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初等中等教育分科会(第6回) 議事要旨

1.日時

平成14年6月17日(月曜日) 10時~12時12日

2.場所

霞が関東京會舘 ゴールドスタールーム

3.議題

  1. 「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(案)について
  2. 新教育課程の推進等について
  3. 今後の初等中等教育分科会の審議事項等について
  4. その他

4.出席者

委員

 木村分科会長、高倉副分科会長、今井委員、田村委員、渡久山委員、永井(多)委員、横山委員、市川委員、岡本委員、齋藤委員、永井(順)委員、野村(新)委員、星委員、宮崎委員、若月委員

文部科学省

 御手洗文部科学審議官、結城官房長、矢野初等中等教育局長、玉井審議官、加茂川審議官、小田主任視学官、辰野初等中等教育企画課長、布村教育課程課長、竹下教職員課長、尾崎児童生徒課長、瀧本教育制度改革室長、名取主任社会教育官

5.議事要旨

(1)木村分科会長より挨拶が行われた。

(2)渡久山委員より新任の挨拶が行われた。

(3)事務局より配付資料の確認を行った後、資料の説明が行われた。

(4)子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(案)について、新教育課程の推進 等について、次のとおり議論が行われた。
  ○:委員、●:文部科学省

1.子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(案)について

○ 平成14年度から5カ年の地方交付税計画で、4,000万冊を整備することについては、今回の特段の措置と考えてよいのか。

● 地方交付税措置の中で、従来から措置をしてきたが、図書標準との差が4,000万冊あり、それをリカバリーするために、今年度から特に図書館の図書整備費を充実し取組を進めていくこととしている。

○ 一般財源として交付されるものが、特定のものにきちんと充当されることについては、特段の指導もしくはその他の計画があるのかどうか。
 司書教諭の必置についての養成講習については、大変結構な措置であるが、教員免許の在り方についての答申等では、教員だけに限定せず、ノン・ティーチング・スタッフの研修についての書き込みをしたことを考えると、司書教諭の養成だけでななく、研修についても書き込んでいただきたい。

● 地方交付税については、最終的に各自治体の判断になるが、何よりも学校と市町村の主体的な取組が大切であることから、今秋にもフォローアップ調査などを行い、各市町村の取組等を進めていきたいと考えている。
 また、図書館を取り巻く読書推進のための体制は、司書教諭だけでなく、事務職員としての学校司書やボランティア活動によるネットワーク的な取組があって、初めて環境が整うものと考えている。そういう意味で、司書教諭の研修についての条件整備も含めて検討していきたいと考えている。

○ 地方交付税で措置されている図書費は、本を読む子どもたちが少なくなっており、本が要らないため、他へ流用する事実上の理由になっている。そういう意味では、この法案並びに概要は時機を得たものである。
  この法律で、子どもとか、障害児という文言が出てくることは非常に良いことで、やはり、前進的な主張については積極的に取り入れていくことは非常によいことである。
  概要には「障害のある子ども」たち向けの図書の充実とあり、整備に努めるとあるが、コンピュータの導入によって点訳技術は進んでいるが、点訳する人の奉仕者、ボランティアが非常に少ない。
  点字本は非常に分厚いため、一般の学校図書館や市町村の図書館に置くことは収納スペースが少ないので困難であり、整備の中にはその辺のことも考えていただき、より点字図書の関係の充実ということを、ぜひとも何らかの形で図っていただきたい。

○ 「ボランティア」という言葉との関連の表現において、少なくともボランティアが最上位の概念に自発性を置いているので、「協力」とか、「連携・協力」とか、「参加を促す」という表現にしていただきたい。同時に、「育成」とか、「養成」という言葉も出てくるわけで、「必要な知識・技能修得のための研修を行う」といったような表現にすれば十分に表現できるので、そのように変えたほうがよいのではないか。

○ ボランティアの参画を促すということだけではだめである。その間にNPOが存在しないと絶対にだめだというのが、アメリカでの実情なので、その辺も、今後、文部科学省としては相当積極的に考えていく必要があるのではないか。

○ 中学生、高校生の方が知的な発達がだんだん高まっていくはずなのに、本を読まなくなっている。これをどうするかということが一番の問題ではないか。今回出た計画案で、読書環境をもっと充実させていく、図書を増やす、それから司書も充実させる、ボランティアの協力も仰ぐ、こういうことは環境整備として非常に大事だと思うが、それだけではなかなか中学生、高校生の読書が進まないのではないか。小学生に対しては、いろいろな方策も書かれているが、中学生、高校生に対してどうやって促していくかというところを、もっと補っていただきたい。

○ 外国の子どもたちとの比較でどのくらい本を読んでいるか。データはないのか。

● OECD調査によると、外国の子どもたちと比べ、本を読まない生徒の割合は高く、読書習慣が身に付いていない子どもが多い。

○ 他の国でNIEという新聞活用教育の取組が盛んな国があるが、日本でも総合的な学習の時間で、新聞を使って現代的な問題に取り組んでいく過程でいろいろな書籍・雑誌も入ってくる。そういう形を盛り込んでいただきたい。

○ 学校教育全体の中で、心の問題とか、体育・スポーツの問題とか、道徳の問題を取り上げるということと、全く同じ次元で読書指導、読書活動、読書教育をどうしていくかというのは中学校教育の充実にとっても必要である。
  司書教諭の位置づけについて「平成15年度から12学級以上の学校に」というところがあるが、世田谷全体でも12学級以上の学校が多くはない現状では、残念なことである。学級数を低めて、せめて10なり8なり、そのようなところで努力いただけないか。

○ 子どもたちの読書という場合に、子どもたち用の本というのが、日本の社会でたくさんつくられているのかということについての疑問を少し持っている。かつては、「赤い鳥の運動」みたいなものがあり、子どもたち用の本がたくさん用意されていたが、最近は、そのような運動も見られなくなり、学校には全然伝わっていない。そのようなことに対する指摘もしておいたほうがいいのではないか。高校に行くと読書が激減するのは、受験勉強のためということもあるが、魅力あるものが少ないということが挙げられるのではないか。

○ 「教員及び保育士の理解を促進」と書いてあるが、さらに、指導上の理解を深めていくことが大事なことではないか。
  「未就園児を対象とした子育て支援活動の中でも、読み聞かせ等を推進する」と書かれているが、未就園児というと、幼稚園では3歳未満児になり、在園児とは少し対象が違ってくるので、絵本等をどうやってそろえていくかというのも、一つは考えていかなければならない課題ではないか。
  乳幼児期に絵本に出会っていく、読み聞かせをしていくことの重要性は、もっともっと啓蒙されてよいのではないか。

○ ある年齢までに読書習慣をつけなければ、それ以後は不可能ではなないが、大変困難であると言われている。幼児期・学童期に読書習慣をつけることが大切であるが、幼稚園や保育所の先生、小学校の先生に、絵本や物語の質的な深さが本当にわかる教師、本の読み聞かせや語り聞かせのできる教師がどれだけいるのか。
  環境の整備だけは言われているが、教員の質的な深さに重点を置く必要もあるのではないだろうか。教師を育てていくことによって、保護者も変わっていく。教員の力量というか、それに対してのポイントを出してほしい。
  個人でかつて子どもに与えた本で要らなくなった本の処理の仕方について困っている人が多い。大学の図書館や地方の公立図書館に寄贈するなりして、再利用も必要ではないだろうか。
  学校の教師が、授業の中でどれだけ辞書や事典の類を持ち込み授業を展開していくかというと、ほとんど学校図書館と無関係の中で授業をやっている。
  学校の授業については、学習センター的な機能が盛り込まれているので、そのところをもう少し押さえておく必要があるのではないか。

○ この法律の中で、もう少しハード面における見通しを出していただけると新しいメディアセンターのようなものができてくるだろう。図書館司書もそうだが、単に増やせ、増やせという議論があるが、これからのメディアセンターとしての学校図書館というものを考えると、地域と一緒になることと思うので、そう考えると、ただ人的な配置を増やしていけばいいのだという安易な発想ではいけない。

○ 読書離れが進んでいるのは事実で、裏付けるデータもこのとおりだが、このデータはあくまでも平均値で、実は二極分化傾向であり、よく読んでいる子は大変な量の読書活動の積み重ねがあるという傾向も、他方ではあるため、平均値だけではなく、実態を正確に把握できないか。

○ 「学校図書館へのコンピュータの整備やインターネット接続を推進する」とあるが、そもそもデジタル的なものを含めた図書だというイメージなのか。
 「読書活動は、子どもが、言葉を学び」云々とその効用が書いてあるが、純粋な文字だけによる図書ということの効用を限定するならば、イマジネーションをかき立てるとか、そのような特性を書くといった分析が足りないのではないか。

○ 蔵書の飛躍的な整備は、図書館同士の役割分担、あるいは広域団体たる都道府県の図書館と、基礎的自治体たる区市町村の図書館の役割分担で、飛躍的に上がっていくものなので、22ページの(3)については、基礎的自治体たる区市町村と広域自治体たる都道府県の役割を地方公共団体でくくらないでいただきたい。

○ 養護学校等においても施設設備の改善が求められており、蔵書等が多いわけでもなく、読書活動というところまで踏み込めない実態もあるので、「盲学校、聾学校及び養護学校における障害のある子どもの読書活動支援について、検討を進める」というところについては、読書活動の諸条件の整備・充実を進め、読書活動の支援を図っていく」というようなトーンの文言にしていただきたい。

○ 中・高生が本を読まなくなってきているという話だが、普段の生活の中で、本を読む環境にないのではないか。意図的に活動としていかないと、なかなか習慣化されない。中学生、高校生になると、受験もあるが、クラブ活動などで指導者が関連の本を読ませていくということであれば、本を読む機会も増えるのではないか。
  また、アメリカでは、小学校低学年の場合だが、読書週間のときに、学校と家庭と子どもが中心になって読んだ本の絵のタペストリーをつくり、それをつないで大きなタペストリーにして飾ることで、子どもたちに楽しませることで本に関心を持つきっかけをつくっている。

● いただいた様々な御意見は、省内の副大臣をキャップとする検討会議で整理をして、その後、文部科学省のホームページに掲載をして、パブリックコメントにかけるといった形で、今後の手続を進めていきたい。政府としての計画であり、の立場で、5カ年計画のため、すべてのことに明確な答えができない場合もあるが、ご容赦いただきたい。最終的には8月上旬に閣議決定する予定である。

2.新教育課程の推進等について

○ 新教育課程の学力観は、私どもはわかるが、一般の都民や国民の目に触れるわけではない。文部科学省の方針を示したパンフレットを一度世間に出してもらえないか。

● まだまだ円周率の「3.14」が「3」に変わったというような誤解も多いということで、御紹介したパンフレットもできるだけ活用していきたい。
 教員の方々にしっかり理解いただくというねらいで、全国に足を運ばさせていただいているが、できるだけ各都道府県、市町村、各学校からも保護者の方々にご説明をいただき、そういう積み上げで趣旨の徹底、ご理解をいただければと考えている。

○ 「学びのすすめ」については、マスコミから誤解を招く報道がなされ、保護者の方が現実に不安を持っているため、その対応策が何か欲しい。

● 国民の理解をいただくための努力は引き続きやっていきたいが、問題意識は、まさに今は、むしろ論より証拠で、いろいろな理念や考え方を説明することも大事であるが、学習指導要領、あるいは完全学校週5日制のもとで、どういう優れた教育実践が可能であるか、あるいはどういう教育効果が実現できるかといったような、まさに実践をいろいろな形で把握して、紹介して、そういうものを通じて国民に理解をいただくような努力をしたい。

○ 土曜スクールを開き、補習的なものに限らず、文化的に豊かなものを用意していき、つまずいている子どもには補習的なものもあり、さらに進んだことを勉強したいという子にはそういうコースもあるということで、自治体がしっかり保障していく。そして、文部科学省側もそういうことをある程度奨励していくという姿勢をとっていただければいいのではないか。世の中全体の流れとして、土曜日は学校では学べない様々な活動をしてほしいということだけを言ってしまうと、保護者たちは学力がつかない、不安になる、受験もあると考える人も多いため、過度的な措置としても、学力面で補充的な学習を行うことを認めていくことが、保護者に納得してもらえる道ではないか。

○ 現実に、学校を週5日制にして学力が低下することはないが、親は大学の先生方の学力低下論を聞いて、「絶対にそれじゃ困る」ということを言い出してきている。多少、土曜日に授業をやるとか、そういうことがあっても、大目にみて様子を見ながら、本来の5日制に導いていくという対応以外にないのではないか。

○ 今、学校の現場で教師たちが一番困っているのは、絶対評価で、目標に準拠して教えると、ひとつの到達度がでてくるが、その到達度に応じて、どのようにプログラムを準備するかが、非常に大きなことで、ここを怠ったら、新教育課程も何もないので、そこをしっかりやろうとしている。学校の現場は、じっくりと子どもたちに視点を当てて取り組んでいる。

○ 反復ができて、本当に子どもたちに基礎・基本が身に付くような授業ができるような、授業確保をやっていただきたい、あるいは条件整備をやってもらいたい。
  学校全体の行事を絞って、もっと教科指導に重きを置けるようにしていき、父母にもっとPRをして、新しい学校の新しい像をやっていけば、誤解をまねいている保護者の不安も解消するのではないか。

○ 保護者の意見だが、マスコミや大学の先生たちの情報がかなり入ってきて、いろいろな意味で誤解を解くところからスタートしなければならないところがあるため、新聞などで文部科学省の一つの考え方みたいなものを伝えていただけるとありがたい。
 パンフレットなどを保護者向けに学校に配ると、学校側の判断により、保護者まで届かないというケースがあるので、文部科学省がまとめた保護者に伝えたい方針が学校でどのように取り扱われているかを保護者が新聞を通じて学校と向き合えるようにすることもあってもいいのではないか。

○ 文部科学省、国のほうでいろいろ検討を重ねてきたこの学力観といったようなものをもとにして、星委員の言葉とおりだが、地方教育委員会と学校現場が何を言おうと、どう判断されようと、これをコツコツとやり、結果でやっていくしかない。

○ 学力低下論については、マスコミはすぐ、大学の先生が何か言うと乗るが、これは非常に危険なことで、もっと広く見ていかないと、学力というのは定義できない。今の学生は、国際的に見ると、我々の時代よりは国際水準に近づいているのではないか。学術会議でも大議論になった件で、結局、結論が出なかったが、今後とも議論していきたい。

3.今後の初等中等教育分科会の審議事項について

事務局より以下の審議事項(予定)について紹介があった。

  • 教育課程実施状況調査結果について
  • 通信制課程におけるインターネットの活用について
  • 特殊教育免許の総合化について
  • 教員免許状の授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について
  • 理科教育設備基準(高等学校にかかる部分)の改訂について
  • 産業教育の施設設備の改訂について
  • 公立学校教員の給与制度等の改正について

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

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