教育課程部会 外国語ワーキンググループ(第9回) 議事録

1.日時

平成28年5月30日月曜日9時30分~11時30分

2.場所

文部科学省3F2特別会議室

3.議題

  1. 外国語教育の改善充実について
  2. その他

4.議事録

<未定稿>
【吉田主査】  それでは、ちょっと早いですけど、皆さんおそろいようですので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ(第9回)を開催いたします。
本日は、事務局より、最初に、学校段階等の各部会における議論の状況について御報告をいただき、続きまして、前回の頂いた御意見に基づいた外国語ワーキンググループにおけるとりまとめのたたき台の御説明をいたします。今回は、全教科で共通した柱で議論され、とりまとめる予定の内容について、たたき台を基に御議論いただきたいと思います。これまで御議論いただいた詳細のまとめについては、次回のワーキンググループにおいて御意見を頂き、まとめていきたいと思っています。
それでは、まず、事務局より、資料確認をお願いいたします。
【圓入室長】  それでは、資料の議事次第の方を御覧いただければと思います。
資料1は、毎回配らせていただいております、これまでの主な意見、それから、その資料2の方も一緒にくっついておりますが、第1回から配らせていただいた検討事項が付いております。資料3が本日御議論いただきたいということで、御用意させていただいた外国語ワーキングにおけるとりまとめ、たたき台がございます。資料4がそれの参考となる別添資料というものも御用意しております。資料5は、言語能力向上に関する特別チームの議論ということで、最近5月12日に開催された資料を後ほど御議論の中でも御覧いただきたいということでお配りしています。資料6は、学校段階別等別部会の議論の状況、資料7は、教育の強靱化で大臣がアピールされたものでございますが、こちらも御説明させていただきたいので、お配りしております。最後に、資料8、今後のスケジュール、次回のを1枚付けさせていただいております。そのほか、いつものように机上の参考資料に、以下のような資料がございますので、適宜御覧いただければと思います。よろしくお願いします。
【吉田主査】  ありがとうございました。何か資料不足等ございましたら、事務局までお知らせいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、まず、学校段階等別部会等における議論の状況について、事務局より説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【大杉室長】  失礼いたします。それでは、資料6と資料7につきまして、御説明をさせていただきます。まず、資料7でございます。御参考までということでございますけれども、先日馳大臣のほうからメッセージを発表させていただきましたので、御紹介をさせていただきます。
馳大臣、就任以来、半年という1つの節目のタイミングであるということ、また、中教審におきましても、本ワーキングも含め、議論の取りまとめの段階に入ってきているということ、その中でアクティブ・ラーニングの推進ということが、少しいろいろな解釈がされて、ともすると、教える内容を減らして活動の時間を増やすというようなことで理解されてしまっているのではないかという一部の御懸念もございましたので、そういう議論をしているというわけではないという、現在の本ワーキングも含めた中教審の議論の状況をしっかりと正しく伝えていくということのためにこの馳大臣メッセージを発表させていただいたところでございます。
1枚目は、本ワーキングも含めまして、これまでの議論の状況でございます。下の方に5月9日現在で、ワーキングを含めて126回、260時間ということで、現時点では多分300時間に迫るか、超えているかという状況だと思いますけれども、各ワーキング、精力的に御議論を重ねていただいているところでございます。
そうした中で、1枚目の裏側でございますが、学習指導要領改訂のポイントということで、子供たちに未来の創り手となるために必要な知識や力を育むということでございます。ゆとりなのか、詰め込みなのかという2項対立的な議論に戻るわけではないということ。子供たちに必要な資質・能力をバランスよく確実に育むということでありまして、学習内容を減らして活動を重視するということではないということ。アクティブ・ラーニングの視点はということで、2つ目でございますけれども、身に付く知識が生きて働くものとして習得される、また、必要な資質・能力がしっかりと身に付くということでございますので、学習過程を質的に改善していくことにより、その中で身に付いていく知識も自分の人生、社会創りの中で生きて働くものとなるという質の高い理解を図るためのものであるということでございます。こうした点を改めてお伝えするということでございます。
その次のページでございますけれども、そうしたことの実現のためには、学校の指導体制の充実、教員の資質・能力の向上、チーム学校の実現、学校の地域との連携・協働、これが必要だということでございまして、昨年、既に3答申をおまとめいただいたものを踏まえて馳プランというものを出させていただいておりますけれども、こうしたことを指導要領改訂と同時並行で進めていくということでございます。
その次のページ以降は御参考まででございます。特に情報化、人工知能の進化ということも踏まえた今後の学校教育の進化ということ。それから、指導要領、特に論点整理の内容の普及ということで実施させていただいている広報活動、それから、一番最後が馳プランのポンチ絵、社会に開かれた教育課程ということを真ん中に据えながら、教員の資質向上、チーム学校、地域との連携・協働を進めていくというものでございます。御参考までに御紹介をさせていただきました。
それでは、続きまして、資料6でございます。他部会、特に学校種別部会、あるいは総則・評価部会における全体に関わる議論の状況について、共有をさせていただきたいと存じます。
まずは、先ほどのメッセージにもございましたアクティブ・ラーニングの視点、主体的・対話的で深い学びでございます。おめくりいただきますと、1枚目の裏側のページでございますけれども、論点整理におけるアクティブ・ラーニングの視点ということで、上の半分の部分に「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」、8月の論点整理における書きぶりがございます。これについて、総則・評価部会及び教科等別ワーキングにおきまして、見方・考え方などについても御議論をいただいていることを踏まえまして、少し整理をし直したものが下の枠囲みの中のものでございます。「深い学び」の表現ぶりを含めまして、最終調整を図っておりますので、まだまだ変わっていく可能性ございますけれども、現時点で最新ものが、次の紙としては2枚目の表側、資質・能力の育成と主体的・対話的で深い学びの関係ということでございます。左側から右側に走っている矢印が学びの過程ということでございまして、この学びの過程を主体的・対話的、深い学びという形で質的に改善していくことによって、右側にございますように、知識・技能は生きて働くものとなり、思考力・判断力・表現力も未知の状況にも対応できるものとなり、学びに向かう力・人間性も、自分の人生や社会に学びを生かそうとするものとして獲得されていくということ、資質・能力がこうした形で獲得されていることを目指して、学びの質的改善を行っていくというのがこのアクティブ・ラーニングの視点であるということの図示化したものでございます。
1つ目の「深い学び」でございますけれども、各教科において、現在、見方・考え方の整理を行っていただいていることを踏まえまして、習得・活用・探求の見通しの中で、見方・考え方を働かせて思考・判断・表現し、学習内容の深い理解等につなげるということを深い学びとして整理させていただいております。また、「対話的な学び」、もともと他者との協働や外界との相互作用ということでございましたけれども、これを少しかみ砕きまして、子供同士の協働、教員や地域の人との対話、それから、先哲の考え方を手掛かりに考えることなども含めて整理をさせていただいております。また、最後の「主体的な学び」でございますけれども、キャリア教育の議論を踏まえまして、自分の学びがキャリア形成の方向性とつながっているということをしっかりと踏まえていくことが重要であるということで、その趣旨を加えさせていただいているところでございます。今後、この3つの視点を共有しながら、各教科において授業改善が進んでいくということを期待するものでございます。
それから、さらに、その2枚目の裏側でございますけれども、特に、総合的な学習の時間、特別活動の時間の学ぶ意義ということの議論を踏まえました、各教科との関係性を分かりやすく示したものということになります。各教科においては、先ほどの見方・考え方を働かせた学びなどを通じながら、資質・能力を育成していくということ。そして、総合的な学習や特別活動におきましては、各教科の見方・考え方を総合的に活用しながらそれぞれの資質・能力を育んでいくということ。特に総合的な学習の時間におきましては、その育成すべき資質・能力は、各学校が設定する教育目標の中でということになりますので、この教育目標が、各学校が教育課程全体に関して設定する学校教育目標ということと直接的につながってくるということ。また、特別活動につきましては、学級活動などをベースとしながら、学習の基盤づくり、学校生活全体の基盤づくりということにつながっていくということ。また、現在、キャリアノート、キャリア・パスポートということをしっかりと位置付けていこうという議論も、特別活動ワーキングで進めていただいておりまして、そうした自分の生活やキャリアと学びがどのようにつながっていくかということを、ホームルームなどを中心としながら振り返っていただくという活動も行っていただくということ。また、道徳に関しましては、全ての教科で育む学びに向かう力、人間性の基盤づくりということでございます。
それから、3枚目の表紙は、現在各ワーキング共通に進めていただいているまとめでございます。それから、3枚目の裏側以降は、カリキュラム・マネジメントと総則の構造ということでございます。既に諮問におきまして、何をどのように学ぶことにより、何ができるようになるかを目指すということで、改訂の方向性としましては、このような3枚目の裏側にあるような姿を目指していくということでございますけれども、これを各学校において意識ながらマネジメントしていただくのが、カリキュラム・マネジメントであろうということ。教育課程を軸としながら、学校教育の改善・充実を図っていただくという、カリキュラム・マネジメントをしっかりと各学校で回していただくということが重要であるという議論をしていただいております。
次の4枚目の表側でございますけれども、少し3枚目の裏側を各学校のカリキュラム・マネジメントのイメージを踏まえてかみ砕きますと、何ができるようになるかということをイメージしながら、何を学ぶかということを組み立て、それを指導案等でどのように学ぶかということを具体化し、それを実施した結果として何が身に付いたかということをしっかりと評価していく。そして、その全てのプロセスを、一番下の実施するために何が必要かという部分でしっかりと支えていくということ。そして、全ての過程におきまして、個々の子供の発達をどのように支援するかという特別支援教育でありますとか、日本語指導が必要な児童生徒への配慮、あるいは生徒指導、進路指導といったことをしっかりと同時並行で行っていくということ。これを各学校で行いやすくしていく、そのために総則の構造も見直すべきではないかという議論をしていただいております。
4枚目の裏側が総則の現在の構造でございますけれども、現在は各教科の教育課程の実施に必要な共通事項をおまとめした、留意事項をまとめたというような構造になっているわけでございますけれども、先ほどのカリキュラム・マネジメントのイメージを描きながら、5枚目の表側にございますように、例えば前文というところで社会に開かれた教育課程の考え方を示していくということ。そして、それぞれ何ができるようになるか、何を学ぶかといった、青い枠がございますけれども、それに相当するような形で章立てを行っていくということ。小学校教育の基本というところで生きる力の関係性も含めて資質・能力の在り方、それを踏まえて、何を学ぶかという教育課程編成を第2、そして、それをどのように学び、何が身に付いたかということを見ていく教育課程の実施と学習の評価という部分、そして、全ての過程を通じて、個々の生徒の発達をどのように支援するかという第4の部分、そして、実施するために何が必要かという第5の部分でございます。まだまだ御議論いただいている最中で、この構造も少しずつ洗練されていっておりますけれども、基本的な考え方といたしましては、このような考え方で総則の構造を抜本的に見直す。以下、中学校、高等学校と付いておりますけれども、基本的な考え方は同様でございます。
私の方からは以上になります。
【吉田主査】  どうもありがとうございました。今の御説明について、何か御質問とか、御意見ございますでしょうか。全体の枠組みということで、こういう形で今現在進んでいるということですから、よろしいですか。はい。ありがとうございました。
それでは、外国語ワーキンググループにおけるとりまとめ(案)のたたき台について、事務局より説明をしていただきたいと思います。
【圓入室長】  それでは、資料3と、参考資料として、資料3の参考というものを付けさせていただいておりますが、こちらと資料4、資料5の方を、お手元の方に御覧いただければと思います。
先ほど大杉室長から御説明の中にもございましたように、各教科のワーキンググループにおきまして、それぞれ柱立てがありますけれども、御議論がなされているということで、こちらの外国語ワーキンググループにおきましても、前回はほぼその項目だけということで御意見を頂きましたけれども、これまで前回も含めた中で御意見を頂いたものを、一旦事務局の方でまとめさせていただいた、たたき台というものを資料3で御用意させていただいております。こちらの方で今日は御議論をいただきまして、すいません。最後の方に飛びますけど、資料3の最後のページを御覧いただきますと、外国語ワーキングにおけるとりまとめの(議論の詳細)ということで、こちら、とりまとめの別冊という形になっておりますけれども、議論の詳細につきましても、次回6月に予定しておりますが、再度、今日御議論いただいたことを踏まえながら再整理を、全体をさせていただいて御議論いただきたいと考えております。
資料3の(参考)というものは、これまでこちらのワーキンググループで御議論いただいたことの関連のもので、一旦まとまっているものを本日もお配りしております。1月12日に外国語ワーキングにおきまして、特に小学校部会への御報告というのがありましたけれども、小・中・高一貫した御議論ということでの点も、その時点までのものをまとめていただいたと思いますし、また、小学校部会の議論の取りまとめと、別冊で補足資料というのがございますが、これを配らせていただいております。こういったものを再度整理したいと考えておるんですが、教科全体として、今、議論されていることを、まずは、本日はとりまとめのたたき台でしっかり御議論いただいて、それをまとめさせていただき、さらに、外国語として少し詳細のものを、必要な点について整理させていただきたいと思っております。
また、この別添の資料のパワーポイント版というのは、それぞれの場面で使わせていただきたいと思っておりますが、こちらのパワーポイント版も全て今日のとりまとめ、たたき台の御議論を踏まえて修正されていくものと考えておりますので、幾つか御紹介いたしますけれども、前回までのもの、余り修正してないものもございますが、御容赦いただければと思います。
また、資料5の方は、これも途中で御説明いたしますが、以前から御説明させていただいておりますように、今回も言語能力向上に関する御議論というものを、こちらの方でも頂いておりますが、国語との連携ということもありまして、特別チームの御議論というのは非常に深く関係してくるところだと思います。こちらで頂いた御意見、もちろん御報告もさせていただいているんですが、言語能力向上に関する特別チームの議論の中にも、国語と外国語の連携というものを、これは5月12日でございますが、提示をされております。まだまとめになっておりませんけど、議論、続いておりますけれども、こういったものも御議論いただきながら、本日は御意見を頂ければと思います。
それでは、資料3の方を御覧いただければと思います。1ページ目は、現行の指導要領の成果と課題ということでございますが、これまで外国語ワーキングでまとめさせていただいたものに少し追加もさせていただいております。そもそものグローバル化の中で様々な場面でこれから必要になるということでの外国語能力の向上が課題ということから、書き出させていただいておりますが、前回も将来見通しの中で、社会の場面だけではなくて、多文化・多言語、多様性ということで、そういった場面の中で外国語がより必要になってくるというようなことも、丸の2つ目の方に書かせていただいておりました。その中で、4技能を総合的に育成するということでの狙いを今回も御議論をさせていただいていると。ただ、「一方で」ということで、丸の4つ目でございますが、各学校段階の学びがなかなか接続が十分ではないということですとか、各段階別の課題というものが様々なここ2年ぐらいの調査結果で明らかになってきているかと思います。こういった個別の課題につきましては、別の議論の詳細の方に改めてまた整理をさせていただきたいと思っております。
そういった中でどのようなことが大事なのかということを、最初の1ページ目にまとめさせていただきたいと思いますが、丸の5つ目のあたりにございますが、例えば中・高におきましては、文法・語彙等の知識がどれだけ身に付いたかという点に重点が置かれた授業が行われていると。コミュニケーション能力の育成を意識した取組、特に話す、書くといったことの言語活動が十分に行われていないことということが最近の調査結果でも明らかになっているということでございますが、こういった中で、当然基礎基本の知識・技能を身に付けることも大事であるということも御意見、随分頂いておりますが、そういった習得した知識・経験なども生かして伝える相手、それから、コミュニケーションを行う目的・場面・状況等に応じて適切に表現することにまだまだ課題があるということを書かせていただいております。そういったことをまず前提にということですが、また、ここはとりまとめ、最初のページでなるべく簡潔に表したいと考えておりますので、こういった形にしておりますが、御意見、大事なことがございましたら、後で追加をいただければと思います。
次に、2番目でございますが、育成すべき資質・能力を踏まえた教科等目標と評価の在り方ということでございます。(1)で教科等の特質に応じ育まれる見方・考え方ということでございます。こちら、2ページ目の方にいかせていただきたいと思いますが、先ほど大杉室長からも、全体にわたって御議論いただいている総則部会の資料の御紹介があったかと思います。その中でも総則・評価部会の資料の中に別表で書く教科等の見方・考え方ということで、それぞれ各教科等の学習において働かせ、育成する見方・考え方の一覧を示すということが提示されておるところでございます。そういった中で、外国語教育としてどのようなものを提示していくかということについて、本日御議論をいただきたいと思っておりますが、外国語教育におきましての特に課題ということで挙げておりますが、こういったことを踏まえますと、他者とコミュニケーションを行う力を育成する観点から、社会や世界との関わりの中で、外国語を通じ様々な事象等を捉え、言語やその背景にある文化を理解し、情報や自分の考えなどを話したり書いたりして表現することが、まずは外国語教育における思考の枠組みということで、一旦ここで整理させていただいております。
こういったことを含めまして、外国語教育において育まれる見方・考え方につきましては、外国語やその背景にある文化を尊重し、社会や他者との関わりの側面から言語を捉え、目的・場面・状況等に応じて、外国語で情報や自分の考えなどを形成・整理・再構築し、それらを活用して、外国語を話したり書いたりして、適切に表現し伝え合うために考えることとするというふうにここで一旦まとめさせていただきました。こういった見方・考え方を働かせながら、知識・技能を習得したり、知識・技能を活用して実際のコミュニケーションと関連付けて定着したり、コミュニケーションの技能を習熟・熟成させることが求められているということでございます。外国語教育におきましては、このような一連の学習過程を経て思考を深め、自分の思いや考えを表現することなどを通じて、子供たちの発達段階に応じた見方・考え方が成長することが重要であるというふうに整理させていただきました。
次の(2)が小・中・高を通じて育成すべき資質・能力の整理と、教科等目標の在り方ということでございます。最初の丸と2つ目の丸は、以前から外国語ワーキンググループの方でもまとめさせていただいたものを活用させていただいております。小・中・高を通じて他者とコミュニケーションを図る基盤を形成するため、4技能のバランスのとれた育成を踏まえつつ、言語や文化に対する理解を深め、他者を尊重し、聞き手・読み手・話し手・書き手に配慮しながら、外国語でコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図るということで、併せて、身近な話題から幅広い話題までを取り上げ、理解したり、情報や考えなどを適切に伝え合ったりすることができるコミュニケーション能力を養うためということで、目標から学習評価まで一体的に検討するということで、まとめさせていただいております。
次の3ページでございますが、ここで、先ほど御説明いたしました、見方・考え方を働かせながらどのような学校段階ごとの目標として整理させていただくかということを書かせていただいております。これが資料4の別添の7ということで、大変申し訳ないんですが、ページが入っておりませんで、恐縮でございますけど、ずうっとおめくりいただきますと、右肩に別添7ということで、小・中・高等学校を通じた外国語教育のイメージの(案)というものを添付させていただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。これが全教科、こういったようなイメージのものが今、整理されているところでございまして、こちらの方に台形型で書いておりますが、ここに書いてあることを、この本文の方にも改めて整理をし直させていただいたものでございます。二重丸と1、2、3、3つの目標というので構成しておりますが、最初の二重丸の柱書きの方では、例えば小学校外国語活動の方を御覧いただきますと、言語や文化の多様性を知り、先ほど御説明いたしました外国語の見方・考え方を働かせ、それらの大切さに気付くとともに、相手意識を持って聞いたり話したりするコミュニケーション能力の素地となる資質・能力を次のように育成するということで、マル1 、マル2 、マル3 でございますが、マル1 は、知識・技能、マル2 は、思考力・判断力・表現力、マル3 は、学びに向かう力、人間性ということで、それぞれ構成させていただいております。ちょっと説明の時間が長くなってしまうので、ここは省略させていただきますが、次の4ページにわたりまして、高等学校までそれぞれ学校段階別の目標を一旦整理させていただいておりますので、後ほど御意見を頂ければと思います。
次の4ページの丸のところを御覧いただければと思いますが、高校の下でございます。併せて、前述したような課題などを踏まえまして、外国語教育といたしましては、児童生徒の各学校段階の学びを接続させること、それから、習得した知識・技能を活用し、思考・判断・表現する力を育成するため、「外国語を使って何ができるようになるか」という観点からの教育目標になるように改善・充実を図るということでございます。これは英語の有識者会議のときから、この2つの柱で改善の方向性ということを打ち出させていただいておりましたけれども、今回の学習指導要領全体の御議論の中で、先ほどの見方・考え方を働かせた目標の整理ということと、こういった外国語として、これまで御議論いただいていたことの関係の整理を、今日は御議論をいただければと思っております。
この丸の次以降を御覧いただければと思いますが、次の丸でございます。次期改訂におきましては、先ほどの課題をもう一度書いておりますが、語彙や文法等の知識がどれだけ身に付いたかにとどまらず、習得した知識・技能が実際のコミュニケーションにおいて活用され、思考したり表現したりすることを通じて育成すべき力を明確にすると。このため、それらの育成すべき力について、国際的な基準、下の方に注釈でCEFRのことを書いておりますが、などを参考に、外国語学習の特性を踏まえて、小・中・高一貫して教科目標を実現するため、そこに至る段階を示すものとして、段階的に実現する指標形式の目標(CAN-DO形式の目標)を設定するということを書かせていただいております。知識・技能、それから、思考力・判断力・表現力との関係性について、これまでも何度も御議論いただいておったかと思いますけれども、そことの関係性をここで表現をしたいと思っております。
その次の丸を御覧いただければと思いますが、ただ、「主体的に学習に取り組む態度」についての関係という点でございますけれども、こちらについては、先ほど申し上げました指標形式のもちろん目標に沿った学習というのを行っていただく過程におきましては、当然生徒が言語活動に主体的に取り組むことがコミュニケーションを身に付ける上で不可欠であるため、極めて重要な観点であるということで書かせていただいております。習得した知識・技能を活用し、思考・判断・表現する力を身に付け、コミュニケーションを行うことで児童生徒に自信が生まれ、「主体的に学習に取り組む態度」が一層向上していくため、両者は不可分に結び付いているというふうに整理させていただいております。児童生徒が興味を持って取り組める言語活動を易しいものから段階的に取り入れたり、自己表現活動の工夫をしたりすると、5ページでございますけれども、など、様々な手だてを通じて児童生徒の「主体的に学習に取り組む態度」の高まりを目指した指導をすることが大切であるということで整理をさせていただいております。
なお、各学校におきましては、指標形式の目標を踏まえた学習到達目標を設定し、それらに関する深い理解や資質・能力の育成が図られるよう、学習内容、単元の構成や学習の場面等の設定を組み立て、児童生徒に関わっていくことが求められるということを書いております。これらに基づき外国語を「どのように使うか」、例えば国際共通語としての英語を通じて「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」という観点から、卒業後、どのような職業に就くにしても生かすことができるような資質・能力を、児童生徒が将来の進路や職業などと結び付け、「主体的に学習に取り組む態度」を含めて育まれるようにする必要があるということを、また整理させていただきました。
それから、指標の形式の目標でございますけれども、高校卒業時において共通に求められる資質・能力を発達段階に応じた形で明確にするということで、4技能、5領域の話をここでも改めて書かせていただいております。その際ということで、高校卒業時の目標の設定ということでの記載も、ここで改めてさせていただいております。
次に、(3)でございますが、資質・能力を育む学習過程の在り方ということでございます。これまで、一旦見方・考え方から、教科の目標という整理を見ていただいておりますけれども、そういったことを前提にしながら、資質・能力を育む学習過程の在り方はどのように考えるかということを改めて一体的に考えていただきたいということでございます。こちらにつきましては、最初の丸でございました、4技能をバランスよく育成するということで、ここに書いてあることも繰り返しになる部分はあるんですけれども、併せて、言語は通常、人との関わりの中で用いられるということで、他者を尊重しということで、次の6ページでございますけれども、例えば聞き手の理解の状況を確認しながら話しているか、相手の発話に反応し聞き続けようとする態度を示しているかということを見ていくというようなことを例示で書かせていただいております。また、こういった外国語教育におきまして、コミュニケーションを行う目的・場面・状況等に応じて、外国語を話したり書いたりして情報や考えなどを適切に表現し伝え合う力を育成するということですが、3つの柱ということで、資質・能力ございますけれども、それに沿って一連の学習過程の改善・充実を図るということでございます。
「このような学習過程では」ということで、このプロセスでございますが、以前から別添資料にもそのプロセスの資料を御覧いただいておったと思いますが、1、2、3、4とマル4つで文章化させていただいております。まずは、設定されたコミュニケーションの目的・場面・状況等を理解し、目的に応じて話したり書いたりすることで情報や意見を発信するまでの方向性の決定……。
すいません。ここ、「決定」が二重になっております。申し訳ございません。これは削除させていただきたいと思います。
決定し、コミュニケーションの見通しを立てると。3番目に、目的達成のための対話的な学びとなる、具体的なコミュニケーションを行うと。4番目に、言語面・内容面での自らの学習のまとめと振り返りを行うことで、学んだことの意味付けを行ったり、既得の知識や経験と新たに得られた知識を言語活動につなげ、思考力・判断力・表現力を高めていくことが大切になると。こういったことを踏まえた上で、外国語教育におけるアクティブ・ラーニングの視点に立った学びを推進する学習過程ということで、改善していくということを書かせていただいております。
ここに文章で書かせていただいたこと、必ずしも本日の別添資料の言葉は一致してない部分はございますが、今日この言葉のところで是非御意見頂いて、その別添資料の図も修正をさせていただきたいと思っております。
こういったことにつきまして、丸の最後の方を御覧いただければと思いますけど、ただ、これは一方、方向の流れということではなくて、戻ったり繰り返したりする場合があること。それから、単元全体を通して「身に付けさせたい力」を育成するのであって、一単元の中で全ての学習内容を実施する必要はなくて、その一部のみを取り扱う場合があることなど、単元によってそれぞれの学習活動に軽重を付けて扱うというような留意点も書かせていただいておりますので、さらに御意見があれば頂きたいと思っております。
次の7ページの(4)の方を御覧いただければと思います。「目標に準拠した評価」に向けた評価の観点の在り方でございます。こちらにつきましても、全教科にわたっての議論を踏まえまして、整理をさせていただくということで、これ、文章化したものでございます。マルの2つ目までは省略したいと思っております。これは以前から別添資料の方で出させていただいておりますけれども、これは、14の方なので、またそちらの方も御覧いただければと思います。「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」ということで、学校段階別にこちらの方も整理していくということでございます。
ただ、以前から髙木委員からもお話しいただいておりますけれども、これは有識者会議のときから御意見、多くの先生から頂いておりますが、学びに向かう力、人間性等については、主体的に学習に取り組む態度という観点ということで評価を整理していくということになっておりますけれども、それをどういうふうに外国語教育では整理していくかという点を改めて整理しております。
下から2つ目のところを御覧いただければと思いますが、有識者会議のときにも、こういった御意見を頂いておりましたが、現行の学習指導要領の中でも、観点別学習状況の評価における「関心・意欲・態度」というものがございますが、独立してあるものではなく、他の観点に係る資質や能力の定着に密接に関係する重要な要素であるということで、対象となる学習の単元における4つの観点、今、4つの観点でございますけれども、その観点が単元における学習と一体的に評価が行われる必要があるということが以前から整理されておりました。このことを踏まえ、主体的に学習に取り組む態度以外の2つの観点のうち、その単元の最も重視したい観点に示されている評価内容として、例えば「外国語の思考力・判断力・表現力」として「○○できる」という観点ございました場合に、「主体に学習に取り組む態度」の項目といたしましては、「外国語を用いて○○しようとしている」としても捉え、その単元、又は複数の単元において、思考力・判断力・表現力及び主体的に学習に取り組む態度の両面から評価を行うこととするというふうに整理させていただいております。こういった評価によって児童生徒がコミュニケーションに関心を持ち、自ら課題に取り組んで表現しようとする意欲や態度を身に付けているかどうかを評価するということでございます。
次のページをお開きいただければと思います。評価につきましては、これは以前からも御指摘いただいております、学習到達目標の設定によりまして、各学校の学習到達目標の設定によりまして、「外国語を用いて何ができるか」という観点から、筆記だけではなくて、面接、エッセー、スピーチ等のパフォーマンス評価、活動の観察等の効果的な評価方法から、その場面における児童生徒の学習状況を的確に評価できる方法を選択することが重要であるというふうに整理させていただきました。
次に、3番目ですが、これは、すいません。(1)は小学校の外国語教育における改善・充実ということでございますけれども、時間がないので恐縮でございますが、8ページから9ページ、(2)が短時間学習、始まっておりますけれども、10ページの(3)高校の前までございます。こちらの方は小学校部会で、一旦整理をいただいたものを写させていただいております。小学校部会の後で更に補足した方がいいというような御意見がありましたら、また後ほど御意見を頂ければと思いますが、一旦この形でまとめさせていただいております。申し訳ございませんが、御説明はちょっと省略させていただきます。
10ページの(3)の方をごらんいただければと思います。高等学校における科目構成の見直しということでございます。こちらにつきましては、別添資料の方で高等学校における外国語科目の改訂の方向性ということで、13番の方まで、申し訳ございません。ページがなくて、恐縮でございますが、お開きをいただきますと、以前御議論いただくときに、その構成のたたき台ということで御用意した資料を用意しております。さらに、本日は、1ページおめくりいただきますと、高等学校の英語科における教育のイメージということで、新しい資料の方も添付させていただいております。高校部会も並行して今、議論が進んでおりますが、そういった中に、外国語として御議論いただいたものを報告させていただきたいと思っております。ここに書かせていただいたものを改めて文章として、本日は整理させていただいたものをお配りしております。
最初の方は、課題の方なので省略させていただきますが、課題を踏まえた科目の見直しということで、11ページから整理しております。前段の方は、高等学校における改善・充実の方向性ということで3点挙げております。まず、これは高等学校の改善の御議論いただいたときにもございました、高校卒業時に求められるレベルということでございますが、必修科目から選択科目、学校設定科目というのがございますけれども、多様性に応じてCEFRのA2レベルを参考にしながら設定するということを最初の丸に書かせていただいております。
2つ目でございますが、中・高とも共通していることでございますが、指標形式の目標設定というものが教科書の改善につながるような整理が必要ということで御意見を頂いたことを書かせていただいております。そういったことで図の方にも書いてございますけれども、英語コミュニケーション1、2、3、それから、論理・表現1、2、3ということでの方向性ということでの科目の整理の見直し、特に言語活動の中では、より一層技能統合型の言語活動を重視した科目の在り方を提示するということを書いてございます。
丸の3つ目でございますが、中学校段階での学習が十分には定着していないという課題ございます。それから、中・高の学びがつながっていないというような御指摘もあったかと思いますけれども、こういった多様性も踏まえながら、それから、中学校で学んだことを高校で更にスパイラルに学んでいくというような御意見もあったかと思いますけれども、今現在、高校の、今、パワーポイントの資料、別添13の次のページに、現行のところから新しい科目見直しの方向性の表を付けさせていただいておりますが、この中に現行では「コミュニケーション英語・基礎」2単位というのがございましたけれども、こういったものを必修科目の中に、特に学習の初期段階において位置付けることをもうあえてしていくということにして、ここで書かせていただいております。そうしますと、必履修の中で今までございました学び直しの部分ということでございますけれども、それを全てそのまま入れるということではなくて、必要な部分を圧縮して必履修の中に入れていくということですが、共通して学んでいただくということでの見直しの方向を出させていただいております。
次に、後段の方ですけれども、高等学校「外国語」の科目等の見直しということでございます。この中は以前から御覧いただいている科目の見直しの方向性ということを列挙させていただきましたので、ぜひ御参照いただき、御意見を頂ければと思います。
次のページに進めさせていただきたいと思います。(4)国語教育と外国語教育の効果的な連携の意義ということで、この丸2つは、以前1月12日にまとめさせていただいたものをそのまま転記しておりますので、本日はこれではなくて、資料5の方を御覧いただきながら、後ほど御意見を頂ければと思います。言語能力向上に関する特別チームの議論の状況ということで、1ページをおめくりいただきますと、初めてこれまでの議論の取りまとめの案ということで提示をなされたものがございます。ちょっと御説明する時間がないので恐縮ですが、ざっと構成だけ御覧いただければと思いますが、1番目に、言語能力の重要性ということで整理された後に、3ページに言語能力を構成する資質・能力、これがかなり外国語と共通するところがございまして、(1)言葉の働きと仕組みについてというところから、3つの資質・能力を整理するということで、4ページに(2)言語能力を構成する資質・能力の三つの柱ということでの整理がなされております。
ちょっと続けて飛ばしますけれども、(3)ということで、6ページの中に言語能力を構成する資質・能力が働く過程と。それから、(4)で7ページですけれども、言語能力の育成とあります。8ページの方を御覧いただければと思いますが、ここから言語能力の向上のための言語活動の充実及び「国語科」「外国語活動・外国語科」の改善・充実ということで、当然全ての教科における言語活動の充実というのがございますけれども、9ページの下からの丸1つ目の「国語科」と「外国語活動・外国語科」における改善・充実というところからかなり具体的な話に入っておりますけれども、11ページの方を御覧いただくと、(3)で、その両者の連携の在り方についてということが書かれております。ちょっと時間がなくて本当に申し訳ございませんが、最後の13ページ、14ページというのは後で適宜御覧いただければと思いますが、その中で具体的にどのような連携があり得るかという例示が挙げられておりましたり、14ページの(4)におきましては、その方策というものもございますので、こういったものも少し御覧いただきながら、外国語教育としての連携ということで、意義だけ書いておりますが、具体の方向性等も含めて、この12ページの(4)については御意見を頂ければと思います。
それから、(5)の方に進めさせていただきたいと思います。資質・能力の整理と学習過程の在り方を踏まえた教育内容の構造化ということでございます。こちらにつきましては、学習指導要領そのものを実際どういうふうに構成で書いていくかということにつながっていくと思いますが、今日は、先ほど御説明いたしましたように、見方・考え方、それから、教科の目標、それと関係といたしましては、指標形式の目標の関係性というのをきっちり整理させていただいた上で、教育内容をどうしていくかというような、多分全体の横並びとの関係でまた整理が必要になってくると思いますけれども、何かまた御意見がありましたら、適宜頂ければと思います。
(6)ということで、13ページ、御覧いただければと思いますが、こちらは、現代的な諸課題を踏まえた教育内容の見直しということで、例示を少し挙げさせていただいたので、後ほどご意見頂ければと思います。
4番目に進みますが、ここも基本的にはまだたたき台ということで、今日御意見をいろいろと頂ければと思います。(1)が特別支援教育の充実、個に応じた学習の充実でございます。特に特別支援の充実につきましては、まだ、小学校の外国語科、それから、中・高における外国語科がちょっと空欄になっておりまして、少し後で補足もしたいと思いますが、是非具体の御意見を頂ければと。構成としては、個に応じた学習の充実というのがございまして、こちらにつきましては、例えば前回たくさん頂いた格差の問題、いろいろ御意見頂いておりますが、個に応じてどのような学習が必要かということを少し整理したいと思っておりますので、是非御意見を頂ければと思っております。
続きまして、すいません。(2)の方は随分長いんですけれども、「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」に向けた学習・指導の改善・充実でございますが、大杉室長の方から、先ほどこの3つについて御説明があったと思います。その3つの方向性につきましての外国語教育としての内容ということで、こちらについては、すいません。説明はちょっと省略させていただきますけれども、基本は、先ほどの御説明のような方向性に沿って、外国語教育としての考え方についてご意見をいただければと。特に15ページの方にICTのことも触れておりますが、そういったことも前回ございましたので、御意見頂ければと思います。
(3)は教材の在り方。それから、17ページ以降、5番で必要な条件整備とございます。これは小学校部会でまとめさせていただいたものを、一旦転記させていただいております。更に必要なものを是非加えていただくという意味で、今日は御意見を頂ければと思います。
最後に、すいません。少し特別支援のことで補足できればと思うんですが、これは2回ほど、実は御意見を頂ければということだったんです。例えば小学校外国語の方でございますけれども、私ども事務局の中では、例えば外国語活動で音声に対するお話をしておりますが、文字を提示する場合は文字のフォントをそろえたり、線上に文字を書いたり、表現などを記したセンテンスカードというものをやはり黒板に張るなどをして、特に配慮するということが考えられないかということが、これまでの課題から少しあるのではないかと思っております。中・高につきましては、例えば英単語で発音とつづり関係について必ずしも規則性があるとは限らないものがまだ多いと。そういったことが要因で英語に苦手意識を持つ生徒も少なくないと。そういった生徒さんたちには十分に単語を繰り返して耳を慣らす機会を与えるとか、個別に指導するという配慮もあり得るのではないかと。また、教科の枠を超えてということになるかと思いますけれども、板書の仕方やワークシートに規則性を持たせたり、授業の流れに統一感を持たせるというようなことを少し配慮するというようなこともあるのではないかと思いますが、是非御意見を頂ければと思います。
また、最後に、すいません。今日は机上資料で、A3で、本多委員からも頂いておりますが、特に各学校で、例えば今のような教科の目標と指標形式の目標、評価の観点というものを整理したら、どのような例が考えられるかということで、資料5を御提供いただきましたので、御参考までに配付させていただきました。
時間、超過して大変申し訳ございませんでしたけれども、御説明は以上でございます。よろしくお願いします。
【吉田主査】  ありがとうございます。かなり量的にはいろんな多岐にわたっての話ですが、今日は全体としてこういう考え方でいいか、もう少しその点について付け加えるところがないかということで、次回細かく、本当に、じゃあ、これはこういうことを教えましょうというようなところに入っていくんだと思います。
まず、これ、全部一遍にやっても大変なので、今の資料3の1の現行指導要領の成果と課題、それから、2番の育成すべき資質・能力を踏まえた教科等目標と評価の在り方、そして、3番目の資質・能力の育成に向けた教育内容の改善・充実という、この3つのセクションについて御意見、御質問などをまずお受けしたいと思います。で、いつものように、御意見、質問のある方は札を立てていただければいいと思います。それじゃあ、松本委員、お願いします。
【松本主査代理】  おはようございます。少々細かい点にも踏み込むかもしれませんけれども、ちょっと申し上げておきたい点が幾つかあります。
まず、3ページの小学校の外国語活動と高学年ですが、1、2、3と両方並んでおります。下の方は1、3、3ですが、1、2、3だと思いますけども、これの2をやはり最初にもっていくべきではないかなと思います。小学校の外国語活動及び英語については、コミュニケーションを行う力を養うというのを一番に掲げるべきではないかと思います。
それから、現在のマル1 のところに文末に「音声等の違い等に気付く」というふうにありました。この点については、言語能力の向上に関する特別チームの会議において、東大の酒井委員が違いに気付いたところで何なんだという御意見をされておりまして、かなり強い御意見だったと思います。その点について反映したものに変えていただきたいなと思います。
それから、外国語活動も英語も、「相手意識を持って」という表現を使っています。日本語として多少、私、違和感を感じるのと、それから、言語能力の向上に関するチームの議論においても、「相手意識を持って」という言葉は一度も出てきていないと思いますので、この点については、中学・高校と同じように「他者を尊重して」とか、そういうような言葉遣いに変えていただければと思います。
4ページの下から2つ目の丸に「小・中・高等学校一貫して教科目標を実現するため」というふうに書いてあるんですが、中学・高校については、3ページ、4ページ、かなり言葉のすり合わせもされていて、目標が文科省内部で共有されているというふうに見えるんですけども、小学校の書きぶりと中学校の書きぶりがかなり違うという。これはもちろん小学生の発達段階に配慮するということもあるかと思うんですけれども、ここまで違う必要があるのかというのが私としては非常に疑問ですので、この辺の言葉の使い方等を整理しておかないと、後で一貫した教科目標を実現するときに、あるいは学習指導要領を書くときにばらばらな書きぶりになってしまうというところが危惧されますので、是非その点について御検討いただければと思います。
それから、5ページ、ちょっと細かい点ですが、上から4番目の丸ですが、中学校卒業段階で英検3級(CEFRA1レベル)というようなことが書かれてあるんですけれども、これはやはりCEFRA1の方を表に出して、例として(英検3級)というような書き方に全ての資料を統一した方がいいんではないかと思います。
あと、ちょっと飛びまして、11ページですが、ここの高等学校「外国語」の科目等の見直しの2つ目の丸のマル1 で、「現行のコミュニケーション英語基礎の要素を英語コミュニケーションⅠ、(仮称・必履修)に組み込んで、中学校における学びの確実な定着を図るための内容を含めて見直しを検討する」とあります。この点はすごく大事なことだと思っていて、高校段階においては、生徒さんのレベル差というのはものすごく大きいので、ここでやり直しができるような授業内容にするということがすごく大事だと思いますので、中学校でやってきたものとしていない部分もあって、ちょっと戻る形で何か活動すると。その分、活動の時間を増やすとか、何か工夫をするということが大事なのかなと思います。高校の英語コミュニケーションⅠが成功しない限りにおいては、それ以上のことは成功しないと思いますので、この点について何か御配慮いただければと思います。
その下のマル2 ですけども、最後のところが「課題解決のための言語活動という流れで学習するものとする」と。これをちゃんと読み込んで教科書ができ上がればいいんですけど、まだまだちょっと私としては不安なので、そういう流れを教材に、教科資料に明示しなければいけないとか、もう少し踏み込んだ言葉を入れ込んでおいていただかないと、今の教科書のように、英文があって、これについてみんなでディスカッションしているよというような一文で済まされて検定合格ということになってしまいがちだと思いますので、もう少し踏み込んだ記述をしていただければと思います。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。じゃあ、髙木委員、お願いします。
【髙木委員】  今の松本委員にちょっと質問もあるんですが、3ページの小学校外国語で1、3、3なんてなっているところで、そこなんですが、二重丸が、これ、教科目標になっていて、マル1 が、知識・技能で、マル2 が思考・判断・表現で、マル3 が主体的に学習に取り組む態度なんですが、これは英語だけではなくて、全ての教科がこの構造を今回とろうとしているというふうに私は思っています。で、そうなったときに、順番逆で大丈夫ですか。
【松本主査代理】  ああ、そういうことですか。それでしたら、その文言自体についてもう少し検討する必要があるのかなと思うんですね。例えば中学校の場合には、実際のコミュニケーション場面で運用できる技能を身に付けるということなので、気付くで終わらないということが大事なのかなと思います。よろしいでしょうか。御指摘ありがとうございます。
【吉田主査】  それじゃあ、酒井委員、お願いします。
【酒井委員】  よろしくお願いします。まず、第1点目ですけれども、2ページ目の一番上の丸と2番目の丸に関してですけれども、1つ目の丸については、自分の考えなどを話したり書いたりして表現することが思考の枠組みということで、表現の方が明確に書かれているんですが、これ、よく見ると、2行目のところに「外国語を通じて様々な事象等を捉え」と、このあたりぐらいは聞いたり読んだりというところが関わるのかなと思いますので、「外国語を聞いたり読んだりして様々な事象等を捉え」というふうに書くとバランスがよいのではないかと。同様のことは、次の丸でも一緒です。3行目ですけれども、「外国語で情報や自分の考えなどを形成・整理・再構築し、」ここのところで「外国語を聞いたり読んだりして情報を得、自分の考えなどを形成・整理・再構築し」というようなところで、聞いたり読んだりという外国語理解に関する表現が入るといいのかなと思いました。これだけ見ると外国語表現の方の力だけが重視されるという誤解があるということです。
それから、3ページ目ですけれども、ちょっと表現としては、小学校の高学年の、今、マル3 と書かれていますが、マル2 2の「外国語の基本的な表現に関わって」というところが、先に表現がありきで、それに関するコミュニケーションを行うというような受け取られ方がされるかなと思いますが、あくまでも表現は使うための基本的な知識であると思うと、「外国語の基本的な表現を使って」というふうに素直に書いた方がいいのかなと思いました。
それから、3ページの中学校、それから、高等学校のマル1 に関する事柄です。これは、7ページの3つ目の白ポツの知識・技能の2行目以降ですかね、「コミュニケーションを行う目的・場面・状況等に応じて主体的に活動できる技能が習熟・熟達に向かうものとして評価する」と。ここの具体的な意味を明確にした方がいいだろうということなんですが、知識・技能、基本的な基礎的な知識・技能というふうに考えたときに、目標のマル1 で実際のコミュニケーションの場面で運用できるというところまで求めてしまうと、マル2 の思考・判断・表現を使いながら学習をしていく、あるいはコミュニケーションをしていくこととの違いというのが見えなくなるであろうと。基本的に知識・技能をより深い学びとするために思考・判断・表現を働かせたような、あ、逆ですね。アクティブ・ラーニングというか、見方・考え方を活用したような活動を行うことによって思考・判断・表現力も伸ばすというような関係にあるとすると、さらに、先ほどの見方・考え方で言うと、目的・場面・状況に応じて言語を使う力というところが重要視されるとすると、「実際のコミュニケーションの場面で運用できる」のところをそこまで求めなくていいのではないかと思うということです。
これは本多委員の目標のところでも、知識・技能のところで4技能の目標が書かれていますけれども、思考・判断・表現のところの統合的な部分と、知識・技能の技能の部分、これの分割が難しいのかなと思います。むしろ、文脈、あるいは目的、あるいは状況がない状態でまずは知識を活用できる力と。それを状況とか、場面とか、相手、それから、目的が明確になったところで運用できる力、これが思考・判断・表現というふうに整理をした方がいいのかなと考えています。御検討ください。
それから、6ページ目ですけれども、これはちょっと表現的なことですが、学習過程で、上から3つ目のパラグラフですけれども、マル1 で「設定されたコミュニケーションの目的・場面・状況等を理解し」とありますが、別添の資料のところでは、理解だけではなくて、設定することもあるということですので、コミュニケーションの目的・場面・状況等を理解したり、設定したりということで、子供たちが自ら考えてどういう目的なのかということも自ら決定するような、そういうちょっと積極的な要素を盛り込んだ方が適切であろうと考えました。
7ページ目の、これは質問ですけれども、一番下の丸のところですが、「外国語の思考力・判断力・表現力」というふうに「外国語の」というのが入っていますが、評価の観点だと思いますが、これは各教科、外国語の思考力・判断力・表現力というような言い方になるのかどうか。もしそうでなければ、括弧の中は「思考力・判断力・表現力」というふうに整理した方がいいと思いました。
それから、14ページの「深い学び」ですけれども、ここでは深い理解を促すような工夫をするということで、黒ポツの丸が幾つか挙げられていますが、1)番の「深い学び」のところで知識・技能のところが3行分使って書かれていますが、むしろ、この後、その知識・技能を活用するために目的に応じたコミュニケーションを体験させると。そのことによって、知識・技能だけにとどめず、実際に運用できる力を付けるんだと。それが外国語科では「深い学び」と考えるんだというようなことをもう少し見えやすく表記をした方がいいのかなと思いました。
最後ですけれども、16ページ目、教材の在り方ですが、2つ目の白ポツの「小学校においては」というところです。ここに教科化に対応した教材を29年度にかけて開発し、30年度には先行実施を行うというようなことで、教科化の方の在り方につなぐようなことは書かれているんですが、中学年外国語活動の教材はどうなのかというような言及が1つあるといいのかなと思いました。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。4のところも踏み込んで御意見いただいていますけれども、結構だと思います。じゃあ、石鍋委員、お願いします。
【石鍋主査代理】  じゃあ、大きく4点お願いします。
まず、1ページ目から始まってまして、ほかにもあるんですけれども、「学校種間の接続が十分とは言えず、進学後にそれまでの学習内容を発展的に生かすことができてない状況がある」という、これ、正に課題だと思っています。これをしっかりと位置付けていただくことはとても大事なことなのでお願いしたいんですが、これ、他教科との絡みもありますけれども、外国語教育において、この接続が不十分な部分は学習内容を発展的にうんぬんだけなのかと。例えば指導方法であっても違いがあるし、学力観についても違う。また、学習観であったり、子供観、そういったこともあるので、そのあたりまで踏み込んで書いていただいてもいいのかなと思います。ただ、他教科との絡みがあるので、その辺は他教科とのやりとりもしなければいけないかもしれません。
2つ目ですけども、これはちょっと私がよく分からないので教えていただきたいんですが、2ページ以降に「コミュニケーション能力」という言葉と「コミュニケーションを行う力」という文言、そして、態度のところには、以前からそうですが、「コミュニケーションを図る」という言葉がありましてね。特に「コミュニケーション能力」と「コミュニケーションを行う力」というのはどこが違うのかな。学校現場としてはそのあたりちょっと混乱するかなと思いますので、後ほど教えていただければ有り難いと思います。
3つ目は、7ページ、これも質問に近いところなんですけども、(4)番の3つ目の丸の5行目の「また」から後なんですけども、ずうっと読んでいきますと、「主体的に学習に取り組む態度として、観点別評価を通じて見取ることと、観点別評価や評定になじまず、個人内評価があり、ここでは観点別評価について整理している。」ちょっとここの文章が私には読み取れなくて、観点別評価で見取ることもできるけども、個人内評価で評価することも必要ですよというふうに並列しているのかどうか。ちょっとここは教えてください。なぜかといいますと、そのページの下から4行目の「主体的に学習に取り組む態度の両面からの評価を行うこととする」というふうに書かれているので、こことの関連もちょっと分からなかったものですから、教えていただければと思います。
じゃあ、最後4点目です。10ページ、カリキュラム・マネジメントについてです。これは外国語教育だけではないと思いますけれども、ざっと読んでしまいますと、カリキュラム・マネジメントをするのは、校長や教頭の管理職というふうに読み取れてしまう。ただ、カリキュラム・マネジメントはもちろんリーダーシップは校長なんですけれども、教員一人一人がカリキュラム・マネジメントの視点を持っていくということが重要であろうと考えています。そのあたりで、教員に対してもうまく文言を入れて触れていただけると、この、いわゆるカリマネの考え方が学校全体に広がっていくんではないかと思います。
以上4点です。質問もありました。よろしくお願いします。
【吉田主査】  ありがとうございます。さっきの、今の質問に関して、事務局の方で、コミュニケーション能力とか、コミュニケーションを行う力というのと、それから、評価ですね。
【圓入室長】  これは教科、他教科にもわたっての話なんですが、今のところは、能力と力というのをちょっと整理をしようということになっていまして、例えば3ページのところを御覧いただくと、少しその違いが出始めているんですが、それぞれの学校段階で何々能力と書いてあるところは、基本的には、例えば「コミュニケーションの能力」となると、総合的・包括的な資質・能力ということで表して、「力」ということで書くときには、それらを構成する要素的な資質・能力ということで整理をするということが、ちょっと今、教科横断で横目で見ながら整理を始めているところでございます。多分、まだ引き続き、そういった学習指導要領全体の中での整理というものが行われるというふうに聞いておりますけれども、少なくともこの3ページ目に書いてあるような、最初の柱で全体の包括的な、総合的な、どういう資質・能力を育成していくかという目標、教科目標の下の1、2、3というのは、それぞれを構成する要素的な資質・能力、知識・技能から学びに向かう力までを表しているということなので、1から3の中では「力」という言葉を使うというふうに一旦整理をさせていただきました。
評価の点での御質問は、髙木先生からもよろしければ補足いただければと思うんですが、7ページに、すいません。ここは丸の4つ目の方は、十分説明が足りてないと思いますので、後で補いたいと思いますが、ここでは個人内評価というものもあるんだけれども、今回ワーキンググループでおまとめいただきたいのは、あくまで学びに向かう力、人間性を図る、主体的に学習に取り組む態度として、観点別評価を整理させていただきたいということをちょっと書かせていただこうと思っただけでしたので、ちょっとその違いについては整理をしたいと思います。既に論点整理のときから、こういったことは御提示があったのと、総則・評価部会、以前御説明もありましたけれども、学習評価の主な方向性、論点の方向性という中にもそういったことがたしか提示をされていましたので、そこの整理の仕方というのは、総則・評価部会でも、まだ全体議論続いておりますが、それを横目に見ながらきちんと整理させていただきたいと思います。
【吉田主査】  ありがとうございます。じゃあ、今の点について、髙木委員、お願いします。
【髙木委員】  圓入さんからも、今、御指摘がございましたが、まだ基本的な大枠で評価のことについて細かくは決まってませんが、大きな方向だけお話ししますと、資料4の別添1を御覧いただけるとお分かりになりますが、今回全体的には、その下の方がいいかな。別添2の方が教科ごとなんです。上と下、上下になって分かると思いますが、基本的には知識・技能と思考力・判断力・表現力と、それから、学びに向かう力、人間性等、これは例の論点整理の27ページの三角形の図を1つの全体として国の学力というか、学力って、資質・能力と言った方がいいですが、資質・能力の方向性を示していると。で、外国語教育においても、小・中・高を通して、基本的には知識・技能と思考力・判断力・表現力と、それから、学びに向かう力、人間性等なんですが、具体の授業になったときには、今日のこの資料4の後ろにも、後半にも単元の指導案という形で付いておりますが、3観点、いわゆる今回の知識・技能、それから、思考力・判断力・表現力、そして、単元の中では主体的に学習に取り組む態度という言い方をしています。これは7ページの一番上に書いてありますが、今までは関心・意欲・態度という形で取り組んできたんですが、この関心・意欲・態度というのは、辞書的な意味の興味や関心と紛らわしいということで、これからはある意味で主体的に子供たちが学習に取り組んでいくことを評価しようということで、今回こういう言葉が入りました。基本的には、この主体的に学習に取り組む態度というのは、授業の中で行う知識・技能、それから、思考・判断・表現に沿った観点を、言い方変えれば、どちらか最重点課題という言い方をよくします。それは7ページの上から5番目の丸に書いてあるんですが、「他の観点に係る資質や能力の定着に密接に関係する重要な要素」ということで、ある意味で、簡単な言い方すると、コピペ、コピーペーストして持っていくと作れますよと。だから、先生方が新たに主体的に学習に取り組む態度を考えるのではなくて、教科の内容の中で指導する事項をそのまま写していって、それが主体的に取り組まれているかどうかを見ていこうということが全体の大枠で今、考えられている方向です。ですから、今までのように先生が子供の状況を見ながら、関心・意欲・態度をつくっていったりというのではなくて、資質・能力の内容とそれが相関関係にあるものという形で捉えられると思います。
そうなると、4つ目の丸の話に戻りますが、それを観点別評価で見ること、当然単元の中で見れば、主体的に学習に取り組む態度、それから、年間を通して1年間の評価の中で見ていくときには、それは個人内評価として見ていくということが考えられる。その場合には、ここで出ている学びに向かう力、人間性へも関わっていく考え方につながるという、そういう整理で今行っているところです。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。とにかくどこの部会も最終段階にきているところなので、最終的にもう少し詰めてくると思いますが、今の説明でかなり分かってきたかなと思います。
それでは、江原委員、お願いします。
【江原委員】  よろしくお願いいたします。
私、1点だけ、提案というか、お願いというか、ございます。先ほど酒井先生がこのたたき台の3ページの下のところと、7ページの上から3つ目の丸に関連して御意見をおっしゃったことに対する補足というか、私も賛同しますので。
まず、3ページでございますけれども、中学校のマル1 のところ、このマル1 、マル2 、マル3 というのは、知識・技能、それから、思考・判断・表現、それから、主体的に学びに向かうという、これが書いてあると思うんですが、この中学校の1番を見ますと、技能を身に付けるということで、知識という言葉がまず入っていないんですね。これは恐らく意図としては、特に高等学校などでも、本当に文法を知識として教えるだけで使えるようになってないということに対する歯止めというか、それをもっとコミュニケーション重視にもっていくんだと、そういう気持ちは分かるのですけれども、先ほど酒井先生がおっしゃったように、このマル1 が膨らみ過ぎてしまうと、本来このマル1 、マル2 、マル3 の中では、今回の新しい改訂では、マル2 の方をもっと強調していくということは、私は趣旨だと思っていまして、英語のコミュニケーションというのは、たとえ本当に単純に英語を発するとか、聞いてメモするとか、そういうものでも相当思考・判断・表現は必要とするものだと思っています。ですから、マル1 が余り肥大化しないように、マル1 とマル2 の境目をきちんとするというのは大事だと思っていて、個人的には、マル2 というのは4技能を使いながら、技能統合も含めてやるものがマル2 に入ればいいし、マル1 というのは、限りなくマル2 に使えるような形で知識から技能にいきそうなところまで教えるということだとイメージしています。
ただ、酒井先生がおっしゃった、じゃあ、マル1 は文脈なしの文法かというと、多分そこまで言ってしまうと、また余波があるので、気を付けなければという議論もあるかもしれません。
で、7ページを見ていただきたいんですが、今回のたたき台の中で一番はてなマークが付いたのが7ページの3つ目の丸です。特に、2行目の「概念的な知識として」のところから、4行目の「技能が習熟・熟達に向かうもの」、これが多分何か知識・技能と思考・判断・表現の境目を決める議論だと思っています。で、概念的知識というのは、私もちょっと調べてみましたら、例えば社会科とか、数学とか、そういう教育関係の論文では出てくるんですけれども、あんまり、僕の勉強不足かもしれませんけれども、英語だと、語学だと宣言的知識と手続的知識というふうに言われることが多くて、知識として持っているものじゃだめで、それが使えるようにならなきゃいけないと。使えるようになって話したり、書いたりというのは手続的知識ですと。ここに概念的知識ってあると、まず、私、はてなになっちゃって、この辺もちょっと明確にしていただければと思うんですが、ただ、技能が習熟・熟達に向かうものというのは、私のイメージでは、今まで学校で教えていた文法書の文言をコピペして先生が口頭で伝えるような、そういうことではなく、これはこういうときに使えるよねというふうに例示をしながら、ちょっとやりとりしながらという、そういうものでいいのではないか、知識・技能としては。そして、実際に使うことになったら、これはもうあらゆる活動は思考・判断・表現に入るのかな。
それから、もう一つだけ言いますと、言語活動は基本的に技能統合活動だと私は思っています。先生と生徒がやりとりする中でスピーキングだけ、リスニングだけ、ライティングだけ、リーディングだけというのはあり得ないので、非常に難しいのは、教えるときにどう教えるかというのと、評価するときにどう切り取って評価するのかということがごっちゃになってしまうと非常に難しい。結論から申しますと、マル1 が肥大化しないように、うまく知識・技能とその思考・判断・表現、マル2 を切り分けるというのはこれから、今日は難しいかもしれませんけれど、非常に大事だと思っています。
【吉田主査】  ありがとうございます。じゃあ、投野委員、お願いします。
【投野委員】  私も、いろいろな方の意見を聞いていて、ちょっと小学校と中学校の間の少し書きぶりというんですかね、それがちょっと気になります。今、「Hi, friends!」でやっているような内容が活動という形で3・4年にもし下りるというイメージだとして、で、5・6年が高学年だとしますと、やはり高学年の書き方を、もうちょっと中学の内容を基準にして少し、やはりきちんとした技能や知識がもうちょっと身に付き始めるような段階の記述が必要だと思います。
これだとちょっと小学校の一番最初のところが、音声等の違いに気付くというと、本当にそれだけという感じにちょっとなりますし、あと、高学年の方を見てもらうと、マル1 の知識や技能のところは、言語の仕組みやその背景にある文化を尊重するようになるというのが書いてあって、これは知識や技能の項目として書く内容としては極めて曖昧で、尊重するというのは、何を身に付いたことになるのかなということになっちゃうと思うんですね。ですので、やはり外国語活動のレベルと、それから、ちゃんと教科化するということのはっきりした差がもうちょっと必要なような気が私はします。そういう点でいくと、先ほどの中学校の書き方の部分との整合性みたいなものをもう少しきちんと見直して、ちょっとそこが断絶しているような感じがない方がいいかなというのが1点ですね。
それから、あと、やはり先ほどのコミュニケーション能力というのと、コミュニケーションを行う力というの、ちょっと説明をお聞きすると、ますますはてなになってきて、やはりここは、マル2 の方の書き方を、「コミュニケーションを行う力」というような言い方はちょっとやめた方がいいんじゃないかなと思います。つまり、コミュニケーションのためにどのような思考力・判断力・表現力の側面が必要かということを、もう少し具体的に文言化しないと、何のことだかよく分かんないと思うんですね。ですので、マル2 はちょっとそういう形で、コミュニケーション能力というのは、それでいいと思うんですけど、その「行う力」という書き方は、私は余り賛成できません。
それから、あと、3点目で、中学校と高校の目標を見たときに、私、一応英語は結構技能科目だと思っているので、知識や技能のところが全く同じ文言なのはちょっと気になります。ここはやはりレベル差をもう少し出してほしいと思います。基礎的なとか、より高度なとか、そういうふうなものであったり、あと、CEFR的に言えば、自分の最初は世界、身の回りの世界や一般的な地域社会みたいなことが最初だったのが、もっと世界に広がっていくとか、そういうふうな部分のもう少し範囲のことが書いてないと、中学から高校に行くときにどうなのかなというのがちょっと思いました。そのあたりを検討していただければと思います。
【吉田主査】  ありがとうございます。では、松本さん、お願いします。
【松本主査代理】  先ほど酒井委員と江原委員が御指摘された3ページの中学校のマル1 の部分ですけれども、技能を身に付けるという文末にするかどうかは別にして、実際のコミュニケーション場面で運用できるとか、あるいは活用できるというのは、1ページの一番最初の2つの丸の趣旨を反映していると思うんですね。だから、魂の部分というかですね。ですから、知識というのは、必ず活用できるものでなければいけないというのはしつこく書いた方が私はいいんじゃないかなと思っています。
ですから、コミュニケーションの場面で運用できるようになるとか、活用できるようになるとか、そういう書きぶりであっても構いませんけども、技能という点が皆さん気になるのであれば。それから、江原委員がおっしゃったように、頭でっかちにならないようなことというのは、必要だとは思いますけども、あくまでも外国語の知識というのは、運用できるということが前提であるということは、何かしつこいぐらい書いておいた方が、今度の学習指導要領としてはいいのではないかなと思います。
【吉田主査】  ありがとうございます。それでは、本多委員、お願いします。ここから4と5に関しても、御意見ある方はおっしゃっていただいていいと思いますので、はい、どうぞ。
【本多委員】  細かいことも含めて3点ございます。
まず、4ページの高等学校の◎のところでございます。「聞き手・読み手・話し手・書き手に配慮しながら」という、その後のところの句読点の掛かり方とか、そういうことで、「的確に理解したり、」というのが、これ、確認ですけど、ここの句読点のところで終わっているとすると、「表現し、伝え合ったりする」というところで、ここに「的確に」というのを入れるんだったら、「適切に」というのを入れたいなと思いました。適切、単に表現し、伝え合ったりするというのが、ごめんなさい。掛かり方が分からないんですけど、「的確に」というのに掛かっているのか分からないんですけれども、的確に理解したりというのが、「的確に」というのがあるとすれば、「適切に表現したり、伝え合ったりする」というふうがバランスがとれるかなと思いました。
2点目です。11ページの真ん中、高等学校「外国語」の科目等の見直し。最初の2番目の丸のマル1 のところの高等学校のコミュニケーション英語Ⅰのところで、先ほど松本委員から、中学校との接続ということであったんですけれども、ややもすると、中学校の文法事項の洗い直しとか、そういうところにいくんではなくって、いく可能性もあるので、中学校の言語材料を使用させる、活動を通してというところを強調して、どこかで入れてほしいなというのがあります。活動を通して中学校の復習というか、確実な定着を図っていくというところが必要なんではないかなと思います。
それから、3点目です。先ほどから出ている個別の知識や技能と思考力・判断力・表現力の区別に関して、これは実際に現場で作ったらどうだろうということで、3月の終わりに作ったもので文言等もちょっと間違っていたりするのは御容赦ください。作ってみて、個別の知識や技能というところをどこまでもっていったらいいかということを悩みました。最初に思考力・判断力・表現力等で指標形式の目標を作ろうとすると、個別の技能のところが非常に考えにくいと思いました。したがって、個別の知識や技能のところに4技能、5領域を入れるとしたら、ここに入れるしかないだろうということで、こちらの方に入れてみました。それで、思考力・判断力・表現力というのは、個別の知識や技能を更に活用していくというものではないかなというふうに考えて作りました。2枚目の方は評価基準ですので、本来は単元ごとに作るようなものですけれども、どのようなものが作れるだろうかと思って試しに作ったものです。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。最後に示していただいたのは、特に次回の具体的な例を討論するときに非常に役に立つんじゃないかと思います。それじゃあ、渡部委員、お願いします。
【渡部委員】  先ほどから話に出ている3ページの中学校のマル1 、マル2 に関してでございます。私も、まず、1のところで知識の言葉があえてなく、技能を身に付けるというふうに書かれている点について、非常に私は個人的に評価をしております。先ほどの江原先生と同じ意見です。この1番と2番というのは、基本的には学校の先生方、授業の中では一体的にやっていかなきゃいけないことであって、1をやってから2をやるというふうな理解されると一番いけないのかなと。基本的に指導はそういった必然的な設定の中で表現活動を通して身に付けさせていくものであり、1の技能というものもそういうものではないかと思います。確かに1が膨らみ過ぎてはいけないと思うんですが、イメージとしては、1のところは、どういうんですかね、4技能、それぞれの技能を身に付けさせるというイメージじゃないのかなと。今のところは4技能を統合して考え、思考・判断していくということではないのかなと。ここのところで現場の先生方が読んだときに、やはり1をまずやってから、技能を身に付けさせてからということで、無機質な練習、文脈のない中での練習が行われない配慮をしておくことが必要なのかな。例えば一体的に行っていくというふうな文言なども考えられるかもしれません。
それと、9ページ、10ページのところで、小学校の外国語に関して、短時間学習の扱い、書いてありますが、ここでのワーキンググループの意見としてどうなのかって、私も分かりませんが、当然カリキュラム・マネジメントというのは必要になってきます。現場にこのカリキュラム・マネジメントを求めていくというのは非常に大切なことなんですが、この書きぶりとして、いわゆる現場に投げ出してしまうような書きぶりになっていないのか。もう時間はなかなか入れるのは難しいですというのは分かっている中で、具体的な解決策はなかなかないんですが、カリキュラム・マネジメント、前面的に出していくことが、現場の方から見たら、これ、読んだときにどのように受け止めるかというところは少し危惧をしているところです。
併せて、もう一つ、我々のこのまとめとしては非常によく作っていただいたなというふうに高く評価をしているところなんですが、実際、これ、読んだときにどれぐらいきちっと理解がされるかというところが不安な部分がたくさんあるなと思っています。基本的には、まず、簡単な表現で文章は短く、我々行政をやっていた者もそうなんですが、非常に行政でよく使うような「何々とともに」とか、とにかく長くする傾向があるんですけれども、できるだけ平易な表現にして出した方がいいのではないかということは強く感じました。
以上でございます。
【吉田主査】  ありがとうございます。具体的な問題について、次回議論したときに、今の小学校の話もまた入ってくるかなと思いますけれども、はい。それじゃあ、長谷川委員、お願いします。
【長谷川委員】  ありがとうございます。それでは、私の方からは、なるべく民間のリソースをいろいろ活用していただきたいという観点から幾つか発言をさせていただきます。
まず、13ページなんですけれども、現代的な諸課題を踏まえた教育内容の見直しということで、外国語を通じて、今の環境問題ですとか、地球規模の諸課題ですとか、いろんな持続可能な社会の構築、情報に関するような課題などを把握して、それに向けた解決を考えるというのは非常にいいテーマだと思っておりまして、このまとめのほかの部分でもありましたけれども、外国語を通じてキャリア教育という視点から、自分がどういうふうにその世界の課題を解決できるかという、そういう視点を生徒に学ばせるという意味で、こういった教育内容というのは非常に重要だと思っています。そのときに、今、国連の方でもMDGの次にSDGといったようなこともやっておりますし、そういった国連の関係者ですとか、NPOの方ですとか、若しくは国際協力の現場で働いているような方に英語で授業をやっていただくとか、そういったことも考えていただけるといいのではないかなと思っております。
それから、15ページですけれども、いわゆる「深い学び」、「対話的な学び」、いわゆるアクティブ・ラーニングの推進というところですけれども、これは今、文科省の別の教育の情報化に向けた懇談会の方でも、科目別にも、いわゆるアクティブ・ラーニングをこういうデジタル教材ですとか、そういったICT機器でどのように授業を進めていったらいいか、何を教えたらいいかといったことを検討されていると思いますので、そういった内容も含めて反映というか、参考にしつつ、是非こうしたデジタル教材を活用した授業なども推進していただきたいと思います。その中で、今、いわゆるこういった機器、教材を開発している民間の業者とか、学校とか、政府も入った官民のコンソーシアムとか、ネットワークを作るという話も出ておりますので、是非そういったところも活用してこういったデジタル教材の活用ということも進めていただければと思います。
それから、最後のところですが、18ページ、外部専門人材の活用という、ここも入れていただいて有り難いんですが、いわゆるこういうJETプログラムの経験者ですとか、若しくは英語が堪能な地域人材などを教員として活用していくという、そのための特別免許制度など、若しくは非常勤講師制度の活用を推進してほしいというのは、非常に産業界からも結構強い要望がありますので、是非必要な予算措置なども確保しつつ、推進していただければいいと思います。
以上です。
【吉田主査】  どうもありがとうございました。じゃあ、佐々木委員、お願いします。
【佐々木委員】  1点だけ。先ほども出ましたけど、端的に申し上げて、例えば4ページの高校のところの目標の文言とか、◎と1、2、3との違いとか、一般教員がぱっと読んだときに読み込めればあれですけれども、分かるか、その違いと意図するところがきちっと伝わるかなというところにちょっと不安があります。ですので、どうしたらいいという文言はあれですけれども、もう少し平易なものが書けないかなという感じがします。
一番の懸念は、1ページのところの現在の課題にありますけれども、課題の1番の下から2つ目のところの課題ですか。「話すこと」及び「書くこと」など言語活動が十分に行われていないことや、習得した知識や経験を生かしうんぬんとありますが、現場ではやはり知識やそういった文法的なことを習得して、それを活用すると。それを分けて考えるところがあるんですね。だから、それでいいと思っている教員がまだまだ存在すると。となると、最終的にはコミュニケーションという文言が、先ほど目標にも書いてありますけど、それはいろんなこういった知識等を習得しつつ、そのコミュニケーション活動を通してスパイラル的に力を、4技能を付けていくというところがもうちょっと明確でないと、まだまだ知識等を習得する部分とコミュニケーション活動部分とを分けて考える懸念があるんじゃないかなと考えております。ですので、その辺が最終的には統合的な形でできるように分かりやすく書いていただければと思います。
恐らくそれが分かると、教員一人一人の授業改善につながっていく。そうでないと、文法を教え、またその活動は活動でやってしまいというようなことがまだ引き続き行われてしまうんではないかなという懸念があります。そして、何よりもやっぱり教科書をはじめとした教材をこれから的確に変えていただくといったところは、この4技能をうまく統合しながら力を付けていくというところのメッセージをもうちょっと付けていただきたいなと思っております。
【吉田主査】  どうもありがとうございます。じゃあ、藤村委員、お願いします。
【藤村委員】  2点あります。1つは、9ページのところで、いわゆる時間数の話が先ほど渡部委員の方から出ておりましたけれども、前回もちょうど最後のときにちょっと話もさせていただいたのですが、今、70時間をとるということは決まっているんだけれども、コマ数とモジュールをどう扱うかということについては、おおむね何にも具体化されていない。実際教材を作るなり、教科書を作るなりしていくときに、当然ある程度のコマ数が必要となってくる。要するに、35時間のコマと35時間のモジュールで私は成り立たないと思っています。少なくとも50時間から60時間ぐらいのコマ数が必要になって、それに対応したモジュールが必要だと私は思っています。たたき台にはそこまで具体的に書いてないですけれども、そういう観点から考えると、おおよそこうだろうみたいなものがないと、現場は非常に混乱を起こすし、困るということになりはしないかなという心配をしています。その点が1点です。
それから、2点目は、特別支援に関わってですけれども、13ページのところですけれども、特別支援教育の充実ということから、外国語活動の例、あるいは外国語科等々書いてございますけど、内容はまだ書いてないということなのですが、いわゆる各学級に特別支援を必要とするという診断を受けている子供が様々な障害の子がおります、クラスの中に。もう数名いるというのが現実で、6%というのはかつて言われていましたけれども、私としては、それ以上にいるかなと思っています。そんな中、特に音を中心として活動する外国語活動、及び、また小学校の高学年でも基本的には音声が中心となりますから、手だてがないと、子供たちは混乱を起してしまうと思います。
私どもが今やっているのは、単元の流れをきちっと見通しを持ったものを黒板の左側に張るということ。それから、本日の流れ、今日はこういう流れをして、今日のめあてを達成するよという、本日の、いわゆるプラン、それを子供たちに最初に明示するということ。そして、今日のめあてはこれだというような可視化することがすごく大事なんではないかな。それがないと、結局障害のある子供たちは、その学習を十分に目標到達しないまま時間が終わるのではないかという心配をしています。特に自閉症スペクトラムという診断を受けている子供たちも非常に多いです。その子供にとって可視化、目に見える形で授業をこうやってやるよということが非常に必要なことではないかな。もちろんICTの、今出ていましたけれども、そういう活用も含めて、音声中心なんだけれども、その音声の何かジェスチャーであるとか、そういうものを含めて可視化できるようなことが必要なんではないかと思います。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。今の特別支援に関しては、先ほどもありましたように、まだ十分外国語ワーキンググループでは議論していないところなので、ほかにももし皆さんの方でこれに対して御意見などございましたら、お願いしたいと思います。じゃあ、石鍋委員、お願いします。
【石鍋主査代理】  今、藤村委員がおっしゃったことは、中学校においても全く同様で、その時間の流れをしっかりと明示してあげることでかなり子供たちの理解を容易にするということは言われていますので、そのあたりは是非、ここの中に文言として明示をしていく必要はあろうかと。それに近いものは入っているんですか、もっと具体化して入れてもいいのかなと思っています。
あと、もう一つは、小学校の高学年から中学校、高校は当然ですけども、文字が入ってくるとなると、今度は文字を見ても認識できないお子さんがいる。もう一つは、文字は見て認識はできるんだけども、それを書き写せないお子さんがいる。そこまでなってきたときに、どこまで細かくこのレベルで書き込んでいくのかというのは、必要かと思いますが、今、これ、まだ話し合いの段階、まだスタート段階なので、音声のことしか書いてないんですけれども、必ず文字のことについては触れなければならないだろうと思います。これ、他教科との関連もあると思いますので、他教科とも連携をとってもらって書き込んでいく。ただ、英語の場合には、文字を使っても日本語とは違う文字を使いますので、そこの部分はやっぱり明示する必要はあろうかなと思います。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。ほかの方で、今の点だけじゃなくても構いません。じゃあ、佐々木委員、お願いします。
【佐々木委員】  特別支援教育について、高校でもそういった文字障害みたいなのはありますけれども、もともとその障害という形ではなくて、コミュニケーションをとること自体が苦手な生徒で、今現在、ペアワークをやったりとか、グループワークをやること自体がもう苦手だと、または拒否する生徒もいるわけですよね。ですから、これは指導方法の問題になるかもしれませんけれども、やはりその辺の生徒の個々の特性を配慮した形での指導方法というところは何か書き込んでいただければいいかなと思っています。
【吉田主査】  ありがとうございます。今の点だけじゃなくて構いませんけど、全体を通してこのまとめに関して、この案に関して御意見、御質問などございましたら、残った時間できるだけ皆さんの意見を聞き出したいと思います。じゃあ、江原委員、お願いします。
【江原委員】  先ほどの知識・技能と思考・判断・表現の切り分けで、しつこくて申し訳ないんですけれども、今の御議論されている本多委員からも提示された切り分け方というのは、非常に今までの議論にマッチしたものだと私は思っています。ただ、これが現場にいったときにどうかなという観点も考える必要があるかなとちょっと思っています。具体的には、やはり先生方、特に高校ですけれども、語彙や文法をやらなきゃというのはあるんですね。非常に大変な高校を教えていらっしゃる先生は、ABCが読めないような生徒に中学校の単語の復習から始めると。そういうことがあったときに、余り個別の知識・技能と思考・判断・表現だけ、で、今まで知識としてやっていたことがゼロになる。だから、どういうメッセージかによるんですね。松本先生がおっしゃったメッセージ性というのは非常に大事なので。
で、長くなって申し訳ないので、一言だけ、私の考えを申しますと、知識がだめだから、活動させましょうというメッセージになると、どうなるかというと、頭を使わないで、ただ何かトレーニングやっている授業になってしまっているというのが私の印象なんです、高校の。そうでなく、知識の質というのも非常に問題だと思っているんです。先生方御自身がコミュニケーションしながら、あ、この文法ってこういうことなんだねというのは、知識であっても、質の高い知識であって、そういうものが高校で行われれば少しいい。ただ、それを前面に出すとやっぱり知識かというふうにとられていけない。そういうところも気を付けながら、何かいい解決策がないかなと思っています。
【吉田主査】  渡部委員、お願いします。
【渡部委員】  先ほどの特別支援のお話なんですが、今、様々な子が現場にいて、いわゆる識字などの課題を抱えている子供たちも随分多いなと感じておりますが、13ページのところで、指導が、一層充実させるよう工夫を講じると。この工夫を講じるという内容について、教員の指導上の工夫も当然必要なんですが、ある意味、それだけではなかなか難しい部分もあるのではないかなと。いわゆるそういった、例えば拡大教科書などは実際あるんですけれども、そういったものの教材等の整備等も現実的に考えていかないといけないんじゃないかなと。例えばゴシック体の方が分かりやすい子供であったりとか、行間が広くないと読めない子、あるいは同じような色でないと目がちらついて読めない子、あるいはルビが必要な子供、いろんな子供がいるわけですが、もうある程度そういった典型的な子供たちの特性というのはもう分かっているわけですから、それに合わせた教材というのは、やはり中心の方から作っていかなきゃいけないんじゃないかなと。僕は、もうこれは現場で対応するというレベルではないんじゃないかなという気がしております。
それと、全体通してですけど、前回、今の学習指導要領改訂のときもそうだったんですけれども、私、この3月まで行政におったんですが、本当行政の責任って非常に自分自身感じておりまして、結局こういう内容が現場に伝わらないというのが一番なんですよね。で、例えば最後のところに、17ページですが、必要な条件整備等のところに、今後、例えば地域・学校等における指導体制を整備していく上で、地方自治体等のことについても書かれているんですけれども、もうこれ、期待されるとか、ぬるい表現ではなくって、もうしなさいと。実は、私、指導主事をしていたときも、もうやりたくて仕方がなかったんですけれども、現実、指導主事、単独の指導主事だけでは動けないという行政の仕組みもあったりして、やはりやらなきゃいけないんだというところが前面的に出て、非常に人に責任を負わせるようでいけないんですが、もっとやらなきゃいけないというところが前面に出てくると、全国の行政、指導主事ももっと動けるんじゃないかなと。要は、今度の学習指導要領の改訂が一番の勝負じゃないかなというふうに感じておりまして、そこが確実に現場に伝わる方法を考えていくのがこの条件整備の大切なポイントじゃないかなというふうに感じております。
以上です。
【吉田主査】  どうもありがとうございました。ほかの方で何か御意見ございますか。じゃあ、投野さん、どうぞ。
【投野委員】  この文言全体のとりまとめの案というのは、かなり今、議論されたような内容で大分直せばよくなってくると思います。ただ、今まで議論していることのポイントの変更の目玉になるものというのは何なんだろうって、そういうことをちょっと考えたときに、やはり小学校に教科としておりる、そして、そこを小・中・高とつなぐのをできるだけCAN-DOのような指標形式の目標で明示的に示す。そして、そのつなぎをうまくやるというようなところとか、あと、いろんな入試のことが変わっていくみたいな部分ですね。そういうところの目玉の部分を、じゃあ、どうやるのかということの、HOWの部分というか、どうやってやるんだという部分があんまりこのまとめの部分だと分からないので、そこの部分が次の議論のときに、20日ぐらいのときにもう少し、先ほど本多先生が作ってくださったような、こういうものを基に示し方とメッセージをどう伝えるかというか、その部分をよく議論する必要があると思うんですね。
ちょっと私の印象なんですけれども、本多先生のお作りいただいたものも、やはり観点を、知識・技能、思考力・判断力・表現力、学びに向かう力・人間性等というふうに、こういう3分割した中に全部CAN-DOで表そうとするのは、ちょっと僕は余りできにくいかなという印象を持っています。言葉の力としては、やはり4技能、あるいはCEFR的な感じでいう、そういうCAN-DOの大きな枠をまず作っておいて、それ、我々なりに作ればいいと思うんですけれども、そこに何かもうちょっと一般的な思考力・判断力・表現力みたいなものが一個一個のCAN-DOにそれぞれ絡んでくる感じなんで、全然別個のCAN-DOをそれ用に作るという作業をし始めると、非常に難しくなるというのが僕の予想なんですね。ですから、まず、言語的なもので束ねておいて、その言語を身に付けた後、どう使うかというのは別の観点でぶら下げた方がいいように僕は思います。だから、そのあたりをちゃんと議論しないと、これがこのまま、またいっちゃったりすると、CAN-DOもかなり様変わりしたものをみんながもらうということになっちゃうと、それはそれでちょっとどうかなと思うので、そのあたりのことの議論が最終的に伝え方としてうまくやって終わらないとちょっと心配だなと思いますね。
【吉田主査】  ありがとうございます。このCAN-DOに関しては、以前から単なる技能的な技術的なものだけじゃないのかというような話から、実を言うと、もっとより深い思考・判断などを含めたものだという議論など、両方とも、両者の意見が今まであって、ここまできていると思うんですけれども、その辺のもう一回、ある意味では再検討がある程度必要だというような、そういうふうに受け取っています。それは具体的な事象を次回検討する際に、その辺についてももっと議論するべきだと思います。
ほかに御意見ございますか。じゃあ、酒井さん、どうぞ。
【酒井委員】  目標の知識・技能のところですけれども、言語能力の向上に関する特別チームの議論の状況について、資料5の4ページ目に、国語と英語の観点、外国語科の観点から、知識・技能、思考力・判断力・表現力、そして、学びに向かう力・人間性等で整理をしたと。これは国語に特有の表現であったり、英語に特有の状況があるので、全くそのままというわけではないと思うんですが、ここで知識・技能のところでは、例えば言葉の特徴やきまりに関する理解と使い分け、これが、理解の方がある種知識でいうとすると、使い分けるというところが知識・技能の技能に当たるのかなと思うわけですけれども、先ほどの思考力・判断力・表現力のところでの言語使用との切り分けの際に、こういうところとの整合性もとっておくといいのかなと思いました。
以上です。
【吉田主査】  どうもありがとうございます。ほかの方、よろしいですか。
時間的にはあともう少し、5分ちょっとぐらいございますけれども、全体として、枠組みを、これ、英語だけの問題じゃなくて、全体をほかの教科も通して、こういう一つの枠組みの中で書いていくということですので、大きく形そのものは変えられないかもしれませんが、内容的には外国語としてどういうふうにそれを、中身をきちんと整えていくかというのが今日のポイントだったと思います。
先ほど投野委員もおっしゃったように、今日の議論で出てきたいろんな問題点、疑問点などをうまく織り込んでいくだけで相当このまとめ自体がよくなるのではないかと、私も思います。確かに先ほどから議論がある、何せ小学校は教科として入るのは、今回初めてだということもありますけれども、中学・高校との言葉の整合性の問題であるとか、その辺に関してはやはりもう少しちゃんと精査していかないといけないなと思いますし、それから、先ほどのコミュニケーションなのか、知識をどこにそうやって入れていくのかという問題、両方とも必要であることは誰でもわかると思うんですけれども、その辺の言葉の使い方というんですかね、どういうふうな形でそれを、両方ともきちんと整理して入れていくかということも、最終的なまとめの中で入れていかなきゃいけないかなと思います。
特別支援に関しては、まだまだ議論足らないかと思いますけれども、確かにほかの教科ではもうある程度その辺について議論しているところ、当然ありますので、そのあたりを参考にしながら考える。ほかの教科とか、ほかの小学校部会などを見ていますと、特別支援の場合ですと、例えば帰国子女であるとか、日本語力が足らないとか、ほかの要因なども入ってくるんですけれども、英語の場合はなかなかそういうものって、あんまり直接入ってこない部分があるかなという気がします。本当細かく見ればあると思いますよ、当然ながら。だけども、ほかの教科に比べると、その辺に関してはそれほど大きくないのかもしれませんが、今日、議論にあったような学習困難であるとか、いろんな障害があるというお子さんに対してどういうふうにきちんとした形で提示していくかって、大事だと思いますね。
先ほど出てきましたけども、教科書の問題って、私は、すごく大きいとやっぱり思います。私が今ちょっとやっている本があるんですけど、色弱の子だと色が判別できないんで、色弱の子供が判別できる色に変えて、教科書の印刷を刷り直したりして今やっている最中なんですね。ですから、いろいろ教科書自体工夫をしていかないと、先生たちだけに責任を負わせるというのはできない。これはもう現実だと思いますので、その辺もある程度この中にも含めていく必要が絶対あるんじゃないかなというふうに思います。特に外国語ですから、音声とか、文字、先ほどありましたけれども、日本語以外の文字も出てきますので、ほかの教科とはまた違った要素があるので、その辺をどういうふうにして入れていくかというのは非常に大事かなと思います。
髙木委員、どうぞ。
【髙木委員】  今、主査の話を伺いながらちょっと思ったのは、例えばこれの11ページに高等学校の「外国語」の科目等の見直しというのがあるんですが、2丸目からすぐ英語になってしまうんですね。で、日本には、外国籍の方もいらっしゃるし、そういったことを含めて、この中に少しそういった英語以外の外国語をどういうふうに考えていくかというところも書き込んでおく必要が、必要かなと今、主査のお話、伺いながら思ったので、最後に申し上げました。
【吉田主査】  ありがとうございます。それは絶対必要ですね。日本人の私たちの生徒たち、学習者がほかの外国語をいかに学んでいくべきかということもそうですし、いろんな国から来ている子供たちに対する日本語教育、英語教育も、これ、一様ではないですよね。ですから、そういう意味で何らかの形でそういう日本人がほかの言語を学ぶということも含めて、外国の子供たちが日本の教育の中で英語を、我々の場合、英語ですけれども、外国語教育をきちんと受けられるような、そういう体制を整えるという、そういうこともどこかで必ず入れる必要があると思います。
ほかによろしいですか。
それでは、今日、本当に非常に有益な議論ができたかなと思います。いろんな意見、言っていただきましたので、その意見を次回に向けて事務局の方で論点を整理するようにしていただきたいと思っています。限られた時間内での検討でしたので、もしさらに御意見がございましたら、事務局の方にお送りいただければと思います。
それでは、最後に、次回以降の日程について、事務局の方から説明、お願いいたします。
【圓入室長】  それでは、資料8の方を御覧いただければと思います。次回の御案内ですが、6月20日月曜日になっておりますね。9時半から11時半で、場所は同じ3階の特別会議室1の方になります。次回は、今日頂いた資料3の修正をさせていただいたものを御覧いただきながら、併せて、議論の詳細の方、これまて頂いた議論を少し詳しく書かせていただいたようなものを御用意して御議論いただいく予定でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
【吉田主査】  ということで、次回6月20日ということでよろしくお願いいたします。
それでは、本日の中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ(第9回)を終了させていただきます。どうもありがとうございました。
―― 了 ――

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