中核市教育長会

インクルーシブ教育システム構築のための今後の特別支援教育の推進方策に関する意見について

団体名   中核市教育長会

 

1.合理的配慮等環境整備について

○ 基礎的環境整備については,財政面の影響が大きく,公教育であるにもかかわらず,自治体により格差が出ることも懸念されることから,インクルーシブ教育導入の前提として,ある一定水準の基礎的環境整備を保障するための財政措置が急務である。

○ 一人一人の障害の状況に適切に対応するためには,小・中学校における少人数学級の一層の推進,特別支援教育コーディネーターの専任化,看護師や作業療法士等特別支援学校に配置されている専門職の小・中学校への配置など,基礎的環境整備として,専門教職員の定数配置が必要である。

○ 学校生活においては,学習時間の占める割合がほとんどであることから,特別支援教育支援員が学習指導を行うことができるよう,教員免許を資格要件とするとともに,学習指導に関わる研修の充実を図る必要である。

○ 学校が合理的配慮として学習内容の変更・調整を行うためには,「通常の学級で学ぶ知的障害を伴う障害のある児童生徒一人ひとりに応じた特別の指導・評価の在り方」等に関する研究の充実が必要である。

○ 設置者及び学校と本人及び保護者の意見が一致しない場合に解決を図る第三者機関が,インクルーシブ教育導入後に効果的な役割を果たすことができるよう,必要な権限を付与するなどその在り方について十分な検討を行う必要がある。

○ インクルーシブ教育を円滑に実施するためには,共生社会の形成に向けた国民の共通理解を一層進め,社会的な機運を醸成することが重要であることから,積極的な啓発活動が必要である。

2.教職員の確保及び専門性の向上について

○ 教員養成課程において,特別支援教育に関する基礎的な知識・技能を習得する科目履修及びインターンシップ等で特別支援教育に携わる経験を必修とする制度が必要である。

○ 特別支援学級担任や通級指導教室担当者の専門性の向上のためには,長期間に多数の児童生徒を指導する経験が必要であることから,特別支援学校免許状相当の新たな免許制度の創設や専任教員の採用枠の新設,併せて,その専任教員のもとに新任者を配置して養成するシステムの構築,特別支援学校自立活動教諭のように,小・中学校の言語障害通級指導教室の担当者としての言語聴覚士の配置について検討する必要がある。

○ 教職員の専門性向上のためには,教材研究のための時間の確保が必須であることから,校務(事務処理)の効率化が必要である。

 

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初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)