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初等中等教育分科会(第22回)・教育行財政部会(第22回)合同会議 議事録

1.日時

平成16年5月25日(火曜日) 10時30分~13時

2.場所

東京會舘 「ロイヤルルーム」 12階

3.議題

  1. 義務教育費に係る経費負担の在り方について
  2. 義務教育に係る諸制度の在り方について
  3. その他

4.出席者

委員

 木村分科会長、渡久山委員、橋本委員
(臨時委員)
 市川委員、小川委員、高倉委員、西嶋委員、野村委員、平出委員、船津委員、宮崎委員

文部科学省

 矢野文部科学審議官、近藤初等中等教育局長、樋口初等中等教育局担当審議官、金森初等中等教育局担当審議官、辰野初等中等教育企画課長、森初等中等教育企画課企画官、塩見教育制度改革室長、佐藤初等中等教育企画課長補佐、前川財務課長、竹下教職員課長、その他関係官

5.議事録

午前10時30分 開会

(○=委員、●=事務局)

(1)教育条件整備に関する作業部会主査より中間報告「義務教育費に係る経費負担の在り方について」を提出し、説明の後、意見交換。

委員
 臨教審の議論が行われていたときに、第一部会で、義務教育費国庫負担の問題を2分の1負担から3分の1に、これは仮の数値だと思いますが、それに持っていったらどうかということで、ヒアリングに出たことがあるのです。そのときにいろいろと私が言われたことは、設置者負担が原則なら、なぜ国庫がそんなに大きくお金を支出、負担するのだということが中心でした。
 私はそのときに、設置者負担の原則というのは、別に国が負担してはいけないということではない。もう1つは、設置者負担の原則それ自体が、私費負担から公費負担へというような非常に大きな負担構造の変化と申しますか、教育費の負担に関する考え方の歴史的な変化の中で生まれてきたものであって、設置者が負担するということにウエイトを置くよりも、むしろ私費負担から公費負担へ移ってくるときに、まず最初の段階として設置者が義務教育費の負担をしたのだ、それが歴史的な大きな出来事であり、その歴史的な意義をしっかり認識すれば、設置者負担が原則だから、したがって、国の負担はもっと削っていいのだという論理は成り立たないはずだということで、だいぶやり合ったことを思い出すわけです。
 最終的には、不要不急の補助金及び既に目的を達した補助金‐教育に関するものですが‐そういったものについては、廃止をも含めて検討するけれども、2分の1国庫負担という基本原則は守るべきだと、そんなことを主張して、それもそうだなということにおさまったことを思い出すわけです。
 質問は、今度のワーキンググループで、設置者負担の原則ということとのかかわり合いをどのように理解するかということについて、どんな議論がなされたのか、ちょっとポイントだけお教えいただければということです。

委員
 非常に難しい問題ですけれども、基本的にこの中間報告は、戦前からの義務教育費負担制度の歴史というか、沿革をかなり丁寧に書いているのです。戦前の市制・町村制の発足時から、義務教育については町村が負担するというような、もともとそうした設置負担主義の話があったのですけれども、そうした原則から出発して、なぜ都道府県や国が義務教育のそうした財政的な基盤に関与しながら整備していくか。そうした日本の戦前戦後の必然的な経緯を追いながら、この中間報告は、設置者負担という義務教育の原則を重視しながらも、都道府県や国が義務教育の安定的ないし長期的な計画に基づいて運営していく場合、どうしても不可欠だという点での歴史的な発展を追いながら、その辺は確認したつもりであります。
 なぜ都道府県や国が市町村設置負担主義にもかかわらず、財政的な責任を負いながら、連携しながら、義務教育を担うのかということについては、詳しくはこれを読んでいただければ了解していただけると思います。
 もう1つは、2分の1の国・都道府県負担につきましては、義務教育のそうした個々人の教育権保障の問題と国家・社会の基礎であるというような、国家的な要請の兼ね合いをどうつけるかというところが、制度原則では難しいのですけれども、戦後の出発として地方分権を前提としている教育行財政の仕組みにおいては、国と地方との調整は2分の1ずつ負担するというところについては、戦後の分権的な行財政の原則にそぐう安定的な制度ではないか、そのような確認はしたつもりでおります。

委員
 ありがとうございます。私、この中間報告というのはほとんど全面的に大賛成です。決してこれに対して若干でも異議を挟んでという質問ではなくて、前に臨教審のときに類似した問題について、設置者負担の原則ということをキーワードにしながら、いろいろと議論したということがあったので、申し上げただけでございます。
 それと同時にもう1点、シャウプ勧告以降の平衡交付金の中に吸収されてしまった、その時期のデメリットと申しますか、それについてもいろいろ書いてございますけれども、このあたりというのは、何十年か時代は推移しておりますけれども、あるいは歴史は繰り返すということをあえて言うつもりは毛頭ございませんが、やはり平衡交付金制度に吸収されてしまって、それがまた新たに義務教育費国庫負担制度が昭和28年だったですかね、復活していく。そのときにいろいろ言われるように、当時、大変な御苦労を文部省がなさった。これもまた大きな歴史的な教訓として、私どもは、時代はだいぶ過ぎたけれども、歴史的な教訓はしっかりと胸におさめて、この問題に対応すべきではないかと思います。そういうことで、中間報告の中身は本当によくまとめてくださったと私は思っております。

委員
 これは質問ですが、「はじめに」というのが資料2にも書かれていますが、負担金の削減の話が出ているのは、地方分権の改革とか、あるいは三位一体の改革が、現政府の中でいろいろな形で議論されてきた背景だと思います。ただ、今、先生から説明がありましたように、全額税源移譲した場合でも‐税源移譲がなされていないということでの不満も自治体には非常にあるわけで、決して三位一体の改革にはなっていないというのが実態なのですけれども、税源を移譲した場合も、このように多くの自治体が逆にマイナスの額に出てくるという実態がありながら、話によると、ある自治体では今の地方分権、あるいは自主権の拡大という意味では、やっぱり交付金化したほうがいいとか、いろいろな形が出ているといううわさを聞いています。報告を読み込んでいませんけれども、もしもそういう形で特徴的なものがあったら教えていただきたいと思います。

事務局
 地方公共団体の首長さんたちの動きでございますけれども、まず全国知事会が基本的には三位一体改革の中で税源移譲を強く求めるというスタンスでございまして、昨年11月に全国知事会の提言をまとめておりますけれども、その際に全体として約9兆円の補助金、負担金の廃止を求める。その中に義務教育費国庫負担金も全額含まれておりました。ただ、その11月の時点での議論の中で、義務教育費国庫負担金について強い反対意見もあって、直ちに廃止すべき対象にすべきではない、慎重に検討すべきであるという異論もございましたものですから、11月の時点での全国知事会の提言には、義務教育費国庫負担金について特記事項というものがついておりまして、反対意見が特に記されております。その時点で、既に16年度から総額裁量制という形で地方の自由度を高める改革が予定されておりましたので、地方の自由度を高める総額裁量制の導入も予定されていることでもあるので、義務教育費国庫負担金の全額一般財源化、廃止ということについては、慎重に検討すべきであるという特記事項が、その時点でついておりました。
 その後、制度改正が行われまして、今年度、この月から総額裁量制が実際に導入されたわけでございます。そういった状況を踏まえまして、また、一方で、三位一体改革の中で地方交付税交付金が大幅に削減される。地方交付税交付金が1兆2,000億円、それから赤字地方債分が1兆7,000億円ぐらい、合わせて2兆9,000億円の財源がカットされるという事態があったものですから、こういった状況の中で、知事さんたちの考え方も相当風向きが変わってきているというふうに私どもも感じております。
 私どもも各知事さんたち、あるいは市長さんたちに、義務教育費国庫負担制度の趣旨、あるいは総額裁量制の趣旨について理解を求めるための努力をしてきているわけでございますが、そういった中で、多くの知事さんたちから、義務教育費国庫負担金については、政府の進めている平成18年度までの当面の削減目標は4兆円となっておりますけれども、既に1兆円の削減をしたということで、残り3兆円と言われておりますが、その残り3兆円の18年度までの廃止縮減の対象にすべきではないという意見が、私どもの受けとめ方の中では大勢を占めるに至っていると思っております。
 しかし、組織としての全国知事会としては、昨年11月の提言のスタンスがまだ継続しているわけでございまして、義務教育費国庫負担金も含めて廃止縮減すべきであるという基本的なスタンスが変わったわけではございません。
 また、全国市長会の中にもいろいろな意見が出てまいりまして、全国市長会の中の分権型教育研究会という研究グループがございますが、その有志の市長さんたちが、三位一体改革の中での義務教育費国庫負担金の取り扱いについて提言をまとめて、文部科学大臣あるいは関係各省にお持ちになりました。その内容としては、義務教育費国庫負担制度は当面維持すべきである。政府が進める18年度までの残り3兆円の廃止縮減の対象にすべきではないという趣旨の提言をお持ちになっております。こういった動きが市長会の中でも起こってきているということでございます。地方公共団体の首長さんたちの間でも議論が、現在、相当巻き起こっているという状態でございます。

委員
 今回、このようにおまとめいただいて、本当にうれしく思っております。小川主査を中心にこれだけの短い期間で大変だったのではなかろうかと思っております。
 私は、義務教育の国庫負担制度につきましては、全国の校長会の予算対策部の一員という形で、ずっと陳情活動も行ってまいりましたし、そのときにいろいろな思いをいたしました。総務省に行ったり、財務省に行ったり、それぞれの議員会館に回って、いろいろな方々と出会いながら、毎年3回ぐらいの陳情活動を行ってきたわけですけれども、時にはむなしさを感じたり、いろいろなお話を伺いながら、さらなる堅持に対する行動を起こしていかなければならないという思いをしながら、ここ数年間ずっとかかわってまいりました。
 この中間報告書の14ページのところに、昭和25年から27年の義務教育費国庫負担法の廃止を行った時期のことがまとめられております。この中で、地方の一般財源で賄うという結果、どのようなことが起こったのかということで、たったの3年間ではありましたけれども、このときに教育条件の全国的な低下でありますとか、地域間格差の拡大が生じたり、そのことがその後の教育にどのように発展していったのか、それらが明記されております。いろいろな諸資料をもとにしながらおまとめいただいて、私自身は大変うれしく思いました。やはり義務教育費の国庫負担については必ず堅持しなければならない。何のためにということがこの報告書にまとめられ、また、先ほど概要で御説明がありましたけれども、これが崩れたならばということを常に考えていかなければならないだろうと思います。
 この中間報告書をもとにしながら、また報告書にとつながっていくわけですけれども、ぜひともこの堅持につきましては声を大にしていただきたいという思いでいっぱいです。大変ありがとうございました。

委員
 概要のところの8ページに出ております件で、できるだけこのことを堅持していただくということで、当たり前のことですが、私が実感として、国と市町村の関係で予算の面を見てみますと、一番痛切に感じるのは、例えば図書費あたりが地方交付税に入っているという、国のレベルで500億とか、あるいは600億が出てきたときに、各市町村ではほとんど図書費に回ってきません。私自身は市にそのことを強くお願いして、図書費としてかなり予算をいただいておりますが、私どもの事務所管内では、国の財源を市や町では教育の図書費として取ってくるというのは、全くゼロらしいのです。こういった財源に対して一般交付税でやってくると、そういう懸念が十分考えられるということを、先ほどからのいろいろなおまとめの1つとしてつけ加えていただきたいと、そういう感想を持っておりますので、よろしくお願いします。

委員
 それに関連してですけれども、私、時々感ずることは、確かに国が義務教育費の財源保障に非常に大きな責任を持ち、それを果たしてくださっている制度は、ぜひ堅持しなければならないと思います。
 ただ、幾つかのまたそれに付随する問題も出てくると思いますけれども、地方自治体あるいは地方教育委員会等々が‐教育委員会がどれだけ予算編成権を持っているかという議論はさておきまして、地方公共団体が、国の補助金、負担金に頼ってしまいまして、ただいま御発言いただいたように、図書費に対するものは、まさにこれこそ設置者負担の原則でもって当然行うべき仕事が、やや消極的になっている。国庫負担、補助を充実することは非常に結構なのだけれども、そのことによって地方の対応が、自ら当然支出すべき教育費に対して消極的な姿になっている事例もなくはない。そういうことに対する問題の解決をも含めて、国庫負担の問題はさらに議論を進めていただければとお願いしたいと思います。

委員
 大変要領よくまとめていただきましてありがとうございます。ただいまのまとめの概略の9ページのところでありますが、例の政令指定都市と都道府県との関係のねじれ現象ということで、たまたま私は神奈川県の教育委員会に関係しておりますので、その場で話題になることは、神奈川県は5分の3ぐらいの規模が横浜市と川崎市で、残りが少ない。横浜市の教育委員会の人の情報を聞くと、例えばAという注文が出てきて、川崎へ行きますとBという注文が出てきて、県としてはCと出してということで、極めて難しいバランスの中にあるわけです。
 本文の45ページ以下、横浜市、川崎市は、当然のことですが、権限移譲に係る政令市の主な意見というところで、異なる意見が示されているわけですが、部会の大勢としては9ページの3行目、多くの意見は次のとおりであったというその方向で詰めていって、円滑な移譲のためには政令指定都市に対する国庫負担を検討していくということで、大体おさまりそうだと考えてよろしいでしょうか。

委員
 作業部会では基本的にそういう方向ということで確認しております。その移行につきましては、準備期間が必要であろうということで、その辺はどのような具体的な手だてで移行の処理をしていくかは、私たち作業部会以外のところの御判断かと思います。

委員
 中間報告は、考え方も、あるいは経過も私は大賛成であります。しかし、そういう中で、各都道府県の、先ほど事務局からもありましたように、一定程度、自治体の裁量権が拡大するのではないかということが言われて、だから交付金化でも交付税化でもと、こういう話も若干あったようですけれども、このように見てみますと、税源移譲しても、結局、各自治体が大きな赤字を抱える。そうであれば、教育の水準、あるいは教育に対する各自治体のサービスが落ちてくるのは目に見えてくるわけですね。実際、金がないのだから。ただ選択の問題ではなくて、実際に絶対額が非常に減ってくるということです。そういう面では、教育の機会均等、特に今、憲法あるいは教育基本法等で保障されている子どもたちの教育への権利を、国民として均等に保障できないということが明らかになってくるということであれば、これは国としてどのようにしていかなくてはいけないかという非常に大きなことが出てくると思うのです。だから、各自治体でもそういうことについてもきちんと考えていただかなくてはいけないということが1つ。
 もう1つは、国の政策として、最近、中国へ行ってきた友達がいるのですが、彼が言うには、中国は日本の教育に学ぶ、特に日本の義務教育に学ぶ。何でかというと、国が金を出すことによって、子どもたちの教育を支援する。そういう中から、最終的には国力をつくっていくという考え方でないといけないということなのです。諸外国を見ても、先進国は非常に多くの教育支出をしているわけです。OECDの中でも、日本の政府が出しているのは平均よりも低いわけです。そうであれば、いかに財政が非常に厳しいといっても、他の国に比較して日本の財政はそんなに厳しいとは言えないわけです。そうでありますから、OECD各国の教育に対する国家戦略を考えても、国がもっと政策選択の1つとして教育にきちんと金を出すことが非常に大事だと思います。そういう面では、国の政策の中できちんとそういうことはやっていかなくてはいけないと思います。
 ただ、非常に残念なのは、戦前から戦後にかけても、文部省あるいは文部科学省自身は、こんなに努力して、主張し守っているわけですけれども、これは本当にいって、政府全体の、あるいは国の政策としてきちんと位置づけていくべきだと思っておりますので、今日出てきた中間報告については大賛成でありますし、これをぜひ中教審としても意思確認していきたいという感じでございます。

委員
 この中間報告を拝聴しましてほっとしました。今まで義務教育費国庫負担軽減論が経済の論理だけで貫かれていて、どうなるのかと本当に心配しておりましたけれども、この報告書では、教育の論理が貫かれているような、そして歴史的に吟味され、国際比較もされている。そうして義務教育は国が責任を持つべきという判断には当然のこととは言え、敬意を表します。やはり経済の論理を超えるには、どうしても教育の論理を全面に出していかなければなりません。確かに財政はひっ迫しておりますけれども、教育がこのことのために破壊されたら、我が国の将来はどうなるのだろうかと心配しておりました。そういう点で、本当にほっとしました。ありがとうございました。お礼だけを言っておきたいと思います。本当によくまとめられているということだけではなしに、いろいろな教育学者などの意見もヒアリングしながらこのようにまとめられたということ、教育の論理が貫かれているということについて敬意を表したいと思います。

(2)義務教育に係る諸制度の在り方について、事務局より資料4~6似ついて説明の後、意見交換。

委員
 質問ということにもなるかと思いますけれども、資料6の学校教育制度に関する基礎資料の中には、教育の目的、あるいは教育内容、教育方法にかかわることまで、随分たくさん盛り込まれていると思うのです。今回の議論というのは、今、資料6にあったようなことをかなり広く論じていくのか、教育制度に関連づけてということにはなると思いますけれども、相当広くとらえていくのか。それとも資料4を見ますと、諮問の理由というのが書いてあるわけですが、資料4の1ページ目の下のほうを見ますと、少し話題が限定されているような気もするわけです。義務教育の就学に関する制度の在り方とか、具体的には就学の機会とか、就学時期の弾力化ということが出ています。それから、多様な学校間連携の在り方ということで、ここで幼・小・中の関係とか、接続の在り方とか、そういうことが想定されていると思います。そのあたりに議論を絞ることが要請されているのか、これはどのように考えたらよろしいでしょうか。

事務局
 今回、御議論いただきたいと考えておりますのは、資料4に書いてございますのは、検討項目の例ということで、こういった項目が中心になるのではないかということで、例えば就学年齢、就学時期の問題、あるいは就学義務の在り方‐学校の指定ということもございます。それから、学校間の連携、学校区分というような、法律でいいますならば学校教育法に規定されておりますような義務教育の在り方について御議論をいただくことになろうかと思っておりますけれども、その前提といたしましては、そもそも義務教育制度の意義と目的を踏まえた御議論になろうかと思っておりますし、委員の先生方からもこういった観点について議論をしたほうがいいのではないかという点がさらにございますならば、そういったものも含めて、今後の御議論においてまず論点整理をさせていただくという意味におきまして、先ほど分科会長から御説明がありましたように、次回以降、委員の先生方からの意見発表をいただきまして、論点整理をさせていただければと考えているところでございます。
 この議論につきましては、先ほど御説明いただいた作業部会の御報告におきましても、6ページのところに、義務教育の将来ビジョンと今後の検討課題という形で、義務教育の意義というものについては、本質的な変化はないと考えられるけれども、そういった具体的な義務教育の内容、方法については、社会全体の変化でありますとか、子どもたちの在り方や保護者の意識の変化、そういった新しい時代の要請に応じた新しいビジョンを設定していくことが必要であるという観点から、御示唆もいただいているところでございまして、そういった観点から御議論をいただければと考えているところでございます。

委員
 もう1つだけですけれども、先ほどの国庫負担の問題についても、恐らく今、何か動きとしてこういう声が結構強くなっている、それに対してどう考えるかというような形で、そういう場合には非常にわかりやすいと思うのです。今回の場合も、例えば弾力化ということに関しても、弾力化せよという声が高まっている、あるいはそういう動きがあるので、それに対して中教審としてはどう考えるべきかと、このような形だと思ってよろしいのでしょうか。

事務局
 そういった動きもございますし、この中教審自身で教育基本法について御議論いただいてきた中で、教育基本法の中にも義務教育という部分がございますので、それを御議論いただいた際に、教育基本法に関しましては義務教育を9年間、これは維持をするということでございますけれども、先ほど資料4の2枚目にございましたように、就学年齢の問題でありますとか、学校区分の問題、あるいは学校選択等の問題につきまして、その際、議論が出まして、これについては教育基本法の議論ではなしに、学校教育法の議論でもあるので、初中分科会なりで議論いただきたいということがございまして、そういった教育基本法の議論からの流れというものもございます。
 さらに、古くは46答申を先ほど参照いただきましたけれども、その中で、小・中一貫でありますとか、中・高一貫とか、幼・小一貫というのがございましたが、そのうち御案内のように中高一貫というのは制度化して、実現されているわけでございますが、小・中等につきましては研究開発学校で研究が行われている。そういった状況も踏まえながら御議論いただければと考えているところでございます。

委員
 今の御質問は、私ももっともだと思って拝聴しておりました。この問題については、議論を広げれば幾らでも広がってしまうという議題でありまして、ある程度議論のターゲットを絞らせていただいて、それで御議論いただくということをしないと、なかなか議論が収束しないのではないかと思います。
 そういう意味で、資料6、これまで出てきた御意見、非常に広範な御意見ですけれども、御紹介させていただいたということで、ここから我々が議論すべきターゲットを少し絞らせていただいて、逐次議論をしていくようにしたいと思います。ただ、そのターゲットに拘束される必要はありませんで、もっと大所高所からの御意見が出れば、またそこへ立ち戻って議論をし直すということもあろうかと思います。

委員
 印象なのですけれども、制度の問題を検討する場合に、この文章の随所に出ているかと思いますけれども、子どもの心身の発達過程に応じたとか、そういうことが随所に出てきているのですが、46答申のころから子どもが質、動的にどう心身の変化があったのか、それがどこかでちゃんと押さえられていないと不安なのですけれども。
 先ほどからありました社会の変化とか、親の意識の変化とか、そういうものもあるわけでありますので、単に制度をいじるということだけではなくて、その基礎を資料として押さえておかなくちゃいけない何かがあるような気がしております。子どもの実態という。

委員
 46答申は71年になりますかね、30年以上たっておりますから、全くおっしゃったとおりだと思います。幼児教育部会では、その辺、最近の子どもたちを取り巻く環境並びに子どもたちそのものがどう変わってきたかということを、専門家の方からヒアリングをしていただいて、私個人も勉強するところが多かったのですけれども、そのようなスタイルでこの部会も進めていく必要があるのかなという気はしておりますので、御指摘のとおりだと思います。その辺、工夫をさせていただきます。

委員
 資料4の中からですけれども、先ほど御説明いただきましたように、小・中、中・高の一貫教育と連携教育とは、私は基本的に違うと考えておりますけれども、国では一貫教育の形で検討していくのか、または連携教育‐文言の中では、1枚目のところにも「学校間連携」とありますので、学校間の連携の在り方について検討していくものと思いますけれども、その中で、一貫教育と連携教育、そのあたりのことも分けて進めていくのか、一緒に進めていくのか、質問が1つです。
 それから、2枚目のところに、義務教育制度の在り方の中に、保護者の学校選択云々とありますけれども、ちょうど11年度から制度化したところがありますが、12年度実施ですか、それから5年間を経ているわけですが、その5年間の経過、現在どうなのかというような資料の収集も必要なのかもしれないということを思いました。検討していく上での資料の収集ですね。弾力化に踏み切りまして、それから検討されていないようなこともありますので、そのままどんどん弾力化に踏み切っているところが当然あるわけですけれども、そのあたりの見直しも必要ではなかろうかと思っております。

委員
 その辺、いかがですか。連携、一貫をどう扱うのか。これは両方あり得ると思います。最近の中央教育審議会の答申、提案というのは、これだということではありませんで、環境をつくるという提案がほとんどですから、それは連携されるところは連携していただいて結構だし、一貫がよいと判断されたら一貫のほうへいっていただいて良いと思います。
 あとの5年間の経過は、確かにおっしゃるとおりで、今まではどちらかというと1つの提案をして、それが実行され始めると、みんなそっちのほうへワーッと行ってしまうという傾向になっておりました。御指摘のとおり、一体、新しい政策を講じたときに、それがどういう効果をもたらしたかという、評価といいますか、反省といいますか、そういうのは絶えずやっていかなければいけないと思います。今の御指摘については、5年間の経過を調べて、それを評価して、どうなっているという結論を出すことは難しいと思いますが、現実におやりになっているところからヒアリングをお願いして、それで委員の皆様方に感触をつかんでいただくことは出来るのではないかと思っております。そのようなこともやらせていただければと思います。

委員
 検討項目の例の中に、義務教育にかかわる就学に関する制度の在り方で、機会の弾力化と就学の時期の弾力化が例として挙げてあります。ここのところは、いろいろな新聞等で、就学時期の弾力化についての記事が記載をされているわけで、このことに関しては学校教育法上でも規定は一応できているのですね。学校教育法第23条に、就学猶予免除規定という形で、制度としてはでき上がっているわけですが、若干、就学の時期の弾力化という視点から考えるとネガティブな要素がないわけでもないという問題はあります。これは日本の義務教育制度が確立する中で、第二次の小学校令、あるいは第三次小学校令の中で確立をしていくという過程があるわけですが、そういう流れを引きずっている問題があるように思っております。
 その点では、これからのことを考えるときに、ぜひ就学時期の弾力化や就学機会の弾力化をプラス面で、教育の論理で考えていく必要性があるのではないかというのが、私の率直な考え方であります。ですから、このことを検討するときには、ぜひそのあたりは踏まえていただきたいというお願い……。要するに義務教育を実施するというか、就学年齢の問題というのは非常に微妙な問題をはらんでいますし、国際化の中で、海外に子女がたくさん出ていっている時代でありますので、年齢をあまり拘束する必要性はないと個人的には思っているわけですが、そのあたりのことも含めた弾力化であってほしいという思いがあります。
 2番目の多様化、学校間連携の在り方に関して、現在の幼稚園から高等学校までの学校間連携ということを挙げてあるわけですが、児童生徒の発達といったようなことや学力の問題、あるいは教育内容の重複を調整するという意味での連携という視点はよくわかるわけですが、もっと違う角度からの横のつながりという視点で、この学校間連携を見ていく必要性もあるのではないか。そういう意味では、今、特別支援教育特別委員会で今後の特別支援教育の在り方などの検討も始まっているわけですけれども、ぜひ盲・聾・養護学校や小・中あるいは高等学校にいる、特別なニーズを持つ子どもたちへの教育をどうしていくかということなども踏まえた学校間連携を一応念頭に置いて検討していただけると大変ありがたいと思います。
 そういう点で、今日の資料を見てみますと、相互に矛盾とまではいきませんが、ある意味で課題としては拮抗するというか、相互にバッティングするような中身もあって、なかなか難しい問題がたくさんあるんだなというのを改めて見させていただきました。例えば最後のところの、12ページにあるような教育成果の出口管理の問題などは、非常に重要な側面を持ちながら、しかし、これも日本の義務教育制度の中で、明治から見ていくと、かなり難しい問題があって、今のような制度ができあがっているということなどもあるので、このあたりはかなり難しい問題を抱えているのではないかと思いながら、見させていただきました。感想です。

委員
 義務教育の意義・目的に関する問題ですけれども、義務教育というのは、この複雑な高度な現代社会にあって、生涯にわたってこれだけのことを修得しておれば、とにもかくにも人間として生きていけるという観点で義務教育があるはずだと思うし、1ページにも、初等中等教育は人間の一生を通じての成長と発達の基礎づくりとして、国民の教育として不可欠なものを共通に修得させるというふうに言っているのだけれども、これまで履修主義できたのではなかったのか、やはり修得主義に転換するのかどうなのかという大きな問題があろうかと思います。
 そうしますと、ただ教えておれば、授業しておれば教育が成立する‐教育が成立するということは、修得したときに初めて教育が成立するわけで、小学校1年生から2年生になれるかなれないかという問題、小学校6年を卒業して中学に入れるのかどうなのか、3年間終わったときにという。だから、1つの学年ごとに修得させなければ、上の学年に上げないというところまで考えるのか考えないのか。修得と言いながら、現実には履修主義できている。そのことで、中学を卒業したけれどもきちんと学力のついていない子どもを、無責任にも送り出しているということもあるわけですね。そういうことが前提にあって、時代、社会が変化して、それに対応する、あるいは子どもの発達が非常に変化しているからという場合、その義務教育とは一体……ということについての、言葉だけの修得ではなくて、そこのところの決めをしなくていいかどうか。ずっと私はこのことについては、教育課程審議会のときからも、ナショナルカリキュラムとは一体何かということで意見を出してきたのですけれども、このことを抜きにしてはちょっと考えられないのではないだろうかと思いますが、いかがでしょうか。

(3)事務局より参考資料について説明。

(4)事務局より、今後の日程について説明の後、閉会。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成21年以前 --