必要な支援、条件整備等にかかる高等学校の地歴・公民科科目の在り方に関する特別チーム、社会・地理歴史・公民ワーキンググループにおけるこれまでの主な意見の概要

【専門家との連携】

○ 18歳選挙権で主権者教育をどう展開するかということで、あるアンケート調査では、主権者教育を担当している先生方が非常に不安・戸惑いを持っているという現実がある。その際、新聞を活用する教育を強化していくことがよいという結果が出ている。「公共(仮称)」の課題を取り上げる際、関係する専門家・機関同士とどのように連携をして、どういう課題について解決をしていくことができるのかということについて事例を集めて、交通整理をしていきたい。
〔高等学校の地歴・公民科科目の在り方に関する特別チーム(公共 ※仮称)〕                                                                   
○ 「公共(仮称)」が成功するかどうかは、教科書がどのように書かれるかということだけでなく、外部機関と学校がどのように連携するかがカギとなる。例えば、NIEでは、昨年、ある新聞で取り上げた農業と別の新聞で取り上げた消費の論説を比較する指導が行われていた。その際、教師が自分で選んでいくのは大変だから、新聞協会と今から連携を取って活動することが重要だ。
〔高等学校の地歴・公民科科目の在り方に関する特別チーム(公共 ※仮称)〕
○ 学校では専門的な知識を持った人に協力してもらうのはありがたい。関係者との調整に時間をとられることが多いので利用しやすさが重要。
〔社会・地理歴史・公民ワーキンググループ(社会)〕

【教材】

○ ICTの活用、データベースを充実させることも大切である。
〔高等学校の地歴・公民科科目の在り方に関する特別チーム(公共 ※仮称)〕
○ 岡山では消費者庁の予算を使って、幼小中高の体系的な消費者教育の教材を作成した。幼稚園では約束を守ること、小学校ではオンラインゲームで課金を含めてやってよいかどうかを判断する力を育むもの。中高校では未成年者の契約の効果として、契約自由の原則、私的自治の原則がある中でなぜ未成年者を保護する仕組みがあるのかなどを学ぶ。
〔社会・地理歴史・公民ワーキンググループ(社会)〕
○ 「公共(仮称)」の検討に関わるものとして、金融広報中央委員会が作成した「金融教育プログラム」を紹介したい。本資料は、お金や金融の働きから、自らの生活や社会づくりについて考える取組を進めることをねらいとしたものである。2007年に作成したものを、このたび、学習指導要領や諸外国の動向などを踏まえて改訂し、本年2月15日には全国の学校に配送した。内容は、現在学校で行われる取組を分析し4分野に整理したものであり、年齢層別に目標を示したり、事例を掲載したりしている。
〔社会・地理歴史・公民ワーキンググループ(公共 ※仮称)〕
○ 歴史科目では、一次資料の見せ方が大事であろう。資料、例えば風刺画などを活用し、生徒に一次資料を見せて議論し、通史が身に付くようにしたい。
〔社会・地理歴史・公民ワーキンググループ(歴史)〕
○ ICTなどを利用しようとしても、インターネットへの接続制限などから使わないということが起こるので、いい物があれば利用できるような指針があればよい。また、他教科だけでなく中学校でやったことを高校では繰り返しやらなくてよいこともあるので、他教科だけでなく他校種とも調整できたらよい。
〔社会・地理歴史・公民ワーキンググループ(社会)〕
○ 政治・経済など知識内容を多く扱う分野では、知識を教えるというスタンスが多く体験的な学習を取り入れることに躊躇する教員も多いと聞いている。議論し、協働して問題を解決する指導ができるような実践的な力を付けられる研修を文部科学省や教育委員会が実施すれば、各種団体が実施する研修でも取り入れられる。教材についても、様々な主体を活用して学校における体験的な学習、深い学びにつながる学習に役立つ取組を奨励する手立てを希望したい。
〔社会・地理歴史・公民ワーキンググループ(社会)〕

※ この他、例えば、他教科との連携、指導体制、地域人材の活用等、必要な支援や条件整備等についても検討を行うことが考えられる。

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