ここからサイトの主なメニューです
資料4

盲学校、聾学校及び養護学校の教育課程について

1. 教科等の構成
 
  盲学校、聾学校、養護学校(肢体不自由、病弱) 養護学校(知的障害)
幼稚部 幼稚園に準ずる領域(健康、人間関係、環境、言葉、表現)と自立活動で構成
小・中・高等部 各教科 小・中学校等に準ずる 障害の特性等に応じた独自の教科
道徳 小・中学校等に準ずる 小・中学校に準ずるほか、高等部にも道徳の領域を設置
特別活動 小・中学校等に準ずる
総合的な学習の時間 小・中学校等に準ずる 小学部には設けられていない
自立活動 障害に基づく種々の困難を改善・克服するための指導領域

2. 授業時数等
 
  盲学校、聾学校、養護学校(肢体不自由、病弱) 養護学校(知的障害)
幼稚部 ・幼稚園と同様(年間39週、1日4時間を標準)
小・中学部 ・各学年の総授業時数は、小・中学校の総授業時数に準ずる。
(小・中学校の授業時数の標準は、別表第1、2のとおり。1単位時間を小学校45分、中学校50分として計算する。)
・各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間、自立活動の授業時数は適切に定める。
・年間35週(小学部1学年は34週)以上
・重複障害者、療養中の児童生徒、訪問教育の場合は、児童生徒の実情に応じた授業時数を適切に定める。
高等部 ・週30単位時間、年間35週を標準
・1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位としてとして計算することを標準
・卒業までに修得させる単位数は、74単位以上
・自立活動、総合的な学習の時間の授業時数は適切に定める。
・ホームルーム活動の授業時数は、原則として、年間35単位時間以上
・各学年の授業時数は1,050単位時間を標準(1単位時間は50分として計算。単位制をとっていない。)
・年間35週以上
・学校において、卒業までに履修させる各教科等の授業時数を定める。
・各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間、自立活動の授業時数は適切に定める。
・ホームルーム活動の授業時数は、原則として、年間35単位時間以上
・自立活動を主とした指導、訪問教育の場合は、生徒の実情に応じた授業時数を適切に定める。

小学校の教育課程(別表第1)
区分 各教科の授業時数 道徳の授業時数 特別活動の授業時数 総合的な学習の時間の授業時数 総授業時数
国語 社会 算数 理科 生活 音楽 図画工作 家庭 体育
第1学年 272   114   102 68 68   90 34 34   782
第2学年 280   155   105 70 70   90 35 35   840
第3学年 235 70 150 70   60 60   90 35 35 105 910
第4学年 235 85 150 90   60 60   90 35 35 105 945
第5学年 180 90 150 95   50 50 60 90 35 35 110 945
第6学年 175 100 150 95   50 50 55 90 35 35 110 945
備考
1  この表の授業時数の1単位時間は、45分とする。
2  特別活動の授業時数は、小学校学習指導要領で定める学級活動(学校給食に係るものを除く。)に充てるものとする。
3  第24条第2項の場合において、道徳のほかに宗教を加えるときは、宗教の授業時数をもつてこの表の道徳の授業時数の一部に代えることができる。(別表第2の場合においても同様とする。)

中学校の教育課程(別表第2)
区分 必修教科の授業時数 道徳の授業時数 特別活動の授業時数 選択教科等に充てる授業時数 総合的な学習の時間の授業時数 総授業時数
国語 社会 数学 理科 音楽 美術 保健体育 技術・家庭 外国語
第1学年 140 105 105 105 45 45 90 70 105 35 35 0〜30 70〜100 980
第2学年 105 105 105 105 35 35 90 70 105 35 35 50〜85 70〜105 980
第3学年 105 85 105 80 35 35 90 35 105 35 35 105〜165 70〜130 980
備考
1  この表の授業時数の1単位時間は、50分とする。
2  特別活動の授業時数は、中学校学習指導要領で定める学級活動(学校給食に係るものを除く。)に充てるものとする。
3  選択教科等に充てる授業時数は、選択教科の授業時数に充てるほか、特別活動の授業時数の増加に充てることができる。
4  選択教科の授業時数については、中学校の学習指導要領で定めるところによる。

高等学校の教科・科目の標準単位数等(参考)(PDF:117KB)

3. 教育課程の特例
   児童生徒の障害の状態等に応じた教育を行うため、次のような特例により、教育課程を編成することができる。
(1)教科の代替等
障害の状態等 特例
1学習が困難で特に必要がある場合 ・各教科の目標・内容の一部を取り扱わないこと
下学年の各教科の全部又は一部と代替すること
(中学部は、小学部の各教科を含む。高等部は、小・中学部の各教科の一部と代替できる。)
・小・中学部において、幼稚部の各領域の一部を取り入れること
2盲学校等で知的障害を併せ有する場合 知的障害養護学校の各教科の全部又は一部と代替すること
  この場合、小学部においては、総合的な学習の時間を設けないことができる。
3重複障害者のうち学習が著しく困難な者 ・各教科、道徳、特別活動の一部又は各教科若しくは総合的な学習の時間に替えて自立活動を主とした指導を行うこと

(2)各教科等を合わせた授業
障害の状態等 特例
1特に必要がある場合 各教科の全部又は一部を合わせた授業を行うこと
2知的障害者又は重複障害者で特に必要がある場合 各教科、道徳、特別活動及び自立活動の全部又は一部を合わせた授業を行うこと

(3)訪問教育等
障害の状態等 特例
1訪問教育 ・重複障害者等に係る特例の適用が可能
2高等部において療養中及び通学することが困難な生徒 ・各教科・科目の一部を通信により教育する場合の1単位あたりの添削・面接指導の回数等を適切に定めること

  【特例を活用した教育課程のイメージ】
(1) 3:重複障害者に対する自立活動を主とした指導(肢体不自由養護学校小学部の例)
 

(2) 2:各教科、道徳、特別活動、自立活動を合わせた授業(知的障害養護学校小学部の例)
 

4. 盲・聾・養護学校の教育課程(重複障害者に係る教育課程を除く)の編成例
  盲学校の教育課程
1   指導の特色
 
1  盲と弱視の幼児児童生徒に対して教育が行われており、盲児童生徒は点字や触図等を活用し、弱視児童生徒は文字や絵・図等を拡大した教科書や教材を使用したり弱視レンズ等を活用したりして指導が行われている。
2  盲児童生徒の指導においては、各教科を通じて点字の読み書き技能に習熟させるとともに、実物や模型などを数多く活用して、正しい知識や概念の形成を図るように努めている。国語においては、点字のほかに普通の文字の仮名文字や漢字に関して、日本語の正しい知識と理解を促すために基本となる文字を選定して指導を行っている。また、理科の実験においては、光の変化を音の変化としてとらえることのできる「感光器」を用いて化学変化を調べたり、体育の実技においては、視覚障害者のために特別に工夫された「グランドソフトボール」や「盲人卓球」を取り入れたりするなどの工夫が行われている。
3  自立活動の時間には、障害に基づく種々の困難を改善・克服するための指導として、盲児童生徒に対しては触覚による効果的な観察の指導、空間を適切に把握するための指導や歩行指導等が、また、弱視児童生徒に対しては視覚を上手に活用するための指導や弱視レンズを活用する指導等が行われている。
4  高等部における職業教育としては、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の養成や理学療法士等の養成を目的とした学科が設置されており、資質の高い職業人の育成に努めている。

2   教育課程の編成例
 
A   小学部の例(5学年)
 
(社会や理科等の授業時数に配慮した教育課程) ※年間授業時数
  国語 社会 算数 理科 音楽 図工 家庭 体育 道徳 特活 自立 総合 総授業時数
小学校 180 90 150 95 50 50 60 90 35 35   110 945
盲学校 175 105 140 105 50 70 70 90 35 35 70 35 980
 小学部高学年になると社会科では地図やグラフ等で盛り込まれる要素が複雑になってくる。理科においても児童が自ら観察や実験を行えるよう指導に工夫をしたり、実際に体験できるようきめの細かい指導が必要となる。図画工作、家庭科においても丁寧な指導が必要であり、そのためそれらの教科の授業時数を多く配当している。また、自立活動の時間が設定されているため総授業時数が多くなっている。

B   高等部の例(保健理療科1〜3学年)
 
(資格取得に配慮した教育課程) ※単位数
教科 国語 地歴 公民 数学 理科 保体 芸術 外国 家庭 情報 保健理療 自立 総合
盲学校 2 4 2 2 5 7 2 2 2 2 53 3 1 87
 生徒の実態に応じた教科・科目を用意し、基礎・基本の習得に重点を置いた指導が行える教育課程の編成を行っている。また、あん摩マッサージ指圧師の国家試験受験資格取得のための科目履修を行っている。総合的な学習の時間は、保健理療の専門科目の中で一部代替している。自立活動は、生徒の実態に応じて適切に単位数を設定している。

聾学校の教育課程
1   指導の特色
 
1  聴覚障害の状態の改善・克服のためには、早期からの教育的対応が重要な意義を有している。そこで、教育相談として、0〜2歳児とその保護者に対してグループ指導(親子で遊ぶ、手遊び歌、紙芝居、散歩等)や個別指導(聴力検査、補聴相談等)、懇談(養育、かかわり方、障害や子どもの理解)などを実施している。
2  幼稚部から高等部まで、一貫した教育課程の編成に努め、国語の習得、補聴器等の活用、多様なコミュニケーション手段の選択・活用、基礎学力の向上、障害の認識、適切な進路選択等の指導を行っている。

2   教育課程の編成例
   語彙の拡充や専門用語の理解、コミュニケーション上の工夫等に時間を要するため、国語や算数(数学)等の時間を多くするなどして、教育課程を編成している。
A   幼稚部の例
 
(聴覚障害の特性に配慮した教育課程) ※週時間数
領域  
健康、人間関係、環境、言葉、表現、自立活動 3歳児 4歳児 5歳児
S21時間 21時間 21時間
※自由遊び、リズム遊び、造形遊び、話合い、絵本、個別指導(発音指導・言語指導等)
 (日課は、通常は9時30分登校で14時30分下校。週1時間程度個別の指導を行っている。また、保護者が付き添う場合が多い。)

B   小学部の例(4学年)
 
(国語の授業時数に配慮した教育課程) ※年間授業時数
  国語 社会 算数 理科 音楽 図工 体育 道徳 特活 自立 総合 総授業時数
小学校 235 85 150 90 60 60 90 35 35   105 945
聾学校 244 85 150 90 60 60 90 35 35 70 70 989
 国語は抽象的な語彙を生活と結び付けて理解させたり、教材を経験と結び付けて読み取らせたりするため、授業時数を多く配当。また、自立活動の授業時数の分、総授業時数も多くなる。

C   高等部の例(理容科1〜3学年)
 
 
 生徒の実態に応じた教科・科目を用意し、基礎・基本の習得に重点を置いた指導が行える教育課程を編成。理容師資格取得のための科目履修。
 高等部の専攻科には、例えば、歯科技工科が設けられ、歯科技工士の資格取得に必要な科目を履修することができる。専門用語の理解や技術の習得に時間を要するため、通常2年課程のところを3年課程にしている。

知的障害養護学校の教育課程
1   指導の特色
 
1  知的障害という障害の特性を踏まえ、小・中・高等学校とは異なる目標・内容の教科が示されており、将来の望ましい社会参加のために、基本的には、実際的・具体的な指導内容で教育課程を編成している。
2  児童生徒の障害の状態が多様であることから、各教科の内容を基に、一人一人に応じた指導内容を選定して指導を行っている。
3  児童生徒の生活に結びついた指導を行うため、各教科、道徳、特別活動、自立活動を合わせた指導の形態(日常生活の指導、遊びの指導、生活単元学習、作業学習)を取り入れている。

2   教育課程の編成例
   小学部段階では、領域・教科を合わせた指導が多くを占めるが、中学部以降になると、教科別の指導が増える傾向にあり、高等部では、教科別の指導等だけで編成している場合もある。
 
A   小学部の例(2学年)
 
(領域・教科を合わせた指導を比較的多く取り入れた教育課程) ※年間授業時数
日常生活の指導
※朝の会、帰りの会、着替え、遊び、清掃、係仕事など
生活単元学習
※調理、買い物、製作活動、宿泊学習、集会活動、芸術的活動など
体育 音楽 自立活動
455 233 117 35 35
875

B   中学部の例(1学年)
 
(領域・教科を合わせた指導と教科別の指導を組み合わせた教育課程) ※年間授業時数
日常生活の指導 生活単元学習 作業学習
※班編成による木工、農耕・栽培、手芸などの活動
国語 数学 音楽 美術 職業・家庭 保健体育 総合的な学習の時間
123 193 210 70 70 70 70 35 105 35
981

C   高等部の例(職業科木工コース1学年)
 
(教科別の指導等による教育課程) ※年間授業時数
工業(木工)
※実習を含む
国語 社会 数学 理科 音楽 美術 保健体育 職業 情報 英語 家庭 道徳 特別活動 自立活動 総合的な学習の時間
475 18 18 35 18 25 18 90 138 18 18 59 12 106 17 33
1,098
 障害の程度が比較的軽度の生徒が在籍している学校
 国語や数学などの教科は職業生活に必要な内容を精選して指導
 作業学習等を取り入れている高等部も多い

  肢体不自由養護学校の教育課程
 
1   指導の特色
 
1  四肢体幹に障害のある幼児児童生徒が在籍している。近年は、脳原性疾患の幼児児童生徒が大半を占めるようになっており、障害の重度・重複化が顕著である。
2   1の障害の状況から、身体の動きに関する指導のほか、コミュニケーションや認知面に関する指導が不可欠である。
3  身体の動きの制約から各教科等の指導内容の一部(例えば、体育における水泳や器械運動など)を取り扱わないことがある。また、書字や計算などに時間がかかることから指導内容を精選することが必要である。
4  学習に必要な経験が不足していること、学習に時間がかかることなどから、当該学年の前各学年の教科の目標や内容に替えて学習している児童生徒も少なくない。

2   教育課程の編成例
   自立活動の時間を週当たり2〜3単位時間(児童生徒の実態に応じて)設定するため、各教科等の時数については、小・中学校の標準時数を調整している学校が多い。児童生徒の身体の動きや生活経験等を考慮して、基礎的・基本的内容を重視した教育課程を編成している。
 
A   小学部の例(2学年)
 
(前学年の教科を履修するグループがある場合の教育課程) ※年間授業時数
  国語 算数 生活 音楽 図工 体育 道徳 特活 自立 総授業時数
小学校 280 155 105 70 70 90 35 35   840
養護学校(グループa) 257 155 93 70 70 55 35 35 70 840
養護学校(グループb) 237 140 105 840
 当該学年(2学年)の教科を履修するグループaと、前学年(1学年)の各教科を履修するグループbで編成。自立活動の時間を70〜105単位時間(週当たり2〜3単位時間)設定しており、各教科の時数を調整している。

B   中学部の例(3学年)
 
(理科等の授業時数に配慮した教育課程) ※年間授業時数
  必修教科 選択教科 道徳 特活 自立 総合 総授業時数
国語 社会 数学 理科 音楽 美術 保体 技家 外国 社会 音楽
中学校 105 85 105 80 35 35 90 35 105 105〜165 35 35   70〜130 980
養護学校 105 70 105 105 35 35 70 70 105 35 35 35 35 70 70 980
 体育及び選択教科を縮減し、自立活動を年間70単位時間(週当たり2単位時間)設定するほか、理科及び技術・家庭科等の時間に配当して観察・実習等の充実を図り生活経験の不足に配慮している。

  病弱養護学校の教育課程
 
1   指導の特色
 
1  病弱養護学校に在籍する幼児児童生徒は、小児科で治療を受けているケースや整形外科で手術や訓練を受けているケース、精神科で治療を受けているケースなど多種多様であり、各校や個々の幼児児童生徒の実態に即した細かい指導が必要である。
2  病気が回復した後、転学前の小・中・高等学校(前籍校)に円滑に戻ることができるよう前籍校と綿密な連携をとりながら、下記の指導を行っている。
 
ア  学習の遅れなどの補完。(原則的には小・中・高等学校に準じた教育課程を編成)
イ  病気に対する回復意欲の向上を図る。
ウ  病気の状態を理解し、病気に対する自己管理能力を育成する。
3  教科指導においては、病気の治療や生活規制に伴う授業時数の制約、身体活動の制約及び経験の不足などに配慮して、指導内容を精選したり、指導方法や教材・教具を工夫したりして、学習効果を高めている。
4  自立活動の時間には、それぞれの疾患の特性に応じたグループ編成等により指導が行われている。
5  病状が重い場合や体調不良などのため、通学できない児童生徒に対しては、教師がその病室などに出向いたり、テレビ会議システム等を活用したりして病室などで教室の授業を受けることができるようにするなど柔軟な指導を行っている。

2   教育課程の編成例
   入院等に伴う学習空白や、治療や生活規制に伴う学習時間の制限、身体活動の制約などに配慮して適切な指導を行う必要があり、それに応じた教育課程が編成されている。例えば、心疾患・腎疾患・筋疾患の場合は、体育において内容の一部を取り扱わないことがある。また感染症への注意や生活上の規制のため室外での学習に制限がある児童生徒の場合には、理科や社会の内容の一部を取り扱わないこともある。
 
A
  小学部の例(4学年) ※年間授業時数
  国語 社会 算数 理科 音楽 図工 体育 道徳 特活 自立 総合 総授業時数
小学校 235 85 150 90 60 60 90 35 35   105 945
養護学校 245 85 140 90 70 70 35 35 35 35 105 945
 教科学習の基礎となる国語を重視しながら、病気に伴う無気力感や脱力感等を図画工作、音楽を増やすことで軽減させている。また、生活上の制限が多いことから体育の一部を取り扱わないこととしている。

B
  中学部(病院内訪問)の例(1学年) ※年間授業時数
  必修教科 選択 道徳 特活 自立 総合 総授業時数
国語 社会 数学 理科 音楽 美術 保体 技家 外国
中学校 140 105 105 105 45 45 90 70 105 0〜30 35 35   70〜100 980
養護学校 35 35 35 35 35 35 10 70 35 0 10 15 105 35 490
 学習時間の制限に配慮して授業時数を設定している。
  (訪問教育は、実情に応じた授業時数を定めることができる。)


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ