資料2-4 委員提出資料

保育内容のキーワードとしての「養護と教育が一体」について

民秋 言

 すでに意見として申し述べているが(平成25年11月15日)、『保育要領(仮称)』にとりあげられるべきものとして、保育内容の「養護と教育が一体」は大事にされなければならないキーワードである。このメモで、つぎの点を確認しておきたい。

(1)「養護と教育」の関係・位置づけ

 「養護と教育」との関係については、保育所保育指針が適切に説明している(第3章保育の内容)。「保育の内容」の「ねらい」と「内容」とに分けてまとめてみれば以下の表となる。
 かんたんに、言えば教育の主語は「子ども」であり養護のそれは「保育士等」であることに注目したい。

            

 

 

養護 

教育  

保育の

内容

 

ねらい

 

安定した生活を送り、充実した活動ができるように

保育士等が行わなければならない事項
  

子どもが身につけることが望まれる心情、意欲、態度などの事項
 

内容

子どもの生活やその状況に応じて保育士等が適切に行う事項 

保育士等が援助して子どもが環境にかかわって経験する事項 

 生命の保持と情緒の安定

  5領域:健康・人間関係・環境・言葉・表現

       

(2)「養護と教育」は幼稚園、保育所ともに重要不可欠

 「養護と教育が一体」は、幼稚園教育、保育所保育いずれにも重要不可欠のコンセプトである。子どもが「安定した生活」と「充実した活動」を通して「環境に関わって経験(体験)」し「心情、意欲、態度」を「身に付ける」ために(教育)、保育者(教諭、保育士等)が「適切に行う事項」(養護)、これが養護と教育の関係である。養護は教育を支えるもの、教育は養護を基にして行われるものといえよう。

(3)一人一人の子どもを見据えた養護

 とくに養護は、一人一人の子どもの発達(育ち)を見据え、園生活を通して(登園から降園まで、入園から卒園まで)欠かせないものである。また、[3歳から5歳][0歳から5歳]といった、発達(育ち)を異にする子ども達が共に生活している保育の場では、発達過程区分すなわち一人一人の子どもの発達(育ち)のすじみちに沿って保育者からのはたらきがけが把握され記述することが望ましい。
 ただ、本編か解説書かという扱い方については、養護については上述のとおりかなり詳細な記述となるため、(2)に述べた「教育」との関係に沿って証明するに留め、具体的には(発達過程区分ごとに記述するなど)解説書にまつことも可能である。

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