全日本中学校長会

インクルーシブ教育システム構築のための今後の特別支援教育の推進方策に関するヒアリング意見提出様式

団体名  全日本中学校長会

 

1.合理的配慮等環境整備について

 本ワーキンググループで整理された合理的配慮の観点及び、合理的配慮の充実のための基礎的環境整備に関する内容については、いずれも妥当なものであると考える。
 これらの観点によって充実が図られるべき内容については、「ハード面」は当然のことであるが、それらの内容が障害のある子どものために真に生かされるためには、同時に、全ての関係者の共通理解と一体となった取組と連携等の言わば「ソフト面」における改善が必須である。
 教育には、3つの力が必要である。すわわち、家庭・学校・地域社会である。家庭・学校・地域社会はそれぞれの役割を負っている。合理的配慮等環境整備についても同様である。三者が相互に整備や役割や関わりについて、求め求められる関係にある。その内容について学校・家庭・地域社会が共通理解を図り、学校・本人及び保護者・地域社会のそれぞれが、互いに何を求め何を求められるのか、について相互に理解し補完し合い、一体となって教育を行うことが求められる。
 この観点から、インクルーシブ教育システムによって、障害のある幼児児童生徒も障害のない幼児児童生徒も含めた全ての子どもの発達・成長のために、学校教育に携わる全ての関係者だけでなく、社会全体の学校教育に対するパラダイムの転換が図られなければならない。

2.教職員の確保及び専門性の向上について

 「合理的配慮」が求められる成果をあげるためには必要な教職員の確保と専門性の向上が欠かせない。支援員等を含む適切な人的配置のためには財政的な裏付けが必要であることは当然であるが、その財源確保を優先することを当然とする社会全体の理解が必要であり、そのための啓発活動が求められる。
 また、特別支援教育に関する教職員の専門性の向上について、現職教職員に対しては、OJT及び現職研修を直ちに優先実施し、教員免許状更新の要件とする等の教育施策の改善が急務である。
 しかし、それだけでは不十分である。大学における教員養成課程において従来とは一線を画すような特別支援教育の充実と徹底が図られなければならない。そのためには、教員免許の要件等についても、全ての課程において、従来の特別支援に関連する単位を大幅に上回る修得を義務付ける等の制度改革が急務である。

 

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)