教育課程部会 外国語ワーキンググループ(第10回) 議事録

1.日時

平成28年6月20日月曜日9時30分~11時30分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 外国語教育の改善充実について
  2. その他

4.議事録

<未定稿>
【吉田主査】  それでは,定刻になりましたので,ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ(第10回)を開催したいと思います。
まず,事務局より,資料の確認をお願いいたします。
【圓入室長】  それでは,お手元の議事次第を御覧いただければと思います。本日第10回目の議論のための資料でございますが,資料1は,いつものように主な意見を重ねて置かせていただいております。資料2は,第1回配付資料と変わっておりませんが,これまでこちらのワーキンググループで検討いただいてきた事項でございます。本日御議論いただく資料といたしましては,資料3-1以降でございまして,資料3-1「ワーキンググループにおけるとりまとめ(案)」につきましては,前回,たたき台ということでございましたけれども,頂いた御意見を踏まえまして,(案)ということで本日お配りさせていただいております。なお,参考で主に修正をさせていただいて朱書きにしたものも一緒に配らせていただいておりますので,御参照いただければと思います。
資料3-2でございますけれども,3-1に関連した別添の資料ということで,これまで議論を重ねてきていただいたものを並べさせていただいております。ただ,こちらについても,きょう御議論いただいた3-1を踏まえて,また文言を本文に合わせて修正させていただいて,取りまとめにさせていただければと考えておるものでございますので,事細かく一言一句,本文と今合っているかどうかと言いますと,少しずれているところもあるかと思いますが,御理解いただければと思います。
それから,資料4-1,4-2でございますけれども,こちらのワーキンググループにおいては,中教審の諮問のときにも御指摘いただいておりますが,26年度9月にまとまりました英語教育の有識者会議の報告を踏まえて審議をするということで,これまで御議論いただいた経緯がございます。それまでの26年9月の報告書も加えて,こちらで頂いた御意見を,全体をまとめさせていただく議論の詳細版も,これはたたき台ですけれども,御用意させていただきました。まだまだ数字も古かったり,先生方の御意見全て反映し切れていない部分もあるかと思いますけれども,資料3-1に併せて補足して整理をさせていただければと思います。特にこの後,学習指導要領の改訂の作業に入らせていただきますけれども,その際にも,例えば,解説の方に参考にさせていただいたり,今後の授業,26年度も継続しておりますけれども,そのときにも参考にさせていただければと考えておりますので,こちらも併せて後日修正したものは御確認いただきながら取りまとめさせていただければと思っております。
また,4-2も関係する資料として,基礎資料集ということで,これまで配付させていただいてきたものを更新しながらまとめさせていただいて,大量にありますけれども,場面,場面で適宜必要なものを活用させていただければと考えておるものでございますので,こちらも含めて御意見あれば頂ければと思っております。
資料5については,5月12日第5回の「言語能力の向上に関する特別チーム」のまとめの案がございます。これは,当日5月12日に頂いた御意見を事務局で修正させていただいたものを,座長に御確認いただきながら,取りあえず会議後の最新版でございますが,修正版ということで,前回,まとめ(案)でございましたけれども,配付をさせていただいております。今回の「言語能力の向上に関する特別チーム」におきましては,特に国語科と外国語教育の具体的な連携も含めての御審議を頂いておるものでございますので,今回も御議論ということで配付させていただいているものでございます。
続きまして,机上のみになりますけれども,お手元に中学3年生を対象にした全国学力学習状況調査がございます。中間まとめが6月15日にまとまっております。こちらも御参考にということで配付をさせていただきました。
また,もう一つ,机上のみでございますが,御参考で配付させていただいているものを御紹介いたします。これは放送大学で,今,御検討いただいております小学校英語の教科化に対応した新科目の設定でございます。まだ学習指導要領の改訂がなされていないところではございますが,平成30年度の先行実施に向けまして,並行して準備を進めさせていただければということでございます。こちらのワーキンググループで御議論いただいたような内容をこの後でございますけれども,放送大学さんと御協力いただきながら,これは恐らく2単位分ぐらいになると思いますが,新科目を設定し,目指しているところは29年4月からオンライン授業でスタートさせていただければと思っているものでございます。御参考でございます。
資料の説明は,以上でございます。
【吉田主査】  どうもありがとうございます。何か不足等ございましたら,事務局まで御一報ください。よろしいでしょうか。
それでは,続きまして,前回御議論いただいた3-1「外国語ワーキンググループにおけるとりまとめ(案)」の修正点,又,「外国語ワーキンググループにおける議論の詳細(案)」,それから,先ほどありました「言語能力の向上に関する特別チームにおけるこれまでの議論の取りまとめ(案)」について,事務局から説明を頂き,それについて皆さんと御議論をしていきたいと思います。よろしくお願い致します。
【圓入室長】  それでは,資料3-1の朱書きが入っている方が分かりやすいかと思いますので,こちらを御覧いただければと思います。
前回,外国語ワーキングにおける取りまとめ(案)ということで,たたき台を御用意しておったものでございます。これと併せて,資料の3-2も御覧いただければと思います。パワーポイントが横書きで目次の最初のページについておりますけれども,こちらも少し使わせていただきながら,御説明をさせていただきたいと思います。
まず,資料3-1の表のページですが,御指摘いただいた点,例えば,丸の下から3つ目でございますとか,それから,少し「コミュニケーションを行う目的・場面・状況等」という言葉が繰り返し出ておりますので,そういった文言の統一をさせていただくということでの修正でございます。
2ページ目以降,少し詳しく御紹介できたらと思いますが,ここから,前回御説明いたしましたように,外国語教育における見方,考え方についてのくだりになっております。
上から2つ目の丸でございますが,特に御意見を頂いておりました,「外国語教育においては,特に,他者とコミュニケーションを行う力を育成する観点から,社会や世界との関わりの中で,外国語やその背景にある文化の多様性を尊重し」ということで,赤字で書いておりますが,こういった思考の枠組みの中で,次の「そこで」以降に,「見方・考え方」の括弧で,少し修正をさせていただいております。「社会や他者」ということだったのですが,その「世界とのつながりも」とお書きいただきましたので,そこを追加させていただいたり,「外国やその背景にある文化を尊重し」だったのですけれども,「文化の多様性を尊重し」ということで,御意見を頂いたことを踏まえ,修正をしております。また,「見る」のだけではなくて,「聞いたり読んだりして」ということも加えさせていただいております。
次の2ページの後段を御覧いただければと思います。ここから,「小・中・高を通じて育成すべき資質・能力の整理と,教科等目標の在り方」に入りますけれども,最初のくだりのところは,特に「言語能力の向上に関する特別チームの議論を踏まえ」ということで,ここには詳しく言語能力のチームの内容自体は記載しておりませんが,それを意識しながらということを書かせていただいております。そのほか,見方,考え方で整理した文言の整理をしつつ,3ページ目を御覧いただければと思います。
小学校外国語活動以降の,学校段階ごとの資質・能力の教科目標を修正させていただいております。前回の大きな修正の方向性としては,より小学校から高校にわたりまして,一貫した目標にすべきと,少しまだずれがあるのではないかという御意見があったかと思います。そういった趣旨での,縦のラインでの文言の整合性ということで,少し修正を加えさせていただきました。
2点目は,ほかの教科にもこのような整理をするようにということを言われております点で,二重丸のところでございます。この二重丸は,見方・考え方,総則の一覧表に掲載されるということでございます。それと,各教科の学校段階ごとの教科目標を統合するような,つなぐような役割を果たしているかと思いますが,その中には,この二重丸でございますけれども,見方・考え方を働かせ,それぞれ各教科の特性を踏まえた学習課程を少し書き下すことになっておりまして,赤字を御覧いただければと思います。学校段階ごと,今は同じ文言で整理しておりますけれども,「コミュニケーションの目的を理解し,見通しを持って目的を実現するための活動を通して」ということでございます。学習課程について,後ほど御説明いたしますけれども,6ページの(3)に資質・能力を支える学習課程について記載していますので,そことの整合性という,そこの趣旨を活かしたような,なるべくこの二重丸のところに文言を加えさせていただければと考えております。
それから,この二重丸とマル1からマル3でございますけれども,必ずしも二重丸が下のマル1からマル3に分化しているわけではございませんで,一体的に教科目標となるということでございまして,なるべく全体の文言の重複を避けるような形で整理をさせていただきたいと考えております。マル1については,知識・技能。マル2については,思考・判断・表現力。マル3については,学びに向かう力,人間性などということで,態度面になっておりますけれども,それぞれ整理をなるべくしていく。まだ若干,マル1からマル3の文言がかぶるところがありますが,それは必要性に応じて理由も整理をしながらまとめさせていただければと考えております。
それから,なるべくマル1が肥大化しないように,マル2をきちんと書かなければいけないということだったかと思いますけれども,なるべくマル2もしっかり書かせていただいて,かつ,各学校段階の文言の整理をさせていただくような整理をさせていただいております。時間がございませんので,それぞれは赤字のところの修正を御覧いただければと思います。
4ページに移らせていただければと思います。ここに下の丸2つ目のところから,「小・中・高等学校を通じた指標形式の目標の設定」の必要性,位置付けを整理させていただければと思っております。特に,これまでも英語教育の有識者会議の中でも,この必要性はかなり議論を頂いておったところでございます。このたびの中教審の中での方向性と併せて整理をする場合でございますけれども,前回御説明させていただいたとおりでございまして,「児童生徒の各学校段階の学びを接続させること」ということと,「習得した知識・技能を活用し,思考・判断・表現する力を育成するため」ということで,「外国語を使って何ができるようになるか」という観点からの教育目標となるようにする。そこで,赤字で加えさせていただきましたのは,いろいろ御質問が多くございますのは,3つの資質・能力のどこまでを対象に,念頭に,指標形式の目標を置くのかということでございましたので,赤字で最後の行でございますけれども,「知識・技能や思考・判断・表現力を一体的に育成し,小・中・高等学校一貫した目標を実現するため,そこに至る段階を示すものとして段階的に実現する指標形式の目標を設定する」と,その理由と言いますか,位置付けをいったん整理いたしました。
「また」ということで,5ページの最初の丸以降,「主体的に学習に取り組む態度」の面もありますけれども,ここについては,CAN-DOに位置付けると言いますか,中に入れるということではなくて,知識・技能,それから,思考・判断・表現力を育成する過程で,両者は不可分に結び付くもので,その高まりを目指した指導をすることが重要であるということを書かせていただいております。
この構造自体,どのようになるのかというのが,今後,学習指導要領の作業に入るときには重要なことになるかと思いますので,ここについては本日,是非先生方に一定の方向性を頂ければと考えております。
別添の3-2の「外国語ワーキンググループにおけるとりまとめ」を少し御紹介していきますと,別添1は,最近の新しいものに差し替えをさせていただきながら,別添の2以降を,本文に併せて修正をさせていただきたいと考えております。
特にこの中で関連して御紹介したいのが,ページがなくて恐縮ですが,別添の16で,後ろの方からおめくりいただきますと,外国語教育における縦版の資料で,目標,学習プロセス,学習課程,評価の構造のイメージをつけさせていただいております。国の目標と,学校がどうなるかという図で,少し分かりやすく修正をしていきたいと思っておりますが,国の目標の左側を御覧いただきますと,「知識・技能,思考力・判断力・表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」ということで,下の方にCAN-DOがついてくるということでございますけれども,更に学習プロセスも,これは本文にも書いてあることを少し並べておりますが,更にその評価方法をどうするか。学校については,CAN-DOは知識・技能,思考・判断・表現ということを対象にいたしますけれども,一番右側の下の方を御覧いただきますと,評価の観点ということで,知識・技能,思考・判断・表現,主体的に学習に取り組む態度ということで,目標に準拠した評価の在り方ということも,ここも本文を活用しながら,ここに整理をしていきたいと思っておりますけれども,3つの観点というのは,単元における学習を一体化に評価が行われることが必要ということを,前回も少し御説明させていただきました。2つ目のポツに書いてございます,「知識・技能,思考・判断・表現力の観点のうち,その単元において最も重視する観点を示されている評価事項を『主体的に学習に取り組む態度』の項目としても捉え,両面から評価する」ということで,これは前回,前々回も高木委員からも御意見がございました。なるべく学校の先生方にも分かりやすくお伝えできればという趣旨もおっしゃっておられたと思いますが,知識・技能では,例えば,することができる。思考・判断・表現をしている,できる。そういったものを表裏一体的に評価する観点として,「主体的に学習に取り組む態度」については,「何々しようとしている」ということでございまして,有識者会議のときでも逆上がりの例を出しておられましたけれども,1つの単元,若しくは複数の単元にわたって評価するときに,単に何々ができるということだけを見取るのではなくて,そのできるまでの過程の,何々しようとしているということもきちんと見取るということでの御意見であったかと思います。
そういった整理を,今回はここまでなるべくさせていただいて,教育委員会や学校の方々にも少し分かりやすくその構造をお示しさせていただくようなことができればと思っておりますので,こういった資料も本文と併せて御意見を頂ければと思っております。
大変申し訳ありません。また3-1に戻りまして5ページ目以降ですが,頂いた御意見をそれぞれ修正しているところを,適宜御参照いただければと思います。
6ページを少し御紹介したいと思います。最初の丸でございます。前回,投野委員からも御意見がございましたが,このワーキンググループの中で,語彙の話ですとか,いろいろと御議論いただいた経緯がございまして,こちらの本体なるべく20ページぐらいということで,各教科の並びも見ながら整理しておりますので,ここには小・中・高,一貫した目標の項目の中に,指導語彙数ということで,これまで外国語ワーキングの1月のときにまとめさせていただいたところがございましたけれども,そこから御意見を,少し整理を新たにさせていただいたものでございます。こういったものも,先ほどの別添資料の中に整合性をもってお示しをできたらと思っております。
(3)は「資質・能力を育む学習課程の在り方」ということで,文言整理だけでしたので,少し飛ばせていただきたいと思っております。6ページ,7ページ,文言整理をさせていただきまして,今度8ページでございますけれども,ここまでが「『目標に準拠した評価』に向けた評価の観点の在り方」でございます。学習評価については,多分,審議のまとめ以降だと思いますが,また更に,具体に御審議される場が別途なされるということでございますので,現時点では,外国語ワーキングにおいては,とりあえずここまでまとめさせていただければということでございます。
それから,8ページの3ポツ以降,「資質・能力の育成に向けた教育内容の改善・充実」でございます。ここも9ページにわたって文言の整理,10ページも少し文言の整理をしておりますが,10ページの最後の丸の辺りを御覧いただければと思います。前回御意見いただきました,「カリキュラム・マネジメント」の観点でございます。もちろん,これは小学校の教育課程全体を見通したカリキュラム・マネジメントという定義の整理を,総則・評価部会,小学校,高等学校部会までに整理をされておられるところでございますけれども,一人一人も教員の方々も,その視点を持っていただく必要があるという御意見を踏まえて,加えさせていただきました。それから,「カリキュラム・マネジメント」という言葉だけが独り歩きすると,何となく現場の先生方にかなり責任がということで御意見を頂いておったかと思いますけれども,こちらについても国の方でも今後でございますが,全ての教科等や学年で見直す必要があるということで,その効果的な創意工夫の在り方について,国や教育委員会と小学校関係団体,小学校だけではなくてほかの学校も入ってくるかもしれませんけれども,連携して調査研究を行い,その成果を普及させていくことが求められるということで,これは他部会でもこういったお話が出ておりまして,そういった文言をここにも書かせていただきました。これもそんなに遠くない時期に,何らかの形でそういった議論をする場が設けられて,国としても方向性をお示しさせていただくことを考えていると聞いております。
続きまして,11ページ目以降でございます。全教科とも,教育の内容の改善・充実の方向性でございますが,ほとんど高等学校の科目の見直しがかなりウェイトとして多くございまして,そこから書いてあるものが多いのですけれども,こちらの外国語教育のワーキングにおきまして,中学校,小中連携や中高連携ということで,この(3)というものを改めて追加させていただきました。場合によっては,ここは,小・中,中・高連携の改善・充実になるかもしれませんけれども,とりあえず小・中が中心ということで,こういった形で置かせていただいております。
ただ,こちらについても,外国語ワーキングの1月12日に開催させていただいたときの取りまとめの中に記載をさせていただいたものを,ほぼ転記をさせていただいているものでございますので,改めてこちらについて御意見があれば,後ほど頂ければと思っております。
続きまして12ページでございますが,(4)で,「高等学校における科目構成の見直し」でございます。仮称ではございますが,科目名などを明確化することで修正を加えさせていただきました。また,御意見を頂いたところを追加させていただいております。
続けて13ページで,真ん中の方に(5)がございます。「英語以外の外国語教育の改善・充実」ということで,頂いた御意見を事務局で加えさせていただいております。
それから,次の(6)以降は,これも繰り返しになりますけれども,言語能力向上に関する特別チームにおいて整理された内容を踏まえ,検討の方向性を打ち出していくということでございます。ここで恐縮でございますが,先ほど御紹介しました言語能力の向上の特別チームに関する資料も少し御覧いただければと思います。資料の5番でございますけれども,表紙に「5月12日第5回会議後修正」ということでございます。これは前回から大きな点といたしましては,構成の修正が多くございましたので,要素として,こちらで,外国語ワーキングで頂いたよう御意見は,余り変わっていないと思います。ページでいきますと,1ページ,2ページ,3ページ,4ページ,ずっと御覧いただきますと,この辺りは基本的な方向性,考え方ということで,前回御紹介させていただいたような内容が記載されております。
また,8ページ以降ですが,ここから「国語科」「外国語活動・外国語科」の改善・充実ということで,もちろん,それだけではなくて,すべての教科にわたってということも書いてあるのです。例えば,10ページ以降,これは最初に国語科の方向性を書きながら,11ページ以降に外国語活動・外国語科ということでの外国語ワーキングでも記載されているような内容を書かせていただいております。
12ページ以降に,「言語能力の向上のための『国語科』と『外国語活動・外国語科』の連携について」ということで,「連携の意義,目的」というところから,いろいろな期待に関する,どのような効果が期待されるかという指摘が,丸の4つ目以降のポツのレベルでたくさん具体的な御意見を頂いております。これも御参照いただければと思いますし,また,13ページ以降に,「連携の方向性」,14ページ以降に「指導内容における連携」ということで,かなり具体のレベルまで整理がなされております。
それから,続けて15ページにおきましては,更に「指導する時期や順序を踏まえた効果的な連携」ということで,その「言語活動で扱う種類における連携」とか,「題材における連携」,「教材として使用する題材の工夫による連携」といったことも書かれております。最後のページには,そのために必要な条件整備ということも記載されております。
後ろの方は別添で,御参考資料として御覧いただければと思います。「言語能力を構成する資質・能力」とか,その働く過程のイメージ案。最後のページに,「例えば」ということで,「小学校における国語科と外国語活動・外国語科の連携について」のイメージということで,こちらの外国語ワーキングの中でも,以前にアルファベットの認識のところで,ローマ字との関係の課題も御指摘がありました。例えば,こういった絵をお示しいただきながら,その連携についてイメージを持っていただければという絵を御提供いただいているというものでございますので,こういったものが並行して,審議のまとめということでまとまるという,これは今度23日,今週中でございますが,このまとめで御審議をされて,一定の方向性を得られるのではないかと考えているものでございます。
そういったこととの関係で,また戻って恐縮ですが,3-1の13ページに,「『言語能力の向上に関する特別チーム』において整理された内容を踏まえ」という,長くて恐縮ですけれども,外国語ワーキングの資料の中にはこういう形でそういったものも並行して踏まえながら検討することが,ここで書かせていただいているところでございます。
それから,14ページ以降も頂いた御意見を踏まえ,少し修正させていただいております。
15ページについては,前回,空白になっていた部分が多かったところでございますけれども,特に「特別支援教育の充実」,「個に応じた学習の充実」ということで,それぞれ小・中・高ということと,「個に応じた学習」については,例えば,格差の話を何度か頂いておったと思いますが,それを踏まえて,これは指標形式の目標,学校におきましては学習到達目標を通じての対応,個に応じた学習の必要性を加えさせていただきました。
16ページ以降になりますけれども,ここからは文言の整理を少しさせていただいたところでございますので,説明を省略させていただきます。
18ページにおいては,「教材の在り方」でございますけれども,こちらも少し御意見を頂いたところを踏まえ,修正をさせていただいたところです。丸の4つ目で,以前から頂いておりますが,小学校高学年で72時間になった場合でございますけれども,単純に35全てを短時間にするということではなくて,柔軟な時間割編成が小学校部会でもまとめていただいているところでございますが,その中で,一律35を15分にするということではなくて,一定の効果的な短時間学習の活用ということでの設定をということは,一貫して先生方から頂いておったかと思います。そういったことを踏まえて,どのような効果があり得るのかということですが,今年度の夏においても,また,研究開発校や,今,英語教育の拠点授業をやっております拠点校で実質2年目でございますけれども,先行して補助教材を使った取組をしていただいておりますので,どういった効果や課題があるかということを更に検証して,今年度別の有識者の先生に参加いただいた教材の検証開発の検討委員会というものを立ち上げさせていただきまして,年度末に向けてできる限りその内容をお作りいただいて,来年度においては平成30年度先行実施の前の年ということもありますので,教育委員会を通じて広く御提示をさせていただければと考えているところでございます。そういった意味で,一定の効果的な短時間学習の活用を柔軟なカリキュラム設定を行うことが可能となる教材ということで,ここに御意見を踏まえて追加をさせていただきました。
そのほか,最後の20ページでございますけれども,これも他教科でも書かれているということがありましたので,追加的に最後の丸に,高大接続改革における外国教育に対する期待ということで,たたき台の文章を加えさせていただいております。
長くなって恐縮ですが,一応こちらの資料が整理されれば,4-1も併せて整理をしいてきたいと考えております。これもあくまでも4-1は御参考ということで,きょう配付させていただいておりまして,事前にメールでも送らせていただいておりますので,適宜御意見を頂ければと思っておりますが,今のところ,このワーキンググループで頂いた御意見も,例えば,外国語ワーキングの1月12日におまとめいただいたものも追加をして,それから,きょうまで頂く御意見も,まだ足りないと思いますが,追加をして,後日御連絡をさせていただいて御確認いただきたいと思っておりますので,併せて本日御意見を頂ければと思っております。
御説明が長くなって恐縮ですが,以上でございます。
【吉田主査】  ありがとうございました。
それでは,これから,今説明していただいた,この資料3-1の内容について議論していきたいと思います。1ページ目から,1番,「現行学習指導要領の成果と課題」。2番,「育成すべき資質・能力を踏まえた教科目標と評価の在り方」について。そして,少し飛んで,8ページに,「資質・能力の育成に向けた教育内容の改善・充実」となっていますけれども,とりあえず,まず,この前の方から順番に御意見がおありの方は,いつものように又札を上げていただければと思います。
最初の「現行学習指導要領の成果と課題」について,今回は文言修正が中心になってはいますけれども,何かここについてはありますか。あったら,また言ってください。
2番目の「育成すべき資質・能力を踏まえた教科目標と評価の在り方」について,ここのところは,結構新しくいろいろと加わっているような部分もありますけれども,このセクションについての御意見などがございましたら,よろしくお願いいたします。
では,江原さん,どうぞ。
【江原委員】  よろしくお願いいたします。本当に文言についても詳細に調整していただいて,本音としては「これでいきたい」とお考えだと思うので,余り意見を言いにくいのですが,ページで言いますと4ページの一番下の丸です。「次期学習指導要領の改訂において」というところですけれども,私の考えでは,ここが一番今までの議論ですごく大事だなと思っていまして,具体的には何かというと,「知識・技能」のところと,「思考・判断・表現」のバランスの問題なのです。なぜここの丸のところをこだわるかと言うと,全体を通して,今回,私は読ませていただいて,非常に印象なのですけれども,その「知識・技能」のイメージが強く出ているような気がしたのです。つまり,メタ認知的なものとか,言語の知識的なものとか,非常にそういう,大学の講義の,言語学の講義を聞いているような印象を受けたのです。それは,今回の流れとは少し違うかもしれない。言語というのは,もっと使いながら,基本的にコミュニケーションしながら学んでいくものであるという,そういうところが少し弱いかなと。では,どうするかということで今の丸ですけれども,却下されるかもしれませんが,例えば,1行目の,「知識がどれだけ身に付いたかにとどまらず」とあるのですけれども,この「とどまらず」というのは,割と現状認識型の言い方なのですよね。今やっていますと。それだけではだめよと。そうではなく,例えば,知識がどれだけ身に付いたかに主眼を置くのではなく,習得した知識・技能が実際のコミュニケーションにおいて活用される。それぐらいのニュアンスでちょうどいいかなと思いました。
それから,もう一つは,一番下の赤字で加えられた「知識・技能や思考・判断・表現力を一体的に育成し」と,これはこう解釈してよろしいのでしょうか。例えば,単元ごとに実際の授業の運用が始まったときに,うちは基礎力のない生徒が多いから,この単元は知識・技能だけでやりますよと。それはないよということでよろしいのですよね。それがすごく大事だと私は思っています。ですので,ここを確認です。どちらかといえば,コミュニケーションが主眼であるならば,今までのいろいろな資料との整合性を考えれば,「思考・判断・表現」のところが究極の目標と考えられるのです。とりあえずここで終わりにしておきます。
【吉田主査】  ありがとうございました。
では,松本委員,お願いします。
【松本主査代理】  私も同じ意見でして,それに関連して7ページの下から2つ目の丸です。ここにも「語彙・表現や文法などの知識の習得にとどまらず」というのがあります。これまでの日本の英語教育の改革というのは,まず知識を習得してから,それを活用するのではないよということで,文部科学省をはじめとして御努力をされてきているわけですよね。こういう書き方だと,逆戻りするのかなという印象を与えると思うのです。それで,こういうふうに書き改めてはどうかと思います。「知識・技能については,言語活動あるいはコミュニケーション活動を通して,語彙・表現や文法などの知識の習得を図り,それらを活用して実際のコミュニケーションを図ることができるような知識として習得される」というように,活動を通してこういうものは習得されるのだ。習得されつつ,またそれを活用していくという哲学をはっきりさせておかないと,本当に日本の英語教育はまた元へ戻ってしまうのかなという印象を与えるような気がします。
それに少しだけ関連して,3ページの小学校高学年ですが,前回,私も指摘させていただいた点を与して書き直していただいて,その御努力については敬意を表したいのですけれども,若干気になるのは,「読むことと書くことに慣れ親しませ」というのが,まず強調されていて,「外国語の音声・語彙・表現を聞くことと話すことに用いて」と,何を用いるのかというのが,多分,言語の働きや役割などを理解したことを,ということだと思うのです。私の理解力が悪いのかもしれませんけれども。ということで,まずは読む,書くをやれという印象を与えてしまうのと,知識とか言語の違いを理解した上で,それを実際のコミュニケーションに活用するという読み方ができるので,これはマル2に関しても同じようなことが言えます。小学校高学年の発達段階に応じて,中学校とは違う書きぶりをしなければならないというのも分かるのですけれども,何か無理矢理違う書き方をしているような気がしまして,その点,もう少し小学校と中学・高校とすり合わせが必要なのではないかと思います。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。お二方とも非常に中心的な,根本的な問題をついておられると思います。
では,投野さん,お願いします。
【投野委員】  私も2点で,1点は今の松本委員の点と少しかぶります。小学校の外国語活動と,高学年の3ページの二重丸の書きぶりで,「慣れ親しませ」というのは多分,完全に身に付かなくてもいいから,とにかくそういうものに親しむというか,そういう素地を作る的な感じで書いてあると思うのですけれども,そうだとすると,高学年の方は,私はこれが皆さんで議論して一致しているかどうか分からないのですが,音声面ではとにかく習得を目指し,読み書きに関しては慣れ親しませるという段階でいいのかどうかということですね。
前の議論だと,私などは下に下ろすという点で教科化するということでいけば,五,六年は読み書きもある程度親しむだけではなく,それがきちんとした理解になるような,一,二年,三,四年で活動をやってきて,今の『Hi,friends!』」みたいなものをやっているとすれば,それがきちんと定着になるように,読み書きの知識も使うという方がいいのではないかという感じがするのですけれども,その辺については,読み書きはきちんと習得しなくてもいいのだというレベルなのかどうかですね。これは実は後ろの方の小学校の活動のところの書いてある内容と少し違和感がありまして,9ページの「小学校の高学年においては」というところだと,「これまでの体験的な『聞くこと』『話すこと』に加え,『読むこと』『書くこと』の4技能を扱う言語活動を通じて,より系統性を持たせた指導(教科型)を行う」と書いてあります。ということは,4技能についてはどういうバランスでするのかということをもう少しきちんと明示しないといけないのかなと。教科書も作りにくいのと,評価の観点も結構ぶれるのではないかということを少し思いました。それが1点です。
もう一点は,CAN-DOを入れていただいて,きちんと位置付けてすばらしいと思います。それは良いと思いますが,1点気になるのは,5ページの「求められる生徒の英語力」ということで,一番下のところです。ここに国の第2期の云々ということで,指標で大体50%の実現をこのぐらいでしたいということが書いてあります。これは,今までの調査結果から,大体このぐらいを目指すのがいいのではないかというのは理解できるのですが,この50%のレベルに達成度の照準を合わせますと,多分,インプット側ですね。これはアウトプット側の結果なので,インプット側としてはこのレベルよりも高いものを入れていないと,照準は合わないですね。ですので,CAN-DOをどこに,どのレベルに合わせて教科書を作るのかということが,少し教科書会社側が迷ってしまうのではないかと思うのです。
次の6ページの一番上の語彙レベルを見ていただくと,語彙レベルの方は,一段階高いぐらいのレベルです。ですから,中学校で大体,少なくともA2の下ぐらいまでの内容を入れていないと,CEFRのA1レベル程度というのを50%達成は難しい。ですので,教科書を作る側の情報として,どのくらいの指標形式の目標を設置するかということと,達成目標としては結果的にこのくらいというのは分けて書いた方がいいのではないかというのは感じたことです。この辺は,目標設定をこういうふうに書いてしまうと,低い方に照準が合ってしまって,教科書作りもそれほど今までと変わらなくなる可能性があるというのを感じました。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。とにかくリセプティブとプロダクティブは違うということを大前提に,前からもそういう話がありますので,そこのところは考えなければいけないですね。
渡部さん,お願いします。
【渡部委員】  私は,先ほどの江原先生,松本先生のお話にあったことに関連した意見ございます。「知識・技能」,それから,「思考力・判断力・表現力等」というところは,段階を追ってというものではなくて,一体的に育成していくという考え方でありますが,1つ私が心配なのは,言葉の問題です。ところどころに「定着」という言葉が出てまいります。「思考力・判断力・表現力等」というのは,決して「知識・技能」がなければ身に付くものではないという考え方であるものの,ある程度,「知識・技能」を身に付けた上で,「思考力・判断力・表現力等」を高めていく活動をしていくということです。
では,「定着」というのはどこまでかと。現段階では,私,いろいろなところで話をする上では,先生方が誤解されているのは,「定着」というのは語彙・文構造を定着させるという理解は,今でも非常に根強く残っている。現場の先生がこういったものを読んで,「定着を図る」というところを見たときに,まず考えてしまうのは,語彙・文法。この「定着」という言葉について,ある程度定義をしておく必要があるのではないか。つまり,「定着」というのは,今言っているどこまでを身に付けさせることなのか。これは「育成」という言葉と「定着」という言葉が混同されて使われているので,ここも整理をする必要があると思うのですが,まず,今の段階としては,「定着」は語彙・文法を身に付けるという,主として中学校・高等学校に見られるような誤解がある。では,今度は「定着」というのは,「知識・技能」を身に付けさせることなのか。あるいは,「思考力・判断力・表現力等」も踏まえて一体的に育成するのだから,「思考力・判断力・表現力等」も身に付いた姿が「定着」なのか。そうすると,後の高校の記述のところに「中学校段階の学びが定着されていない」という表現が出てきますけれども,これもこの部分だけを読むと,恐らくここの先生は,文法・語彙がきちんと身に付いていないという誤解をされるのではないか。けれども,その中学校段階の学びが定着されていないというのが,単に言語運用能力が身に付いていない段階なのか,あるいは思考力・判断力・表現力等まで全てを踏まえた上で定着されていないというものなのか。ある程度言葉の整理をしていく必要があるのではないかと感じました。
以上です。
【吉田主査】  先ほどのCAN-DOの問題とも関わってくる問題ですよね。
では,石鍋委員,お願いします。
【石鍋主査代理】  大きく2点あります。まず,3ページから4ページにかけての,小学校・中学校・高等学校の縦のラインで整理をされたところは,読ませていただいて非常に意図が分かって良かったと思っています。ただ,細かいところを見ていくと,私の読み取りの問題かもしれないのですけれども,幾つか分からないところがあるので,そういった点でお話をします。
中学校のところの二重丸の3行目を見ると,「情報や考えなどを外国語で交換することができる資質・能力を育成する」と。つまり,「交換する」という言葉が出ていて,小学校の中学年,高学年,そして高等学校の方は「伝え合う」ということが中心に出ています。4ページの中学校のマル2のところには,「交換する」というのと「伝え合う」という2つ出てくるのですけれども,この辺の関係が少し読み取りづらかったです。例えば,マル2のところは,「簡単な情報や考えなどを交換したりするなどして」と,それが下位にあって,そして,「伝え合うことができる力を養う」と。「伝え合う」が上位に出てくるように私は捉えられました。ただ,中学校の二重丸に戻りますと,「交換する」というところが上位項目として入っているように見えてしまうので,この辺りの整理をしないと,現場は少し戸惑ってしまうかなと思います。
もう一つは,小学校の外国語活動は「伝え合う力」,高学年は「伝え合う基礎的な力」という使い方もされているので,その辺りを整理していただくとあり難いと思っています。
大きな2点目ですけれども,7ページ,(4)「目標に準拠した評価に向けた評価の観点の在り方」。この中の丸の中に,「思考・判断・表現」を出しているところがないではないかと思うのです。今回の改訂の大きな柱として,「思考・判断・表現」の部分があると思いますので,現場として,そこをどのように評価していくのかというのは,大変大きな問題であろうと思われます。ですので,実は8ページの2つ目の丸の中には,多少それに関わっていることを書かれているのですが,私は「思考・判断・表現」を単独でボンと持ってきてもらえないかという思いで読み取っておりました。ただ,その辺の表現の仕方はまた文科省の意図があるかもしれませんので,一応感想としてお伝えをしておきます。
以上,2点です。
【吉田主査】  どうもありがとうございました。
続きまして,本多委員,お願いします。
【本多委員】  まず,6ページの新しく増えた語彙に関して,語彙数だけが載っているのですが,どのレベルかということですね。小学校で600~700ですけれども,恐らく聞くことが多いと思います。そこら辺の綴りまでどの程度というのは,この後書かれるのかもしれないのですけれども,これだけ出ていると誤解を生じることが全て算出できるレベルまでなのかということに誤解を生じるので,何かしらの文言が必要ではないかと感じております。
もう一点あります。これは確認ですけれども,10ページです。一番上の短時間学習の定義ですが,右の面に「ICT等も活用しながら10分~15分程度の短い学習を単位とし」というところが,帯学習などを含める,それが短時間学習と定義されているのです。この時間ですが,これは小学校の先生にもお聞きしたいのですけれども,10分から15分が現実的に多いとは思うのですが,例えば,これを授業の半分を割るような,例えば,二十二,三分のものが可能なのか。それを短時間学習と呼ぶことが可能なのかということに関してはいかがかなと思います。
以上です。
【吉田主査】  今の点について,文科省ではいかがですか。短時間学習といったときの時間の長さは何か考えがありますか。
【圓入室長】  まだ正式に短時間学習が何分なのかというところは,ほかの部会でもこうという形は書いていないのですが,例えばということで,今回,初めて全国の小中学校の短時間学習,どのくらいのものを何分でやっているのが一番多いのかというのを調べましたら,10分から15分が多かったということで例示を挙げさせていただいた経緯があります。ただ,5分のものもあったり,事例としてお伺いすると,30分と15分に分けて実施するという意味で,15分を短時間と呼んでおられたり,中国などでも30分に分けて柔軟な時間割編成をやったりということも例として挙がっておりますので,そういう意味では短時間というのは,あくまでも今,全国的に一番多い例だということで御理解いただければと思います。
【吉田主査】  最終的には,もう少しきちんとした形で言っていかなければいけないかなと思います。
では,平岡委員,お願いします。
【平岡委員】  先ほど出ていたと思うのですが,中学校の目指す,求められる生徒の英語力のところです。中学校は英検3級以上が50%と書かれているのですが,いろいろな生徒もいるということを含めて,こういうふうに書かれているのかなとは思うのですが,大体目標として50%というのは非常に低いのではないかと思うのです。小学校でもいろいろな目標を立てるときに,100%と立てても100%にならないけれども,初めから50%という目標を立てるというのは,余りあり得ないなと思うわけです。ですから,ここは目標として,目指すべき,求められる英語力としているのであれば,それは50とか半分ではない方がいいのではないかと感じます。中学校で50%としている割には,小学校の目標が非常に高いなということを感じるのです。入り口を上げれば出口も上がるというのは,非常に安直な考えではないかということを感じます。
今,小学校は,五,六年生は必修でやっているけれども,日本全国的に全ての学校で,1年生からやっているわけではなくて,新たに教科化になり,三,四年生は外国語活動をしていくという段階を踏まえて考えていかなくてはいけないのではないかと思うわけです。だから,小学校高学年は,今の中学校と今の外国語活動の間ぐらい,そういうレベルを求めていく。大事な時期ですから,これから始まる教科化はすごく大事な部分だと思うのです。だから,それぐらいでいくことの方が,子供たちに負担が少ないのではないかなと思います。
先ほど,圓入室長からもありましたように,文言については検討されるとありました。小学校は,ほかの教科との兼ね合いもあるので,横にも見ていただいて目標を考えていただけたらいいなと感じます。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。去年ですか,文科省の英語力の調査,千葉県は確かもう50%いっているのですよね。ということは,目標をもう突破してしまった。もうやることはないということになってしまうと,これは困りますよね。かといって,千葉県の中学生皆が英語をできるかというと,必ずしもできるわけではないので。その辺はどういう考えをすればいいかですよね。
【圓入室長】  少し補足させていただければですけれども,有識者会議のときにも同じ御議論を頂いておったかと思います。これは,中学校だけではなくて高校についても,かなり多様化が進んでいて,いろいろな幅がある。高いところから,少し課題がある層もある。ですので,そういった多様性を踏まえた学習指導要領の見直し,ここで言うとレベルのような話になっていますけれども,それとはまた別に,これは第2期の教育振興基本計画,最終年度が29年度ということなので,次の30年度以降に,実際の学習指導要領,小学校から中学校,順に全面実施になっていくわけでございますので,タイムスケジュール的にはずれが生じています。ただ,今の議論としては,こういった状況も踏まえてということで,書きぶりも少し整理したいとは思うのですが,目標の設定と現状,今のアンケート結果,確かに千葉県は高いのですけれども,全国平均はまだ3割ということもありますので,その設定の仕方については,また別途,教育振興基本計画,これは中教審とはまた別の特別部会がございまして,そこで第3期の目標の設定については,手続をしていくことになるかと思います。議論の詳細でいきますと,19ページ辺りに,有識者会議のときから,様々な生徒の英語力の目標設定と,18と19ページで,頂いていた御意見を補足的に書かせていただいております。今頂いていた御意見は,多分,こういったところにも少し記載をさせていただいて,学習指導要領だけではなくて,今後は第3期の基本計画,諮問が先月なされていますので,先生方の御意見を是非参考にさせていただければと思います。現状と,多様な層がある。そもそものレベル設定の意義としては,単に外部試験取得ということが目的ではなくて,これは学力調査の会議でも御意見があったのですが,いろいろな層にある生徒さんの英語力を高めていくという機能を有しているので,それをどういうふうに書きぶりを今後第3期にしていけばいいのかということについては,また別途議論がありますので,今日頂いた御意見ももちろん参考にさせていただき,ここに加えさせていただければと思っております。
小学校での高さについては,以前,投野委員から発表いただいた経緯もあったかと思います。議論の詳細にも,小学校の,例えばCEFRをどこから設定するのかということを,14ページ以降に少し,当時頂いた御意見を転記させていただいておりますが,英語教育の有識者会議のときには,恐らく五,六年生からではないかという形で整理が終わっていました。ただ,今回の外国語ワーキンググループでは,ここにも書いてございますように,これまでの『Hi, friends!』をベースとした,CEFRとの関係の研究も投野委員から発表いただきまして,実際にかなり高いレベルから成果も出していただいているということだったかと思います。そういう意味では,三,四年生の外国語活動から教科化になります高学年にきちんと学びをつないでいくということで,CEFRを参考にさせていただきながらですけれども,我が国として小学校段階の指標の設定を少しここに補足で書かせていただいている状況でございます。
1点最後にご説明させていただければと思います。本体のまとめの3ページの高学年の書きぶりについてでございます。これについては,前回,様々な御意見も頂きましたので,後日にわたって委員の先生方にも少し御意見をまた補足していただいて,とりあえず出させていただいたものです。例えば,二重丸で言うと,外国語活動のところから,1番の方に下りていただきますと,前回は,ここは「気付く」ということで終わっていたので,それでは「知識・技能」としてはおかしいのではないかということで,気づいた上で基本的な表現に慣れ親しませるようにする。今の外国語活動を踏まえた整理ということで,案を出させていただいております。
本日御欠席の松川委員からも,「気付き」というのは導入部分であり,必要だということで後日御意見を頂いたこともありましたので,ここに記載をさせていただきました。我々もすごく悩ましかったのが,高学年にかけてどうつないでいくかと,高学年の書きぶりなのですが,これも松川委員からも御意見頂いたのですけれども,どうしても三,四年生で,「聞く・話す」ところに慣れ親しみから入ったところで,高学年では「読む・書く」ということもある程度最初は慣れ親しむ必要があるのではないかという御意見でした。ただ,慣れ親しんで終わるということでは全くなくて,今の別添資料のCEFRを参考にさせていただきながら,国の指標形式の目標のイメージをつけておりますけれども,そこを御覧いただければ分かります。当然,五,六年生におきましても,例えば,文字を正確に書き写すことができるようにするということで書いてありますように,きちんと知識・技能を,先ほど「定着」という言葉はもっと正確に使うべきという御意見,あえて言えば「定着」という部分は,「読む・書く」もあると考えております。それがここの丸の2で,表現がまだ出し切れていないということかと,先ほど委員の先生方からの御意見をお伺いして感じております。そういう意味では,この三,四年生は,年間35単位時間程度,五,六年生は70単位時間程度で4技能の,どうしてもスタートの時点での差が違うということも併せながら,ただ6年生の段階では,高学年のマル2に書いてありますように,「聞く・読む・話す・書く」ということは,当然ある。そこをどのように表現すれば,一番適切なのかということについて,本日,是非御意見を頂ければと考えております。
28日には,教育課程企画特別部会に,一旦,全教科,これまでのものをある程度まとめさせていただいて報告ということになっておりますので,是非今日はそういった御意見,様々なものがあることについては,集中して整理を頂ければというお願いでございます。
以上でございます。
【吉田主査】  ありがとうございます。今の点についても,これから皆さん,御意見がある方は言っていただきたいと思いますけれども,とりあえず,先ほどから御意見のある方で,まず長谷川委員,お願いします。
【長谷川委員】  ありがとうございます。既に皆様からいろいろ御意見が出ている点ですけれども,まさに今の点,この5ページの後ろから6ページの英語力の目標の件です。第二次教育振興基本計画における高校卒業段階の英検準2級から2級程度50%というのも,実際には3割,三十何%ということで,更に,その三十何%も実際に取得している人プラス,教員がそうだとみなしている人というのが含まれておりまして,実際はどうなのかというのもよく分からないところもございます。基本的に,今,皆様,いろいろな委員から御意見が出ているとおり,この目標自体が高過ぎるのか,低過ぎるのかとか,そういうことはまさにいろいろ御意見を頂ければ,専門家の方の間でお考えいただければと思うのです。基本的に企業などもそうですけれども,目標を立てても達成していないということであれば,そのPDCAを回すということであれば,その目標のどの程度まで達成すればよしとするのかという基準をまず考えないと,50%が今3割程度ということですけれども,これが4割になればいいのかとか,若しくは5割を達成しなければいけないのかとか,どの程度をもってよしとするのかというゴールがまずよく分からない。それから,ここに書いてありますけれども,PDCAサイクルを回すということがほかの資料にもいろいろ書かれているのですが,達成していない状況について改善への取組,達成に向けた取組をどのように進めていくのかというところが見えないと感じております。「高等学校基礎学力テスト」が,これから導入されるわけですけれども,例えば,そのテストを利用して,どういうふうに改善をしていくとか,若しくは達成していない層に向けたこういう取組をするとか,若しくは目標自体を何段階かに分けて,この段階を達成した人は次,でも,達成していない人は一律の目標ではなく段階的な目標にするとか,少なくとも英語力の目標の最終的な達成を向上させるような何かサイクルを,少し具体的な言及があるといいなと感じました。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。
それでは,佐々木委員,お願いします。
【佐々木委員】  私の意見は,最初に江原委員から出ました意見,ほかの委員の御意見と重なります。先ほど,「知識・文法の習得にとどまらず」というところは私も引っ掛かっていて,以前も申し上げましたけれども,現場の中で教えていく順番というか,文法,語彙を教えて,そしてコミュニケーション,そこがつながるべきで,全くつながっていなかったり,別物であったりという現場を考えると,今回の趣旨であるコミュニケーション活動を通して,語彙・文法も膨らませていくというスパイラル状態のようなもののイメージがきちんと伝わるようなものでないと,また同じことの繰り返しになるのではないかなという懸念から,知識・文法を身に付けつつとか,習得しつつ,コミュニケーション活動を通して,更に思考力・判断力・表現力を高めるといったような,我々の趣旨が現場に強いメッセージとして伝わる言い方を考えていただきたいと考えております。
【吉田主査】  ありがとうございます。
では,続きまして,藤村委員,お願いします。
【藤村委員】  先ほど圓入室長から,お話がありましたけれども,「読む・書く・聞く・話す」について,五,六年の外国語科になったとしても,同等ではないと思うのです。文字への抵抗は,子供たちは随分大きいです。正直,アルファベット1つ書くにも,ひらがなを書くようにはいかないという部分があります。まだ外国特有のアルファベットと,文字と音との関係もあるし,それから,一文字,一文字ではない,単語で構成されている部分が構成されている。抵抗が大きいので,同時進行ではいかない。十分に耳で聞き,そして自分が話をしたことをやってから文字にしていかないと,中学校はどちらかというと文字を含めた学習が同等で進んでいくと思うのですけれども,そういう進め方をすると,子供の意欲も含めて,小学校の外国語の始まる次期から子供が意欲を失ってしまったら,なんぼ高い目標を立てたとしても,それは継続しないと私は思っています。ですから,そこは慎重にすべきだと思っています。
そういう意味で,書きぶりは確かに分かりにくい部分があるのですけれども,どう書けばいいかというのは,実は私もなかなか思い浮かばないですが,基本的には文字については慣れ親しんだ後,最終的には4技能を使ったコミュニケーション活動ができることが大事だと思うのですけれども,そこは慎重に扱うべきではないかと思っています。
それから,文言のことになるのですが,3ページの外国語活動の三,四年のところです。そこのマル2に,「聞いたり話したりして自分の考えや気持ちなどを伝え合う力を養う」と書いてあるのですが,これは果たして小学校三,四年の子供に,これがもしジャパニーズオーケーであればいいのですが,もしこれ,英語で自分の考えや気持ちを伝え合うとなると,非常に目標が高くなってしまうのではないかと思います。
それから,高学年の方のマル2との関係,先ほど石鍋委員からお話がありましたけれども,ここには伝え合う基礎的な力を養うと書いてあります。外国語科の方で,高学年の方で基礎的な力を養うということは書いてあって,外国語活動の方にはそうではない,伝え合う力を養うと書いてあるので,ここはどういうふうに考えればいいのかなと思いました。日本語もオーケーという意味であれば,この書きぶりでもいいのかなとも思ったのですけれども,そういうふうに読み取れないことになるかなと思っています。
最後です。これはマル3ですが,「聞き手・話し手に配慮しながら」と外国語活動では書いてあるのですが,高学年の方は,マル3で,「相手に配慮しながら」という言葉が書かれています。飛びますけれども,17ページの真ん中あたり,「各学校段階においては,小学校では相手に配慮して」と,「相手に配慮して」という表現が入れてありますので,そう考えると,外国語活動のマル3のところも,「相手に配慮しながら」とすれば,三,四年の外国語活動と五,六年の系統性としてあるのではないかと思いました。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。先ほど圓入室長からあった部分も含めての今の御発言だと思います。
では,酒井委員,お願いします。
【酒井委員】  今の3ページのところですが,2点です。
1点目ですが,英語に初めて出会った子供たちが,音声に慣れ親しみ十分経験をした上で,高学年で伝え合う力の基礎的な力を養うと,経験,それから身に付ける流れは大事にしたいなと思いますので,書くこと,読むことについても,この「慣れ親しませる」ということについて,配慮というのはとても大事なことかなと思います。もしこれがないと,即,学習活動ということで,十分な経験なしに身に付いたことを評価するようなことが多く行われてしまうのではないか。そういう意味では不十分な経験のままで子供たちが評価されることが繰り返されると,また,英語への動機付けが低くなってしまう可能性があるかなと危惧しますので,この流れは大事にしたいなと思う一方で,目指してはいけない,つまり,慣れ親しませる段階であり,その先の書くこと,読むことの技能を身に付けることを目指してはいけないというメッセージに取られてはいけないだろうと思います。その意味では,2ページのところには「小・中・高一貫して,コミュニケーション能力を育てる観点から」という記述もありますので,ここでとどまることなく,その先のコミュニケーション能力の育成ということで,先のステップも視野に入れながら指導することが留意点としてどこかに意識付けされればいいのかなと思いました。
それから,外国語活動は,これは感想になってしまいますが,今の御指摘のところと同じで,マル2の「伝え合う力を養う」というところですけれども,体験,慣れ親しませることが,上の大きい目標の中の力を養うと捉えられればいいのかなと思うのですが,もしこれが独立して考えられてしまうと,高学年との齟齬があるということですので,何らかの修正ないしは説明が必要かなと思いました。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。
では,松本委員,お願いします。
【松本主査代理】  6ページの一番上の赤い部分で,室長の御説明を聞き洩らしたのかもしれませんが,ここには語彙数についてのみ記載されてあって,以前,投野委員が御発表された点で,日本の,例えば,中学校の教科書は,語彙数ではかなりいい線はいっている。でも,教科書ごとに共通語彙が非常に少ないという問題ですね。この別添というのが,どういう語彙を教えるのか,どの段階でというのが,ある程度記載されるのかどうかということが質問です。ですから,本文中にも語彙数のことだけではなくて,どのような語彙を小・中・高段階で教えるのかということについて,何らかの明示があった方がいいのではないか。少なくともそういう方向で検討するといった一文が入っている方がよろしいのではないかと思います。
済みません,私,早退させていただくので,次の大きな3番の13ページの非常に重要なところについてコメントさせてください。申し訳ございません。13ページの下から1つ目の丸のところの赤く書き加えられた,「『言語能力の向上に関する特別チーム』において整理された内容を踏まえ」という部分ですが,きょう室長から御説明のあった資料5を読んでいただけると分かるように,この外国語ワーキングで話している内容と,言語能力の特別チームの議論の内容はかなり乖離している部分,思想的に,哲学的に乖離している部分が大きくて,言語能力のチームでは,言語知識そのものを,あるいは,言語の役割について指導するという点が非常に強く書かれてあります。先ほど出てきたコミュニケーション活動や,言語活動を通して,言語や語彙を学ぶという思想とは随分違うような気がするのです。ですから,どちらのチームが親なのかというのは,私は理解していないのですけれども,少なくとも「内容を踏まえ」ではなくて,「内容を参考にしつつ」とか,この書きぶりを柔らかくしないと,我々が議論していることは全部意味をなさないことになってしまうと思います。ですから,その点,ほかの委員の方々も資料5を読み込んでいただいて,我々の考えとの違いを明確にした上で議論した方がいいのではないかと思います。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。今,4番,5番のところで学習指導の改善・充実,教材の充実,必要な条件整備について,というところまで少し話が行きつつあると思いますので,14ページ以降になりますが,そこのところについても御意見を頂ければと思います。最後にまた全体についての意見を皆さんにお伺いしますので,とりあえず4,5のところを見ていただいて,何か御意見がございましたら,お願いいたします。いかがでしょうか。
では,投野さん,お願いします。
【投野委員】  今の語彙に関することで少し補足的なコメントでよろしいですか。先ほどの6ページのところの語彙のことで出てきたので,1つは先ほど本多委員がおっしゃっていた,どのぐらいアクティブで,どのぐらいパッシブでというくくりがここに何も書かれていないということで,それはとても必要なことかなと私も思いました。産出語彙と受容語彙という観点でいくと,ざくっとですけれども,そういうものがあるといいと思います。現状のものだと,もし新しくこういうシステムでやるとすると,中学校ぐらいまでで足すと,トップが2,400語レベルで,これは大体A2レベルの上限ぐらいです。それで大体2,000ぐらいの語彙を習っているとすると,初学者だと大体半分ぐらいをアクティブに使うという感覚なのです。ですから,中学校で可能であれば1,000語ぐらいを使いこなすというレベルを設定すると,比較的いいと思います。これで会話の8割程度をネイティブスピーカーだとカバーするような語彙を使うことができます。2,000語レベルぐらいになると,今度は高校の後半,これが大体,今,5,000語に設定していますけれども,これが認識語彙で,約2,000語ぐらいをアクティブに使えると,会話の9割ぐらいのことがカバーできるというのが,ネイティブスピーカーのデータです。ですから,このぐらいがアクティブになっているような指導とはどうすべきかということを考えていかれるといいと思いました。
それから,どういう単語が,ということについては,CEFRの方で語彙表が複数公開されているものがあるので,そういうものを資料とかに参照でつけるとか,そういう可能性を考えていただければいいかなと思いました。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。少しだけそれについて付け加えさせていただくと,先ほど松本委員がおっしゃったことを,今,投野委員がおっしゃったことと合わせると,受容語彙というのは,物すごく変わると思うのです。テーマが何について興味があるかというのにも,教科書の中のテーマも全部変わりますから。意外と自分が使う方の語彙というのは,比較的ベーシック・イングリッシュと昔から言われているような形のものでも,かなりのことを言えるようになると思うので,さっき松本委員がおっしゃっていたように,どこまで限定していくのか,どれぐらいの単語を規定するかどうかというのは,これから問題かもしれませんが,するとするならば発表語彙ですよね。そうだと思います。でないと,何せ受容に関してはいろいろなテーマがあるわけですから,それを規定するわけにはいかないと思うのです。だから,その辺についてどこか考えておく必要があるかなと思いました。
それでは,江原委員,お願いします。
【江原委員】  済みません,3つあるので忘れないうちにお願いします。
最初は,先ほど松本委員がおっしゃった,言語チームの報告を私も読みまして,1つ気になったのは,記憶が定かではないのですが,こういうくだりがあったのです。「メタ認知的なものを扱うことによって,子供たちは言語についての興味を高めることが期待される」というところがあったのです。そういうところもあるだろうなと。でも,裏目に出ることもあるだろうなと思いながら読んでいました。ですから,基本的には活動しながらとか,いろいろ感じながらとか,先生のやり方に大きく依存する部分もあるので,危惧しているのはメタ認知とか,気付きとか,気付き自体が目標になってしまって,そういう言葉をいろいろ詳しく,「言葉はおもしろいよね」と,先生だけが言っているような状況になってしまうと困るので,少しそこを危惧しました。それが1点目です。
2点目は,先ほどの「定着」という,渡部委員がおっしゃったことは非常にそう思って,「定着」とすると,アソシエイトするのは語彙とか文法になるのです。そうするとドリルをやって,でもそれは使えるかというと,使えない。今,吉田先生がおっしゃった,私もプロダクティブな語彙をCAN-DO,「何々できる」とうまくまぶすような形で,語彙は規定できないと思うのですけれども,「何々することができる」ということができることを定着させましょうということになれば,それに必要な語彙は,ある程度共通して出てくるかなと思うので,そういうふうにうまく落ち着けさせられるといいなと。リセプティブはきりがないのです。高校などで言うと,全然違ってしまうと思うのです。でも,プロダクティブで基礎的な語彙を,日本の子供たちはかなりの部分が,これぐらいはできるよとなればいいし,できる子はどんどんやってもらえばいいし,国としてはレベルを上げなければいけないしというのを,うまくそういう点で折り合わせをつければいいかなと思いました。
もう一つだけ質問があるのですけれども,別添資料の16で縦のイメージのところで,「知識・技能」のところの右上で,「することができる」と表記されています。そして,「思考・判断・表現」のところは,「何々している・何々できる」となっていて,すぐ下の丸を見ると,なぜか「知識・技能」は「することができる」とだけ書いてあって,「思考・判断・表現」は「している」となっている。これは少し分かりにくかったのです。もしかすると,「思考・判断・表現」というのはプロセスに関わっているものだから,プロダクティブなこと,ニュアンスとして察する,できるというのは,上には書いて下には書かないとか,ここが私は分かりにくかったので,今後整理していただければと思いました。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。
渡部委員,お願いします。
【渡部委員】  まず,3ページです。ほかの先生方からもお話がありましたが,各学校の発達段階に応じて,資質・能力を記載されていて,ある程度それがイメージとして見えるようになってきたなと感じております。表現の問題ですけれども,先ほど御指摘があったような「聴き手・話し手」と「相手」が整合性を取るといったことですね。併せて,このマル1に関して言いますと,中学校のマル1と高等学校のマル1というのは,全く同じ内容になっているということで,これはこのままでいいのか,あるいは中学校の段階のマル1に関しての資質・能力と,高等学校の段階でのマル1に関しての資質・能力というのは,違いがあるのではないかと考えていくと,少し表現を変更していく必要もあるのかなと。非常に言葉尻のことなのですが,こういったところは見られる先生方はかなりこだわられます。
そういう点で1つ気になるのは,先ほどの「定着」という言葉のほかに「思考・判断・表現」とか,「思考力・判断力・表現力」とか,「思考・判断・表現力」とか,「思考力・判断力・表現力等」とか,様々な表現が出てきていて,元々の一番の表現は,「思考力・判断力・表現力等」であったように記憶をしております。例えば,こういったところの整合性であるとすれば,「思考力・判断力・表現力等」の「等」は何ですかという質問が出てきたときに,外国教育についてはこうですよというところが記載されているかというところを考えたときに,少し不十分な点もあるのかなということも個人的に感じました。
それから,2点目ですが,これは一番気になるところなのですけれども,10ページの(2)の「小学校における短時間学習の活用に関して」です。我々のワーキングチームとしての取りまとめとして,ここに出ているのは丸の数で言うと,6点でございます。今回のこの改訂に関して,この短時間学習の活用というのは,恐らく一番注目の集まるところではないかと思うのですが,ここにもっと具体的なアイデア,意見等を盛り込んでいく必要はないのであろうか。前回の会議のときに,例えば,50時間程度の内容に20時間程度の繰り返しの勉強,そういった活動を短時間で入れていくという御意見もあったと思いますが,あるいは,短時間学習というのは,現在行われているのは,ほとんどが教育課程外の位置付けで行われているものであって,今回,我々が短時間で提言していくのは,教育課程としての短時間学習です。これは大きな違いがあって,一番の違いは,この15分間の短時間学習を,例えば学校行事等でできなかった場合,これまでの短時間学習の考え方であると,教育課程外ですので,やらなければやらないでオーケーだったのです。そういったものが,今,学校側で行われている短時間学習なのです。ところが,教育課程に位置付けた短時間学習というのは,恐らくですが,これは実施しなければいけないものであって,それを実施しないということは,「未学習」という扱いになっていくのではないかと感じているのですが,その辺りについてはまだ協議が十分されていないのではないかという気がしています。といって,今,具体的にいろいろなアイデアを申し上げるのは時間もありますのでできませんが,この(2)のところはもう少し丁寧な内容にしていく必要があるのではないかと感じておるのが,2点目でございます。
併せて言うことだけ言わせてください。12ページで,高等学校における教科の見直しについて書かれておりますが,これは私が初めのところで申し上げたことと関連しているのですが,これも書きぶりで,ここだけを高校の先生が見られたときに,知識・技能の定着が十分ではないから,学びの補習をしなければいけないというイメージで読まれてしまうのではないかというところを危惧しています。あくまでも「定着」というのは,実際のコミュニケーションの中で運用できる力をつけていくというところを,しっかり前面に出して,ここの部分だけを読んでも,誤解のない書きぶりにしておいた方が良いのではないかというのが,私の感想でございます。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。
それでは,長谷川委員,お願いします。
【長谷川委員】  ありがとうございます。必要な環境整備に関するところで,具体的には20ページ最後の「外部専門人材の確保」というところですが,基本的にこの本文に,「外国人も含め外国語の能力・指導力の高い外部専門人材を活用」「特別免許制度などを活用した……活用することが期待される」とは書いていただいているのですけれども,ここは非常に産業界から意見の強いところでして,背景には,学校現場が一番グローバル化から遅れているのではないかという問題意識があるとは思うのです。まさにこの外国人人材も含めた指導力・能力の高い外部人材を活用することを「期待される」よりは,もう一歩「推進する」とか,何かもう少し前向きな表現にしていただけないかなということでございます。それで,そのためにいろいろ予算措置が必要ということは理解しておりまして,経団連の中の意見では,そういうことに予算措置が必要であれば,別途予算措置を講ずるべきという意見もございますので,御検討いただければと思います。
【吉田主査】  ありがとうございます。
それでは,投野委員,お願いします。
【投野委員】  先ほど長谷川委員が5ページの一番下の目標のことなどおっしゃって,これは考えてみると,この第二期教育振興基本計画では50%ということで理解するのだと思うのですけれども,そういう直近,数年に達成したいと思われるような目標に適応するようなプランと,あとはこのカリキュラムとか,学習指導要領が改訂されて,小学校から上がっていったときにどういったレベルかというのは,別に何か書かないと,少し分かりにくいのではないかと思うのです。そこの部分を別路線で書いたときに,今後どういう措置が,先ほどのようなことで必要かとか,あとはそういうテストとか,どういうふうに連携していくかみたいなことが方法として出てくるわけですから,そこは別に書いた方がいいのかと。私も混乱していて,さっきのようなコメントをしたのですけれども,実はこれは割と直近で達成しなければならない目標ということで理解すればいいのではないかと思いました。そういう意味では,少しギャップを明確に修正して,このシステムがきちんと小学校から動いていったときにどういう達成度かということを明示することが必要かなと思いました。
それから,もう一点は,11ページのことでコメントしたいのですけれども,「小・中連携の改善と充実」というところはとてもいいと思うのですが,こういう連携のところで,先ほどから出ているCAN-D0リストを共有して,小・中,中・高で受け渡していくようなイメージが,この丸の中のどこかにもう少し書けないかなと思いました。せっかくCAN-DOリストの効用のところで,小・中・高の連携的なものということをうたっているのですから,できていることを見取るプラス,どういうところが達成すべき点が欠けているかということを事後評価なりして,そういうところを補習したり,復習指導をしたりするとか,のりしろで中1とか高1というときに,半年ぐらいそういうものを,前のことがきちんとできるように運用してあげるような時期とか,その辺りの指導が,底上げには非常に重要だと思います。これは,平均が下がっているのを,下を上げるような努力もしないと,トップレベルの達成度の数%だけを上げても,全体の達成度は上がらないと思うのです。ですから,どう復習させ,やり直しさせるかという方法を仕込む部分に,このCAN-D0を上手に使うことが大事かなと思います。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。
では,平岡委員,お願いします。
【平岡委員】  今まさに投野委員が言われたのが,小・中連携の改善・充実ではないかと思うのです。これからの英語教育を語るときに,小学校が教科化になるので,小・中連携は非常に大事になるので,あえてここに書かれているのかなと思うのです。今言われたようなのが,小・中連携のところに書かれることが大事かなと思うのです。ここを読ませてもらうと,中学校の先生が見たときに,中の改善というのは,ここはないですよね。別添の方には,中の改善は書かれてあるのですけれども,ここは小学校と中学校は小・中連携であって,高校のところには括弧書きで,「高等学校における改善・充実の方向性」とあるのですけれども,中学校の先生が見たときに,授業のどこをどういうふうに変えていくのかということも書かれていないと,これだけを読むと,「英語で授業してください」ということと,「4技能を測定する調査が始まりますよ」と,そこにドキッとする。だけれども,授業はどこをどういうふうに変えていくかということが書かれるような改善,充実があえてないと,中・高の先生たちは何がどう変わったのかなというのが分かりにくいのではないかと感じました。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。ほかの方はいかがですか。全体を通してでもいいです。この4,5だけでなくても構いません。
では,佐々木委員,お願いします。
【佐々木委員】  全体をということで,最後の高大接続のところです。先ほどの最初の説明で,期待をしてこの項目を入れたということですけれども,高校の現場からすると,本当にこれは非常に影響の大きな大事なところで,しっかり伝えていただきたいと思うと同時に,最後が,「求められる」ということで,期待なので求められるという言い方かもしれませんが,個人的には「転換しなければいけない」とか,少なくとも「転換する必要がある」ということで,高大接続の大学入学者選抜に対するメッセージとして伝えていただいた方がいいと考えております。
併せて,直接は関係ないのですけれども,学習指導要領全体の見せ方として,現場にどう伝えるかということは,今後重要な課題になってくると思うのです。何回か出ましたが,現場の方で分かりやすく,その指示がきちっと伝えられる見せ方にしていただきたいということと,指標形式でのせっかくの小から高までの流れが出てくるのですが,学習指導要領で冊子などが出てくると,小中高別に出てきますよね。高校になると,高校の学習指導要領があって,後ろに中学校のものは載っているのですけれども,ほとんど読まないと思います。ですので,これは要望になりますが,せっかくここまで流れを考えてきたのであれば,小中高の概要版でも最初に作っていただいて,高校までの流れがどうかということが,学習指導要領を読む前提として分かるようなものがあると,非常に伝えやすいのかなと思っています。併せて,今後,小学校3年からの外国語活動から始まって,その経験した子たちが高校に入ってくるのは7年後ですよね。その成果を見るとなると,また2年,3年かかるということで,もしかすると次の学習指導要領の改訂にも入っている時期に,高校は初めてということになると思います。ですので,その都度,その都度の検証も必要ですし,長いスパンで見ていくような考え方をこの中に盛り込んでいただきたいなと思いました。
【吉田主査】  ありがとうございます。確かに今おっしゃったとおりで,全体を一貫してやろうと言っているわけだから,一貫したものがどこかで見えないと,自分のセクションだけ見えているのでは足らないですよね。それはどこかで示す必要があるかと思います。
では,石鍋委員,お願いします。
【石鍋主査代理】  10ページ以降に記載されていますが,カリキュラム・マネジメントについてです。全体を読んでみますと,カリキュラム・マネジメント自体は,小学校の部分ではかなり触れられているのですが,中高の部分では,ほとんど読み取ることができないと思います。今,教育課程全体の中では,カリキュラム・マネジメントが次期学習指導要領改訂の1つのキーであると言われていて,教科横断的な視点を持とうとか,また,小中高の縦の接続をしっかりと見取れるようにしようと。それは,校長だけではなくて,教員も必要なのだと。そうなってくると,学習指導要領の中に,中高も示すべきではないのかなと私は思います。特に中学校・高校の教員は,どうしても教科担任制で,自分の教科の枠内で物を見てしまうのですけれども,今,国全体が全体を見ましょうということであれば,この外国語科の中にもそのメッセージは込めるべきだろうと,私は校長なので特に思います。その辺が検討できればあり難いなと思っています。
もう一点は,15ページの「個に応じた学習の充実」で,最初の丸を入れていただいたのは,私,非常に学校の責任者としては大変大事だ,あり難いと思っています。いろいろ学校を回っておりますけれども,子供による格差だけではなくて,学校による格差,そして,もっと言えば自治体による格差が非常に大きくて,それが今,外国語教育には影響が大きいなと考えています。自治体の財力ですとか,人を集める力ですとか,その辺に大変差があるものですから,国として一定のラインを,ここには学習到達目標で示してもらいましたけれども,条件整備の辺りでもその辺について一文入れていただけると,非常にあり難いなと思って読ませていただいたところです。
以上です。
【吉田主査】  どうもありがとうございます。
では,酒井委員,お願いいたします。
【酒井委員】  お願いします。43ページの小学校の指導者についてです。
【吉田主査】  43ページですか。
【酒井委員】  43ページというよりは,指導者のところですが,済みません,19ページ,20ページのところです。今,43ページと言ったのは,論の詳細を開きながらですが,19ページ,20ページのところで,小学校の専科教員を担える教員養成及び研修について記載されています。一応教科化がされた場合には,高度な指導力を備えた学級担任及び専科教員やALTなどの外部人材の活用が必要という認識があるとするならば,詳細の方には書かれているところですけれども,「より専門性を重視した指導体制について検討し,そういうところを推進するようなことが期待される」ということが,この取りまとめ案のところに書かれているといいのかなと思いました。
つまり,「専門性を有する専科教員になり得る教員を養成する」というところは書かれているのですけれども,その活用であるとか,実際にそういう体制を作るというところが,課題の中には見えるのですけれども,それが明示されていないというところで,それがあるといいと思いました。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。全体を通してで構いませんが,ほかに何か,更にこれだけは言っておかないと,というものがございますか。きょうは非常に大事な会議になってございますので,言いたいことは言っておいた方がいいと思います。
では,江原委員,お願いします。
【江原委員】  どこでどういうふうに入れていただいたらいいのかは分からないのですけれども,先ほどの知識・技能のところが,先生方に伝わっていったときに,「ああ,そうか。では文法を僕ももっと勉強しなければ」とか,「きちんと教えなえれば」となってしまうのではなく,どこかに私たち指導する側も,生徒も児童も,使うことによって英語という外国語についての知識が深まるのだと。もちろん,本を読むのも大事ですよ。でも,まじめな先生ほど本を読んでしまうから。それも大事なのですけれども,使うことによって,本当の言葉の仕組みだとか,そういうものについての理解が深まるという,何かそういうふうに伝わらないとだめかなと思いました。
【吉田主査】  ありがとうございます。ほかにも何かございますか。
では,酒井さん,お願いします。
【酒井委員】  たびたびで済みません。「現行,能力向上の特別チームの検討を踏まえ」と書かれた2か所についてですけれども,そこに外国語科・外国語活動の特性に照らし合わせてということを一文,あるいは一言入れるといいのかなと思いました。
先日,教育関係の学会に出て議論をしたときに,国語教育の場合には,普段,日本語を日常的に用いると。そういう力を備えている。それを更に言語能力を高めるということで,いかに言語使用をメタ的に気づかせる,意識させるかということが,教科の特性としては重要である。
一方,外国語科及び外国語活動では,今までの指導の反省から言うと,そういうメタ的な意識の理解だけにとどまっているというのが大きい反省であり,むしろ他者とのコミュニケーションする力,運用する力の方が重視されて,その中で気づかせていくという,そういう方向転換をしてきていると思いますので,言語能力の特別チームの書かれている取りまとめについては,そのとおりだなと私は思うのですけれども,その運用の仕方については,教科の特性に応じてということを考えた方がいいのかなと思いました。
【吉田主査】  ありがとうございました。今の点で言うと,例えば,3ページの一番上の二重丸の1番に,「気づいた上で」となっていますけれども,これなどはさっきの「気付き」,言語能力の方だったと思うのです。その前に「外国語を用いた体験的活動を通じて気づく」という文言がありますけれども,これはメタ認知についても同じなので,そこのところが外国語教育の場合,もっと強調するということでないと,変に捉えてしまうという感じかもしれませんね。
では,本多委員,お願いします。
【本多委員】  言語能力の向上に関する特別チームにおけるこれまでの議論の取りまとめを関連させてよろしいでしょうか。冊子の資料1,「言語能力を構成する資質・能力(案)」の右に,「学びに向かう力,人間性等」があって,その一番上に,「言葉が持つあいまい性や表現による受取り方の違いを認識した上で云々」とあるのですけれども,私はここがこれから「思考・判断・表現」を重視していく活動を取り入れるときに,非常に大事になっていくと思っています。この「言葉が持つあいまい性とか表現力の受取り方の違い」があることを認識した上で,それをどう解決させていくのか。例えば,他者の立場に立って,誤解を与えないように表現したり,対話などのやり取りを通して考えを理解させたりするようにすることが,今後,とても大事になってくる。そういう気持ちを持ってやっていくことが非常に大切で,文言として,例えば,言葉やテキストは人によって解釈が異なることを理解し,他者の立場に立ち,誤解を与えないように表現したり,対話などのやり取りを通して考えを理解したりするようにするような文言が,こちらの冊子には入っていないのですけれども,こういった考え方も大事ではないかなと思います。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。
渡部委員,お願いします。
【渡部委員】  済みません,同じことをお話しするかもしれませんが,最後だということも踏まえて一応お話をさせてください。10ページの小学校の教科の英語のモジュールの話です。先ほども少し言ったのですけれども,これが気になって仕方がないので,1つ質問を含めてお話をさせていただければと思います。
今,ここにも書かれている状況を,どのような印象を受けるかと言うと,短時間学習を使ってもいいですよ,各学校のカリキュラム・マネジメントでやってくださいね,という形で,最後は赤で追加され,これについては,国や教育委員会,小学校関係団体が連携して,調査研究を行い,その経過を普及させていくことが求められていますよという形で,これが出たときに,学校の先生は「ではどうしたらいいの?」というところが,非常に不安だなと。結局,いろいろ話をしたけれども,その程度しか言ってくれないのかという印象を持たれるような気がして,私は非常に気になっています。
結局,最終的にどんな教科書ができるかで決まってしまうと思うのですが,先ほど言ったような未学習の扱いはどうするのか。要するに,短時間学習を未学習にするのかどうなのか。あるいは,70単位時間の時間設定で,教科書を作ってしまったときに,出来上がった単元の中から15分で抜いていくということはまず不可能であって,教科書の作り方についても,かなり方向性を提示していかないと怖いなというのが正直でございます。
1つお伺いしたいのは,このことに関して,今後どのような協議をされる予定なのかというところは非常に気になるところで,これで結局,学習指導要領を作って,「あとは教科書会社,お任せね」という形になるのか,もっとここのところを精査して,70時間をどんな形で構成していくのか。あるいは,15分の単位をどのように70単位時間の中に位置付けていくのかといったところまで,ある程度の方向性を示した上で,アイデアとして出した上で,教科書作りに入るのかというところも気になるところで,このモジュールについての今後の具体のスケジュールと言いますか,その辺りはどうなのかなと聞いてみたいと思っております。
【吉田主査】  はい。では,文科省,いかがですか。
【圓入室長】  済みません,まとめ案の方では,どうしても20ページ程度ということで,全体の並びから整理をしておりますので,ワーキンググループでいろいろな例示的なこととか,取組とか,発表させていただいたものは省略になっておりまして,ただ,議論の詳細にいきますと,ちょうど小学校のことが20ページ以降に,頂いた御意見をずっと書かせていただいて,短時間学習の話がくるのが,24ページ以降です。かなりたくさん御意見を頂いて,例えば,例示でどういう設定があり得るのかということも,以前,1月頃に頂いたり,例えば,短時間学習を設定するに当たって,どういうことに留意しなければいけないのかということを御意見いただいたものを,1回まとめさせていただいた経緯がございますので,例えば,学校の中で,先ほど渡部委員がおっしゃった未学習のままでいいということは多分ならないと思いますので,そういうことをきちんと留意しながら,設定しなければいけないということも含めて,この詳細の方には書いていかなければいけないのかなということを,お伺いしながら考えておりました。
もう一つ,次の工程としては,まず,この短時間学習のお話を含めた,柔軟なカリキュラム設定に関する考え方というのが,外国語ワーキングだけではなくて,今まだ全体にわたって部会の中で,総則・評価部会ですとか,小学校部会の議論も,この後6月末から7月にかけて数回設定しておりまして,そこで議論もされる。私どもとしては,もちろん,外国語のワーキングで議論されたこと以上で参考にさせていただくものがあれば,このまとめの案に修正を加えながらまた御報告,御相談したいと考えております。
済みません,最初に申し上げれば良かったのですけれども,このまとめ(案)の「案」が取れるのはいつなのかということですが,今その総則・評価部会,小・中・高等学校部会がこの7月にかけてあります。それを審議された後の教育課程企画特別部会,教育課程部会などでの審議の状況を経て,全体としては中教審とした審議のまとめがまとまるのがもう少し先になると思うのですけれども,その時点で外国語ワーキングの案も取らせていただけることになるのではないかというスケジュールになっております。そういう意味では,まだ少しお時間がありますので,きょう頂いた御意見をどう,詳細版も含めて書くかは,後日も含めて整理をさせていただければと思います。
一方で,教材についてですが,先ほども少し御紹介いたしましたけれども,この別添資料の中に,年間指導計画のイメージを添付させていただいておるかと思います。ページがなくて申し訳ないのですが,別添の11と12に,三,四年生,五,六年生のものを添付させていただいておったりしますが,指標形式の目標のイメージも添付させていただいておりますが,これも大事な資料の1つでございますけれども,こういったものも,本日頂いた御意見も踏まえて全体を整理させていただきますけれども,これを別にしながら,教材の有識者の方々に,これから検証して開発をするという検討委員会がございますけれども,そこで具体のものを年度内に開発までできたらと。その中に当然,短時間学習を少し意識したものも,非常に難しいと我々も思うのですが,入ってくることだと思っていますので,来年度には開発した内容を何とか繰り返しになりますが,御提示をさせていただいて,教育委員会の方々,学校現場の方々にも少しイメージを持っていただけるようにできたらと考えております。
【吉田主査】  ありがとうございます。時間的に少し……。何かありますか。どうぞ。
【江原委員】  済みません,6ページの(3)の最初の丸で,2行目で「あわせて言語は通常人との関わりの中で」というところですけれども,私は,ここは「特に」くらい強い方がいいと思ったのです。4技能というと何かぼやっとしているけれども,基本的にやりとりをするのですよと。なぜかというと,中学校の先生とか高校の先生にお伺いすると,ペアワークはやりにくいのですと。やりたがらない子が多いのですというのは,小中高を通じて,こういう力というのが,言葉もそうですけれども,大事かなと思って,ここが伝わればと思いました。
【吉田主査】  ありがとうございました。時間が大分せまってきております。今日がとりあえずこの会最後ということになります。取りまとめの資料について,今日もいろいろな皆さんの御意見を頂きました。かなり中心的な御意見も頂きましたので,後日,事務局にもう一回これを再検討していただいて,主査と主査代理が2人おりますので,事務局と相談をさせていただいて,その結果を皆さんにまたメールなどでお知らせして,御意見をまた頂く形でまとめていきたいと思いますが,いかがでしょう。そういう形でよろしいですか。
それでは,そういう形で進めさせていただきます。なかなか言い尽くせないところはたくさんあったかと思いますけれども,これからでもどんどん事務局に御意見を出していただければと思います。私と主査代理の2名の先生方と調整させていただきたいと思います。
それでは,本日の審議はこれまでといたします。本日を含めて,これまで10回にわたり議論を頂き,本当にありがとうございました。本ワーキンググループとしての取りまとめについては,今回で一応のめどをつけさせていただきたいと思います。
各委員におかれましては,御多忙中,精力的に議論に参加していただきまして,まことにありがとうございました。
それでは,事務局から一言お願いいたします。
【小林課長】  本当に皆様,今,主査からも10回ということでお話がございましたけれども,お忙しい中,毎回精力的に御参加いただきまして,また,特に遠方から毎回いらしていただく先生方については,本当にありがとうございました。
本日で一応一旦のめどをつけるということでございますけれども,ただ,御案内のとおり,今,主査からもお話ありましたが,各教科で横串を刺すような議論がまだ続いていること,特に今年はそういったことを丁寧にやってきているということで,まだそちらの議論が続いている。それから,各学校段階別の部会の方もまだ終わっていないということで,それぞれのそういったほかの部会の状況も踏まえながら,また全体を取りまとめていく必要がございますので,また,その状況に応じましては,メール又は場合によっては,ひょっとしたらまた参集していただくことも含めまして,引き続きお願いを申し上げたいと思います。ただ,本当にここまでいろいろと建設的な御意見を最後のきょうまで頂きまして,ありがとうございました。
【吉田主査】  どうもありがとうございました。
それでは,今後について,事務局から御説明いただきたいと思います。
【圓入室長】  先ほど課長から御説明させていただいたとおりでございまして,本日はこれをもって一旦まとめさせていただく作業に入らせていただきたいと思います。
ただ,この後,もしよろしければ1週間ほど,メールなどがもしありましたら御意見を頂ければと思います。ただ,28日には外国語ワーキングとしてのこのまとめについて,教育課程企画特別部会に一旦報告させていただくことになりますので,御承知おきいただければと思います。個別になるかもしれませんけれども,きょう頂いた御意見,特に重たい点がありますので,それはこちらからまた御連絡させていただきたいと思います。本当に今までどうもありがとうございました。
【吉田主査】  本当にどうもありがとうございました。
それでは,本日の中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ(第10回)を終了させていただきます。本当に長い間,皆さん,ありがとうございました。今後,また何かあるかもしれませんので,そのときはまたひとつよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――

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