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初等中等教育分科会(第12回)・教育課程部会(第9回)合同会議 議事要旨

1.日時

平成15年9月30日(火曜日) 10時~12時

2.場所

霞が関東京會舘 「ゴールドスタールーム」

3.議題

  1. 「初等中等教育における当面の教育課程及び指導の充実・改善方策について」(答申案)について

4.出席者

委員

 木村分科会長、阿刀田委員、安彦委員、石川委員、今井委員、小栗委員、小野委員、梶田委員、河邉委員、高倉委員、田村委員、渡久山委員、中許委員、永井委員、西嶋委員、西村委員、野村委員、橋本委員、森川委員

文部科学省

 結城文部科学審議官、近藤初等中等教育局長、樋口初等中等教育局担当審議官、金森初等中等教育局担当審議官、河野主任視学官、辰野初等中等教育企画課長、大槻教育課程課長、今里教育課程企画室長
国立教育政策研究所
 月岡教育課程研究センター長

オブザーバー

 浅田委員、小久保委員

5.議事要旨

(1)事務局より、資料1から資料3及び参考資料1について説明の後、答申案について審議が行われた。主な発言は以下のとおり。(○=委員、△=事務局)。

○ まず、第1章1-(3)、「なお、言うまでもなく(中略)平成8年の中央教育審議会答申(第一次答申)以来、本審議会としての一貫した考え方である。」という部分は、前回の答申と今回の答申には変更がないということを宣言したのみに感じる。ゆとりの必要性から学校週5日制にしたことと、必要な指導時間の確保の視点との整合性について、言及しないでよいか、危惧している。
 第2章2-(1)-1、「なお、『標準』時数は、(中略)各学校において当初からこれを下回って教育課程を編成することは通常考えられない。」及び、第2章2-(2)-1、「『標準』時数にとらわれないでそれ以上の時数を確保するなどして、指導内容の確実な定着に努めるべきであろう」という部分は、今までより強い表現になっており、気がかりである。学校週5日制の弾力化を図らずに、この部分を強調するということは、学校行事のさらなる削減や、長期休業期間の短縮をせざるを得ない状況に学校を追い込むことにつながる。そうすると、第2章2-(2)-2、「長期休業期間が、地域社会における子どもたちの体験活動や家庭教育の充実に果たしている役割、長期休業期間中に学校部活動の各種大会等が数多く行われている実態、児童生徒への過度の負担を与えないための環境整備等の状況等についても考慮することが大切である」という記載の趣旨にそぐわなくなる危険性がある。この答申は、全体として学校の独自性を出して取り組むことが良いという論調ではあるが、文部科学省の方針として出されると、どうしても各都道府県教育委員会、さらに各学校に対する強い指導となってしまうことが予想され、結果的に多くの学校が横並びにならざるを得ないのではないか。ここは、学校の独自性や、特色化をより出しやすいような表現をしていただきたい。

○ 「おわりに」の「このことは、平成10年の教育課程審議会答申において示された今次学習指導要領の改訂のねらいとして掲げた(中略)などと相通じるものであり・・・」の表現は、情緒的であるように思えるため、「相通じる」ではなく「共通の理念のもとで行われている」などの表現のほうが適切ではないか。

○ 評価ということの意義が弱いように思う。第1章3-(1)、「全国的な調査等の実施」は、「[確かな学力]の単なる実態把握にとどまらず・・・」とあるように、[確かな学力]を目指して、各学校が創意工夫したならば、それがどういう形で結果として出ているかという評価が重要となってくる。したがって、全国調査が不可欠であるという点を、より強く表現するべきである。
 また、学校の裁量で取り組み、創意工夫を生かすほど、結果が出ているか、独善的になっていないかを評価することが大切になってくる。「おわりに」の、「3」と「4」の間に、「結果を検証しながら創意工夫する」や、「結果を検証しながら裁量をより一層進めていく」などの文言が必要である。

○ ホワイトヘッドの「あまりに多くのことを教えるなかれ。しかし、教えるべきことは徹底的に教えるべし」の思想性は非常に大切である。今、学力問題が言われるときに、学校で徹底的に教えることが十分になされておらず、子どもたち一人一人に接してきちんと教えていくことが非常に困難な状況になっている。「わかる授業」というのは、徹底的に教えることであり、学習指導要領を生かすためには、そのための大きな条件づくりをしていかなければならない。特に教員の教材研究、あるいは授業に割く時間を確保していくことが大切である。
 また、長期休業期間中に、部活動の対外試合等が集中して、教員の研修の時間も確保できないようでは、学習指導要領のねらいの実現は難しい。第2章2-(2)-2に、「児童生徒の過度の負担」とあるが、まさに教職員の過度の負担も考えなければ、教育活動は成功しないと思う。
 また、第2章5-(2)-2の「学校サポート委員会」に関連してであるが、今、学校評議員制度も成功していないところは、一般に学校側の思惑に沿う委員だけで委員会を構成しているため、学校に対する批判や正しい評価が困難な場合があると考える。学校サポート委員会を設け、意義あるものにするためには、「サポート」の意味や、どういう「サポート」を必要とするのかを考えた上で、外部からの評価に耐える委員を選ばなければならない。国会で、学校評議会についての議論も出ており、今後の課題として十分生かしていただきたい。

○ 今回の改訂は、前回の学習指導要領を、より明確に、さらに周知徹底するという意味では、基本的には良い形になってきていると思う。
 まず、基準性の問題について、大学の入試、特に個別学力検査等の出題において、大学は、最小限である学習指導要領の下で、どこまでどういう範囲で出題できるのか、悩むのではないだろうか。
 同様に、教員が教える内容についても、必要最小限にどの程度の内容を加えて教えていくのか。このことについては、学校に対して、教育委員会を中心に様々な指導があるが、教員はどう受けとめていくか。これは実際にやってみないとわからないが、しっかり見据えておかなければならない。

○ 全体的に見て、方法如何によってはこれで現場がやりやすくなるだろうと思われることから、大方において認める。ただ問題は、最近、教員は、いろいろな調査や報告の要求が多くなったため、教材研究をする時間も取れなくなり、授業を十分に準備して教えることができない状態にあるようだ。この答申が出されれば、また調査、報告を求めるものが多くなることが予想される。いずれも非常に大事な調査報告であるに違いないが、現場で教材研究が十分でき、そして授業が行われ、評価が十分なされるような条件が第一で、そのためには、文部科学省・教育委員会の調査報告などについて、優先順位を決める必要があると思う。
 また、長期休業期間は、子どもは休業であるが、教員は休業ではないにもかかわらず、教員の中には、長期休業期間は自分たちも休業日だと思っている者もいるのではないだろうか。長期休業期間中には、研修や家庭訪問など、普通の授業日にできないものをやっていく必要があり、1年間を構造的に研修計画を立てる体制が必要である。教員の意識改革と同時に、別の形で文部科学省から教育委員会を通じて指導すべきではないか。

○ 「おわりに」の7行目は、「[生きる力]の知の側面である[確かな学力]をはぐくむことが重要である」とまとめられている。知の側面は重要であるので、前面に出すわけであるが、本来は、資料1の[確かな学力]の図で示すように、「知(知識)」と「技(技能)」である。技能が隠れてしまっているため、[確かな学力]が知識だけであると受けとめられてしまうのではないか。ここでは「知識」と「技能」を切り離して、双方が重要なものという記述のほうがよいと思う。
 また、教員の長期休業中のことで発言があったが、本校の教員を例に挙げると、昨年度及び本年度の夏季休業中は、3日間から6日間しか休暇を取っておらず、補充教室や個別指導、プール指導、部活動等に忙しく取り組んでいる。

○ 教員の活動を忙しくしている部活動について、今後検討されるということで、有難く思っている。
 幼児教育について、5歳児で、集団の中での逸脱した行動が顕著になってきた子どもは、3歳のときに一人遊びができないという事前の兆候があり、小・中学校で、集団不適応や反社会的行動、不登校を起こしたりすると言われる。こうしたことを踏まえ、幼児教育の在り方についても意見を言いたいが、どの場で言えばよいのか。

△ 5月の諮問の時に、当面審議すべき事項の中で、義務教育に接続するものとして幼児教育の在り方についても盛り込んでいる。今後、具体的にどのような形で審議いただくかについては、相談させていただきながら進めていきたい。

○ 幼児教育については、中教審で一度、正面から議論すべきであると考えており、近々その場を立ち上げるつもりである。

○ 幼児教育については、[生きる力]の基礎を培う人生の基盤として、家庭教育の問題や幼児における学力とは何かという問題も含めて、今後、議論をする必要がある。
 また、教員は、少し夏季休業期間に休んではいけないのであろうか。学校の仕事から離れて、全く違う世界をのぞくことや、何か違うことに取り組むことによって、教員の資質を高めるということもあるのではないだろうか。6日や3日の休暇では一般の企業以下であり、資質そのものがやせ細ってしまうのではないか。

○ 外国と比べると、日本があらゆる層にわたって全然余裕がない。私は、大学で理工系の研究者であったが、50歳ぐらいまでほとんど土・日を休んだことがなかった。現在の若い研究者も同じ状態であるが、外国、フランスなどでは50日もバカンスを取るという生活をしている。これは、教員だけの問題ではなく、国全体の問題であると思っており、いろいろなところで声高に議論していく必要があると思う。

○ 保護者の中にも、狭い意味の学力ではだめであるという認識も出てきている一方、「[確かな学力]と言うが、結局学力じゃないか」となってしまうことを恐れていたが、[確かな学力]に関して、特に第1章2-(2)などで、詳しく、きっちりと説明をしており、大変よく書かれた答申であると思う。しかし、「おわりに」で、概括的にとらえてしまっているため、折角説明した[確かな学力]が飛んでしまうのではないか。ここはあっさり終わるほうがよいと思う。
 第1章1-(3)の「基礎的・基本的な内容を確実に定着させること、各学校における創意工夫を生かした特色ある取組を充実させることを提案する。このために(中略)『わかる授業』を一層推進する・・・」の記述については、現実と乖離している部分があるのではないか。確かに、何度も繰り返してやる、徹底してやることは大切であり、子どもたちが一所懸命になるきっかけづくりにはなるが、基礎・基本をすべて理解させるというものではないと思う。やはり、個に応じて教員が一所懸命〈どうしたら子どもたちがわかってくれるだろうか〉と考えるという部分を大切にしておかないといけない。

(2)答申案については、委員の意見を踏まえて修正し、修正の内容は分科会長一任とすることで了承され、内容を確定した上で、総会へ報告することになった。

(3)事務局より「答申案に関連する図表等」及び資料4について説明が行われた。

○ 総則等作業部会では、「答申案に関連する図表等」について、文部科学省、あるいは責任を持った行政担当が実施した調査と、民間等が実施した調査とは分けたつもりである。「1」「2」「3」の調査は、基礎とした調査であるが、「4」以降の調査は、参考として用いたので、その示し方については工夫してほしい。

(4)事務局より今後の日程について説明があり、閉会となった。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

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