資料3 |
中央教育審議会初等中等教育分科会教育行財政部会教育条件整備に関する作業部会 「義務教育費に係る経費負担の在り方について」 (中間報告)の要旨 |
義務教育制度の在り方 |
○ | 義務教育の意義 |
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○ | 時代の要請に応じた義務教育の新しいビジョンの設定が必要。 |
○ | 義務教育における教職員の重要性 義務教育において教職員は最も重要な教育条件。教育水準を確保し教育の機会均等を保障するためには、優れた教職員を一定数確保することが必要。事務職員・学校栄養職員も学校の基幹的職員。義務教育費の4分の3は給与費。したがって、教職員給与費の財源保障が必要。 |
義務教育費国庫負担制度の必要性 |
義務教育に対する国の責任 義務教育の内容・水準の確保、国家戦略としての義務教育政策は国の責任。 |
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義務教育無償制と完全就学の保障 国庫負担は、義務教育無償制と完全就学を保障する財政基盤。 |
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教職員の人材確保 少人数学級を実現し、少人数指導・習熟度別指導、自主的・自律的な学校運営、食の指導などを推進する教職員を確保するため、給与費の財源保障が必要。 |
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義務教育の地域間格差の是正 財政力格差により義務教育水準の地域間格差が生じないよう、国庫負担が必要。 |
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義務教育水準の安定的な確保 地方の財政状況により義務教育の水準が不安定化しないよう、国庫負担が必要。 |
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地方財政の健全化 義務教育費に圧迫されて地方財政が硬直化しないよう、国庫負担が必要。 |
一般財源化の問題点 |
○ | 一般財源化すると、義務教育財源の制度的保障がなくなるため、義務教育の水準の低下や地域間格差が生じる。 |
○ | 税源移譲では、税源の偏在による格差が生じる。 |
○ | 地方交付税では、今後「三位一体の改革」で財源保障機能を縮小する中では、義務教育費の確保が困難になる。 |
○ | 公立高校は全額一般財源だから義務教育も全額一般財源化できるとの主張は、すべての国民に無償で行わなければならない義務教育には当てはまらない議論。 |
人材確保法及び義務標準法の必要性 |
明治以来の歴史の教訓 |
○ | 明治以来、義務教育費の中心問題は常に教職員給与費。 |
○ | 明治期の義務教育無償制と完全就学の実現は、国庫補助制度で可能。 |
○ | 大正期に、教育水準の維持と地域間格差是正のため、国庫負担制度を創設。 |
○ | 義務教育費の国庫負担は地方財政の健全化にも寄与。 |
○ | 昭和15年、府県に対する義務教育費国庫負担制度の創設と同時に、地方間の財源調整制度として地方分与税制度を創設。 |
○ | 昭和25年、国庫負担制度が廃止され、地方財政平衡交付金に吸収された結果、教育条件の低下と地方間格差が生じたため、昭和28年、国庫負担制度が復活。 |
義務教育費負担制度の国際比較 |
○ | 多くの先進国で、義務教育の教職員給与費全額を国が負担。 |
○ | 義務教育費を国が負担する国は、学力の水準が高くばらつきが少ないという傾向。 |
○ | 各国とも、学力向上を目指し、国家が教育投資を拡充する方向。 |
義務教育費国庫負担制度及び関連諸制度の改革 |
○ | 「総額裁量制」の導入、教員給与制度の改革、学級編制・教職員定数の弾力化等、地方の自由度を拡大する諸改革の成果を見守りつつ、さらに改善すべき。 | ||||
○ | 自由度の拡大に伴い、情報を公開し、説明責任を果たす必要。 | ||||
○ | 今後次のような課題を検討すべき。
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市町村の権限と責任の拡大 |
○ | 県費負担教職員制度を、市町村の権限と責任を拡大する方向で見直すことが必要。 |
○ | 政令指定都市については、関係者間の意見集約を踏まえ、権限と負担を県から移譲する方向で取り組むべき。給与負担の円滑な移譲のためには、政令指定都市に対する国庫負担が必要。 |
政令指定都市への権限と負担の移譲については、おおむね次のとおり関係者の 意見を集約。
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○ | 中核市等への任命権、給与負担等の移譲について、引き続き検討。 |
○ | 市町村費負担教職員制度の全国化について、引き続き検討。 |
※ | 本中間報告については、初等中等教育分科会教育行財政部会においてさらに審議。 |
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