ここからサイトの主なメニューです

教育課程部会 外国語ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

平成27年1月12日火曜日9時00分~11時00分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 外国語教育の改善充実について
  2. その他

4.議事録

<未定稿>
【吉田主査】  今年になりまして初めての会議ということで,新年おめでとうございます。今年もまたよろしくお願いいたします。
それでは,定刻となりましたので,ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループを開催いたしたいと思います。
本日は,会議前半で,今までのワーキンググループの検討事項に関する主な論点案について御議論いただき,後半では,中・高等学校における改善の方向について議論いただく予定です。まず,事務局から資料の説明を頂いた後,それぞれ意見交換の時間を設け,論点等について御議論いただきます。本件は,外国語ワーキンググループとしての議論の途中段階ですけれども,中教審教育課程企画特別部会の論点整理の指摘も踏まえ,後日開催が予定されています小学校部会へ報告させていただく予定でおります。その次に,松本主査代理より,中学・高等学校の改善の方向として,国が「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の能力別の記述で目標を示す重要性,科目再編の必要性,中・高等学校の教科書の改善等について御説明を頂き,その後,酒井委員より,中学校の改善の方向性等について説明を頂く予定でございます。それをもとに議論いただきたいと思います。
それでは,まず事務局より資料の確認をお願いいたします。
【圓入室長】  それでは,お手元の議事次第を御覧いただきながら,資料の御確認をお願いしたいと思います。
資料1でございますが,これは前回までの主な意見というものをまたまとめさせていただいているものでございます。
資料2の関係でございますが,先ほど吉田主査からお話がございました,来週以降,開催が予定されております小学校部会に,本日ご議論いただいた上で報告をさせていただく資料でございます。2-1が,これまでの検討事項に対する論点ということ,それから,それに関連した資料が2-2ということで添付させていただいております。3つの資質・能力の関係でございますけれども,小・中・高を通じて外国語教育において育成すべきものから,この後ろに全体像をお示しするような資料を本日は配付させていただいております。また,関係して,補足資料,データ集などもこれまでも御議論いただいたようなものを全部まとめさせていただいております。
次に,資料3でございますが,本日の御検討いただく2つ目の柱の関係資料でございます。詳細については,時間も厳しいこともございますので,省略させていただきますけれども,3につきましては,これまでの取組として,英語教育教科に取り組む学校の取組の状況について御説明した資料を添付させていただいております。これは今まで小学校を中心に前々回までに御報告いたしましたけれども,本日は中学校と高校を中心にまとめさせていただいたものを配付させていただいております。
また,次に,松本主査代理から御発表いただくパワーポイントの資料を資料4ということで添付させていただいております。
また,その次でございますが,本日ご議論いただく語彙の扱いについて,議論が前回からございましたので諸外国の語彙数等の資料も併せて配らせていただいております。
その次に,資料5でございますが,こちらは酒井委員からの御発表資料を配付させていただいております。
資料6は,事務局が御用意させていただいた高校の科目の見直しの方向性ということで,本日の御議論の御参考ということで,これまでの議論を踏まえたたき台として資料を配付させていただいております。
資料番号はないですが,ご参考として,高校と中学校のこれまでの取組の成果や課題となるような参考のデータ集などを添付させていただいております。
その次に,資料7でございますが,報告事項として,平成28年度の予算案の資料を配付させていただいております。
それから,続きまして,資料8の関連でございますが,これが特別支援教育部会からの,本ワーキングにおいても検討すべきということで,頂いた検討の内容について,これは会議の最後のあたりになりますけれども,また御報告させていただく資料でございます。
最後に,資料9でございますが,今後のスケジュールが1枚ということで配付させていただいております。
そのほか,机上に冊子やファイル,それから,右肩か左肩上に黒いタブレットがありますけれども,前回までの資料がこのデータの中に入っておりますので,適宜御参照いただければと思います。
以上でございます。
【吉田主査】  どうもありがとうございました。
それでは,まず本ワーキンググループの検討事項に関する主な論点案について,これから議論していただきますが,その前に,まず事務局から説明をお願いしたいと思います。
【圓入室長】  それでは,資料2の関係を御覧いただければと思います。本日は議題がたくさんございますので,資料2-1はかなりはしょった形で説明させていただくことを御了承いただければと思います。
2-1は,前回も主な意見ということで御覧いただいたものでございます。1ページ目から2ページ目にかけて,それから,3ページまでですが,これが小・中・高を通じて一貫して育成すべき外国語教育における資質・能力の在り方ということで,これは教科横断的に御議論いただいているポイントでございますけれども,こちらの資料2-2の方も併せて御覧いただければと思います。
これも前回お配りした資料が添付されておりまして,2ページおめくりいただきますと,前回御覧いただいて御議論いただきました小・中・高を通じて外国語教育において育成すべき資質・能力の整理ということで,修正したものを添付させていただいております。特に御意見としてございましたのは,これまで2回,3回にわたって頂いた御意見でございますけれども,例えば,学びに向かう力,人間性というところでは,小学校段階では,相手意識を持ってということ,それから,中・高におきましては,他者を尊重し,聞き手・話し手・読み手・書き手に配慮しながら,外国語でコミュニケーションを図ろうとする態度,それから,言語や文化に対する関心というようなことがあるのではないかという御意見を頂いておりましたので,そういったことを踏まえて修正させていただいております。
また,思考力・判断力・表現力から学びに向かう力,人間性にかけまして,「積極的に」という言葉が入ってございましたが,その積極的というものが何を意図するのかという指摘もございましたので,一旦ここを削除させていただき,思考力・判断力・表現力につきましては,中学校につきましては,互いの考えや気持ちなどを外国語で適切に伝え合う力というふうに,「適切に」という修正をさせていただきながら,小学校から高校にわたりまして,コミュニケーション能力を育成するという目標を共通して修正させていただいております。
また,知識・技能のところにつきましては,言語能力向上の観点で,言語能力向上の委員会の御議論なども踏まえまして,例えば,小学校高学年の段階から言葉の仕組みへの気付き,中・高におきましては,言語の働き,役割についての理解ということを新たに加えさせていただいておるところでございます。
こういったことを,こちらの2-1の文章の方にも,これまでの有識者会議で御指摘いただいたようなことを踏まえて整理させていただいております。2ページを御覧いただきますと,例えば,1つ御紹介いたしますと,丸の2つ目でございます。言語能力の向上に関する,議論がなされておりますが,そういったことを踏まえながら,外国語教育としては,他者とのコミュニケーション(対話や議論等)の基盤を形成する側面を,資質・能力全体を貫く軸として重視しつつ,他の側面からも育成すべき資質・能力が明確になるよう整理するということをもって,外国語教育を更に改善・充実する。「小学校では相手を意識しながら」,「中・高では他者を尊重し」という視点を,コミュニケーションを行う能力を養うということでの視点を明確にするという意味での改善を図るということをここに書かせていただいております。
また,3ページに移らせていただきますけれども,こういった目標レベルの御議論におきましても,産業界をはじめ社会から期待されている外国語教育におきまして,学校教育を通じて,子供たちが卒業後,特定の学問分野や職業に進む場合だけでなく,どのような職業等に就くとしても生かすことができるような資質・能力を育成ということで,高校卒業段階までに育成すべき資質・能力を設定した上で中学校,小学校の達成すべき資質・能力を児童生徒の発達段階を踏まえて検討し,学校種間の接続を考慮しながら教育目標,学習・指導方法,評価方法の改善・充実を図るための学習指導要領となるよう,目指す方向を一体的に示すということをここでまとめております。
本日後半で議論いただきます中学校・高等学校の議論も含めて,最終的には3月末以降に全体のまとめに向けてもう一度整理をしていくということがあるかと思いますが,これまでの議論としては,目標レベルということでは,これまでのご意見を踏まえ一旦整理させていただいております。
続きまして,2番目の外国語教育の改善につきまして,さらに,目標から指導にかけて,特に今回のお話としては,小・中・高を通じて一貫した教育目標(指標形式の目標を含む)の在り方ということをまとめさせていただいております。4ページから5ページにかけて,それを文章で書かせていただいておりますが,こちらにつきましても,先ほど御覧いただいたパワーポイントの資料の5枚目の方に少し修正したことをお伝えさせていただきますと,例えば,英語において特に重視すべき思考力・判断力・表現力等の例ということで,今まで4技能ということでお話をしておりましたが,4つの領域と2の統合の領域ということで示していくというような御議論を頂いておりましたが,前回からの修正といたしましては,「話すこと」というところで,(発表),(やり取り)ということを分けさせていただいております。こちらにつきましても,技能という考え方と領域の考え方については,引き続き検討するということで,整理をさせていただいております。
これに加えまして,A3の大きな資料の方を御覧いただければと思います。1枚目に,右側を御覧いただきますと,資質・能力の3つの柱を踏まえた見直しを反映したものと,左側には,本日後半で御議論いただく高校の科目の見直しということもございますので,そのイメージ図というものも配付させていただいております。
また,次のページをおめくりいただきますと,外国語教育の教育目標につきまして,指標形式の目標というものを設定していくというお話がございますけれども,その構造を少し見えるような形にして,英語の学習課程ということで,全体像というイメージを,これまでの御議論を踏まえて修正したものを添付させていただいております。
3ページ目,次のページをおめくりいただきますと,ここからはたたき台としてお示しさせていただいた聞くこと,読むことから書くことまでの指標形式の目標ということで,次のページ以降は,それぞれの国の目標に加えて,参考となる,授業における主な言語活動や言語の働きの例といったものを以前お配りさせていただいておりますが,こういったものを,主な論点の資料の方に添付させていただければと思いまして,まとめて配付させていただいております。
こういった方向性を,資料2-1の3ページ目以降から5ページ,6ページにかけてまとめておりますが,6ページから7ページにわたりましては,例えば,指標形式の目標を設定するに当たって,学校が設定する目標,ここでは学習到達目標と書いてございますけれども,それを設けるに当たりましての効果や留意点というものを挙げさせていただいております。このあたりは,実は昨年の有識者会議で御議論いただいてまとめていただいたことでございますけれども,今回,ワーキンググループでも頂いた御意見も踏まえて,整理をしてまとめさせていただきました。
7ページ以降からは,この目標に関連して,指導する語彙や表現,文法事項ということで御議論いただいたものをまとめさせていただいております。8ページにかけて御覧いただければと思いますけれども,まずは,指導する語彙・表現,言語活動の中において繰り返し活用して定着を図るといったようなお話,それから,そういった語彙をスパイラルに使う機会を設けるに当たりまして,例えば,指導する語彙,新語の数をどうするか,それから,教科書に出現する総語数という考え方について,これは8ページの丸の2つ目に書かせていただきましたけれども,新語の質や総語数をどのように整理するのか,それが,ひいては教科書の質的な改善につながっていくのではないかというようなことを8ページにまとめさせていただいております。
続けて,9ページに行かせていただきますが,学習評価につきましては,総則・評価の部会ということで御議論がございますので,そこでお示しもされるようなことを受けながら,こちらのワーキンググループでも検討させていただければと考えておりますが,9ページには,これまで頂いた御意見をとりあえずまとめさせていただいたという形になっております。
それから,9ページの後段からは,言語能力を向上させるための国語教育と外国語教育とを関連付けながら充実させていくことということで,頂いた御意見をまとめさせていただいております。こちらにつきましては,前回の主な御意見の方から余り修正はしておりませんので,適宜御参照いただければと思います。
11ページに移らせていただきたいと思います。小学校の3・4年生からの外国語活動,それから,5・6年生の教科といたしまして,どのような目標を設定していくのかということを,11ページからまとめさせていただいております。最初の資質・能力のお話でございましたように,特に相手意識を持ってということの必要性というものを11ページの前段に書いておりますが,それから,12ページにかけて御覧いただきますと,これは昨年度の有識者会議で一旦おまとめいただいた高学年と中学年の目標設定,その後,中教審の論点整理でも御議論いただいておりますけれども,そういったことも含めて整理をさせていただいております。
こちらについては,より具体的な3年生から6年生までのイメージを持って議論すべきという御意見を頂きましたので,A3の資料の最後のページには,3年生から6年生までの年間指導計画の例のイメージ案を配付させていただいております。こちらの資料につきましても,2-1の関係資料ということでまとめさせていただきたいと思っております。
また,13ページ以降は,そういった3年生から6年生の全体像の中で,短時間学習がどのようにあるべきかということを論点としてまとめさせていただいております。これまでの成果や課題を踏まえますと,やはり5・6年生の教科では年間70単位時間程度,それから,3・4年生では35単位時間程度が必要であるというところから,14ページ,15ページを御覧いただければと思いますけれども,多くの短時間学習の在り方に対する御意見を頂いておりましたが,それを丸の2つ目からポツ以下でまとめさせていただいております。これまでの研究開発校をはじめとする様々な学校の例を踏まえましても,その効果と課題というものが見えてきたと。それを踏まえながら検討を進めるということと,それから,次の15ページに書いておりますけれども,そういった効果を求めるに当たりましても,単にこれまでのように,例えば,45分の授業とばらばらで短時間学習を行うということではなくて,系統性を確保するためには,一体的な,45分と例えば15分の繰り返して行っていく活動も含めて,位置付けをしていくことなどを書かせていただいております。
現状といたしましては,15ページのポツの4つ目でございますが,第2回目にも御紹介いたしましたように,全国の小・中学校における短時間学習の状況ということで,速報値を御紹介いたしましたが,既に算数や国語の学力向上を目的とする短時間学習がかなり多くの学校で実施されていること。それから,その形態につきましても,様々な形態がありまして,1週間に5日間実施されているところもありますけれども,夏季・冬季休業期間中にまとまった時間で設定するといったようなケースもあるということで,本ワーキンググループといたしましては,短時間学習につきましては,例えば,柔軟な対応が可能とすることが必要であるということをここでまとめさせていただいております。頂いた御意見の中の例を,15ページの最後に書かせていただいております。
16ページにかけては,そういった柔軟な対応をするに当たっても,環境整備に関する御支援が必要であるということと,こういったことにつきまして,やはり小学校部会等,関係部会において,教育課程全体の中でやはり議論をしていただく必要があるということでまとめさせていただいております。
ここまでが概ね小学校の5・6年生,3・4年生のお話をある程度17ページまでにまとめさせていただきました。
17ページの真ん中から,小中連携ということで,小学校から中学校への学びの接続の考え方ということをまとめさせていただいております。18ページにかけて御覧いただければと思いますが,前回も頂いた御意見ということで,指導の内容につきまして,スパイラルに学習していくような,そういった工夫をどのようにするのかということ,これまで論点整理でも御指摘されてきたことなどをまとめさせていただいております。
20ページ以降につきましては,御説明しましたような,特に小学校の外国語教育の教科化に向けて,やはり新しい指導が導入されるということで,その指導体制の在り方というものを前回より充実させていただいております。例えば,今年2年目,来年度3年目を迎えます「英語教育推進リーダー」による悉皆研修の在り方,それに関連しまして,小学校各校に,「中核教員」に期待されておりますけれども,期待される役割というものも21ページの真ん中あたりに加えさせていただきました。
それから,他の中教審部会で教員養成を御議論いただいておりますけれども,こちらが12月に答申がまとまっております。英語教育の在り方に関する有識者会議から中教審部会までの御議論も踏まえて,追加をさせていただいております。例えば,小学校の高学年,特に教科化を意識しまして,認定講師を大学と教育委員会で連携して提供していただくということ,そういった方々が専門性を持って各校,1人は中核教員ということで,校内の教科化導入に当たっての役割を果たしていただきたいということなどを最後の方にまとめさせていただいております。
以上で御説明を終わらせていただきたいと思いますけれども,本日は,4回目までの御議論をまとめまして,近々小学校部会がございますので,一旦こういった形で関係資料を添付して御報告させていただきたいと思っております。次回は,小学校部会でどのような御議論があったのかということを御報告させていただき,それから,3月末に向けて,引き続き,その小学校部会等での御意見を踏まえて,また御議論を頂くというような,小学校部会の議論を踏まえながら検討いただくことになるかと思います。本日は,そのような趣旨を踏まえて御意見を頂ければと思います。
以上でございます。
【吉田主査】  ありがとうございました。
今までの議論をよくまとめていただいていると思いますので,特に今の説明にありました資料2-1を中心に,これから少し皆さんの御意見などを伺いたいと思います。大体10時頃まで,御意見を頂き,それをもとに,来週以降の小学校部会の方に,まとめたものとして報告し,その後,同部会の意見が戻ってきたのを,また検討していくという形で進めたいと思っております。
まず御意見のおありの方は,前回も同じようにやりましたけれども,名札を立てていただきまして,発言が終わりましたら元に戻していただきたいと思います。それでは,どなたか御意見ございますでしょうか。
それでは,江原委員,お願いします。
【江原委員】  よろしくお願いします。非常に細かいことで,ちょっとしたことなので。10ページですけれども,一番下の丸で,「子供たちは子音と母音のつながりの認識を持つことになる。そのことが英語の音の仕組みを学習することにつながる観点から」とあるんですけれど,子音・母音・子音・母音のつながりというのと英語への学習が,例えば,12ページの真ん中あたりにはその辺は書いてあるんですが,英語と国語の連携のときには,国語と英語は音声的な特徴が違うということも留意しながら,というのがあった方がいいかなと思いました。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。
それでは,松川委員,お願いします。
【松川委員】  2点ほど発言させていただきたいと思います。
1点は,小学校の特に高学年におきまして,充実という点から,70単位時間程度が必要であると。特に,話す・聞くに加えて,読む・書くというものを加えるということに伴って,70単位時間程度必要であるということの中で,13ページの下以降のところに,柔軟なカリキュラム設定に関する考え方というのが出ていて,これが小学校部会でも問題になるところだと思うんですけれども。具体的に言うと,現在,英語以外の様々な教科というのも小学校にあるわけですが,それが必ずしも週35単位時間の倍数で設定されているわけではないわけですよね。90だとか,105や,70という,35の倍数で全ての教科が設定されているわけではないわけです。50なども実際あるということ。それから,年間の授業時数を基本的に35で計算してありますけれども,35よりも実際は多いわけです。そういう幅の中でやっていることなので,この発端になっていた45分の授業とモジュールの組合せをどうこうするという議論がありましたけれども,私は,そこのところは,ここのまとめで書いてあるような短時間学習も含めて,柔軟なカリキュラム編成というのを個々の学校でやるというまとめで結構だと思うんです。
例えば,年間の標準時数が50単位時間にしかなっていない科目というのは,例えば,2週に1回そういうものが入ってきたり,いろんな組合せをしているわけです。だから,70が週2コマ取れないからといって,即モジュールを入れるとかというふうにするのではなくて,そこはいろいろな組合せを現にやっているわけです。それぞれの学校が,実際に今,ほかの教科でもモジュール学習が行われているというお話がありましたけれども,それは具体的に指導目標,指導過程をはっきりさせれば,単位時間の組合せでも,他教科でも1単位時間になるというようなことは現に行われているわけでありまして,全般的にどういうやり方をするにしろ,70単位時間を取ることと。その仕方については,実際,35週ではなく,ゆとりの時数というのがあるわけですので,そういうものを組み合わせていくことによって,どうやるかというのは,それぞれの学校ないし市町村教育委員会の考え方に任せるということが私はいいのではないかと思います。それが1点です。
それから,前回までの議事録をいろいろ見させていただいて,短時間学習が即ドリル,繰り返し学習として機械的なものであると非常にネガティブな捉え方をしているわけですけれども,私は別の考え方をしております。短時間学習で取り出そうが,45分の中に入れ込もうが,ある意味で語学を教科としてやる場合に,繰り返しというのが必要でないという議論はあり得ないわけです。それはモジュールというのを外でやるにしろ,45分の中でやるにしろ,授業の中では,学校でしかできない何かまとまった言語活動をやればいいのであって,繰り返しのような,プラクティスのようなことをやるのは非常にマイナスだというイメージが,ある意味で小学校カルチャーにぴったり合っていて,定着しているということは,私は少し疑義があるわけです。
特に申し上げたいのは,リーディングとかライティングという技能は,基本的に個人的な技能でありまして,例えば,書くことの指導というのは,やっぱり自分の書くスピードだとか,それから,書写をするにしろ,時間がかかるのはかなり個人差がある作業なんです。そこのところをきちんと指導していかないと,結局,家でやっていらっしゃいということになって,学校ではいかにも華々しい言語活動をやっているんだけれども,基盤をつくるような,繰り返しを必要とするようなことは,家庭学習に任せたり,あるいは,塾でやらせるというような二重構造ができているということが,その後の中学校,高校になって学力差を生む大きな要因になっていると私は思うわけです。
ですので,リーディング,ライティングを入れるのであれば,そこのところの入門期の指導というのは,45分の中でやろうが,短時間学習でやろうが,かなり学校の中で時間を取って,全く機械的ではなくて,場面設定をするということを,どのようにやるのかということは,小学校の先生の力量によると思うんですけれども,繰り返し学習,あるいは,ドリルというのを完全に否定した語学学習というのはあり得ないので,そこのところの自己コントロールができるように子供たちを育てていくということは,私は小学校高学年の教科化で一番大事なポイントだと思っております。
生涯にわたって語学学習をしていく基礎のところで,集団で学ぶばかりではなく,基本的に読むことも書くことも個人でやる作業になってくるわけでして,そこのところのベースの力をどんな形でもつくっていくということは否定することはできないというのが,申し上げたいことの2点目です。
長くなって申し訳ありませんが,最後に,教員養成のところです。私が大変遺憾に思っていることは,現在の外国語活動を導入する議論のときも,随分前ですけれども,そのときにその次のことを見越すなら,当然,教員養成大学における小学校での英語教育に向けた免許法の改正も含めて,教員養成をしっかりやっていくということが必要だということは申し上げたのに,今回の事態になっても余り変わっていなくて,基本的にカスケード形式の研修でやっていくということですよね。
それから,コアカリキュラムを作るというんですけれども,これから作って大学でやって,教員養成を受けた人が出てくるのは随分先の話であって,そういう意味では,私は,文科省の中での連携がいかにも悪い。このような大事なことをやるのに,教員養成をしっかりやらずに今日まできたということについては,ある意味で抗議したいと思っております。
教員養成部会で議論がありましたけれども,研修が主になっているということ,それから,コアカリキュラムができたとしても,それぞれの教員養成大学で,小学校の英語教育についてどれだけ分かっている先生がいて,コアカリキュラムを使って指導ができるのかということは,大変失礼だと思うけれども,甚だおぼつかないと思っております。そういう意味では,大学と教育委員会が連携して,むしろ大学の先生よりも,現職の指導主事の中で力のある方というのは各県にいらっしゃるわけで,そういう人の力量を,教職大学院ではなくて,教員養成大学の学部の中での指導に生かすような方策を考えていただくのが,私は現実的な道だと思っておりますので,それについても意見を申し上げました。
以上です。
【吉田主査】  どうも,貴重なご意見ありがとうございます。
ほかの方で御意見ございますでしょうか。今のことと関連して,あるいは別でも構いません。
それでは,投野さん,どうぞ。
【投野委員】  今の松川先生のおっしゃること,結構私も共感するところがありまして。特にドリル形式のことなんですが,CAN-DOを指標形式でもし学習指導要領に入れることができたとして,実際に教科書を作る段になりますと,レッスンごとに大きなCAN-DOの目標を,どういうふうに具体的なその目標に向かった活動に落とし込むかということを考えるわけですけど,そのときには多分,CAN-DOからもう少し具体的な場面や言語機能を持たせたような,そういうふうなタスクに,細かいCAN-DOに分けていかなければならないですね。そういうふうにした場合に,やはり教科書のセットを作るための素材として,どういうCAN-DOは細かくこういうようなタスクに分れ,それにはどんな文法や語彙がレベルごとに張り付いていくかみたいなことについてのイメージが教科書会社側にないといけない。同時に,教える方も,そのユニットで教えたことが将来はこのCAN-DOにつながっていくという,教えていることと指標のCAN-DOの連携やリンクを考えながら指導できないといけないですね。
このときに,やっぱり使ってみる前に,文法や語彙をどういうふうに習熟するかという部分ですね。この部分については様々なやり方があると思うんですけれども,やはり小学校時点でちゃんと教科として導入するんでしたら,小学校の15分なり何なりの時間とかを有効に使って,基礎的なフレーズなどへの習熟のさせ方,それをやっぱり教えてあげたいと思うんですね。これが単純なドリルだと言われちゃうとそうなんですけれども,繰り返しそういう形を反復演習するとか,それがどのような場面や機能を使うために必要な表現かという理由があれば,単純な単語帳を訳も分からず覚えるというのとは違ってくるわけですから,その辺のことをしっかりストラテジーとして,こういうステップで言葉を身に付けていくということが教えてあげられて,多分,15分ぐらいやったそういう習熟した活動を実際に使ってみるのが,45分のもう一つの授業みたいな感じのリンクの仕方みたいなものがセットになって,これ,1つの活動のパターンとしては,そういうふうなことをやってみるみたいなものは,僕は意味があると思います。
こういう単位をちゃんと作っておくと,例えば,9ページあたりにある学習評価,これもCAN-DOで評価するということは非常に大ざっぱな感じがしちゃうので,やはり個々のタスクと,それから,その場面や機能を重視した表現なんかがちゃんとパフォーマンステストで出てくるかとか,そういうふうなもののタスクベーストな評価の場合にもCAN-DOの具体化が効いてきますし,先ほどおっしゃったような,研修をするときにも,やはり研修にどういうタスクやモジュールのイメージを持って研修するかみたいなことが分かってくると,「ああ,指標形式で入れるCAN-DOというのはこんな意味があるんだ」みたいな,そういうことが明確に教員に伝わってくるように思います。ですので,先ほどの語彙,文法とかはとてもここによく盛り込まれていると思うんですが,そういう評価やタスクや目標とのリンク,そういうものをどういうふうに付けていって具体化するかみたいなことについて,もう少し文言の中にイメージが分かるような感じで入れられるといいのではないかなと思いました。
【吉田主査】  どうもありがとうございます。
ほかの方はいかがでしょうか。
それでは,本多さん,どうぞ。
【本多委員】  今のドリルの話なんですけれども,ドリルというイメージなんですけれども,オーラルドリルももちろんありますけれども,単語をただ練習させるとか,そういうことが一般的に広く行われていて,音と関連させるというところが非常に大事な,特に小学校においては大事なところなので,そこら辺を押さえたような記述にしていただければというのは非常に思います。
それから,A3版の資料について,2ページ目です。外国語教育の目標と学習課程の全体像のイメージというところの一番下の英語の学習課程について,米印で,小学校中と高と中学校は,ペアワーク・グループワークとあります。上記の上の方の目標を達成するための活動の在り方として,ペアワークやグループワークを中心にするというのは非常に好ましいし,こうあってほしいと思うのですけれども,高等学校の方の文言が,学習形態の基本とするというふうに,しっかりと書かれているんですけれども,ペアワークとかグループワークそのものが活動であるような感じのイメージに取られがちなので,ここもしっかりとした文言で書いて,中心とするという文言を加えた方がいいと思います。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。細かい大事な点だと思います。
それでは,長谷川委員,お願いします。
【長谷川委員】  この資料の第2-1につきましては,大変よくまとめていただいていると思います。ありがとうございます。
特に資料の1ページのマル1のポツのところですとか,もしくは,資料の3ページの最初の丸ポツのところですけれども,産業界をはじめとする社会から期待される外国語の能力ということで,英語の能力というのが,特定の学問ですとか職業分野に進む場合だけではなくて,どのような職業に就くとしても生かすことができるといいますか,必要な素質・能力としてそれを育成することが求められるというような目的を書いていただいたことが,非常にこの視点は重要だと思っております。産業界の方でも,今までは英語が必要なのは一部の海外要員とか,駐在員とか,もしくは大企業のみといったような視点が結構あったんですけれども,今では,国内の本社で働いていたとしても,隣が外国人社員であったりとか,もしくは,中小企業のサプライヤーであっても,海外の工場長と毎週スカイプで英語で会議をやっているといったようなこともよく聞きますので,本当に一部の人ではなくて,全ての人にとって英語力を育成するのが必要だという視点をまず入れていただいたことがいいと思っております。
それから,3ページのところなんですけれども,高校卒業段階までに育成すべき資質・能力を設定した上で,それを高校,中学校,小学校という形で落としていって目標設定をするという,その視点も非常にいいと思っております。ただ,前回も発言させていただいたんですが,学校教育,特に最近では,この後の大学とか専門学校等に大体皆さんつながっていくというところがありまして,特に高等教育の方では,文科省も,英語で全て授業をやるとか,ゼミをやるとか,もしくは,意欲・能力のある人が全員海外留学に行くといった「トビタテ!留学キャンペーン」といったようなこともやっていますが,そこのレベルですね。大学で今目指そうとしている英語教育のレベルに,本当にその後の高校卒業段階と今言っているものがつながっていくのかという,そこの視点での高大接続という視点も考えていただければと思っております。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。
それでは,石鍋委員,お願いいたします。
【石鍋主査代理】  3ページの,今,長谷川委員からもちょっと触れられた,「高校卒業段階までに育成すべき資質・能力を設定した上で中学校,小学校の達成すべき」云々というところ,ここは非常に大事な点だというのは,私も同感です。ただ,これに補足ができないものかと思っています。それは,10ページにも課題が書かれているんですけれども,最初の丸ですけれども,いわゆる小学校で外国語活動が充実しているのにもかかわらず,中学校でなかなか円滑に接続をしていないという課題があるんですね。つまり,高校の卒業段階から下におろしていくというのは当然なんですけれども,小学校でやっていることを中学校へ,小学校・中学校でやったことを高校へという,そちらのベクトルも少し補足として文章化していただいた方がよろしいのではないかなと思います。
中学校の教員がこれを読むと,じゃ,高校からおりてきているんだな。小学校も,高校が変わったから,中学が変わって,小学校も教科化が図られているのかなという誤解が生じてしまうのではないかと思います。ということで,補足ができるのであれば,2行でも3行でもいいんですけれども,小学校から上がっていくという部分も触れていただければと思っています。
以上です。
【吉田主査】  非常に大事な部分だと思います。
それでは,酒井委員,お願いします。
【酒井委員】  2ページ目の2つ目の丸で,2段落目の件なんですが,付け加えられた件というか,改善になる点ですけれども,小学校から中学校へ考えると,聞き手,話し手,口頭のコミュニケーション,それから,読み手,書き手,文字コミュニケーションというまとまりということも理解できるんですけれども,発展性,それから,指導する内容ですね。そうすると,話すときに,聞き手を思いやりながら,あるいは考えながら,それから,それに伴う態度面,技能面の指導と,書くときに,読み手を意識しながら伝えていく。この伝えるときに必要な態度面,あるいは技能面と,それから,聞いて理解する,読んで理解するときに必要な態度面というのはかなり共通するということを考えると,聞くこと,読むこと,話すこと,そこから書くことというふうに発展性が中学校,高等学校段階ではあるのかなと思いますので,そういうような順序性みたいなものもここに盛り込まれるといいのかなと思います。
以上です。
【吉田主査】  どうもありがとうございました。
ほかの方はいかがですか。
では,平岡委員,お願いいたします。
【平岡委員】  それでは,先ほどから話題になっている短時間学習の,特にドリル的ということですが,今までの外国語活動でも,慣れ親しんでいくというところは時間数が十分でなかったということは,今までにも申し上げてきたと思うんです。単元のゴールに向かって,こういうことをしたい,だけども,それを練習するという,慣れ親しんでいくというところは十分時間が取れないというところは,課題としてあったと思うんです。
ただ,先ほども投野委員からもありましたが,目的がないのに,短時間であろうが,45分の本体であろうが,目的がないところで,さあ覚えなさいという,そういうことはあってはいけないなということは思います。だから,単元のゴールに向かって,こういうことをやりたい,でも十分ではないから,それを繰り返しやろうという,やっぱり意味のある時間の取り方で,活動でなくては,それは子供たちにとって,特に小学校の子供たち,まだ外国語に触れる初期の段階において,さあ覚えなさいということは,子供たちの意欲,成果として上がっている意欲が向上しているという良さを引き続いていくというところでは,あくまでドリル的という,そういう何もないところでやるという意味ではなくて,目的を持った活動にしていくということが必要ではないかなと思います。
【吉田主査】  ありがとうございます。
今,皆さんの意見を聞いても,もとにあるものを更に洗練したものにするというような意見がたくさん出ていたなと思いますし,これをまとめただけでも相当いいものができるのかなというふうな印象を受けますが。ほかにも,こういう点は,是非これは考えた方がいいというのがありますか。よろしいですか。
では,渡部委員,どうぞ。
【渡部委員】  済みません。自分の考えがしっかりまとまらないままで,今,口を開いておって申し訳ないんですが,先ほどのドリルのことで,松川先生の方から頂いた御意見,いろいろ考えながら聞いておりました。
中学校,高等学校で定着を求めていくということになると,中学校,高等学校では,そういったドリル的な学習というのも必ず必要になってきます。小学校のドリルの考え方というのを同じ考え方でやれば,小学校の子供たちにとって,英語への学習モチベーションは下がるというような懸念もされると。
いろいろ考える中で,今,平岡先生が言われたように,目的は持たせて学校で今指導されていて,小学校での英語学習というのは,1つの文脈の中で練習したりしているということを大事にしていると。そういう先生方が,今度,ドリルという言葉で聞いたときに,恐らく先生方自体,英語の学習というのがどうあるべきかということを御存じない状況であろうと。そういった中で,定着のためのドリル的な活動もしっかりやっていこうというような考え方になったときに,方法論として,やはり何らかの具体を示しておかないと怖い気はします。
ですので,これももしかしたら教員養成に関わるのかもしれませんが,例えば,過去に中学校や高等学校でよく子供たちが,「先生,どうやって英語を勉強するんですか」と言われたときに,我々もそうでしたが,「いや,単語をしっかり書いて覚えるんだ。広告紙の裏に何回も書いて覚えなさい」みたいなことがよく指導されていました。もちろん,それも大事なことなんですが,ただそれだけではいけないということを今言われている中で,中学校の先生でも今それにようやく気が付き始めて,それを変えようとしている。小学校の先生方も恐らくそういった英語教育を受けてこられて,中には英語が嫌いになった先生方もいらっしゃると。そういう先生方が実際に指導されることを考えると,ドリルという言葉の受け止めは,かなりいろんな多岐にわたる受け止めがあるのかなと。我々が理想としているドリルとは違った方向にいく恐れもあって,その内容については何らかの形で示していくということが必要ではないのかなと。それが子供たちを英語嫌いにしないモジュール学習であったり,ドリルということの前提になるのではないかなと感じております。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。
これに関しては,最初に松川先生おっしゃった教員研修の問題と非常に深く関わっている問題ではないかと思いますので,そこのあたりと今後どう結び付けていくか,それを真剣にやはり考えていかなければいけないかなと思います。
じゃ,どうぞ,お願いします。
【藤村委員】  済みません,今のことに関わってなのですが,ここにいるメンバーでいろいろ話をしていっている中で,いわゆるドリルと聞いたとしても,単に機械的な学習をするということではなくて,意味のあること,あるいは,目標と結び付いていること,慣れ親しみであるというような理解はできるのですが,私もそう思ってずっと聞いていたんですけれども。ただ,これがひとり歩きしたときに,各地域,学校によって,英語に取り組む姿勢,あるいは,英語に対する理解がそれぞればらばらな中で,言葉だけがひとり歩きすると,いわゆる機械的な単語学習,あるいは,機械的に何かを書くという,そうなっては具合が悪いなと思います。
前回,このA3の資料の中に,6年生や5年生の具体的なイメージという中に,6年生の方ですか,具体的に書いていただいたものがあるかと思うんですけれども,単語に慣れる,あるいは,言い方を使えるようにするとか,正確に描き写すようにするとか,具体例がいろいろ書いてあると思うんですけれども,こういったものがいろいろとあると,イメージがしやすくなって,それぞれの学校で正しく伝わって授業に反映させることができるのではないかということを思いました。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。
今のお話も伺いながら,こういう資料をどれだけ準備するかというのの大事さということもありますが,もう一つは,やはり松川先生おっしゃった教員養成をする方の大学の先生自身も,今,藤村先生おっしゃったような概念でちゃんと捉えているのかなというところもちょっと疑問ですよね。ですから,これは単なる小学校の先生たちだけの問題ではなくて,指導する方の人間をどう指導するかということに関しても,やはり私たちとしては十分今後考慮していかなければいけないのではないかなと思います。そうしないと,全体がうまく流れなくなっちゃうという非常に危険性があるかなと思います。
髙木委員,どうぞ。
【髙木委員】  これまでの話を伺っていまして,きょう,評価に関してはまだ全体像が決まっていない時点ですので,英語に関して具体的な話ということでは申し上げにくいんですが,資料2-2の上から3枚目のところに,小・中・高を通じて外国語教育において育成すべき資質・能力の整理ということで,恐らく観点としては,上の個別の知識や技能,思考力・判断力・表現力等,学びに向かう力,人間性等という,これが挙がっていると思うので,これは前にも発言いたしましたが,例えば,CAN-DOリストの場合には,知識・技能のところへこれは入ってくるだろうと。
そういったときに,指導要領の記述の中に,今いろいろお話しになった,例えば,ドリルのことであるとか,具体的な指導の内容であるとかを盛り込んでおくことによって,経験の少ない先生や,それから,小学校で英語等を専門にしない先生方が,学習指導要領の指導事項の中の内容をきちんと目標として押さえることによって,それが実現できていくというような形をとる。特にドリルに関しては,知識・技能のところにきちんとやるべきドリルの中身を書き込んでおくということが,私は今後の評価としても必要かなと思っています。
このことは,外国語に関してのことではなくて,全ての教科のこの3つの観点を作るとき,言い方を変えれば,次期学習指導要領の内容を各教科で考えるときには,そういったことを一つ考えながら,具体的な取組のしやすい学習指導要領の内容にしていくことが,今回の改訂の中では大変大事になってくると考えております。
【吉田主査】  非常に大事な意見ではないかと思います。特に今回はCAN-DOだとかアクティブ・ラーニングというような,新しい,今までとちょっと観点が変わってくるわけですから,当然ながら,評価の方法に関してもより具体性が必要とされるというのは私も思いますね。非常に大事な点ではないかと思います。
それでは,ほかにもおありかもしれませんが,本日頂きました皆さんの御意見を踏まえて,小学校部会に報告をして,同部会での議論については,次回以降,ワーキンググループにおいて報告させていただきたいと思います。
続きまして,きょうの2つ目の大きなポイントになりますけれども,中・高について論点を変えていきたいと思います。まずは,松本主査代理より,資料4に基づきまして,国が技能ごとに能力記述分で指導目標を示す重要性,科目再編の必要性,中学校・高等学校の教科書の改善等についてということで御説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
【松本主査代理】  おはようございます。主査代理の松本です。
本日,この後,酒井委員から中学校について,そして,次回,江原委員から高等学校について,データに基づいた詳しいお話があると聞いておりますので,私の方からは大枠についてお話をさせていただきたいと思います。今回の会議冒頭で室長から御説明のあった,これまでの主な論点,これにかなりかぶっている部分がございますが,御容赦いただきたいと思います。私からは,現状の認識について共有させていただき,改善すべき方向性について意見を述べさせていただきたいと思います。
これまでの御指導,文部科学省の方針等によりまして,かなりの部分が改善されつつあると私は考えております。特にここ数年の変化につきましては,大きな改善が見られているのではないかなと思います。特に,現行指導要領で注目された,高等学校においては「授業は英語で行うことを基本とする」ということについては,かなりの部分浸透しておりますし,生徒主体の言語活動というのに関しましても増えているというふうに実感しております。学習到達目標としてのCAN-DOリストも,県によっては全ての学校が作成しておりますし,それを活用し評価にも生かしているという状況が展開されておりますし,パフォーマンス評価についても,徐々にではありますけれども,「話すこと」及び「書くこと」について採用されつつあると考えております。
その中で,中学校・高等学校,特に高等学校ですけれども,学習環境については改善されていない部分が大きいと考えています。中学校の場合には,同一のクラスの中での生徒の個人的能力差の大きさ,高等学校におきましては,学校間の能力差が大きいと考えております。そして,都道府県レベルの学校におきましては,高等学校,ICTの環境とか図書室の貧弱さというのが,もう目を覆うばかりの状況であること,そして,改善がなされていないということが,これから主体的・対話的な活動等を展開していこう,生徒中心の活動を展開していこう,深みのある活動をという点では,かなり問題があると思っております。それから,1クラスの生徒の人数が,高等学校40名というような状況が改善されていないというような問題。それから,グローバル化ということが高等学校等で叫ばれておりますけれども,先生及び職員,それから生徒,全てにおいて国際性が欠如しているという点ですね。国籍の問題も含めて,あるいは,意識の問題も含めて,国際的な多様性が欠如していると思います。それから,これは日本の学校の特徴かと思いますけれども,授業に加えて補習,それから,クラブ活動等で空き時間がない。先生にとってもありませんし,生徒にとってもない。ですから,グループごとに集まろうとしても集まれないというような状況があるというような問題点を前提に,今後改善すべき方向性について考えていきたいと思います。
様々な点はございますけれども,今回は,優先事項の高いもので,かなりのスピード感を持って改善されるべきではないかという点について,かなり重複する部分もございますけれども,お話をさせていただきたいと思います。
先ほど来お話が出ております,国として小・中・高一貫した技能別の目標設定をすべきということは,もう第一に行うべきことだと思っておりますし,高等学校の指導内容については,かなり改善はされましたけれども,4技能統合型の授業に向けた科目を再編成するということが絶対的に必要ではないかと考えておりますし,同時に,そのような授業を行うための教材,教科書の開発も絶対的に必要であろうと思いますし,評価の方法についても改善が必要だと考えております。
まず,最初のゴールの明確化ということについてですけれども,今回の資料にもありますように,技能別に能力記述文による高等学校卒業時点での最低限の学習成果を大まかに国が示すべきであると思います。これを実効性の高いものにしなければならないわけですけれども,是非とも学習指導要領にこれを明記していただきたいと思っております。それから,設定の順序については,先ほど石鍋委員がおっしゃった点も考慮しつつ,やはり高校卒業時点でどういう力に到達しておくべきかという点を考えて,設定に関しては,上からおろしていくという順番がよろしいのではないかと思います。
各卒業時点でのゴールというのを明確化すべきではありますけれども,ここがどういうレベルにするかというのは,まだ議論の余地はあるかと思いますけれども,これまで提示されてきたように,高等学校の必修科目においてはCEFRのA2レベル,選択科目を入れればB1レベル,更に深い学習をする,例えば,スーパーグローバルハイスクールなどではB2レベルを目指すといったような流れ,あるいは,大枠というものが考えられるのではないかと思います。国が示したものをベースに,あるいは,これまでもう既に作成しているCAN-DOリストを各学校が参考にし,あるいは,地域ごとに学習到達目標をより具体的に,生徒の実情に合わせた形で示していくということが大切なことではないかと思います。
皆さん御存じのような,このようなCEFRのレベル設定がございます。
これが平成26年度の高等学校3年生の英語力調査結果でございますけれども,「読むこと」,「聞くこと」は,CEFRのA1上位からA2下位レベルに集中しており,「書くこと」の得点の全体の70%,「話すこと」の得点は全体の約85%で課題が大きいということが言えておりますので,この点についても考慮しながらCAN-DOの設定をしていく必要があるかと思います。
特に学習の状況に合わせた点について,試験結果と生徒質問紙のクロス集計によれば,「話すこと」の試験結果が高いほど,授業において「生徒同士で英語で話し合ったり意見の交換をしたりしていたと思う」という生徒の比率が高いというようなこと,それから,「話すこと」の試験結果が高いほど,授業において「英語でスピーチやプレゼンテーションをしていたと思う」という生徒の比率が高いなど,やはり目標と同時に学習の内容,指導の内容との関連性が高いということが分かります。
レベル設定については,現状,英検準2級以上を有する生徒の数が,このグラフでは赤いものになっています。普通科等では10.5%,英語教育を主とする学科では55.6%になっておりますので,この辺を認識した上で,改善への方法を皆さんで考えていく必要があるのではないかと思います。
諸外国の例というのが参考になるかと思いますけれども,国によっては,CAN-DOを国で設定しているという例がありますので,日本もこの時期に設定をするということが重要になるかと思います。
こちらは中国の例でありますけれども,高校3年生の段階での目標概要を読むと,我が国の目標設定をする上で参考になるのではないかと思われます。
続きまして,2番目の高等学校における科目の再編についてお話をさせていただきます。
まず目的としては,4技能統合型の言語活動を充実していく方向性ということです。現状においても,かなりの先生が4技能統合型の授業を行ってくださっておりますけれども,先ほどの学力テストの結果を踏まえても,「話すこと」,「書くこと」,そして,統合型の「考えること」を強化した言語活動の充実が必要であろうと。そして,具体的には,発表(スピーチ,プレゼン),討論・討議といったことができるようになるような活動というものが必要になるかと思います。もちろん,この中には「書くこと」を含むわけです。論証文を書く,あるいは,エッセイを書くといったようなことの活動が,この中に入ってこなければいけないと考えております。
具体的には,「英語コミュニケーション1」というのを必履修にする。現行のカリキュラムでは,「コミュニケーション英語基礎」というものがありまして,これが本来は中学校と高等学校のブリッジを果たす役割を担うはずでしたが,多くの学校がこの科目を設定しなかったということによって,ギャップが生まれております。ですから,現状を踏まえて,この趣旨を「英語コミュニケーション1」の中に反映した方が,改善に資するのではないかと考えております。そして,「英語コミュニケーション2・3」という形で選択科目を設定することによって,生徒の英語力の向上を図りたい。最低でもA2のレベルに持っていきたいと考えております。それから,皆様のお手元の資料では「議論」という言葉を使っておりますけれども,基本的には,論理構造を理解して,そして,自分の考えを論理的にプレゼンテーションできて,そして,相手の論理も理解しながらやり取りをするというような科目を設定する必要があるのではないかと考えております。この名称については,仮称として,「論理・表現」ということにしておりますけれども,皆さんで良い名前を考えていただければと思います。
そして,普通科ではなくて,英語科等の学校,あるいはコースの場合については,「外国語」と同様に,同じ枠組みの中で内容を高度化していくということが必要なのではないかと思います。現行の「総合英語」を段階別に1・2・3の3段階で設定するとともに,ディベートやディスカッション等の技能統合型の活動を中心とした発信力の強化,そして,「書くこと」については,仮称ですけれども,「エッセイ・ライティング」というようなことで,段階的に能力を向上させていくということが考えられるのではないかと思います。
これらの科目の成果を上げるために,是非とも行わなければいけないのは,教科書の改善です。現行の「コミュニケーション英語」の教科書の問題点として,トピックが単元ごとに大きく変わることによって,深みのある思考や活動につながりません。プラス,語彙の定着についても,かなりの無理があるというような現状です。そして,読んだ後,どういう活動をすることを前提としているのかというのが分かりにくいものが非常に多いということで,読んで「分かりましたか」で終わってしまう授業がまだまだあるのが現状であるので,リーディングの内容も改善する必要があると思います。
特に,もっと問題なのは,「英語表現」の教科書でありまして,学習指導要領の趣旨にそぐわない「文法事項を文脈なしで学ぶ」といったタイプの教科書が多く,そして,そういうタイプの教科書の方が採用されている率が高いという残念な結果になっています。ですから,英語を使って表現するといったような活動に全く結び付いていない,そういう指導を展開している学校が今でもあるという現状です。
中学校の教科書については,小学校の外国語活動が生かしきれていないというような問題がありますし,日本独特の,文法シラバスで構成されているというのが現状です。それから,この間,投野委員からもお話がありましたように,総語数が圧倒的に少ないために,読む力が付きにくいですし,中学校でも英語で授業を行うことを基本とするということとなっていますが,それがしにくい状況になっている。さらに,口語英語で使用頻度の高いgetやgive,takeなどの基本動詞の使い方が身に付きにくいような教科書になってしまっているというような問題があります。
ここにアジアの英語教科書レベルの比較というような数字が出てきておりますけれども,基本的には,A1,つまり,「英語コミュニケーション1」のレベルでは1,600,「英語コミュニケーション2」のレベルでは3,000近くといったようなことをこれから設定していくということが大事なことではないかと思います。もちろん,単語の設定については,単語を出せばいいという問題ではありませんので,それらの単語が習得されるような活動を提示できるような教科書というものを制作していく必要があるかと思います。
先日も投野委員から,このようなアジアの教科書との比較が数字として出ておりましたけれども,こういう点も加味しながら,これから教科書づくりについて検討する必要があるのではないかと思います。
外部試験の活用というのが大学入試では盛んに叫ばれておりまして,実施に移されていますけれども,こういうテストにおける語彙数,語彙レベルも参照していく必要があるかと思います。
教科書を改善するための方向として,平成26年有識者会議で,この点についても議論されておりまして,英語を使って表現する活動の割合が充実するようにしなければいけないということが述べられておりますけれども,これを参照していく必要があるのではないかと思います。
それから,もちろん,教える先生方の意識と指導法,これは「教員研修の強化」とか,あるいは,先ほど松川委員からも触れられたような「教員養成課程の内容の変革」等も必要でしょうし,「大学入試及び高校入試の改革」という点についても,かなり踏み込んだ施策を展開していく必要があるのではないかと思います。
最後に,評価についてですが,評価法が変わらない理由というのは,やはりゴールがはっきりしていないということが最大の理由だと思っております。例えば,各学期においてどういう力を付けるのかということについて,英語科教員の間でコンセンサスが取れていないというようなこと,それから,他の教科と同じように定期試験を重視しているということがあります。大学などでは,もうパフォーマンス評価は当たり前の大学が多くて,例えば,5項目にわたり20の活動について評価をして,それぞれ何%にするか,合計すると100%になって,あなたの成績はAです,Bです,Cですというような付け方が当たり前のように行われていますけれども,高等学校で定期試験の割合が50%未満のところというのは非常に少ないと思いますので,これを限りなくゼロに持っていくような評価の在り方についての考え方を浸透させる必要があるのではないかと思います。
それから,シラバスに関してもやはり不完全な点がありまして,先ほど申し上げたような大学で行われているようなパフォーマンス評価でいきますと,学期の初めに生徒・保護者等に,どの活動を評価して,どの活動について何点として評価するかということを決めておく必要があって,それを同じ科目を教える先生方の間でコンセンサスが取れていなければならないんですけれども,それができていないので,最終的には,試験までに何ページまで終わらせる,何課まで終わらせるということの合意しか取れていないということで,シラバスが不完全というのが問題点だと思います。
これらについて,英語力については,先ほど申し上げたように,国が目標設定をし,そして,さらに,各学校において,その目標を定めて具体的にしていくということが必要であり,それから,英語については,「言語」科目であり,「外国語」科目であるということを念頭に置いて,横並び式ではない評価方法についても学習指導要領等で言及していただきたいと思いますし,不完全なシラバスについては,教員養成,あるいは,養成課程における指導の改善で,これを何とか払拭していきたい,あるいは改善していきたいと考えております。
私としては,ここ4~5年で急に英語教育は良くなっていると思います。ただ,更にスピード感を持って改善すべきですし,この時期を逃すと,日本も更に遅れをとってしまう。この時期だからこそ,一歩二歩前に大きく踏み出して,英語教育を変えていただきたいと思っておりますので,何とぞよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。
後でまた皆さんから御意見もいろいろ伺いますけれども,今,松本委員からありました発表について,御質問などおありの委員の方はおられますか。よろしいでしょうか。
それでは,引き続きまして,酒井委員から,資料5に基づきまして中学校の改善の方向性について御説明を頂き,それが終わりましたら,皆さんで御議論いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【酒井委員】  それでは,お願いします。中学校の改善の方向性ということで,特に論点整理以降,ポイントとして挙げられている,授業は英語で行うことを基本とするということと,言語活動の充実,それに付随して,教科書・教材,それから,教員養成のことについて話をさせていただきます。
私自身の専門で言うと,言語環境,インプットとインタラクションと第二言語習得の関係というのが専門ですので,その話と,もう一つ,調査研究に関わる機会がありましたので,その調査の内容に基づいてお話をさせていただきます。
授業を英語で行うことを基本とすることについて,これは高校で先行導入されたと思いますけれども,そこでは言語の触れる機会の増大と言語活動の増大,特に生徒同士が言語活動として英語を使う機会を増やしていこうということが主なポイントとして導入されているかと思いますが,中学校においても,是非,英語で授業を行うことを基本とする方向性を取り入れる必要があると思います。また,中学校の場合,発達段階,あるいは,言語習得の観点,それから,小学校からの学び方の接続という観点を見ると,言語に触れる機会の増大,インプットの質と量という観点ですけれども,この点からも重要な要素があるのではないかと思っています。
教科書・教材については,先ほどから文法,あるいは練習活動の重要性も出ていますけれども,現状としては,今の段階でも,実は文法はコミュニケーションを支えるものであると位置付けられていて,言語活動に効果的につなげるように指導しなさいということが明記されているにもかかわらず,それがなかなかうまくいっていない現状というものを御紹介したいと思っています。
これはある小学校の授業ですけれども,アルファベットを黒板に書いて,「What is this letter?」というふうに聞いたわけです。子供が,letterという言葉が分からなくて質問する場面なんですけれども,こういう小学校でよくある戸惑いとか,つまずき,困難というものですけれども,これは小学校の場合には,「文字という意味だよ」というふうに訳で教える,あるいは,明示的に教えるのではなくて,具体的に黒板に書かれたほかのアルファベットを指さしたり,具体例を指しながら,英語で分からせていく,あるいは,生徒児童もそういうふうに理解していく,そういう英語の学び方をしているかと思うんですね。
これは,視覚情報が,具体的な経験に基づく言語使用であったり,あるいは,見て,あるいは,ものを見ながら理解する,あるいは,言い換えを聞いて理解する,それから,例示を聞きながら分かっていく。こういう分かるプロセスというものを児童は経験してきているわけです。これはインプットの質ですね。どういう英語を聞いてくるのかという点でいくと,言語習得上,とても良い特徴を持つと言われていますし,もちろん,「文字という意味だよ」というふうに日本語で説明するのに対して,英語に触れている量というものも多いわけです。そうすると,限られた学習時間の中でたくさんの英語を聞くという機会が,どの子供たちにも与えられるということになるかと思います。
これは中学校でも実は同様のことが言えて,これは昔の私の研究の一部スクリプトを持ってきたわけですが,同じ活動を,1つは英語だけで行おう,1つは日本語も使ってよいというふうに心がけてみよう。これは私自身のスクリプトなんですけれども,同じ場面なんですが,左側は英語で説明しようとしている場面,右側は日本語を使おうという場面です。日本語を使おうとしている場面では,もう「Yes」ぐらいしか英語を使っていない。子供もほとんど疑問に思いませんので,話すことのやり取りもほとんどない。それに対して,英語の方は,いろんな表現,それから,生徒との関わり,繰り返し,問いかけであるということで,多様な質のインプットを多量に与えられる。こういう短い場面からいっても,英語で授業を行うことを基本とするということを心がけることを是非明記していただけるといいのかなと思っています。
これは1人の先生だけなので,別の先生だとどうなのかというのが次のスライドですが,同じ教案を4人の先生に行ってもらった授業の分析なんです。これは指導案として,指示の文は英語で書かれたものをお渡しして,授業をしてくださいということで,同じレッスンをしていただいています。Cのクラスの先生,それから,Aのクラスの先生は,totalと書かれたところが英語の量なんですけれども,比較的英語を使う先生。それから,Aの先生は,Japaneseというのは日本語の量なんですが,比較的日本語も使っているんですけれども,英語もそれ以上に多いという先生です。一方,Bの先生は,英語がとても少ない先生ということになります。Dの先生は,この中間ぐらいということになるんですが。
どんなところに違いが出るかというと,話しかけですね。これは指導案に書かれていますので,これは同じ程度なんですけれども,やはり子供に問いかけたり,オレンジ色の部分です。それから,子どもの発話に対して反応したりという,これは灰色の部分なんですが,これがBの先生はもう極端に少ないということになります。つまり,英語でというふうに語ることによって,問いかけ,インタラクションであるとか,あるいは,生徒の反応に対してパラフレーズをしたりというような,そういうようなやり取りやコミュニケーションが授業の中に生まれるということになります。
もう一つのグラフは,反応の方をもっと細かく見た部分ですけれども,やはり反応が少ないということは,ただ単に繰り返すだけということが多くて,言い換えをしたり,あなたの言いたいことはこういうことですよねというような推測をして語りかけるような,そういうような英語の使い方が少なかったということになります。
生徒の発話も,英語の量に応じて変わってくる可能性がありますし,英語でということで,コミュニケーション自体が授業の中で増えていく。このことによって言葉を学ぶ機会が促進されると考えられます。
一方で,日本語を使っていいのかいけないのかということで言うと,Aの先生が一般化できるわけではないんですが,Aの先生も,かなり日本語を使っている先生なんです。そういう意味では,英語で授業を進めようということがとても大事で,日本語がいけないという,そういうことではなく,効果的な使い方というのはあっていいのかなと思っています。
これは2014年,ベネッセ教育総合研究所が行った中高生を対象にした調査研究及び,中高の教員に対して行った調査の中から幾つかデータをお見せしたいと思うんですけれども,中学生・高校生に聞いたところ,授業でどんなことをどの程度していますかというと,ここには7割以上と書きましたが,実際は8割を超えていることが多いですが,「訳す」,「覚える」,「先生の説明を聞く」,「文法の問題を解く」,こういう活動はもうよくしている活動ということで子供たちに認識があるわけです。一方,自分の考えや気持ちを書いたり話したりという活動というのは,中学校2年生がピークですけれども,これでも6割弱の子供たちがよくしているとしか答えていない。逆に言うと,4割ぐらいの子供たちは,そういう経験は余りしていないで過ごしているということになります。
家庭学習についての結果ですけれども,これも少し機械的な,あるいは文法,あるいは練習活動に特化するような家庭学習ですが,なかなか家庭学習で,授業に関することで英語を使用することを行っている生徒は少ない。つまり,授業の中でも言語使用は促進されていないですし,家庭で促進されているかというと,家庭においてもそれが促進されている状態ではないということが示されていると思います。
英語が得意か不得意かということを聞いた中学生のピンク色の部分ですけれども,6割弱,65%ぐらいの子たちが「得意」というふうに答えていると。これは2009年に調べた中学校2年生のデータがあるんですけれども,これに比べると「得意」が増えているので,そういう意味では,英語が得意である,好きであるという好意性については改善が見られるというふうに考えられるかなと思いますが,高校生に,いつ苦手と感じるようになったかと聞いたところ,小学校で苦手というよりは,もう断然中学校1年生の前半から中学校2年生にかけての時期,それから,もう一つが高校1年生の時期と,中高の連携の部分,それから,小中の連携の部分の,ここのところでやっぱり課題があるかなと思うわけです。そういう意味では,小学校での学びを受け継いで,更に得意にするような中学校での授業改善が必要である。また,高校にスムーズに接続していくような工夫が必要であると。先ほど教科書・教材のこともありましたけれども,目標だけではなくて,教材などもつないでいくということも大切なのかなと思います。
どんな点につまずきがあるのかと中学生・高校生に聞いているんですが,もちろん,「文法が難しい」というのが一番多いわけですけれども,2番目,3番目に続いていくのが,「書く」,「聞く」,「話す」,こういう4技能のうちの3技能ですね。実際英語を使ってみるということに難しいと感じている子供たちもやはりいることは事実ということになるかなと思います。1点,いい点で言うと,先ほどの英語が好き嫌いの話ですけれども,「英語そのものが嫌い」という子供たち,3割ぐらいいることはいるんですけれども,これは2009年のデータに比べると10%弱減っていますので,そういう意味では,教育は十分改善される方向では来ているのかなと思っています。
中高の教員に行ったデータですけれども,これは中学生のデータですが,授業において次のことをどれくらい行っていますかということですが,一番多く行われているのは,「音読」,「発音練習」,「文法の説明」,それから,「文法の練習問題」という,いわゆる基礎・基本,言語材料を操作する活動ということになります。一方,英語を使って伝え合うような活動は,やはりふだんしていないと。ですので,先生もしていないし,子供の受け止め方も少ないという認識があると。一見,英語での会話,あるいは音読,発音練習と,声に出すような活動,「話す」に含まれるような活動があるわけですけれども,これは本当に意見を言ったり考えを述べるためにつながっているかというと,実はそうなっていない実情もあるかなと思います。
これは重要性と,どのぐらい実行していますかという教員調査のデータですけれども,「生徒が英語を使う言語活動を行う」ことが重要であると考えている先生は多くて,なおかつ十分実行しているという先生も比較的その中ではあるということなんですが,じゃ,「自分の考えを英語で表現する機会を作る」,これは大事と思いながらも,実は十分実行していない先生たちが多いということになります。つまり,言語活動という言葉だけではまだ物足りない実情がある。これは現行の学習指導要領及び解説では,言語材料の操作,理解したり練習したりする活動と,実際に自分の言語を使用して考えを伝え合う活動というふうに2つに分けているかと思うんですが,実情は前者の活動,言語材料に習熟するための言語活動が多く行われていて,なかなか自分の意見を伝え合ったり,読んだり,書いたりということが行われないという,そういう現状が,あるいは課題があるのかなと思っています。
英語使用で言いますと,これは6割ぐらいの先生が,5割以上授業で英語を使っているというふうに中学校の先生は答えている現状はあるんですけれども,じゃ,どのような場面で英語を使いますかというと,生徒への指示,褒め・励まし,QA,こういうものは教科書に付随していたり,指導案にもともと書かれていたりという,どちらかというと一方的な語りですけれども,こういうものは比較的多くあるわけですが,生徒の発話をパラフレーズしたり,あるいは,誤りを修正したりということで,やり取りをしながら指導していくようなことについては,41%,28%ということで,低くなるということになります。英語で授業を進めることということを明記することで,その力を持つ教員養成が必要であるという認識を各機関が持ち,養成や研修に当たることができ,このあたりぐらいが改善されるのではないかということで紹介しました。
これについては,先ほどの松本主査代理の話とも関わるのでちょっと飛ばしますが,文法重視と伝え合うこと重視の見方,この重視の点を是非どこかで明記していただきたい。やっていることは一緒なんですけれども,例えば,What~do you like?/I like~,こういうようなやり取りの練習をして,実際,これはゲームですけれども,活動したときに,子供がもしWhat color do you like?というのを使わない,そして,I likeというのを使わずに,yellowだけでやり取りをしているような場面もあるわけです。こういうときに,赤字の部分を言わなかったということで,マイナスの評価をしていく。これが今までの言語材料に焦点を当てた見方であり,評価であるわけです。ところが,実際には,yellowという言葉で自分の思いを伝えて,黄色いカードを挙げたり,あるいは,その後のコミュニケーションを行っているという受け止めの理解の力というのも,確実にこの中には受け止められているわけです。
これは簡単な例ですけれども,よくあることで,What do you eat for breakfast?/I eat katsudon.「カツ丼って,先生,何ていうの」というと,「そこは日本語でいいよ」という話になってしまうわけです。これは一般動詞の疑問型の練習をしたいという先生の思いがあると,そういう指導になってしまう。ところが,コミュニケーションで伝える部分で言うと,カツ丼のところが本当は伝えたいわけです。そうすると,そこを英語でどう言うかの練習をさせていかないと,いつまでたっても自分のことは表現できない,文型だけは知っているけれども使えるようにならない,そういう課題があるのかなと思っています。
今お話ししたことは現状と課題の中で話したことですが,特に4番目ですけれども,バランスとは言いつつ,文法の説明,キーセンテンスの暗唱と練習などに追われていて,なかなか本当の意味の言語活動につながっていないという現実があるので,ここを何とか改善していくような仕掛けを指導要領及び解説等で見せていく必要があるかなと思っています。
もう一方,教員養成の部分ですが,今,英語教員の英語力・指導力強化のための調査研究事業というのが進んでいるかと思いますが,その中でも議論になっているかと思いますが,コミュニケーション能力の育成ということを前面に打ち出したときに,あるいは,英語で授業を行うことを基本とすることを進めることというふうに前面に打ち出したときに,教員養成の面からも改善は必要であろうと。これは左側の科目区分は,今の免許法の科目区分なわけですけれども,コミュニケーション能力の育成をするための教員養成のための免許科目になっているのかどうか。それから,この英語学,英米文学,英語コミュニケーション,異文化理解という領域をバランスよく実際行えているのか,必要な力は何なのか,そして,足りない部分は何なのか,こういうような検討は併せて必要になってくるのかなと思っています。
また,教科書のつくりについても,同様のことが言えるかなと思います。教科書については,文法シラバスに見えますけれども,実際は,各中学校の教科書の分析をすると,場面の広がりがあったり,扱われる文化も1年生から3年まで順序性があったり,あるいは,働きの部分も配列を考えたりということで,かなりシラバスとしては多様な側面を含んだシラバスになっているわけですが,どうしても文法シラバスが一番主になっているという意識があるがために,それが全部生かされていない実情があるのかなと思いますので,是非,文法配列に対する留意事項等も改善の対象としてするべきと思っています。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。
時間的にも余り多くは取れないかもしれませんが,今後もまたいろいろ議論していくということになると思います。今,お二人の先生方の御発表がございましたが,質問でも構いませんし,御意見,感想などございましたら,どなたでも御発言いただければと思います。また,先ほどと同じように,札を立てていただければと思います。いかがでしょうか。
じゃ,投野委員。
【投野委員】  ありがとうございました。松本先生の,特に8ページにあるゴールの明確化というところですね。これは高等学校の必履修科目や選択科目,それから,スーパーグローバルハイスクールレベルみたいなものを勘案して,どういうふうな目標を学校によって設定するかというようなことを非常にフレキシブルにお考えになっていて,それで,国の示した目標に基づいて具体的な目標を設定するという。これは文科省の側で作る指標形式の目標が,汎用枠的に使われているという形の運用の仕方だと思うんですね。つまり,大きな枠を与えておいて,各学校のカリキュラムに応じて目標を多少スライドさせるみたいな。これはとても僕はいいと思います。こういうふうな現実的な目標設定をできるような運用の仕方というのを国の目標でしっかりと出して,その指標目標自体はいろいろな用途に参考になるようにすることは大変いいように思います。そうしないと,目標設定を余りに固定的にしてしまうと,すごく使いにくくなる。CEFRもそうなんですけれども,そういう側面があります。
あとは,勘案しなければならないのは,教科書を作るときの,言語材料を入れるときの言語素材としてのレベルと,それから,出すときの評価のレベルというのが,入れたときと同時にすぐできるようになるわけではないという部分があるので,そういうときのゴール設定の入れて出すというタイミングのタイムラグというか,その部分については,何かしら,こういうふうな運用の仕方をするようにというふうな提案が必要かなと思いました。
【吉田主査】  ありがとうございます。以前にも投野先生おっしゃったreceptiveとproductiveな面の記述をきちんとすべきだという,そういうことだと思いますけれども。
松本委員,どうぞ。
【松本主査代理】  ごもっともだと思います。それで,例えば,高校の公開授業とかを見に行きますと,指導案として,きょうのレッスンのゴールとか書いてあるわけですよね。やはりシラバスという概念がはっきりしていないのではないかなと思います。ですから,レッスンも,10コマぐらいで切り刻んで,内容が違うものになってしまっているということによって,タイムラグがあるということについて注意が向かないのではないかと思うんですね。
ですから,教科書の改善にどこまで踏み込んで学習指導要領が書けるかは分かりませんけれども,同じようなトピックについて活動を深化させていくというようなものにしていかないと,このレッスンでもうこの力が付くのかというような書き方をされているので,その点について,やっぱりシラバスという概念を,教員養成及び研修等で徹底していく必要があるのではないかなと思います。
【吉田主査】  ありがとうございました。
ほかの方で,御意見とか。
では,どうぞ,渡部さん。
【渡部委員】  教科書のことを両先生方,話をされました。
御指摘があった教科書が変わらない理由ということに関して,私,個人的に感じますのは,教科書の構成というのが,基本的に全ての先生方が使えるものでなければいけないという発想,つまり,講師の先生であろうと,初任の先生であろうと,30年選手であろうと,全ての先生方が使える教科書という発想があるのではないかなと。ですので,非常に丁寧な構成になっています。それに従ってやっていけば,教えたような気になれる教科書というのが,もしかしたらあるのかもしれない。これ,全てそうだと言ったら語弊がありますので,そうではないんですが,そういった傾向があるのではないかと。
指導書というのがございまして,その中に丁寧にまた指導案なども付いています。非常に細かく先生方の支援をしていこうというところはありがたいことなんですが,それによって先生方の指導を勉強していこうというモチベーションが下がっている現状もあったり,自分で工夫して指導を行っていこうというふうな,教科の研修への意欲などを下げてしまっている面もあるのではないかなと。
個人的には,もっとざっくり,いろいろな活用ができる教科書というスタンスで,指導書の方に,その活用の仕方などを事例を挙げたりして,教科書自体にターゲットセンテンスを書いたり,問題をいっぱい書き上げたり,練習の作業をいろいろ提案されたりということも,もちろん丁寧ではあるんですが,そういったところを考えてみる必要があるのかなと。
それと,やっぱり文法シラバスの傾向が強いですので,スパイラルに学習するという点で,どうなのかなと。例えば,現在完了形ですとか後置修飾というのは,3年生になってからしか出てきません。中学校1年生,2年生でそういった表現を使うといいなと思うときに,子供がそういった質問をすると,「いや,それは3年生で勉強するから,今しなくていいんだよ」という形で流されてしまう。そういったところで,今,酒井先生がおっしゃったように,必要なときにコミュニケーションとして学習させるのではなくて,もう文型としてしか学習をされていないという状況がある。であれば,文構造も様々なところに散らばせて,スパイラルに定着させていくという方法もあると思います。
そういったところをどこまで踏み込めるかというところが,今回の改訂に関わるところかなと感じました。
【吉田主査】  どうもありがとうございました。
ほかの方で。
じゃ,松本さん。
【松本主査代理】  今の御意見なんですけど,自由にということで,先生方にクリエイティブに指導していただくということについて,基本的に反対はないんですけれども,その趣旨を踏まえて学習指導要領を書いてしまうと,もう英文だけあって,はいどうぞというような教科書も合格してしまう可能性が高いと思うんです。現状においても,あれだけ活動を入れている教科書があっても,それが採用されずに,そうではないタイプの教科書が多く採用されてしまうということを考えると,幾ら学習指導要領で指導法について書いても,そこに教科書に対して拘束力がないと,やはり日本の英語教育は大きくは変わらないということですね。
ですから,非常に難しい点だと思うんですね。先生方もモチベーションを下げずに,どういう教科書を作るのか。その辺の案配は非常に難しいと思いますが,少なくとも現状においては,私は,CAN-DOに即した教科書を作るような方向性,どういう活動をして,どういう力が付くのかということが教科書を見れば分かるというもの,プラスアルファは先生方にお願いしますというスタンスでないと,日本の中学・高校の英語教育は変わらないのではないのかなというのが実感です。
【吉田主査】  ありがとうございました。
では,江原委員,お願いします。
【江原委員】  先生方のやる気という点で,本多先生がおっしゃって,やっぱりクリエイティブに何かをやるとやる気が出るというのは確かにあるんですけれども,先生方の研修でいろいろやり取りをしている中で,非常に感じるのは,余りこういうことをこういう場で言ってはいけないのかもしれないけど,先生方は忙しい,多分,それは事実だと思うんですね。そうすると,やりたくても準備不足で授業に行かなければいけないという,かなりフラストレーションの中で授業をおやりになっている方も多いんですね。それを考えると,指導要領ができたときに,それに伴って具体的なガイドラインというか,こういうタスクをやればうまくいくというものが提示された方がよいかなと思っています。その上に,クリエイティブな要素というのは,先生方の個性に基づいてできると思うんですね。
現状では,それがタスクとして,こういうものがいいというのがないので,それを,やる気があって,時間があって,生活の全てを教育につぎ込める,そういう方はできるし,成功体験もあり,ますますやる気になるんですね。でも,そこまでの環境,家庭環境や社会環境,個人環境が整わないと,ポテンシャルにやる気があっても,そこまでいかない先生方もたくさん知っています。先生方,基本まじめだと思うんですね。だから,そういうポテンシャルに,ちょっと成功体験があればできるという方を増やすためにも,ある程度具体的な教科書の方に入った方がいいと思います。
もう一つだけ,私の頭の中では,大きく教科書が一歩前進する1つの契機としては,今まで文法が,短文レベルの文法という。文法というのはそうなのかもしれませんけど,短文レベル。ですから,次の指導要領に向けては,もっと談話とか,ディスコースとか,それが恐らく論理,表現という言葉なんだと思うんですけど。枠組みというのかな。表現するときに,これを知っていれば,とりあえず細かい文法はいいから何かできるというものを提示し,そうすれば,それをやれば生徒は多分喜び,今まで体験したことのない喜びを得た先生方は,多分,そういう方向にいくのではないかなと思っております。
【吉田主査】  ありがとうございます。
もちろん,文法というのは,文を構成する規則ということだけで,別に規則文法である必要はないんで,notion of functionなんていうのも,あれも文法なんで,いろんな文法の捉え方はありますから,今,江原委員がおっしゃったようなことも,当然,入ってきていいのではないかなと思いますね。
ほかにも何か御意見。
では,長谷川委員,どうぞ。
【長谷川委員】  松本先生,酒井先生,どうもありがとうございます。
感想なんですけれども,中学・高校の英語の指導法が非常に改善されているということを,非常に印象深く聞きました。
それで,松本先生の方の資料で,教科書が変わらない理由という中の一つに,大学入試や高校入試の改革が必要だということが書いてありますが,経団連の方でも,中学校の先生とか高校の先生に,今の教育改革についても何回かヒアリングしたことがあるんですけれども,そのときにやはりよく御意見が出たのは,主体的・対話的な学びにしろ,多様な体験活動の推進にしろ,海外の学校との交流にしろ,いろんなことをやりたいんだけれども,やはり高校だと高校入試が始まっちゃうとちょっとという話を本当によく聞いております。
ですので,TEAPですとか,もしくは,TOEICとかTOEFLを大学入試で活用する大学も増えてきているとは思いますが,今進められている大学入試に英語の4技能を評価するテストを導入するということを,更に加速的に推進する必要があるのではないかと思います。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。どうしても入試というのは,どこかで引っかかってきますね。
では,平岡委員。
【平岡委員】  やっぱり英語の力を持った人を育てていくということは,非常に大事なことだなと思うんです。それへ向けてこの会議もあるわけで,やっぱり高校のゴールでこんな力を付ける,そういうためには,中学校,そして小学校というふうに設定していくということを考えると,私が一番懸念していたのは,小学校を変えたら一番早いんじゃないかというのは,そういう見方になってしまっては非常に危険だなと思うんです。早くに始める。そして,難しいことをしていく。そうすれば,高校を卒業するレベルが上がっていくというのは,すごく安直な考えかなというふうに思っていたんですが,今,松本先生や酒井先生のお話を聞いて,非常に参考になりました。特に酒井先生のお話で,中学校の授業改善がやっぱり大切であるということを聞かせてもらって,非常に勉強になったなと思うんです。
というのは,小学校は,現行の学習指導要領で外国語活動が始まり,比較的に学校が変わったと思うんです。でも,1時間だけでした。今度,新たに変わって2時間です。でも,中学校にはその倍の4時間があるということは,英語教育を推進していくのに,中学校の果たす役割というのが非常に大事ではないかなと感じます。ですから,石鍋委員も先ほど言われたように,小だけではなくて,小中セットで授業改善を行っていくということが大事,特に中学校の授業を変えていくということが非常に大事だということをやはり入れていってほしいなと考えます。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。
それでは,松川委員,お願いします。
【松川委員】  両先生ともありがとうございました。
私,今の職業に就いて,小・中・高と校種ごとの,同じ学校教育であっても条件がかなり違うというのと,体制が違うということを実感しています。そういう中で,今回,英語教育に関して,小・中・高一貫した技能別の目標設定をしていくということは,非常に大事なことであって,それがいかに実行されるかということが大事だと思うんですけれども。
非常に水を差すようで申し訳ないんですけれども,やっぱり日本の学校教育,義務教育は,特に習得主義をとっていなくて,履修主義をとっているということなんですよね。だから,CAN-DOで,ぎりぎりやるわけではないですけれども,何々することができるようにするといっても,実際できるようになっていなくて上へ進学していくので,松本先生がおっしゃるように,高校段階での学校間格差がものすごく大きいのが実情なわけです。
だから,現状でも,英語の共通必履修科目というのがあるわけですけれども,それの現実の教科書の難易度というのがものすごく幅があるわけですね。だから,共通必履修科目でも,同じゴールを設定して持っていくということが現実的には非常に厳しいと。それをどこまでやるかということですけれども,現に高校の場合は,各学校の校長があるものを習得したという単位認定をしているわけですよね。それをぎりぎりやらないで,適当にと言うと語弊がありますけれども,そこで認めていっているので今が成り立っていっているわけですね。今度,大学入試改革の話もありましたけど,高校基礎学力テストというのもやられることになって,国・数・英をやる予定のようですけれども,そこでやったときにどういう結果になるのかということ,それはやっぱり非常に大きなものを含んでいるので,松本先生のお話の中で,CAN-DOをやるにしても,最低限の学習評価を大まかに示すという,現実案を示されているということは,私はそのとおりだなと思います。
だからどうしろということではないですけれども,やっぱり一定の方向に,履修主義だといっても,現に学校にほとんど出てこない子もいるわけです。そういうことを踏まえると,余り高校の高3段階での目標は高校によってもものすごく違うわけですよね。そのようなことも現実には考えていく中で,現状よりいかに進歩させていくかという話だと思うんです。
教科書については,私は,松本先生と有識者会議のときからもお話ししていましたけれども,かなり考え方は一致しているところはあると思います。現実的には難しいと思いますけれども,この会議でも議論されたように,やっぱり教科書が薄いということですかね。量的なもののふそくというのはいかんとも埋めがたいと思うんです。だから,語彙数はともかくとして,同じものをいろんな場面で,繰り返し場面を変えながら出すというためには,かなりの分量のテキストが必要なので,そういうものが可能になるようなつくりになっていないということだと思います。
それから,松本先生が高校の教科書で指摘されたことというのは,私は,中学校の単元構成にも生きていて,同じことが言えて,やっぱり1つのトピックごとでばらばらと来ているんですね。あるレッスンの中で,1つのトピックで主要な文法構造があって,その中で言語活動をしていて,そこそこのことをやったりするわけですけれども,それが次のレッスンになると,なかなか生きてこないということだと思うんです。だから,それがやっぱりきめ細かく繰り返し出てくるというつくりにならないと,なかなか難しいなということを思いますので,それはやはりこれから教科書検定の在り方も含めて,どのくらい実際子供たちの力が付いていくのかというのを保証するような教科書を考えていく必要があるなと思いました。
まとまらない感想ですけど,以上です。
【吉田主査】  ありがとうございます。
時間がもう来てしまいました。まだ中学,高校に関しては,今後もいろいろ皆さんに御意見を頂くことになると思いますが。
最後に,資料8に基づきまして,特別支援教育部における検討事項について御説明を少し頂きたいと思います。
【大杉室長】  時間が来ておりますので,本当に手短にと思いますけれども,資料8-1と8-2,これは年末に開催されました総則・評価特別部会から,もともとは特別支援教育部会の議論を引き継ぐ形で,各教科ワーキングの方につながせていただいているものでございます。
詳しくはまた御覧いただければと存じますけれども,特別支援教育の関係,8-1の表紙にございますように,2ポツのマル1,各教科等の目標を実現する上で考えられる困難さに配慮するために必要な支援の改善・充実という観点も含めて,考え方を整理していただいているところでございます。
1枚おめくりいただきますと,マル1,各教科の部分,それから,マル2,マル3というのは,これは総則的になりますけれども,通級指導特別支援学級の意義,現在,総則で余り触れられていないところもございますので,こういった部分。それから,マル3,これはインクルーシブ教育システム構築のために,合理的配慮ということが今後,教育界で求められることになりますので,この在り方を学習指導要領でしっかりと示していく必要があるということ。それから,マル4につきましては,特別支援教育コーディネーターを中心とした校内体制の在り方,それから,マル5は,共生社会の実現に向けた交流ですとか共同学習の一層の促進,こういったことになります。
特に外国語に関係する部分といたしましては,マル1の教科別の困難さに配慮するために必要な支援の改善・充実というところでございますけれども,資料8-2で御覧いただけますように,これまでは総則のみにおいて障害別の配慮の例を示していたところ,これを総則及び各教科において,障害別の配慮の例のみならず,学習の過程で考えられる困難さごと,例えば,下にございますけれども,情報入力の際の困難さでありますとか,イメージ化,情報統合,処理等,それぞれ考えられるわけでございますけれども,1枚おめくりいただきまして,次のページ以降に,各教科の例ということで載ってございます。
一番最後のページの表側に,体育科の例,道徳科の例,それから,外国語活動の例とございますけれども,これは小学校の外国語活動の例で申し上げますと,例えば,音声を聴取することが難しい児童の場合,緑色の部分にあるような配慮の意図を持って,青字の部分のような手立てを行っていくということ。本体及び解説を合わせて,このような内容を各教科ごとに示していく必要があるのではないかということで,こういう方向性での御議論をお願いしたいということでございます。
今回,小学校についてのみでございますけれども,中・高につきましても,追って事務的に整理させていただきたいと思っておりますので,次回以降の議論の中で適宜御活用いただければと思います。
以上です。
【吉田主査】  ありがとうございました。時間を過ぎて,慌ててしまって申し訳ありませんでした。
本日の検討事項について,皆さんに様々な御意見を頂きましたので,本日はここまでとしたいと思います。きょう出てきた御意見に関しては,次回に向けて事務局の方で論点を整理していくようにお願いしておきます。
外国語ワーキンググループの検討事項に関する主な論点案につきまして,事務局と相談してまとめたものを,小学校部会へ報告させていただきたいと考えております。
また,中学校,高等学校改善の方向性について,限られた時間内での討議でしたので,更に御意見を頂きたいと思いますので,何かお気づきの点などありましたら,事務局の方に御意見をお送りいただければと思います。
それでは,最後に,次回以降の日程について,事務局の方からお願いいたします。
【圓入室長】  それでは,資料9の1枚紙を御覧いただければと思います。
次回でございますけれども,2月23日火曜日の10時から12時でございます。場所は15階の第1特別会議室となっておりまして,引き続き,中学校・高等学校における検討事項について御議論いただく予定でございます。
また,主査からもお話がありましたように,本日の中・高の御議論について,まだまだ御意見があろうかと思いますので,できましたら,今週中,遅くとも週明けぐらいに,本日頂いた御提案に対する御意見は是非頂ければと思います。
また,別途机上のみの配付をさせていただいておりますが,また日程以外にも別の機会を設けさせていただいて,更に御意見を頂きたいということも考えておりますので,先生方の御予定につきましては,是非御調整を頂ければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。
【吉田主査】  どうもありがとうございます。
それでは,本日の外国語ワーキンググループ,終了させていただきたいと思います。お忙しいところ,どうもありがとうございました。
―― 了 ――

お問合せ先

初等中等教育局国際教育課外国語教育推進室

(初等中等教育局国際教育課外国語教育推進室)

-- 登録:平成29年02月 --