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資料1:第25回障がい者制度改革推進会議(2010年11月15日)第3コーナー議事録

第25回障がい者制度改革推進会議(2010年11月15日)
第3コーナー議事録

 

○(議長代理:藤井) よろしいですか。4時10分になりましたので、第3コーナー、第4コーナー合わせて5時をメドに進行します。大半は第3コーナーで、特別支援教育の在り方の関する特別委員会、特特委と言われているのですが検討状況について、今日は文部科学省から説明をいただきます。文科省からは千原課長がお見えです。ご紹介します。千原さん、よろしくお願いします。

○(千原:特別支援教育課長) 特別支援教育課長の千原です。本日はご説明の機会をいただき、ありがとうございます。お手元の資料3に基づき、今、文部科学省中教審の特別委員会での議論をご報告いたします。最初に目次があって、1枚めくりますと、論点整理、委員長試案からスタートします。6月にこちらの推進会議の第一次意見、それを受けての閣議決定があり、それを受けまして、文部科学省の中央教育審議会に7月に特別委員会が設置されました。直近は11月5日で、それまで6回にわたり議論しました。それまではいわゆる就学先決定の在り方、環境整備、合理的配慮、教員の確保、専門性の向上等々の議論を個別にやってまいりました。前々回の第5回のときに自由討議を行い、前回の第6回の11月5日の会議において、それまでの委員から出されたご意見や、いろいろな都道府県から聞いたヒアリングの状況等をふまえて、委員長が中間まとめに資する論点整理の試案として、お手元の資料3が出されました。委員長からは、総論としてどういう方向を示すのか、ということで、十分ではないかもしれませんが、委員のご意見等を踏まえてまとめさせていただいたというご紹介が前回の委員会でありました。
 「はじめに」の部分は、私の申したことも含め、今回、こういう特別委員会が設置されて議論が進められた状況が書いてあります。
 1ページめくっていただいて、そこから「1.総論」から4までございます。時間もございますので、四角で囲まれた部分が特にご議論のまとめとなっているポイントですので、そこを紹介しつつ、また、前回の委員会で主な意見として、どういう御議論があったかも可能であればご紹介したいと思います。
 2ページの「1.総論」の最初の○ですが、インクルーシブ教育システムの理念と、それに向かっていくという方向性は基本的に賛成であるという点については、異論がなかったところです。2番目の〇ですが、インクルーシブ教育システムにおいて重要なこととして、その時点で、対象となる児童生徒の教育的ニーズにもっとも的確にこたえる指導を提供できる多様で柔軟な仕組みの整備、その後に続きますが、通常の学級、通級による指導、特別支援学級あるいは特別支援学校といった多様な学びの場を用意しておくことが必要というご意見が多かったです。
 次の〇ですが、障害のある子とない子がともに学ぶということは、共生社会の形成に役立つと。また、下の方にございますが、個人の価値を尊重する態度や自他の敬愛と協力を重んずる態度を養うことが期待できる。
 また、共生社会の形成にむけてと関連して、今後の進め方として議論があって、短期的、中期的、長期的に行う制度改革として整理し、段階的に実施していく必要があるという、こういう議論です。趣旨を取り違えていたら失礼ですが、今、ただちに100点をとれないと0点なのかというご議論があり、長期的にはこのぐらい、中期的、短期的には、という目標を持って段階的に進めることが必要ではないかというご議論がございました。
 次に、6ページの「就学相談・就学先決定の在り方について」でございます。
 最初の〇ですが、やはり早期からの就学相談、教育相談、これをやることが大事だということについては、ご議論が基本的に一致していると思います。今、現在の制度ですと、学齢簿が入学の前の年の10月にできて、いろいろな信頼醸成や共通理解を得るためには、できる限り乳幼児期を含めて早期から教育相談を行って、進めていくことが大事というご議論でした。
 次の〇ですが、現在は、いわゆる就学基準に該当する障害のあるお子さんは、原則特別支援学校に進学するという仕組みですが、これについては、そういう仕組みを改めて、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、専門家の意見等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当というまとめであります。
 その際、本人・保護者と教育委員会、学校等の意見が一致しない場合の調整の仕組みについて検討していくことが必要。そして、それを経て最終的には、市町村教育委員会、小学校の設置者となる教育委員会が決定するということです。本人、保護者と教育委員会、学校の意見が一致しない場合、それは、調整の仕組みについて検討することが必要だというご議論です。
 また次の○ですが、一度、特別支援学校に行ってしまうと、もうずっとそのまま就学先が固定してしまうというような形の理解が結構ございまして、けっしてそうではないということもありますが、就学先決定後も教育相談というのは、決定するところだけで終わるのではなく、継続的に教育相談を行い、また、その結果によって、柔軟に特別支援学校から通常の学校に行くとか、就学先の見直しも適切に図っていく、そのための支援を行うことが適当であろうというご議論でございます。
 また、市町村教育委員会が、進学先を障害のある子ども本人・保護者に対して十分な相談・情報提供ができる体制を整備することが必要ですし、また、その支援のためにその上の都道府県教育委員会は、専門的な相談・助言機能を充実・強化することが必要というご議論です。
 2番目の就学先決定の仕組みについては議論がありまして、特に、本人・保護者の意見を尊重する点については、尊重するということではなくて、保護者の権利・義務その他ありますが、例えば合意・同意ということが必要ではないかというご意見も何名かの委員からご指摘があったところでございます。飛んでいただきまして、10ページです。
 「3.特別支援教育を推進するための人的・物的な環境整備について」ですが、発達障害も含めて、特別支援教育のさらなる環境整備が必要だというご意見が多くなっています。
 合理的配慮については、今後、障害種別によって合理的配慮が異なるのではないかというご指摘がありました。また、ソフト・ハードの両面から検討をしていくことが必要だというご議論もありました。あるいは、そういったことについては、財政的なバックアップも必要という意見もありました。こちらについては7月に設置され、6回会議を重なりましたが、十分にこの点について議論が進んでいません。委員長の感じとしてはやはりここについては引き続き今後議論していくことが必要であろうという方向感です。
 次の三番目の○ですが、いわゆる特別支援学校と幼・小・中・高等学校との間で行われる地域で共に学ぶという交流及び共同学習の推進に当たっては、埼玉県や東京都といった地域においては、地域の小中学校に副籍、あるいは支援籍をおいて交流を盛んにやっているという事例をご紹介いただきました。居住する地域の小・中学校に副次的な学籍を持っていただくなど一層の工夫などで、交流及び共同学習の一層の推進が可能であろうということです。
 また、特別支援学校については、一定の知見のおありの先生方が揃っていらっしゃるということで、地域においてセンター的機能を有してございますが、一層活用することが必要であろうという方向感があります。
 13ページの「4.教職員の確保及び専門性向上のための方策」で、インクルーシブ教育システムの構築のため、教職員の確保や教員の専門性の向上について、色々なご指摘、ご意見があります。発達障害のあるお子さんは通常学級にお一人ぐらいいる状態ですので、特別支援教育は専門的でなく、普通の先生が必ず持っていなければいけない知識・能力ではないかということで、例えば、大学での教員養成のカリキュラム、養成の在り方を考えなければならない。今、学校種別で特別支援学校免許状という免許になっていますが、それについても特別支援学校という免許ではなく、別途、特別支援教育の免許状という形もあるのではないかという指摘もあり、こちらについても引き続き検討していくことが必要ということです。10分ということで議長代理からいただきました。冒頭の説明はこれで終わります。

○(藤井) 資料3に基づきまして、10分程度の説明でした。だいぶ凝縮して説明していただきましたので、色々な質問、意見があると思います。残り30分弱です。4時50分をめどに質疑を交換してまいります。発言のある方挙手していただきますか。

○(竹下) たくさん言いたいことはありますが、必要に応じて文書に出すことにして、ここでは2点に絞ります。1点は、墨字の7ページ、点字では28ページなんですが、結局は特別支援教育の考え方の中で、今の話でも、あるいは文面でも、権利条約を受け入れて、特別支援教育を漸進させていくと言いながら、中身を見てみると、まさに決定の仕組みのところを見てみると、従来とまったく変わっていない。原則という言葉はやめるんだと言っていますが、決定の仕組みという点では、市町村教育委員会が決定するということに全く変わっていない。しかもずっと一貫して出てくる言葉が、「専門的知識を有する」という人。これは誰でしょうか。どんな専門的な知識なのか。就学先を決めるのに専門的知識がいるのでしょうか。これは結局のところ、「専門的知識を有する人」というフレームというか、言い回しの中で、本人の自己決定権や就学先選択権を奪おうとする流れが非常に色濃く出ていると言わざるを得ない。
 2点目は、そのときに地域の条件を考えることが文言上に書かれていますが、これは残念ながら、これまでの統合教育等における矛盾や現場における声を反映していないことからくる言葉だと思います。とりわけ、視覚障害者でいうと、当事者団体の声が意識的に特別委員会から廃除されているために伝えることができなかったので残念ですが、例えば、点訳の条件があるかないかによって、統合教育を拒否されたり、受け入れられたりするという現実を踏まえたとき、こういう言葉にはならないということを付け加えて終わります。

○(藤井) 千原課長からは、何人かからご発言いただいた上、少しまとめて見解等を述べてもらいます。

○(北野) 私の方では急に資料を出しました。かつて、一緒に仕事をしたことがある堀先生などが理事として入っている公教育計画学会の資料を出させてもらっています。ちょっとルビつける時間がなくて、6頁以降は無視していただければと思います。すみません。幾つか意見を言います。
 ページごとに幾つか言いますが、共有できる部分も実はまったくない訳ではありません。例えば4ページの○5番、この中で特別支援教育の言葉をインクルーシブ教育と変えていただければ十分同意できます。財政的な措置を日本のインクルーシブ教育全体に対して高いインセンティブをあげてほしい。つまりOECD諸国から見ても日本の教育予算は最低レベルですよね。ですから、福祉だけじゃなくて、教育全体としても、教育の予算をOECDでも平均並みにしていくことがとても大事なことだと思います。予算も、私達は本当に勝ち取っていきたいと思います。
 問題は、その次に書かれてある「(3)インクルーシブ教育システムと地域性」のところです。「インクルーシブ社会のためには、障害のある当事者がどれだけ社会で参加できるかが問われている。インクルーシブ教育システムの推進にあたっては、普段から地域で…」と書いてもらって、「地域の学校に学籍を置いて」と書いてありますが、根本的に違うんじゃないかと。はじめから一緒に学校で共に学び、いろんなことをしておれば、目的が達成されると。ここは学籍の問題じゃなくて、普通学校・学級で学ぶということがまず基本にあれば、こういうことは達成できるということです。ですから、次の5ページ、真ん中の下、「通学の利便性の向上のために特別支援学校の分室を設置するなど地域化を進めている都道府県もある」って、そういう問題ではないのではないか。
 つまり、アメリカについて書いてもらっている中で一番表現で足りないのは、アメリカでは基本的に「最も制約の少ない環境」、「最も統合された環境」で教育を受けることがまず権利であり、前提なんです。「リースト・レストリクティブト・エンバイアメント」とか、「モースト・インテグレート・セッティング」で、共に教育・サービスを受けると。基本は地域で普通学校・学級で受けるということが、原則。この原則ということを明確にうたわない限り、小手先で書かれても、私はそこが、全体を読んでいて、その原則が不明確だなと思います。
 例えば8ページでは、その原則が見えないためにこういう表現が出てまいります。○6です。「地域の事情等により環境整備に困難が予想される場合には、本人・保護者にあらかじめ受けられる教育や支援について説明し、十分な理解を得る」ということは、これは「ごめんなさい」ということですよね。昨年の奈良県のケースでもそうです。しかし「ごめんなさい」ではすまないということなんです。つまり、バリアフリーとか、インクルーシブなシステムというのは、それをすることが当然のことで、しないことが差別であるということを今回の障害者権利条約はうたっているので、「ごめんなさい」ではすまないことを明確にするべきです。
 それでは、予算制約性の問題はどうかというと、ここは誤解をされておられます。誤解は11ページですが、非常に大きい誤解です。合理的配慮もあるけれども、均衡を逸した場合、過度な負担・アンデュー・ハードシップが書かれていますが、これはアメリカのADA法を含め、民間のサービス上にはこういう表現がありますが、公的なシステムにおいては、当然、バリアフリーすることが義務づけられています。アンデュー・ハードシップの議論は成立しません。権利としてのバリアフリーです。学校的なシステム、公的な機関をバリアフリーにすることは最低の条件で、それは義務づけられていて、プラス、障害児1人1人により細かい配慮がいる場合に合理的配慮の問題が出てくる。それに関しても、公教育の場合には連邦政府から予算をもらっている関係でリハビリテーション法の504条が働きますから、当然、それについても予算がおりてきます。ここはアメリカのADA法の仕組みを誤解されていると思います。
 言い出したらいろいろあるんですけれども、11ページの上の方で悲しい表現があります。一番上、「環境整備が進まないまま、インクルージョンを進めることは結果として教育のダンピングを招いてしまう」というこの表現は、私は、危険な表現だと思います。皆さんに配った資料にもあるように、特別支援学校の子どもさんにかかっている予算は1人当たり850万です。一方で、普通学校や特別支援学級の方は80~90万円で、100万かかってないという資料、皆さん見てもらったらわかります。つまり、特別支援学校で10倍以上の予算がかかっている。当然、それに基づいて特別支援学校から普通学校・普通学級に予算が回れば、ダンピングなんてことが起こるはずはない。より高い支援が普通学校、普通学級で受けられますので、この表現も納得のいかない表現だなと。もう少しそれも含めて考えていただきたい。
 言うときりがないので、この辺で終わります。

○(大谷) 机上配布いたしました。11月11日付でインクルーシブ議員連盟で、私と文部科学省の方がヒアリングを受けましたので、そのときの書面を出させていただきました。時間がなかったので、主にインクルーシブ教育システムと就学決定手続について反論させていただきました。一番言いたいことは、まず最初の出だしが、インクルーシブ教育システムにおいて重要なことは、多様な学びの場を用意しておくことである、というこの結論は、私はどうしても論理的整合性を含めて、どうしてそうなってしまうのか全く納得できません。従来から、インクルーシブ教育システムというのは、学びの場を統一して統合し、そして支援することである、これは一致していることだと思います。統合して支援する、にもかかわらず、委員長試案は、形式的に一緒にするのではなく、多様な学びの場を、と言っています。形式的に場を一緒にして、それですむとは誰も思ってない。必要な支援をしてくれと。その場合に、多様な支援はあっても、多様な学びの、なんで「場」になってしまうのか、まったく理解できません。ここは「統合した上での多様な支援を」ということであれば、私はスタートにおいて一致したなと安心して思えますが、まずスタートが違う。ここは非常に驚きでしたので、ここはぜひ再考してほしいです。
 それから、時間がないから全部指摘することはできませんが。「共に学ぶ」と言っておきながら、教育条件が大幅に改善されない中で、形式的な平等化になってしまう、こう言っていますが、実質的に平等にするには、まず、今、お金がない、何もないからできないのなら、支援はないということを前提にして話が進められているようですので、それもまた再考していただきたいと思います。
 そして第3に、インクルーシブ教育システムと地域性について。やはりインクルーシブという世界的な流れに関して、このままではいけないと思った挙句が、居住地校に副次的な学籍を置くとなっている。私はここは、もう制度改革を議論しているので、まず原則、学籍を地域の学校に置き、支援籍を特別支援学校に置くならわかります。言葉をすべらせたのかもしれませんが、今、交流教育を盛んにやっているところもあると課長はおっしゃいましたが、これは資料で後に提出したいと思いますが、そんなに交流教育ができていないんです。一年に一回、しかも間接交流しかないとか、連れていくのも大変、学校の先生も大変。特に文科省は国際的な流れを意識して、地域に支援籍をと言っているから、特別支援学校から地元校に連れていかなければならない。すると、学校の先生はそんなに連れていけない。だから交流なんてそんなにできていないんです。やっとできても、仲間になるような交流教育はできない。たまたま1年に1回会えるかどうかです。こんなことでインクルーシブ教育システムなんてとても言えることではない。
 もう1つ、仕組みのところで是非言いたいのは、竹下委員が言ったように、まったく現状通りです。なぜそうなのか、少し私の経験も含めて調べました。同じなんですね。これは、就学先決定を総合的に判断すると、この仕組みは、昭和53年、1978年54義務化を前に文科省が発表した通達なんです。これはただ単に医学的な判断、22条の3の表だけでなく、心理学的・医学的・教育的観点から総合的に決定すべしというのが通達で出ているんです。ですから、医学的だけではなくて、確かに障害が重くても地域の学校に行けている子がいました。それは心理的、教育学的観点からきたわけです。それは、309号通達だったと思いますが、53年の309号通達、これでずっとそういうふうにやってきた。そして変えたのは、平成14年、2002年、認定就学のときに変えただけ。なぜ変えたかというと、地域の学校に受け入れ体制があるならば、通常だったら特別支援学校に行かなくてはいけない子も、地域の学校に受け入れ体制があれば、地域の学校に措置してもいいよという認定就学を入れた時に、通達を変えて、平成14年の915通知です。これと今の委員長試案とどこが違うのか、ほとんど文言が同じです。どこも違わない。はっきりどこも違わないと言っていいと思う。私たちが知りたいのは、22条の3のあのまさに医学モデルの典型の表を撤廃するのかどうか。ああいう一律の就学基準をもう止めようというスタンスに立つのか。就学基準を設けるならば、あれを権利性のある規定にするために、どうしたらいいのかということを議論していただきたい。にもかかわらず、就学決定手続の中で、就学基準という言葉を生かし、そして総合的判断と言いながら、それは、1978年から30年ずっと同じことをやっていることが、なぜこの時期に委員長試案で出るのか。私はまったく理解できません。せっかく特特委で色々なことを議論されているなら、もう少し色々な資料を見ていただきたい。これが54義務化の前に出した通達と同じものなのか。通達と同じものかどうか、どこが新しく変わるのか、全然変わらないじゃないかということも含めて、精査してほしいと思います。
 まだこれが「試案」として出たときに、こういう形で文部科学省の方がヒアリングに来てくれたことをうれしく思います。これが変わり得るんだ、この試案は、まだたたき台だということで、これからまだまだ変わり得るということをぜひ踏まえて、今日、持ち帰っていただきたい。
 もう1つ、合理的配慮に関して決定的に誤解があるのではないかということは、既に北野委員が言ってくださいましたが、私は就学決定手続だけでも、もう少し資料を見直していただきたい。同じことをまた同じようにやって、「改める」とは言わないでいただきたい。改まりませんから、これでは。そこだけでも、もう一度検討していただきたいと思います。

○(尾上) もっと時間があれば、意見交換をしたいところですが、時間の関係で指摘をしたいと思います。
 1つは、先ほど北野委員が言われたアメリカにおける配慮に関して教育では過度な負担云々はないとの説明ことがありましたが、韓国でも2007年に障害者差別禁止法ができて、インクルーシブ教育が原則であることが明確になった上で、学校において、運用上、まさに義務として条件を作らなければいけない、アメリカと同様であると申し上げておきたいと思います。
 その上で、政府同士の機関ですので、やはり、私ども推進会議で議論をし、まとめあげた第一次意見書を正確に読んでほしいと思います。
 この委員長試案では、既に何人かの方が言われていますが、形式的に場を一緒にするのではなくとありますが、推進会議は形式的に場を一緒にする等と一言も言ってないですから、原則は地域、その上で、当然ながら当該学校が必要な合理的配慮や支援を講ずるということを言っています。あたかも何か、私ども推進会議が形式的に場を一緒にする、そう言っているかのような誤解に基づく記述はやめていただきたいと思います。形式的に場を一緒にするというよりは、地域の学校を原則にするのがいの一番で当たり前であって、その上で本人・保護者が希望するならもちろん今まで通り特別支援学校も選べる仕組みにした上で、どこにおいても必要な合理的配慮と支援を得られる仕組みを私たち推進会議は提案していると、特特委の委員の皆さんに誤解がないように、事務局として責任をもって伝えてください。こんな誤解に基づいた記述で試案をまとめないでいただきたい。
 もう1つが、これも何人かがおっしゃっていますが。試案の7ページ、就学先決定の仕組みで、特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改めとある、ここだけ見るとすごく期待してしまう。つまりそういう特別支援学校に原則、就学するという従来の仕組みを改め、原則地域の学校で学ぶという仕組みに改めた上で、本人、保護者の希望を尊重して、特別支援学校も選べるという仕組みにしていただいたらいいだけなのですが、そうではない。これも誤解ないように言いますが、推進会議は特別支援学校を廃止するとか、そんな記述は一つも第一次意見にはない。本人・保護者が希望する場合は今までどおり、あるいはこれからも特別支援学校を選べる。今の学校施行令第5条の中で、やっぱり泣いている本人、親御さんがいる。それを何としても解決しなければならないということで第一次意見書を出した。
 今日、北野委員から出ている資料で東大阪市の仕組みが書かれた6ページ、ルビがなくて、土本さん申し訳ありません。ありますか。3月に私は推進会議で東大阪市における就学先決定の仕組みということで、「市政だより」のコピーをお持ちして、出しました。就学先決定の仕組みで、7ページです。頁を間違えました。
 まず障害のあるなしにかかわらず就学通知をその地域の小学校・中学校に通知をするという通知を出した上で、その上で、本人・保護者が希望する場合、12月までに教育委員会や学校に申し出れば、当然先ほども申しましたが特別支援学校も選べる。特に希望しなければ、当たり前に地域の学校に行ける。これで、泣いている人はいませんよ。そして実際2年目になっていますが、この前説明したのは去年の秋でした。今年の秋も全く同じ市政だよりが全戸に配布されているが、現場は全く混乱していません。こういう形でやっている仕組みをしっかり事務局として学んでいただいて、資料提供を特特委の皆さんにもしっかりしてください。以上お願いします。

○(藤井) 時間が迫ってきましたが、あと2人。重複は避けていただいて。

○(長瀬) 東京大学の長瀬です。今日は忙しいところ、文部科学省の方、ありがとうございます。私たちの推進会議の第一次意見、また閣議決定に基づいて特別支援教育に関する見直しを進めていただいていること、本当にありがたく存じます。
 私からは1点だけ申し上げます。これは国連の人権高等弁務官事務所が今年4月に出したもので、障害者の権利条約のモニタリングに関する資料です。私が訳したものが8月11日の第2回の特特委でも、大久保委員を通じて資料として提出させて頂いています。既にご承知のように国連のジュネーブにおいて、批准した国の国際的なモニタリングプロセスが始まっています。日本も3年か、4年か先、批准した際には、こうした資料に基づいて、日本の障害児教育施策に関してのいろいろな審査が行われるということなので、今からやはりこれを念頭に置いて、批准のための、障害児教育に関する見直しもぜひ行っていただきたいと思います。一般的モニタリング質問として一番最初に出てくるのは「障害のある人があらゆる段階におけるインクルーシブな教育が利用できるのかどうか」、また、尊重すべき義務として、「法律が明示的にインクルーシブ教育への権利を認めているのか」、「国は障害のある生徒が就学を義務づけられている分離学校制度を維持しているのか」という点があります。
 1点だけに絞りますが、こうした観点から考えたとき、就学先決定の仕組み、現在の仕組みはやはり非常に問題があります。権利条約のモニタリングの文書から見ても非常に問題のある状態が続いています。やはり文部科学省としても、この条約批准を機会に、見直すいいチャンスだと思います。課長からも前回の特特委で、就学先決定の仕組みのところで本人、保護者の意見を尊重することでは足りなくて、本人、保護者の同意を確保するという意見が出されているという紹介がありました。そういった点をぜひ、最終的な意見では反映して、障害者の権利条約の批准に向けて大きな前進を進めていただきたいと思います。

○(新谷) 新谷です。1点だけです。2ページの枠の中、総論部分の2。多様な学びの場を設けると言いながら、カスケードというカッコづきがあります。これはお考えになっているというのは、多様な学びの場の価値序列をつけているように思えます。せっかくインクルーシブ教育でいろんな支援の形でいろんな学びの場をつくっているのに、そこにカスケードという表現を持つと、これはいい教育の場、これは上の教育、下の教育というような変な話が出てくるのではないかと思います。どんな学びの場も、価値的には同じなんだと。そこの支援の在り方に異なった面があるんだというインクルーシブ教育をイメージしている理解があったと思います。その辺についてのお考えをお聞かせください。

○(藤井) 課長の発言の前に東さんから発言です。

○(東) 意見ということではありません。2ページに参考資料の2として、ジェネラル・エデュケーション・システム、教育制度一般の解釈についてという資料が添付されているようです。委員の方にはルビつきが間に合わず、配付していませんが、参考資料2は、文部科学省が外務省に問い合わせて以下の回答があったという中身になっています。そこでは、ジェネラル・エデュケーション・システムを教育制度一般というふうに訳して、この中に特別支援学校の教育も含まれるということかということについて、イエスと答えた文章が出ています。しかし、そのジェネラル・エデュケーションシステムを教育制度一般と訳すことについては、多くの人がこれはおかしいと言っているわけです。確かにこういう議論が第8回の特別委員会(国連)であったことは事実です。しかし、それはきわめてインフォーマルな会議で、しかも一部の国が集まって議論したに過ぎません。そこでのインフォーマルな議論が第8回の公式の場で、きちっと述べられ、それに基づいて採択されたという経緯はありません。しかしながらこういう形で、意味自体が、本来は一般教育制度と訳すべきところを教育制度一般と訳した上で、外務省のお墨付き的な文章が出ていますが、今外務省が出している訳も、これ、変わっているわけですね。その中にあって、これは、いつの時点でのものか、日付もありません。外務省がこういう解釈を今もとっているかどうかは、聞いてみないとわからないと思います。そういう問題がある文書をあえて出されていますが、少なくともいつの時点でのお話なのか、作成日付等について明確に資料があれば教えていただければと思っています。

○(藤井) そもそも課長の拘束時間をだいぶオーバーしていますので、この辺で、まずお答えいただいて、もう少しお付き合いいただければと思います。千原さん、お答えできる範囲でお願いします。

○(千原) 文科省特別支援教育課長の千原です。今、委員の先生からたくさんのご指摘をいただき、大変重く受け止めさせていただきます。すべてにお答えをする時間も、私も事務局なので、委員会を代表しての立場ではないので、今のご指摘を受け止めさせていただくということでございますが、幾つか、例えば新谷委員からカスケードについて、序列をつけている感じということがありましたが、これについては、どれが上で、どれが下という趣旨があるとは事務局としては当然思っていません。それぞれ大事な多様な学びの場の1つだと思っています。
 東室長から、ジェネラル・エデュケーション・システムについて、いつのことかという指摘については、第4回か5回のときに、特別委員会でご紹介する前に文科省から外務省にこういう理解でよいかと確認し、出させていただいたというのが客観的なご説明です。
 制度が変わっていないのではないかという観点について先生のご指摘、たくさんありましたが、文部科学省としては、現在は就学基準というものが1つの判断基準となって、それに該当すれば原則、特別支援学校に行くという現在の制度ですが、今、この委員長試案に書かれている形では、いわゆる就学基準というものが判断の1つの材料になるという観点では、先生方の意見では十分ではないというご指摘かと受け止めていますが、漸進的に制度を改めていくというのが、今の委員長試案の方向感だと受け止めています。とりあえず以上です。

○(藤井) 時間があまりありませんが、北野委員、どうぞ。

○(北野) 千原課長にお願いしたいのは、8ページのところで、かなり特特委の各委員も頑張っていただいていると聞いていますが、最初の○3で、学校や教育委員会が自分の子どもを受け入れてくれないと、ということが書いてあり、「学校や教育委員会は障害のある子どもを地域で受け入れるという意識をもって、就学決定に臨む必要がある」と書いてくださっています。もしできましたら、ここで意識ということだけでなく、「障害のある子どもを地域で受け入れることを原則にして、就学相談・就学支援に臨む」という、もう一歩、踏み込んだ表現をしていただければと思います。本当に親御さんたちは、行ったら決めつけられると思っていると思います。そうじゃなくて基本的に地域で受け入れることが原則としてあるという、そういう方向で進んでいるならば、それをぜひ明確にしていただけたらなと思います。

○(藤井) ここで私から一つ伺いたいことですが、各則で、この推進会議も当然、教育に関しても近々規定ぶりが出てくる。しかし、特特委との関係性で無用の混乱があってはいけない。そうすると、気になるのはスケジュールです。千原課長、分かる範囲でいいのですが、特特委の進行状況で、最終的な方向が出るのがいつくらいになるんでしょうか?

○(千原) 特別支援教育課長の千原です。今藤井議長代理のご下問については、まず年内に、中間的な取りまとめで動いています。この論点整理がさらに深化していく形かと、事務局では考えています。年内、具体的に言いますと、次回の特別委員会、第7回が11月19日です。事務局としては、委員会でのご議論の進捗次第ということがあり、いつまでに、年内の取りまとめが終わるかについては予断をもって申し上げられませんが、前回11月5日に初めて委員長試案が出て、こういう論点整理に向けて議論が活発にされたところで、次が19日という段取りです。また、19日からさらに議論が続くようなら、11月下旬か12月上旬に入ってくるか、それを事務局は準備しないといけないかなと思います。

○(堂本) ぜひ伺いたいのですが、今日は、推進会議の各委員から大変具体的な質問が出ました。これらの質問の内容を特別委員会の先生方お1人お1人に正確にお伝えいただくことはできますでしょうか?

○(千原) 特別支援教育課長の千原です。本日のいただいたご意見について、特別委員会にお伝えしたいと思います。

○(東) これまで議事録としてまとめてきましたが、公表が遅れているのは各委員の先生からチェックしたものが返ってこないという現状があります。少なくとも今日の議論はきちんと伝えたいと思います。19日に間に合うかはわかりませんが、この部分だけでも早急に皆さんに送りますので、発言された方、そうでない方も含めて、即座に返答をいただければ資料として用意できるかなと思っています。そこで、お頼みなんですが、そのような資料ができたらお渡し願えますでしょうか?

○(千原) 千原です。至急で推進会議の事務局でおまとめいただく資料について、私どもが受け取って、間に合えば19日の委員会にご提出ということで理解しました。

○(藤井) よろしゅうございますね?それは確認させていただきます。時間がないですが、いいのかな。

○(尾上) 新たな意見ではないですが議事録ももちろん、それに関わって、第一次意見を取りまとめるに当たって、例えば今日出ていた東大阪の仕組みであったり、あるいは第一次意見でまとめての方向について、どうやら事実誤認に基づいてのやりとりが続く限りは不毛な議論になってしまうので、議事録プラスこれまで推進会議で出されてきた資料もお渡し頂きますようお願いしたいと思います。

○(藤井) 今日のこの場の内容を特特委にもお伝えいただく。ペーパーでも19日に間に合うように準備をする。そして、先に言いますと、推進会議の第二次意見の取りまとめが12月中旬と予定を組んでいます。すると、特特委でのまとめとのタイムラグがどうなるのか。事務局同士でぜひ調整してほしいと思います。そういう宿題をお願いした上で、千原さん、今日はどうもありがとうございました。

以上

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成22年11月 --