教育課程部会 言語能力の向上に関する特別チーム(第6回) 議事要旨

1.日時

平成28年6月23日

2.議事要旨

1.「国語科」及び「外国語科・外国語活動」を通じて育成すべき言語能力について

取りまとめ(案)「2.言語能力を構成する資質・能力について」

 4ページの1つ目の○の前半のパラグラフについては、2つの内容が入っているので、「固有の特徴に支えられた世界を切り分ける力・・・」以下の文章は、新しいパラグラフとした方がいいと考える。

 4ページの1つ目の○のところで、「母語と外国語の両方を深く習得するためには」があると、どうしても言語そのものの知識を増やすというイメージを与えてしまい、言語能力を高めるという感じに読めないので、削除した方がいいのではないか。

 7ページの下から2つ目の○は、常に認識と思考が行ったり来たりしている中で、言語能力が高まっていくということが書かれており、非常に重要である。

2.言語能力を向上させるための、「国語科」及び「外国語科・外国語活動」相互の連携について

取りまとめ(案)「3.言語能力の向上のために言語活動の充実、及び、「国語科」「外国語活動・外国語科」の改善・充実について」

 9ページの(1)の項目名について、現行の言語活動の充実の先に、全ての教科における言語能力の向上があるということが明確になるよう、「言語活動の充実と言語能力の向上について」としてはどうか。

 10ページの1つ目の○が、音楽、図画工作、美術、体育、保健体育等になどに限定した書き方となっているが、3行目以降に書かれている、言語活動によりメタ認知し、学習過程の質的改善を図ることは、社会科や理科などにおいても大変重要な言語能力であるので、その辺りも書き表してほしい。

 10ページの(2)について、2つ目の○にあるように、別紙1、2にある方向性を両教科で共有するということがメッセージとして打ち出されるように、3つ目の○では、共通の目標として設定したことを強調してほしい。

 12ページについて、小学校の外国語活動・外国語科の場合、時数が限られている中で、ここに書かれているような内容を強調しすぎると、結局それだけを教え込むという方向に流れてしまわないかという懸念がある。「コミュニケーションを通して」などの文言を必ず入れて欲しい。

 14ページの連携の方向性について、もともと日本語を母語として育っている人が多いことを前提にすると、日本語に関しては、小学生でもかなりの資質・能力を有しているが、外国語に関しては初心者である。このため、相互連携させることによって、少しでも日本語と外国語の能力のギャップを埋めようとする努力が大切だと考えている。

 日本語の能力も、相互連携によって向上するということも踏まえると、単にお互いの能力のギャップを埋めようとするためだけに連携する、と誤解されることのないよう注意する必要がある。

 このチームの趣旨を踏まえれば、外国語の能力の向上のために、そのギャップを埋めるという片方だけの意見というのは、馴染まない。例えば、連携がどのように日本語の能力の向上にもつながっているかということを書き込めば、誤解されることもないと思う。

 12ページの一番下の○について、外国語の学習する時間や状況が限定されているということと、だから国語教育を充実しなければならないという流れに違和感がある。

 12ページの一番下の○で言われていることは、私たちが、外国語を実際に使う機会が限られているということにスポットを当てた一面でしかないと思う。大事なのは、そこを是正するということではなく、いかに児童生徒の言語能力を高めていくかということ。そのために、母語の影響が強いために第二言語が習得しにくくなっているという内的な制約をいかに改善していくのかという教育のデザインを提案しようとしているものと理解している。

 連携の大切さや理念は書かれているが、実際にどのようなことをすればいいのかという記述が不足している。具体的な事例を示すことで、それだけをやればいいと誤解されるという危険を回避したいということは分かるが、このチームがどのような具体的な事柄を念頭に置いて議論したのかということを、どこかに示すことはできないか。

 余り細かい例を出しすぎてしまうと、その例が、そのまま学習指導要領等に書かれたり、教科書に掲載されたりすることになってしまう危険性の方が大きい。この会議だけで全てを決めてしまうわけではないので、具体的な例示というものは、別の会議で出されるものではないか。

 例えば、言語活動で道案内や推薦状を取り上げる場合、相手、目的、場面に応じて、どのような順序や構成で伝えるのかなどの言語運用の面では、母語である日本語でも意外とできていないと感じている。16ページの[言語活動で扱う題材における連携]については、なぜその題材を使うのかという言語運用の面での連携を強調してほしい。

 18ページの教員養成カリキュラムにおける教科指導法に関する科目において、言語能力に関する学習を推進することについては、各教科等によって異なる内容を学ぶのではなく、全ての教科等に関連するような形での学びを取り入れていただきたい。

 言語の特徴を捉えて気付かせるような教材や機会を与えれば、外国語はそのままマスターできるという発想からは、ひたすら反復練習をさせるような訓練の強要になってしまう。実際に私たちが使っている言語そのものを、自然な形で子供たちに十分に与えることができれば、子供たちは自身の言語能力でステップアップしていくことができると思う。特に、最初の小学校中学年の段階においては、先生が無理に教えるのではなく、一緒に楽しみ、その中から子供たちが何かをキャッチすることをベースにして、次の外国語教育につなげていくことが大事であり、そのことは日本語能力の向上につながると考える。

以上

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