学校における働き方改革特別部会(第5回) 議事録:文部科学省
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学校における働き方改革特別部会(第5回) 議事録

1.日時

平成29年10月3日(火曜日)10時00分~12時30分

2.場所

東海大学校友会館・望星の間

3.議題

  1. 業務の役割分担・適正化に関する具体的な論点について
  2. その他

4.議事録

中央教育審議会初等中等教育分科会学校における働き方改革特別部会(第5回)  平成29年10月3日

【小川部会長】  
 おはようございます。定刻になりましたので,ただいまから第5回の学校における働き方改革特別部会を開催したいと思います。
 それでは,本日の配付資料について,事務局からまず説明をお願いいたします。

【鈴木初等中等教育企画課課長補佐】  
 お配りしています議事次第にありますとおり,机上には,資料1から資料6-2と,参考資料1から7をお配りしております。学校における働き方改革につきましては,中央教育審議会に諮問させていただく前に,「教員の働き方改革に関する関係団体・有識者ヒアリング」として関係団体・有識者の皆様から資料を頂いたところでありまして,各団体から頂いた資料につきましては,これまでも皆様の机上に配付させていただいたところでございます。
 昨日,全国過労死を考える家族の会の皆様から文科省に意見書を頂きましたので,今回議論している学校における働き方改革に関連いたしますことから,参考資料7として配付させていただきました。その他,御参考までに前回までの配付資料を併せて机上に置かせていただいております。資料,非常に大部になってございますので,過不足等ございましたら,事務局までお申し出いただければと思います。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。資料,かなりたくさんありますけれども,確認,よろしいでしょうか。
 それでは,議事に入っていきたいと思います。本日の議題は,前回に引き続いて業務の役割分担・適正化に関する具体的な論点というところで,本日は,これまでの議論の中で教員の本来的な業務,中心的な業務であると言われている学習指導,生徒指導についても,更に具体的に,その効率化,また業務の進め方等々について議論をしていきたいと思います。
 また,今日の検討として,もう一つ,こうした学習指導,生徒指導の業務の在り方について検討していくわけですけれども,それに加えて,学校が策定することとされている様々な計画の在り方についても取り上げる必要があると考えますので,これについては,学習指導に関するもの,また,生徒指導に関するものに加えて,学校運営に関する様々な計画等々もありますので,そうしたものを横断的に議論してみたいと思っています。よろしくお願いします。
 今日の進め方ですけれども,資料1の2ページに掲載しているとおり,今日は授業準備,学習評価と成績処理,学校行事等,進路指導,支援が必要な児童生徒・家庭への対応という5つの柱を立てております。最初に,(1)と(2)はまとめて,資料1,2を参照しながら検討し,次に(3)の学校行事等について独立して検討していきたいと思います。(4)と(5)は主に生徒指導関係ですけれども,これについても(4)と(5)は一つずつ個別に検討していきたいと思っています。(4)については,これは資料1と資料3,4,5ですね。(5)についても同様の資料を配っておりますけれども,そちらも参照しながら検討してみたいと思います。
 そうした(1)から(5)まで終わった後に,今度は資料6-1,6-2に基づいて,先ほど言ったような学習指導,生徒指導,そして学校運営に関する様々な計画についても検討してみたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは,まず,業務の見直しに入る前に,それに関係する政策や学習評価に関する説明を,これは資料2に基づいて,初等中等教育局教育課程課の淵上課長より説明をしていただければと思います。よろしくお願いします。

【淵上教育課程課長】  
 失礼いたします。教育課程課の淵上でございます。資料1の御審議に入ります前に,学習評価の現状等について御報告をさせていただければと存じます。資料2を御覧いただければと思います。1ページめくっていただきますと,これは委員の皆様,御案内のとおりでございますけれども,学習指導要領改訂のスケジュールでございます。小学校は平成32年度から,中学校は33年度からの全面実施,高校は34年度の入学生から実施というスケジュールでございますので,新しい学習指導要領に基づきます学習評価の在り方も,この年度から順次実施になっていくということでございます。
 2ページでございますけれども,これも御案内のとおりですが,学習指導要領改訂の方向性ということです。新しい時代に必要となる資質・能力を大きく3つの柱で整理をいただきましたので,この3つの資質・能力の整理に沿いまして,新しい学習評価の在り方というものも今後検討していく必要があるわけでございます。
 なお,次のページをめくっていただきますと,こういった3つの資質・能力を主体的・対話的で深い学びという形で実現していくこととされているわけでございますが,この主体的・対話的で深い学びの実現といいますのは,当然資質・能力をいかに身に付けるかということとも関わるわけでございますが,それを評価するという観点からも,この主体的・対話的で深い学びの実現ということも必要になってくると考えているところでございます。
 4ページからは,学習評価の現状でございます。現在の学習評価につきまして,目標に準拠した評価ということで,学習指導要領に示す目標に照らして,その実現の状況を見るという形で行っているところでございます。平成12年の指導要録の通知以降は,観点別学習状況の評価と,それらを総括します評定,この両方を目標に準拠した評価として実施をすることとして現在に至っているところでございます。
 右側にございますように,観点別の学習状況の評価ということで,各教科・科目の目標や内容に照らして,生徒の実現状況がどのようなものであるかということを観点ごとに評価をする。基本的には各教科4観点。教科によって3観点,あるいは5観点だったりはしますが,基本,4つ程度の観点ごとに評価をして学習状況を分析的に捉えるということでございます。現在は,観点ごとにA,B,Cという3段階で評価をする。すなわちAは十分満足できる状況にある,Bはおおむね満足できる,Cは努力を要すると,こういう3段階で観点別に評価をするということになっているわけでございます。
 また,この観点別評価の結果を全体的に統括をいたしまして,評定ということも行っているところでございます。観点別の学習状況の評価を基に総括的な学習状況を示すために,小学校は3段階,小学校低学年は1・2年生は行わない,3年生以降は3段階,中学校は5段階という形で評定を行っているわけでございます。これも目標に準拠した評価という形で行っております。観点別の評価と,それをどのように総括するかというのは,各学校において工夫しながら行っていただいているということでございます。
 また,この目標に準拠した評価になかなかなじまないものにつきまして,左の下にございますものが個人内評価ということです。子供たち一人一人の良い点や可能性,進歩の状況などについて評価をするということで,指導要録の所で後ほど出てまいりますが,総合所見,あるいは特別の教科,道徳の評価などでこういったものが行われることになっている。これが現状でございます。
 5ページは,学校教育法施行規則と,また学習指導要領の中での学習評価に関する規定でございます。学校教育法施行規則では,児童の指導要録を作成するということが各校長の責務として定められております。また,児童の平素の成績を評価してこれを定めるということになっているわけでございます。学習指導要領の中では,学習評価の観点から,児童のよい点や進歩の状況などを積極的に評価をするということですとか,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,評価の場面や方法を工夫して行いましょうということが示されているわけでございます。
 6ページは,現在の指導要録でございます。子供たちの学習評価につきましては,この指導要録という形で公式には作成をされることになります。御案内のとおり,指導要録は児童生徒の学籍に関する記録と,指導に関する記録からなってございます。6ページの右側にあります参考様式は学籍に関する記録の様式例でございます。
 めくっていただきまして,7ページ目が現在の小学校の指導に関する記録の指導要録の様式例でございます。先ほど御説明申し上げましたように,この7ページの左側にございますように,各教科につきまして観点別――基本的に4観点ですが,国語科などは5観点,生活科などは3観点といったような形で,観点別に評価をしていただきまして,それを最終的に左下にございます評定という形で総括をするということになっているわけでございます。
 また,右のページにございますような総合所見,指導上参考となるような諸事項につきましては,先ほど申し上げました個人内評価ということで,こちらに記述をするという形になっているところでございます。
 これが現状でございますけれども,特に観点別学習状況の評価につきましては,8ページの左下にございますように,現在の学習評価の4観点は,基本的にここにございます関心・意欲・態度,思考・判断・表現,技能,知識・理解という4観点から構成されておりますけれども,今回の学習指導要領の整理に従いまして,学力を3つの要素で整理をし直しましたので,この3つの柱に即した学習評価の在り方を今後検討する必要があるわけでございます。
 この点につきましては,めくっていただきまして9ページ,10ページに中央教育審議会の昨年の答申で御審議いただきましたところを抜粋をさせていただいております。9ページにございますように,評価の3つの観点ということで,観点別評価については,小中高の2つ目の丸でございますが,観点別学習状況評価については小中高の各教科を通じてこの3つの観点に整理をして,指導要録の様式を改善することが必要であるということが述べられてございます。
 また,10ページでございます。最初の丸のラインを引いているところでございますが,指導要録の改善・充実や多様な評価の充実・普及など,今後の専門的な検討については,本答申の考え方を前提として,それを実現するためのものとして行われることが求められるという指摘がございます。
 これを受けまして,最後の11ページでございます。本年,7月に教育課程部会決定といたしまして,児童生徒の学習評価に関するワーキンググループを設置することが決定されてございます。このワーキンググループにおきまして,学習評価の在り方,指導要録の改善に関する事項等々について,今月中にも第1回目を開催して,具体的な審議に入っていただく予定でございます。
 この具体的な検討に当たりましては,本特別部会での御審議の状況を踏まえながら,いかに効率的・効果的な学習評価になるかといったようなことも含めて,専門的な御検討をいただくことになろうかと考えています。以上,御報告でございます。

【小川部会長】  
 ありがとうございました。この後の議論にも関係しますので,御参照いただければと思います。
 それでは,学習指導に関する業務について,具体的な議論に入っていきたいと思います。先ほど説明しましたように,学習指導関係の業務については,最初に(1)と(2),授業準備と,学習評価,成績の処理をまとめて議論して,その後に(3)学校行事等々に入っていきたいと思いますので,お願いします。
 では,最初に,資料1に基づいて全体の趣旨と(1),(2)の業務について説明をお願いします。初等中等教育局の佐藤企画官,よろしくお願いします。

【佐藤初等中等教育局企画官】  
 失礼いたします。それでは,資料1の方を御覧いただければと思います。まず始めに,全体の趣旨の再確認ということでございます。1ページの方に,これまでの議論の整理ということで書かせていただいてございます。1つ目の白丸,2つ目の白丸につきましては,諮問文についても同様のことを書いてございますとおり,我が国の学校教育については高い専門性を有する教員が献身的な取組を行うことで,高い成果を上げてきたと。一方で,教員の長時間勤務については看過できない深刻な状況であるということでございます。
 先ほど淵上課長から御説明しましたように,新学習指導要領について確実に実施していくということが必要不可欠であると。そのためには,教員が心身の健康を損なうことのないように,執務環境を整備するということで,これまで以上に研鑽(けんさん),授業準備等の時間を確保して,教員が本来担うべき業務である授業・学習指導,学級担任等の学級経営,生徒指導等に専念できるようにすべきということを書いてございます。
 こうした観点から,業務の範囲が拡大し続けている学校や教員の業務を軽減することが必要である。それによって,持続可能な勤務環境を整備することが必要であると。
 そういう視点に立って,前回,前々回と,この特別部会におきましては,教員の中心的業務と考えられる学習指導や生徒指導以外の業務を中心として,業務量や,地方自治体での取組,諸外国の例等を踏まえて,役割分担について特に具体的に検討すべきと考えられる11の業務について議論を行っていただいたというところでございます。
 それを踏まえまして,今回の議論でございますけれども,2ページの方に行っていただければと思います。先ほど小川部会長の方から御説明いただきましたように,今回から学習指導,生徒指導という部分について取り上げていこうということでございます。これに関連しまして,恐縮なんですけれども,参考資料の4というものを,後ろの方でございますけれども配付させていただいております。そちらの方を御覧いただければと思います。横書きの薄い紙になってございます。
 よろしいでしょうか。中にこういった形でカラフルな図が付いているものでございます。参考資料4を1枚めくっていただきまして,まず上の方のページでございますけれども,若干分かりづらい図でございますが,小学校と中学校の教員について,平日の1日当たりの業務について,どんな業務をどれぐらいやっているかということで整理をさせていただいている図でございます。
 一番左の濃いところが授業ということでございまして,小学校の方で見ていただくと,その右側に水色の枠がございます。これが前回,御議論いただきました学習指導関係ということで,授業準備,学習指導,成績処理等で合計2時間ぐらい業務をしていただいていると。その右側のオレンジの枠でございますけれども,これについては行事等ということで,30分ぐらい掛かっているということになってございます。その更に右側の方には,前回御議論いただきました11項目の中から,学習指導と生徒指導を抜いたものについて掲げておりますけれども,大体合計していくと2時間ぐらいということになっております。
 ですので,前回まで御議論いただいた11の項目と同時に,やはりかなりの時間を掛けていただいている学習指導,あるいは行事等も含めて,役割分担,効率化というところについて考えていかないといけないと考えてございます。
 なお,参考資料の下の方の図でございますけれども,こちらにつきましては,朝から夜の時間ごとに,主に教諭の方がどういう業務についているかということを示している図でございます。当然,濃い青色の授業が多いんですけれども,赤色の部分が前回御議論いただきました1から11までの業務ということで,朝の登校時の指導,あるいは昼の時間であれば給食というところにかなり時間を費やしていただいていると。ただ,放課後の方に行きますと,水色になりますが,学習指導であるとか,グレーについては学校経営等の校務というところもかなり多いということでございます。
 1枚めくっていただいて最後のページ,中学校の方についても,大体今見ていただいた小学校と同様の形でございます。更に放課後でいくと,黄緑色の生徒指導の部分がより増えていると。あと,緑の部活動の部分についてもかなり占めていると,そういうふうな状況でございます。
 恐縮ですけれども,先ほどの資料1の2ページの方に戻っていただければと思います。今ごらんいただきましたように,前回まで議論いただいた11の項目に加えて,やはり授業準備等の学習指導,生徒指導等につきましても議論の俎上(そじょう)にのせて,業務の役割分担,適正化ということを図っていくためにどのような取組が必要かということについて,今回から議論をいただければと思っております。
 また,先ほど小川部会長の方からございましたとおり,そういった業務の遂行に当たって,今学校の方で様々な計画の策定,あるいは対応するための組織整備ということが求められているということもございまして,そちらについても,この後,改めて議論いただければと考えております。
 それでは,各個別の項目について入らせていただきます。まず,(1)の授業準備でございます。3ページから御覧いただければと思います。1番の背景のところの法的根拠,あるいは関係通知については,資料にあるとおりでございます。そして,3ページの一番下のところに,業務の役割分担・適正化に関する現状・課題ということで,何点か掲げさせていただいております。
 前回までの議論の中でも,教材や指導案の共有化を促進することが有効であろうと。ただ,児童生徒の状況等に応じて,必要な教材や指導案が異なるということが考えられるので,どこまで共有化を図っていけるかということが1つ,課題だと考えております。
 また,教材研究や指導案の作成については当然教員が担うべき業務ということでございますけれども,授業準備に関しては,例えば授業で使用する教材等の印刷,あるいは物品等の準備のような補助的な業務につきましては,教員以外のサポートスタッフに任せるということもできるのではないかと。その際に,どの程度まで任せられるかどうかということも論点だと考えております。
 続けて,3番の自治体での取組例でございます。各自治体の方で各教科等の教材の共有化を図るための教育センターを整備する,あるいは,職員室の方で事務的な業務(印刷,電話対応等)をサポートする非常勤職員を配置する,理科支援員を配置するといったような取組をされているということでございます。
 4番で,前回までこれに関しまして委員から頂いた意見ということを例とさせていただいておりますけれども,やはり教材の共有化,指導案やワークプリントの共有化ということをやっていくべきであると。また,理科支援員,あるいはティーチングアシスタントのような,教員補助職員を充実させていくべきという御意見を頂いているところでございます。
 続けて,(2)の学習評価や成績処理,5ページの方でございます。1番の背景について,これも資料にあるとおりでございます。5ページの一番下の方から諸外国の状況ということで,幾つか書いております。例えばイギリスにおいては,クラス内での小テストのような日常的なテストや作品等の評定などの入力は,ティーチングアシスタントやその他のサポートスタッフが行っているということがございます。
 次のページに行っていただきまして,中国では事務職員が担当するということもやられていると。その一方で,試験問題の作成,採点評価については,おおむね諸外国においても教員が担当しているという状況でございます。
 その下の業務の役割分担・適正化に関する現状・課題でございます。先ほど淵上課長の方から説明がありましたとおり,評価については効果的で教員に過度な負担を掛けないための評価とするための検討を今後行っていくということがございます。また,校務支援システム等,ICTの活用を図っている教育委員会も増加していると。そして,前回のこの部会でも議論がございましたとおり,学習評価や成績処理に関連しまして,例えば定期テストの問題作成・採点,通知表・調査書・指導要録の作成等については教員が担うべき業務であろうと考えられるわけでございますけれども,他方で,提出物や宿題の確認,簡単な漢字・計算ドリルの丸付けなど,そういった補助的な業務は教員以外のスタッフに任せると。その上で,教員がその業務を監督するということも考えられるのではないのかということで,論点として書かせいただいております。
 その下の自治体での取組例ということで,統合型校務支援システムの導入率ということで,小学校,中学校について約4割強というところでございます。これに関連しまして,また恐縮なんですが,参考資料5ということで,これも横書きでございますけれども,統合型校務支援システムによる業務の効率化についてという資料を入れさせていただいているところでございます。
 少しだけ中を紹介させていただきますけれども,1ページめくっていただきまして,1ページ目の下の方にこの統合型校務支援システムの導入による業務改善イメージということで,そこにございますとおり,複数の作業工程が重複する部分について,ICTを活用した校務支援システムの導入で効率化,作業ミスの防止というのが可能になっているというところでございます。
 その次のページに大阪市と北海道の方の取組を書かせていただいております。導入の効果といたしまして,大阪市では,右の方にございますとおり,担任について大体1日当たり56分という効率化が図られていると。北海道については,石狩管内の4自治体で導入したところ,30分程度の効率化が図られているということで,かなり業務の効率化に関しては成果を上げていただいているというところでございます。御紹介だけさせていただきました。
 すみません,もう一度資料1の方に戻っていただきまして,(2)について,委員から頂いたこれまでの主な意見ということで,6ページ,7ページの方に幾つか書かせていただいております。例えば評価分析について,外部のシステムを活用することも考えられる。あるいは,採点や評価の基準について,明文化,共有化することで業務の負担の軽減につながるのではないかと。また,今御紹介したような都道府県単位での統合型校務支援システムの導入を推進していくことが重要だと。その際に導入に当たっての研修とともにヘルプデスクも設置することが必要であるということで,御意見を頂いているところでございます。
 事務局からの(1)(2)についての説明は以上でございます。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。それでは,議論に入っていきたいと思います。今日も論点が多い中で,時間も限られておりますので,最初に問題整理という意味も含めて,最初の1人は私の方から関係する業務を,学校や教育委員会での現場で日々取り組んでいる委員に発言をお願いして,その後に他の委員からの発言ということで進めさせていただきたいと思います。
 それで,まず(1)と(2)の授業準備や学習評価や成績処理等々については,これは学校現場の校長先生に実情と課題,今後の取り組むべき方策等々について御発言をいただいた方がいいのかなと思いますので,田野口委員,(1)と(2)についてお願いいたしたいと思います。学校現場で授業準備や学習評価,成績処理について,実際どのような業務を行っているのか。また,先ほど御説明があったように,こうしたところにサポートスタッフなどを活用するとすれば,どのような役割分担が考えられるのか。また,統合型校務支援システムなど,ICTの活用を考えていくことをした際,どういう場面での活用が考えられるのかなど,学校現場の実情を踏まえつつ御発言いただければと思います。よろしくお願いします。

【田野口委員】  
 これまでの御意見をまとめていただいて,このように整理をしていただいて大変ありがたく思っています。本校,横須賀市は2学期制なので,今正にもうすぐ前期の終業式を迎えるところで,前期の評価,評定,通信簿をまとめているところでございます。やはり先生方が長時間,学校に残ってパソコンと向き合ってというような作業が連日続いております。
 ただ,今までの御意見,このようにまとめていただいて,緊急提言でも皆さんに発信していただけましたので,県内でもサポートスタッフを来年度から付けようというような動きが出てきております。ここでの御意見が正に各地区で働き方改革に向けて動き出そうかなというような時期だと思っております。ありがとうございます。
 正に今お話のとおり,先生方,授業を作るに当たっては評価とは切り離せませんので,パソコンの前で評価カードの打ち込みをし,それを一覧表にし,評定に持っていくという形でございます。こういう今のような学習支援があったり,サポートスタッフがあったり,教材・教具のパソコンによる共有化,またインターネットの使い方,様々あるとは思いますが,やはり抜本的な問題としては,1人の教師が持つ持ち時間数がとても多いということが一番の大きな課題なんだと思います。
 小学校においては,正に先ほどの参考資料の4にもありますように,小学校の教諭の方が学習指導関係に関わる時間が長くなっております。1日の勤務時間をこうやって今思い浮かべますと,教員の様々,周辺業務であったりとか,会議等,全て軽減されたとしても,例えば8時15分に出勤をします。4時45分までが勤務時間になります。8時15分に出勤をして,6時間授業をしますと3時15分になります。子供たち,帰りの会と下校をすると,先生たちは3時半ぐらいを迎えます。それまで,小学校教諭はフルに本当にお茶を飲む時間もなく,職員室に戻ってくる時間もなく,3時半を迎えます。
 そして,一応そこからが休憩時間,45分になります。今45分がとれているかどうかは別としますが,45分休憩時間になります。そうすると,4時15分になります。4時15分から4時45分の30分が評価,そして次の日の授業準備に掛ける時間になります。基本的に何もなくても先生方に1日,教材,学習評価に向き合う時間は30分しかございません。その30分で今日の授業の後始末,ノート,プリントを振り返り,見て,明日の授業準備,とても無理であることは明らかだと思います。
 確かに小学校は部活動がございませんので,その後,放課後の時間が有効に使えるでしょうというような話がございますが,小学校教員は毎年教える学年が変わることが多いです。そして,多くの教科を持って,毎日,毎時間,異なる授業を行っております。確かに今申し上げましたように,教材・教具が共有化され,指導案も開けばそこにありますという状況になったとしても,それを開いて検索をする時間すら残っていないのが実情でございます。
 小学校,今大体29コマ時間割がありますが,持ち時間数としては26コマぐらい。中学校は20コマぐらいと言われておりますけれども,その持ち時間数で週に3コマしか空き時間は確保できない。1日に1時間もないというような状況でございます。それで,やはり授業の質を高める,新学習指導要領を確実に実施に向けて取り組む,難しい現状にあるのは,もう皆様もよく御存じだと思います。
 やはり,小学校教員にしては持ち時間数,持ち教科数がとてもとても多いのだなとは感じざるを得ません。評価にしても,小学校は多くの教科を今持っていると言いましたが,それを今の御説明のように,各教科,観点別に評価を積み重ねて,日常的に子供を見取って,それを積み重ねて評価・評定に移していきます。説明責任がございますので,どうしてそういう評価・評定になったのかと問われたときに,この学習でこうだったと,きちんと保護者や本人に説明できるようにしておかなければいけませんので,そういう根拠のためにも授業や評価を疎(おろ)かにすることはできません。
 加えて,総合や外国語等は記述になっておりますので,子供たち一人一人の力をどのように表記していくのかというのも,また難しい課題となっております。また,来年度から道徳も記述になりますので,道徳の授業を作って,それを評価として記述に持っていくという流れも,また1つ,大きな課題となっております。文科省の予算要求の中に専科教員の配置ということで,大変ありがたく,人を増やしていただくというようなこともございましたけれども,本当に人的配置,定数改善によって,1人の教諭が持つ持ち時間数であるとか,持ち教科数であるとか,その削減こそが抜本的な解決であって,その上でゆとりを持って共有化された教材なり,指導案なりを子供たちの実態に合わせて,自分でマネジメントをして授業を作っていくことこそが,教育の質を高めていくことにつながるのではないかと。
 学習支援員さんにどういう支援をしてもらおうかと,結局,主導権を持って考えるのも,授業を持っている教員になるわけですから,そういうようなことの時間も確保していかないと,人を付けても有効に活用できないというような状況にならざるを得ないのかなと思います。
 そこまで考えて,大変ぶしつけで,私も本当は知っておかなければいけないのでしょうけれども,教えてほしいのですけれども,中学校の教員の配置基準と,小学校の配置基準ですね。中学校は専門性の高い教科担任制ということがございますので,多分それが基になっていて,中学校は学校の規模にもよるでしょうけれども,学年団という形で教師が配置できるような形になっていると思いますが,小学校は子供の人数に応じて教員が配置されますので,日中,誰も職員室にはいなくなってしまうという状況になってしまうということがございます。
 小学校も基幹教科である国語や算数は担任がやらざるを得ないという部分はあると思いますが,ある意味,高学年になって,教科担任制みたいなものを導入することができるならば,人を増やすことができるのでしょうか。そこら辺の定員配置の基準も,本当に大本の部分,小学校にどうしてそれしか人が配置できないのかということも,1つ,教えていただければ,また今後の参考になるかなと思いますので,よろしくお願いいたします。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。時間がかなり限られていますので,発言の際にポイントを押さえて手短にお願いしたいと思います。
 今の質問について,何か事務局の方で小中の配置の問題と,あと,教科担任制を導入した場合の配置数の変化の可能性みたいなことも含めて,何かあればお願いいたします。

【伊藤財務課長】  
 ただいま御質問を頂いた点についてでございますけれども,基本的には小学校も,中学校も,それぞれの学校に何学級あれば,その学級数に応じて標準法に定められた係数を掛けた人数がその学校において算定される教職員の定数であるということになります。
 その係数につきましては,今御指摘いただきましたように,小学校と比べて中学校の方が若干大きめになってございます。これは,中学校は教科担任制,つまり,より教科の専門性の高いことを,それぞれの免許を持った教員が専属で教えるという,これは免許制度も絡みまして,そうした指導形態を基本としてございますので,この係数は小学校と比べて高くなっているところでございます。
 また,小学校で今後専科教員,若しくは専科制を導入するというふうになったらどうなるのかということでございますが,専科制を導入すると決めてから,直ちにその人数が大幅に伸びるのかいうと,それは別途,財政上の状況もございますので,様々な検討はしなければいけないと思っております。そもそも免許の在り方と重要に密接に関連してくる面もございますし,これまでの学校教育の基本を大きく変える面もあると思ってございますので,様々な角度から検討しなければいけないと思ってございます。
 同時に,義務教育学校等もでき,また小学校と中学校との連携が広がっている中で,特に小学校の高学年においては専科教員を徐々に広げてきているというところもございますので,専門的な指導の在り方も含めて,しっかり専科教員を増やし,持ちコマ数の多い小学校の教員の多忙化とも向き合っていかなければいけない課題であると,私どもも受けとめているところでございます。

【小川部会長】  
 ありがとうございました。田野口委員から,教員1人当たりの持ち時数の問題というか,ある意味根本的な問題提起の御発言もあったわけですけれども,他に授業準備,学習評価,成績処理等々についても,業務の効率化,業務の進め方の在り方について,他の委員から御意見があれば賜りたいと思いますけれども,いかがでしょうか。
 御発言の際には,恐縮ですけれども,名札を立てていただければと思います。では,時久委員,どうぞ。

【時久委員】  
 1例をもってお話ししたいんですけれども。今までもいろいろな協議の中で,学校の先生方が自分の仕事に誇りも持っているし,やり遂げたいという気持ちが非常に強いので,なかなか自分の仕事を手放すことができにくい,そういう心境であるということはよく出てきた話です。実は,この教科のサポートスタッフを何年か前から導入をしていまして,中学校の方のいわゆる子供の家庭学習に関して,この教科の担当が指導というか,意見を言いながら,別のスタッフの方が宿題のプリントだったらプリントの作成とか,そして提出されたものの,これはボランティアさんなんかが入って,一斉点検もして,最終的に教科の担任が確認をして,子供たちに個別の指導を入れていくという形をとりました。
 最初は,やっぱり専門の教員が自分のところでやりたいけれども,時間がないので,結局は宿題も出していなかったという状況が,協働の仕事としてできたときに,学力の伸びは非常に高く伸びています。もともと先生方に時間がないので,そこの部分はできなかったというところを補強することによって,子供たちの学習時間が大変増えて,そこに成果が大きく現れているという実例もあるので,このあたりは協働作業として分担してやれる大きなことだと思っています。

【小川部会長】  
 ありがとうございました。佐古委員,お願いします。

【佐古委員】  
 私,基本的に今,田野口委員のおっしゃったことに共鳴いたします。少なくとも,既に授業と授業準備だけで先生の仕事は時間をかなり食っていると。この現状を踏まえてどうするかということを,今後,我々は真剣に考えなければならないという問題提起,そのとおりだと思います。
 ただ,ちょっと違ったことになるんですけれども,私の大学で学生が,先ほど時久委員がおっしゃいましたけれども,ティーチングアシスタントにたくさん出ております。これ,非常に評判がよろしいです。特に評判がいいのは,教職大学院生は非常に評判がいいです。これは,いろいろ聞いてみましたら,役割を固定していないというのが使いやすい原因だということが分かりました。
 つまり,先生がその場で必要なものを依頼できる,指示できる。そうなると,これは前回の議論でもいろいろ出ておりましたけれども,学校にアシスタント的な人員を増やしていくという方向はあるにしても,誰に任せるかということが非常に問題だと私は思っているんです。基本的に我々の経験では,教員志望の学生,特に教職大学院,これから増えていきますけれども,教職大学院の院生など,非常に有力な人員として期待できると思っています。
 先ほど言いましたように,これは,1つは,先生が例えば丸付けとか,学級の中で困った子供に付いて指導するとかいうことも期待できます。それから,同時に,それを通して,入っていく学生のメリットにもなる,力量が上がってくると。それと,先生とその学生がやりとりする中で,先生自身もいろいろなことがそこで教員として気付きが発生するというふうに,これは非常にいい効果を持っているのではないかと思っていますので,根本的には定数の改善ということに行き当たると思うんですが,当面考えられる方策としては,ティーチングアシスタントというものをきっちりと制度化していただいて,しかも,その人材については,やはり教員志望者,教職大学院の活用ということを考えながら組み込んでいくということがいいのではないかと思っています。以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。この後,青木委員,妹尾委員,そして天笠委員の順でお願いします。

【青木委員】  
 ありがとうございます。資料1を見ますと,3ページ以降,従事率と負担感率が出ています。そうすると,まず授業準備について申し上げたいんですけれども,負担感率については低いんです。さらに,参考資料の4を見ますと,いわば本番である授業が4時間で,学習指導関係の中の授業準備が1時間17分,これが小学校の数字です。
 中学校の場合には,授業が3時間,授業準備が1時間26分ですから,これ比をとると,この比が果たしてどういう意味を持つのかというのを,やはり考えなければいけない。毎日やっている授業にこれだけ授業準備をかけていることをどう判断するかというのが,1つ,論点になるかなと思います。
 それから,評価に関してなんですけれども,7ページにありますように負担感率が授業準備よりも少し高まります。ということは,授業準備は長く時間を掛けても,教員は余り効率化のインセンティブがないのかもしれないというのが分かります。
 評価の方に入りますと,評価というのは,ある一定期間,一定時間使わなければいけない重要な仕事だとすれば,なおさら会計でよく出納集中処理期間なんていうのがありますので,そういう発想をとったらどうかと思います。つまり,学期末でも何でもいいんですけれども,評価の集中処理時間,期間というのを作って,その間は行事等は一切やらないと。子供のためということで行事をあれこれやっていますけれども,果たしてそれが本当に必要かというふうに,評価が大事だったら,評価の時間を勤務時間内に盛り込む。そのために逆算をすれば,先生の仕事である行事としてできるものというのは見えてくるのではないかなと思います。評価の集中処理期間を設ければ,協業というか,みんなで集中して教員同士で評価の情報を持ち合えますので,そういうプラスの意味もあるかなと思います。
 それから,ティーチングアシスタント等については1点だけ申し上げたいんですが,やはり今,場合によっては無償労働になっているような状況もありますので,ここはやはり佐古委員がおっしゃったとおりで,コストを明示化して,どのぐらい今の人件費が必要なのかというのは,はっきりしておいた方がいいかなと思います。以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。妹尾委員,どうぞ。

【妹尾委員】  
 なるべく短く,4点にまとめてお話しさせていただきます。1点目はアシスタントさんの活用なんですけれども,この採点等の業務については,非常に子供の機微な情報なので心配だという声もよく現場からは,あるいは教育委員会の方から聞くんですが,やはりこれは公務員としての守秘義務が掛かっているだとか,あるいはきちっと守秘義務の説明をすることでクリアしていくしかないかなと思います。是非そういったことを共有しながら活用していただければいいかなと思っております。それが,1点目です。
 2点目は,先ほどの青木委員のコメントとも重なるんですけれども,今の従事している方のデータなんですが,少し僕が気になっていますのは,あくまでも平均的な像でよく語りがちなんですけれども,殊にこの授業準備とか成績処理に関しては,人によって非常に差が大きいことかと思います。ですので,1回目の資料だったかなと思うんですけれども,僕の方でもOECD・TALISのクロス集計をしましたが,例えばですけれども,過労死ラインを超えて働いている人と,そうではない人とでどんな時間の使い方の差があるのかとか,そういうのを教員勤務実態調査でも,クロス集計なり何なりまた出していただければ,より現実に沿った議論の形になるのかなと思います。これはまた,ちょっと事務局の方への宿題というわけではないですけれども,要望としてお願いをしたいなと思っております。
 3点目ですけれども,定数の話で,田野口先生から,非常に実態に即したお話を頂いて,非常に僕も共感しております。財務課の伊藤さんからも,いろいろ事情はあるというお話は頂いたんですけれども,せっかく学習指導要領が変わって,非常に本当に抜本的に大きく変わるという時代に今ありますので,やっぱりこれまでの学校の在り方を大きく考えるチャンスになっていると思いますので,是非小学校もこのまま学級担任にあらゆる教科を任せるという考え方のままでいいのかどうかというのは,この場だけではなくて,いろいろな場で是非御審議いただきたいなという要望をお伝えしたいと思います。
 4つ目なんですけれども,学習評価の指導要録の話で,御説明もいただいて,非常に意義は分かるんです。ただ,先ほども田野口委員もおっしゃったように,30分だとか,あるいは休憩時間をつぶすのは本当は労基法違反ですけれども,皆さん,実質的な休憩時間をつぶしてでもいろいろやっているわけです。そういった余裕のない中で,ここまでの細かな評価をどこまでやるのかというのは,私としてはもっと簡素化できないのかなというのは思ってしまいます。
 もちろん,余裕があれば,やればよい話だと思うんですけれども,なかなか現場には余裕がないということですとか,専科が増えれば増えるほど,何百人の子供に対して同じような細かな評価をやらないといけない。あるいは,専科が増えなくて,あらゆる教科をやる場合は,いろいろな教科についてやらないといけない。どっちにしても負担は残りますので,この指導要録の様式を,せっかく学習指導要領が変わる機会にもう少し簡素化できないのかどうかというのは,是非議論をしていただきたいなと思います。
 いろいろな方にお話を聞いていると,学籍の情報はもっと保存しますけれども,この成績,学習評価の分は5年で廃棄しますので,結局何のために作っているのかよく分からんというような話ですとか,あるいは総合所見とか,総合的な学習の記録も結構なんですが,これの文言に物すごく時間が掛かって非常に大変だと。しかも,いろいろな情報開示請求が来ますので,結局無難なことしか書けずに,余り実質的にはなっていないと。
 僕はそっちの方に時間を掛けるのであれば,せっかく三者面談だとか保護者面談をしている学校もほとんどですので,そちらできっちり,入念にこの観点別評価の考え方を生かした,細かなフィードバックを子供本人,あるいは親にしていく方が,余計生産性がいいだろうと思っております。そこの部分も,もちろん専門家の先生もいらっしゃると思うので,御意見を頂ければと思います。以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございました。この(1)と(2)については最後の発言としたいと思います。天笠委員,お願いします。

【天笠委員】  
 最初に御説明いただきました,この1日の平均の時間の使い方というんでしょうか,大変実情のよく見えるデータが速報値という形で示されたということと,それから,それを併せて重ねることとして,田野口委員からの実情の報告があり,授業時数とそれによって,1日の勤務時間のほぼそれが尽きていて,そのための準備ですとか,そういうものというのは,どうしてもその中に位置付け切れない,そういうふうに理解をしているわけなんですけれども。
 私も,実情はそういうこととして同様の認識を持っています。改めて,この勤務時間の実態調査ということなんですが,今更ということになるのかもしれませんが,当然データはお持ちであるかと思うんです。例えば月別とか,季節別とか,その場合の変動,あるいは,小学校の場合ですと,高学年と低学年での移動,動きですとか,それから,先ほどお話がありましたように,個人によっても,またこれということ。
 ただ,いたずらにデータを細かくすればいいと,当然そういうことではないですけれども,実態と称されるものというのも,幾つかの局面で捉えるとするならば,学校の1つの特徴というのは,1つは季節ということによって表情が幾つかあるということ。今日のデータはそれを全体,ならして見ると,こういう姿なんだということとして理解をしているわけです。もう一段丁寧に見たときに,そこら辺のところはどうなのかということですとか,あるいは,先ほどの話にもありましたように,学校の規模によって,教職員の数によってこのあたりのところの動きがどういうふうになるのかですとか,そのあたりのところによって出てくる改善の方向性というのも,そういう形である姿というのが見えてくる部分というのがあるのではないかと思うわけなんです。
 そういう点からすると,全体としての平均の1日のものを軸にしながら,今申し上げたような形で見ていくということの必要性,大切さがあるのではないかということ。
 それから,月ごとの,1か月の時間のやりくりの学校としての工夫というあたりのところの,学校における工夫,あるいは地域における時間のやりくりというあたりのところというのが,どういう形で存在しているのかどうなのかということ。そういうデータもこのあたりのところに加えていくと,より現実の姿と,それから,1つのこういう状況に対しての一定の対策を示唆するものというのは,その中から出てくるのではないかと。読み取れる部分というのはあるのではないかと捉えさせていただきました。まず,勤務の実情の押さえ方ということについて申し上げさせていただきました。
 それから,もう一点は,学習評価の質の問題を維持していく,あるいは,更に上げていくという観点からしたときに,ある意味でいうと,押さえるべきは,御説明いただいたような指導要録ですとか,そういうものについての記述の仕方とか,手法ということについては,それを前提にして維持していくとするならば,条件面をどういうふうに整えていく,あるいは改善していくと,それが実現できるのかどうなのかという,そういう段取りというか,そういうステップでこの事柄を改善していくということの必要性があるのではないかと。
 要するに教育の質を維持していく,あるいは学習指導要領の質を前提にして,そのために条件整備をどういうふうにしていくのかという手立てということだと思います。ですから,そうすると,最初の話にもう一度戻りますけれども,1日の勤務の時間のこの状況からするならば,仮に30分を60分にするには,どういうふうに人,物,金,時間,情報等々の手当てをすると,それが可能なのかどうかなのか。その1つの提案というのが,人を増やすという,ある意味では究極という話になるのかもしれませんけれども,そういう話になっていたのではないかと思うんですけれども。
 そのほかにも,いろいろなやりくりの仕方ですとか,工夫の仕方というのを探り出していくというふうな,そういうスタンスで臨むということの大切さがあるのではないかなと思います。以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございました。最後,天笠委員の方から,いろいろ要望が出たんですけれども,今,4月末に速報値として公表した勤務実態調査の,今2次分析が確か行われていると思いますので,是非2次分析の際には,例えば小学校,中学校,教員1人当たりの持ち時数の違いが,例えば超過勤務とどういうふうな相関があるかとか,少しこの場の議論に関わるような視点で2次分析を進めていただいて,またの機会にでも勤務実態調査の2次分析の内容等々については,この場で御報告いただければと思います。よろしくお願いします。
 (1),(2)はこれで一応一旦終わらせていただいて,次に3に入っていきたいと思います。学校行事等々の見直しですけれども,これについて,また佐藤企画官より説明をお願いします。

【佐藤初等中等教育局企画官】  
 それでは,(3)について説明させていただきます。資料1の8ページからでございます。まず,1番の背景のところでございますけれども,学習指導要領の中で特別活動の方で記載がございます。そこの(留意事項)のところの2つ目でございます。児童生徒や学校,地域の実態に応じて,行事の種類ごとに,行事及びその内容を重点化するとともに,各行事の趣旨を生かした上で行事間の関連や統合を図るなど,精選して実施するということが記載をしてございます。
 また,教員の地域行事等への参画につきまして,8ページの一番下の方にございますように,時間外勤務として,いわゆる超勤4項目には該当しないので,地域の行事への参加等を命じることはできないとなっているところでございます。
 9ページの方に行っていただいて,関係通知の中でも,先ほど申し上げたように,学校行事の精選については触れられていると。諸外国においては,教員以外にボランティアや補助員,地域の方々に参加いただいているということもあるということでございます。9ページの一番下から,業務の役割分担・適正化に関する現状・課題ということがございますけれども,まず各学校においても,これまで重点化や精選がなされてきているということでございます。
 10ページの方に行っていただきまして,今の実情といたしましては,小学校においては,大体時間としては50時間から69時間ぐらいの時間でやっているところが多いと。中学校については40時間以下というところが多いということが,実情として出ております。
 その下からでございますけれども,子供たちにおいて,成功体験に乏しい,自己肯定感が低いということも,課題として指摘をされていると。そういう中で,集団的な体験活動を通して人間関係を形成,社会参画,自己実現に向けた資質・能力の育成を図るということの意義も重要であろうと。
 ただ,次にありますように,児童生徒にどのような資質・能力を育成することが必要かという観点から,更に精選することが必要であろうと。
 また,その次でございますけれども,行事の準備にかなり教員の負担が掛かっているという状況もございますので,準備等の負担の軽減についても考えていかなければいけないと。前回の部会で御指摘がありましたとおり,宿泊を伴う行事につきましても,教員の負担軽減の観点から適切な対応が必要であると。学校行事以外の地域の様々な行事への参画や協力を行うということについても,教員の過重な負担にならないようにすることが必要ということが課題として挙げられるかと思います。
 その下の自治体での取組例でございますけれども,かなり多くの学校,あるいは学校支援地域本部の方で,学校行事へのさらなる精選であるとか,学校行事の運営に対する支援が行われているという状況でございます。
 11ページの方に行っていただきまして,自治体の取組として,例えば東京都では校内の組織として,経営組織部を置くことを促進して,周年行事の準備等は,その経営組織部が担当しているという例。それと,その下にございますように,運動会や学習発表会について,地区の運動会や文化祭と共催で企画・運営するということで,行事の回数を減らすという取組も行われているという事例がございます。
 (3)についての説明は以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございました。(3)に関わって,最初,教育長の時久委員に御発言をいただきたいと思うんですけれども,教育長として学校現場での様々な行事とか,行事準備等々の事情を見てこられて,精選とか負担軽減の取組等々も行われているかと思いますけれども,その辺,これまでの経験を踏まえてお聞かせいただきたいと。
 もう一つ,学校行事の見直し等々に関わって,これは保護者や地域等の理解とか,関係ということも当然視野に入ってくるわけですけれども,そうした現実をどう考えるかということについても,お聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【時久委員】  
 学校行事等のことにつきましては,先ほど小川部会長が申されましたように,多分に保護者,地域との関係があったり,それから地域との心情的な関わりというか,そこのあたりで非常に難しい部分もございます。家庭の教育力との絡みもありまして,体験が非常に不足してきた子供たちの状況を学校の方で何とかしなければと取り込んでいっている面もあって,一時,膨らみに膨らんで大変なことになっていた時期があります。
 学校行事の精選ということでずっと検討を続けて,10ページのデータにあるように,70以上とかいう多いところもまだあるようですけれども,大体40から60の間ぐらいにずっと減ってきて,かなりの精選ができているのではないかと思います。例えば地域の田植だったり,芋植えだったり,子供たちにとってとても大事というので全部取り込んでしまったものを,総合的な学習の時間との絡みで,学校行事としてはできるだけ切って,最終的に学校として子供の力の育成に必要なものに,かなり絞られてきているとは思うのです。
 私は2つのことを思うのですけれども,1つは,精選されている学校行事を更に地域の方々とともに協働してできるということが。もう1つの視点は,学校の中で特別活動とか,学校行事だけでなくて,子供たちがこれから集団や社会を形成して求められる資質・能力を教科とか,総合的な学習の時間とかを総合的に組み合わせて,子供の力をもっと育てないと,外の力ばかり求めていても駄目だということです。
 まず1つ目ですけれども,いろいろな学校行事を,学校として一体どんな目標を持ってやっているのかというところをしっかりしないといけないと思います。育てたい力を明確にしておかないといけないということです。
 2つ目は,年間計画をしっかり立てるということが大事です。3つ目は,その上で役割分担を明確にして,依頼をすべきところは早くから依頼をして,地域との協働の形へ持っていくことです。4つ目ですがすごく大事なのは,子供が自分でするということが一番大事なので,子供の参画とか,主体的にするというところの意欲化のところがないと,どういうふうに仕事の区分けをするかというだけでは駄目だろうと思っているところです。
 実は実践例の中にコミュニティ・スクールの成果があります。コミュニティ・スクールは学校運営協議会で学校の課題を中心に据えて検討していきますので,例えば運動会をどういう目標を持って,どういう計画で,どういう協力を欲しくてやっていくのかということを学校運営協議会とか,地域学校協働本部で話をしていきますと,これは地域が責任を持つね,ここは役割を持つからねと,主体的に運動会に絡んできてくれます。
 今までだったら,学校が「運動会にこういう助けが必要なんです。」「綱引きに何人出てください。」とか,頼んでいたのですけれども,コミュニティ・スクールになってくると,地域も主体者ですので,大人の競技はこんなことを入れたらどうかとか,立ち上げから参画していきますので,実際運動会をするときには,その部分は学校がお願いをするのではなくて,任せておけばいいことにもなったりします。ですので,このあたりはコミュニティ・スクールとか,地域学校協働本部が非常にいいとは思います。
 それから,中学校は生徒の自主運営というのが結構あります。子供たちが授業時間ではなくて,休み時間とか,朝とか,夕方とかを使いながら,自分たちでどんどん応援の練習をしたり,行進の練習をしたりとかいうことを自主的にやっていくということも多々ありますので,学年が上がるに従って,生徒が自分で動いていくというところに持っていけば,随分違ってくると思います。
 それから,実は宿泊訓練を行っているのですけれども,最近,民泊を取り入れました。今までは自然の家とかでやっていて,先生方がその宿泊の間中,ずっと交代で付いているということがあったのですが,実は過疎地域もできてきたり,それから,学校が統合して,学校がなくなって寂しく思っているようなところがあったので,宿泊だけでも子供たちの声が聞こえるように,その地域へ持っていこうということで民泊をしたところが,民泊に行っている間,先生方は,子供たちを夜見ることがないので,随分楽になりました。
 民泊の人たちは話合いの中で,一緒に食事をうちの中で作ってくださいとか言われているので,子供と一緒に食事を作ったりして,これは大成功でした。その間,先生方は1人,2人いれば,あとは全部家に一度帰ってもらいました。だから,工夫をすれば,精選したり,より面白くできます。そのためには,地域が主体者でないと駄目だということをつくづく思います。
 もう一つ,視点の2と言っていた,学校の教育を総合的に,子供の集団や社会の形成者として求められる資質・能力を高めるためにどう組み合わせるかというときに,1つは,特別活動の系統的な学習の積み上げが必要だと思います。意外に学級会の活動の場が不足していて,子供たちが自主運営ができない課題もあります。
 また,先生方が主導して教えることが多過ぎて,子供が自分で運営をしたり,協働する経験が薄かったりとか,総合的な学習の時間がせっかくあるのに,どちらかというと先生がレールを引いてしまっているということがあったりとか,また,本当は子供はもっと伸びるはずなのに,先生方が時間がないので手短に教え過ぎてしまって,子供が自らやった経験がないということが若干多過ぎるような気がします。
 ですから,次の学習指導要領で,主体的,対話的で深い学びという,ここのあたりがぐんぐん動き出して,総合的な学習の時間なども,子供が自ら課題を持って追究する学習ということで積み上げていって,下級生から上級生,中学生まで,系統的に育っていけば,子供が自ら動き,先生方の仕事は軽くなるということは思っています。
 最後に,やっぱりコミュニティ・スクールとか地域学校協働本部の広がりは,地域が自ら動いてくれるという組織ですので,ここは大いに力を入れていきたいと思っているところです。すみません,長くなりました。

【小川部会長】  
 ありがとうございました。それでは,ほかの委員の方,よろしくお願いします。
 橋本委員,妹尾委員,お願いします。

【橋本委員】  
 簡単に1点だけ申し上げたいと思います。地域行事等に属するのかなと思うんですけれども,最近知事とか,市長,町長の部局の方で地域創生とか,地域活性化に絡んで,言い方は悪いですけれども,子供をだしにしたような行事が非常に増えているなと感じています。背景には,恐らく子供に参加してもらうことで,その親も付いてくるということで,数が集めやすい,あるいは予算がほとんど掛からないいとことで,安易に利用されているような気がするんです。
 もちろん,子供にとって,あるいは教育効果という面で大きいものもありますので,全てが悪いわけではないんですけれども,ちょっと行き過ぎているかなと。少なくとも,そういう行事参加に伴う負担ということと,教育効果の面のバランスをしっかり考えて,時には断る勇気というのをしっかり持てるようにしていくことが大事ではないかなと感じております。以上です。

【小川部会長】  
 妹尾委員,どうぞ。

【妹尾委員】  
 行事について2点ほど申し上げたいと思います。1点目は,今日,参考資料7で配られていますけれども,過労死等を考える家族の会の方の工藤さんの御主人が正にそうだったんですが,工藤義男さんだったと思いますけれども,修学旅行の直後に体調がすごく悪くなられて,その後,過労死になってしまったということもあったんです。中学校の先生でしたけれども,この修学旅行とか,行事については超勤4項目の中に入ってはいますけれども,ただ,それも,それでいいのかどうか。
 超勤4項目入っているからといって,無定量な仕事といいますか,深夜まで生徒指導とか,見守りとかでほとんど睡眠時間2時間とか3時間で働いているというような先生方,全国に実はたくさんいらっしゃると思います。そこは,1つはマネジメントの問題ではありますけれども,超勤4項目の部分も含めて,在り方を考えないといけないのではないかなと思っている次第です。それが1点目です。
 2点目は,先ほど時久委員からも,子供が自分でするということが大事だというお話がありましたとおり,そこと同じ意見なんですけれども,新しい学習指導要領の理念の1つは,私が解釈しているところは,言われたことだけ確実にこなすだけの人材では駄目だという部分ではないかなと思うんです。ただ,今の学校行事,運動会,音楽会,さっきの修学旅行なんかもそうですけれども,非常にいろいろ詰め詰めで,学校によっても差はありますけれども,結構ついつい先生たちがかなり過保護にやり過ぎちゃう部分があると思いますので,そこはやっぱり在り方を各学校でよく考えていかないといけないと思っています。
 ただ,部活動の問題なんかにも似ているんですけれども,行事だとか,体験的な学習というのは,非常に子供たちも生き生きしますし,やりがいが先生たちも感じやすいという部分なので,ついつい過熱化しやすい部分なんです。保護者の方もそうですし,先生たち自身もついついやり過ぎちゃうという部分はありますので,そういうところは注意しながら,何でも無駄だとは申し上げませんけれども,少し準備に時間を掛け過ぎている部分は,在り方を見直していただきたいなというふうに思っております。以上です。

【小川部会長】  
 東川委員,どうぞ。

【東川委員】  
 失礼します。学校行事等について,例えば先ほど時久委員からもありましたように,地域の方からも主催者であるのでというようなお話もあって,これも積極的にやっていくことは重要かなと思う一方で,例えば先生方がこの事例でもありますように,自治体で取組例として,運動会,学習発表を地区の運動会,文化祭と共催でとございます。先生方については,例えば公務災害であるとか,けが等についてはしっかり担保されたものがあると思いますけれども,地域の方にそれを分散したときに,それはどうやって担保するのかなといったところは少し考えておく必要があるのかなと思います。
 PTAも,これ共催ということであれば,恐らくほとんどの連合体がPTAに関する保険等に入っておりますので,けが等があった場合は,これは担保されます。ただ,そこは約款上,どこまで地域の方までこれが担保されるのかということについては,加入している保険等によっても随分差があるというふうに思いますので,それの精選も必要かと思います。以上でございます。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。田野口委員と,風岡委員にお願いします。どうぞ。

【田野口委員】  
 今のお話を聞いていて,本当に日本全国,いろいろな場所がありますので,地域に出ていっての行事というのもたくさんあるんだなと感じております。学校行事の話でいいますと,学校で行っている行事に限ってお話をさせていただきますけれども,子供たちに学校の思い出はと聞くと,やはり修学旅行であり,キャンプであり,学校と切り離せないのがこの行事だと思っております。
 四季折々に楽しみがあって,学習の場面ではない様々な場面で,それぞれいろいろ多様な活躍の場面があって,子供たちが認められる,そういう活動の場面でありますので,学校行事というのは,学校の中において特別活動の中の1つでしかございませんけれども,とても重要な意味があると考えております。
 学校では,精選が本当に図られてきています。それはなぜかといいますと,授業時間数が増えて,総授業時間数の中に占める授業時間数が増えてきましたので,学校行事に関わる時間は,いわゆる学校独自の時間,ゆとりの時間を使ってそれに関わっているという現状でございます。総授業時間数が増えましたので,学校行事に掛ける時間が非常に少なくなっております。始業式,入学式,そういうのも全て学校行事でございます。運動会,音楽会,ございます。遠足もありますけれども,狙いを明確にして,子供たちに力を付けようとするならば,その学校行事一つ一つにも時間が掛かります。子供たちの主体性はすぐには伸びませんので。
 ただ,ゆとりの時間,学校行事に掛ける時間がなくなっていることが忙しさにも拍車を掛け,先生方の指導に対して,支援でなくて指導でなければその行事ができていかないという現状があって,忙しさがあるのかなと思っております。子供たちを豊かに見守りつつ行事に向かうことができるのであるならば,先生方は負担には思わないし,子供とともにやりがい,達成感というものが感じられるのではないかなと思いますので,やはりこの学校行事につきましても,授業時間数との関わりというのは大きいのかなと感じております。以上でございます。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。風岡委員。

【風岡委員】  
 失礼します。今教育的な意義の面からいろいろな先生方のお話というのを伺えたかと思いますので,負担軽減という観点から具体的に進めていくということでお話しできればと思っております。私も学校にいましたのでに行事の意義とかについてはよく理解しているところです。けれども,今日の資料の10ページにもありますが,学校行事には,全教職員が同じようにその行事に向かって取組を進めていくという,そんなことは必ずどこの学校でも行われていると思います。
 そうしたときに,先生方の関わりの度合いだとかにも違いがあったりするわけですが,そのあたりについても,関わらなくもいい先生たちまでも関わらせて,その行事に意義付けをしているようなことがあったのではないか感じています。儀式的な行事,体育的な行事,文化的な行事というのがあるわけですが,その中で,特に教育活動との関連で意義付けできる行事と,教員が必ずしも関わらなくてよい儀式的な行事については,東京都のように経営支援組織部とかで担っていくだとか,あるいは今日の韓国の例にありますように,アウトソーシングというような形で,民間委託というような行事の持ち方だとか,そういったことも考えていくようなことが必要ではないかと思っております。
 修学旅行についても,実は修学旅行や遠足の行事というのは,学校と,特に旅行会社との間で行事を練っていくわけなんですけれども,先生方が一番気にされるのは,子供たちの安全配慮とか,安全管理の部分になるかと思います。その問題を民間の企業等のところでクリアできるようなことができれば,私は修学旅行の企画だとか,あるいは修学旅行の行程中については,先生方は旅行会社の,いわゆる私たちがツアーに行くようなことと同じようになるかと思いますが,そういった中で旅行会社に任せてよいということも考えられるのではないかなと思います。
 そうしたことを通して,先生が全員で関わるということではなくて,民間の力を借りながらとか,あるいは関わって取り組む行事,関わらなくてもいい行事というようにメリハリを付けることで,それぞれの負担を軽減するということが可能ではないかとは思っております。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。では,最後,天笠委員,手短にお願いします。

【天笠委員】  
 すみません,大変そもそも論で恐縮でございますけれども,学校の教育目標を実現するために教育課程を編成して,そして教育活動を展開するんだということであります。ですから,この話につきましては,教育課程ということを改めて明確にするとか,しっかりと位置付けるということを再確認することではないかと思っております。
 それはどういう意味かというと,教育課程という場合は,標準授業時数でしっかりと担保されて,そして教育活動が行われる,その部分と,授業時数としてはカウントされていないけれども,でも,教育課程の範囲の中でなされる教育活動。この学校行事というのはそこのところに相当当たるわけですけれども。
 更に言うと,学校の教育課程の範囲の中では,あるのか,ないのか,非常に性格の曖昧なものというのが,もう一群,外側というか,それがあって,この今取り上げている学校行事というのは,そこら辺,大変曖昧なものが,しかも,かなり整理されずにいろいろな地域とか学校の事情で積みに積み重なっていて,そこでなかなか処理し切れないような状況というのが,今のこの問題の1つのポイントになっている部分ではないかと思っております。
 したがって,一つ一つの教育活動が我が校の教育課程にどういう範囲にあるのか,位置付けにあるのかということを,しっかりと,精選という視点の中にはその中の視点があって,教育課程の中のものでないとするならば,正に精選の対象にしていくとか。それから,ある意味で言うと,一つ一つのそういう教育活動のウエート付けということ等も,我が校の教育課程の範囲の中でということであります。
 あわせて,授業時数としてあるというのが,これは教育課程の核とするならば,その授業時数というのが非常に曖昧な形で存在させているというあたりのところを,どういうふうに考えていったらいいのか,扱っていったらいいのかということというのは,改めて検討するというのも,このテーマのときには大切なのではないかと思います。以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。一旦,3はこれで終わらせていただきたいと思います。時間がかなり迫っておりますので,先を急ぎたいと思います。
 次に,4の進路指導について進めたいと思います。最初に,佐藤企画官から説明をお願いします。

【佐藤初等中等教育局企画官】  
 それでは,資料1の12ページからでございます。(4)の進路指導でございます。12ページの方に書いてあります,2つ目の学校教育法施行規則を御覧いただければと思います。中学校には進路指導主事を置くということで,指導教諭又は教諭をもってこれに充てる。生徒の職業選択の指導,その他の進路の指導に関する事項をつかさどるということで,これは高等学校にも準用されているというところでございます。
 次の13ページに行っていただきまして,諸外国の状況でございます。諸外国でも,例えば進路指導心理専門員であるとか,カウンセラーであるとか,学校周辺の労働局の就職助言センター等が行っているという場合もあるというところでございます。
 その下の業務の適正化・役割分担等に関する現状・課題でございます。そもそも進路指導,進学,就職について教員が中心になって行っているということなんですけれども,どこまで教員が中心になって行うべきかというところがあるかと思います。特に高等学校においては,生徒の指導に加えて多岐にわたる大学等の進学先や企業等への就職先の把握や推薦の獲得等に関する負担が多くなるということで,教員以外の者との役割分担についてどのように考えるか。また,教員以外の者が行うべきという場合には,受皿となるのはどのような者が考えられるかということもあるかと思います。また,進学や就職の際に作成する書類,あるいは申請手続等の業務について改善ということも考えないといけないのではないかということで書かせていただいております。
 その次の自治体での取組例でございますけれども,例えば高校生の就職について,ハローワークのジョブ・サポーターや就職支援員等の専門人材を活用しているという例もございますし,その下にある岩手県と山梨県の事例を載せております。岩手県の方では,入学者選抜等の書類の様式を県教育委員会の方で作成して配付する,山梨県の方では,全ての県立高校が受け付けのために1か所に集まる一括受付日を設定すると。
 ということで,そういった各自治体の取組については,資料3の公立高等学校入学者選抜の改善に関する取組例ということで記載をさせていただいていますので,また御覧いただければと思います。
 次の14ページに行っていただきまして,これまで頂いた部会での主な意見ということでございます。中学校,高校でこの進路指導についての教員の業務負担が大きいということで,キャリアカウンセラーや,受験指導の外部人材が学校を訪問・相談に乗れるようにしていくべきではないかという御意見を頂いているところでございます。(4)については以上でございます。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。それでは,この(4)については,京都府の教育長である橋本委員の方から御発言いただければと思います。府立高校も所管しているという立場から,中学校,高校におけるそれぞれの進路指導,入試業務の適正化などについてお考えをお聞かせいただければと思います。

【橋本委員】  
 まず,高校入試等に関わって,大きくは3つの点について申し上げたいと思います。中学の進路指導業務の中で,やはり高校入試に関わる調査書など,提出書類の作成や点検といったことが負担としてあるのかなと思うんですけれども,これについては取組例に示されているとおりかなと思いますが,例えば私どもの方でも,高校においては校務支援システムを導入して,転記等の事務作業を軽減しているといったようなことがあります。
 やはり中学でも,まず校務支援システムが導入されるといったこと,あるいは様々な提出書類の作成を支援するソフトを都道府県なんかが提供する,そういう支援をしていくといったことが1つ,有効かなと思います。
 あわせて,中学の方に聞いてみますと,高校側が当然必要だと思っているような中身に関して,中学はそれを本当に高校の入試で使っているのかという疑念を持たれているようなこともあります。そういった意味では,負担面といったところにも視点を当てて,中高連携の取組というのを更に強化していくことが重要ではないかなと考えております。
 それから,2点目は,生徒の募集なり選抜制度に関わってなんですが,これは京都特有の問題かもしれません。と申しますのは,京都の場合は私立高校が公立高校と近いぐらいの数がありますし,お互いに競い合っているような部分もあります。そうした中で,本府では通学圏単位に複数校での合同説明会というのを開催しているほか,高校単独で学校説明会,あるいは部活動の体験といったことをかなりの頻度でやっていますが,生徒募集の活動というのがちょっと過熱化しているのかなと感じております。
 ただ,こうした取組自体は,中学生,保護者には大変好評です。その反面で,高校の教員,また中学の先生方も生徒を引率するといったような業務がありますので,それぞれ負担になっているなと思います。なかなか負担面だけでこうしたことを見直すというのは難しいんですけれども,私学とも調整をしながら,少しでも整理を図っていくことができればなというふうに考えております。
 また,同じような事情もありまして,現在,京都府の公立高校の選抜制度というのは前期,中期,後期と3段階あります。その結果,入試日程がかなりタイトになっているといったこと,また,前期については各高校で問題を作成しているということもありまして,これも中学,高校ともに教員の負担を増やしてしまうような要因になっているかなと考えております。
 ただ,これも前期試験については,実際に多くの受験者がある。また,多面的な評価を実施したり,受験機会の複数化が図れるということで,中学生側からするとおおむね評価がされているということですので,ここも直していくことはなかなか難しいんですけれども,そんな中でも願書の一括受け付けを図るとか,可能な範囲で入試日程について中学からの事情も十分配慮していく,そういった工夫というのが必要だと思います。選抜制度と関わって,働き方に影響を及ぼす部分のことにも十分に意識を深めていく必要があるなと感じております。
 大きな3点目は,外部人材等が使えないかなと,その可能性を考えてみたんですけれども,1つは,今府立の高校におきましては,進路指導室の中に非常勤の業務補助員というのを置いております。仕事の中身としましては,進学や就職に必要な調査書の発行に係る事務の補助とか,就職に係る求人票の受け付け,整理といったことを担当してもらっていますけれども,これは大変教員の負担軽減につながっていると評価を頂いております。
 そういう意味では,中学校におきましても,今回,概算要求に入れておりますスクールサポートスタッフなどを活用して,単純な事務処理の部分について負担を減らせる,そういう可能性があるのではないかなと考えます。
 2つ目は,これもかなり京都府独自かもしれませんが,様々な就学援助制度が設けられておりまして,特に経済的には厳しいけれども,私立高校を受験しようとする中学生や保護者にとりましては,いつ,どのような支援が受けられるか,正確な情報を知るということが非常に重要になっています。ただ,制度が多岐にわたって,複雑であり,中学の先生にとっては責任や負担というのが大きいことから,こうした相談や指導につきまして,今のままではちょっとしんどいんですけれども,体制を拡充した上で社会福祉士の資格のあるようなスクールソーシャルワーカーに,この部分の相談等について担当してもらうということが考えられないかなと思っております。
 それから,3つ目は,これは実際中学より高校が多いと思うんですけれども,就職や大学進学等の際に面接の機会が結構設けられています。現在は教員が中心になって指導を行っていますが,一部の学校では,これを民間企業とかにお世話になるといったこともありますし,また,場合によっては適任と思われるようなPTAの方々に面接指導の部分についてはお世話になるということも,現実的な方向ではないかなと思っています。
 あと1つ,特別支援学校に関わる京都の取組なんですが,ハートフルジョブカフェというのがありまして,これは障害を持った方の就職支援をする機関なんですけれども,今年度からですが,支援学校の高等部の生徒も,この就職支援の会員というか,メンバーとして登録をさせていただいており,その結果,どういう就職先があるかという情報提供をいただいたり,指導を頂いたり,卒業した後もまたフォローいただけるということで,これから大変効果が期待できるのかなと思っております。こうした形の外部の人材,あるいは機関の活用というのが考えられないかなと思います。
 あと1点だけ,これは要望になるんですけれども,高校の問題になります。今ちょうど大学入試改革の取組が進んでおりますけれども,その中で調査書とか提出書類等の見直しが検討されています。高校時代の状況を丁寧に把握いただく,反映していくという,その趣旨はいいことですし,十分理解できるんですけれども,この大学側から求められる中身,程度によって,あるいは大学間でその中身に大きなばらつきがあったときに,高校側としては恐らくそれを満たす書類作成に関わる事務作業というのはかなり増えていく可能性もあるなと思っております。
 また校務支援システムの修正等も伴ってきますので,是非早期にこういう見直し内容を明らかにしていただきたいということと,現場の負担面ということも少し考慮していただければと思っております。以上です。

【小川部会長】  
 広範囲にわたってありがとうございました。では,この件について何か御意見があれば。青木委員,どうぞ。では,青木委員,妹尾委員でお願いします。

【青木委員】  
 ありがとうございます。この件については,特に中学校に焦点を当てて,高校入試について想定して,少しお話ししたいと思います。資料の14ページにあるように,調査書等の業務は中学校で負担感率が高い,従事率も高い,担任の先生だと思うんですけれども。そういうふうに考えると,データから見ると,こういった業務の時間自体はそれほど長いわけではないので,恐らくは細切れにこういう時間を費やしているということだと思います。自分でコントロールできない時間に関しては負担感率が高まるわけです。
 そうすると,やはりこれは高校行政と義務教育行政のリンクによる対応が必要だと思います。橋本教育長がおっしゃったところの繰り返しになる部分がありますが,やはり入試書類関係のスケジュール管理をし,処理期間が一定期間,中学校において設けられるようなことがあれば,そこで集中して処理ができますので,そういった対応ができるかなと。
 これは,義務と高校のリンクをしなければできないことですから,政策的な関与の余地があるんだと思います。以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。妹尾委員,どうぞ。

【妹尾委員】  
 高校の負担について少しお話をしたいと思います。御案内のとおりですけれども,高等学校については本当に学校の状況によって様々です。進学校については比較的就職をする子が少ないということで,大学選びだとか,もちろん一部の進路指導はありますけれども,それよりも受験対策だとか,補習だとかいう方の負担の方が恐らく大きくて,週休2日なんて,どこ吹く風ぞみたいな感じになっているという学校もあるというふうには聞きます。これも問題ですけれども,また考えたいテーマです。
 今回のテーマは進路指導なので,もう少し,進学校以外の部分,特に進路多様校と呼ばれる,大学に行く子もいれば,短大の子もいれば,専門学校もいれば,民間就職の子もいれば,公務員就職の子もいるというような高校も多いわけです。私も実際ある高校に入って進路指導室の支援をしたことがありますけれども,毎日いろいろな案内とか,ガイダンス,あるいは就職の案内のチラシ等々だけでこんなふうになるんです。毎日,本当にすごいボリュームになります。その封を開けるだけでも本当に大変で,僕は封を開けることから,NPOの人と一緒にお手伝いをしていたんですけれども。本当に限られた教員数でそこまでをやるのは,すごく大変だなと実感をしたところです。
 しかも,こう言ってはなんなんですが,進学校の子と違って,例えばエントリーシートの書き方1つとっても,あるいは面接の仕方をとっても,まだまだ非常に支援というか,きっちり,かなり手とり足とりやらないといけない学校も多いわけで,非常に先生たちの負担が重いというところです。
 実際,自分は例えば英語の教師なんだけれども,英語をやっているのではなくて,そちらの方ばかり結構時間がとられているみたいな先生もいるわけで,非常に悩みが大きい。そういう場合は,今回のデータは小中しかないんですけれども,恐らく負担感率なんかも高くなるんだろうなと推測をしているところです。
 じゃ,どうするかなんですけれども,1つは,やっぱり学校の校内での分担というのをよく考えないといけない。幾つかの調査では,高等学校については,教員間の長時間労働とそうでない方との差がかなり激しいということが分かっておりますので,進路指導担当だけにお任せではなくて,もう少し助け合えないかというところは考えないといけない。
 もう一つの校内は,やっぱり学校事務職員との関係だと思います。高校は入試業務がありますので,事務職員の数が小中よりもよほど多いと思いますけれども,そこともう少し役割分担をもっと見直せないか。もちろん,事務職員さんだって暇というわけではないですけれども,やはりもっと考えて,教員をもう少し授業準備だとか,別のところにもシフトさせていくようにしないといけないということだと思います。
 もう一つの方向性は校外との関係で,やはりさっき僕もNPOと支援していますという話をしましたけれども,例えばキャリアカウンセラーだとか,その辺の専門家の方が就職先の開拓ですとか,いろいろな説明会の案内をするだとか,子供の相談にのるとかいうのは,必ずしも教員じゃない方の方が専門知識もあって,情報もあって,より適切なことができる場合もありますので,当然これはお金の話にも絡みますけれども,是非積極的に各都道府県初め,皆さんには考えていただきたいことです。以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では,なければ,(4)の業務は一旦これで終わらせていただいて,最後の5の支援が必要な児童生徒・家庭への対応に移りたいと思います。最初に,佐藤企画官の方から説明をお願いいたします。

【佐藤初等中等教育局企画官】  
 それでは,資料1の15ページからでございます。(5)支援が必要な児童生徒・家庭への対応ということで,(1)のいじめから(7)の外国人まで挙げさせていただいております。法律,あるいは通知等については前回までの資料に付けておりますので,同様でございますので,少し飛んでいただきまして,21ページから諸外国の状況を書かせていただいております。
 その中で,諸外国でもティーチングアシスタント,スクールソーシャルワーカー,カウンセラー等が教員と協力して担当をしているという状況がございます。
 22ページに行っていただきまして,下の方の業務の適正化・役割分担等に関する現状・課題でございます。まず,支援が必要な家庭・児童生徒への対応等についての教員と専門家との役割分担でございますけれども,一旦資料4というところを御覧いただければと思います。A3の資料になります。
 資料4の方を見ていただきますと,そこにございますのが,いじめ等の生徒指導における教員,学級担任,生徒指導主事,養護教諭等々と,心理の専門家としてのスクールカウンセラー,そして福祉の専門家としてのスクールソーシャルワーカーについて,それぞれ,いじめ,不登校,自殺予防等について,どういうふうな役割分担が考えられるかということで整理をさせていただいているところでございます。
 課題といたしましては,スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーのところに下線を引いて,斜体の文字がございます。この項目の部分につきましては,週数日の短時間勤務ということで,スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーの方がやっていただいている中で,なかなか十分な対応に課題があるという部分について下線を引かせていただいていると。こういった部分についてどういうふうに対応していくかというところが1つ,課題だと考えております。
 資料4の後ろのページの方には,そのほかに特別支援教育における教員と,外部人材についての役割分担と,あと,資料4の一番最後のページでございますけれども,日本語指導が必要な外国人児童生徒等の支援に係る教員と支援員との役割分担についても記載をさせていただいていますので,参考に御確認をいただければと思います。
 関連して,そのまま資料5と参考資料6についても,少し説明をさせていただきます。資料5につきましては,この1枚ものでございますが,これは,前回の部会の中で,委員の方から,スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーの養成,あるいは,その質の確保というところでの御質問がありましたので,大学等での養成の例,あるいは,研修会等についてまとめさせていただいたもので,参考でございます。
 そして,参考資料の6でございます。一番後ろの方にあると思いますけれども,参考資料の6でございますけれども,こちらは,不登校の児童生徒,特別な支援が必要な児童生徒,外国人児童生徒,それぞれについて個別に支援計画を作るというふうになっておりまして,それぞれの様式について,参考として配らせていただいているというところでございます。
 一旦,ちょっと資料の1の方にまた戻っていただきまして,22ページのところの課題でございますけれども,今,資料の中で御説明しましたとおりでございまして,スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカー等について,今現在,1校当たり,週数回程度の配置の中で,期待される役割を十分にこなすというところがなかなか難しいということが課題であると。
 また,参考資料6ということで紹介させていただきましたけれども,個別の児童生徒について,いろいろな観点から教育支援シート等の作成が求められていると。そういった中で,それぞれ別途に作成する必要性,あるいは,その業務負担の軽減の観点から,どういうことが考えられるかというところが課題になってくるかと思います。
 次の23ページの方に,自治体での取組例ということで書かせていただいております。2つ目でございますけれども,小学校におけるいじめや不登校等の諸問題の未然防止,早期解決を図るために,学級担任を持たない児童支援専任教諭を小学校に配置するという事例もございます。その下でございますけれども,障害のある児童生徒について,就労支援コーディネーターを配置して支援を行うという取組でございます。
 また,下の方に,これまでの主な意見ということで何点か書かせていただいております。例えば3点目でございますけれども,教員だからこそ指導できる部分がある一方で,教員のみでは解決できない課題もあって,スクールソーシャルワーカー,スクールカウンセラーが有効であると。その2つ下で,日常時における支援を要する児童生徒の専門的な支援がないことが学級担任の大きな負担を強いられているというふうな御意見を今まで頂いているところでございます。(5)についての説明は以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。この件について,2回目のお願いになりますけれども,田野口委員に御発言いただければと思います。様々な事情を抱えた児童生徒が多いわけですけれども,こうした多様な児童生徒への支援を,教員と,教員以外の専門スタッフが連携しながら,また役割分担を確認しながら進めていく必要があるかと思いますけれども,学校現場における実情を踏まえてお考えを聞かせていただきたいと。
 あと,事務局から今説明がありましたように,こういう支援が必要な児童生徒に関わっては,参考資料6にあるように様々な書類の作成ということもあるわけです。この内容の見直しとか,また,こうした書類を作成する際の工夫等々について,何か御意見があればお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。

【田野口委員】  
 今,支援が必要な児童生徒ということで,ここに7項目上がっております。これは,7項目別にあるわけではなくて,本当に子供に応じて複雑,多様,重複,課題が1人の子供にたくさん芽生えているというような現状もございます。
 ただ,学校も,チーム学校という名前の下に様々外部連携が進んでおりまして,学校教育において,このスクールカウンセラー,ソーシャルワーカー,弁護士,スクールポリス,児童相談所,療育相談センター,本当に使える支援を学校の中でどういうふうな連携をとっていけばいいのだろうということで,一人で抱え込まないようにという合い言葉の下に,みんなで連携に当たっているというような状況で,そういう意識も持てるようになってきております。
 ただ,やはりスクールカウンセラーであったり,ソーシャルワーカーであったりというような,心理的なケアの部分の常駐化が進んでおりませんので,いざというときに,どこにすぐに支援していただけるのかということがなかなか難しい状況です。
 そして,学校では今,養護教諭の役割が大きくなっております。体の,けがの,病気のというだけではなくて,心理的ケアも養護教諭が担っておりますので,保健室が登校の場になったりとか,保健室が学習の場になったりとか,保健室で癒やされる子供たちというのも非常に多くなっております。そういう意味でも,養護教諭の役割が大きく,また学校規模に応じては複数配置ということもございますので,養護教諭が常にいてくれることが,スクールソーシャルワーカーだったり,スクールカウンセラーだったりというような役割を果たしてくれているようにもなっております。なので,養護教諭の配置の在り方みたいなのも考えていただければありがたいなと思います。
 そして,今一番の問題は,やはり子供の育ちは学校だけではなくて,生まれたときから本当に就労につながるように,学校は1つのプラットフォームでしかないというような考え方で,学びをつなげていこうというのが支援の在り方,1つの考え方だと思います。今,学校も本当に課題の見取り,発見から対応までを引き受け,様々な連携のコーディネートまでしなければいけないということが学校の難しさになっております。生まれたときから,支援をどう考えていくのか。生まれたときから,保護者がどこにこの苦しさや課題を相談すればいいのかというような,福祉の充実の在り方も1つ,大きな課題であるというふうに考えます。
 また,今お話がありましたように,この個別の支援シートを作るのも,やはり,学校が課題を見つけますので,ここで作らなければいけないというようなことになっていきますが,学校で課題を発見した場合,既に保護者は様々な場面で,様々な苦労を積み重ねてきて学校生活を迎えているというようなことが多いので,支援シートをいざ作りましょうという段階になっても,共通理解を図ることから難しいというようなこともございます。
 そして,ここにあるようなシートで記入をして,継続をして,活用をしていくことになるんですけれども,なかなかこのシートの書き方も,その子の課題が,今言ったように重複,多様化しておりますので,難しいというようなこともございますので,今の課題に応じてのシートの在り方というのも工夫していただけたらなというふうに思います。
 そして,こういう非社会的,反社会的な部分もありますけれども,とにかく学校側は,未然防止と初期対応が一番というふうに考えております。集団指導とも兼ね合いがあって,本当はそこでその子に声を掛けてあげて,ケアをしてあげなければいけないという初期対応が必要なときでも,担任がその子に関わってしまいますと,じゃ,学級集団は誰が見るのかというようなことになってしまったりする,そういう時間的な厳しさもございますので。
 でも,担任がやっぱりその子に寄り添うことがとても大事という場面は多いので,そういう時間を保障してあげるために,今ここにもございますけれども,児童専任の担当とのコミュニケーションであったり,児童指導担当が上手に動けたり,それから,担任がそういう個に関わっている場合に,学級集団を見る先生がいたりというようなことがあると,また手厚いケアということに向かっていかれるのかなというふうに考えております。
 そして,副校長先生,教頭先生に今そういうコーディネートの役割がとても多いという,ここにも従事率が副校長が高いということもございますけれども,コーディネーター等がいると,副校長先生の仕事の軽減ということも随分図られるのではないかなというふうに感じております。以上でございます。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。それでは,他の委員の方,何かこの点で御発言があれば,よろしくお願いいたします。佐古委員,どうぞ。

【佐古委員】  
 我々の大学で,非常に学生時代にはよくできた学生が教員になりまして,辞めてしまうということが間々あります。その中で,私,個人的に印象に残っているのは,やはり学級で支援を要する子供との対応ができない。つまり,授業はできるんです。授業はできるんだけれども,普通のやり方では通用しない子供が1人学級にいると,それに振り回されて学級がまとまらなくなって,辞めてしまうというようなことが,これは複数例ございます。
 従いまして,私,個人的な経験ですけれども,この問題は先生方の負担を非常に大きくしているという実感を持っております。そういうことで言いますと,1つは,この会議の趣旨とは若干違うかも分かりませんが,校内の相談体制をいかに整えるかということが,1つ大きなポイントだと思います。つまり,困ったときに相談できる学校,若い先生は特に増えてまいりますので,若い先生が困ったときに相談できる学校を作るということが,まず一番大きい。
 それと,担任の先生が困ったときに,例えば家庭の経済的な問題があって,そこに目を向けなければならないということは分かるんだけれども,じゃ,それを誰に,どんなふうに話を進めればいいかというのは,全部今,教員の個人的な知識とか経験に依存した形になっておりますので。先ほど,これは田野口委員のお話にもかぶるんですが,学校の中で,他の様々なリソースにつなぐことのできる担当者を置くと。つまり,福祉機関とか,場合によっては司法機関とかということを活用しなければならないんですが,そういうものと学校の中でつなぐ役割の担当者を学校に配置する。
 つまり,言い方を変えると,様々な処理機関のリソースをマネジメントする役割の人材が,やっぱり要るのではないかと。それは,我々,きちっと養成をして学校の中に置くことによって,先生方の問題が出たときに,スムーズにほかの機関とつないで。特に教育の福祉的な側面については,他機関の援助が得られるような体制をしっかり作るということは大事ではないかと思っています。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。妹尾委員,どうぞ。

【妹尾委員】  
 3点,申し上げます。1点目は,佐古委員の御指摘はそのとおりだと思います。これも,皆様,御存じのとおりですけれども,相談しやすい学校作りだとか,いろいろな機関とつなぐという意味で,今,副校長,教頭が非常に多忙過ぎて,そういう本来の役割がなかなかし難い状況になっているというのは大きな問題ですので,今回,この部会での議論も踏まえて,教頭,校長の仕事をいかに減らして,担任がしんどいところをケアをしてあげるだとか,場合によっては,校長もそこをもっと入っていただくだとか,その辺は大事だろうと思っております。
 2点目は,先ほど田野口委員からも養護教諭の話が出まして,私もすごくそこが大事だと思っております。養護教諭は,我々が見るような相談をしているとか,けがの手当てをしているみたいな最前線のところだけではなくて,バックオフィスといいますか,例えば健康データをいっぱい入力していたりだったとか,しかも,学校によっては1人しかいないために,事務作業も非常に多いという職業でもあります。
 ですから,アシスタントの職なんかも,もちろん,普通は担任の支援だとか,授業の準備だとかの支援というふうに当てられる話だと思いますけれども,やっぱり,この養護教諭への一部のそういった事務などが集中する期間は,アシスタントさんもそういうところにも活用するだとかも含めて,やっぱり考えないといけない。やはり担任任せとか,養護教諭任せでもいけない。あるいは,生徒指導専科任せだけでもいけないかなと思っております。そこは,2点目です。
 3点目は,このいじめ,不登校,自殺等々につきましては,前も発言したと思うんですけれども,学校外で起きたことを,どこまでどう扱うかというのはなかなか解がないんですけれども。例えば,いじめの問題を1つとっても,校外で,ネットいじめだとかも中心にそうですけれども,起きたいじめをどこまで学校が見るのかどうか。当然,無関心ではいけないと思いまけれども,非常に難しい問題であります。
 それから,もう一つは,学校外ということであれば,親の支援といいますか,子供の支援が必要な家庭で,往々にして親もやっぱりしんどい思いをされていて,親の相談に担任等が,あるいは教頭先生等が長く時間を掛けていらっしゃるという実態もありますので,なかなかこれも解がないんですけれども,福祉部局とどうつなぐかも含めて,やっぱりここはすごく深刻な問題かなと思っております。以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。天笠委員。

【天笠委員】  
 失礼します。私はこの点については,学校ということよりも,むしろ行政の仕事だというふうに思います。学区を整え直すということの必要性があるんじゃないかと思っております。とりわけ大都市というか,人口集中の地域というのはいろいろな歴史的な経過があって,相当に学区が複雑になっているということが,今のこの国の1つの実態ではないかというふうに思っております。
 そうすると,先ほど来,スクールソーシャルワーカー云々(うんぬん)という話が出ていますけれども,学校の支援に行き届かないというか,学区の複雑さが,そういう点からすると,それを阻害している1つの要因になっていないかどうか。
 そういうことで,例えば中学校区と小学校区とを整合とか,あるいは福祉のエリアと,それから学校のエリアとが,行政の縦割りが,逆に言うと学区を非常に複雑な構造にしたままにして,それぞれがそれぞれとして資源の投入というふうなのが実情なのではないかと。そうしたときに,もう一度そういう学校の外部人材等々の資源が素直に学校支援につながっていくような,1つの取組としてあるのは,やっぱり学区を整え直すというふうなことが1つの手立てとしてあるんじゃないかと思うんです。これは,1学校でなかなかできる話ではありませんので,そういう点で,行政が取り組む仕事ではないかというふうに思っております。
 そのことは,ほかのいろいろな危機管理ですとか,そういうものとつながっていて,現在の1つの大きな地域と学校との関係づくりというところを1つ置きながら,視点を当てていい,私はテーマ,課題ではないかなというふうに思っております。以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。風岡委員,どうぞ。

【風岡委員】  
 失礼します。今,天笠委員の方から,行政の役割だというような話があったかと思いますが,私も,この問題については,学校任せにしないというようなこと,それから,1教員担当に任せないということが必要だと考えておりまして,負担軽減にもつながるなと思っております。
 そのために市町村の教育委員会の果たす役割が,非常に大きいのではないかと考えております。教育委員会は行政の中にありますので,例えばいじめについては,どこの他の部局と連携するのか。あるいは,不登校については,どこと連携しながらやっていくのかとか。そういった体制を作るにも,教育委員会だと,行政の担当部局の方とで,その支援体制を作った上で学校の支援をしていくとか。そういったことができるのが行政の役割だと思いますので,教育委員会がどういう役割を果たすのかということについて,この部分について明確にしていくということが必要ではないかなと思います。
 1から7まであるわけですけれども,それぞれ自分の豊橋市の教育委員会と,豊橋市の他の部局との関係を考えたときに,それぞれ多分違う部局との連携ということになってくるかと思いますので,そういう部分でも,窓口は教育委員会と部局の連携の下で各学校の支援をしていく体制を作り上げていくことで,学校支援,あるいは先生方の直接的な支援につながればと思っております。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。他に,ございますか。どうぞ,時久委員。

【時久委員】  
 今おっしゃられているように,教育委員会の果たす役割というのは本当に大きいと思います。私のところは,広く私が見えているわけではないのですけれども,学校も小中学校で10校しかなくて,子供も1,600人ぐらいです。そこへ,特別支援教育の支援員を三十数名配置しているということとか,それから,スクールソーシャルワーカーとか,スクールカウンセラーとか,今言ったような大学の先生だったり,医療関係,福祉,児童相談所等々,そういう連携のチームがようやくできて,今軌道に乗って回り始めたところです。重たいケースはいろいろありますけれども,かつて何もかも学校が対応していた時期からいうと,この連携ができると,随分学校が,対応が機能するようになっています。
 一旦,仕事が多分増えると思います。大変な状況から機能し出すまでには,ここにあるようなこの支援計画の例なんかもそうですけれども,書き方はともかくとしても,これがないことには,子供一人一人について,どういう状態で,それにどういうふうな対策をとっていって,結果的にどうだったかということを,ちょっと振り返りながらやっていかないと,子供に効果は見えないわけですので。
 このシートも大変な数になりますし,それから,支援会議も頻繁になります。教育委員会は,私のまちのようなところでも,たったそれだけでもつぶれそうになるぐらい担当が忙しいです。幾つも幾つも支援会議をしながらやってきて,やっと全体を思い切りやったので,だんだんに減るというよりは,学校が自力でケースによって回していき出したということがあるのですけれども。
 そこまで,やっぱり学校がどうしていいのか分からなくなっている状態をシステム的にきちんと作り直して,軌道に乗せていくのに一旦増えるというか,そういう感じもするので。減らしたくてやっているんですけれども,減らす前の作業というのは結構大変な作業があるということは,思っていないといけないと思います。

【小川部会長】  
 よろしいでしょうか。じゃ,なければ,もう一回,業務の1から5まで,全体を通して,これまで発言し忘れていたとか,補足の発言をしたいというような方がいらっしゃれば,全体を通じて一,二名お受けしたいと思うんですけれども,何かございますでしょうか。よろしいですか。
 では,なければ,もう一つ,皆さんの御意見を伺いたい課題があります。最初,説明したように,資料6-1,2ですか,学習指導,生徒指導に関わる業務を行う上で,それに関係するような様々な計画を作るということが,学校に求められているわけです。その学校において作成する様々な計画の見直しということについても,効率化,適正化できないかというようなことで,皆さんから御意見を頂ければと思います。資料6-1,6-2については,これも佐藤企画官から説明をお願いいたします。

【佐藤初等中等教育局企画官】  
 それでは,資料6-1ということで1枚もの,そして,資料の6-2ということで,A3のものを御覧いただければというふうに思います。
 資料6-1の方に,検討の視点ということでちょっとまとめさせていただいております。今までの話の中にございましたとおり,各学校においては法令等の定めによって,学習指導,生徒指導,あるいは学校運営等に関する学校の全体計画,個別の児童生徒に対する計画を作成するということにされているところでございます。
 当然,各種全体計画につきましては,学校の資源をどう効果的に配分するかを考え,組み立てていく上で大変重要でございますし,また,保護者や地域住民等に対して理解と協力を得るための手段としても有効であると。個別の児童生徒に対する計画運営についても当然きめ細やかな支援を組織的,継続的,かつ計画的に行うために重要な役割を担っているというところでございます。
 一方で,これらの計画作成の業務に教員の方の多くの時間を必要としているというふうなことがございます。また,計画間の整合性,バランスをとるために,更に時間を要するということもございます。また,それぞれの計画について,過度に複雑かつ詳細な計画を作成したような場合については,結果として,教育活動の質の向上という本来の目的を達成できなくなるおそれもあるというふうなこともございます。
 今申し上げたような観点から,まず資料6-2のとおり,法令等によって学校が作成することとされている計画を全て網羅的に列挙させていただいておりますので。その上で,教育活動の質の向上のために,真に効果的な計画の在り方を検討していただく必要があるということで,資料の方を出させていただいております。
 資料6-2でございますけれども,一番上の方に,学校において作成する計画等(一覧)ということでまとめさせていただいております。左から順に,学習指導関係,生徒指導関係,学校運営関係ということで分けさせていただいております。白丸につきましては,学校単位で作成されるもの,黒の四角については児童生徒ごとに作成されるものということで,大変多岐にわたっております。作成の必要性につきましては,左から2つ目にありますように,必須のものと任意のものとございますけれども,全体としては非常に数が多いという状況でございます。
 個別のそれぞれの計画の中身につきましては,資料の6-2の2ページ目以降に,それぞれ詳しく書かせていただいておりますので,これも参考に御覧いただきながら議論いただければと考えております。事務局からの説明は以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。これに関しては,日々こうした作成に携わっている学校関係者,教育委員会の関係者の方が何人かいらっしゃいますので,日頃の作業の体験を踏まえて,少し簡略化とか,方法とか,もうこういう書類は要らないとか含めて,何か御意見があれば,ここは率直にお聞かせいただければと思うんですけれども。田野口委員や,時久委員,橋本委員,いかがですか。何かございますか。
 田野口委員,よろしくお願いします。

【田野口委員】  
 改めて聞かれますと,本当にこの計画を立てて出しているものが必要なのかという,根本になってしまうと思うんですけれども。毎年,見直しを掛けて,教育委員会が提出するようにと言われますので,確実に年度末から年度初めにかけて振り返って,次の計画はどうするというので,かなりこれは担当を中心にして時間を掛けて考えております。
 でも,そんなに大きく変わるものではございません。学校教育目標がそんなに大きく変わるものでもありませんし,教育課程も大きく変わるわけではありません。今度,新学習指導要領になると,改めてまた見直しを掛けなければいけないと思いますが。なので,よほどのことがない限りは,市教委からもここを見直しなさいという指摘は入りませんので,前年度踏襲の形で出しているものが多くなってきておりますが,出すに当たっては,それだけの時間を使って,担当者を中心に見直しを掛けているというものでございます。ですので,簡略化できて,要らないものは要らない,また一緒にできるものがあれば,一緒に混ぜていただければ,それはありがたいことだと思います。
 でも,先ほどの時久委員のように,また新たにということになると,そこで1つ,大きな課題が出てくるとは思いますが。以上でございます。

【小川部会長】  
 時久委員。

【時久委員】  
 今,学校が一番焦っている計画が来年からの道徳の計画です。教科書が採択をされて決まってくると,今まで作っていた道徳の計画を新たに作り直すということで,先生方からは,この8月に教科書が見られないかというような話はあったのですけれども,採択業務がなかなかそんなに早くいかないので,今からの作業になってくるところが,気持ち的にも大変というか,そういうことが起こります。
 この後,新しい指導要領に向けて,教科書が全て新たになってくるということをもうすぐ迎えますので,そのときの各教科,道徳,外国語活動等々の個々の指導に関するところが,これからの大変な作業にはなってくると思います。
 私のいる高知県なんかは,計画性に非常に弱い県だったものですから,何十年か前,20年ぐらい前ですか,県総力挙げて,他の県を参考にしながら,この計画からPDCAを回していくという,ここに徹底してやってきた県ですので,この計画をずっと見ていても,ない計画はないんです。ただ,心が入るというか,更にいいものにしていくというときに,先生方もやっぱりどこかに視点を定めながら毎年改善をしていっているものですから,取り立ててここに書かれていて,わっとかいうことではないのですけれども,何かが変化をすると,少し大作業が起こるということにはなります。

【小川部会長】  
 橋本委員,ございますか。

【橋本委員】  
 改めてこの資料を見せていただいて,本当にこんなにたくさんあるのかなというふうに感じました。確かに,それぞれ見ると,ああ,見たことがあるなという名前のものが多いんですけれども。恐らくそれぞれの計画は,それぞれ何ら理由があって,こういう形で強制的にも進めていく必要があるということで作られたと思うんです。
 しかし,まずそういう発想でいくと,減ることがありませんので,どんどん増えるしかないと。理念的にはよかったとしても,増えれば増えるほど,だんだん現場の作業からすると形骸化してしまうはずだと思います。本当にそんな形で形骸化して使われないのであれば,必要ないんじゃないかなという考え方も成り立つのかなと思っております。
 あるいは,その計画を見直す頻度とか,かなり計画の中身によって,重みというあたりは違うのかなと思いますので,何かこの作成等の負担を減らす,そんな手立てが考えられないかなと感じております。

【小川部会長】  
 他の委員の方,何かございますか。天笠委員,どうぞ。

【天笠委員】  
 これを作られて,こういう場に私どもに資料を提供された方の意図に反するような言い方を申し上げるかもしれません。私は,これはみんな必要なんじゃないかなというふうに,まず申し上げさせていただきたいと思います。
 これ一つ一つがそれぞれの学校の自主的,自立的な教育活動を担保する根拠として,それまでこれ一つ一つがあるわけであって,その学校にとって,これがそれぞれの一つ一つを明示していくために必要欠かさざるものだというふうに,まず押さえたいと思います。
 ただ,既に御指摘のとおり,これが随分形骸化していたりですとか,あるいは,結果的には書類を整えて置いておくと。例えば,各教科の指導計画というのも,実質的には教科書会社のコピーに近いようなものを置いておくという,それで一応担保したという形になっていると,そのあたりのところというのを,これ丁寧に一つ一つ押さえていかないと。
 そういう意味でいうと,この教育課程を編成するのは,学校が責任を持って編成するんだと。当然,それには質も伴ってというと,こういうことになったわけですけれども。このたび,カリキュラムマネジメントが提起されたというのは,こういう状況をもう一度,ある意味で見つめ直して,改めて学校で教育課程を編成して,そして動き出すというときに,恐らくその中の中身的には,こういうことがかなり位置付けられないといけないんじゃないかと思うんです。
 ただ,その場合の形骸化しているのがどう実質的に運用され,機能していくかどうかというところが,カリキュラムマネジメントが改めて現状を見つめ直そうと,そういう提起があるんじゃないかと思っております。
 そういうふうに,まず申し上げさせていただいた上で,その上で,こういうことについて,学校とともに,学校を支援するシステムとか,そういう実態がどうなっているかというと,とにかく例えば先ほど話がありましたように,置いておけば,あるいは作っておけば,それで一応,学校の責務は果たしたということで,それについて,指導,助言等々も実質的にはほとんどないということからすれば,むしろそういうことにして適切なアドバイスがあればいいのではないか。
 ところが,適切なアドバイスをするということが,実質的には指導主事のお立場の方というのが,その役を担うということがあり得ると思うんですけれども,ただ,その指導主事自体が実質的にはそういうところについて役割を果たしていないと。指導主事自体が1つの多くの事務をこなすような,そちらの方になってしまって,ここのところに機能していないという実情があるわけで。改めて学校の教育課程を,カリキュラムをアドバイスする,助言するような,例えばカリキュラムコーディネーターですとか,カリキュラムアドバイザーですとか,そういうふうなのも,また1つのこういう状況等々を改善していく必要の余地があるのではないかと思っております。
 ですから,そういう意味において,これ一つ一つ,みんな私は必要だと思っておりますけれども,そのあたりの作り方とか,動かし方とか,活用の仕方ということについて,相応の改善の必要性があるのではないかと思っております。
 なお,ここにはないんですけれども,学校は更にグランドデザインというのを昨今作っていたりですとか,あるいは,言語活動の充実に関わっての計画があったりですとか,ここにはまだ載せられていないものも現実には様々にあるわけです。そういうものを作るというところから,それを機能させてといったときに,今回のそういう点で,私はカリキュラムマネジメントが提起しようとしている,改善しようとしているところに,1つの有様を見つけ出していくというのも,ここへの対応ということで検討していかなければいけない点じゃないかなと思います。以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございました。妹尾委員,どうぞ。

【妹尾委員】  
 個々のことについては,コメントはそんなにしませんけれども,是非現場の方の声はまた別途まとめていただいて,本当にこういうところは形骸化しているんじゃないかとか,もっとこうした方がいいんじゃないかというアイデアは,是非委員の皆さん初め,多くの方からお声を寄せていただければなというふうには思っております。
 問題は,何人かの委員もおっしゃっているように。多くの計画はあるんだけれども,1つのメッセージは結構任意もあるのねというのが,この資料を見て思いました。意外と必須じゃなくて,任意ということは,作れたら,作った方がいいけどというぐらいの話だと思いますので。そこを教育委員会の運用として必須に近い形でしているかとか,天笠委員もおっしゃったように,これ以外のいろいろな計画だとかも求めたりするような部分はあると思うので,そこはやっぱり,個々の学校は声を上げてはいただきたいですけれども,やっぱり中心は教育委員会の方でもっと精査をしていく,仕分をしていくというのが大事かなと思います。
 もう一つの問題は,多くの方がおっしゃったように,結局,計画はあるけれども魂がこもっていないという問題ですね。要は,余り本気ではないといいますか。例えば,コミュニティ・スクールなんかを設置しても,学校運営に関する基本的な方針――ここでも真ん中の右の方にありますけれども,これを審議,協議したりとか,承諾するわけですけれども,これこそもう少しきちっと議論をしていただくとかが必要なわけです。運用面で,例えば本当は固まってなかなか反対できないようなところでコミュニティ・スクールに出されても,余り意味がないわけですし。
 やっぱり,1つ,作成に対して,もう少しここは時間を掛けてでも作成をしていくだとか,丁寧にコミュニケーションをして,共有をしていくということは,これは多忙化に反するような話ですけれども,実は必要なことじゃないかなと思います。
 といいますのは,学校運営の基本的な方針をはじめ,いろいろなところで,やっぱり学校運営での重点だとか,先ほどの特別活動の全体計画とか,総合的な学習の全体計画もここにありますように,そこでもやっぱり幾つか,こういうところは目標を明確にするだとか,重点を置くというのが余りないまま,前例踏襲でいっぱいやっているから,学校はどんどんアップアップになっているという部分もあるわけです。
 やっぱり,ここは計画が無駄かどうかは議論はするべきですが,もう一つは,その計画の中でもう少し機能する計画にどうしていくかということも議論しないといけないのかなと思いますので,また,多分後日,マネジメントの話にはなっていくと思うので,是非皆さんと意見交換できればと思います。以上です。

【小川部会長】  
 では,最後にしたいと思います。佐古委員,どうぞ。

【佐古委員】  
 先ほど,天笠委員がおっしゃいましたけれども,私もカリキュラムマネジメントの考え方は非常に重要だと思っています。問題は,カリキュラムマネジメントが提示されて,今ここで配られている一覧の状況があって,果たしてカリキュラムマネジメントが埋まるだろうかと。むしろ,現場の先生方がおっしゃっているように,この書類を書くだけで終わってしまうと。
 とすると,カリキュラムマネジメントなしで,むしろ書類を書くことだけで,いかにも計画を作ったような形で学校は動いていると。これは非常に大きな問題なので,やはり,むしろ今回のカリキュラムマネジメントの問題提起といいますか,その提案に対して,より機能するような計画の在り方を考える必要があるのではないかと。
 それと,当然ですけれども,計画を作れば,右の端にある学校評価については連動するはずなんだけれども,その辺の学区指導関係の計画と学校運営の,例えば学校評価等がどんなふうに関連づくのかということについても,全体的な学校の大きい点で見ると,考慮しなければならない。
 ただし,今のところ,それぞれの計画は個別に,ばらばらに作られているというところがあって,それを統合するような何か考え方を導入しないと,学校は事務作業で追われて,PDCAが回っているように見えるけれども,それは校長先生の机の上だけで回っているということになりかねないと思っております。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。東川委員,どうぞ。

【東川委員】  
 短めにします。個別的な話をちょっとさせていただきますと,ここで出ている一覧表の中で,学校いじめ防止基本方針,これはいじめ防止対策協議会の方でも議論されていると思いますけれども。保護者目線,PTA側から言いますと,実はこれが存在していることを知っている方が圧倒的に少ないというところが現状です。こういうものが,それぞれ学校単位で作成をされていて,その後,どのように保護者,PTAに対しても発信をしていくのかといった指導助言等のようなものがあっていいのかなと。
 むしろ,PTA側の方からしても,これらは学校にあるので,積極的に先生方に問いかけてくださいねというようなアプローチもやっていますので,そのようなことも必要かなと思います。以上です。

【小川部会長】  
 ありがとうございます。それでは,もう時間も迫っていますので,今日のところはこれで終わらせていただきたいと思います。今日も各委員から非常に多くの御意見を頂きました。ありがとうございます。
 次回は,今日,委員の方から出された御意見などを踏まえながら,より具体的な方策案を少し提示して,更にそれを皆さんにもんでもらうというふうな議論も次回はしたいと思いますので,よろしくお願いします。
 それでは,次回の予定について,事務局から説明をお願いします。

【鈴木初等中等教育企画課課長補佐】  
 長時間にわたり,また大部の資料を御議論いただきまして,本当にありがとうございました。次回の学校における働き方改革特別部会の日程につきましては,10月20日,金曜日,午前10時から12時半を予定しております。場所は,本日と同じ,こちらの東海大学校友会館ですが,部屋は異なりまして,東海・三保・霞の間となります。頻繁に開催することになり,改めて,誠に恐縮でございますけれども,御協力のほどよろしくお願いいたします。
 また,本日の資料につきましては,机上に置いていただければ郵送させていただきます。

【小川部会長】  
 それでは,今日予定していた議事全て終了しましたので,これで閉会といたします。ありがとうございました。

―― 了 ――

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初等中等教育企画課

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電話番号:03-6734-2588

-- 登録:平成29年11月 --