資料1-3 第8回高大接続特別部会(11月8日)及び第9回高大接続特別部会(11月29日)における主な御意見

第8回・第9回高大接続特別部会における主な御意見

多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜への転換
○従来のAO・推薦での方法は少人数に対して実施するものであり、新たな方法を提案しないと大学がついてこない。例えば、言語運用能力、数理論理力、分析力、問題解決能力等を測る問題やテストの開発こそ検討すべき。(第8回意見)
○選抜は大学入学後の成績と正の相関がないと機能を果たせないが、個々の大学のカリキュラムが個性的になればなるほど、共通テストは使えないシステムになる。(第8回意見)
○米国の例でSATより高校の成績を重視するとあったが、日本の大学関係者も高校の成績を利用したい。しかし、調査書の成績評価に疑問があり、利用できない。(第8回意見)
○学生の7割が私立、そのうち4割が定員割れの状況では、経営上仕方なく学力不問に陥っている部分もある。現状を見据えた上で、検討が必要。(第8回意見)
○選抜段階で学ぶ側の人の覚悟を問うことがあってもよい。産業界では、数回の採用面接を経て、志願者がその会社で何をしたいかということを確認しながら採用を決める。各大学も大学の個性の中で、面接など手間暇かけてこの大学に入りたいという人を選抜する方法を検討すべき。(第8回意見)
○教育再生実行会議第四次提言で示されている「丁寧な選抜」ということが一部報道で面接を実施することに限定的に捉えられているが、論文や高校での活動歴も含まれているものと認識している。必ず面接を実施し、発展レベルの達成度テストと組み合わせることが「丁寧な選抜」となるとすると多くの大学が発展レベルの達成度テストを利用しなくなることが危惧される。(第9回意見)
○様々な資格を得るために様々な学習をしたことが大学入試で評価されることは、プラスに考えればチャンスが増えるということだし、マイナス面は様々なことをしないといけなくなるということ。高校も多様であり、資格取得を入試の評価尺度に入れるのであれば、どのような点を評価するのかを明確にしておくべき。(第9回意見)
○高校と大学の接続を考えると入試センターが調査研究している教科・科目型ではない試験の開発を急ぐべき。知識を前提にした接続から多様な接続を進めていくためには暗記型以外の能力を測るテストが必要。(第9回意見)
○既に選抜の多様化は進んでいるが、問題は選抜性の高い大学の入学者選抜が硬直化していることが問題である。どのように選抜を多様化するのかを議論すべき。(第9回意見)
○選抜方法が多様化することで逆に生徒が様々なことに取り組まなければならなくなる。生徒に過度の負担とならないようにすべき。(第9回意見)
○選抜の多様化というのはアドミッションポリシーを明確化して発展レベルの達成度テストと組み合わせる部分を多様化していくということではないか。(第9回意見)
達成度テスト(発展レベル)(仮称)の在り方
○基礎・発展とテストが二つあり、大学毎に対応がバラバラでは生徒が大変であり、また部活動等も含め高校教育への影響が大きい。(第8回意見)
○基礎レベルは高校部会で議論というくだりがあるが、全ての高校生が基礎を押さえた上の発展レベルテストでなければおかしい。横の連携をとって整理する必要がある。(第8回意見)
○多様な活動の評価を全ての志願者に行うのは、無理であり、発展レベルはセンター試験とそう変わらないものになるのではないか。(第8回意見)
○専門高校の生徒は普通科の生徒より目的意識があるが、普通科とは異なるカリキュラムのため、発展レベルでは、普通科とは別のテストが必要ではないか。(第8回意見)
○大学入試は対象者が毎年50万人を超えており、丁寧な入試の事例は、いずれも小規模であり、普遍化はできない。このため、CBT化や言語能力等を測るテストの開発がないと、センター試験の名称が変わっただけで終わってしまうのではないか。(第8回意見)
○5~6年後から試験を実施するには、今からでも試験内容を具体的に検討しなければならない。面接やボランティアの評価などを全ての選抜では実施できない。言語運用能力等の測定ができるテストの開発を急ぐべき。今よりも負担が少なく、大学が乗ってきてもらえるものが必要。(第8回意見)
○基礎レベルのテストの受験者を増やすためには、基礎レベルをAO・推薦で大学がどれだけ活用するかにかかってくる。発展レベルも活用することに意味がある。達成度テストをそれぞれ活用しやすいものにすることが大事。(第8回意見)
○センター試験の実施は1回でも大学は大変であり、複数回実施は要検討。(第8回意見)
○達成度テスト(発展レベル)について、何を基本にするのかによって、高等学校の教育内容も変わってくるため、慎重な議論が必要。(第9回意見)
○発展レベルの達成度テストは現在のセンター試験に代わるものになると思うが、高校教員からの意見も踏まえ検討すべき。(第9回意見)
○到達度テストの具体的なイメージがないと検討も難しいが、現在のセンター試験は科目数の多さ、実施上の困難さ、素点の合計での合否判定と課題が多く、どうしたらもっと単純化できるのか考えるべき。(第9回意見)
○発展レベルの達成度テストをもう少し基礎的な内容に収斂させるのか、理科や社会を大括り化するのかで高校教育との関係が変わってくる。前者はアメリカのSATやACTのように評価対象の能力を限定していくことになるが、アメリカではそれに加えて高校の成績を重視している。我が国でそういった試験を導入するためには高校教育の質の保証がなければ難しい。(第9回意見)
○高校からすると発展レベルの達成度テストの実施時期や実施回数が気になるところであるが、達成度テストの成績と他の評価手段との組合せ方法は大学が決めるべきものである。大学が達成度テストを活用しなければ選抜方法は変わらず、更に複雑な入試になるのではないか。(第9回意見)
○センター試験は科目数が多いので整理が必要だし、点数の表示も過年度や科目間の比較困難な素点ではなく偏差値化するなどの対応が必要。(第9回意見)

大学の人材育成機能の強化
○入学段階での評価から卒業段階への評価へ転換することが必要。そのための各大学におけるディプロマポリシーの確立が必要。(第8回意見)
○日本の教育の転換期であり、根本が問われている。スピード感・方向性は大事であるが、グランドデザインやどのような人材を育てていくのか等は、全部会で横串を通して共有される必要がある。(第8回意見)
○現状として、大学における成績評価は、教員によって評価の仕方が全然違う。教員がきちんと評価できるようにし、その上でのGPAの活用なのではないか。(第9回意見)
○MOOCを反転授業と組み合わせて行えば、非常に良いものになると思うが、高校及び大学それぞれで教育をしっかりすることがその前提である。(第9回意見)
○教授が生徒に何を教えたかというインプットから学生が何を身につけたかというアウトプットに視点が変わってきた。成果を客観的に可視化できるようにしないと企業側が活用できない。使いたくても使えない。(第9回意見)
○定性的な評価手法は、企業を含め、定着していない。離職率の高い企業が面接重視と言っても説得力がない。教育の評価尺度について、小学校段階から大学まで一貫したものを作成すべきではないか。(第9回意見)
○学位授与の意味を、教員は自分の教授した科目がどのようにそれに関わるのか、学生は何を修得したから学位授与に至ったのか、教員と学生にしっかりと意識付けしなければならない。(第9回意見)

高等学校教育と大学教育の連携強化
○高校側にとって、大学の出前授業は生徒が大学の学びや自分が大学で何をしたいかという意識付けに大変有意義なもの。(第9回意見)
○大学側からすれば、大学での教育内容を分かった上で入学してもらえるというメリットがある。個々の大学での対応では限界があるため、地域のコンソーシアムや教育委員会が中心となって調整することや資金面での支援も必要。(第9回意見)
○例えば推薦入試で進学が決まった生徒に卒業までの3か月で、大学教育の準備などをやっているが、そういったことが機能するには高大の連携が必要。(第9回意見)
○大学の出前授業は大学にとっては高校での学びを理解する機会になるし、高校生にとっては大学にいくとこんな勉強ができるということを理解できる機会であり、高校と大学の学びを繋いでいくためには重要。(第9回意見)
○地方は大学少なく、生徒が大学に触れる機会が限定されており、オープンキャンパスが進学先の大学を判断するいい機会となっている。(第9回意見)
○入学者選抜時の募集人員の大括り化については、入学後に進路変更ができるのならば大学で学んでいくうえでミスマッチの解消になり、生徒・学生にとってはプラスになるのではないか。(第9回意見)

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