(参考資料1)学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議「審議のまとめ」(平成20年9月)(抜粋)

3 教職調整額制度の見直し

 

(2)教職調整額制度の見直しに係る論点

 

3 部活動指導の取扱い

 

○ 部活動指導に従事した時間を教員の勤務時間と位置づけ、部活動指導が時間外に及んだ場合には時間外勤務手当を支給すると、部活動指導が抑制され、支障が生じるのではないかとの意見もある。

 

○ これに対しては、部活動を「学校教育の一環」として明示した新学習指導要領の趣旨に鑑みても、今後は週40時間労働制の原則の下で教員の勤務時間内で行われるべきものとして位置付けた上で、専門的指導者を配置するなど、必要な条件整備を図ることが必要であるとの意見もある。

また、現在の長時間に及んでいる部活動指導を改め、適切な部活動指導の時間について各教育委員会や学校が定めていく必要があるとの意見もある。

 

○ 部活動指導については、それが学校教育上果たしている役割も踏まえ、その在り方について、今後さらに検討を進めていく必要がある。

 

4 持ち帰り業務の取扱い

 

○ 自宅に仕事を持ち帰らざるを得ない教員もおり、時間外勤務手当制度が導入されるとそのような教員には不公平感が生じるのではないかとの意見もある。

 

○ これに対しては、自宅で業務を処理せざるを得ない状況は教員にとって大きな負担で、教員の健康管理やワーク・ライフ・バランスの観点から大きな問題であり、また、成績処理などのため児童生徒の個人情報を学校外に持ち出すことは適切な情報管理の観点からも問題であることから、今後は、学校として必要な業務は、勤務時間内で処理できるようにすることが必要であり、自宅への持ち帰り業務は原則として無くしていく必要があるとの意見もある。

 

○ また、介護や育児などの事情がある教職員については、テレワークの導入などにより、適切な勤務管理体制を整えた上で、自宅でも勤務ができるようにするべきとの意見もある。

 

○ 持ち帰り業務については、あることが前提になるのではなく、そのような業務が無いことが本来あるべき姿であるという前提に立ち、どのようにすれば自宅への持ち帰り業務を無くすことができるのか、その方策などについて今後検討していく必要がある。

 

 

4 勤務時間の弾力化

 

(1)1年単位の変形労働時間制

 

○ 平成18年の「教員勤務実態調査」の結果によれば、夏季休業期間中の残業時間は、他の学期中の残業時間に比べて大幅に少ない現状にある。このような教員の業務の繁閑の差を踏まえて、1年単位の変形労働時間制を導入することは、教員の勤務時間にメリハリを付けることができ、夏季休業期間などの長期休業期間中に教員の自己研鑽や休養の時間を確保することができ、資質向上や健康管理に資するものと考えられる。

 

○ しかし、長期休業期間中においても、研修や部活動指導、プール指導、保護者との面談などの業務があり、勤務時間を短くすることは困難ではないかという意見もある。

仮に1年単位の変形労働時間制を導入するのであれば、長期休業期間中における業務の在り方を見直すことが必要となる。

また、現在、地方公務員には1年単位の変形労働時間制に係る労働基準法の規定は適用除外となっているため、公立学校の教員への適用の可否について法制的な観点からの検討も必要である。

 

○ 長期休業期間中の勤務時間の在り方については、このような期間に学校としてどのような業務を行うべきなのか、その業務について学校の教職員がどのような役割分担を行うべきなのかなどの問題とも密接に関わるため、学校の在り方などの検討を踏まえて、1年単位の変形労働時間制の導入の可否について今後さらに検討すべきと考える。

 

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