資料6 初等中等教育分科会(第80回)における委員からの主な御意見

(総論について)

  • 質保証や、コアなど、言葉が一人歩きしないよう、今の高等学校の学習指導要領と併せて考えていただきたい。
  • ほぼ全員が進学する中で、高等学校が一つの教育機関として有効適切に機能していくためにはどうしたらいいかということを、各都道府県で委員会を作り検討している。その資料も集めて検討に活かしてほしい。
  • 高等学校は、義務教育終了後、生徒が能力、適性、興味、関心に応じて本来進学すべき学校だと思うが、実際には普通科志向が一般的になり、結局、普通科教育では何も身に付かず、そのまま社会に出てしまうという実態がある。専門学科で専門を身に付けることにより、高等学校を卒業後、大学や専修学校に進学し、スペシャリストへの道を歩むことも可能とすれば、フリーターやニートという問題も少しは解消されるのではないか。
  • 大学卒業後も社会的に職業生活が円滑に進むというわけではない中で、高等学校教育のあり方として、高等学校における専門学科の充実が、我が国の産業構造の充実や中小企業が9割を占めている。そうした企業の担い手の育成は重要だと考えており、議論が必要。
  • 21世紀は多様性という流れがある中で、例えば、現場で一番大きな問題になりつつある発達障害について、その専門家が委員に入っていない。市民教育も大事と思うが、その専門的な識見を持っている方も入っていない。学校関係者以外の世界の様々な知恵を取り入れるべきではないか。

(コアについて)

  • 高校では道徳教育のスパイラルのような形で、改めて市民教育のようなことをやっていただきたい。
  • 高等学校までにどういう力をつけておくのかという、まさにコアに係る部分が、将来の国の有様や個人の生活の有様も決めていくと思う。
  • 98%の子ども達が高等学校に進学し、高校無償化が平成22年度から始まった中で、高等学校教育の目標は、心身の発達及び進路に応じて高度な普通教育や専門教育を施すという目的で現状と合致しているのか疑問。
  • 義務教育を離れて高度な普通教育を受けるということは、ある意味でその条件が整ったということだと思うが、現実として98%が進学する中で、もっと根本的に、子ども達全員が自分で食べていく力、これをどう育てるかという、基本的なところを検討する必要があるのではないか。
  • キャリアの教育やグローバル人材などの話も出ているが、社会人としての責任や自分が社会をつくるという意識を育てる教育を高校で行えるといい。
  • 青年教育というのは極めて多様な子がいるわけで、その中で本当にどうやれば支援できるかというところを議論していただきたい。

(質保証について)

  • 質保証は主に教科の教育であり、学校としては、一律の基準で留年とか落第とかは決めにくいのではないか。
  • 個々の生徒が自分の修得状況を明確に示すための、例えば教科別の検定試験のようなものがあってもいいのではないか。
  • これまで高校の教科の選択制が進んできたが、例えば、教員養成ということから見ても、あまりにも社会科や理科の選択が進み過ぎたのではないか。高校ではもう少し全体的なことをやってほしい。
  • 高等学校教育の質保証という点でいえば、新しい学習指導要領が来年度から実施されることも含みつつ、全ての生徒が全ての科目を学び、ただし、全ての科目というのをどの範囲まで広げるのかを考えなければならないのではないか。
  • 例えば、キャリア教育において、大学の学位や高等学校のアカデミックなグレードに、いわゆる職業段位など学校以外で作られた様々な社会的な価値を付けることで成功している国が多く、非常に流動的な仕組みを取り入れることも必要ではないか。

(高大接続について)

  • 大学入試に左右されない、高等学校教育の独立性が不十分である。
  • 大学入試と関係することとして、文系と理系に高校1年の終わりぐらいに分かれるところで、職業もまだわからない時期になぜ文系と理系に分かれるのかわからない。各学校ではできないことであり、ぜひ検討していただきたい。

(その他)

  • 教員の問題について、教員養成で手を付けるというのは当然だが、例えば理数系がいなければ、社会に多くいる理数系の知識を持っている人を教員に登用する道など、社会の規制の流動性といったことを提言するのがいいのではないか。
  • 高等学校だけでなく義務教育や大学にもつながっていくが、21世紀を生き抜く力を育成するために、学びとる、考えるといった「一斉講義型の授業に加えて、ICT等の活用による対話型・協働型・グループワークを取り入れた新たな学びを実施したり」という点は重要であり、高等学校の教育方法の改革、教育方法の改善、充実に期待したい。

 

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