資料1 高等学校教育の質保証のための仕組みについて ~質保証に向けた評価の充実方策~

検討に当たっての基本的スタンス(案) ~「コア」の範囲と評価の関係等について~

 高等学校教育の質保証に向け、全ての生徒が共通に身に付けるべきもの(=「コア」)について、個々の生徒の習得の状況を適切に把握し、改善につなげるための評価の仕組みが重要。

※ 「コア」を構成する要素は、「確かな学力」、「豊かな心」及び「健やかな体」(知・徳・体)のいずれの領域にも含まれるものとして、「コア」の範囲を捉える。

※ 学習指導要領が示す「必履修教科・科目等」は、すべての生徒に「コア」を身に付けさせるための共通の枠組みを、教科・科目等の形で示したものと捉えることができる。

※ 「コア」の要素を含む領域の中にも、(1)筆記試験や技能試験等による客観的な評価の対象としやすいものと、(2)それ以外のものとがあり、このことを踏まえた上で、下記1.及び2.の方向で検討を行う。

  1. 「客観的な評価の対象としやすいもの」としては、学力のうち、基礎的な知識・技能や、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等があると考えられるが、これらについては、客観的な評価の取組を進める。
  2. 「その他のもの」としては、1.で対象とすることが困難な思考力・判断力・表現力等や、学習への意欲・態度、社会・職業への円滑な移行に必要な力、社会の一員として参画し貢献する意識などの「市民性」、その他の道徳的な価値・倫理観、健康の保持増進のための実践力などの幅広い能力等がこれに当たると考えられるが、これらについても、評価の妥当性の確保や信頼性の向上に向けての調査研究を行い、その成果を踏まえ、可能な限りの評価の取組を進める。

評価の仕組みの在り方について

1. 筆記試験や技能試験等による客観的な評価の対象としやすいもの

 基礎的な知識・技能や思考力・判断力・表現力等の評価

<論点例>

  • 客観的な評価の取組の目的についてどう考えるか。また、評価の結果は、どのように活用するか
    〔評価の目的・評価結果の活用の例〕
    ・ 評価を通じ、学校及びその設置者が、生徒の習得状況を適切に把握することにより、学校における指導の改善・教育の質向上につなげる。
    ・ 生徒一人一人が自らの学習状況を把握し、学習意欲の向上につなげる。  など
  • 基礎的な知識・技能及び思考力・判断力・表現力等のどの範囲についてどのような手法で把握するか。
     〔評価の取組例〕
    ・ 普通科目(必履修教科・科目ないし共通必履修科目)で学ぶ基礎的な知識・技能や、思考力・判断力・表現力等について、筆記試験により把握する。
    ・ 職業系の専門科目で学ぶ基礎的な知識・技能や、思考力・判断力・表現力等について、技能試験の実施により、又は資格試験・技能検定等の活用により把握する。  など
  • 客観的な評価の取組を進めることとしたとき、その実施主体についてどう考えるか。
     〔評価の実施主体例〕
    ・ 各学校、各設置者(都道府県)による実施
    ・ 国による実施(統一的な実施)
    ・ 校長会や民間の検定実施団体等による実施  など

2. 1.以外のもの

 1.で対象とすることが困難な思考力・判断力・表現力等や、学習への意欲・態度、社会・職業への円滑な移行に必要な力、社会の一員として参画し貢献する意識などの「市民性」、その他の道徳的な価値・倫理観、健康の保持増進のための実践力などの幅広い能力等の評価

  • 評価の妥当性の確保信頼性の向上等の課題にどう対応するか。幅広い能力等のどの範囲について、どのような手法で把握するか。評価の指標の在り方について、どう考えるか。
     〔評価の充実方策例〕
    ・ルーブリック、ポートフォリオ評価等の活用、様々な評価指標例の提示
    ・指導要録の記載事項の改善  など

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