教育課程部会 情報ワーキンググループ(第6回) 議事録

1.日時

平成28年3月15日(火曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省東館3階3F1特別会議室
東京都千代田区霞が関3‐2‐2

3.議題

  1. 情報教育の改善充実について
  2. その他

4.議事録

【堀田主査】  それでは、おそろいになりましたので、定刻より少し早いのですけれども、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会の情報ワーキンググループの第6回を開催いたします。
本日もまたお忙しい中、御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
まず、最初に事務局から配付資料について確認願います。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。本日は、議事次第に掲載しておりますとおり、資料の1から資料の4、参考資料は1、タブレット端末には関連資料、本ワーキンググループの前回までの配付資料等をデータで入れております。不足等がありましたらば、事務局までお申し付けいただければと思います。

また、前回、前々回の本ワーキンググループにおけます主な御意見につきましては、次回、配付させていただきたいと思います。御了承いただければと思います。
以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございます。
本日は、初めに、総則・評価特別部会における検討の状況につきまして、御報告をいたします。こちらにつきましては事務局から、大杉室長、御説明お願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。それでは、少しお時間を頂きまして、本日、資料の1、資料の2、それから資料の3を順に説明させていただければと思います。
資料の1と資料の2は、これまで各ワーキング等で資質・能力の整理、学習プロセスの在り方の整理を進めていただいていることを踏まえまして、全教科共通の考え方として、総則・評価部会で御議論を頂きましたものです。
まず資料の1ですけれども、アクティブ・ラーニングの視点と資質・能力の育成との関係についてということでございます。特に深い学びを実現する観点からということでおまとめをいただいております。本ペーパーの趣旨を踏まえながら、引き続き資質・能力の整理、あるいはこのたび見方・考え方という言葉が出てきておりますけれども、これの明確化、学習プロセスの在り方、それらと指導内容の構造化ということについて引き続き御検討いただきたいということでございます。
1ポツでございますけれども、アクティブ・ラーニングの視点、論点整理において、学びの量とともに質や深まりが重要であるということで、深い学び、対話的な学び、主体的な学びの三つの視点ということが提示されたところでございます。
これにつきましては、こうした学びの改善が、各教科の内容的な理解を深めながら、育成すべき資質・能力を身に付けるということで重要であるということ。また、こうしたことが学ぶことの意義や社会との関係の実感につながり、子供たちの内発的な学習への動機付けを高めるということでございます。
論点整理にも既に指摘されておりますように、型に着目した理解がなされているのではないかという懸念、これについては、特定の学習指導の型や方法の在り方ではなくて、不断の授業改善の視点であることに留意するということでございます。
一方で、学校現場からは理念だけではなく、具体的な実践例も求められているところでございます。こうした実践例につきましては、様々な型や方法の種類を紹介するということではなく、視点に基づいてどのように授業が改善され、子供たちのどのような変容につながったかという授業改善の実践例の蓄積と普及がなされるべきであろうということでございます。
2ページ目でございますけれども、様々な型や方法ということは、そうした授業改善の一つの手段としてその効果が検証され、不断に見直されていくべきものと考えるということでございます。
続きまして、深い学びでございますけれども、深い学び、対話的な学びや主体的な学びに比べて、具体的なイメージがつかみにくいという指摘があるところでございます。現在、教科等のワーキングにおきまして、まさに深い学びの在り方、教科の特性に応じて議論中でありますことから、まだ具体的なイメージが示されていないということもその一因であろうかと思います。
現在、各ワーキングの議論の中で深い学びの視点の具体化を図っていただきたいということ。そして複数の教科等別ワーキングにおきまして、資質・能力の育成や学習の深まりの鍵となるものとして、各教科の特性に応じ育まれる見方や考え方が重要ではないかという検討がなされているところでございます。これについては後ほど御紹介をさせていただきますけれども、こうした見方や考え方を習得・活用・探究と見通した学習過程の中で働かせながら、思考・判断・表現し、成長させながら資質・能力を獲得していくということこそが深い学びではないかということでございます。
アクティブ・ラーニングの視点に基づく学び、深さを欠くことによる失敗事例も報告されているところでございまして、深い学びの視点が重要であるということ。そして先生方には、こうした深い学びを通じて、子供たちの教科等の内容的な理解に責任を持ち、指導内容を組み立てる力量を高めて、しっかりと分かりやすく教えるということも含めて子供たちに関わっていくことが求められるということでございます。
次に、見方や考え方についてでございますけれども、これ自体は新しい概念ではございませんで、現行指導要領においても、各教科において様々扱われているところでございます。一方で、その内容については必ずしも具体的に説明されていないというのが現状でございます。
3ページ目でございますけれども、見方や考え方とは何かということを改めて整理するとすれば、様々な事象等を捉える教科ならではの視点や思考の枠組みであると考えられるところでございます。後ほど、また各教科ワーキングの議論の中で御紹介をさせていただきますけれども、こうした見方や考え方、資質・能力の三つの柱にそれぞれ深く関わっているのではないかということでございます。知識・技能を構造化して身に付けていくために不可欠であるということ。また、見方や考え方の成長により、思考力・判断力・表現力が豊かなものとなっていくということ。また、どのような見方や考え方を通じて社会や世界に関わるかということが、学びに向かう力や人間性の育成に大きく関わってくるということでございます。
そうした見方や考え方を働かせる深い学びということを通じて、子供たちが見方や考え方それ自身を成長させながら資質・能力を身に付けていくということ。そしてその際には子供たち一人一人の見方や考え方の困難さを捉えていくということも重要であるということでございます。
そして3ポツですけれども、教科横断的な学びということの意義でございますが、例えば国語において育まれた見方や考え方が言語活動を通じて他教科の見方や考え方の成長にも役割を果たすなど、相互に影響をし合いながら成長していくものではないかということ。特に総合的な学習の時間などにおいては、各教科における見方や考え方を総合化・統合化させながら、より広範な事象を捉えたり、一つの事象を多面的・多角的に捉えたりということが可能になるのではないかということでございます。
5ページの図は、まだ未整理のものでございますので、今後、再整理をしていく予定でございますけれども、三つの柱ということと見方や考え方、そしてそれを働かせる深い学びということが密接に関連しているということでございます。こうしたことも踏まえながら今後の御議論をお願いできればということでございます。
続きまして、資料の2でございますけれども、学習評価につきましても、今後の共通の方向性をおまとめいただいているところでございます。目標に準拠した評価を資質・能力の育成の観点から実質化していくために、以下のような方向性に基づき御検討いただきたいということでございます。
育成すべき資質・能力を踏まえた目標や内容の明確化ということで、これは既に三つの柱を御議論いただいておりますけれども、こうした三つの柱に基づく各教科等の目標の構造化が、ひいては学習評価の改善にもつながるということでございます。また、先ほどの見方や考え方の明確化、それから指導内容につきましても、資質・能力の三つの柱との関係性を明確化して構造化を図るということ。そして三つの柱に基づき整理を頂いておりますけれども、これらは相互に関係し合いながら育まれるものでもございますので、そうした関係性については総則などで示していく方向でということでございます。
それから観点別評価についてでございますけれども、観点別評価、前回改訂時に、既に学力の三要素との関係性が整理されたところでございます。これにより観点の趣旨が明確化され、実施率も高い状況であるということ、また、見取るのが難しいとされてきました思考・判断・表現の評価の在り方に関しても、様々な実践が進展しているということ。一方で、子供たちの資質・能力の育成に向けた指導と評価の一体化という観点からは、まだまだ質的な改善の余地があるのではないかという指摘もあるところであります。
こうしたことを踏まえながら、目標に準拠した評価の実質化や、教科・校種を越えた共通理解に基づく組織的な取組を促す観点からは、別添イメージを踏まえつつ、観点と趣旨を検討することということでお願いしたいということでございます。具体的な観点の書きぶりや趣旨については、教科の特性を踏まえた表現ぶりを御検討いただきたいということでございますけれども、ページ番号で5とついておりますが5ページ目、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度ということとしております。具体的な観点の書きぶり、趣旨の書きぶりについては各教科の特性を踏まえて御検討いただきたいということでございますけれども、このイメージを踏まえながら御検討いただきたいということ。
そして表に戻っていただきますと、観点別評価につきましては、毎回の授業で全てを見取るのではなく、カリキュラム・マネジメントの考え方の下、単元や題材を通じたまとまりの中で評価の場面を適切に設定していただきたいということ。また、各教科で御検討いただいております学習プロセスの中で、評価の場面との関係性も明確にできればよいということでございます。
2ページ目、一つ目の丸から、三つの観点それぞれについてでございます。知識・技能については、事実的な知識のみならず構造化された概念的な知識の獲得に向かうことや、一定の手順に沿った技能のみならず、変化する状況に応じて主体的に活用できる技能の習熟・熟達に向かうことが重要であるということでございます。一方で発達の段階に応じて、どこに重点を置くのかということについては様々な整理が考えられますので、各教科等の特性や発達の段階に応じて、どのような知識・技能を獲得することが求められるのかを明確にできるよう工夫していただきたいということでございます。
思考・判断・表現につきましては、先ほどの見方や考え方を用いた学習プロセスの中で評価していくということ。どのような思考・判断・表現が求められるのかを明確にしていくこと。その際、思考力・判断力・表現力は一足飛びに成長するということよりは、一定の時間を掛けて成長していくということで考えられますので、学年等を超えた整理が必要であることにも留意することということでございます。
主体的に学習に取り組む態度につきましては、資質・能力の柱との関係性を整理していただいております。学びに向かう力・人間性でございますけれども、この中には、主体的に学習に取り組む態度として観点別評価を通じて見取ることができる部分と、評定にはなじまず、こうした評価で示し切れないことから個人内評価として見取る部分があるということでございます。
このうち、主体的に学習に取り組む態度については観点別評価でということになりますけれども、挙手の回数やノートの取り方などで評価するということが行われているという指摘がございます。そうではなく、子供たちが学習に対する自己調整を行いながら、粘り強く思考・判断・表現しようとしたり、知識・技能を獲得しようとしたりしているかという意思的な側面を捉えて評価することが重要であるということでございます。本来であれば、このことは現行の関心・意欲・態度についても同じ趣旨でございますけれども、なかなか誤解が払拭し切れないという問題点が長年指摘され、現在に至るというところでございます。これを踏まえて関心・意欲・態度を改め、主体的に学習に取り組む態度とするということでございます。こうした趣旨に沿った評価が行われるように、見通しや振り返りなど評価の場面を適切に設定していくということでございます。
また、観点別評価の観点について、現行で示されていない要素がある教科については、明確にされるように御検討いただきたいということでございます。
3ページ目、指導要録でございますけれども、こうした方向性を踏まえた指導要録の在り方、総則・評価部会の議論も深めながら専門的に検討していくということでございます。
また、指導要録に加えまして、子供一人一人が自らの学習状況やキャリア形成を見通し振り返ることができるようにするための仕組みを考えていくということでございます。
また、こうした学びのポートフォリオや個々の学びの特性が校種を越えて共有されるような仕組みの在り方を検討していくということでございます。
こうした点も含めて、残された論点につきましては、引き続き総則・評価部会において検討されることになっております。
それでは、続いてで恐縮ですけれども、資料の3の方で、各学校段階別・教科等別ワーキンググループの進捗状況の御報告をさせていただきます。まだまだ議論の最中で、横並びがとれていないところも多々ございますけれども、少しごらんいただきまして、全体の様子を御理解いただければと存じます。
まず、総則・評価部会は、ほぼ先ほど御説明させていただいたとおりですけれども、右下に3ページという番号が振ってあるところをお開きいただけますでしょうか。学習指導要領の構成と改善の視点ということでございますけれども、社会に開かれた教育課程の理念の実現に向けて、総則を分かりやすく構造化していくということで御検討いただいております。例えば学校段階別に全体を通じて育まれる資質・能力の明確化でありますとか、アクティブ・ラーニングの視点、カリキュラム・マネジメントの考え方、あるいは特別支援教育も含めて教科横断的に検討すべき事項ということをこの中に盛り込みながら、全体の構造を見直していくということを検討しているところでございます。
その後の資料は既に御紹介をさせていただきましたので、省略をさせていただきます。
42ページ目が幼児教育部会における検討事項でございます。
おめくりいただきまして、45ページでございますけれども、幼児教育におきましても資質・能力の三つの柱ということを、これはより総合的に育むということでございますが、重視しながら育成をしていくということ。そして真ん中より下にございますけれども、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿ということを明確にすることにより、小学校教育への円滑な移行ということを目指していくということでございます。
また、51ページをおめくりいただきますと、幼児教育における学びの過程のイメージということでございます。幼児教育における遊びを通じた学びのプロセスの中で、深い学び、対話的な学び、主体的な学びとしてどのようなことが実現されることを目指しているかということ。その中では小学校以上の学びにつながるような様々な気付きや発見ということがあるということでございます。
そして52ページ目には具体的に、5歳児の12月の例ですけれども、具体的な遊びのプロセスの中で、どのような深い学び、対話的な学び、主体的な学びが実現されているかという例を、これは他の学校種の先生方にも幼児教育の意義ということを御理解いただくために整理をいただいているものでございます。
続きまして54ページ、言語能力の向上でございますけれども、国語科、外国語科を通じて言語能力をどのように育んでいくかという整理をいただいております。
55ページ目にございますように、真ん中の思考力・判断力・表現力のところでございますけれども、言語の側面ということを創造的思考(とそれを支える論理的思考)の側面、感性・情緒の側面、他者とのコミュニケーションの側面という3つの側面から考えて、それぞれの資質・能力の整理をいただいているところでございます。
そして具体的に56ページ目のように、情報(テクスト)を理解し、文書や発話による表現というプロセスの中で、どのような資質・能力の要素が働いているのかという整理をいただいているところでございます。
これを踏まえまして、国語ワーキングにおける検討が進んでいるところであります。57ページ目でございます。
58ページ目にございますように、先ほどの言語の3つの側面を踏まえながら、三つの柱の資質・能力の整理をしているところでございます。
そして59ページ目が、それを幼小中高の発達の段階の中でどのように育んでいくかということ。
60ページ目、61ページ目につきましては、先ほどの資質・能力の3つ柱を小中高、小学校が赤で、中学校が緑、高校が青ですけれども、それぞれどのように育んでいくかということ。
そして62ページ目は、先ほどの言語能力の思考のプロセスを国語の学習活動に整理し直したものでございます。話すこと、聞くこと、そして次のページが書くこと、読むこと、それぞれの要素を思考のプロセスを踏まえながら整理をし直しているということでございます。
また、64ページ目は高等学校における国語科の課題でございますけれども、話すこと、聞くこと、書くことに関わる能力の育成の重視なども踏まえまして、65ページ目にございますような科目構成、共通必履修科目を2つに分けて考えていくということ。また、選択科目を4つということでございまして、この新科目の具体的な内容を現在、検討いただいているところでございます。
66ページ目、外国語でございますけれども、少し資料が少ないのですが、68ページ目が三つの柱、そしてこれに基づいて外国語では指標形式の目標ということで、ここには付けてございませんけれども、かなり詳細な目標設定を御検討いただいているところでございます。
69ページ目がコミュニケーションを重視した外国語教育のプロセスでございます。
70ページ目が高等学校の地歴・公民でございます。
まず歴史でございますけれども、71ページ目にございますように、歴史を考察する手立てを用いて、現在の諸課題の歴史的背景を追究する力を育むということでございますけれども、72ページ目にございますような、様々な基軸となる問いということを追究することを通じて歴史の学び方を身に付けていくということを重視するということでございます。
また、73ページ目にございますように、新しい共通必履修科目、歴史総合と選択科目2つの関係性。歴史総合で学習した歴史の学び方を活用しながら、それぞれ世界史に関わる探究科目、日本史に関わる探究科目ということで学んでいくということでございます。一部内容は、時代的には重なってくる部分もございますけれども、歴史総合で学んだことを、それぞれ広げたり、深めたりする学習を行うということで、その関係性を示したものが74ページ目の例でございます。
それから75ページ目は新科目、地理総合でございます。地理的な見方や考え方を育む科目ということでございますけれども、76ページ目にございますように、基軸となる問いということを重視した授業展開の中で、必要な資質・能力を育んでいくということ。
そして77ページ目には新選択科目でございますけれども、地理総合で育んだ力を基に世界の諸事情の規則性や傾向性などを系統的に、また、世界の諸地域の構造や変容などを地誌的に考察した上で、地理的な探究を行うという場でございます。
78ページ目にはそれぞれ新科目、選択科目、共通必履修科目含めて、どのような資質・能力を育んでいくかということを三つの柱で整理したものでございます。
79ページ目は新科目の公共でございます。公共の扉ということの中で、様々な選択・判断の基準となる考え方ということを身に付けながら、80ページ目にございますように具体的な社会的事象について追究・考察するということ。
そして81ページ目にございますように、持続可能な社会作りの主体となるための主体的な探究を行う、こういった科目構成を考えているところでございます。
そして82ページには、そういった共通必履修科目公共と、選択科目倫理・政経との関係性が整理されてございます。
具体的な中身は83ページ目が倫理の新選択科目の内容、84ページ目が政経の新選択科目の内容ということでございます。
そしてそれぞれについて、85ページ目にございますような三つの柱の資質・能力ということを整理しているところでございます。
これらが86ページ目にございますような、小学校、中学校の社会科の資質・能力とつながってくるということ。
そして88ページ目にございますように、小中高を見通した観点の中で、思考力・判断力・表現力を丸1から丸4までに整理されておりますけれども、育んでいくということ。
そして89ページ目にございますような、社会的事象の見方や考え方ということでございます。この中に地理的な見方や考え方の位置や空間的な広がりと関わりに着目して見出すということ。それから歴史的な見方や考え方、時間的な推移や変化などに着目して見出すということ。それから現代社会を捉える見方や考え方、個人と社会の関係に着目して見出していくということ。そして見出した社会的事象を様々比較分類したり、総合したり、あるいは生活と関連付けたりして追究していく、これが社会的事象の見方や考え方ということでございます。
90ページ目には、そういった見方や考え方を使いながら問いを探究・追究し、概念的な知識を獲得していくというイメージが90ページ目でございます。
そして91ページ目には、そうした見方や考え方を使った具体的な課題探究的な学習プロセスの例ということでございます。この中で、下半分にございますような、知識・技能、思考力・判断力・表現力、態度などが育まれていく、こういった場面で評価として見取っていくということでございます。
それから92ページは、これも新科目でございますけれども、数理探求でございます。
93ページ目に数理探求の構造についてということでございますけれども、教科の科目の枠に捉われない総合的な視点で、科学的な見方や考え方と数学的な見方や考え方を融合させながら、探究的な学習を行うことを通じて、新たな価値の創造に向けて粘り強く挑戦する力の基礎を養う、培うという科目でございます。
その構造性を示したものが94ページでございまして、具体的なプロセスは、95ページ目のとおり理科とほぼ同様でございますけれども、96ページ目にございますような、探究的な活動を自ら遂行するための知識・技能ということも含めて、三つの柱の中で育んでいくということでございます。
97ページ目にございますように、2つの段階ということを考えております。基礎の修得段階と探究を深める段階。基礎の修得段階におきましては、探究に必要な知識・技能を少し知識としてしっかりと身に付けさせるというようなプロセス。そしてより主体的に課題を探究するということが探究を深める段階ということで、現在のSSHにおける様々な取組も参考にしながらこういう構造を考えているところでございます。
98ページ目にはそうした学びと実際に必要な諸条件、それから大学での学びに高大接続の議論の中でどのようにつないでいくかというイメージ図でございます。
それから99ページ目は、先ほどの総合性・融合性・国際性・挑戦性など、数理探求の背景となった様々な考え方を整理したものでございます。
算数・数学ワーキングでございます。これにつきましても他教科と同様ですけれども、101ページ目のような幼小中高の見通しということ。
102ページ目のような三つの柱、そして103ページ目にございますように、現実の世界と算数・数学の世界を少し行ったり来たりしながら、問題発見・解決のプロセスを進めていくということ。そしてその中で、次のページにございますような、日常の事象を数理的に捉えたり、それに対して問題解決に向けて見通しを立てたりというような思考・判断・表現がどのように働くかということを整理したものでございます。
そして問題発見・解決を繰り返していくことによって、見方や考え方がどのように成長していくかということを105ページ目で整理をしているところでございます。
106ページ目、理科ワーキングです。これも107ページの幼小中高のイメージ、108ページ目での三つの柱に沿った整理をしています。
そして見方や考え方については109ページ目にございます4分野4領域、エネルギー、粒子、生命、地球、それぞれについてどのような見方や考え方を育むということなのか。そして小中高でそれがどのように成長していくことを目指すのかということを整理いただいているものでございます。
そして111ページ目が具体的な学習課程の例ということ、そして112ページ目には、既に評価の三つの観点も整理をいただいているところでございます。
芸術ワーキングも同様でございますけれども、書道の三つの柱が114ページ、具体的な学習プロセスの在り方、書表現との出会いから様々な表現あるいは鑑賞ということ、相互に関連させながらどのように学習のプロセスが深まっていくのかというイメージが115ページ。
そして美術、工芸、図画工作が、116ページから119ページまでが三つの柱でございまして、120ページ目が美術、工芸における発想や構想あるいはその鑑賞、そして創造的な技能ということが共通事項といわれる形や色、イメージなどを捉えるということを中心に、どのように回っていくかということ。
そしてそれが深まることによって121ページ目のように、視点が生活や社会を豊かにしていくということにつながるということでございます。
122ページ目は音楽でございます。これも三つの柱と、125ページ目が、これも表現領域、鑑賞領域がどのように関わりながら資質・能力が高まっていくかという学習プロセスのイメージでございます。
126ページ目は家庭、技術・家庭でございます。
127ページ目、技術分野における小中高、中学校の技術分野でございまして、小学校の学びがどのように生かされ、そして高等学校の情報にもどのようにつながっていくかということ。
128ページ目は三つの柱でございます。
そして129ページ目は技術分野、それぞれの分野別にも、領域別にも見方や考え方ということを整理していただいております。生活や社会で活用されている技術について、物質、生物、エネルギーや情報の特性ということに着目しながら、問題解決するに当たり倫理観を持ち、安全性等を踏まえつつ、それらを最適なものとするということに向けて思考判断を行っていく、これが技術の見方や考え方ではないかということ。
そしてそれを活用しながら問題解決を行っていくという130ページ目のイメージ、そしてその中でどのような資質・能力が育まれるのかということ。
131ページ目は、そうした見方や考え方、資質・能力を踏まえて内容構成のイメージであります。内容構成につきましては、学習プロセスということを踏まえながら内容の構造化を図っていただいているということでございます。
132ページ目は家庭分野の幼小中高、そして133ページ目が三つの柱、そして家庭分野における思考力・判断力・表現力、そして135ページ目が家庭科における協力・協働などの見方や考え方ということ、そして136ページ目は、課題解決のプロセスと資質・能力の関係性、そして137ページ目以降が、そうしたことを踏まえた内容の構造化でございます。小中高の系統性や既存の内容との関係性、見方や考え方を踏まえた内容の改善を図るということでございます。
情報につきましては飛ばさせていただきまして、体育・保健体育、150ページ目でございます。
151ページ目が幼小中高の見通しということ、そして152ページ目が三つの柱ということでございます。
そして155ページ目が学習プロセスと資質・能力の関係性、157ページ目から深い学び、対話的な学び、主体的な学びの具体的なイメージ、そして159ページ目はまだまだ議論中でございますけれども、体育・保健体育における見方や考え方とは何かという整理でございます。
160ページ目が生活総合でございますけれども、161ページ目は総合的な学習の時間を中心としたカリキュラム・マネジメントのイメージ、162ページ目は、これは生活科の三つの柱、そして163ページ、164ページ目は少し幼児教育とも呼応させるような形で、生活科の学びのプロセスを整理しております。
165ページ目は総合的な学習の時間の三つの柱、そして166ページ目以降は探究のプロセスと育成すべき資質・能力の関係を小中高と整理をいただいております。
170ページ目が特別活動でございます。幼小中高。
そして人間関係形成、社会参画、自己実現ということを重視しながら、171ページ目、172ページ目、173ページ目は構造の整理を行っているところでございます。
174ページ目が三つの柱、そして175ページ目以降が、特別活動における各活動の意義や役割を少し活動別に整理をしたものでございます。
また、キャリア教育につきましても、三つの柱で179ページ目のような整理をし直しているところでございます。
産業教育につきましても、同様に181ページ目の小中高、それから182ページ目のような三つの柱と見方や考え方の整理ということをいただいているところでございますので、こうした全体像も踏まえながら、本日の議論をお願いできればと存じます。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。大変詳しい御説明を頂きまして、私どもの理解も進んだかと思うわけですが、総則・評価特別部会で議論されていますアクティブ・ラーニングの話と学習評価の話と、もう一つは各教科等で議論されている学習内容の整理の状況のお話をいただいたわけでございます。
資料を見ていただいてお分かりのとおり、情報については、まだ僕ら議論をしていますけれども、きれいな図とか、構造というか、手順というか、そういうところにまだ落とし込めていなくて、そういうのが情報活用能力として重要だと言っている割にちょっと説得力がないということになってしまいますので、きょう中身を詰めた後に、これをしっかりと整理していくということをやるということになります。
各教科等の縦横の連携というのがありまして、そこで私どもの情報ワーキングの検討状況は、4月4日の総則・評価特別部会に、それを持っていくということになります。ですのできょう皆さんの議論、第6回の議論を踏まえ、事務局で各教科等とずれのないようにうまく整理したものを、4月4日に私が代表で御報告してくるという算段になっておりまして、そういう意味では非常に重要な局面に今来ているということでございます。
まず、今の大杉室長の、特に他教科のことも聞くいいチャンスでしたので、何か御質問とか御感想とか何かありましたら頂きたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
小原委員。
【小原委員】  大変詳しい説明ありがとうございました。1点質問させていただけるとありがたいのですが、前回のワーキングでも御質問させていただいた件につきまして、教科情報の中では、問題解決ということを非常に重く受け止めて、直接的にそれを扱ってきたようないきさつがあります。今いろいろな各教科科目のところを拝見すると、例えば最後に出てきた学級(ホームルーム)活動ですと、問題の発見・確認、解決方法の話し合いですとか、問題解決のプロセスがまさにここに出てきているわけなのですけれども、それぞれの各教科科目の中で問題解決学習というのがそれぞれ行われているとは思うのですが、それをどの学齢、どの小中高の段階で、どういうような内容をどの程度までやるのか。例えば問題発見は非常に重要だと言っているのですけれども、問題発見をするにしても例えばいろいろな思考ツールがあります。そのような議論というのは、いわゆるカリキュラム・マネジメントみたいな形に全体の流れとして大きく情報科にも関わってくると思うのですが、そのあたりの議論というのは進められているのかというのが1点と、あと、もしそれが、まだなかなか難しい様子であれば、私たち情報科として、直接的に問題解決を扱うのであれば、自分たちの問題解決の定義ですとか、あるいはどのように捉えていって学校の現場の授業の中に落とし込んでいくのかというのは、僕らである程度、情報科として考えていって構わないという形になるのか、その辺のところはいかがなのでしょうか。
【堀田主査】  はい。
【大杉教育課程企画室長】  そうですね、各教科の特性に応じて、問題解決のプロセスの発達の段階に応じた落とし込み方というのがいろいろあるということが見えてきております。例えば理科でありますれば、その問題解決のプロセスの中で、例えば比較するということはこの学年に重点的にやろうということで意図的に指導内容に落とし込んでいるですとか、そういったやり方もありますし、一方で数学のように、プロセス自体が発達の段階で大きく変わるわけではなくて、その中で扱っていく内容が変化するということで成長していくということがあるのではないかというプロセス、教科の特性に応じて様々な考え方があるということが見えてきております。それをまさに統合して総合的に見ていくのが、総合的な学習の時間もそうだと思いますし、情報科ということでも非常に重要になってくると思いますので、総合的な学習の時間において、どのような探究のプロセスを小中高でイメージしていくのかということ。そして情報でも今、御議論いただいていると思うのですけれども、この情報Ⅰにおいて、どんな問題解決のプロセスをイメージしながら、子供たちに身に付けていくことを想定していくのかという、もう少し見えてくると、各教科にとっても、そことの関連性が図りやすいということで、是非、御議論を深めていただきたいと思います。そういったことを含めて全体的な議論をまとめ上げていくのが、恐らく高校部会なり小中部会、あるいは総則・評価部会ということになってこようかなと思います。
【堀田主査】  ありがとうございました。多分、問題解決というのは、そもそも学びがそういう方向に向かっているとすると、各教科で各教科なりのというのがあるのだとすると、逆に情報科らしい問題解決というのをどうするかというのを、うちの教科の物の見方・考え方としてしっかりと明確に出すということが必要だということなのだと思います。
ほかに何か質問、ございますでしょうか。
柴田委員、どうぞ。
【柴田委員】  これから、アクティブ・ラーニングの話になってきますが、アクティブ・ラーニングは「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び」ということで、「課題発見・解決」となります。その一方で、教科「情報」の中では、「問題解決」という言葉になります。自分の中では、それぞれこういうことなのだろうなという定義をしているのですけれども、どこかのワーキングで、この「課題」と「問題」という言葉の違いを定義しているのかというのをお聞きしたいのですが。今、手元の資料を見ても問題解決と課題解決が両方混在しているので、そこはいかがでしょうか。
【大杉教育課程企画室長】  幾つか同様の課題がありまして、課題なのか問題なのか、キョウドウのドウはどの漢字なのかという、少し横断的な考え方を整理していかなければならない用語が幾つかございます。整理が簡単なものと比較的難しいものとありまして、課題なのか問題なのかという比較的難しい方の部類に入るものであろうと。それは、様々な学問分野それから教科の中で、それぞれの定義がなされてきているところがございます。その中で、問題の方が広い、あるいは課題の方が広い、あるいは問題は発見するもので課題は与えられるものだというようないろいろな説明がされてきているところがございます。これは正直、一筋縄ではいかない整理でございますけれども、統一させるのか、若しくは場合によって使い分けるのか。場合によって使い分ける場合には、どういう場合にこの言葉を使うのかという整理は少なくとも必要だと思いますので、それは恐らく総則・評価部会なり企画特別部会のところで一度やることになると思います。
【堀田主査】  詳しい説明ありがとうございました。
白水委員。
【白水委員】  簡単な確認ですけれども、見方や考え方という言葉が今回出てきたのですが、前回の論点整理のときには、思考力・判断力・表現力の下の方に、「教科等の本質に根差した見方・考え方等」と使われておりました。今回、例えば資料1の5ページの、まだ途中だという図だと、全部に関わるような形として位置付けられているのですが、これは同じ用語だと考えていいのか。今はもう少し広い、教科の精髄とかエッセンスを表現するものとしてこの言葉をお使いになっているかというあたりをお聞かせください。
【大杉教育課程企画室長】  今回の整理で、論点整理の整理を上書きさせていただいていると捉えていただければと思います。論点整理当時は、見方や考え方を使ったプロセスということで、思考・判断・表現のところに整理をしているようなことですけれども、いろいろ教科の議論を進めていただきますと、やはり思考・判断・表現だけではなくて、知識・技能、それから態度の方に幅広く関わってくるものなので、ここに閉じ込めないでほしいという意見の方が多かったというところでございまして、これ3つ全てに関わるものとして整理をし直したということで受け止めていただければと思います。
【白水委員】  ありがとうございました。
【堀田主査】  ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
もしなければ、私はこれ、感想ですけれども、公共と倫理・政経とか、歴史総合と何とかのように、うちは情報Ⅰと情報Ⅱでいいのかというのを。例えば情報総合と情報探究みたいにした方がいいのではないかとか、そういう科目名称のことですね、これはどこで決めるのか分からないですけれども、そういうことを思ったというのが1つと。
あとは今、用語の確認の問題と課題の話とか、そういうのもありましたけれども、情報手段というのはどこまでなんだとか、ICTというのは何と定義するんだとかいうことを、各教科等でワーディングするときのそろえとして、僕らもしっかりやらなければいけない部分が今出てきているなというのが、これは常々感じているところです。
大杉室長、大変詳しい説明をありがとうございました。それでは私どもの課題についての議論を進めたいと思います。
本日の議題に入ります。本日も前回に引き続き、高等学校の教科情報の改善について御議論いただくのですが、先ほども申し上げたとおり、4月4日の総則・評価特別部会において、このワーキングの検討状況を報告することになっていますので、今日の会議で主要な論点は一通り御議論いただいて、共通理解をいただいた上で、あとは私どもが預かって、事務的に図とか表とかをほかの教科と合わせる形でいろいろ作っていくという前提で進めていくということになりますので、次回の会議の第7回は総則・評価特別部会の後になりますので、そういう意味で、今日は皆さんに、もう少しここをこうしておいた方がいいのではないかというようなことをいろいろ御意見を頂きたいということになります。
では、事務局より資料について説明をお願いいたします。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  それでは、資料4に基づきまして御説明させていただきます。資料4でございますが、情報科の改善についてということで、本日は3点御議論いただきたいと考えております。1ページ目にございますとおり、検討事項の1といたしましては、これは前回までも御議論いただいておりました、情報科において育む資質・能力は三つの柱に沿ってどのように整理されるのかというようなこと。また、検討事項の2でございますけれども、これは情報科における学び、特にアクティブ・ラーニングはどのようなものと考えられるのかというようなこと。そして検討事項の3でございますけれども、そのことを踏まえまして、情報科における二つの科目におきまして、どのような資質・能力を育み、また、そのためにどのような学習活動を展開すればよいかという3点でございます。
では、1枚おめくりいただきまして、2ページをごらんいただきたいと思います。こちらは前回までにも御議論をいただいておりました情報科において育む資質・能力につきまして、三つの柱に沿ってどのように整理されるのかというものでございます。これにつきましては前回の御議論を踏まえまして、2番の思考力・判断力・表現力等のところの文言を修正させていただいているところでございます。
ページをおめくりいただきまして、資料の6ページ目、7ページ目をごらんいただきたいと思います。こちらは情報科におけます見方・考え方につきまして、これも前回、御議論いただいたところでございますが、前回の御議論を踏まえまして、内容をさらに詳しくさせていただいたものでございます。6ページの左上の方に四角囲みで、文言としてはまとめさせていただいておりますけれども、若干短い表現でございますので、その解説のような形で、その対象、世界の捉え方、そして思考の枠組みにつきまして、少し解説のようなものを書かせていただいております。
なお、ここで、情報技術という言葉につきまして、情報を扱う技術という表現をここではひとまず御提案させていただきたいと思いますが、この用語につきましても御議論をいただければと思います。ともいたしますと、情報技術という表現が、コンピュータのみを表すような、そういった捉え方もあるのではないかということで、情報を扱う技術という表現を作ってみましたけれども、これにつきまして御検討いただければと考えております。
続きまして、8ページ目、9ページ目をごらんいただきたいと思います。これは情報科におけるアクティブ・ラーニングはどのようなものと考えられるかということについてでございます。四角囲みの基本的な考え方の部分は、各教科に共通の部分でございますので省略をさせていただきます。
それから9ページ目にございます対話的な学びですとか主体的な学びは、先ほど教育課程企画室長の説明にもございましたとおり、これは比較的イメージがしやすい部分であろうかと思いますが、深い学びというのが、なかなかイメージがしづらいという御議論がされているところでございます。このことを踏まえまして、8ページの深い学びというところを中心に御議論をいただければ幸いだと考えております。
続きまして、10ページでございますけれども、10ページは、これは論点整理にも示されました各教科の問題発見・解決のプロセスでございますが、それの情報科に適用した場合、どのような学習プロセスが考えられるかというものでございます。上段の方が、上段といいますか中盤ですね、情報科における主な学習過程の例といたしまして、問題の発見、それから問題の明確化等に始まりまして、評価・改善を行い、次の問題解決へ向かうという流れでございます。その中で、情報ですとか情報技術等に関する知識の習得というのがその中に入ってくるというようなもの、そしてICTの効果的な活用場面と活用方法について、これはあくまでも例でございますけれども、こういった場面でこういう活動が考えられるのではないかというものでございます。特に情報科に関しましては、プログラム作品の制作でありますとか、シミュレーション、データ分析、こういったものを行うということが特徴的な活用として考えられるのではないかということでございます。
その下に、青い矢印のところでございますけれども、能力等の育成と主な評価場面ということで、評価につきましては様々な場面で様々な評価が可能であろうと思いますが、主な評価場面としてこうした場面でこういった能力等を評価するということが考えられるのではないかということを整理させていただいたものでございます。
11ページ目からは、以上のことを踏まえまして、情報の、ここで、仮称でございますが、情報のⅠと情報のⅡにおきまして、どのような資質・能力を育み、また、そのためにどのような学習活動を展開すればよいかということでございます。
まず11ページのところでございますけれども、それぞれの科目の方向性といたしまして、情報のⅠにつきましては、そこにございますとおり問題の発見・解決に向けて事象を情報とその有機的な結び付きの視点から捉え、情報技術を適切かつ効果的に活用する力を育むというふうにしてはどうかということ。また、情報のⅡに関しましては、この基礎の上に問題の発見・解決に向けて、情報システムや多様なデータ、コンテンツを適切かつ効果的に活用する力を育む科目というふうにしてはどうかと提案をさせていただきます。
12ページ、13ページにつきましては、これは前回、前々回から御議論いただいております情報のⅠとⅡにおきまして、育む資質・能力、そしてその資質・能力を育むための学習活動の課題設定の例でございます。これも前回の御議論を踏まえまして、その内容を整理させていただいております。
最後、14ページでございますけれども、これは情報科の各項目の構成の考え方を学びとの関連で少し整理をさせていただいたものでございます。情報ⅠもⅡも共通でございますけれども、項目の(1)につきましては、項目の(2)以降の導入として位置付けられるものとして、情報社会との関わりについてですとか、あるいは問題の発見・解決に情報技術を活用することの有効性、こういったことについて考える内容として、項目として位置付けられるのではないかということ。そして項目の(2)以降でございますけれども、それぞれの項目、例えばプログラミングでありますとか、モデル化とシミュレーションでありますとか、そういった項目に応じた情報技術、問題解決の手法等について理解するということが1つあるということと、そして、ここでは丸1、丸2というふうに整理をさせていただいておりますけれども、丸2といたしまして、ただ単に知識を学ぶということだけではなく、具体の問題の発見・解決に、その丸1の方で学びました情報技術を活用すると。そしてさらに、その情報活用を評価・改善する。こういった学習を行うというのが考えられるのではないかということでございます。
そして、この丸2を行うことによりまして、丸1において習得いたしました知識の概念化、正確な表現は、構造化された概念的な知識の獲得ということになろうかと思いますが、こういったことでありますとか、あるいは、先ほど出ております見方・考え方を成長させていくといったことがここで行われるのではないかということでございます。
こういったことを、丸1、丸2を必ずしもその順番に従ってやるということではなく、10ページの学習プロセスの例にお示ししておりますとおり、学びのつながり、広がりというものを意識しまして、これらを並行して学習するということも考えられるのではないか。こういったことを少しイメージとして整理させていただいたものがこの14ページのものでございます。
以上につきまして、御議論、御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【堀田主査】  鹿野調査官は特に、何かありますか。
【鹿野教科調査官】  14ページにつきましては、この(1)と(2)から(5)ということでございますが、まず何を学ぶかということに対してこういうものが必要であろうと。それぞれをというところについて、こういうサイクルの中で学ぶ。知識につきましては、あらかじめ知識をということではなくて、このサイクルの中で学び、それを構造化していくという形が先ほど出ました11ページのプロセスということで見ていただければということで補足させていただきます。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
それでは、今、検討事項1から3までを全て御説明を頂いたということになりますが、議論は1、2、3の順番で、ちょっと別々にやってまいります。時間はさほど十分にはありません。
まず、検討事項1からですけれども、これは具体的に言うと7ページまでということになります。これまでも何度か議論をしてきていますが、きょう、とりわけ説明いただいたのは、2ページの三つの柱の、特に思考力のところですね。ここに「有機的結び付き」とか、「新たな意味」とかいう言葉があるのですけれども、これをどういうふうに、例えば別の言葉に置き換えるとしたらどういうふうにすればいいかみたいなことをたたき台として今出していただいていますので、みなさんのお力で具体的にしていただきたいということですね。もう一つは7ページの図ですね。これも前回の矢印の方向から、いろいろなことから議論がありましたが、というわけでこういうふうに今なってみたんだけれども、これがどうかということ。もう一つは、情報を扱う技術という言い方が、ややもすると情報技術イコールテクノロジーそのものに捉えられてしまい、ほかの教科とかとは相入れないと勘違いされがちなところをうまく緩和する方法として情報を扱う技術というふうに言ってみたものの、これがプログラミングとかモデル化とかそういうことをちゃんとさせるのかどうかということですね。これについては用語をきちんとしなきゃいけないという意味で、議論の対象になると。このあたりまでについて、皆さんの御意見を頂きたいということになります。
どなたからでも結構ですが、7ページまでの範囲で、御意見を頂けますでしょうか。
じゃあ小泉代理、お願いします。
【小泉主査代理】  ありがとうございました。今、大杉室長から他教科の圧倒的なアクティビティーの高さを見せつけられまして、情報科も頑張らなくちゃいけないなと。前置きはさておきまして、検討事項の1の中で見方・考え方というのは、今回とても広い意味の見方・考え方を検討しなくてはいけないと思います。ましては情報科において情報をどのように見るかという、そもそも論が議論されなくてはいけないのだろうと考えます。一口に情報と言っても、例えばデジタル化された情報という考え方もありますし、いわゆる物の知らせみたいな形の本来の情報というのもあって、いろいろな意味の情報があります。それは現行の情報科の中では、多義的に扱われていて、逆にそれが情報科の目標について、ちょっとぶれさせている要因ではあると思います。
具体的な指摘というか提案なんですけれども、2ページの真ん中の、今、主査からありました、「意味」という部分、「複数の情報を結び付けて新たな意味を見いだす」という表現なんですが、従来、情報と情報を組み合わせて新しい情報を生み出すとか、情報に価値を見出すとか、いろいろな表現がされているのですが、あえてここでは「意味」という言葉を使っています。意味というのではなく、1つの案としては、「複数の情報を結び付けて、新たな情報を創出する」とか、あるいは「価値」という言葉を思考力・判断力・表現力のところで使っていいかどうか、これは議論の余地がありますけれども、あえて「価値」というキーワードを使うとか、そういったことを御検討いただいた方がよいと思われます。「意味」というのは、割と汎用的に使われる要素を持っていますので、いろいろな形でとられてしまいがちです。確かに理解面という意味では「意味」は必要ですけれども、情報と情報の中から、「新たな情報」なり、「新たな価値」なりというものが創り出されるという表現で統一したらいかがかなと思います。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
津賀委員。
【津賀委員】  6ページ、7ページのところです。6ページで言えば、「世界をどのように捉えるか」のところで、我々は今まで「分節化」という言葉を特段議論をしてこなかったように思います。専門教科情報科から考えれば、情報デザインと、情報システムが想定されるかと思いますが、果たしてそれでよろしいのかどうか。このあたりも検討した方がよろしいのかと思います。
【堀田主査】  これはこの言葉が使われる背景は何か説明できますか、事務局。「分節化」というのは。とりあえずという感じですかね。
【鹿野教科調査官】  物を見るときに、この分けるということと、そこに何者だというところを意味付けるということがなければ構造、つながりは見えてこないという、その素直なところがここで出させていただいたところでございます。
【堀田主査】  ありがとうございます。
いいですか、今の。これを津賀委員としては。
【津賀委員】  理科の資料において、「粒子」とか「エネルギー」とか分かりやすい、昔から想定される4つの内容で整理されていますので、情報の場合も同様のものが必要なのではないのかと思いました。
【堀田主査】  その場合、何を出すかということになると思うんですけれどもね。基本的には、これは多分システムというのは要素でできていてみたいな、システム的な物の見方みたいな話と関係するのだろうし、情報というのがそもそも影響し合って、作用し合っていて、世の中が動いているみたいなことも理解しなきゃいけないのだと思いますし、この辺の世界観といったらちょっと大げさですけれども、物の見方をどう表すか。それに分節という言葉がいいかどうかとか、意味という言葉がいいかどうかとかいう議論かなと思いますので、何か適切な言葉があれば、むしろ事務局は困っていますので、御意見を頂ければと思うわけです。
柴田委員、お願いします。
【柴田委員】  先ほど質問させていただいたこととつながっているのですが、いろいろな教科で問題解決と課題解決という言葉が整理できていないし、世の中としても混沌としています。ですから、この教科情報の中で、その言葉はこんなふうに整理するよというのを是非チャレンジしていきたいなと思っているんですが、問題解決、課題解決はほとんど同じように使われますけれども、自分の中では、問題というのは自然発生的に迫りくるようなイメージを持っています。一方で、問題設定という言葉は余り使わないですが、課題設定という言葉はよく使われており、設定するのは問題ではなく課題なのかなというふうに思っています。これが正しい定義か分かりませんけれども、是非、ほかの教科では混沌としているものを教科情報の中であえてチャレンジして、世の中で様々な使われ方をしているけれどもこういうものを「課題」、こういうものを「問題」というふうに考えますというような位置付けをしておくと、この後出てくるアクティブ・ラーニングの話と、この教科情報の内容で出てくる問題解決がしっかりと結び付くのではないかと思っています。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
ほかに御意見いかがでしょうか。
小原委員。
【小原委員】  小原です。よろしくお願いします。2点ございます。1点目、今、柴田委員からもお話があったように、問題と課題についてなんですけれども、現行の学習指導要領解説の中にも、問題は理想と現実とのギャップですとか、あるいは解決すべき内容とか、そういうような捉え方として出されています。もし、その解釈をより一歩広げたり、あるいは改めたりするのであれば、はっきりさせていった方がいいのかなというのが1点目です。
2点目なんですけれども、ちょっと話がずれるのですが、6ページの見方・考え方の案で、「情報を扱う技術の適切かつ効果的な活用を模索する」と書かれているのですけれども、一方で科学と技術というのがどのような具体的な違いというか、どのような捉え方の違いがあるのかというのは専門家の方の御意見を伺いたいところでもあるのですが、一方で科学的な理解を通じての情報科の内容を考えましょうというような基本的な考え方もあるわけですので、じゃあ情報の科学的な理解は何だというと、今の現行の学習指導要領の中でも、情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と情報を適切に扱ったり、みずからの情報活動を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解というふうにありますので、例えば情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解ですとか、その辺の認知的な部分の内容をこの見方・考え方の方にも少しは盛り込んでいった方がよろしいのじゃないのかなと考えております。確かに有機的な結び付きの視点から情報を扱い技術の適切かつ効果的な活用だけだと、どうしてもそういう俯瞰的な、理論的な部分というのがちょっと見えにくいのかなと思いました。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
小泉委員。
【小泉主査代理】  今の7ページの話題です。今、柴田委員がおっしゃったような問題と課題の区別ってなかなか難しいのですけれども、多分、個人的な感想で言うと、問題はここに書いてあるように、そこに生起している問題というイメージなのかなと。生起という表現よりはまあ内包とか内在しているということかもしれませんが、問題であるかどうか人間が判断して、そこに問題であることを認知した時点で使う言葉。課題とは何かというと、その問題らしきものが人間にとって評価された上で、解決すべき対象であると判断された時点で課題という表現に置き換わり、解決していく対象を明確にすることで我々は課題を設定し、課題を解決し、理想の状態になる、つまり問題解決されるということになる。 そこで提案ですけれども、この「生起している」という表現は、ちょっと何か勝手に自然界の中に問題が発生しているというのは違うのではないかと。要するに「内包している」とか、そこで内包しているものを人間が評価した上で、それを問題として認めるときに課題設定されるという意味で、この「生起」という部分をちょっと違う表現に変えていただきたい。それから「有機的な」という扱いが、これもまたいろいろな生物、化学とかいう、有機的なというのはいろいろな要素を持っていて、情報が有機的にという表現を使うと、じゃあそもそも情報は有機的なつながりがあって存在しているのかということを明らかにする必要がある。情報というのは人間が認知した上で初めて情報ということになりますので、有機的であるかどうかは、多分、もともとあるものではないだろうと。「有機的な」という表現をちょっと工夫した方がいいかなという2つです。
以上です。
【堀田主査】  ほかに。
野部委員、益川委員の順番でいきます。
【野部委員】  失礼いたします。情報を扱うということで、情報技術という言葉が使われておりますが、これに関しまして、6ページのところを見ますと、「どのような枠組みで思考するか」のところで、「情報の特性や情報技術の特性等を踏まえ」となっております。一方、3ページのところを見ますと「情報手段の特性の理解」となっており、いろいろ情報手段と情報技術が混在しております。情報、情報技術、情報手段という言葉の使い分けが必要かと思われますが、新しい定義が出てきたことによって、難しくなっているような気がいたしております。
もう一つ、情報技術のところですが、情報技術自体が発展し、AIなども変わっていっておりますように、情報技術自体が変化している情報科の1つの特徴ではないかと思いますので、そういう物の見方・考え方というのもどこかに入っていればいいのではないかと思いました。
【堀田主査】  ありがとうございます。
益川委員。
【益川委員】  いろいろ悩みながら見ていたのですが、この情報科における見方・考え方というところで、他の各教科でも問題の発見・解決に向けてた学習活動は扱われますが、情報科の大きな特徴として、恐らくここで書いてある社会、産業、生活、自然等の様々な事象を、情報であるとか情報技術を使うことによって、使わないときと比べて、「よりよく」とか、「より質が高く」とか、従来とは異なるより新しい形で把握することができ、その結果、よりよい、質の高い形で問題の発見・解決につながっていく、それを扱うのが情報科であるというような、イメージで書くのも1つ案かなと思いました。それによって情報科では、新しく革新していく技術を用いるために、いろいろなことを学んで世の中の事象に対して積極的に使えるようにしていくという視点が大事だと思います。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
安藤委員、行きましょう。
【安藤委員】  6ページ目のところの話ですけれども、この「どのような枠組みで思考するか」というところで、やはり「評価する」という言葉がないのはちょっとだけ気になります。それは2つ理由がありまして、1つは、情報という分野がほかと比べて特徴的だというのは、情報そのものが対象になるということと、その情報自身が、また新たな価値の世界を生み出すというところで言うと、情報というのはその技術が新しい情報技術や社会を生み出していく特殊性を持つという、自らを対象にしていくわけですよね。そのときに必ず模索だけではなくて、そのこと自身について評価するというプロセスは、情報の捉え方の中で重要になるのではかということ。もう一つは、先ほどの資料で、資料3の129ページに、この技術分野の見方や考え方の整理というところを先ほど御説明していただいたところですけれども、この技術分野の情報のところでは、思考・判断の例というところにも「評価し」という言葉があります。これは従来の学習指導要領でも「評価する」という言葉が入っていますので、中学校の接続という点からも、思考というところに「評価」という言葉を是非使っていただければなと思います。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
白水委員、中川委員で、ここまでにさせていただきます。お願いします。
【白水委員】  7ページの図で言うと、世界をどのように捉えるかという話と、どのような枠組みで思考するかというこの二つに関わる話です。一つ目の世界をどのように捉えるかというところが、情報の、先ほど代理もおっしゃったような、哲学的な議論に入ってしまうとすごく難しいので、今回使われた「有機的な結び付き」ですとか、「分節化」という言葉を見ると、分野としては、「システム思考」にすごく近いようなところを指摘されているかなと。そういうふうに考えますと、「現象に対してどういう情報を同定して」、「情報の間を関連付けて」「モデル化して」「現象に戻す」というような形の、情報に関する比較的整理されたモデルを立ててしまうと、情報技術の方に行ったときに、例えば情報モラル、セキュリティー、モデルシミュレーション、これ全部、現象からどういう要因を同定して、その関係で捉えて、世界に戻すかということにすごく関わりがあるものになってきますので、情報に関する理解と情報の技術に関する理解の両者が整合的になってくるかなと思いました。それが1点目です。
もう1点は、見方・考え方の最後が「模索する」となっているのが非常に印象的でした。全教科の見方・考え方が見える一覧がどっかにあれば見たかったのですけれども、多分「模索する」というのがないので、そういう意味で印象的でした。これはだから意図を後で伺いたいんですけれども、私から見ると、先ほど野部委員がおっしゃったような、情報技術というのはどんどん変わっていくと考えたときに、情報を扱う技術の適切かつ効果的な活用を「理解する」とかではなくて、模索しながらいいものを見付けていくという意味で、この語尾というのは非常にいいのではないかと思いました。堅持をお願いします。
以上です。
【堀田主査】   中川委員、お願いします。
【中川委員】  先ほど冒頭で出ていました問題と課題という言葉を社会というか会社員はどのように捉えているかというコメントをさせていただきます。私、外資系なものですから、問題はプロブレムで、英語で言うとプロブレムですので、どちらかというとネガティブというか起こってしまった問題でどう解決していかないといけないかという対象として捉えます。一方、課題といった場合にはチャレンジ、少し前向きなイメージで、よりよくするために、今、とりわけ問題があるわけではないけれども、感じていないけれども、もっとよくするにはどうしたらいいかというような場合で使います。特に外国人はこれを積極的に使い分けるというような私は印象を持っていますというのが1つ。結局、とはいえ何か不都合というか変えたいものがあって取り組むわけで、要はマインドセットの問題かなというのがちょっと感じていたところです。すみません、言葉の定義は専門家の方に委ねたいのですが、会社員はそのように使いますということがコメントの一つ。
それから情報を扱う技術というところですけれども、いろいろお話を聞いておりまして、情報をどのように扱うかというメソッド、方法論の問題と、それからそれをどんなツールを使って、コンピュータとかデータベースとか統計手法というような道具を使って行うという二つに分けて整理をしていくと、少し見やすくなってくるかなと。ちょっとすみません、私もまだ随分頭の中が整理できていないのですが、参考として参照すべきかなと思ったのが、コンピューテーショナル・シンキングって、情報処理学科の先生方、どのようにお取り扱いで、翻訳されていらっしゃるのか分からないんですけれども、言われているのは、これはコンピュータの科学技術ではなくて、情報をどう捉えて考えるかということですというのが私の理解なのですが、問題の分解と、それからそこには必ずパターンがあるはずなので、パターンとして認識をする。問題って大体うわっと大きいんで、全部見ちゃうと分からない。細分化して自分が解決可能な問題として捉えていくという側面と、そこには必ずパターンがあるはずなので、パターンとして分類をしていってくださいというのと、自らこれはこういうパターンであるって生成をしていくというのと、それを結局アルゴリズム化していくというのがコンピューテーショナル・シンキングといわれていると理解していまして、現実の問題をこういったアプローチで解いていくわけですけれども、7ページの図にそういった要素、コンピューテーショナル・シンキングの要素というのを少し入れることで整理というか言葉の定義が情報処理学科の先生方にも通りやすいようなイメージになるかなと思って、ちょっとコメントさせていただきました。
【堀田主査】  ありがとうございました。
一応ここまでにさせていただこうと思うのですけれども、非常に大きな課題でして、ここをもっと考えたらいいのではないかというのはそのとおりなのですが、どうすればいいかを、もう最後ですから、具体的に何か、きょうこの席で、この後の検討課題でも結構ですし、あるいはお帰りになって各教科のいろいろなものを見た上で、情報としてどうするかということを御提言いただいてもいいと思うのですけれども、この見方・考え方というのは、教科らしさが一番出てくる部分です。そこに情報で言うと、世の中の情報とか、情報がどういうふうにつながっているかとか、それが影響し合っているとか、システムとして見えているとか、要素とシステムを分解して考えるとか、最適化の概念とかいろいろなことが情報らしさとしてどこまでここに表せるかというのが非常に重要なことになります。そうじゃないと世の中で一般的に言われている問題解決、情報というのは、それはコンピュータを使う話でしょうということになってしまいます。そうならないようにしたいと思いますので、皆さんの特に7ページの図に対する御意見、それはすなわちページの思考力・判断力・表現力でどんな力を使うのかということになるのだと思うのですけれども、お願いしたいというところでございます。
それでは、検討課題の2に進みます。具体的に言うと8ページ、9ページ、10ページのところになります。ここは何かと復習すると、アクティブ・ラーニングをどうするかということが全体的な検討の課題なのですけれども、情報科ではどういうものがアクティブ・ラーニング、情報科ではアクティブ・ラーニングはどういうふうに行われるべきか。それを深い学び、対話的な学び、主体的な学びという三つの学びで整理するとどうなるかというのが一つですね。もう一つは、そのプロセスをどうするか。それを具体的に言うと10ページの図になるわけですけれども、こういうプロセスだと考えてよいかと、二次元の図ですから、全てを表すことはできないのですけれども、ざっくりとほかの教科と合わせたときに、このぐらいでいいかどうかというのが審議内容ということになります。これも8ページ、9ページ10ページのどこからでも結構ですので、御意見を頂ければと思います。これまた時間は20分ぐらいが限界ですので、御意見をと思います。いかがでしょうか。
では、まず兼宗委員、行きましょう。お願いします。
【兼宗委員】  アクティブ・ラーニングというよりは、深い学びというところが非常に重要だと思っておりまして、それが情報の中でどういう意味を持つかということを考えてみました。情報をただ活用するという意味では、どういう場面でどういうふうに使えばいいということになるかと思いますが、なぜ日常生活ではだめで、学校で学ばなければいけないかというと、いろいろな意味があると思います。1つは、「直感的に考えたことが必ずしも現実とは合っていない」ことがあると思います。情報は今まで、例えば紙に印刷されたものというイメージありましたけれども、今は文字がいろいろな媒体を通してどう伝わっているか分からない、どこにどう伝わるか分からないといったことがあります。そのあたりは直感に任せてはだめで、ネットワークの原理とか、それからコンピュータの特性とか、情報そのものの特性というものをしっかり考える必要があると思います。それは多分、説明されて言葉を覚えても意味がなく、とことん教室で悩んで、「直感とは反するし、気持ちも悪いけれども、実はそうなのか!」と思う瞬間が、情報における考えることなのではないかと個人的には考えました。
具体的に言うと、前の6ページで言うと、一番下の枠になります。「どのような枠組みで思考するか」というところの先頭に、「情報の特性や情報技術の特性等を踏まえ」というものがありますので、これがまさにそうだと思います。情報技術に関して言いますと、下の方にありますように、プログラムで動いているコンピュータというものは人が操作するものではなくて自動で動くという特性があります。それは直感とは反するということや、コンピュータが動くということは、人が操作するのではなくて、やはりコンピュータが動くということは、プログラムとそれからコンピュータという機械の特性を知らないと行動が予測できないということになりますので、そういったことが深い学びの裏側で必要になる技術なのではないかなと考えてみました。
【堀田主査】  ありがとうございました。
続いて、柴田委員、お願いします。
【柴田委員】  どういう学びが深い学びにつながっていくのかというのを考えていたのですけれども、やはり、繰り返してPDCAサイクルのようなもので学びって深まっていくのかなと。主体的な学びのところに振り返り、評価・改善というのがあるのですけれども、深い学びに向けてそういうサイクルというのを意識するといいのかなと。「試行錯誤してと」書いてあるのですけれども、そういった見通しを持って振り返って評価して改善してというところを深い学びのところに記述するとよいのではないかなと思ったことと、あともう一つ、教科情報ならではの深い学びにつながる方法としては、学習履歴の蓄積というか、ポートフォリオの作成などの学習活動というのがどこかに記述されているとよいのかなと思いました。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
先ほど大杉室長からの御説明であった資料1の中にも、深い学びというのは各教科の見方・考え方そのものであると。そのものであるとはおっしゃいませんでしたけれども、そういう。だから私どもが今、悶々としているところが、ここに今出ちゃっているわけで、事務局からも深い学びのところを特に審議してくださいというふうにおっしゃったのは、すなわち情報の見方・考え方のところはどう考えればいいかということなのだと思います。今、柴田委員がおっしゃったのも、その一つだと思いますので、同様の御意見を幾つか頂ければと思うところです。
佐藤委員、行きましょう。
【佐藤委員】  1点だけなのですが、深い学び、8ページのところです。ICTを使って学びを深める教科であると思いますが、この中に一つ、クリティカル・シンキング的な要素を加えて、それによってさらに学びが深まる。しかし情報なので、ICTを活用してというようなところが入ればいと思いました。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
じゃあ小泉委員、お願いします。
【小泉主査代理】  8ページ、9ページの学びで、まず深い学びの部分と、それから次の対話的な学びの部分で、多分、事務局に何らかの意図があって、このICTの使い分けがなされているのでしょうか。括弧付きと括弧付きでないもの、つまり、コンピュータ(ICT)とICT独自の表現がある。これらは、それなりの意味があるのであれば大事にしたいのですけれでも、ICTって割といろいろな教科において、単純に捉えられたコンピュータとかネットワークとかいう形になることも多いので、もう全部ICTにしてしまった方が分かりやすいかも。ただし情報科の中のICTというのは、それなりに意味を持つ。
それから対話的な学びの中にプログラムというキーワードが唯一存在しています。プログラムあるいはプログラミングは問題解決なり、情報活用なり、情報技術の活用の手段の一つでしか過ぎないとは思うのですけれども、この深い学びと、それから対話的な学びの後に主体的な学び、ある意味極めてこの学びはとても大きな位置付けになるかと。この主体的な学びの中に、何らかの形でプログラムとかプログラミングとかいうキーワードが位置付けられた方が、座りがいいのかなと。対話的な学びは、少なくともプログラムあるいはプログラミング等を通しての対話的な学びを含めた活動ということで、十分実践されていますが、主体的な学びの中にプロジグラムあるいはプログラミングというキーワードを含めることによって、そもそもプログラミングというのをどのように情報科は扱うのかが明確になる。プログラムというのをどのように情報科は見てとるのかという独立性が出てくるのではなかろうか。主体的な学びの中にプログラムが位置付けられることでプログラミングが目的になって、「プログラミングを」とか、「プログラミングについての学びをみずから切り開いて」という意味を示せる。今の場合で言うと、対話的な学びの中にプログラムがありますので、「プログラミングで」という学習活動に落ちついている。個人的には、その「プログラミングを」まで含めて、この情報科では情報Ⅰ(仮称)、情報Ⅱ(仮称)があるわけですから、位置付けられた方がいいかなと。結論から申し上げますと、情報科では主体的な学びの中にプログラムあるいはプログラミングというキーワードを何らかの形で位置付けることが必要ではないかという意見です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
白水委員、お願いします。
【白水委員】  深い学びというのが結構難しいところなんですが、ここに書いてあるような定義が、深さの程度を考えるのに役立つようなものだといいかなと思いました。2番目の「コンピュータ等の積極的な活用を通して、情報社会との適切かつ豊かな関わり方について考える」みたいなところには、「社会に対する適用度というのが増していく」というので、深さを考えるというふうになっているといいかなと思いました。「深い学び」というのは認知科学者ですと「深い理解」という言い方をするのですが、大体三つぐらい大きくパターンがあるかと思います。一つ目は、個別具体的な事例というのをまとめて一般化できているという程度。二つ目が、現象(機能)が分かったので、そのメカニズム(仕組み)がどうなっているかという解明に進むという意味での深さ。最後が現実社会に適用できるような知識が生まれていくという三つのパターンが考えられます。その点で言いますと、コンピュータを実際に操作して、試行錯誤して、目的達成する向こうに、小泉代理が今おっしゃったような、こんなふうにできているコンピュータってどういう仕組みなのだろうというのも、メカニズムが気になって、例えばプログラミングに興味を持っていく。そういうのが深さの程度として考えられるのではないかというような、機能と機構の関係で考えるというようなパターンに照らしてこういうふうに定義しようみたいなことが決めていけるといいかなと思いました。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
今の、非常に重要な御意見だと思います。情報科においては試行錯誤、特にICTを使って試行錯誤して、繰り返してどんどんよくしていくと。そこに主体性が必要だし、対話性が重要だと思うのですけれども、それでいろいろやったらできちゃいましたね、よかったですねじゃないと思うんですね、やっぱり。だからそれによって構造とか、メカニズムとか、関係とか、そういうことがちゃんと理解できて、それが深い学びにつながるのだと思うので、今のようなことをやっぱりしっかりと、この深い学びのところに書いていくと。そのプロセスで主体的な学びと対話的な学びがあるということかなと僕も理解しています。
中川委員、小原委員で行きましょう。
【中川委員】  言おうと思っていたこと、今、堀田主査がおっしゃったので。
【堀田主査】  ごめんなさい。
【中川委員】  ちょっとすみません、オーバーライトしちゃうのですけれども。コンピュータはエラーを出したときのコストが安いというのが特徴なので、失敗をしてもほとんどコストが掛かりません。作った時間ぐらいなので。そういう意味だと、あえて例えば、より具体的な話をしますけれども、最適ではない正解というのを提示して、より最適にするための演習を行うようなプロセスを入れていくというのはすごく深い学びを行っていく上で有効かなと思います。バグではないのですけれども、デバッグとか、エラーを吐いているようなケースだと完全にデバッグになりますが、デバッグをするか、最適化をするかというようなプロセスを通じてよりよくするという、先ほどの課題に対する取組ということになりますけれども。バグがあった、エラーがあった場合は、これは問題で、それに対する解決策という形でカリキュラムの中に入れ込んでいき、それを通じて最適な構造というのは何かとかいうようなことが学べるというのはより深い学びにつながるのではないかなと思います。
【堀田主査】  ありがとうございます。
小原委員、お願いします。
【小原委員】  小原です。ここに書かれている深い学びの一番上の丸について、私は非常になるほどと思いながら見ていて、やはり情報科の1つの大きなポイントとしては、問題を発見することが今非常に大事だと言われてはいるのですけれども、意識的にそれをどのように発見していくのかというところは、例えばブレーンストーミングであったり、カードを用いたアイデアを整理する方法であったりというのは今情報科で積極的に行われているところではあるので、ほぼ全ての教科書に、情報の科学の教科書に載っているような内容です。これは、現時点では、問題解決そのものを扱う、という意味で、情報科ならではの部分であるのかなと感じています。これがまた小学校、中学校におりてくるというとちょっと話が変わってくるかなとは思うのですが、現時点では、このような問題解決に関する手法そのものを学習する、というのは特徴的な部分であるのかと思っています。そしてさらに、意識的に授業や実習の中でそのような「問題」を設定してやっていくというのが、非常に特徴的なのかなと考える点が1点と、あとは、もう一つのポイントとして、そのような形で意識的に問題を発見して、それを最終的に情報社会の中で、それらの手法を実践して解決しよりよい社会を情報技術を用いて創造し、それを基によりよい情報社会を作っていく、参画していくという態度まで発展させていくというのも深い学びにつながっていくのではないかなと思うんですね。本校でもいろいろプロジェクト学習などをやっていく中で、やはりだんだん問題を発見しながら、それを具体的にどうやっていこうか。だけど、それが意識的にどのような形で解決できるのか。それにどのような根拠を、どのような相手を説得できるような技術があるのか、内容として提示できるのか。それを基に、やはり、ああ、そうか、じゃあ高齢化社会に向けてこういうような今状況だから、私たちもこうしてやっていかなきゃいけないのだなという形で、学習活動が、次の態度の方にもより発展していくという意味でも、この深い学びというのは言えるのではないかなと思いました。
【堀田主査】  ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
僕の意見を少し申し上げますけれども、この深い学びに三つ丸があるのですが、一つ目は小原委員と同じように、そういうふうに情報的に世の中を見るという、そういうふうになっているんだなということを改めて認識するみたいなことは非常に重要だと。その上で、3番目の丸にあるように、試行錯誤しながら、さっきのコストが安いという話もありましたけれども、うまく道具としていろいろ物を使って理解、本質的な理解に迫ると書いちゃっていいのか。こういうようなところで繰り返しやっていくことで、どういう構造がよりいいか、どういうより最適な解があるかみたいなことを考えていく。そして多分その後に、だから世の中では情報技術やそういうものがこういうふうに私たちを支えていて、おかげで私たちは今こういう恩恵を受けていてというような情報社会観みたいなのがあって、それを、また私たちが受け継いでいくというマインドみたいなことを育てていくのかなというふうに感じるので、そこが深い学びで現れていくべきところかなという気がします。
ほかに御意見がないようでしたら、一度先に行きます。
安藤委員、まだですね。小原委員はもういいですね。じゃあ安藤委員にお話しいただいて、次の議題に行きます。お願いします。
【安藤委員】  今8ページ目のところの深い学びの丸の3番目です。「コンピュータ等(ICT)を実際に操作し」というところがちょっと気になったのですけれども、また中学校技術の話で申し訳ないのですが、コンピュータそのものの中で動くプログラムと、実際の物理的な物を動かすというプログラムというのと二つあると思います。このときにこの「実際に操作し」というのが、コンピュータでタイピングするという意味の操作なのか、それとも物を動かすということなのかというのがちょっと気になります。僕はその両方が大事ではないかという立場で今話をさせていただいています。というのは、シミュレーション上はあくまでもシミュレーションなので、実際に物を動かそうと思ったときはまっすぐ動かすということすら難しいということは、コンピュータの画面の中ではなかなか分かり得ないことなので、そのプロセス自身はまさに深い学びになるのではないかなと理解しておりました。ですから、ここの「操作し」という言葉についての意味付けというか扱いについて御検討いただきたいです。
【堀田主査】  これは中学校の技術分野との関係もあると思います。今回、技術分野では、プログラミングとして、制御だけでなく動的コンテンツ。上野調査官にお尋ねするのですけれども、ここでいう「動的コンテンツ」というのは、具体的に何を指しているのでしょうか。
【上野教科調査官】  現在想定しているものであり、決定ではないということでお話しさせていただきますと、現在小学校などで行われている、キャラクターが画面上で一方的に動くといったものではなく、インタラクティブに、何らかの働き掛けに応じて動きが変わるような形という意味で、動的という言葉を頭に付けた「動的コンテンツ」をプログラミングの対象として加えることを想定しております。以上です。
【堀田主査】  それを計測制御以外のものとして技術分野の教育内容に入れていこうというのが今審議されているということですね。
【上野教科調査官】  はい。
【堀田主査】  間違っていないですか。
【上野教科調査官】  はい、そのとおりです。
【堀田主査】  ありがとうございます。
そういうふうに技術分野も動いているということですので、情報科においても、そうですね、情報技術の操作という言い方はちょっと気を付けなきゃいけないところだと思いました。
ありがとうございました。
検討事項2まで今終わったのですけれども、10ページの図については特に触れられていないので、これでいいのかというのは事務局がいつも心配しているところでございます。是非また何かチャンスがありましたら、コメントを頂きたいと思いますが、検討事項3に一度行きます。検討事項3は11ページ以降ですけれども、ここは私どもの必履修科目としての情報Ⅰと、選択科目としての情報Ⅱですね。これは基礎と発展だとか、概論と各論だとか、いろいろな言い方で今までされてきましたけれども、それぞれの科目の中身について、事務局から提示いただいたものに皆さんの御意見を織り込んでやっていると。そのこととアクティブ・ラーニングの関係を最後の14ページの図にしているということになります。
ちょっとだけ問題を整理すると、情報Ⅰと情報Ⅱは、情報Ⅰが共通で、情報Ⅱが選択、情報Ⅰが概論で、情報Ⅱが各論みたいな位置付けがあると同時に、それぞれの科目の中が、(1)が概論的なもので、(2)から(5)がそれの各論的なものというふうに情報Ⅰも情報Ⅱもなっているということですね。それによって14ページの図が、項目(1)がベースにあって、そして(2)から(5)が基本的な知識・技能の習得と、それを活用して思考力・判断力・表現力というものから概念的な知識の獲得と情報らしい物の見方・考え方に達するという。そういうことを表した図がこの14ページということになります。ですので、この12、13の内容がこれでいいかということへの御意見と同時に、ⅠとⅡの関係、あるいはⅠとⅡのそれぞれにおける(1)から(5)までの学習のパラダイムといいましょうか、そういうものの構造をどうするかということについて御意見を頂きたいということになります。
説明が長くなってすみません。これについて御意見がある方、よろしくお願いいたします。
西端委員、行きましょう。
【西端委員】  失礼します。まずちょっと1点確認させていただきたいのですが、14ページの図と7ページの図は関連があると思うのですが、7ページの下に書いてあるオレンジ色の五角形と、14ページのオレンジ色の五角形は違うものを指しているという理解でよろしいでしょうか。
【堀田主査】  事務局、お願いします。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  違うものを指しておりまして、7ページの図の、そのまま入れるかどうかはちょっと難しいのですけれども、7ページの図で水色の「世界をどのように捉えるか」、これに相当しますのが左側の下向き矢印の部分で、ちょっと矢印の向きが違いますけれども、「事象の把握」の部分、そして7ページの上向きのオレンジ色の矢印、「どのような枠組みで思考するか」、これに相当するのが右側の上向きの矢印、「問題の発見・解決に向けて情報技術を活用」と、こちらに相当するかと考えております。
【堀田主査】  ということは色をうまくそろえておいた方がいいのではないでしょうか。
【西端委員】  プラスよろしいですか。
【堀田主査】  プラス、どうぞ、お願いします。
【西端委員】  それで確認がとれたので助かりました。前もちょっと図のことでお話し申し上げたのですが、先ほど項目の(1)がベースになるということは、やはりちょっと図画工作科とかの三次元の図はさすがにうまいことできているなと思ったのですが、一番最下層というか一番根底にあるのは多分このグリーン、薄いグリーンと濃いグリーンのところであって、そこから問題解決をするベースとして14ページのこのオレンジ色のホームベースのものがあり、そこから取り出したものを処理するのがこのブルーの四角のラインだと思うのですが、そこをできれば三次元的なもの、私のイメージ、多分口では伝わらないので、またポンチにしてお渡ししますが、何か三次元的なものをまず一つ欲しいというのが1点目です。
その上で、先ほど試行錯誤という話が中川委員からもございましたが、今御説明のあった上から下に行く矢印と、下から上に行く矢印、これが多分、試行錯誤の輪になっているはずですので、ここが試行錯誤しながら輪になるような図というのがあれば非常に分かりやすく、恐らくトップ、一番何が分からなければいけないのかというのが今真ん中で白抜きになっている知識の概念化だと思うのですが、ここが多分、三次元の図を上から見ているようなのと、ちょっとその見方がいろいろあるので、そこをもう少し分かりやすくできればいいなと。
具体的な提案がなかなか難しいのですが、以上でございます。
【堀田主査】  西端委員のポンチ絵を待つということでございます。ありがとうございました。
【西端委員】  分かりました。早く描きます。
【堀田主査】  柴田委員、お願いします。
【柴田委員】  前回の科目構成に比べて大分また整理をしていただいたなという感じがありますが、13ページの課題研究のところで、ちょっと気になる言葉があります。「生徒が選択した課題を解決する」というと、これでは、教員が与えた課題をやるイメージになってしまって、ここまで「問題を発見する」プロセスが大事だと言ってきたにもかかわらず、課題研究で「生徒が選択した」となってしまっているので、ここは生徒が自ら発見した課題を解決するというような言い回しにするとよいのかなと思いました。
あと、11ページの方の「コンテンツを適切かつ効果的に活用する力」。コンテンツは、活用するのが目標じゃないのかなと思うので、コンテンツはやっぱり作り出す、創造するという言葉になっていないといけないのかなと思いました。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
鹿野調査官、いいですかね。今の。特に何か御説明はいいですかね。
【鹿野教科調査官】  コンテンツの創造というのは、作るということについての技術であるとか知識を学ぶと、そういうことの解釈でよろしいですか。
【柴田委員】  そうですね。やはりコンテンツは使うだけではなく、簡単なものであっても自分で作り出すというところを目標にするのかなと思いますので。
【鹿野教科調査官】  ありがとうございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。佐藤委員、お願いします。
【佐藤委員】  前回も申し上げたかも分かりませんが、まずⅠは基本で、Ⅱが応用的な部分としますと、まずⅠの方で、情報デザインというそのものを入れるというのはすごくいいのですけれども、ウエブページを作るというのは中学校でやっているのか。現在、高等学校でやっているのかなという、ちょっとクエスチョンなんです。だからここを何かに変えられるものがあるとするならば、むしろこれはⅡの方へ持っていってもいいかなと思います。Ⅱの扱いとしては、発展的なものになると思うのですけれども、ここに書かれていることを全部やろうとすると非常に大変だとは思います。だから発展的なものをという意味で、データベースもプログラミングもモデル化とシミュレーションもそれぞれ発展的な部分をこちらに演習として乗せていくとして、そういう意味でウエブページの作成も入れて、それを全部やるのではなくて、その中からチョイスできるような内容がいいかなと思います。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
ほかにいかがでしょう。これ、一番具体的なところなのですけれども。
兼宗委員、お願いします。
【兼宗委員】  今まで議論をかなり取り入れていただいて、とてもよくなっていると思い感謝しております。その中で、他教科の紹介が先ほどあった中で、例えば数理探求のところでは、基礎の修得段階をきちんと終えてから探究で深めていくというような御説明があり、非常にいいと思いました。そういう意味で、今情報Ⅰの方に入っていますものの中で、外してほしくないなというところがあります。プログラミングや情報の表し方、ネットワーク、データベースを入れていただいているのですが、これらは是非このまま残していただければと思います。もう一つ、他教科の算数・数学のところでいいなと思いましたのが、問題発見・解決のプロセスのところで、現実世界のことを数学化するということが1ページを割いて説明されていました。ですけれども、それはまさに我々から言うとモデル化に相当すると思っています。コンピュータには何かしらデータ化して入れないと物事が乗らないわけなのですけれども、世の中の人間が関わっていることをコンピュータでも分かる情報に変換するのは結構高度な技術で、そこはきちんと残していただけるとうれしいかなと思っています。そういう意味では、個人的には、シミュレーションは情報Ⅱの方でも構わないかとは思っているのですが、身の回りの情報、お仕事の情報をどうやってコンピュータに乗せたらいいかというモデル化の部分は、シミュレーションとは独立しても構わないので、しっかり情報Ⅰでやっていただけるとありがたいと思いました。意見です。
【堀田主査】  ありがとうございました。僕も数学の部会のワーキングの報告を見たときに同じことを思いました。世の中の問題を数学として表現すると、ある意味、機械的にというか操作的に解けてしまうと。もとの話が何の話だったかはともかく、数式に一旦書いてしまうと、そういうように最適に処理できて、そしてその結果を基に世の中がどうかというふうに戻すというのは、シミュレーションはしていなくてもモデル化にあたります。その考え方はかなり共通する部分はあると思いますし、情報の科学的な理解に裏打ちされて、これをやっていると考えれば、今の話は非常に重要かなと私も思っております。
時間がもう少しなのですけれども、いかがでしょうか。
佐藤委員、行きましょう。
【佐藤委員】  先ほどちょっと言い忘れておりました。現行の学習指導要領にテキストマイニングというのがあります。これも統計学とかデータサイエンスとかいう意味では、情報Ⅰの方にはちょっと入れづらいのですが、できましたらⅡのどこかに、問題解決の中で、試行錯誤する手段としては現行に入っていますので、入れていただければなと思います。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
今のように現行の学習指導要領のどれを、字数はあれですけれども、どれを残し、どれを落とすのかというのは、しっかりとチェックしなきゃいけないことでもあります。
ほかに御意見いかがでしょうか。
じゃあ小泉代理。
【小泉主査代理】  テクニカルな話なのですけれども、今問題にしている13ページ及び14ページの資質・能力の部分の書きぶりですが、「考える」とか「力を育む」という形が文末に来ています。他教科の方を参考にさせていただくと、いわゆる資質・能力の3本柱に沿って表現されて、かなり苦労されているなという表現ぶりがあるので、この辺、内容的には特に異論はないですけれども、やっぱり今回、資質・能力について3本柱で調整しているので、他教科との並びで言うと、その文言とか文章表現について工夫した方が、ⅠもⅡもそうですけれども、分かりやすいのかなと思います。
【堀田主査】  ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
それでは、もしないようでしたら一段落としたいわけですけれども、最初に申し上げましたように、4月4日に総則・評価特別部会がありまして、そこに第6回までの情報ワーキングの成果をお持ちし、提案するということになります。したがいまして今日が皆さんから御意見を頂く、何ていうか実質的にはここまでで大体合意できたというふうに持っていきたいところであります。各教科と同じようにどういうふうに書くかという話や、図をより分かりやすくするためにどういうふうにブラッシュアップするかという話は多少事務的な部分もありますので、そこについては事務局にお任せするとしても、情報科として、この物の見方・考え方をしっかりと入れておかなきゃいけないだとか、ⅠとⅡはここが違えておかなきゃいけないだとか、より根幹に当たる何か御意見等がありましたら、ここで是非言っておいて、言い残しておいていただきたいというのが残り時間の使い方としての提案です。細かい話については、また追ってメールで、多分、事務局がおっしゃると思うのですけれども、メールでいついつまでにどういうふうにと出てくると思いますし、それはきょう各教科の整理の資料を頂きましたので、各教科のを見ると、あ、情報も同じだなとか、情報もこう書いた方がいいなとかいうことが出てくると思いますので、そういうインスピレーションも含めて御意見を頂ければと思うのですけれども、それは帰ってからでもできることですので、是非、根幹の部分、何か言い残しがあればと思います。数分しかありませんけれども、もし何かあれば。
佐藤委員がもうやる気満々ですので、お願いします。
【佐藤委員】  14ページの図を見て話させていただきますが、大きなところです。今回の改訂は、情報の科学的な理解に裏打ちされたというのが大きなところだと思います。そうすると、今回の資料を見させていただいてすごくまとまりがあって大分見えてきたのですが、何が言いたいかというと、サイエンスというのが、例えばこの14ページを見させていただくと、情報社会というのは割と目に付くんですね。だからソサエティーはいいのですけれども、そもそも大きな枠組みとしてやっぱり今回の改訂は科学的な理解に裏打ちされたというのがあったと思いますから、情報社会との関わり、サイエンスと社会との関わりとか、情報技術を活用するという、その技術に代える言葉として、やはり科学、サイエンスみたいな言葉がもう少し散りばめられたらなというイメージだけお話しさせていただきます。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
情報の科学的な理解を用いて情報社会を見るわけですよね。
【佐藤委員】  そうです。
【堀田主査】  そうですよね。そのときに情報技術を用いるんですよね。このあたりの物の見方・考え方からいけば、情報の科学的な理解、そのサイエンスというのがもう少し出てくるべきだと。そのサイエンスは多分、知識・理解と思考・判断・表現と関係しているのだと思うのですけれどもね。今のような意見、骨太な意見だと思います。
野部委員、お願いします。
【野部委員】  失礼します。情報Ⅰが基礎で、情報Ⅱが発展ということで、語尾です。例えばⅠの(3)は「考える」で終わっております。(4)なども「育む」となっておりますがⅡの方で見ると、「表現を行う」。それから(4)も「作成したりする」で終わっています。何かをするというところで終わっていて、何かを行った後考えるとか、思考を深めるような部分というのをやはりせっかくの発展科目ですので、文言として是非入れていただきたいなと思いました。
【堀田主査】  ありがとうございました。
五十嵐委員、お願いします。
【五十嵐委員】  先ほど出た意見と同じですが、ちょっと違和感があったのは、実際にはサイエンスが関わってくると思いましたので、先ほどの深い学びのところで、科学的に考えるというのが基礎になるのではないかということです。そういう意味では、各教科を見せていただいて、理科とは密接に関係ある部分がかなりあることを、どう表せばいいんだろう。何かちょっと社会的過ぎるのではないかと思います。科学技術がこの情報科と深く関わるということをもっと出してもいいのではないでしょうか。そうすると情報のⅠとⅡについては、基礎をやっているのがⅠであれば、Ⅱはこれからの時代を作っていくという創造といいますか、そういうニュアンスが必要です。ただ作るとか使うとか活用するだけじゃなくて創造するということ、世の中を創っていくということ、これらのニュアンスを入れて、もっとトーンを上げた方がいいのかなと思いました。そのような視点で見てみると、14ページは余りにも魅力がないんです。ほかの教科のように、なるほどと感じさせるものが欲しいと思います。事務局が頑張っていらっしゃるのに失礼かと思うのですけれども物足りなさを感じます。問題解決にしても、最初に議論があったように、コンピュータを使った問題解決とそうじゃない問題解決のレベルは違うと思うんです。そのあたりはもっと自信を持って、本物の問題解決なのだとPRしてもいいのかなと思いました。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
柴田委員、白水委員、行きましょう。
【柴田委員】  前回も申し上げたことですが、学習活動の例、大分具体的なねらいを追究していただいたのですけれども、やはり各教科の内容との連携という部分がないのが、例えば特別活動とか学校行事の例だけになっているのを是非一緒に考えたいと思いますので、他教科との連携であったり、あるいは教科情報の題材をそのまま使った学習活動の例も入れたらどうかなと思いますので、これは是非、自分としても宿題にしたいと思います。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
白水委員。
【白水委員】  10ページの問題発見の桁の下のところの「社会等の事象の中から問題の発見」をするというところの下に、すごく細く「社会等の問題の把握」その次に「分節化された情報の情報技術による取り扱い」「社会等の問題への適応」とあるのですけれども、この細い桁が実は問題解決発見の過程を情報という観点から考えるとどうなるかということを何とか言おうとしているのではないかという気がします。それで行きますと、先ほどの中川委員の、「コンピュータがあるのでコンピュータ的な思考ができる」。例えば私の「システムとして見ることによってシステム的な思考に持ち込む」というようなところの、情報という観点で見たときの考え方みたいなことをうまく書けると、情報技術というのをなぜ学ぶかという話が見えてくるのではないかなと思いました。「インターネット等を活用した調査活動」というところの上に「情報の収集・分析による問題の明確化」と書かれているときの「情報」という言葉の意味と、この下側にあるような「分節化された『情報』の『情報技術による取り扱い』」は、ちょっと意味が多分違うんじゃないかな。その意味での「情報」というのは一体何かというのをうまく言えるといいなという気がするのですけれども、ここで私がこんなふうに言ってもちょっとうまく思い付けないので、そのシステム思考ですとかコンピュータ的な思考の方向にもうちょっと持っていくのか、もう少しアナログなことも含めて、先ほどの算数のモデル化も含めてそうなのですが、情報の観点で物事を考えるというのはこういうことなのだということを何か鮮明に出していけるといいのではないかなと思いました。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
小原委員、行きます。
【小原委員】  よろしくお願いします。ずっと先ほどから拝見していて、本当に事務局の方々がよく頑張っていただけたのだなというのを感心して拝見しています。
2点、御意見を申し上げたいと思います。1点目ですけれども、仮称情報Ⅰが必修ということで、恐らくこれはあと十何年続くような、全員がやるような形になると思うんですね。そうすると恐らく今からかなり情報手段やなにかも変わっていくことが想像されます。そうすると情報Ⅱの中の(1)に、「歴史的に捉え、AI等の技術も含め将来を展望する」ということがあるのですが、情報Ⅰの中にも、やはり全員がやるということなので、この先の情報社会を見据えた何かそういう展望的なのを、それは(5)になるんでしょうかね。何かやっぱりちょっと入れていった方が、いつまでも何か古い技術のままに残ってしまいそうな気がするので、変わりゆく情報社会にあった内容を取り扱う等ということがあるといいのかなと思います。
それから、あと(4)番のモデル化とシミュレーション、先ほど兼宗委員からのお話もあったのですけれども、やはり情報の一番の特徴というのはモデル化してコンピュータに乗っけていろいろできるというところが一番特徴的に大きなところだと思いますので、是非いろいろな、例示にはなかなか書き切らなくて載っていないのかなと思うのですが、コンピュータに乗っけるために物事の本質を具体化・明確化し、そこでシミュレーションしたりできるんだという部分については全面的に情報科の特徴として打ち出していくとよろしいのかなと思いました。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
御意見、大体出そろったかと思うんですけれども、よろしいでしょうか。言わないと帰れない方いますか。よろしいですか。
それでは、先ほども繰り返し申し上げていますが、きょう最終回ではないですからね。最後と言っているのは、4月4日に総則・評価特別部会に御提案するまでの回で言うと最後ということですので、また、そこで御提案して、それでまたフィードバックが来て、第7回でそれを議論しなきゃいけないし、時間的にも考えると、もう情報ワーキングとしての落としどころというのをそろそろきっちりやんなきゃいけないと。そのために他教科のものがきょう出てきていると御理解いただきまして、是非、事務局に細かいことも大きいことも含めて、できるだけ具体的な案で情報提供をいただければと思うところです。
日程等について、事務局から御説明お願いします。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  次回でございますが、次回は4月20日水曜日、遅い時間で恐縮ですが、17時から19時の間での開催を予定しております。場所につきましては現在調整でございますので、決まり次第、御連絡をさせていただきたいと思います。
また、今回につきましても、先ほど堀田主査からもございましたとおり、さらに御意見でございますとかお気付きの点などありましたらば、是非、積極的な御意見をお寄せいただければと思います。また、是非、具体的な形の御提言を頂けると大変助かるところでございます。恐縮でございますけれども、3連休明けには頂ければ大変助かると考えております。申し訳ございませんが、短い期間でございますが、よろしくお願いいたします。
【堀田主査】  3連休前ではなくて3連休明けでいいということですね。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  もし可能であれば3連休前に頂けると大変助かります。
【堀田主査】  年度末なので、そのぐらい事務局もちょっと逼迫しているものですから、あえてちょっと言ってみました。各教科等の動きも非常に、何ていうかきちんとやっていただいていますし、私どもも大体内容的な合意はできていると思うのですけれども、情報という言葉が非常にそもそも曖昧で、広くて、どこからどこまでを所定の授業時数の中で内容として落とし込むのかというところに非常に難しさがあるということと、あと使われている用語がどうしても一般用語で、例えば粒子みたいな専門用語とはちょっと違うわけで、かえって用語の厳密さに欠けるところは幾つかあるので、これは教科を越えた調整等も必要ですから、事務局に大分御負担が掛かるわけですけれども、内容的には、この教科にどういうふうに魂を込めるかという意味では皆さんの御意見が最後の命ですので、何かとお忙しい時期とは思いますが、御協力をよろしくお願いいたします。
少し早く始めましたので、少し早いですけれども、これで情報ワーキングを終わりにしたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。

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