資料4-1 高大接続特別部会及び高等学校教育部会の検討課題に関する主な論点

高大接続特別部会及び高等学校教育部会の検討課題に関する主な論点


1高等学校から大学までを通じて育成すべき力
○これからの時代に求められる力とその力を育成するための方策
(参考)
・平成24年8月28日文部科学大臣諮問理由(抄)
生涯を通じ不断に主体的に学び考える力、予想外の事態を自らの力で乗り越えることのできる力、グローバル化に対応し活力ある社会づくりに貢献することのできる力
具体的には、豊かな経験・知識と社会や他者への関心・理解に裏付けられた教養と倫理観、常に学び自らを向上させようとする意欲や姿勢、不測の状況に置かれた時に課題を正しく把握しそれを克服・解決することのできる判断力・行動力、異なる価値観や思想を持つ多様な他者と良好な関係を結ぶことのできる協調性やリーダーシップ、他者や社会のために貢献しようとする公共心や実践力等
・初等中等教育分科会高等学校教育部会の審議の経過について(平成25年1月)(抄)
「コア」の要素を含む資質・能力としては、「社会・職業への円滑な移行に必要な力」や「市民性」が重要であるほか、これらを構成する一部ともなる「批判的に考える力」、「説明する力・議論する力」、「創造力」、「人間関係形成力」、「主体的行動力」、「自己理解・自己管理力」、「職業観・勤労観等」、「公共心」、「社会奉仕の精神」、「他者への思いやり」などや、さらには「健康の保持増進のための実践力」なども、「コア」の要素を含むものとして位置づけることができる。

→これからの時代に求められる力を育成するため、基礎的・基本的な知識・技能のみならず汎用的能力の育成を、高大を通じて目指していくことが必要。
 そのためには、高等学校教育、大学教育、及びそれらをつなぐ大学入学者選抜において、一体的な方向性の下に改革を行うことが必要。

2高等学校と大学の接続の在り方
○大学と学生の相互選択
学生の選抜という視点のみならず、生徒自らの能力・意欲・関心に基づく大学選択や大学が求める学生を見いだすといった視点が重要○高等学校教育と大学教育の連携強化
高等学校教育の質保証、大学教育の質的転換を前提とした上での、両者の教育連携による高大接続の推進

→高大接続については、大学入学者選抜のみでつながる関係でなく、高校教育から大学教育への円滑な移行という、教育上の接続の考え方に転換していくことが必要。 

3高大接続における、生徒の多様な資質・能力の評価の在り方
高等学校教育における学習状況の多面的・総合的な評価の充実と、これらの評価を踏まえた大学入学者選抜の在り方の転換、大学教育の質的転換、これらのための評価手法の開発
○高等学校における学習状況の多面的・総合的な評価の充実
・基礎的・基本的な知識・技能等の評価手法
・筆記試験や技能検定等では評価が困難な幅広い資質・能力の評価手法(パフォーマンス評価等)
○高等学校における評価の活用をはじめとした、大学入学者選抜における多面的・総合的な評価・判定
・高等学校段階の多様な学習暦や活動暦を評価するための方策
・語学検定試験、ジュニアマイスター顕彰制度、職業分野の資格検定試験等を活用するための方策
・各大学のアドミッションポリシーに基づく多面的・総合的な入学者選抜を推進するための方策
・推薦入試、AO入試の改善方策
・各大学の選抜方法の工夫改善の取組を推進するための方策
・入学者選抜における透明性、公平性の考え方
○「達成度テスト(仮称)」の在り方
・多面的・総合的な評価の推進の観点から、「達成度テスト」(基礎レベル、発展レベル)に求められる機能
・「基礎レベル」「発展レベル」の在り方(趣旨・目的、活用方法、試験内容、CBT等の試験方法、実施回数、実施時期等)
○大学教育の質的転換
・生涯学び続け主体的に考える力の育成
・主体的に問題を発見し解を見出していく能動的学修の推進
・学生の主体的な学修の確立のための授業方法の工夫や学生への支援
・学修成果の重視等の教育の質保証

→高校教育・大学教育、大学入試においては、基礎的・基本的な知識・技能に加え、思考力・判断力・表現力等を重視するとともに、課題解決能力やコミュニケーション能力などの総合的な能力を評価していくことが必要。
 また、そのための適切な評価手法の開発を、関係者が協力しつつ進めていくことが必要。
→「達成度テスト」の導入を通じて、高等学校教育の質の確保・向上、能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価する大学入学者選抜への転換を一体的に図ることが必要。
 その上で、「達成度テスト(基礎レベル)」の在り方としては、高等学校教育の質の確保・向上に向け、高等学校教育における基礎的・共通的な学習の達成度を把握し、指導の改善に活かすことについて検討をすることが必要。また、その成果については、本テストの趣旨を踏まえつつ、例えば、推薦・AO入試の場面等の対外的な場面において、自らの学力を証明できるようにすることについても検討が必要。
 また、「達成度テスト(発展レベル)」の在り方としては、集団準拠型の「選抜」の手段としての性格ではなく、「相互選択」や「教育接続」に活用できるよう目標準拠型の性格を重視していくことが適当。 

 

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