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教育課程部会 児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループ(第11回) 議事録

1.日時

平成21年12月21日(月曜日) 15時~17時

2.場所

中央合同庁舎第7号館 旧文部省庁舎6階 第2講堂

3.議題

  1. 児童生徒の学習評価の在り方について
  2. その他

4.議事録

【無藤主査】

 大体定刻かと思います。ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会、児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループ第11回を開催いたします。年末のお忙しい時期にかかわらずご参集いただきましてどうもありがとうございました。
 初めに、配付資料のご確認をお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 1枚目に議事次第のペーパーが1枚あろうかと思います。それから、資料1といたしまして「審議のまとめの方向性について(案)」という資料、それから資料2といたしまして「児童生徒の学習評価の在り方に関する論点について」という資料、それから資料3といたしまして「学習指導と学習評価に対する意識調査の結果について(中間取りまとめ速報(高等学校関係))」、それから、資料4といたしまして「学士課程教育の構築に向けて」ということで、中央教育審議会の答申の抜粋がございます。
 それから、あわせまして、本日、河村先生がご欠席でございますが、ぜひこの資料をということがございましたので「追加意見」ということでお手元に1枚あろうかと思います。
 以上でございます。

【無藤主査】

 ありがとうございます。資料、よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議事に入りますが、きょうは審議のまとめの方向性の検討というのを前回に引き続いて行います。ただ、それとともに、高等学校の評価の問題について、まだきちんと審議しておりませんので、ぜひそれについても最後に入りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、前回からの審議のまとめ、新たに書き直してございます。資料1をごらんください。資料1「審議のまとめ方向性について(案)」となっております。これは前回の資料をもとに、さらにその折の皆様方のご議論を入れ込んで事務方のほうでつくっていただいたものでございます。1ページに「学習評価の現状、課題等」とあり、次に「学習評価の今後の方向性」というのがあります。さらに3ページに「国が評価の観点等を示すに当たっての考え方について」とあります。それから飛びまして6ページ、「『関心・意欲・態度』及び『評定』について」ということであります。以上につきましては前回の会議でご議論いただいたところでございます。特に「関心・意欲・態度」に関しましては、評価の観点に「関心・意欲・態度」というものを従来と同様に観点の一つとして位置づけるということについておおむねコンセンサスを得られたと思います。しかし、評価方法については工夫の余地があるといった、さまざまなご意見をちょうだいしてございます。それらの意見を事務局のほうで整理し、お手元の「審議のまとめの方向性」におきまして修正していただいたわけであります。
 それから、前回とそう大きく変えたわけではないのですが、節立てといいますか、順序は多少入れかわったり、新たに項目見出しが入ったりというような調整はありますけれども、文章自体が大きく変わってはいないので、いずれどこかの部分には入っているというふうにご理解ください。
 それでは、事務局からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 それでは、資料1をごらんください。こちらにつきまして、修正部分を中心にご説明いたしたいと思っております。
 まず1ページ目でございます。「学習評価の現状、課題等」でございますが、こちらにつきましては、文言をちょっと整理させていただいておりますが、基本的には同じ内容を書いているところでございますので、省略させていただきます。
 次に「学習評価の今後の方向性」でございますが、こちらにつきましては2つ目のポツ、こちらのほうをちょっと修正しております。前回の会議においてPDCAサイクルのことに関しまして書き込むべきだというご議論がございました。それを踏まえまして、学習指導の改善、それから学校における教育課程全体の改善に向けた取り組みと、その学習評価が効果的に結びつけられるべきだと、このようなものを2つ目の丸のところで書かせていただいています。3番目の丸におきまして、それを具体的に示しております。1○といたしまして、学校における教育課程、それから各教科等の学習活動の目標や内容、評価規準や評価方法等についての指導計画や指導案の組織的な編成・作成というプランの部分。それから2番目といたしまして、1○を踏まえた教育活動の実施、具体的には、教員による授業の実施。3○といたしまして児童生徒の学習状況の評価、それを踏まえた1○のような学校全体の教育課程でありましたり、指導計画や指導案の評価、これのチェック。それから4○が、事業改善や個に応じた指導の充実と、1○に係る改善ということでアクション。このようなPDCAのサイクルをつくるというようなことをこちらに書かせていただいております。
 それから、次のページをごらんください。このようなPDCAサイクルにつきましては、日常の授業、それから単元等の指導、学校における教育活動全体等、この3つの段階で繰り返されながら展開されるというところで、学習評価を通じて教員が毎日の授業の中で反応を見ながら学習指導を見直していたり、一連の授業の中で個に応じた指導を図る時間を設けたりすることや、学校における教育活動を個々の教員が参画しながら学校として改善していくと、このようなことをこちらに書かせていただいております。
 また、このPDCAサイクルというものが学習評価全体の枠組みの中に位置づけられ、実施されることが必要であると、このような議論がございましたので、こちらを入れさせていただいているところでございます。
 それから、次の小見出しのところの「今回の学習評価の改善に係る基本的な考え方」でございます。この一番上の丸でございますが、こちらにつきましては、評定の関係がちょっとわかりにくいというご指摘がございましたので、下から数えて2行目のところに評定というものを目標に準拠した評価として行うということを書いております。
 それから、2つ目の丸でございますが、パラグラフの3つ目「その際」というところの表現が中教審等ときちんと合わせたほうがいいのではないかとご議論がございましたので、基本的に中教審の表現と合わせております。
 それから4番目の「また」以降でございますが、関心・意欲・態度、学習意欲、このようなものに関して重要であるということは、前回、後ろのほうに出ておったのですが、大きな、全体にかかわる話ではないかということで場所を移動しているところでございます。
 それから、次の丸のところでございますが、「さらに」のところでございますが、以前お示しさせていただいたところ、学校でありましたり、都道府県、市町村の役割というものを後ろのほうの節でまとめました。それに伴いまして、前に書いておりました前置きのところをなくして、より端的に学校の創意工夫を生かす現場主義を一層充実していく方向で学習評価の改善を図っていくことが求められると、このようなところをつけ加えさせていただいておるところでございます。
 それから、「国が評価の観点等を示すに当たっての考え方について」でございます。これについては、一番最初のところ、それから、表現のところまで、このページ自体は微修正で、ほとんど変えておりません。「てにをは」を変えただけでございます。
 その後に、「その際」というところがございますが、表現する能力というものに関してさまざまなご議論があったところでございますので、本ワーキンググループにおいて観点を変えていくに当たっての考え方といたしまして、この表現というものに関して思考・判断した内容等について記憶、要約、説明、論述、その他の表現を行う能力として整備すべきではないかということから、このようなものを追加させていただいているところでございます。
 それから次に、「思考・判断、表現する能力」、こちらについてさまざまなご議論がございましたので、こちらのほうに追加させていただいております。この観点に係る学習指導について、基礎的・基本的な知識・技能を活用する観察や実験、それからレポートの作成、発表、討論、このような学習活動を積極的に取り入れる必要があって、新学習指導要領でもこのような学習活動の充実が求められているということ。また、この観点については、授業改善のための評価だけではなく、指導後の児童生徒の状況を記録するための評価、いわゆる総括的な評価に当たっても、学習の結果だけではなく、結果に至る過程を含めて評価することが特に重要であると、このようなご議論があったと思いますので、それをここに明記しているところでございます。
 また、「思考・判断、表現する能力」、こちらについては全国学力・学習状況調査の、いわゆるB問題というようなことについても適切な問題を用いて評価を行うことができるということも書かせていただいております。ただ、その際に、一定の制限時間内に課題を解決するような能力だけではなく、そのような問題だけで判断するということではないと、そのような留保はあろうかと思いますが、ペーパーテストでもはかれる部分があるということを明確に書かせていただいております。
 それから、次の「評価の観点の順序」でございます。先日、前回お知らせしました学教法の3要素にあわせて整理していくというようなことを考えた場合に、評価の観点の順序というものに関しても、基本的に学校教育法でありましたり、指導要領の総則などに示す順序に沿って整理することが考えられるのではないかと。ただ、もちろん、その順序というものは優位性を示すことではなく、その観点にかかわらず学力をバランスよく育成すべきものであると、このような留意点をつけた上で、このようなことが考えられるのではないかと思っております。
 それから、「各教科における評価の観点に関する基本的な考え方」でございますが、これにつきまして、一番上の丸に、主体的に学習に取り組む態度に関する観点、こちらも観点として位置づけることが前回、おおむねその方向になったと思いますので、そこを入れさせていただいております。
 それから、そこの小見出しの3つ目の丸でございますが、そちらにおいて、「思考・判断、表現する能力」というものの、先ほど表現という言葉につきまして大きく整理しておりますが、例えば、図、グラフなどに示す、あらわす能力、それから式にあらわす能力、こういうこと、これも表現だと思いますが、これは「思考・判断し、表現する能力」として学習指導要領や学習評価の中だけで育成しているものではなく、技能等の観点に係る学習指導や学習評価の中でも育成していくということに配慮する必要がある。表現というものが「思考・判断、表現」というところについたからといって、今まで表現というところで育てていたものは、当然これからも育てていく必要があるということをこちらのほうに書かせていただいているところでございます。
 それから、「音楽、図画工作、美術」、こちらについては基本的に修正しておりません。微修正だけでございます。
 それから、「国語や外国語」についても文言をちょっと整理させていただいただけでございます。
 次に、「関心・意欲・態度」についてでございます。それと「評定」についての部分でございますが、一番上の丸でございますが、その大きな方向性として学教法の学力の3要素の一つとして示されているということとともに、前のほうに持っていきましたが、「関心・意欲・態度」、学習意欲についての重要性についても、こちらのほうに再度書かせておいていただいています。意欲的に取り組めるような授業構成、それから継続的な授業改善を教員に促していくということの重要性は高いということを書かせていただいているところでございます。
 それから、次の丸でございますが、この観点は各教科が対象としている学習内容に関心を持ち、進んで課題に取り組もうとする資質や能力を伸ばしていくためのものであるというところを前回示しておりました。それにあわせて、「関心・意欲・態度」の評価に当たっては、授業における表面的な状況のみを評価するのではなく、このような資質や能力が身についているかどうかを各教科が対象としている学習内容に対する児童生徒の取り組み状況、ある意味ここは外面的なものを通じて目標に照らし評価することが基本ではないかということ、このようなことがあったのではないかと思いまして、基本としては、他の評価と同様、おおむね満足できる状況にあるかどうかの評価を中心とする、基本的に3段階で見ていくということが適切であるというところを、書かせていただいております。
 ただ、その際、教科によって、その「関心・意欲・態度」の内容に少し差異があるというようなご指摘がございましたので、例えば体育などの例示において、公正や協力などを育成すべき「態度」として指導要領に位置づけておるという話、こちらをこちらに明示させていただいております。
 それから、その次の丸といたしまして、「関心・意欲・態度」について「十分満足できる」と評価される場合について、他の観点との関係というものを前回書かせていただいております。そこで、外国語などにおいて、「間違うことを恐れずに自分の考えなどを話している」と、このようなことについても評価規準などでも定めているといった、教科の特性に応じた評価を行うということもやはり考えていく必要があるのではないかというご議論がございましたので、そちらを入れさせていただいているところでございます。
 それから、次に、「評定と観点の関係」でございます。「評定」については、簡素でわかりやすい情報を提供するものとして、教科を総括的に評価するものであり教員同士の情報共有、保護者への説明のため、小・中・高すべての段階として、今後とも必要なものである。さらに学教法などの学力の3要素をすべて含んだ教科の総合的な学力に関する情報として、現在と同様に示すことが適当として考えられる。その際、教科の特性や児童生徒の発達の段階等も考慮しつつ、評価の観点の重みづけをはじめ、評価の観点と評定の関係とを適切に考えることが必要であり、国等においても、その状況の評価の結果について評定に総括する方法について情報提供を行っていくことも重要である。
 これは前回の案の記述の場所を移させていただいたところでございまして、全体の大きな考え方、根本論としては、こちらはそのままでいいのではないかということから、このように書かせていただいているところでございます。
 ただ「関心・意欲・態度」について、さまざまな工夫で、いろいろなところでできるのではないかということを、新たに章立てさせていただいております。関心・意欲・態度は学習評価の在り方の議論の中で、必ずしもわかりやすい形であらわれないこと、説明責任を果たす教員に負担感があるというような指摘がありましたので、評定について客観性、学力の指標としての妥当性を高める必要性についての指摘があったと思っております。
 「関心・意欲・態度」の評価については、他の観点と同様に、おおむね満足できる状況にあるかどうかの評価を中心とすることを基本としつつ、その中でさまざまな工夫を行うことが適切である。基本的には従前のとおりとすることが求められるものと思いますが、さまざまな工夫ということでこちら書かせていただいております。
 その際、例えば「関心・意欲・態度」の評価に当たって、表現や行動等を観察するほか、文章課題への取り組み状況等を評価する、このような工夫も当然考えられるのだと思いますし、授業改善のための評価は日常的に行っていくということが重要ですが、指導後の児童生徒の状況を改善するための評価、総括的な評価に当たっては、学期、単元、ある程度長い区切りの中で適切な頻度で評価する、このような工夫を行うことも重要である、このようなご議論もあったかと思います。これらについては皆様、ご議論は一致するところだったと思っております。
 一方で、上述したような指摘を踏まえて「関心・意欲・態度」につきまして「努力を要する」児童生徒に対する学習指導の徹底は図りつつ、形成的には起こりつつ、指導後の児童生徒の状況を記録するための評価に当たっては、「十分満足できる」と判断できる場合のみに記録することとすることや、評定への反映に当たって、加点要素として位置づけたりすることなど、観点別学習状況の評価についてさまざまな工夫を行うことも考えられるといった指摘があったのではないかと思っております。
 ただ、このような指摘を踏まえた工夫を行う際には、異なる学校段階において児童生徒の学習状況の円滑な伝達に配慮する、このようなことが必要であることから、評価の結果が活用される、前回「地域、学校」というふうに書きましたが、適切に示しますと、やはり都道府県等の地域ごとに工夫の方法を統一することが必要と考えられるということをここに書いております。
 あわせまして「関心・意欲・態度」と評定に関する考え方の明示というところでございますが、このようなことの総括する方法については、先ほど書いておりますが、評価の結果が活用される都道府県ごとの地域ごとに適切に考えて、その考え方を踏まえた評定等の在り方について対外的に明示することが求められるのではないかと、このようなところで審議の方向性について書かせていただいているところでございます。
 以上でございます。

【無藤主査】

 とりあえず、このお手元の審議の方向性の案ですけれども、前半部分を今、ご紹介いただきました。その部分について議論をしたいと思います。それにつきまして、前回、安彦委員からもお話がありましたけれども、学習評価の理論的な議論をしていただいた。また、現場における実践の積み重ねもご紹介いただき、さまざまな要望もちょうだいしておるわけでありますけれども、それらを踏まえながら、最終的には、子どもたちに身につけさせたい学力を反映できる枠組みを探る必要があると理解しております。
 その際、文部科学省の示す指導要録領はあくまで参考様式であります。法令におきましても、指導要録の様式について定める権限を有するのは学校設置者であるという仕組みであります。そういう仕組みのもとで、国が大きな方向性を示すということでありまして、どのような配慮を学校設置者に求めるか、それにつきまして整理をお願いしたいと思います。
 それでは、今の企画室長からのご説明を受けて質疑応答、意見交換に入りたいと思います。ご意見等ちょうだいできればと思います。

【鈴木(秀)委員】

 これまで評定とか「関心・意欲・態度」で多くの時間を割いて議論していたわけですけれども、考えてみますと、今回の学習指導要領の改訂の一つの大きなポイントは、やはりPISA型の学力を踏まえて、国際的な動向を踏まえて「活用」、日本的に言えば「思考・判断」、それから今回は「表現」をプラス。そのような活用の部分を強調したというところが改訂の一つの大きなポイントではないかと思います。
 ところが、今回のまとめを見てみますと、必ずしもそのような、活用を強調したというところが評価の面から見るとちょっと弱いのではないかと。要するに、これまで思考力・判断力の評価に学校現場が非常に苦労してきたのは、やはり思考力・判断力の発達段階というものが必ずしも見えてこなかったと。極めてあいまいに「十分満足できる」とか、そういう形でしか示されてこなかったものですから、じゃあ、あるところまでできたら、次はどのようなことができればいいかという、そういうことが明確になってこなかったと思うんですね。
 ですから、今回はやはり活用が一つのポイントだということは、もう当然のことでありますので、それに対応して思考力・判断力、ないしは活用の評価規準の設定については、やはりそのような発達段階が見えるような評価規準の設定の仕方をぜひしていただかないと、やはり学習指導要領の趣旨の実現に評価のシステムを合わせなければいけないというのが基本的なことですから、そこは是が非でも、これまでどちらかというと「関心・意欲・態度」や評定の問題に終始してきてしまったのですけれども、ポイントはやはり活用をいかに指導し、かつ、この部会の一番の眼目としては、評価するかということをやはりもう少ししっかりしておかないと、このままではその辺のところの思考力・判断力を育成する、そのために適切な評価のシステムをつくるということが必ずしもよくわからないと。ですので、発達段階に基づいた評価規準を設定するというような趣旨の文言を入れないと、非常に心配だと思います。

【無藤主査】

 ありがとうございます。
 評価規準の部分の研究開発等々については、後のページにまたもう一度出てまいりますので、さらにご議論を重ねていただきたいと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。じゃあ、順番に行きましょう。吉田委員、西岡委員、工藤委員ですか。まず吉田委員。

【吉田委員】

 ご説明をお聞きして、評価の観点を学校教育法の30条にまとめられている3つの大枠で整理されるという方向かと理解しました。これまでの議論では、それは最終目標ですが、各教科においては、それに向けた具体的な観点を考えていくという方向であったと思っています。
 ですから、例えば、今、「表現」というところをどのように扱うかという点で、2色刷りの資料でいきますと、5ページの下から2つ目の丸には、「教科にとって表現というのはいろいろな形で扱われている」という、こういう表現になっていますが、大枠が決まった後、観点は、「思考・表現」とか、「表現・技能」とか、観点の名称は各教科に任されるのでしょうか。そこをまずご質問したいと思います。

【梶山教育課程企画室長】

 観点につきましては、各教科の特性を踏まえて検討していく必要があるとございます。ただ、それについては、大きな方向性というものをお決めいただいたものであれば、この会議においてこのようなことを考えておるということをご紹介させていただきたいと思っております。

【吉田委員】

 続けてよろしいでしょうか。
 数学の場合は、前回のときにも申し上げましたように、表現というのが非常に微妙で、思考の前にまず場面を数学化するための数学的な表現がありますし、実際に思考した後、結果を数学的に表現するというのもありますし、もう1個、形式的な処理をするという表現もあります。今、中学の目標では、「数学的な表現や処理の仕方を習得し」という文言が目標の中にあります。仮に数学の表現というのを思考に埋めてしまうと、これまで他の教科で技能・表現としていたのを、数学は表現・処理という観点にして、その中で積み上げてきたことが違う方向に行くのではないかという心配を少しします。
 一方、表現が思考と一体になるというのは、これは私もわかっていることで、いろいろな研究者も言っているところですが、観点として思考と表現を一体化してしまうと、数学で一番大事にしてきた見方や考え方が埋もれてしまうのではないかと少し危惧します。
 現在の観点に固執するつもりはないのですが、この表現の扱いについては、特に教科の特性を踏まえて、今、赤字で書いていただいていますように「例えば」から以降の部分を算数、数学については少しご配慮いただければと思います。
 以上です。

【無藤主査】

 ありがとうございます。
 今のご指摘は赤字ではなくて、全部直っている部分で言えば、5ページの一番上ですね。「思考・判断し、表現する能力」について、各教科の目標や内容を踏まえ当該教科において育成すべき能力にふさわしい名称としつつということで、吉田委員のご指摘をいただいて記したつもりでございます。
 それでは、西岡委員、お願いいたします。

【西岡委員】

 すみません、4点ございます。一つは評価方法としてある程度複雑な課題を用いるという方法が筆記テストとは別にあるのだということを、もう少し前面に出していただけないかなという気がしています。
 と言いますのは、観察や実験、レポートの作成、発表や討論といった学習活動は何回も出てきています。これらはいわゆるパフォーマンス評価、パフォーマンス課題というようなものと重なると思うのですが、学習活動であるだけでなく、同時に評価方法としても位置づけることができるものなのだと書いておく必要があるかと思います。例えば5ページに「さまざまな評価方法の工夫」と書いてあるのですが、その具体的なイメージがまだ現場では十分に広がっておりませんので、それをもう少し明確に出すという必要があるのではないかと思いました。
 その際に、そういう思考・判断し、表現するような知識、技能を総合して使いこなすような課題というのには、筆記によるものだけではなく、口頭によるものであるとか、実演によるものもあるということも含めて、全体を統一していただけるとありがたいかと思います。例えばあるところは「観察や実験レポートの作成」と書いてありますが、2ページでは「観察・実験やレポートの作成、論述」と書かれています。4ページにはそれに「発表・討論」が入り、8ページには「文章課題」という言葉が出てくるというふうに、少しイメージが不揃いのような印象を受けます。そこら辺を「実演によるもの」と「筆記によるもの」というような、大きく2区分は常に意識してもらえるような表現に統一していただけるといいのではないかと思いました。
 次に、先ほど鈴木委員がおっしゃった件にも絡むのですけれども、今回書いていただいている内容の中で、8ページの「関心・意欲・態度」のところです。授業改善のための評価は日常的に……。

【無藤主査】

 すみません、見え消しのほうで今、ページを言っているんですね。

【西岡委員】  

 はい、そうです。

【無藤主査】

 見え消しでないほうで言っていただけます? そのほうが面倒くさくないので。要するにきょうの案というほうで言ってくれるほうがわかりやすいんですけど。資料番号ついているほうですけれども。資料1とついていると思うんですけれども、見え消しじゃないものについて。

【西岡委員】

 失礼いたしました。
 「関心・意欲・態度」及び「評定」についてのところで。

【無藤主査】  

 7ページですね。

【西岡委員】

 7ページですね、はい。失礼しました。
 「授業改善のための評価は日常的に行うことが重要であるが、指導後の児童生徒の状況を記録するための評価に当たっては、学期や単元ごとなどある程度長い区切りの中で適切な頻度で非常に評価する等の工夫を行うことも重要である」というふうに書いていただいております。これは形成的評価と総括的評価の区別を明示的に出していただいているものだと思います。ただ一方で、4ページを見ますと、「『思考・判断し、表現する能力』の評価に関する考え方」のところで、1つ目の丸印に、「この観点については、授業改善のための評価だけではなく、指導後の児童生徒の状況を記録するための評価を行うに当たっても、学習の結果だけではなく、結果に至る過程を含め評価することが特に重要であることに留意する必要がある」と書かれてあります。
 学習の結果として口頭発表だとか話し合いだとかを評価するという、いわゆる実演部分の評価は大事だと思うのですが、それをすべて結果に至る過程を含めて評価するというのは、先生方にとっては非常に負担が大きいことになります。授業改善のためには常に評価し続けることが必要なのですが、指導後の児童生徒の状況を記録するための評価であれば、結果的に身についた実演の力や完成作品を仕上げる力を評価するという、形成的評価と総括的評価の区分を明示的にしていただいたほうがいいのではないでしょうか。
 例えば観察記録を書く力を身につけさせるために、何回も観察記録をとらせるわけですが、成績づけとしては、結果的に身についた力が発揮されている観察記録でつければいいわけですよね。こういう書き方をしてしまうと、全部緻密に見なければいけないという風に受け止められて多忙化が進むのではないかと、少し心配です。もちろん、指導の改善のためには過程を見る必要もありますが。
 第三に、「知識・技能」の観点と「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」というふうに分けるということには納得したのですけれども、知識・技能と思考が分かれる印象を持たれるのは問題ではないかとも思います。要するに、単純な暗記や反復練習が基礎的・基本的な知識・技能を身につけるという要素で、思考・判断というところで初めて思考が問われるというような印象を与えてはいけませんので、基礎的・基本的な知識・技能の習得ももちろん思考を伴いつつ行うものだし、思考・判断・表現においても、必要な知識・技能を活用しつつ行うものなのだということを明示していただければと思います。例えば「現行の評価の4観点と学力の3つの要素の関係」のところで、4ページのところの一番上なのですが、「この観点で評価する『表現する能力』は、思考・判断した内容等について」と書いてあるのですが、この前に「必要な知識・技能を活用しつつ」というふうに入れていただくとニュアンスが伝わるかなと思いました。
 最後に、「関心・意欲・態度」について例示をしていただいているのが素晴らしいと思いました。さらに強調する点で言うと、例えば体育に関しては例示を入れていただいているのですけれども、他の教科に関しても大体こういうことなのだと示してはいかがでしょうか。要するに挙手の回数や、単に先生に言われた指示に従っているかという中身じゃなくて、学習内容に即するということは各教科におろすとこういうことなのですよという例示を、例えば理科であれば、科学的な実験を行おうとする態度であるとか、国語であれば表現の微細な違いに敏感になる態度だとか、それは各教科教育で研究の蓄積がありますので、そこを例示として入れていただけるとよいかと思いました。
 すみません、長くなりました。

【無藤主査】

 ありがとうございました。
 おおむね取り入れて直していけるかと思います。
 じゃあ、工藤委員を先にして、それからまた。

【工藤委員】

 赤字の入っていないもので、文言について気になるところを幾つか申し上げたいと思います。3ページの一番下の丸のところで、「『表現』については」というところです。ここには、「現在の4観点において、多くは「技能・表現」として技能の発現に伴うものとして示しているが、「本来」・・・」としていますが、この「本来」という言葉が気になりました。「本来、「知識・理解」や「思考・判断」といった観点にも付随し得るものである」としてしまうと、現行の「技能・表現」の「技能」に付随した「表現」はどうだったのかということになりますので、やはり今回は「思考・判断・表現」としてまとめることに意味があるということを明確にしていただいたほうがよいと思います。
 それから、3ページの上から3行目、四角で囲った「国が」という言葉は果たしてここで必要かどうか。この部分には国と地域との関係に関する内容はありませんので。
 それから4ページの一番上の丸でございます。ここは2行目に「思考・判断した内容等について」と限定していますけれども、先ほど意見がありましたように、やはり理解したこと、知識についても表現ということはあると思いますので、身につけた知識を活用しながら表現するということがあると思いますから、それをつけ加える必要があろうかと思いました。
 それから、6ページにまいります。6ページの下から3行目、「評定と観点の関係」、これは正しくは「評定と観点別学習状況の関係」だと思います。同じような文言が次のページにもあります。
 それから、6ページの下から2行目の末尾、「教科を総括的に評価する」という表現も、「教科の学習状況を総括的に評価」だと思います。
 それから、7ページの上から5行目、ここも「評価の観点と評定」というよりも「観点別学習状況と評定」の関係だろうと思います。
 それから、同じページの2つ目の丸、「『関心・意欲・態度』の評価については」というところの「例えば」というところの2行目です。これは評価方法を例示しているのですけれども、「文章課題への取組状況」というのは誤解を招く表現で、「取組状況」というのは、一生懸命打ち込んでいる姿を評価するのでいいのかどうか、誤解を招きますので、やはり「課題に対する文章記述の内容」とか「記述の状況」とか、ここの文脈で言うとそのようにする必要があろうかと思います。もう少し多様な例示がここに出てくるとよいと思いました。
 とりあえず以上です。

【無藤主査】

 ありがとうございました。
 じゃあ、まず佐々木委員、それで髙木委員。

【佐々木委員】

 先ほど、評価の観点ということにつきまして吉田委員からも出たのですが、5ページに「音楽、図画工作、美術における評価の観点に関する考え方」というのが挙げられております。結論から言いますと、私はこの考え方でいいんじゃないかなと思っております。特に、2点目につきまして、技能に関する観点と、発想・構想したりする能力に関する観点ということに分けて示すことが考えられてあるのですが、議論の中で、これをまとめて「表現」というようなご意見もありましたけれども、これ、非常に私は大事な観点だというふうに思っておりまして、結局、図画工作とかで「表現」とこれをまとめてしまうと、やっぱり作品の出来ばえだとか、そういうものにどうしても目が行きがちだと。図画工作を通して資質や能力を育成していくんですよということのこれはメッセージでもあるというふうに私は理解しておりますので、こういう観点のあらわし方がいいと思いますし、学習指導要領ともこれは一致している内容ではありますので、ぜひこういうような形でお願いできればいいなというふうに思っております。
 ただ、やはり問題としましては、私、前から申していますように、それをどんな方法で評価していくのかというふうに先生方はやっぱり困っているのだということは申しているとおりです。ですので、例えば、1時間の中ですべての観点じゃなくて、ちょっと重点化、焦点化して授業自体を構成していくというような、出ていますが、単元レベル、あとは学期レベル、1年間を通して年間指導計画の中で無理のないような評価をしていくということも簡素化につながっていくと思いますので、そういうような事例とかを載せていただくといいのではないかと考えております。
 以上です。

【無藤主査】

 じゃあ、髙木委員、お願いします。

【髙木委員】

 4ページの評価の観点の順序について申し上げたいと思います。
 今も佐々木委員からございましたが、教科の内容の評価規準の観点のあらわし方で、先ほど吉田委員も数学の観点からお話しになりましたが、観点別評価自体はここに書かれているように、確かに学校教育法や学習指導要領の総則には、ここに示されている基礎的・基本的知識に関する観点や、思考・判断し、表現する能力に関する観点、それから主体的に学習に取り組む観点という、この順序性はあるのですが、教科のほうの内容論になりますと、これは平成3年改訂の指導要録でも各教科の目標と内容に照らして、その実現状況を評価する観点別評価を学習の基本に据えているということになります。
 ですから、評価については、学習指導要領の目標について、その内容(指導事項)にあわせて評価するということを密にしてまいりましたし、一番最初に鈴木委員が話された評価の段階性や順序性についても、学習指導要領の各学年、もしくは低中高の発達段階、中学校1、2、3の発達段階にあわせて現行の評価規準でも私は示されているというふうに思っております。
 したがいまして、各教科の内容との関連から考えますと、評価規準の観点の示し方の順序は、学校教育法30条の2項の学力の順序にするのではなく、教科の内容(指導事項)に合わせないと、評価規準を具体化することは私はできないというふうに思います。これから具体的な作業に入る以上、学校教育法30条2項の順序ではなく、教科の具体的な内容(指導事項)から考えないといけないというふうに考えております。
 ここにも書かれていますように、「評価の観点の順序が優位性を示すものではなく」というふうにあるものの、実際には昭和55年の指導要録の順序は、「関心・態度」が一番下にありました。それが平成3年の改訂で一番上に上げられたとき、そのことによって学校現場においては「関心・意欲・態度」の評価規準の重要性が意識されるようになったわけです。ですから、この経緯を踏まえないと、やはり順序性というのは大切であり、私はここで「関心・意欲・態度」を一番にしたことの旗をおろしてはまずいのではないかと考えています。「関心・意欲・態度」の評価をしないようにしたいという現場の意見も随分あります。そういう中で、この「関心・意欲・態度」が3番目に載ることによって、「優位性」と書いてあるにもかかわらず、少なくともその重みが弱くなったというふうに受け取りかねられないことがあるかなというふうに思っておりますので、ぜひこの「関心・意欲・態度」の項目は、これまでと同様、行政の継続性を含めて一番初めに来るように、さらにはこの順序性につきましても、繰り返しになりますが、教科の特性に合わせませんと、これは具体的な評価規準をつくるということは非常に困難を伴うということを申し上げておきたいと思います。
 以上です。

【無藤主査】

 大事なご指摘だと思います。過去の経緯とともに、教科の目標、内容の順序というふうに近づけたほうが、あるいは現場に受け入れやすいというご指摘、もっともな面もあると思いますので、もう少しご議論いただきたいと思いますが、上月委員、それから吉田委員、加藤委員。あとはとりあえずよろしいですかね。

【上月委員】

 前回のこの会議の議論の中で、最後に「関心・意欲・態度」が2段階なのか3段階なのかというところで議論がたくさんありました。それを6ページ、7ページあたりで、書き込んでいただいていると感じます。最後に7ページのところで、「都道府県等の地域ごとに工夫する」という文言があります。これはちょっと、やはり国が示すものですから、規準としてそれがあくまでも例であっても「都道府県ごとに」というのはどうかなということを思いました。
 それから、もう1点ですが、もし「関心・意欲・態度」のところが2段階になった場合ですけれども、それは十分規準をしっかりさせるという意味で、2段階であっても重要視するということの意味はよくわかります。では、指導要録のどの位置に来るのだろうかということで、私は観点が縦に並んでいるところの一番下になるのではないかというようなことも思いました。また、観点を貫いて横に一つの新しい項目で出てくるのではないかというようなことを思いました。
 そうなったときに何が心配かといいますと、学校現場では、この要録の観点に沿って学習指導案を書くなどの授業づくりをいたします。そして、単元の目標をつくるときに、この要録の観点でもって目標を立てていくんですね。そういうところにやはり影響してきて、「知識・理解」が一番上に来ると国語の例ですと、「知識・理解」というのは言語事項です。それが一番上に来るというのは、全てがそうだとは思いませんがきちんとそのことを、まず教えないといけないという考え方、しっかりと教え込むんだという考え方に流れてしまうのではないか。そういう教え込みにつながるような考え方が強く出てくるのではないかということを非常に心配いたします。
 この3年間の全国学力・学習状況調査の中で、やはり考える力、それから実生活で生きる力、生きて働く力を育成するという、これからの子どもたちに必要な力をつけるという考え方が大きく示されているので、やっぱり先ほどの髙木委員のご意見にもありましたように、30条2項に縛られるという必要はないのではないかと、私は思います。
 以上です。

【無藤主査】

 具体的にどうあらわすかはもうちょっと検討が要りますが「関心・意欲・態度」というものが基本的に極めて重要だということは共通認識としてはっきり確認したいと思います。
 では吉田委員、加藤委員。

【吉田委員】

 3点あります。
 1点目は、今、議論になっています観点の順序だと思いますが、私も指導主事をしていたときに、数学は特に「関心・意欲・態度」を非常に大事にしたいという思いもありましたので、この観点の順序というのは、各学校に強調してきたところであります。文科省がこれまで観点の順序が優位性を示すものでないというような言い方を多分してこなかったとように思いますので、ぜひここはご検討いただきたいと思います。
 2点目は、5ページにありますように、例えば「音楽、図画工作、美術における『表現』とは異なることに留意する」と、こういう文言が入っているのですけれども、これを入れますと、ほかの教科は皆同じ表現であるかのように受けとられます。この際、表現を、各教科がどのようにとらえているのかという整理が必要だと思いますし、単に特別の教科だけを挙げて「異なる」と表現するのはいかがなものかという思いがいたしました。
 それから3つ目は、4ページに、先ほど西岡委員のほうからありましたが、結果に至る過程を含めて評価するというのは、私は非常に大事なことだと思っています。特に思考のプロセスを今まではあまり評価してこなかったのではないかと思うのです。思考した結果だけを見ていたのではないかという思いがしているので、仮に「思考・判断し、表現する能力」というこの柱の中で評価を考えるならば、プロセスの評価というのは、現場の先生にとっては大変かもしれないのですが、そういうところに力点を置く評価がこれから求められているのではないかと思いました。
 以上です。

【無藤主査】

 それでは、加藤委員、お願いします。

【加藤委員】

 観点別評価の順序のことが議論になっていますが、今は一番上に「関心・意欲・態度」があって、その下に「思考力・判断力・表現力等」があるわけですね。これは先ほどから議論になっていますように、以前は逆であって、平成元年の指導要領の後の改訂でひっくり返したんですね。そのときに「新しい学力観」というスローガンを出して、先生方が指導されるときには、一番上の「関心・意欲・態度」を育てることを忘れてもらっては困りますよということだったと思います。これをしっかり育てないと自己学習力もあり得ないし、日本の子どもの弱いところは、終わった後にそれをやってみようと思わない。大きくなってもそれにこだわろうと思わないところが弱いところなわけです。そのような関心や意欲、態度を育てるためには、当然のことながら、残りの観点の成果があらわれなければどうしようもないわけで、そういう位置づけであったと思います。
 その次の観点の「思考力・判断力・表現力等」も、これもいろいろな国際的な調査をしても、やはり弱いところなんですね。この辺を忘れないでくださいよねという、メッセージがあったと思います。これについては、これからもこの順番は変えるべきではないと思います。
 もう一つですけれども、5ページの一番上の1行目ですが、いろいろ工夫をして、「思考力・判断力・表現力」等について「思考・判断し、表現する能力」と、こうなったんですね。確かに言語力の育成ということを前に出して、それが1つの目標になっていますから、それについてはどこかでやはりきちんと評価をしなければいけないということで、前回は私も適切ないい表現だなと思ったのですが、その後いろいろ考えますと、この表現は、観点が2つに見られてしまう恐れがあると思います。
 「思考・判断」はできるけれども「表現」が弱い子がいるんじゃないだろうか。そうすると、場合によったら2つの観点で分析的に評価をするということになる場合も考えられます。言葉というのは、いろいろ注をつけたとしても、現場の先生がやるには、その言葉そのもので動きますので、これはもともとこういう意味があるんですよというようなことを言う前に、ここの用語のところでやはり本質的な言葉を使わないといけないので、これは少し吟味しなければいけないと思います。

【無藤主査】

 すみません、最後のところは「思考・判断」みたいなところの問題ですか。

【加藤委員】

 「思考・判断し、表現する能力」というこの言葉が、思考・判断はできているけれども、表現する能力がないという場合もあるので、といったとられ方をされることにならないか、と。

【無藤主査】

 2分割という感じが強過ぎると。

【加藤委員】

 その通りです。

【無藤主査】

 ありがとうございます。
 ほかに。もうそろそろ前半のところを切らなければいけないのですが。じゃあ、市川委員、それから西岡委員でよろしいですか。じゃあ、お願いします。

【市川委員】

 一つは、「関心・意欲・態度」のことですけれども、これまでにもかなり議論はあったのですが、一つは2段階、3段階の話です。私もこの前も申し上げたのは、3段階がいいとか2段階がいいとか、そういう、どちらかが絶対的にいいと思っているというわけではないのです。どちらもメリット、デメリットがあって、2段階でやる場合もあるし、実際これまでは3段階ということで行われてきたと。3段階であるものを2段階に移行するとなったら、それに伴うメリット、デメリットがやっぱり出てくるだろうと。どちらの意見もありましたので、やっぱり2段階でもしするとなれば、それに伴うデメリットにも配慮しておく必要があるのではないかということを申し上げたかったわけです。
 一つには、A、B、Cとこれまでなっていたのを、B、Cは一緒で、特に優れたAだけを評価するとなった場合、B、Cの区分というものを記録上もなくしてしまうということで問題はないのか。また、中学校から高校に伝達するとか、小学校から中学校に伝達するというような場合にも、そこの区分がなくなってしまうということで、伝達の機能が十分果たせるのかどうかという、そういう疑問も出ると思いますので、そこはしっかりとした説明が必要ではないかと思うということです。また、評価されるほうにしても、やっぱり普通にやっている子どもと、ほとんど取り組みを見せないような子どもが同じに扱われるということに対して評価を受ける側からも何か不満などもあるかもしれない。そのあたりの問題をクリアしておく必要があるだろうということです。決して、特に優れたものを評価するという2段階に反対というわけではないです。しかし、その配慮は必要だろうということがまず一つです。
 それから、今、順番なんですが、観点の順番ということについて、なるほど、そういうご意見がいろいろ出るのだなということを改めて理解したつもりです。ただ、確かにそう言われてみると、逆に順番を変えたということが、私はちょっとあのときに、逆に現場で起こっていた違和感のようなものもあるんですね。一番最初に「関心・意欲・態度」を持ってきた。一番最初に持ってくることによって、学習というのはまず関心や意欲を高めてからスタートしなくてはいけない。私は、例えば実際の授業を見ていまして、それまでだったらすっと授業に入っていたのが、関心・意欲を高めようとして、例えば日常的な話をしたりすることに、導入部に延々と時間が費やされるという授業を何度も見たことがあります。
 例えば小数の掛け算をするのに「最近買い物しましたか。リボンは買いましたか。もし3メートルではなくて2.7メートルだったらどうしますか」というような話が延々とあると。それによってすべての子どもの意欲が高まるわけでもありませんし、一部の子は高まるかもしれませんが、そういうことで時間が15分とか費やされるのを見ていると、何も関心とか意欲とか態度は導入部に最初に高めてから授業が始まるというものではなくて、むしろ学習のプロセスとか、あるいはそれが終わった段階で、関心・意欲・態度が高まるというように、結果でもあると思います。つまり、ここの学習をして知識や技能が身についたとかいうことを経て、過程と、最後において、関心・意欲・態度が高まったという面もあると思いますので、むしろ最後に持ってくることが非常に大事なものと。だからこそ最後に持ってきたという考え方もあるのではないかと思います。
 これも必ずどっちがいいということではないのですが、最初に持ってくることによるある種の誤解とか違和感のようなものも感じたということを申し上げたいと思います。

【無藤主査】

 それでは、西岡委員。じゃあ、鈴木(秀)委員ぐらいにさせていただければと思いますが。

【西岡委員】

 2点あります。「関心・意欲・態度」の観点に関して論述しているところが評定と組み合わさった章立てになっていること、それから、他の観点と同様、「おおむね満足できる」を中心としつつ評価するという記述もあるのですが、2段階になるのか、3段階になるのか、あとは都道府県任せというようなことになっていることによって、結局「関心・意欲・態度」の観点がどう位置づくのかが非常に不明瞭になっているという印象を受けました。
 私は、他の観点同様にということを強調するのであれば、「知識・技能」の観点、「思考力・判断力・表現力」の観点、「関心・意欲・態度」の観点について、全部同じ章の中で述べるべきだと思います。先生方の労力のことをおっしゃるのはわかるのですが、2段階にしてしまうことによって、さらに育てなければいけない高次の関心・意欲・態度という目標が抜ける危険性があるのではないでしょうか。
 労力の点で言えば、例えば1つのレポート課題で、思考力・判断力・表現力の点から見るとこうだ、関心・意欲・態度の観点から見るとこうだというふうに、1つの評価課題で2つの観点から評価するという方法によって労力の削減を図るということも考えられるのではないかと思います。
 それから、2つ目に、先ほど来、議論になっている5ページの「結果に至る過程」の表現です。先ほど、吉田委員がおっしゃった解釈を聞いてなるほどと思ったのですが、今まででしたら、例えば数学で答えが出て、それが合っていればOKというような評価がやはり残っているかと思います。しかし、その答えが出るまでの過程でどういう思考力、判断力が使われているかというような、そういう一連のプロセスを評価するということですよね。そのように総合的に知識・技能を使いこなすような課題を見るというイメージだとすれば、そういうふうに書く必要があるかと思います。「授業改善のための評価だけでなく、指導後の児童生徒の状況を記録するための評価を行うに当たっても」という文章の中でしたので、少し不明瞭だという印象を受けました。表現を工夫していただければと思います。

【無藤主査】

 それでは、鈴木(秀)委員、お願いします。

【鈴木(秀)委員】

 「関心・意欲・態度」のことですけれども、私は3段階か2段階かということが根本的な問題ではないし、それから「関心・意欲・態度」を一番最初に置くか終わりに置くかという、強調するかしないかとか、そういう問題では現在はないんじゃないかと。
 というのは、この間も申しましたように、20年間、「関心・意欲・態度」が重要であると。極めて重要な観点であると強調してきたにもかかわらず、残念ながら、もう何度も申しますように、国際的調査の結果によれば、生徒が自分で言うことを、自己評価を聞けばという意味ですが、先生方が客観的に評価するのではなくて、生徒自身の言葉を聞けば、我が国の生徒は非常に関心・意欲・態度が低いと。惨たんたる結果になっていると。この現実をどう受けとめるかということが、関心・意欲・態度の一番問題であると。20年間やって、関心・意欲・態度が非常に重要であると強調してきたにもかかわらず、なぜ我が国の生徒は関心・意欲・態度が低いんだと自己評価で答えているのかと、ここが問題の根本でありまして、これまで我が国の関心・意欲・態度についての評価は、いかに客観的に評価するかということを極めて重視したのですけれども、その結果として生徒の自己評価では非常にひどい結果になっている。ここに問題の根本があるんじゃないか。
 ですから、客観性を求めるあまり、それに力を入れるあまり、実際には生徒の自己評価によれば、ほとんど関心・意欲・態度が、前の調査がないのでわかりませんけれども、少なくとも現時点で非常に惨たんたる状況であると。これが問題の根本でありまして、客観的な評価ができるかとか、それが一番だ、強調するかどうかという問題ではないんじゃないかと。
 その点でやはり現行の評価の客観性とか、それから順番とか、それを幾らこれからさらに10年間議論して、現状の我が国の生徒の自己評価で惨たんたる結果が改善されるのでしょうか。

【無藤主査】

 向山委員というところで次に。

【向山委員】

 すみません、最後に。
 4ページのところで、「評価の観点の順序について」ということで、先ほど説明がありましたけれども、「改正等を踏まえて学力の3つの要素と観点の関係」となって、「学校教育法や学習指導要領に示す順序に沿って整理することが考えられる」、それから「バランスよく育成するべきものである」「優位性を示すものではない」と。「以上のことに加え、教科の特性やこれまでの実践の蓄積を踏まえる」と、こういうふうにまとめていただいているわけですね。したがって、先ほど出てきた事柄も、私は基本的には踏まえてまとめていただいているというふうに思っています。

【無藤主査】

 ありがとうございました。
 まだ議論はあるように思いますけれども、少なくともいろいろな観点、視点でご意見をいただいたと思いますので、それらにつきましてまた反映させてまとめをつくっていきたいと思います。
 次、資料1の後半部分あります。8ページをごらんいただきたいと思います。「指導要録における教科以外の学習活動の評価」、そして9ページからは「障害のある児童生徒に係る学習評価の在り方について」、そして10ページから「学習評価に係る国や教育委員会等の役割と学校における組織的な取組」というふうに整理しておりますので、これらの論点につきまして、審議のまとめの方向性の案を事務局にご説明いただきたいと思いますので、お願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 それでは、8ページ以降の「指導要録における教科以外の学習活動の評価」についてご説明させていただきます。今までご議論いただきました以外の項目についてでございます。
 まず、「外国語活動」でございますが、こちらについては中教審の答申においては数値評価はなじまないとされていることを踏まえまして、総合的な学習の時間の評価で行われているような文章の記述による評価を行うこと、こちらが適当ではないかと思います。
 それから、次の「『総合的な学習の時間』の評価」でございますが、こちらにつきましては、現行の文章による記述の評価、これを基本的に維持するということが適当ではないかということを書かせていただいております。また、各学校において評価の観点というものを書くことになっておりますので、そういうことを反映して、具体的な学習状況をもとにした評価規準を設定ということが重要ではないかということをあわせて書いております。
 また、学習指導要領におきまして、総合的な学習の時間の目標に沿って育てようとする資質や能力、態度の例示というものが行われております。前回のご議論でもこのような視点に配慮して観点を定めるということもございましたので、こちらのことについてもつけ加えさせていただいているところでございます。
 次に「特別活動」でございます。特別活動については、現行、各活動でありましたり、学校行事ごとに評価されているところでございますが、基本的にはそれを維持しつつ、特別活動の目標に沿って育成しようとしている能力と評価の関係を明確にするために、各学校において評価の観点を設定し、指導要録においても明示できるようにした上で、その観点に照らして実現状況を評価すると。また、あわせて具体的な事実等について、いわゆる総合所見のところに記すということにしてはいかがかというようにこちらに記述させていただいております。
 特別評価について、その内容というものがどのように評価されているのか、中身がちょっとわかりにくいのではないかというご指摘もあったと思いますので、総合的な学習の時間と同様に観点は学校に定めていただく。ただ、記述は丸をつける、つけないということで、そこについては維持するというようなイメージで、書かせていただいているところでございます。
 次に「行動の記録」でございます。行動の記録というものが学校における教育活動全体の目標等に対する児童生徒の実現状況というものを評価するものでございます。児童生徒、保護者にとって、学校における教育活動全体の目標の実現状況がわかるものであるとともに、学校にとって、学校の全体の実施状況等を検証する契機となる、こういうような重要なものではないかというようなご指摘でございました。
 このような行動の記録の趣旨を踏まえていくと、各学校が創意工夫して定める教育活動全体の目標、各学校においてこのようなものを定めておりますが、そのようなものを指導要録に一層反映していくことが重要ではないかということを書かせていただいております。
 また、各学校における項目設定に当たって、教育基本法、学教法、それから学習指導要領の総則などに定める学校教育の目標というものを踏まえていくということが必要なのではないかと、このように記述させていただいているところでございます。
 また、あわせて全体像について、いわゆる総合所見に記すというようなことも重要ではないかというところをこちらのほうに書かせていただいております。
 次に、「個人内評価」でございます。個人内評価として学習意欲を高めて、その後の学習や発達を促していくために、児童生徒を褒めたり、反対に、さらなる改善が望める事項を指摘すると、こういうことで発達段階に応じて励ましていくというようなことが重要であると考えております。
 そのため、観点別学習状況の評価、それから評定を目標に準拠した評価として行う際にはあらわれない、児童生徒一人一人のよい点、それから可能性、進歩の状況等、こういことについても積極的に児童生徒に伝えるとともに、個人内評価の結果として、いわゆる総合所見に記すということが重要ではないかということをこちらのほうに書かせていただきました。
 次に「障害のある児童生徒に係る学習評価の在り方」でございます。これについては河村先生のほうからプレゼンテーションをいただきました内容というものをまとめております。
 まず1番目に、平成14年4月に学教法の改正ということで、特別支援学校に係る制度が整備された。また、小中学校等においても特別な支援を必要とする児童生徒に対して、障害のある学習上、または生活上の困難を克服するための教育を行うということとされている。
 また、近年、通級における指導の対象にLDやADHDのある児童生徒を加えた。
 また、新しい学習指導要領におきましては、一人一人の指導の充実を図るために、特別支援学校におきましては、在籍するすべての児童生徒について、自立活動だけではなくて各教科等の学習指導においても個別の指導計画を作成すること、これが義務づけられたところでございます。
 また、小・中学校に在学する障害のある児童生徒についても、必要に応じて個別の指導計画を作成することとされております。
 また、状況といたしまして、特別支援学校、特別支援学級に在籍する児童生徒や通級による指導を受ける児童生徒の数が顕著に増加している。また、通常の学級にもLD、ADHD、自閉症など、さまざまな障害のある児童生徒が在籍している場合がある。このような児童生徒について障害の状態に即した適切な指導を行う、こういうことがもともと求められている状況になっています。
 このようなことを踏まえて、学習評価に当たっても、児童生徒の障害の状態を十分に理解して、一人一人の学習状況を丁寧に把握する工夫が必要ではないかということから、こういうふうに記載させていただいております。
 具体的には、特別支援学校に在籍する児童生徒については、先ほど申し上げましたように、個別の指導計画を作成することが義務づけられたことを踏まえまして、それに基づいて行われた学習の状況、結果の評価を実施するということが必要である。それから、指導要録については重複障害者などに関しては教育課程の特例が認められておりますので、その取扱いを踏まえて特別の配慮を行った場合には、その状況を記述するということを引き続き行っていくことが必要ではないか。
 また、小学校、中学校に在籍する障害のある児童生徒については、必要に応じ、指導計画を作成することということが指導上の工夫として行われておりますので、これに対応して適切な学習評価を行うということが求められていると思っております。
 また、特別支援学級に在籍する児童生徒の指導要録については、必要がある場合には特別支援学校に準じて作成し、通級による指導を受けている児童生徒については、指導要録の中の総合所見にその事実を記述をする。
 このような取扱いを今行っているところでございますが、今後とも進めていくということが必要だと思っております。
 また、「学習評価に係る国や教育委員会の役割と学校における組織的な取組」でございますが、これは前回は、一番最初のほうに書かせていただいたものを、章立てとして独立させたものでございます。
 こちらについては、1つ目の丸、国、都道府県の役割というところについての上のパラグラフは変えておりません。下のパラグラフにおいて、大学等の研究機関の話が出てまいりましたので、評価規準や評価方法の研究開発の必要性というのを書かせていただいております。
 その際ということで、2つ目の丸のところで、研究指定校の成果を踏まえるとともに、全国レベルで情報収集を行っている国において、基礎的・基本的な知識・技能に関する観点はもとより、知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力、それから、主体的に学習に取り組む態度に関する観点、これらのそれぞれにふさわしい評価規準、それから具体的な評価方法などを示すことによって、学校教員によって一層使いやすくわかりやすい資料を作成することが求められているのだろうというご議論がございますので、こういうことを書かせていただいております。
 次の「また」のところは変えておりません。
 それから、その次の市町村教育委員会のところについても、この文章自体は変えていないところです。その次の「さらに」のところで、具体的な例というものをちょっと書かせていただいております。地域の教育研究会などと連携を図り、評価についての実践研究を深めることであったり、地域で単元計画や評価規準を共有すると、このような話がこの前ございましたので、こういうことによって地域や学校の実情を踏まえながら、これらの取り組みを進めていくことが求められるということをつけ加えさせていただいているところでございます。
 それから、研究開発の推進でございます。一番最初にさらっと大きなところを言ったところを詳しく書いておって、諸外国においてさまざまな取り組みが行われており、我が国でも参考になる評価規準や評価方法を紹介すること。それから、日本の教育課程に合ったそのようなものを研究していくことが極めて重要である。また、その際、「思考・判断」「関心・意欲、態度」、このようなものについて研究を進めていくことが必要である。そのために、いわゆる国立教育政策研究所であったり、独法の特別支援教育総合研究所、または大学等の研究機関における研究の推進というものを書かせていただいているところでございます。
 次に、「各学校における組織的な取組と教員の役割」でございますが、こちらの一番上のパラグラフのところの上の文章については、前あった文章をそのまま基本的には入れております。「このため」というところで、それを受けまして、個々の児童生徒の成績評価に関する客観性、信頼性を高め、説明責任を果たす。それから、情報の共有を進めて教育の効果の増進を図ると、このようなことを書いているところでございます。
 それから、2つ目の丸でございますが、これは具体的な話を、ちょっと詳し目にここに書いているところでございます。各学校において、学校全体の指導目標、こういうものは校長が中心につくられているということで、指導において組織的な取り組みがなされております。評価についても同様に、例えば小学校においては学年ごと、中学校においては教科ごと、こういうところで評価規準であったり評価方法について実践事例を着実に継承していく。また、教員同士の意見交換を行って、教員一人一人の学習指導と学習評価に関する力量の向上を図る。このようなことで組織的な取り組みの充実を行うことが必要である。このような組織的な取り組みが進んで定着していくことによって、負担感の軽減も図られていくのではないかと、このようなことを書かせていただいているところでございます。
 また、先ほど「行動の記録」の話で、学校活動全体の目標と関連づけるという話も申し上げましたが、このような工夫によって、学校運営と評価というものを有機的に結びつけるということも重要であるということも付記させていただいております。
 次に、「保護者の理解の促進」でございます。こちらについて、客観性や信頼性を確保していくということ。それから、そのために評価結果の説明を充実する。また、いわゆる仕組みの部分についても事前に説明する。評価に関する情報をより積極的に提供することが重要であると。
 その具体的な方途といたしまして、例えば「総合的な学習の時間」などにおいて導入が見られるポートフォリオなどを活用して、より丁寧な情報提供を行うということも考えられるのではないかということを入れております。また、目標に準拠した観点別学習状況の評価、それから評定の客観性、信頼性を高めるために、例えば学年等を単位とした評定の段階ごとの割合などを示す、こういうことも一つの方途ではないかということを、一番最初のほうにご議論ございましたので、こちらを保護者の理解の促進ということで入れております。
 また、最後に、情報通信技術の活用、こちらについてプレゼンテーションを行っていただいたところでございますが、負担の軽減なんかを図るために、このようなことを活用していくことも考えられるのではないか。例えば、先ほど来、指導計画、指導案、それからさまざまな資料について、学校間の共有ということが図られますけれども、情報技術を使ってこのようなことを共有して、その負担を軽減したり、客観性、信頼性を高めるということが考えられるのではないか。また、法令に基づく文書である指導要録につきまして、こちらを電子化することは現行制度上でも可能であるということを明記しています。それから、教務事務全体の情報化を図っていき、その学習評価の改善を行っている例も見られる。このような例も参考にしつつ、学習評価においてもIT技術の活用を進めることも適切であるというようにここにつけ加えております。
 また、その際には、外部における証明機能を有することから、原本の真実性の保持、それから改ざん防止、長期保存への対応等、こういうことに留意する必要がある。また、データの流出、消失等の防止というものも重要である。それから、地方公共団体の情報保護条例との整合性を図って取り組みを進めることが必要ではないか。以前、プレゼンテーションをいただいたときの知見というものをこちらのほうに書かせていただいているところでございます。
 以上でございます。

【無藤主査】

 ありがとうございました。
 ご議論いただきたいのですが、その前に、お手元に紙1枚、資料ナンバーがついていないのですが、河村久委員からの追加意見というものがあろうと思います。きょうご欠席でありますけれども、書面で意見を提出していただきました。
 河村委員は、特別支援教育にご造形の深い方でございまして、第8回のワーキンググループでも特に特別支援教育における学習評価の在り方についてのご発表をちょうだいしております。ということで、本日、ご欠席ですが、書面でのご意見につきまして、事務局よりご紹介いただきたいと思います。お願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 河村先生からいただいた意見につきまして簡単にご紹介申し上げます。2つご意見があるというふうに伺っておりますが、一つが、学習評価の妥当性の向上への配慮ということをいただいております。障害のある児童生徒の学習評価に当たっては、一人一人の学習状況を丁寧に把握する工夫というものが必要である。これが前提かと思いますが、その評価の在り方については、学習指導要領に定める目標規定に準拠して評価を行うことであったり、個人内評価を充実すること、学習指導と評価を一体的に進める、このようなさまざまな評価の在り方については、障害のない児童生徒と基本的には変わるものではない。したがって、評価そのものへの信頼性、公平性にも十分配慮するということが求められるのではないかというようなことをいただいております。
 新しい学習指導要領において、個別の指導計画というようなことを先ほどご紹介したようなことが求められているところでございますが、特別支援学校において知的障害、重複障害のある児童生徒に対する指導や自立活動の支援を行う場合には、それぞれの実態に即して個別に指導目標や内容を設定し、個別に評価することになりますが、設定した指導目標が高過ぎたり、内容が具体性を欠いたりした場合など、効果的に指導につながらない場合があると考えられますので、そのような計画を作成する際に当たって設定する目標、内容について、妥当性の向上に努め、評価の信頼性、公平性を高めるように配慮する必要があるのではないかというようなご意見をいただいております。
 また、2番目といたしましては、指導要領の記載の部分でございますが、交流及び共同学習の記録を記述してはというようなご意見をいただいております。すべての学校種を通じて、障害がある児童生徒とない児童生徒との交流及び共同学習の推進に配慮するということをされております。このようなことを踏まえて、総合所見欄に何らかのことを記述するということが考えられるのではないかというようなご意見をいただいています。
 ご紹介申し上げます。

【無藤主査】

 ありがとうございました。
 それでは、審議のまとめの方向性の後半部分ですけれども、ご意見をちょうだいしたいと思います。じゃあ、順番に行きます。松浦委員、西岡委員、それから髙木委員。

【松浦委員】

 3点ほど述べさせていただこうと思います。簡単なほうから意見を述べたいと思うのですけれども、一つは10ページのところなんですけど、「学習評価に係る国や教育委員会の役割」のところの最初のところなんですけど、最初の丸の後半部分、今回つけ加えたという部分です。「大学等の研究機関においても、評価規準や評価方法の研究開発を行い」というところですが、もちろんこれは重要なことであります。
 昨日、琉球大学である会議に参加したのですけれども、そこでは現在やっている国語とか算数、数学の学力テストの数値が出たものを、学校の先生方は、それは教育委員会が分析をして、こういうふうな改善をしたらいいというふうなのをずっと待っている状況であると。しかし、琉球大学の一つの取り組みとして、学校のほうからデータをいただいて、琉球大学で分析をしたものを学校の先生あるいは保護者と一緒に、それをどのように解釈をしたらいいのかとか、その結果に基づいてどういうふうに学校を改善につないでいけばいいのかというような取り組みをやっていると。だから、データの解析方法なり結果をもとにした改善方法を大学が中心となって学校に還元していると。これは非常におもしろい取り組みだと思ったんです。
 なので、当然、評価規準、評価方法の研究開発ですが、その評価結果の活用方法とか、そういうあたりも大学とか研究機関などでやっていくということを盛り込んだら興味深いんじゃないかと思います。
 11ページの上から3つ目の丸の中と、若干その記述が重複しているんじゃないかと思うんですけれども、その部分にも国立教育政策研究所云々で研究開発することが期待される。また、大学等の研究においても期待されるとなっておりますので、これも一元化して、先ほど言いました評価結果の活用法といったような視点を入れていただければと思います。
 それから、2点目は、これもちょっとおもしろい例なのですけれども、12ページの先ほどのポートフォリオのところです。これ、ポートフォリオも随分活用されているところでは活用されていますが、これもここの描写、記述では、その年度とかある学期とかで評価をするに当たって成長の様子を記録しておくというふうになっておりますが、例えば、オランダでの外国語教育などは、生徒たちが英語を話したり聞いたりすると。その様子をすべてポートフォリオとして記録しておいたものを、次の学年に指導要録のように引き継いでいくんですね。だから、特に技能系の、体育とかも当てはまるでしょうし、それから美術、音楽とか、そういう生徒の成長の様子を次に引き継いで指導の一助にするといったような性格も、せっかくポートフォリオを書かれるのなら、若干加えておけばどうかと思います。
 何よりも申したいのは、もうご理解いただけると思いますが、小学校の外国語活動なんですけれども、これは8ページのところです。今、我々がやっているのは目標に準拠した評価。我々がといいますか、つまり国がやっているのは、目標に準拠した評価で、目標と照らし合わせてどの程度知識が身につき、あるいは技能が身についたのかという点。あるいは関心・意欲・態度も含めてですけど、それを評価しております。外国語教育の場合には、中学校では当然、観点別の評価をやり、小学校はこれから検討なんですけれども、小学校と中学校の目標を比較した場合、これはいつかも述べさせていただきましたが、ほぼ同じような目標で、これは小中の連携ということを考えた場合に、目標もかなり似通った目標になっております。中学校では観点別の評価をA、B、Cで行っております。
 この答申の中に、数値による評価はなじまないと、確かにこのように書かれております。しかし、現行、小学校の先生方が非常に苦労されている点は、どのように評価をしたらいいのかと。小学校ではどんなことをやっているかと申しますと、例えば一例ですけれども、買い物なら買い物で、1人の生徒がお店屋さんになって、もう1人の生徒が買い物ごっこをすると。あるいは、道案内を一緒になってする。そういう割と統合的な活動が多いわけなんですね。その統合的な活動が多いのに、ただただ文章による記述で評価を行うというところで、その統合した活動をどう記述するのかというところで先生方が非常に困っているという現状があります。
 私は、観点別評価がほんとうはいいと思うんですけど、小学校でいきなり観点を入れるのに非常に抵抗があり、先ほどの答申の数値による評価、A、B、Cが数値かどうかは別としましても、例えばその統合的に行っている活動をいずれ記述をするにしても、絶対分析的な記述にならざるを得ないことは間違いありません。なので、分析をするときの視点、評価の視点といいましょうか、ここに書く。あるいはこういう視点から評価をすることが考えられるという中で指導要領の3つの点を整理して入れておくことで、先生方の負担感がかなり減っていくんじゃないかと思います。
 以上です。

【無藤主査】

 ありがとうございます。
 じゃあ、西岡委員。

【西岡委員】

 3点あります。
 まず、10ページの「学習評価に係る国や教育委員会等の役割と学校における組織的な取組」で1つ目の丸に、「国や都道府県教育委員会等において……事例の収集・提示等を行っていくことが重要」と書いてあり、また、「研究機関においても……支援等を進めることが必要」と書いてあるのですが、役割分担から申しますと「必要」と「重要」が逆かと思います。つまり国や都道府県は提示しなきゃいけない、研究機関もできれば支援してくださいというニュアンスだとすると、上が「必要」で、下が「重要」かなと思いました。すべての研究機関に義務化されると、少々つらいと思います。
 次に、11ページに「評価規準・評価方法の研究開発の推進」とありまして、特に「『思考・判断し、表現する能力』や『関心・意欲・態度』に関する評価規準や評価方法の在り方について課題を感じている」ことから、研究を進めていくことが必要だと書いていただいています。これに関して、先ほど鈴木委員からも指摘があった点なのですけれども、結局、これらの観点は長期的に育成していく観点なので、必ずしも単元ごとで評価をする必要はない、もう少し長期的に育てた力をレベル区分して、ルーブリックのような形で評価をすることが方向性としてはあり得るという点が、かなり議論されてきたと思います。そこで、せめてそういう方向性を考える可能性がありますよというニュアンスを入れていただけないかなと思いました。
 第三に、12ページで「保護者等の理解の促進について」のところで2つ目の丸、「例えば、学年等を単位として評定の段階ごとの割合等を示すことも有効な方途」と書いてあるのですが、これは解釈のしようによっては相対評価の復活に見えてしまいます。結果としてどういう割合になったのかということを示すのであって、先に割合があるわけではないということは留意をつけたほうがいいかと思いました。

【無藤主査】

 ありがとうございます。
 髙木委員。

【髙木委員】

 11ページの上から2行目のところに「評価規準の妥当性」という言葉がございます。それから、中ほど「各学校における組織的な取組と教員の役割」の最初の丸の5行目でしょうか「客観性、信頼性」という言葉がありました。この「客観性、信頼性」に関しては、次の12ページの最初の丸、それから2つ目の丸にも「客観性、信頼性」という言葉が入っております。微妙に「妥当性」と「信頼性、客観性」が書き分けられているというのはわかるのですが、「妥当性」という言葉が出る以上、やはりこれは「信頼性」と「妥当性」ということをセットにしておいたほうが日常の教育活動の中では評価しやすいのではないかと思いますので、この文言をご検討いただければと思います。

【無藤主査】

 「客観性」というよりは「妥当性」のほうがいいのではないかというご意見ですか。

【髙木委員】

 そうじゃなくて「『信頼性』と『妥当性』」がセットになると思うんですよ。「客観性」は客観性であっていいと思うんですけれども、「信頼性」だけがここに出ていて、11ページの一番上のところには評価規準の「妥当性」だけが出ているので、「『信頼性』と『妥当性』」だと思うんですね。そういう意味でセットでという、そういう意味です。

【無藤主査】

 はい。
 じゃあ、天笠委員。

【天笠主査代理】

 10ページからの「学習評価に係る国、教育委員会等の役割」以下云々、12ページまでのこの一連の記述についてのことについてなんですけれども、11ページの真ん中あたりから、「各学校における組織的な取組と教員の役割」と、そういう記述で最後まで来るわけですけれども、これ、順番を変えて、ここの「各学校における組織的な取組」というのが最初に来て、その次に関係機関の各学校へのサポート、そして国の役割等々、あるいは教育委員会等の役割という、こういう位置づけ方、展開もあるのかなと思います。
 それは、今回の学習評価についての検討では、やはり私は学校における組織的な取り組みというのが大変重要なんじゃないかと思っております。その学校の組織的な取り組みにどう関係機関がサポートできるかどうかという、そういうことで、学校における組織的な取り組みに当たって、各関係機関どれほど絡んでいけるのか、サポートを持っていけるのかどうなのかというふうなことから、そういう発想を持っていないと、関係機関がもろもろに発想を企画するものを学校に結果的におろすというふうなことになってしまって、学校は評価事務をさらに抱え込むというふうな、これまでの在り方から基本的に転換できないんじゃないかという、そういうふうな思いを非常に強く持っております。
 そういう意味において、関係の評価事務の「簡素で効率的な」という、ここのところをどういうふうに受けとめて考えていくかどうかというふうなところからすると、学校における組織的な取り組みへのサポートというのが関係機関としっかりと組み合わさっていくということ、そういう観点から考えていくと、この順番というのは前でも後でもさほど影響ないんじゃないかという考え方もあり得るのではないかと思いますけれども、ただ、1つの考え方として、今申し上げたような次第であります。
 そういう点において、学校の内側においては評価事務、教務事務の効率化にかかわって、例えば学校事務職員等々のかかわりというんでしょうか、あるいは学校のすべてのスタッフが何らかの形でこういうことにかかわっていくというような、そういう内部における在り方の検討ということと、それから学校の内と外をつないでいくような、そういう役割、例えばコーディネーターという言葉が最近よく言われていますけれども、カリキュラムコーディネーター等と学校と内とを外につないでいくというんでしょうか、そういう立場の存在というんでしょうか、こういうことについての目配せ、あるいはそういう立場の役割というのが、この評価にかかわる「簡素で効率的な」というものを実現する、そういう観点からの存在というのも、またここのところに検討していい。
 そういう点では、教務事務全体云々というふうなこと等というのは私は大変大切なことではないかと思っておりますし、改めてこの11ページから12ページにかけての記述の順序性というんでしょうか、組み立て方ということをまたご検討いただければと思います。
 以上です。

【無藤主査】

 じゃあ、今、たくさん挙がっていますので、向山委員から鈴木委員、順番に回りますので。

【向山委員】

 2つあります。
 1つは天笠委員の意見に対して学校の負担増になっていくというのは、やっぱり警戒しなければいけない、また学校が行っていくサポート体制をどうしていくかというのは、極めて今後重要だろうと思います。今後、この評価というのは、平成30年過ぎまで使っていくわけであります。おそらく団塊ジュニア世代が小学校あるいは中学校に入ってきて、団塊世代がおじいちゃん、おばあちゃんとしてかかわってくる。学校の評価に対していろいろな意見が不明な面があれば、その一部が指導要録の情報公開請求というのはこれまで以上に大きくなる可能性がある。それからもう一方は、子ども手当の支給がどういう形で行くかわかりませんけれども、これまで以上に教育投資に向かって、それが国私立中学校の受験倍率を高めていく。そういったことから評価にかかわる非常にデリケートな問題が来る。そういったことを踏まえると、この信頼性の担保というのは非常に重要ですから、どうサポートしていくかということは極めて大事であり、そういう書き方をしていただければと思っております。
 2点目は、行動の記録なんですけれども、これも対案がなくて申しわけないんだけれども、行動の記録も一定の負担増になっていることはたしかなんです。9ページの上側に書いてあるところなのですが、今、行動の記録はご案内のとおり10項目で挙げられていて、基本的には道徳的な価値とか道徳的実践力というような面が強く行われていると思います。教育活動全体についてという、ここに記述がありますけれども、やっぱりその中でも道徳的な内容が多くなっているだろう。これを「教育基本法や学校基本法などを踏まえる」と、こう書いてありますけれども、例えば教育基本法だと、これは社会教育や家庭教育をも含めた5つの枠組みであって、学校教育法も10項目に分かれているけれども、これは各教科や領域などを踏まえたような内容です。それから、指導要領の総則についてもそうです。
 こういったようなものを踏まえながら、学校で考えていくというのはなかなか難しい。例えば、ここに書いてある学校教育の、それぞれの学校の目標というのでも、大体多くの場合は「知・徳・体」の目標で書いてあるケースが多いのです。「知」の部分は大体、いわゆるほかの教科のところに入ってくるでしょうし、「体」の部分は体育のところに入ってくる。そうすると、「知・徳・体」の「徳」の内容ぐらいでしか網羅できないという問題がある。そういうことから考えると、こういうふうに書いてあるのは、一見学校の自主性に任せる、あるいは効率的でいきそうなんだけれども、なかなか難しさがあるというのが印象であります。
 以上です。

【無藤主査】

 じゃあ、鈴木(秀)委員。

【鈴木(秀)委員】

 2つです。一つは総合学習についてです。もう一つは全般的な問題、指導要録の実施時期の問題についてです。
 まず、総合的な学習についてですけれども、何校か総合学習の研究開発校を見せていただきました。そうしますと、例えば資料を調べるという活動について、どの生徒もいろいろな資料、本を読んだりインターネットで調べたり、それをまとめているという域を出ておりません。調べた資料が多いか少ないか。ところが、欧米のこういう場合の評価規準を見ますと、次の段階として、じゃあその資料が信頼に足るかどうか、その資料自体の批判をするのが次の段階として目標になっております。今のまま総合学習が続きますと、資料はたくさん集めたが、次の段階の、資料の批判的な検討という、そこまで現場の先生方の意識が向かっておりません。
 総合学習は探究的な活動が一つのコアでありますから、そのような探究的な活動の中で一定の発達段階と申しますか、望ましいレベルというものが設定できるものに関しては、部分的であれ、ある種の発達段階ないし望ましいレベルを示したほうが実のある総合学習ができるのではないかと思います。
 それから、全般的な実施時期の問題ですけれども、これはこの会が始まってからずっと気になっておりました。前回は8月末でもう既に終わっております。それから、国立教育政策研究所がもちろん評価規準の参考事例をつくったりしたわけですけれども、今の議論の調子でいきますと、やはり観点の整理にかなり時間がかかると。それから、その観点に基づいた適切な評価規準の設定にもかなり時間がかかると。こうなると、果たして今までのように、指導要領の実施と同時に指導要録も実施できるかというのが、非常にタイムスケジュールが厳しいのではないかと。現行でも移行期間は、前の現行指導要録をそのまま踏襲するということになっております。指導要領にも移行期間がありますので、これは一つの問題提起として、指導要領と指導要録の実施時期が、簡単に言えば、指導要録の移行期のようなものを設定することも必要ではないか。でないと、やはり観点の整理や評価規準の設定に十分な時間が、教科調査官の方々に聞きたいぐらいでありますが、苦しいのではないかと思っております。

【無藤主査】

 じゃあ、あと、櫻井委員、上月委員、工藤委員、岩瀨委員、市川委員。すみません、できるだけ簡潔にお願いします。というのも、きょう、高校にぜひ触れないとまずいなと思っているんです。すみません。

【櫻井委員】

 ほんとうに簡潔で。先ほど、天笠委員、それから向山委員が言われたことに私も賛成なんです。この指導要録のこれを見ますと、外国語の活動の評価、総合的な学習の評価、それぞれこれでいいなと思うのですが、これをそのまま現場で受けとめると、すごくたくさんまた指導要録が増えていくなという感じを受けてしまいます。だから、これ、すべてについて書くということじゃなくして、それぞれの個人に応じた書き方といいますか、指導要録の記入の仕方、これについて一つ明示しておいていただけたらいいなと思います。
 11ページの下から2番目の丸の、教職員全体でやっていくということは、これ、大事なことだと思います。
 一番最後です。最後のところ、先ほども話題になりましたけれども、西岡委員が言われたことでいいかと思うのですが、できれば、これはなくてもいいのではないかなと思いました。「学年等を単位として評定の段階ごとの割合を示すことも有効な」、これは有効とは私は考えていません。やはり目標に準拠した評価ということをきちんと保護者に説明していくことで理解を得るということのほうが大事ではないかと思いました。
 以上です。

【上月委員】

 私は、9ページの2点目、3点目に書かれていることは大切なことで、挙げられていることに賛成します。平成19年度から考え方がさらに進みまして、個別の指導計画を学校現場でも立てないといけないということで、どんどん進んできているのがこの2年間だったと思います。市教委と学校、それから県教委と学校、県教委と市教委、その辺が連絡を密にとって、現場では一生懸命進めているところです。ただし、個別のニーズに応じた指導の充実を図っていくには、現場支援が必要で、それを授業を見ながら、子どもの観察を通して、具体的に行っていくこと、そして一方では保護者と十分な連携をとりながら、家庭と一緒に進めていくという視点も必要なのではないかと思っております。
 そして、先ほどから話に挙がっている、養護教諭を始め校内全ての教職員などみんなが1つになって取り組まないといけないということは、これは私も実感しているところです。

【工藤委員】

 3点ございます。10ページの真ん中の見出しの後です。ここは各機関ごとに行うべきことが書いてあるのですけれども、やはり総論が要るのだろうと思います。内容としては、学習指導要領の趣旨に即した評価規準、評価方法の開発が行われることとか、それから、目標に準拠した評価を引き継ぐわけですから、客観性、信頼性、妥当性を担保するために、評価規準、評価方法を改善することが2番目です。それから、指導と評価の一体化、子どもの学習状況の改善につながる評価の工夫改善、これらのことを総論で書いて、その後で、機関ごとに書く流れがいいのではないかと思いました。
 2番目は、11ページの各学校のところですけれども、学校段階間の評価、学習状況の引き継ぎのようなことも記載してもよいのではないかと思いました。
 それから3番目は12ページの2つ目の丸の「また」のところですけれども、評定の段階ごとの割合を示すことは、客観性、信頼性を高めることに必ずしも寄与しないと私は思います。学校ごとに、幾つかの県が行っているように、県内の学校、地域の学校について評定の状況を公表して、それを学校が参考にするという場合はあり得るかもしれませんけれども、ここの保護者等の理解に関連して示すことは不適切ではないかと思いました。
 以上です。

【無藤主査】

 じゃあ、岩瀨委員、お願いします。

【岩瀨委員】

 2点あります。1点目は、行動の記録なんですけれども、これ、評価ということについて、私は非常に抵抗があります。学習活動の評価ということで、私は教員や、あるいは保護者の方々には、学習活動というのは教科の授業と道徳、特別活動、それから総合的な学習の時間、この4つが学校の重要な柱なんですよという話をするんですけれども、これで行動の記録を評価するということはちょっと抵抗があります。
 というのは、現行の指導要録を見ていましても、例えば中学校の場合には項目として基本的な生活習慣、健康・体力の向上、自主自立、責任感、創意工夫等々と、こういうことが書いてあるから学校がすべてやりなさいということにつながっていると思うんですよね。これは、学校でもちろんやらなければいけないんですけれども、もっともっとやるべきところは、学校以外の場所でもっとこれをやってほしいなというのが現実的なものだと思っておりますので、この行動の記録については削除していただきたいと思っています。極端な話です。これを入れるのであれば、総合所見等に、こういう項目について一言コメントみたいなニュアンスで要録に残していただけるとありがたいと思っています。
 2点目、部活動の扱いなんですが、御存知のように今回の指導要領の改訂で部活動という言葉がようやくまた復活しました。中学校の場合には、子どもたちも部活動命という子がいっぱいいます。教員もいっぱいいるんです。ですから、部活動については何らかの取扱いを考えていただけるとありがたいと思っています。
 以上です。

【無藤主査】

 じゃあ、市川委員。

【市川委員】

 評価規準ということにも関連してなのですが、こうして最後まで拝見していますと、まず、「思考・判断・表現」というのは、これは大体3つセットでよく出てくるんですね。それから、「関心・意欲・態度」というのも、これ、3つセットでよく出てくるんです。また、「知識・技能」に関しては、「基礎・基本的な知識・技能」というので繰り返し出てきて、何が抜けてしまったかというと、どうも「理解」という言葉が随分少なくなってしまったなと思っています。
 3ページ目を見ますと、真ん中にありますが、現行の「知識・理解」と「技能・表現」が「基礎的・基本的な知識・技能」に対応すると。私はこの考え方でいいと思うのですが、「理解」ということが抜けてしまうと、現行に「理解」があったのに「理解」はどこに行ったのか、人によって解釈が違うのはまずいだろうと。私は、「基礎・基本的な理解」というのは、「基礎・基本的な知識・技能」のほうに入れていいと思いますが、言葉としては「知識・理解・技能」の3点セット。いつも3点セットが無理ならば、「理解」という言葉をもう少し入れてほしいと思います。
 理由としては、まず、学校の先生は、反復習熟的な学習ももちろん大事なのですが、この「理解」ということに相当のエネルギーを注いでいらっしゃるのだろうということですね。教科書で解説してあるようなことを先生も説明するんだけれども、ほんとうにこれが伝わっているのかどうかということに非常にエネルギーを割いていらっしゃる。
 それから、日本の子どもたちが基礎・基本的なこういう理解が非常に弱いと私は思っているのです。例えば、比例と反比例とはどういうことか、その意味と具体例を挙げて説明しなさいと、こういうようなテストを私たちが出すことがあります。中学2年生でも10%もできません。非常に白紙が多かったり、具体例が挙がらなかったりとか。教科書にもちろん出ていることで、先生も説明しているはずなのに、そういう基本的な概念を理解していないということがあります。社会に出ても、理解して人に説明するというのはものすごく大事な力だと思いますし、ぜひ「理解」ということを言葉として本文全体に散りばめていただけるとありがたいと思っております。

【無藤主査】

 じゃあ、吉田委員で終わりにしたいと思います。

【吉田委員】

 時間がありませんので端的に2点、お話ししたいと思います。
 1点目は、先ほど「信頼性」と「客観性」のお話がありましたが、今まで「妥当性」という言葉は多分使ってこなかったように思います。多分、妥当な評価が信頼性を生むとして「妥当性」は「信頼性」の中に含めて使っていたように思います。
 それから、もう一つは、国や都道府県の役割ということで10ページに挙げられているのですが、これは学校と教員だけにPDCAが求められているのですけれども、国や県においてもPDCAサイクルというのが必要なような気がします。平成13年や14年に実際にいろいろな資料を国も県もつくってきたのですが、それがどうなっていったのかという、そこの検証が必要なように思っていて、資料を示すだけではなくて、評価の研修の在り方等も含めて考えなければいけないと、思いました。
 以上です。

【向山委員】

 最後の12ページのところですね、「例えば、学年等を単位として評定の段階ごとの割合等を示す」ということは、今後のいろいろな保護者の状況を考えると、これはやっぱり残しておいたほうがいいと私は思います。

【無藤主査】

 幾つか一致しない部分もありましたが、大きな方向としてはご理解いただけたと思いますので、また取り入れながらまとめをつくりたいと思います。
 最後、残り時間わずかではありますが、高等学校における学習評価についてお話ししたいと思います。これまで義務教育を中心に評価の在り方を議論していただいたわけですが、高等教育についてはまだ正面切っては議論していただいておりません。
 それでは、まず事務局から資料のご説明をお願いします。

【梶山教育課程企画室長】

 資料2、資料3、資料4をごらんいただければと思います。まず資料3をごらんください。こちらが私どもが実施しました調査におきまして、高等学校がどのように評価を行っているかに関する資料でございます。2ページ目をごらんいただければおわかりいただけますように、観点別評価といった場合の4観点の定着というところで、小中学校に続きまして高等学校というのはなかなか難しい状況があるということがこの2ページでおわかりいただけるのではないかと思っております。
 また、4ページ目をごらんください。具体的に所属学校における観点別評価をやっているかどうかというようなことでございますが、要録もしくは通信簿につけているというところが同じく6.6%と、1割を切っています。また、一方、下から3つ目の「指導計画やシラバスに観点別の評価規準を設けている」というような、評価規準を意識しているところが、やはり5割弱と。それから4分の3程度が「定期テストなどに加えて、平常点を加味して、評価を行ってい」ます。平常点というところで思考・判断であったり、関心・意欲・態度を見にいかれているのではないかと、このようなことが現行としてあるのではないかと思っているところでございます。
 次に資料2をごらんいただければと思います。資料2の9ページでございます。高等学校においてどのような改善が考えられるかというところで、現行の扱いと、それから今までのご意見というものをいただいて、こちらのほうにまとめているところでございます。9ページにおいて、現行の扱いとしては、国が参考様式として、できる限り大枠に定めるというところから前回の様式でも観点別評価などに関しては示していないというところでございます。ただ、4つ目の丸にございますように、ペーパーテスト等による知識や技能のみの評価など一部の観点に偏した評定が行われることがないよう、4つの観点による評価を十分踏まえながら行っていく必要があるというようなこと、このようなことが前回の答申でも言われているところでございます。
 次のページ、10ページをごらんいただければと思いますが、今までご議論があったというものに関しては、大きく2つあるのではないかと思います。1つ目のところに書いてありますように、小中学校、高等学校の接続の観点、それから必履修教科というものに関して観点別評価の欄というものを指導要録に設けるというようなことについても、検討していくということも考えられるのではないかということ。
 しかしながら、次にありますように、これは専門高校ということでございますが、さまざまな団体等からの意見等にもありましたが、観点別評価の一律の実施が難しく、国立教育政策研究所が出しているような資料というものをそのまま高等学校の現場で使用していくことは、なかなかなじみにくいのではないか。これに当たっては、やはり多様な状況というものを高等学校が持っているということについて考えていくべきではないかと。このような意見があったかと思っております。
 すみません、非常に雑駁でございますが、高等学校についてこのようなところがあると思います。
 あともう1点、申しわけございません、高大接続のことについて資料4をちょっとごらんください。今までのご議論の中で高大接続というようなことを通じた、高等学校の質の保障というようなことをどのように考えていくか、そのことと観点との関係というのも検討していく必要があるのではないかということがございます。
 現状でございますが、中央教育審議会平成20年12月の答申におきまして、高等学校と大学の接続の在り方の見直しというものが書いてあります。現状というものに関して、高等学校、大学、それぞれの取り組みだけでは限界があるということから、新たな、ともに力を合わせて取り組む関係で質の向上を図っていくということが必要であるというようなことが挙げられております。
 そのため、次のページ、2ページのところをごらんいただければと思いますが、高大接続テストに関して学力を客観的に把握する方法の必要性として、一定の意義がある。ただ、さまざまな留意点があるということで、この新たな仕組みを含めて、高等学校全体の質の保障に向けた取り組みを望みたいということで、その方法として高等学校及び大学関係者の十分な協議、検討が行われることを期待するというように中教審のほうで考えているところでございます。
 平成22年の10月をめどとして、今、北海道大学を中心に高等学校関係者、大学関係者の中で協議、研究が行われているところでございます。まだこれ以上の情報というものに関して何か決まったものであったり、方向性が出たというものではございません。
 以上でございます。

【無藤主査】

 ありがとうございました。
 それでは、高等学校における評価の問題ということでご意見をちょうだいしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 じゃあ、髙木委員、お願いします。

【髙木委員】

 高等学校においても、私はこの観点別評価を今まで以上、より一層充実していくべきだというふうに思っております。例えば、先ほどお配りいただきました資料3の5ページでしょうか。観点別評価、実は進学校においては実情としては大学進学を理由にほとんど行われていないという状況も、私は神奈川県の高等学校の第三者評価委員をやっている関係上、かなり実態把握しております。さらに、教育困難校においては、例えば小学校の漢字や計算もできない子もいたりして、大変苦労しております。
 さまざまな高校があるのですが、小学校、中学校で行ってきた観点別評価という考え方をぜひそのまま小中高の連携の中で、今回の学習指導要領においても中高連携ということをきちんと明示しておりますので、ぜひそういった教育内容の上からも、この高等学校における観点別評価というのを一層充実すべきだというふうに思います。
 これ、もし今回外すとなると、10年間我慢すればなくなる、やらなくてもすんでしまうというような感じをお持ちになる高等学校の先生も私は多数いるのではないかというふうに推測しております。
 以上です。

【無藤主査】

 じゃあ、松浦委員、戸谷委員、鈴木(秀)委員、工藤委員。ほかにありますか。じゃあ、松浦委員。

【松浦委員】

 私は髙木委員の意見に全く賛成です。今の資料3を見ましても、やはり高等学校の先生方には観点別評価をしなければならないという意識はかなり高くて、現実的にもやっていると。観点別評価は一応やるが、それを指導要録に記入する欄があるかないかという問題ではないですか。これはやらなくてもいいとはどこにも書いていないわけですよね。指導要録上に記載する欄を今、設けていないと。しかし、考え方としては観点別評価の結果をもとに評定を出し、その評定を記入する欄のみがあるという認識でよろしいわけですよね。となると、やはり観点別評価は先生方もやらなければいけないことであり、その意識も十分持っているという事実があるということ。
 それから、2つ目は、私も卒業生がたくさん高校の教員をしておりますが、小学校、中学校と観点別評価の結果を出しているということで、保護者のほうから高等学校でも観点別評価の結果を開示してほしいとか、見せてほしいという要望が非常にあるというのを聞いております。それを促進する意味でも、今回は指導要録にその欄を入れればどうかと。
 高大の入試のことなんですけれども、これはやはり究極的な理想は高等学校で目標に準拠した評価を行い、その結果を見れば、もう大学の入試を特にやらなくてもいいというのが理想的な姿であると。現実は当然そうなっていないということはだれよりも理解はしておりますが。今回、それも観点別評価もしなくてもよい、入試に関しては別途審議をするということをあまり強調し過ぎますと、これはもう高等学校教育の崩壊につながるおそれもありますし、大学が求める入試の方法にあわせた学習のみやっておけば、極端に申しますと、思考・判断とかはあまりやらなくてもいいというふうな結果にもつながりかねないということで、今回ぜひ指導要録に入れるべきじゃないかと思います。

【無藤主査】

 戸谷委員。

【戸谷委員】

 私は、この高等学校の調査の中で、観点別評価の定着がまだ不十分であるとの結果については、形成的評価の中で、指導の改善や生徒の学習状況改善に向けて高等学校は、十分な取り組みをしていかなければいけないと考えております。しかしながら、今まで高等学校が過去どのように歩んできたかということについては、資料にもありますように、多様な教育課程を編成してきたことに代表されます。そういう意味で一律の目標準拠型ができるのかどうかということを考えなければいけないと思います。
 今、松浦委員が、観点別評価があれば大学も入学選抜をしないで済むということを言われましたけれども、現実問題、小・中学校が観点別評価が定着をしていると調査にはありますけれども、一方で現実はどうでしょうか。高等学校に入ってくる生徒が小学校で習う分数とか小数ができない生徒はいないというふうに言えるのでしょうか。都立学校でもかなりの多様な生徒を引き受けているわけで、理想と現実は違うわけですね。そのことはぜひ踏まえていただきたい。
 それから、観点別の評価を総括的に行い、それを記載する、そのことが労力や活用の面でどれだけの価値があるのか、また大学入試との関連も出てくる中でどれだけ重要性を増すのかを考えなければいけないのではないでしょうか。高大接続とは切り離して考えなければいけないと、私は思っていますが、しかし、多分、今後検討される高大接続のほうがもっと客観性が担保できる、そういった制度設計にしていくべきだろうと私は思っております。こうした観点から、指導要録に観点別評価を記載することついては、小中学校と同様に考えることは、これは無理であろうというふうに思っております。

【無藤主査】

 鈴木(秀)委員、お願いします。

【鈴木(秀)委員】

 高等学校については、先ほどの学士教育課程の再構築の問題とか、いろいろな問題が、小中とは違う問題がかかわり合っておりまして、そう簡単に結論が出るものではないと。高校の指導要録の実施は1年、小中よりは遅いわけですので、この高等学校の評価についてはまた別に議論をしていただきたいと。もうあと残された短い時間で高校のことを議論するのは少し無理があると。ですから、改めて高校の実施は、少なくとも指導要録は遅いですから、別枠で審議していただきたいと思います。

【無藤主査】

 工藤委員、そして逢見委員で終わりにさせてください。もう5時過ぎました。

【工藤委員】

 私は、できる学校からできるような仕組みというか、考え方をどこかに示す必要があると思っています。現状どおりだと今のままになってしまうということになります。
 例えば、高等学校で観点別の評価を行う場合は、尺度をA、B、Cとするかどうかということも、これはどこにも手掛かりがないわけですね。国研の参考資料では、中学校と同様の方法をとっておりますけれども、例えばそのようなことを指導要録の改善の通知に示さなくても、どこか別のところに示すとか、何らかの工夫が考えられるのではないか。
 それから、通知の別添資料の中には、現状では教科の観点及びその趣旨のみが示されていますが、実際は科目で評価を行いますので、普通教育、専門教育については、科目まで観点及びその趣旨を示すということも、一歩前進としてはあり得るのではないかと思います。
 観点別評価を少しずつ進めていきませんと、高等学校の授業は目標設定が未分化のまま行われている、どういう力を身につけるかということがあまり分析されないで授業が行われているような現状があると思っておりますので、そういう面からも観点別評価をもう少し進めていく。できる学校からできるようにしていく、そのための参考となるようなものが示せるとよいと思っております。
 以上です。

【無藤主査】

 それでは逢見委員。

【逢見委員】

 観点別評価に関する状況についてですが、現在、高等学校においては各教科・科目で観点別の評価を取り入れて学期ごとに評価を行い、それを学年末に評定に総括しております。ただ、義務教育と違うのは、市販テストなどで観点別を取り入れたものがございません。そこで、教育委員会の教科担当指導主事が中心となって科目ごとに観点別評価の方法や評価の観点を取り入れた考査問題の作成方法について例を示し、これを各学校で参考にしているという状況であります。
 確かにこの調査結果を見ると、まだ行っていないところもあるようではございますが、各学校の状況に応じて前向きに進んでいると思っております。
 それから、指導要録に観点別評価を載せることに関しては、現状としては難しいのではないかと思っています。なぜなら、高校の場合には、一教科につき複数の科目がございます。教科「国語」なら「国語表現Ⅰ」「国語表現Ⅱ」「国語総合」などいろいろな科目がございます。これらの沢山の科目について、評定とは別に観点別評価を載せるとなれば、今行っている評価から評定への一連の流れとは大きく異なることから、かなりの労力が必要になると思われます。また、すべての科目の観点別評価を載せるとなると指導要録が何ページにもなってしまいます。このような問題がございますので、今、各学校で進めている観点別評価の方法をさらに進めていくのが良いと思っております。そのために必要な資料や情報の提供をいただければありがたいと思います。
 以上です。

【無藤主査】

 まだありそうですけれども、申しわけありませんが、時間が過ぎましたので、ここまでにさせていただきます。
 高校の評価につきましては、現実的な配慮を十分しながらも、目標準拠評価、観点別評価をいかに進めるか、さらに考えたいと思います。
 本日ここまででございますけれども、最初のほうで申し上げましたが、学習評価の理論的な議論や現場における実践の積み重ね、また要望を踏まえて、最終的に子どもたちに身につけさせたい反映できる枠組みを探りたいと思います。その際、文部科学省の示す指導要録が参考様式であること、法令においても指導要録の様式において定める権限を有するのは学校設置者である、そのような仕組みでございます。国が大きな方向性としてどのような配慮を学校設置者に求めるか、それにつきまして、本ワーキンググループで整理していきたいと思っております。
 このような考え方に基づきまして、今後でありますが、私と事務局のほうで本日の資料の審議のまとめの方向性案、いろいろなご意見を膨らませ、取り込みながら、審議のまとめの案をさらに作成し、次回の会議でお示ししたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 最後に今後の日程等につきまして、事務局からお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 次回のワーキンググループの日程につきましては、主査とご相談の上、追ってご連絡させていただきます。
 なお、本日、ご発言いただいた以外にさまざまなご意見あろうかと思います。その場合、私どもに対してメール、ファックス、郵送等で、恐縮でございますが、年内をめどにお送りいただければと思います。もちろん、その後も反映はできようかと思いますが、とりあえずは年内をめどにいただければ大変ありがたいと思っております。よろしくお願いを申し上げます。

【無藤主査】

 どうもありがとうございました。きょうは時間を過ぎて申しわけございませんでした。これですべて終了いたします。ありがとうございました。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2613)

-- 登録:平成22年02月 --