学習評価の改善に関する主な論点(案)

1.育成すべき資質・能力と学習評価の在り方について

育成すべき資質・能力に基づく教育課程の構造化と学習評価の改善を一体的に進めていくためには、どのような改善が必要か。

○教育目標の構造と学習評価の関係(「目標に準拠した評価」のさらなる実質化)

○資質・能力の三つの柱それぞれの性質を踏まえた、ふさわしい評価の在り方
・観点別評価(学習状況を分析的に捉える)
・個人内評価(一人一人の良い点や可能性、進歩の状況について評価する)

○資質・能力と学習評価の在り方を踏まえた、指導要録の在り方
(参考)「指導に関する記録」の記載事項
・「各教科の学習の記録」として「観点別学習状況」と「評定」
・「総合的な学習の時間の記録」
・「特別活動の記録」
・「行動の記録」
・「総合所見及び指導上参考となる諸事項」
・「出欠の記録」

○学習評価に関する、学習指導要領、解説、教育課程部会報告、指導要録の改善に関する通知、国立教育政策研究所作成の参考資料等の意義や関係性の再整理

2.観点別学習状況の評価の在り方について

現行の評価の観点(平成22年通知)は、「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」の四観点を基本としているが、これらは、学校教育法改正(平成19年)で明確に示された、学力の三要素を基にしたものであり、基となる考え方の要素は三つである。こうした関係性を更に分かりやすくするとともに、「論点整理」を踏まえ、評価の観点と資質・能力の関係をより構造化していくためには、どのような改善が必要か。

○「論点整理」の考え方と教科の特性を踏まえた、評価の観点に関する共通的な考え方の整理
(三つの観点で整理することについて考えられるメリット)
・教科の目標と評価の観点が対応することにより、指導と評価の一体化をより円滑に推進する。(教員の負担も軽減される)
・評価における学力の三要素のバランスがよくなる(四観点では「知識」「技能」の比重が相対的に大きいように受け止められる)
・教科・校種を超えて共通の整理をすることにより、評価の改善に向けた学校や教育委員会の組織的取組等を行いやすくする
(教科の特性)
・体育の「思考・判断」、音楽の「音楽表現の創意工夫」「音楽表現の技能」のように「思考・判断・表現」の「表現」と各教科固有の「表現」との違いに留意が必要なもの
・国語、外国語、芸術系教科等で、「思考・判断・表現」と「技能」が不可分であるとされているもの
・保健分野の「技能」、芸術系教科の「知識」等、対応する観点が示されていないもの

○「知識」の意味について、知識の習得・構造化と発達の段階を踏まえた評価の考え方について

○「思考・判断・表現」の評価の在り方について

○「主体的に学習に取り組む態度」と現行の「関心・意欲・態度」の関係性の整理や、具体的な評価の在り方について

3.各学校における学習評価の質を高めていくために必要な取組等について

各学校における、学習評価に対する取組を活性化するためには、どのような考え方の整理や取組上の工夫が必要か。

○カリキュラム・マネジメントと学習評価の関係について

○年間計画と単元、授業の組み立て方と評価の場面について

○診断的評価、形成的評価、総括的評価の意義と在り方について

○多様な学習活動や学習成果の評価について

○アクティブ・ラーニングの視点との関係について

○教職課程や研修の中における評価の扱いについて

○ICTの活用について

4.学習評価を子供一人一人の自己評価につなげ、学習意欲を高めていくために必要な取組等について

学習評価を、子供一人一人の「学びに向かう力」の向上につなげていくためには、どのような工夫が必要か。

○学習評価と「メタ認知」の関係

○子供一人一人が、自らの学習状況やキャリア実現を見通し振り返ることができるようにするために仕組みの在り方

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