教員養成部会 教員免許制度ワーキンググループ(第8回) 配付資料

1.日時

平成17年6月24日(金曜日) 13時~15時30分

2.場所

如水会館 3階 「松風の間」

3.議題

  1. 教員免許制度の改革、とりわけ教員免許更新制の導入について

4.配付資料

5.出席者

委員

 野村主査、門川委員、甲田委員、角田委員、渡久山委員、八尾坂委員、山極委員

文部科学省

 樋口審議官、板東審議官、徳永審議官、戸渡教職員課長、勝野視学官 他

6.議事

(1)教員免許制度の改革、とりわけ教員免許更新制の導入について

事務局から配布資料の説明の後、資料3、4、5の論点ごとに自由討議が行われた。主な発言は以下のとおり。(○:委員、●:事務局)

委員
 開放制の原則の下、社会や国語、英語の教員は大量に養成されている一方、小学校教員は非常に少ない現実がある。教員養成大学・学部等の設置又は収容定員増の抑制方針が今年度から撤廃されたが、小学校教員の養成大学が増えるとは限らないので、その部分に踏み込んだ記述が欲しい。40~50歳代の教員の資質が問題となっているが、それら教員の採用当時の志願倍率は全国的に2倍を割っており、免許状さえ取得していれば採用していたことも記述しなければならない。小学校の教員養成の問題を解決するには、養成を行う大学に対する補助金の傾斜配分等も必要ではないか。

委員
 小学校教員を志望する学生が増えたが、更新制の導入で志望学生が減ったのでは問題であるという意味で、更新制と小学校の教員養成は結びついている。

委員
 1ページで、「保護者の中には、…一定の目に見える教育成果をあげることを求める傾向が強まっている」とあるが、これからの時代は、結果を出すことが求められている。例えば、学校評価では、結果の開示など、アカウンタビリティーやアウトカム等の結果責任が求められてきていることを記述しておくべきである。そのために、日々の研修や努力が必要であり、更新制にも関わってくるのではないか。いつもチェックされているのではなく、教員の勇気が出る記述があった方が良い。

委員
 統一的に「幼児」という言葉を入れるとすれば、評価の部分など、他にも入れなければならないところがある。総論には、専門職大学院についても記述する必要がある。現行の教員養成は学部中心だが、将来プラス2年の形にするのであれば、次の答申で本格的に検討する方向性を打ち出した方が良い。現在検討されている専門職大学院がスタンダードになっていくのではないか。また、新教育大学の総括がないので、触れた方が良い。専門職大学院をどの程度つくるかも示されていないので、新教育大学とどのように整合性を図り、設置数も調整するのか、展望も示した方が良い。

委員
 教養審第二次答申の際、将来、一種免許状から専修免許状にという動きがあったことを念頭に置いて検討し、今回、記述するべきではないかという意見だとして整理したい。

委員
 二種免許状は当面必要であるとの意見は、教員の需給関係で議論されている部分が多い。4ページの「3.教員養成・免許制度の現状」の最後に、開放制の原則がある限り、教員の需給に着目した教員養成が重要であることを記述しても良いのではないか。一種免許状の養成機関が増えると、需要は自然に減少する。二種免許状の役割には、そういう現実的な面もある。

委員
 教員の需給状況に応じた教員養成がこれまで行われてきたので、今後10年の需給状況を考えた場合、6年制に進む方向を打ち出すのが良いかは、検討が必要である。

委員
 次の答申では、将来の日本における教員養成や教職課程について根本的に議論していくべきではないか。幼稚園教員では二種免許状所有者が74.6パーセントであり、栄養教諭でも二種免許状所有者は増えていくと思われるため、この部分も視野に入れておく必要がある。

委員
 全大学で6年制に移行するということではなく、6年制の教員養成を行う大学があっても良いし、学部4年+修士課程2年の大学があっても良い。学部4年+修士課程2年に加えて、専門職大学院に進む者も出てくる可能性がある。

委員
 4ページの「教員養成・免許制度の現状」にあるような問題は、平成10年答申から指摘されている。今までの答申が具体的に活かされないのは、大学が安易過ぎるためであり、大学の反省が必要である。教員の指導力や子どもとの関わりは、現場経験を積むことによって身に付くので、大学が現場に即した教員養成を行わなければならない。

委員
 教員養成に関わっている教員が、答申を読んで教員養成している大学はごく少数である。現状の問題をここで指摘するとともに、教員養成がきちんと行われることを前提にして、更新制を考えなければならない。

委員
 大量採用時代を迎えて、需要の多い大都市圏では危機感を持っている。校長は、複数の新採教員を育てきれない。以前の保護者は、若い教員を歓迎したが、最近は敬遠する気持ちが強いことについて、学校も教育委員会も危機感を持っていることを記述して欲しい。「幼児児童生徒」の記述について、全てに「幼児」を記述しているが、必要ない部分もあるのではないか。教員をめぐる現状や教員の資質の部分で、「幼児」を記述することがあっても、それ以外の部分は「児童生徒等」と表現を工夫する必要がある。二種免許状の教員は幼稚園で多いが、そうした教員はよく頑張っており、一種免許状と仕事量では変わらない。その面で、小・中学校の二種免許状とは異なるので、記述の工夫が必要である。また、更新制の導入時期の問題を触れておくべきではないか。

委員
 免許状所有者は多いので、免許を取得しても、最初から教職を希望しない者もいるし、教職を目指してもなれない者もいる。大量採用時代になれば、教職に就きたいという魅力のある職場になり得るかが問題となる。更新制の導入により、教員の置かれる立場が厳しくなることによって、教員の質が向上しても、教職を目指す者が減る可能性がある。また、更新制の導入時期については、現行の教員養成制度や採用の問題に関係する。

委員
 免許状所有者の多寡は、校種や教科によって差がある。

委員
 小学校の教員養成課程は、国立は多いが、私立は一部しかないので、必ずしも、小学校教員免許の所有者が多いとは言えない。

委員
 問題となるのは、小学校と中学校の技術・家庭科であり、特に、技術・家庭科は、景気が良くなると民間企業へ就職したり、養成そのものが少ないことも問題である。数学・理科の免許所有者も少なく、これは、開放制の原則の限界である。この部分の記述がなければ誤解が生じる。

委員
 国立大学の教員養成学部のゼロ免課程が、どの程度養成課程に移行するかだが、今後1年間の動向のデータが、今年度中に出てくるのではないか。免許の所有者は多いので、非常勤講師として採用するとか、他県の教員を採用する等、今後の活用の仕方も検討する必要があるのではないか。教員不足が生じれば、年齢制限を弾力的にしたり、中学校教員免許の所有者に、短期的に小学校教員免許を取得させるシステムをつくるところも出てくるかもしれない。また、新卒者のみを考えるのではなく、社会人の採用など、年齢を引き上げた採用枠も必要になる。その考え方も記述して良いのではないか。

事務局
 都道府県教育委員会の懸念は、志願者が多くても、その中から優れた教員を確保できるか、志願倍率が下がることによって、その中から優れた教員を確保できるかということである。大阪を中心に30歳代の層が少なく、ベテラン教員を確保したいことから、現職教員を他県から割愛して採用するところも出てきているなど、新卒者の採用だけでなく、全体のバランスが取れた年齢構成にしたいとの思いもある。その意味で、免許所有の有無に関わらない社会人の登用や退職教員の再任用を、全体のバランスを取りながら行わなければ、20~30年後に同じ問題が出てくるので、各県はその辺りのバランスの取れた採用計画を考えつつある。

委員
 出産・育児のために退職し、その後現場復帰を希望するベテラン教員を採用するような年齢制限の緩和も、各教育委員会で行ってくるのではないか。

委員
 更新制の導入時期について、新しく教員になる者を対象にする場合には、4年後に教職に就くこととなる大学入学の時点を起点に考えるのか、それとも、来年から導入できるのか。

事務局
 今年中に中教審の答申をまとめていただこうと考えているので、制度改正は来年の通常国会を目途に考えていきたい。問題になるのは免許状の授与の仕組みである。この部分で、適格性をきちんと判断していく仕組みが検討されており、その仕組みの検討に要する時間にも左右されるが、4年後の導入ではスピーディーさに欠ける。また、現に免許状を有している者の取扱いについては、難しい課題もあるため、その検討状況によっても、導入時期が変わる。

委員
 更新制と他の制度等との関係については、案2の現職研修や評価、処遇等と連動させることを前提とし、上進制度も絡める方法が良い。また、専修免許状が活かされていないのは、十分な処遇や保障がないことに原因がある。

委員
 実地視察した大学では、組織的な取組みを積極的に行っていたが、授業の内容は教員によって差があった。教授の自由が優先されている場合もあれば、組織的にシラバスから議論し、授業改善がなされている場合もあるため、どこまで踏む込むことができるかだが、教育委員会や学校現場と大学の連携を深めていくことが重要ではある。認定課程を有する大学が813校ある中で、適格性をどのように担保するのかが課題であり、文部科学省や教育委員会の関わり方がポイントとなる。適格性及び専門性の判定のたたき台について、判定の参考となる具体的事例が全てマイナス事例であるので、プラス事例にできないか。例えば、「使命感や熱意を持って実践している」、「研修や研究会等において自己研鑽に励む意欲を持っている」等として、バツが1つでもつけば不適格という形にできないものか。プラス評価の方が、精神的にも良い影響を与え、更新制全体の議論との整合性も取れる。ただし、曖昧な判断にならない基準にする必要がある。導入の時期は、できるだけ早い方が良い。現職教員の取扱いについては、更新制の趣旨が活かされるように、全ての現職教員に制度の趣旨を周知して、自己点検・自己評価・自己研鑽の中に活かされていくような努力義務として適用できないものか。

委員
 25ページの「4.(2)現職研修の改善・充実」における「校長等」には、保護者等が含まれるのか。適格性及び専門性の評価にあたり、保護者等も含まれるのであれば、評価者としての訓練が必要になる。また、資料4と5にある勤務実績の判断が、なぜ「直近6ヶ月」なのか。更新時に新たな評価を行うとなると、校長や教育委員会の負担となるため、既存の評価システムを連動させれば良いのではないか。各県が工夫できる旨の記述を加えた方が良い。

事務局
 能力、実績、意欲という3要素に基づいて、能力開発型の評価システムが主流になっている。これは、教員の意欲・やる気を引き出し、例えば、自身の年間目標を立てて、それに沿って教育活動や校務分掌にあたり、それを通して評価し、その者のキャリア開発を図ることに主眼が置かれている。更新制における評価は、教員としての必要最小限の資質能力、具体的には適格性と専門性が引き続き維持されているかどうかを押さえるものなので、評価の在り方が少し違う。適格性と専門性の維持に加えて、本人の資質能力が向上されているということは、期待するところである。

委員
 「校長等」の表現だと一人の印象があるため、教頭を含めた複数の教員で、校内に委員会を組織し評価することによって、客観性・透明性の担保ができるのではないかとのことで、この記述になった。更新制の趣旨は、できるだけ更新できない教員を生み出さないことである。問題教員を生み出さず、資質の高い教員を育成し、意欲ある教員集団を学校現場でつくっていく取組みが、客観的に評価されて更新されるという形である。

委員
 客観性・透明性の確保は大事だが、納得性・公平性が一番大事であるので、資料5による判断だけでなく、それに付随して職務記録が必要となる。また、判定内容について説明する義務が生じるが、評価者に含まれる保護者は、判定内容の説明をできないだろうし、教員も保護者の判定内容に納得できないと思われるため、問題となる。

委員
 面談における人材育成が管理職に期待されており、その中で、本人が納得するフィードバックがあり、課題があれば、指導していくことが前提となる。その指導によっても改善が見られないことでバツと判定されたと考えて良いのではないか。したがって、案の文言のままでも、これから始まる教員評価等を通して、最小限の適格性や専門性は判断できるのではないか。コミュニケーションを高めていれば、教員は納得するのではないか。

委員
 関係団体ヒアリングの際、初任者の評価は校長によって違うため、複数の学校を経験させた方が良いのではないかと質問したが、校長よりも保護者の意向が強いとの回答だった。しかし、初任者が保護者から意見を言われないように指導するのが校長ではないのか。校長によって学校や教員は変わるのだから、校長として自信を持って欲しい。資料5について、授与時も更新時と同じ判定項目になっている点が問題である。教職課程における適格性の判断は大事なので、例えば、適格性を見るための講座を開設する、学生と子どもがコミュニケーションを図る場を設ける、教育委員会との交流や話を聞く場を設ける、適性検査を段階的に実施する、面接を活発に行うなど、4年間に適格性を見るためのプログラムを織り交ぜ、最終結果として大学が判定する方が良いのではないか。

委員
 学校で更新の妥当性を審査する組織が必要なのか、また、審査できるのか。

委員
 更新の妥当性を審査できる学校もあれば、できない学校もある。学校の規模の問題もあるので、一律に組織を設けることを義務付けるのは難しいのではないか。更新制がきちんと機能しなければならないので、校長と教頭だけで審査するのは無理である。責任も求められるので、任命権者が関わらなければならない。条件附採用期間を有効に機能させるためには、教育委員会の指導主事等が学校を回り、校長と共に確認して、不適格教員を見つけ、辞めさせていくことが必要である。不適格の判断をする場合には、原則として、校長と教頭の複数で判断を行い、必要に応じて保護者や子どもの反応、同僚教員の声を聞き、同時に教育委員会にも意見を聞く形が現実に即している。ここまで行う教員は、問題があると思われる教員であり、良い教員にここまでする必要はない。

事務局
 分限免職処分の判断は、校長に一次的な判断権があって、最終的に任命権者が判断するが、分限免職処分の判断は重い。審査委員会のようなデュープロセスを経なければ、更新における適格性の判定ができないとなると、分限免職処分に係る校長の上申とこの手続とどちらが重いのかが問題となる。

事務局
 教員評価では、一般教員の場合、第一次判定者は教頭で、最終判定者は校長となっており、校長の判定権限については教育委員会にあるというのが一般的な形である。教員評価は能力開発型で行われているが、更新制における評価は、最小限必要な能力・資質が維持されているかを見るものだから、勤務実績や研修実績等を客観的に把握しながら、校長にきちんと評価してもらうこととなる。もし、評価に不服があれば、第三者機関を設置して審査する形を考えているので、公平性や透明性、納得性も担保されると考えている。

委員
 更新の判断にあたっては、誰が免許を与えているのかが大事であるため、都道府県教育委員会が最終的に決めなければならない。しかし、フィンランドでは、教員の良し悪しを判断しているのは現場で、校長や職員代表、保護者代表、生徒代表で構成される委員会で判断している。この形は、日本ではなじまないので、都道府県教育委員会の責任で更新を判断し、その際、内申等のフィルターが必要となる。

委員
 日常的な研修や、子どもや教育についての新しい知見の研修を積まず、更新の直前で研修を受けるのでは困る。研修についても、子どもを前にした校内研修が最低限の日常的な研修であるので、提案授業を年1回は行い、その上で自主研修をするという体系的で多様な研修と絡めながら、更新の判定基準をどうするかを決めると良いのではないか。実地視察でも、教育委員会と連携を図りながら、養成しようとする教員像を明確に持って、それを一人一人に意識させながら、大学が一丸となって教員養成を行わなければ困ると訴えている。教養審第一次答申を受けて、どのような教員を養成したいのか、どのような科目等を履修させるのかを、大学で組織的に検討するとともに、個々の教員もその意識を持てば、適格性や専門性のある教員養成ができるようになる。そこで、一人の教員が自分勝手な授業を行い、単位を与えたものがあれば、最終的に教職課程委員会(仮称)をつくって判断してもらえれば良いが、全ての大学で行うことができるか心配である。

委員
 大学で適格性を判断するのは良い。教育実習だけでなく、教職課程の中で、学生自身や周囲の者が適格性を常に見ていく環境やカリキュラムを設けることは良い。資料5の判定項目と具体的な事例は、授与時のほか更新時にも使われるが、全く同じで良いのか疑問である。例えば、適性検査を受けさせるなど、適格性の基礎を大学で判断するものがあっても良いのではないか。将来、教職課程の中に、適格性を判断する具体的な科目が作られるのであれば、実地視察では、それが確実に行われているか、確認していくことが必要となる。

委員
 国家試験を課したり、免許状授与権者による適格性の確認をしないのであれば、大学は、教員養成の理念をはっきりさせて、学内に教職課程委員会(仮称)を組織し、学校現場との関わりを含めて、組織的・計画的・実践的に教員養成を行い、適格性も含めて責任を持って審査し、審査内容についても外部公表することなどを義務付ける必要があるのではないか。

委員
 小学校教員に必要なのは明るさである。どんなに頭が良く、子どものことを理解していても、明るくない教員は子どもに好かれない。教員の明るさについては、判断基準の人間関係の項目に含めても良いが、具体的に記述して欲しい。

委員
 18ページの「2教員免許状の有効期限」の案で、免許の種類によって有効期限に差異を設けるとあるが、例えば、5年で1度更新を行い、以後の更新については検討課題とするのはどうか。専門職大学院修了者に一定程度の専門性や適格性が培われていることを前提にした場合、学部卒業者と差を設けることは可能かもしれないが、これを何年とするかは課題である。専門職大学院修了者に授与される免許状についても、検討しなければならない。

委員
 修士課程を積極的に活用した教員養成の在り方についての答申が出ているので、その趣旨を活かして、望ましい修士課程や専修免許状を追求しなければならない。その際、二種、一種、専修と専門職大学院修了者に与えられる免許の間に、更新制をどのように絡ませ、差をつけるのかが課題である。

委員
 短期大学は2年だが、履修科目や時間数は多く、専門性も培われている。また、明るさや使命感が、修士課程修了者より短期大学卒の方が優れているというのが現場の評価だとすれば、学歴だけでは判断できないことがはっきりしてくるので、学歴によって有効期限に差を入れられないのではないか。

委員
 幼稚園教諭であれば、夏休み期間があるので、学ぼうという意欲と条件が整えば、一種免許状を取得できる可能性は高いが、そうはなっていない。更新制で、専門職大学院での上級免許状取得を促進することになれば良いが、更新制とは別に努力義務を設けるなどの措置を考えた方が良い。

委員
 上進制と更新制と連動させるのは良い。上進するために大学院へ入ろうにも、大学院の数や入学定員に限りがあるため、機会に恵まれない者も出てくる。大学院での単位修得とは別に、例えば、大学が関与することによって、現職研修の中に大学院の単位に相当する研修を設けるなど、上進のための単位修得ができる環境をつくらなければならない。

委員
 京都の場合、46大学が連携して大学コンソーシアム京都をつくり、単位互換を行っている。将来は、教職課程のある大学と京都府や京都市の教育センターの共同で、現職研修と大学の授業を立案するシステムをつくれば良いと思っている。昨年から、京都教育大学が大学コンソーシアム京都の中にサテライト教室をつくり、スクールリーダーの養成講座を行ったが、このような、大学院に行かなくても上進できる仕組みをつくっていかなければならない。また、幼稚園については、私学も含めた研修センターがあり、そこと一緒に取り組んでいく状況をつくっていかなければならないと考えている。

委員
 22ページの「3.教職課程の改善・充実」で、「外部評価機関の設置等」とあるが、どこがこのような機関を設置するのか、具体的に示す必要がある。

委員
 私学の割合が、幼稚園で7割から9割、高校で半分くらいのところもあることと、都道府県から指定都市・中核市に権限が移されていることを踏まえて、24ページの「4.採用及び現職研修の改善・充実」の中の「都道府県教育委員会等」については、「教育委員会や学校法人(あるいは私学団体)等が」という形の方が良いのではないか。研修の部分も、同様にして欲しい。

事務局
 「私学団体」とするのであれば、「大学関係者や教育委員会、学校の関係者からなる団体」との表現が良いのではないか。個人的には、文部科学大臣が外部評価機関のような団体を認定する仕組みがあれば良いと思うし、その仕組みがない場合でも、実質的な活動を応援していく方が良いのではないか。

委員
 先日のヒアリングにおいて、私学の場合は、校長が更新不可となるような教員を辞めさせているので、実質的に更新を行っているという意見のほか、私学における更新制については、校数が少ないため、公的機関で更新を判断して欲しいという意見があった。

委員
 都道府県の中で、更新のための機関をつくれば良い。私学の校長や理事長から内申を受けて、公平に判断すれば良いのではないか。

事務局
 国公私立を含めて、免許の授与権は都道府県教育委員会であるので、更新の判断も、最終的には都道府県教育委員会が行うことになる。しかし、都道府県教育委員会が個々の教員の資質能力をチェックするのは難しいので、国公私立の校長を中心として、勤務実績等を勘案しながら更新の可否を判断して報告をしてもらい、判断に不服等があれば、授与権者である教育委員会の中に置く審査機関で審査し、問題がなければ教育委員会が最終判断をする形になる。私学にも、更新の判断にあたっての判断資料を報告してもらうことになる。

委員
 私学で自主努力を行っているところは良いが、協力してもらえない学校に色々な課題があるので、私学における自主的な研修等が奨励される制度となることが必要ではないか。また、24ページの「4.採用及び現職研修の改善・充実」で、私学は無関係ではないので、例えば、「都道府県教育委員会等」を「教育委員会や学校法人等」と記述した方が良いのではないか。

事務局
 設置主体により任命権者が異なるので、表現は検討させていただきたい。

委員
 更新不可となった教員の雇用を継続するかどうかはどこで判断するのかを議論しておいた方が良いのではないか。28ページの「6.その他」で、校長の資格について、「専修免許状又は一種免許状を有することを原則」とあるが、上位免許状を目指す努力についても検討すべきではないか。また、きちんとした校長登用システムがある教育委員会もあるが、そうでない教育委員会もあるので、権限が大きくなる校長の資質や在り方についても検討する必要がある。校長にも更新制を適用するのであれば、必ず更新していかなければならない。

委員
 多くの校長は更新の可否を判断する力を持っているが、判断力を有さない校長もいる。甘い評価で更新されれば、子どもが被害に遭うので、校長への権限集中による弊害の懸念はある。校長も含めた更新制の適用については、議論の分かれるところである。

委員
 更新可否の判断権限は、免許の授与権者である都道府県教育委員会にあるので、都道府県教育委員会へ権限が集中することとなるが、教育を良くするためには、市町村教育委員会や学校法人の努力が必要である。都道府県教育委員会が多く記述されていることには、違和感を覚える。本来、免許状は、国が責任を持って授与し、更新制も国が責任を持って行う方が良いが、そこまで議論できないので、この部分の表現は、学校を直接管理・運営している教育委員会や学校法人に配慮して記述して欲しい。

7.閉会

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

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(総合教育政策局教育人材政策課)