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初等中等教育分科会(第61回) 議事録

1.日時

平成20年6月16日(月曜日) 10時~12時

2.場所

旧文部省庁舎6階 第二講堂

3.議題

  1. 初等中等教育分科会における当面の課題について
  2. その他

4.出席者

委員

 梶田分科会長、田村副分科会長、梅田委員、平野委員、天笠委員、荒瀬委員、市川委員、植田委員、大南委員、小川委員、黒須委員、草野委員、甲田委員、寺崎委員、渡久山委員、藤井委員、北條委員、無藤委員

文部科学省

 銭谷事務次官、金森初等中等教育局長、布村審議官、前川審議官、常盤初等中等教育企画課長、関財務課長、高橋教育課程課長、木岡児童生徒課長、淵上教育制度改革室長 他

5.議事録

【梶田分科会長】
 定刻を一、二分過ぎましたので、ただいまから第61回初等中等教育分科会を開会したいと思います。
 多分あと何人かの先生は、お急ぎになっていると思います。すぐおいでになると思いますので、始めておきたいと思います。
 まず最初に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【淵上教育制度改革室長】
 失礼いたします。本日の配付資料につきましては、お手元の議事次第、4番の配付資料のとおりでございます。
 まず資料1といたしまして、6月16日、本日現在でのこの分科会の委員の先生方の名簿でございます。
 資料2といたしまして、本分科会で当面議論していただくべき課題と考えられるもの、また、資料3から6まではこの課題に関連する資料でございますけれども、資料3がこの課題に関連する、これまでの中教審の主な答申でございます。
 資料4-1が小・中学校の設置・運営の在り方についての関連データ。
 資料4-2が学校段階間の連携・接続等についてのデータ。
 資料4-3が不登校の児童生徒への支援についての関連データ等でございます。
 資料5が、小・中学校の設置・運営の在り方等に関する作業部会の設置について(案)ということでございまして、後ほどまたご審議いただくものでございます。
 資料6が関連する諮問でございます。
 資料7が学習指導要領関係のものでございますけれども、7-1が移行措置と移行期間中における学習指導についての通知。
 資料7-2が移行措置の概要。
 資料7-3が算数・数学・理科の移行措置について。
 資料7-4が新学習指導要領に関する周知・広報についてでございます。
 以上でございます。資料の過不足等ございましたら、事務局までお申しつけいただければと存じます。よろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 この初等中等教育分科会は、昨年の2月に発足をしてから、非常に大きな枠組みのことについて、皆さんで議論してきました。教育3法と言われている、実際には4つの法律の議論がここにかかりました。学校教育法、地教行法、それから教育職員免許法、教育公務員特例法のことがありましたし、それから教員給与の問題、大きなのは学習指導要領の改訂のこともありました。大きなことをやってまいりましたが、今度はこれを具体に各学校でどう受けとめ、やっていただくかということで、まだまだ本初等中等教育分科会で少し詰めなきゃいけないという、当面の課題があります。
 今日は、こういうことを考えなければいけないのではないかということで、幾つかの課題を、まず最初に金森初等中等教育局長からご説明いただいた上で、その課題について皆さんから自由にご意見をいただいて、そしてこれから具体的に学校現場で取り組んでいただくという方向に向けて、話を詰めていければと思います。
 そういうことをやった上で、今日の予定ですけれども、当面の課題についての検討を深めていただきます作業部会を設置しようと思っております。これを設置して、話を詰めていただいて、またこの初等中等教育分科会にご報告いただいて、議論をして、そして作業部会ということをやろうと思っております。
 それから最後に、ご承知のように学習指導要領の移行措置についての公示がございました。無事に移行措置までいきました。これに基づいて、高校は年内にということですけど、これから幼・小・中に、新しい指導要領をどうご理解いただき、来年春からの取り組みに生かしていただくか。これにつきまして、後で高橋課長からお話を伺おうと思っております。大体、本日の予定はそういう感じでございます。
 それではまず最初に、当面の課題といいますか、大きな枠組みをやってきましたが、これをもう一歩現場に近いところに持っていくために、このことを考えなきゃいけないということで、金森初等中等教育局長から、ご説明をお願いしたいと思います。
 お願いいたします。

【金森初等中等教育局長】
 おはようございます。金森でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 初等中等教育に関する諸制度の改革等につきましては、中央教育審議会におきまして、平成15年5月の今後の初等中等教育改革の推進方策についてという諮問を受けて、これまで数次にわたる答申を取りまとめていただきました。また、昨今の教育をめぐる様々な議論を踏まえ、先般、教育振興基本計画について答申をいただき、現在この基本計画の策定の作業を、鋭意進めているところでございます。
 一方、これらの審議の過程におきまして、なお更なる検討が必要とされている事項もございます。こうした状況を踏まえ、今後これまでの答申等を受けて、専門的見地から更なる検討が必要な事項について、初等中等教育分科会において審議を深めていただきたいと考えております。
 主に、次の3点についてご審議をお願いしたいと存じます。第1には、小・中学校の設置・運営の在り方等についてでございます。近年、少子化の進行などを背景といたしまして、児童生徒が一貫して減少する傾向にございます。これに対応して、児童生徒の学習環境を維持・向上させ、学校の活力を高めていくことが喫緊の課題となっております。
 一部の地方自治体におきましては、学校の統合の実施や、統合に向けた検討が進められております。今後更なる児童生徒の減少の動向を踏まえ、学校規模の在り方や学校の適正配置について、学校と地域社会との関係にも留意しつつ、今後の方向性や各地方自治体、及び国の役割などについて、ご審議をいただきたいと考えております。
 また、市町村教育委員会によりましては、地域住民や保護者が学校運営に参画するコミュニティ・スクールの設置や、地域の実情に応じてあらかじめ保護者の意見を聴取した上で、就学すべき学校を指定する、いわゆる学校選択制が導入されております。近年、これらの取り組みを導入する自治体が増加し、各地域でさまざまな実践が行われております。これらの取り組みの成果や課題を明らかにしつつ、今後の方向性などについて、ご審議をいただきたいと考えております。
 それから第2に、学校段階間の連携・接続等についてでございます。学校段階間の連携・接続の在り方につきましては、生徒指導上の問題をはじめとした課題について、指摘されております。この点につきましては、平成15年の諮問におきましても、児童生徒の多様な状況等に対応して、弾力化を図る観点から、多様な学校種間連携の在り方などについてご検討をお願いしておりますが、引き続き子供の発達や学びの連続性を踏まえた幼稚園と小学校の連携・接続の在り方、教育基本法及び学校教育法の改正により、義務教育の目的や目標が規定されたことを踏まえ、小学校と中学校の一貫教育等を含めた連携・接続のあり方、平成11 年から制度化された、中学校と高等学校の一貫教育の検証と改善方策などについて、ご審議をいただきたいと考えております。
 また、現在の学校教育におきましては、原則として同一年齢の子供によって学級を編成し、同一の教育内容を履修するという実態がございますが、1人1人の個性に応じ、その能力を最大限に伸ばすという観点から、学年を越えた多様な学習機会の提供方策などについて、いわゆる飛び級の是非も含め、今後の方向性をお示しいただきたいと考えております。
 第3に、不登校の児童生徒への支援についてでございます。児童生徒の不登校につきましては、関係者においてさまざまな努力がなされてきているにもかかわらず、平成18年度に、不登校児童生徒数の割合が中学校で過去最高となるなど、教育上の大きな課題となっております。こうした状況を踏まえますと、不登校児童生徒の学校復帰や、将来の社会的自立に向け、関係機関の緊密な連携のもとで、1人1人の子供が抱える課題にきめ細かく対応するための体制の整備を図ることが必要でございます。つきましては、こうした観点から不登校児童生徒に対する支援の充実方策について、ご審議をいただきたいと考えております。
 以上、3点について今回ご審議をお願いいたしますが、この他にも初等中等教育の推進に当たり、中央教育審議会において検討が必要と思われる事項につきましては、必要に応じてご審議をいただきたいと考えております。
 なお、これらにつきましては、来年夏までにご提言を賜れれば幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 今、ご説明いただきましたように、小・中学校の設置・運営は、市町村合併、そして過疎が進んでいった中でも、地方では非常に大きな問題になっております。これをどう考えるかということがございます。それから学校段階間の連携・接続。これは小中連携が随分進んでおります。その他、前から言われております飛び級の問題等々がございます。それから不登校は、ご承知のように、90年代にどんどん増えたんです。10年間ですごく増えました。今は大体頭打ちにはなってきておりますけれども、非常にゆゆしい問題であります。そういうことについて、少し詰めた検討をしていくということでございます。
 ここで今日はご意見をいただきますが、その前に淵上室長のほうから、関連したデータについて少しご説明いただいて、その上で皆さんのご意見を伺いたいと思います。
 じゃ、お願いいたします。

【淵上教育制度改革室長】
 失礼いたします。
 それでは本日ご審議いただきます3つの事項に関連する事項について、少しご説明させていただきたいと存じます。
 まず資料2でございますけれども、今初等中等教育局長から説明を申し上げました内容を、項目として整理させていただいたものでございます。
 資料3が、中央教育審議会のこれまでの関連答申でございます。資料3の2ページをご覧いただきますと、小・中学校の設置・運営のあり方について、本年4 月の教育振興基本計画の答申の中で、コミュニティ・スクール、学校選択制、学校の適正配置の3つの事項が、家庭・地域と一体になった学校の活性化という項目の中で盛り込まれているところでございます。
 また、3ページから4ページにかけては、幼・小の連携について、平成17年1月にいただいております中教審の答申でございます。
 また、5ページが小中連携に関する平成17年の義務教育に関する答申と、本年2月の学習指導要領の答申でございます。
 6ページが本年4月の教育振興基本計画の答申の中で、小中一貫教育あるいは飛び級、幼・小連携といったことが盛り込まれているところでございます。
 7ページ、8ページが不登校に関する教育振興基本計画の答申でございますけれども、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの活用、あるいは不登校の子供への教育機会についての支援といったことが盛り込まれているところでございます。
 また、この答申以外にも中教審あるいは他の会議などから、関連する提言が出されております。詳しくはご説明いたしませんけれども、お手元のブルーの中央教育審議会資料というものの中に、附せんを付しているところがございます。附せんを付しているところに平成17年1月の初等中等教育分科会、本分科会の審議のまとめとしていただいている、その時点での論点を整理したものがございます。附せんを付しております最初の附せんをご覧いただきますと、平成17年1 月にとりまとめられた「義務教育に係る諸制度の在り方について」の初等中等教育分科会の審議のまとめがあるかと思います。これを1枚めくっていただきますと、まとめの概要がカラー刷りで入っているかと思いますけれども、この時点におきまして大きな3番で義務教育制度の改革の方向といったようなものが、論点として指摘をされております。
 またその次の附せんにあるところが、平成19年1月に、第3期の中教審を閉じるに当たりまして、初等中等教育分科会の第37回から第45回における主なご意見をまとめたものでございます。この中でも、小中一貫などにつきまして、記載がございます。また、この資料の大きな3番の項目のところには、教育再生会議から出されております類似の報告を入れさせていただいております。この再生会議の報告でも、第3次報告を中心に今回の審議に関係するご提言がなされているところでございます。詳しい内容には時間の関係上入れませんけれども、ご審議の中でご参照いただければと存じます。
 それでは続きまして、資料4-1と2と3に基づきまして、少し関係するデータ等をご紹介させていただきたいと存じます。
 まず資料4-1が、小・中学校の設置・運営の在り方についてでございます。2ページをご覧いただきますと、学校の適正配置についての参考法令でございます。現在の法令上の規定といたしましては、学校教育法の施行規則、あるいは義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律の施行令におきまして、関連する規定があるところでございます。学校の規模といたしましては、12学級から18学級を標準とするといった規定がございます。あるいは通学距離といたしましては、施行令の第4条第1項第2号にございますけれども、小学校はおおむね4キロ以内、中学校はおおむね6キロ以内ということでございます。これらの規定はいずれも昭和33年に整備をされたものでございます。
 また、3ページ、4ページ、5ページが、これまで文科省から出されました公立小・中学校の統合に関する通知でございます。3ページの昭和31年の文部事務次官通知は、次の4ページにございます中教審の答申、31年にいただきました公立小・中学校の統合方策についての中央教育審議会の答申を受けて出された通知でございます。
 また4ページの中教審の答申の中では、学校統合の基本方針、あるいは学校統合の基準、学校統合に関する助成について、答申をいただいたところでございます。
 また、5ページの昭和48年の通知は、学校統合につきまして留意事項などを詳しく説明した通知となっているところでございます。
 続きまして6ページ、7ページは、公立の小学校の児童数、学校数の推移でございます。6ページをご覧いただきますと、下のグラフですけれども、昭和33 年に第1次ベビーブーム世代のピークを迎えておりまして、1,340万人が小学校の児童数となっております。また、第2次ベビーブーム世代の昭和56年に 2回目のピークを迎えておりますけれども、その後、基本的に減少を続けておりまして、平成19年の全児童数は、約701万人となっております。これは33 年のピーク時と比べますと、およそ48パーセントの減少ということになっております。
 一方、学校数につきましては、昭和32年に2万6,755校であったものが、30年代から40年代にかけて減少していきますけれども、その後なだらかに推移をしておりまして、平成19年には2万2,420校ということでございまして、昭和33年当時と比べますと、約16パーセントの減少となっております。
 7ページが、小学校の学級数別学校数の推移でございます。便宜上、昭和33年度、48年度、56年度、平成19年度の4つを掲載しておりますけれども、 5学級以下の極めて小さな規模の学校の割合は、だんだん減ってきているのがおわかりになるかと思います。また25学級以上の極めて大規模な学校の割合も、少なくなってきております。また、12から18学級の規模の学校の割合は比較的多くなってきておりますけれども、ただ、それでも平成19年で28.9パーセントという状況でございます。一方、11学級以下の学校の割合が約5割になっている状況でございます。
 8ページ、9ページが、同じく中学校の状況でございます。中学校の生徒数のピークは、昭和37年の約703万人でございます。平成19年には約333万人ということで、37年と比較をいたしますと、およそ半数以下ということになっております。また、学校数を見ますと、同じく37年に約1万2,000校でございましたけれども、19年には1万150校ということで、37年との比較でいいますと、15パーセントの減少ということでございます。
 学級数別の学校数を見ますと、平成19年のデータでは、12から18学級規模の学校の割合は32.3パーセントとなっておりまして、過去と比較をいたしまして、高い割合になってきております。またこれ以上の学校の割合は減少しておりますし、25学級以上の極めて大きな学校の割合は、非常に少なくなってきております。一方で11学級以下の学校の割合というのも、5割を超える状況になっているところでございます。
 以上が学校の適正配置に関する状況でございます。
 続きまして、11ページ以降がコミュニティ・スクールについての関連データでございます。11ページにございますように、コミュニティ・スクールにつきましては、保護者や地域住民の方々のさまざまな意見を、学校運営に的確に反映させる仕組みとして、平成16年に制度化されたものでございます。制度の概要にございますように、学校運営協議会が、学校運営の基本方針の承認を行ったり、あるいは教職員の任用に関して任命権者に意見を述べるといった権限を持つものとして、制度化をされているところでございます。
 少し飛ばしまして、16ページに現在のコミュニティ・スクールの設置状況がございます。ここにございますように、コミュニティ・スクールの学校数は、制度化以降、年々増加をしてきておりまして、本年4月時点で343校となっております。
 続きまして次の17ページをご覧いただきますと、学校の設置者別の推移でございますけれども、導入している自治体は17ページにございますように、平成 20年度現在で65団体となっております。特定の地域、特定の市町村におきまして、コミュニティ・スクールを集中的に指定していただいているといった状況も伺えるわけでございます。また、19ページ、20ページには、このコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)と他の類似制度、学校評議員制度、あるいは学校支援地域本部との相違を整理したものでございます。
 次に21ページから学校選択制についての資料でございます。22ページをご覧いただきますと、まず公立の小・中学校の就学の指定に関する手続の流れがございます。公立の小・中学校について、子供たちが就学する学校につきましては、その市区町村内に2校以上の学校がある場合に、市町村教育委員会が保護者に学校を指定するという仕組みになっております。保護者への就学校の指定に先立って、保護者の意向を確認することができるようになっておりますけれども、この保護者の意向を確認しているものを、私どもは学校選択制と呼んでおります。学校選択制は事前に保護者の意向を確認するというものでございます。一方、一旦1月31日までにこの学校に就学をするようにと指定をした後、保護者の意向を受けまして、就学校の指定を変更することもございます。これが就学校指定の変更という手続でございまして、このような2つの方法があるわけでございます。
 学校選択制の実施状況につきましては、24ページ以下にございます。24ページをごらんいただきますと、平成18年5月1日時点での学校選択制の実施状況を記載しております。まず用語の説明といたしまして、学校選択制は今申し上げましたように、就学する学校についてあらかじめ保護者の意見を確認していくものでございますが、形態としてはここの四角にございますような、5つの形態が便宜上整理されるわけでございます。
 この状況でございますけれども、26ページをご覧いただきますと、小学校、中学校で、入学時に学校選択制を導入している自治体が、小学校で240自治体、14.2パーセント、また実施を検討している自治体が214自治体ということになっております。また中学校について、選択制を導入しているのが185 自治体で、実施を検討しているのが193自治体ということでございます。
 また、28ページは学校選択制を導入してよかったこととして、市町村教育委員会から回答があったものでございます。
 29ページは、学校選択制を導入しないという自治体から、選択制を導入しない理由を聞いたものでございます。
 31ページ、32ページは、選択制の実施状況について、それぞれの地域ごとの状況を示したものでございます。
 33ページ以降は、就学校指定の変更について、事後的な学校指定の変更でございますけれども、それぞれ小学校、中学校とも、5割から6割の学校で、学校指定の変更の事例があったと報告をされております。また、申し立てがあった件数のほとんど、98パーセント前後の変更が認められたといった状況があります。
 以上が4-1でございます。
 続きまして4-2につきまして、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。4-2の学校段階間の連携・接続の資料でございます。2ページ目からが、幼・小の連携の実情でございますけれども、幼稚園の交流活動の状況といたしまして、2ページにありますが、小学生との交流が国公立で84.5パーセント、また小学校の教員との交流が約5割といったことがわかるわけでございます。
 3ページは、具体の交流活動の内容といたしましては、小学生と一緒に活動するといったことが多いという状況がございます。
 また、5ページには今回の幼稚園教育要領の中におきまして、幼・小連携に関する記述がなされております。
 6ページ、7ページは、幼・小連携の取り組み例といたしまして、教育課程の編成上の工夫、あるいは教員間の交流、合同研修会の実施といったことを載せております。
 また、8ページ以降が小中の連携の取り組みの概況でございます。9ページにございますように、小中一貫教育に関するさまざまな取り組みが行われておりますけれども、この取り組みは多様な要素を呈しているところでございます。制度上の特例の活用の仕方、あるいは学年の区切りの仕方、あるいは小学校からの教科担任制の導入状況など、いろいろな側面から見ましても、多様な実態にございます。
 10ページが学年のまとまりの設け方についての先行事例の一部を紹介しています。5-4制、あるいは4-3-2制など、さまざまな形態があることがおわかりいただけるかと存じます。
 11ページ以降が教育課程の特例を活用した小中連携の取り組みの状況でございます。全国的に見ますと、97件の事例がございます。これは研究開発学校を用いているもの、また、平成19年度までの構造改革特区の研究開発事業、これは平成20年度から文部科学大臣指定による事業に移行しておりますけれども、合わせて97件の取り組みが平成19年に行われておりまして、学校数にしますと約1,500校で展開されているという状況でございます。
 12ページがこの具体例でございますけれども、研究開発学校の取り組み例といたしまして、大阪府の河内長野市立小中学校の状況でございますけれども、具体的には小中学校9年間を見据えた英語教育の研究開発といったことが取り組まれております。
 また、13ページが特区の研究開発学校の設置事業での取り組みでございますけれども、東京都品川区で、新たに市民科を設けているとか、あるいは小学校での英語活動といった取り組みが行われております。また、京都市におきましても9年間の系統的な一貫教育ということで、算数、数学のカリキュラムの編成、あるいは小学校の英語科設置といったことが行われております。
 また、14ページには、こうした制度上の特例を活用せずに、小学校と中学校の連携強化を図っている例がございます。三鷹市の例といたしましては、小学校から一部の教科で教科担任制を導入したり、あるいは小・中の教員の相互乗り入れ、合同研修といったことを紹介させていただいております。
 また16ページ、17ページ、18ページは、小中一貫に関する、平成17年度に行いました義務教育に関する意識調査の結果を載せております。
 続きまして19ページ以降が中高一貫の教育制度についてのご紹介でございます。まず20ページが中高一貫教育校の特色といたしまして、6年間の学校生活の中で、計画的・継続的な教育課程を展開することで、生徒の個性や創造性を伸ばすという仕組みでございます。この中高一貫教育制度につきましては、21 ページにありますように、大きく3つの種類がございます。1つの学校として6年間一体的に中高一貫教育を行う中等教育学校、同じ設置者が中学校と高等学校を接続する併設型の中高一貫教育校、また、設置者の異なる中学校と高等学校で連携を深める連携型の中高一貫教育校という3種類がございます。
 22ページは、これらの中高一貫教育校において、どのような教育課程上の編成の工夫ができるかというものを載せております。中等教育学校と併設型の中高一貫教育校では、指導内容の相互の入れ替えが可能となっております。
 23ページは、中高一貫教育校の推移でございますが、これも平成11年度に制度化されて以来、一貫して学校数が増えてきております。平成19年度には3種類の形態を合わせまして257校という状況でございます。
 24ページと25ページは、各都道府県別の状況を載せてございます。
 それから30ページ以降が、優れた才能や個性を伸ばす学習機会についての状況でございます。これにつきましては、飛び級について平成9年に中央教育審議会で一度ご審議をいただいたことがございました。このときの中教審の答申の抜粋を載せさせていただいております。この時点でのご議論の結果といたしましては、飛び級は受験エリートを育成するために活用されたり、保護者間に無用な焦りを招いたりといった懸念があるということで、義務教育段階の小・中学校では、飛び級を行わないことが適当だと。また、高等学校においても同様の問題があり、適当ではないという答申をいただいているところでございます。
 また、平成17年度の「義務教育に関する意識調査」の中で、飛び級について、32ページにございますようなデータが出ております。こういった状況を踏まえて、今後どう考えていけばいいかということでございます。
 最後に資料4-3の不登校についてご紹介させていただきます。不登校につきまして、まず2ページをごらんいただきますと、平成18年度の小中学校の不登校児童生徒数の推移がございます。18年度の状況が、この表の一番右の計の真ん中のところにございますけれども、約12万7,000人となっておりまして、近年の減少傾向から増加に転じております。また中学生につきましては、全生徒数に占める不登校生徒数の割合が2.86パーセントと、真ん中の段にございますが、過去最高となっているという状況がございます。
 続きまして5ページをごらんいただきますと、不登校となったきっかけと考えられる状況がございます。この表の下から3つ目の段にございますけれども、本人の問題に起因するものの、その他本人にかかわる問題というものが、小・中学生ともに最も多くなっております。これは極度の不安や、緊張、無気力などで、ほかに直接のきっかけが見当たらないといったものが、ここに当たるというわけでございます。
 また、6ページが、不登校が継続をしている理由といたしまして、これも下から3つ目の不安など情緒的混乱というのが最も多くなっているわけですけれども、これは登校の意思はあるが、身体の不調を訴えて登校ができないといったものなどが、ここに当たるわけでございます。
 駆け足で恐縮ですが、9ページのデータをご覧いただきたいと存じます。不登校児童生徒が相談指導などを受けました学校外の機関の状況でございます。学校外の機関として最も多いものは、一番右の計の欄をご覧いただきますと、計の欄の1の教育支援センター(適応指導教室)が1万6,483名となっておりまして、教育委員会が設置をする教育支援センターに通所して指導を受けるという児童生徒数が最も多い状況でございます。
 続きまして18ページをご覧いただきたいと思います。国・公・私立の高等学校における長期欠席者の状況でございます。高校生の不登校の状況は平成16年度から調査を開始いたしておりますけれども、平成18年度の不登校生徒数は(1)の計の左から2番目の欄にございますように、約5万8,000人となっております。平成17年度が約6万人でございましたので、これと比較をしてやや減少はしておりますけれども、依然として相当数に上っているところでございます。
 それから不登校への取り組みについて、23ページをご覧いただきたいと思います。不登校への対応につきましての取り組みの状況でございますけれども、文部科学省といたしましては、この上から2つ目の丸ですけれども、平成4年から出席扱いについての措置などを講じております。教育支援センターや、あるいはいわゆるフリースクールなどの民間施設に通所などをしている不登校児童生徒に対して、一定の要件を満たす場合に、校長先生がその相談、指導を受けた日数を指導要録上、出席扱いにすることができるようになっております。また、出席扱いとなった場合に、こういった施設への通学については、通学定期乗車券制度、いわゆる学割の適用を受けることができるといった措置も講じられているところでございます。
 また、次の丸にございますように、不登校児童生徒を対象とした学校の設置に係る教育課程の弾力化ということで、その子供たちの実態に配慮した特別な教育課程を編成する必要があると認められる場合に、教育課程の基準によらずに特別の課程を編成することができるようになっております。
 また、次の丸にございますように、IT等の活用による学習機会の拡大ということで、ITなどを活用して行った自宅学習について、一定の要件を満たすときは、校長がその学習活動を指導要録上、出席扱いにできるといった取り組みもございます。
 また、24ページには、NPO等の活用に関する実践研究事業、あるいはスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの活用事業といった教育相談体制の充実などに関する取り組みも掲載させていただいております。
 以上、大変駆け足でございましたけれども、今回の3つの事項に関する現状等のご説明をさせていただきました。以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 今、非常に詳細な資料を準備していただきました。最初の小・中学校の設置・運営の在り方について、まず皆さんにご意見をいただきたいと思いますが、これは今ありましたように、中身としましては過疎地における学校の統合の問題が1つあります。これは昭和31年と昭和48年に、それについての文部科学省からの通知も出ているということです。そして大都市部では、学校選択制とコミュニティ・スクールの問題がある。3つとも、いわばつなぐキーワードは、コミュニティというか、地域なんです。統合ということも地域の問題、選択というのは地域と切り離すという話でした。それから地域運営学校は地域に根差してということで、地域ということが課題になるかと思います。
 というようなことで、まずこのあたりから皆さん、ご意見を自由にお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

【小川委員】
 質問、よろしいですか。

【梶田分科会長】
 どうぞ、小川先生。

【小川委員】
 さっき当面検討すべき課題ということで、(1)、(2)、(3)という課題の説明があって、特に(1)については資料5にあるとおり、作業部会を設置して今後検討していただくというのが、きょうのメーンの議論の1つだという話ですけれども、その点に関わってちょっとお尋ねしたいんです。(1)の小・中学校の設置・運営の在り方にかかわって、学校の適正配置とかコミュニティ・スクールの検討を中教審の場で議論するというのはわかるんです。国のいろいろな関係法令の改正等とも関わってくるのでわかるのですが、3つ目の学校選択制の検討という、これは中教審の作業部会の中で議論するかどうかはわかりませんけれども、学校選択制についての検討というのが、正直言ってよくわからないんです。
 というのは、この間の地方分権の改革の中でも、学校選択というか、就学事務の在りよう等々については、市区町村の仕事であって、学校選択制を導入するかどうかとか、そういう事柄については、市区町村が独自に判断してやるべきことであったのに、今回、国として学校選択制について検討してほしいという趣旨が、よくわからないんです。市区町村で学校選択制をやっていて、先ほどのアンケートにもあるとおり、メリット、デメリットもありますし、僕も東京都内のある区の教育委員会から委託されて、学校選択制の検証の作業をやっていますので、そういうことについてデータを集めて、学校選択制の現状とメリット、デメリットを中教審の場で検証してほしいという趣旨なのか、もう一歩踏み込んで学校選択制にかかわる新たな枠組みみたいなものを、中教審の中で議論してほしいという趣旨なのか。もしも後者であれば、どうなのかなという疑問もあるんですが、その辺の趣旨をお聞きしたいんですが。

【梶田分科会長】
 非常に大事な質問ですね。じゃ、淵上室長、お願いいたします。

【淵上教育制度改革室長】
 現在、私どもが考えておりますのは、先ほど局長からのご説明にも少しあったかと思いますけれども、学校選択制について、過去ここ10年ぐらいで、全国各地でいろいろな取り組みが進められてきている状況がございます。ただ、この状況を十分に検証できていない状況があるかと思っておりますので、成果や課題について、中央教育審議会において、まず検証していただきたいと思っております。
 検証の上で、何か必要な部分があれば、具体的にまたご検討いただければと思っておりますけれども、今この時点で、何かこういう具体的な制度についての見直しとかいったところを念頭に置いているわけではございません。まずは検証をしていただいて、その上で必要な改善方策があれば、ご提言いただければということで考えております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。よろしいですか。
 じゃあ、どうぞ。

【天笠委員】
 適正配置についてというのと、コミュニティ・スクール、それから学校選択制という、これを1つのくくりにしてということと、それから次に2つ目として学校段階間の連携・接続、そして不登校という段取りということでありますけれども、私は1つ目の学校適正配置と、それから2つ目の小・中の連携・接続が、かなり近いところというか、一緒にという、私はそんな印象を持っております。
 というのも、この間、折々に小学校と中学校の連携ということで、先ほどもご説明ありましたように、研究開発学校での取り組みということで発言を求められたり等々してご一緒させてもらってきております。ご説明にありましたようにその中でカリキュラムの開発ですとか、4-3-2ですとか、5-4ですとか、この間もそれぞれ取り組みがありまして、現在もそういう研究開発学校等々で、ご一緒させてもらっている件が少なくないわけですけれども、ところが……、ところがと言えばいいか、何というか、数年前からやはり小中一貫、あるいは小中連携の話をということを求められながらも、求めてる側がそういうカリキュラム開発云々よりも、むしろ学校規模の縮小ですとか、先ほどもご説明ありました過疎地における小学校と中学校の、ある意味では生き残りのあり方ということがありまして、ですから同じ小中連携といっても、前者のようなカリキュラム開発上の取り組みというのと、後者のような学校の統廃合というのが、そういう意味では一段と接近した形になって、状況が進行しているのかなと思います。
 その上で、今この場でこういうことについてのテーマを取り上げることになりますと、おそらく子供の数が減った地域における小学校と中学校の接続の動きというのを、背を押すような環境をつくっていくということが考えられるんじゃないかと思うわけであります。その場においてそういう動きを、背中を押すような必要な条件を整えていく形でここで議論を詰めていくという、それも1つの立場だと思いますし、一方においてはこの件については議論があると思うんですけれども、そうはいうものの、やっぱり小中固有のそれというのを重視すべきだというあたりのところをしっかりと押さえた上で、この話を進めていくんだということになると思います。
 いずれにしましても、私の認識しているところでは、少なくとも小学校、中学校の関係についての接近とか接続というのは、かなり広範な範囲で、しっかりと議論して整えていかなくちゃいけないところにきていることは、間違いないんじゃないかと思いますので、今回のここでの議論が、そういうことについてのしっかりとした押さえ、それがある意味でいうとプラスの方向に働く形で詰めていかれればいいかなと思っております。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 2番目の学校段階間連携・接続等については後でもう一度やりますが、今ご指摘のように、実は今の統合とか過疎地における適正配置と関係している部分もあります。いわば小中垂直の統合です。ただ、小中の連携の問題は、統合とは関係ない部分もありまして、もう1つ品川区のように小中を統合したモデル校をつくって、選択制もそれとリンクさせるということもあり、大きな小・中の設置・運営の在り方についてということと、もう1つの2番目の学校段階間連携・接続ということが関連している部分があるものですから、どうか皆さん、今日は便宜的に分けて議論して、関連させた部分も含めて、今の天笠先生のお話のように関連させた点も含めて、ご意見をいただきたいと思います。
 じゃ、市川先生。

【市川委員】
 私も東京のある区で、適正配置、適正規模という問題にかなり直面していて、非常に悩ましい問題にかかわっていますので、そういう経験からも一言申し上げたいと思います。
 先生方が今ご覧になったように、子供の数が急カーブを描いて減少している。そのときに、例えば東京の中心で、まさに過疎地と同じような状況が起きています。まず東京の場合に、中学に進学するときに一定数の割合が私立にいくということもあります。例えば私がかかわっている区ですと、40パーセントが私立に行く。ただでさえ人口が減少しているときに40パーセントが私立に行く。そしてその中で学校選択も入れてしまったものですから、入学者ゼロという中学校が、何年か前にあらわれました。
 ゼロになると大変なので、慌てて校長先生やPTAが子供たちを集めようと奔走します。で、やっと10人集まったとかです。1学年10人集まっても、その中に例えば女子が1人だったり、とても学校やクラスとしての体をなさない、非常に教育がやりにくい。ましてや部活などとてもできなくなってくる。野球の9 人もそろわない、サッカーの11人もそろわないという状況になっています。
 そういう状況の中で、最初、保護者にアンケートをとったときには、学校選択制賛成が7割くらいいるんです。当時、数年前の風潮としても、学校はもっと特色を出しましょう、そしてある程度学校間に競争のようなこともあってもいいのではないかと。公立学校はのんびりし過ぎていると言われて、ある程度競争状態もあっていいのではないか、そして保護者や生徒に選んでもらおうという趣旨だったと思うんです。保護者も選べるほうがそれはいいと。
 ところが実際やってみると、そういう問題がいろいろ起こってしまって、保護者としても選びたいという気持ちはありながら、全体の制度としてはこれをやっているとどうもまずいこともいろいろ起こってくるんだなということで、我が子のことを思うと賛成だけれども、全体の制度としてはどうもまずいのではないかということも起こってきたところで、統廃合はそう簡単にいきませんので、やはり伝統校などでは、幾ら小さくなってもつぶしたくないという、卒業生からの圧力もあります。
 それから小学校については、選択制をやっていませんので、一応指定校ということになるんですが、実際には就学校指定の変更という制度があって、自分の子供はこれこれの理由でそこの学校ではなくて、どこどこの学校へということが起こって、なかなかこれを排除しにくいというとこがあります。するとたくさんある学校のうち、数校だけにかなり集中する。そこの学校は狭い校庭にひしめいている状態です。さすがにクラスの数が増え過ぎて教室がなくなると困るので、教室の数は上限としてありますが、校庭までは考慮に入れていないようなので、校庭にひしめいている。がらがらのところもあるという状況で、まるで実質的な選択制のような状況が起こってしまっているところもあります。それでどうしようかということで、教育委員会と住民との間で会議を開いている。私もその会議に参加しているという状況です。
 そういう形で、私はそういう方針を、東京が例えば幾つかの区でとっているというときに、とにかく特色ある学校づくり、そして選ばせるという、一見、非常にいいことなんですけれども、これが具体的にどのようなこととなってあらわれるかということを、今検証するべきところにきているのかなと思います。私は個人的には、まだあまり強く言う確信はないんですけれども、どちらかというと公立学校は、どこに行っても同じですということを売りにしたほうがいいのではないか。少なくとも小学校、中学校は、近くの学校に行って、安全に通えて、すぐに戻ってこられて、部活も放課後できるくらいの時間的余裕があるというところで、安心して近くの学校に行ける。
 じゃあ子供の選択とか、特色はどこで出すかと言えば、私はどちらかというと、地域教育の中で出してほしいなと思っています。今回、指導要領の改訂で中学校の選択も大幅に減らして、実質的にもなくなった形になりました。もともとできた趣旨は、子供に自分で選んでもらうということを、中学生くらいで持ってほしい。じゃあそれはどこでやるかといえば、まさに地域の中でいろいろなプログラムに、土曜日であるとか、夏休みであるとか、自分で選んで好きなものに出る、社会人として学ぶということを、むしろやっていただいて、それはもちろん学区とか自治体の中でも自由なものに出ていく。そういうもので、子供の個性の伸長とか、特色ある教育ということをやっていく。ふだんの学校はとにかく近いところに行けば、どこでも安心して授業が受けられる。そういう環境をつくるほうが、どちらかといえば公立学校のあり方ではないかという気が、見ているとしてまいりました。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 草野先生、そして渡久山先生、お願いします。

【草野委員】
 ありがとうございます。私は今の市川先生の意見に大賛成でございまして、現場のほうから、学校選択のことについてちょっとお話ししたいと思いますけど、指定校変更はいろいろな理由がありますから、これは構わないと思うんです。ただ、保護者が学校を選ぶということについては、はっきり言えば現場の校長で快くというか、賛成している者は、まずいません。問題が多過ぎるからです。さまざまな問題が出ています。
 例えば、本当に子供たち、あるいは保護者が、場合によっては小学校から学校選択があるところもありますから、何で選ぶのかというと、学校の特色で選んでいません。何になるか。中学校は部活も結構ありますけれども、友達関係での選択がほとんどです。
 例えばある学校で、今年はいつもよりも入学生徒が少ない。原因をいろいろ探ってみると、今年は少し生活指導上問題のある子供があの学校に上がるから、あそこへ行きたくない。それで大量に子供が他の学校に流れる。このような事例は、事欠きません。ですから正直申しまして、それは選べないよりも選べたほうがと、保護者は当然、選べるほうに丸をつけると思いますけれども、学校サイドでは今のところ、問題点がかなり浮き彫りにされているのが現状でございます。
 加えて適正規模の問題ですけれども、これは小学校も中学校も都心部はかなり減少していて、これが選択制になると、すごくうがった解釈をしますと、特色をつけさせて、選択させて、子供が減った学校から統廃合にかけるという行政の思惑があるのではないかという見方も、とれなくはない。実際に、何の根拠もなくて統廃合するというのは、単に子供が減ったからというだけでは難しいと思いますけど、結果的に子供が集まらなければと判断すれば、住民も納得するというような思惑が働くのかもしれません。
 あともう1つは、実は私学とのかかわりがあります。中学校の場合、近年は小学校もそうなんですけれども、都心部はかなりの割合が私学に流れます。多い学区では5割を超えます。東京都全体で、東京の場合は私立の小・中学校があまりない地区もありますから、平均すると今や25パーセントを超える。つまり、東京の場合は4人に1人以上が私立の中学生という状況でございます。
 これと、選択制によって、中学校は新年度の入学生が何人になるか、全くわかりません。ぎりぎりまでわからないために、少なく見積もって、仮に教員がオーバーすれば、教員を1人、2人、出さなきゃいけない。ぎりぎりになってようやくその数が決まって、もし予定どおりになったら、改めて教員が採れる、この教員は必ず新採という。場合によっては、採れる新採はいない。だからしようがないから講師という状況。
 ですから非常に複雑に絡んでいて、学校は全く来年度の数が読めないという状況があります。もともと学校というのは、地域に根差した教育をしていかなきゃいけないし、地域と一緒になってやって初めて、ほんとの学校がつくれるという状況の中で、学校選択制というのはどうも理想に合わないというのが、学校現場の偽らざる心境でございます。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。非常に重要なご指摘をいただきました。
 では、渡久山先生、お願いします。

【渡久山委員】
 今、草野委員からありましたように、都市地区では学校選択制がそのまま統廃合になる場合もあり得るわけです。それはあるかもしれませんが、もう1つは、やっぱり今の地域性といいますか、これは選択制の中では十分生きないんですね。ですから、例えばコミュニティ・スクールといって、今、前川審議官がいらっしゃいますが、課長のときにつくられたんですね。これはルビコン川を渡るなんて言われたけれども、結局、どうしても選択制をすると小・中学校の地域性というのが少なくなってきて、薄くなってきますよね。その辺は選択制ということでいくのか、あるいは地域と小学校、中学校、学校との関係で見ていくのか、それは考えるべきだと思います。
 ただ、今のお話は都市地区では言えるかもしれませんが、例えば統廃合の問題を考えますと、北海道のように、やっぱり、学校と学校の間が非常に距離が遠くて統廃合が困難だと。今のここの41条を見ますと、小学校で4キロ、中学校で6キロといいましたね。そうすると、それ以上でないと統廃合できないというのが実態になっていますよね。これが1つありますし、また、沖縄のように離島が多いところでは、やっぱり海を超えていくというとこれも厳しいですが、たまにあるかもしれませんけど、そういうことであってはいけないだろうと思いますね。そうしますと、そういうところでは、僕は逆に中高一貫的な考え方にしていくべきだろうという気がします。
 それと同時に、統廃合の問題でちょっと気になるのは、今、局長通達でもありますけれども、通学上、著しく困難を招いたりということがあるんですけど、一度事件が起こりましたよね。そうすると、やっぱり通学バスを出すべきじゃないかということで、今、親御さんの車で送り迎えもあるんですが、バスを出そうじゃないかということがあったんですけれども、私はこの辺が十分に、単なる4キロとか6キロとかではなくて、陸続きの過疎地域になったところは、どうしても集落と集落の間には鎮守の森みたいなものがありますよね。そこは何かというと、森があって、そのかわり道路はきちんと通っていますから、車は非常に通れる。人は歩いて通るんですけど、そこで事件が起こっているんですね。ですから、そういうこともありますものですから、この通達の中に、単なる通学上の困難さだけではなくて、ああいう問題も、環境の問題も、ちょっと気にしないといかんだろうということが1つあります。
 それから、十分に地域の理解を得るというのですけど、ただ、補助金との関係とかいろいろあって、結局は、ものによっては無理やりに統合させられたという感じのものもあるわけです。きのう、NHKで吉幾三が課外授業に出てました。彼が出た小学校が2年後か1年後に廃校になるという前で課外授業をやっているんです。そして、子供たちにいろいろ詩をつくらせて、歌を自分で作曲して歌わせて、涙ぐんでこの学校はなくなるのかと言っていましたが、伝統校だけでなくて、自分の出身小学校、学校、特に小学校や中学校がいつまでもあってほしいと願うのがあるんですね。そうなってくると、やっぱり新しい地域の文化のあり方、あるいはそのことを真剣に考えるべきじゃないかなと。だから、今のように適正規模を、ここで言っていますように12学級から18学級というものではなくて、今、調査の実態を見たら、統計上、多くの分布が6から11学級になっていますよね。そうであれば、適正規模というものをもっと小さくして、実態としてはそうなっていますから、それを小さくしていくということで、やっぱり統廃合のあり方というのが、今までのように子供の数が減ったからというだけではなくて、やっぱり、もう一度地域の文化のあり方、伝統文化とまでは言わなくても、生活との関係というものも見ながら考えていく必要があるんじゃないかなという気がいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、今もう出ましたので、今の問題も引き続きご意見ください。ただ、2番目の学校段階間の連携・接続等についても、皆さん、頭に置いて、ご意見をいただきたいと思います。

【寺崎委員】
 ありがとうございます。
 私は小学校の関係なんですけれども、私の場合は東京の練馬区というところで校長を10年やりました。教員もそこでやったことがあるんですけれども、その事例を通してお話ししたいと思います。
 練馬区というのは、小学校69校、中学校が34校、幼稚園5園、そのほかに私立の幼稚園、私立の小学校はたしかなかったと思います。中学校がちょっとあるぐらい。そんなようなところで、教育委員会の方針は、先ほど小川先生、市川先生がおっしゃったように、突出しない、横並びという考え方なんです。ただし、何もしないのでは困る。やっぱりそれぞれ校長が努力、工夫して、それぞれにいい学校をつくっていく。私、実はこの考え方は非常にいいと思っております。しかし、そうはいっても時代の流れの中で、中学校は一部選択制を取り入れて、募集人員をとって選択をしています。そのときの、小学校から中学校へ行くときの親の判断を見ていると、どちらかといえば教員が非常に熱心にやってくれる学校で、駅に近い学校ですね。わりと周りが文化的にも恵まれているような環境に集中するようです。逆に、駅から遠くて、交通の便の悪いところには集まりません。そこに住んでいる子もほかに行きたがります。したがって、中学の先生は、特に部活等でいろんな努力をしたり、地域と一緒になって、「おやじの会」をつくったり、いろんな努力をしているんですが、実態としては集まりません。
 もう1つ、練馬区というと光が丘団地というのがありまして、ここは今、小学校は8校ある、板橋も入れると9校あるんですが、実態としては削減する方向で動いております。一方では、駅に近いあたりは逆にマンションがどんどん建ちまして、二十四、五学級を超える学校が五、六校できています。まもなく、多分、プレハブもつくらなきゃいけないという状態です。かなりアンバランスなんです。
 今申し上げましたように、そういう中で、選択についてはかなり、いわゆる特色を出して、それで選ぶということではないという実態があります。それから、教員のほうも、特に中学校、こんなに努力しているのに、結局ふたをあけてみたら生徒が来ない。やはりさっきのお話のように、最後まで、ぎりぎりまで決まらないという実態があって、かなり悩んでいます。一方で、生徒が集まってくるところはほくほく顔で校長先生が自分の学校がいいからだと。私はそうじゃないだろうと思っているんですけど、そういう、同じ区の中でもかなり落差、格差が出てきているというのが実態でございます。
 それから、小学校のほうは小中との連携についてかなり努力をしているつもりですが、現実として、数の上では69対34ですが、実際には二、三校の学校が中学へ行く実態がありますから、どうしても連携が難しいんですね。もっと言うと、幼小の連携になると私立が多数ありますから、1校に私立の幼稚園が、私の場合でしたら24学級の学校でしたけれども、40近い幼稚園、保育園から来るんですね。とても連携というのが難しい状態にあります。それでも、何とか学校は努力しています。まとめますと、今申し上げましたような実態というのがかなり違いますし、そういうものはきめ細かく実施をしていかないと、軽々には言えないなという思いがあります。
 もう1つ、コミュニティ・スクールに関しては、私どもの現場にいる立場から言うと、そこでの教育の内容、質が見えてこないんですね。運営がよかったとか、こういうところで変わったという話はそこの校長さんあたりでもお話が聞こえてくるんですが、実際に、小・中、義務教育においての質がどう変わったのかというのが聞こえてこない。私も校長会長をしているときに、ぜひ、そういう発信をしてもらいたいということは言ったんですけれども、年数的には16年に始まったとしてもまだ四、五年ですから、ほんとうに卒業生の6年生がどうなったんだというところまでいかないと、ほんとうのことはなかなか言えない部分もあるんだろうと私は思うんです。それにしても、そろそろ四、五年たつわけですから、そのあたりの実態、質をしっかり出していただいて、それを検証していく必要があるのではないかと。でないと、そこにいた先生やそこにいた地域の人から、どちらかというとよくないうわさが出てくる可能性が多いんですね。実際、そういうところがあるんですけど、そういうのに惑わされてはいけないと思いますし、事実をしっかりと出していただいて、実施をすることも必要ではないかなと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。寺崎先生から、いろいろと実態についてお話がありました。
 それでは、黒須先生、お願いします。

【黒須委員】
 私は八王子なんですけれども、八王子はちょうど都心と周辺との間ぐらいのところなんです。人口は56万なんですけれども、面積がちょうど山手線の内側の 3倍あるということで学校が多いんです。小学校が70校、中学校が38校ということで、当然、過疎地もありますし、それから、多摩ニュータウン等がつくられましたから、人口が一時急増した地域、それから、現在でも新しい団地の開発等で、新設校というものにも今取り組んでいるという状況で、増築もしなければならない。非常に難しいところなんですけれども、私は先ほどからご意見出ています、例えば学校の適正配置であるとか、それから連携・接続、こういったことは積極的にやりたいということなんです。
 まず、選択制は小学校は自分の地域に何校か行ける学校がありますよね、接続をしている小学校。ですから、大体2校から3校の中から小学校は選べる。通学の距離の問題がありますから。それから、中学校はどこの学校に行ってもいいと、こういうことでやっているんですね。いろいろ課題があります。今、それぞれご発言がありましたように課題はありますけれども、私は教育委員会と校長が、もっと自分の学校の特色を出すための研究をしてほしいということを常々言っているんですね。ですから、小さい学校は小さい学校なりの特色を出せるはずだと思っていますし、それから、小学校と中学校が背中合わせにあるところもあるわけです。そして、かつては大規模校だったけれども、今は世代間が非常に共通しているものですから過疎化をしちゃっている。それは積極的に小中一貫でやったらどうか。そういう面も含めて特色をつくりなさいと。それぞれ、競い合うようにするということがいいんじゃないかと。
 だから、先ほどちょっと意見がありましたけれども、義務教育は全部どこの学校に行っても同じレベルなんだと。確かにレベルは同じかもわからないけど、学校間での特色は出してもいいんじゃないか、私はそういう考えで、今進めているんです。ですから、そういう特色づくりのための経費が必要だったらば、それは積極的に応援するよということを言っているんですけれども、いろんな対応があっていいんじゃないかなと私は思いながら進めております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。今、黒須先生が市長さんの立場で、とてもいいご発言をいただきました。
 先ほど、最初に小川先生から問題提起がありましたけれども、きょう扱っている問題は、基本的には決断するのは設置者なんです。だから、公立の小・中学校であれば市町村が決断します。あるいは、多くの高校の場合だったら都道府県が決断をします。ただ、中教審でやるということは、教育という視点から見たときに、それぞれやり方のメリット、デメリットがありますが、そのメリット、デメリットを浮き彫りにすること。あるいは、とりあえずどう決断なさるとしても、こういう点だけは踏まえていただきたいですねということを提言すること。こういうことかなと思っております。
 これは統合問題もそうですし、選択制もそうですし、あるいはコミュニティ・スクール、京都市はすごく置いているわけですね。百何十校、コミュニティ・スクールを置いているわけですけれども、そういう話もあるし、あるいは、皆さんにこれも議論していただきたいんですが、小中連携とか中高連携ということもそうですしという、こういうことがございます。みんな設置者が最終的には決断をします。でも、中教審として教育ということからいってというふうに――ついでに申し上げますが、やはり地方分権のいろんな議論がありました。だけど、あれは教育ということをあまり考えてないかのような印象がなきにしもあらず。つまり1つの論理で、それぞれのところに選択肢が多くなればいいという、ただ、選択肢が多くなったって、先ほど草野先生もご指摘いただいたけれども、例えば学校選択制にしたときに、それで個別学校がどうなるのか、あるいは地域全体としての学校教育がどうなるのかということは、地方分権では考えないわけですね。神の見えざる手によって、いわゆる予定調和があるだろうという話なんですよね。それはそれで1つの論としてはいいんですが、我々は、そういう1つの論理でなくて、教育というのはいわば複眼思考でやらなきゃいけない面がございますので、こういう論理で行くと、親はこういう点では喜ぶだろう。しかし、学校というものが教育効果を上げるときにはどうだろう。あるいは、これで地域全体、まち全体の教育ということではどうだろう、あるいはもっといって国全体の教育ということはどうだろう、もちろん、それを貫くのは一人一人の子供に力がつくかどうかなんですけれども、ただ、視点としてはかなり複層的になっているんじゃないかなと思いますので、ぜひ、小中連携とか幼小連携、中高連携につきましても、皆さん、そういう教育的な点も頭に置いていただきまして、ご意見いただけたらと思います。
 大南先生。

【大南委員】
 ありがとうございます。
 私は特別支援教育の立場からお話をしたいと思うんですが、小学校への入学の前に、就学相談、就学支援ということがあって、小学校段階でどこで教育を受けるのが最も適切であるかという相談が行われるわけですが、今、一番課題になっておりますのは、私立の幼稚園、それから保育園等の情報が教育委員会の関係機関になかなか入りづらいという状況がずっと続いているわけです。例えば東京の幾つかの区では、子育て支援課、あるいはそれに類する名前の課をつくって、子供のことについてはそこで集約しようという、そういう動きがあるのですけれども、子育て支援課と教育委員会との情報の流れというのがまだ十分でない状況です。
 そういう点で、例えばいただいた資料4-2の7ページにありますような、佐賀県の例が出ておりますけれども、私立の幼稚園、保育所と公立小学校とがどういう連携をとるかという、こういうことが日常的に行われるようになれば、今申し上げたような、例えば発達障害の幼児が小学校へ入る段階での情報というのは、今よりもかなり的確に把握ができるであろうと。今、入るところでも大変ですし、それから、巡回相談、専門の心理判定の方等が保育園へ行くというのが非常に難しいというか、親が、あるいは保育園の関係者が積極的に取り組んでくだされば別ですけれども、どうも何か問題があるのではないかということで相談をという、そういう話がなかなか持ち出しづらいということがございます。
 それで、私立の幼稚園や保育所の関係者が、例えば市区町村のいろいろな会議に出て意見が言える場合を設定していく、これを始めている市や区が幾つか出てきていますけれども、そこで園長さん方はこういう機会が少なかったから、これからはぜひこういう機会を多く持ってほしいという意見もあったりして、公教育というのは公立学校でだけではなくて私立学校も全部含めてのことだと思うんですけれども、これだと、どちらかというと公立学校に傾斜がかかるという言い方は変かもしれませんけれども、そちらが中心で、行政の管轄が違う、例えば私立の幼稚園は教育委員会の管轄ではありませんから、その情報のとり方というのは、一たん市長の直轄の部から教育委員会が情報を得なければならないと、そんなことがあったりして、ここの幼小の幼のところはほぼ含んで、公立も私立もという広い立場で、今後、取り組みを進めていただけるようにお願いをしたいと思っております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。天笠先生。

【天笠委員】
 学校の適正配置というのは、既にお話にもありますように、私は適正規模の問題を含まざるを得ないというふうにも理解しております。しかも、教育的観点からといった場合に、そのあたりをどう理解していくかという場合に、学年の縦軸、それから、それを横で見ていった場合に、1つはクラス替えができる規模というのが、1つの適正規模という、こういう考え方もあり得るのではないかと思うわけですけれども、おそらく学級数というのは、そのあたりの、法律に示されているのはそのあたりのところをかなり暗黙に組み込んで、その基準を示しているというふうに、理解しているわけなんですけれども、現実の問題として、それが確保できない学校規模が、全国を見た場合にはかなり存在しているということも事実であります。
 どちらかというと、これまでは学校の規模等というのは比較的都市部を暗黙の前提にして話をしたり、それは何となくそこで話をしちゃっているようなところがあったのかもしれませんけれども、ある意味でいうと、クラス替えそのものも難しいところがかなり存在しているというあたりをどう理解していくのかというところで、これまではそれを小学校なら小学校、中学校なら中学校の枠組みでやっていたわけですけれども、先ほど私が申し上げました1点目と2点目をあわせるというのは、今度は例えば9年間の縦軸でそれをとらえた場合、こういう観点からしたときの学校の規模のあり方ということも、我々、検討していいところに来ているのかなというふうに思っております。横は必ずしもそれを両方一緒にしても、クラス替えという形にはなかなかならないのかもしれませんけれども、全体として9年間という、子供たちが収容された、そういう集団の存在というのを教育的に見たときに、それをどういうふうに評価するのか、しないのかというあたりは1つの課題になってくるのではないかと思いますし、それから、全国的に見た場合に、比較的敷地に隣接したところ、あるいは近いところに小学校、中学校が存在しているということで、これまでのところは、それは小学校と小学校、中学校は中学校として、比較的別々に、それぞれが教育活動を展開しているというのがこれまでだったかと思うんですけれども、その小学校と中学校の行き来をより円滑にすることによって、今のような適正規模の確保というんでしょうか、そういう考え方はまた問われている点ではないかと思っております。
 そういう点で、先ほど寺崎先生が言われたように、実証的にこのあたりのところ、しかもいろんなデータをそれぞれ、あるいはいろんな地域的事情を踏まえながら、この話を進めていく必要があるのかなと思っております。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。少しこの機会に、実態がもう少し明らかになるといいなと思います。クラス替えができれば一番いいんですけど、それより前に、実は複式学級が、地域によっては、私の出身である島根県、鳥取県というのは、複式学級がまだいっぱいあるわけです。あるいは長野県なんかもありますよね。つまり、1つのクラスの中に違う学年を入れてやらざるを得ないというところはあって、もちろん規定上は複式であっても、市町村のお金を出して、実際には学年ごとの人を入れている場合もあるわけですが、そういう問題もあります。
 それからもう1つ、部活とか課外活動を、マイクロバスを使って、複数の学区が合同してやっているところがあるわけです。これはとってもいい。だけども、先ほど渡久山先生にご指摘いただいたように、ところによってはマイクロバスを使っても隣の学校と一緒には活動できないというところも確かにあるわけです。それから、ところによっては、きょうの学校間の連携ですか、学校段階じゃなくて、小小連携、中中連携がところによってあります。1カ月1回とか、何校からか子供がマイクロバスで集まってきて、大きなクラスで授業を受けると。それも、粒よりの授業者をそろえてやるという、そういうことをやって、これは実を言うと、そういうことをやっているところは全国学力・学習状況調査でとってもいい、特にB問題で、考える力を見る問題でいい点をとっているところもあります。これは広島県の山の中の学校ですけど。今いろんな工夫をしておられます。ですから、そういう実態がわかればとらえていただくということ。同時に、今、天笠先生にご指摘いただいたように、教育ということから見たらどうなんだろうというその視点を少し色濃く出して、この問題、深く掘り下げるとありがたいなと思っております。
 ほかにいかがでしょうか。
 草野先生、市川先生、無藤先生。

【草野委員】
 ありがとうございます。小中の連携のことについて、少しお話をさせていただきたいと思います。私、小と中の連携、あるいは一貫もそうですけれども、極めて重要であると考えています。なぜならば、今現在の課題を考えたときに、もはや小中別々にやっては間に合わない。生活指導もそうだし、学習面もそうだし、義務教育は1つじゃなきゃいけないと思うんですよね。いろんな面で、例えば中学校のほうは生活指導の面で、もっと早く、若いお父さん、お母さん方にお話をしたい。いろんな面で、勉強のことも、学習のことについても小中の段差を、連携すればクリアできる面はいっぱいあると私は思うんです。不登校もそうです。いじめもそうです。そんな点から、小中の連携だけは、とにかくどんなことをしても進めなきゃいけないと思っています。
 中高の連携については、ちょっとわかりません。わからないというのは、中高の連携の場合に、義務教育と義務ではない教育の連携というのが、いまいちその意義が明確ではないと思っています。もし、高校入試をなくしたほうがいいという発想ならば、私はあまり納得がいかないわけですが、今後、中高の連携の効果が出るならば、それはそれで取り入れていくべきだと思います。まずは小中の連携、できれば、ほんとうの個人的に言えば幼小中の連携で、幼稚園1年を加えて、義務教育10年制にすればいいと思っているぐらいです。そういったことをやっていかない限り、今、ほんとうに自立が全くできていないお子さんが小学校 1年に入ってくるんですね。入ってきて、多くの学校では1年生の担任を2人制、非常勤をとって2人制にしているところがあります。東京都は全然していませんけれども、1人では無理なんですね。私は絶対無理だと思います。あれだけ手がかかる子供たちを抱えて四苦八苦して、ほかに何ができるかということを考えたときに、今の人数ではいけないし、いろいろ考えたときに、やはり中も小も一緒にやっていくという姿勢は、私は絶対これから必要になってくると思います。
 中高一貫教育の良いところは1つあるんじゃないかと思いますけど、今、中と高を考えたときに、私はカリキュラム上のギャップが大き過ぎると思います。中高一貫にすれば、当然カリキュラムを検討しますから、どこにギャップがあるのか、どこに課題があるのか、当然、そういったデータも出てくると思います。このデータは、ぜひ生かしていただきたいと思います。なぜ、これほどに中学校と高等学校でカリキュラムにギャップがあるのか。これでは、現在のカリキュラムで中学校を卒業した子どもが高等学校に入ったときに戸惑うわけです。あれほどたくさん選択があって、何を選択して良いかわからないのです。ほんとうに戸惑いを持っています。だから勉強しないのかどうかはわかりませんが、このことも一因ではないかと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。市川先生。

【市川委員】
 今、小中連携の話と、それから中高連携の話が両方でているわけですけれども、まず、中高連携についてですが、連携とか交流というものは、私はできるだけやったほうが良いことだと思いますが、これがもう一歩進んで一貫校をつくるということになったときに、そろそろ中高連携のほうは様々な問題も出てきているときではないかと思っています。
 もともと中高一貫教育ができたときには、例えば高校入試は非常にプレッシャーが大きいだろうから少しそれを緩和しようとか、一貫して6年間でのびのびとしたカリキュラムをつくろうということはあったと思います。ただ、その後を見ますと、結局、中高一貫校というのは2つのタイプができています。
 1つは、最初の理念のように、進学校を目指すのではなく、中学校での入学者選抜でできるだけ学力を問うテストではなく、広くとってのびのびと6年間過ごします。
 しかし、このようなタイプの学校の問題は、のびのびとし過ぎてしまって、高校入試のない分だけ結局勉強しません。ただでさえ、学力低下や学習意欲の低下が言われている中で、高校入試がなくなったらますます勉強せず、いわゆる中だるみ現象と現場で言われていますが、ほとんど学力がつきません。よって、中学校の段階では、一般の公立中学校と比べると大体同じぐらいの学力ですが、高校の段階になったら、明らかに高校入試がある学校よりも学力は低くなります。高校段階での留年問題や学力の問題があり、この中だるみ現象をどうすべきかという問題が起こっています。
 それから、やはり普通の中学や高校と同じような適応上の問題も起こってきます。中高一貫校の場合、6年間一貫であるだけに、いざ何か問題が起こると、それを6年間引きずってしまい、結局いづらくなってしまいますが、途中から学校を出るのも大変ということが起こっていると。それから、一部の学校はむしろ進学校を目指すという形のところも出てきていると思います。これは例えば都心部ですと、むしろ私立との対抗上ということも出てきたと思うんですね。経済力のある子どもだけが私立の進学校に行けるというのはよくないのではないかということで、都立でも中高一貫校をつくって、学力が高い、でも経済力がないという家の子どもが行ける学校をつくろうという趣旨はわからないでもないのですが、これは、例えば都心部が引きずっている受験の低年齢化の問題や、当然そういう学校は競争率も高くなって入試をするわけですから、小学校4年生、5年生から受験態勢に入って中高一貫校に行こうとする。このような態勢をむしろ広げているという、こういうことでいいのだろうかと。
 また、かなり学力の高い子どもが、昔は私立に行き。私立に行けない子どもも都立の中高一貫校に行けますよ、では、ほかの公立はどうなるんだと。それだけ学力の高い子がどっと中高一貫校に行ってしまって、ほかの公立の中学校は学力の低い子だけが集まるところでいいのかという問題もあると思います。一般の公立の中学校に行ってしまった人は、今度、高校からいいところに行こうと思っても、もう私立はかなり門が閉ざされていたり、こうして中高一貫校が増えると、今までかなり行けていたはずの都立校でいいところも、実は中高一貫になっていますということが行き渡ってしまったら、もう運命が決まったような気持ちになってしまう子供で出てくるんだろうと。そのあたりはかなり問題ではないかと思っています。
 それに比べると、小中一貫というのを拝見して、実は私も完全な小中一貫というのは1つしか拝見したことがないんですが、福島県の郡山市で見てまいりましたけれども、これはなかなかいいなというのが実感です。小と中ですから、当然、教え方も違うし、もともと最初は違和感があったそうですけれども、一緒になってみるとお互いの交流も起こって、職員室も一緒で、授業も互いに出合うということをやっていて、かなり、お互いの教え方、自分の教え方も見つめ合った上で、こういうふうに9年間で子供たちを育てていこうというような、非常に士気が高まっていて、そういう意味ではわりといいところを見せていただいたなと。もちろん、一般に広まったときにどうなるかはわかりませんけれども、ある意味では義務教育の中で一貫して先生方が協力し合って、9年間の育ちを考えていくというのは、私は、見た範囲では非常にいいと思うようになりました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 では、無藤先生、そして藤井先生。ここで不登校を出してもらえると。

【無藤委員】
 適正配置の問題で、既に出ておりますけれども、やはり学校当たりの子供の適正な人数というものを検討する必要があると思いますが、そこは少し実証的データというものが必要だと思います。既に全国学力・学習状況調査をやっているわけですから、学力面についてはかなりきめ細かい分析が可能だと思います。ただ、例えばクラス替えの問題等はかなり社会性の育ちだと思いますが、それについてデータが不足している気がいたしますので、その辺の検討をぜひお願いしたいと思っています。
 2番目に、子供の人数だけではなくて、やはり教員の人数というのも、適正さというのはある意味では考えられると思うわけですね。例えば小学校でいうと、単学級の学校というのはかなりありますが、そういう場合に、学年の担任がほかに相談する人がいないといいますか、同じ学年の複数学級があれば相談しやすいけどなかなか難しいとか、あるいは、単学級6学級程度ですと小学校の中で授業研究をやるにしてもかなり整備しにくいという状況がありますので、そこも考えるべきだと思います。
 それから、当然ながら、それぞれのコストの問題というのは、人件費等を含めて考えななければいけないと思います。
 それから、地域ということでありますけれども、文部科学省が地域を定義するというわけにもいかないと思いますが、地域というのをあまり古典的に、数キロの歩いていける範囲で定義するのはもう無理ではないかと思うんです。現実として、特に地方に行けば、車を使ったかなり広い範囲での往来が経済圏として成り立っておりますし、大人の通勤範囲は相当広いわけです。そういう意味では、地域とは何かということも含めて検討すべきであろうというふうに思います。
 それから、学校種間連携のことですけれども、私も小中一貫はぜひ可能にしていただきたいと思います。それとともに幼小について、公立幼稚園、公立小学校しかないような地域については、幼小一貫というのも制度的に可能にすべきであると思います。
 もう1点は、私立幼稚園が多い地域においては、当然ながら私学の幼稚園と公立の小学校の組み合わせになりますけれども、それについては一貫というのは無理だと思いますけれども、連携をもっとやりやすくするような制度的サポートというのをもうちょっと進めていただかないと実現しないので、そこはお願いしたいと思います。
 といいます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 では、藤井先生、お願いします。

【藤井委員】
 ありがとうございます。
 いろいろな議論が出ておりますが、私は教育行政的な立場で、今まで出ていた視点とちょっと違ってお話をしたいと思います。先ほど、ここには市長さんもおられてご発言がございました。例えば、毎年の予算編成などで私どもは大変苦労をするわけですが、ご承知のように、地方自治法の第180条では教育委員会が予算編成をする権限はないと、こういう制限があります。地教行法では29条ですか、教育委員会の意見を首長がしっかり聞かなければいけないという規定もあるわけであります。設置者と、それを管理運営する教育委員会、あるいは学校とが一体感を持って子供たちの教育のために尽くすということが非常に大事だと思うんです。今、学校の統廃合の問題もあるわけでございますが、小さい町村は今非常に合併が多くて、大体6割方、小さな町村はなくなってきているという中で、合併協議会というのが事前に開かれたりしておるんですが、なかなかそこに教育関係者を呼んでもらえないということの中で、合併をするときに教育があまり議論されてないのではないかと。そんな中で統廃合問題も必然的に起こってくるわけですので、やはり多くの方のご理解を得て、どういう形であれ、これから町の形や何かが変わっていくときに、教育を考えていただかないといけないという中では、なかなか地方でそういう声が届かないというのがございますので、私は今、ここにある統廃合問題にしろ、あるいは連携の問題にしろ、大いにこの中教審が、そういう弱い立場にある部分も含めて、いろいろ発信をされるのが非常に大事だと思っております。
 例えば、最近文部科学省で施設評価ということが中間報告で出されたんですね。学校の施設をどう使っているかということで、やはり設置者と管理運営の教育委員会、あるいは学校の校長、これが施設をどう使うかという評価を、何項目かにわたって行うような報告がされてございます。ただ、今地方は非常に財政的にも逼迫しておりますので、学校施設をいろんな多目的に使おうとするんですね。例えば児童クラブ、これは厚生労働省がやっておいでになる事業で、最近は文部科学省の放課後子どもプランと一緒にしようという動きもあるわけですが、お金がないためにできるだけ学校を使おうと。私どもは、一方では教育環境をよくするために、あるいは今いろいろな小中連携の問題、あるいは小学校における教科担任制とか、あるいは少人数授業とか、さまざまな工夫をしようというときに、いい環境を確保しなければいけないのですが、どうも首長側は財政の問題で学校施設を多目的に使ってしまおうと、こういう傾向もあるわけでございます。ですから、やはり内容の面だけではなくて、そういう私どもを取り巻く外的なさまざまな条件というものが同時に絡んでくるような気がいたします。ですから、やはりそういった面も含めて、この辺も、例えば社会資本として学校というのは大いに地域のコミュニティとして使うんだという話も一方であるわけでございます。ほんとうにそれでいいのかと、私どもはできるだけ子供たちのために使いたいということが主でございますので、主にそういう発信もどこかでしていっていただきたいというふうに思います。
 それから、先ほど出ていますように、少子化ということが焦点でいろいろ議論がされますけれども、学校統廃合の場合に、一時団地が、昭和40年代ですか、30年代の後半から大分できまして、それが今非常に高齢化しまして、団地にはお年寄りしかいないという中で、そこにできた学校が大変小規模化で、私どものすぐ近くでも、2棟あった学校の1棟は完全にあいているという状況でございます。ところが一方で、最近、高層マンションが大変できまして、ある地域は学校を建てたんですが、それもパンクしてしまう。同じ市内でも地域間の格差というんですか、学区見直しでこれを何とか調整しようというんですが、これもまた大変難しいわけでございます。ですから、統廃合の中には合併問題もあれば、そういう同じ市内で地域間の人口の増加するところ、極端に減るところ、いろいろ問題がございますので、先ほど出ておりますように、やはり実証的にさまざまな事例を今後検証していただく中で、こういった問題は取り上げていただければ大変ありがたい、このように思っております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 渡久山先生でこの問題は終えまして、あと、不登校をちょっとだけと思います。

【渡久山委員】
 今、幾つか出ましたけれども、中高一貫については中等教育学校という形のものがありますよね。そして一定程度、カリキュラムについてもご紹介されていますね。それと同じように小中の統合した学校、これをどう言うかわかりませんが、あるいは幼稚園を入れた幼児学校といいましょうか、幾つかありますね。そういう形で、やっぱり制度的な保証をしていくというのが1つじゃないかなと思います。
 例えば、どんなに田舎でも、小学校と中学が統一カリキュラムでなかなかやらないんですね。同じ併設校であっても。それを、やっぱり統一カリキュラムでできるような感じができていかないんだろうかという気がします。だから、そういう意味ではこれをつくっていくというのは非常にいいんじゃないかと思います。
 それから、ここにも関係の皆さんがいらっしゃいますけど、「新しい時代義務教育を創造する(答申)」で、5歳児入学といって、義務教育の延長というのをいろいろな方で議論したんですが、最終的にはそういう方針にはならなかったんですが、やっぱり5歳児入学で義務教育の修了年限、いつもの9年でいいのかどうかですね。そういうのも含めて、そして5歳児から入学していくと、では、区切りをどうしていくのかという問題等を含めて、一度広く議論させていただいたほうがいいんじゃないかと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、この問題はここまでにしまして、あと1つ、きょうはもう時間がありません。不登校の問題についてご意見を伺いたいと思います。私はこの問題は非常に重要な問題だと思いますので、いつかきちんと時間を設定して、専門家の方をお招きして少し議論したいと思いますが、きょうのところはそれの頭出しということで、こういう点ということを皆さんで、今、頭にあることをご発言いただければと思います。ほんとうに5分ぐらいしかありませんので。
 では、大南先生、そして寺崎先生、そして甲田先生ということで。最後、無藤先生。

【大南委員】
 どうもありがとうございます。
 いただいた資料4-3の15ページ、16ページを見ながら、10日ぐらい前に中学校の先生から、適応指導教室のことでお手紙をいただきました。その中で、適応指導教室はこのままでいいのかというのがその手紙の趣旨なのです。といいますのは、その適応指導教室は非常勤の先生が主として指導されている。何とか常勤にならないのかという、その先生のご意見なので、私は答えようがなかったわけですけれども、この16ページの資料を拝見しておりますと、4分の1 が常勤で、あとの4分の3は非常勤です。今年度、23ページのところでは適応指導教室の整備についても、今後もいろいろお考えいただけるようですけれども、ここのところを何とかしないと、不登校の児童・生徒への適切な指導はできるようにはならないのではないかと。といいますのは、15ページの1、2を足した数が8のところの60パーセント、教育委員会はおそらくかかわっている部分だろうと思うのですが、そうすると、やはり教育支援センターのあり方が今後の不登校の児童・生徒への適切な対応の大きな力になるのではないかと。
 それからもう1つは、1ページの下のほうにございますが、特に中学校ではスクールカウンセラー等の、専門的に指導に当たったということで学校へ生徒が通えるようになってくるという、このスクールカウンセラーの学校内における位置づけをもう一度考えていく必要があるのではないかと。この2点を検討いただきたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 それでは寺崎先生、お願いします。

【寺崎委員】
 それでは、2点だけ大急ぎで。1点は、不登校になったきっかけと考えられる状況、資料4-3の5ページです。この中で私自身がずっと校長としてかかわっていて一番大きな課題だったのは、親子関係をめぐる問題と、その他本人にかかわる問題なんですね。これは非常に時間と金がかかる。金がかかるというのは要するに人なんです。ですから、そういうかかわれる人がいて、継続的にかかわっていって、学校全体を挙げていったときに、ようやく動きが出てくるというんです。そのことをしっかりと認識しておく必要があるということが1点です。
 それからもう1つは、前のことに戻って恐縮なんですけど、小中一貫の中で、これは資料4-2の10ページに、極めて多様な取り組みがあるということで、 5-4制から始まって5-2-2制まであるんですが、すべて共通しているのは、小学校6年と中学校1年のところが結びついているわけです。したがって、いわゆる中1ギャップに当たる部分が不登校の原因になるということもよく言われているんですが、実際として、こういうような一貫で行ったときには実態はどうなのか。このあたり、先ほどの話ではありませんが、追跡調査をして実証していただくといいのかなと思いました。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 では甲田先生、お願いします。

【甲田委員】
 不登校の問題ですけれども、私も現役の教師のころから、それから、行政に入ってから、管理職になってからも、ずっと追いまくられてきたというか、かかわってきたというか、ずっと大きな仕事の1つとしてやってきたという感じがいたします。ただ、この23ページ、24ページを見ますと、国として、あるいは行政として、やるべきことというのはほんとうに網羅されて、もう打つ手はないのではないかというぐらいにさまざまなことがなされております。
 ただ、私が今まで、それまでずっとこういう不登校の子供たち、それから不登校から立ち直った子供たちなんかともずっとつき合ってきて、やはり一番大事だと思うのは、家庭教育というんですか、今、寺崎さんが申しましたけども、その辺のところまで戻っていくし、何がきっかけだって、その辺にどうしても行ってしまうところがあります。そうなると、文部科学省の事業としてというよりも、もっと省庁を超えたところでの取り組みみたいなことが必要なのかなという気がいたします。それが1つ。
 それからもう1つは、いずれにしても、そういう子に対する学習カリキュラムとか、活動プログラム、この開発を一番急がなくてはいけないなと思っております。したがって、それに取り組むということで、今後、NPOの活用ということがここにございますけれども、私たちもできる範囲でやっていかなくちゃいけないかなという気がいたしております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、無藤先生。

【無藤委員】
 ありがとうございます。
 不登校の問題について、今ご指摘のように非常に多様な施策が打たれていて、ほんとうに思いつく限りがなされていると思うんですけれども、私は2つ問題があると思います。
 1つは、それらの施策の総合的なあり方というのがまだ十分でないということです。その学校なり地域なりでさまざまな施策を総合的に検討して、どういうふうにその学校なり、地域に合ったものにしていくのかというのが弱いのではないか、それが1つです。
 それからもう1つは、地域ごとに見ていくと、実は不登校というのは、個別の子供なり家庭で見ると、それぞれの原因は確かにあると思いますが、地域単位で見ると、かなり地域による差が大きいものだと思うんですね。さらに、不登校と、例えば非行とか校内暴力とかいじめとかが、集中している――ちょっと言い過ぎなんですけれども、かなりその種の問題行動が多い地域と、全体に非常に少ない地域があります。それはおそらく家庭とか地域背景の違いだと思うんですけれども、そうなってきますと、不登校だけを取り上げる施策というものについての限界があって、学校全体の対応とともに、地域全体の対応が必要なんだと思うんです。
 そういう意味では、個別の学校だけでできることではないですけれども、例えば地域における青少年の対策というんでしょうか、居場所づくり、その他の活動とどう結びつけていくかとか、あるいは家庭における問題も、単なるしつけ不足以上に、例えば虐待の問題であるとかネグレクトが非常に多いと思いますけど、問題があります。また、非行集団が小学校高学年ぐらいから高校、あるいは無業というんでしょうか、そういう高校レベルの青少年とのつながりが非常に深い場合もあります。
 また、発達障害のお子さんを追っていくと、学年ごとに見ていくと、中学で学年当たりの発達障害のお子さんは減っていくんですね。それは、多分裏返して見ると、一定数が不登校のほうに入り込んでしまっているのかもしれない。これはしっかりしたデータがあるわけではないですけれども、裏返しとしてはそう思います。それは逆に言えば、特別支援教育その他の対応がやはり弱い面もあると思います。ですから、そう考えて見ると、さまざま個別に打たれた施策をどういうふうに学校単位、地域単位で統合していくかということが非常に課題になります。
 そこまで考えてみると、実は個別の対策の背後に、その学校のすぐれた指導とか、あるいは部活動、生徒指導を含めた学校全体の活発さがあると思うんです。先ほど地域によって非常に違いがあるとは言いましたけれども、しかし、同じように困難な地域の中で、なぜかそういった問題が比較的少ない学校というのは時々あるんです。そういうところを訪問しますと、かなり先生方の頑張りとか、授業や部活動その他の活発さが目立つわけで、エクセレントスクールとでもいいますか、そういう実践事例を洗い出す必要があると思います。そういう意味での方向というのはぜひお考えいただきたいと思いました。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。非常に大事な点を。
 最後に田村先生。

【田村副分科会長】
 ありがとうございます。遅刻してきましたので発言を控えようと思ったんですが、不登校の問題が、1つの今の時代の流れの象徴的な問題だろうと私は思っているものですから、これから中教審の審議の内容も含めて、不登校の問題をきちんと議論したほうがいいだろうと思っているところです。
 と申しますのは、要するに、21世紀はNPOの時代だとか、ボランティアの時代だという言い方をされていますが、まさに個々の行政が責任を持って対応するという限界を超え出しているんですね、社会のいろんな事象が。ですから実際に、例えば横浜市などはその専門の窓口をつくっていろんな活動をしていますが、その担当者に聞くと、もう個々のところではやりようがないと。とにかくコーディネートするだけだと。いろいろな部局がいろいろなことをやっているのをコーディネートするという役割だけで、その窓口が必要だというのが実感だというんですね。
 それから、NPOで実際に不登校の問題を扱っている方の意見を聞くと、これは学校だけでやりようがないことはわかり切っていると。それに対して、学校があまりに固過ぎるというんですね。ですから、NPOの意見がすっと入っていかないというんですね。これは教育委員会の問題であり、従来の行政の仕組みが少し制度として固過ぎるんじゃないかと。だから、社会の変化に日本の制度が合わなくなってきている。今後、社会のいろんな活動のかなりの部分が、NPOなりボランティアの組織で対応していかないと、簡単に問題は解決しないような時代になりつつあるということを基本的に踏まえるべきだろうと思うんです。
 私は、義務教育についても同じことが言えるんではないかと。義務教育というのも、考え方としてはある時期、日本が必要として、あるいは世界が必要としてそういう制度が普及してきた。これは21世紀も今までの20世紀型の仕組みがそのまま同じように展開するとは考えられないわけです。そこをどうするかという議論が、やはり中教審でも議論する必要があるんだろうと。ですから、はっきり言えば、ここで議論することは非常に重要なんですけれども、そこにとどめないで、NPOとかNGOまで含めた、もうちょっと緩やかな組織で総体に問題を取り上げるという提言をしていく必要があるのではないとか。それを中教審ができれば、ひび割れた制度にお金をを入れても意味がないと言われてしまうということがなくなると思うんです。そういう対応をしていれば。従来型だけに固執していると、そういう言われ方をしてしまう。なぜかというと、社会が従来の仕組みでは対応できていないという社会になってしまっているんですね。対応し切れない部分がどんどん出てきているんです。
 実はこの間、つい1週間くらい前に、ある千葉県の生徒指導の会合に出たんです。たまにしか出ないんですけど、出ましたら、補導された事案の報告があったんです。その事案を見ていたら、実際に補導された数と教育委員会が報告した数が違うんですよ。何でこんな差が出るんだといったら、補導した生徒が学校に関係していないと補導対象から外すんだそうです。教育委員会の指導対象としては数に入れないというんですね。だから、その制度が子供中心に動いていないんですね。行政の、教育委員会の制度中心に議論されている、材料が提供されている。これは明らかに社会の変化と行政がずれちゃっているということのあらわれだと思うんです。なおかつ、学校へ行っていない子が補導される数がどんどん増えているという実態があるんですね。だから言われちゃうのもしようがないかなという気がしております。
 ちょっと余計なことを言いましたけれども、ほんとうにすごく難しいんですけれども、いろんなことを、今後ぜひ考えていただいて、今までつくられた制度というのは非常に意味のある、役に立つ制度ですから、それが残るように、機能するように工夫していく必要があるだろうと思っています。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 本日は、非常に広範な問題を3つの事項に絞って皆さんからご意見をいただきました。ということで、非常にたくさんの資料は準備していただきましたけれども、まだきょうはすべて頭出しという感じがございます。時間が来ていますが、あと2つだけ大きいことがありますので、申しわけありません。
 まず、きょうの資料4-1にあります小・中学校の設置運営の在り方については、きょう最初に申し上げましたように作業部会をつくって、これはどこでも、市町村教育委員会、特に合併後、非常に悩んでおられるところがございますので、教育的な視点から詰めてもらいたいと思っております。ということで、この作業部会を設置することをお諮りしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【梶田分科会長】
 よろしいですか。
 申しわけありませんが、このことにつきまして、事務局のほうからご説明をお願いします。

【淵上教育制度改革室長】
 簡単にご説明させていただきます。資料5に作業部会の設置についての案を出させていただいておりますが、設置の目的としては、小・中学校の設置運営の在り方などについての専門的な調査審議を行うための作業部会ということでございます。作業部会の委員は分科会長のご指名によって行うということで、(4)にありますように、必要に応じて委員以外の方の協力を得ながら進めることができるというものでございます。
 主な検討事項といたしましては、小・中学校の設置・運営の在り方についてでございますけれども、先ほどご意見もありましたように、この事柄と、例えば小中一貫教育とかいうことが密接に関連しているようなこともございますので、必要に応じて、他の事項も論点を整理していただくようなことはあり得るかもしれません。そういった形で検討を進めていただければと思っております。
 簡単でございますが、以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。ということで、もしいろいろとご意見があれば、事務局担当は淵上室長ですので、お寄せいただくということで、一応、この作業部会を設置し、そしてメンバーについては分科会長に一任していただくということで進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、この件につきましてはそういうことで設置をして、そして、本日最初に局長からお話がありましたように、来年には少しまとめなきゃいけませんので、それに間に合うように、何回かここで議論をするように、作業部会から報告をいただくというふうにしたいと思います。
 それでは、もう1つあります。これは現場で非常に、一番関心のあることでありますが、小・中学校の学習指導要領の移行措置の内容が公示されました。これにつきまして、高橋教育課程課長からご報告をお願いします。

【高橋教育課程課長】
 それでは、資料7-1から7-4を使いましてご報告をさせていただきます。
 移行措置につきましては、4月24日に原案を発表いたしまして、パブリックコメントにかけておりました。パブコメでは400件余りのご意見をいただきましたが、大きな反対意見もありませんでしたので、今回、原案どおりに移行措置を決定いたしたところでございます。6月13日に学校教育法施行規則及び移行措置に関する告示として公布・公示をいたしまして、これで、施行規則、告示としては新しい学習指導要領で行うべきことはすべて小・中学校については整いました。来年4月の先行実施をこれから迎えるという段階になります。
 資料7-1は、その概要を記した事務次官通知でございます。概要は7-2によりましてご報告をいたしたいと思います。
 まず基本的な考え方は、平成20年度中に周知徹底を図って、平成21年度から可能なもの、可能なものというのは基本的には教科書がなくてもできるものでございます。これを実施していきます。教科書が必要なものは小学校は平成23年度、中学校は平成24年度から実施ということになります。したがって、総則や道徳、総合的な学習の時間、特別活動については、平成21年度から先行実施を行うことになります。ただ、教科書は間に合いませんが、内容に系統性のある算数・数学、理科については、前倒しをしてやっていかないと完全実施のときに円滑な実施ができなくなりますので、これらについては授業時数を増やす形で前倒します。あわせて、教材についても国が作成・配付をしていくということにいたしております。ちなみに、算数・数学、理科については移行期間中から授業時数が増えます。そして、小学校においては総授業時数も1コマ増える形になりまして、これは過去の移行措置にはなかった対応になりますので、この点は条件整備をしっかりとこれから進めていくことがあわせて必要になります。そのほかの教科は、基本的には現行指導要領をベースにして、一部、前倒しをするものもありますが、そのときには多分学校の判断で教材などを整えて、できるところはやっていいということで、これは従来の移行措置と同様の考え方になっております。
 また、小学校における外国語活動につきましては、まだ取り組みに非常にばらつきがありますので、21年度、22年度の2年間の移行期間中は、各小学校の判断で、ゼロ時間から35時間の間で取り組むことができることとしております。その場合には、総合的な学習の時間をもって充てることができるという扱いにいたしました。2年間しっかりと準備を進めていただいて、23年度にはすべての小学校、5、6年生で週1コマ、年間35時間の外国語活動を実施となります。これについては、教材として英語ノートというのを来年の4月からすべての5、6年生に配付をする予定であります。移行期間中の授業時数については、資料7-2の後ろ2枚につけてありますのて、これはご参考いただきたいと思います。
 それから、特に算数・数学、理科は移行期間中、若干前倒しが複雑な形になりますので、資料7-3のような参考資料も作成しております。これも、今ホームページに載せておりますので、各学校でもごらんいただけるようになっているところでございます。
 それから、資料7-4で今後の対応でございますけれども、今見ていただきましたように、21年度からはかなり前倒しの実施が始まってまいります。このため、今年度に集中的に周知を行うこととしており、説明会については、6月30日から小学校の中央説明会を全国3カ所で2日間の日程で行います。半日間は全体的な話、そして、1日半は教科ごとに別れた分科会で指導要領の趣旨徹底を行う予定です。中学校は2週間おくれで7月14日から開始されます。この中央説明会を受けて、7月以降、順次各都道府県で、地方説明会の実施を検討いただいておりまして、文部科学省としても職員の派遣や、経費の一部支出といった支援を行うこととしております。ちなみに、既に学習指導要領が3月28日に公示されましたので、各都道府県からの要請に応じて、各県レベルでの説明会も既に 40カ所、延べ8,400名の方に参加いただきました。昨年秋の審議まとめからは85カ所実施しておりますので、かなり全体的な趣旨の徹底は進んでいると思います。今後は解説書などを使いながら、各教科ごとの趣旨徹底に努めていくことにしております。
 それから今回初めて、学習指導要領をすべての教員に配付することにしております。そのデザインのサンプルを資料として配付しておりますが、多少は読みやすく改訂をしたいと思っております。冒頭には教育基本法や学校教育法をつけるとともに移行措置についても資料を入れることにしております。それから、小学校の学習指導要領には、幼稚園教育要領と中学校の学習指導要領も附属資料として入れて、本日も議論でありましたが、今後の幼小中の連携のために、指導要領レベルでも小学校の先生にこういった関連する部分をお渡しして、すべての先生方にお読みいただけるような形にしようと思っています。7月中ぐらいにはすべての先生にお届けをしたいと思っております。
 以上、ご報告でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 非常に綿密に、今度は現場レベルで指導要領を受けとめていただけるようなスケジュールを組んでいただいております。それから、ずっとこの分科会でも問題になってきました、これをやるについてはヒト・カネ・モノ、条件整備が不可欠であるということで、来年度の概算要求に向けていろいろと準備していただいておりますし、それから教育振興基本計画、大詰めになっておりますが、この中にそういうことで入れていただいております。
 1つだけ補足しますと、小学校の英語、これは活動なんですね。教科じゃないということで、今の免許法では、中高の免許では小学校の英語活動を担当できないということがございまして、これ、先週の教員養成部会で、中高の免許で小学校の英語活動を担当できるように省令を改めていただくことが了承されました。ということがございまして、今申し上げたヒト・カネ・モノの面での非常に綿密なバックアップ態勢を整えつつ、趣旨を現場の先生方にわかっていただくということが進んでおります。
 ということでございます。きょうは時間が過ぎまして申しわけありませんでした。今後の日程等につきまして、事務局からお願いいたします。

【淵上教育制度改革室長】
 今後の分科会の日程につきましては、また改めて分科会長とご相談の上、追ってご連絡をさせていただきたいと思います。
 なお、委員の皆様方のお席には、本年5月26日に取りまとめられました教育再生懇談会の第一次報告をご参考にお配りさせていただいておりますので、お時間のあるときにごらんいただければと存じます。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 それでは、これで閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

―了―

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-- 登録:平成21年以前 --