参考資料26:特別支援教育に係る教育職員免許状について

 ※以下、「法」は教育職員免許法を、「規則」は同法施行規則を表す。

1.免許状制度について

○特別支援学校の教員は、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校の教諭免許状のほか、特別支援学校教諭免許状を有していなければならない(法第3条第3項)。
 ただし、専ら「自立教科等」の教授を担任する教員は、「自立教科等」について授与された特別支援学校教諭免許状を有していればよい(同条同項)。

○法第3条の規定にかかわらず、幼・小・中・高の教諭免許状を有する者は、「当分の間」特別支援学校の相当する部の教諭等となることができる(法附則第16項)。

○特別支援学級担任や、通級による指導を担当する教員については、特別支援学校教諭免許状を有すること等の法令上の規定はない。なお、小・中学校等の教諭免許状を取得する際には、「教育の基礎理論に関する科目」6単位(1種免許状の場合)の中で、「幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程(障害のある幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程を含む。)」を含めて修得することとなっている(規則第6条表)。

○特別支援学校教諭の普通免許状は、専修免許状、一種免許状、二種免許状に区分されており(法第4条第2項)、それぞれの取得に必要な基礎資格、単位数等は次のとおり。

○1 認定課程の場合(法第5条、別表第1)

専修免許状

(基礎資格)修士 + 幼、小、中又は高の教諭の普通免許状
(単位数)50(一種免許状に加えて24単位) 

一種免許状

(基礎資格)学士 +幼、小、中又は高の教諭の普通免許状
(単位数)26 

二種免許状

(基礎資格)(短期大学士+)幼、小、中又は高の教諭の普通免許状
(単位数)16 

○2 教育職員検定の場合(法第6条、別表第7)

専修免許状

(有している免許状)特別支援学校教諭一種免許状
(上記免許状取得後の在職年数)特別支援学校で3年 
(単位数)15 

一種免許状

(有している免許状)特別支援学校教諭二種免許状
(上記免許状取得後の在職年数)特別支援学校で3年
(単位数)6 

二種免許状

(有している免許状)幼、小、中又は高の教諭の普通免許状
(上記免許状取得後の在職年数)特別支援学校、幼、小、中、高又は中等教育学校で3年
(単位数)6 

 ※単位数の内訳は別表のとおり。

○特別支援学校教諭の免許状は、特別支援教育領域を定めて授与される(法第4条の2)。特別支援教育領域は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)に関する教育の5領域(法第2条第5項)。免許状の授与を受けた後、新たに特別支援教育領域を追加することも可能(法第5条の2第3項)。

○平成18年の法改正により、平成19年4月1日から、従前の盲学校教諭免許状、聾学校教諭免許状、養護学校教諭免許状は、特別支援学校教諭免許状となった。

○従前の盲学校教諭免許状を有する者は視覚障害者教育領域の免許状を、聾学校教諭免許状を有する者は聴覚障害者教育領域の免許状を、養護学校教諭免許状を有する者は知的障害者、肢体不自由者、病弱者教育領域の免許状を授与されたものとみなされる。

2.免許状保有状況について

○特別支援学校教員の特別支援学校教諭免許状(当該障害種の免許状又は自立教科等免許状)保有者の割合は、平成23年度現在、70.3%(前年度比0.3ポイント増)であり、近年は微増を続けている状況である。
 また、特別支援学校に新規採用された教員の特別支援学校教諭免許状保有者の割合は、59.9%であり、前年度比で0.4ポイント減少している(以上、文部科学省調査)。

○特別支援学級担任教員の特別支援学校教諭免許状保有率は、小・中学校計で31.0%(小学校32.8%、中学校27.0%)である(平成23年度学校基本調査)。

3.免許状保有率向上の方策について

○主として現職教員を対象として、教育職員検定(法第6条)による免許状の取得を促す施策を実施している。

○教育職員検定による免許状の授与に当たり、必要な単位は大学の認定課程において修得することとなるが、文部科学大臣の認定する講習「免許法認定講習」において修得することもできる。免許法認定講習は、大学のほか、都道府県・指定都市教育委員会、国立特別支援教育総合研究所において開設することができる(規則第34条~第43条)。
 これを踏まえ、各都道府県・指定都市教育委員会において、免許法認定講習が開設されている。

○このほか、通信制の大学の活用が行われている。

(別表)

<特別支援教育に関する科目の単位数の内訳>

○1 認定課程の場合(規則第7条)

 

最低修得単位数

 

第1欄
特別支援教育の基礎理論に関する科目 

第2欄※1
特別支援教育領域に関する科目 

第3欄※2
免許状に定められることになる特別支援教育領域以外の領域に関する科目 

第4欄
障害のある幼児児童生徒についての教育実習 

専修免許状

2

16

5

3

一種免許状

2

16

5

3

二種免許状

2

8

3

3

 

※1 第2欄「特別支援教育領域に関する科目」の単位の修得方法

当該障害のある幼児児童生徒の心理、生理、病理に関する科目

1(1)
以上

8(4)以上《視覚、聴覚》
4(2)以上《知的障害、肢体不自由、病弱》 

当該障害のある幼児児童生徒の教育課程、指導法に関する科目

2(1)
以上

 ( )は二種免許状の場合。

※2 第3欄「免許状に定められることになる特別支援教育領域以外の領域に関する科目」は、免許状に定められることとなる特別支援教育領域以外の全ての領域(重複・LD等を含む。)を含まなければならない。

○2 教育職員検定の場合(規則第18条)

 規則第7条の例にならうものとされており、法令上、具体的な単位数の内訳は規定していない。
 なお、二種免許状を取得する際の単位修得方法については、文部科学省において、以下のようなモデルケースを示している(一種免許状及び専修免許状については示していない。)。

第1欄

1単位

第2欄

3単位

第3欄

2単位

 モデルケースにおいては、第2欄の科目について、視覚障害者教育領域及び聴覚障害者教育領域は2単位、知的障害者教育領域、肢体不自由者教育領域及び病弱者教育領域は1単位を最低修得単位数として示している。

 

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