資料6 第35・36回義務教育特別部会(9月9日)において出された主な意見

教員免許制度の改革、とりわけ教員免許更新制の導入について

  • 大学は、職業資格に必要な科目を用意し、十分な水準に達すれば単位を授与するところである。大学が、教員の資質能力や適格性といったものを評価判定する場として適切なのか。更新制の導入の目的が排除ではなく、リフレッシュということであれば、講習を充実させれば良いのではないか。
  • 教員免許の更新制を導入した場合は、免許を実質的に出す権限を持つ大学が、何らかの形で認定すべき。
  • 現職教員への免許更新制の適用は難しい。教員の大量採用時代になるのに入り口を狭くして大丈夫か。教職自身の魅力がなくなる。更新制は慎重であるべき。ただ、今後の問題としてまったく検討しないで良いとは思わない。
  • 教師に対する尊敬と揺るぎない信頼という意味では何らかの装置は必要だが、画一的にすればするほど教師の元気を奪いかねない。不適格な教員を排除するための制度は、すでに運用されており、その成果を見極めるべき。
  • 大学の役割が変わりつつあることを認識すべき。これまで大学は、ディグリー(学位)を出すところだったが、サーティフィケーション(認定)を出す時代になってきている。
  • 更新のための講習と10年研修や勤務対応との具体的イメージが分からない。
  • 新しい知識や保護者対応・児童理解のために免許の更新制には賛成。しかし、中身がはっきりしないと教員の多忙感が増す。勤続10年目、20年目の教員は学校の中で中核となっており、一定期間学校を空けることへの対処が必要。処遇も考える必要がある。
  • 教員の資質を確保向上させることは義務教育全体で重要なこと。研修だけで教員の資質能力が担保できるかは考えざるを得ない。学校現場を取り巻く環境の変化を実践的指導力に活かすため、排除の論理ではなく資質能力の向上を確認するという意味で更新制は必要。
  • 現状の研修制度のどこに問題点があるのかをまず前提にすべき。更新制を前提とするのは疑問。排除が目的でないのなら、研修を充実すべき。
  • 更新制は慎重に考えた方がいい。モチベーションが下がる者もでてくると思う。研修制度を充実させ、その研修は地方に任せればいい。
  • 教員の責任感や適格性について検討しなければ、一般的な親の感覚として、先生に任せることは不安。社会的にみると更新制は必要。長い目でみた更新制度を考えてほしい。今求められているものは、教員の不適格性にどう対応するか。短期的な問題と長期的な問題とを検討すべき。
  • 免許更新制は雇用上の問題ではなく、教壇に立つ資格の保証のことであり、混同すべきではない。
  • 免許更新制の必要性は、指導力不足教員への対応システムの有効性を検討した上で考えるべき。更新制を導入しているのは米国のみであり、国際的に高い評価を得ている日本の教員に適用するのは不可解。
  • 製造者責任を強く要求される時代であることを大学も認識すべき。現場からは、実践的能力を育てることについて大学が十分に動かなかったという不満がある。更新制は、排除ではないという形を取っており、この制度なくして大学を動かすことは難しい。

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