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教育課程部会 教育課程企画特別部会(第7回) 議事録

1.日時

平成27年5月12日(火曜日) 10時00分~12時30分

2.場所

旧文部省庁舎 6階 第2講堂

東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 高等学校の教育課程等に関して改革が必要な事項について(意見交換)
  2. その他

4.議事録

【羽入主査】  おはようございます。それでは,定刻になりましたので,ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会教育課程企画特別部会の第7回を開催させていただきます。本日は,お忙しい中お集まりいただきまして,誠にありがとうございます。
まず最初に,事務局から配付資料等について確認をお願いいたします。よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。本日は議事次第に掲載しておりますとおり,資料1から資料5,それから,本日,山口委員から前回御発言の補足として御提出いただいております資料6及び参考資料を配付させていただいておりますので,御不足等ございましたら,事務局までお申し付けください。
【羽入主査】  ありがとうございます。
それでは,本日の議事ですが,高等学校の教育課程に関して改革が必要な事項についての意見交換ということでございます。今回と次回,2回にわたってこの意見交換を行いたいと思います。まず事務局から資料に基づいて説明を頂きまして,その後に自由討議を行いたいと思います。
本日,報道関係者等から会議の録音の希望がございます。これを許可しておりますので,御承知おきください。
それでは,事務局から御説明をお願いします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。お手元資料1,それから,資料2-1をごらんいただければと存じます。資料1ですが,本日御議論いただきます高等学校の教育課程等に関する論点を諮問に基づきましてまとめさせていただいたものでございます。
一つ目,育成すべき資質・能力と高等学校教育の充実・改善等について。これにつきましては,前回幼児教育,義務教育の際に御議論いただきましたポイントと同じことになりますけれども,高等学校段階で育成すべき資質・能力についてどのように考えるか,特に前回部会におきましても,高等学校を卒業する18歳の段階で付けておくべき力がどのようなものなのかという見通しを持った上でカリキュラム全体を考えていく必要があるのではないかというような御意見を頂いたところでございます。
これからの時代,新しい時代に求められる資質・能力と致しましては,例えば他者と協働して異なる価値を統合していける人,根拠などを明確に説明できる人,人間同士の関係を重視し調整していける人,グローバルな課題,地域課題双方を関連付けて解決に向けて努力していけるような人,そういったような御意見もこれまで頂いたようなところでございますけれども,そういったことを踏まえまして,高等学校段階,18歳の段階で育成しておくべき資質・能力について本日御意見を頂ければと思っております。
それから,二つ目でございます。そうした育成すべき資質・能力を踏まえた教科・科目等構成や内容の在り方等について。一つ目で御議論いただきました資質・能力のようなことを踏まえた上で,これからの教科・科目構成は高等学校においてはどのようにあるべきか。
諮問の内容になりますけれども,高等学校教育につきましては,中教審における高大接続改革に関する議論やこれまでに関連する答申なども踏まえつつ,以下のような課題についてどのように改善を図るべきかということで,今後,国民投票の投票権年齢が満18歳以上となること,選挙権年齢についても同様の引き下げが検討されていることなども踏まえまして,国家社会の責任ある形成者として必要な力を実践的に身に付けていくために必要な新たな科目の在り方,それから,地歴科の見直しの在り方,より高度な思考力・判断力・表現力等を育成するための新たな科目等の在り方,より探究的な学習活動を重視する視点からの総合的な学習の時間の改善の在り方,社会的要請を踏まえた専門学科のカリキュラムの在り方など職業教育の充実の在り方,義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るための教科・科目の在り方などが考えられるところでございます。
また,前回は小学校を中心に英語教育の御議論をいただきましたけれども,高等学校におきましても,まずは小学校から高等学校までを通じて英語教育の充実を,英語を使って何ができるようになるかという観点からどのように図っていくべきか。また,高等学校では,幅広い話題について発表,討論,交渉などを行う能力を高めるためにはどのような改善が求められるかといった視点でございます。また,運動,スポーツに関しましても,小中学校,幼児教育と同様に御議論をいただければと考えております。
特別支援教育の充実につきましても,柱立て自体は前回と同様でございますけれども,全ての学校が急に発達障害を含めた子供たちが在籍する可能性があることを前提として,どのような対応を考えていくべきかということでございます。
また最後の,社会の要請等を踏まえた教科横断的な学びの充実や,地域との連携等についても,同様に御議論をいただければと考えております。
それでは,この背景となりますデータでございますけれども,資料2-1をごらんいただければと思います。資料2-1ですが,高等学校の教育課程等に関連する資料ということで関係データをまとめさせていただいております。
1枚おめくりいただきますと,高等学校等への進学率・在籍者数ということで,進学率は昭和49年に90%を超えて以降緩やかに増加しているという状況でございます。課程別の在学者数,学科別在学者数は,スライド3のとおりとなっております。また定通課程の生徒数・学校数ということもスライド4のとおりとなっておりまして,通信制の増が見られるところでございます。これらの数字につきましてはスライド5,スライド6も御参照いただければと思います。
それから次が,高等学校の教育課程に関する法制ということです。これらにつきましては,これまで義務教育までに御議論いただいたことと同様ですけれども,スライド9をごらんいただきますように,下のところですが,学校教育法に,高等学校は,中学校における教育の基礎の上に,心身の発達及び進路に応じて,高度な普通教育及び専門教育を施すということで,こうした目的の下,教育目標でございますけれども,51条の1,2,3とこういった形に法令上規定されているところでございます。
スライド11からが学習指導要領の構成になります。スライド12が,高等学校に係る近年の主な制度改正になります。平成6年に総合学科の導入,11年に中高一貫教育制度の導入,また27年,新しく遠隔教育制度の導入ということで,これはまた後ほど御説明をさせていただきます。
高等学校の教育課程につきましては,実施状況調査につきましてはこれから実施するということで,これは前回の古い旧教育課程の調査となりますけれども,平成17年の結果のポイントを付けさせていただいております。前回調査との比較の中には,国語の古典に関する課題,また一方で英語の聞くことに関しては上昇しているというような結果が見られたところでございます。
教科別にはスライド16をごらんいただければと思います。スライド16,例えば国語におきましては,理由や根拠を基に自分の考えを記述する問題で無回答が多いというような課題とか,公民のところで,自己の体験や自己の生きる課題と関連付けて考察させることに課題が見られるということとか,理科のところでございますけれども,実験結果を基に考察したり,グラフに表現したりすることに課題があるといったような結果が出ているところでございます。
スライド17,家庭での学習になります。学力中上位層においてそういった時間の減少が著しいというようなデータもあるところでございます。
スライド18,19は,既にごらんいただいていますけれども,20につきましても,若者層の投票率,20代の投票率は例えば60代の投票率の半分以下であるというようなことで,社会参画に関する意識の課題ということが見えるわけであります。
スライド21は卒業後の進路になります。短大・大学進学率は50%を超えているというような状況でありますけれども,それぞれ細かく見ていきますと,スライド22,23,24にありますような,それぞれの進学進路の違いということが見えてくるわけでございます。
また,スライド25でありますけれども,卒業後,進学も就職もしていない者の状況ということで,高校卒業後,進学も就職もしていない者の割合は普通科において高いということが見えております。
またスライド26,次ページですけれども,就職を希望する生徒の約半数近くが自分に合っているものが分からない,やりたいことが見付からない,分からないと考えているというデータもございます。キャリア教育に関しましては,体験的な学習機会ということにつきましてはスライド27,また若年層就労者の意識ということではスライド28のようなデータもございます。
スライド29は,高等学校の指導の状況です。例題を解いたり,丁寧に説明したりということについては先生方の意識も高いわけですけれども,生徒に自分の意見を発表させたり,問題解決中心の授業に転換を図るということについてはまだまだ課題があるという状況でございます。スライド30につきましても,ここでは,教師からの説明の時間が長いということ,一方で成績上位校ほど教諭主導の講義形式の授業の比重が高いということが見えてきております。スライド31は,課題研究等を行わせている高校の方が論理的な思考力を問うペーパーテストの平均通過率が高いというデータもございます。
スライド32からが高校の必修単位数の推移,それから,スライド33が教科・科目構成になります。教科・科目構成につきましては,お手元の資料2-2になりますけれども,これまで昭和23年実施から35年告示を経て現在に至るまでの教科・科目の高等学校における変遷ということで表にさせていただいております。科目の構成と致しまして大きく変わったのは,平成6年の社会科が地歴科と公民科に分かれたということでございます。科目の変遷につきましては,それぞれごらんのとおりの変遷をたどってきておるというところでございます。
恐縮ですが,資料2-1に戻っていただきまして1枚おめくりいただきますと,教育課程の現在の編成状況,履修単位数の設定状況等,それから,下の方が学校設定科目の設定状況,外部人材の活用状況がごらんのとおりでございます。
また,諮問にもございますけれども,義務教育段階での学習内容の確実な定着ということでは,36ページのとおり,そういった内容の定着を図るための指導を実施した教科・科目につきまして,ごらんのとおりとなっております。全日制の普通科のところでは国語が31.5%,また例えば定時制の普通科の数学におきましては53.3%が標準単位数を超えて増加して配当しているというふうな状況がございます。
それから,各教科・科目の開講状況につきまして,スライド37からスライド40までそれぞれの科目の開講状況はごらんのとおりというふうになっております。
それから,総合的な学習の時間の実施状況ということで,学年別の実施状況,単位の設定状況が41,それから,内容は,ほとんどキャリア教育が行われておりますけれども,総合的な学習の時間の実施状況がスライド42となっております。
また,スーパーサイエンスハイスクール,スーパーグローバルハイスクールについての概要がスライド43と44ですけれども,それぞれのテーマに応じた課題研究を中心とした教育課程とか,体験的・問題解決的な学習が展開されている状況でございます。
それから,スライド45が,これは前回改訂の際の答申における指摘ということで,ある意味前回改訂時に持ち越しとなっている課題になるわけです。生徒の学習意欲を高め,学力水準を確保することが大きな課題であり,必要とされる方策について引き続き検討すること,それから,特に地理・歴史に関する総合的な科目の設置について,具体的なありようについて今後検討することなどが今後の検討課題とされておりましたところでございます。
おめくりいただきまして,スライド46が,中教審高等学校教育部会の方で平成26年6月におまとめいただいた審議のまとめの概要になります。スライド47にございますように,高校教育としての共通性を確保するとともに,多様な学習ニーズへのきめ細やかな対応が必要だということで,共通性の確保,多様性の対応ということからそれぞれ提言がされております。
共通性の確保につきましては,その隣のページに達成度テスト(基礎レベル)というようなこともございますけれども,これはお手元の,恐縮ですが,資料5がございます。資料5の補足資料をごらんいただきますと,スライド13になりますが,同じく高校教育部会におきまして打ち出されました,全ての生徒に共通に身に付ける資質・能力「コア」についての基本的考え方ということで,こうした資質・能力を全ての生徒が身に付けるということで充実を図っていくべきではないかという御提言を頂いたところでございます。また一方で多様化への対応ということで,キャリア教育・職業教育の一層の充実,優れた才能や個性を伸ばす学習機会の提供ということも提言をされたところでございます。
資料2-1にお戻りいただきまして,スライド48がそれぞれの具体的な施策となっているところでございます。
駆け足で恐縮ですけれども,1枚おめくりいただきまして,先ほど少し触れさせていただきました高校の遠隔教育について触れさせていただきます。スライド50になります。少子高齢化に伴いまして,特に離島や過疎地などにおきまして教員を十分に確保できないということとか,またより一層多様かつ高度な学習機会を確保していく必要があるのではないか,また様々な状況にある子供たちのためにきめ細かい対応が必要ではないかということで,現行制度におきまして全日制,定時制課程においては原則不可となっておりました遠隔教育について改革をするということです。
下の図をごらんいただきますと,改革案ということでありますけれども,これがもう実際制度化されております。配信側の教員,例えば担当教科の免許保持者かつ受信側高校に属する教員であって,受信側におきましては,当該高校の教員が立ち会っておれば,こういったイメージでの遠隔教育も実施できるということにされてきているところでございます。
駆け足で恐縮ですけれども,スライド52が,平成23年にまとめられました,キャリア教育・職業教育の在り方についてということでの答申でございます。おめくりいただきますと,スライド54にそれぞれのポイントということでありますけれども,例えば普通科におけるキャリア教育の充実とか,専門学科における更なる職業教育の充実,例えばキャリア教育の中核となる教科の明確化などの検討などが提言をされたところでございます。
スライド55は,高大接続答申になります。スライド56を見ていただきますと,高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜の一体的改革ということで,新しい仕組みによって,高校教育を通じて努力した積み重ねを大学選抜においてしっかりと受け止めて評価し,大学教育や社会生活を通じて花開かせるということで,それぞれ高校教育,大学教育,入学者選抜についてごらんのような改革を図るということにされているところでございます。
スライド59につきましては,学力評価のための新たなテストということです。生徒自身が,高校教育における学習の達成度の把握及び自らの学力を客観的に提示することができるようにすることを目的と致しました基礎学力テスト,また,大学入学希望者が大学教育を受けるために必要な能力について把握するという大学入学希望者学力評価テストが提言されているところでございます。これにつきましては,既に1月にスライド60のとおり,高大接続改革プランということで大臣決定で公表されておりまして,それに向けた工程表もスライド61のとおり,現在この企画特別部会における議会と同時並行で高大接続システム改革会議というようなところで議論をされているところでございます。
資料の説明は以上になりますけれども,本日は,お戻りいただきまして,資料1にございます高等学校教育の教育課程に関する論点について御議論をいただければと存じております。ありがとうございます。
【羽入主査】  ありがとうございました。
それでは,意見交換の時間に移りたいと思います。今までのように御意見のある方は札を立てていただきたいと思います。それで,関連する御意見がある場合には,札が立った順番をちょっと変えて,関連する御意見を先に伺うというようにしたいと思います。
では,山脇委員,髙木委員の順でまずお願いします。
【山脇委員】  済みません,きょうの高等学校の教育課程の議論に入る前に一言申し上げたいことがあります。この特別部会で話し合うべきではないということは重々承知なんですが,今報道されておりますように,財務省が小中学校の教員を10年間の間に4万2,000人削減できるのではないかという試案を出しまして,そちらの方向へ持っていこうというような報道をされております。
ここでこの間まで小中学校のアクティブラーニングとか英語教育などのことを話し合われておりましたけれども,これは教員の確保・拡充ということが基本的にありましてできることだと思っております。前回も松川委員からのお話がありましたが,今,社会の要請ばかり多くなっていて先生方の負担が非常に増している状況で,まだ教員の削減をしようという動きがあることに対して,この部会でどれだけの力があるかは分かりませんが,一言声を上げておくべきではないかと。つまり,ソフトを充実するためには,先生方がどれだけ大切かということを声を上げておくべきではないかと思いまして,きょうの議論とは関係ありませんが,申し上げたいと思いました。
【羽入主査】  ありがとうございます。
髙木委員は?
【髙木委員】  関連じゃないです。
羽入主査】  関連じゃないですか。
今の御意見に対して,委員の方々から何か御意見がありましたら。
では,渡瀬委員,どうぞ。
【渡瀬委員】  教員と児童生徒の割合を保つように児童生徒が減った分教員を減らすというふうな仕組みでは学校は回らないんです。実際に私どもは学校の中でいろいろなことをやっていて,児童が減った分教員を減らせるかというとそれはそうではないので,その辺りをやっぱり考えていただきたいなと思います。
【羽入主査】  ありがとうございます。
今のに関連して。荒瀬委員,関連ですか。お願いします。
【荒瀬委員】  ありがとうございます。今,山脇委員のおっしゃったことについては,本当にありがたく承りました。実際にアクティブラーニング含めていろいろなことを今後高等学校で進めていこうとするときに,高校の教員は相当戦々恐々となっています。現状にも様々な課題がある中で,更に加えて新たな学びをどうしたら展開できるのかという点で,やはり人の充実は非常に重要です。もちろん数だけで解決できない部分もありますが,数なしでは解決できないこともたくさんありますので,是非今の点は取り上げていただきたいと思っております。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,清水委員。どうぞ。
【清水委員】  今の,人のことにつきましては大賛成です。現場そのもので見ていきますと,人が全く足りていないというのが現状です。全ての教育活動を充実させるためには,教員一人一人の力を結集させて,やはり多くの人間で培っていく必要があると考えますので,是非そういった御意見を上げていただけると助かります。
【羽入主査】  ありがとうございます。
今村委員,どうぞ。
【今村委員】  私も全く賛成でございます。高校という場所は既に習熟度別の場所になっていて,学力輪切りの状態に,いい意味で同じような傾向を持った生徒が学校別に在籍している状態を生かして社会の要請により応えていけるようにするには,先生方の専門性と,特に課題を抱えた生徒がたくさん在籍する学校に対しては,たくさんのサポートスタッフをするような役割を持った先生方,また役割のないバッファ人材のような先生方もたくさんいることで初めてクリエイティブな活動が実行していけるのではないかと思いますので,私も賛成させていただきます。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,平川委員,それから,小川委員,上田委員。
【平川委員】  山脇委員,本当にありがとうございます。現場としては,特別支援という観点でももう是非人は増やしてほしいというか,必要です。OECD諸国と比較してみても,私も留学あっせん会社を経営しておりましたけれども,こんなに一クラスの多い国はありません。40人,ありません。欧米は大体15人から25人ですから,そうすると特別支援という観点でもきっちりと見ていけるんですけれども,40人もいますとやっぱり見られません。それから,私どもが子供のときと比べまして,相当様々な特別な支援を要するお子さんが通常の一般のクラスにいますので,そういう観点でも是非いろいろ御配慮いただければなと思っております。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,小川委員,どうぞ。
【小川委員】  小学校の立場から,本当に心強い意見を頂いたように思います。学校に寄せられる期待は年々いろいろなところで大きくなってきて,また様々な危機管理も求められ,ちょっとした学校側の対応のまずさなどに対してもバッシングを受けます。そういったことも含めて,管理職を含め学校現場は日々,子供たちの安全・安心には非常に心を配っています。
やはりそういった中で人的な確保というのは,学校の安心・安全につながってくると思います。本校でも1年生でエピペンが必要な子が27人のクラスの中にも二人いたり,6年生にもいたりします。また難病を抱えているようなお子さんなどでも,今は保護者の御希望があれば,当然のことなのですけれども,学校でみんなと一緒に学習をするという,そういう保証がされる中で,エピペンの関係でいうと,給食の時間に担任一人の目ではとても見られませんから,給食のアレルギーのことがあるので,本校では,教頭も養護教諭も先に給食を食べて,そこのクラスに特別に張り付いている。
そういうときに職員室の方に緊急の対応が必要になったときに,じゃ,誰が対応するのかと。そういったような,本当に学校によって課題は様々なのかと思いますが,日々大変多忙な状況にあっては,人員の確保というのはとても大きいと思います。質的な向上ももちろん求められて,それは学校としてもやっていかなければいけないと思いますが,そういった意味で是非確保について進めていただきたいと思います。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,上田委員,山口委員。
【上田委員】  山脇委員,貴重な御提言ありがとうございます。限られた財政を何に振り分けるかということは,国の将来をどう設計することと全く関わって,非常に本質的な問題です。日本の将来は何にかかっているかというと,今,急激に減少しつつある子供たちの未来にかかっているわけです。ですから,そこに重点的に投資するというのは当然のことで,少なくともやっぱりOECDの標準的なレベルにまで今投資しないと,日本の将来は暗いのではないかと思います。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,山口委員,お願いします。
【山口委員】  大学の立場からなんですけれども,今,学校の先生に対する風当たりとか,現場の先生方は本当に一生懸命頑張っていると思うんですけれども,何かあるとやはり学校が悪いとか,先生が能力がないというふうにバッシングを受けたり,親御さんからの風当たりも強いということで,まず大学生,教員養成の場からいうと,目指す子たちがやっぱりだんだん減ってきているんじゃないかと思います。
また,ああいった報道が出ると,今現状でも教員採用の現場って非常に厳しくて,なかなか本当に狭き門なんです。採用自体が少ないですから。そういう報道が出て,更に狭くなっていくということになると,優秀な人材が教員を目指さなくなっていくんじゃないかと思うんです。それはどんなにこういうソフト面を検討しても,そもそも人材を輩出できなくなっていくということになっていくので,やはりこの部分は非常に重く受け止めて検討していただきたいなと思います。
【羽入主査】  ありがとうございます。
品川委員,どうぞ。
【品川委員】  ありがとうございます。私も山脇先生と全く同感で,これは多分我々だけではなくて,国民の多くが内心では考えていることではないかと思っております。私は長年社会不適応を起こす若者たちを取材しておりますが,不適応を起こしてしまうとなかなか社会参加できるようにならず,それにより本人や家族がしんどい思いをするのはもちろんですが,国レベルでみても税収が減ったり社会保障費が増えたりしていきます。かように社会不適応の観点から言いましても,将来の社会保障費を下げるという観点から言いましても,個々のニーズに応じた適切で細やかな教育を行うことは先行投資になり,そのためには当然先生の人数が必要です。そういったことを,この委員会だけではなく,文科省を挙げて伝え,世論を巻き込んでいく必要があります。生徒40人に教師は1人だから減らしてもいいという財務省的な論理がまかり通ることが,結果的には子どもの不利益,ひいては国全体の不利益に直結するということを常々危惧しています。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
ほかの方々でこの件について御発言ありましたら是非伺いたいと思いますが,いかがでしょうか。
【油井委員】  別な点でもよろしいですか。
【羽入主査】  これに関しては非常に本質的な問題であり,また,直接ここでの話題ではないにしても,ここで議論することがどのような形で実現されるかということを考えたときに極めて重要なことだと私は認識いたしました。したがいまして,もし賛同いただけましたら,この件は主査が預からせていただき,また事務局とも御相談させていただきながら,どのような形でこれをここでの議論を実現するための環境整備として訴えていくかということを考えてまいりたいと思いますが,山脇委員,それでよろしいでしょうか。
【山脇委員】  賛成です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
それでは,これは非常に重要なことであるという認識の下に新たな議論を進めさせていただきたいと思います。
髙木委員,大変お待たせいたしました。よろしくお願いします。
【髙木委員】  今の山脇委員のことも私,大変賛成で,是非お願いしたいと思います。話がそこで終わっていますので,この件に関しては思いも今言おうと思いましたが,一旦控えます。
きょうの高等学校の教育課程に関する論点案,資料1の育成すべき資質・能力と高等学校教育の充実・改善等についての上から三つ目の丸について意見を申し述べます。現在,高等学校では,大学受験の際に大学入学者選抜実施要綱にのっとって調査書を作成しております。そこでは実は評定平均値を書く欄がございまして,これは昭和30年代から今日に至るまで変わっておりません。この評定平均値を書くことによって,今日の高等学校における目標準拠評価を行うことの妨げになっている。要するに,平均点を出していくとか,それから,A,B,C,Dの段階で学校内でのランク付けを行ったりしておりまして,これは集団の中の位置付けを示す評価であります。それは目標準拠評価の趣旨とは全く合っていないわけで,大学入学者選抜実施要綱,これがもう既に時代に合わなくなってきている。是非見直しをお願いして,評定平均値の再検討をしない限り,今日行っている新しい高等学校の教育課程に際するものに対しても,結局はそこへ戻っていってしまって新しい形の高等学校教育が私は実現不可能だと思いますので,この検討をお願いしたいと思います。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,油井先生。
【油井委員】  私も大学入試との関係について一言発言させていただきたいと思います。これまでのこの会議でも多くの先生方が,高校におけるアクティブラーニングの導入が一番難しいと。それはやはり大学入試で細かい知識の暗記力を問うような試験がずっと続いているということで,大学入試改革と高校教育の改革は車の両輪でセットにしてやらないと進まないというのはよく指摘されていると思います。
問題は一方で大学入試改革が今,具体的に検討されているので,それとのリンケージが必要だと思うんですが,一つ御議論いただきたいと思うのは,具体的に名前を挙げて申し訳ないんですけれども,京都の堀川高校での実践で,要するに,卒業レポートのようなものを生徒に書かせて,それはある意味ではアクティブラーニングの非常に先取りだと思うんですけれども,その結果として,大学入試の成果も上がったと。つまり,アクティブラーニング的なものを導入すると大学入試にとっても効果があるということが証明されるということがとても重要だと思うんです。
私もいろいろな先生に伺ったら,あれは堀川高校だからできるんだというようなことを言われる方も多々いらっしゃいましたけれども,何とかこの卒業レポートを全国化できないかと。少なくとも進学校,大学進学を目指すような子供たちに卒業レポートを課して,今,一方で個別大学の入試の多様化が求められていますので,その多様化の中に卒業レポートというようなものも判定基準を入れる。時間的に余裕があれば,面接の中で生徒がプレゼンテーションをするというようなことで多面的な能力を見ていくというような方式が何とかとれないかということを考えるんです。
だから,二つ障害があって,卒業レポートを全国化するということがどういう困難を伴うのかというのが一つと,それから,個別大学がそういうものを受け入れるかどうかという二つの困難があるんですけれども,やっぱり目指すべき方向,つまり,アクティブラーニングを高校に導入しようというのであれば,大学入試に卒業レポートみたいなものをきちっと評価するというようなシステムが出来上がっていくと随分状況は変わるんじゃないかと思いました。以上であります。
【羽入主査】  ありがとうございます。
ただいまの二つの御発言に関係する……,では,荒瀬委員,上田委員。
【荒瀬委員】  ありがとうございます。油井先生におっしゃっていただいたのは大変ありがたいんですけれども,私が高等学校の先生方に申し上げていますのは,少なくとも総合的な学習の時間を真剣にやって,大変な負担,労力を生徒にも強いてやっていても,大学進学に悪い影響は多分出ませんよということです。
油井先生は,やったから合格するというふうにおっしゃってくださいました。それは本当に大変ありがたいんですが,また,私たちもそういうふうには内輪では申しておりましたが,しかし,実際のところ,そこのところは証明ができないですので,やらなかった場合とやった場合がどうなのかという比較ができませんので,少なくともやっていてもあんまり邪魔にはなっていないから,ならば,大学行ってから卒業生たちが大学の学びにスムーズに移行できているということを考えると,やった方がいいのではないかということを申しているような次第です。
それと,全国に広げるということですが,卒業レポートとおっしゃいましたが,実は卒業レポートじゃなく,2年生の段階で書く個人研究のレポートですけれども,これはやっぱり総合的な学習の時間をどのように扱っていくのかということと深く関わっていますので,一律的に広めていくということができるかどうかというのはなかなか難しいところがあると思います。
ただ,よく誤解されますので申し上げておきますと,堀川高校の生徒というのはいわゆる偏差値的に高い生徒だからそのような活動ができるのだ,という見方がありますが,それは違うと思います。偏差値的に高い生徒ばかりでないということも言えるのですが,必ずしも偏差値に関係しないというのが実感です。興味関心というのは必ず生徒の内にありますので,それが引き出せるようなきっかけを作ることができれば,生徒は本当に自ら学んでいこうとすることができます。何かきれいごとのようですけれども,このきれいごとは実際にあるということは,これは間違いないと思っております。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,上田委員は関連して?
【上田委員】  アクティブラーニングは私もすごく重要だと思っています。先ほど紹介がありました高校生の進路に関する意識調査で,自分に合ったものが分からない,やりたいことが見付からない,分からないというのは,アクティブに何かを学んだ経験がない限り,そういうものはなかなか見付からないです。今,高校生はどうなのかというと,例えば大学入試との関連でいうと,マークシートの試験に対応するために一生懸命勉強するわけです。そういうことばかりをやっていると自分がやりたいことが見付からないというのは大変納得できる気がします。逆に高校生になにをやりたいのかという意識を持つことは極めて重要なので,そういう意味でもアクティブにアクティブラーニングをエンハンスすることが重要です。
先ほど荒瀬委員のコメントでその効果が証明できないということなんですけれども,私自身は,高校生がアクティブに学んだこと,あるいはもっと探究的にいろいろなことを学んだことを積極的に大学側が評価するような,そういうシステムを意識的に導入することが高大接続の観点から極めて重要だと思います。ですから,証明するのではなくて,そういうシステムを実際に積極的に導入してはどうかと思います。
現在のところ,例えば53万人のセンター試験を受ける方がいます。そして,全てマークシートです。その後更に大学入試の2次試験もマークシートになっている部分が大部分なんです。高校生にとって大学に入るということが非常に切実なので,それに合わせた教育をせざるを得ない。受験生もそうですし,高校側もそれに対応せざるを得ないという,大変不幸な状況にある。
これを根本的に変えるためには,受け入れ側の大学も,アクティブラーニングあるいは探究的な学習を積極的に評価するようなシステムを導入することができれば,高大接続の観点からも非常にポジティブな方向に変わる。それによって高校生の意識も,やりたいことはこういうことだったんだということを高校でのアクティブな学びを通じて獲得することができれば,こんなすばらしいことはないと思います。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
高校,大学を関係させて,アクティブラーニングというようなキーワードで今,議論が進んでいますが,直接関係している委員の方は?
今村委員,どうぞ。
【今村委員】  私は東北でずっと中高生に対して放課後,土曜日に塾のような形でずっと指導してきました。結局,課題になるのは時間の奪い合いでして,この会議の中でも何度も出てきていましたけれども,課題研究のようなことだとか卒業レポートのようなものを課すということには全く大賛成なんですけれども,それとともに,何をしなくてもいいのかということを生徒,教員ともに選択できることができるような形にしないと,結果的には実現しないように感じています。
土曜日の活用という話が松川委員からも前回出ましたけれども,土曜日を更なる課題研究に活用したい人たちが出席したときにそこにどんな指導員が付くのかということを議論すべきということと,科目も,今の教科についても,全ての生徒が全ての科目を全て現状の学習指導要領どおりに全部総なめしなければいけないのか,それとも,何かしらのトピックを選択して,そこを中心に学習を選択できるような学習指導要領にするのか,そういったことも含めて,最終レポート,卒業レポートを書くような形は大賛成ですので,そこの部分も検討していきたいなと思います。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,天笠委員。お願いします。
【天笠主査代理】  失礼いたします。私は今,手元に,先ほど御説明いただきました資料2-1の11のスライドを開いております。それで,これに関わっての意見を一,二申し上げさせていただきたいと思います。
きょうは,高等学校の教育課程を中心にした議論という,こういうことになっているかと思いますけれども,ある意味でいうと,高等学校に教育課程は果たして存在しているのかどうなのかというふうなこういう視点からの問い掛けというのもまた検討として必要なんじゃないかと思っております。
それはどういうことかというと,先ほど御説明いただきましたように,それぞれの教科等が存在しているということ,そして,それについていろいろな形でこれまで検討が加えられたという,そういう歴史があることは,先ほどのこのA3の資料等からもよく認識しているところであるわけですけれども,それらの各教科の塊が教育課程なんだというのが,それがある意味でいうと大方の高等学校における教育課程についての認識じゃないかと思います。私もそれについてはそういう捉え方は当然あると思っておりますので,そのことを否定するということではないんです。
ただ,下手をすると,高等学校が教科の寄せ集めのようなことになってしまう,あるいは高等学校としての教育活動の一体性という,こういう視点から見たときに,その辺りをどういうふうに学校として備えるのかどうなのかということが重要なテーマなんじゃないかということです。要するに,それぞれの教科の先生がそれぞれの専門性を持ってそれぞれ御努力されているという,これがあることはある意味でいうと今の姿だと思っています。そこの例えば教科等の関連がどうなのかとか,あるいは高等学校として一体性がどうなのかとかというふうなところからの問い直しというか,見詰め直しをそれにかぶせていくというふうなことが高等学校の教育課程を考えていくときに一つのテーマになるんじゃないかと思います。
そうしたときに,高等学校の学習指導要領の構成なんですが,これは小中と基本的にはこの構成で行っているわけですけれども,総則という存在が教育課程ということと必ずしも連動し切れていないように思います。それが小学校よりも中学校,中学校より高等学校においてということになって,言うならば,総則の部分を読み飛ばしても,各教科のところを丁寧に読んで,そして,各教科で充実した教育活動をやっているんだ,授業実践をやっているんだというのが,それが高等学校の先生のお立場であるし,気質ではないかと思うんです。
学習指導要領の検討,教育課程の検討というのは,そういうお一人お一人の先生の専門性とか気質を大切にしながら,学校として全体性とか一体性とかいうのをどう作り出していくのかどうなのか,生み出していくのかどうなのかという観点からしたときに,これまでの総則以下の構成というのは,その点について検討しなければいけないところを随分残しながら現在に来ているんじゃないかと,そういうことを申し上げたいということです。
要するに,教科の束ねた部分までは高等学校の教育課程としてあるわけですけれども,それをどういうふうに一体性を確保していくとか,それらを通してという,それが先ほどの例えば学習意欲とかそういうこととおそらくつながっていく話に,あるいは育てたい資質・能力,そういう観点がそれをつなげていくということになっていくんじゃないかということはある程度見える姿なんだと思うんです。
その辺りのところで,そういう意味で改めて高等学校にとって教育課程とは,従来のような教科・科目の単位の一覧表というところを超えていくような,そういう見方がより生み出されるようなというふうなことです。ですから,今でも当然,高等学校のグランドデザインとか学校全体の経営計画とか,そういうものは現実存在し作られているわけですけれども,それがある種の先生方にとって存在感を持って実質的に機能させていくようなそういうマネジメントが開かれるような,そんな在り方というのが私は大切なんじゃないかと思っております。
そういう点では何が課題なのかというと,教科横断というのを高等学校の教育課程においてどう担保していくのか,生み出していくのかということが1点あるんじゃないかと思います。残念ながら,総合的学習の時間はそれを果たし切れてないというのがこれまでであるんだと思います。ですから,特定の学校をピックアップしてみれば果たしているところもあるわけで,先ほど挙げられた高等学校もその一つではないかと思っておりますけれども,全体として見たときに,この辺りのところに手当てすべき課題があるんではないかということが一つであります。
なお,先ほどの教員の減についてですけれども,やはり私は資料でも出させていただきましたカリキュラムマネジメントという視点からすると,こういう学習指導要領,教育課程を実施するためにはどれほどのヒト・モノ・カネが必要なのかという,そういうことというのは,カリキュラムマネジメントの私の整理の仕方だと三つ目の視点として挙げさせてもらったそれであります。ですから,ソフトは,これだけのヒト・モノと経営資源との関わりの中で動いていくものだということを今回はある意味ではっきりと出していくということも,先ほどの委員の方々からの話につながっていくところかなと思っております。以上であります。
【羽入主査】  ありがとうございます。
全体的な形での議論になってまいりました。小川委員,吉田委員,品川委員の順序でお願いします。
【小川委員】  ありがとうございます。先ほどの荒瀬委員の総合のつながりからお話しさせていただきたいと思います。小中高という,そういった発達段階で見たときに,やっぱり実社会の出口に一番近いところにある高校生が本気で総合的な学習の時間に取り組むと本当にすばらしい成果を出します。先ほど堀川の話もありましたけれども,感動的なこともあると思います。ですが反面,今の天笠先生の話の中にもありましたように,総合が機能していないような高等学校もある。そういう学校の先生方にインタビューする中で,私は教科の専門だけれども,総合というのは外付けハードディスクみたいなものだというお話を聞いたことがあります。
先ほどお配りいただいた資料2-1の18のところに,自らの参加により社会現象が変えられるかもしれないという意識が非常に低いというような,生徒の社会参画に関する意識というのが出ていましたけれども,そういった意欲の低さというか,社会に積極的に関わっていこうという力の低さの裏には,やはり実社会と関わった経験とか体験が非常に少ないのではないかと思います。
そういった点でも総合的な学習の時間というのは重要性が出てくるのかなと思いますし,また,年々全国各地で大きな成果を出している高校も出てきていますし,更なる可能性としては学力向上とか授業改善とか地域活性化といったことが考えられるのではないかなと思っております。その上で,先ほど天笠先生がおっしゃった一体化とか教科横断的というようなところで,やはり資質・能力の育成というのは今回のテーマでもありますけれども,総合的な学習の時間はそういった資質・能力の育成を図る,教育課程上の要の時間になっていけばいいのではないかなと考えております。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
それでは,吉田委員。
【吉田委員】  先ほど油井委員と荒瀬委員のお話の中の多少続きということになると思うんですけれども,先日,高校3年生に対して英語の4技能のテストをやった結果がもう惨たんたるものであるということは皆さん,いろいろな報道その他でも御存じだと思います。大体英検3級程度というような,それが高校3年生の今のレベルだというふうに言われているわけです。
何でかといったときに例えば一番大きな問題点の一つは,聞いたものをベースにして物を書くという二つ以上の技能を一緒にしたものに対しては白紙が圧倒的に多かったという,そういう状況が実際に生まれている。ということは,先ほどのアクティブラーニングという話から,ちょっと無理やりに結び付けることになるかもしれませんが,多少結び付けて考えれば,英語においてはスピーキングとライティングというのはまずアクティブな技能であって,それが全くできないということからすると,もう受け身的な技能しかできていない。だから,アクティブなものが入ってくると全くできないという状況になる。そうしますと,英語の場合ですと,やはり4技能をきちんとした形で,もちろん内容も当然ながら必要なんですが,きちんと教えていくということをやらない限り,アクティブラーニングとは結び付かないということになってくると思うんです。
随分前,8年か9年ほど前なんですが,私の方でベネッセさんと一緒に高校の調査をやったんです。当時はSELHi,スーパーイングリッシュランゲージハイスクールというのがありまして,そのスーパーイングリッシュランゲージハイスクールの先生たち三十数名と,それから,いわゆるSELHiでない学校の先生たち三十数名に対してアンケート調査をやりました。そうすると,例えば授業の中でディスカッションをやるとか,ディベートをやるとか,発表させるとかというようなことは,統計的に有意な差でSELHiの先生の方がたくさんやっていたということがはっきりしました。訳読などに関しては,SELHiでない学校の先生の方が有意にたくさんやっていたという結果が出ました。
それと並行して,SELHiと普通校で,センター試験を受けた際に果たして得点差が生まれるのかどうかというのをやってみました。これはセンター試験の模試を使ってやりました。中レベルの高校を中の上中下というふうに分けてやったわけです。最初にベネッセさんのGTEC for STUDENTSというテストを高校1年の最初に使って差のない学校同士をそれぞれ三つのレベルにまとめたんです。一方はSELHiですから,2年,3年となるに従ってどんどんアクティブなディスカッションなどをやっていく。もう一方は従来どおりの受験勉強をやる。高校3年のときにセンター試験の模試をやったんですが,結果としては,中の上位校も中位校も下位校も,SELHiの生徒の方が高い点数を取ったということが分かったわけです。
ですから,先ほどなかなか論証するものがないというふうにおっしゃって,確かにそのとおりだと思うんですが,私なんかの英語という特定の分野においては,サンプルがあんまり多くないという点は問題があるかもしれませんけれども,ある程度そういう数字的なものは出ていると思います。ですから,やはりきちんとした形でそういう調査をできる範囲でやっていく必要が私はあるかなと思います。
もう1点だけ。先ほど教科横断型の話などございましたけれども,私の知っている教員で,自分の教えている生徒が英語の教員になる際に,必ず社会科の免許も一緒に取ることを奨励している先生がいます。もちろんだからといって英語の教員になれないわけじゃないんですけれども,それは何かというと,やはり英語の教員が英語だけしか知らなかったら今後授業としては発展性がないだろうと。やはり教科横断型になりますと,他教科の先生たちとのいわゆるチームティーチングとか共同作業が非常に必要になってくるので,それは非常に難しい点です。であるならば,一人の教員の中で,言ってみれば,主専攻が英語であれば,副専攻で例えば社会科とか何かほかのものも取るようにという免許制度の改革も含めてやることによって,より英語を使って何かほかのものを勉強していく,学んでいくという体制を考える必要があるんじゃないかなと思います。
【羽入主査】  ありがとうございます。
今のお話に関連してという方を優先したいと思いますが,三宅委員,どうぞ。
【三宅委員】  済みません,久しぶりにまた声が出ないんですけれども。最初の大杉さんの説明からずっと一貫して,今,高校生のカリキュラムの一体感という話に来たところの論点の最後に,やっぱり社会の参加ということが大きく取り上げられている。これは今,国際的に見てみますと,ヨーロッパの先進国,アメリカの中堅都市でこれが非常に必要だと思われていて,様々な動きがあります。高校生の社会参加というのは今,本当に国際的な動きです。アメリカですと,デトロイトとかシカゴとかいろいろがたがたしているところですが,あそこら辺がすごく動いている。それから,ヨーロッパの中では,フィンランド,ドイツ,ルクセンブルグ,ああいうところが大きく動いております。
この人たちが今,高校のこれまでの教育の先に何をしなければいけないかというと,一つの提案として,やっぱり一体性の保ち方に,高校で取り組むべき課題の構成そのものを変えるべきなんじゃないかと。こういうものは派手な宣伝を含んでいますから,提案としては派手なんですけれども。今までは高校までのエデュケーションがあった。まあ,大学までにしましょうか。大学に進んで,そして,いい会社に入るという,エンプロイメントを成功させて,社会を支えていく。その後で,エンプロイメントの中で突出した人がアントレプレナーになったりするのがこれから社会を動かしていくんですよねという議論だったものを,高等学校,中学でもいいんですけれども,やっている最中に,むしろ頭が柔らかいから,社会で何をやっているのかというのをやって,エデュケーションアントレプレナーシップへ持っていってしまおう。高校でこういうことをやりたい。それが多分,堀川が目指していた課題研究,あるいは専門教育の中でやっている,3年生になってやっている課題研究が本来目指していたものなんじゃないか。
エデュケーションがあって,アントレプレナーシップがあって,小学校6年生用のフェイスブック作ってみたらうまくいくかというと,親が手伝ってもそうはいかないわけですね。そこでまた考え直して,大学へ行ってちゃんと勉強するかなというので専門教育を受けて,その後エンプロイメントをどうするか。中高でアントレプレナーをやってみて,成功も失敗も知っているんだから,大学,大学院博士課程を出るならば,雇用を自分で作ってねと。そういう世界にならないと,ヨーロッパなりアメリカが本当に社会を,世界をリードしていくことはできないんだという一部の強い思いがあって教育改革に取り組んでいるところがあります。このお話はやっぱり海外から日本の高校に入ってきていて,日本の高校を変えていくんじゃないかなと思っておりましたので,今,一つ御提案したかったということです。ありがとうございました。
【羽入主査】  ありがとうございます。
それでは,今のに関連して。
 市川委員,平川委員,どうぞ。
【市川委員】  先ほど英語の中でのアクティブラーニングみたいなお話もあったと思うんですけれども,二つ私もアクティブラーニングに関係しての意見を申し述べたいと思います。
一つは,最初の方で,アクティブラーニングというときに,探究的な学習なんだと。そして,それを例えば高校でも卒論というような形でやったらどうかという話がありましたが,私は一足飛びに高校でも卒論という話,それをどこでもやりましょうという話に行く前に,やっぱり教科の中で,普通の習得の授業の中でもできるアクティブラーニングをしっかり入れるということが先にあっていいのではないかと思います。
教科の中でも,例えば発表とか討論とか協働的学習とか,たくさんアクティブラーニングの機会があり得るわけですね。ところが,実際にはなかなか,理科とか社会科とか数学とかの中でそうした学習が入ってきていないのではないかと。特に高校を念頭に置いて申し上げたいんですけれども。さらに,評価のときも,レポートとかこういうことで評価していくということはやっぱり非常に少なくて,どうしても一定時間の中での定期テストの成績ということで評価されがち。これは日本の中学,高校のかなり代表的な評価の在り方ではないかと思います。
ですから,そういうところでしっかりまずアクティブラーニングを入れていく。普通の教科の中で,習得の授業の中でも入れていく。さらに,その先に探究の学習,これはまさにアクティブラーニングですから,そこに手を付けていくということはいいと思います。それを第2の問題としてなんですが,大学入試でもそういうことを評価していただけるといいんではないかと。この要望は昔からあります。
ただ,現実には,私,大学の立場からですけれども,大学の教員というのはかなり保守的なところもありまして,いざこの方向に動こうとするとかなり消極的になってしまいます。一つには,まず現実的な問題として,何千人,何万人が受けてくる中で,それぞれが持ってきた卒論を評価できるのか。なかなか評価が難しい。一つには,テーマもばらばら,それから,高校の先生の手がどれぐらい入っているのか分からないという声もよくあります。共同でやる場合もありますから,その個人の力がどれだけそこに反映されているのかも分からない。これはかなり原理的な問題です。
次に,大学の先生の方にこれを評価する力があるのか。これは自虐的に大学の先生は言っています。我々にそんなものを評価する力はとてもありませんと。しかも何千何万です。しかし,これを全く評価しないということになると,高校側としては,大学入試でも評価してくれないことに時間は割きたくないとか,ですから,どうしても総合とか卒論というようなものに対しては今度は高校側が消極的になってしまう,どうするかということだと思うんです。
一つには,例えば卒論とか,あるいは総合学習を通じて得た力というのを全部,大学入試で大学の先生に評価してくださいというのではなくて,第三者機関が評価してくれるといいと思っています。これは入試センターでも結構ですし,民間でも結構です。例えば発表力を見るためのプレゼンテーション検定とか,レポートを書く力を見るためのレポート検定とか。これは何も受験生全員じゃなくてもいいと思うんですが,自分はそういう力と付けてきた,それを何らかの形で入試でも評価してほしいというのでしたら,そういうものを受けてきて,そこでこそ専門的な評価者がきちんとしたルーブリックに基づいて評価してくれる。それを大学入試のときには結果として例えばTOEFLのようにそれを提出するというような形のサポートがあれば,大学の方もそういう力を評価する。
大学に入ればそういう力が必要なことは,これは明らかなんです。ですから,大学としては大歓迎なんですが,評価の時点でそれを全部大学に委ねるとなると消極的になってしまう。そこで使われないと高校の方も消極的になってしまうという,この一種の悪循環,それを断ち切るためにはそういう方策も考えてくれるといいのではないかと。
それから,最後,補足なんですけれども,最初に申し上げた習得の授業の中でアクティブラーニングを入れても,入試に出るのはそういうことではないからということで高校側ではやらないという先生も多いんです。そんなことをやっている暇があったら,1題でもたくさん問題集の問題をやるとおっしゃる先生もいます。ただ,先ほどからも出てくる話,これは英語の話でもありますが,アクティブラーニングを入れるということが決してペーパーテストを受ける際にも不利にはならない,場合によるとプラスになることもあるという考え方もあると思います。私はどちらかというとそれに賛成しています。
発表できるぐらい例えば社会科できちっと歴史のことをつかんだ,あるいは理科でも,自分たちのやってきた実験についてきちっと考察をして,発表して,レポートを書く。こういう力をしっかり付けていれば,おそらくペーパーテストでも相当のいい結果を出せるという気がしています。これも荒瀬先生おっしゃったように,論理的に実証するのは難しいとは思うのですが,英語の例でもおっしゃったように,できないという話ではなくて,そういうアクティブな活動を入れることがむしろプラスに働く,相乗効果になるということも研究してく必要があるかと思います。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,平川委員。関連することとして平川委員,それから,牧田委員,齋藤委員も随分前から挙げていただいていますが,平川委員,牧田委員,齋藤委員の順でお願いします。
【平川委員】  まず市川委員がおっしゃった,評価する一つの方法として,これはむしろ渡瀬先生にお伺いしたいんですが,バカロレアの第三者機関のようなそういう仕組みがやっぱり日本の方で作られないかと思っています。大学入試でかなりバカロレアの入試の方もアクセプトされ始めているので,これがもっと加速してくるとちょっと違った形になるんじゃないかなと思っております。
私,そちらの方は,出口戦略の方はよく分かりませんので,中学校から見た高校の改革ということで,特に三宅委員がおっしゃった社会の参加というようなことでお話しさせていただきたいと思います。中高とキャリア教育を非常にやっているにもかかわらず,高校がキャリア教育の「キャ」の字もないなというふうに実は感じております。
実は体験的なところで申し上げますと,前任校の市ヶ尾中学校のときに3年間キャリア教育,キャリア教育といっても,何も総合の時間に職業講話として誰かが来てバーッとしゃべって終わりとかいうことではなくて,単元の中に,世の中と結び付いた出前授業であったり何かアクティブラーニングを入れるということが,むしろ生き方教育というのがキャリア教育だと私は捉えております。
そういうことをやった女の子が一人いまして,マイケル・サンデルの白熱教室なんかにも連れていったんですけれども,彼女はすごくクリティカルな意見を持って表現できるという子だったんです。高校は県立の非常に進学校に行きまして,私のところに高1の秋頃相談に来たんです。「先生,私,鬱病になりそうです。」「どうしたの?」「市ヶ尾中学校で受けたような授業で全然ないんですよ。今,一斉授業で黒板を写経しているだけなんですよ。もうほんとに嫌です。もうほんとに鬱病になりそうです。」と言うので,「それは自ら変えなさい。校長に言ったのか。担任に言ったのか。教科の先生に言ったのか。」と言ったら,「いや,まだです。そうですね。言います。」と言って帰っていって,今元気に高3でやっています。
中学校まで単元の中で,それこそ市川委員が教科の中でアクティブラーニングとおっしゃったんですけれども,そこを中学校なんかはやっぱりキャリア教育というような観点で,まだまだかもしれませんけれども,各先生方が非常に工夫をしてくださっている。それが高校に行くとどうしても写経になってしまうんですね。そこが本当に残念だなと思っております。
キャリア教育をすると,教科横断型にもなりますし,世の中とどう結び付いているかということにも結び付いてきます。是非高校の教育課程あるいは学習指導要領の中にキャリア教育という言葉を入れていただくと。アクティブラーニングといったらもう1段ビヨンドしてしまっているというか飛んでしまって,また何訳分からないこと言っているのかというふうにおっしゃる高校の先生もいらっしゃるんじゃないかと危惧しておりまして,キャリア教育という観点で資質・能力を向上させるというふうに言った方が少し分かりやすいんじゃないかなと思っております。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,牧田委員。
【牧田委員】  先ほどから話になっているアクティブラーニングでレポートを課すということは非常にすばらしい話でして,それをまた大学がもし評価してくれるならば,そんないいことはないと思うんですけれども,今,市川委員からお話ありましたように,いかにそれを教科学習の中でもやっていくかということが大事です。前々からここの部会でもお話しさせてもらっているんですけれども,学び手は一人でありまして,教科は教科,総合は総合,この時間は先生の話をきっちり聞く,この時間は自分たちでやるというように,そう都合のいいようにはならないわけです。この先生にはこんな顔,この先生にはこんな顔なんていうことにはなりません。全体としてアクティブラーニングのような形が高校全体の中に徐々に広まっていかないと,社会に参画するというような有意義な学習をコーディネートしたとしてもなかなか難しいんじゃないかなと思います。
レポートというのは,何を置いてもメタ認知を促すという点で優れていまして,内容もさることながら,自分が何に関心があって,社会に出てどういうところに自分は向かっていくのか,もっと言うと,自分の存在意義は何なのかというところまで突き詰めて考えることができます。それは何も総合に限ったことではない。教科の中でも十分やっていけることではないかと思われます。
高校の教科の中でアクティブラーニングを入れるということにつきましては,中高接続が重要です。なかなか中高の接続というのは難しいんですけれども,福井県では県全体として中高の接続事業を進めていまして,中高の教員が集まって公開授業あるいは授業研究会を合同でやるということをここ3年ぐらいやっています。もともと,中学校の教員が高校の学習内容をよく理解することによってもうちょっと接続がうまくいくんじゃないか,中学校から高校へ入るときの断絶が少ないような形でスムーズに中高接続ができるんじゃないかというつもりで始めました。
実際に,これはこういう学習につながるということが分かるというような話は中学校の教員からは聞くんですけれども,実際始めましたら,高校の教員が中学校の授業を見てすごく勉強になったという割合がすごく高いんです。参加率も,今,5教科でしかやっていませんが,中学校から高校への授業を見たというのは,昨年度でいうと延べ人数ですが13%,ですが,高校の教員で中学校の授業を見た,授業の研究会に参加したというのが福井県内で21%と,20%を超えているんです。もっと見に行きたい,もっと学習を変えていきたい,こういうふうな形で授業をしているならば,高校でももっと授業の形態を変えていくことが可能だということをその研究会に参加した先生が感じ取って,少しずつ変えようとしています。
ただ,残念なことに,職業系の高校の先生の方がそれに飛び付いて,一番の進学校ではまだそこに踏み切れていけないという現状がございます。だからこそ,今,徐々に教科も総合で学校全体で授業を変えていくという動きは,非常に重要だと思うわけです。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,齋藤委員。
【齋藤委員】  関連か総括かちょっと分かりませんが,私,この中教審に参加させていただいて,いろいろと見る目が変わったかなと思っています。2週間前アメリカに行く機会があって,いろいろなところを飛び回ったんです。マイケル・ポーター氏などから日本経済の指摘を受けながら,アントレプレナーが少ないとか,ベンチャーがうまくいかないとか,日本の高校,大学の教育とかいろいろと議論もできて,勉強になりました。
その中で私がびっくりしたのは,アメリカの大学生,高校生の方が多かったのですが,みなさん,普通に議論に参加していました。しかも,流暢な日本語を話しているんです。話を聞けば,自分たちは日本が好きだから,日本語をマスターしたいと自ら学んで身につけたと言うんです。そのやる気といいますかモチベーションが素晴らしいと思いました。そういう高校生と世界で戦っていくとなると日本の高校生も危機感を持ってやらないとまずいなという気がしました。また,変化のスピードがすごく早くなっているので,マイナス1をゼロに持っていくキャッチアップの議論も必要だと思いますが,この場ではゼロを超えてどうプラス1に持っていくか思い切った議論がすごく大事だと思うんです。
高校教育について,ここで議論ができて私は光栄です。なぜかというと,やはり高校生だとさすがに学生と比べて選択肢が少ないと思うんです。だからこそ,大学を,あるいは社会に出ていくことを見据えて何を学んでおくべきか詰めることは大学で何を学ぶか検討するよりも重要性が高いはずです。大学入試とか日本の大学への進学について話があったんですけれども,私はもう今の時代,高校卒業後海外に挑戦できる環境を用意することも検討していいと思います。そうなれば,当然,英語でのプレゼンテーション,ディスカッションとか,ディベート,ネゴシエーションを高校段階で普通にできるようにならないといけない。アメリカの高校生を見ていて,そういうところに目標をセットしておかないと世界においてかれると感じました。
もう一つ思ったのが,皆さん発信されているアクティブラーニングですけれども,これは言葉の問題かもしれませんが,私はこれをちょっと変えて,インタクティブラーニングにしたらどうかなという気がするんです。それはなぜかというと,私もびっくりしたんですけれども,資料2-2教科・科目の変遷を見て,昭和23年ですと20だった科目数が平成21年になると,数えたんですけれども,57に増えているんです。選択制とのことですが,それでも科目は約3倍に増えてきているということで,学生が非常にかわいそうなのか,それはよく分からないんですけれども。これを見ていると,ここでアクティブラーニングとか,ネゴシエーションとか,プレゼンテーションとかそういう特別な科目をさらに設置するというよりは,57をそのままやるのかは別として,すでにある各授業のやり方を,インタラクティブにしていくことで,アクティブラーニングを実践していく方が現実的だと思うんです。
もう一つは,大学入試の話。さきほどから何回も出てきていますけれども,情報を暗記するだけですむ時代というのはもう終わりなので,マークシート方式のペーパーテストは変えていく必要があると思います。だたし,卒業レポート形式とかそういう事前に準備できるものを要求することになると,私が心配するのは,レポートを専門で書く業者が出現する事態であって,そういうのは避けたいですね。
海外の場合ですと,入試では,エッセイ形式を採用している大学が多いです。その年,何の質問が飛んでくるかは分からない状況で,生徒がいかなる経験を積み上げてきたか,知識だけでなく,生き方や考え方を引き出す形式でその人を評価する。些細なことですが,そういう仕組みにすると,詰め込みよりも,いろんなことにチャレンジして,人生経験を豊富にしておいた方がいいという方向に親御さんを含めて意識に変化が起こってくると思うんです。もちろんエッセイの基本的なフォーマットを教える業者は現れるでしょうけれども,気持ちが外向きになっていけば,いろいろな部分に波及するプラスの効果が期待できる。そういうポイントの改革が私は大事だと思っています。
もう一つ,財務省からの指摘があったということですが,私も教員の数を減らすのは良くないと思うんですけれども,ただ,やはり日本の財政状況からするとこのままいけば,現実問題,教育資源にもメスが入ることは避けられなくなるでしょうから,今から建設的な検討をして前向きな解決策を準備しておくことに越したことはないと思うんです。
私が思ったのは,アメリカに行っていたときに,生産性に関するレポートを読んで,そこにはイギリスの生産性を100として,アメリカは131で世界ナンバーワン,日本は85しかないと書かれていたんです。あまりニュースにはならなかったようですけれども,少子高齢化で労働人口が減るなか,1人当たりの生産性が低いとなると未来はやはり明るくないです。
私はその中で,教育現場でも,生産性を高めるという視点を持って学習,指導方法を考えていいのではないかと感じました。まず,生徒の生産性。学習するときにも,ただ単に課題をこなすのではなくて,どう効率良くうまく答えを導くかとか,探すとか,自分でどんどんクリエイティブに学習方法をバージョンアップさせていくような生徒は,将来仕事をするときにも,工夫が出来ると思うんです。そうすることで,他の生徒とは違う経験をする時間が生まれるかもしれない。そして,教員の方も,忙しいとか事務作業が多いとかそういうのをいろいろと聞くんですけれども,教育に集中できるように自分で仕事の効率化を図る工夫をするべきです。アメリカを見ていると,高校生自身がイベントを仕切っていることも多いです。校内でも事務作業をやっている高校生は結構いる。これが社会勉強にもなるし,ボランティアにもつながっています。日本の高校生にも,今先生が行っている学校周りのことをもっと任せてみたらいいんです。成人年齢を18歳にするという議論もありますし,生徒を子供扱いするのではなく,あるいは学校のお客様として扱うのではなく,一人の社会構成員として扱うことで,主体性を育みつつ,教員の仕事量も減らすことができる一石二鳥のアイデアじゃないかなと思うんです。
最後に,アメリカやヨーロッパですごく話題になっている,日本ではあまり聞かないですけれども,シンギュラリティという言葉がありまして,昨年ぐらいからは,デジタル技術の驚異的な進化をはっきりと認識できる時期に差し掛かったということです。これまで50年かかった進化がこれからは10年で体験できるような世の中,今後の10年があと2年ぐらいで体験できるような,どんどん加速していく時代なんですね。そんな中,中教審が学習指導要領を10年に1度改訂するというのはどうかなとも思うんですけれど,今までの発想で,学生にどんな準備をさせたらいいかを考えていたら,いざ社会に出たときには結局役に立たないことを学習させてしまったなんてことにならないように,シンギュラリティが近づいてくる時代を生きていることを,明確に認識した方がいいかなと思います。
これからは今までの仕事の多くが成り立たなくなってしまう可能性があります。そういうところを認識した上で,どういうふうにその時代で活躍できる人材を育てていくかを真剣に考えなければいけないでしょう。ほかの国ですと,どんどんそこら辺を考えていて,私としては,一つ,高校段階で理系と文系を分けてしまうところが非常によくないと思うんです。理系,文系を分けてしまうと,社会人になって一緒に仕事をするうえで十分にコミュニケーションが取れない関係ができあがっている。これは危険だと思うんです。
ペーパーテストで測れるような定型的な業務というのは,コンピュータがこなせるようになるので,ペーパーテストで評価できる能力というのは近々本当に無意味になってしまう。それをどう変えていくか。是非この中教審自体のプロセスも,いろいろな意見が素早く反映されるインタラクティブ(対話型)に持っていけたらと思います。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
関連する御意見もあろうかと思いますけれども,大変長くお待たせしている,品川委員,山口委員からまず御意見を。
【品川委員】  ありがとうございます。前に戻るんですが,先ほどの荒瀬先生や髙木先生ほかみなさんがおっしゃったご意見について,1点申し述べたいと思っております。それに加えて,本日頂いた論点整理の,育成すべき資質・能力と高等学校教育の充実・改善について申し述べたいと思っております。
先ほどから伺っておりますと,どうしても大学を見据えるということが議論の中心にあるように思われます。それはもちろん大事なんですけれども,半分の子どもたちは大学には行かないわけです。また,満18歳で成人とみなすという点にいま一度戻りまして,それでは一体18歳の段階でどういった力を付けておかなければいけないのか,国としてつけさせたいと考えているのかというところをしっかりと整理しておく必要があるのではないかなと考えています。
私,よく大学のファカルティ研修で講演をさせていただくのですが,そこで頂く御質問や御相談の多くに,最近の大学生のベーシックスキルがあまりにも低下しすぎていて大学本来で教えるべき事柄がなかなか教えられないということがございます。どういうことかと申しますと,例えばある国立大学の理工学部で,化学の実験をする。そのとき,まず教員の指示どおりに動けない,注意・集中に欠ける,グラフや表が読めない。それはそちらの国立大学が特にそうなのか,というようなことを聞きますと,大学教員が集まるとよくそういう話が出る,うちだけでの話では全くないというようなことをよく聞きます。
ほかにもあります。集団に入れない,友達ができないなど社会性に問題がある。教員が少し厳しく指導するとすぐ大学に行けなくなってしまったり病気になってしまったり。大学に行けなくなると,今度保護者から大学事務局にクレームが入り,事務局が大学教員に,厳しくしないでほしい,何とか大目に見てあげてほしいと指示される。連続3回ゼミに来ないときは,担当の大学教員が下宿まで迎えに行かなければいけないという国立大学もございます。すべてがすべてそうだというつもりはありませんが,大学生のそういう姿を踏まえたとき,今一度こういったレベルでもいいのかということを考えたい。成人とみなされる18歳の段階でそういった状態でいいのか,どういった力をつけさせておくべきかを考えていく必要があると考えています。
先ほど,民間業者を入れて,どういった力が付いているか高校生の力を測ってもらうのもいいのではないかという御意見がございましたが,私はそこは国が担保すべきだと考えます。たとえば英国のように,単位の積み重ねが大学入試の土台になっていくというような方法をとることで,高校の段階で何を学んだのかを国が保障するような仕組みにする必要があると思っております。
次に,18歳の段階で成人とみなされ社会に参加するというときに一体どういう力が必要なのかという点です。私はすでに不適応を起こさないという視点から,犯罪学がいうところの保護要因の強化,リスク要因の軽減が必要だということは申し述べました。またコミュニケーション能力や社会性などはすでにご指摘がある通りです。ただ,頂戴したいろいろなデータを拝見しておりますと,例えば資料2のスライド18に自己肯定感が低い,社会参加する意識が低いということが書かれております。フリースクール等を検討する会議でも同様に自己肯定感が低いということがずっと指摘されていまして,とにかく自己肯定感を上げなければいけないということが主張されております。自己肯定感を持っていることが大事であるということに一切異論はないのですが,犯罪学では自己肯定感だけをターゲットに置くとかえって逸脱するということが分かっています。
私は自己肯定感よりも,まずは自己効力感,セルフエフィカシー,つまりやればできる,努力すれば成果は変わると自分を信じる力を身に付けることが大切だと考えます。これは犯罪学上の保護要因のなかでも影響度の強いもののひとつで,社会参加の土台になるものです。この自己効力感を学校で身に付けられるのは高校が最後です。先日,OECDの中でも我が国は学ぶ意欲がワースト2でしたか,あやふやで恐縮ですが,と鈴木寛大臣補佐官がおっしゃっておられましたけれども,努力すれば成果は変わるという自己効力感を持つことは学ぶ意欲に直結します。この力を高校卒業までの間にいかに育てていくかということは,後の社会参加,あるいは自分で将来を変えていくとか,問題解決していく土台になると考えます。これは何も高校生だけの話ではなくて,幼稚園では幼稚園児なりに,小学校では小学生なりに,中学校では中学生なりにと全ての発達段階でまずセルフエフィカシーをターゲティングして身に付けさせていくことが大事です。
それから,社会不適応を起こしている成人を取材していて共通して言えることは,余りにも忍耐力がないということです。我慢強さあるいは耐えるという力。これも保護要因のなかでも影響度の強いもののひとつです。グローバル社会を生き抜いていくためには,いろいろな国の,いろいろな思考や文化,宗教を持っている人たちと生きていくということで,そういった協働をしていくときにはもちろんのこと,日々の社会参加に置いても,自身が困難を乗り越えていくときにも忍耐は非常に大事な力です。こういった力も今ある教科のなかでクロスカリキュラムで身に付けさせていくということが大事だと考えています。
さらに,先ほど齋藤委員がおっしゃっていたことと近いと思いますが,クリティカルシンキングあるいはクリティカルライティングの力はまだ我が国では弱いと考えております。資料2-1のスライド16のところをご覧いただきたいのですが,調査結果における主な特色,自分の考えを記述する問題に無回答,資料に基づいて考察,表現する力を弱い,自己の生きる課題と関連付けて考察することができない。これらはみなクリティカルに考えて書ける力が土台にあってできることだろうと思われます。そういったことが日本語でできて初めてディベートもできるようになりますし,グローバル社会でも情報化社会でも生きていける。先ほど来から話題になっております英語教育にもつながっていくと思っております英語の読み書き聞く話すができるからといって議論ができるということにはつながりません。
最後にもう一つ。それは労働価値を教えていくことです。そのことを示唆しているのがスライド28です。労働教育に関する意識調査で,働く上での権利・義務をもっと学びたかったとございます。権利については今の子ども若者たちはよく聞いて知っておりますが,社会に出て不適応を起こす人の中には義務の意識が弱い人が少なくありません。好きなことを仕事にできない,仕事そのものが好きではない,仕事を通して自己実現できない。だから辞める。苦手な人ばかりだから辞める。働くこと自体に意味がある,働いて社会参加して税金を納めることがその社会の一員という意味である,と。そういったことも高校時代にしっかり教えることが将来の社会参加につながると痛感しています。それをキャリア教育で教えるのはもちろんのこと,クロスカリキュラムでいろいろな教科を通して,また日々の生活の中で教えていくことが大事だと思っています。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,山口委員,それから,池野委員が前から挙げてくださっていますので,その順序でお願いします。
【山口委員】  高校生で何を学ばなければいけないということで,今,品川委員がおっしゃられた,社会性というところが,やはり中学校から大きく進んで,社会とのつながりとかというところを考えていかなければいけないのかなと思うんですが,今ほど来のずっと議論でちょっと気になっているのは,評価すべき基礎学力と,評価するべきでない,付随している学習というんですかね,それを全部評価しようと思うと,だからこそ日本の子供たちは自己肯定感が低くなってしまうと思うんです。常に他者との比較。だから,総合学習でやったレポートであっても,一人一人にやはりそれの価値があって,その子が取り組んだということを見てあげるべきであって,こっちはすばらしい,こっちは余りよくできなかったというふうになってくると,それは誰かが評価したのであって,余りよくないんではないかなと思います。
それと関連するんですけれども,学習意欲と学習する目的というところを,これもやはり子供たちというか,特に高校生は分けて考える。先ほど大学入試に卒業レポートの評価をしてもらいたいという御意見もありましたけれども,私も市川先生と同じで,大学の側が本当にそれをやり切るのかと。そして,それをやり切れなかったときのこのまた失望というのも子供たちに返ってくるでしょうし,当然大学が評価するようになれば,また高校でそれなりのその準備をし出すんです。それは何のためにやるかといったら,結局は受験のためになってしまうんです。
だから,評価というところと結び付けて考えると,どうしてもそっちそっちに行ってしまうので,やはり学習で意欲的に取り組むことと,自分が意欲的に取り組んだことを次のステップ,大学に入るために,じゃ,ここの試験はクリアしなきゃいけないから,そこはしっかり勉強して,最終的に大学に入った先に更に学習意欲を持って自分がやりたいことに取り組んでいくというふうにつなげていかないと,常に大学に入るためにこれをやりなさい,あれをやりなさいというふうに非常に短絡的に考えてしまいがちなのではないかなと思います。ですから,目標と目的を少し分けてやはりやっていく必要があるんじゃないかなと考えています。
私は柔道なんですけれども,柔道の創始者であり教育者である嘉納治五郎という人がいるんですが,この人が柔道の目的といったら二つ挙げているんです。自己の完成と世の補益。他者との比較ではなく,自分自身を高めていくということを目的に修行というのはしていくんですよと。そして,そこでやったことは必ず世の中の役に立てなさい。おそらくこれは私は教育の目的にも通ずるところだと思うんです。だから,最終的に世の中に役に立つ。
先ほど品川委員が,労働するということを言われました。例えば2020年にオリンピックが来ますけれども,おそらく1964年に東京オリンピックが来たときには,世の中の人たちは,日本のこれからをどうしていこうと,日本をやっぱり一人一人が支えて頑張っていこうという意識が非常に高くて,そのためには我慢もし,労働もし,日本を発展させていこうという意欲が非常に強かったと思うんです。
でも,それが今の子供たちは,豊かになったということもあると思うんですけれども,そういう意識が少しなくなってきて。ですから,自分のやりたいこととか,自分に合っていることではなくて,社会に向けて自分に何ができるかとか,自分が何をやるべきか,そういうふうなところに少し意識を持っていかないと,なかなか自分のやりたいことだけみんなやっても,それが世の中にそこだからつながりがなかなか出てこないんじゃないかなと思うんです。2020年に1964年と変えていくことといったら,日本に何ができるかではなく,おそらくこれからは,世界の中で日本が何を貢献できるのか。地球だとか世界の人類が抱えている課題だとか問題だとかというところに自分がどう関わっていくのかというふうに多分見据えていくことが変わっていくんじゃないかなと思うんです。
やはり国に対する意識もそうですけれども,18歳年齢は選挙権,おそらく変わっていくかもしれないんですけれども,今,20歳代の投票率って非常に低いですよね。だから,それは本当に世の中に対しての関心とか意識の低さの表れですので,やはりそこをつないでいって,また評価ということと,自分がやるべき,キャリアというとまた違うんですけれども,多分ライフワークとして自分が何を求めていくかというところを,大学に行くか行かないかは別にしても,できれば高校時代に教えていくようなカリキュラム構成にできればいいなと思っています。
【羽入主査】  ありがとうございます。
池野委員,どうぞ。
【池野委員】  ありがとうございます。私は三つお話ししたいなと思っています。
高等学校自体がやっぱり本来の普通教育という基本的な枠組みの中で考え直さないといけないんじゃないかというのが一つです。
二つ目は,今ずっと高大接続だとか高大連携だとか言っていますが,それだけ考えてしまうとちょっと狭くなるんじゃないかということです。やっぱり本来は高校と社会というか,そういうことの連携の方が先じゃないかと思います。義務教育だとか,高等学校まで準義務教育だと思うんですけれども,そういう状況の中で社会とどういうように考えないといけないんじゃないかというように考えないといけないんじゃないかというのが二つ目です。
それから,三つ目は,実際に社会との結び付きをするときに何ができるかということです。ある面,地域といいますか,コミュニティといいますか,正確にはコミュニティはグローバルコミュニティもあるので,日本的な意味のコミュニティといいますか,地域社会というわけじゃありませんけれども,地域の中でどういう子供たちをそこで活躍させたり,生きていけるようにするのかということです。ただし,それはそこで全てが完結するわけではありませんけれども,そこで一種の社会の中のトレーニングをすることが必要じゃないかということを言いたいと思います。
1番目なんですけれども,日本の場合はどうしても普通教育が教養的な,あるいは国民的な教養をする。もっと極端に言うと,個別的な知識をたくさん持っていることが普通教育の中身のように思われています。そうじゃなくて,本来はリベラルアーツだと思うので,大杉さんの説明してくださった個別的な知識とともに,教科のそれぞれが持っている見方,考え方みたいなものをいかに身に付けていくかということだと思うんです。
例えば私は社会科が専門なんですけれども,地理なんかでするときに,地図の見方や考え方,見方やらそういうもの,記号だとかを学ぶとともに,本来は,例えば皆さん方も世界のいろいろな国の地図を見てもらったら分かるんですけれども,世界地図を見てもらうと,日本の世界地図とアメリカの世界地図とイギリスやヨーロッパの世界地図は違うわけです。真ん中が,センターラインが違うんです。何でそうなるのかとか。結局,地理もグローバルに考えているんだけど,一種のナショナルに全てが作られていって,やっぱり日本の世界地図は日本が真ん中になっている。イギリスの世界地図はやっぱりイギリスが真ん中になる。だから,基本的に緯度だとか経度だとか言われるものの軸がどこにあるかというのが問題になるんです。
そのように,私たちが身に付けないといけないものは,一般的に生きていくときに,分かっていることだけじゃなくて,やっぱり一定程度それを知りながら使ったりできることまで一定程度できないといけないんじゃないか。それが実は教科と人格形成をうまく結び付けることではないかなと思うんです。そういうようなことに本来,高等学校は持っていかないといけないんじゃないか,そこへもう一度見直さないといけないんじゃないかなということです。
極端にやっぱり教科の個別的な知識の方に走り過ぎた。昭和22年からずっと教科を見ていただくと,初期の頃はそういう見方や考え方,あるいは問題解決能力と言われていましたけれども,そういうものを育成することを目指していたわけですけれども,昭和30年代以降はやっぱりそういうものから,教科の数が,あるいは教科目,下位の科目数が増えてくることによって,結果的には知識を教えることになってしまったんじゃないかなと思います。
それが2番目に言いたい高大の接続問題なんですけれども,結果的にこれは大きな問題は,中学校で教えたことは,高校になると,いや,また高校は高校でやりますよと。大学は,高校でやったことじゃなくて,大学は大学でやりますよと。社会に行くと,会社に行くと,大学に行ったこととは関係なく,また社会は社会で教えますよというのをずっとやってきたわけです。それぞれのところでは適当な最低限のことをやってくださればいいんですよと。その最低限が,結果的には知識をたくさん持つことに日本ではなってきたように思うんです。
本来やっぱり何かができることだとか,見方や考え方を使って何かをより深く理解できるようになったり,それを使って社会や会社や組織やそういうものを動かして何か新しいことができるような力に子供たちを発揮させるようにする場面が少なかったんじゃないかなと思います。そういう意味で,高大接続問題も,本来大学の中,高校だけじゃなくて,社会と結び付けたものにやっぱり変えていかないといけないんじゃないか,高大接続だけが問題じゃないかなと思います。
3番目なんですけれども,結果的にはやっぱり子供たちが小学校から高等学校の中で力を付けるのは,22世紀の子供たちを作るためには今どういうことをやっておけばいいのか。基礎的な知識をたくさん持っていれば22世紀の子供たちが出来るのか。今,私たちが問題にしているのは,多分生まれた子供たちから今20歳ぐらいの間の,10歳ぐらいの間の子供たちを対象にしているわけですけれども,その子供たちが今度21世紀の後半から22世紀に生きていくときに,日本や地域社会や世界の中でどういうことを考える子供たちになればいいのか。単に基礎的な知識だけを持っていればいいのかということだと思うんです。
そうじゃなくて,一定程度やっぱり社会の中,地域社会だったら地域社会,クラスだったらクラスの中,あるいはいろいろな活動をしている場面の中で一定程度自分が力を持って,働かせて,活動できて,できることができるようになる。それが多分アクティブラーニングと言われていることだと思うんですけれども,単にアクティブをするだけじゃなくて,自分たちで何かを使って何かを変えてくる。そうすることによって,地域社会や組織やいろいろなものを変えることができる。あるいは,そういうことによって自分がそこで自分の存在を認められたり,自分の存在が一定程度より高められているということを持つことができる。
そういうことができることによって,社会が変わったり,国の力がよりというか,先ほど三宅先生が,ヨーロッパの国だとかアメリカでそういうことのいろいろな活動的なことが,アクティブなことが行われていると言われていましたけれども,結局,地域社会の中の構成員がどういう力を持てるようになるようになるかというのが,その社会なり国なりの力を将来どこまで高めることができるかだと考えられているからこそそういうことをやられているんだと思うんです。
子供たちだけが問題じゃなくて,どういう力をどういうように作れるような人材を育成するかということが一番大事なことだと。結果的にはそれが一人一人の子供たちが社会の中で生きていくときにより大事なものを見付けることができるんじゃないかなと思うし,やっぱりそれが発揮されると,各地域の社会も日本も,あるいは世界も,日本人としてより豊かな国づくりや世界づくりに貢献できるような子供たちになっていくんじゃないかなと思っています。やっぱり社会との結び付きがもう少し必要じゃないかなと思っています。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
それでは,その後続けて,お隣の荒瀬委員,それから,松川委員,廣田委員,清水委員,渡瀬委員,神長委員,油井委員という順序でお願いします。
【荒瀬委員】  ありがとうございます。4点申し上げたいことがあります。
まず1点目は,前回と異なって,目の前の様子が違うなというのに先ほど気が付きまして,テーブルまで置いていただいて,冊子も積んでいただいたおかげで,倒れなくて大変結構かと思います。ありがとうございます。お手数掛けました。
2点目でありますが,大学入試との関わりというので幾つか御意見が出ましたが,実は最初の話に戻るんですけれども,油井先生がおっしゃってくださった堀川高校の取組は,大学に進まないで,高等学校を卒業して社会に出るとしたらどんな力が必要なのかというのを考えるところから始めています。そのためには大きな子供ではなくて,小さな大人でなければならないと。18歳というのはまだまだ自立ができない状態だと思いますけれども,自立に向けて進んでいくような生徒に育てようと。そのためには何が必要か。教科の力はどういう力が必要なのか。教科の横断というのがなかなか実は私はピンと来なくて,教科の取組を結集するような形の新たな取組ができないか。ちょうど,総合的な学習の時間が導入される前でしたけれども,そこでそういった取組を始めたというのが経緯でした。それを御紹介しておきたいと思います。
大学入試があるから意識しなければならないということはもちろんあります。しかも大学入試が日本の教育全体に大変大きな影響力を持っているというのも事実としてあります。しかし,高等学校教育は高等学校教育として,この子たちに18歳卒業時点でどんな力を付けておくのかということを本当に真剣に考えないといけないということを思うのです。
それには,冒頭の山脇委員のおっしゃったお話にもまたつながりますけれども,人が必要です。例えばアクティブ・ラーニングの評価では,堀川高校で実際やっていますが,教室の中に授業している教員以外の教員が入って,教員の発問とか,あるいは説明とか,あるいは動きとか,そういったことで生徒がどんなふうに変容していくかというのを見ているわけです。
そういったことをするのは,これはスーパーサイエンスハイスクールや,スーパーグローバルハイスクールの指定を受けているからでもありますが,そういったことをすることがきめ細かに対応することになっていきます。先ほど山口委員のおっしゃいましたレポートのお話ですが,いい悪いだけではなくて,なかなか十分ではないですけれども,ある程度一人一人に対応しています。それは教員にとっては大変な労力なんですけれども,しかし,明らかに生徒が変わっていくというのを見ると,それが教員にとってのいわばインセンティブになって,また進めていこうというふうになっていく。ただ,それにだけ期待するのはもっての外でありますので,だから,是非とも教員の数をしっかりと増やすべきだということを思います。
3点目は,論点案の1ページの下の方から2ページにかけてのところです。私は単純に新たな科目とか新たな教科・科目ということについては本当に慎重に考えるべきだということを思います。現に総合的な学習の時間が十分に機能していないということを私も思っておりますし,いろいろな委員の御発言にもあったわけで,今やるべきことをもう一度しっかりとやっていくということを大切にしていかないと,全て中途半端に,少しかじってまた新しいもの,新しいものというのはいかがなものかと。もちろんこの諮問の趣旨は十分に理解しているつもりではありますけれども,その点について,今まで積み残しているものとか,あるいは今やっていることで重要なことの充実をしっかりと図るべきではないかということを思います。
この2ページのチョボが上の方に四つ並んでいますが,このチョボの下から二つ目,社会的要請を踏まえた専門学科のカリキュラムの在り方など,職業教育の充実の在り方という,この点については,既にキャリア教育・職業教育特別部会の答申で明らかなように,職業教育をしっかりするべきは,必ずしも専門学科ではなくて,普通科なんだと思うんです。ですから,圧倒的多数の生徒を擁している普通科においてどうしていくのかということをむしろ考えるべきだということを思っています。
それからもう一つ,一番下についていいますと,義務教育段階で十分に学べなかった子に対する学び直しというのは,これは本当に大切なことだと思います。高等学校を卒業する時点で一定必要な,18歳として必要な知識を持っている,あるいは技能を持っている,あるいは思考力・判断力・表現力,もちろん学習意欲等をどのようにしてもう一度彼らに取り戻すのかということを考えておく必要があると思います。
最後ですが,資料に関して,事務局に大変お手数を掛けますが,二つの資料のことでお願いをしたいと思っています。一つは,このデータ集,資料2-1の17番のスライドです。高校生の家庭学習の時間という,これは様々な形でこれまで再三使われてきた非常に利用頻度の高いデータでありますが,一番下見ていただいたらお分かりのように,1990年から2006年という,データとしてはもう古くなっているように思います。おそらくベネッセは新しいデータも持っているでしょうから,これ,新しいデータを一度,もっと減っているという非常に深刻な状況が見えるのではないかと思いますが,よろしくお願いしたいと思います。
それからもう一つは,この中にはないのですが,就職も進学もしない人のことです。興味がありまして,若年無業者の人数とかをいろいろとデータを集めていますと,これは省庁によってもカウントの仕方が違っていて,年齢幅も違っていたりして,人数も相当違いがあるように思います。
もちろん伸ばしていく力を更に伸ばすというのは大事なわけですけれども,十分に伸びなかったのか,あるいは伸びたのだけども社会に出たら不適応を起こしたのかよく分からないんですけれども,今後の議論のためにも若年無業者の数を教えていただきたいと思います。私の知っている結構多い方の数字でいうと200万人を超えているといます。200万人だとすると,全国の高等学校で単純に割り算をすると,毎年20人ずつ若年無業者になる人を卒業させているというふうなことにもなります。ただ,このデータが正しいかどうかよく分からないところもありますので,是非若年無業者の実態,分析もできれば含めて教えていただけるとありがたいと思います。以上です。
【羽入主査】  事務局にお願いします。
それでは,松川委員,廣田委員の順序でよろしいですか。
【松川委員】  ありがとうございます。本日の論点の大きく2番目の点について2点ほど発言させていただきたいと思います。
1点目は,先ほどの三宅委員の御発言とも関わるのですが,高校生の社会参加ということです。私のように岐阜県におりますと,やはり少子高齢化の中で地域を支える人材としての高校生に非常に期待が高いわけです。消滅可能都市などと言われているところがたくさんあるわけでして,大変成績優秀で東京や京都の大学に進学してしまう子ではなくて,専門高校にいたり,進路多様校と言われている,そういうところに通っている子供たちに残ってもらいたいという思いが強いのです。
これから高校の統廃合といったことが各県でも起きてくると思うのですが,そのような中で,これまで高校は,通学区域が広いので,コミュニティとの関わりというのは大変薄かったわけですけれども,近年はそのようなことはないと考えます。本県は全国平均に比べて専門高校の比率が結構高く,しかも商業高校,農業高校,工業高校など,非常に元気な学校,地域の課題に積極的に取り組んでいる学校が大変多いです。人通りが少なくなってしまった駅前商店街を何とかしようということで,ショップを経営したり,いろいろ製品を開発したり,あるいはネットショップを運営したりという,大変生き生きと活躍している高校生が多いです。飛び出せスーパー専門高校生という事業授業をやっておりまして,その発表会を見ても,高校に進学した時点では学力は決して高いわけではなかったと思われる子でも,ICT機器をツールとして完全に使ってプレゼンテーションなどを行いますし,今言われているアクティブラーニングというのは,本県においては専門高校において,プロジェクト学習や課題研究ということで行われていると思っています。
私はむしろ心配に思うのは,やはり普通科高校です。普通科高校も進学校と進路多様校と両方あるわけです。先日地方選挙が行われたわけですけれども,一部の例外を除いて大変投票率が低い状況でした。また,無投票で当選したという方の率も非常に高かったわけです。本日の論点ペーパーの中でも書かれておりますけれども,市民性に対する教育とか,あるいは主権者教育とか公共というような意味で,高校生が自分の住んでいる地域からより広い社会に関心を持って参加する。政治参加もあるでしょうし,高校卒業後就職してすぐ税金を払う高校生もいるわけですので,税教育や消費者教育などは大切であると考えております。このようなことは,社会科でも指導されてはいます。しかし,机上のものではなくて,今,模擬議会や模擬裁判といったこともやられておりますけれども,参加型の学習を高校時代に経験するような時間はカリキュラム上,私は大事なのではないかと思います。自分たちを期待してくれている地域住民がいて,そして,高校生ともなれば,ボランティアにしてもかなりの力を発揮できるということでありまして,そういうものを何らかの形でカリキュラムの中に位置付けていくということを,私は非常に大事なことだと思っています。
それから,もう1点は,高校の学習指導要領は改訂されると,新しい指導要領が本格実施されるのは平成34年ということになりますので随分先ですけれども,私は今ここでも論議されていることの成否に一番関係あるのは,やはり大学入試がどこまで本気に改革されるかということであると思っています。高校の教育課程を固定化しているのは,大学入試の内容なのです。要するに,必履修科目が何かということと,それから,その単位数,それから,新大学入試テストです。高校の基礎学力テスト,それから,入学希望者学力評価テストなどでどのような内容が出題されるのかということが結局,教育課程の編成を固定化する要素になるわけです。例えば新テストの中では,教科横断的なものとかということが言われていますけれども,それが明確に行われれば,高校の教育課程は変わってこざるを得ないと思います。
一方,そのように必履修科目や大学のテストで規定されている固定されている教育内容と,それから,高校というのはそれぞれの高校がかなり個性的ですので,特色ある教育を行うためには,学校設定科目を含めてある程度自由度がないと困るわけです。そのバランスというのがどのようになってくるかということです。一部報道されているところですと,基礎学力テストを高校2年生でもやれるということになると,それでどういう内容が課されるかということにもよりますけれども,それをかなりの人が受けるということになれば,高校1年の教育課程はかなり固定されたものになってくるのではないかというような危惧もあります。そういう意味で,やはり大学入試のテストの性格が何といっても高校の教育課程に大きく影響を与えますので,その辺りをはっきりしていただく必要があるのではないかというのが2点目の意見でございます。
以上でございます。
【羽入主査】  ありがとうございます。大学入試の在り方に関しては,最初に事務局の方からも御説明いただきましたけれども,高大接続の動きを見ながらということになろうかと思います。
それでは,大変お待たせいたしました。廣田委員,それから,渡瀬委員,神長委員,油井委員,髙木委員という順番で。
【廣田委員】  社会の参加といいますか,職場教育であるとかインターンシップを受け入れる企業側の立場から,発言をさせていただきたいと思います。
近年,中学校もそうですけれども,高校の方から,職場体験とかインターンシップの要請をかなりたくさん受けるようになりました。修学旅行で東京に来られた際に企業に来て実習をさせてほしいという,地方の学校からの要請も多くなっています。また,先生方も,実際に企業で仕事をするということはどういうことか知りたいということで,受け入れ要請がかなりあります。受け入れは大変なのですが,主に社会貢献の観点から,各企業ともかなり積極的に受け入れていると思います。
私が所属している企業でも,実際にやってみて,高校生に実際の会社が何であるかということを理解させることはなかなか難しく,できるだけアクティブラーニングではありませんけれども,実際に例えば為替のディーリングを模擬的にやってみるとか,貿易の仕事をシミュレーションでやってみるとか,あるいは刺激を受けてもらうために外国人のスタッフ何人かとディスカッションをしてもらうとか,いろいろな工夫をしています。
やる度にいつも思うのですが,一体これがどれだけこの生徒たちの役に立っているのか,どれだけ今後の彼ら,彼女たちがキャリアを考えるときの参考になっているのかな,と常に自問自答しています。先生方に聞きますと,いやいや,会社の中に入って社会人の方たちと意見交換できるだけでもかなり刺激があっていいんですとおっしゃるのですが,何となくやはり単発で終わっているのではないかという意識があります。また,企業側も様々な工夫はしていますけれども,所詮教育という意味では素人でありますので,手探り状態であるということも否めないと思っています。
受け入れ側としてもせっかく時間を割いているということもありますので,先ほど平川委員がおっしゃったように,キャリア教育をしっかりカリキュラムの中で考えていただいた上で,我々の方とのすり合わせというんですかね,教育現場と企業側との問題意識の事前すり合わせをきちんと行った上で,インターンシップとか企業訪問あるいは我々が学校に伺ってお話をさせていただくということも,そういった中での位置付けをしっかりさせていただくということが効果的な実施に必要ではないかと考える次第です。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,清水委員。
【清水委員】  ありがとうございます。それでは,社会とのつながりということで少し話をさせていただきます。社会とのつながりにつきましては,これは高校教育に限らず,小中高で連続して取り組む必要があると思います。その中で課題研究とか職業レポートなど,このようなことを体験させることによって社会を見る,そして,社会を考えることにつながっていくのではないか。そういったことを通して将来を考えることにもつながっていくのであろうと思います。このような取組により,実際自分自身とどう関わっていくのか,その関わり方によって今度は興味関心が高まっていくのではないかと考えます。
アクティブラーニングについても,興味関心を持って臨まなければ,目指す教育効果はなかなか得られないと思います。アクティブラーニングに取り組むと,子供たちが変容します。大きく変わります。この子供たちの変容をしっかり教員が受け止められるかどうか,見取ることができるかということが大きな課題であると考えます。そのために,指導・支援の在り方も考えていかなければならないと考えています。
2点目ですけれども,先ほど荒瀬委員からも,普通高校でのキャリア教育,職業教育の必要性ということも挙げていただきましたが,まさにそのとおりだと思います。また,専門高校においては,一般的な座学での一斉授業,実習での協働的な学習,そしてレポートという個人学習を柱に取り組んでおり,すばらしい教育活動をしていると自負しています。
こういった取り組みを普通高校でも取り上げていただけるとありがたいなと思います。また,このような活動を普通高校が取り組むことにより,専門高校がより活性化していくのではないか,自分たちの役割がより重要になってくるということを更に意識するのではないかなと考えております。
3点目,最後ですが,これはお願いになります。今日の論点ペーパーの中の1ページの二つ目の○ですが,「ICTを活用した指導の現状等を踏まえつつ」というキーワードがございます。これについては,高校だけではありませんけれども,学校現場のコンピュータ及びインフラの整備が非常に遅れています。現状を踏まえてということだと,その整備に発展がないように感じます。日本の学校現場が世界と比べてどの程度のICTの普及状況になっているかということをいま一度考えていただきたい。
平成21年度に大量のコンピュータ等が導入されました。これは国の方の補助によって導入したものですが,そろそろこれが老朽化しています。WindowsVistaについては,あと少しでサービスの期限が切れます。学校現場とては,今後の見通しなど,今後どのように更新されていくのかなど,教育活動を考える上において非常に重要になってきます。ぜひ,その方向性についてもた教えていただける機会があればありがたいと考えています。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では続けて,渡瀬委員,お待たせしました。
【渡瀬委員】  今まで御意見を伺わせていただいたことについて2点お願いいたします。
1点目は,アクティブラーニングとキャリア教育ということについてです。上田委員から,アクティブに学ばなければなかなか自分のやりたい方向も見えてこないというお話を伺って一つ思い出したことがあります。私どもの玉川学園では,中学3年生で「学びの技」という学習をしています。これは図書館の使い方を勉強させてから,いろいろなものの調べ方,それから,ICTの活用を学ばせた上で,各自にテーマを持たせて,そのテーマについて調べて,そして,パワーポイントを作ってプレゼンをして,最終的に小論文を書く,そういう活動をしています。
この「学びの技」を9年生が始めて数年になります。「学びの技」を担当していた教員が最近私に語ったんですけれども,「学びの技」で生徒たちが選んだテーマが大学に進学していく子たちにとってはその進路につながっていることが非常に多いというんです。ですから,中3でそういう小論文を書く経験をしていることが意外に自分のその後の方向性につながっていることが多いということなんです。
今の日本の子供たちが将来何をしたいかということがよく見えてないというのは,やりたいことがないわけではなくて,やりたいことが何なのかをゆっくり考える時間がないということだと思います。それから,それを自分で考えて文章に書くということで,その方向がはっきりするんだと思うんです。それまで何となく思い描いているものが,書いたことによってはっきりする,自分が人前でプレゼンしたことによってはっきりするということがあると思うのです。最初に油井委員からもありましたけれども,文章を書いて,その中で自分の方向性が見えてくるということが,それがすなわちキャリア教育にもつながっていくと思います。
もう1点は,社会参画と大学のアドミッションのことです。私たちの交流している海外の学校で,12年生の子の多くはAPのコース,アドバンスプレースメントのコースを取るか,あとはインターンシップをやっています。インターンシップをやっているのは,インターンシップでやったことが多分大学に入るときのアドミッションで役に立っているんだと思うんです。それが大学のアドミッションで評価されていると思うんです。
子供は,自分が奉仕活動をしようとか,何か働いてみようと自主的に思うことももちろんあると思いますけれども,それが結局大学進学にとって有利になるということがやっぱりその動機としては大きいのだと思うんです。私どもの学校でやっているIBにもCASという活動があります。自分でテーマを決めて奉仕活動をしますけれども,それも最終的にはCASが単位として認められることが最終的なIBの試験結果に関わるわけです。
ですから,子供たちにはもちろん世の中の役に立つ人間になってほしいし,自主的にそういうことをやってほしいと思いますけれども,それが大学に入るときのアドミッションオフィスの評価のところでプラスになるということがあると,それは非常に強いと思います。ですから,今後大学の入試改革がいろいろ話し合われる中で,試験のことに加えて,高校段階でやっているいろいろな活動,インターンシップ,そういうものがどういうふうに評価されるのかということが話し合われるとよいのではないかと思っています。ありがとうございます。
【羽入主査】  ありがとうございます。
大変お待たせしている神長委員,それから,油井委員,髙木委員,天笠委員,品川委員,清水委員,今村委員で,あと10分ちょっとで恐縮です。お願いします。
【神長委員】  それでは,できるだけ短くお話をしたいと思います。私も長い間皆さんの御意見を聞かせていただいていろいろ考えていたのですけれども,きょうの資料を見て一番ショックといいますか,私はどちらかというと幼児教育の方を,要するに,学校教育の入り口を見ている者ですけれども,養成校で大学生とは関わっておりますけれども,高校になってくると大分いろいろな問題が複雑になってきて課題が多いというところを本当に皆さんのお話を聞きながら感じておりました。
ただ,なおさらのこと,私は一貫して育てていかなくてはいけないものがあるということをますます実感したんですけれども,一番ショックだと思った事例は,17ページの,先ほども新しいものをというお話がございましたけれども,いわゆる家庭での学習の時間が極端に少なくなるという,特に学力中位以上の位置にいる子供がこのような状況になっていくというところがすごくショックに思ったんです。
力はあるのになぜやらないのかというと,多分にやらなくてもよいという,そういう状況が生まれているんだろうなと思います。やりたくないという,そういう気持ちもあるんだと思うんですけれども。やはり恵まれた時代に育っている子供たちですから,大学生のレポートを書くにしても,私たちの時代であれば,本当に図書館に通いながらテーマに沿った本を選びながら書いたのに,今の学生たちを見ていると,大変だ大変だと言いながらも大変要領よくまとめてくるというところを見ますと,それほど時間をかけなくてもできるのかもしれないなと私も自分のやり方を反省してしまうこともあります。
そういう時代だからこそ少なくなるという,その考え方もあるかもしれませんけれども,でも,やはり自分の考えをまとめる,そういった時間とか,学びたいものを学び取っていくという何かそういう貪欲さというものが現実には非常に育ちにくくなってきているのが現状なんだと思います。皆さんのお話の中にも,教科を結集して教育課程の中でどういうふうに高校生の子の学ぶ意欲を育てるかということはまさに重要なことであると思っています。
それで,そのときに私は自立という言葉を一つのキーワードに思いながらお話を伺っておりました。私は養成校におりますので,将来教師や保育士になりたい学生に自立という問題を考えさせるんです。一番最初の授業で考えさせるんです。まさに18歳のところで4月に,つい最近もその話をまとめたところですけれども,考えさせるんです。自立ということを考えると,自分は自立しているかということを問い掛けながら授業をするときに,ほとんどの子が自立していない,自分は子供であるということを自信なげに手を挙げます。
そのときに一応説明します。自立というのはいきなりできるものではなくて,生活が自立し,精神的な自立があり,経済的な自立ができるんだと。年齢的にいえば,経済的な自立の一歩手前であるので,精神的な自立はしているだろうかというような話をするんですけれども,とても自信がなく答えるその背景には,やはり今の子供たちの育ってきている状況が,恵まれた社会の中で,また家庭の中にあっても非常に少子化であり,切磋琢磨する機会が非常に少ないという中で,自立しなくてはいけないという,そういった場面がすごく少ないんだと思います。
その中でこそ,先ほど来から出ております,社会との接点をどう持つかという,そこが非常に重要だと思います。接点を持てばそれが精神的な自立につながり,経済的な自立につながっていくかという,そこのところについてもっと戦略的にといいますか,社会と接点を持てばできるというよりは,学生たちもボランティアとかインターンシップとかいろいろ出掛けていきます。戻ってきたときに,やはりそこで話し合ったり,そこで困難であったことを話し合いながら次をどうするかという,そういった協働的な学習の場ですけれども,そういうものを設けることによって,自分の考えを整理するということができるわけです。そういった意味でアクティブラーニングというものも今回出ているんだと思うんですけれども,子供たちが――子供たちと言っていいのか,生徒ですけれども,いわゆる主体的な学びとか自立をするということを踏まえた,そういった学習を考えていくことが大事かなと思いました。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,油井委員。
【油井委員】  先ほど平川委員が高校の授業は写経だとおっしゃったんですけれども,私は高校の歴史教育に関わっていて,結構,歴史教育にもそういう面があるんですね。要するに,教科書に書いてあることを先生が板書して,生徒に覚えさせて,それをペーパーテストでチェックする。もちろんいろいろな改善をしようとする高校の先生方もいらっしゃって,全国各地でそういう研究会なんかもされていますので,みんながみんなそうというわけじゃないけれども,むしろやっぱりそうやって教科書に書いてある用語を暗記させるということが大学入試に有利だという観念が相当強いんです。
それで,日本史の場合も世界史の場合も,1950年代は教科書に収録されていた用語というのは1,500語ぐらいだったんです。ところが,現在使われている日本史,世界史は3,800ぐらいになっているんです。それは新しい研究成果を導入しようという良心的な執筆者の努力もあるんですけれども,大学入試で出た言葉を次の改訂のときに教科書に盛り込むということが行われていて,だから,改訂のたびに用語が膨らむという状況になっているわけです。それで古代から現代まで教えようとしても,結局現代まで行かないで終わってしまうというようなのは,一つには用語が膨張している。それ,歯止めが利いていないんです。そういう問題もあるので,教科書改革というような問題も一緒にしなければいけないと思います。
御承知の方も多いと思いますけれども,ちょうど9年前,高等学校で世界史未履修問題が発生したと思います。これは高等学校で世界史は必修なのに,それを教えないでほかの科目を教えていたわけです。これはなぜそういうことが起こったかというと,小学校,中学校の社会科歴史分野の教育というのは日本史中心に行われています。高校になって初めて世界史を本格的に勉強するので,生徒たちは苦手意識を持っている。できれば大学入試でも日本史で受験したいとか,あとは,理系の学部を志望する生徒の場合は地理で受験するというような傾向が強いので,全体として世界史を敬遠する傾向が強いんです。なので,これをどうしたらいいかという,地歴科の見直しということも今回重要な課題になっているわけです。
私が面白いと思ったのは,ハーバードのケネディスクールという官僚養成の大学院なんですけれども,すごく歴史教育を重視しているんです。それは写経的な歴史教育じゃなくて,まさにディシジョンメーキングの積み重ねだと。時代や地域の異なった人々が様々な問題に直面して,それをどうやって解決したらいいかという課題解決的な結果として歴史があるわけです。そういう発想がないんです。日本の歴史教育には非常にそういう発想が弱いと思います。ケネディスクールのような高級官僚を育成するような大学院において歴史をなぜ重視するかといえば,まさにそれぞれの官僚たちは将来ディシジョンメーキングに直面するわけです。
面白い例は,キューバ危機のときに,キューバのミサイル基地を爆撃するという案と,海上封鎖をして資材を投入させないという二つの案があったわけですけれども,最初は空爆の方が強かったらしいんです。しかし,空爆をやると日本がやったパールハーバーと同じことになってしまうというので,それはやめて,海上封鎖にした。それは一例にすぎないんですけれども,ディシジョンメーキングに歴史が生きているんです。ですから,もうちょっと日本の歴史教育も,そういう実践的なといいますか,切り替えていく必要があるだろうと思います。
そういう意味で,今回のアクティブラーニングの重視というのは大変結構なことだと思うんですけれども,一方でグローバル化時代でありますので,外国人との接触する機会が増えるので,日本のことを正確に外国にアピールする,特に日本の近現代史についてアピールするということはとても大切なことだと私も思っています。ただ,留学してきた学生なんかと話をしてみると,日本史の知識が欠如しているからアピールできないというだけではなくて,やっぱりディベートを避けたがる傾向が強いんです。ですから,そういう傾向を克服しないと,日本のことをアピールするといってもやっぱり限界がある。そういう意味でのアクティブラーニングを徹底していくということが一つ大切だということだと思います。
それから,グローバル化時代は,決して日本のことをアピールするだけで済むという問題じゃなくて,外国の人々の主張の背景にある文化の違いとか,それを反映する世界史的な知識,そういうものも必要なので,日本史と世界史をどういうふうに両立できるかということがとても重要だと思います。
それからもう一つ重要なのは,現在は地理は選択になっていまして,理系の学生は結構取っているようですけれども,文系の学生はあまり取らないで大学に入ってくる傾向が強い。イラク戦争が起こったときに,さんざんバグダッドのこと,爆撃のことが報道されていたにもかかわらず,大学生の多くがバグダッドの位置を地図上に特定できない。それから,有名な知事さんがいた宮崎県についても,さんざん報道されていても宮崎県の位置を特定できない。そういう大学生が増えているわけです。ですから,地理的な知識の欠如も歴史教育にとっても重大だし,地理教育にとっても重大なので,やはり空間的な認識と時間的な認識,この両立させるのを新しい地歴科の科目の検討に当たっては是非重視していただきたいと思います。以上であります。
【羽入主査】  ありがとうございます。
あと5名の方が札を立てていらっしゃいますが,時間が5分を切っていますけれども,髙木委員,大変お待たせしました。お願いします。
【髙木委員】  本日の論点の2ページ目のところにあります支援教育の充実が本日意見が全くございませんので,この点について少しお話ししたいと思っています。インクルーシブ教育,これはユネスコの障害者の権利に関する条約24条批准の後,次の高等学校の指導要領改訂でも大変重要な内容になるとは思っております。これは共生教育ですが,更にはシチズンシップ教育とも私は重なると思っています。
現状でいいますと,高等学校の普通科にも情緒障害や発達障害等ございまして,その子たちは自分をコントロールできない場面やいろいろな問題を発生して,そういう中で怠学をするような状況も出ているという現状があります。障害があるお子さんたちが,現在は通信制や多部制定時,それから,定時といったところへ多く進学している。それは高校の入学者選抜試験という制度の中でもそういった問題が今起きてきているということです。
特別支援学校をやはり小中校を通して連続性のある多様な活動のできる場,さらには,きょう一番最初に山脇委員からも御発言ございましたけれども,そういうところではやっぱり教員の数が非常に必要になっているということ,それを全体的にやはり今度の高校改革でも考えていかなければいけない。安心して通える高校,インクルーシブを主とした高校の在り方をこれから考えていくという,そういう社会参加への視点を入れたカリキュラムを含めて次の指導要領の中で考えていかなければいけないのではないかと思っています。
ちなみに,神奈川県では,28年度の高校改革を目指しておりまして,その中にインクルーシブ教育を考えようとする,教育局にインクルーシブ担当の部局を設けております。これからこのインクルーシブ教育は,私たちが普通科教育の中で考えていかなければいけない非常に重要な視点だと思っています。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,天笠委員。
【天笠主査代理】  もう時間もあれですので,短く申し上げさせていただきたいと思います。それはきょうの論点整理の2ページの,先ほども御指摘ありましたように,新たな教科・科目等の在り方ということで5点出ておりますけれども,ここについて,研究開発学校等のこれまでに蓄積されたデータと照らし合わせながら,更にこれらについて検討する必要があるのではないかと。きょう参考資料という形で研究開発が出ていましたけれども,このところについてはもう1段必要とされるのかなと思いました。
それとの関わりの中で,中山間地域における高等学校の存続というのは,おそらくこれから10年を展望したときに大変大きな,今以上に大きな課題になってくるんではないかと思います。そういう高等学校における,あるいは地域性におけるカリキュラムの在り方というふうなこと等が,普通科とか専門学科とか総合学科というこういう枠組みの中では必ずしも整理し切れないようなテーマ性,課題を持たざるを得ないところがあるので,例えば小中高で一体となってその地域において教育力を発揮するというふうな,こういうことも現実的な選択としてより出てくることがあるんじゃないかと。こういうことをしかるべき形で検討していくといった場合に,少なからずのデータが研究開発学校の中の取組にあるんじゃないかと私は見ておりますので,それらを照らし合わせながら1段深めた議論を更に次へ展開していくといいかなと思います。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では,品川委員,清水委員,続けてどうぞ。
【品川委員】  ありがとうございます,手短に。特別支援教育の充実について申し上げます。1点めですが,一般の高校の総則のところに,将来の自立と社会参加を踏まえて,個々の生徒の発達特性あるいは学習スタイルを踏まえた指導と評価をするということをしっかり書き込んでいく必要があると考えています。
先ほど髙木先生もおっしゃっていましたが,公立や私立の進学校には自閉症スペクトラム圏もしくはアスペルガー症候群という診断があったり,ニアな状態像を持つ子供たちがたくさんいます。しかしながら,現状では徹底して指導しているという学校はまだまだ少ないと言わざるを得ない。彼らを受容し自己肯定させ,在学中は大事に守ってあげるというところは随分増えてきたように感じておりますが,こういった指導は何とか卒業した後に不適応を起こしてしまうというケースが非常に多いのです。ということは,18歳において身に付けておくべき必要な力を,通常学校にいる特別支援が必要な子どもや,診断はなくても教育的ニーズのある子供たちにも高校の段階で付けていくことをしっかりと視野に入れる必要があると思っております。
二つ目は特別支援学校そのものです。先ほど18歳の段階で自己効力感とかシチズンシップが必要だと申し上げましたが,これは知的障害や身体障害,発達障害など障害のある子どもたちも同様です。彼らと関わっていますと,努力をすれば結果が変わる,自分で将来を変えていけるのだとか,自分も社会の一員で,自分にできる社会貢献があるというリアリティーを持っている子どもが少ないように痛感しています。やってもらうことにも慣れ過ぎている子もいるでしょうし,努力の仕方そのものを学んでいない子もいますし,達成感を得た経験がほとんどない子もたくさんいます。一方で,適切な指導を徹底して受けることで時間はかかりますが,気づき,変わっていく子どももたくさん見てきました。だからこそ,障害ある子供たちにも自己効力感を身に付けさせ,シチズンシップを指導していくことを明記することが必要だと考えます。
もう1点は,まだここには書いていないことなのすが,Twice Exceptionalな子供たちの指導の検討も必要だと考えます。Twice Exceptionalとは全体的にはアンバランスなんだけれども,一部非常に突出した要素を持っていることを言いますが,最近,その突出したところを伸ばそうという動きが出てまいりました。能力を伸ばすこと自体は好ましいと思っておりますが,犯罪学では,アンバランスがある子どもに対して突出したところだけを伸ばす指導を行うとかえって逸脱するというエビデンスがございます。だからこそ,できるところはもちろん伸ばすけれども,苦手さもトレーニングしつつ,規範意識も高めていくということを行っていく必要があり,そこを指導要領には明記しておく必要があることを強調したいと思っております。特に今後,社会的にもTwice Exceptionalな児童生徒への指導が議論にのぼってくると思われますので,触れておく必要があると考えています。
最後に,社会との関わりのところで申し述べます。今日は余り議論になっていなかったのでうすが,高校生の場合,家庭の貧困と教育格差が義務教育以上に直結しやすいと言えます。実際,保護者が病気だったり,一人親家庭で経済的に苦しかったりすると,家族の介護や家計を助けるためにアルバイトをしなければならず,それが忙しくて学校に行きたくても行けなくなって辞めざるを得ない現状があります。いったん辞めてしまうと,学び直したくても金銭的にも時間的にも精神的にも厳しくなります。しかし,現実的にスキルも何も付いていなければ,なかなか正規雇用には結びつかず,結局,非正規雇用のまま貧困を生きていくという子供たちは少なくありません。そこも踏まえてた高校が最後の砦なので学校にいる間にベーシックスキルを担保しなければならないこともここに書く必要があると思っております。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
 清水委員。よろしいですか。
では,今村委員,どうぞ。
【今村委員】  特別支援の件に近い観点かもしれないんですけれども,特別支援の対象になるような生徒だけではなくて,多くの進路多様校の子たちがそれに類する状態にあるということも検討しておかなければいけないなと思っております。大学進学を想定した議論だけではなくて,ここで話題にしなければいけないのは,やっぱり困難をしょっている子供たちが結果的にたくさん在籍している学校でどのような学びをそこで作っていくのかということも次回以降また検討話題にしていければなと思っています。
【羽入主査】  ありがとうございます。時間が限られた中で大変手短にお話しいただきまして,ありがとうございました。
補佐官。
【鈴木大臣補佐官】  本当に大事な議論をしていただいてありがとうございました。30分ぐらいコメントを差し上げたいところなんですけれども,30秒ぐらいしかありませんので。きょう議論があったことはやっぱりしっかりまず学習指導要領に盛り込んでいきたいということと,それから,冒頭ありましたけれども,そのための社会資源をどういうふうに確保していくのかというところが文部科学省としては非常に重要なんだと思います。ただ,残念ながら,極めて世論全体はこのことについてのまず理解といいますか,認識が非常に乏しいことになっているというのを私自身も痛感してまいっておりますので,ここは本当に頑張りどころだなと思います。
その点だけあえて申し上げますと,やはり中央教育審議会というのは,教育政策の歴史の中で,その点についての本当に最後のとりでであり続けたということであります。例えば小泉改革のときに義務教育国庫負担制度をなくすという議論があって,それを何とか,もちろん2分の1から3分の1という変更はありましたけれども,その制度を中央教育審議会の委員の皆様の議論からその存続に盛り返していったということを,一々挙げますともう1時間でも2時間でもありますけれども,本当に皆様方の御意見一つ一つが大変大事だと思いますし,その大変貴重な御意見頂いたことを感謝申し上げたいと思います。
それから,どうしても世の中はステレオタイプ的議論が広がってしまいます。これに対しても,まさに現場で日々御苦労をいただいております皆様方の発言というのは,やっぱりそれだけ大変示唆的でもありますし,ものすごく重みを持って我々受け止めさせていただいています。我々が国会の議論,あるいは対メディアの議論,あるいは対財務省の議論をするときの一番のよりどころはこの中教審の議事録であるということも申し上げまして,本当は言いたいこといろいろありますけれども,これは次回に申し上げさせていただくことにいたします。
またきょうもまだまだ言い足りないことがおそらくいっぱいありまして,逆に言うと,私どもから,このテーマについて皆様方の持っている知見を振り絞って漏らさず事務局にお寄せいただきまして,そのことをこれからの政策形成と,きょうについては高校教育の改革に最大限反映させていくためにも,是非その点を御協力よろしくお願い申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
【羽入主査】  ありがとうございました。きょうの御議論をまとめようかと思いましたが,補佐官から力強い応援のメッセージを下さいましたので,時間も限られていることから,きょうの議論はここで閉じたいと思います。今お話しいただきましたこと,それから,次回もまた高等学校に関しての議論になるということもございますので,大きな方向性と同時に,現実,現場の議論というものを含めていくことができればと思います。
それでは,次回の予定等について,事務局から御説明お願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。まず冒頭御紹介させていただきました資料6,山口委員からの資料ですけれども,スポーツ基本法をはじめ,またオリンピック等含め,学校体育の役割とか,今後オリンピックを含めて教材として活用することによってどういった力を育んでいくかという御紹介を頂いておりますので,また各自お目通しをいただければ幸いであります。 次回につきましては,きょうの資料の一番最後にございますけれども,5月25日月曜日10時から第二講堂にて開催を予定いたしております。また,その後の予定はごらんのとおりとなっております。
次回ですけれども,高等学校教育についてですが,特に教科・科目の編成等も含めまして大きく影響があるというようなことにつきましては,事務局におきまして専門家の意見も少し聴取させていただきながら資料も提示させていただくことを考えておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
【羽入主査】  ありがとうございます。
それでは,本日の企画特別部会をこれで閉じたいと思います。御協力いただきまして,誠にありがとうございました。

 

── 了 ──

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