平成19年9月11日(火曜日)14時~16時
ホテルフロラシオン青山 2階「芙蓉(東)」
大南主査、香川主査代理、齋藤主査代理、浅井委員、安藤委員、太田委員、大塚委員、加藤委員、神尾委員、河村委員、君塚委員、酒井委員、佐藤委員、高山委員、野見山委員、原委員、箕輪委員、宮﨑委員
布村審議官、永山特別支援教育課長、宍戸視学官、新谷特別支援教育企画官、水野特別支援教育課専門官、古川特別支援教育課課長補佐、池尻調査官、石塚調査官、下山調査官、丹羽調査官、樋口調査官、国立特別支援教育総合研究所:小田理事長、鎌田理事
井上教育課程部会委員
【水野専門官】
予定の時間となりましたので、ただいまより第4期第1回特別支援教育専門部会を開会いたします。委員の先生方におかれましては、ご多忙のところ、また雨の中ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は第4期第1回目の会議でございますので、冒頭、事務局において議事を進めさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。また、本日は、教育課程部会の井上委員にもご参加いただいております。
【井上委員】
井上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【水野専門官】
よろしくお願いいたします。
また、本日、高山委員は若干遅れてご出席いただきます。また、關委員、竹林地委員、中井委員はご都合により欠席でございますので、よろしくお願いいたします。
最初に、文部科学省事務局におきまして人事異動がございましたので、ご報告を申し上げます。初めに、銭谷初等中等教育局長の後任といたしまして、7月6日付で金森越哉初等中等教育局長が着任いたしました。本日、若干遅れて出席させていただきます。
また、瀧本特別支援教育課長の後任といたしまして、7月11日付で永山裕二特別支援教育課長が着任いたしました。
【永山特別支援教育課長】
永山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【水野専門官】
本日の配付資料の確認をさせていただきたいと思います。配付資料につきましては、資料1から20までございます。
まず、資料1でございますが、本特別支援教育専門部会の委員名簿となっております。
資料2でございますが、初等中等教育分科会教育課程部会の運営規則でございます。
資料3でございますが、第4期教育課程部会の検討体制でございます。
資料4ですが、教育課程部会の審議状況と今後の検討課題についてでございます。
資料5ですが、教育基本法改正に関する国会審議における主な議論例となっております。
資料6ですが、第3期教育課程部会の審議の状況について、平成19年1月26日にまとめた資料となっております。
資料7でございますが、教育3法の改正についての資料でございます。
資料8ですが、教育3法改正に関する国会審議における主な議論例の資料でございます。
資料9ですが、今後の主な検討項目と検討の進め方についてということで、本年5月24日の教育課程部会で配付された資料となっております。
資料10でございますが、言語力育成協力者会議についての要綱となっております。
資料11でございますが、言語力の育成方針について(報告書案)ということで、協力者会議の報告書案となっております。
資料12でございますが、教育課程部会におけるこれまでの審議の概要についてということで、平成19年9月10日の教育課程部会で配付された資料となっております。
資料13でございますが、小学校の教育課程の枠組みについて(検討素案)ということで、本年9月10日の教育課程部会で配付された資料でございます。
資料14でございますが、中学校の教育課程の枠組みについて(検討素案)ということで、本日、午前中に開催されました中学校部会で配付された資料でございます。
資料15でございますが、高等学校の必履修教科・科目の在り方について(検討素案)ということで、本年8月28日の高等学校部会で配付された資料でございます。
資料16でございますが、特別支援教育の現状と課題、改善の方向性(検討素案)でございます。
資料17でございますが、自立活動の内容について(検討素案)でございます。
資料18ですが、知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校高等部の教科について(検討素案)でございます。
資料19ですが、特別支援教育の具体的な改善の方向性(検討素案)ということで、本年1月12日に開催されました本専門部会で配付された資料でございます。
資料20でございますが、特別支援教育関連資料ということで、特別支援教育にかかわる教育課程に関係する資料をまとめております。
そのほか机上に、参考資料といたしまして、「教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正について」(答申)、教育再生会議の第一次報告、同じく第二次報告の冊子を配付させていただきました。
本日の配付資料については以上でございます。
続きまして、第4期第1回の教育課程部会におきまして、第4期の教育課程部会の検討体制を、先ほど申し上げました資料3のとおりとすることについて、既にご了承いただいております。また、同会議におきましては、資料2にございますように、教育課程部会運営規則におきまして、専門部会の主査及び主査代理は、教育課程部会長が指名することとされております。この件につきましては、既に梶田教育課程部会長より、第3期に引き続きまして、大南委員を主査に、香川委員と齋藤委員を主査代理にご指名いただいておりますので、ご報告申し上げます。
それでは、本専門部会の進行につきましては、これより大南主査にお願いしたいと存じます。大南先生、よろしくお願いいたします。
【大南主査】
これから議事に入ります。
本日の議事でございますが、前回の専門部会において、特別支援教育の具体的な改善の方向についてご審議いただきました。その後、教育基本法や教育3法の改正など、大きな動きがございまして、また、教育課程部会での審議も進んでおります。本日はこれらを踏まえまして、教育課程部会へ報告するための特別支援学校学習指導要領等の見直しに関する特別支援教育の現状と課題、改善の方向性(検討素案)について審議をしたいと考えております。
まず、事務局から、教育3法の改正や教育課程部会での審議の状況、言語力の育成方策等について説明をお願いいたします。
【水野専門官】
それでは、ただいま主査からお話がございました教育3法の改正、あるいは教育課程部会の審議の状況等につきましてご説明させていただきたいと思います。
資料4をご覧いただきたいと思います。教育課程部会の審議状況と今後の課題についてということで、これまでの審議状況についてまとめた資料となっているわけでございます。
まず、教育課程部会は、平成17年2月に学習指導要領の見直しに着手いたしました。そこで、平成18年2月には審議経過報告を取りまとめまして、基本的な方向性に関する報告が行われたわけでございます。その後、昨年12月には教育基本法の改正が行われ、本年1月には第3期教育課程部会の審議の状況についてということで、これまでの審議状況について整理がなされました。また、平成19年3月からは、この第4期中央教育審議会が発足いたしまして、教育課程部会におきましては、今後の主な検討項目というものが示されたところでございます。その後、平成19年6月には学校教育法等の改正が行われたところでございまして、このように教育基本法、あるいは学校教育法の改正、またこれらの国会審議等を踏まえまして、現在、教育課程部会におきましては、平成19年度中の学習指導要領改訂を目指して、詰めの審議が行われているところでございます。
資料5につきましては、教育基本法改正に関する国会審議における主な議論例でございます。
また、先ほど申し上げました第3期教育課程部会の審議状況につきましては、資料6のとおり配付させていただいております。
続いて資料7でございますが、先ほど申し上げました教育3法の改正ということで、教育基本法の改正等を受けまして、学校教育法、それから地方教育行政の組織及び運営に関する法律、また教育職員免許法、教育公務員特例法等の改正がなされたところでございます。
資料8には、その教育3法改正に関する国会審議における主な議論例をまとめております。
また、資料9には、教育課程部会における今後の主な検討項目と検討の進め方ということで、それぞれ教育基本法の改正に対応する教育内容の在り方等につきまして、検討の方向性、それから教育課程部会、あるいは専門部会における分担が定められておりまして、こうしたものに基づきまして、現在、各専門部会、あるいは教育課程部会におきまして、精力的に審議が進められているところでございます。
また、資料10でございますが、中央教育審議会の審議経過報告、あるいは第3期教育課程部会の審議の状況についてというまとめの中で、人間力の向上を図る教育内容の改善の基本的な考え方といたしまして、言葉や体験などの学習や生活の基盤づくりの重視などが提言なされたところでございます。こうしたことを踏まえまして、言語力育成について協力者会議を設けまして、検討を進めてまいりました。
その結果、資料11になりますが、本年8月16日に配付されました言語力の育成方策について(報告書案)、その基本的な考え方等についてまとめられたものでございます。
また、資料12でございますが、教育課程部会におけるこれまでの審議の概要ということで、これは、昨日開催されました教育課程部会において配付された資料でございます。この中の特に特別支援教育にも関連する内容を中心にご説明させていただきたいと思います。この中では、「これまでの経緯」から始まりまして、「現行学習指導要領の理念」、「子どもたちの現状と課題」、またその「背景や原因」、「学習指導要領改訂の基本的な考え方」、また、「教育課程の基本的な枠組み」、「教育内容に関する主な改善事項」、「各教科・科目等の内容」、「教師が子どもたちと向き合う時間の確保などの教育条件の整備等」、「家庭や地域との連携・協力の推進と企業や大学等に求めるもの」という大きく10項目に分けた形で整理がなされていくこととなっております。
そのうち【P】となっておりますところは、現在、専門部会等において検討が進められているところで、今後、専門部会での報告を踏まえまして、この審議の概要の中に随時盛り込まれていくことになっております。
この審議の概要につきましては、例えば、8ページをご覧いただきたいと思います。現行学習指導要領の理念ということで、1つ目の丸では、現行学習指導要領につきましては、自ら学び、自ら考えるなどの、「生きる力」の育成といったことを重視しておりまして、2番目の丸では、平成8年の中央教育審議会答申以降、例えば、「知識基盤社会」の時代などと言われる社会の構造的な変化の中で、「生きる力」をはぐくむという理念がますます重要になっていると考えられるという指摘がなされております。
また、10ページになりますが、改正教育基本法等と「生きる力」との関係ということで、昨年12月に改正されました教育基本法においては、一番上の丸のとおり、「知・徳・体の調和のとれた発達」、「個人の自立」、「他者や社会との関係」、「自然や環境との関係」、「国際社会に生きる日本人」という観点から、具体的な教育の目標を定めております。
その下の丸になりますが、本年6月の学校教育法の一部改正によって、「小・中学校等において、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力、その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない」と定められております。
一番下の丸になりますが、ただいま申し上げましたように、教育基本法、また学校教育法の一部改正によって明確にされた教育の基本的理念は、現行学習指導要領が重視しております「生きる力」の育成にほかならないという指摘がなされております。
「子どもたちの現状と課題」というところにつきましては、12ページから13ページになりますが、例えば、国際的な調査の結果から言いますと、13ページの上の丸のところになりますが、基礎的・基本的な知識・技能の習得については、全体として一定の成果が認められる。一方で、思考力・判断力・表現力等を問う読解力や記述式の問題に課題があるという指摘がなされております。
また、14ページのところになりますが、いわゆる小1プロブレムや学級崩壊などに見られるような自制心や規範意識の希薄化、あるいは生活習慣の確立が不十分であるということ、それからいじめによる生徒の自殺、体力の低下など、子どもたちの心と体の状況にも課題は少なくないといったことも提起されております。
そして、15ページの上の丸のところになりますが、このように、評価をすべき点も少なくない一方で、生きる力で重視しております思考力・判断力・表現力等、学習意欲、学習習慣・生活習慣、自分への自信や自らの将来についての関心、体力などに課題があるといった指摘がなされているところでございます。そして、そうした背景といたしましては、(1)社会や家庭・地域の変化ということで、家庭や地域の教育力の低下といった指摘がなされております。
また、16ページになりますが、(2)学習指導要領の理念を実現するための具体的な手立てといたしまして、理念の実現のための手立てが必ずしも十分ではなかったといったことについての5つの課題が示されております。(2)の2つ目の丸でございますが、1点目といたしましては、生きる力がなぜ必要か、あるいは生きる力とは何かということにつきまして、関係者の共通理解がなされなかったという点がございます。
それから、17ページの一番上の丸でございますが、2番目としては、学校における指導につきましては、子どもの自主性を尊重するあまり、教師が指導を躊躇する状況があったのではないかという指摘がなされております。
3番目としては、現行学習指導要領におきましては、総合的な学習の時間が創設されたわけでございますが、各教科と総合的な学習の時間との適切な役割分担と連携が必ずしも十分に図れていなかったという指摘がされております。
また、次のページの一番上の丸でございますが、4点目としては、教科において、基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに、実験・観察、レポートの作成や論述といった知識・技能を活用する学習活動を行うためには、現在の小・中学校の必修教科の授業時数は十分ではないという指摘がなされております。
5番目といたしましては、学校教育における子どもたちの豊かな心や健やかな体の育成について、社会の大きな変化の中で家庭や地域の教育力が低下したことを踏まえた対応が十分ではなかったという指摘がなされております。
そのほか、(3)のところでは、教師が子どもたちと向き合う時間の確保や、効果的・効率的な指導のための条件整備といった課題についての指摘がなされているところでございます。こうしたことを踏まえまして、20ページになりますが、5点目の項目として、今回の学習指導要領改訂の基本的な考え方といたしましては、(1)として、先ほど申し上げました教育基本法等を踏まえた学習指導要領改訂が挙げられております。また、21ページには、(2)「生きる力」という理念の共有、22ページには、(3)基礎的・基本的な知識・技能の習得、23ページには、(4)思考力・判断力・表現力等の育成、25ページには、(5)確かな学力を確立するために必要な授業時数の確保、26ページには、(6)学習意欲の向上や学習習慣の確立、その下に、(7)豊かな心や健やかな体の育成のための指導の充実といったことが挙げられているところでございます。
また、続いて29ページでございますが、6.教育課程の基本的な枠組みということで、これは現在、小・中・高等学校部会等におきましても審議中でございますが、現段階でそれぞれの専門部会からの報告がなされたものがまとめられております。教育課程の基本的な枠組みといたしまして、一番上の丸の3行目のところで、1つは、幼稚園につきましては、教育内容の改善は行うものの、教育課程の基本的な枠組みについての変更は行わない。また、幼稚園、小・中・高等学校に準じた教育を行う特別支援学校、あるいは中等教育学校につきましては、それぞれ小・中・高等学校の教育課程の基本的な枠組みの変更を踏まえることが必要であるという指摘がなされております。
そこで、(1)小・中学校の教育課程の枠組みという記述がございます。①小・中学校の授業時数の現状と国際比較ということで、1つ目の丸でございますが、小・中学校はおおむね年間200日にわたって授業が行われておりまして、これは学校週5日制という世界的趨勢の中で、国際比較においても標準的な水準となっております。その具体的なところを言いますと、その下のところになりますが、学校教育活動につきましては、教育課程内の活動と教育課程外の活動とに分かれておりまして、教育課程内の活動といたしましては、(ⅰ)のところにあります各教科等の授業時数、それから(ⅱ)学級活動以外の特別活動として、学校行事等、そして(ⅲ)といたしましては、中学校における部活動等の教育課程外の学校教育活動ということになっております。
その下の3つの行になりますが、国として、すべての小・中学校に共通するものとして標準授業時数を規定しておりますのは、この(ⅰ)の教育活動に係る授業時数のみで、(ⅱ)、(ⅲ)につきましては、学校又は設置者の裁量にゆだねられているとなっております。
続いて30ページでございますが、(ⅰ)の教育課程内の活動につきましては、年間35週以上にわたって行われることを前提といたしまして、標準授業時数を計算することとなっております。また、(ⅱ)の教育課程外の活動につきましては、学校の裁量等によって、これらの活動を実施する時間の確保等を図るため、学習指導要領の年間授業時数を増やすことは適当ではないという指摘がなされております。
また、下の丸でございますが、授業の1単位時間につきましては、授業時数の計算上は45分、中学校は50分として年間授業時数を確保しつつ、授業時数の区切り方を変えるなど、創意工夫ができる仕組みとなっておりまして、これにつきましては維持することが適当であるという形になっております。それから、小・中学校の授業時数の現状でございますが、文部科学省の調査によりますと、下から2つ目の丸ですが、9割程度の公立小・中学校におきましては、標準授業時数を上回って授業時数が設定されております。
それから、続いて32ページのところでございますが、小学校の授業時数についてということで、(ⅰ)各教科の授業時数が示されております。その1つ目の丸で、小学校におきましては、基礎的・基本的な知識・技能の定着を図るとともに、実験・観察、レポートの作成といった知識・技能を活用する学習時間を充実させる観点から、国語、社会、算数、理科の授業時数を増加する必要があるということ。その下の丸ですが、特に低学年では国語と算数、体育を増加する、中学年では国語、算数、体育に加え、理科を増加する、高学年では算数、理科について確実な知識・技能の習得とともに、それらを活用する学習活動の充実を図ることを重視する、また、社会についても中・高学年で授業時数を若干増加する、と示されております。
そして、その下の丸ですが、そのため、教科全体を通じて、おおむね350単位時間を目途に増加させる必要があるということとされております。
それから33ページの上の丸でございますが、学習指導要領教科等の教育活動は年間35週以上にわたって行われることと規定されておりまして、その段落の一番下ですが、原則として35の倍数にすることが望ましいという指摘がなされております。
それから、小学校段階の外国語活動(仮称)につきましては、現在、各学校における取組に相当ばらつきがあるため、国として各学校において共通に指導する内容を示すことが必要であるということ、そして、その下の行で、総合的な学習の時間とは別に、高学年において一定の授業時数、これは年間35単位時間、週当たりにすると1コマ程度を確保することが適当であるとされております。
その下の総合的な学習の時間についてでございますが、体験的な学習活動、あるいは教科等を横断した問題解決の学習、探究活動に取り組むことは今後とも重要であるということが示されております。しかしながら、総合的な学習の時間で行われることが期待されていた教科の知識・技能を活用する学習活動を各教科の中で充実すること、また、高学年において外国語活動を設けることなどから、総合的な学習の時間の授業時数につきましては、各学年において35単位時間、週1コマ程度縮減することが適当であるということになっております。
その下の年間の総授業時数につきましては、一番の下の丸でございますが、総合的な学習の時間を中学年、高学年で、各学年35単位時間程度、4年間で140単位時間程度縮減するとなっております。
また、その下ですが、高学年におきまして外国語活動を創設しまして、第5学年、6学年の2年間で70単位時間程度充てる、さらにその下で、国語、社会、算数、理科及び体育に関しまして、これらの各科目を通じて6年間で350単位時間増加させるためには、6年間で総授業時間数を280単位時間程度増加させる必要があるとなっております。
続いて34ページの一番上のところで、以上のことから、低学年では70単位時間、中・高学年で年間35単位時間程度増加させることが適当ということが記述されております。
それから、中学校、高等学校につきましては別の資料がございますので、また後ほどご説明させていただきたいと思います。
幼稚園教育につきまして、資料の41ページになりますが、「各教科・科目の内容」ということで、学校段階における教育内容ということで示されておりまして、幼稚園におきましては、2つ目の丸の下のところになりますが、改善の具体的事項といたしまして、発達や学びの連続性を踏まえた幼稚園教育の充実、そして次のページの下から3行目になりますが、幼稚園での生活と家庭などでの生活の連続性を踏まえた幼稚園教育の充実、また43ページの中ほどより少し上になりますが、子育ての支援と預かり保育の充実といったことが盛り込まれております。また、先般行われました幼稚園教育専門部会におきましては、特別支援教育に関連いたしまして、個々の発達の特性を踏まえた指導や将来を見通した支援体制の充実などについての意見が出されております。
その後、各教科につきましては、現在、芸術、体育につきまして、報告が盛り込まれております。今後、各教科についての報告が随時なされる予定になっておりまして、57ページのところで(3)特別支援学校となっております。本専門部会の報告につきましては、ここの部分で盛り込んでいく予定となっております。
そのほか、58ページになりますが、教育条件等の整備、そして64ページで家庭や地域との連携・協力の推進等について盛り込まれているところでございます。
資料14になりますが、中学校の教育課程の枠組みについて(検討素案)ということで、本日出された資料でございます。この中では、2ページになりますが、今後の教育課程の枠組みにつきましては、(1)必修教科と選択教科等とのバランスということで、(1)の下の丸のところでは、選択教科の授業時数を縮減し、必修教科の教育内容や授業時数を増加することで、カリキュラムの共通性を高める必要があるということ。また、(2)のところでは、各教科等につきましての授業時数の増加等についての提案が盛り込まれております。これにつきましては、本日の午前中の教育課程部会の中学校部会におきましても、様々なご意見が出されたところでございます。
続いて資料15でございますが、高等学校の必履修教科・科目の在り方についてということで、こちらも現在、検討中のものでございます。2ページのところで、高等学校における必履修教科の在り方についてということで、1つ目の丸のところでは、引き続き必履修教科・科目を設定することが適当ということ、その下の丸のところでは、必履修教科の範囲と単位数につきましては、現行の教科を基本とすることが適当ということ、その下のところでは、現行どおり標準となる単位数を設定することが適当ということが示されております。
また、次の3ページの一番上の必履修科目の在り方につきましては、現行の必履修科目の単位数を原則として増加させないということ、実際の高等学校の教育課程編成における履修単位数を踏まえ、学校の選択肢を拡大するといった方法が考えられるという内容が盛り込まれておりまして、高等学校につきましても、今後さらに専門部会における審議が進められる予定となっております。
教育課程部会における現在の審議状況につきましては、以上でございます。
【大南主査】
ありがとうございました。
それでは、資料16「特別支援教育の現状と課題、改善の方向性(検討素案)」についてご意見を伺いたいと思います。この資料は、教育課程部会でのご意見や本専門部会のこれまでのご意見などを踏まえて、事務局において再度整理したものでございます。論点ごとに区切って審議を進めてまいりたいと思います。まずは、現状と課題、改善の方向性の1です。「特別支援学校における教育課程の改善」の「教育目標」、「自立活動について」まで事務局からご説明をいただいて、その後、委員の皆様方からご意見等を伺いたいと思います。では、お願いします。
【水野専門官】
それでは、資料16の1ページから3ページの上の(2)のところまで、区切ってご説明させていただきたいと思います。資料16につきましては、昨年9月に本特別支援教育専門部会での報告の資料をベースといたしまして、その後の特別支援教育専門部会における審議といたしまして、本年1月に具体的な改善方策案ということも含めた資料19をお配りさせていただいております。こちらも参考にご検討いただければと思います。
まず、現状と課題につきましては、これは昨年同様、特別支援学校、それから小・中学校における特別支援学級、通級による指導の枠組み、また幼稚園から高等学校における障害のある子どもに対する指導内容、方法の工夫をするとされていること。そして、大きな制度改正といたしまして、平成19年度から盲・聾・養護学校から特別支援学校に転換されたという現状があります。
また、課題といたしましては、1ページのところでは、特別支援学校における児童生徒の障害の重度・重複化、多様化が進んでいるということ。2ページになりますが、一番上のところで、特別支援学校におきましては、在籍する子どもたちへの教育を行うことはもとより、地域の幼稚園、小学校、中学校、高等学校に対して支援を行う特別支援教育のセンター的機能を果たすことが求められているということ。また、その下で、卒業者の就労を支援するため、企業や労働関係機関等との連携を図った職業教育や進路指導の一層の改善が求められているということ。また、その下の丸でございますが、福祉、医療、保健、労働等の関係機関との連携を図って、一人一人のニーズに応じて適切な支援を行う個別の教育支援計画の策定と、その効果的な活用を図っていくということ。
そしてその下の丸で、小・中学校の通常学級におきましては、文部科学省の調査では、LD、ADHDの児童生徒が約6%の割合で存在する可能性が示されているところでございます。
これらの児童生徒も含めまして、幼稚園から高等学校において障害のある幼児児童生徒に対して適切な指導及び支援を行うといったことが求められているということ。そして、障害のある子どもと障害のない子どもとの交流及び共同学習につきまして、その一層の促進と効果的な実施が求められているという課題がございます。
改善の方向性といたしまして、3番目のところでございますが、1つ目は、こうした社会の変化や幼児児童生徒の障害の重度・重複化、また多様化への対応をすること。2つ目といたしましては、複数の障害種別に対応した教育を行うことのできる特別支援学校制度の創設。また、3つ目といたしましては、幼稚園から高等学校におきましても、特別支援教育を行うことが学校教育法上も明確に規定されたことを受けまして、こうした変化等に対応して、一人一人の教育的ニーズに応じた適切な教育や必要な支援を行う観点から、教育課程の基準の改善を図る必要があるわけでございます。
改善例につきましては、「1 特別支援学校における教育課程の改善」ということで整理をさせていただきました。また後ほど説明いたしますが、2として幼稚園から高等学校の改善、3といたしまして、交流及び共同学習について、4といたしまして、教育課程の関連事項として教員の専門性の向上という形で、昨年の資料を再度整理させていただいたものでございます。
(1)教育目標についてということでございます。こちらにつきましては、資料20「特別支援教育に係る教育課程関係資料」の1ページをご覧いただきたいと思います。特別支援学校の教育目標につきましては、参考資料1にございますように、まず、学校教育法におきましては、特別支援学校の目的ということで、「幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施す。」ということと、「障害による学習上又は生活上の困難を克服し、自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。」という規定がございまして、この「障害による学習上又は生活上の困難」という部分につきましては、平成18年の学校教育法の改正によって、必要な修正をしたところでございます。
そして、その下の学習指導要領でございますが、特別支援学校におきましては、学校教育法で目的を定め、学習指導要領で教育目標を定めております。教育目標におきましては、小学部、中学部においては、こちらにございますように、小学部では小学校の教育目標、中学部は中学校の教育目標ということで、これは現在の学習指導要領の規定でございますので、それぞれ小学校、中学校の教育目標という規定になっております。そうした小・中学校の教育目標とあわせて、3のところで、「児童及び生徒の障害に基づく種々の困難を改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養うこと。」という規定がございます。
今回、学校教育法におきまして、特別支援学校の目的の改正、ここは具体的に「障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために」という形の改正がなされたことを踏まえまして、この学校教育法におきます教育目標の記述ぶり、教育目標では3のところになりますが、障害に基づく種々の困難を改善・克服という現在の記述を、その法律での規定に合わせた形で教育目標の見直しをしたらどうかというのが1点ございます。
続いて(2)自立活動につきましては、資料16の2ページになりますが、自立活動につきましては、現在5区分のもとに22項目が示されているところでございます。社会の変化や幼児児童生徒の障害の重度・重複化、自閉症、LD、ADHD等を含む多様な障害に応じた適切な指導を一層充実させるという観点から、具体的には資料17になりますが、こうしたことを踏まえまして、例えば、他者とのかかわり、他者の意図や感情の理解、自己理解と行動の調整、集団への参加、感覚や認知の特性への対応などに関する内容を項目に盛り込むことはどうかということでございます。
また、その次の丸でございますが、現行の5区分に加え、新たな区分として「人間関係の形成(仮称)」を設け、それぞれの区分と項目の関連を整理したらどうかということでございます。
資料17をご覧いただきたいと思いますが、これにつきましては、本専門部会におきましても、発達障害の子どもたちへの対応といたしまして、例えば、他者とのかかわりの基礎や他者の意図や感情の理解等々についてのご意見が出されました。これにつきまして、事務局で新たに盛り込むこととして必要な内容はどのようなものがあるかということで、四角の丸のさらに下の「・」です。例えば、「自他の区別や基本的信頼感」、あるいは「他者に関心を持って積極的にかかわろうとすること」など、幾つか盛り込むべき内容として考えられるものを挙げました。そして、それぞれの内容を大きくはこの5つの丸に分類した形で整理したものでございます。
そして、この丸のついているもののうち、「他者とのかかわりから集団への参加」につきましては、現行の区分・内容の中では2つ目の四角のところで、「心理的な安定」の「2 対人関係の形成の基礎に関すること。」の中に含まれるものではありますが、発達障害も含む障害に対応するという意味から、こうした内容を新たに自立活動の内容として示したらどうかということで、「人間関係の形成」という区分として、現行の「対人関係の形成の基礎に関すること。」を独立させた形で整理したらどうかと考えたものが、この資料となっております。
一番下の丸、「感覚や認知の特性への対応」につきましては、人間関係の形成というくくりよりは、この「環境の把握」の中に内容として追加するという形で自立活動の内容を整理したらどうかということで、検討素案という形でまとめたものでございます。したがいまして、現行に比べまして、5区分から6区分ということで、新たに盛り込む区分と内容の案をお示しさせていただいた部分でございます。
また、これは主な内容でございますので、それ以外に、現行の内容の中におきましても、必要な修正等は行っていきたいと考えておりますが、自立活動の区分、内容の大きな改正といたしまして、こうした改正をしたらどうかというものが資料17で示させていただいているところでございます。
それから、審議会の議論の中では、例えば、ストレスへの対応や自尊感情について示したらどうかというご意見もございました。これにつきましては、内容として1つの項目として示すというよりも、各項目を関連付けた具体的な内容として指導していくという形の方が適当ではないかということで、内容として直接示しているわけではございませんが、自立活動につきましては、特定の区分の内容だけを指導するというものではございませんので、そうした学習指導要領に定める内容の中から選定し、相互に関連させて、具体的な内容を設定するという中で、ご指摘のあった点につきましても指導していくという形で対応していくことが適切と考えております。
資料16に戻りますが、3ページのところで、自立活動に関連いたしましては、上から2つ目の丸でございますが、実践を踏まえた評価を行うということ、そして3つ目の丸でございますが、幼児児童生徒が活動しやすいよう、自ら環境を整えたり、必要に応じて周囲の人の支援を求めたりするような指導についても配慮することを明確にするというような改善をしてはどうかということで、整理したものでございます。
現状と課題、そして改善例の1の(1)、(2)につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。
【大南主査】
それではご意見をいただきたいと思いますが、前半の部分で、教育課程の改善全体についての説明がたくさんありましたので、ご意見をいただくのはまた次の機会もありますので、今回は大体1区切りずつ15分か20分ぐらいでご意見をいただきたいと思います。それでもう4時近くになるだろうと思いますので、よろしくご協力をお願いいたします。
それでは、現状、課題、それから教育目標、自立活動までご意見をいただきたいと思います。どうぞ、加藤委員。
【加藤委員】
自立活動について新たに盛り込む内容、非常にいい内容だとは思うんですが、今ある内容を削るということではなくて、これを追加する、児童生徒にはまた負担になるということなのかどうかというのが1点です。
あと、発達障害の中で、例えばアスペルガー症候群や高機能自閉症のような方は、他の人とのかかわりが非常に持ちにくい方なんです。こういったことがもちろんできればいいんですけれども、それよりはお互いに認め合うというか、いろいろな発達障害の方がいるということも前提にした書き方にしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
【大南主査】
今の2点、よろしいですか。
【水野専門官】
最初の点、削るのか、追加するのかということでございますが、先ほど申し上げましたように、新たに追加することで考えました内容として、特に人間関係に関することが重要だということで、これを示させていただきました。現行の内容の中で、「対人関係の形成の基礎に関すること。」というのがありますので、この部分を独立させた項目といいますか、区分にするという形で、新たな内容として盛り込もうと考えております。
ただ、自立活動の内容につきましては、すべてをやりなさいということではなくて、子どもの実態に応じて必要な内容を選定するということでございますので、例えば実態把握、あるいは指導に当たっての観点といいますか、内容として新たに示すものでございますので、示すことによって子どもに対して過重な負担がかかるとかいうことではございません。
【大南主査】
他に何かございますか。
【下山調査官】
2点目については私の方から回答いたします。
先生のご指摘のとおり、アスペルガー症候群の子どもなどは、他者のかかわりが持ちにくいという特殊性があるのだろうということで、そういった子どもへの指導、あるいは自閉症の子どもへの指導の充実が求められております。その中で、自立活動は、障害がある子どもに必要な指導が子どもの実態から組み立てられるように、必要な指導がそこに盛られているように指導の内容を設定しているわけですけれども、なかなか今までの表現だけでは自閉症の子どもやアスペルガー症候群の子どもに必要な、他者とのかかわりの基礎や自己理解に関する指導が読みにくいという声が多数ございました。
ですから、必ずしも発達障害の子どもだけを対象にしているわけではなくて、他者とのかかわりの基礎をこれまで障害の重い子どもの指導でも十分丁寧に行われてきたという実態もございましたので、それを含めて人とのかかわりの指導がより充実するようにということで、これらの項目を新たに設定した方がよいのではないかということでございます。
一口で言うならば、自立活動の指導に、こういう自閉症やアスペルガーの子どもに必要な指導が組み込まれているというふうに読んでいただけるような思いで、これを代表選手として起こしたものでございます。よろしいでしょうか。
【大南主査】
今の点については、学習指導要領そのものには書ききれないと思いますので、学習指導要領の解説の総則の部分、もしくは自立活動の解説がありますので、そこで今、加藤委員がご指摘のようなところ、要するに、障害の特性に対して、自立活動の目標や内容をどのような形で指導するのかというところを押さえる必要があるだろうと思います。
他にいかがでしょう。どうぞ、安藤委員。
【安藤委員】
教育目標についてお尋ねします。
先ほど資料20で、改正学校教育法、平成19年6月27日の第71条の後段部分についてご説明がありました。非常に適切な文言が使われて分かりやすくなったと思う一方で、目的と目標との構造といいますか、小学校、中学校等においては第17条、18条、それから第35条、36条で目的と目標をカップリングして示すという形で、改正においては学校教育法という法律の中に示しているわけです。
ところが、様々な社会的、歴史的な背景から、特別支援教育については第71条に目的は示すけれども目標は学習指導要領に示すという、変則的なというふうにとらえていいのか分からないんですが、そういう示し方をしてきたわけです。今回も、このような示し方については基本的に変えないということだと思うんですけれども、このことについて、変則であるのかどうか、どういうふうにとらえられているのか、今後もこういう考え方をとるのかどうか、例えば、学生に授業でこういう教育課程とかカリキュラムの話をする際に、私個人は、他の学校との関係から言った時に、変則的な示し方をしているという説明をせざるを得ないんです。
これが変則なのか、そうではないのか、今後、どう考えるのかということについて、是非お教えいただければと思います。
【大南主査】
今の点についてはいかがでしょう。
【水野専門官】
学校教育法におけます目的と目標につきましては、今、先生のご指摘のとおり、例えば、資料7の教育3法の改正についての2枚目から学校教育法の新旧対照表が載っております。この中では今回、例えば義務教育の目標とか、小学校、中学校、高等学校ということで、それぞれ目的、目標が定められております。特別支援教育につきましては、新しい学校教育法では第72条のところで、特別支援学校は、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すという規定がございます。この準ずる教育を施すというのは、それぞれ小・中学校等の教育目標の達成に努めるといいますか、達成を目指した教育を行うということで、法律上は特別支援学校につきましては目標というものは再度示してはいないんですが、この特別支援学校の中の「準ずる教育を施す」というところで、幼稚園から高等学校までそれぞれの目標の達成に努める教育を行うという解釈となっております。
学習指導要領におきまして、教育目標としてさらにそれを具体的に示すということで、法律と比べましてあまり変わりはないんですが、もう少し具体的な内容として、現行学習指導要領では1、2、3というような形で示してあるわけで、法律上、先ほど申し上げましたように、同じものを繰り返して書くというよりも、準ずる教育を施すというところで整理されておりまして、具体の目標は学習指導要領で示すという形になっているわけでございます。従来からそのような形となっておりまして、今回の学校教育法の改正におきましても、同様の整理を行っているという状況でございます。
【大南主査】
ということでございますので、是非ご理解をいただければと思います。他にいかがでしょう。箕輪委員、どうぞ。
【箕輪委員】
資料16の2ページの上から2つ目にあります特別支援学校卒業者の企業への就職が厳しいという箇所について、準備が全員同じようにできていないという意味での難しさもあるかとは思うんですが、平成18年度の全体の就職者数が約4万4,000人という厚生労働省の発表の中で、そのうち88%ぐらいは5月から3月までの学校卒業時ではない時期に採用しているという、雇い入れ側のタイミングの問題もありました。
そういった意味では、障害の重さとか働く力の問題ということではない事情というのも、学校がいろいろ努力していっても、どうしても連携というのが外せないという事情が永遠に残るものだと思いますので、企業への就職が厳しい状況の要因について、もう1つ、雇い入れ側のタイミングもあるということがあまり理解されていないような気がしております。ここに盛り込むことではないのかもしれないんですけれども、いろいろと内容を努力していただいても、最終的には連携をとることが、地域としては必ず残っていくということを何らかの形で皆さんに知っていただきたいと思いまして、1つお伝えいたします。
また、資料17で、新たに盛り込むことが考えられる主な内容の中で、他者とのかかわりは本当に重要だと思っています。実際に学校を卒業して社会に出る時に、知識とか技能よりも、ここの部分に困難があって、トラブルになることが多いのです。
例えば、細かいところでですけれども、他者に関心を持って積極的にかかわるかかわり方、関心の持ち方が、マイナスの部分といいますか、お互いできるところを認め合ったりとか、こんないいところがあるとか、よいところで補い合うというよりは、学校の中ではうまくできないところを助け合おうとか、そういったマイナスの部分をカバーし合おうというような働きかけというのが、一部のところかもしれませんが、相当強いように感じています。
もっともっと生徒同士、先生と生徒の間でも、こんなにいいところがあるというプラスの面を見るような目を養っていただけるように、同じかかわり方でもそこを強調していきながら、お互いにこんなこともできるんだ、こんなこともしているんだというふうにプラスの方に持っていける内容になってくると、より一層よい形で育っていくのではないかと思いました。
【大南主査】
今の2点については重要なことですので、解説等で触れられるように記録にとどめておいていただければと思います。
時間の関係で、その次に進ませていただきます。資料16の「特別支援学校における教育課程の改善」の「(3)重複障害者等の指導について」から「(10)ICFの視点について」というところまで、事務局からご説明をいただいて、また皆様方からご意見をいただきたいと思います。では、お願いします。
【水野専門官】
それでは続きまして、資料16の3ページの(3)から説明させていただきたいと思います。
(3)重複障害者等の指導についてということで、まず1つ目の丸は、重複障害者につきましては、一人一人の実態に応じ、より弾力的な教育課程を編成することができるようにするということで、この箇所は、特別支援学校におきまして複数の障害に対して教育を行うこともできるという規定になったことを踏まえまして、重複障害のある児童生徒に対して、より弾力的な教育課程編成を可能にしていこうということでございます。
その次の丸でございますが、学校全体の組織的な対応のもとで、複数の教員等の協力による適切な指導を行うことということはもとより、必要に応じて医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理学の専門家等の助言や知見などを指導に生かすことを明確にするということ、その下の丸でございますが、訪問教育について、指導内容、方法等の工夫、改善を図ることを明確にするという点でございます。
それから、(4)知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科についてということで、知的障害者に対しましては、その障害の特性に応じた独自の教科構成、また教科の目標、内容を定めているところでございます。その内容等につきましては、社会の変化や児童生徒の実態等を踏まえた、より分かりやすい表記となるような見直しを行うということ。また、高等部におきまして、生徒の実態や卒業後の就労の状況等を踏まえた職業教育を一層進めるということから、福祉に関する基礎的・基本的な内容で構成する新たな専門教科として、「福祉」を新設するということでございます。
これにつきましては、資料18をご覧いただきたいと思います。こちらは、ただいま申し上げました「福祉」についての検討素案ということで、幾つか考えられるものを整理させていただきました。知的障害特別支援学校高等部におきましては、こちらにございますように、普通教育に関する教科といたしまして、必履修と、選択として「外国語」、「情報」が示されております。また、専門教育に関する教科といたしまして、現在、「家政」、「農業」、「工業」、「流通・サービス」が示されております。この「流通・サービス」につきましては、前回の改訂におきまして、例えば、販売や事務、清掃といった就労動向を踏まえまして、流通サービスに関する内容をまとめた新たな教科として新設したものでございます。
この専門教育に関する教科につきましては、その下の丸のところでありますが、専門教育に関する学科においては、この専門教育に関する教科を1つ以上履修させるものとなっております。また、専門学科では、すべての生徒に履修させる専門教育に関する授業時数は875時間を下らないものとするということで、これはいわゆる専門高校と統一する形で、職業に関する学科についての授業時数を定めているわけでございます。
この専門教育に関する内容として、新たな教科、「福祉」として主な内容の案ということで、丸をいくつか示させていただいておりますが、例えば社会福祉についての興味・関心や実習、また適切な介護や援助する態度、介護におけるかかわり方、あるいは福祉器具やコンピュータ等の操作や活用、また、社会福祉に関する基礎的・基本的な知識と技術ということで、社会福祉の制度やサービス、また家事援助、介護技術、福祉機器・用具といったことについてまとめたものを示そうと考えているところでございます。
特に現行では、比較的軽度の生徒を対象といたしました高等部単独の特別支援学校等におきましては、多様な職業教育が実施されておりまして、その中でも、例えば福祉コースというものを設けまして、福祉に関する教育を既に実施している学校もございます。そうした動向を踏まえまして、新たに福祉に関する内容をまとめた教科を、知的障害特別支援学校高等部の専門教科として示したらどうかという提案でございます。
資料16に戻りますが、(4)の3つ目の丸でございますが、知的障害特別支援学校におきましては、幼児児童生徒が習得した知識・技術等を、実際の生活の中で活用できるよう工夫する旨をより明確にしていくということでございます。
また、その下の(5)職業教育に関する教科等についてということで、以下、特別支援学校全体にかかわる内容ですが、1つ目は、高等学校の専門教科の改善の方向やその後の社会の変化等を踏まえまして、必要な見直しを行っていくということでございます。
2つ目は、現場実習などの体験的な学習の一層の重視、また、先ほどご指摘もございましたが、地域や産業界との連携を図り、企業関係者などの外部の専門家の方を積極的に活用していくということ、3つ目が、進路指導に当たっては、関係機関との連携を図りながら、早い段階からの進路指導の充実をしていくということでございます。
次のページにまいりまして、(6)指導方法等の改善についてございますが、情報機器の活用等による効果的な教科指導や授業形態や集団の構成の工夫といったことが挙げられております。こうした内容は既に学習指導要領にも記載されておりますが、特に個別の指導計画に基づきまして、そうした授業形態、あるいは集団構成を工夫した一層の効果的な指導の必要性というのを明確にしていったらどうかということでございます。
また、特別支援学校学習指導要領には、幼稚部の指導や各教科の配慮事項につきましては、障害の種別に応じた配慮といったものが示されておりますが、その特性や社会の状況の変化等を踏まえた見直しを行っていくということでございます。
次に、その下の(7)個別の指導計画についてでございます。現在、特別支援学校は、自立活動及び重複障害者の指導に当たっては個別の指導計画を作成するということとされておりますが、これにつきましては、各教科等における配慮事項なども含めまして、全体で個別の指導計画を作成することを明確にするということでございます。
その下の(8)でございますが、現在、学習指導要領におきましては、「家庭、児童福祉施設、医療機関等との連携を密にし、指導の効果をあげるよう努めること。」という規定がございますが、これをさらに拡大いたしまして、家庭や福祉、医療、保健、労働関係機関との密接な連携を図って、一人一人のニーズに応じた適切な支援を行うための、個別の教育支援計画の策定やその活用を図ることを明確にするということ、また、この個別の教育支援計画の策定に当たりましては、家庭との連携を図った取組を一層進めることを明確にするということでございます。
続いて、(9)特別支援教育のセンター的機能ということで、これも現在、学習指導要領におきましては、「地域における特別支援教育に関する相談のセンターとしての役割を果たすよう努めることと。」されておりますが、これをさらに進めまして、地域の特別支援教育のセンターとしての役割を果たすよう努めるということで、幼稚園から高等学校等の要請によりまして、障害のある幼児児童生徒、又は教員に対して必要な助言、援助を行うということ。また、組織的に取り組むための校内体制の整備、他の特別支援学校や地域の幼稚園、小・中・高等学校等との連携を図ることを明確にするということでございます。
10点目でございますが、ICFの視点ということで、ICFの考え方を踏まえまして、自立と社会参加を目指した指導の一層の充実を図る観点から、ICFの文言そのものを盛り込むというわけではございませんが、その考え方を踏まえまして、例えば、幼児児童生徒の的確な実態把握、関係機関との効果的な連携、環境への配慮などを盛り込むといった点でございます。
以上が、先ほど申し上げましたことに追加いたしまして、重複障害者の指導から以下の特別支援学校に係る改善の方向性の検討素案でございます。よろしくお願いいたします。
【大南主査】
それでは、(3)から(10)までのところでご意見をいただきたいと思います。加藤委員、どうぞ。
【加藤委員】
3番目の重複障害等の指導の2番目の丸で、必要に応じて心理学の専門家と、「心理学」を入れていただいたのは非常にありがたいんですが、栄養士は入らないんでしょうか。栄養障害があったり、経管栄養をしなきゃならない重複障害の方は多いかと思います。
【大南主査】
はい、どうぞ。
【水野専門官】
現在、様々な資格がありまして、いろいろな専門家の方に実際に特別支援学校にかかわっていただいて、非常に大きな効果を上げているということは十分認識しております。
それで、ここの箇所ですが、これ以外にも様々な資格の専門家の方がいらっしゃいまして、これを全部列挙するというのも、ではどこまで列挙したらいいのかという問題もございます。どれが代表的なのかと限定するのもなかなか難しいところではございますが、私どもとしましては、いくつか代表的な資格、特にずっとかかわりが深い、他の資格がかかわりが深くないというわけではないのですが、かかわりが深いものを挙げまして、これ以外にもあり得るということで、「心理学の専門家等の助言や知見など」という形で、すべてを列挙するのが難しいものでございますので、一応、代表的なものとして、ある程度まとめさせていただきました。
【大南主査】
どうぞ、河村委員。
【河村委員】
質問です。今の重複障害者等の指導についての1つ目の丸ですが、より弾力的な教育課程の編成ということです。現在でも、様々な形で教育課程編成の特例が定められていて、いろいろな形で実態に応じた教育課程の編成が可能になっていると思うんですが、ここではより弾力的な教育課程の編成ができるようにするとおっしゃっているので、「より」と言うと、例えば、どのようなことを想定していらっしゃるのか、今のお考えをお聞かせいただければと思います。
【水野専門官】
ただいまお話がございましたが、重複障害者等に対する教育課程の特例につきましては、資料20の6ページのところに示させていただいております。この重複障害者等につきましては、ご覧いただけますように、現行でもかなりいろいろな形で実態に応じた対応ができるようになっているわけでございます。
それで、より弾力的なというところで、内部で検討中でございますが、私どもで考えておりますのは、重複障害のある子どもの実態等を見ますと、知的障害を併せ有する子どもというのが非常に多い状況になっております。それで、例えば、この表の中の(1)の②のところで、知的障害を有する子どもにつきましては、知的障害者を教育する特別支援学校の各教科に代替することが可能となっているわけでございますが、中にはすべての教科につきまして代替するという形で、知的障害を併せ有する子どもが、知的障害特別支援学校以外にもかなり在籍しているということもあるわけでございます。特に高等部段階におきましては、知的障害特別支援学校以外は単位制を基本としているわけでございますが、他方、知的障害特別支援学校は単位制というのがなじまないことから、授業時数での卒業認定とか、あるいは教科・領域を合わせた指導など、教育課程の構成自体が異なっております。
そこで、併せ有する知的障害がかなり重い子どもにつきましては、知的障害特別支援学校の教育課程の編成で、例えば単位制ではなく授業時数での認定でも可能とするとか、あるいは知的障害特別支援学校の教科による指導とか、道徳、特別活動、総合的な学習の時間といった、領域構成も知的障害特別支援学校に合わせた形にできるような方策はいかがなものかという方向で検討しております。特に特別支援学校の中で知的障害の子どもを教育する教育課程と、知的障害を併せ有する子どもを教育する教育課程があった場合に、かたや授業時数、かたや単位数という、現行はそういう形になっております。そこをもう少し弾力的に、子どもの実態に合わせた教育課程を編成できるような仕組みはどうだろうかということで、まだ内部で課題等は整理中でございますので、審議会にお諮りする段階ではないんですが、例えばそのような形での重複障害の教育課程編成について、現在、検討している状況でございます。
【大南主査】
どうぞ、太田委員。
【太田委員】
1点は、先ほど心理学の専門家のところで出たわけですけれども、心理学のところは心理学の専門家という形で書いていただいているんですが、大学の特別支援教育にかかわるところでは医学と心理学と教育学の分野があるわけで、なぜここには教育学の専門家というのは入っていないのでしょうか。教育学の専門家がやっていることはすぐに役立たないように見えるんですが、実際は学校の指導ですから、非常に重要なところの役割を担っているはずです。例えば、臨床心理士などのように○○士という形で教育学の専門家は出てこないわけですが、心理学の専門家ということで、同じように教育学の専門家ということはなぜ並ばないんだろうというのが1点目です。
それから、知的障害のところの2つ目の、専門教科としての「福祉」を新設するというところでは、これは、例えばヘルパー等の職業につながるようなことを念頭に置いておられるのかというのが2点目です。
それから3点目は、その次の実際の生活の中で活用できるような工夫という、従来であれば、指導の形態ということで、生活単元等々を解説の中で詳しく書いておられるわけですけれども、何かそういうことが、この場合もやっぱり念頭に置かれるのかどうかというお尋ねです。
【大南主査】
今の点、いかがでしょうか。
【水野専門官】
1点目ですが、先生のご指摘にございましたように、教育学の専門家といいますか、そうした大学等の先生方との連携というのは、言わずもがなといいますか、当然のことだとは考えております。
この重複障害のところで書いておりますのは、そうした障害の重い子どもに対しての専門性といたしまして、どちらかと言えば医学的な部分等の専門家の指導をさらに活用したらどうかというご指摘もございましたので、このような形でまとめさせていただきました。決してこれ以外の専門家の方が必要ないということではございませんが、特に重複障害の子ども、自立活動の指導等に当たりましては、そうした面での教育以外の専門家の方も活用した指導を取り入れたらどうかということで、特にこうした部分について書かせていただいているものでございます。教育学の専門家など、書き出すとそれ以外にもいろいろ入ってくるわけでございます。特に医学関係のものについての必要性をあえて書かせていただいたところでございます。
2点目、3点目は調査官からご説明させていただきます。
【石塚調査官】
当初、ホームヘルパーの3級、中にはもう高等部で2級を取っている子どももいるんですが、3級を取るようなことを濃厚に想定した考えもあったんですけれども、実はホームヘルパーの資格制度が変わっていくこともあります。ですから、今の段階では、取れるに越したことはないんですが、資格取得を中心に目指すのではなくて、福祉的な就業先を想定した学習をそこできちんとすることが念頭に置かれるものと現在は考えています。
それから、生活に役立つというところなんですが、これも十分に検討しているわけではありませんが、学習指導要領の小・中の23ページの下のところに、例えば、「第2.指導計画の作成と各教科全体及び各教科の内容の取扱い」というところがあります。そこの「2」の後段に、「個々の生徒の実態に即して、生活に結び付いた学習活動が展開できるよう配慮するものとする。」とあります。これは小学部・中学部・高等部全体を通じて書いてあることなんですけれども、この箇所について、知的障害の子どもに対する教育をするに当たっては、きちんと生活に役立つということを前提にして進めるということを少し明確に書けないかと考えてはおりますが、まだ明確に定まってはおりません。
【太田委員】
専門家のところで、言わずもがなだということもよく分かるんですが、逆にここに名前が出てくることによって、これは私が感じている現状なんですが、大学の関係者の教育学の分野というのは、私としてはかかわりが非常に弱いと思っているんです。ここに出てくることによってより重要な役割を演じるはずである教育学の人たちも、もっと活動してほしい、そのために、学習指導要領があるわけではないですけれども、そういう思いもあって、今の発言をしたということです。
【大南主査】
酒井委員、どうぞ。
【酒井委員】
4ページの一番上の(6)指導方法等の改善についての2つ目の丸なんですが、「幼稚部の指導や」というところに、「社会の状況の変化等を踏まえた見直し」とありますが、これがどういったことを想定されてこの文言になっているのか、教えていただきたいと思います。
【水野専門官】
ここに書いてあります内容については、説明が不足しておりました。幼稚部教育要領の9ページにおきましては、「以上のほか、次の事項に留意すること。」ということで、盲・聾・知・肢・病の中で、それぞれ幼稚部においては一般的な配慮事項のほかに特に留意する事項として、それぞれ障害の特性に応じた配慮事項を示してあります。同様に、小・中学部、あるいは高等部におきましては、例えば、学習指導要領の小・中の11ページのところになりますが、各教科の指導に当たっての配慮事項ということで、学校ごとにそれぞれ配慮する事項が書いてあります。ここにつきましては、それぞれ障害の特性や、それから現行学習指導要領は平成11年に告示しておりますので、その後の児童生徒を取り巻く社会の状況の変化といったものを踏まえまして、この配慮すべき事項について、障害種ごとに必要な見直しを行うということを明記させていただいたものでございます。
【大南主査】
よろしいでしょうか。では高山委員。
【高山委員】
資料16の5ページ、ICFのところなんですけれども、ICFという文言は盛り込まないかもしれない、それで理念は盛り込むというお話だったように思ったんですけれども、私は是非ICFという文言を入れていただきたいと思うんです。
第1の理由は、今はインターネットで検索しますので、キーワードがあるということが、さらに深い情報を学校の先生たちが入手できることになると思うんです。
それから、社会参加を目指すなどの内容は、現行学習指導要領にも記載されていることであって、その差別化がなかったら改訂の意味があるのだろうかという思いがあり、一応WTOが出しているものでありますので、是非ICFを入れていただきたいと思っております。
それは今、専門官がおっしゃったことと非常に関連があり、生徒を取り巻く社会の状況の変化ということですけれども、私はその社会の変化の中で一番大きいのは、第一次産業と第二次産業が日本で少なくなっているということだと思います。第三次産業が多くなっているということは、サービス業ですので、社会性が必要になってくるわけですよね。そうなった時に、社会参加ということは、自立のための重要なキーワードになると思います。ICFでは、参加というところを中心に支援を考えていくという理念がメインに出ていますので、そういう意味でも社会の構造が変わっていますので、今こそICFという文言を入れた方が明確になるかなと思います。
【大南主査】
学習指導要領そのものに書くか、あるいは解説の中で今のようなところに触れていくか、少し検討しなければならないなと思います。
申し訳ありませんが、時間の都合で最後のところをご説明いただいて、そことの関連も含めて、まだご意見を出していただいていない皆様方からは、時間の限りお受けしたいと思います。では、お願いします。
【水野専門官】
それでは、資料16の5ページの2番目、3番目、4番目につきまして、まとめてご説明をさせていただきたいと思います。
2は「幼稚園、小学校、中学校、高等学校等における特別支援教育に係る教育課程の改善」についてまとめたものでございます。そのうち、(1)が小・中学校の特別支援学級及び通級による指導についてということで、小・中学校の特別支援学級、それから通級による指導につきましては、これもこの専門部会でご指摘がございましたように、小・中学校における教育の一形態であることを、すべての教職員に十分認識していただいて、その指導が学校全体で行われるようにするため、次のような改善を図るということで、4点ほどお示しさせていただいております。
1点目は、特別支援学級、通級による指導につきましては、特別な教育課程の編成をするということができることになっておりますが、その際には特別支援学校学習指導要領に定める事項を取り入れた教育課程を編成することができることを明確にすることが1点でございます。
2点目は、学校内の支援体制を整備することとあわせまして、学校全体で取り組むこととするということです。
それから3点目でございますが、個々の児童生徒の実態を的確に把握し、それに応じたきめ細かな指導を行うため、個別の指導計画の作成に努めることということでございます。これは先ほど申し上げました特別支援学校におきましては、個別の指導計画を作成することということで、すべての子どもについて作成しなければならないという規定になります。
他方、特別支援学級、それから通級による指導、これは通級指導教室における指導ということなんですが、義務付けまではなかなか難しいとは思いますが、少し強めた形で個別の指導計画の作成に努めることという形で示したらどうかということでございます。
その下の丸は、個別の教育支援計画の策定ですが、家庭や関係機関などとの連携を図り、必要に応じて個別の教育支援計画を策定するということでございます。特別支援学級、通級による指導につきましては、個別の指導計画につきましては作成に努めるということなんですが、個別の教育支援計画につきましては、特別支援学校では策定するという形にしたらどうかということでございますが、小・中学校におきましては、個別の教育支援計画の策定というのが進んでいるところもあるんですが、どちらかといえば、まだまだ策定が進んでいない状況も見られまして、他方、個別の教育支援計画自体は策定を進めていく必要があるんではないかと思われるところもあります。そこで、策定に努めるというところまでは行かないんですが、やはり必要に応じて個別の教育支援計画を策定することという形で示したらどうかということでございます。
その下が通常の学級における指導の充実についてということで、こちらは幼稚園から高等学校の通常の学級における指導の充実に関する内容でございます。これにつきましては、先ほどの課題のところで申し上げましたように、1つは、小・中学校の通常の学級における大きな課題といたしまして、LD、ADHD等の児童生徒が約6%の割合で存在する可能性が示されているということから、これらの児童生徒の障害などを十分に理解し、各教科等において適切な指導を行う必要があるわけでございます。
そうしたことも踏まえまして、これは小・中学校だけではなくて、幼稚園、高等学校等も含めて、障害のある幼児児童生徒に対する理解と適切な指導を充実するために、次のような改善を図ったらどうかということで、3点ほど示させていただいております。
1つ目は、通常の学級に在籍する障害のある子どもに対しまして、必要に応じて個別の指導計画の作成や個別の教育支援計画の策定を行うこと、また、特別支援学校や特別支援学級における指導方法を参考とした指導を行うようにすることなど、個々の障害に応じて必要な配慮が適切に行われるようにすることを明確にすること。
2つ目は、幼稚園に関してなんですが、早期からの適正な指導を実施することは、その後の教育を進めていく上で大きな効果が期待できることから、幼稚園段階における障害の状態に応じた指導の充実方策について、さらに検討するということ。
3つ目は、高校段階なんですが、後期中等教育段階におきまして、障害のある生徒に対する適切な教育や必要な支援を行うことは重要な課題であることから、高等学校における障害の状態に応じた指導の充実方策についてさらに検討することでございます。
(3)センター的機能の活用ということで、先ほど、特別支援学校に対するセンター的機能の位置付けということでの提案をさせていただきましたが、特別支援学校が地域の特別支援教育のセンターとしての機能を生かして、小・中学校等に対して支援を行うことは、子どものニーズに応じた教育を進めていく上で大きな効果が期待されるわけでございます。そのために、幼稚園、小学校、中学校、高等学校等におきましても、その特別支援学校のセンター的機能を活用して、適切な指導及び必要な支援を行うための校内支援体制の整備に努めるということでございます。
それから、6ページの3番目のところでは、交流及び共同学習についてということで、障害のある子どもと障害のない子どもとの交流及び共同学習につきましては、それぞれの子どもたちの教育的ニーズに対応した内容や方法を十分検討して、早期から組織的、計画的、継続的に実施するように努めるということ。また、障害のない子どもたちが、障害のある子どもたちについての理解と認識を深めることが重要であることから、理解・認識を深めるための指導を充実することでございます。
そして4点目でございますが、教育課程の改善の関連事項といたしまして、教員の専門性の向上ということで、1つは特別支援教育担当教員の専門性の向上として、特別支援学校教諭免許状の取得の促進、あるいは国、都道府県等における研修や、学校内での研修の充実といった施策の一層の推進ということ。また、すべての教員に特別支援教育に対する理解と一定程度の専門性を定着させるために、教員養成段階における特別支援教育に関する内容の充実を図ることなどの施策を推進するという点でございます。
以上が2、3、4についてでございます。よろしくお願いいたします。
【大南主査】
それでは、時間の許す範囲で是非ご意見をいただきたいと思います。
原委員、どうぞ。
【原委員】
資料16の5ページのところなんですが、3点お願いしたいと思います。
まず、小・中学校の特別支援学級及び通級の部分、あるいは次の(2)通常の学級にも入るのかもしれませんが、今、進路指導の重要性がありまして、安易な特別支援学校高等部への進学とか、あるいはその後の進学、進路というものが多様な部分があるものですから、特別支援学校の項にある進路指導、あるいは職業教育の充実というような記述を入れていただけないかということが1つ目です。
それから、(1)の一番下の丸なんですが、連携を図って必要に応じて個別の教育支援計画を策定するということでありますが、この連携を図るためには、そもそも計画が必要でして、その計画を柱にして連携を図ることが大事であると考えれば、これは逆にしていただいて、個別の教育支援計画を必要に応じて策定するとともに、その計画に基づいて連携を図るという表現にしていただくと、その計画の必要性と、さらにその策定をする必要性が高まるのではないかと考えることが2つ目です。
3つ目は、(1)のところには、学校内の支援体制を整備するとありますが、これは当然、(2)のところにも必要になることだと思っています。校内体制の整備をした上で次のような改善を図るといったところも入れていただきたいと思っております。
【大南主査】
ありがとうございました。今の点は、今後、検討の中に加えておく必要があると思います。他にいかがでしょう。では、宮﨑委員、どうぞ。
【宮﨑委員】
まず1点目は、自立活動の新しい区分についてです。この件に関しましては、私もこの部会で是非区分の検討をしていただきたいとお願いして、方向性として大変整理されてきていると思うんですが、新たに盛り込むことが考えられる主な内容の案の中の一番下の「感覚や認知の特性への対応」を、「環境の把握」の区分の中で読んで、ここで指導をしようという案で出されているのだろうと理解しています。この新たに盛り込む内容の、特に「感覚の過敏等への対応」は、自閉症スペクトラム群では大変難しい問題なんです。従来の環境の把握のところで、読んでいきましょうということだとすると、このあたりについて、相当整理しなければいけないと思いますので、この点について、作業部会でどのようなことが検討されたかというあたりをお聞かせいただきたいということと、これについてはもう少し検討をしていただけるとありがたいというのが1点目です。
2点目は、先ほど、4ページの個別の指導計画と個別の教育支援計画について、特に特別支援学校についてはここをきちっと整理するというお考えが示されました。この点に関しては、是非この方向で進めていただきたいと思いますし、実はここの部分が今回の大きな目玉になるということで、これは言わずもがなのところもあるかもしれませんが、本当に賛意を表したいと思っていまして、この点は是非お願いしたいと思っています。
これと関連しまして、今、原委員からお話があったことと関係するんですが、5ページの2の(1)個別の指導計画と個別の教育支援計画の幼稚園、小学校、中学校、高等学校等にかかわる問題で、おそらく特別支援学校のセンター的機能等を考えた時に、個別の支援をする、あるいは特別支援学校が小・中学校を支援する、あるいは関係機関が支援をするとなった時のツールとして、個別の指導計画や個別の教育支援計画というのは重要な柱になると思うんです。
ですから、この点は必要に応じてというよりは、特別なニーズを持つお子さんについては、個別の教育支援計画なり、あるいは個別の指導計画を作成するという方向で進んでおりますので、ここでまだ現状がこうだからということではなくて、支援するという考え方からすると、この部分が非常に重要になるということと、センター的機能等で、特別支援学校等で計画の作成についても支援するということを勘案すると、できたら位置付けをするという方向性で進める方がいいのではないかと思っています。
もう1点は、知的障害特別支援学校高等部の教科について、「福祉」を新設するという視点は大変よろしいかと思うんですが、実は卒業生の中で介護サービスに当たるという選択をする生徒もかなり出ているんですが、同時に小さい子どもたちへの支援というんでしょうか、例えば保育園とか幼稚園で、様々に就労をしていっているというようなところが結構出ているんです。
ですから、そういう意味で家事援助とか介護技術という中身で具体的に出てきているんですが、保育とか、そういった中身が何らかの形で盛り込まれるといいのかなと思います。将来的に、乳幼児から高齢者までと考えた時に、彼らの持っている力が活用できるのではないかと思われるものですから、この中に、どんな形か分からないんですが、何か検討されるといいなということを思いました。
【大南主査】
それでは先ほどの自立活動のところ、お願いします。
【下山調査官】
「感覚の過敏」の中身を「環境の把握」に位置付けることについて、作業部会での意見ということでしたけれども、このことを、この環境の把握のところに位置付けるということについては、それほど大きな反対はなかったんです。と申しますのは、この環境の把握というのは、情報を感覚器官から入力して、中枢で処理する過程のあたりをとらえているところですが、感覚の過敏性も、そういう情報入手の過程で出てくる1つの困難さというとらえ方もできるだろうからということで、この環境の把握のところに位置付けることについては異論はなかったように思います。
名称は、当初、いろいろな案はありましたけれども、ここの感覚と、最終的には感覚や認知の特性という中でとらえていきましょうというところで落ち着いたところでございますが、何か先生、もしご助言があればお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
【大南主査】
では他にいかがでしょうか。まず酒井委員、次に箕輪委員、高山委員、大塚委員、佐藤委員。
【酒井委員】
障害のある子どもや特別支援教育についての世の中の理解がかなり深まったとは思いますが、それでもやはり、無理解とか誤解とか偏見といったことに出くわすことが、現場にいて結構ございます。そういった意味から言いますと、資料16の6ページの「4」の後ろに、保護者や社会の方々の理解や協力を促すこととか、啓発を行うとか、そういったことが改善案として必要なのではないかと1つ提案させていただきたいと思います。
それから、この前に教員の専門性の向上についてというのが入りました。ここは、現状、課題、改善の方向、そして改善例となっていますので、その前の項目と、1、2、3の四角で囲んだ部分と整合性があった方がよろしいのではないかと思いますので、4番、あるいは入れていただけるなら、今、提案した、保護者や社会への働きかけについても、前の方に入れていただけるとよろしいのではないかと提案させていただきます。
【大南主査】
では箕輪委員、お願いします。
【箕輪委員】
2つあります。宮﨑委員や原委員と重なるんですけれども、1つは5ページの2番の(1)の一番最後の、個別の教育支援計画のところなんですが、計画をつくるというところは、専門性のある先生が不足しているからこそ、私も必須というか、個別の教育支援計画策定の中で家庭や関係機関との連携の必要性を感じて、計画を立てていただきたいと思っているんです。
実際に今、特別支援学校の先生方とお話ししていて、時々聞かれるんですが、とりあえず家族の方は一般の地域の小・中学校、高校に入れて通わせているけれども、途中でどうしても難しくなって特別支援学校に転入する時に、情報があまりにもなさ過ぎて、1人だけ支援が遅れてしまうということを最近よく耳にするものです。そういった意味では、やはり同じように、個別の支援が必要な方については、きちんと記録とか、どういったふうにやっていったというのが一般の学校の中でもつくられていくことを、本当に支援をしていこうと思う先生は、かなり強く望んでいらっしゃるというのをお伝えさせていただきたいということです。
また、資料18で、社会の変化に対応する中で、普通教科に関するところなんですけれども、「情報」は選択科目ではなくて必履修科目の方にまだ入ってこないのかなと思います。これは職業的なものだけではなくて、生活をする上で情報を活用できる、パソコンとかインターネットといったものを使っていくことによって、生活も仕事も豊かになってきますし、小学校、中学校では、当たり前のように授業の中で生徒が使うというところがありますので、「情報」が選択科目のままとなると、情報機器を使用するための学習のチャンスを逃す人もかなり多いのではないかと思います。都会でなくて、例えば地域の資源が、いろいろなものが少ないところだからこそ、全国の自分たちの地域にない資源を活用するためにも、ルールとか技術とか情報収集、活用の仕方、犯罪のところも含めて、必修で勉強できないものかと思います。
もう1つ、専門教育の部分は、職業の作業学習という位置付けということでよかったでしょうか。就職をより意識した部分の教科であるならば、いろいろな科目を入れていただくのはいいんですが、こういうふうに掲げますと、先生方はまじめなので、このまま、あまり地域性ということを関係なく、ここに挙げられた言葉だけをもって設定してしまう学校が多く出てくると思います。今、全国の学校の職業など専門の科目を見ていると、共通の部分がすごく多くて、地域性があまり反映されていないところも多いと思います。今回、こういった項目はもちろん、地域の事情に合ったものを入れていただくのとあわせて、場合によっては、さらに、各地域でこれは絶対に入れたい、例えば、海の方であれば漁業なのかもしれませんし、それぞれの事情が違うはずですので、より地域社会に近しい専門的な教育を入れていただくようにしていくことで、もう少し社会に近くなると思います。
関連して、地域の人材をもう少し直接的に活用できるように、今、アイデアとかアドバイスという意味では、地域の人々、それから地域の労働関係の方たちの意見をもらっていると思うんですが、直接教育とか指導にかかわっていただけるような、そういった考えというのを明確に持っていただけると、先生の専門性とあわせて、生徒の教育が一層充実するのではないかと思います。
【大南主査】
では高山委員、どうぞ。
【高山委員】
先ほどの宮﨑委員のお話の、資料17の自立活動のところについてなんですけれども、認知の特性のところで、それが環境の把握ということなんだろうかということなんですが、感覚過敏というのは、いろいろありまして、確かに光とか音とか、そういう単純に物理的なものの感覚過敏というのもあるんですけれども、認知の偏りから来て、自尊心を傷つけられたように言われたみたいな、そういう対人関係のところから来るゆがみなどもあって、それは結構、コミュニケーションのところとか、対人関係のところなどとすごくかかわってくると思うんです。
そういうものが自閉症、特に高機能自閉症とかADHDなどがかかわってきますので、単純に環境の把握というところではないような気がするんです。そこでポイントになってくるのは、ストレスをどうマネジメントするかということにくくられてくるかと思うんです。
例えば、「非言語が理解できないからだめじゃないの、そんなことやって」などと、わりとやわらかいニュアンスで言っても、それを批判的に受け取ってしまうとか、そういう言葉がストレスになるとか、そのようなトラブルが実は非常に多くあります。そこで、もう少しそこのところの含みを入れたものというか、単純に物理的な感覚過敏ではないものが含まれてきますので、そのマネジメントをどうするかということが自立に非常に重要になってきます。社会に出て社会参加をする時には、そのストレスマネジメント、人から言われたことをどう受け取り、どうクールダウンするかということが重要になってくると思うので、ここはもう少し深めていただけたらありがたいと思います。
【大南主査】
大塚委員、どうぞ。
【大塚委員】
通常学級における指導の充実について、3点お願いします。
まず1点目は、個別の指導計画と個別の教育支援計画なんですが、小・中学校を回っていますと、個別の指導計画と個別の教育支援計画を混同している学校が結構あります。以前、文部科学省でLD、ADHD等のガイドラインをつくっていただきましたが、その中で出ているのは個別の指導計画なんです。通常学級の場合は、特別支援学校の個別の教育支援計画とはまた違う形になると思います。特別支援学校の個別の教育支援計画についての解説書はいろいろ出ていますが、それをそのまま通常学級に適用するのはなかなか難しいところがありますので、是非個別の指導計画、個別の教育支援計画についての解説をどこかでやっていただければと思います。
それから2点目は、個別の指導計画、個別の教育支援計画についてですが、小・中学校でよく言われるのは、個別の教育支援計画については、家庭との連携を図るということを強調されています。そうしますと、学校の方では保護者が理解がない場合はつくれないのかという質問をよくされるんです。これも特別支援学校の場合は、うちの子に個別の指導計画をつくらなくていいという保護者はまずいないと思うんですけれども、通常学級の場合は、うちの子はそうではないということで、先生方が困っている子どもがいるわけです。そうした場合、個別の指導計画をつくっていいものなのか、つくってはいけないものなのかというところで悩んでいる学校は多々ありますので、それについてもきちっと明確な指針を出していただきたいと思います。特に個別の教育支援計画については、個人情報の扱いが難しく、連携しろといってもその点で二の足を踏んでいるということがありますので、その点もきちんと指針をつくってお示しいただけると、現場の方は非常にやりやすいと思います。
3点目は、通常学級に在籍していて、通級による指導を受けられる児童は非常に限られており、利用できない児童はかなりおります。そうした中、担任が授業の中の配慮だけでなかなかうまくいかない子どもは非常に多くおります。加えて、就学指導上の問題を抱えている子どもがおります。例えば、本来は知的障害の特別支援学級という就学の方が望ましいのではないかと思われますが、保護者の意向で通常学級にいる、そういった子どもがいて、なかなか通常の学級の中の配慮だけでは難しい。そういった場合は、そういった子どもを取り出して指導しているという学校があります。これについても、本来は適切な場合と、やはり教育課程上適切ではない取り出しの仕方があります。そこのところも十分分かっていなくて混乱している学校もありますので、そういった対応の仕方で、どのようなものが望ましいかというのも、解説などでお示しいただければありがたいと思います。
【大南主査】
では佐藤委員、どうぞ。
【佐藤委員】
2点です。ずっと私は高等学校の立場から発言させていただいたんですけれども、まず1点目は、資料16の5ページの2の(2)の一番最後の丸ですが、後期中等教育段階の最後のくだりで、「高等学校における障害の状態に応じた指導の充実方策について、更に検討する。」ということで、資料19にあります検討素案の段階から若干後退しているなという印象を受けるわけです。
資料19では、高等学校における障害の状態に応じた指導の充実方策について、制度面を含めてさらに検討するという、「制度面」というのがあったかと思うんですが、この辺については是非復活していただきたいと思います。今回の改訂の中で、高等学校に通級による指導を導入することは難しいだろうということは思いつつも、やはり次期につながるような書き方をしていただきたいと思います。高等学校で通級による指導を制度化しますと、特別な教育課程を編成することができる、特別な教育課程を編成するということは、自立活動を設定することができる。そうすると、高等学校でも個別の指導計画が可能になる。さらに、今回の通級による指導の制度の改正、小・中学校では、年10回程度でもできる。そして、通級の対象もADHD等、広がってきているということから考えると、高等学校の現状からすると、通級による指導を導入することも1つの方策ではないかなというのが1点目です。
2点目は、6ページの最後の4の教員の専門性の向上の最後の丸なんですけれども、ここは全くそうなんですが、私も教員養成系の大学に入ったんですが、義務教育、小学校、中学校の教員の養成の特別支援教育についてはかなり手厚く、内容も豊富に、実践的な指導力を備えた教員を養成していると思うんですが、高等学校の教員については、特別支援教育の体系的・系統的な指導というのは、ある意味ではほとんどなされていないのではないかと思います。特に教育学部、あるいは教員養成課程を修了する学生は、多くは義務教育の教員になり、例えば、文学部とか人文学部とか理学部とか理工学部というところから卒業した学生が高等学校の教員になる。そうすると、特別支援教育の意味すら分からないのが実態ではないのかなということからすると、ここで是非とも、高等学校において本気で特別支援教育を実施するとすれば、教員養成の段階でそういうことをしっかりと入れていくことをお願いしたい。
例えば、今、教員養成部会では、学びの軌跡の集大成でしたでしょうか、教職演習の中に、やはり高等学校の教員を目指す者もこういうことをきちっと学ぶんだということを是非とも強調していただきたいというのがお願いです。
【大南主査】
前半の部分については、制度化について、ここで話すのは時間の制約もありますので、この会とは別に、高等学校の特別支援教育の推進について検討する会を今後、是非ご検討いただくという形で、佐藤委員の意見を残しておきたいと思うんです。どうもありがとうございます。
【安藤委員】
今、佐藤先生のお話の関係で、専門性の向上については、教員免許更新制の問題が今、中央教育審議会で論じられていますよね。私も大学の説明会に出て、私の考えなりを教職員課の方にお話ししたんです。つまり、特別支援教育の免許についてはきちっとやるべきだろうということです。
養成段階で今のようなことを担保することは、もちろん重要だと思うんですけれども、更新制の中でこれをどう位置付けていくかという問題もあろうと思うんです。つまり、免許を持たない人であっても、何らかの形で、30時間の中で特別支援教育について学んでいくということも私は必要だと思うんです。そういったことで、特別支援教育課の方で、教職員課の方との関係の中からどんなふうに今、やり取りがなされているのか、是非私もお教えいただければと思うんです。
【大南主査】
ありがとうございました。それではまだご意見がたくさんあろうかと思いますけれども、時間が過ぎてしまいましたので、ご意見のある方は、まだ言い足りない方も含めて、まとめた形で事務局あてにお送りいただければと思います。
なお、この後、教育課程部会に特別支援教育の専門部会としての報告をしなければいけませんので、今日のご意見と、後でいただきますご意見等をあわせて事務局で整理していただいて、報告いたしたいと思います。
その後については、またこの部会で検討することができると思いますので、今日は少し消化不良といいますか、説明の部分がどうしても多くならざるを得ない会だったものですから、委員の皆様方には申し訳ない時間でしたけれども、ご了解いただければと思います。
では、今後の日程等について、事務局からお願いいたします。
【水野専門官】
本日は短時間の間にたくさんの説明をさせていただきまして、説明の時間が長くなりまして、その分、ご意見をいただく時間が短くなって、大変申しわけございませんでした。また、活発なご審議をいただきまして大変ありがとうございました。
ただいま主査からお話がございましたように、本日の審議、それからこの後いただいたご意見等を踏まえまして、特別支援教育専門部会の報告を整理させていただいた上で、教育課程部会への報告を予定させていただいております。
最近、教育課程部会がほとんど毎週行われているような状況でございまして、大変短時間で恐縮なんですが、13日の木曜日、あと2日しかないんですが、それまでにファクシミリ、もしくはメールでご意見等をいただければ幸いでございます。
後日いただくご意見、本日いただいたご意見を整理し、また主査と相談させていただいた上で、教育課程部会に報告させていただくという形で進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、報告に当たりまして、まとまりました資料につきましては、事務局の方から送らせていただきたいと思いますので、ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。
【大南主査】
では、井上委員から一言お願いします。
【井上委員】
ありがとうございます。教育課程部会と小学校部会に所属しておりまして、今のお話のように、連日、教育課程部会等が開かれておりまして、特別支援教育について、教育課程部会でも幼稚園から始まって、小・中・高等学校等を通じていろいろ意見が出てきているわけです。そういう点で、本専門部会でのご議論というのを十分理解しておいて、また、大南主査から教育課程部会に報告される時にサポートさせていただこうと思って、今日まいった次第でございます。
この4月に特殊教育から特別支援教育に変わったわけでございますので、そういう意味で、先ほど酒井委員もおっしゃったように、まだ特別支援教育に対して教育関係者でも、国民全体についてもまだまだ十分理解されていないところがあるわけで、現在の学習指導要領も、盲学校、聾学校及び養護学校の教育要領、学習指導要領となっているわけです。今回の改訂で、本格的に特別支援学校としての学習指導要領になるわけで、それだけに、この専門部会のご意見、報告というのは、私は非常に重要な役割を持っていると思いますので、今後、皆様方のさらなるご審議を是非お願いし、また、期待を申し上げたいと思うわけでございます。
【大南主査】
どうもありがとうございました。それでは、以上をもちまして本日の審議を終了いたしたいと思います。時間が多少超過しましたことをおわび申し上げます。どうもありがとうございました。
(以上)
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