資料2 幼稚園、小学校、中学校の教育課程等に関する論点(案)

平成27年4月28日
教育課程企画特別部会

育成すべき資質・能力と幼児教育、義務教育の充実・改善等について

○ これからの時代を、自立した人間として多様な他者と協働しながら創造的に生きていくために必要な資質・能力をどのように捉えるか。その際、我が国の子供たちにとって今後特に重要と考えられる、何事にも主体的に取り組もうとする意欲や多様性を尊重する態度、他者と協働するためのリーダーシップやチームワーク、コミュニケーションの能力、さらには、豊かな感性や優しさ、思いやりなどの豊かな人間性の育成との関係をどのように考えるか。また、それらの育成すべき資質・能力と、各教科等の役割や相互の関係はどのように構造化されるべきか。

○ 育成すべき資質・能力を確実に育むための学習・指導方法はどうあるべきか。その際、特に、現行学習指導要領で示されている言語活動や探究的な学習活動、社会とのつながりをより意識した体験的な活動等の成果や、ICTを活用した指導の現状等を踏まえつつ、今後の「アクティブ・ラーニング」の具体的な在り方についてどのように考えるか。また、そうした学びを充実させていくため、学習指導要領等において学習・指導方法をどのように教育内容と関連付けて示していくべきか。

○ 育成すべき資質・能力を子供たちに確実に育む観点から、学習評価の在り方についてどのような改善が必要か。その際、特に、「アクティブ・ラーニング」等のプロセスを通じて表れる子供たちの学習成果をどのような方法で把握し、評価していくことができるか。

  • ⇒ 幼稚園、小学校、中学校を通じて、またそれぞれの学校段階で育成すべき資質・能力について、どのように考えるか。
  • ⇒ 育成すべき資質・能力(個別の知識や技能、教科等の本質に根ざした見方や考え方等、情意的な力や態度等)を育むためには、各教科等において、又は教科等横断的にどのような学びを重視すべきか。
  • ⇒ 求められる資質・能力を育むため、教育目標・内容と学習・指導方法、学習評価等の在り方を一体として捉えた際、改善事項としてどのような点が挙げられるか。

グローバル化する社会の中で求められる資質・能力や、外国語教育の充実について

○ グローバル化する社会の中で、言語や文化が異なる人々と主体的に協働していくことができるよう、外国語で躊躇せず意見を述べ他者と交流していくために必要な力や、我が国の伝統文化に関する深い理解、他文化への理解等をどのように育んでいくべきか。

 特に、国際共通語である英語の能力について、文部科学省が設置した「英語教育の在り方に関する有識者会議」の報告書においてまとめられた提言も踏まえつつ、例えば以下のような点についてどのように考えるべきか。

  • 小学校から高等学校までを通じて達成を目指すべき教育目標を、「英語を使って何ができるようになるか」という観点から、四技能に係る一貫した具体的な指標の形式で示すこと
  • 小学校では、中学年から外国語活動を開始し音声に慣れ親しませるとともに、高学年では、学習の系統性を持たせる観点から教科として行い、身近で簡単なことについて互いの考えや気持ちを伝え合う能力を養うこと
  • 中学校では、授業は英語で行うことを基本とし、身近な話題について互いの考えや気持ちを伝え合う能力を高めること
  • ⇒ 小学校の外国語活動(平成23年度から導入)や、英語教育強化事業等の先進的な取り組みの成果と課題を踏まえ、小学校における外国語活動の導入時期や、系統的な教科学習の実施、授業時数の在り方等についてどのように考えるか。また、中学校の英語教育の改善についてどのように考えるか。
  • ⇒ 外国語教育の充実にあたり、必要となる教材、教員の養成・研修、学校全体での支援体制などについて、どのような条件整備が必要となるか。

幼児教育の充実、小学校教育との円滑な接続等について

○ 子供の発達の早期化をめぐる現象や指摘及び幼児教育の特性等を踏まえ、幼児教育と小学校教育をより円滑に接続させていくためには、どのような見直しが必要か。

  • ⇒ 子供の発達や学びの連続性を踏まえ、また、幼児期において、感情のコントロール、粘り強さ等の非認知的能力を育むことが重要であると指摘されていることを踏まえ、例えば、幼児期の終わりまでに育って欲しい姿の明確化や、それを受けた小学校の各教科等における学びとの関係性を整理する必要があるのではないか。(その際、教科等学習の単純な前倒しとならないよう留意が必要ではないか。)
  • ⇒ 教育目標・内容と指導方法、評価の在り方を一体として捉えた際に、発達の段階なども留意しつつ、評価に関する改善事項として、どのような点が挙げられるか。
  • ⇒ 幼児教育と小学校教育の円滑な接続を図るために、教材の開発・普及や教員の資質・能力の改善等の観点から、どのような支援が求められるか。
  • ⇒ 平成27年度から子ども・子育て支援新制度が施行された現状において、幼稚園のみならず、幼児期の教育等を支える保育所、認定こども園を含め、幼児教育全体の質の向上を図っていくことが必要ではないか。

体力の向上や健康の維持等について

○ 子供の体力等の現状を踏まえつつ、2020年の東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会開催を契機に、子供たちの運動・スポーツに対する関心や意欲の向上を図るとともに、体育・健康に関する指導を充実させ、運動する習慣を身に付け、健康を増進し、豊かな生活を送るための基礎を培うためには、どのような見直しが必要か。

  • ⇒ 学校体育・保健を通じて育成すべき資質・能力について、どのように考えるか。また、その育成のためにどのような充実を図っていくべきか。
  • ⇒ 東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年をゴールではなく出発点と捉え、スポーツへの関心や意欲の向上のみならず、努力の尊さやフェアプレーの精神、思いやりやボランティア精神、多様性を尊重する態度などを、大会のレガシーとして子供たちの中にしっかりと根付かせていくための学習指導要領の在り方について、どのように考えるか。
  • ⇒ 運動部を含む部活動の位置づけについてどのように考えるか。

(参考)部活動の在り方については、中教審初等中等教育分科会に設置されている「チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会」において、

  • 学校外からの部活動指導者や部活動顧問の学校への派遣や
  • 部活動顧問の指導力向上のための研修

などについて、具体的な取組を教育委員会から発表いただき、指導体制など部活動の一層の改善・充実のための方策の議論を行っているところ。

特別支援教育の充実等について

○ 障害者の権利に関する条約に掲げられたインクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、全ての学校において、発達障害を含めた障害のある子供たちに対する特別支援教育を着実に進めていくためには、どのような見直しが必要か。
 その際、特別支援学校については、小・中・高等学校等に準じた改善を図るとともに、自立と社会参加を一層推進する観点から、自立活動の充実や知的障害のある児童生徒のための各教科の改善などについて、どのように考えるべきか。

  • ⇒ 全ての学校・学級に発達障害を含めた障害のある子供たちが在籍する可能性があることを前提として、一人一人の教育的ニーズを把握し、個々の障害の状態等に応じた適切な指導を行うためには、どのようなことが考えられるか。
  • ⇒ 「共生社会」の実現に向け、交流及び共同学習などを通じて障害者への理解や多様性への理解を推進していくためには、どのようなことが考えられるか。
  • ⇒ 近年、特別支援学校、特別支援学級及び通級による指導対象の子供たちが増加傾向にあることを踏まえ、特別支援学校学習指導要領についてはどのような改善が必要か。

社会の要請等を踏まえた教科横断的な学びの充実や、地域との連携等について

○ 社会の要請等を踏まえ、教科等を横断した幅広い視点からの取組が求められる様々な分野の教育の充実のための方策について、関係する会議等におけるこれまでの議論の状況等を踏まえつつ、どのように考えるべきか。

○ 各教科等の教育目標や内容を、初等中等教育を通じて一貫した観点からより効果的に示すためにどのような方策が考えられるか。また、学年間や学校種間の教育課程の接続の改善を図ることについて、現在中央教育審議会で御議論いただいている小中一貫教育に関する検討状況も踏まえつつ、どのように考えるべきか。

○ 学校と家庭や地域の連携強化について、どのように考えるべきか。

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