資料2 学習成果や教育活動の把握・検証に係る論点(案)

1.「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」について
(1)試験の目的、活用方策
○ 高校教育の質の確保・向上に向け、高校教育における基礎的・共通的な学習の達成度を把握し、指導の改善に活かすこととするか。
※ 実施回をまたいだ比較を伴う達成度試験を行うには、問題を非公開とするか、又は膨大な問題ストックが必要となることに留意が必要。
※ 問題を非公開とする場合、きめ細やかな指導改善への活用が困難であることに留意が必要。
○ また、その結果については、例えば、AO・推薦入試の場面などの対外的な場面において、自らの学力を証明できるようにし、生徒の学習意欲を一層喚起するものとするか。
(2)対象者
○ 全国の高等学校・高校生等(浪人生等大学進学希望者含む)を対象
とし、希望に応じて参加できるようにするか。
○ 大学進学を希望していない一般の者も対象とするか。
(3)実施方法
※ 以下、試験内容、試験形態、実施時期・受験回数・実施場所等の検討に当たっては、問題作成・採点等の実施体制や費用負担について、十分な留意が必要。
・試験内容
○ 教科・科目の区分に対応した試験とするか、教科・科目横断的な教科に依存しない試験とするか。あるいは、両者の組み合わせとするか。
○ 基礎的・基本的な知識・技能や思考力・判断力・表現力等についてどのように問う試験とするか。
○ 全ての高校生が共通に学ぶ共通必履修教科・科目(国語総合、数学Ⅰ、コミュニケーション英語Ⅰ)からの出題とするか、高等学校卒業程度認定試験と同程度(6教科8~9科目)とするか、
各学科に共通する全ての教科から出題するか。(教科に依存しない試験とする場合、対象教科・科目範囲は全てとするか)
※ 高校2年から3年にかけて履修させている科目も存在することから、試験の教科・科目及びその出題範囲については、実施時期を踏まえた検討が必要。
○ 普通科、専門学科、総合学科で共通の問題とするか。
○ 試験の難易度をどの程度とするか。
資料2
・試験形態
○ 問題の性質及び実施体制上の観点から、試験は記述式とするか、マークシートとするか、それともその併用とするか。
※記述式を含む場合、採点者の確保や結果提供に時間を要することに留意が必要。
○ コンピュータベースドテスト(CBT)を導入するか。
○ 指導改善に活かす場合、問題や採点基準等を公開する必要があるが、
どのように考えるか。(1.(1)の留意事項を参照)
○ 結果を公表するのか。公表する場合、公表内容(都道府県・学校別の結果等)や公表主体等をどうするか。
・実施時期・受験回数・実施場所(※試験内容、試験形態と関連)
○ 高校2年生から受験可能とするか、高校3年生に限定するか。
○ 複数回受験可とするか(その場合、年に複数回機会を設けるか、それとも高校在学期間を通して複数回の受験機会を設けるか)。
○ 実施時期はいずれの時期に行うのが妥当か。
(例)夏期休業前(7月)、夏期休業中(8月)、夏期休業後(9月)、冬期休業前(12月)、冬期休業中・後(1月)、年度末(2,3月)
授業中か、授業外(放課後、週末、夏期休業期間)か等
○ 高校の授業時間に位置付けて実施するのか。授業時間外に実施するのか。
○ 高校で実施するか、別途会場を設けるか。試験の監督体制をどうするか。
※ 全日制のほか、定時制・通信制を併置する高校もあること、また、高校生以外も受験可能とする場合の受験機会の確保にも留意が必要か。
(4)その他
○ 高等学校卒業程度認定試験との関係はどうするか。

2.生徒の多面的な学習成果の評価の仕組みの充実・活用方策について
○ 職業資格・技能検定や民間の検定試験等の活用の推進
・どのような分野で活用すべきか。
・具体的にどのような活用方策が考えられるか。
○ 幅広い資質・能力の評価手法に係る調査研究の推進
○ 必要に応じた、指導要録の様式の見直し(記載事項の改善)などによる学習評価の充実
3.その他


(参考)
教育再生実行会議第4次提言(平成25年10月)及び高等学校教育部会「審議の経過について(平成25年1月)」における高校教育の質の確保・向上に係る論点比較

1.「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」
1)目的、活用方策
【実行会議】高等学校教育の質の確保・向上を図るため、高等学校の基礎的・共通的な学習の達成度を客観的に把握し、各学校における
指導改善や生徒の学習意欲の喚起、学習改善に活用
※ 「達成度テスト(基礎レベル)」(仮称)は高校の単位及び卒業の認定や大学入学資格のための条件とはしない
※ 民間の検定や各種試験との相互補完により、生徒の学習習慣の定着を図る方法も模索
【高校部会】高等学校全体の質保証の観点から、高校生として共通に求められる基礎的・基本的な知識・技能や思考力・表現力・判断力等に関し、
その学習到達度を把握する希望参加型のテストを全国規模で行う仕組みを設け、各学校・生徒の希望に応じて活用できるようにするなど、客観的な把握に基づく評価の充実を図る。

2)入試での活用
【実行会議】推薦・AO入試における基礎学力の判定に際して活用も可能とし、各大学の判断による活用を促進
【高校部会】例えば、就職やAO・推薦入試の場面などの対外的な場面において、自らの学力を証明できるようにし、生徒の学習意欲を一層喚起

3)対象者
【実行会議】できるだけ多くの生徒が受験
【高校部会】全国の高等学校・高校生が希望に応じて参加

4)実施方法(試験内容・形態)
【実行会議】高校教育課程における基礎的・共通的な教科・科目で、知識・技能の活用力・思考力・判断力・表現力なども含めた幅広い学力を把握・検証できるものとする
【高校部会】高校生として共通に求められる基礎的・基本的な知識・技能や思考力・判断力・表現力等に関する学習到達度を把握
※ 同調査に加え、学習時間や学習意欲など、高校生の学習状況を客観的に把握するための調査を定期的に行うことが必要

5)受験回数、実施時期、実施場所
【実行会議】高校在学中に複数回受験できる仕組みとすることを検討
※実施時期、実施場所については今後の検討課題
【高校部会】※今後の検討課題

6)試験の名称
【実行会議】「達成度試験(基礎レベル)」(仮称)
【高校部会】「高等学校学習到達度テスト」(仮称)

※ 試験の運営方法については、教育再生実行会議第4次提言において、大学入試センター等が有するノウハウ、利点を活かしつつ、達成度テスト(発展レベル)(仮称)と相
互に連携して一体的に実施することと提言されている。


2.生徒の多面的な学習成果の評価の仕組みの充実・活用方策
【実行会議】
○ 国及び地方公共団体は、ジュニアマイスター顕彰制度や職業分野の資格なども活用し、生徒の多面的な学習成果の評価の仕組みを充実し、生徒が進学や就職にも活用できるようにする
○ 学校は、教育活動の質を向上させていくため、自らの教育活動の成果等を不断に検証する学校評価を通じて学校運営の組織的・継続的な改善を図るともに、積極的な情報発信を行う
【高校部会】
○ 幅広い資質・能力については、評価の妥当性の確保や信頼性の向上に向け、評価の手法や評価指標等に関する調査研究を行い、その成果を踏まえ、評価の取組を進める
○ これらの研究成果については、必要に応じ、指導要録の様式の見直し(記載事項の改善)などによる学習評価の充実につなげていくことも検討
○ 生徒の学習状況の評価だけでなく、その評価の結果を生徒に適切フィードバックしつつ、日々の指導の改善・充実を図る。国において
は、各高等学校・教員におけるこうした指導改善への取組を支援・促進していく

 

○教育再生実行会議第四次提言(平成25年10月)参考資料
「達成度テスト(仮称)」に関する提言内容

 

名称(仮称)

達成度テスト

基礎レベル

発展レベル

目的

高等学校教育の質の確保・向上、大学の人材育成機能の強化、能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価する大学入学者選抜への転換を図る改革を行う。その一環として、高等学校段階における学習の達成度を把握し、高等学校の指導改善や大学入学者選抜に活用する新たなテストとして導入

機能・大学入学者選抜での活用

高等学校の基礎的・共通的な学習の達成度を客観的に把握し、学校における指導改善に活かす

推薦・AO入試における基礎学力の判定に際しての活用を促進

 

大学が求める学力水準の達成度の判定に積極的に活用


各大学で基礎資格としての利用を促進


利用する教科・科目や重点の置き方を柔軟にするなど弾力的な活用を促す

受験回数

 

高等学校在学中に複数回受験できる仕組みとすることを検討

 

試験として課す教科・科目を勘案し、複数回挑戦を可能にすることを検討

試験内容等

基礎的・共通的な教科・科目


知識・技能の活用力、思考力・判断力・表現力も含めた幅広い学力を把握し、指導改善につなげる


高等学校の単位及び卒業の認定や大学入学資格のための条件とはしないが、できるだけ多くの生徒が受験

大学教育に必要な能力の判定という観点から教科・科目や出題内容を検討


知識偏重の1点刻みの選抜にならないよう、試験結果はレベルに応じて段階別に表示

試験運営

大学入試センター等が有するノウハウ、利点を活かしつつ、相互に連携して一体的に行う

 

※具体的な実施方法や実施体制、実施時期、名称、制度面・財政面の整備等について、高等学校での教育活動に配慮しつつ、関係者の意見も踏まえ、中央教育審議会等において専門的・実務的に検討。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)