学校段階間の連携・接続等に関する作業部会(第16回) 議事録

1.日時

平成24年6月25日(月曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省東館16階特別会議室

3.議題

  1. 小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理(案)について
  2. その他

4.議事録

【小川主査】 定刻になりましたので、第16回目の学校段階間の連携・接続等に関する作業部会を開催したいと思います。
 お忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございます。最初に、今日の配付資料の関係を事務局からお願いします。

【小谷教育制度改革室長】 本日の配付資料は、議事次第にございますように、資料1、資料2及び参考資料となっております。不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。

【小川主査】 よろしいでしょうか。
 では、議事に入りたいと思いますが、前回の会議において、各委員から意見等の整理案についていろんな御意見を頂きました。
 今回、前回の皆さんから頂いた御意見をかなり踏まえまして、微調整を事務局に丁寧にやっていただきました。今日は、その資料1の意見等の整理案をベースにして、本部会の取りまとめに向けた意見交換を行っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では、事務局から、前回の意見等を反映した資料1、特に加筆修正した辺りを中心にしながら説明いただければと思います。お願いします。

【小谷教育制度改革室長】 それでは、小川主査よりお話がございましたように、前回の会議で御審議いただきました「小中連携、一貫教育に関する意見等の整理(案)」につきまして、資料2でお示ししております、前回委員の皆様方から頂戴しました御意見を基に修正いたしました。見え消し版と参考資料まで反映したものを御用意しておりますが、今、主査から御指示がございましたように、見え消し版を用いて、前回からの主な修正点を御紹介させていただきます。こちらの色の付いた見え消し版の方を御用意いただければと思います。
 まず、目次でございますけれども、内容の変更に関わるところを青字で、位置の変更をしているところを赤字でお示ししております。
 全体の構成といたしまして、まず村上委員の御指摘から、教育課程、指導方法を目的、効果の次に位置付けました。
 そして、向山委員の御指摘から、見出しの文言が不統一だったところを整理させていただいております。
 また、新井委員や井上委員の御指摘から、6・3制を前提とした小中連携、一貫教育の推進に関する事項と、9年制の新しい学校種としての義務教育学校制度(仮称)について、それを制度化することの是非は明確に区分することといたしました。それらの形で、ローマ数字2、ローマ数字3というように明確に分けております。
 それでは、1ページを御覧いただきたいと思います。
 天笠委員の御指摘から、まず13行目の丸でございますけれども、児童生徒に関する課題が、多様化、複雑化している中、複数の学校段階間で連携して課題解決に当たることが求められていることに追記いたしまして、35行目に、「教職員が異なる学校段階にわたって教育を見通し」ということを追記いたしました。
 2ページから3ページにかけてのところでございますが、こちらは、長谷川委員の御指摘から、「問題行動」と表記しておりましたところを改めまして、そしてその上で文言を整理し、2ページ目の最終行から3ページにかけまして注で記載しておりますが、呉市で行われた調査結果に基づきまして、小学校5年生からの子どもの意識の変化について追記いたしました。
 続きまして、6ページと7ページのところをお開きいただきたいと思います。6ページの14行目からでございますが、こちらは、目次のところで御説明させていただきました形で全体の構成の説明する部分を改めさせていただきました。
 続きまして、8ページを御覧いただきたいと思います。小中連携、一貫教育の推進について、目的、効果に関わる部分でございますけれども、5行目の丸は、長谷川委員の御指摘から、ここでも「問題行動」という用語を改めまして、向山委員の御指摘から、24行目から28行目にかけて、「目的としている」ということを明確に修正しております。
 また、9ページを御覧いただきますと、こちらも、向山委員や長谷川委員の御指摘から、効果の記述は、児童生徒の規範意識の向上や自尊感情の高まり、教職員の児童生徒理解や指導方法改善意欲を補わせていただきまして、その点を訂正させていただきますが、こうした要素を盛り込んで再整理させていただきました。
10ページを御覧いただきたいと思います。教育課程の記述でございますが、まず村上委員の御指摘から、2行目のところで、教育課程の編成、実施は「その根幹となる」ということを追記いたしました。また、32行目の丸からでございますが、こちらは表現を分かりやすく改めさせていただいております。
 それから、11ページでございます。長谷川委員の御指摘から、1行目から、ここでも小学校5年生からの意識の変化についての記述を追記いたしまして、また新井委員の御指摘から、9行目の丸のところでございますが、市町村という形で両方を整理させていただきました。
 12ページを御覧いただきたいと思います。酒井委員の御指摘から、4行目からでございますが、今後の学習指導要領の検討に当たって、義務教育段階を通じて、一体的な検討が更に進められる必要があることを追記いたしました。
 また、13ページを御覧いただきたいと思いますが、こちらも、新井委員の御指摘から、表現を整えさせていただいております。
 14ページを御覧いただければと思います。教育課程の特例に関わる部分でございますが、まず、無藤主査代理の御指摘から、23行目の丸のところでございますが、特例を活用する場合の留意事項といたしまして、「学習指導要領に規定する各学校・学年の各教科等の内容を適切に取り扱い、学習指導要領で定める目標を確実に達成することが求められる」ということを追記いたしますとともに、36行目から、学校設定教科に係る教育課程の特例を設けることの意義として、小・中学校を通じた独自の教科の設定を行うことも可能になること、またこの学校設定教科を軸として、9年間を通じて、特色ある教育を実施することにより、小・中学校の教育課程をより系統的・継続的なものとすることができ、また15ページにかかりますけれども、小・中学校9年間を1つのまとまりと捉えた学校間の連携・協力体制が構築されることで、学校、市町村の創意工夫をより一層生かした形で、児童生徒の学びを支えることが可能となることについて追記いたしました。さらに、4行目では、その際に学校や市町村が取組についての説明責任を果たしていくことについて追記いたしました。
 また、7行目の丸では、天笠委員、無藤主査代理から御指摘のございました学校間又は学年間での指導内容の入替えや移行を可能とすることにつきまして、ここでは、酒井委員からは、教育課程の特例を設けることは慎重であるべきとの御指摘もありましたので、その点を踏まえた上で追記させていただいております。
 17ページを御覧ください。指導方法に係る部分でございますが、まず7行目の丸は、赤沼委員の御指摘から、研修に係る記述について、26ページの教員人事の項目から移動させていただきました。また、20行目から、天笠委員の御指摘から、小学校6年生と中学校1年生についての合同授業等について追記いたしました。
 18ページを御覧ください。推進体制に係る部分でございますが、26行目の丸は、長谷川委員の御指摘から、ヒアリングいたしました品川区の事例に基づいて記述していたところを一般的な表現に改めました。
 また、19ページを御覧ください。こちらも、長谷川委員の御指摘から、不登校に係る記述を改めまして、また教職員のICTの活用に関する記述は、次項に集約したため、ここでは削除いたしました。
 20ページを御覧いただきたいと思います。まず、原委員の御指摘から、1行目から、校長を兼務する場合の課題について修正いたしました。また、教職員の過度な負担の解消についての記述で、11行目で、ICTを積極的に活用することはここで明記いたしました。また、17行目から、原委員の御指摘から、小中連携、一貫教育の狙いが達成された場合には、最終的に教職員の根本的な負担の軽減にもつながるということを追記いたしました。
 21ページを御覧ください。長谷川委員の御指摘から、1行目でございますが、市町村教育委員会の小中連携、一貫教育のコーディネーター機能に係る記述につきまして、「教育課程編成に携わる指導主事のほか」といった部分を削除するなどして整理いたしました。
 23ページを御覧ください。地域との連携等についての記述でございます。まず、向山委員の御指摘から、通学区域に係る記述を施設・設備の30ページから移動させました。その上で、地域とともにある学校づくりとの関係につきましては、天笠委員、長谷川委員、向山委員の御指摘から、大幅に記述を見直しました。
 まず、30行目の丸にありますように、小中連携、一貫教育と地域連携に合わせて取り組むことで大きな効果が期待できることを記述いたしまして、その次に35行目の丸で、各地域において、地域の実情に応じた義務教育期間の9年間の在り方について検討していくことが必要であることを述べまして、そして1枚めくっていただきまして、24ページに参りまして、その上で、事務局による実態調査の結果を紹介するという形で、記述の順序を入れ替えさせていただいております。
 その上で、24行目の丸でございますが、学校と地域との連携が教育改革の柱の一つとして推進されてきたこと、学校評議員制度、学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティ・スクールが導入されてきたこと、そして学校評価が責務として学校教育法に位置付けられるなど、学校が地域に開かれた信頼される存在となるための一連の制度改正が行われてきたことを説明した上で、32行目の丸で、天笠委員が座長を務められました学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議におきまして、地域とともにある学校について提唱されたことを紹介した上で、39行目の丸にありますように、地域との連携体制を継続的に確保していくため、学校運営協議会制度や学校支援地域本部といった仕組みを導入することで、より良く地域との連携や信頼関係の構築を図っていくことが考えられるという形で説明することといたしました。
 お隣の25ページでございますが、まず長谷川委員の御指摘から、21行目の丸のところですが、コミュニティ・スクールや学校支援地域本部の導入の留意点につきましては、小中連携、一貫教育の推進との文脈では必ずしも必要がないため削除いたしました。
 続きまして、27ページを御覧いただきたいと思います。教員免許に係る部分でございますが、天笠委員の御指摘から、まず最終行で、教員養成は、取得する免許状に対応した学校種別になされている現状があることを追記いたしました。
 さらに、28ページを御覧ください。高岡委員の御指摘から、教員養成課程の在り方につきまして、3行目から、道徳に関する指導法、教育相談や生徒指導などの領域についてのカリキュラムの改善などについて追記いたしました。
 29ページを御覧ください。26行目では、校地・校舎に関わる部分ですが、新井委員の御指摘から、「体格や」ということを追記いたしました。
 31ページを御覧いただきたいと思います。義務教育学校制度(仮称)の創設の是非に係る章でございますが、まず新井委員の御指摘から、3行目の丸で、第ローマ数字2章で、現行の小・中学校制度を基本としつつ、それらの連携や一貫教育を推進するための諸方策についての意見を整理した上で、新たな学校制度として義務教育学校制度(仮称)について、創設することの是非及び創設しようとする場合の論点に関する委員の意見の整理をすることを明確にいたしました。
 32ページを御覧いただきたいと思います。8行目に諸外国の義務教育制度等という項を設けまして、第13回の作業部会におきまして、事務局から御説明させていただきましたアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国、フィンランド、シンガポールの義務教育制度について簡単に追記いたしました。作業部会で御紹介した関連資料は、参考資料としてこの報告に添付することとしております。
 まず、12行目の丸でございますけれども、シンガポールを除きまして、義務教育年限はおおむね9から11年となっており、初等教育段階は学級担任制で、中等教育段階は教科担任制が基本となっていること、また18行目の丸で、9年間一貫した教育を施す学校を制度化しているフィンランドでは、校舎に着目すると、前期課程と後期課程が別々に存在する場合が多くあり、前期課程が学級担任制であり、後期課程が教科担任制となっていることを記述しまして、25行目の丸で、フランス、韓国、フィンランドでは、初等教育と前期中等教育段階においては単一の学校種となっており、またアメリカでは、州や学区ごとに学校制度は異なりますが、初等教育段階では小学校に就学し、その後、ハイスクールやミドルスクールに進学すること、イギリスにおいては、初等学校と総合制中学校に就学する児童生徒がほとんどでありますけれども、一部の地域ではそれらに代わる学校制度も見られること、ドイツにおいては、大半の児童生徒は、初等教育段階の基礎学校を卒業後、前期中等教育段階からハウプトシューレ等に別れて進学することになること、そして33ページの、シンガポールにおきましては、義務教育が、ほとんどが初等学校となっていることを記述いたしまして、5行目の丸で、以上のことから、今回、取り上げた諸外国におきましては、一般的に初等教育段階から学校制度を複線化している国はなくて、また初等教育段階と中等教育段階では、学校種が異なるのが、一般的であることが分かることを追記いたしました。
 その上で、井上委員の御指摘から、義務教育学校制度(仮称)の創設の是非という形で改めて御報告しております。天笠委員の御指摘から、まず、どのような論点を念頭に議論したのかということで示すために、これも第13回の会議で事務局よりお示しさせていただいた論点でございますが、この論点例を引用する形で明記させていただきました。
 36ページを御覧いただきたいと思います。結論といたしまして、賛成意見、慎重であるべきとの意見の中で示されたそれぞれの要素をきちんとお示しいたしました上で、義務教育学校制度(仮称)の創設には慎重な検討が必要であるということを明記させていただきました。
 そして、10行目の丸で、義務教育学校制度(仮称)に期待されることが、現行制度において対応可能な面が多く、教育課程に関する柔軟な対応については、特例を活用することで、一定の改善が図られるものと考えることを明記し、20行目の丸のところの24行目以降でございますが、こちらの教育課程の方で特例の内容は記述済みでございますので、あえて再掲することで、現行制度を基本とした改善策と新たな制度についての記述が混在することで、かえって混乱が生じることのないよう、こちらでは削除させていただいたという形で再構成しております。
 あと最後、38ページを御覧ください。まとめになりますが、3行目の丸で、また改めて、現行の小・中学校制度を通した御議論、そして新たな学校制度として義務教育学校制度(仮称)を創設することの是非について、御議論いただいたことを追記し、また天笠委員の御指摘から、26行目におきまして、小・中学校及び市町村の主体性と創意工夫が発揮されることについて追記しております。
 事務局からは以上でございます。

【小川主査】 ありがとうございました。
 では、今、事務局から説明があったように、前回、委員さんから出された意見については、事務局の方で検討いただいて、的確に今日の資料の中に反映させていただいているかなという感想を持ちました。
 それでは、全体を通してというと、やはりあちこちとびますので、ただ細かく区切ってやるのも、議論しづらい面もありますので、今日は、大きく分けて、ローマ数字1、ローマ数字2、ローマ数字3ということで区切って議論をさせて頂ければと思います。よろしくお願いします。
 では、まず、ローマ数字1、小・中学校間の連携、現状と課題認識、1ページから7ページにわたって何かございますでしょうか。
 では、國定委員、どうぞ。

【國定委員】 ここ何回か欠席していたので、どんな議論が行われているのかよく分からないものですから、議論の流れと相反するようであれば全く取り入れていただかなくて結構なんですけれども、この小中連携であったり小中一貫教育の構想を進めていく上で、私自身がいろんなヒアリングに参加させていただく中で、一番そのとおりなんだろうなというように思ったのは、今の子どもたちの生きる力が、昔に比べると減退しつつある中での取組の側面がやはりあるのかなというように私の中では思っています。
 生きる力がなぜそもそも減退しているのかというように考えると、もちろんこういう少子化の進行であったり、様々な社会変化というのはあるんでしょうけれども、私の中でやはり大きいなと思っているのは、地域コミュニティそのものが都市部を中心として崩落傾向にあるということであったり、そもそも家族にしてみたって、核家族化が進んでいるということが、その子どもたちが生きる力をしっかりと育むことができるような環境になかなかなりきれていないというところが、そもそも素地なのかなというように思っています。
 そんなことを考えると、この見え消し版で言うと、1ページの15行目のところが、「少子化の進行や情報化、グローバル化の進展等」というようになっているんですけれども、少なくとも、ここが中高一貫であったり幼保小であったり小中一貫というところの一番大事な記述になると思うんですが、ここの児童生徒を取り巻く社会状況の様々な変化の事象が、少子化の進行であったり情報化であったりグローバル化の進展ということだけにとどまっているというのが何となく自分の中ではしっくり来なくて、核家族化の進展であったり地域コミュニティがそもそも日本全体の中で損なわれつつあるんだというようなところは、やはりここは明記すべきなのではないかなというように思っております。また、それに続くところは、次のローマ数字のところに出てくるので、またそのときに発言させていただきたいと思います。

【小川主査】 ありがとうございました。
 そういう視点については、この部会でもいろいろ意見が出されまして、かなり配慮して書かれているのかなと思っています。例えば、生きる力の減退と地域コミュニティや家族との問題については、地域との連携の中で取り組みを進めていくことが、小中連携、一貫教育の効果を相乗的にすると。今日の資料1の23ページのところで、そういった視点で、小中一貫、連携の取組を関係付けていくというのも正にそういう問題意識がこの作業部会でもありました。ただ、今頂いた意見については、ローマ数字1のところで、もう少しきちんと反映できるように工夫できれば工夫していきたいと思います。ありがとうございました。
 では、角野委員、どうぞ。

【角野委員】 私も欠席が続いておりましたので、私の意見になりますけれども、ページ数で言うと3ページの2行目のところに、「発達上の段差」という言葉がありまして、これは平成17年の中教審の中で一定オーソライズされている言葉なので、問題はないのかなと思うんですが、この小中一貫教育とか小・中学校の段差という言葉を考えると、そこにはこの段差という言葉が議論されるときに必ずしもプラスとは限らなくて、この小学校高学年における発達上の段差というのは、ある意味でデータ的に数値が落ちるのは、有能感から劣等感、これは、実は現実的な自己理解の発達というように捉えたら、この言葉は否定するものではないんですが、もう少しここは言葉を増やした方が恐らく分かりやすいだろう。子どもは、4年生、5年生ぐらいに自己理解の認識が発達していくと、現実がよく見えるようになってくると、そういうような表現にしておいた方が誤解を招かないかなと思います。ただ、中教審でオーソライズされている言葉なので、否定はするつもりはございません。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。その点、もし工夫が可能であれば考えてみたいと思います。
 ほかにどうでしょう。ローマ数字1の7ページまで、いかがでしょうか。前回、御意見を述べられた方、よろしいですか。
 無ければ、また全体を通じてということで、御意見を伺いたいと思いますので、次に移ります。ローマ数字2、小中連携、一貫教育推進ということで、1から7まで少しコメントがあるんですけれども、何か御意見はございますでしょうか。
 どうぞ。

【國定委員】 先ほどの続きになるんですが、8ページの(1)の目的の三つ目の丸のところなんですが、22行目のところで、「一つには、少子化の進行により児童生徒の人間関係が固定化しやすい中」だけにとどまっているんですね。要は、今、言葉を整理しきれないですけれども、核家族化の進展であったり、地域コミュニティが減退するというような中で、子どもたちの生きる力が減退していると。つまり、様々な摩擦に対して、乗り越える力がなかなか育ちにくい環境にあるからこそ、ここにあるように、その児童生徒が、多様な教職員、児童生徒と関わる機会を増やすことでというようにつながれると思うので、ここを一方的に「少子化の進行により児童生徒の人間関係が固定化しやすい中」だけではなくて、もう一つ、生きる力を再び元に戻すというような雰囲気の用語が、もう一つの要因として加わっている方が望ましいのではないかなというように思っております。

【小川主査】 先ほどの指摘の文脈で、この辺も少しそういう文面が伝わるように工夫してみたいと思います。ありがとうございます。
 ほかにどうでしょう。
 村上委員、どうぞ。

【村上委員】 10ページの15行目ですが、「その際、例えば」となっていますが、この「例えば」を取っていただくことはできないのかなと思っております。それは、「学力観、授業観を一貫したものとすることで、系統性の担保につなげていくことが考えられる」ということですので、「例えば」というようにするのはどうかなと思っておりますので検討ください。

【小川主査】 ありがとうございました。
 ほかにどうでしょうか。
 酒井委員、どうぞ。

【酒井委員】 細かいことになるのかもしれませんが、12ページ、16行目からの丸のところですけれども、教育課程のところで、新設の教科として「例えば」としまして、市民科、コミュニケーション科、言語科などというのが新たに加わっているんですが、それが、別のところにももう一度、14ページの下から4行目でも、もう一度同じこの並びの三つの教科が出ておりまして、これは、意見というよりも、この三つに絞られた、これをここで出した経緯といいますか、ちょっと私が分かってないところがございまして、もし何か特段の意図がありましたら教えていただきたいのです。

【小川主査】 これは、先行事例でこういう新たな教科を作って実践されている具体事例を紹介かたがた書き込んだと思うんですけど、事務局の方、いかがですか。

【小谷教育制度改革室長】 この例示を入れましたのは、実際に御覧いただいた方が具体的なイメージを持ちやすいようにと思いまして、例示を入れさせていただいたというのが一つ、これを選びましたのは、実際にヒアリングの場で、委員の皆様方に聞いていただいた取組の中から選んだということで、特に文部科学省としてこの三つを推奨しているとか、そういった他意は全くございません。

【酒井委員】 そうなんですけれども、この例示の威力というのはかなりありまして、いろいろお聞きしておりますと、ここで例示になりますと、要するに、小中一貫で、新教科ということで言語科を作ろうという動きになったりしていくということになっていくのではないかと。それはもちろん非常にいいことだと思うんですが、例えば先ほどの学力のところでありました算数と数学の連携ですとか、他の領域でもいろんな形での連携が考えられると思うんですが、そういうことも含めて、どういう形の例示がいいのかなとちょっと思いました。

【小川主査】 具体的にどうしましょうかね。これは賛否両論があると思うんですが、例示があれば、イメージがしやすいので、例えば先行の事例としてはこういうような試みがあったとか、そういう紹介であれば問題はないですか。やっぱりそれもちょっと……

【酒井委員】 いえ、それでしたら、先行の……

【小川主査】 どうぞ。

【天笠委員】 ここのところについては、12ページの下の脚注のところに、特例校における参考資料というようなことで、全国の取組等々が一覧表になって参考資料に出ているんですね。その中には、例えば新しいところではこんなのを作っているとか、そういう事例の一覧表みたいなものがそれぞれ出ているので、そういうところからすると、こういうことを一つの象徴として出すということについては、構わないかなというように思いますし、以下、参考資料等々をよく参照してくださいというようなことになるかと思うんですよね。
 それからもう一つは、ここの教育課程の特例校という制度というのは、果たしてどんなものなのかどうなのかということが比較的広く理解されているのかどうなのかという辺りのところも、少し配慮してもよろしいのかなというように思います。ですから、ここのところの文言は、もうこのままで私はよろしいんではないかと思うんですけれども、後の参考資料には、この制度というんですか、システムがどうなっているのかという辺りのところを入れておくと、研究開発学校と併せて入れておく丁寧さというのがあってもいいのかなというように思います。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。では、今の天笠委員の御意見を参考にしていただいて、どういうような書きぶりにした方が、そういう誤解がなくなるか、全国のいろんな事例も目配りして、参照していただきながら本文を読めるようにするかというのは、少し事務局とも相談して、表現等はちょっと工夫してみたいと思います。よろしいでしょうか。酒井委員、天笠委員、そういうことでよろしいですか。

【無藤主査代理】 酒井委員の御指摘の点ですけど、三つの新教科名というのが、12ページと14ページの2か所に出てくるというのが、何となく強い印象が確かにあるなと、通して見るとですね。そういう意味では、どちらか落とすなり注にするなり、若干の配慮があっていいと思います。

【小川主査】 ありがとうございます。
 ほかにどうでしょうか。
 どうぞ、國定委員。

【國定委員】 23ページの通学区域のところで、これは、現実的な市町村政を預かる立場からの発言になるのかもしれませんが、恐らくこの23ページの35行目にあるように、特に少子化の進んだ地域においては小中一貫教育を推進する環境が整いやすいということはそのとおりなんだと思います。これは裏を返すと、要するに既存の学校の枠組みだけではなかなかそうし得ないというようなことも含んでいるんだと思うんですね。そうすると、24行目の通学区域のところの三つ目の丸のところになるんですが、いろんな事情背景がある中で、トータルとして小中一貫教育に踏み込んでいこうという市町村というのは、これから先、数多く出てくると思うんですが、このときに、一方的に通学区域の設定の仕方に留意する必要があるというように決められてしまうと、かなりの足かせになると思います。
 要するに少子化が進んでいるということは、過疎地域ですから人口密度も非常に低くて、通学区域というのは、本来、歩いて通えるようなところではない状況にまで追い込まれているわけですよね。ところが、ここを筋論で、通学区域の設定の仕方に留意する必要がこれから先もあるんだというようになってしまうと、通学について検討していく際に、議論が前に全く進まなくなるという現実的な危惧がありますから、ここはかなり柔軟な書き方にしていかないと、現状とかい離したことになる文言だと私は思います。これは、都市部は生きるかもしれませんけど、地方では絶対にあり得ない話だと思います。

【小川主査】 確かに、ただいまの問題については、いろいろな地域的な課題がありますので、通学区域の問題については、徒歩以外にもスクールバス等々のかなり弾力的な通学の仕方も可能ですので、その辺はまた今の御指摘を受けて少し工夫してみたいと思います。ありがとうございました。
 ほかにどうでしょう。
 村上委員、そして清水委員ということでお願いします。

【村上委員】 14ページの「以上を勘案し、具体的な制度として」というところで、よくまとまっていると思います。それで、16ページの指導方法ですが、ここのところでは、乗り入れ指導のことがほとんど書いてあるんですけれども、小中9年間の教育課程を実現していく上で、指導の在り方を小中で議論することが非常に大事になってくると思います。その上で乗り入れ指導というようになるのではないかなというように思いますので、そのことを前段かどこかに入れていただいたらというようには思っております。

【小川主査】 ありがとうございました。
 では、清水委員。

【清水哲雄委員】 國定委員の意見とほぼ同じかと思うんですけど、この地域との連携というのは、私は非常に大事だと考えています。生徒は生きる時代を選べませんので、少子化といっても子どもたちのせいではありませんし、それから先ほど出ました11ページの1行目からのところですが、小学校5年生から否定的な回答が多くなるということは、世界的に見ても一定の変化はあることは分かっていますが、日本の場合にはとりわけこれがすごく大きい。しかも、否定的な回答が多くなるというんですが、その後も、中学校3年生、高校1年生の国際比較などを見ても、一向に改善していないわけですね。つまり、否定的な回答をするのは、自己と向き合うことを始めるからですが、それが改善されていかないのは、別のところに理由があるとしか思えないわけです。
 そういう中で、例えばフィンランドのように、500万から600万ぐらいしか人口がいない、すなわち相当な少子化の中にあってもきっちりとしたコミュニケーションが取られている、その違いというのは大変大きくて、日本は、確かに急激に少子化にいくというその急激さ、変化率が高いというのはフィンランドとは違いますけれども、いずれにしろ少子化になっていくわけですから、もう少し視点の置き方を地域性とか地域の持つ社会力とか、あるいは地域と学校が連携していく形とか、そういうところに視点をしっかり持っていった方がいいなというように思います。そういう意味からいうと、23ページの先ほど國定委員がおっしゃられた27行目でしょうか、「十分に留意する必要がある」というのは、多分、地域の人たち、地方の方は、恐らくこうなるなと感じると思います。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。
 天笠委員。

【天笠委員】 27ページの免許状の記述の部分についてなんですけれども、これまでもこの免許状についてはこの場で度々発言させていただいたんですけれども、31行目の丸のところなんですけれども、義務教育免許状についての記述があるんですけれども、そこで「中長期的な検討課題ではある」うんぬんという、こういうことについてなんですけれども、この文言というのが、確かに資質能力向上部会のワーキンググループのまとめにはこういう形で記述されているわけなんですけれども、ここでは、そのワーキンググループと我々のワーキンググループとのスタンスを少し整理しておく必要があるのかなというように思っています。これは、このワーキンググループでの認識なのか、それともそちらの資質能力向上部会のそれなのかという辺りのところのめり張りを少ししっかりと取っておく必要があるのかなというように思います。したがって、ここの部分については、むしろ資質能力向上部会のワーキンググループの記述をそのまま脚注のところに入れるような形で、こういう意見があったということで、我々は、必ずしも中長期的な検討課題というようなところまでこういう形で議論を詰めていったということでは私の認識ではありませんでしたので、これはこれとしてというような、こういうワーキンググループの指摘があるという意味なんだと思います。
 その一方において、もう一つ、検討課題、「あるが」以下の文章についてなんですけれども、ここは、隣接校種の免許状取得についての促進のための手立て、配慮というんでしょうか、そういうことがここでは書かれていまして、これ大変大切な文言ではないかなと思うんですけれども、そういう点からすると、この文言は、むしろ一つの文章でつないでありますけれども、むしろもう少し整理して、隣接校種の免許を取得することについての促進というんでしょうか、それはそれとして検討されることに期待するというようなことにされた方が、私はここのところはよろしいんではないかなというように思います。
 そういう中には、文言という形になるかどうかは分かりませんけれども、小中連携校ですとか一貫校に勤務した経験年数を勘案して、それを、隣接校種の免許を取るためのある配慮というんでしょうか、手立てというんでしょうかというようなことというのも、今後、運用上の在り方として検討していい一つではないかと。要するに、そういう勤務経験年数ということが免許を取得しやすくする一つの呼び水になっていくようなことが、大いに配慮され、検討されていい点の一つではないかというように思うので、そういうことが細かいところに検討されるようなことを期待するというようなことが、この文言かこの辺りのところにされているとよろしいかなというように思います。
 以上です。

【小川主査】 後者の方、免許法認定講習をもう少し促進するような記載にしてほしいという趣旨でよろしいですか。

【天笠委員】 そういうことです。要するに、経験年数自体を加味して、それで認定講習等々で免許を取る、そういう制度というのは現にクローズしていますから、そういう中に、小中一貫校とか連携校で勤務した経験年数という辺りもまた一つのカウントをしていい視点ではないかというようなことで申し上げました。

【小川主査】 分かりました。
 では、酒井委員。

【酒井委員】 今のところで、私も、ここはいろんな多様な形での隣接校種の免許状を取れるような施策が講じられるべきなのではないかと思っておりまして、ここを読みますと、私、こういうこともあったのかと思ったんですが、この認定講習を免許状更新講習としても位置付けることというような方策で提案されていますが、これは大変ありがたいといいますか、そういう形で、10年、20年の区切りのところでそうした隣接校種の免許状が取れるという形、そうしますと、免許状の更新講習のカリキュラムそのものについても何らかの変更を加える必要がありますが、ただそういう方向でもしこれは検討していただければ、大変ありがたい話だと思いました。
 その上でなんですが、そうしますと、隣接校種の免許状が取れるのはある一定の経験年数を経てからのことになってくるかと思います。そのことを踏まえて、26ページの9行目のところから、教員人事の問題が書いてございます。そちらの方に、「例えば」とあります。「例えば」にこだわるようですが、こちらには、新規採用された教員を採用から数年以内に他校種で勤務させる等々で、人事交流を促進していくと書いてありますが、今のことを連動させますと、もう少し経験年数の上の方が、人事交流の対象者として図られた方が望ましいのではないかと。
 もう一つは、新任教員のことを考えますと、やはり自分の校種、教科で、ある経験年数をそこでしっかり教えるということで学んでいきませんとなかなか難しいんではないかということもございます。
 以上です。

【小川主査】 事務局で、今のような幾つかの点について……

【小谷教育制度改革室長】 この「新規採用された教員を採用から数年以内に他校種で勤務させる」というのは、実際に実態として岐阜県がお取組になっている例、実体例があるので「例えば」という形で書かせていただきました。

【小川主査】 よろしいですか。酒井、天笠委員から同じような御指摘が、27ページのところですが、少しそういうことを促すようなメッセージでも工夫してみたいなと思っています。
 ほかにどうでしょうか。1から7まで、よろしいでしょうか。
 では、また全体を通じてということで、最後で意見を伺いますので、次にローマ数字3についていかがでしょうか。義務教育学校制度の創設の是非について、この点は前回いろいろ出されて、この資料1の中では、一番、事務局で工夫して書き直していただいた箇所ですけれども、基本的なスタンスは前回のものと変わっていないんですが、記述の仕方について前回いろいろ御意見がありましたので、その辺を少し工夫させていただきました。ローマ数字3の箇所について、いかがでしょうか。ローマ数字3とローマ数字4のまとめも含めて御意見いただければと思います。
 では、野木委員。

【野木委員】 今回のこの義務教育学校制度という、これが多分一番の大きな目的であったと思うんですけれども、私、前回は多分ほとんど文言の話であったと思ったんですね。この義務教育学校の制度をどうしていくか、本当にやっていくか、それについての議論がちゃんとあったのかなとちょっと不思議なんですけれども、結局、今まで、要するにこの中1ギャップがあり、そういうようなことをとにかくうまくかわしていくというか、うまく処理していくというか、その方策として小中一貫というものを持っていこうと、そしていろんなところで特例校等を使って実証していった、その結果がいろいろ発表されたと思うんですね。その中のやつでは、おおむねよかったと。もちろん、問題は、何をやっても問題は出てきますけれども、おおむね今の中1ギャップとか、それからいろんな問題を解決するための一つの大きなトリガーになるんではないかということであったと思うんですね。
 それで、もちろん問題はたくさんあると思います。だけれども、せっかくここまで議論して、事例発表等も含めていろいろあったんだけれども、ではその最後の義務教育学校制度というものを提案しようよということだったんではないかと思うんだけれども、その議論が余りなかったような気がして、私はしようがないんですけれども、いかがでございましょうか。これについて、義務教育学校制度そのものに対する議論というのはあったんでしょうか。私は参加させていただいていたんですが、なかったような気がして、仕様がないんですけれども、すみません。

【小川主査】 この作業部会では何度か検討がされましたし、何回目かの会議では全部の時間を義務教育学校制度に関して時間を費やして議論も致しました。また、ヒアリングでも、品川区教育委員会からは、義務教育学校の創設を是非進めてほしい旨の報告も頂き議論を行いました。そうした論議を通じて、現時点では、今までの小中一貫の実践を踏まえながら、小中一貫の取組を更に進めるために、教育課程特例校とか研究開発学校のやっているようなものを少し一般化して、そうした制度を作って、連携、一貫の取組を進める方が、ベターではないかという結論をこの作業部会ではしたいということで今整理しているんですけれども。この作業部会の中で、義務教育学校の創設を絶対やるべきだと、そういう強い主張をされた方が多かったかというと、決して多くはなくて、それについてはかなり慎重に検討すべきだという意見が大半でしたのでこういうような結論になっています。

【野木委員】 大半とは私は思わなかったんですけれども、この結論でいきますと、結局今のままということになるわけですか。

【無藤主査代理】 主査代理としてという形で発言させていただきますけれども、今御覧いただいているところで、34ページと35ページのところ、この義務教育学校制度に、賛成、それから反対というよりは慎重にということで整理していただいていて、別にこの会は、多数決で決めるというものでもないとは思いますけれど、主査の判断も含めながら、慎重であるという方向を取ったというように理解しました。
 しかし、その上で、36ページなんですけれども、特に20行目ですけれども、「以上のことから、国としては、学校、市町村において積極的に小中一貫教育を推進できるよう、現行の小・中学校制度を基本としつつ、文部科学大臣の指定によることなく、設置者の判断に基づき、一定の教育課程の基準の特例を活用できることとするのが望ましい」と。これは、ただ私の理解では踏み込んでいると思うんですね。義務教育学校制度というのは、結局、学校教育法そのものの改正を必要とする大きなことなので、少し時間をかけなければいけないが、少なくとも現行でできる範囲では、できる限りやりますという積極的な姿勢と承知いたしました。

【野木委員】 それは了解いたしました。ただ、いろんなところで小中連携の学校を一生懸命やろうとしているところは結構あるわけです。それはいろんな意味があるかと思いますけれども、この文言は非常にいいと思うんです、要するに、今までは、今までの法律の枠内でやるわけなので、非常に皆さんは苦労しているんですね。その部分を文部科学大臣の指定によることなく、設置者の判断に基づきできるということはいいんだけれども、では具体的に、例えば教員の免許を持っている方々の先ほどの隣接のあれですか、後は専科ですか、専科の担任とかといろいろあるんだけれども、免許を持っていないがために、例えば中学校の先生が小学校で教えると、その分はお金がどうのこうのとか何かいろいろあるわけですよね。そんなようなことをもっと具体的に、壁が取り払われていくような具体策をもう少し示した方がいいんではないのかなということが、せっかくこれだけ長いことやってきて、ほとんど今までと同じで、それでこの文言だけがある意味少しだけ進化しているのかもしれないんですけれども、もう少しやったということを入れていくべきではないかなということは思うわけでございます。

【小川主査】 作業部会も含めてそうですけれども、小中連携、一貫を進めるための仕組みは、先ほど出てきた、中学校の先生が小学校の免許をもっていなくても、小学校で授業できる領域はかなり拡大して……

【野木委員】 芸術教科だけですね。

【小川主査】 いえ、音楽とか芸術以外でも、算数、国語等々の教科でも、免許をもっていなくても、中学校の先生が小学校に行って授業できるようになっていますし、あと、文科省の加配等々でも、小学校の専科制を拡大するための加配もできるように今なっていまして、そういう点では、小中連携を進めるために、そうした障害を低くするような取組が進んでいます。それにプラスして、今回、こういう研究開発学校や特例校にしか認められていなかったような教育課程の編成に関わる裁量を教育委員会の判断でできるようになったということは、今までの小中連携、一貫の取組を更にしやすくするようになるもので、かなり大きなサポートにはなるんではないかと思っています。その点についてはこの中に書かれていますよね。事務局の方、いかがですか。

【小谷教育制度改革室長】 教員免許の話につきましては、今、主査が御指摘いただきましたように、教員免許のところで、例えば27ページの17行目辺りからの平成14年の教育職員免許法改正以降の経緯ですとか、書かせていただいております。
 体制につきましても、推進体制のところで、22ページでございますけれども、ちょうど23行目辺り、22行目辺りからでございますが、今、主査が御指摘いただいたような教職員定数の加配措置、平成23年4月に制度化いたしまして、それを活用して、小学校における理科教育等の充実のために、今、兼務発令された中学校の教員が小学校で授業を行うなどといった形で、その加配措置についても紹介はさせていただいております。

【小川主査】 ただ、そういうことも含めて、そういう小中連携、一貫を進めるための様々な諸条件など、ここでもう一回整理し直して再確認しておくということがあってもいいのかなと今の発言を聞いて思いました。少し工夫させていただければと思います。
 天笠委員、どうぞ。

【天笠委員】 私は、この我々のワーキンググループの使命というんでしょうか、あるいは果たすべき役割とか、あるいは守備範囲というのがあるのかなということをここで議論しながら度々考えていました。そういう点では、基本的に今日出されたこの報告案ならこういう方向になるかなというような思いを持っています。というのは、義務教育学校を本格的に論議しようとした場合には、全学校段階という全学校制度の脈絡の中でこれを議論していくとか、そういうことが必要になってくるのかなというように思うんですね。
 当面、我々の使命は、小学校と中学校のつながりの在り方ということを議論しろということで受けて、そして議論して、そしてこういう義務教育学校の制度的な検討ということの必要性ということを次にバトンタッチするような形になるのかもしれませんけれども、少なくとも次への検討すべきそれについての方向性をこのような形でまとめたというように私は受け止めていまして、ですからそれは、今やっていることの先の展望を閉ざしたというようには私は捉えておりませんでして、これを更に基にしながら、引き続き次への展開、展望を開いた、そういうことを我々は、役割として果たして、次に引き継いでいるんではないかと、こんなように今回の場合の在り方と私は受け止めています。

【貝ノ瀬委員】 私は、この会、ちょうどいろいろ重なって、余り出られなかったんですけど、結果的にこういうまとめになったということについては、一つの自治体の教育行政を預かっている者としては一安心ということで、私は大変いいまとめだというように受け止めています。
 それは、例えば本市の場合は、小中一貫教育、平成16年から着手しましたけれども、18年に具体的に学園としてスタートして、今は全ての学校が小中一貫教育ということでやっています。それなりの道のりがありまして、これは、相当に大変な仕事で、先生方も私たちも努力し、保護者の皆さん、地域の皆さんも努力してくれました。しかしそうであっても、先生方の人事異動などもあって、なかなか小中一貫教育についての先生方自身の受け止め方というのは様々です。温度差と言っていいんでしょうか、いいことは分かっているんだけれども、小学校から中学校まで行って乗り入れ授業はなかなかしんどいという。それを緩和するために、講師を付けたりはしていますけれども、他にもなかなか難しい問題もあって、これを一挙に義務教育学校という形で制度化したから、そういった問題が一挙に解決するかというと、なかなかそうもいかないだろうと思うんですね。
 ましてや、全国的にまだ小中一貫とか小中連携についてそれほど浸透しているという状況ではない中で、まずは小学校文化、中学校文化の理解と交流とか、その壁を乗り越えるような下地作りが大事だと思います。
 これは、私は、一種の規制緩和だというように受け止めています。ですから、今まで、例えば新教科についても、これは特例をもって文科大臣に指定してもらわなければできなかったのが、基礎自治体で柔軟に対応していくことができるという、これは画期的なことでありまして、そういったことを着実に進めながら、検証し、そして次のステップにという方がやはり順当なのではないかというように思うんですね。
 しかし、一方で、そういう規制緩和をするにしても、ではどこまで緩和されるべきか。例えば、小学校、中学校の指導内容を入替えたりなどしていくと、必ずどこかの学校、地域では、受験だけに特化するなんていうことも現れないとは限らないのです。ですから、ではどこまで歯止めをかけるかというのは、また次の議論になると思うんです。そういったことを考えたときに、歯止めにしても、一定の基準を考えるときには、最終的には、日本の我が国の教育のいわゆる展望といいますか、小中一貫、中高一貫、それから人事権の移譲の問題とか、グランドデザイン、教育の形が見えていると、歯止めも具体的に出てきやすいわけです。それが今具体的に出てきているわけではありませんので、これからは議論していく中で、柔軟な対応が一体どこまで可能なのかということが具体的に決まってくるんではないかと思うんですね。
 まずは、全国的に、小中一貫、連携にしても、開かれた学校作りの中で、特色ある教育活動を進めていくということを、まず一歩踏み出してくださいという方が現実的なんではないかなというように考えています。

【小川主査】 ありがとうございました。
 ほかに。
 清水委員、どうぞ。

【清水哲雄委員】 失礼があったらお許しいただきたいのですが、義務教育学校の最後のまとめの36ページの20行目から23行目辺りで、「国としては」というところから始まった文章があります。ここのところに、国立大学の附属の小学校、中学校がどう関わるかということがほとんど明記されていなくて、現行のこの制度の中で、国立大学の附属の学校を、うまくいわゆる研究活動の拠点にするような、そういう動きがあってしかるべきではないかと思っています。全然触れていないというのは、どうなんだろうかなと最後のところで思ったんですが、大変失礼な話であればお許しいただきたいんですが、いかがでしょうか。
【小川主査】 その議論は、確かにこの作業部会は、ほとんど議論はしていませんでしたね。今そういう御意見がありましたけど、何かございますか。どうしましょうか、何か御意見があれば。

【清水哲雄委員】 本来、こういう新しいことや様々な実験的な要素や研究目的で附属が置かれたというように認識しております。間違っていたら御指摘いただきたいのですけれども、そうすると、このような大きな制度の改正のときには、いち早くこういう制度を例えば小学校と中学校が独立したところであっても連携させて、いろんな制度を研究するとか、学習指導の方法について交流を行うとかということが積極的になされ、それが私たちの方に上がってくるというのが、本来的な姿ではないかなというように思っていたものですから、そういう発言をさせていただきました。

【小川主査】 どうぞ。

【天笠委員】 今の件について、こちらの資料に、研究開発学校の関係の資料5とありますけれども、例えばお茶大の附属ですとか、そこにありますけれども、新潟大の附属、それから京都教育大学の附属以下、そこに国立大学の附属がこの種の取組をこれまでしてきているというような研究開発学校と言っているわけで、この一覧表として出ているわけでありますけれども、委員の御発言の趣旨というのは、これはこれとして、もっと附属の在り方を検討せよというか、ここの委員会の趣旨に沿って使われることを文言化しろと、そういうことなんでしょうか。少なくとも、附属で、御覧のとおり、この間この種の取組が今も進行中であることは、全ての附属とは言いませんけれども、この種もあるということなんです。

【清水哲雄委員】 勉強不足で恐縮ですが、やっていることは存じ上げておりますが、それが今のこのような制度設計の中にどのように反映して、意見が出されてきているとか、あるいはレポートが出されているということについては、存じ上げなかったものですから、いろいろ具体的なことについては、現在も行われていることは承知しておりますが、制度的なものがどのような形で報告されているかは知らなかったので申し上げました。

【小川主査】 清水委員、これは、36ページのところで、あえて国立の附属学校を取り上げて言及する必要はないですよね。
 ほかにどうでしょうか。

【國定委員】 今の議論を聞いていてちょっと不安になったものですから教えていただきたいんですけれども、私がここで言っている小中連携というのは、今まで言っていた小中連携ではなくて、実際に踏み込んだ小中連携だと思っていて、小中一貫教育になれば、ここの定義にあるように、6ページにあるように、教育課程を編成するかしないかというのが小中連携と小中一貫との定義の違いなんだというように捉えているんですが、今のお話を伺っていて、この小中連携というのは、ここの場では、小中一貫みたいに教育カリキュラムまでを一緒にするものではないけれども、ほぼそれに類似するような存在なんだというように空気感としては一致していると思うんですけれども、改めてこの6ページの小中連携の定義というのは、小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指す様々な教育というように捉えたときに、この読み手になる教職員の方々というのは、例えば年に一回、中学校の先生と小学校の先生が交流したということをもって、小中連携しているんだというような捉え方をするんでしょうか。僕は、それは望ましくないと思っているんですけれども、そこが十分なのか、不十分なのかということをこの6ページの小中連携の定義のところ、整理に当たっての仮置きの定義というのが、私たちの空気感に限りなく近い表現としてしっかりと伝わり尽くせるんだろうかというのが、今の話を聞いていて若干不安になってきたんですけれども、ここは、教育関係者の中で、これを読めば、一歩踏み込んだ小中連携なんだというように捉えるというように理解しておけばよろしいんでしょうか。

【小川主査】 現場の方、どうですか、その辺のところ。
 村上委員、どうぞ。

【村上委員】 その小中連携と小中一貫教育の捉え方について、前回も意見は言わせていただいたと思いますが、考え方としては、小中連携から小中一貫教育へ、段階的に、発展的に捉えた方がよいのではないかなと思っております。

【國定委員】 全くそこは否定していないんですけれども、私は、小中連携の幅が、この空気感からいくと、それは小中連携ではないでしょうと。ただ単に、1年に1回、小学校の先生と中学校の先生が顔を会わしているだけではないのと。例えば、それをもって小中連携だというのではなくて、ここの幅というのは、もっと子どもたちの教育活動そのものに対して小学校の先生と中学校の先生が連携しているのが正に小中連携だと思うんですけれども、これを読んだときに、そうではなく、さっき言ったように、極端な話ですけれども、年に1回交流を深めるということだけで小中連携だというようにみなされる環境があるんだとしたら、そこはやっぱり文言として踏み込んだ書き方でなければいけないのかなと、今の後半の議論を聞いていてちょっと感じたものですから、どんな受け止め方を普通はされるんだろうなというのが率直に分からなくなったので指摘させていただきました。

【小川主査】 長谷川委員、お願いします。

【長谷川委員】 小中連携と小中一貫教育、小中一貫教育というのは、呉市の場合には、いわゆる小学校から中学校を卒業するまでの9年間において、前期の4年間ではこれを教えますよ、中期の5、6年生と7年生はこれを身に付けますよ、さらに、後期の2年間では、仕上げとしてこの力をつけると、そういうようなカリキュラムを一貫して作っていくのが小中一貫なんですよ。呉市が捉えている、小中連携というのは、小学生と中学生が、地域の中で掃除したとか、ごみ拾いしたとか、ボランティア活動したとか、あるいは合同で運動会をやったとか、その程度のことなんですよ。
 先ほど村上委員さんから、乗り入れ授業の場合、何か要るんではないかということがありましたけれども、ここで力を発揮したのが、小中一貫教育推進コーディネーターを各小・中学校に配置したことです。一貫教育を進める場合、しょっちゅう彼らが地域の学校間で連帯していく、この役割が非常に大きいんです。21ページに、9行目、8行目で、「小・中学校の教職員がコーディネーターを担う場合には、市町村費等で当該学校に講師を配置するといった工夫も考えられる」、これが、呉市の場合には、この講師を配置しなかったときには、年間で5回程度の交流しかなかったものが、加配講師を1人配置するだけで300回以上も乗り入れ授業ができるようになるんですよ。そういう実績をあげている。だから、小中連携と小中一貫教育は全く別のものなんです。そういう感覚でほとんど後半部分からずっと述べられているのは小中一貫教育ですよ。私はそれでいいと思うんですね。

【國定委員】 私どもも、小中一貫教育を進めている立場なので、おっしゃるとおりだと思うんです。本当は私が一番最初どういう意見を言おうかと思っていたかというと、最後のまとめのところで、三つ目の丸のところで、小中連携、とりわけ一貫教育が導入されることが望まれるとまで言うべきなんではないかというように本当は言おうと思ったんですが、改めてその意見を言おうかなと思って、今回の意見等の整理案を眺めると、一番最初の大前提になる目的と効果のところが、「小中連携、一貫教育」という形で横並びになっているものですから、そこまでやってしまうと不整合になるんではないのかなと思って、ぐっと抑えた発言のつもりなんです。ですから、長谷川委員と私は全く同じ立場なんですね。
 そうであるならば、ここで言っている小中連携というのは、もっと小中一貫教育寄りの小中連携だということをこの読み手は、皆さんはそうやって感じ取ってくださるんでしょうかということの方をむしろ心配しているんです。

【小川主査】 具体的に、どういうように書き込んでほしいというようなことでしょうか。

【國定委員】 教育活動というものの狭義の教育というのがどういう定義なのかよく分かりませんけれども、要は課外活動とか、今御指摘いただいたように、1年に1回ごみ拾いしたらそれは小中連携なのかといったら、私はやっぱりそうではないんだと思うんですね。そうすると、ある一定程度、教育活動というんでしょうか、正に我々が同じテーブルに載ってきたのは、そういう土壌が何となくある中でヒアリングをしてきたと思うので、そこがここで書き切れているんだということであれば是としますし、そうではないんだとすれば、配慮が必要ではないのかと。
 例えば、ここで言うと、小中連携は、「小・中学校が互いに情報交換、交流することを通じ」ここまでを読むと、教育活動そのものにリンケージが張られていなくても別にいいではないかという読み方もできますよね。それで、「小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指す様々な教育」というようになると、よく分かりませんけれども、授業も含めたそのものが入り込む可能性がもしかしたらあるかもしれない。だけど、そこから先は、私自身は教育関係者ではないものですから、これを読んだ読み手は、本当にそこまで踏み込んできちんと理解していただけるのかということを逆に聞いていて不安になったわけです。
 そうではないと思う教職員がもしたくさんいるんだとしたら、1年に1回ごみ拾いするということだけで小中連携しているんだというように読み取ってしまう先生がいるんだとしたら、これは直さなければいけないと思うし、そうではないんだ、これは、読めば、少なくとも、小中一貫教育まではいかないにしたって、限りなくそれに近いところまでやることをもって小中連携というんだということであれば、全く私が異論を差し挟むことではなくて、その辺りの感覚論がこの文言だけで読み取れるのかどうかということを率直に今伺っているだけなんです。

【無藤主査代理】 学校現場の先生がどう受け止めるか、ちょっと私もよく分からないところはありますけれども、一つは、6ページのところで、小中連携ということと小中一貫教育、明瞭に区別して定義したわけです。それで、今の國定委員の御指摘は、できる限り小中一貫教育を広げ、あるいは小中連携の範囲でも小中一貫教育に近づけるということのメッセージだと思うんですね。それについて、私は、少なくともこういう分野に見識をお持ちの教育委員会の方、現場の先生ならばですけれども、先ほども読み上げた36ページの20行目からですけれども、小中一貫教育というのは、つまり6ページにあるような定義で使っている、これは一貫していると思いますので、明確にそういうことをむしろ進めると。その小中一貫教育の具体的な中身が、これは報告書のあちこちに具体的に書かれております。
 仮に、小中一貫教育というものを具体的に踏み込まずに、まだやらないにしても、全体のメッセージとしては小中連携の範囲にとどまるにしても、それはできる限り小中一貫教育の趣旨を生かす方向に進めなさいと、そういう意味合いとして受け止められるのではないかというように思っています。その辺りは、私は、今後このワーキンググループだけの問題というよりは、多分、これは親委員会に出ていって、中教審の上の議論でよろしいということであれば、文科省としていろいろな広報されると思いますので、その辺で御趣旨を生かしていただくようなことが必要となると思います。

【小川主査】 先ほど國定委員のおっしゃったように、年1回顔合わせをやるとか、年1回、小学校、中学校の生徒合同で掃除するだけで終わるという、そういう取り組みを小中連携の取り組みだとは思って議論しているわけではないんですね。もう少し意図的な取組というようなことでやっていますので、現場の先生も、恐らくそういう会合を1回ぐらいやって、小中連携に我々は取り組んでいるんだという意識でやられているとは思いませんが。
 では、ちょっと待ってください。井上委員、赤沼委員。

【井上委員】 私は、自治体でも教育関係でもない経済界の人間ですが、こういった国の正式に設置された会議の意見を読むときに、注意するところが幾つかあります。先ほどどなたかがおっしゃいましたけど、規制緩和かどうかの判断ですが、私は、送っていただいたものを読んで感じたのは、36ページの20行目からの「設置者の判断に基づき、一定の教育課程の基準の特例を活用できる」でして、非常に強い印象が残りました。要するに、国が、新しく義務教育学校制度を設けるために、これから準備するには、かなり時間がかかるということは今回出席をしてよく理解できましたが、整理案には設置者の判断でいろいろなことができるということはしっかり書かれています。当然、教育課程の基準の特例として、教育現場で様々に工夫をしていけるのではないかと私は受け取り、それが各地で推進されることを期待しているわけです。

【小川主査】 赤沼委員。

【赤沼委員】 私、中学校の現場におりますので、現場の小中連携、それから一貫教育ということですけれども、受け止め方は、4ページの実態調査にもありますように、これは調査が22年11月1日現在ですけれども、小中連携が年1回の共同の清掃活動とか、そういう認識ではもうないです。小中連携はもう本当に必要だという認識にありますし、教員の相互の授業交流ですとか合同研修会ですとか、もうその辺りは基本的にはやっている状況ではないかというように思います。そこからもう一歩出て次の段階に行くのに、例えばコーディネーター、先ほどお話があったそういう人の存在というのは確かに大事なんです。それがないと、幾ら気持ちがあってもなかなか一歩出ない。ですから、そういうことについてこのまとめの中で触れているということが、更に前に進む一つの支援になるというか、そういうように私は、現場としては捉えるというように考えます。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。
 では、原委員、どうぞ。

【原委員】 私も、現場として申し上げますと、はっきり申し上げて、年1回の清掃活動、これは、私は立派な小中連携だと思います。していないところがするようになったら、これは小中連携するようになったと言えるんではないか、これが第1段階です。だけど、それでとどまっていては、やはり話にならないと私自身は思いますし、推進していくという言葉がずっと出ていますよね。やっぱり推進していくことによって、だんだん深まったり広がったり多様になったり、私はしていくものだと思っています。ですから、単にこれだけやっていればそれでいいんだという単純な一次元的なものではなくて、もっと二次元的な三次元的な広がりを持った私は小中連携であり小中一貫であるかなと思っています。ですから、これを読むと、私は、全体としても非常に大きく現場に一つの指針にもなるし、大きく影響を与えることになっていくと思いますし、読み違えることは、私はないんではないかなというように感じます。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。
 では、ほかには御意見はございますか。
 最後、酒井さん、お願いします。

【酒井委員】 度々申し訳ございません。コーディネーターの話が出ましたので、このコーディネーター、長谷川先生おっしゃったように、どこでそれを担当させるかというのがかなり大きな問題、この文章で、学校に担わせるのか、教育委員会の指導主事に担わせるのか、どちらを優先させていくのかが随分大きな違いだと思います。これを推進していくという議論で考えますと、やはり校内体制としてコーディネーターを配置する方向で持っていく方が、恐らくこれは進展していくんではないかと思われますので、これは文言の位置付けなんですけれども、市町村教育委員会の関与のところで、今、コーディネーターのことが触れられていますが、校内体制のところの一つとして、場合によっては市町村の教育委員会の指導主事がコーディネーターを兼ねることもできるというような、そういう置き方の方が伝わるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
この校内体制のところ、要するに位置付けの問題なんですが、今は市町村教育委員会の関与として、このことが提示されていますけれども、校内体制のところかな、校内体制のところでこのことについてコーディネーターの配置ということを書いていく方が、むしろ積極的にこのことが推進されるんではないかと思うのですがということです。

【小川主査】 趣旨は分かりました。では、18ページのところにということですね、ここでは。

【酒井委員】 はい。

【小川主査】 分かりました。
 ほかにどうでしょうか。
 どうぞ。

【村上委員】 38ページのまとめのところですけれども、上から2行目「目的、効果の考え方や、教育課程」、ここに「指導方法」を入れていただきたいと思います。現場の教職員にとって、何が大事かといいますと、教育課程の在り方、小中9年間の教育課程を考えるということと、指導方法です。そのことがもとになって日々の授業があります。指導方法が教員にとって大事なことであるというアピールするためにも書いていただけたらありがたいと思います。
 それから、細かいことですけれども、6ページの25行目の「協働」と10ページの「協同」とありますね、25行目。文字の使い方で、意味が違いますので確認をしておいてください。

【小川主査】 分かりました。では、今の2点、また検討してみたいと思います。
 今、ローマ数字1、ローマ数字2、ローマ数字3と分けて御意見を伺いました。ほぼ御意見を伺えたと思いますけれども、また全体を通じて何かございますか。

【角野委員】 異論は全くないんですが、27ページの教員免許のところなんですが、記述の仕方だけということなんですが、9行目から6行分ぐらいですけれども、ここは、丸1、丸2というように特出しして書かれているんですけれども、きっと丸2というのは、先ほど来から出ている指導方法であったり乗り入れ授業の中のところで種々出ておりますので、どちらかというと、ここは免許主義を中心に後の論が展開されています。全く研修としての論の展開がないので、どちらかというと、丸2と丸1は上の3行の中に溶け込ませて、免許について語る方がいいのではないかと。文字数が足りなくて全部書き切れないと思いますので、それは前の教育課程の編成と指導法のところで随分と書かれておりますので、それで補う方が、文章がすっきりするのと、もし、丸1、丸2というように書かれると、丸2というのはこんなに簡単でいいのかなというように思っちゃいますから、研修の中身が書き切れない。
 以上です。

【小川主査】 分かりました。これも事務局と工夫してみたいなと思います。
 ほかによろしいでしょうか。
 どうぞ。

【村上委員】 先ほどから御意見をお伺いしていて、23ページ「地域との連携等」とありますが、この(2)の下のものを上の位置にして、「通学区域等」は下にしたらどうかと思いますがいかがでしょう。

【小川主査】 それも、若干、今この場で判断しろと言われても、全体を通じての確認がかかりますので、そういう御意見があったということで検討してみたいと思います。
 では、内容についてはよろしいでしょうか。天笠さん。

【天笠委員】 まとめのところで、義務教育学校の議論の整理の仕方と位置付け方というんでしょうか、こういう文言でよろしいのかなと思います。
 なお、私の個人的な希望ということを申し上げさせていただくならば、先ほど申し上げましたように、この義務教育学校制度というのは、学校体系全体の中に位置付けてこの議論をなすべきなのではないかと。そういうときに際して、このまとめが大きなウエートを占めてくるのではないかと、そんなように思いまして、ですから、まとめのところには、学校体系全体の中での義務教育学校の論議の必要性ということについての文言というものを私は入れてもよろしいのかなと思います。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。
 ほかにどうでしょうか。よろしいでしょうか。
 今日も多くの意見をいただきました。今日頂いた意見については、私と主査代理、事務局で相談しながら、また修正していきたいと思っています。
 前回は、構成を含めて大幅な見直しの議論がありましたので、今日、改めて作業部会を設定させていただいたんですけれども、今日出た意見については、基本的には全体の方向性や全体の構成についてはほぼ了解いただいた上で、文章表現等々の工夫に関する御意見が主でしたので、私と主査代理の二人に一任させていただければと思います。事務局と相談しながら、文章を加筆修正して、また改めて皆さんにフィードバックして、作業部会の取りまとめにしたいと思います。そして、皆さんの了解を得た後に、親部会である初等中等分科会に報告するという手続で進めていきたいと思います。それでよろしいでしょうか。

【多数の委員】 はい。

【小川主査】 ありがとうございます。
 では、そのようにさせていただきたいと思います。
 ほかに何かございますか。
 なければ、これで終わりたいと思いますけれども、事務局から何かあれば御連絡ください。

【小谷教育制度改革室長】 今お話がございましたように、この意見等の整理(案)につきましては、本日の議論を踏まえて、主査及び主査代理と御相談しながら更に修正させていただいて、事前に委員の皆様方にきちんと御確認を頂いた上で、主査から初等中等教育分科会に御報告いただきたいと思います。
 したがいまして、本作業部会での小中連携、一貫教育についての御議論はこれで区切りを付けさせていただくこととなります。事務局としては、いろいろ至らない点は多々あったと思いますが、委員の皆様方の御指導と、またこれまでの委員の皆様方の御議論に厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

【小川主査】 では、これで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

 

―― 了 ――

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