全国町村会

1.合理的配慮等環境整備について

(1)それぞれの自治体において、障害のある子どもの教育について、他の施策と比べて優先順位を上げていくことについて、どのようにお考えでしょうか。(資料4-2 2.(2) 参照)

障害のある子どもが年々増加の傾向にあり、正常な学校・学級運営が困難となってきている現状を踏まえ、障害のある子どもの教育は最重要課題として取り組むべきものと認識している。
その上で、他の施策と比べて優先順位を上げていくことについては、以下のような課題が考えられる。

○優先順位を上げていくことは必要だが、他の施策とのバランスを十分考える必要があり、単純に比較はできない。同時進行で推進すべきである。

○国や都道府県の全面的な財政支援が必要。

○何を優先して提供するかについて、設置者及び学校、保護者の意見の一致が課題。

○学校、家庭、地域が一体となって行う仕組みづくりを推進する必要がある。

○住民を含めたインクルーシブ教育の理念共有が必要。

(2)改正障害者基本法により、障害のある児童生徒が障害のない児童生徒と共に学ぶ機会の増加が見込まれます。その際、障害のある子どもへの合理的配慮が必要となってきます。今後の学校教育において合理的配慮を実施していくに当たり、どのような課題があるとお考えでしょうか。体制整備、施設整備等具体的に御回答ください。(資料4-2 1.(1)、(2)及び参考資料4参照)

体制整備・施設整備ともに必要な財源の確保が大きな課題であり、国の全面的な財政支援が必要である。また実施にあたっては、インクルーシブ教育について、障害のない子ども、保護者、地域住民、関係機関等の理解を得た上で、相互に協力・連携しながら進めていくことが大切である。
体制整備、施設整備には、それぞれ以下のような課題が考えられる。

<体制整備>

○低学年での基礎的能力の育成から卒業後のキャリア教育など、学ぶ場の連続性を図る専門的教師体制の整備

○医療ケアの必要な児童生徒のための看護師の配置

○職員の意識改革、研修の充実

○施設整備、人材確保、財政等幅広い知識と経験に基づいたコーディネート

○学校・設置者と本人・保護者間における合意形成を図るための専門家との連携、第三者機関の設置

○障害の状況把握のための関係機関、保護者との連携

○少人数学級の推進

 

<施設整備>

○バリアフリー化、全面的改修

○当該子どもが学校を離れた後の施設設備の維持管理

(3)合理的配慮の実施に際して、首長部局と教育部局がどのように連携を進めることが考えられますか。(資料4-2 4.(2)、(3) 参照)

首長部局と教育部局がそれぞれの役割を果たす中で、協議会等を通じて理念や情報を共有し、共通理解を図りながら取り組むことが必要である。その際、個人情報の取扱いにあたって、慎重な対応が求められる。

2.教職員の確保及び専門性の向上について

(1)障害のある児童生徒が障害のない児童生徒と共に学ぶ教育を実施していくに当たり、教職員にはどのようなことが求められるとお考えでしょうか。(資料6-5 (1)、(2)、(5)、(9) 参照)

担当教員だけでなく、全教職員が障害のある子どもに対する認識を共有し、障害に関する基礎的な知識を身に付け、自ら学んでスキルアップしていくことが求められ、そのための組織づくりが必要である。
この他、以下のようなことが考えられる。

○研修

○インクルーシブ教育についての保護者への啓蒙活動

○関係機関との協力・連携

○専門性より人間性、子どもを理解する力

○特別支援学校の教員免許保有

○特別支援学校教員のコミュニケーション能力向上(保護者との継続的な関係づくりや地域への発信等)

○外部の専門家の利活用

○教職員の増員

(2)教職員の専門性の向上のため、首長部局と教育部局がどのように連携を進めることが考えられますか。(資料6-5 (8)、(10) 参照)

首長部局と教育部局がそれぞれの役割を果たす中で、協議会等を通じて職務に対する専門性の理解を相互に深め、関係機関や資源を活かしながら、人材の確保や専門性の向上に連携して取り組むことが必要である。
その際、以下のようなことが考えられる。

○1市町村ではなく、市町村・都道府県全体の連携が必要

○情報交換会などを通じた情報共有・連携

○連携して研修を開催、自治体職員と教職員が共に参加

○学校教育と福祉の連携、福祉施策についての研修、人的交流

 

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初等中等教育局特別支援教育課

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