小・中学校学習指導要領(平成20年3月告示)における政治的教養を高めるための教育に関する記述例

小学校 社会

第1 目標
 社会生活についての理解を図り,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て,国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。

第2 各学年の目標及び内容
〔第6学年〕
  2 内容
  (2)我が国の政治の働きについて,次のことを調査したり資料を活用したりして調べ,国民主権と関連付けて政治は国民生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていること,現在の我が国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを考えるようにする。
   ア 国民生活には地方公共団体や国の政治の働きが反映していること。
   イ 日本国憲法は,国家の理想,天皇の地位,国民としての権利及び義務など国家や国民生活の基本を定めていること。
(内容の取扱い)
  (2)内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
   ア  政治の働きと国民生活との関係を具体的に指導する際には,各々の国民の祝日に関心をもち,その意義を考えさせるよう配慮すること。
   イ  国会などの議会政治や選挙の意味,国会と内閣と裁判所の三権相互の関連,国民の司法参加,租税の役割などについても扱うようにすること。
   ウ  アの「地方公共団体や国の政治の働き」については,社会保障,災害復旧の取組,地域の開発などの中から選択して取り上げ,具体的に調べられるようにすること。
   エ  イの「天皇の地位」については,日本国憲法に定める天皇の国事に関する行為など児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げ,歴史に関する学習との関連も図りながら,天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすること。また,イの「国民としての権利及び義務」については,参政権,納税の義務などを取り上げること。


中学校 社会

第1 目標
  広い視野に立って,社会に対する関心を高め,諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め,公民としての基礎的教養を培い,国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。

第2 各分野の目標及び内容
〔公民的分野〕
  2 内容
  (3)私たちと政治
    ア  人間の尊重と日本国憲法の基本的原則
       人間の尊重についての考え方を,基本的人権を中心に深めさせ,法の意義を理解させるとともに,民主的な社会生活を営むためには,法に基づく政治が大切であることを理解させ,我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われていることの意義について考えさせる。また,日本国憲法が基本的人権の尊重,国民主権及び平和主義を基本的原則としていることについての理解を深め,日本国及び日本国民統合の象徴としての天皇の地位と天皇の国事に関する行為について理解させる。
    イ  民主政治と政治参加
       地方自治の基本的な考え方について理解させる。その際,地方公共団体の政治の仕組みについて理解させるとともに,住民の権利や義務に関連させて,地方自治の発展に寄与しようとする住民としての自治意識の基礎を育てる。また,国会を中心とする我が国の民主政治の仕組みのあらましや政党の役割を理解させ,議会制民主主義の意義について考えさせるとともに,多数決の原理とその運用の在り方について理解を深めさせる。さらに,国民の権利を守り,社会の秩序を維持するために,法に基づく公正な裁判の保障があることについて理解させるとともに,民主政治の推進と,公正な世論の形成や国民の政治参加との関連について考えさせる。その際,選挙の意義について考えさせる。
(内容の取扱い)
  (4)内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
    ア  アについては,日常の具体的な事例を取り上げ,日本国憲法の基本的な考え方を理解させること。

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