協議会に期待される役割」という四角がありますが、左側に「教育委員会の役割」というのがないのです。教育委員会の現在の役割はこうで、右側に地域学校協議会ができたとき、左側の「教育委員会の役割」の列挙項目は変わってくるのか、それとも変わらないままでこれが整合できるのかという問題が一つあると思うので、ぜひこの左側にそれを書いてみる必要があると思います。
 それから、先ほど委員から、下の「保護者・地域住民等」の矢印を書いただけでは済まないだろうというお話がありましたが、この辺のところについて、どういう仕掛けかは、具体的な提案もいただいて、やはり試案としてここに書いてみる必要があるのではないか。
 評価も同じで、先ほどの委員の評価の話を聞きながら14ページを見たのです。14ページのほうでは、教育委員会が評価をやることになっているのです。この意味の「評価」と、さっきおっしゃった意味の「評価」とは違う。今度は、別の委員がおっしゃった、地方議会が評価をやっているではないかという「評価」を、先ほど委員がおっしゃった意味の「評価」として我々は受けとめていいのか、さらに地方議会以外の評価機関をつくれというふうに考えるのか、これは議論を要するところで、絵に落としてみたらどうかと思うのです。
 それから、文部科学省の役割ですね。学習指導要領を与えている、それから義務教育費の国庫負担金を渡しているということが、絵に落としてみると、どういう意味を持ってくるかがはっきりすると思うのです。
 それから、図にはない「第4章校」とか、「第3章校」の一部を考えるとき、私学の仕組みですね。私学団体と文部科学省とは非常に密接に連絡をとりながら仕組みを運営してきている面があるわけです。そこのところを図に落としてみると、もう少しはっきりしてくるように思いますので、お願いしたいと思います。

委員
 関連して。今の参考資料の14ページの図を見ると、図としてもはっきりかいてありますし、「想定される受託機関の業務」ということがはっきり書いてあるからわかるのですけれども、先ほどの本文だけ見ると、「管理運営の包括的な委託」という言葉が、「管理運営」というのはどこまでを指すのか、「包括的」というのは何なのか、ちょっと社会一般では誤解されるような気もしたのです。
 というのは、管理運営というときに、学校での管理運営というと、マネジメントとか、アドミニストレーションに当たる部分だけを指して管理運営と思う人は結構いないかなという気がしたのです。教育の業務そのものが入っているわけですね、包括的というからには。そのことははっきりしないと、何か事務的なことだけを外注するような、そういうイメージを持たれるのではないかと思って、ちょっと心配しました。具体的に管理運営とは何か、包括的とはどういうことかを本文のほうにも書き入れたほうがいいような気がしました。

委員
 たぶん言葉としては直せないと思うのです。これは諮問事項に入っていますから、言葉としては直せないのですが、確かに、おっしゃったように、なかなか一般の方に理解しにくい面もありますので、その辺は文章できちんと書けば済むことだと思います。

委員
 16ページの上から2行目のところに、義務教育について特に慎重に検討する必要があるということが2行にわたって書かれているわけですけれども、これだけの記述でよいのかどうか。これだけ膨大な中間まとめになっておりますので、読み取りをしっかりしていけばわかるわけですが、私は本当に慎重に検討してほしいという願いが強いものですから、そのあたりがこれだけの記述で大丈夫かどうか心配になりました。

  • 事務局より今後の日程の説明が行われた後、閉会となった。

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