教育課程部会 言語能力の向上に関する特別チーム(第5回) 議事録

1.日時

平成28年5月12日(木曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

中央合同庁舎第7号館 文部科学省3階3F1特別会議室

3.議題

  1. 国語科及び外国語科・外国語活動を通じた言語能力の育成について
  2. その他

4.議事録

【亀山主査】
 定刻となりましたので、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会言語能力の向上に関する特別チームの第5回を開催いたします。本日はお忙しい中、御参集いただき、まことにありがとうございます。
 まず、会議に先立ちまして、4月14日より続く熊本県を中心とした九州地方での一連の地震によって、尊い命を落とされた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災地の皆様に心からお見舞いを申し上げます。現在、我が国では、被災地において、昼夜を分かたず救援活動を行っておられる関係機関の方々をはじめとして、国を挙げて多くの人々がそれぞれの持ち場にて支援に当たっておられます。被災地の方々の一刻も早い復興を心からお祈り申し上げます。
 それでは、事務局から配付資料について、確認をお願いいたします。

【平野教育改革調整官】
 失礼いたします。それでは、配付資料の確認をさせていただきます。本日は、議事次第に記載しておりますとおり、資料1から3、その他、机上に参考資料を配付させていただいております。不足等がございましたら、事務局にお申し付けください。
 なお、机上にタブレット端末を置いておりますが、その中には、本特別チームの審議に当たり参考となる、関係する審議会の答申や関連資料等をデータで入れております。詳細は、次第の裏面の目次をごらんください。
 また、本日、学習指導要領の見直しに関しまして、各団体から届けられました要望の一覧を机上の紙ファイルにて配付しております。昨年6月に教育課程企画特別部会にお示ししたものと、それ以降、届けられたものを一体にして一つのファイルにしております。かなり分厚い、緑色の、このファイルが各団体からの要望でございます。
 以上でございます。

【亀山主査】
 では、これより議事に入ります。
 初めに、本特別チームの審議会については、初等中等教育分科会教育課程部会運営規則第3条により、原則公開により議事を進めさせていただくとともに、第6条に基づき、議事録を作成し、原則公開とするものとして取り扱うこととさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 なお、本日は、報道関係者より会議の撮影及び録音の申出がございました。これを許可しておりますので、御承知おきください。
 それでは、本日は資料1の「言語能力の向上に関する特別チームにおけるこれまでの議論の取りまとめ(案)」についての意見交換を行いますが、意見交換に入る前に、校種別部会など、全体に関する議論の状況を説明いただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 では、本日の意見交換に入る前に、事務局より資料の説明をお願いいたします。本日の資料2「小学校部会におけるこれまでの議論のとりまとめ(案)について」、資料3「学校段階等別部会等の議論の状況について」、参考資料1「教育の強靱化に向けて」について説明をお願いいたします。では、よろしくお願いします。

【大杉教育課程企画室長】
 失礼いたします。それでは、まず、資料2から御説明をさせていただきます。小学校部会における議論の取りまとめでございまして、小学校部会、昨年8月の論点整理を踏まえて、特に授業時数にも関係して、各教科に関連するテーマが含まれておりますので、他の部会に先んじて、一定の中間的な取りまとめをいただいたところでございます。
 1枚おめくりいただきますと、「小学校部会におけるこれまでの議論のとりまとめ」ということで、あくまで中間的なものでございます。が、一方で、これを基に各教科の御議論も進めていただく必要がございますので、現在、これを基に、各教科ワーキング等においても適宜御議論を進めていただいているところでございます。
 2ページ目からが、「『社会に開かれた教育課程』の実現に向けた小学校教育の在り方」ということで、特に3ページ目にございますように、小学校6年間という期間、子供たちにとって幅のある期間でございますので、低学年、中学年、高学年、それぞれの発達の段階に応じた教育の課題に対応した対応が必要ではないかというような御整理、あるいは、4ページ目、「育成すべき資質・能力と『カリキュラム・マネジメント』の意義」を論点整理に沿って、おまとめをいただいております。
 そして、5ページ目からは、特に本特別チームのこれまでの議論を踏まえておまとめをさせていただいております。本日、最終的なお取りまとめについて御議論をいただきますので、それを踏まえて、さらにブラッシュアップしていく必要がございますけれども、中間的な段階で議論を整理させていただいております。例えば、言語の三つの側面ということ、あるいは、資質・能力の育成と言語能力の関係ということで、6ページ目のように、三つの柱それぞれに言語能力が基盤として重要な役割を果たしていること、あるいは、各教科の学習の基盤としても重要であること、コミュニケーション能力の整理でございますとか非言語能力との関係についても、これまでの議論を整理させていただいております。
 また、こうしたことも踏まえながら、国語ワーキングにおいて議論していただいている内容を7ページ目、「小・中・高を通じた国語教育の充実」ということで、言語能力の基盤形成ということ、国語教育を通じて育んでいく資質・能力、8ページ目には高等学校の科目構成の見直しも含めて、これまでの議論を整理させていただいております。
 そして、9ページ目以降は、外国語ワーキングの整理、本特別チームの議論も踏まえながらということでございまして、外国語、特にコミュニケーションというものを軸としながら、思考の側面、情緒の側面を背景にということ。それから、特に10ページ目以降は小学校教育でございますけれども、特に小学校高学年での様々な知的要求が高まる段階であるということ。あるいは、小中高を通じて育むべき英語力を見据えた対応を考えますと、小学校中学年からの外国語活動、高学年からの教科、4技能を扱う教科としての扱いが必要になってくること。12ページ目にございますように、そのためには、中学年、高学年それぞれについて、年間35単位時間の時数増が必要になってくる。これについては、内容面の積み上げも外国語ワーキングでしていただいているところでございますけれども、こうしたことを整理いただいております。
 その上で、「柔軟なカリキュラム設定に関する考え方」ということで、13ページ目の下にございますように、各小学校においては、様々な時間割編成の工夫、14ページ目には少しデータ的なものも掲載してございますけれども、実際、様々な、多様な時間割設定の工夫がなされていること、その中で一律に、このようなやり方で時数増を行わせていくというようなやり方はなかなか難しいこと。
 15ページ目にございますように、短時間、長時間あるいは休業期間中の工夫、土曜日の活用や週当たりこま数の増、こういった選択肢の中で、各学校や地域の実情に応じながら柔軟な時間割編成を可能としていくこと。外国語のみならず、全ての教科を見通した対応が必要になるということでございます。
 いずれにしましても、4ポツにございますように、各学校にとっては、時数増ということは大きな負担の増には変わりございませんので、こうしたカリキュラム・マネジメント、実情に応じた柔軟な設定ではございますけれども、その在り方について幾つか、例えば、留意事項でありますとか、具体的な編成の工夫の例を、調査研究を通じてしっかりとまとめて提供していく、普及していくことが重要ではないか。あるいは、外国語教育の教材の在り方、指導者の在り方もしっかり国として考えていく必要があるということで、中間的なおまとめをいただいているところでございます。
 続きまして、資料3でございます。小学校部会、高校部会、それから企画特別部会におきまして、現在、総則のイメージでありますとかアクティブ・ラーニングの整理というものについて、さらに掘り下げた議論をしていただいております。1枚おめくりいただきますと、「小学校・総則の改善のイメージ」がございますけれども、今、左側の黒い文字で記されてございますのが現在の指導要領の総則の構成でございます。一般方針から始まって、編成上の留意事項が、ごらんのとおり並べられているという構造でございます。これについては、企画特別部会におきまして、「社会に開かれた教育課程」という観点から、総則を様々な人が見て、指導要領が目指す方向性がすっきりと分かるものというような構造にすべきではないかという御指摘を頂いているところでございます。
 これを踏まえまして、総則の構成を抜本的に見直すことを考えてございまして、右側にございますような、例えば、前文のようなものを置いて、社会に開かれた教育課程の考え方を示していくということ。そして、総則の一番最初に、「小学校教育の基本」というような形で、小学校教育を通じて育成すべき資質・能力を分かりやすく示していくということ。そして、カリキュラム・マネジメントも含めた教育課程の編成というものの意義や接続、学習改善や評価との関係、特別支援教育も含めた特別な配慮を必要とする児童への指導や、様々な学習基盤としての学級経営やキャリア教育、そして、現在、各教科において、各教科等の特質に応じて育まれる見方や考え方の整理をいただいておりますので、これは各教科のみならず、全ての先生方あるいは社会に共有していくべきものではないかということで、別表のような形で総則に添付することでどうかということでございます。
 その次のページは、それを少し詳細に記したものでございます。
 さらに、その次のページは、中学校部会、まだこれからでございますけれども、高校の総則の現状でございます。
 そのさらに次のページが改善のイメージでございまして、小学校と同様に、高校は単位に関する事項等ございますので構成が少し異なってございますけれども、小学校と同様に、このような形で変えていってはどうかということでございます。
 さらに1枚おめくりいただきますと、アクティブ・ラーニングの三つの視点について、これまでの議論の進捗をまとめたものでございます。特に深い学びにつきましては、見方や考え方を働かせて、思考・判断・表現するということが重要ではないかという御議論を深めていただいておりますので、その要素を、下のピンクの枠囲みでございますけれども、加えてございます。
 また、対話的な学び、もともと論点整理では、他者との協働や外界との相互作用ということでございましたけれども、これを少しかみ砕いて、「子供同士の協働、教師や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ」というような整理をさせていただいております。
 また、主体的な学びにつきましては、興味や関心を抱かせることの重要性、そして、キャリア形成の方向性等を関連付けることの重要性を加えさせていただいているところでございます。
 そして、次のページが、少し字が多くて、まだまだ見にくいものでございますので、今後すっきりとさせていく必要がございますけれども、こうした「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」が資質・能力の育成にどのように関わっているのかというようなイメージ図でございます。知識・技能、思考力・判断力・表現力、学びに向かう力、人間性が絡まり合いながら、こういった学習過程を進めていくことによって、右側にございますような、「生きて働く知識・技能の習得」「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成」「学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性の涵養」につながるということで、資質・能力の育成とアクティブ・ラーニングの視点の関係を少し、1枚で分かりやすいように示していく必要があるのではないかということでございます。
 また、各教科の意義が見方や考え方を軸に議論されてございまして、そのさらに次のページでございますけれども、各教科と総合的な学習の時間や特別活動、道徳等との関係性を少し構造化したものでございます。各教科における、矢印がアクティブ・ラーニングを通じた三つの資質・能力の育成でございますけれども、それぞれにおいて、そうした資質・能力の育成を行うということと、例えば総合的な学習の時間において、各教科の見方や考え方を総合的に活用するということ。特別活動におきまして、学習の基盤となる学校生活全体の基盤作りというものが行われるということ。特別の教科、道徳におきましては、各教科で育成する人間性の基盤となるということ。こうしたことの関係性を少し示してみてはどうかということでございます。いずれにおきましても、言語活動の充実も含めて、今後、本特別チームの議論も踏まえて、さらに整理をしていきたいと考えているところでございます。
 そして、最後に参考資料というものを付けさせていただいております。これは先日、馳大臣名で発表させていただいたメッセージでございます。「教育の強靱化に向けて」ということでございます。論点整理におきましても既に少し触れられておりますとおり、アクティブ・ラーニングというものに関しまして、それを受け止めた様々な積極的な取組が広がる一方で、アクティブ・ラーニングを導入することによって、知識というものの軽視ではないかという誤解も一部指摘されていたところでございますので、学習指導要領改訂に向けた取りまとめに入る、この段階におきまして、改めてその考え方、方向性を論点整理を踏まえながら、大臣メッセージとして出させていただいております。
 1枚目は、これまでの中教審における議論の経緯、下の方に、5月9日現在で126回、260時間ということで、本ワーキングも含めた議論の進捗の状況でございますけれども、この経緯を説明させていただいております。
 そして、2枚目でございますけれども、指導要領改訂のポイントということで、子供たちに生きて働く知識や人生で必要となる力を育んでいくための学習過程の質的改善というものがアクティブ・ラーニングであるということ、学習内容を削減することはしないということ、ゆとり教育か詰め込み教育かといった二項対立的な議論には戻らないということ、こうしたことを改めてメッセージとして発しさせていただいたところでございます。
 その次のページは、そうしたことを実現するための「チーム学校」、教員養成の改善、地域との連携・協働、既に中教審で3答申まとめられておりますけれども、これが社会に開かれた教育課程の実現に向けたものであるということで、メッセージとして出させていただいております。
 その後ろの方は、「学習指導要領改訂の背景」ということで、最近、特に人工知能の進化が言われておりますので、こうしたものと学校教育との関係、その次のページは、指導要領改訂に向けて、You Tube動画等も含めた解説等へのリンク、そして、一番最後のページでございますけれども、中教審3答申、教員の資質・能力向上、「チーム学校」、地域との連携・協働というものが、真ん中に「社会に開かれた教育課程」とございますけれども、この実現に向けて連携し合っているということ。既に「馳プラン」としてメッセージを出させていただいておりますけれども、これを改めて付けさせていただいているところでございます。
 私からは以上になります。

【亀山主査】
 ありがとうございました。今の大杉室長からの説明について、何か御意見等ございますか。
 私から質問ですけど、「強靱化」という言葉、若干違和感を感じるんですね。いつ頃から、この言葉が使われるようになりました?

【大杉教育課程企画室長】
 教育の文脈ということでは、大臣メッセージとしては今まではそれほど使われていなかった用語かと思われます。大臣御自身の命名でございますけれども、意図としましては、子供たちに必要な、これからの社会を生き抜いていくために必要な力をしっかり身に付けていくための教育の質的改善、あるいは、それをしっかりと支える学校の組織、次世代の学校作り、条件整備をセットでやっていくことを、大臣なりのメッセージとして命名をいただいたものでございます。

【亀山主査】
 分かりました。
 どうぞ。

【キャンベル主査代理】
 私からも一つ聞きたいんですけど、今、最後に紹介してくださった馳プラン、大臣のプランというのは、拝見したところ、学校の組織運営ですとか社会との連携を中心とするもので、カリキュラムそのものに深く関わらないもののようにも見受けられますけれども、ただ、アクティブ・ラーニングに関して、かなり学校の外のコミュニティースクールですとか地域との連携がうたわれているので、どこかでそれがリンクしている、我々の作業と連結しているような側面もあるやにも感じましたけれども、もし、そこで、ここで共有した方がよい展開があれば、それを少し紹介を。あるいは、追って紹介をしていただきたいと思いましたけれども、いかがでしょうか。

【大杉教育課程企画室長】
 馳プランというもの自体は、今回の強靱化のメッセージということは既に、この馳プラン自体は昨年公表されていたものに、さらにメッセージを重ねたというような形になるものであります。馳プラン自体は、中教審の、既におまとめいただいた3答申、これは次期学習指導要領も見据えて、今から教員養成、組織運営改革、地域との協働の基盤作りをしておかないと、次期改訂というものを実現する土壌ができないということで、先んじて答申としておまとめいただいたものでございます。
 そして、その3答申の中では、御指摘のとおり、地域との連携・協働という中では、アクティブ・ラーニングも含め、まさに社会に開かれた教育課程ということで、教育目標を地域と共有しながら実現していくという、今、まさに次期改訂に向けて御議論いただいている内容を少し先取りして御議論いただいているというようなところでございまして、それは教員改革につきましても、ここには詳細には書いてございませんけれども、例えば、「英語・ICT等の課題へ対応」ということがございますけれども、これは「等」の中にアクティブ・ラーニングなど、新しい今後の取組も含まれてございまして、次期改訂の姿を見通した改革を御答申いただいているところでございます。

【キャンベル主査代理】
 ありがとうございました。

【亀山主査】
 ほかに何かございますか。非常に興味あるところなので、我々の作業チームのテーマから離れてしまうのが残念なんですけれども、議事を進めたいと思います。
 それでは、本日、意見交換をしていただく資料1、「言語能力の向上に関する特別チームにおけるこれまでの議論の取りまとめ(案)」について、平野調整官から説明をお願いいたします。

【平野教育改革調整官】
 失礼いたします。それでは、資料1をごらんいただけますでしょうか。先週、事前に委員の皆様方に送付させていただいたものに御意見を幾つか頂いておりますので、可能な限り反映させていただいたものが、きょうお配りした資料1でございます。
 まず、1ページ目でございます。1「言語能力の重要性について」の(1)「『言語』と『言語能力』について」というところでございます。こちらでは、言語の役割ですとか、話し言葉や書き言葉としての言語という意味で、この報告書では用いると。音符や数字は含めないんだというような、そういうような説明をここで書かせていただいたところでございます。
 それから、1ページの下の方、(2)「教育課程全体を通じて育成すべき資質・能力と言語能力について」という部分でございますけれども、言語能力が全ての教科等における学習の基盤となるものであるということ。それから、資質・能力の三つの柱、知識・技能、思考・判断・表現、学びに向かう力、人間性という、この三つの柱があるわけでございますが、それぞれの育成において、言語能力が非常に重要な役割を果たすということについて書かせていただいたものでございます。
 こういった内容については、この特別チームの第3回目でお配りさせていただきました「言語能力についての整理メモ」というものがあったかと思うんですけれども、あそこで書かせていただいた内容を少し踏まえながら加筆させていただいたものでございますし、また、こういった内容については、先ほど大杉から紹介させていただきました「小学校部会のとりまとめ(案)」の中でも同様の記述があるところでございまして、全く、一言一句一緒というわけではございませんけれども、それを踏まえた記述をさせていただいているところでございます。
 2ページ目については、今申し上げた知識・技能、思考・判断・表現、学びに向かう力、人間性、それぞれにどのように働くかというようなところを書かせていただいております。
 3ページ目、一番上、(3)「言語能力に関する課題について」というところでございますけれども、非常に重要な言語能力というものについて、課題として委員から御指摘いただいたものについて、ここに掲げさせていただいたところでございます。
 3ページ目の下の方、2ポツ、「言語能力を構成する資質・能力について」というところ。まず、(1)「言葉の働きと仕組みについて」というところでございますけれども、日本語や英語などの言語が共通の働き、機能を持っているということ。それから、一方で、それぞれの言語固有の特徴、仕組みというものを持っているということ。それから、次のページになりますが、その理解のためには、それぞれの言語文化を理解することが必要であるというようなことについて書かせていただいております。
 それから、4ページ目、(2)「言語能力を構成する資質・能力の三つの柱について」というところでございます。これ、別添の参考資料で付けさせていただいております2枚の図表があるかと思いますが、資料1の方、三つの柱に沿って資質・能力を定義していく作業を、ずっと長い時間を掛けて、この特別チームでやっていただいたわけでございますけれども、この内容についてポイントを説明したという性格のものでございます。この資質・能力、三つの柱に沿って、どのような力が言語能力の構成要素としてあるのかというようなことについて記述したものでございます。
 次の5ページからは、特に、思考力・判断力・表現力や学びに向かう力、人間性という三つの柱の要素の中で、三つの側面から言語能力を捉えるということについて書かせていただいております。創造的思考とそれを支える論理的思考、感性・情緒、他者とのコミュニケーションの三つの側面というものがあって、それらが互いに関係しながら働くものであることについて書かせていただいております。
 また、5ページの下の方からでございますけれども、いわゆるコミュニケーション能力との関係についても記載させていただいているところでございます。
 次、6ページ目でございます。(3)「言語能力を構成する資質・能力が働く過程について」でございますが、これも、この特別チームで御議論いただきました、別添の別紙2のプロセス図の内容を文章化して書かせていただいたものでございます。そのポイントだけを、ここでは記載させていただいております。
 マル1、「テクスト(情報)を理解するための力」という大きな流れと、下の方、マル2、「文章や発話により表現するための力」という、こういった大きく二つの流れに分けて記載させていただいているところでございます。
 7ページ目、(4)、7ページ目の真ん中あたりでございますけれども、「言語能力の育成について」ということでございまして、この整理いただいた言語能力というものを育成していく際に、どういった点に留意しなければいけないのかというようなことについて記述させていただいたものでございます。特に知識・技能を、まずは身に付けてから思考・判断・表現するんだというような順序性、階層性のあるものではなくて、思考・判断・表現をしながら知識を構造化したり概念化したり、あるいは、生きて活用できる技能として習得されていくものであることについて書かせていただいております。また、言語というものを全体的な、有機的なシステムとして捉えることの重要性について8ページで書かせていただいている状況でございます。
 8ページ目の下の方、3ポツ、「言語能力の向上のための言語活動の充実、及び、『国語科』『外国語活動・外国語科』の改善・充実について」というところでございます。(1)「全ての教科等における言語活動の充実について」というところでございますが、言語能力を育成するための言語活動を全ての教科で充実していく必要性について書かせていただいております。とりわけ、先ほど、大杉から説明させていただきましたけれども、アクティブ・ラーニングの三つの視点からの学習過程の質的な改善、特に、深い学び、対話的な学び、主体的な学びということで示させていただいておりますけれども、この三つの視点からの学習過程の改善を進めていくに当たっても、やはり言語能力が極めて重要であることについて書かせていただいております。また、音楽や美術、体育などにおける非言語的なものを言語化していくというような言語活動の重要性についても、ここで触れさせていただいたところでございます。
 それから、9ページ目の下の方になりますが、(2)「『国語科』、『外国語活動・外国語科』における改善・充実について」というところでございます。国語ワーキング、それから外国語ワーキングにおきまして、本チームの検討状況も踏まえながら、今、検討いただいているところでございまして、両ワーキングチームにおける改善の基本的な方向性について、ごくごく簡単に書かせていただいている性格のものでございます。
 ちょっと飛びまして、11ページ目、(3)「言語能力のための、『国語科』と『外国語活動・外国語科』の連携について」ということでございまして、まず、ここでは、この国語科と外国語活動・外国語科を同時並行的に実施することを通じて、期待される効果というものがどのようなことが考えられるかについて、本チームで頂いた御意見を基に、それを少し整理して書かせていただいたのが、この11ページの下半分以降でございます。
 それを踏まえまして、今度、12ページの下からでございますけれども、言語能力の向上のための国語科と外国語活動・外国語科というものの連携を推進していくための方向性について記載してございます。13ページ目の最初の白丸「具体的には」というところで4点ほど例を示させていただいておりますが、こういったものについて示させていただくとともに、下の方では、他教科との連携の必要性についても、この二つの教科だけではなくて、ほかの、全ての教科との連携の必要性についても触れさせていただいたところでございます。
 14ページ目、最後のページでございますけれども、(4)「言語能力の向上に向けて、『国語科』と『外国語活動・外国語科』の連携を強化するための方策について」というところでございますが、今の(3)のところでは、特に学習指導要領あるいは指導要領解説を念頭に置いた連携について書かせていただいたところでございますが、それ以外にも、さらに連携を深めていくために有効、あるいは、むしろ必要だと考えられる方策について幅広く、ここで記載させていただいたところでございます。
 全体の構成及び記載している内容の概略については以上でございます。

【亀山主査】
 御説明ありがとうございます。では、これより意見交換の時間とさせていただきます。
 まず、資料1の1ポツ、2ポツ、3ポツの順で御意見を頂きたいと思います。御意見のある方は、あらかじめ名札を立てていただきますと、私から順次指名させていただきます。また、発言が終わりましたら元の位置に戻してくださいますよう、お願いいたします。発言の際には、マイクのスイッチのオン、発言後にはオフをお願いします。
 意見交換に入る前に、事務局から、何か補足説明等ございますでしょうか。

【平野教育改革調整官】
 若干補足をさせていただきます。資料1の1ポツと2ポツでございますので、1ページから8ページの真ん中あたりぐらいまでの記述内容について、まずは前半、御意見を頂ければと思っております。この前半部分につきましては、これまで御議論いただきました二つの図表を基本的には文章化したものでございますけれども、これでは書き切れなかったようなものはやはりあろうかと思います。そういったものが、きちんと補足できるような形で記載されているのかどうかという点や、あるいは、これを見ていくに当たって気を付けなければいけない、留意しなきゃいけないという点があれば、そういったものについてきちんと言及されているかという点について、是非御意見を頂ければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【亀山主査】
 では、早速、松本委員からお願いいたします。

【松本委員】
 よくまとまっていると思うんですけれども、7ページから8ページに掛けて、「認識から思考へ」「思考から表現へ」というのが10か所ぐらい出てきて、非常に重要なことだと分かるんですが、これ、サイクルになっているので、「表現へ」で終わらないで、また「表現から認識」というふうに回っていくという、要するに、表現することがゴールじゃなくて、表現することによって、また自分の認識を深めるという書きぶりにした方がよろしいのではないかと思います。
 あと、もう1点だけ、これは質問というか要望なんですけれども、5ページの7の注、「文部科学省の有識者会議においては」という、コミュニケーション能力に関する定義が書かれてあるんですけど、これ、何の有識者会議で、いつというのを、この注の中に入れておいていただけると、今後、皆さん、引用する上でよろしいのではないかと思います。
 以上です。

【亀山主査】
 ありがとうございました。
 先ほど平野調整官からございましたが、ほかに何か、書き足りないこと、どうしても書き添えておくべきこと等も含めた御意見等を頂ければ幸いですが、いかがでしょう。
 どうぞ。島田委員、お願いします。

【島田委員】
 細かな点で恐縮ですけれども、3ページです。3ページ目の(3)の最初の丸の一つ目のポツです。「言語能力は」という書き出しの文章です。言語能力は、全ての子供たちに身に付けさせる必要がある能力ですという、こういう記述になっていますけれども、これは多かれ少なかれ、言語能力というのは全ての人に身には付いているわけでしょうから、それをどう高めるかとか、高い水準で身に付けるとか、そういう記述になろうかと、まずは思いました。
 それから、同じところの三つ目のポツであります。子供たちの人間関係の問題と言葉によるコミュニケーションの関係が書かれております。言葉をネガティブに使って傷付けるとか、あるいは誤解なく相手に伝わるという思い込みによって摩擦が生じるという、この二つがあるわけですけれども、そもそも対話の不足であるとかコミュニケーションが不十分であることによって人間関係の問題が起こることもありそうですので、そういったことも加えていただければいいかなと思いました。
 以上です。

【亀山主査】
 ありがとうございました。「言語能力は」という主語で展開される文章の締めのところで、「身に付けさせる」と。これは、「高い言語能力を」というのならまだいいんですけれども、言語能力は基本的には身に付いているものであることが前提となった場合に、この文言、表現について若干の訂正をお願いできればと思いますが、よろしいですか。大丈夫ですね。お願いいたします。
 あと、もう一つ、先ほどのコミュニケーションにおける様々な問題について、対話的な問題についての若干の言及が欲しいという点についても、よろしくお願いいたします。
 ほかに何かございますでしょうか。
 中村委員、お願いします。

【中村委員】
 別紙2に、以前から使われている、上の「認識から思考へ」の中段の「精査・解釈」の「精査」という言葉なんですけれども、このイメージ案を現場の先生方がごらんになる中で、では、具体的にどういうふうに学習指導の中で生かしていこうかということを検討していく中で、「精査」という言葉が、今までの学習指導の中では余り使われてこなかった言葉だろうと思います。
 具体的な中身は、黄色の資質・能力を見れば分かるんですけれども、今日、いただいている取りまとめの中で、ぽんと「精査」という言葉が出てくると、これは何を意味するのかが少し分かりにくいようなことがある場合、ページ注のような形で何かあると、読んでいるときに分かりやすいのかなということを少し思いました。

【亀山主査】
 実は私は、日常会話の中で「精査」という言葉を用いたのは、この五、六回ぐらいしかないんですよね。一般的な公の場で用いる言葉として、学長になって学長会議とか、国大協の会議とか、あるいは、こういった会議では「精査」という言葉を使うんですが、一般的に、私は役所用語かなと勝手に思い込んでいたところがあるんですが、このあたり、「精査」という言葉について、何か、ふさわしい語で置き換えるという提案でもよろしいわけですよね。

【中村委員】
 もしほかの言葉があればとも思いますが、逆に、新しい言語能力をイメージしていくときの一つのキーワードとして出していくのも大事だと思いますが、そのためにも、何か下に少し詳しい説明があると、現場での浸透が十分に広がるかなと思います。

【亀山主査】
 いかがですか。

【キャンベル主査代理】
 以前、議論があったと思います。もし、経緯が分かれば教えていただきたいと思います。一度、少し時間を割いて議論して、これに落ちついたということだったと思うんですが。

【平野教育改革調整官】
 たしか最初は、ここも「吟味」という言葉にしていたと思うんですけれども、やはりそれだとちょっと分かりにくいということで、幾つか候補を検討した上で、この「精査」ということに落ちついている状況でございます。

【キャンベル主査代理】
 「吟味」だと、何か江戸時代の犯罪の見分のような感じがしたりしていて、何か申し上げた記憶がありますね。

【亀山主査】
 「精査」という言葉でよいのかということですね。非常に特殊なイメージの響きを私自身は感じるので、いいのかどうか。ただ、この言葉を、私のイメージするニュアンスから剥脱して、より一般的なものとして戦略的に打ち出すという、そういうこともあり得るわけなので。
 いかがでしょうか。

【キャンベル主査代理】
 ただ、やっぱり、何か科学的な印象がします。我々、人文科学でも、「精査をする」というと、ただ「調査する」ではない。ちょっと段階が違うものがあって、一般的な用語としては、段差が際立って見える気はしますね。浮き出てくる感じはしますね。

【亀山主査】
 「構造と内容の把握」と来て、「精査・解釈」と来て、「自分なりの整合の取れた考えの形成」と来ております。よろしいですか。矢原さん、どうですか。

【矢原委員】
 「精査」という言葉は余り学校現場で使っておりませんので、どちらかというと「吟味」の方が割と使っているかなと思っています。批判的思考というよりも、ちょっと柔らかく「吟味」という言葉の方を使っている傾向があるかなと思っています。でも、私個人としては、「精査」という言葉をあえてここで出しておく必要があると思っています。

【亀山主査】
 いかがですか。
 どうぞ、酒井委員。

【酒井(邦)委員】
 別紙1と別紙2の関係なんですけれども、先ほどの資料1によれば、資質・能力が別紙1で、それを別紙2の過程の中で働かせるということで、両方並べてみたときに、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力等」の具体的な内容が真ん中の黄色い部分に入っていると。ところが、「学びに向かう力、人間性等」に関して、どう別紙2に反映されたと考えたらよろしいのでしょうか。質問ですけれども。

【平野教育改革調整官】
 別紙1で言うところの「学びに向かう力、人間性」につきましては、思考力・判断力・表現力を駆使しながら、テキスト、情報の理解をしたり、文章や発話による表現をしたりしていく際の下支えになっている部分と、こういった理解、表現を通じて、さらに学びに向かう力、人間性が高まっていくという両方の面があろうかと思います。ですので、なかなかこのプロセスの図には落とし込みにくいということがございまして、ここでは図示できてない状況でございます。

【酒井(邦)委員】
 ということであれば、提案としましては、例えば、ブルーの右から左のラインのこの部分、右下が空いていますので、そこに要点だけでも入れて、考えの形成・深化に対して、下支えの学びに向かう力、人間性のところが効いてくるというようなイメージを入れれば、すっきり解決するように思います。
 つまり、様々な文化背景や対人関係とか、そういう自分の学びに対する意欲とか、そういうものが支えられて、考えの形成や深化を助けながら表現に向かっていくというようなメッセージがはっきり出せるかと思いますので、むしろ大きな考えの形成・深化に向かっていくところに、引き出しで黄色く書いて入れておけば、これをそのまま入れると長くなり過ぎますので、キーワード、要点を5点、6点入れておけば、対応が分かって、そのプロセスとかそういうものが生かせるかと思いました。
 以上です。

【亀山主査】
 いかがでしょう。今の酒井委員からの提案ですが、よろしいかと思うんですが。よろしいですか。

【平野教育改革調整官】
 少し工夫させていただきます。

【亀山主査】
 よろしくお願いします。ほかに何かございますか。
 では、次に移りたいと思います。今度は資料1の3ポツですね。資料1の1ポツと2ポツについては、今、御意見を頂きましたので、続いて資料1の3ポツの意見交換に入りますが、これにつきましても補足説明等ございますでしょうか。

【平野教育改革調整官】
 資料1の8ページのちょうど真ん中あたり、3ポツ以降のところについて、後半、御議論をいただければと思っております。特に一番最後のページ、連携を進めていくために、学習指導要領ですとか指導要領解説での配慮も当然必要ですけれども、それ以外の連携を進めるための要素も非常に重要だと思います。この部分については、ごらんいただきますと分かりますとおり、まだ若干記述が薄いかなというところがございますので、できればこれについて具体的な御提案を頂ければありがたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【亀山主査】
 ありがとうございます。資料1の3ポツについて、まだ議論が尽くされてないのではないか。あるいは、具体的な提案といったようなものを頂いて書き込みをしたいと、そのような補足説明でありますが、これについてはいかがでしょう。確かに、分量的にも薄い印象を持ちますが。
 松本委員、お願いします。

【松本委員】
 4点ございます。1点目は、10ページの最後の行です。ここで「自律的・主体的に外国語でコミュニケーションを図ろうとする態度を育成する」とありまして、これまで「積極的に」という言葉がよく使われていたんですけれども、私は、「積極的」というのは、今まですごく違和感を感じておりました。そういう意味で、「自律的・主体的に」という方が、コミュニケーションの実態を表す意味でもそうですし、今回のアクティブ・ラーニングを考えても、今までのものよりいいのではないかと思います。感想です。それが1点目です。
 2点目ですけれども、12ページあたり、一番最後です。「国語科と外国語活動・外国語科の指導内容のつながりを可視化することが重要である」と書いてあるのは、とてもいいことだと思うんですが、これをどう可視化するかということはどこにも書いていないので、その点がちょっと危惧されます。
 きょう配付された資料2の「小学校部会におけるこれまでの議論のとりまとめ」の9ページの最後の丸と10ページの最初の丸のところで、学習指導要領に一貫した教育目標、4技能に関わる具体的な指標の形式の目標を含むを設定するということがありましたので、そういう意味では、まず、ゴールを共有しているのかが可視化されることが大事なのかなと思うんですね。ですから、国語とか外国語においてどういうゴールが設定されて、どのぐらい共有されているのかというのがまず見えないと、指導を共有するのは難しいかと思いますので、その点、何らかの書き込みをしていただければと思います。
 それから、3点目は13ページのところなんですが、共有するに当たって何を共有するかがすごく重要だと思います。その点、13ページの最初の丸の「具体的には」の下に、1番目、2番目等に書いてあることは、どちらかというと言語構造のことが主体になっていて、小学生や中学生、あるいはCEFR、A2、B1レベルの高校生を考えると、言語構造が一番最初に出てくるというよりは、同じ感情や気持ちであっても言い表し方が違いますとか、あるいは、コミュニケーションの仕方が違うよねというような方に重点を置いたらどうなのかなと思います。余りにも構造的なことを分析するというようなニュアンスが私には感じられるので、それ、ちょっと危惧されるところです。
 4番目は同じように、14ページの一番下の黒ポチ3つ目ですが、「『国語科』と『外国語活動・外国語科』における学習の連携を意識した教材の工夫」というのは物すごく大事なことだと思いますので大賛成なんですが、そこに「例えば」という例が、日本の古典、短歌・俳句で翻訳された海外の作品を教材として扱うというふうに、こういうふうに書いてしまうと、教科書にこれを出さないと不合格になるのかというような読み方をされる可能性が高いので、やっぱりこれができる、この内容を外国語で理解できる子供たちはかなりレベルが高いのかなと。例えばですけど、『金太郎』や『桃太郎』の英訳を読んでというぐらいならまだ分かるんですけれども、ちょっと格調高く書かれてあるので、その点が危惧されるので、例えば、外国語になった日本語とか日本語の外来語についてとか、そういうレベルの例にしておいた方が、これが独り歩きするのがちょっと怖いなと思います。
 以上です。

【亀山主査】
 ありがとうございました。今の松本委員の発言の中で、国語科と外国語活動・外国語の指導内容のつながりを可視化する、そして、可視化されるゴールというものが見えないと、実質的に指導に当たる先生方が戸惑うであろうということで、このゴールをどうやって可視化するかというところで具体的なイメージが欲しいということですね。
 もう一つは、次が13ページですけれども、「指導の連携に関しては」というところで、若干、言語の構造的な側面に偏りがちであるということ。コミュニケーションの持っている、より具体的な問題性について書いた方がよいのではないかといったようなこと。また、次に、14ページ、指導内容の連携、教材の在り方等については若干高級過ぎるということですね。ことわざなんかの方が、まだいいんじゃないでしょうかね。ことわざ、意外と初歩的な文法なんかでも、比較の対象としては非常によいのかなと思ったりもします。そういったところで、この書き方、もう少し柔らかく書き改めた方がよいのではないかと、そういった御指摘でありました。
 少しずつ具体的な提案が出てきておりますが、ほかにいかがでしょうか。高木委員からお願いいたします。

【高木委員】
 今の松本委員とかなり重なるところを発言しようと思っていますが、先に14ページの(4)の四つ目の丸のところですが、教材の在り方を今回、かなり考えておかないといけないのではないかと思います。特に、国語もそうなんですが、教科書教材が今、学校教育の主になっている。教科書教材に沿った形でしか授業が行われない現状もある。このあたりを鑑みますと、例えば国語に関して言えば、これはほかのワーキンググループでも申し上げたところなんですが、実社会に出たときに、じゃ、小学校、中学校、高校で国語の授業、どんな能力が付いたかと聞きますと、ほとんど答えられない。その代わり、どんな読み物を読んだのとか、どんな小説を読んだのと言うと、小学校では『一つの花』であるとか、中学では『故郷』であるとか、高校に行くと『羅生門』であるとか、そういうことは答えられて、今、これから行おうとしている言語能力の向上に向けてということに関しての能力育成の内容がこれまで、これは昭和52年の指導要領からやっているにも関わらず、それこそ松本委員の言葉で言えば、なかなか可視化されてこなかった。今回、そこのところをやらないと、繰り返し教材さえ載っていれば、それを授業で扱えばいいという形には、これは松本委員に伺いたいところなんだけど、英語も恐らく同じような形になっている。本文の解釈をやって、読んで、単語を覚えて、文法の構文を覚えていくというような授業になっていく。
 また、ここへ戻るんですが、そのことに向けては、先の10ページの最初の丸の最後のところに、「考えを形成・深化する」ということが書いてある。まさにここが、先ほど松本委員の言われた可視化の部分とも同じで、どのような考えを形成したり、どういうことについて深化したかを言語能力としてきちんと、国語、英語、それぞれについて書き込むことと、さらには英語と国語で共通するような言語能力をどういうふうにしていくか。まさにそれは教育内容を考えていくという、これからの指導要領の中身そのものを考えていくときには留意して、その実現に向けて指導要領を作成するところが問われるだろうなと思っています。
 ともすると、これはまた14ページに戻りまして、先ほどの松本委員がお話しになった三つ目のポツと重なるんですが、ここに書いてある教材ということです。この三つ目に書いてある「例えば」も、私も思っていたところなんですが、こういうことで「連携」という言い方を安易にしておくと、単なる教材が同じで、両方読めば活動が成立したことになります。繰り返し申し上げますと、能力としてどういうふうに、これから考えていくか。屋上屋を重ねるようですが、やはり学校教育として実践可能な教科書教材をまず考えること。それをカリキュラムの中にどういうふうに位置付けていくこと。まさに、そのカリキュラムが教科のカリキュラムだと学習指導要領になっていますが、さらにそれを小中高の接続の中で明確に位置付けていくことが、どういうふうにするかが課題であり、その中にこの「連携」という言葉が中心として位置付けていかないと、活動主義の言語活動のみの寄せ集めみたいな授業になってしまうと思いますので、そこのところが危惧されるところでもあります。
 以上です。

【亀山主査】
 ありがとうございました。今の高木委員について、松本委員から何かございますか。

【松本委員】
 全くそのとおりで、英語でも高木委員がおっしゃったようなことが起きておりますので、ですから、どういう能力を育成するのかということの教育目標を外国語と国語で精査することがまず第一であって、それに合った教材を提示することが大事なので、高木委員がおっしゃったように、14ページの一番最後の例のような書き方をしてしまうと、ただ、これを教科書に入れればいいんでしょ、あるいは、授業の中で扱えばいいんでしょということになってしまって、全く国語と外国語の連携は図れないと思います。

【亀山主査】
 一種の教材主義ということになっちゃうんですね。

【松本委員】
 はい。

【亀山主査】
 ありがとうございます。大事な論点だと思います。
 キャンベル委員、お願いします。

【キャンベル主査代理】
 3ポツのところからですけれども、まず、そもそものところですけれども、私たちのチームに恐らく付託されているのが、国語と外国語、特にここでは英語ですけれども、その二つを俯瞰的に見据えることによって、相対的に二つの言語を習得するときに共通する理念であるとか手法、学習方法であるとか、あるいは評価というものの共通するよりどころというものを、全体の言語教育の充実につながるように、それこそ精査をして、整理をするというようなことが一つ。
 もう一つは、もう少し能動的といいますか、その二つの言語習得の学習を見直すことによって、日本語と英語を相互に見ることによって、実際に教育の現場でどういう能力を伸ばすことができるのか、充実させるところがどういうところにあるのかということを具体的に示していくことが二つあるように思うんですね。それは結構同じように見えて、多分、整理をする中では一緒かもしれませんけれども、ちょっと違うような目標のように思います。前から感じていたことだったんですけれども、今回、11ページの3の(3)のところに九つの黒ポツがありますけれども、国語科と外国が活動を連携、それについてのことがここに書かれていますけれども、まさに九つの要点が、気付きを促すことによってどういうことが期待できるのかということと、もう一つは、どんな能力が向上するのかということで大別できるような気がしました。
 例えば、1つ目や2つ目というのは、言語活動のメタ言語意識を持たせることであり、3つ目は人間の思考や心理の一貫性を共有させることの大切さ、その資質に気付かせることであり、12ページに移って、このポツのつながりの最後から二つ目の8番、メタ認識の気付きであるとか、最後はまさに「メタ言語意識の高まり」と書いています。これは重要だと思うんですけれども、一歩進んで、そのように気付いた先に何が実際にできるようになるのか。日本語の運用の質的な向上であるとか、あるいは英語の学習にどういうところで役に立つのかということをもっと強調すべき、あるいは具体化させることも必要ではないかなと思いました。
 (3)のところで、11ページの四つ目、母語である日本語を使って生活している中では気付かない資質や能力を、外国語でそれを学ぶことによって日本語の能力の向上に資する。これは、そこに恐らく想定されていること、具体的なことだと思うんですけれども、ここではこう書き込まれていないんですね。
 あと、12ページ、ページをめくって最初のところですけれども、「単一の言語からは、単一の言語体系の知識」云々とあって、互いに学び合うことによって、様々な状況に適した思考や表現ができるようになるとありますけれども、こういったことが実際に教室の中で何になるのかということを多分問われると思うんですね。
 だから、ここは非常に重要な場だと思って、皆さんと一緒にずっと考えているんですけれども、気付きを促すこと以上に、この二つをつなげて何になるのかということを、もっと具体的に考えていくべきではないかなと思います。先ほど、お話もあったんですけれども、用例としては、例えばアルファベットの、もう少し先の方に、13ページに「具体的には」とありますけれども、ここにも結構「気付きを促す」というところがあったりしていて、日本語の中で何をどういうふうに学べば英語が分かりやすくなるのか、よく理解できるような話し方ができるようになるのかというような、あるいは逆のことが。
 もう一つ、ここで多分、これは形を決めないと、国語や英語のそれぞれの教科の部会の中では、そのまま包まれてしまう、そのままに放置されるんじゃないかなと思います。ですので、ここで、この段階ではありますけれども、そこをおろす、あるいは共有するときに、そういった具体的なところを、特にどういう能力が伸ばせると思われるのか、どういう方法があるのかを恐らくここで示していかないと、そのままになってしまうと思います。
 済みません、長くなりますけれども、もう一つ。先ほど、松本委員がおっしゃった14ページの例ですけれども、私は逆でして、ことわざや英語になった日本語というのは、エピソディカルといいましょうか、1個1個それは取っ掛かりに、文化を理解する上では興味深い、言葉は悪いんですけれども、ネタとしてはおもしろいと思うんですけれども、深い学びにはそれほど、そのままつながるのかなと思っています。
 例えば日本の古典を英語にして、それを英語で読み、そして、例えば、口語を介さないで、そのまま原語に、つまり、古文を二つ読み合わせたときに、これは多分、高校じゃないとできないと思うんですけれども、これはかなり活性化していくんですね、実際に。それを実践したところで、いろんな人からそれを聞いたことはあります。私の発信したこと、書いた本や手掛けた企画から、若い人たちからは、それが非常におもしろかったと、かなり好意といいますか、おもしろい、好奇心をそそられたということを言われました。
 問題は翻訳ですね。そして、どこから切り取るかということです。日本の古典で、私が今、想像しているところでは、日本語で原語で読むと、古文で読むと難しいかもしれませんけれども、英語に置き換えた途端、非常に分かりやすい作品がとても多いんです。
 もう一つは、ちょっと個人的な話ですけれども、きのうまで、私は1週間、ロンドンにおりまして、仕事をしていたんですけれども、London Review of Booksというすばらしい書店がありまして、書評誌の『London Review of Books』が経営している書店ですけれども、毎月、書店の飾り窓に「Author of the month」というのがあって月替わりで著者を紹介するんですけれども、今月は夏目漱石なんですね。夏目漱石の新しい、あるいは新装版の英訳をかなり詳しくそこで紹介をしていますけれども、例えば、『坑夫』という小説があって、これは飛行機の中で読み直したんですけれども、非常にすぐれた翻訳ですね。それに村上春樹さんが、そのために書き下ろしの序文を書いたりしていて、それを見たときに、もう世界の文学になってはいるんですね。そういうものを抜粋して英語の教科書の中に、例えばそれがあったとしても、私はそれは英語の教材としては闘えると思うんですね。
 ただ、それを総合的に日本語に戻したときに、連携をそこで、カリキュラムの中で作ったときに、どういうふうに夏目漱石あるいは村上春樹の言語と共振させるかということがそこで問われる、課題になるだろうと思います。
 私はやっぱり作品そのものを、俳諧であっても短歌であっても、それをすぐれた英語の翻訳にすることによって、読むことによって、そういう共振、あるいは相乗効果というものが求められるんじゃないかなとは思います。
 済みません、長くなりましたけれども、その二つの点で申し上げたかったです。

【亀山主査】
 ありがとうございました。今のキャンベル先生のお話を伺っていくと、あるいは松本先生の意見をそこに重ね合わせていくと、一種の段階的なものを踏んでいけば、ただ、高校の2年、3年ぐらいでは、恐らく今言った古典、あるいは、そういう夏目漱石あたりぐらいなものを併用することもできるでしょうし、中学校3年生ぐらいの段階、あるいは高1ぐらいの段階だと、また別のテキストでそういった試みを導入することができる。小学校の後半あたりでは、ことわざが可能かどうかというところだと思いますが、そういった段階的なものを具体的なテキストに即して積み上げていくことは有効な方法ではないかと、印象として持ちました。
 松本委員、そのあたり、いかがですか。

【松本委員】
 一般論としては大賛成なんですけれども、ただ、現状、高校生の英語のレベルというのはB1に達していない子供がほとんどですので、そういう中で、こういう格調高いレベルで書いてしまうことに対する危惧ですね。これを扱わなければならないという。

【キャンベル主査代理】
 私としては、格調高いということではないのではないかと思っています。

【松本委員】
 内容ではなく、書き方についての指摘です。「日本の古典、短歌・俳句と」いったような書き方をすると、これが独り歩きして、必ず古典を入れなきゃいけないとか教えなきゃいけないという、先ほど、高木委員も危惧されていたような教材主義的なことに独り歩きしてしまうという、これが学習指導要領に反映しなければいけないみたいな考え方になってしまうのはいけないんじゃないか。
 もちろん一般論としては大賛成で、それを読み比べることはすごくいいことですし、言語能力も高めるとは思いますけれども、ただ、レベルと現場への波及を考えたときに、ちょっと違う書き方をしておいた方が安全ではないかなと思いました。

【亀山主査】
 平野調整官、このあたりはちょっと工夫をして、今、松本委員がおっしゃられたような含みを持たせた文章に書き換えてくださると、より生きるのではないかと思います。基本的な趣旨は、恐らく全委員が賛成だと思いますので。
 では、酒井委員、お願いいたします。

【酒井(邦)委員】
 総論と各論と一つずつあるんですが、まず、11ページに示されているように、国語科と外国語教育がいかに連携するかという問題がいよいよ具体化してきて、今、活発な議論が進められているわけで、つまり、先ほど議論があった別紙1、別紙2というのは、そういう意味では外堀を埋めたということであって、いかに、そういう理念やプロセスや下支えの必要とされる能力から、具体的に国語科と外国語をどう連携したらいいかという、そういうことに、むしろ我々は注力しなきゃいけないと思うんですね。だから、そのための資料が、これでは足らな過ぎて、やはり具体的に連携させることの、何がユニバーサルなのかということを視点として、若しくは柱としてきちんと立てた、短くてもいいんですけれども、何か項目が必要で、それに基づいて、我々、もう少し議論を重ねないと、表面的に英語と国語は似ているので、こういうふうにしましょうというのがおりてきたときに、様々な混乱を来すだろうと思います。
 それが危惧された理由は、具体的には13ページの一つ目に関して、かなりはっきりした混乱が認められるので、議論の皮切りに、新しい視点で話をしたいんですが、まず、ここに書かれているのは、小学校3学年の国語科でローマ字表記を指導するということからスタートします。それ自身は、多様な日本語の表現としてあり得ると思うんですが、問題は、そこで「3・4学年の外国語活動において、ローマ字とアルファベットの比較を通して」というのは、これは実は非常に難しいことを要求しているわけです。そもそも子供たちは、ローマ字の場合はアルファベットが発音記号のように捉えてしまいますが、実際、英語のアルファベットは決して発音記号ではないわけです。フォネティックシンボルじゃないので、そこで、まず、「あ、い、う、え、お」を「A、I、U」と書いた時点で、それで英語も読めるだろうと勘違いします。ですから、そこで次にあるように、しっかり書かれているんですが、「文字と読み方の対応について指導することにより」、ここまでは問題ないんですが、「日本語のローマ字表記と英語のアルファベット表記の違いへの気付きを促す」というのは極めて不十分で、これは単に混乱しか招かないだろうと思います。
 それから、「気付き」という表現に対して今まで懸念が随分あったと思うんですが、私も反対なんですけれども、気付きを促しても、これは決して直りません。大学生も含めて、例えば、「Null」と来れば、みんな、「ヌル」と発音してしまうんです。片仮名でも「ヌル」と書くんですが、あれは「ナル」だといくら言っても、そのレベルからやっても、もう大学レベルで全然だめなんですね。「altar」は「アルター」になりますし、「wan」は「ワン」になりますし、もうみんな、アルファベットに引きずられるんですね。ですから、その素地を作ることになってしまうので、気付きをいくら促したってだめなんです。ですから、はっきり、その違いを明確に指導する形に書かないと。つまり、気付きというのは単なるきっかけであって、認識の前段階なんです。ですから、気付きを促すということを連発すると、気付いただけでよいのかということになってしまいます。ですから、既に外堀が埋まっているように、認識から思考に向かうことが教育の本筋なので、気付く、気付かせるということでは全然足らない、こういう文章にはそぐわないと、私、はっきり申し上げたいと思うわけです。
 ですから、表記の違いではなくて、これはあくまでも発音の違いなんです。ですから、対応関係の違いなんです。ですから、その対応関係の違いを明確に指導するというふうになければ、これは小学校の教員が、「ああ、アルファベットで書けるね。じゃ、そうやって英語も読んでみよう」と言って、自分の間違った読み方を押し付けることになるわけです。そこら辺の違いも、教師は、英語の教師でない限り自覚していないので、そのままアルファベット読みをすることになってしまいます。ですから、先ほどの大枠で、何がユニバーサルかということで、むしろはっきり書くべきことは、基本は音声がプライマリーで文字はセカンダリーだということをはっきりうたうことだろうと思います。
 つまり、人間が使う音声というものは、自然法則にのっとっています。ですから、これはそう簡単には変えられません。もちろん語彙として、これをどう読むかということには恣意性がありますが、音声の連なりというものに関しては、はっきり自然法則に従っています。ですから、音声の違いを外国語も日本語も通して、きっちり基本に据えるのが最初で、次は、文字はセカンダリーですから、これは人の約束です。ただ、表現の仕方をどういうふうに表記するのかということは、国が決めたり、漢字をどう当てはめたりとか、それは日本語教育も含めて、人の社会的な、ある種の作法なわけです。ですから、それは逆に言うと、もっとラディカルに言えば、自然法則にのっとっておりません。約束、決め事です。でも、それは社会文化上、大切なことなので、我々はその表記に従って書かなければいけないわけです。ですから、その相反するものをきちっと分けて、極めて複雑な対応関係があることを指導するにはどうしたらいいかということを、もうちょっと先生方は、専門性を含めて、もまないと、これは決して表面的に、アルファベットを導入して、ローマ字を導入して解決する問題ではないと思います。
 一番いい例が、当然、国語や漢文もそうだと思うんですけれども、これはやっぱり日本語の特性として、中国語に勝手に和語を当ててきたという歴史がございます。ですから、それぞれの漢字で、中国語では漢音、呉音、それぞれのダイアレクトが決まれば、一通りしか読み方がないにも関わらず、日本語の場合には複数の読み方を当てて、自由自在に、フレキシブルに読めるところが、むしろ日本語の特性であったわけですが、それによって、逆に中国語はきちんと発音できなくなっているわけです。ですから、アルファベット、ローマ字を導入することによって英語の発音ができなくなってしまうのは本末転倒だと思って申し上げました。

【亀山主査】
 今、酒井委員の発言を総括すると、アルファベットの違いの気付きを促し、発音と表記の対応関係について、より明確な指導を行うというふうに書くということですね。そういうことでよろしいですか。

【酒井(邦)委員】
 はい。

【亀山主査】
 ただ、英語の場合にはそうですけれども、例えば、ロシア語なんかの場合ですとローマ字と完全に対応関係にありますから、英語以外の、例えばロシア語の場合には、ローマ字を勉強することは非常に有益だという、そういう観点も成り立つことを付け加えておきます。
 順番から言うと、矢原委員が先だったでしょうか。お願いいたします。

【矢原委員】
 失礼いたします。私からは、まず、13ページの具体的な例として出されている4点目からお話しさせていただこうと思います。前回の会議のときに、広島中学校のことば科の事例を御紹介させていただいた、そのことに非常に関わることだろうと思っております。スピーチやプレゼンテーション、ディベート等を国語科、外国語科で共通してやっていくということなんですけれども、ここで注意しておきたいのは、活動主義というか、活動が目的になってしまわないように注意すること。英語でもやればいい、国語でもやればいいということではなくて、どんな力を身に付けるのかというところを明確にしていきたいと。本校で、この前、御紹介したのは、その上で、言語を運用する能力を、まずしっかりと訓練して、そして応用させていこうということでした。
 そこで、12ページの真ん中の方にある丸のところで、相乗効果が見られるというところですけれども、こちらには、「外国語の表現活動に生かされたり」「国語を学ぶことに対する関心が高まったりする」と書かれているんですけれども、もう少し加えていけば、11ページの一番下の黒ポチにあります、日本語の能力の向上というか、言語能力のことです。
 具体的に言いますと、外国語の学習を通して行うことによって、日本語でよく省略されがちな部分に光が当たっていくと。読み取っていくときには、主語や、又は省略されている文脈を読み取っていく。逆に表現するときには、相手に対してどのようなことを明確にして言わなくちゃいけないか。要は、資料の別紙2にありますような、こういったところに非常に役立っていっているというのが私の学校での実際の実感なんです。
 そして、先ほど高木先生が、国語の授業でどんな力が付いたのかと言われたときの話を受けて、私が実は、本校の、本校は中高一貫校なので、高校を卒業した生徒にどんな力が付いたのかというのを聞いてみたのが、十分にまとめてはないんですけれども、じゃ、どんな答えが返ってきたのかというと、本校で中学校のときにことば科の授業で学んだことを通して言えば、例えば、論の組み立てをする力は非常に身に付いていると思いますと。また、相手に伝える力や説明する力は実感していますと。
 具体的に、大学入試がちょうど終わった後だったんですけれども、実際に入試の試験、論文試験で英語の論文が出てきて、それを、まず日本語に要約していって、それから自分の考えを述べていく、こういった論文試験があったんですが、こういったときに非常に役に立ったと。言いたいことを、まず、単純な日本語に整理して、箇条書きにして整理して、そこから自分の考えをきちっと添えていったというようなところで、これも先ほどのイメージの認識から思考へ、思考から表現へ、この過程をたどっているなと、私も本校を卒業した生徒の感想というか、実感からそういうふうに感じたわけです。
 ということは、先ほど、松本先生、高木先生が、可視化というところをどのようにするのかというところですけれども、一つ、子供たちが、例えば高等学校卒業時にこういった能力が身に付いたと実感できるような、そういったものをゴールの一つの参考にしていくのがいいかなと考えました。
 以上です。

【亀山主査】
 ありがとうございました。ゴールの問題って、まだ結構残っているんですよね。
 そうしたら、酒井委員、お願いします。

【酒井(英)委員】
 3点、お願いします。まず、13ページの1点目、酒井委員が指摘された点です。発音の違いについては、恐らく現行の外国語活動の学習指導要領の中で、「日本語と英語の違いに気付き、言葉のおもしろさや豊かさを知ること」とあり、実際に日本語と英語の音声的な違いについて扱うこととされています。
 それにプラスして、新しい内容としては、ローマ字を扱うことが入ってくるという意味であるとも理解できますので、もし現行の考え方を改めて再度記載するということでよいならば、そういう音に対する違いというものを含めていくとよいと思いました。
 私が、以前の宿題で、国語と英語の関係についてということで、いろいろ調べたところでも、メタ言語のうち音に関する言語意識に対する調査研究で、両言語がともに高い関係にあるというような調査も見られましたので、音について改めて記載するということは、その点からも合致しているのではないかなと思いました。
 それから、3ポツ目、4ポツ目ですけれども、先ほどの資料1(別紙2)のプロセス図で言うと、「精査・解釈」の三つの側面における国語と英語の共通点というところが、もう少し目に見えるといいのかなと思いました。今、矢原委員が指摘されたことでもありますが、四つ目の黒ポツで、「パラグラフ・ライティングなどについて」というところについては、まさに論理的捉えを表現においてしていくと。そのほかにおいても、他者とのコミュニケーションの側面で言うと、国語科の言語活動においても、外国語科・外国語活動の言語活動においても、相手との関係や目的、場面、文脈、状況等の理解を意識しながら指導を行うことというようなことで、もう少し具体的に、この精査・解釈、若しくは思考から表現のところで、プロセスを大事にしているところを前面に出せるといいのかなと思いました。
 3点目は今の点と関わるんですが、14ページ目の教材の点です。外国語活動・外国語科、外国語教育においては、題材あるいは教材そのものというよりは、そこに付随する言語活動の充実が、コミュニケーション能力を高めるためにとても重要ということで、教科書作りがされてきています。ですので、先ほど、松本委員も指摘されていましたが、作品を提示するだけではなくて、ここに扱うことの後に、例えば、先ほどの「解釈、比較をするなどの自分なりの考え方を形成するように努めること」とか、そういうような扱い方があるということで、言語活動に寄せた書き方をされればいいと思いました。
 つまり、ここでは、古典、短歌・俳句、現代文等を扱うことそのものが重要というよりは、そういうものを通して、言葉について気付きや違いを高めたり、あるいは、自分の考えを形成したり、それを交換することの方が重要だということを明示するということです。
 以上です。

【亀山主査】
 ありがとうございました。今、酒井委員の意見の最初の方で、現実に小学校の現場で、いわゆるローマ字から英語のアルファベットへの移行のプロセスの中で非常に大きな混乱が見られていることが指摘されておりますので、やはり積極的な、明確な指導というところは、ここへしっかりと書き込んでいただいた方がよいかなと思いました。
 私から補足すると、音声の問題について言及が足りないかなと思うところが。つまり、今、例えば、解釈とかテキストをどう読むかというところなんですけれども、ワールド・イングリッシーズといいましょうか、非常に多様な英語があって、その多様な英語を聞き取らなければならないという、物すごい、たまたま昨日、私の大学にカナダのあるインターナショナルな大学から14人の学生が来て、全員が違う発音の英語をしゃべるんですね。全員というのは大げさですけれども。そのとき、やっぱり一つ一つの発音の違いやら、そういったところから本当に聞き取りが難しくて困惑した経験をしたばかりなんですけれども、今後、やっぱり小中高生が外国語、英語に接する中で、英語の多様性というものに対して、どのぐらいの敏感な反応力といいましょうか、それを育てるかという視点も重要な気がして、音声の訓練という側面での言及がちょっと欠落しているような印象もちょっと持ったんですが、もし何か書き換えることができましたら、また、よろしくお願いしたいなと思います。
 福田委員、お願いします。

【福田委員】
 私は3点ありまして、まず、12ページの一番下の丸のところで、松本委員がおっしゃっていたゴールの可視化が非常に重要ではないかということに関して私も大賛成で、そのときに、別紙2とかをごらんいただけるといいんですが、タイトルのところに、「『国語科』及び『外国語活動・外国語科』を通じて育成すべき言語能力」ということになっていて、これだと例えば、日本語の言語能力、英語の言語能力というような形で、言語能力が二つとか三つあるような感じがしてしまうんですね。そういうことではなくて、言語能力という総体は一つで、例えば言語というレベルで考えると、日本語だけを学ぶよりも、英語とかほかの外国語を学ぶことによって、別紙1の能力全体がもっと広がっていくとか進化していくという話になるし、それから、領域というレベルを考えると、例えば、社会とか社会科とか理科とか音楽、体育、そういうようなもの、特定の領域において特定の言葉があったり特定の言葉の使い方があると思うんですけれども、それも実は言語能力の総体の中に入っていると。
 そうしますと、言語というレベルで日本語と英語とか、それから、教科というレベルで国語、外国語、社会、何たらかんたらというのは実はまとまっていて、全て別紙2に、あるいは別紙1にあるような能力を高めるような、そのような授業をしていく、あるいは目指していくというような話になるのかなと思いました。
 2番目なんですけれども、13ページの「具体的には」というところで、先ほど酒井委員も強調していた、この具体的な内容というのは、やはり別紙1や別紙2に対応するような形で考えた方が分かりやすいのかなということに賛成をします。それによって、別紙1、別紙2が本体の文章と懸け離れて、ただあるということではなくて、有機的になるのではないかと思いました。
 最後なんですが、14ページ目をごらんください。14ページ目の(4)の2番目の丸、「学校全体としての指導体制」というところなんですが、実際に小学校とか中学校の教員ではないのでなかなか言いづらいところもあるんですけれども、3番目の黒ポツ、「『国語科』及び『外国語活動・外国語科』の担当教員を中心とする連携体制」というところで、もうちょっと具体的に書いた方がいいのかなと感じました。
 連携しましょうと言うと、例えば、事務連絡をするとか、そういった何か、会議体のところで連携をしていくという、そういうイメージになってしまうかなと思うんですが、例えば、研究授業というのを、そのような堅い感じではなくて、日常的にいつも授業参観ができるような。で、その授業について、それぞれ休み時間にでも気軽に話せるような雰囲気作りを校長先生を中心に作っていくことになると、日常的な連携体制が取れるのかなと感じました。
 以上です。

【亀山主査】
 ありがとうございました。あと5分ほどで、この資料1の3ポツに関する意見交換を終えて、残り10分で資料1全体についての議論を、もう一度全体的な視点から行いたいと思います。
 では、中村委員の方が先でしたね。

【中村委員】
 済みません、短く二つ。13ページのアルファベットのローマ字のところなんですけれども、先日御紹介いただいて、宇治市の黄檗学園の取組を実際に行って、授業を見せていただいたところ、ちょうどローマ字学習のところを4年生がされていて、ああ、なるほど、外国語を英語として先に文字に子供が目に触れていると、国語の学習としてのローマ字学習というのは、こういう形で充実できるんだということが、指導力のある先生でもありましたけれども、連携することの意味を非常に実感しました。
 と同時に、先ほど、酒井先生がおっしゃいましたように、ただ、そこでの気付きなりが、例えば、その後の外国語の学習、英語の学習にどうつながっていくかという視点では、私は、その授業がやはり見られなかったので、その授業だけ見るとすばらしいなと思ったんですけれども、そうしますと、やっぱりある程度、こうした形ができてきた、この先に、例えば、今挙がっていただけでも、音とか文字とか語句、文章、コミュニケーション、言語文化、メタ言語意識というような、そういう、それぞれのトピックに対して、小学校中学年、高学年、中学校、高等学校というような発達段階で具体的にどういう連携をどこでどうしていくことがつながっていくのかという、資質・能力の事例みたいなものが縦系列であると、それが具体的にどういう教材にできるかとか、どういう言語活動になるのかという現場の工夫につながって、そういうものが何かあるといいのかなというのが一つです。
 もう一つは、少しページが前に戻って、8ページのところになるんですけれども、外国語と国語との連携の前のところに、全ての教科、領域、カリキュラム全体を通して言語活動の充実ということが今回もうたわれるわけですけれども、それが改めて言語能力の育成のためだという点については改めて再強調をしないと、言語活動の充実がアクティブ・ラーニングの方に発展的につながっていってしまったときに、結果的に、では、アクティブ・ラーニングという形で学習指導が改善されていく、その一つのきっかけというか、観点として、言語能力の育成が全ての教科、領域で行われることも大事な観点になると思いますので、ここで言う言語能力というのは、今までの各教科、領域で話したり書いたり読んだりというだけではなくて、このチームで作りました資料1にあるような観点で、社会なら社会、理科なら理科でも、どのような三つの資質・能力の観点で言語能力を育成することが、その教科、領域の学習の充実につながるのかという形で位置付けると、教育課程全体で言語能力を高めることと教科固有の学習の両立になるかと思って、今、発言させていただきました。

【亀山主査】
 今、資料1全体に話が少し及んできておりますので、島田委員、酒井委員をもちまして、この資料1の3ポツについての議論を終えます。その後に、また資料1全体に関してやりたいと思います。
 島田委員からどうぞ。

【島田委員】
 13ページの「具体的には」という丸の中の四つ目のポツであります。これは二つの言語の共通性あるいは普遍性のようなところを観点として、今、こっちでやっていることはこっちでもやろうという、そういうのが挙げてあると思うんですが、「その方法を学んでから」という形で二つのことが結ばれていて、私も国語科の中でパラグラフ・ライティングって是非やってみたいということも申し上げたんですけれども、必ずしもその方法を学んでからという順序性については、それがいいのだと思ったわけでは実はなかったです。例えば、パラグラフ・ライティングについては、本当に英語において行ってから国語科において行うのがよいのかについては、今のところ、確信が持てないと思います。それだけです。

【亀山主査】
 ありがとうございました。
 酒井委員、お願いします。

【酒井(邦)委員】
 じゃ、2点、手短に話しますが、先ほどの追加なんですけれども、やっぱり志が非常に高い小学校の教師ですと、発音が悪い、だから、訓練しなければならないと、そういう誤解をするおそれがありますので、まず、非常にはっきりと、基本的に我々の外国語に対する発音に関しては、なまりがあっても、むしろ自然なのだということをはっきり打ち出していただきたいと思うんですね。先ほど主査がおっしゃったように、みんな違う英語をしゃべっていると。むしろ、これは実は自然なことでありまして、当然、アルファベット読みに近いドイツ語やロシア語圏の人はそういうなまりが入りますし、当然、音声のリズムもそう引っ張られます。明らかにロシア人がしゃべっていると分かる英語の発音は極めて独特で、むしろそれをまねして、実際の映画やテレビでもやっているくらいなわけですから。ですから、むしろそういう一つ一つの個々の発音を取り上げて、それは「th」じゃないとか、そういうようなことをやっぱり強制してはならないということを、むしろはっきり書いていただいて、なまりがあっても、きちんと自分の意思を外国語で、もちろん相手に伝わらなきゃいけないので、相手に伝わるように話す、その自然さをいかに身に付けるかが課題であるということを書いていただきたい。つまり、そうしないと、語学というのは訓練であるという非常に誤ったメッセージになってしまうかと思います。それを恐れます。
 2点目は、先ほど、連携することに対して、どういう3本柱を立てるかということなんですが、もし要素的に立ててよろしければ、先ほどから議論になっているんですが、例えば、音声と文字というのを1番目に立てると。それから、2番目に文などの構造、文章にも構造がありますし、さっきのパラグラフとか。それから、もちろん単語の中にも、接頭辞とか様々な構造があります。ですから、文などの構造というような視点を2番目に挙げます。3番目に意味や解釈ということで、もう少し広げて、作品も含めて、単語の意味や言外の意味や、一体何を言おうとしているのかということ、それから、作品の解釈も含めて、そういうところに何らかの連携を図っていくというような、3段階か3本柱かというようなことを試みに挙げて整理してみると、ここら辺にあった比較的たくさんの問題が割と構造化して見えやすくなるかと思いましたので。

【亀山主査】
 ありがとうございました。
 お願いします、松本委員。

【松本委員】
 基本的に、発音に関しては酒井委員と同じ考えではあるんですけれども、私自身の番組では、アジアの英語をどんどん取り上げたりオーストラリアの英語を取り上げたりしていますけれども、ただ、現場で指導しないというところを断言しちゃうというのは、やっぱり英語が日本ではセカンド・ランゲージじゃなくて、まだ外国語、フォーリン・ランゲージであることを考えると、ある程度のモデルが現場では必要ですし、それから、いまだに中学に行って、「バット」とか発音しているのを見ると、これを矯正しないまま大学生になっていいのかなという個人的な葛藤も含めてあるものですから、そこまで踏み込んで指導しないこととしちゃっていいものかというのは御意見を頂ければ。

【亀山主査】
 そこは、恐らく許容するという意味でおっしゃったんだと思いますよ。ですよね。

【酒井(邦)委員】
 そうです。ですから、矯正というか、訓練というニュアンスを少し下げるような、つまり、心理的な負担を教員側に避けるような何か表現をという。

【亀山主査】
 ですね。ストレスフルになってはいけないという意味ですね。

【酒井(邦)委員】
 はい。

【亀山主査】
 では、あと10分弱で資料1全体について御意見を伺いたいなと思います。他教科との関連という視点からは、既に中村委員から意見が出ておりました。私は、スポーツ体育、この関連、あるいは美術とか芸術とか音楽とか、そういったことの関連における言語能力の向上といったところに関心があるんですけれども、皆さんの中から、何かそういった、全体に関わるお話を御指摘いただければ幸いです。
 キャンベル先生、何か補足的に。

【キャンベル主査代理】
 済みません、全然違うことを考えていまして。先ほど、私はやっぱり外国語学習は訓練以外のなにものでもないと思っていて、酒井先生にちょっと御異議を唱えようかなと思っていたんですけれども、その話はもう終わってしまったので申し訳ないです。今、その思いにひたっておりました。済みません。

【亀山主査】
 私も今、ちょっと引っ掛かりを覚えたんですよね。外国語って、あるところ、体育なんじゃないかとかいう。

【キャンベル主査代理】
 ええ。ある種、体育であり、楽器を練習するという、非常に、やっぱり反復を、反復と強制を必要とする部分がかなり大きいようにも思いますので、訓練しなくてもいいと言われた若い人たちは、大きくなったら、やっぱりそこ、できるだけ透明な、自分のものとして、ツールとして持っていくということは大きな目標ではあるとは思います。許容する心を持つということは、とっても大事だとも思いますけれども。

【亀山主査】
 ほかに何か。
 言語能力が理想的に育成されるという、そういった状況が仮に現出したとして、それが一体何なのかという、じゃ、それがどういったところに結び、多分、高校生にしても、高校生の段階でそれが完成することはあり得ないと思いますけれども、しかし、国語であれば、高校の段階でかなり高い能力を持つことになりますので、それが一体どういう意味を持つのかということについて、少し抽象的ですけれども、結論めいた部分になろうかとも思いますので、何か一言ずつ頂ければいいなと思いますが。
 どうぞ、中村委員。

【中村委員】
 済みません、たびたび。先ほどの宇治市の学校の取組を参観したときに思ったんですけれども、国語の学習でも、英語、外国語の学習活動でも、やはりそこの前段階の学級の雰囲気作りだとか人間関係形成というところを先生方が極めて留意されていて、そこなくして国語と外国語の連携もないというようなお考えには、私はクラスの様子を見て非常に実感をしました。
 そうしますと、言語能力の向上は、やはり今回、このチームで作りました学びに向かう力のあたりに位置付けられていることが、教科学習だけではなくて、学校の教育課程全体の中でしっかり、どの場面でも意識されることによって、小中高、そうした全ての校種で人間関係を作っていくという意味で、こういう形に位置付けたという意味付けを確認するとともに、それが例えば、具体的に各教科におけるアクティブ・ラーニングの実現を下支えしているんだというような位置付けも、読めば分かることではありますけれども、再確認できればと思いました。

【亀山主査】
 ほかに何かございますでしょうか。
 矢原委員、どうぞ。

【矢原委員】
 よろしいですか。失礼します。全体的なことになるかどうか分からないんですけれども、全教科、また、学校全体でというような視点で言うと、本校で実践を紹介させていただいたんですけれども、やはり言語能力を高めていくと、それぞれの教科の授業が、討論が、理科は理科で、内容が本当に高度な討論になっていくんですね。本校のようなタイプの学校は多くありますけれども、やはり本校の特色として、言語能力をトレーニングしていく。しかも、それを全ての教員が、どんな能力が付いているのかを知っているという、こういった中で理科又は社会、数学で討論や、本当に言語活動をさせていくと、本当の意味で充実しているという実感があるんです。
 一方、国語、外国語科の教員側から言っても、発信するだけではなくて、では、逆に、英語科の授業で家庭科の資料集を使ってみようという。ある意味、教科の枠を超えて、子供たち、学習者の起点からの、学習者起点のカリキュラム・マネジメントと言っていいのか分からないんですけれども、学習者の立場からのカリキュラム連携、マネジメント、こういったものも進めていく。これは大きなものになるんじゃないかなと感じました。
 以上です。

【亀山主査】
 きょうは、この資料1に基づいて、我々のこのチームの議論を締めくくろうというところだったんですが、きょう出た課題が相当にあって、これを私が主査一任という形でまとめてというのは、恐らく不可能なんじゃないかという状況だと思います。
 もし御異議がなければ、いや、もう結構だという委員もいられるかもしれませんけれども、お許しいただけるのであれば、キャンベル先生、超多忙で苦しいかもしれませんけれども、もう一回お時間をいただきたいなと思います。特に最終ページ、やっぱり具体的な連携方法についてのアイデアがまだ少ないんじゃないかなという思いもございます。ということで、もう一回会議を開く方向で考えたいと思いますが、いかがでしょうか。

【キャンベル主査代理】
 私も賛成です。このままだと、それぞれの教科のレベルでは、多分、議論を詰めることができないことが残されていると思いますので、是非。

【亀山主査】
 そうですね。主査代理からもそのような意見ですので、じゃ、きょうはここで一旦閉めて、それで、もう一回チームの会議を開かせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。私の不手際もございますので、どうぞよろしくお願いいたします。じゃ、日程調整の方を、また、よろしくお願いいたします。
 もう一度、ここで問題整理をしていただいて、それで日程調整をして、会議を開きたいと思います。よろしいでしょうか。じゃ、どうぞよろしくお願いします。事務局から何かありましたら、お願いいたします。

【平野教育改革調整官】
 失礼いたします。今、主査からお話がございましたように、次回の日程調整をさせていただいて、もう一度会合を持たせていただければと思っております。
 それから、本日、言い尽くせなかった御意見等おありだと思いますので、ペーパーによる御意見も頂戴したいと考えております。来週の5月18日ぐらいまでを目途に頂ければ、それも踏まえた上で修正案を作成していただいて、また事前に送付させていただくというようなことをさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、本日の配付資料につきましては、机上に置いていただければ、後ほど、郵送させていただきます。
 以上でございます。

【亀山主査】
 本日はありがとうございました。

―了―

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