教育課程部会 幼児教育部会(第10回) 議事録

1.日時

平成28年10月31日(月曜日)10時30分~12時00分

2.場所

スタンダード会議室 虎ノ門ヒルズFRONT店 2階大ホール
東京都港区虎ノ門1-22-14 ミツヤ虎ノ門ビル

3.議題

  1. 幼児教育の改善充実について
  2. その他

4.議事録

【無藤主査】  それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会幼児教育部会第10回を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多忙の中、御出席いただきましてまことにありがとうございました。
これより議事に入ります。本部会の審議等につきまして、初等中等教育分科会教育課程部会運営規則第3条に基づき、原則公開により議事を進めさせていただきます。また、第6条に基づき、議事録を作成し、原則公開するものとして取り扱うこととさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
なお、本日、報道関係者より会議の撮影及び録音の申出があり、これを許可しておりますので御承知おきください。
それでは、事務局より配付資料の確認及び御説明をお願いいたします。
【沓澤子育て支援指導官】  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。本日は、議事次第に記載してございますとおり、資料1から8、参考資料1、2、それから、机上に8月26日に取りまとめられました教育課程部会の次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめをはじめといたしました、参考資料を配付させていただいております。不足等がございましたら、事務局の方にお申出をいただきたいと思います。
それでは、続きまして、配付資料の説明をさせていただきたいと思います。
初めに資料1から3を使いまして、本年度8月に取りまとめられました審議のまとめのポイントと、その後の検討の進捗状況について御報告をさせていただきたいと思います。
資料1の方をご覧いただきたいと思います。こちらは、8月に出ました審議のまとめのポイントをまとめたものでございます。審議のまとめ本体は、本日お配りしております、この水色のものが全体版でございますけれども、かなり大部でございますので、こちらの方を使いまして、ポイントのみ御説明させていただきたいと思います。
初めに、1ページ目のところでございますけれども、改訂の基本方針というものがございます。こちらの方でございますけれども、まず、基本方針のところでは、グローバル化の進展やA1の飛躍的な進化など、将来の予測が難しい社会の中でも、伝統的な文化に立脚した広い視野を持ち、志高く未来を創り出していくために必要な資質・能力を子供たち一人一人に確実に育む学校教育の実現を目指すために、学習指導要領、それから幼稚園教育要領を改善・充実する必要があるということ。
それから、三つ目の丸のところでございますけれども、「何を学ぶか」という指導内容の見直しにとどまらず、「どのように学ぶか」、「何ができるようになるか」までを見据えて学習指導要領等を改善する必要があること。
それから、“よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る”、「社会に開かれた教育課程」を実現する必要があること。
それから、学習指導要領等が、学校教育を通じて子供たちが身に付けるべき資質・能力や学ぶべき内容などの全体像を分かりやすく見渡せる「学びの地図」としての役割を果たせるようにすることを目指すということが示されているところでございます。
2ページに移りまして、「生きる力とは何か」ということを、ここに示しております三つの柱に沿って具体化をして、教育課程の枠組みを分かりやすく再整理する必要があること。
それから、「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指した「アクティブ・ラーニング」の視点から、授業改善の取組を活性化していくことが必要であること。
次に、学習指導要領の要であり、教育課程に関する基本的原則を示しております「総則」を抜本的に改善し、必要な事項を分かりやすく整理する必要があること。
それから、「カリキュラム・マネジメント」の実現を促進し、教育課程を軸とした学校教育の改善・充実の好循環を実現する必要があること。
こういったことが基本方針として、今回の審議のまとめでは示されたところであります。
それでは、これをどのように具体化していくのかということを示しているのが、このポイントの5ページ目のところからでございます。
初めに、学習指導要領等の枠組みの見直しに関してでございますけれども、こちらの方では、全ての教科等について、それらを学ぶことでどのような力が身に付くのかということを、先ほど見ていただきました資質・能力の三つの柱に沿って明確にし、幼児教育から高等学校教育までを見通しながら、教育目標や教育内容を再整理すること。
それから、全ての学校施設の基盤となる力や、現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力が、教科等を越えて教育課程全体を通じて育成されるよう、教科横断的なつながりを総則で明示するということ。
そういうことで、全ての学習の基盤となる力といたしましては、この下のところに、言語能力や情報活用能力、それから、現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力といたしまして、健康・安全・食に関する力等が示されているところでございます。
それから、5ページの一番下の丸のところでございますけれども、学習評価については、目標と評価の観点を一致させるということが示されております。
それから、6ページに移りまして、特別支援教育や日本語の能力に応じた指導などを、教育課程全体を通じて重視するということも示されているところでございます。
それから、「カリキュラム・マネジメント」に関しましては、「カリキュラム・マネジメント」の在り方を、6ページの真ん中頃に示しております三つの側面から整理する必要があるということ。
それから、「アクティブ・ラーニング」に関しましては、6ページの下のところでございますけれども、「アクティブ・ラーニング」の視点は、「学び」の本質として重要となる「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指す授業改善の視点であるとして、7ページに三つの視点の整理をして示しているところでございます。
こうした視点を教科を越えて共有するとともに、各教科の特質に応じた「主体的・対話的で深い学び」について考え方を整理して、指導事例集の作成等に反映するということが示されているところでございます。
また、各教科等における物事を捉える視点や考え方を「見方・考え方」として整理するということが示されているところでございます。
それから、その下のところでございますけれども、4といたしまして、学校段階別の改善の方向性ということで、8ページ以降に、幼児教育から小学校、中学校、高等学校教育までの改善の概要が示されているところでございます。
8ページの上のところでございますけれども、幼児教育に関しましては、資質・能力の三つの柱を踏まえ、「知識・技能の基礎」、「思考力・判断力・表現力等の基礎」、「学びに向かう力・人間性等」の三つを記載するということ。
それから、非認知的能力の育成など、現代的な課題を踏まえた教育内容の見直しを図っていくこと。
それから、5歳児修了までに育ってほしい具体的な姿を明確にするということ。
それから、幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の整合性を図り、幼児教育全体としての質の確保・向上を図るといったことが示されているところでございます。
なお、こちらの方は、幼児教育の概要だけでございますけれども、審議のまとめ本体の方では、この幼児教育部会でお取りまとめいただきました審議のまとめを、ほぼそのまま反映させていただいているところでございます。
以下、小学校から中学校、高等学校、特別支援教育の改善のポイントを記載しているところでございますけれども、本日は時間の関係で、説明の方は割愛させていただきたいと思います。
続きまして、資料2でございます。こちらの方は、9月9日から10月7日にかけまして行われました、審議のまとめに対するパブリックコメントの概要をまとめた資料でございます。パブリックコメントの方には、ここにございますとおり、2、974件の個人、団体から意見の提出があったところでございます。
全体の意見の傾向といたしましては、2ページ目の上の囲みにあるように、学習指導要領等を実現するために必要な業務改善などに係る条件整備に関することや、小学校における外国語教育の充実のための諸条件の整備、それから、部活動の在り方の改善等に関しまして、多くの意見が寄せられたところでございます。
幼児教育に関係した意見といたしましては、この資料の5ページの上のところでございます。こちらの方には、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、あくまで遊びを通じて総合的に育まれる理想の姿であり、他の幼児と比較したり、達成度評価に用いたりすべきではない。また、現在の領域との関係等を明確にすべきといった意見や、預かり保育の充実が求められているが、十分な人的配慮が必要といった意見があったところでございます。
それから、この審議のまとめに関しましては、現在、関係団体のヒアリングを行っているところでございます。幼児教育の関係につきましては、10月6日に全日本私立幼稚園連合会、それから、10月17日には全国国公立幼稚園・こども園長会に対してヒアリングを行ったところでございます。
全日本私立幼稚園連合会の方からは、口頭のみの説明でございますけれども、幼児教育が、何ができるようになるといったことを目指す方向にならないように配慮が欲しいといったこと、それから、幼児教育部会で取りまとめた本質的な学びを、幼稚園だけでなく、保育所、認定こども園に行き渡るようにしてほしいといったこと、全ての学校種で幼児期から一貫した学びということの趣旨を一貫してほしい、このような意見が述べられたところでございます。
また、全国国公立幼稚園・こども園長会の方からは、参考資料1にございます意見の提出があったところでございます。全国国公立幼稚園・こども園長会の方からは、内容に関しまして、この1ページ目の下の方でございますけれども、「育成を目指す資質・能力」、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」、「5領域のねらいや内容」等の関連、それから、評価への反映の仕方について理解の推進が必要であるという意見や、この参考資料1の裏面の方でございますけれども、学びや指導の充実と教材の充実に関連いたしまして、継続的な教材研究の必要性でありますとか、視聴覚教材の在り方、保育所、幼保連携型認定こども園におきましても、今回の改訂の趣旨の理解を促進して、質の向上につながることを望む、そういった意見を頂いているところでございます。
なお、このヒアリングに関しましては、もう一団体、11月4日に、全国幼児教育研究協会の方からヒアリングを行う予定になってございます。
なお、この審議のまとめに関しましては、ただいま説明いたしましたパブリックコメント、それからヒアリングによる修正や、この後御説明をいたします、幼保連携型認定こども園教育・保育要領として特に配慮すべき事項等の反映を行うなど、年内の答申に向けて作業を進めていく予定になっているところでございます。
以上が、審議のまとめの関連の報告でございます。
続きまして、本日の審議事項に関連した資料について御説明させていただきたいと思います。
初めに資料3でございます。こちらの方は、本日の御審議いただきたい審議事項をまとめたものでございます。本日は、前半に資料4、資料5を基にいたしまして、幼保連携型認定こども園教育・保育要領として特に配慮すべき事項等について、中教審の審議のまとめへの反映案を御確認いただくとともに、後半の時間を使いまして、資料6、資料7を基にいたしまして、幼稚園教育要領の今後の周知の方法について御意見を頂きたいと考えてございます。
初めに、前半の検討事項でございます、幼保連携型認定こども園教育・保育要領として特に配慮すべき事項の関連資料について、御説明させていただきます。資料4でございますけれども、こちらの資料は、幼保連携型認定こども園を所掌いたしております内閣府の検討会で、10月5日に取りまとめられたものでございます。
幼保連携型認定こども園教育・保育要領につきましては、内閣府、文部科学省、それから厚生労働省の3者の共同告示によって定められることになっているものでございますけれども、幼保連携型認定こども園の教育の基準の検討に関しましては中教審の所掌となっておりまして、これまでの幼児教育部会の議論は、この幼保連携型認定こども園の教育の基準にも通底するものとなっているものでございます。
ただし、幼保連携型認定こども園として特に配慮すべき事項など、教育と保育にまたがって、中教審だけでは検討できない事項に関しましては、幼保連携型認定こども園の制度を所掌する内閣府の方の検討会で検討することになってございます。内閣府の方では、本年6月に幼保連携型認定こども園の改訂に関する検討会を設置しておりまして、本部会からは、この資料の12ページのところにございますとおり、検討会の座長でもございます無藤主査をはじめ、当部会からは9名の委員が参画されまして、13ページのとおり、6回にわたる検討を経まして、この審議のまとめ(案)が取りまとめられたところでございます。
それでは、この審議のまとめの主な内容につきまして、御説明させていただきたいと思います。
初めに、資料の1ページ目のところでございますけれども、これまでの検討の経緯等がこちらの方で書かれてございます。
それから、2ページ目から3ページ目が、幼稚園教育要領と保育所保育指針の改定の方向性の概要と、これらを受けて、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂内容に反映させていくということが述べられているところでございます。
それから4ページからが、幼保連携型認定こども園として特に配慮すべき事項の充実方策が記載されているところでございます。主に、教育に関係の深い箇所中心に御説明させていただきたいと思います。
初めに、(1)の在園時間や日数が異なる多様な園児がいることへの配慮についてでございます。一番最後の丸のところでございますけれども、発達の連続性・学びの連続性を押さえながら、園での環境と家庭との連携について明記するということが書かれてございます。
それから、4ページ目の一番下の丸のところでございますけれども、一日の生活リズムの異なる園児が一緒に生活することを念頭に、活動内容や時間の選択肢を増やすなど、配慮することが望ましいとなっております。
それから、5ページに移りまして、上から4つ目の丸のところでございますけれども、指導計画の作成においては、一日の様々な時間を担当する保育教諭等が、教育及び保育の方向性を共有することが重要であるということ。
それから、5ページの一番下の丸のところでございますけれども、登園する園児と登園しない園児がいる期間は、それぞれの園児や保護者に対する配慮が必要であることが述べられております。
それから、6ページに移りまして、上から三つ目の丸のところでございますけれども、在園期間等が異なる園児がいることなどを前提に、全体的な計画を策定することが重要であるということ。
それから、(2)の2歳児から3歳児の学級へ移行する園児に対する配慮といたしましては、一番最初の丸のところでございますけれども、2歳児後半から3歳児以上の園児との交流の機会を作るなど、期待感や安心感を持って移行できるようにすることが望ましいこと。
それから、7ページの上から4つ目の丸のところでございますけれども、新たな3歳児の学級をつくっていくための配慮事項といたしまして、園児及び保護者と担任が信頼関係を築くことや、2歳児から移行する園児と3歳児から入ってくる園児同士のつながりを作っていくことが重要であるということが記載されております。
それから、(3)の子育ての支援に当たっての配慮事項につきましては、8ページの一番上のところでございますけれども、在園児の保護者に対する子育ての支援に関しまして、生活形態が異なる保護者間の相互理解や交流が深まるよう工夫をする必要がある、こういったことが記載されているところでございます。
それから、9ページでございますけれども、こちらの方は改訂の方向性を踏まえた構成の見直しということで、幼稚園教育要領、保育所保育指針との整合性をとりつつ、必要な章立ての見直しを行うことになっておりまして、10ページの方に具体的な章の構成案が提示されているところでございます。
それから、11ページがその他の課題ということで、特別に支援を要する園児への配慮事項でございますとか、研修体系・体制の充実と研修による資質の向上、それから、周知に向けた取り組みについて記述されているところでございます。
続きまして、資料5でございます。こちらの資料は、先ほど御説明いたしました中教審の審議のまとめの幼児教育部分の抜粋をしたものでございます。
ただ今説明いたしました内閣府の幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂に関する審議のまとめを受けまして、幼保連携型認定こども園の教育の基準について所掌する中教審におきましても、答申の取りまとめに向けまして、これらの中教審の審議のまとめに、先ほどの内閣府の方で検討いたしました内容を反映する必要がございまして、こちらには主に、教育に関係が深い部分を中心に反映しているところでございます。
具体的に反映している場所といたしましては、この資料の10ページのところでございます。10ページの丸6といたしまして、赤字の部分が幼保連携型認定こども園として特に配慮すべき事項ということで、先ほど御説明した部分を中心に、こちらの方に反映しているものでございます。
また、これを追記したことに伴いまして、教育内容等の整合性を記述した、11ページの一番最後の部分でございますけれども、こちらの方も新たに追記をしているところでございます。
本日、これらの部分につきまして御確認をいただきまして、御指摘等があれば御意見を頂きたいと考えております。
また、これに関連いたしまして、幼稚園教育要領を作成する上でも、今回、この幼保連携型認定こども園教育・保育要領改訂の方針を受けまして、留意すべき点等がございましたら、併せて御意見を頂きたいと思っております。
それから、資料6、資料7につきましては、後ほど御説明させていただきます。
資料8は前回の幼児教育部会の主な意見をまとめたものでございます。
それから、参考資料2の方でございます。こちらは、保育所保育指針の改定に関する中間とりまとめということで、厚生労働省の方で8月2日にまとめた中間まとめでございます。厚生労働省では昨年の12月より幼稚園教育要領と同様に、保育所保育指針の改定に関する検討を行っておりまして、8月2日に中間まとめを取りまとめているところでございます。
中間まとめの全体構成につきましては、この参考資料2の一番後ろの方についております概要のとおりの構成になっておりまして、保育所保育指針の改定の方向性に関しましては、この概要の1の(1)から(5)のとおりとなってございます。特に(2)において、卒園までに育ってほしい姿を意識した保育内容や保育の計画・評価の在り方等について記載内容を充実すること、また、主体的な遊びを中心とした教育内容に関して、幼稚園、認定こども園との整合性を引き続き確保することが示されているところでございます。
なお、保育所保育指針の今後のスケジュールでございますけれども、この資料の右下のところにございますとおり、本年末に最終的な報告が取りまとめられる予定となっておりまして、幼稚園教育要領と同様に、平成28年度に告示、平成30年度から施行の予定となっているところでございます。
非常に長くなりましたが、資料の説明につきましては以上でございます。
【無藤主査】  ありがとうございました。ただいま事務局から御説明いただきましたけれども、本日は初めに、幼保連携型認定こども園教育・保育要領として特に配慮すべき事項等につきましての御確認をいただきます。そして、このことに関連して、幼稚園教育要領を作成する上で留意すべき点等につきまして、御議論を進めていただきたいと思います。どなたからでも結構でございますけれども、御自由に御意見を頂ければと思っております。
この幼児教育部会の議論が、特段のことがなければ今日で終わりになろうかと思いますので、幼保連携型認定こども園教育・保育要領との関連、また幼稚園教育要領そのもので、従来の議論を踏まえながら更にあれば、お出しいただいて結構でございますので、よろしくお願いいたします。
それでは、御意見のある方はいつものように名札を立てていただきますようお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【神長主査代理】  神長です。最初に、皆さんがこれから出されるとは思うんですけれども、今感じていること、また要望等もありまして、発言させていただきます。
幼保連携型認定こども園の教育・保育要領のことですけれども、私も6回の会に参加させていただいて、大変きめ細かな議論と言いますか、細部にわたる議論がなされていたかなと思っております。27年だったと思うんですけど、これが実施されてからまだ本当に限られたと言いますか、何年かの中ですけれども、実践が常に動いているなと言いますか、よりよいものを目指して議論が進んでいるなと思います。
ただ、それぞれの地域であったり、それぞれの園であったりの取組ですので、どこまでこの議論が共通になっていくかというところでは、まだまだこれから積み重ねていく部分がたくさんあるんだと思うんですけれども、大変それらの議論を要点よくまとめていただいたのではないかなと思っております。
それでまた、今回幼稚園教育要領に関連してということで、1点なんですけれども、やはりここの先ほどの資料で言いますと、資料5の10ページ、幼保連携型認定こども園の審議のまとめです。2歳児の学級から3歳児の学級へということで、保育所の場合も2歳から3歳というのは大きく環境が変わってきますけれども、幼保連携型認定こども園ですと、やはり新入園児が入ってくる、また2歳からの進級児が入ってくるという形で、一番学級経営と言いますか、子供たちが安定するまで、また保護者同士が安心して園に送り出す、そういう体制が整うまでに、大変配慮を要する時期だと思うんです。
それがこういった形で丁寧にまとめの中に入っておりますけれども、幼稚園教育要領の方を見てみますと、当時は3歳児というところで、もちろん満3歳もあったんですけれども、3歳児の入園に当たっては配慮を要するということで、一人一人の発達の実情に沿った関わりをしていくということで、3章だったと思いますけれども、記述が書かれてあります。
多分平成10年の改訂だったと思うんですけれども、それから見ますとやはり、満3歳児の入園というものが増えてきておりますし、いろいろな園の実践などを伺うと、満3歳児に対する担任との関わりとか、子供同士との関係とか、保護者とか、特に配慮している様子等を伺いますと、ここの幼稚園教育要領で言います3章のいわゆる3歳児の入園については、家庭と連携し、緊密にして生活のリズムや安全面という記述のところに、3歳児でいいのか、満3歳児と3歳児なのか、その辺満3歳児の問題はまた別なのか、何か少し悩むところなんですけれども、検討する余地があるのではないかなと考えております。
【無藤主査】  ありがとうございました。満3歳児も幼稚園でも増えてきているということですので、その点の配慮も必要かと思います。ありがとうございました。
ほかにはいかがでしょうか。田中委員。
【田中(孝)委員】  失礼いたします。神戸大の田中です。ちょっと確認ということだけになるかもしれないんですけれども、認定こども園の教育・保育要領と、それから幼稚園教育要領、保育所保育指針、それぞれ構成が共通できるところはすごく調整されて、共通のものになっていっているんだと思うんですけれども、ちょっと今資料を見ましたら、資料5の一番最後、この幼稚園教育要領の改善のイメージでは、第2章の中に、ここでは幼児期の終わりまでに育ってほしい姿が入っていて、これは認定こども園の保育要領と同じなんですけれども、それをめくって戻ってみましたら、第1章の方に、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿が入っていて、一番最後のページとその前のところの違いがあるように思えて、私の見方かもしれないんですけれども、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿、これは幼稚園教育要領では、最初今のところだとは思うんですが、どこに入ってくると理解をしたらよいのか、ちょっとお尋ねしたいと思いました。
【無藤主査】  今の点、いかがでしょうか。
【沓澤子育て支援指導官】  今のところ資料では、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿というのは、第2章のところに位置付いているところでございます。
ただ、今後いろいろ検討する中で、場合によっては第1章の方に移っていくということもあろうかとは思ってはおりますけど、今の資料の中ではそういうふうになっております。
【田中(孝)委員】  この改善のイメージの1番のスライドが、1章のところに入っている表示になっていますよね。こういう形と、それから一番最後のスライドの5番の第2章に入る形と、両方の可能性があるということで、今見せていただいたらよいということでよろしいでしょうか。
【沓澤子育て支援指導官】  1番の方は、育みたい資質・能力と各領域、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の関係ということで、関係性のことを記述することにここではなっておりまして、スライドの5の方は、10の姿そのものをここに書いていくことになっておりますが、こちらの方もいろいろ整理をしなければいけないところがございますので、こちらは頂いた御意見を踏まえまして、改めてまた、検討していく中で整理していきたいと思っております。
【無藤主査】  ということで、10の姿についての動きはまだあるかもしれない、ないかもしれない段階ということです。
ほかにはいかがでしょうか。大方委員。
【大方委員】  ありがとうございます。とても分かりやすくまとめていただいて勉強になりました。これは別に書いてくださいという意味ではなくて、現実の中でこのこども園が地域によって随分多様性がある中で、いわゆる幼稚園型の1号の子供さんと、保育所型の2号の子供さんの比率がかなり違う場合があって、本当に場所によっては1号の子供さんが二、三人で、あとはみんな2号の子供さんであったりとか、その逆の場合もあるという、少数のこども園の配慮ということが必要かなと思いました。
それから、2歳から3歳への移行ということもあるんですが、先ほど神長先生もおっしゃっていた部分にも若干共通するんですけれども、公立幼稚園が移行した場合、2年保育、つまり4歳から入園をする場合は、3歳までの子供さんがいわゆる保育所的に上がってくる子供さんで、4歳で幼稚園型の1号の子供さんがたくさん入園するというケースもあって、その場合の3歳から4歳に上がっていく移行という問題も発生していることがありますので、そういうケースもあるのかなと思いました。
それから、これは保育所保育指針のところに書いてあった部分にも若干共通しますが、小規模保育の子供さんがこども園に移行していくというケースもあるのかなと思いました。
それから、せっかく認定こども園が乳幼児教育の場としてあるのであるならば、特に家庭養育に対する子育ての支援という中で、この技術的にこども園にいる3号の子供さんの3歳未満の保育が、何を育てているのか、またどのようにしているのかとか、また子供の発達をどのように支援しているかという可視化がより行われると、子育ての支援につながっていくのかなと思いました。
以上でございます。
【無藤主査】  ありがとうございました。認定こども園教育・保育要領については、ここでの議論はそちらに伝わる形でそちらで検討いただきますけれども、ありがとうございました。
それでは、渡邉英則委員。
【渡邉(英)委員】  まとめてくださってありがとうございました。一応僕は認定こども園の教育・保育要領の会議も出ていながら、やっぱり改めて思ったことは、一人一人に応じてどういう保育をするかということが問われていると思っていて、実に2歳から3歳だけとか、それから長時間か短時間かという話とか、いろんな子供たちがいる中でというところで、配慮が必要なお子さんがいることも含めて大事なのかなというのは、実感したところです。
その中でというところで、これは多分この書き方でしか書きようがないのかなとは思ったんですけど、9ページの幼稚園における預かり保育と子育ての支援の充実というところの三つの丸があって、丸5番に行ってしまうんですけれども、この預かり保育が幼稚園で長時間化すると、まさにこの預かり保育と、今6番目に入った幼保連携型認定こども園として特に配慮すべき事項の充実というところは、認定こども園として特に配慮すべき事項というよりは、預かり保育が長くなればなるほど、こういうことに配慮しないといけないということが丁寧に書かれているという読み方もできたり、それから子育ての支援に当たっての配慮事項も入っていたりするとなると、こういう書き方なんだとは思いつつも、何となく預かり保育も認定こども園の保育も、教育課程外をどう充実させるというところが、もっと本当は議論されていったり、ある意味で研修会とかでも充実されていたり、幼児の丸ごとが大事なんだ、生活が大事なんだというところをどう出していくのかは、このような書き方でよいのか、それとももうちょっと違う書き方があるのか、検討していただけるとありがたいのかなと思いました。
【無藤主査】  ありがとうございました。教育課程外の教育活動と言いますか、預かり保育なども、計画を立てながらしっかり進めるということでありますので、配慮できるところをしっかり書いていきたいと思います。ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。桶田委員。
【桶田委員】  ありがとうございました。資料4を読ませていただいて、今何人かの先生方のお話の中にあったんですが、預かり保育をしている園としては、これはうちでも言えるということばかり、特に子育ての支援関係の8ページ辺りは本当に思いました。
そういう意味では、幼稚園の方にもそこにつながるということで一つ思ったことと、それから今ちょうど入園募集の時期になっているんですが、預かり保育があると本当に、保育園に今行っている方たちの選択先として幼稚園も選ばれるようになっているので、3歳から入るとか、満3歳で入るという前に、いろんな集団教育を経験している、それも本当にマンションの中の一室のような保育園とか、いろんなところから経験している子たちが入ってくるということも、ちょっと視野に入れないといけない状態になっていることも、お知らせしたいなと思いました。
以上です。
【無藤主査】  ありがとうございます。幼稚園自体においてもお子さんの預かり、その他の多様性が広がるだろうということの配慮ですね。ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。斎藤委員、お願いいたします。
【斎藤委員】  お願いします。子育ての支援に当たっての配慮についてのところで、一つ、小学校との接続の観点で申し上げたいと思います。8ページのところに主につながってくるかと思います。
地域の保護者に対する子育ての支援の文言のところに、「地域の専門機関、自治体等様々な地域の関係機関と協力」、それから「『予防的』機能を重視」などの言葉があります。これが地域の保護者に対するだけではなくて在園児の保護者に対しても、小学校につながることで成果が上がる実感を今持っていることが幾つかありますので、お伝えしたいと思います。
不適応、特に不登校について、養育上様々な課題を抱える御家庭について、状況の悪化や困難さを早く理解し受けとめることで、そして園と小学校がつながることで、それを未然に防いだり、長い見通しで方策を立てることができる、そういった実感を持っております。
その辺りは、幼児教育と小学校教育がつながるところの、質の高い幼児教育や接続を実現するための本当のベースの部分ではありますけれども、ここの保護者を支え、子供を支えるというところに、その相手として小学校も明記しておいていただきたいと思っております。可能性として、これから小学校につながっていることで、問題行動の予防的な機能を更に深めることができるのではないかと考えています。
【無藤主査】  ありがとうございます。小学校とのつながりが、幼児教育と小学校教育の接続そのものとともに、保護者支援等でも意味があるという御指摘かと思いました。
志民委員、お願いいたします。
【志民委員】  よろしくお願いいたします。大変重要な点についておまとめいただきましてありがとうございました。大変勉強になりました。
資質・能力という意味で、今回高校卒業までにどういう力を身に付けるかということで、幼児教育からということで、接続が重視されているわけですけれども、認定こども園ということで考えますと、乳児期の子供がそのときに育まれている、資質・能力の基盤というものがあると思うので、もう既にそこで、育っているそういう基盤を、3歳以上の幼児期の資質・能力の育みにどうやってつなげていくかというところに、もう少し配慮が書かれてもよいのではないかなと考えています。
そこのところが、やはり先ほど渡邉委員からも御指摘がありましたけれども、丸ごとの子供を大切にしていくということで、もう既に乳児期に非常に重要なそういう基盤というのができていますので、その一人一人の子供のよさを生かして、どうやってその資質・能力を伸ばしていくか、つなげていくかというところの配慮も重要になってくるんではないかなと考えています。
以上です。
【無藤主査】  ありがとうございました。その辺りも書き込める部分だろうと思っております。
宮原委員、お願いします。
【宮原委員】  おまとめいただきましてありがとうございます。幼保連携型認定こども園はまだできて間もないと言いますか、まだまだ歴史が浅いものですから、これはともすれば会社と一緒でして、在宅ワークの人もいれば短時間勤務の人もいます。在園日数とか、あるいは来ない日があるということは、その来ない園児に限っては、情報が余り行き届かないということで、少し不利益まではいきませんけれども、ちゃんと来ている人と来ていない人の差が明らかに出てしまうことから、ちょうどこちらの解説にもありますように、どうしてもやっぱり親が相当忙しい方が多いかなと思いますので、その保護者、親の生活とかを含めて、利益が優先されることのないように、子供一人一人の最善の利益をやっぱり優先されるようにするためにも、保育教諭さんがこまめに親御さんとのコミュニケーションをとっていく必要があろうかなと思いますので、その辺り少し、ここにも書いてありますけど、今までどおりいかないなというところも含めながら、もっともっと取り組んでいただきたいなと思っております。
【無藤主査】  ありがとうございます。子育ての支援の前提と言いますか、保護者との連携、コミュニケーションを強調していきたいと思います。
それでは、砂上委員、お願いします。
【砂上委員】  砂上です。丁寧にまとめていただきましてありがとうございました。
資料5の10ページ、ちょうど赤字になる丸6のところ、幼保連携型認定こども園として特に配慮すべき事項の在園時間や日数が異なる多様な園児がいることへの配慮で、資料4から特に必要なところが反映されているかとは思うんですが、もし加えていただけるなら、資料4の4ページにあります一日の生活の流れの二つ目の丸、「短時間で降園する園児と長時間過ごす園児の人数比や保育室の配置などで、一日の過ごし方や環境のつくり方が違う。それぞれの園の状況によって、一日の生活の流れをどうつくっていくかということを考えた創意工夫が必要である」ということで、先ほど来様々な園の実情と言いますか、園による違いが幼保連携型認定こども園は大きいということもありますので、このように園の実情、状況によって創意工夫して、一日の生活の流れを作るということを入れていただいた方が、より具体的に、この資料4での議論のまとめが反映されるのではないかと考えました。以上です。
【無藤主査】  ありがとうございます。園の様々な事情に応じながら、子供にとっての生活の流れを作るという御指摘でありました。ありがとうございます。
それでは、嶋田委員、お願いいたします。
【嶋田委員】  私はちょっと全体的な感想になってしまうかもしれないんですけれども、本当に今回の改訂というのは、幼児期の自発的な活動としての遊びの価値を再認識される改訂かなと思っております。その中で、幼稚園、保育所、それから認定こども園が、1日のうちの4時間程度の中で行われる、これまで幼稚園教育が大切にしてきた環境を通して行うことが共有化されたということは、非常に意味がありますし、幼児教育全体としての質の向上につながっていくのではないかなと考えています。
この質の向上を実現するためにも、各園がこの要領を理解し、それに基づいて実践していくことが大切だと思います。その中で、幼児期の終わりまでに育ってほしい子供の姿、これを小学校ととも共有するというところが触れられているんですけれども、大事なのは、やはり本当に各設置者が公立、私立、認定こども園、保育所、こういったものを超えて、育ってほしい子供の姿、あるいは5領域で示されている姿を具現化する教育課程を編成し、しっかり実践するということ。
その中で1点、先ほど斎藤委員の方からもありましたけれども、小学校、中学校でいくと生徒指導という問題行動の顕在化というところが言われていますけれども、その予防のため、それからもう一つはやはり、子供の姿をより確実に共有していくためには、カリキュラム・マネジメントの中で、資料5の2ページ目の三つ目の丸の3)のところで、「教育活動に必要な人的・物的資源等を、家庭や地域の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせる」という中に、地域の中に小学校ということを意識しておくことが、本当に一層の円滑な接続を図ることにつながっていくのではないかなと考えています。
以上です。
【無藤主査】  ありがとうございます。小学校とのつながり、資源となるということの御指摘、ありがとうございます。
それでは、横山委員、お願いいたします。
【横山委員】  取りまとめありがとうございました。私も、認定こども園の方の検討会にも出させていただいたんですけれども、今、本当に日本の就学前教育がとても多様化していっているなということを思いました。でも多様化しているんだけど、日本の子供たちが小学校に上がるために、どんな力を付けて育ってほしいかなという共通化をすごく図っていっているなと思います。
幼稚園も今、先生方からお話がありましたけれども、入園前に家庭での保育だけではなくて、保育園であったり、地域から上がってきたり、入園前の経験も違う。入園してきてからの経験も、預かり保育等で長い時間いるということで、同じ園の中にいてもいろんな経験をしている子供たちがいるということが、これから前提になってくるのかなと思います。
そうしてきたときに、今までの幼稚園の在り方ではなくて、教材研究であったり、アクティブ・ラーニングであったりという辺りにも、同じ経験をしている子供たちに向けたものではなく、いろんな経験をしている子たちに対して、どういうふうにアクティブ・ラーニング、教材というものがあり得るのかという視点が要るのかなと思います。
それをすることで認定こども園の方にも保育所の方にも発信していけると思うので、幼稚園ならでの教育の部分の強みを、多様な保育に向けて共通化にも持っていけるというところで、またまとめていただけるとよいのかなと思いました。
以上です。
【無藤主査】  ありがとうございました。
鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  御丁寧にまとめていただきましてありがとうございました。私もちょっと地域のことなんですけれども、幼稚園というのはやはり地域の幼児教育のセンターとしてずっと、これまでもなさってきたと思うんですが、特に多様化の中で、今回地域の人材を活用するということを何度かちゃんと明記されていますけれども、一方通行で、地域の人材を活用するだけではなく、地域の人材として還元していくという視点も必要なのかなと思います。
幼稚園の保護者ならではの、特に例えば資料5の10ページになりますが、子育ての支援の中に、「保護者同士が子育てに対する新たな考えに出会い気付き合うなどの視点」ということで、それが逆に、今度地域の人材として保護者が生かされていくとよいかなと考えています。
【無藤主査】  ありがとうございました。
阿部委員、お願いいたします。
【阿部委員】  どうもありがとうございます。皆さんからいろいろ話も聞きながら、もうたくさん言われたかと思うんですが、これからはやはり、地域や保護者からの多様なニーズにどう対応していくのかというのが喫緊の課題かと思います。外国人の方々の子女も来ますし、それから特別支援を要する、本当にこれからの幼児教育そのもの自体は多様な保育が求められている中で、やはり一番は先ほども出ましたが、一人一人の子供の情緒の安定とか、非認知的な能力というところを、まず第一義にして、そこを担った上で、学びとかいろんな方向性があるものだと考えておりますので、それらは親への親教育とでも言ってよいのでしょうか、子育て支援という形で、幼稚園やこの認定こども園でなされていることが一体どのような意味があるのかということも含めて、こういった中にも、情緒の安定や、それこそ非認知的能力ということも含めて、より充実させて書いていただければなと考えております。
【無藤主査】  ありがとうございます。
それでは、山下委員、お願いします。
【山下委員】  山下です。取りまとめ本当にありがとうございました。私の方は、意見というか、少し1点だけ御教授いただきたいところですけれども、幼稚園教育要領の改善のイメージ、最後から2枚目ですか、この2ページの第1章の総則の第2のところに、教育課程等の編成ということで、「等」が今回入るということで赤書きされているんですけれども、この「等」の意味について教えていただければと思うんです。よろしくお願いします。
【無藤主査】  いかがでしょうか。
【沓澤子育て支援指導官】  ここは一応、2のところで全体的な計画の作成の配慮事項ということを入れておりまして、全体的な計画は教育課程だけではなく、預かり保育の計画でありますとか、それ以外の園内の様々な計画も入ってきます。全体的な計画にそういうものが入ってきますので「等」を入れたのが、この趣旨でございます。
【山下委員】  分かりました。ありがとうございます。
【無藤主査】  よろしいでしょうか。
それでは一通り御発言いただいたところで、時間でもありますので、次に行きたいと思います。
二つ目の議題でございますけれども、幼稚園教育要領の周知方法についての御議論をお願いしたいと思いますが、その前に、事務局から関連の資料の説明をお願いいたします。
【沓澤子育て支援指導官】  それでは、資料6と、それから資料7を御用意いただきたいと思います。
新しい幼稚園教育要領につきましては、スケジュールどおりに進みますと、平成29年度に1年間の周知・徹底を経まして、平成30年度から全面実施される予定となってございます。特に幼稚園につきましては、ほかの学校種と違いまして周知期間が短いことから、より効率的な周知を図っていくことが必要と考えてございます。
また、今回教育課程部会の審議のまとめでは、社会に開かれた教育課程の実現を目指すということが示されたことから、学校関係者のみならず、保護者や地域の人々に対しましても、幼稚園教育要領の理念を分かりやすく伝えていくことが必要になっているところでございます。
また、先ほども御説明いたしました保育所保育指針、それから幼保連携型認定こども園の審議のまとめにおきましても、関係者に対する周知に向けた取組の必要性というものが示されているところでございます。
このようなことから文部科学省といたしましては、資料6の具体的に言いますと裏面の方でございますけれども、来年度、新しい幼稚園教育要領を着実に実施するために、ここにございますとおり、新しい幼稚園教育要領の解説のほか、具体的な実践事例を掲載いたしました指導書の作成、それから、幼稚園教育要領の理念などを分かりやすく解説いたしました幼児期の教育に関するパンフレットの作成、こういったものを行う予定にしてございます。
資料7は、現行の学習指導要領の改訂の際に作りました、保護者向けのパンフレットとなってございます。
また、幼稚園教育要領の理解推進事業といたしまして、これも前回の改訂と同様でございますけれども、指導主事等を対象といたしました新しい幼稚園教育要領の説明、それから研究協議を行います中央協議会というのを開催するとともに、各都道府県におきまして、教員や保護者への新しい教育要領の説明を行います都道府県協議会、こういったものを開催する予定にしてございます。
本日は、今後これらの解説や指導書、それからパンフレットの作成、中央協議会等を開催するに当たりまして、関係者に幼稚園教育要領等の趣旨が着実に伝わるためには、具体的にどういったことに留意して実施、あるいは作成したらよいのかという点につきまして、御意見を頂ければと考えております。
以上でございます。
【無藤主査】  ありがとうございました。ただ今の御説明のとおりですが、資料6及び7を基に、幼稚園教育要領の周知方法につきましての御議論を頂戴できればと思います。
それでは、田中雅道委員、お願いします。
【田中(雅)委員】  資料7も良いですか。
【沓澤子育て支援指導官】  はい。
【田中(雅)委員】  こういうパンフレットを作っていただくのは大賛成なんですが、ちょっと細かいところに入っていきますがよろしいでしょうか。
まず、小学校以降の生活や学習の基礎という、このイメージは分かるんですが、幼児期の説明をするときに、単に小学校以降の生活や学習という言葉よりも、私は社会に出てから役に立つ人材のベースって幼児期だよねというイメージが、どこかに入れられないかなと。この言葉でいくとやっぱり、どこまで行っても小学校の基盤かなという、接続の方のイメージが強いのですが、世界で出てきている様々なデータはどちらかというと、4、5歳のときに言い、豊かな環境で過ごした子供は社会で活躍していますよねというイメージをどこかで入れてほしいなというのがある。
それを考えると、「幼稚園での遊びと小学校の生活や学習は、一見何のつながりもないように見えるかもしれません」という、何となく最初に否定的な言葉で入るよりも、豊かな環境で幼児期を過ごす子供が社会で活躍するのですよ、そのベースを我々は築いていますよというところから入ってほしいなというのが、一つ目のお願いです。
もう一つは、ここで出てくる写真の中で、園庭を持っていないとできない活動の写真は、2枚目の砂場の写真なのです。1枚目の6枚の写真は、究極を言えば、例えば庭のお掃除というのも、近くの公園のお掃除で代えようと思ったら代えられるかなと思う。
何が言いたいのかというと、豊かな環境とは何なのか、園の中に自由に使える園庭があることも大事だということが、どこか写真とか文章の中のイメージで表現できるところが欲しいなというのが、今率直な感想です。
あとは訂正なのですけど、「子育て支援」になっているので、やっぱり幼稚園教育要領は「子育ての支援」なので、「の」を入れてもらいたいなというところです。
【無藤主査】  御指摘はどれも大事な点だと思います。ありがとうございます。
それでは、山下委員、お願いいたします。
【山下委員】  私の方からは広報についてお願いがございます。先ほど事務局の説明にもありましたけれども、今回、幼稚園教育要領、保育所保育指針、そして幼保連携型認定こども園の教育・保育要領が、一層充実が図られるということになっています。今後実施します要領の説明会につきましても、それぞれの業務等もあろうかと思いますけれども、それぞれがばらばらに実施するということではなくて、可能な限り共通なところは一緒にするなどの工夫をしていただきまして、3府省で実施いただければありがたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
【無藤主査】  分かりました。ありがとうございます。
それでは、田中孝尚委員、お願いします。
【田中(孝)委員】  私もこの要領の趣旨の説明をされる際のことについてなんですけれども、もしも可能であれば、実際の現場を見るということも、説明会の1日の日程の中に組み込めるのであれば、そういうやり方を御検討いただければどうかなということを思っています。各幼稚園、今の指針にのっとってやっていくということを頑張っている現場はたくさんありますので、そこら辺りを実際見て、その後文部科学省の方々からの説明をお聞きするという形ですと、実感を伴って理解が進むということもあるのかと思いますので、もし可能であれば御検討いただければと思います。
【無藤主査】  すぐれたアイデアをいろいろ出していただき、ありがとうございます。
ほかにはございますでしょうか。砂上委員、お願いします。
【砂上委員】  砂上です。私も先ほど田中先生がおっしゃられたように、1ページ目の小学校以降の生活や学習の基盤というところもあるのですが、やはり教育基本法に、幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎ということがあるので、そのことも含めた表現があると、より幼児教育の重要性というところがあって、さらに、幼稚園はその小学校以降のという形で、そこは一つ、生涯にわたっての基盤を育成しているというところも積極的に書いていただけるとよいかと思います。
幼稚園の1日というところでは、幼稚園の時間と空間に関わること、朝来て、預かり保育も含めて、夕方帰るまでどのような活動があって、どのような空間の中、環境の中で過ごすのかということが分かるページであると、より分かりやすいのではないかと思います。
2ページ目の方が、幼児教育の特徴というところで、ここも遊びを通してとか、環境と関わって学ぶというところが、より伝わっていくとよいかと思いますし、あとはやはり総合的に、一つの活動の中で人との関わりも学ぶし、思考力の基盤というか、学びの芽生えになるところも学んでいくというような、幼児教育の方法と内容の特徴が伝わるようになるとよいのではないかなと考えます。
この幼稚園で身に付く力として挙げられているところは、今度の改訂との整合性というところで言えば、完全に一致ではなくてよいと思うのですが、幼児教育の終わりまでに育ってほしい姿と重なるような形で書かれているとよいのではないかなと思います。特に社会情動的スキルとか非認知的能力が、小学校以降の学習の基盤にもなっていくということが反映されるとよいのではないかなと感じています。
以上です。
【無藤主査】  ありがとうございました。
それでは、嶋田委員、お願いします。
【嶋田委員】  リーフレットの方なのですけれども、田中委員とか砂上委員がおっしゃられたことと同じところだと思います。やはり小学校以降というよりも、義務教育及びそれ以降の基盤というところがあるので、社会的な自立に向けた大事な教育期間であるということを押さえられるとよいなと思いました。
また、中身については、幼稚園で身に付く力の整合性というのは、今、砂上委員がおっしゃったのですけれども、学び方というか、ここでやはり小学校の学習基盤の育成という、小学校のところで、遊びにはいくつも学びがひそんでいるというところ、この項目立てがよいのですけれども、この各教科の学びの目とともに、もう一つは学び方が育っているんだとかいう、新しい知識、あるいは生きて働く知識や技能を獲得する方法として、やはり主体的な学びであったり、協同的な学びとか、探究的な学びというところを、ここに強調されるとよいなと思います。
また、全体的にやはり先ほどの小学校のところがあるのですけれども、学校現場に近い市町村の教育委員会や保育担当主管課の役割というのは、非常に大きいなと感じます。特にこの会議の中でも話題になったかと思うのですけれども、やはり指導主事や幼児教育アドバイザーの育成というのは、市町村教育委員会だったり、学校現場に近ければ近いほど、喫緊の課題になってくるかと思います。そういう意味では、田中委員がおっしゃったように、本当に現場を指導主事も見られるような方向があるとよいなと思います。
特に小学校の教員なんかに聞くと、幼児教育で何かを身に付けるということは、1日で完結するものではない。小学校の場合は45分であったり、一つの単元で、スタートがあって、そしてどういう力が身に付いたかということが完結する。でも幼児教育って1週間であったり、2週間であったり、もっと長期間であったりというところが非常に見にくいので、動画の作成であったり、あるいはオリエンテーションで実際に資料を作るというような方法は、非常に有効かなと考えます。
以上です。
【無藤主査】  ありがとうございました。
では、志民委員、お願いします。
【志民委員】  嶋田委員の方からも御指摘がありましたけれども、やはり今回説明会等で、保護者とか、それからあとは小学校教員への周知というのが非常に重要になってくるかなと考えております。その点については、今嶋田委員とか、それから田中委員の方からも御指摘がありましたように、実際の子供の姿を見るような機会というのは、大変重要かなと考えておりますので、今御指摘のありましたようなビデオの動画を作成するなどということを、是非やっていただけるとよいのではないかと考えております。以上です。
【無藤主査】  ありがとうございます。
では、阿部委員、お願いします。
【阿部委員】  一つだけですけれども、パンフレットにつきまして、内容が余りにも網羅され過ぎているのか、羅列的なのか、読みたいな、見たいなという魅力は余りないですね。もう少しデザイン的に何とかならないのかなという感じはします。
一番前のところも、例えば教育課程の時間と教育課程時間終了後と、我々専門家は分かりますけど、これが誰まで読んでいくのかといったら、保護者までだけど、そういう言葉が実際に分かってもらえるのかなと考えると、そして一番最後のQ&Aがもうざっくり書かれているだけで、何か全体的なパンフレットそのもの自体の構成を今一度、幼児を支える教師の1日の中での支えと、それから支えるために研修や勉強しなさいよというところを書かれているので、もう少し構成上、魅力的なものにならないかなという要望でございます。
【無藤主査】  非常にもっともな要望だと思いますのでよろしくお願いします。
では、大方委員、お願いします。
【大方委員】  ありがとうございます。この時計みたいなのが幼稚園の1日のところにあって、オレンジのところが教育課程の時間で、右の教育課程の時間終了後は、吹き出しは「教師は教材をつくったり、明日の計画をはなしあったりしています」ということで、教師の役割がここに書かれていて、教育課程の時間終了後のところに、むしろ地域や家庭養育、子供たち自身のことを書くならば、ここで家庭や地域体験をしていて、教育課程の時間につながっているという見え方がよいのかなと思ったのと、預かり保育という位置付けが教育課程外ということで、このグリーンのところにはまってくれば、より分かりやすいのかなと思いました。
それから、今回の改訂は是非、私も養成校の一員ですけれども、卒業していく学生がこの改訂を承知していないと、現場の研修だけをしても意味がないと思うので、是非その辺も、このパンフレットも含めて配っていただけたらありがたいのかなと思いました。
以上でございます。
【無藤主査】  ありがとうございました。
では、桶田委員、お願いします。
【桶田委員】  ありがとうございました。説明会のときやっぱり一番難しいだろうなと思うのが、5領域と10項目の兼ね合いと、それから評価のことになりますので、そこをどう具体的に丁寧に伝えていくのか、あとは、どのぐらい実際人に直接その話が伝わるんだろうかというところをちょっと心配しています。
それと、この「幼稚園ってなぁに」は今も本当にコピーして使わせていただいているくらいに、保護者の方や地域の方に幼稚園のことを知らせるエキスが入っている部分があるので、やはりこれを作り直ししていただけるとありがたいなとすごく思っています。
そのことに関しても、幼稚園で身に付く力のところにきっと10項目が来るだろうなという予想はあるんですが、書き過ぎてしまうと今の保護者は読まないし、その辺をどう理解してもらうんだろう、写真で訴えるのか、文字はどの辺なんだろうかという、デザインのお話もありましたけれども、書き過ぎないで、現場の園長なりなんなりが語れるようにした方がよいのか、その辺ちょっと分からないんですが、やはり分かりやすい、小学校1年生、保護者の方、地域の方、それから学生さんや学校の先生たちも分かるようなものを望んでいます。
【無藤主査】  ありがとうございました。
それでは、鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  ありがとうございます。パンフレットに関しては、今までの委員の先生方と同じ意見です。対象が社会全体の理解増進ということなので、多分そこで広がっているんだろうなと思います。
私は、指導者用資料がすごく大事だと思っていて、今回の改訂に伴って、やっぱり幼稚園教諭の資質・能力というのが更に高まりを求められていると思うので、資質・能力を向上させるために、特に研修というのは不可欠だと思いますから、研修にも使えるような指導者用資料ということがすごく必要じゃないかと思います。以上です。
【無藤主査】  砂上委員、どうぞ。
【砂上委員】  砂上です。先ほど阿部委員の方から、魅力的なパンフレットにというお話があって、本当にそのとおりかと思ったんですが、魅力的であると同時にまた、説得力も併せ持つようなリーフレットになるとよいとは思っています。
この間、恐らく幼児教育の意義に関しての様々な研究等ありまして、そのエビデンスというようなものも多少盛り込んでいけると、保護者なり社会の方々にとっても説得力を持つのではないかと思うので、そういうのもうまく盛り込んでいけるとよいのではないかなということと、あとは先ほど、小学校以降の生活や学習の基盤というだけではなくて、生涯にわたるというところも強調した方がよいと申したんですが、一方で、保護者の方や一般の方からすると、やはり幼稚園から小学校にどうつながっていくのかというところは、大きな関心もありますし、また不安もありますので、この間たくさんの成果が積み重なってきているスタートカリキュラム、アプローチカリキュラムの実践で、5歳児の後半にはこのような形で円滑な接続が図られているというような実践の成果というのも盛り込んでいけると、その3、4、5歳合わせて共通して書く部分と、5歳児に関して、小学校の接続というところでより丁寧に書くところは、一つ項目を立てるとよいのではないかと思いました。以上です。
【無藤主査】  ありがとうございました。
それでは、神長委員。
【神長主査代理】  神長です。最後になってしまいましたけれども、簡単に。このパンフレットってやはりいろいろ考え方があると思うんですけれども、最初の御提案を伺うと、幼児期の教育に関するパンフレットと、資料6の方には書かれておりまして、その例示できょう挙げてくださったんだと思うんですけれども、これは幼稚園の教育についてのパンフレットなので、多分これから、今日の意見を踏まえながら、幼児期の教育に関するパンフレットという形になっていくんだと思うんです。
ただ、私も古いと言いますか、長いことやっているので、ちょっと一言付け加えさせてもらいますと、このパンフレットのスタートは、幼稚園をアピールするという意味で作ったパンフレットでしたので、要領の改訂の考え方を示すというよりは、ある意味では行政、保護者に、幼稚園ってどういうところなのかだったように思うんです。20年の改訂のときには、現場の先生方が勉強するとか、小学校の先生が分かるという形で、それを両方使ったんだと思うんです。
対象が増えれば増えるほど、先ほど厳しい御意見がありましたけれども、分からないという意見もありますので、その辺はやはりもう一度整理して、幼児期の教育に関するパンフレットという視点から成立するとよいのかなと思いました。
【無藤主査】  ありがとうございました。
渡邉委員。
【渡邉(英)委員】  僕は幼児教育というのをどれだけ分かってもらうかが、今回の学習指導要領の改訂の結構鍵かなと思ってはいて、私立幼稚園の中では多分幼稚園教育要領は、ちょっと横に置いておいて、もう本当に小学校の下請け機関的に教えたりというところもまだまだたくさんあったりするときに、やっぱり遊びの中でちゃんと育っていくということ、それがすごく大事だとか、アクティブ・ラーニングの基本になることがまずは大事だということもあったり、それから非認知の力とかというのも世界的にも有名で、大事にされているという話が出てきたり、子供そもそもが、ある意味では子供ってこんなに成長していくことが面白いということも、どこかでは伝えたいと思っていると、どこが伝えるかといったら幼稚園の役割かなというのがまずあります。
その前提でいくと、横浜の場合でいけば、やっぱり指導主事とか小学校の生活科の先生たちと共有できるような、枠を超えたような研修の体制が文部科学省の中で作っていただけたり、横浜の場合、児童支援専任の先生とこの間も研修会をやったとき、幼稚園のビデオとかを見ると物すごく喜んでくれたり、そういうことだったんだと気付いていただけたりということが出てきたり、生活科の先生たちとも話をするとそういうことが出てくると、幼児教育の大事さをどのようにアピールしていくかというところは、やっぱり何か前例にとらわれないところでもうちょっと柔軟にとか、学びたいというところが必要かなと思っていますので、その周知の仕方を考えていただけたらありがたいかなと。その中にはもちろん、現場に行くという方法もあってよいかなと思います。
それから、さっきの議論にちょっと通じるところもあるんですけど、子育ての支援というときに、何かやっぱり0、1、2歳児の親たち、それも保育園とかに行っていない親たち、それから2時以降に家庭に戻る子たちに対して、園が開放していったり、それから保育の中に親も参加していったりというところで、幼稚園というところは地域を作っていったり、親の社会参加をそこで及ぼしていったり、幼児教育を理解することによって親も本当に子育てに関心を持つ役割を持っているという、もうちょっと幅の広い捉え方というのか、そういうことも親たちに作ってよいとすると、園に来ませんとかいうふうにしながら、できれば小学校からも、それから保護者からも、幼児教育って大事だねというアピールをしていかないと、何かやっぱり変わったけど……というように、私立だけじゃないかもしれませんけど、園の保育は余り変わらないという話ではなくて、そういう意味での変わり方というのがあってもよいかなと思います。
それから、これは無理かどうかちょっと分かりませんけど、幼児教育は教員だけじゃなくて、幼稚園教育系の大学の教員等にという形で、新しい幼稚園教育要領の説明を行うというんですけど、非常勤でしかやっていないんですが、アクティブ・ラーニングを考えられるような教材だったりという、保育者養成で学生たちにも、幼稚園教育でどこが変わったと括弧で暗記物をするような話じゃなくて、もっとこの子供にどうするとか、どうやって関わったらよいとか、この遊びどうしたらよいというように、それこそ現場に即するような中で学生たちも話し合って、いや、子供の見方がいろいろあったらよい、そういう資料的なものとか、もう養成校の段階から、学生たちも、子供たちが遊びの中で育っていくことが大事なんだというのを、きちんと分かっていくような部分というか、ある意味では幼稚園という本体に対してももちろん言うと、研修とかもあるんですけれども、それ以外のところの中で、だんだん幼児教育が大事だということの理解の示し方がどうあるか、検討していただけたらありがたいかなと思います。
【無藤主査】  ありがとうございました。
では、山下委員で終わりにさせていただいてよいですかね。
【山下委員】  今後、要領改訂等の周知を図る上で、これからやはり都道府県の指導主事の役割というのは非常に大事になってくると思うんです。やっぱりそれぞれの都道府県で指導主事が中心となりながら周知をしていくわけですので、是非これからそういった意味で、指導主事の研修の場の充実等を図っていただけるような取組が展開されるとよいのではないかと思っております。以上です。
【無藤主査】  ありがとうございました。様々な御意見、御提言を頂いて、実現できるものを是非目指していただきたいと思います。多分いわゆる文科省による説明会とともに、関係諸団体の連携などが出てきたと思いますし、また、パンフレットについても様々な充実の提言、それが紙としてできる部分が難しいところもあれば、インターネットサイトの利用などもあると思いますので、是非よろしくお願いいたします。
それでは、本日のところはここまでにさせていただきまして、本日お出しいただいた御意見につきましては、事務局の方で論点ごとに趣旨を整理していただきたいと思います。
また、今日限られた時間での討議でございましたので、意を尽くせなかった部分、また後ほど思い付かれたことなど、意見、お気付きの点は、是非事務局の方にお送りいただければと思います。
それでは最後に、次回の日程等につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【沓澤子育て支援指導官】  大変貴重な御意見、ありがとうございました。本日、御審議をいただきました幼保連携型認定こども園教育・保育要領として特に配慮すべき事項等につきましては、今後主査と御相談の上整理をさせていただきまして、教育課程企画特別部会、教育課程部会における答申案の取りまとめの過程で反映させていただきたいと考えてございます。
また、幼稚園教育要領の周知方法につきましては、こちらも様々御意見を頂きましたが、今後具体的な周知方法を検討する際に、可能な限り取り入れていきたいと考えております。
それから、先ほど主査からお話もございましたとおり、ペーパーによる意見等も頂戴したいと考えておりますので、いつもどおりファクス、メール、郵送でも結構でございますので、11月7日月曜日を目途に頂戴できればと考えております。
なお、本日の配付資料は机上に置いていただければ、後ほど郵送させていただきたいと思います。
最後に、本日が幼児教育部会の実質的な最後でございますので、事務局を代表いたしまして、伊藤幼児教育課長より御礼の御挨拶を申し上げます。
【伊藤幼児教育課長】  委員の皆様におかれましては本当に大変御多忙の中、この幼児教育部会は、昨年の10月からちょうど丸1年、10回にわたって、大変熱心な御議論をいただきました。未来が見えてきたかなと、こういうすばらしい答申の案をおまとめいただいたところでございまして、この後まだ少し手続も残ってございます。教育課程部会の方でヒアリング等も続いているところでございますが、年内には中教審として答申をおまとめいただく、そして先ほども説明をいたしましたが、今年度末までには幼稚園教育要領という新しい形で、告示を是非していきたいと思ってございます。
未来を創る子供たちのために、今回のすばらしい皆様の議論というものをしっかりとそれぞれの幼稚園、現場にも、私どもも今日頂いた意見を踏まえて、届けさせていただいていければと思ってございます。
委員の皆様におかれましては、今日で幼児教育部会は一旦閉めという形にはなろうかと思いますけれども、今後とも、教育要領を作る際にまた御助言を頂いたり、更にはその周知徹底をしていく際に、御助言、またお力添えを是非いただければありがたいと思ってございます。
最後になりますが、改めまして、無藤主査はじめ、委員の皆様、大変なる御尽力をいただいたことに心より感謝を申し上げ、幼児教育部会、一旦の閉めの御挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。
【無藤主査】  ありがとうございました。それでは、第10回幼児教育部会をここで終了させていただきます。皆様、ありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

初等中等教育局幼児教育課