資料1-1 学校に置かれる委員会等の組織・担当者について

学校に置かれる委員会等の組織・担当者について

【検討の視点】

・各学校は、法令等の定めにより、学習指導、生徒指導、学校運営等に関する委員会等の組織や担当者を設置することとされている。設置することにより、基本的には各学校の校務分掌に位置づけられることになる。
・これら委員会等の組織は、学校における様々な諸課題に対し、教員一人で抱えることなく、学校組織全体で対応するために非常に重要である。また、担当者についても、分担された校務のリーダーとして、組織的に学校運営する場合や役割を明確化することによって特定の校務を責任もって遂行してもらう場合の手段として有効であると考えられる。・
・その一方で、様々な課題ごとの委員等の組織や担当者を置くことで、学校に新たな校務分掌の追加や校務分掌の細分化につながっているのではないか(※1)。新たな校務分掌が追加されれば、学校全体の業務量や負担が増加につながる恐れもある。また、校務分掌が細分化されることにより、小規模校等においては一人の教員で複数の校務分掌を担うことにもつながるとともに、新たな課題が発生した時や担当の教員が不在の時に柔軟な対応をとることができなかったりする恐れもある。
・上記の観点から、まずは、別紙(※2)のとおり、法令等により学校に置かれている委員会等の組織・担当者を全て網羅的に列挙した上で、学校運営を効果的に行うことで学校の教育活動の質の向上のために、真に効果的な委員会等の組織や担当者の在り方を検討する必要がある。委員会等の組織や担当者の在り方の検討を通じて、校務分掌の在り方についても検討していくことも必要である

(※1)学校の組織図(例)【資料1-2参照】
(※2)・学校に置かれる委員会等の組織(一覧)【資料1-3参照】・学校に置かれる担当者(一覧)【資料1-4参照】

【これまでの主な意見】

・学校の仕事は細分化されている状況があるが、組織や校務分掌が細かすぎると、責任の所在や役割について混乱が生じることが懸念される。過重労働による心身の負荷を抑えるという観点からも、1人の人が問題を抱え込む状態を防ぎ、問題を共有化して組織的に対応できる体制を作ることが重要。
・校務分掌が細分化されているのは、どの教員も満遍なく役につけるという学校文化があるのではないか。その結果、役割はあるが重さが偏り、教員間で勤務の負担量の格差が出てくるということの一因になっているのではないか。校務分掌の負担をどのように分けるのかといったような、タスクマネジメントが必要。
・ある程度業務を類型化して包括的なグループに分け、責任者として主幹教諭等を置き、それぞれの責任の下で校務を整理し、業務を分担していくのが有効ではないか。若手の育成の観点からも、教職員のグループ化という組織の考え方もあるのではないか。
・実際の運用の仕方が重要。組織のスクラップ・アンド・ビルドをしている取組も存在していると思われるので、事例の掘り起こしをしてはどうか。教育委員会が、例えば学校経営案等の例示を示す中で、委員会や校務分掌等の例示を出していくことも必要ではないか。その上で、現場の判断で改善できる部分と、それだけでは打開できない部分があるのではないか。
・校務分掌については、管理運営を担う事務職員が担っている例もある。管理運営部門の校務分掌については、教員をサポートする体制の整備という観点からも検討することが必要ではないか。
・コミュニティ・スクールなどで外部の視点を入れることで、業務の包括化やグループ化が進み、教員の役割、責任が明確化することも考えられるのではないか。
・学校規模による違いも考慮する必要がある。小規模校と大規模校で分掌が変わらないのであれば、小規模校の方が校務分掌の負担が大きくなる。
・校務分掌はルーティンワークの分担になっていて、その学校が達成すべき教育の狙いや重点が見えない。効率化を図るとともに、各学校で重点化を図るような分掌の作り方というものも考えなければならないのではないか。集中的に取り組まなければならないことについては、期限を決めて組織を置くことも考えられるのではないか。

【考えられる対応策】
・類似の内容を扱う委員会等については、委員会等の合同設置や構成員の統一など、業務の適正化に向けた運用を進めるべきではないか。
・業務を個人単位で割り振るのではなく、包括的なグループに分けることを進めるべきではないか。また、このときの責任者となる主幹教諭等の配置を促進すべきではないか。
・管理運営に関する校務分掌の担い手として、事務職員の活用等、体制の整備を促進すべきではないか。
・校務分掌について、学校規模や地域との連携状況等に留意しながら、教育委員会が参考とできるような優良事例を収集し、周知すべきではないか。その上で、現場の運用では改善が難しい部分については、更に検討を進めることが必要ではないか。

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